JP6778218B2 - ナノ製造デバイスを使用して分析物を測定するための設計および方法 - Google Patents

ナノ製造デバイスを使用して分析物を測定するための設計および方法 Download PDF

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Description

[0001]本開示は一般に、分析物を測定することに関し、より詳細には、量子トンネル効果を用いるナノ製造デバイスによって線状生体分子(たとえば、DNA、RNA、タンパク質など)を配列決定することに関する。
[0002]遺伝学においては、配列決定という用語は、DNA、RNA、アミノ酸などの線状生体分子の一次構造すなわち配列を決定する方法を指し得る。たとえば、DNA配列決定とは、所与のDNA断片中の核酸塩基(アデニン、グアニン、シトシンおよびチミン)の順序を決定するプロセスのことである。DNA配列決定は、一塩基多型、コピー数多型、遺伝子融合、挿入/欠失などの遺伝的変異を分子レベルで明らかにするための有力な方法である。したがって、疾患機構、遺伝子診断、および個人化医療を理解するのに必要不可欠である。
[0003]DNA配列プロセスは通常、試料から標的核酸を抽出し断片化することを含む。断片化核酸は、1つまたは複数のアダプターを一般に含む標的核酸テンプレートを生成するのに使用される。このテンプレートは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、クラスタを得るためのブリッジ増幅、あるいはDNAナノボール(DNB)とも呼ばれる核酸「ナノボール」の形のローリングサークル複製などの増幅方法にかけることができる。次に、配列決定処理が一本鎖核酸に対し、たとえば合成技法またはライゲーション技法で配列決定することによって行われる。しかし、このような増幅プロセスには一般に、コストが高い、複製配列決定に高い精度が必要とされる、読み取り長さが短い、およびラン当たりターンアラウンド時間(TTR)が長いことが伴う。
[0004]単分子レベルでDNAを配列決定するいくつかの技法が、増幅方法の不利点に対処するための取り組みの中で開発されている。たとえば、ナノポアシーケンシングでは、ある印加電圧がかけられて導電性流体中に浸漬されたタンパク質または固体材料中に存在する、微小なチャネルを核酸塩基が横切るときのイオン電流の変化を利用する。ナノポアシーケンシングについてのさらなる議論は、参照により本明細書にあらゆる目的のために組み込まれる、Wangらの「The Evolution of Nanopore Sequencing(ナノポアシーケンシングの進化)」、Frontiers in Genetics(フロンティアズ・イン・ジェネティクス)、2015、5、449に見出すことができる。このような単分子配列決定方法は、初期の遺伝子増幅方法の欠点のいくつかを克服するが、それでもやはり、分解能が低いなど、複製配列決定が必要になるいくつかの不利点を保持したままである。
[0005]つい最近、電極間の量子トンネル電流を用いてDNAの配列決定をするデバイスが明らかにされた。DNAセグメントが電極間の空間に存在するときに、量子トンネル電流の変化が検出され得る。変化の大きさは、測定が行われるときに存在する特定の核酸塩基にマッピングすることができる。量子トンネル効果を用いてDNAを配列決定するデバイスの一例として、機械的制御可能ブレイク接点(MCBJ)デバイスがある。このようなデバイスの1つが図1A〜1Bに示されている。
[0006]図1Aに示されるように、MCBJデバイス100は、金電極108、108’が上に形成されるシリコン基板102を含む。基板102は、接触点104’で基板102の下面と接触するプローブ104の上に置かれ、2つの力部材106が下向きの力を基板102の上面の接触点106’に加える。力を加える前、電極108、108’は単一の金電極構造体として存在する。力は電極構造体に変形を生じさせると共に、電極構造体が破断して、図1Aの上部中央の拡大図に示されたギャップ110によって分離される電極108、108’が形成されるまで、徐々に増大する。次に、接触点106’に加える力を増大または緩和させて、ギャップ110のサイズを、DNA断片がギャップ110内にあるときに量子トンネル電流の変化を検出するのに必要なサイズに調整することができる。
