以下、図面を参照しながら、造形システム及び造形方法、ディスプレイ装置及びディスプレイ方法、並びに、広告装置及び広告方法の実施形態について説明する。具体的には、造形システム及び造形方法、ディスプレイ装置及びディスプレイ方法、並びに、広告装置及び広告方法の実施形態が適用された3Dプリンタ(3次元プリンタ)PRについて説明する。但し、本発明が以下に説明する実施形態に限定されることはない。
3DプリンタPRは、造形材料ELを用いて3次元構造体を造形する造形処理を行う。本実施形態では更に、3DプリンタPRは、3次元構造体から造形材料を生成する生成処理を行う。本実施形態では更に、3DプリンタPRは、3次元構造体に画像を投影する投影処理を行う。以下、このような処理を行う3DプリンタPRについて説明する。
以下の説明では、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸から定義されるXYZ直交座標系を用いて、3DプリンタPRを構成する各部材及び各装置の位置関係について説明する。尚、以下の説明では、説明の便宜上、X軸方向及びY軸方向のそれぞれが水平方向(つまり、水平面内の所定方向)であり、Z軸方向が鉛直方向(つまり、水平面に直交する方向であり、実質的には上下方向)であるものとする。また、X軸、Y軸及びZ軸周りの回転方向(言い換えれば、傾斜方向)を、それぞれ、θX方向、θY方向及びθZ方向と称する。
(1)3DプリンタPRの構成
(1−1)3DプリンタPRの外観構成
図1から図8を参照しながら、3DプリンタPRの外観構成について説明する。図1は、3DプリンタPRの正面図である。図2は、3DプリンタPRの左側面図である。図3は、3DプリンタPRの右側面図である。図4は、3DプリンタPRの背面図である。図5は、3DプリンタPRの平面図(上面図)である。図6は、3DプリンタPRの底面図(下面図)である。図7及び図8は、夫々、一点透視図法に基づいて描画された3DプリンタPRの立体図である。
図1から図8に示すように、3DプリンタPRは、ベース11と、支柱12と、支柱13と、梁部材14と、梁部材15と、パネル16と、プリントヘッド20と、照射装置30と、ステージ40と、移動機構50と、コントローラ60とを備えている。
ベース11は、3DプリンタPRの基礎を構成する部材である。ベース11は、支柱12及び13を支持する。ベース11は、支柱12及び13を介して、梁部材14、梁部材15及びプリントヘッド20を支持する。ベース11は、移動機構50を介して、ステージ40を支持する。ベース11の上方には、3次元構造体を造形するための作業空間SPが確保される。XY平面に沿ったベース11の形状は、三角形(例えば、ルーローの三角形)である。ベース11の内部には、所望部材及び所望装置のうちの少なくとも一方を収容可能な収容空間が確保されている。本実施形態では、ベース11の内部の収容空間には、移動機構50の一部(例えば、後述するアクチュエータ54)及びコントローラ60が収容されている。
支柱12は、長手方向に延材する形状を有する部材である。長手方向に沿った支柱12の一方の端部は、ベース11に固定されている。支柱12は、鉛直方向(Z軸方向)に沿って延在するように、ベース11に固定されている。支柱12は、XY平面上におけるベース11の3つの頂点(つまり、三角形の3つの頂点)のうちの第1頂点付近においてベース11に固定されている。支柱12は、作業空間SPの周囲に配置される。支柱12は、梁部材14を支持する。支柱12は、梁部材14を介して、プリントヘッド20を支持する。
支柱13は、長手方向に延材する形状を有する部材である。長手方向に沿った支柱13の一方の端部は、ベース11に固定されている。支柱13は、鉛直方向(Z軸方向)に沿って延在するように、ベース11に固定されている。支柱13は、XY平面上におけるベース11の3つの頂点のうちの第1頂点とは異なる第2頂点付近においてベース11に固定されている。支柱13は、作業空間SPの周囲に配置される。支柱13は、梁部材15を支持する。支柱13は、梁部材15を介して、プリントヘッド20を支持する。
梁部材14は、長手方向に延材する形状を有する部材である。梁部材14の一方の端部は、支柱12の他方の端部に固定されている。梁部材14は、水平方向(XY平面)に沿って延在するように、支柱12に固定されている。梁部材14は、梁部材14の一方の端部を起点に、XY平面上におけるベース11の中心の上方に配置されるプリントヘッド20に向かって延在する。梁部材14の他方の端部は、プリントヘッド20に連結されている。梁部材14は、プリントヘッド20を支持する。梁部材14は、作業空間SPの周囲(特に、上方)に配置される。
梁部材15は、長手方向に延材する形状を有する部材である。梁部材15の一方の端部は、支柱13の他方の端部に固定されている。梁部材15は、水平方向(XY平面)に沿って延在するように、支柱13に固定されている。梁部材15は、梁部材15の一方の端部を起点に、XY平面上におけるベース11の中心の上方に配置されるプリントヘッド20に向かって延在する。梁部材15の他方の端部は、プリントヘッド20に連結されている。梁部材15は、プリントヘッド20を支持する。梁部材15は、作業空間SPの周囲(特に、上方)に配置される。
パネル16は、ベース11、支柱12及び13、並びに、梁部材14及び15を取り囲む部材(実質的には、筐体)である。パネル16は、作業空間SPを取り囲む部材(筐体)である。パネル16は、ベース11に固定されている。XY平面に沿ったパネル16の形状は、XY平面に沿ったベース11の形状と同一又は相似である。従って、XY平面に沿ったパネル16の形状は、三角形(例えば、ルーローの三角形)である。パネル16は、可視光に対して透過性を有する部材である。従って、3DプリンタPRのユーザは、パネル16を介して、パネル16の内部の空間(例えば、作業空間SP)を視認可能である。
プリントヘッド20は、XY平面上におけるベース11の中心の上方に配置される。プリントヘッド20は、作業空間SPの周囲(特に、上方)に配置される。プリントヘッド20は、梁部材14及び15によって、作業空間SPの周囲(特に、上方)で支持される。プリントヘッド20の位置は、固定されている。つまり、プリントヘッド20は、移動しない。
プリントヘッド20は、3次元構造体を造形するための造形処理を行う。造形処理を行うために、プリントヘッド20は、造形ヘッド21を備えている。造形ヘッド21は、造形処理の少なくとも一部を行う。造形処理は、材料供給処理を含む。材料供給処理は、ステージ40の移動に合わせて造形材料ELを作業空間SPの少なくとも一部に対して供給する処理である。造形処理は、乾燥処理を含む。乾燥処理は、造形ヘッド21が供給した造形材料ELを乾燥させる処理である。造形ヘッドが材料供給処理及び乾燥処理を行うことで、作業空間SPにおいて3次元構造体が造形される。
造形ヘッド21が造形材料ELを供給する時点では、造形材料ELは、複数の粒子EL1と結合材料EL2と液体EL3との混合物である。このため、造形材料ELは、液体状態の材料である。各粒子EL1は、白色の粒子である。各粒子EL1は、樹脂材料で形成された粒子(例えば、ポリアミドで形成された粒子)である。尚、複数の粒子EL1は、無機材料で形成された粒子(例えば、ガラスビーズや、中空ガラスビーズ等)を含んでいてもよい。複数の粒子EL1は、金属材料で形成された粒子を含んでいてもよい。複数の粒子EL1は、材料が異なる複数種類の粒子を含んでもよい。複数の粒子EL1は、結合材料を介して結合可能である。結合材料EL2は、液体EL3に可溶であるという特性を有する。結合材料EL2が液体EL3に溶けている場合には、造形材料ELは液体状態であり、複数の粒子EL1の結合材料EL2を介した結合力は、相対的に弱い。特に、複数の粒子EL1の結合材料EL2を介した結合力は、複数の粒子EL1が3次元構造体の形状を十分に維持できないほどに弱い。一方で、結合材料EL2が液体EL3に溶けていない場合には、複数の粒子EL1の結合材料EL2を介した結合力は、相対的に強い。特に、複数の粒子EL1の結合材料EL2を介した結合力は、複数の粒子EL1が3次元構造体の形状を十分に維持できるほどに強い。このような結合材料EL2として、例えば、酢酸ビニル及びポリビニルアルコールのうちの少なくとも一方が用いられる。また、結合材料を溶かすことが可能な液体EL3として、例えば、水が用いられる。
造形材料ELが乾燥処理されると、液体EL3の全部又は一部が蒸発する(つまり、除去される)。その結果、結合材料EL2は、液体EL3に溶けている状態から液体EL3に溶けていない状態へと遷移する。このため、3次元構造体の形状を十分に維持できるほどには強固に結合していなかった複数の粒子EL1は、3次元構造体の形状を十分に維持できるほどに強固に結合することになる。従って、乾燥処理は、複数の粒子EL1を、結合材料EL2を介して結合させる結合処理であるとも言える。その結果、造形材料ELは、液体EL3を含む液体の状態から、実質的に固体の状態へと遷移する。これは、造形材料ELの相が、液相から固相へと遷移するとも言える。言い換えれば、造形材料ELが固形化される。従って、乾燥処理は、造形材料ELを固形化する固形化処理であるとも言える。このため、材料供給処理によって造形ヘッド21から供給された造形材料ELに対して乾燥処理が行われることで、3次元構造体が造形される。但し、乾燥処理を含む造形処理は、あくまで複数の粒子EL1の結合力が強くなる変化を生じさせるだけであり、複数の粒子EL1そのものの状態(例えば、形状、強度、構造及びサイズ等)を実質的に変えることはない。つまり、複数の粒子EL1そのものの状態が実質的に維持される。尚、複数の粒子EL1と結合材料EL2とを含む固形化された造形材料ELは、液体EL3を含まなくてもよい。或いは、複数の粒子EL1と結合材料EL2とを含む固形化された造形材料ELは、3次元構造体を維持できるほどに液体EL3を含んでいてもよい。
プリントヘッド20は、造形処理によって造形された3次元構造体から造形材料ELを生成するための生成処理の少なくとも一部を行う。生成処理を行うために、プリントヘッド20は、XY平面に沿って造形ヘッド21に隣接する生成ヘッド22を備えている。生成ヘッド22は、生成処理を行う。生成処理は、液体供給処理を含む。液体供給処理は、作業空間SPに位置する3次元構造体に対して溶解液LQを供給する処理である。溶解液LQは、造形材料ELに含まれる液体EL3と同一である。例えば、溶解液LQは、水である。
液体供給処理により、結合材料EL2は、溶解液LQに溶けていない状態から溶解液LQに溶けている状態へと遷移する。その結果、3次元構造体の形状を十分に維持できるほどに強固に結合していた複数の粒子EL1は、3次元構造体の形状を十分に維持できるほどには強固に結合しなくなる。つまり、造形材料ELは、液体供給処理によって固体の状態から液体の状態へと遷移する。これは、液体供給処理によって3次元構造体が溶解するとも言える。このため、造形処理によって造形された3次元構造体に対して液体供給処理が行われることで、複数の粒子EL1と結合材料EL2と溶解液LQとの混合物(つまり、造形材料EL)が、液体供給処理による生成物として生成される。
但し、液体供給処理を含む生成処理は、あくまで複数の粒子EL1の結合力が弱くなる変化を生じさせるだけであり、複数の粒子EL1そのものの状態(例えば、形状、強度、構造及びサイズ等)を実質的に変えることはない。つまり、複数の粒子EL1そのものの状態が実質的に維持される。加えて、上述したように、造形処理もまた、複数の粒子EL1そのものの状態を実質的に変えることはない。このため、液体供給処理によって生成された造形材料ELに含まれる複数の粒子EL1の状態は、造形処理に用いられる造形材料ELに含まれる複数の粒子EL1の状態と同じである。従って、液体供給処理によって生成された造形材料ELは、3次元構造体を造形するための造形材料EL(つまり、造形処理に用いられる造形材料EL)として再利用可能である。
照射装置30は、プロジェクションマップ技術に基づいて、3次元構造体の表面(具体的には、表面の全部又は一部、以下同じ)に画像を投影する。このため、3次元構造体の表面には、当該3次元構造体と適切に重なり合う画像が投影される。3次元構造体の表面に画像が投影されると、3次元構造体は、あたかも投影された画像の如き外観を有する3次元構造体としてユーザに視認される。従って、照射装置30は、3次元構造体の表面に画像を投影して、3次元構造体を仮想的に着色している(言い換えれば、色づけしている)と言える。
画像を投影するために、照射装置30は、複数の(本実施形態では、4個の)投影装置(つまり、投影装置31、投影装置32、投影装置33及び投影装置34)を含んでいる。
投影装置31は、支柱12に取り付けられている。投影装置31は、支柱12のうち梁部材14よりもベース11に近い部分に取り付けられている。投影装置31は、作業空間SPの周囲(特に、前方、作業空間SPから見て+Y軸方向側)に配置されている。投影装置31は、3次元構造体の表面のうち投影装置31が投影可能な第1面に向けて光を射出する。投影装置31は、第1面に向けて光を射出することで、当該第1面と適切に重なり合う第1画像を投影する。
