JP6781219B2 - 立形直列多気筒エンジン - Google Patents

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Description

本発明は、立形直列多気筒エンジンに関し、詳しくは、複数のシリンダバレル相互間の温度分布が均一な状態に近づく立形直列多気筒エンジンに関する。
従来、立形直列多気筒エンジンは、複数のシリンダバレルの周囲にエンジン冷却水を通過させるシリンダジャケットを備えている。(例えば、特許文献1参照)。
この種のエンジンによれば、各シリンダバレルをエンジン冷却水で強力に冷却することができる利点がある。
特許文献1のものでは、シリンダジャケットのジャケット入口が前端シリンダバレルの真横に配置されている。
特開2008−95645号公報(図1,図2参照)
《問題点》 複数のシリンダバレル相互間の温度分布が不均一な状態になりやすい。
特許文献1のエンジンでは、ジャケット入口から前後端シリンダバレルまでの距離差が大きく、前端シリンダバレルの過冷却と後端シリンダバレルの冷却不足が起こり易く、複数のシリンダバレル相互の温度分布が不均一な状態になりやすい。
本発明の課題は、複数のシリンダバレル相互間の温度分布を均一な状態に近づく立形直列多気筒エンジンを提供することにある。
請求項1に係る発明の発明特定事項は、次の通りである。
図1に例示するように、複数のシリンダバレルを設けたシリンダブロック(5)を備え、
クランク軸中心軸線(8b)の伸びる方向を前後方向、フライホイール(10a)側を後側として、複数のシリンダバレルは、前端バレル(B1)と、後端バレル(B4)と、これらの間に位置する中間バレル(B2)(B3)を備え、全中間バレル(B2)(B3)の真横に位置し、全中間バレル(B2)(B3)の最前端から最後端までの前後長と同じ前後長を有する全中間バレル横領域(E23)を想定し、
図1に例示するように、シリンダブロック(5)は、オイルポンプから供給されるエンジンオイル(4a)を導入するオイル入口(25b)と、このオイル入口(25b)から導入したエンジンオイル(4a)を前後方向に分流させるオイルデリバリ通路(25)と、オイルデリバリ通路(25)で前後方向に分流させたエンジンオイル(4a)を各ピストン(26)に臨むオイルジェットノズル(25a)に分流させる複数の分流油出口を備え、
オイルデリバリ通路(25)は、前後方向に向けられ、複数の分流油出口は、オイルデリバリ通路(25)の前側と後側にそれぞれ位置する前分流油出口(h1)と、後分流油出口(h4)と、前分流油出口(h1)と後分流油出口(h4)の間に位置する中間分流油出口(h2)(h3)を備え、
図1に例示するように、シリンダ中心軸線(CC)と平行な向きに見て、オイル入口(25b)は、前記全中間バレル横領域(E23)と重なる位置に配置され、
更に、シリンダブロック(5)はオイルデリバリ通路(25)のある側にオイルギャラリ(24)を備え、
エンジンの横一側を吸気側、横他側を排気側として、オイルデリバリ通路(25)とオイルギャラリ(24)は、相互に隣り合う位置でシリンダブロック(5)の吸気側に配置され、
シリンダブロック(5)は、複数のシリンダバレルの周囲にエンジン冷却水(2)を通過させるシリンダ側水ジャケット(3)を備え、シリンダ側水ジャケット(3)は、ラジエータから供給されるエンジン冷却水(2)を導入するジャケット入口(3a)を備え、
ラジエータとジャケット入口(3a)の間に中継水路(18)を備え、
中継水路(18)を介してラジエータからのエンジン冷却水(2)の全量がジャケット入口(3a)に供給されるように構成され、
中継水路(18)は、シリンダブロック(5)の吸気側に設けられている、ことを特徴とする立形直列多気筒エンジン。