[0007]図1Bは、シリコン基板102と金電極構造体の平行アレイとを含むMCBJデバイス100の透過電子顕微鏡(TEM)像を示す。図1Bに示される電極構造体は、まだ破断されていない。図1Aに描写の接触点106’に力が加えられると、図1Bの電極構造体が破断して、ギャップ110によって分離された電極108、108’が形成される。
[0008]図1A〜1Bに示されたMCBJデバイス100を使用して、核酸塩基がギャップ110中に存在するときの電極108、108’間の量子トンネル電流の変化を測定することにより、DNAを単分子レベルで配列決定することができる。しかし、デバイス100にはいくつかの不利点が伴う。たとえば、電極108、108’の横寸法は、核酸塩基がギャップ110中に存在するときの量子トンネル電流の変化を観測するのに必要なギャップ110の幅を作り出すために、高精度に制御されなければならない。シリコン基板102が破断後に曲がると、電極108、108’間の間隔を調整することができ、そうしてギャップの幅を適切な値に固定することができる。しかし、アレイ中の他の電極のどれにも、必要とされる高精度の間隔のギャップはない。その結果、ただ1つのMCBJセンサしかチップ上で、任意の特定の調整されたギャップ幅で機能することができない。さらに、MCBJデバイス100は、電極108、108’に金を使用する必要がある。シリコン中におけるその高い拡散性、および電荷トラップを形成するその傾向の故に、金は通常、半導体ファウンドリにおいて禁じられている。それゆえに、MCBJデバイス100を製造するには専用の生産設備が、非標準的なリソグラフィ技法およびパターニング技法に加えて必要とされる。
[0009]したがって、DNAおよび他の線状生体分子を単分子レベルで配列決定するための、改善されたデバイスおよび方法を提供することが望ましい。
[0010]本発明の実施形態では、量子トンネル効果を用いて線状生体分子を単分子レベルで配列決定するための改善されたデバイスと、デバイスを作製する方法と、デバイスを使用する方法とを提供する。いくつかの実施形態では、ナノ製造デバイスが、基板と、基板の上面の第1の部分に配置された第1の電極と、基板の上面の第2の部分に配置された誘電体層と、誘電体層上に配置され第1の電極の上に懸架された第2の電極とを含めて提供される。ギャップが第1の電極の上面および第2の電極の下面によって画定され得る。ギャップの幅は、ナノ寸法設定することができると共に(たとえば、0.8〜5.0nm)、電圧が電極間に印加され(すなわち、各電極が異なる電位を有するとき)かつ線状分子の一部分(たとえば、核酸塩基またはアミノ酸)がギャップ内に存在するときに量子トンネル電流が電極間で伝送されるように、線状生体分子(たとえば、DNA、RNA、またはタンパク質分子)のサイズに対応することができる。
[0011]別の実施形態は、線状生体分子を単一分子レベルで量子トンネル効果を用いて配列決定するためのナノ製造デバイスを作製する方法が対象とされる。この方法は、核酸塩基がギャップ内に存在するときの量子トンネル電流(または電圧)の変化を検出するのに適している非常に高精度のギャップ幅を形成するための、原子層堆積(ALD)などの堆積技法を組み込むことができる。ALDは、基板の上に2つの気相前駆体化学物質を順次加えることを含み得る。前駆体は、基板表面と順次に自己制限的に反応する。前駆体を基板表面に繰り返しさらすことによって、薄膜が堆積され得る。薄膜は一度に1つの原子または分子が成長するので、膜の厚さは高精度に制御され得る。ALD膜は、2つの電極を形成するようにパターニングされた2つの導電層の間に堆積することができ、電極間の間隔は、ALD膜の厚さによって高精度に制御される。ALD膜を導電層の間の領域から除去すると、寸法が高精度のギャップが電極間に生成され得る。本発明の実施形態ではまた、化学的気相成長(CVD)、物理的気相成長(PVD)、イオンビームスパッタリング(IBS)、反応性スパッタリングなど、他の堆積技法を利用して、除去されたときに所望の幅のギャップが得られる犠牲膜を形成することもできる。