投影装置32は、支柱12に取り付けられている。投影装置32は、支柱12のうちベース11よりも梁部材14に近い部分に取り付けられている。投影装置32は、作業空間SPの周囲(特に、前方、作業空間SPから見て+Y軸方向側)に配置されている。投影装置32は、3次元構造体の表面のうち投影装置32が投影可能な第2面に向けて光を射出する。投影装置32は、第2面に向けて光を射出することで、当該第2面と適切に重なり合う第2画像を投影する。第2面の少なくとも一部は、第1面の少なくとも一部と重複していてもよい。この場合、第2画像の少なくとも一部は、第1画像の少なくとも一部と同じであってもよい。或いは、第2面は、第1面と重複していなくてもよい。この場合、第2画像は、第1画像とは異なる。
投影装置33は、支柱13に取り付けられている。投影装置33は、支柱13のうち梁部材15よりもベース11に近い部分に取り付けられている。投影装置33は、作業空間SPの周囲(特に、前方、作業空間SPから見て+Y軸方向側)に配置されている。投影装置33は、3次元構造体の表面のうち投影装置33が投影可能な第3面に向けて光を射出する。投影装置33は、第3面に向けて光を射出することで、当該第3面と適切に重なり合う第3画像を投影する。第3面の少なくとも一部は、第1面の少なくとも一部と重複していてもよい。この場合、第3画像の少なくとも一部は、第1画像の少なくとも一部と同じであってもよい。或いは、第3面は、第1面と重複していなくてもよい。この場合、第3画像は、第1画像とは異なる。第3面と第2面との関係(第3画像と第2画像)との関係についても同様である。
投影装置34は、支柱13に取り付けられている。投影装置33は、支柱13のうちベース11よりも梁部材15に近い部分に取り付けられている。投影装置34は、作業空間SPの周囲(特に、前方、作業空間SPから見て+Y軸方向側)に配置されている。投影装置34は、3次元構造体の表面のうち投影装置34が投影可能な第4面に向けて光を射出する。投影装置34は、第4面に向けて光を射出することで、当該第4面と適切に重なり合う第4画像を投影する。第4面の少なくとも一部は、第1面の少なくとも一部と重複していてもよい。この場合、第4画像の少なくとも一部は、第1画像の少なくとも一部と同じであってもよい。或いは、第4面は、第1面と重複していなくてもよい。この場合、第4画像は、第1画像とは異なる。第4面と第2面との関係(第4画像と第2画像)との関係及び第4面と第3面との関係(第4画像と第3画像)との関係についても同様である。
ステージ40は、3次元構造体を支持可能な部材である。ステージ40は、3次元構造体を支持する支持部材401と、支持部材401の周囲に分布し且つ支持部材401の上面よりも上方に突き出た壁部材402とを含む。支持部材401は、3次元構造体を支持する。造形ヘッド21は、支持部材401上に(或いは、図13(a)等を用いて後述するように、支持部材401上に形成済みのレイヤ構造体上に)造形材料ELを供給することで、支持部材401上に3次元構造体を造形する。生成ヘッド22は、支持部材401が支持する3次元構造体に溶解液LQを供給することで、3次元構造体から造形材料ELを生成する。尚、造形ヘッド21が供給する又は生成ヘッド22が生成する造形材料ELは液体状態の材料であるが、壁部材402が、ステージ40の外側への造形材料ELの漏れ出しを防止する。照射装置30は、支持部材401が支持する3次元構造体の表面に画像を投影する。
ステージ40は、連結部材42を介してステージ40に連結された移動機構50の動作により移動可能である。ステージ40は、固定されている造形ヘッド21及び生成ヘッド22に対して移動可能である。つまり、ステージ40は、ステージ40と造形ヘッド21及び生成ヘッド22との間の相対的な位置関係(より具体的には、ステージ40と後述の材料供給口211及び液体供給口221)が変わるように移動可能である。ステージ40は、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の夫々に沿って移動可能である。ステージ40は更に、θX方向、θY方向及びθZ方向のうちの少なくとも一つに沿って移動可能であってもよい。ステージ40は、作業空間SP内を移動可能である。
ステージ40を移動させるために、移動機構50は、Zガイドバー51と、ねじ軸52と、ナット53と、アクチュエータ54とを備える。尚、上述したように、アクチュエータ54は、ベース11の内部の収容空間に収容されている。Zガイドバー51は、ステージ40のZ軸方向に沿った移動をガイドするための部材である。従って、Zガイドバー51は、Z軸方向に沿って延在する部材である。ねじ軸52は、表面にねじ切りがなされた部材である。ねじ軸52は、Z軸方向に沿って延在する部材である。ねじ軸52は、アクチュエータ54によって、θZ方向に沿って回転可能である。ナット53は、ねじ軸52のねじ山に嵌め込まれるねじ山が形成された部材である。ナット53は、ねじ軸52及びZガイドバー51に嵌め込まれている。ねじ軸52が回転すると、ナット53は、ねじ軸52及びZガイドバー51に沿って(つまり、Z軸方向に沿って)移動する。従って、ねじ軸52及びナット53は、すべりねじ又はボールねじとして機能する。ナット53には、連結部材42を介してステージ40が連結されている。従って、ナット53のZ軸方向に沿った移動に合わせて、ステージ40もまたZ軸方向に沿って移動する。アクチュエータ40は更に、Zガイドバー51、ねじ軸52及びナット53をXY平面に沿って移動させる。従って、ナット53のXY平面に沿った移動に合わせて、ステージ40もまたXY平面に沿って(つまり、X軸方向及びY軸方向)に沿って移動する。
コントローラ60は、3DプリンタPRを制御する。例えば、コントローラ60は、造形処理を行うように3DプリンタPRを制御する。具体的には、造形処理を行うために、コントローラ60は、造形ヘッド21による造形材料ELの供給に同期してステージ40が移動するように、アクチュエータ54を制御する。更に、造形処理を行うために、コントローラ60は、ステージ40の移動に同期して造形ヘッド21が造形材料ELを供給するように、造形ヘッド21を制御する。例えば、コントローラ60は、投影処理を行うように3DプリンタPR(特に、照射装置30)を制御する。例えば、コントローラ60は、生成処理を行うように3DプリンタPRを制御する。生成処理を行うために、コントローラ60は、生成ヘッド22が溶解液LQを供給するように、生成ヘッド22を制御する。
(1−2)造形材料EL及び溶解液LQの供給系統の構成
続いて、図9を参照しながら、造形材料EL及び溶解液LQの供給系統の構成について説明する。尚、図9では、造形材料EL及び溶解液LQの供給系統を明確に説明するために、3DプリンタPRを構成する一部の部材の縮尺が調整されている。
図9に示すように、造形材料ELの供給系統は、3DプリンタPRを構成する一部の部材の内部に形成される。具体的には、ベース11の内部の収容空間には、造形材料ELを貯留する材料タンク111が収容されている。材料タンク111には、ベース11の内部に形成された供給管112が連結されている。供給管112には、支柱13の内部に形成された供給管131が連結されている。供給管131には、梁部材15の内部に形成された供給管151が連結されている。供給管151には、プリントヘッド20の内部に形成された供給管201が連結されている。供給管201は、造形ヘッド21に形成された材料供給口211に連通している。材料タンク111に貯留された造形材料ELは、不図示のポンプ及びバルブの少なくとも一方の動作により、供給管112に供給される。供給管112に供給された造形材料ELは、供給管131、151及び201を介して、材料供給口211に供給される。その結果、材料供給口211からは、所望のタイミングで所望量の造形材料ELが作業空間SPに対して供給される。つまり、造形ヘッド21は、材料供給口211を用いて材料供給処理を行う。
材料供給口211から供給された造形材料ELは、造形ヘッド21に形成された気体供給口212から吹き出す気体(例えば、液体EL3を蒸発させることができる程度に加熱された気体)によって乾燥させられる。つまり、造形ヘッド21は、気体供給口212を用いて、乾燥処理を行うために気体を吹き出す。その結果、3次元構造体が造形される。
造形処理によって造形された3次元構造体は、生成処理(具体的には、溶解液LQを供給する液体供給処理)によって溶解する。この場合、生成処理によって生成された造形材料ELは、ステージ40の支持部材401の上面に形成された複数の回収口403から回収される。複数の回収口403から回収された造形材料ELは、ステージ40の内部に形成された回収管404、連結部材42の内部に形成された回収管421、ナット53の内部に形成された回収管531、ナット53とベース11との間に形成された回収管532及びベース11の内部に形成された回収管115を介して、材料タンク111に供給される。その結果、生成処理によって生成された造形材料ELは、造形処理に用いられる造形材料ELとして再利用可能となる。
同様に、図9に示すように、溶解液LQの供給系統もまた、3DプリンタPRを構成する一部の部材の内部に形成される。具体的には、ベース11の内部の収容空間には、溶解液LQを貯留する液体タンク113が収容されている。液体タンク113には、ベース11の内部に形成される供給管114が連結されている。供給管114には、支柱13の内部に形成される供給管132が連結されている。供給管132には、梁部材15の内部に形成される供給管152が連結されている。供給管152には、プリントヘッド20の内部に形成される供給管202が連結されている。供給管202は、生成ヘッド22に形成された液体供給口221に連通している。液体タンク113に供給された溶解液LQは、不図示のポンプ及びバルブの少なくとも一方の動作により、供給管114に供給される。供給管114に供給された造形材料ELは、供給管132、152及び202を介して、液体供給口221に供給される。その結果、液体供給口221からは、所望のタイミングで所望の量の溶解液LQが作業空間SPに対して供給される。つまり、生成ヘッド22は、液体供給口221を用いて液体供給処理を行う。
(2)3DプリンタPRが行う処理
続いて、図10を参照しながら、主としてコントローラ60の制御下で3DプリンタPRが行う処理(具体的には、上述した造形処理、生成処理及び投影処理)について説明する。
図10に示すように、コントローラ60は、ユーザから、3次元構造体を造形することを要求する造形指示が入力されたか否かを判定する(ステップS11)。或いは、3DプリンタPRがネットワーク網を介して外部のサーバと通信可能である場合には、コントローラ60は、外部のサーバから造形指示が入力されたか否かを判定してもよい。
ステップS11の判定の結果、造形指示が入力されたと判定される場合には(ステップS11:Yes)、コントローラ60は、3Dプリントデータを取得する(ステップS12)。3Dプリントデータは、3次元構造体を造形するために用いられるデータである。3Dプリントデータは、例えば、3次元構造体の3次元モデルデータである。コントローラ60は、3DプリンタPRに搭載されている又は3DプリンタPRに着脱可能な記憶装置(例えば、ハードディスクや、メモリカード等)から、3Dプリントデータを取得してもよい。コントローラ60は、ネットワーク網を介して通信可能な外部のサーバから3Dプリントデータを取得してもよい。コントローラ60は、3Dプリントデータを生成してもよい。
その後、コントローラ60は、ステップS12で取得した3Dプリントデータに基づいて、ステージ40及び造形ヘッド21を制御するための制御データを生成する(ステップS13)。具体的には、コントローラ60は、3Dプリントデータに応じた3次元構造体を造形するようにステージ40及び造形ヘッド21を制御可能な制御データを生成する。
制御データは、ステージ40の移動態様を制御するための第1制御データを含む。従って、コントローラ60は、3Dプリントデータに応じた3次元構造体を造形可能なステージ40の移動態様を規定する第1制御データを生成する。ステージ40の移動態様は、ステージ40の移動タイミング、ステージ40の移動方向、ステージ40の移動量及びステージ40の移動速度のうちの少なくとも一つを含む。
制御データは、造形ヘッド21からの造形材料ELの供給態様を制御するための第2制御データを含む。従って、コントローラ60は、3Dプリントデータに応じた3次元構造体を造形可能な造形材料ELの供給態様を規定する第2制御データを生成する。造形材料ELの供給態様は、造形材料ELの供給タイミング及び造形材料ELの供給量のうちの少なくとも一つを含む。
その後、コントローラ60は、ステップS13で生成した制御データに基づいて、ステージ40及び造形ヘッド21を制御する(ステップS14)。具体的には、コントローラ60は、制御データに含まれる第1制御データが規定する移動態様でステージ40が移動するように、ステージ40を制御する(つまり、ステージ40を移動可能なアクチュエータ54を制御する)。更に、コントローラ60は、制御データに含まれる第2制御データが規定する供給態様で造形ヘッド21が造形材料ELを供給するように、造形ヘッド21を制御する。その結果、ステージ40上に(言い換えれば、作業空間SPに)3次元構造体が造形される。