請求項1に係る発明は、次の効果を奏する。
《効果》複数のシリンダバレル相互間の温度分布が均一な状態に近づく。
オイル入口(25b)から各オイル分流口までの距離差が小さくなり、各ピストン(26)の冷却の過不足が起こり難く、複数のシリンダバレル相互間の温度分布が均一な状態に近づく。
《効果》オイルデリバリ通路(25)のある側にオイルギャラリ(24)が設けられるため、これらへのオイル供給が容易になる。
《効果》ラジエータから供給される多量のエンジン冷却水(2)でシリンダバレルの冷却効率が高まる。
本発明の実施形態に係るエンジンのシリンダブロックの横断平面図である。 図1のII−II線断面の左半図である。 図1のIII−III線断面図である。 図1のシリンダブロックの正面図である。 図5(A)は図4のVA−VA線断面図、図5(B)は図4のVB−VB線断面図である。 本発明の実施形態に係るエンジンの要部縦断正面図である。 本発明の実施形態に係るエンジンの側面図である。 図6のエンジンの平面図である。
図1〜図8は本発明の実施形態に係る水冷エンジンを説明する図で、この実施形態では、水冷のコモンレール式直列4気筒ディーゼルエンジンについて説明する。
このエンジンの概要は、次の通りである。
図6〜図8に示すように、このエンジンは、シリンダブロック(5)と、シリンダブロック(5)の上部に組み付けられたシリンダヘッド(6)と、シリンダヘッド(6)の上部に組み付けられたシリンダヘッドカバー(7)と、シリンダブロック(5)の下部に組み付けられたオイルパン(4)と、クランク軸(図外)の架設方向を前後方向として、図7に示すように、シリンダブロック(5)の前部に配置されたベルト伝動機構(9)と、シリンダブロック(5)の後部に配置されたフライホイールハウジング(10)と、前後方向と直交するエンジンの幅方向を横方向として、図8に示すように、シリンダヘッド(6)の横一側に設けられた吸気マニホルド(11)と、シリンダヘッド(6)の横他側に設けられた排気マニホルド(12)を備えている。
このエンジンは、燃料噴射装置と防振装置と水冷装置と潤滑装置と油冷装置を備えている。
燃料噴射装置は、コモンレール式のもので、図7に示すように、燃料サプライポンプ(13)と、コモンレール(14)と、燃料インジェクタ(15)を備え、燃焼室に燃料を噴射する。
防振装置は、回転バランサ(図外)を備え、エンジンの二次振動を相殺し、エンジンの振動を低減する。
水冷装置は、ラジエータ(図示せず)と、図6に示すように、シリンダブロック(5)の吸気側に設けられた水入口室(16)と、図7に示すように、水入口室(16)の前部に設けられた水ポンプ(17)と、図6に示すように、水ポンプ(17)の後で水入口室(16)の下部に設けられた中継水路(18)と、図1に示すように、シリンダブロック(5)内に設けられたシリンダ側水ジャケット(3)と、シリンダヘッド(6)内に設けられたヘッド側水ジャケット(図外)を備えている。
水冷装置は、水ポンプ(17)のポンプ圧で、ラジエータで放熱されたエンジン冷却水を、水入口室(16)、水ポンプ(17)、中継水路(18)、シリンダ側水ジャケット(3)、ヘッド側水ジャケット、ラジエータの順に循環させ、エンジンを水冷する。
潤滑装置は、シリンダブロック(5)の後部に内蔵されたオイルポンプ(図外)と、図6に示すように、中継水路(18)に収容されたオイルクーラ(21)と、補機取付ベース(22)にオイルクーラ(21)と共に取り付けられたオイルフィルタ(23)と、シリンダブロック(5)の吸気側の肉壁内に設けられたオイルギャラリ(24)を備え、オイルポンプのポンプ圧で、オイルパン(4)内のエンジンオイル(4a)を、オイルポンプ、オイルクーラ(21)、オイルフィルタ(23)、オイルギャラリ(24)、クランク軸の軸受け(図外)等のエンジン摺動部、オイルパン(4)の順に循環させ、エンジンの摺動部を強制潤滑する。