[0012]別の実施形態では、線状生体分子を単一分子レベルで量子トンネル効果を用いて配列決定するためのナノ製造デバイスを使用する方法が対象とされる。上述のように、ナノ製造デバイスは、高精度に形成されたギャップを2つの電極間に含み得る。電極間には直接の電気的接続があり得ないが、電圧が印加されたときに少量の電流が一方の電極から他方の電極へ通り抜けることができる。DNA、RNA、タンパク質などの線状生体分子は、インピーダンスによって特徴づけられる。このような線状分子がギャップを通過すると、生体分子の存在が量子トンネル電流の量に影響を及ぼし得る。個々の核酸塩基(たとえば、アデニン、グアニン、シトシン、およびチミン)ならびにアミノ酸は、それぞれ異なるインピーダンス値によって特徴づけられる。すなわち、量子トンネル電流の変化は、測定が行われるときにギャップ内に存在する特定の核酸塩基またはアミノ酸に依存し得る。高精度に画定された間隔を有する電極間のギャップを生体分子が横切るときの、測定されるトンネル電流または電圧の順次的変化は、生体分子の配列を反映し得る。
[0013]いくつかの実施形態では、量子トンネルを用いて線状生体分子を配列決定するためのデバイスを提供し、このデバイスは、上面を有する基板と、基板の上面の第1の部分に配置された第1の電極と、基板の上面の第2の部分に配置された第1の誘電体層と、第1の誘電体層上に配置され第1の電極の上に懸架された第2の電極と、第1の電極の上面および第2の電極の下面によって画定されたギャップとを含み、ギャップの幅は、電圧が第1の電極と第2の電極の間に印加され、かつ線状生体分子の一部分がギャップ内に存在するときに量子トンネル電流が第1の電極と第2の電極の間で伝送されるように、線状生体分子のサイズに対応する。
[0014]いくつかの実施形態では、基板は、半導体基板上に配置された第2の誘電体層を含む。別の実施形態では、ギャップの幅は約0.8〜5.0nmである。いくつかの実施形態では、ギャップはさらに、第1の誘電体層の上面および第2の電極の側面によって画定される。別の実施形態では、第1の誘電体層の上面と第1の電極の上面とが実質的に共平面である。いくつかの実施形態では、第1の電極と第2の電極は互いに直交するように方向づけられている。別の実施形態では、デバイスはさらに、第1の電極および第2の電極に電気的に結合された回路を含み、この回路は、第1の電極と第2の電極の間に電圧を印加するように構成され、かつ、第1の電極と第2の電極の間に伝送される量子トンネル電流、第1の電極と第2の電極の間の電圧、または第1の電極と第2の電極の間のインピーダンスを測定するように構成される。いくつかの実施形態では、第1の電極および第2の電極は個々に、金属、半導体、炭素、導電性セラミック、および導電性ポリマーから成る群から選択された材料を含む。別の実施形態では、第1の誘電体層は、酸化物、誘電体セラミック、ポリマー、炭酸塩、ガラス、無機物、および空気から成る群から選択された材料を含む。
[0015]別の実施形態では、量子トンネルを用いて線状生体分子を配列決定するためのデバイスを作製する方法を提供し、この方法は、上面を有する基板を提供するステップと、基板の上面の第1の部分の上に第1の電極を堆積するステップと、基板の上面の第2の部分の上に第1の誘電体層を堆積するステップと、第1の電極の上面に犠牲層を堆積するステップと、犠牲層の上、および第1の誘電体層の上面に第2の電極を堆積するステップと、犠牲層を除去し、それによって、第1の電極の上面および第2の電極の下面によって画定されたギャップを形成するステップとを含み、ギャップの幅は、電圧が第1の電極と第2の電極の間に印加され、かつ線状生体分子の一部分がギャップ内に存在するときに量子トンネル電流が第1の電極と第2の電極の間で伝送されるように、線状生体分子のサイズに対応する。
[0016]いくつかの実施形態では、基板は、半導体基板上に配置された第2の誘電体層を含む。別の実施形態では、ギャップの幅は約0.8〜5.0nmである。いくつかの実施形態では、犠牲層はさらに第1の誘電体層の上面に堆積され、このギャップはさらに、第1の誘電体層の上面および第2の電極の側面によって画定される。別の実施形態では、第1の誘電体層の上面と第1の電極の上面とは実質的に共平面である。いくつかの実施形態では、第1の電極と第2の電極は互いに直交するように方向づけられている。別の実施形態では、犠牲層は原子層堆積プロセスを使用して堆積される。いくつかの実施形態では、犠牲層はエッチングプロセスを使用して除去され、このエッチングプロセスは、犠牲層をエッチャントにさらすステップを含む。別の実施形態では、犠牲層は、金属、酸化物、窒化物、および炭素含有材料から成る群から選択された材料を含む。