ここで、図11(a)から図14(b)を参照しながら、ステージ40及び造形ヘッド21を制御することで3次元構造体を造形する過程について説明する。
図11(a)及び図11(b)は、夫々、ステージ40及び造形ヘッド21を制御することで3次元構造体の造形を開始した時点における3Dプリンタの左側面図及び平面図を示す。図11(a)及び図11(b)に示すように、3次元構造体の造形を開始する場合には、ステージ40は、ステージ40上に設定される造形開始位置SP(XY)の直上に造形ヘッド21(特に、材料供給口211)が位置するように、XY平面に沿って移動する。つまり、ステージ40は、材料供給口211によって造形材料ELが供給可能な(つまり、材料供給口211の直下の)材料供給位置が、造形開始位置SP(XY)に一致するように移動する。尚、図11(a)及び図11(b)に示す例では、造形開始位置SP(XY)は、ステージ40の表面(特に、3次元構造体を造形可能な領域)のうち最も+Y軸側の領域に一致する。更に、ステージ40は、Z軸方向に沿ったステージ40の位置が、3次元構造体の造形を開始する際にステージ40が位置するべき造形開始位置SP(Z)と一致するように移動する。尚、図11(a)及び図11(b)に示す例では、造形開始位置SP(Z)は、Z軸方向に沿ってステージ40が移動可能な範囲のうち最も+Z軸側の領域に一致する。
その後、ステージ40は、材料供給位置がステージ40上を順次移動するように、XY平面に沿って移動する。ステージ40の移動に合わせて、造形ヘッド21は、ステージ40上の所望位置に造形材料ELを供給する。造形ヘッド21は、更に、造形材料ELの供給に合わせて、気体供給口212から気体を吹き出す。その結果、造形材料ELを構成する液体EL3が蒸発する。このため、図12(b)に示すように、結合材料EL2を介して複数の粒子EL1が相対的に強固に結合する。その後、図12(a)及び図12(b)に示すように、材料供給位置が、ステージ40上に設定される造形終了位置EP(XY)に一致した時点で、ステージ40上では、3次元構造体を構成する第1レイヤ構造体の形成が完了する。尚、図12(a)及び図12(b)に示す例では、造形終了位置EP(XY)は、ステージ40の表面(特に、3次元構造体を造形可能な領域)のうち最も−Y軸側の領域に一致する。
その後、ステージ40は、−Z軸方向に向かって所定移動量だけ移動する。その後、材料供給位置が造形終了位置EP(XY)から造形開始位置SP(XY)に向かって移動するようにステージ40がXY平面に沿って移動する処理、造形ヘッド21が造形材料ELを供給する処理及び造形ヘッド21が気体を吹き出す処理が再度行われる。その結果、3次元構造体を構成する第2レイヤ構造体が、第1レイヤ構造体の上に形成される。その後、ステージ40は、−Z軸方向に向かって所定移動量だけ移動する。その後、材料供給位置が造形開始位置SP(XY)から造形終了位置EP(XY)に向かって移動するようにステージ40がXY平面に沿って移動する処理、造形ヘッド21が造形材料ELを供給する処理及び造形ヘッド21が気体を吹き出す処理が再度行われる。その結果、3次元構造体を構成する第3レイヤ構造体が、第2レイヤ構造体の上に形成される。以降、同様の動作が繰り返されることで、図13(a)及び図13(b)に示すように、ステージ40上には、3次元構造体を構成するレイヤ構造体が順次形成されていく。
その後、図14(a)及び図14(b)に示すように、Z軸方向に沿ったステージ40の位置が造形終了位置EP(Z)と一致するまで、レイヤ構造体が形成される。尚、図14(a)及び図14(b)に示す例では、造形終了位置EP(Z)は、Z軸方向に沿ってステージ40が移動可能な範囲のうち最も−Z軸側の領域に一致する。その結果、ステージ40上における3次元構造体の造形が完了する。
再び図10において、3次元構造体の造形が完了した後、コントローラ60は、ユーザから、3次元構造体の表面に画像を投影することを要求する投影指示が入力されたか否かを判定する(ステップS21)。或いは、3DプリンタPRがネットワーク網を介して外部のサーバと通信可能である場合には、コントローラ60は、外部のサーバから投影指示が入力されたか否かを判定してもよい。
ステップS21の判定の結果、投影指示が入力されたと判定される場合には(ステップS21:Yes)、コントローラ60は、画像データを取得する(ステップS22)。画像データは、3次元構造体の表面に投影するべき画像を示すデータである。画像データは、カラー画像を示していてもよいし、モノクロ画像を示していてもよい。画像データは、2次元画像データであってもよいし、3次元画像データであってもよい。コントローラ60は、3DプリンタPRに搭載されている又は3DプリンタPRに着脱可能な記憶装置(例えば、ハードディスクや、メモリカード等)から、画像データを取得してもよい。コントローラ60は、ネットワーク網を介して通信可能な外部のサーバから画像データを取得してもよい。コントローラ60は、画像データを生成してもよい。
照射装置30は、4個の投影装置31から34を含んでいる。このため、コントローラ60は、投影装置31が投影する画像を示す画像データ、投影装置32が投影する画像を示す画像データ、投影装置33が投影する画像を示す画像データ、及び、投影装置34が投影する画像を示す画像データを取得する。
ある画像データは、ある3Dプリントデータに基づいて造形された3次元構造体の表面に投影するべき画像を示すデータである。つまり、画像データと3Dプリントデータとは、1対1、1対多又は多対1の関係で相互に関連する。このため、画像データは、3Dプリントデータと関連付けられていてもよい。この場合、コントローラ60は、ステップS12で取得した3Dプリントデータに関連付けられている画像データを取得してもよい。3Dプリントデータに関連付けられている画像データが複数存在する場合には、コントローラ60は、ユーザの指示等に基づいて、複数の画像データのうちの一の画像データを取得してもよい。
その後、コントローラ60は、ステップS12で取得した3Dプリントデータ及びステップS13で生成した制御データのうちの少なくとも一方に基づいて、ステップS22で取得した画像データを変換する変換処理を行う(ステップS23)。
上述したように、3Dプリントデータは、3次元構造体を造形するために用いられるデータである。従って、3Dプリントデータは、実質的には、造形処理によって造形された3次元構造体の表面の形状を示すデータである。このため、コントローラ60は、3Dプリントデータに基づいて、作業空間SP内の(言い換えれば、ステージ40上)の造形座標系における3次元構造体の表面の各部の座標を特定可能である。一方で、投影装置31の位置がコントローラ60に既知であるがゆえに、コントローラ60は、造形座標系における投影装置31の位置を特定可能である。その結果、コントローラ60は、3Dプリントデータに基づいて、投影装置31と3次元構造体の表面との間の位置関係を特定することができる。例えば、コントローラ60は、投影装置31と3次元構造体の表面の各部との間の距離を特定することができる。例えば、コントローラ60は、投影装置31から出射した光が3次元構造体の表面の各部に入射する入射角度を特定することができる。コントローラ60は、特定した位置関係に基づいて、ステップS22で取得した画像データを、3次元構造体の表面に適切に重なり合う画像(つまり、3次元画像)を示す画像データ(つまり、3次元画像データ)に変換する変換処理を行う。変換処理は、プロジェクションマッピング技術に基づく変換処理である。尚、ステップS22で取得された画像データが2次元画像データである場合には、変換処理は、取得された2次元画像データから、3次元構造体の表面に適切に重なり合う画像を示す3次元画像データを生成する処理を含む。ステップS22で取得された画像データが3次元画像データである場合には、変換処理は、取得された3次元画像データを補正して、3次元構造体の表面に適切に重なり合う画像を示す3次元画像データを生成する処理を含む。投影装置32から34の夫々が投影するべきデータを示す画像データについても、コントローラ60は、同様の変換処理を行う。
一方で、上述したように、3次元構造体は、ステージ40が移動し且つ造形ヘッド21が造形材料ELを供給することで造形される。しかしながら、ステージ40の移動精度や造形ヘッド21の供給精度によっては、実際に造形された3次元構造体の表面の形状は、3Dプリントデータが示す3次元構造体の表面の形状と一致しない可能性がある。ここで、上述したように、制御データは、3Dプリントデータに応じた3次元構造体を造形するようにステージ40及び造形ヘッド21を制御可能なデータである。つまり、制御データは、ステージ40の実際の移動態様及び造形ヘッド21の実際の供給態様を示すデータであると言える。従って、制御データは、実質的には、造形処理によって造形された3次元構造体の表面の形状をより高精度に示すデータであるとも言える。このため、コントローラ60は、3Dプリントデータのみならず制御データにも基づいて、ステップS22で取得した画像データを、3次元構造体の表面に適切に重なり合う画像を示す画像データに変換する変換処理を行う。その結果、3次元構造体の表面により適切に重なり合う画像を示す画像データが生成される。
その後、コントローラ60は、ステップS23の変換処理によって生成された画像データが示す画像を投影装置31から34の夫々が投影するように、投影装置31から34を制御する(ステップS24)。その結果、投影装置31から34の夫々は、プロジェクションマッピング技術に基づいて、3次元構造体の表面に、3次元構造体の表面に適切に重なり合う画像を投影する。
ここで、図15から図16を参照しながら、画像が投影された3次元構造体について説明する。図15は、画像が投影される前の3次元構造体を示す立体図である。上述したように、造形材料ELに含まれる各粒子EL1は白色の粒子である。このため、画像が投影される前の3次元構造体の表面は、白色である。尚、図15は、人物を示す3次元構造体が造形された例を示している。
一方で、図16は、画像が投影された後の3次元構造体の一例を示す立体図である。投影装置31から34の夫々は、光(可視光)を3次元構造体に対して照射することで、3次元構造体の表面に画像を投影する。3次元構造体に照射された光は、3次元構造体の表面で反射する。3次元構造体の表面で反射した光(可視光)は、ユーザの網膜に到達する。その結果、図16に示すように、ユーザは、3次元構造体の表面で反射した光の波長に応じた仮想的な色を用いた色づけが表面になされた3次元構造体を視認する。更に、ユーザは、3次元構造体の表面で反射した光の強度に応じた明るさ(輝度)を有する3次元構造体を視認する。例えば、3次元構造体の表面のうちの第1部分で反射した光が、赤色光に相当する波長を有する第1強度の光である場合には、ユーザは、仮想的に赤色で色づけされ且つ第1強度に応じた明るさを有する第1部分を視認する。例えば、3次元構造体の表面のうちの第2部分で反射した光が、青色光に相当する波長を有する第2強度(但し、第2強度は第1強度よりも小さい)の光である場合には、ユーザは、仮想的に青色で色づけされ且つ第2強度に応じた明るさを有する(つまり、第1部分と比較して相対的に暗い)第2部分を視認する。3次元構造体の表面のうち第3部分で反射した光が、その他の波長を有する第3強度の光である場合も同様に、ユーザは、仮想的に波長に対応する色で色づけされ且つ第3強度に応じた明るさを有する第3部分を視認する。
上述したように、3次元構造体の表面の色は、白色である。従って、3次元構造体の表面は、当該表面に入射する光の波長に依存することなく、当該表面に入射する光を反射可能である。このため、画像データが示す画像の色は、ユーザが視認するべき色と同じである。言い換えれば、コントローラ60は、ユーザが視認するべき色で色づけされた画像を示す画像データが生成されるように、画像データの変換処理を行えばよい。
一方で、造形材料ELに含まれる各粒子EL1が白色とは異なる色の粒子である場合には、3次元構造体の表面の色は、白色とは異なる色となる。この場合、3次元構造体の表面は、当該表面に入射する光の波長に依存して、ある波長の光を反射する一方で、ある波長の光を反射しない(例えば、吸収する)ことがある。このため、仮にユーザが視認するべき色で色づけされた画像がそのまま3次元構造体の表面に投影されると、ユーザは、本来3次元構造体を色づけすべき色とは異なる色で色づけされた3次元構造体を視認する可能性がある。このため、コントローラ60は、3次元構造体の反射特性に基づいて画像データが生成されるように、上述した変換処理を行ってもよい。具体的には、コントローラ60は、3次元構造体の反射特性に基づいて、ユーザが視認するべき色の波長で色づけされた画像が3次元構造体の表面で反射された光によって形成される状況を実現可能な画像を示す画像データが生成されるように、変換処理を行ってもよい。