油冷装置は、図6に示すように、シリンダブロック(5)の吸気側の肉壁内にオイルギャラリ(24)と平行に設けられたオイルデリバリ通路(25)と、ピストン(26)の下方に設けられたオイルジェットノズル(25a)と、ピストン(26)に内設されたクーリングチャンネル(26a)を備え、潤滑装置のオイルクーラ(21)とオイルフィルタ(23)を順に通過したエンジンオイル(4a)の一部を補機取付ベース(22)内でオイルデリバリ通路(25)に分流させさせ、オイルジェットノズル(25a)からクーリングチャンネル(26a)内に向けて噴射させ、ピストン(26)を油冷する。
このエンジンは、図1に示すように、複数のシリンダバレルの周囲にエンジン冷却水(2)を通過させるシリンダ側水ジャケット(3)を設けたシリンダブロック(5)を備えている。
シリンダブロック(5)の構成は、次の通りである。
クランク軸中心軸線(8b)の伸びる方向を前後方向、フライホイール(10a)側を後側として、複数のシリンダバレルは、前端バレル(B1)と、後端バレル(B4)と、これらの間に位置する中間バレル(B2)(B3)を備えている。
シリンダ側水ジャケット(3)は、ラジエータから供給されるエンジン冷却水(2)を導入するジャケット入口(3a)と、ジャケット入口(3a)から導入されたエンジン冷却水(2)を前後方向に分流させる分流水路(3b)と、前後方向に分流されたエンジン冷却水(2)を各シリンダバレルに向けて分流させる複数の分流出口と、各分流出口から導入されたエンジン冷却水(2)に各シリンダバレルの熱を放熱させる放熱水路(3c)を備えている。
複数の分流出口は、前端バレル(B1)への前分流出口(b1)と、後端バレル(B4)への後分流出口(b4)と、前端バレル(B1)と後端バレル(B4)の間に位置する中間バレル(B2)(B3)への中間分流出口(b2)(b3)を備えている。
全中間バレル(B2)(B3)の横に位置し、全中間バレル(B2)(B3)の最前端から最後端までの前後長と同じ前後長を有する全中間バレル横領域(E23)を想定し、この全中間バレル横領域(E23)内にジャケット入口(3a)が納まるように配置されている。
すなわち、ジャケット入口(3a)は、全中間バレル横領域(E23)から前後にはみ出さないように配置されている。
更に、シリンダブロック(5)はオイルデリバリ通路(25)のある側にオイルギャラリ(24)を備えている。
このため、この実施形態では、エンジン冷却水(2)が全中間バレル横領域(E23)内のジャケット入口(3a)からシリンダ側水ジャケット(3)に導入され、ジャケット入口(3a)から各シリンダバレルまでの距離差が小さくなり、各シリンダバレルの冷却の過不足が起こり難く、複数のシリンダバレル相互間の温度分布が均一に近づく。
また、オイルデリバリ通路(25)のある側にオイルギャラリ(24)が設けられるため、これらへのオイル供給が容易になる。
エンジンの横一側を吸気側、横他側を排気側として、オイルデリバリ通路(25)とオイルギャラリ(24)は、相互に隣り合う位置でシリンダブロック(5)の吸気側に配置されている。
また、ジャケット入口(3a)と分流水路(3b)と各分流出口(b1)(b2)(b3)(b4)は、いずれもシリンダブロック(5)の吸気側に配置されている。
図1に示すように、前端バレル(B1)の真横に位置し、前端バレル(B1)と同じ前後長を有する前端バレル横領域(E1)を想定し、この前端バレル横領域(E1)内に前分流出口(b1)が納まるように配置され、後端バレル(B4)の真横に位置し、後端バレル(B4)と同じ前後長を有する後端バレル横領域(E4)を想定し、この後端バレル横領域(E4)内に後分流出口(b4)が納まるように配置され、中間バレル(B2)(B3)の真横に位置し、中間バレル(B2)(B3)と同じ前後長を有する中間バレル横領域(E2)(E3)を想定し、この中間バレル横領域(E2)(E3)内に中間分流出口(b2)(b3)が納まるように配置されている。