いくつかの実施形態では、エッチャントは、フッ化水素酸、リン酸、塩酸、硝酸、水酸化ナトリウム、SC−1溶液、有機溶剤、およびOプラズマから成る群から選択された物質を含む。別の実施形態では、方法はさらに、回路を第1の電極および第2の電極に電気的に結合するステップ含み、この回路は、第1の電極と第2の電極の間に電圧を印加するように構成され、かつ第1の電極と第2の電極の間に伝送される量子トンネル電流、第1の電極と第2の電極の間の電圧、または第1の電極と第2の電極の間のインピーダンスを測定するように構成される。いくつかの実施形態では、第1の電極および第2の電極は個々に、金属、半導体、炭素、導電性セラミック、および導電性ポリマーから成る群から選択された材料を含む。別の実施形態では、第1の誘電体層は、酸化物、誘電体セラミック、ポリマー、炭酸塩、ガラス、無機物、および空気から成る群から選択された材料を含む。
[0017]別の実施形態では、量子トンネルを用いて線状生体分子を配列決定するためのデバイスを使用する方法を提供し、この方法は、上面を有する基板、基板の上面の第1の部分の上に堆積された第1の電極、基板の上面の第2の部分の上に堆積された第1の誘電体層、第1の誘電体層上に配置され第1の電極の上に懸架された第2の電極、第1の電極の上面および第2の電極の下面によって画定されたギャップ、ならびに第1の電極および第2の電極に電気的に結合された回路を含むデバイスを提供するステップと、回路を使用して電圧を第1の電極と第2の電極の間に印加するステップと、線状生体分子の一部分をギャップの中に導入するステップと、回路を使用して、第1の電極と第2の電極の間に伝送される量子トンネル電流、第1の電極と第2の電極の間の電圧、または第1の電極と第2の電極の間のインピーダンスを測定するステップと、測定された量子トンネル電流、測定された電圧、または測定されたインピーダンスに基づいて、ギャップの中に導入された線状生体分子の一部分を特定するステップとを含む。
[0018]いくつかの実施形態では、線状生体分子は、DNA、RNA、ポリペプチド、およびタンパク質から成る群から選択される。別の実施形態では、線状生体分子の一部分は核酸塩基またはアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、基板は、半導体基板上に配置された第2の誘電体層を含む。別の実施形態では、ギャップの幅は約0.8〜5.0nmである。いくつかの実施形態では、ギャップはさらに、第1の誘電体層の上面および第2の電極の側面によって画定され、第1の誘電体層の上面と第1の電極の上面とは実質的に共平面であり、第1の電極と第2の電極は互いに直交するように方向づけられている。別の実施形態では、第1の電極および第2の電極は個々に、金属、半導体、炭素、導電性セラミック、および導電性ポリマーから成る群から選択された材料を含む。いくつかの実施形態では、第1の誘電体層は、酸化物、誘電体セラミック、ポリマー、炭酸塩、ガラス、無機物、および空気から成る群から選択された材料を含む。
[0019]本発明の実施形態の本質および利点についてのよりよい理解は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照して得られよう。
[0020]金電極間に形成されたブレイク接点を横切る量子トンネル電流を測定することによってDNAを配列決定するために使用される、既存のMCBJデバイスの図である。 [0021]ブレイク接点を形成する前の金電極構造体を含む、図1Aに描写のMCBJのTEM像を示す図である。 [0022]本発明の実施形態による、量子トンネルを用いて線状生体分子を配列決定するためのナノ製造デバイスの概略断面側面図である。 [0023]本発明の実施形態による、量子トンネルを用いて線状生体分子を配列決定するためのナノ製造デバイスの概略上面図である。 [0024]本発明の実施形態による、量子トンネルを用いて線状生体分子を配列決定するためのデバイスを作製する方法を示す図である。 本発明の実施形態による、量子トンネルを用いて線状生体分子を配列決定するためのデバイスを作製する方法を示す図である。 本発明の実施形態による、量子トンネルを用いて線状生体分子を配列決定するためのデバイスを作製する方法を示す図である。 本発明の実施形態による、量子トンネルを用いて線状生体分子を配列決定するためのデバイスを作製する方法を示す図である。 