3次元構造体の表面で反射した光の強度もまた、3次元構造体の表面で反射した光の波長と同様に、3次元構造体の表面の反射特性(例えば、反射率)に応じて変動する。従って、コントローラ60は、3次元構造体の反射特性に基づいて画像データが生成されるように、変換処理を行ってもよい。具体的には、コントローラ60は、3次元構造体の反射特性に基づいて、ユーザが視認するべき明るさの画像が3次元構造体の表面で反射された光によって形成される状況を実現可能な画像を示す画像データが生成されるように、変換処理を行ってもよい。
再び図10において、その後、コントローラ60は、ユーザから、3次元構造体に投影する画像を切り替えることを要求する切替指示が入力されたか否かを判定する(ステップS25)。或いは、3DプリンタPRがネットワーク網を介して外部のサーバと通信可能である場合には、コントローラ60は、外部のサーバから切替指示が入力されたか否かを判定してもよい。
ステップS25の判定の結果、切替指示が入力されたと判定される場合には(ステップS25:Yes)、コントローラ60は、新たな画像データを取得する(ステップS22)。その後、コントローラ60は、新たに取得した画像データに対して変換処理を行う(ステップS23)。その後、コントローラ60は、新たに取得した画像データが示す画像を投影装置31から34の夫々が投影するように、投影装置31から34を制御する(ステップS24)。その結果、ユーザは、新たな画像に応じた色づけがなされた3次元構造体を視認する。
例えば、ユーザが図16に示すように画像が投影されている3次元構造体を視認している状況を想定する。この場合、ユーザはスカートを着用している人物を視認している。この状況で、パンツを着用している人物の画像を示す新たな画像データが取得されたとする。その結果、ユーザが視認する3次元構造体は、スカートを着用している人物を示す3次元構造体から、パンツを着用している人物を示す3次元構造体へと切り替わる。つまり、ユーザが視認する3次元構造体の表面の少なくとも一部に投影される画像そのものが変わる。
或いは、ユーザが、白色のシャツを着用している人物を視認している状況を想定する。この状況で、ライトブルー色のシャツを着用している人物の画像を示す新たな画像データが取得されたとする。その結果、ユーザが視認する3次元構造体は、白色のシャツを着用している人物を示す3次元構造体から、ライトブルー色のシャツを着用している人物を示す3次元構造体へと切り替わる。つまり、ユーザが視認する3次元構造体の表面の少なくとも一部に投影される画像そのものが変わらない(但し、画像の色は除く)ものの、ユーザが視認する3次元構造体の表面の少なくとも一部の仮想的な色が変わる。
或いは、ユーザが、相対的に明るい髪の毛の人物を視認している状況を想定する。この状況で、相対的に暗い髪の毛の人物の画像を示す新たな画像データが取得されたとする。その結果、ユーザが視認する3次元構造体は、相対的に明るい髪の毛の人物を示す3次元構造体から、相対的に暗い髪の毛の人物を示す3次元構造体へと切り替わる。つまり、ユーザが視認する3次元構造体の表面の少なくとも一部に投影される画像そのものが変わらない(但し、画像の明るさは除く)ものの、ユーザが視認する3次元構造体の表面の少なくとも一部の仮想的な明るさが変わる。
但し、ユーザが視認する3次元構造体の表面の少なくとも一部の仮想的な色は、投影装置31から34のうちの少なくとも一つが照射する光の波長の変更によっても変わり得る。同様に、ユーザが視認する3次元構造体の表面の少なくとも一部の仮想的な明るさは、投影装置31から34のうちの少なくとも一つが照射する光の強度の変更によっても変わり得る。従って、コントローラ60は、画像データを切り替えることに代えて、投影装置31から34のうちの少なくとも一つが照射する光の波長及び強度のうちの少なくとも一方を変更してもよい。例えば、コントローラ60は、ユーザが視認する3次元構造体の表面のうちの第4部分の仮想的な色が変わるように、当該第4部分に照射する光の波長を変更してもよい。例えば、コントローラ60は、ユーザが視認する3次元構造体の表面のうちの第4部分の仮想的な明るさが変わるように、当該第4部分に照射する光の強度を変更してもよい。
他方で、ステップS25の判定の結果、切替指示が入力されていないと判定される場合には(ステップS25:No)、コントローラ60は、新たな画像データを取得しなくてもよい。
他方で、ステップS21の判定の結果、投影指示が入力されていないと判定される場合には(ステップS21:No)、コントローラ60は、ステップS22からステップS25の処理を行なわなくてもよい。但し、投影指示が入力されていない場合であっても、3次元構造体の造形が完了した後に、コントローラ60は、ステップS22からステップS25の処理を行ってもよい。この場合、コントローラ60は、ステップS21の処理を行なわなくてもよい。
その後、コントローラ60は、ユーザから、3次元構造体から造形材料ELを生成することを要求する生成指示が入力されたか否かを判定する(ステップS31)。或いは、3DプリンタPRがネットワーク網を介して外部のサーバと通信可能である場合には、コントローラ60は、外部のサーバから生成指示が入力されたか否かを判定してもよい。
ステップS31の判定の結果、生成指示が入力されたと判定される場合には(ステップS31:Yes)、コントローラ60は、溶解液LQを供給するように生成ヘッド22を制御する(ステップS32)。生成ヘッド22が作業空間SPの上方に配置されているがゆえに、生成ヘッド22は、ステージ40が支持する3次元構造体の上方に位置する。このため、生成ヘッド22が供給した溶解液LQは、3次元構造体を伝って下方に落ちていく。このため、生成ヘッド22は、3次元構造体の上方から3次元構造体に対して溶解液LQを供給することで、実質的に3次元構造体の全体に溶解液LQを供給することができる。溶解液LQが供給された結果、造形処理によって造形された3次元構造体が溶解する。3次元構造体が溶解した結果、ステージ40上からは、3次元構造体が実質的に消滅する。言い換えれば、ステージ40上から3次元構造体が実質的に除去される。3次元構造体が溶解することで得られる生成物(つまり、造形材料EL)は、回収口403から回収される。回収口403から回収された造形材料ELは、3次元構造体を造形するための造形材料ELとして再利用可能である。従って、3次元構造体から造形材料ELを生成するための生成処理は、実質的には、3次元構造体から造形材料ELを復元するための復元処理を含むと言える。
尚、生成ヘッド22が3次元構造体の上方から3次元構造体に対して溶解液LQを供給するだけでは3次元構造体の全体に溶解液LQが供給されない場合には、コントローラ60は、生成ヘッド22からの溶解液LQの供給に合わせて、ステージ40が移動するようにステージ40を制御してもよい。その結果、ステージ40が移動しない場合と比較して、3次元構造体の全体に溶解液LQが供給されやすくなる。
3次元構造体から造形材料ELが生成された後は、コントローラ60は、ステップS11以降の処理を再度行う。従って、造形指示が入力された場合には、3次元構造体が再度造形される。この場合、3次元構造体から生成された造形材料ELが、3次元構造体を造形するための造形材料ELとして用いられてもよい。
他方で、ステップS31の判定の結果、生成指示が入力されていないと判定される場合には(ステップS31:No)、コントローラ60は、ステップS32の処理を行わない。この場合、コントローラ60は、図10に示す処理を終了する。或いは、コントローラ60は、ステップS11の処理を再度行ってもよい。
他方で、ステップS11の判定の結果、造形指示が入力されていないと判定される場合には(ステップS11:No)、コントローラ60は、ステージ40が既に3次元構造体を支持しているか否かを判定する(ステップS41)。
ステップS41の判定の結果、ステージ40が3次元構造体を支持していると判定される場合には(ステップS41:Yes)、3DプリンタPRは、新たな3次元構造体を造形していないものの、ステージ40が既に支持している既存の3次元構造体に対して投影処理及び生成処理を行うことが可能である。従って、この場合には、コントローラ60は、ステップS21以降の処理を行う。他方で、ステップS41の判定の結果、ステージ40が3次元構造体を支持していないと判定される場合には(ステップS41:No)、3コントローラ60は、図10に示す処理を終了する。或いは、コントローラ60は、ステップS11の処理を再度行ってもよい。
以上説明したように、本実施形態の3DプリンタPRは、造形材料ELを用いて造形した3次元構造体から、造形材料ELを生成することができる。更に、3DプリンタPRは、生成した造形材料ELを用いて、新たな3次元構造体を造形することができる。このため、3次元構造体から造形材料ELが生成されない場合と比較して、複数の3次元構造体を造形するために必要な造形材料ELの総量が少なくなる。従って、造形材料ELの調達に必要なコストが低減する。
本実施形態の3DプリンタPRは、造形した3次元構造体に画像を投影することができる。その結果、ユーザは、仮想的な色づけが表面になされた3次元構造体を視認することができる。特に、画像の投影によって3次元構造体の仮想的な色づけが行われるがゆえに、画像の切り替え(或いは、照射装置30が照射する光の特性の変更)によって、3次元構造体の色づけが容易に変更可能である。つまり、3次元構造体に対する色づけのやり直しが極めて容易である。従って、3DプリンタPRは、ユーザに対して、様々色づけがなされた多種多様な外観を有する3次元構造体を提示することができる。尚、3次元構造体の表面に投影される画像は、静止画であってもよいし、動画であってもよい。
本実施形態の3DプリンタPRでは、プリントヘッド20が移動しない。従って、プリントヘッド20を移動させるための移動機構が、プリントヘッド20の上方に配置されなくてもよい。更には、3DプリンタPRを構成する部材及び装置の一部(例えば、コントローラ60、移動機構54及び循環系統)が、3DプリンタPRを構成する部材及び装置の他の一部(例えば、ベース11、支柱13及び梁部材15等)の内部に収容される。このため、3DプリンタPRの外観がシンプルで洗練された外観となる。
本実施形態の3DプリンタPRでは、パネル16が透過性を有する部材である。このため、ユーザは、ステージ40が支持する3次元構造体を適切に視認することができる。尚、ステージ40が支持する3次元構造体をユーザが適切に視認することができるがゆえに、3DプリンタPRは、商品を展示するディスプレイ装置としても利用可能である。例えば、3DプリンタPRは、造形処理及び生成処理を繰り返すことにより、異なる商品を順次展示することができる。例えば、3DプリンタPRは、投影処理を行うことにより、異なる色づけがなされた商品を順次展示することができる。
また、ステージ40が支持する3次元構造体をユーザが適切に視認することができるがゆえに、3DプリンタPRは、造形処理によって造形された3次元構造体を広告媒体として用いる広告装置としても利用可能である。或いは、3DプリンタPRは、投影処理によって表面に仮想的な色づけがなされた3次元構造体を広告媒体として用いる広告装置としても利用可能である。この場合、3DプリンタPRは、駅や街頭等の公共の場所に設置されてもよい。3DプリンタPRは、個人宅等の私的な場所に設置されてもよい。
コントローラ60は、3Dプリントデータのみならず制御データにも基づいて、投影装置31から34の夫々が投影するべき画像を示す画像データを生成することができる。このため、コントローラ60は、実際に造形された3次元構造体の表面により適切に重なり合う画像を示す画像データを生成可能である。
尚、上述した3DプリンタPRの構成(例えば、3DプリンタPRを構成する各部材(或いは、各装置)の形状や、配置位置や、サイズ等)はあくまで一例である。従って、3DプリンタPRの構成の少なくとも一部が適宜改変されてもよい。同様に、上述した3DプリンタPRが行う処理(例えば、処理の内容や、処理の流れや、処理の順序等)はあくまで一例である。従って、3DプリンタPRが行う処理の少なくとも一部が適宜改変されてもよい。以下、改変例の一部について説明する。
XY平面に沿ったベース11の形状は、三角形とは異なる形状(例えば、四角形等の任意の多角形や、円形や、楕円形等)であってもよい。XY平面に沿ったパネル16の形状もまた、三角形とは異なる形状(例えば、四角形等の任意の多角形や、円形や、楕円形等)であってもよい。XY平面に沿ったベース11の形状は、XY平面に沿ったパネル16の形状と同じ又は相似でなくてもよい。
パネル16の内部の空間(例えば、作業空間SP)は、パネル16の外部から常に視認可能でなくてもよい。この場合、例えば、視認性を変えることが可能な材料(例えば、可視光に対して透過率が可変な材料)を用いてパネル16が形成されてもよい。パネル16が移動可能であってもよい。この場合、例えば、パネル16が不要な期間中はパネル11がベース11の内部に収容されるように、パネル16が移動してもよい。或いは、3DプリンタPRは、パネル16を備えていなくてもよい。
ステージ40は、壁部材402に代えて、上方に延在する突起部(壁部)が周縁部に形成された支持部材401を備えていてもよい。或いは、ステージ40は、壁部材402(或いは、支持部材401に形成される突起部)を含んでいなくてもよい。3DプリンタPRは、移動機構50に加えて又は代えて、ステージ40を移動可能な多軸ロボットアームを備えていてもよい。