すなわち、各分流出口はそれぞれ対応するバレル横領域から前後にはみ出さないように配置されている
このため、この実施形態では、各分流出口と各シリンダバレルの相対位置が統一され、各シリンダバレルの冷却条件が均一な状態に近づく。
図1に示すように、このエンジンは、4気筒エンジンで、ジャケット入口(3a)は全中間バレル横領域(E23)の後寄りに配置され、前分流出口(b1)は前端バレル横領域(E1)の後寄りに配置され、後分流出口(b4)は後端バレル横領域(E4)の前寄りに配置され、一対の中間分流出口(b2)(b3)は、一対の中間バレル横領域(E2)(E3)の各後寄りに配置されている。
このため、この実施形態では、フライホイール(10a)によって放熱が妨げられ易い後側2気筒のシリンダバレルへの分流距離が短くなるとともに、放熱されやすい前側2気筒のシリンダバレルへの分流距離が長くなり、4気筒のシリンダバレル相互間の温度分布が均一に近づく。
図1に示すように、シリンダ側水ジャケット(3)は、分流水路(3b)と放熱水路(3c)を区画する一連の区画壁(3d)を備えている。
シリンダジャケット(3)は、分流水路(3b)と放熱水路(3c)を区画する一連の区画壁(3d)を備え、区画壁(3d)は、所定の中間バレル(B2)の真横に配置された所定のネジボス(3e)と所定の中間分流出口(b2)を備え、上記所定のネジボス(3e)は、上記所定の中間バレル(B2)の横凸湾曲部(C2)に向けて区画壁(3d)から突出すると共に、シリンダヘッド(6)をシリンダブロック(5)に締結するヘッドボルト(3h)にネジ嵌合されている。
分流水路(3b)と区画壁(3d)は、シリンダ側水ジャケット(3)の横側で、前後方向に沿って形成され、シリンダ側水ジャケット(3)のジャケット入口(3a)と上記所定の中間分流出口(b2)と上記所定のネジボス(3e)が、相互に前後方向に離間して配置され、上記所定のネジボス(3e)は、上記所定の中間分離出口(b2)よりもジャケット入口(3a)から前後方向に大きく離間した位置で、上記所定の中間分流出口(b2)から流入するエンジン冷却水の流れ方向下流側に配置されている。
区画壁(3d)は、一対の中間バレル(B2)(B3)の横凸湾曲部(C2)(C3)と、これら横凸湾曲部(C2)(C3)の間に位置する横凹入部(D23)の凹凸に合わせて曲げられ、区画壁(3d)の両端部と曲げの折り返し個所は、シリンダヘッド(6)をシリンダブロック(5)に締結するヘッドボルト(3h)とネジ嵌合するネジボス(3e)を備えている。
このため、この実施形態では、ネジボス(3e)で区画壁(3d)の剛性が高まり、区画壁(3d)が振動し難く、各シリンダバレルから横向きに放出される燃焼音やピストンスラップ音が区画壁(3d)で跳ね返され、シリンダブロック(5)横側に放出されるエンジン騒音が低減される。
図1に示すように、シリンダ側水ジャケット(3)は、隣り合うシリンダバレル間にエンジン冷却水(2)を通過させる横断水路(3f)を備え、この横断水路(3f)の水路入口(3g)に向けて区画壁(3d)から前記ネジボス(3e)が隆起している。
このため、この実施形態では、放熱水路(3c)に流入したエンジン冷却水(2)がネジボス(3e)の案内で横断水路(3f)に向けて誘導され、シリンダバレル間の冷却効率が高まる。
図1に示すように、中間バレル(B2)(B3)の横凸湾曲部(C2)(C3)に向けて区画壁(3d)から前記ネジボス(3e)が隆起している。