本発明の実施形態による、量子トンネルを用いて線状生体分子を配列決定するためのデバイスを作製する方法を示す図である。 本発明の実施形態による、量子トンネルを用いて線状生体分子を配列決定するためのデバイスを作製する方法を示す図である。 本発明の実施形態による、量子トンネルを用いて線状生体分子を配列決定するためのデバイスを作製する方法を示す図である。 本発明の実施形態による、量子トンネルを用いて線状生体分子を配列決定するためのデバイスを作製する方法を示す図である。 [0025]本発明の実施形態による、量子トンネルを用いて線状生体分子を配列決定するためのデバイスを使用する方法を示す流れ図である。 [0026]本発明の実施形態による、量子トンネルを用いて線状生体分子を配列決定するために使用可能な例示的コンピュータシステムのブロック図である。
定義
[0027]以下の定義は、本発明の実施形態を理解するための背景を得る助けになるであろう。
[0028]「線状生体分子」とは、共有結合してより大きい鎖状構造体を形成する単量体単位を含むポリマーの形で、生存生物中に存在する分子の一種を指す。例示的な線状生体分子は、それだけには限らないが、ポリヌクレオチド(たとえば、DNAおよびRNA)、ポリペプチド、およびタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、線状生体分子はまた、1つまたは複数の線状部分を含む分枝または環状の生体分子も含み得る。
[0029]「線状分子の一部分」とは、線状生体分子のモノマーを指す。例示的な線状生体分子の一部分は、それだけには限らないが、核酸塩基およびアミノ酸を含む。
[0030]「核酸塩基」とは、DNAおよびRNAなどのポリヌクレオチドのモノマーとして機能する、窒素含有有機分子を指す。例示的な核酸塩基は、それだけには限らないが、シトシン、グアニン、アデニン、チミン、およびウラシルを含む。
[0031]「アミノ酸」とは、アミン基およびカルボン酸基、ならびに側鎖を含むと共にポリペプチドおよびタンパク質のモノマーとして機能する、有機化合物を指す。
[0032]「量子トンネル」とは、古典(すなわちニュートン)力学では粒子が乗り越えられないと結論付けるエネルギー障壁を粒子が通り抜けるという量子力学的現象を指す。2つの電極間のエネルギー障壁を通り抜ける電子の場合では、このようなトンネル現象は「量子トンネル電流」と呼ばれる。
[0033]「電極」とは、導電性材料を含むと共に空気または真空などの非金属の回路部分と接触する、回路要素を指す。適切な導電性材料は、それだけには限らないが、金属、半導体、炭素、導電性セラミック、および導電性ポリマーを含む。
[0034]「誘電体層」とは、劣等導電体である絶縁体材料を含む層を指す。例示的な誘電体材料は、それだけには限らないが、酸化物、誘電体セラミック、ポリマー、炭酸塩、ガラス、無機物、および空気を含む。
[0035]「原子層堆積」とは、気相の1つまたは複数の前駆体が基板の表面と、表面のすべての反応部位が消費されると反応が終了するように、自己制限的に反応する薄膜体積技法を指す。いくつかの実施形態では、原子層堆積は、基板を2つの気相前駆体に順次さらすことを含み得る。いくつかの別の実施形態では、原子層堆積は、たとえばプラズマプロセスまたはラジカル増進プロセスを使用して、単一前駆体により薄膜を堆積することを含み得る。
[0036]「犠牲層」とは、後でエッチングなどの処理によって除去される材料からなる形成層を指す。例示的な犠牲層材料には、それだけには限らないが、金属、酸化物、窒化物、および炭素含有材料が含まれる。
[0037]「エッチング」とは、腐食性物質(すなわち、エッチャント)を使用して固体材料を溶解する処理を指す。例示的なエッチャントは、それだけには限らないが、フッ化水素酸、リン酸、塩酸、硝酸、水酸化ナトリウム、SC−1溶液、有機溶剤、およびプラズマによるエッチングを含む。プラズマエッチングは、適切なガス混合物のグロー放電の流れ(プラズマ)を含み得る。エッチング種として知られるプラズマ源は、高周波またはマイクロ波励起によって真空システム中に生成される荷電(イオン)または中性(原子およびラジカル)とすることができる。「選択的エッチング」とは、第1の固体材料は溶解するが、第1の固体材料に隣接し得る第2の固体材料は溶解しない特定のエッチャントを選択し使用するプロセスを指す。