3DプリンタPRは、造形ヘッド21に加えて又は代えて、造形処理を行うことが可能な任意の造形装置を備えていてもよい。3DプリンタPRは、生成ヘッド22に加えて又は代えて、生成処理を行うことが可能な任意の生成装置を備えていてもよい。
造形ヘッド21と生成ヘッド22とは隣接していなくてもよい。3DプリンタPRは、造形ヘッド21及び生成ヘッド22の双方を備えるプリンタヘッド20に代えて、造形ヘッド21を備える第1プリンタヘッドと、生成ヘッド22を備える第2プリンタヘッドとを別個に備えていてもよい。第1プリンタヘッドと第2プリンタヘッドとが(或いは、任意の造形装置と任意の生成装置とが)、別々の部材に配置されていてもよい。尚、第1プリンタヘッドと第2プリンタヘッドとが別々の部材に配置される一例は、後述する第1変形例(図18参照)に相当する。或いは、造形ヘッド21と生成ヘッド22とが一体化されていてもよい。
上述の実施形態では、プリントヘッド20は移動しない。しかしながら、プリントヘッド20が移動可能であってもよい。この場合、3DプリンタPRは、プリントヘッド20を移動させることが可能な他の移動機構を備えていてもよい。他の移動機構は、上述した移動機構50と同様の構成を有していてもよい。或いは、他の移動機構は、上述した移動機構50と異なる構成を有していてもよい。他の移動機構は、プリントヘッド20の上方に配置されてもよい。
上述の実施形態では、造形処理は、材料供給処理及び乾燥処理を含んでいる。しかしながら、造形処理は、材料供給処理及び乾燥処理のうちの少なくとも一方に加えて又は代えて、造形材料ELを用いて3次元構造体を造形することに寄与する任意の処理を含んでいてもよい。
乾燥処理は、材料供給処理によって供給された造形材料ELの全てを固形化するように、造形材料ELを乾燥させてもよい。或いは、乾燥処理は、材料供給処理によって供給された造形材料ELの一部を固形化する一方で、材料供給処理によって供給された造形材料ELの他の一部を固形化しないように、造形材料ELを乾燥させてもよい。この場合、乾燥処理によって固形化されなかった造形材料ELの他の一部は、回収口403を介して回収されてもよい。
造形ヘッド21は、乾燥処理を行うために、気体供給口212から気体を吹き出さなくてもよい。この場合、造形ヘッド21には、気体供給口212が形成されていなくてもよい。この場合であっても、造形ヘッド21が供給した造形材料ELが自然乾燥する場合には、3次元構造体が造形される。尚、造形材料ELの自然乾燥を促進させるために、作業空間SPが、温度及び湿度が適切に管理されたチャンバ内に設定されてもよい。
上述の実施形態では、生成処理は、液体供給処理を含んでいる。しかしながら、生成処理は、液体供給処理に加えて又は代えて、3次元構造体から造形材料ELを生成することに寄与する任意の処理を含んでいてもよい。例えば、生成処理は、溶解液LQを供給することなく3次元構造体を溶解させることが可能な任意の処理を含んでいてもよい。例えば、生成処理は、3次元構造体を分解、粉砕、解体又は破壊することが可能な任意の処理を含んでいてもよい。このような任意の処理の一例として、所望の気体を3次元構造体に吹き付ける処理があげられる。このような任意の処理の一例として、所望の固体を3次元構造体に衝突又は接触させる処理があげられる。このような任意の処理の一例として、3次元構造体に対して物理的な作用を加える(例えば、物理的な衝撃を加える)処理があげられる。このような任意の処理の一例として、3次元構造体に対して化学的な作用を加える(例えば、3次元構造体と化学的に反応する物質を供給する)処理があげられる。このような任意の処理の一例として、3次元構造体に対して熱的な作用を加える(例えば、3次元構造体を加熱する又は冷却する)処理があげられる。このような任意の処理の一例として、3次元構造体に対して電気的な作用を加える(例えば、3次元構造体に対して所定電圧を印加する、又は、3次元構造体を所定の電場空間に配置する)処理があげられる。このような任意の処理の一例として、3次元構造体に対して磁気的な作用を加える(例えば、3次元構造体を所定の磁場空間に配置する)処理があげられる。このような任意の処理の一例として、3次元構造体に対して光学的な作用を加える(例えば、所定の強度を有する所定の波長の光(或いは、任意の電磁波)を照射する)処理があげられる。
上述した実施形態では、3次元構造体から造形材料ELを生成することを要求する生成指示が入力された場合に、生成処理(液体供給処理)が行われる。一方で、生成ヘッド22が溶解液LQを供給した結果、ステージ40上から3次元構造体が実質的に消滅する又は除去されることは上述したとおりである。このため、生成指示に代えて、ステージ40上から3次元構造体を消滅させる又は除去することを要求する指示が入力された場合に、生成処理(液体供給処理)が行われてもよい。或いは、上述したように、生成処理が3次元構造体を溶解、分解、粉砕、解体又は破壊することが可能な任意の処理を含んでいてもよいことを考慮すれば、生成指示に代えて、3次元構造体を溶解、分解、粉砕、解体又は破壊することを要求する指示が入力された場合に、生成処理(液体供給処理)が行われてもよい。
上述した実施形態では、溶解液LQは、造形材料ELが含む液体EL3と同じである。しかしながら、溶解液LQは、造形材料ELが含む液体EL3と同じでなくてもよい。この場合には、液体供給処理によって生成される生成物(つまり、複数の粒子EL1と結合材料EL2と溶解液LQとの混合物)は、造形材料ELとは異なる。この場合には、液体供給処理によって生成される生成物に対して、溶解液LQを除去すると共に液体LQを添加する付加処理が行われれば、3次元構造体から造形材料ELが生成されることに変わりはない。つまり、液体供給処理は、3次元構造体から造形材料ELを直接的に生成する処理ではないものの、3次元構造体から造形材料ELを生成するために用いられる中間物(つまり、上述した混合物)を生成する処理に相当する。中間物から造形材料ELが生成可能であることを考慮すれば、3次元構造体から中間物を生成する処理である液体供給処理は、3次元構造体から造形材料ELを生成するための生成処理の一環であることに変わりはない。このため、溶解液ELが液体EL3と同じでない場合であっても、液体供給処理は、3次元構造体から造形材料ELを生成するための生成処理であることに変わりはない。
図17に示すように、材料タンク111の上流に、材料再生処理部116が配置されていてもよい。材料再生処理部116は、回収口403から回収された回収物(つまり、複数の粒子EL1と結合材料EL2と溶解液LQとの混合物)に所定の処理を施して、造形材料ELを生成する(つまり、再生する)。材料再生処理部116が行う処理は、例えば、回収物に含まれる溶解液LQの少なくとも一部の除去する(例えば、廃棄する又は気化する)処理を含んでいてもよい。上述したように溶解液LQと液体EL3が同一の場合には、材料再生処理部116は、溶解液LQの一部を除去することによって、造形に適した粘度の造形材料ELを再生し、当該再生した造形材料ELを材料タンク111に供給することができる。また、材料再生処理部116は、回収物に含まれる材料(例えば、粒子EL1)のクリーニング処理を行ってもよい。また、材料再生処理部116は、材料(粒子EL1、結合材料EL2など)の付加処理を行ってもよい。尚、回収口403から回収された回収物の少なくとも一部は廃棄されてもよい。
液体供給口221から供給される溶解液LQの温度は、材料供給口211から供給される造形材料EL(特に、液体EL3)の温度と同じであってもよい。液体供給口221から供給される溶解液LQの温度は、材料供給口211から供給される造形材料EL(特に、液体EL3)の温度と同じでなくてもよい。溶解液LQの温度が造形材料ELの温度と同じでない場合には、生成処理は、液体供給処理によって生成される生成物(つまり、複数の粒子EL1と結合材料EL2と溶解液LQとの混合物)の温度を調節する処理を含んでいてもよい。この場合、液体供給処理によって生成される生成物は、その温度が調節された後に、材料タンク111に貯留されてもよい。
上述した実施形態では、造形処理及び生成処理は、粒子ELの状態を変えることはない。しかしながら、造形処理及び生成処理のうちの少なくとも一方は、粒子ELの状態を変える処理を含んでいてもよい。この場合には、造形処理及び生成処理の少なくとも一方は、変わってしたまった粒子ELの状態を元の状態に戻す処理を含んでいてもよい。
尚、液体供給処理によって生成される生成物が造形材料ELとは異なる場合に限らず、任意の生成処理によって生成される生成物が造形材料ELとは異なる場合においても、当該生成物から造形材料ELが生成可能である限りは、当該生成処理は、3次元構造体から造形材料ELを生成するための生成処理であることに変わりはない。但し、任意の生成処理によって生成される生成物が造形材料ELとは異なる場合には、3DプリンタPRは、生成物から造形材料ELを生成するための他の装置(例えば、上述した溶解液LQを除去する除去装置や、液体EL3を添加する添加装置等)を備えていてもよい。この場合、生成処理は、他の装置が行う処理を含んでいてもよい。
上述した実施形態では、溶解液LQは、液体供給口221から供給される。しかしながら、溶解液LQは、材料供給口211から供給されてもよい。この場合、3DプリンタPRは、供給管114、供給管132、供給管152、供給管202及び液体供給口221の少なくとも一部を備えていなくてもよい。
図10に示すフローチャートは、3DプリンタPRが、3次元構造体の造形を完了する後に生成処理を行う例を示している。しかしながら、3DプリンタPRは、3次元構造体の造形が完了する前に、生成処理を行ってもよい。つまり、3DプリンタPRは、3次元構造体の造形が完了する前に、造形途中の3次元構造体をステージ40(支持部材401)上から消滅させる又は除去する処理を行ってもよい。つまり、3DプリンタPRは、未完成の3次元構造体から造形材料ELを生成してもよい。この場合であっても、3DプリンタPRは、完成済みの3次元構造体から造形材料ELを生成する場合と同様に、未完成の3次元構造体から造形材料ELを生成してもよい。
上述した実施形態では、生成ヘッド22は、ステージ40が支持する3次元構造体の全体を溶解するように溶解液LQを供給している。しかしながら、生成ヘッド22は、ステージ40が支持する3次元構造体の一部を溶解する一方で、ステージ40が支持する3次元構造体の他の一部を溶解しないように溶解液LQを供給してもよい。この場合、コントローラ60は、3次元構造体のうち溶解させるべき部分に溶解液LQが供給される一方で、3次元構造体のうち溶解させるべきでない部分に溶解液LQが供給されないように、ステージ40及び生成ヘッド22を制御してもよい。また、コントローラ60は、ステージ40及び生成ヘッド22を制御する場合には、ステージ40及び造形ヘッド21を制御するための制御データに基づいて、ステージ40及び生成ヘッド22を制御してもよい。というのも、制御データは、3次元構造体のうちの所望部分が造形ヘッド21の直下に位置するようにステージ40及び造形ヘッド21を制御可能なデータである。このため、造形ヘッド21と生成ヘッド22との間の位置関係が固定されていることを考慮すれば、制御データは、実質的には、3次元構造体のうちの所望部分が生成ヘッド22の直下に位置するように(つまり、3次元構造体のうちの所望部分に溶解液LQが供給されるように)ステージ40及び造形ヘッド21を制御可能なデータであるからである。尚、ステージ40が支持する3次元構造体の全体を溶解するように生成ヘッド22が溶解液LQを供給する場合においても、コントローラ60は、ステージ40及び造形ヘッド21を制御するための制御データに基づいて、ステージ40及び生成ヘッド22を制御してもよい。
造形材料ELは、複数の粒子EL1、結合材料EL2及び液体EL3の少なくとも一つを備えていなくてもよい。造形材料ELは、複数の粒子EL1、結合材料EL2及び液体EL3の少なくとも一つに加えて又は代えて、その他の材料を含んでいてもよい。各粒子EL1は、白色の粒子でなくてもよい。
例えば、造形材料ELは、水であってもよい。この場合、造形ヘッド21は、作業空間SPに対して水を供給する処理、及び、当該水が氷る程度に水を冷却する処理を、造形処理として行ってもよい。その結果、氷から構成される3次元構造体が造形される。一方で、生成ヘッド22は、氷から構成される3次元構造体を加熱する処理を、生成処理として行ってもよい。その結果、3次元構造体を構成する氷が溶解する。つまり、3次元構造体から、造形材料ELである水が生成される。
造形材料ELは、液体状態の材料でなくてもよい。造形材料ELは、固体状態の材料であってもよい。例えば、3DプリンタPRが熱溶解積層法を用いる場合には、造形材料ELは固体状態の材料であってもよい。この場合、造形ヘッド21は、加熱して溶解させた造形材料ELを供給する。造形ヘッド21が供給した造形材料ELは、冷却されることで固形化する。この場合であっても、生成ヘッド22は、固形化した造形材料ELから構成される3次元構造体に対して生成処理を行ってもよい。例えば、生成ヘッド22は、固形化した造形材料ELから構成される3次元構造体を加熱する処理を、生成処理として行ってもよい。その結果、生成ヘッド22は、液化した(或いは、ゲル化した)造形材料ELを生成可能である。このように、造形材料ELが固体状態の材料であっても、3DプリンタPRは、造形材料ELを用いて3次元構造体を造形可能であり、且つ、3次元構造体から造形材料ELを生成可能である。