このため、この実施形態では、放熱水路(3c)に流入したエンジン冷却水(2)がネジボス(3e)の案内で中間バレル(B2)(B3)の横凸湾曲部(C2)(C3)に向けて誘導され、中間バレル(B2)(B3)の冷却効率が高まる。
図2に示すように、各分流出口の開口下縁(bu)は、その分流出口が臨むシリンダバレルの上下中心(BC)よりも高い位置に設けられている。
このため、この実施形態では、エンジン冷却水(2)が分流出口からシリンダバレルの上半部側に導入され、シリンダバレルの上半部側の冷却不足と下半部側の過冷却が回避され、各シリンダバレルの上下方向の温度分布が均一な状態に近づく。
図2に示すように、各分流出口の開口下縁(bu)は、その分流出口が臨むシリンダバレル内の上死点位置にあるピストン(26)の圧力リング(26b)の最下端(26c)よりも低く、このピストン(26)の最下端(26d)よりも高い位置に設けられている。
このため、この実施形態では、圧力リング(26b)からの高熱を受け易いシリンダバレルの上寄り部分の冷却不足と、ピストン(26)からの放熱を受け難いシリンダバレルの下寄り部の過冷却が回避され、各シリンダバレルの上下方向の温度分布が均一な状態に近づく。
圧力リング(26b)は上下に2個あり、下側の圧力リング(26b)の下端が最下端(26c)となる。
下側の圧力リング(26b)の下側にはオイルリング(27)が設けられ、各分流出口の開口下縁(bu)は、その分流出口が臨むシリンダバレル内の上死点位置にあるピストン(26)のオイルリング(27)の下端よりも低い位置に配置されている。
図1に示すように、シリンダブロック(5)は、オイルポンプから供給されるエンジンオイル(4a)を導入するオイル入口(25b)と、このオイル入口(25b)から導入したエンジンオイル(4a)を前後方向に分流させるオイルデリバリ通路(25)と、オイルデリバリ通路(25)で前後方向に分流させたエンジンオイル(4a)を各ピストン(26)に臨むオイルジェットノズル(25a)に分流させる複数の分流油出口を備えている。
オイルデリバリ通路(25)は、前後方向に向けられ、複数の分流油出口は、オイルデリバリ通路(25)の前側と後側にそれぞれ位置する前分流油出口(h1)と、後分流油出口(h4)と、前分流油出口(h1)と後分流油出口(h4)の間に位置する中間分流油出口(h2)(h3)を備えている。
図1に示すように、シリンダ中心軸線(CC)と平行な向きに見て、オイル入口(25b)は、前記全中間バレル横領域(E23)と重なる位置に配置されている。
具体的には、オイル入口(25b)は、シリンダ中心軸線(CC)と平行な向きに見て、前記全中間バレル横領域(E23)と重なるその真下の領域に配置されている。
このため、この実施形態では、オイル入口(25b)から各オイル分流口までの距離差が小さくなり、各ピストン(26)の冷却の過不足が起こり難く、複数のシリンダバレル相互間の温度分布が均一な状態に近づく。
シリンダ中心軸線(CC)と平行な向きに見て、各分流油出口は、対応するバレル横領域と重なる位置に配置されている。
具体的には、各分流油出口は、対応するバレル横領域と重なるその真下の位置に配置されている。
図6に示すように、ラジエータとジャケット入口(3a)の間に中継水路(18)を備えている。
中継水路(18)を介してラジエータからのエンジン冷却水(2)の全量がジャケット入口(3a)に供給されるように構成されている。
このため、この実施形態では、ラジエータから供給される多量のエンジン冷却水(2)でシリンダバレルの冷却効率が高まる。
中継水路(18)は、シリンダブロック(5)の吸気側に配置されている。
図6に示すように、中継水路(18)内にオイルクーラ(21)が配置されている。このため、エンジンオイル(4a)がシリンダ側水ジャケット(3)に導入される前のエンジン冷却水(2)で冷却され、エンジンオイル(4a)の冷却効率が高い。