[0038]「回路」とは、電子デバイス内で1つまたは複数の機能を実行する電子回路、または電子回路のシステムを指す。電子回路は、電流が流れることができる導電線またはトレースによって接続された抵抗器、トランジスタ、コンデンサ、インダクタ、およびダイオードなどの電子構成要素を含み得る。回路は、1つまたは複数の集積回路を含み得ると共に、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の集積回路によって実行されるソフトウェアを含み得る。
[0039]諸実施形態は、量子トンネル効果を用いて線状生体分子を単分子レベルで配列決定するための改善されたデバイス、デバイスを作製する方法、およびデバイスを使用する方法を提供することができる。いくつかの実施形態では、ナノ製造デバイスは、2つの電極間に配置され幅が非常に小さい(たとえば、0.8〜5.0nm)高精度形成ギャップを含むものが提供される。ギャップの幅は、DNA、RNA、ポリペプチド、タンパク質などの線状生体分子のサイズに対応することができる。線状生体分子の一部分(たとえば、核酸塩基またはアミノ酸)がギャップ内に存在し、かつ電圧が電極間に印加されたときに、量子トンネル電流(または電圧)の変化を測定することができる。変化の大きさは、測定時に存在する特定の生体分子部分にマッピングすることができる。線状生体分子(または分子断片)がギャップを横切るときに、生体分子の横断速度に基づいて選択された時間間隔で次の測定値を取得することによって、配列決定を行うことができる。
[0040]高精度に寸法設定されたギャップは、薄膜を2つの電極間にALDなどの堆積プロセスを使用して堆積することによって形成することができる。その場合、犠牲膜は選択的エッチングによって除去することができ、結果として得られるボイドがギャップを形成する。ALDなどのプロセスにより単一の原子または分子の厚さを有する所望の材料の層を堆積することができるので、膜厚を正確に制御することができ、それによって、非常に高レベルの精度で所望の幅に作られた量子トンネルギャップが得られる。さらに、堆積プロセスを使用して本発明のナノ製造デバイスを形成することによって、単一の集積回路チップ上に多くの検出器を配置することができる。DNAまたはRNA分子の核酸塩基が多数であることにより、たとえば、多くの断片を同時に配列決定できると、配列決定を速いペースで実行することができる。
[0041]さらに、ナノ製造デバイスを作製するための本発明の方法は、一般に使用可能な半導体加工機器を使用して、また半導体ファウンドリで通常用いられる材料を使用して、実施することができる。一部の半導体ファウンドリでは、電荷再結合中心として作用する可能性がある金および他のいくつかの遷移金属の使用を禁止している。このような金属は、シリコン中で高い拡散性を示し、したがって、ウェハ表面の汚染により電荷トラップが熱処理中にp−n接合の空乏領域に形成されることになり得る。本発明の実施形態では、電極材料として金を利用できるが(すなわち、既存のMCBJデバイスで行われるように)、金以外の材料、および電荷トラップを形成する遷移金属を使用することもできる。いくつかの実施形態では、本発明の方法によりまた、既存の半導体製造技法(たとえば、堆積、フォトリソグラフィ、エッチングなど)を使用してナノ製造デバイスを形成することもできる。既存の半導体製造に適合する加工機器、技法および材料を使用することによって、本発明のナノ製造デバイスは、既存の単分子配列決定デバイスと比較して、より時間効率がよく費用対効果が大きいようにして作製することができる。
I.ナノ製造デバイス
[0042]図2A〜2Bは、本発明の実施形態による、量子トンネルを用いて線状生体分子を配列決定するためのナノ製造デバイス200の図を示す。図2Aはデバイス200の断面側面図を示し、図2Bはデバイス200の上面図を示す。図2A〜2Bに示されたデバイス200の図は、実現可能な1つの構成にすぎず、当業者には、本発明の実施形態が他の構成を包含することが理解されるであろうことに留意されたい。