複数の回収口403のうちの少なくとも一つは、ステージ40の支持部材401の上面に形成されていなくてもよい。例えば、複数の回収口403のうちの少なくとも一つは、ベース11の上面に形成されていてもよい。例えば、複数の回収口403のうちの少なくとも一つは、ベース11によって支持される任意の部材に形成されていてもよい。例えば、複数の回収口403のうちの少なくとも一つは、3DプリンタPRが備える任意の部材に形成されていてもよい。
造形材料ELの供給系統の少なくとも一部が、3DプリンタPRを構成する一部の部材の内部に形成されていなくてもよい。つまり、造形材料ELの供給系統の少なくとも一部が、3DプリンタPRの外観として視認可能であってもよい。同様に、溶解液LQの供給系統の少なくとも一部が、3DプリンタPRを構成する一部の部材の内部に形成されていなくてもよい。つまり、溶解液LQの供給系統の少なくとも一部が、3DプリンタPRの外観として視認可能であってもよい。尚、図9に示す例では、回収管532が3DプリンタPRを構成する一部の部材の内部に形成されていない。もちろん、回収管532も、3DプリンタPRを構成する一部の部材の内部に形成されていてもよい。
上述した実施形態では、造形材料EL及び溶解液LQの供給系統の一部が支柱13及び梁部材15の内部に形成されている。しかしながら、造形材料EL及び溶解液LQの供給系統の一部は、支柱13及び梁部材15に加えて又は代えて、支柱12及び梁部材14に形成されていてもよい。例えば、支柱12の内部には、造形材料ELを供給可能な供給管(例えば、供給管112に連結する供給管)が形成されていてもよい。例えば、支柱12の内部には、溶解液LQを供給可能な供給管(例えば、供給管114に連結する供給管)が形成されていてもよい。例えば、梁部材14の内部には、造形材料ELを供給可能な供給管(例えば、供給管201に連結する供給管)が形成されていてもよい。例えば、梁部材14の内部には、溶解液LQを供給可能な供給管(例えば、供給管202に連結する供給管)が形成されていてもよい。
複数の投影装置31から34のうちの少なくとも2つが、3次元構造体の表面のうちの同じ部分に同じ画像を投影してもよい。複数の投影装置31から34のうちの少なくとも2つが、3次元構造体の表面のうちの同じ部分に異なる画像を投影してもよい。照射装置30は、単一の投影装置を備えていてもよい。投影装置31から34のうちの少なくとも1つは、支柱12及び13とは異なる部材に取り付けられてもよい。
コントローラ60は、3Dプリントデータに基づいて画像データを変換しなくてもよい。コントローラ60は、制御データに基づいて画像データを変換しなくてもよい。この場合には、コントローラ60は、3次元構造体の表面に適切に重なり合う画像を示すように予め生成された画像データを取得してもよい。
上述した実施形態では、投影装置31から34の夫々から3次元構造体に照射された光は、3次元構造体の表面で反射する。しかしながら、投影装置31から34の夫々から3次元構造体に照射された光は、3次元構造体の内部で反射してもよい。この場合、ユーザは、3次元構造体の内部で反射した光の波長及び強度に応じた仮想的な色づけが表面になされた3次元構造体を視認する。或いは、投影装置31から34の夫々から3次元構造体に照射された光は、3次元構造体の表面又は内部で散乱してもよい。この場合、ユーザは、3次元構造体の表面又は内部で散乱した光の波長及び強度に応じた仮想的な色づけが表面になされた3次元構造体を視認する。或いは、投影装置31から34の夫々から3次元構造体に照射された光は、3次元構造体の内部を透過してもよい。この場合、ユーザは、3次元構造体の内部を透過した光の波長及び強度に応じた仮想的な色づけが表面になされた3次元構造体を視認する。
上述した実施形態では、照射装置30は、3次元構造体に光を照射する(つまり、画像を投影する)投影装置31から34を含んでいる。しかしながら、照射装置30は、投影装置31から34を含むことに加えて又は代えて、3次元構造体に任意の波長の電磁波を照射してもよい。電磁波は、例えば、紫外線、X線、赤外線及びマイクロ波のうちの少なくとも一つであってもよい。任意の電磁波が3次元構造体に照射される場合であっても、電磁波の照射に起因して3次元構造体が仮想的に色づけされる限りは、ユーザは、仮想的な色づけが表面になされた3次元構造体を視認することができる。例えば、3次元構造体を形成している造形材料が電磁波の照射に起因して発光する発光材料を含んでいる場合には、電磁波が照射された3次元構造体は、照射された電磁波の特性及び発光材料の特性のうちの少なくとも一方に応じた色で発光する。或いは、3次元構造体の表面に感光材料が塗布されている場合には、電磁波が照射された感光材料は、感光材料の特性に応じた波長の電磁波に感光する。その結果、感光した感光材料が表面に塗布された3次元構造体は、仮想的な色づけが表面になされた3次元構造体となる。
上述した実施形態では、切替支持が入力された場合に、投影画像が切り替えられる(図10のステップS25)。しかしながら、切替支持が入力されない場合であっても、投影画像が切り替えられてもよい。この場合、コントローラ60は、投影画像を切り替える都度新たな画像データを取得してもよい。或いは、コントローラ60は、投影指示が入力されたと判定された時点で、投影画像を切り替え可能な画像データ(例えば、2つ以上の画像データ)を取得しておいてもよい。
3DプリンタPRは、生成処理及び投影処理のうちの一方を行う一方で、生成処理及び投影処理のうちの他方を行わなくてもよい。3DプリンタPRが生成処理を行わない場合には、3DプリンタPRは、生成処理を行うための部材及び装置(例えば、液体供給口221を含む生成ヘッド22、溶解液タンク112、供給管114、供給管132、供給管152及び供給管202)を備えていなくてもよい。3DプリンタPRが生成処理を行わない場合には、3DプリンタPRは、生成処理によって生成された造形材料ELを回収するための部材及び装置(例えば、回収口403、回収管404、回収管421、回収管531、回収管532及び回収管115)を備えていなくてもよい。3DプリンタPRが投影処理を行わない場合には、3DプリンタPRは、投影処理を行うための部材及び装置(例えば、投影装置31から34を含む照射装置30)を備えていなくてもよい。
(3)3DプリンタPRの変形例
以下、3DプリンタPRの変形例について説明する。尚、上述した3DプリンタPRが備える部材又は装置と同一の部材又は装置については、同一の参照符号を付することでその詳細な説明を省略する。
(3−1)第1変形例の3DプリンタPRa
図18を参照しながら、第1変形例の3DプリンタPRaについて説明する。図18に示すように、第1変形例の3DプリンタPRaは、プリントヘッド20aが生成ヘッド22を備えていないという点で、上述した3DプリンタPRとは異なる。更に、第1変形例の3DプリンタPRaは、ステージ40aの支持部材401の上面に、溶解液LQを供給可能な液体供給口221aが形成されるという点で、上述した3DプリンタPRとは異なる。3DプリンタPRaのその他の部材及び装置の構成は、3DプリンタPRのその他の部材及び装置の構成と同一であってもよい。
第1変形例では、液体供給口221aを用いて液体供給処理が行われる。つまり、第1変形例では、液体供給処理は、液体供給口221aから支持部材401上に溶解液LQを供給する処理に相当する。ここで、支持部材401は、3次元構造体の下方で3次元構造体を支持している。このため、液体供給口221aから溶解液LQが供給されると、3次元構造体のうち支持部材401と接している部分(言い換えれば、支持部材401上に供給された溶解液LQと接している部分)が溶解していく。つまり、3次元構造体の下方部分が溶解していく。3次元構造体の下方部分の溶解に伴って、3次元構造体は、徐々に下方に向かって崩れ落ちていく。その結果、3次元構造体のうち未だ溶解していない部分が新たに溶解液LQと接することになる。従って、結果として、3次元構造体の全体が溶解する。
第1変形例の3DプリンタPRaは、上述した3DプリンタPRが享受可能な効果と同様の効果を享受することができる。更に、第1変形例の3DプリンタPRaでは、3次元構造体を支持しているステージ40(支持部材401)上に溶解液LQが供給される。このため、生成処理が行われている期間中に溶解液LQの供給に合わせてステージ40が移動しなくても、3次元構造体の全体が溶解しやすくなる。或いは、ステージ40の移動に合わせた適切なタイミングで液体供給口221aが溶解液LQを供給しなくても(つまり、任意のタイミングで液体供給口221aが溶解液LQを供給しても)、3次元構造体の全体が溶解しやすくなる。従って、ステージ40の移動及び溶解液LQの供給に伴うコントローラ60の処理負荷が低減する。
(3−2)第2変形例の3DプリンタPRb
図19を参照しながら、第2変形例の3DプリンタPRbについて説明する。上述した3DプリンタPRは、3次元構造体の表面により適切に重なり合う画像を投影するために、制御データに基づいて、画像データを変換する変換処理を行っている。一方で、第2変形例の3DプリンタPRbは、3次元構造体の表面により適切に重なり合う画像を投影するために、変換処理を行うことに加えて又は代えて、制御データに基づいて、照射装置30及びステージ40のうちの少なくとも一方を制御するという点で、上述した3DプリンタPRとは異なる。3DプリンタPRbのその他の構成及び処理は、3DプリンタPRのその他の構成及び処理と同一であってもよい。
具体的には、コントローラ60は、照射装置30が投影する画像が3次元構造体の表面により適切に重なり合うように、ステージ40を移動してもよい。例えば、コントローラ60は、ステージ40をX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向のうちの少なくとも一つに沿って移動してもよい。つまり、コントローラ60は、ステージ40の配置位置を制御してもよい。例えば、コントローラ60は、ステージ40をθX方向、θY方向及びθZ方向のうちの少なくとも一つに沿って移動してもよい。つまり、コントローラ60は、ステージ40の配置角度を制御してもよい。ステージ40の配置位置及び配置角度のうちの少なくとも一方が変わると、照射装置30が備える投影装置31から34の夫々と3次元構造体の表面との間の位置関係が変わる。このため、コントローラ60は、ステージ40の配置位置及び配置角度のうちの少なくとも一方を制御することで、照射装置30が投影する画像が3次元構造体の表面により適切に重なり合う状態を実現可能である。
或いは、コントローラ60は、照射装置30が備える投影装置31から34のうちの少なくとも一つを移動してもよい。例えば、コントローラ60は、投影装置31から34のうちの少なくとも一つをX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向のうちの少なくとも一つに沿って移動してもよい。つまり、コントローラ60は、投影装置31から34のうちの少なくとも一つの配置位置を制御してもよい。例えば、コントローラ60は、投影装置31から34のうちの少なくとも一つをθX方向、θY方向及びθZ方向のうちの少なくとも一つに沿って移動してもよい。つまり、コントローラ60は、投影装置31から34のうちの少なくとも一つの配置角度を制御してもよい。投影装置31から34のうちの少なくとも一つの配置位置及び配置角度のうちの少なくとも一方が変わると、照射装置30が備える投影装置31から34のうちの少なくとも一つと3次元構造体の表面との間の位置関係が変わる。このため、コントローラ60は、投影装置31から34のうちの少なくとも一つの配置位置及び配置角度のうちの少なくとも一方を制御することで、照射装置30が投影する画像が3次元構造体の表面により適切に重なり合う状態を実現可能である。
投影装置31から34のうちの少なくとも一つの配置位置及び配置角度のうちの少なくとも一方を制御するために、3DプリンタPRbは、図19に示すように、投影装置31を移動させることが可能な移動機構51b、投影装置32を移動させることが可能な移動機構52b、投影装置33を移動させることが可能な移動機構53b及び投影装置34を移動させることが可能な移動機構54bのうちの少なくとも一つを更に備えている。移動機構51bから54bの夫々は、3DプリンタPRを構成する一部の部材の内部(例えば、ベース11や、支柱12や、支柱13等)に配置されていてもよい。
第2変形例の3DプリンタPRbは、上述した3DプリンタPRが享受可能な効果と同様の効果を享受することができる。
(3−3)第3変形例の3DプリンタPRc