図6に示すように、中継水路(18)は、シリンダブロック(5)の横側面を凹入して形成され、オイルクーラ(21)は補機取付ベース(22)に取り付けられ、補機取付ベース(22)で蓋をされた中継水路(18)内にオイルクーラ(21)が差し込まれている。
このため、この実施形態では、オイルクーラ(21)はシリンダブロック(5)に凹入された中継水路(18)内に差し込まれ、オイルクーラ(21)の配置でエンジンの横幅が大きく増加することがない。
図6に示すように、補機取付ベース(22)には、オイルクーラ(21)と連通するオイルフィルタ(23)が取り付けられている。
このため、オイルクーラ(21)とオイルフィルタ(23)を取り付けた補機取付ベース(22)で中継水路(18)の蓋をすれば、シリンダブロック(5)にオイルクーラ(21)とオイルフィルタ(23)が取り付けられ、オイルクーラ(21)とオイルフィルタ(23)の取り付け作業が容易になる。
図1に示すように、オイルギャラリ(24)は、オイル入口(24a)と、クランク軸のジャーナル軸受へのオイル出口(24b)を備え、オイル出口(24b)は、図5(A)に示すように、ジャーナル軸受のある位置にそれぞれ配置されている。
(2)…エンジン冷却水、(3)…シリンダジャケット、(3a)…ジャケット入口、(3b)…分流水路、(3c)…放熱水路、(3d)…区画壁、(3e)…ネジボス、(3f)…横断水路、(3g)…水路入口、(3h)…ヘッドボルト、(4a)…エンジンオイル、(5)…シリンダブロック、(6)…シリンダヘッド、(8b)…クランク軸中心軸線、(10a)…フライホイール、(B1)…前端バレル、(B2)…中間バレル、(B3)…中間バレル、(B4)…後端バレル、(BC)…シリンダバレルの上下中心、(b1)…前分流出口、(b2)…中間分流出口、(b3)…中間分流出口、(b4)…後分流出口、(bu)…開口下縁、(CC)…シリンダ中心軸線、(E1)…前端バレル横領域、(E2)…中間バレル横領域、(E3)…中間バレル横領域、(E23)…全中間バレル横領域、(E4)…後端バレル横領域、(C2)… 横凸湾曲部、(C3)…横凸湾曲部、(D23)…横凹入部、(18)…中継水路、(21)…オイルクーラ、(22)…補機取付ベース、(23)…オイルフィルタ 、(24)…オイルギャラリ、(25)…オイルデリバリ通路、(25a)…オイルジェットノズル、(25b)…オイル入口、(h1)…前分流油出口、(h2)…中間分流油出口、(h3)…中間分流油出口、(h4)…後分流油出口、(26)…ピストン、(26b)…圧力リング、(26c)…圧力リングの最下端、(26d)…ピストンの最下端。

Claims (12)

  1. 複数のシリンダバレルを設けたシリンダブロック(5)を備え、
    クランク軸中心軸線(8b)の伸びる方向を前後方向、フライホイール(10a)側を後側として、複数のシリンダバレルは、前端バレル(B1)と、後端バレル(B4)と、これらの間に位置する中間バレル(B2)(B3)を備え、全中間バレル(B2)(B3)の真横に位置し、全中間バレル(B2)(B3)の最前端から最後端までの前後長と同じ前後長を有する全中間バレル横領域(E23)を想定し、
    シリンダブロック(5)は、オイルポンプから供給されるエンジンオイル(4a)を導入するオイル入口(25b)と、このオイル入口(25b)から導入したエンジンオイル(4a)を前後方向に分流させるオイルデリバリ通路(25)と、オイルデリバリ通路(25)で前後方向に分流させたエンジンオイル(4a)を各ピストン(26)に臨むオイルジェットノズル(25a)に分流させる複数の分流油出口を備え、