[0043]図2Aに示されるように、デバイス200は、上面を有する基板202と、基板202の上面の第1の部分に配置された第1の電極204と、基板202の上面の第2の部分に配置された第1の誘電体層206と、第1の誘電体層206上に配置され第1の電極204の上に懸架された第2の電極208とを含み得る。図2Aに示されるように、デバイス200は、第1の電極204の上面および第2の電極208の下面によって画定されたギャップ210を含み得る。ギャップ210の幅(すなわち、第1の電極204の上面と第2の電極208の下面との間の距離)は、電圧が第1の電極204と第2の電極208の間に印加され、かつ線状生体分子の一部分がギャップ210内に存在するときに、量子トンネル電流が第1の電極204と第2の電極208の間で伝送されるように、線状生体分子のサイズに対応し得る。
[0044]以下でさらに詳細に記述されるように、ギャップ210の幅は、ALDなどの堆積プロセスを使用して高精度に寸法設定され、第1の電極204と第2の電極208の間に犠牲層を形成することができる。犠牲層は後で除去して(たとえば選択的エッチングによって)、ギャップ210を形成することができる。ギャップ210の幅は、デバイス200を使用して配列決定される線状生体分子の種類のサイズに対応するように寸法設定することができる。いくつかの実施形態では、ギャップ210の幅は約0.8〜5.0nmとすることができる。デバイス200がDNAまたはRNAなどの小さい線状生体分子を配列決定するのに使用される場合には、ギャップ210の幅は、いくつかの実施形態において約0.8〜1.2nmとすることができる。ポリペプチドまたはタンパク質などのより大きい生体分子では、ギャップ210の幅は、いくつかの実施形態において約1.2〜5.0nmとすることができる。
[0045]ギャップ210の幅は、いくつかの実施形態では調整することができる。たとえば、第1の誘電体層206は、印加電磁界に応じて体積が増す材料から成る圧電要素を含む(またはそれに置き換える)ことができる。図2Aに示されるように、この非限定的な例では、圧電要素が垂直方向に大きくなることにより、第2の電極208が垂直方向に動き、それによってギャップ210の幅が増大する。
[0046]いくつかの実施形態では、図2Aに示されるように、ギャップ210はさらに、第1の誘電体層206の上面および第2の電極208の側面によって画定することができる。このような実施形態では、第1の誘電体層206の上面と第1の電極204の上面は、実質的に共平面になり得る。いくつかの別の実施形態では、第1の電極204は、その上面が第1の誘電体層206の上面によって形成される平面よりも下の平面内にあるように窪ませることができる。このような実施形態では、ギャップ210はさらに、第1の誘電体層206の側面によって画定することができる。
[0047]第1の電極204および第2の電極208はそれぞれ、それだけには限らないが、金属、半導体、炭素、導電性セラミック、および導電性ポリマーを含めた任意の適切な導電性材料を含み得る。例示的な金属は、Cu、W、Ti、Au、Ag、Al、Zn、Ni、Fe、Pt、Taなどを含み得る。例示的な半導体は、Si、Ge、SiGe、GaAs、InPなどを含み得る。例示的な炭素の同素体および形態は、ダイヤモンド、黒鉛、グラフェン、ナノチューブ、ナノファイバ、気相成長炭素繊維(VGCF)などを含み得る。いくつかの実施形態では、炭素含有化合物を第1の電極204および第2の電極208用の材料として使用することができる。例示的な導電性セラミックは、TiN、TaN、酸化インジウムスズ(ITO)、ランタンドープされたチタン酸ストロンチウム(SLT)、イットリウムドープされたチタン酸ストロンチウム(SYT)などを含み得る。例示的な導電性ポリマーは、ポリ(ピロール)(PPY)、ポリアニリン(PANI)、ポリ(チオフェン)(PT)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリ(p−フェニルスルフィド)(PPS)、ポリ(アセチレン)(PAC)、ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)などを含み得る。
[0048]いくつかの実施形態では、第1の電極204と第2の電極208は、同じ導電性材料を含み得る。別の実施形態では、第1の電極204と第2の電極208は、別々の導電性材料を含み得る。