図20を参照しながら、第3変形例の3DプリンタPRcについて説明する。上述した3DプリンタPRは、制御データに基づいて、画像データを変換する変換処理を行っている。一方で、第3変形例の3DプリンタPRcは、造形処理が行われている期間中のステージ40の位置を計測するという点で、上述した3DプリンタPRとは異なる。更に、3DプリンタPRcは、制御データに基づくことに加えて又は代えて、当該計測した位置に基づいて、画像データを変換する変換処理を行うという点で、上述した3DプリンタPRとは異なる。3DプリンタPRcのその他の構成及び処理は、3DプリンタPRのその他の構成及び処理と同一であってもよい。
ステージ40の位置を計測するために、3DプリンタPRcは、図20に示すように、位置計測装置70cを備えている。尚、図20では、説明の便宜上、位置計測装置70cがベース11の内部の収容空間に収用されている図を例示している。しかしながら、位置計測装置70cの少なくとも一部は、ベース11の内部の収容空間に収用されていなくてもよい。例えば、位置計測装置70cは、作業空間SPの周囲又はステージ40の周囲に配置されていてもよい。
位置計測装置70cは、例えば、レーザ干渉計を備えていてもよい。レーザ干渉計は、ステージ40上に配置される移動鏡と、当該移動鏡に向けてレーザ光を照射するレーザ光源とを備えている。レーザ干渉計は、移動鏡とレーザ光源とが並ぶ方向に沿ったステージ40の位置を計測可能である。このため、位置計測装置70cがレーザ干渉計を備えている場合には、位置計測装置70cは、X軸方向に沿って並ぶ移動鏡及びレーザ光源を備えるレーザ干渉計と、Y軸方向に沿って並ぶ移動鏡及びレーザ光源を備えるレーザ干渉計と、Z軸方向に沿って並ぶ移動鏡及びレーザ光源を備えるレーザ干渉計とを備えていてもよい。
位置計測装置70cは、例えば、エンコーダ(例えば、リニアエンコーダ)を備えていてもよい。エンコーダは、ステージ40上に配置され且つ目盛りが刻まれたスケールと、当該スケールに光を照射すると共にスケールで反射した光を検出する光ヘッドとを備えている。エンコーダは、スケール上で目盛りが刻まれた方向に沿ったステージ40の位置を計測可能である。このため、位置計測装置70cがエンコーダを備えている場合には、位置計測装置70cは、X軸方向に沿って並ぶ目盛りが刻まれたスケールを備えるエンコーダと、Y軸方向に沿って並ぶ目盛りが刻まれたスケールを備えるエンコーダと、Z軸方向に沿って並ぶ目盛りが刻まれたスケールを備えるエンコーダとを備えていてもよい。
位置計測装置70cの計測結果は、造形処理が行われている期間中のステージ40の実際の移動態様を示している。従って、位置計測装置70cの計測結果は、実質的には、造形処理によって造形された3次元構造体の表面の形状をより高精度に示すデータであるとも言える。というのも、ステージ40の移動精度によっては、制御データに応じた移動態様に忠実にステージ40が移動しない可能性があり、その結果、実際に造形された3次元構造体の表面の形状は、3Dプリントデータ及び制御データが示す3次元構造体の表面の形状と一致しない可能性があるからである。このため、コントローラ60は、位置計測装置70cの計測結果に基づいて、画像データを、3次元構造体の表面に適切に重なり合う画像を示す画像データに変換する変換処理を行う。その結果、3次元構造体の表面により適切に重なり合う画像を示す画像データが生成される。このため、第3変形例の3DプリンタPRcは、上述した3DプリンタPRが享受可能な効果と同様の効果を享受することができる。
尚、第3変形例では、造形処理が行われている期間中にステージ40が移動するがゆえに、位置計測装置70cは、ステージ40の位置を計測している。但し、造形ヘッド21(材料供給口211)が移動しないがゆえに、ステージ40の位置は、造形ヘッド21の位置を間接的に示しているとも言える。或いは、ステージ40の位置は、ステージ40と造形ヘッド21との間の相対的な位置関係を間接的に示しているとも言える。従って、位置計測装置70cは、実質的には、ステージ40の位置に加えて又は代えて、造形ヘッド21の位置及びステージ40と造形ヘッド21との間の相対的な位置関係のうちの少なくとも一方を計測していると言える。但し、造形処理が行われている期間中に造形ヘッド21が移動する場合には、位置計測装置70cは、造形ヘッドの位置を計測してもよい。
第3変形例においても、第2変形例と同様に、コントローラ60は、位置計測装置70cの計測結果に基づいて、画像データを変換する変換処理を行うことに加えて又は代えて、照射装置30及びステージ40のうちの少なくとも一方を制御してもよい。
(3−4)第4変形例の3DプリンタPRd
図21を参照しながら、第4変形例の3DプリンタPRdについて説明する。上述した3DプリンタPRは、制御データに基づいて、画像データを変換する変換処理を行っている。一方で、第4変形例の3DプリンタPRdは、造形処理が行われている期間中の造形材料ELの実際の供給タイミング(つまり、材料供給口211が造形材料ELを実際に供給したタイミング)を計測するという点で、上述した3DプリンタPRとは異なる。更に、3DプリンタPRdは、制御データに基づくことに加えて又は代えて、当該計測した供給タイミングに基づいて、画像データを変換する変換処理を行うという点で、上述した3DプリンタPRとは異なる。3DプリンタPRdのその他の構成及び処理は、3DプリンタPRのその他の構成及び処理と同一であってもよい。
供給タイミングを計測するために、3DプリンタPRdは、図21に示すように、タイミング計測装置70dを備えている。尚、図21では、説明の便宜上、タイミング計測装置70dがベース11の内部の収容空間に収用されている図を例示している。しかしながら、タイミング計測装置70dの少なくとも一部は、ベース11の内部の収容空間に収用されていなくてもよい。例えば、タイミング計測装置70dは、作業空間SPの周囲又はプリントヘッド20の周囲に配置されていてもよい。例えば、タイミング計測装置70dは、3DプリンタPRを構成する部材及び装置の他の一部(例えば、梁部材14及び15等)に配置されていてもよい。例えば、タイミング計測装置70dは、3DプリンタPRを構成する部材及び装置の他の一部(例えば、梁部材14及び15等)の内部に配置されていてもよい。
タイミング計測装置70dは、例えば、材料供給口211の直下(或いは、材料供給口211とステージ40との間における造形材料ELが通過する空間)に向けて光を出射する光源と、材料供給口211の直下を通過した光を検出する受光素子とを備えていてもよい。光源が光を出射している状態(すなわち、材料供給口211の下を光源からの光が通過している状態)で材料供給口211が造形材料ELを供給した場合には、光源が出射した光は、造形材料ELを透過した後に受光素子に到達する。或いは、光源が出射した光は、造形材料ELによって遮光され、受光素子に到達しない。一方で、光源が光を出射している状態で材料供給口211が造形材料ELを供給していない場合には、光源が出射した光は、造形材料ELを透過することなく又は造形材料ELによって遮光されることなく、受光素子に到達する。従って、光源が光を出射している状態で材料供給口211が造形材料ELを供給した場合には、材料供給口211が造形材料ELを供給していない場合と比較して、受光素子が受光した光の強度が弱くなる。このため、タイミング計測装置70dの計測結果(光の強度)から、供給タイミングが特定可能である。
タイミング計測装置70dの計測結果は、造形処理が行われている期間中の造形材料の実際の供給タイミングを示している。従って、タイミング計測装置70dの計測結果は、実質的には、造形処理によって造形された3次元構造体の表面の形状をより高精度に示すデータであるとも言える。というのも、造形ヘッド21の供給精度によっては、制御データに応じた供給態様に忠実に造形ヘッド21が造形材料ELを供給しない可能性があり、結果、実際に造形された3次元構造体の表面の形状は、3Dプリントデータ及び制御データが示す3次元構造体の表面の形状と一致しない可能性がある。このため、コントローラ60は、タイミング計測装置70dの計測結果に基づいて、画像データを、3次元構造体の表面に適切に重なり合う画像を示す画像データに変換する変換処理を行う。その結果、3次元構造体の表面により適切に重なり合う画像を示す画像データが生成される。このため、第4変形例の3DプリンタPRdは、上述した3DプリンタPRが享受可能な効果と同様の効果を享受することができる。
第4変形例においても、第2変形例と同様に、コントローラ60は、タイミング計測装置70dの計測結果に基づいて、画像データを変換する変換処理を行うことに加えて又は代えて、照射装置30及びステージ40のうちの少なくとも一方を制御してもよい。また、3DプリンタPRdは、タイミング計測装置70dに加えて、第3変形例の位置計測装置70cを備えていてもよい。位置計測装置70cを備えている場合には、コントローラ60は、タイミング計測装置70dの計測結果(つまり、造形材料ELの供給タイミング)と位置計測装置70cの計測結果(つまり、ステージ40の位置)とを関連付けることによって、3次元構造体の表面の形状を高精度に示すデータを取得してもよい。更に、コントローラ60は、取得したデータに基づいて、画像データを変換する変換処理を行うことに加えて又は代えて、照射装置30及びステージ40のうちの少なくとも一方を制御してもよい。
(3−5)第5変形例の3DプリンタPRe
図22を参照しながら、第5変形例の3DプリンタPReについて説明する。第5変形例の3DプリンタPReは、カメラ70eを更に備えているという点で、上述した3DプリンタPRとは異なる。3DプリンタPReのその他の構成及び処理は、3DプリンタPRのその他の構成及び処理と同一であってもよい。
カメラ70eは、3DプリンタPRの少なくとも一部を撮像する。例えば、カメラ70eは、3DプリンタPRを構成する部材及び装置の少なくとも一部を撮像してもよい。例えば、カメラ70eは、作業空間SPの少なくとも一部を撮像してもよい。3DプリンタPReが複数のカメラ70eを備えていてもよい。また、カメラ70eが移動可能であってもよい。
カメラ70eは、ステージ40の少なくとも一部を撮像してもよい。この場合、コントローラ60は、カメラ70eの撮像結果を解析することで、ステージ40の位置を計測することができる。このため、造形処理が行われている期間中にカメラ70eがステージ40の少なくとも一部を撮像する場合には、コントローラ60は、造形処理が行われている期間中のステージ40の位置を計測することができる。つまり、カメラ70eは、コントローラ60と共に、実質的には、第3変形例の位置計測装置70cの一具体例として機能し得る。この場合には、3DプリンタPReは、第3変形例の3DプリンタPRcが行う処理と同様の処理を行なってもよい。つまり、3DプリンタPReは、カメラ70eの撮像結果に基づいて、3次元構造体の表面に適切に重なり合う画像が投影されるように、画像データを変換してもよい(或いは、照射装置30及びステージ40のうちの少なくとも一方を制御してもよい)。
カメラ70eは、材料供給口211を撮像してもよい。カメラ70eは、材料供給口211の直下の空間を撮像してもよい。この場合、コントローラ60は、カメラ70eの撮像結果を解析することで、材料供給口211が造形材料ELを実際に供給したタイミングを計測又は検知することができる。このため、造形処理が行われている期間中にカメラ70eが材料供給口211等を撮像する場合には、コントローラ60は、造形処理が行われている期間中に材料供給口211が造形材料ELを実際に供給したタイミングを計測することができる。つまり、カメラ70eは、コントローラ60と共に、実質的には、第4変形例のタイミング計測装置70dの一具体例として機能し得る。この場合には、3DプリンタPReは、第4変形例の3DプリンタPRdが行う処理と同様の処理を行なってもよい。つまり、3DプリンタPReは、カメラ70eの撮像結果に基づいて、3次元構造体の表面に適切に重なり合う画像が投影されるように、画像データを変換してもよい(或いは、照射装置30及びステージ40のうちの少なくとも一方を制御してもよい)。
カメラ70eは、3次元構造体の少なくとも一部を撮像してもよい。この場合、コントローラ60は、カメラ70eの撮像結果を解析することで、3次元構造体の表面の形状を計測することができる。例えば、カメラ70eは、照射装置30によって画像が投影された3次元構造体の少なくとも一部を撮像してもよい。例えば、照射装置30によって(或いは、その他の装置によって)3次元構造体の表面にテストパターン(例えば、格子状のパターン)が投影されている状況下で、カメラ70eは、3次元構造体の少なくとも一部を撮像してもよい。コントローラ60は、カメラ70eの撮像結果からテストパターンの形状を特定すると共に、特定したテストパターンの形状に基づいて3次元構造体の表面の形状を計測することができる。この場合には、3DプリンタPReは、計測した3次元構造体の表面の形状に基づいて、3次元構造体の表面に適切に重なり合う画像が投影されるように、画像データを変換してもよい(或いは、照射装置30及びステージ40のうちの少なくとも一方を制御してもよい)。