    オイルデリバリ通路(25)は、前後方向に向けられ、複数の分流油出口は、オイルデリバリ通路(25)の前側と後側にそれぞれ位置する前分流油出口(h1)と、後分流油出口(h4)と、前分流油出口(h1)と後分流油出口(h4)の間に位置する中間分流油出口(h2)(h3)を備え、
    シリンダ中心軸線(CC)と平行な向きに見て、オイル入口(25b)は、前記全中間バレル横領域(E23)と重なる位置に配置され、
    更に、シリンダブロック(5)はオイルデリバリ通路(25)のある側にオイルギャラリ(24)を備え、
    エンジンの横一側を吸気側、横他側を排気側として、オイルデリバリ通路(25)とオイルギャラリ(24)は、相互に隣り合う位置でシリンダブロック(5)の吸気側に配置され、
    シリンダブロック(5)は、複数のシリンダバレルの周囲にエンジン冷却水(2)を通過させるシリンダ側水ジャケット(3)を備え、シリンダ側水ジャケット(3)は、ラジエータから供給されるエンジン冷却水(2)を導入するジャケット入口(3a)を備え、
    ラジエータとジャケット入口(3a)の間に中継水路(18)を備え、
    中継水路(18)を介してラジエータからのエンジン冷却水(2)の全量がジャケット入口(3a)に供給されるように構成され、
    中継水路(18)は、シリンダブロック(5)の吸気側に設けられている、ことを特徴とする立形直列多気筒エンジン。
  2. 請求項1に記載された立形直列多気筒エンジンにおいて、
    中継水路(18)内にオイルクーラ(21)が配置されている、ことを特徴とする立形直列多気筒エンジン。
  3. 請求項2に記載された立形直列多気筒エンジンにおいて、
    中継水路(18)は、シリンダブロック(5)の横側面を凹入して形成され、オイルクーラ(21)は補機取付ベース(22)に取り付けられ、補機取付ベース(22)で蓋をされた中継水路(18)内にオイルクーラ(21)が差し込まれている、ことを特徴とする立形直列多気筒エンジン。
  4. 請求項3に記載された立形直列多気筒エンジンにおいて、
    補機取付ベース(22)には、オイルクーラ(21)と連通するオイルフィルタ(23)が取り付けられている、ことを特徴とする立形直列多気筒エンジン。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載された立形直列多気筒エンジンにおいて、
    シリンダ側水ジャケット(3)は、ジャケット入口(3a)から導入されたエンジン冷却水(2)を前後方向に分流させる分流水路(3b)と、前後方向に分流されたエンジン冷却水(2)を各シリンダバレルに向けて分流させる複数の分流出口と、各分流出口から導入されたエンジン冷却水(2)に各シリンダバレルの熱を放熱させる放熱水路(3c)を備え、
    複数の分流出口は、前端バレル(B1)への前分流出口(b1)と、後端バレル(B4)への後分流出口(b4)と、前端バレル(B1)と後端バレル(B4)の間に位置する中間バレル(B2)(B3)への中間分流出口(b2)(b3)を備え、
    前記全中間バレル横領域(E23)内にジャケット入口(3a)が納まるように配置され、
    ジャケット入口(3a)と分流水路(3b)と各分流出口(b1)(b2)(b3)(b4)は、いずれもシリンダブロック(5)の吸気側に配置されている、ことを特徴とする立形直列多気筒エンジン。
  6. 請求項5に記載された立形直列多気筒エンジンにおいて、
    シリンダ側水ジャケット(3)は、分流水路(3b)と放熱水路(3c)を区画する一連の区画壁(3d)を備え、区画壁(3d)は、所定の中間バレル(B2)の真横に配置された所定のネジボス(3e)と所定の中間分流出口(b2)を備え、上記所定のネジボス(3e)は、上記所定の中間バレル(B2)の横凸湾曲部(C2)に向けて区画壁(3d)から突出すると共に、シリンダヘッド(6)をシリンダブロック(5)に締結するヘッドボルト(3h)にネジ嵌合され、