以上説明した例では、カメラ70eの撮像結果は、3次元構造体の表面により適切に重なり合う画像を投影するために用いられる。しかしながら、カメラ70eの撮像結果は、その他の用途に用いられてもよい。例えば、カメラ70eの撮像結果は、3DプリンタPRを構成する部材及び装置の故障判定のために用いられてもよい。具体的には、例えば、カメラ70eがステージ40の少なくとも一部を撮像している場合には、コントローラ60は、カメラ70eの撮像結果に基づいて、ステージ40が適切に移動しているか否か(或いは、ステージ40が故障しているか否か)を判定してもよい。例えば、カメラ70eが材料供給口211を撮像している場合には、コントローラ60は、カメラ70eの撮像結果に基づいて、材料供給口211が適切に造形材料ELを供給しているか否か(或いは、材料供給口211ないしは造形ヘッド21が故障しているか否か)を判定してもよい。例えば、カメラ70eが液体供給口221を撮像している場合には、コントローラ60は、カメラ70eの撮像結果に基づいて、液体供給口221が適切に溶解液LQを供給しているか否か(或いは、液体供給口221ないしは生成ヘッド22が故障しているか否か)を判定してもよい。
尚、図23に示すように、3DプリンタPRは、3DプリンタPRのユーザが保有するユーザ端末UTと接続可能であってもよい。ユーザ端末UTは、ユーザが操作可能な機器である。ユーザ端末UTの一例として、携帯電話、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータがあげられる。ユーザ端末UTと3DプリンタPRとは、通信網NET1を介して接続可能である。通信網NET1は、有線通信網(例えば、インターネット網、公衆回線網、専用回線網又は有線LAN等)を含んでいてもよい。通信網NET1は、無線通信網(例えば、移動体通信網、無線LAN又はBluetooth(登録商標)網等)を含んでいてもよい。3DプリンタPRは、通信網NET1を介して、ユーザ端末UTと双方向通信可能であってもよいし、片方向通信可能であってもよい。3DプリンタPRは、例えば、ユーザ端末UTにより制御可能であってもよい。例えば、ユーザ端末UTより、上述の造形処理を行うように3DプリンタPRが制御されてもよい。また、ユーザ端末UTより、上述の投影処理を行うように3DプリンタPR(特に、照射装置30)が制御されてもよい。また、ユーザ端末UTより、上述の生成処理を行うように3DプリンタPRが制御されてもよい。
図24に示すように、3DプリンタPRは、上述した外部のサーバ(図24では、制御サーバSRVと表記)と通信網NET2を介して接続可能であってもよい。通信網NET2は、有線通信網(例えば、インターネット網、公衆回線網、専用回線網又は有線LAN等)を含んでいてもよい。通信網NET1は、無線通信網(例えば、移動体通信網、無線LAN又はBluetooth網等)を含んでいてもよい。
この場合、図25に示すように、ユーザ端末UTと制御サーバSRVとが、通信網NET3を介して接続可能であってもよい。通信網NET3は、有線通信網(例えば、インターネット網、公衆回線網、専用回線網又は有線LAN等)を含んでいてもよい。通信網NET3は、無線通信網(例えば、移動体通信網、無線LAN又はBluetooth網等)を含んでいてもよい。制御サーバSRVは、通信網NET3を介して、ユーザ端末UTと双方向通信可能であってもよいし、片方向通信可能であってもよい。
上述の各実施形態の構成要件の少なくとも一部は、上述の各実施形態の構成要件の少なくとも他の一部と適宜組み合わせることができる。上述の各実施形態の構成要件のうちの一部が用いられなくてもよい。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態で引用した全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
以上、本明細書で説明した実施形態について、以下の付記を更に記載する。
[付記1]
造形材料を用いて3次元構造体を造形する造形装置と、
前記3次元構造体の表面からの光の特性を制御するために前記3次元構造体に電磁波を照射する照射装置と
を備える造形システム。
[付記2]
前記光の特性は、前記光の波長及び前記光の強度のうちの少なくとも一方を含む
付記1に記載の造形システム。
[付記3]
前記電磁波は、光を含む
付記1又は2に記載の造形システム。
[付記4]
前記表面からの光は、前記表面からの反射光を含む
付記3に記載の造形システム。
[付記5]
前記照射装置が照射する光は、前記表面の反射特性に基づいて制御される
付記3又は4に記載の造形システム。
[付記6]
前記表面からの光は、可視光を含む
付記1から5のいずれか一項に記載の造形システム。
[付記7]
前記照射装置は、前記電磁波の照射により前記表面からの光の特性を制御して、前記表面を仮想的に色づける
付記1から6のいずれか一項に記載の造形システム。
[付記8]
前記照射装置は、前記表面からの光の特性を変えることにより、前記表面の仮想的な色づけを変更可能である
付記7に記載の造形システム。
[付記9]
前記表面からの光は、前記表面の第1部分からの光と、前記第1部分とは異なる前記表面の第2部分からの光とを含み、
前記第1部分からの光と前記第2部分からの光は、前記特性が異なる
付記1から8のいずれか一項に記載の造形システム。
[付記10]
前記照射装置は、前記電磁波を照射して前記表面に画像を投影する
付記1から9のいずれか一項に記載の造形システム。
[付記11]
前記照射装置は、プロジェクションマッピング技術に基づいて前記表面に画像を投影する
付記10に記載の造形システム。
[付記12]
前記照射装置は、前記画像を変更可能である
付記10又は11に記載の造形システム。
[付記13]
前記照射装置は、第1照射部と、前記第1照射部とは異なる位置に配置された第2照射部とを備え、
前記第1照射部を使って前記表面の第3部分に投影される画像は、前記第2照射部を使って前記第3部分に投影される画像と異なる
付記10から12のいずれか一項に記載の造形システム。
[付記14]
前記造形装置及び前記照射装置を制御するコントローラを更に備える
付記1から13のいずれか一項に記載の造形システム。
[付記15]
前記コントローラは、第1の造形態様で前記3次元構造体を造形するように、前記造形装置を制御し、
前記コントローラは、前記第1の造形態様に基づいて前記照射装置を制御する
付記14に記載の造形システム。
[付記16]
前記照射装置は、前記電磁波を射出する射出部を含み、
前記照射装置の制御は、前記照射装置を使って前記表面に投影される画像の制御、前記射出部の配置位置の制御、及び、前記射出部の配置角度の制御のうちの少なくとも一つを含む
付記15に記載の造形システム。
[付記17]
前記3次元構造体を支持する可動の支持部材を更に備え、
前記造形装置は、前記造形材料を供給する材料供給口を備え、
前記第1の造形態様は、前記材料供給口からの前記材料の供給態様及び前記支持部材の移動態様のうちの少なくとも一方を含む
付記15又は16に記載の造形システム。
[付記18]
前記3次元構造体を支持する支持部材を更に備え、
前記造形装置は、前記造形材料を供給する材料供給口を備え、
前記コントローラは、前記材料供給口と前記支持部材の相対的な位置関係を変更するように前記造形装置及び前記支持部材のうちの少なくとも一方を制御して、前記3次元構造体を造形する
付記14から17のいずれか一項に記載の造形システム。
[付記19]
前記材料供給口の位置情報、前記支持部材の位置情報、及び、前記材料供給口と前記支持部材の相対的な位置情報の少なくとも1つを取得可能な位置計測装置を更に備え、
前記コントローラは、前記3次元構造体の造形中に前記位置計測装置が取得した前記位置情報に基づいて、前記照射装置が備える射出部からの前記3次元構造体に対する前記電磁波の照射を制御し、
前記電磁波の照射の制御は、前記支持部材の配置位置の制御、前記支持部材の配置角度の制御、前記射出部の配置位置の制御、前記射出部の配置角度の制御及び前記射出部を使って前記3次元構造体の表面に投影される画像の制御のうちの少なくとも一つを含む付記17又は18に記載の造形システム。
[付記20]
前記照射装置は、前記3次元構造体の造形中に前記位置計測装置が取得する前記位置情報に基づいて生成された画像を、前記表面に投影する
付記19に記載の造形システム。
[付記21]
前記材料供給口が前記造形材料を供給するタイミングを示すタイミング情報を取得可能なタイミング計測装置を更に備え、
前記コントローラは、前記3次元構造体の造形中に前記タイミング計測装置が取得した前記タイミング情報に基づいて、前記照射装置が備える射出部からの前記3次元構造体に対する前記電磁波の照射を制御し、
前記電磁波の照射の制御は、前記支持部材の配置位置の制御、前記支持部材の配置角度の制御、前記射出部の配置位置の制御、前記射出部の配置角度の制御及び前記射出部を使って前記3次元構造体の表面に投影される画像の制御のうちの少なくとも一つを含む付記17から20のいずれか一項に記載の造形システム。
[付記22]
前記照射装置は、前記3次元構造体の造形中に前記タイミング計測装置が取得する前記タイミング情報に基づいて生成された画像を、前記表面に投影する
付記21に記載の造形システム。
[付記23]
前記造形システムの少なくとも一部を撮像して撮像情報を取得する撮像装置を更に備え、
前記コントローラは、前記撮像装置が取得した前記撮像情報に基づいて、前記照射装置が備える射出部からの前記3次元構造体に対する前記電磁波の照射を制御し、
前記電磁波の照射の制御は、前記支持部材の配置位置の制御、前記支持部材の配置角度の制御、前記射出部の配置位置の制御、前記射出部の配置角度の制御及び前記射出部を使って前記3次元構造体の表面に投影される画像の制御のうちの少なくとも一つを含む付記17から22のいずれか一項に記載の造形システム。
[付記24]
前記照射装置は、前記撮像装置が取得する前記撮像情報に基づいて生成された画像を、前記表面に投影する
付記23に記載の造形システム。
[付記25]
前記撮像装置は、前記3次元構造体、前記支持部材及び前記材料供給口の少なくとも一部を撮像する
付記23又は24に記載の造形システム。
[付記26]
前記造形システムの少なくとも一部を撮像して撮像情報を取得する撮像装置を更に備える
付記1から25のいずれか一項に記載の造形システム。
[付記27]
前記照射装置は、前記撮像装置が取得した前記撮像情報に基づいて、前記電磁波を照射する
付記26に記載の造形システム。
[付記28]
前記造形装置は、前記撮像装置が取得した前記撮像情報に基づいて、前記3次元構造体を造形する
付記26又は27に記載の造形システム。
[付記29]
前記3次元構造体の少なくとも一部から前記造形材料を生成する生成装置を更に備える
付記26から28のいずれか一項に記載の造形システム。
[付記30]
前記生成装置は、前記撮像装置が取得した前記撮像情報に基づいて、前記造形材料を生成する
付記29に記載の造形システム。
[付記31]
前記照射装置は、前記電磁波を射出する射出部を含み、
前記造形装置は、所定空間に前記3次元構造体を造形し、
前記射出部は、前記所定空間の周囲に配置される
付記1から30のいずれか一項に記載の造形システム。
[付記32]
前記3次元構造体の表面は、白色である
付記1から31のいずれか一項に記載の造形システム。
[付記33]
前記造形材料は、複数の粒子と結合材料とを含み、
前記粒子の表面は、白色である
付記1から32のいずれか一項に記載の造形システム。
[付記34]
前記結合材料は、ポリビニルアルコールと酢酸ビニルとの少なくとも一方を含む
付記33に記載の造形システム。
[付記35]
造形材料を用いて3次元構造体を造形し、
前記3次元構造体の表面からの光の特性を制御するために前記3次元構造体に電磁波を照射する
造形方法。
[付記36]
付記1から34のいずれか一項に記載の造形システムを用いて前記3次元構造体を造形する造形方法。
[付記37]
3次元構造体をディスプレイするディスプレイ装置であって、付記1から34のいずれか一項に記載の造形システムを備えるディスプレイ装置。
[付記38]
3次元構造体をディスプレイするディスプレイ方法であって、
造形材料を用いて前記3次元構造体を造形し、
前記3次元構造体の表面からの光の特性を制御するために前記3次元構造体に電磁波を照射する
ディスプレイ方法。
[付記39]
3次元構造体をディスプレイするディスプレイ方法であって、付記1から34のいずれか一項に記載の造形システムを用いて前記3次元構造体をディスプレイするディスプレイ方法。
[付記40]
3次元構造体を用いた広告装置であって、付記1から34のいずれか一項に記載の造形システムを備える広告装置。
[付記41]
3次元構造体を用いた広告方法であって、
造形材料を用いて前記3次元構造体を造形し、
前記3次元構造体の表面からの光の特性を制御するために前記3次元構造体に電磁波を照射する
広告方法。
[付記42]
3次元構造体を用いた広告方法であって、付記1から34のいずれか一項に記載の造形システムを用いて造形された前記3次元構造体を広告媒体とする広告方法。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う造形システム及び造形方法、ディスプレイ装置及びディスプレイ方法、並びに、広告装置及び広告方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。