    分流水路(3b)と区画壁(3d)は、シリンダ側水ジャケット(3)の横側で、前後方向に沿って形成され、シリンダ側水ジャケット(3)のジャケット入口(3a)と上記所定の中間分流出口(b2)と上記所定のネジボス(3e)が、相互に前後方向に離間して配置され、上記所定のネジボス(3e)は、上記所定の中間分離出口(b2)よりもジャケット入口(3a)から前後方向に大きく離間した位置で、上記所定の中間分流出口(b2)から流入するエンジン冷却水の流れ方向下流側に配置されている、ことを特徴とする立形直列多気筒エンジン。
  7. 請求項6に記載された立形直列多気筒エンジンにおいて、
    区画壁(3d)は、一対の中間バレル(B2)(B3)の横凸湾曲部(C2)(C3)と、これら横凸湾曲部(C2)(C3)の間に位置する横凹入部(D23)の凹凸に合わせて曲げられ、区画壁(3d)の両端部と曲げの折り返し個所は、シリンダヘッド(6)をシリンダブロック(5)に締結するヘッドボルト(3h)とネジ嵌合するネジボス(3e)を備えている、ことを特徴とする立形直列多気筒エンジン。
  8. 請求項7に記載された立形直列多気筒エンジンにおいて、
    シリンダ側水ジャケット(3)は、隣り合うシリンダバレル間にエンジン冷却水(2)を通過させる横断水路(3f)を備え、この横断水路(3f)の水路入口(3g)に向けて区画壁(3d)から前記ネジボス(3e)が隆起している、ことを特徴とする立形直列多気筒エンジン。
  9. 請求項5から請求項8のいずれかに記載された立形直列多気筒エンジンにおいて、
    前端バレル(B1)の真横に位置し、前端バレル(B1)と同じ前後長を有する前端バレル横領域(E1)を想定し、この前端バレル横領域(E1)内に前分流出口(b1)が納まるように配置され、後端バレル(B4)の真横に位置し、後端バレル(B4)と同じ前後長を有する後端バレル横領域(E4)を想定し、この後端バレル横領域(E4)内に後分流出口(b4)が納まるように配置され、中間バレル(B2)(B3)の真横に位置し、中間バレル(B2)(B3)と同じ前後長を有する中間バレル横領域(E2)(E3)を想定し、この中間バレル横領域(E2)(E3)内に中間分流出口(b2)(b3)が納まるように配置されている、ことを特徴とする立形直列多気筒エンジン。
  10. 請求項9に記載された立形直列多気筒エンジンにおいて、
    4気筒エンジンで、ジャケット入口(3a)は全中間バレル横領域(E23)の後寄りに配置され、前分流出口(b1)は前端バレル横領域(E1)の後寄りに配置され、後分流出口(b4)は後端バレル横領域(E4)の前寄りに配置され、一対の中間分流出口(b2)(b3)は、一対の中間バレル横領域(E2)(E3)の各後寄りに配置されている、ことを特徴とする立形直列多気筒エンジン。
  11. 請求項5から請求項10のいずれかに記載された立形直列多気筒エンジンにおいて、
    各分流出口の開口下縁(bu)は、その分流出口が臨むシリンダバレルの上下中心(BC)よりも高い位置に設けられている、ことを特徴とする立形直列多気筒エンジン。
  12. 請求項11に記載された立形直列多気筒エンジンにおいて、
    各分流出口の開口下縁(bu)は、その分流出口が臨むシリンダバレル内の上死点位置にあるピストン(26)の圧力リング(26b)の最下端(26c)よりも低く、このピストン(26)の最下端(26d)よりも高い位置に設けられている、ことを特徴とする立形直列多気筒エンジン。
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