[0049]第1の誘電体層206は、それだけには限らないが、酸化物、誘電体セラミック、ポリマー、炭酸塩、ガラス、無機物、および空気を含めた任意の適切な電気絶縁材料を含み得る。例示的な酸化物は、SiO、Si、Al、ZrO、Fe、MgO、ZnO、Ta、HfO、チタン酸塩などを含み得る。例示的な誘電体セラミックは、Si、SiC、SiAlON、AlNなどを含み得る。例示的なポリマーは、パリレン、フォトポリマー(たとえばフォトレジスト)、炭化水素ゴム(たとえば、EPM、EPDMなど)、ニトリル、ポリエチレン、ポリウレタン、シリコーンなどを含み得る。例示的な炭酸塩は、CaCO、MgCOなどを含み得る。例示的なガラスは、ホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラスなどを含み得る。例示的な無機物は、マイカ、ステアタイト、コージエライトなどを含み得る。
[0050]図2Aに示されるように、いくつかの実施形態では、基板202は、半導体基板214上に配置された第2の誘電体層212を含み得る。第2の誘電体層212は、第1の誘電体層206に関して上述した任意の適切な電気絶縁材料を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の誘電体層206と第2の誘電体層212は同じ電気絶縁材料を含み得る。別の実施形態では、第1の誘電体層206と第2の誘電体層212は、別々の電気絶縁材料を含み得る。図2Aでは、第1の誘電体層206と第2の誘電体層212は、2つの別個の層として描写されている。いくつかの実施形態では、第1の誘電体層206と第2の誘電体層212は、一緒にして電気絶縁材料の単層とすることができる。
[0051]半導体基板214は、それだけには限らないが、Si、Ge、SiGe、GaAs、InPなどを含めた任意の適切な半導体材料を含み得る。いくつかの実施形態では、半導体基板214は、第1の電極204および第2の電極208に電気的に結合できる回路216を含む集積回路チップとすることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、回路216は、第2の誘電体層212を貫通する第1のビアを使用して第1の電極204に電気的に結合することができ、また回路216は、第2の誘電体層212および第1の誘電体層206を貫通する第2のビアを使用して第2の電極208に電気的に結合することができる。回路216は、第1の電極204と第2の電極208の間に電圧を印加し、第1の電極204と第2の電極208の間で伝送される量子トンネル電流(またはその間の電圧)を測定するように構成することができる。
[0052]本明細書に記載のように、線状生体分子の一部分がギャップ210内に存在し、かつ電圧が第1の電極204と第2の電極208の間に印加されると、量子トンネル電流が第1の電極204と第2の電極208の間で伝送され得る。測定された量子トンネル電流(または生じる電圧)は、ギャップ210内に存在する生体分子の特定の部分にマッピングすることができ、配列決定が、生体分子がギャップ210を横切るときの測定を繰り返すことによって、達成され得る。回路216は、このようなマッピング操作を実行するように構成することができ、あるいは、電流または電圧の測定値を、マッピング操作の一部または全部を実行するように構成された外部計算デバイスへ伝送することができる。
[0053]図2Aで、回路216はデバイス200の半導体基板214の中に含まれているように描写されている。別の実施形態では、回路216の全部または一部が基板202の外部に存在し得る。たとえば、回路216の1つまたは複数のトランジスタ、コンデンサ、抵抗器、ダイオード、および/またはインダクタは、基板202の外部またはデバイス200の外部に全部一緒にあり得る。たとえば、いくつかの実施形態では、回路216の全部または一部が外部集積回路チップの形とされるか、またはデバイス200の外部の、他の任意の適切な構成とされ得る。
[0054]図2Bは、第1の電極204、第1の誘電体層206、および第2の電極208を含むデバイス200の概略上面図を示す。図2Bに描写のように、第1の電極204と第2の電極208は互いに直交するように方向づけることができる。しかしこれは、限定的なものではない。別の実施形態では、第1の電極204と第2の電極208は、ギャップ210が第1の電極204と第2の電極208の間に存在する限り互いに平行に、または0から180°の間の任意の適切な角度に、向けることができる。
[0055]デバイス200は、単一の集積回路チップ上の多くのデバイスのうちの1つとされ得る。たとえば、半導体基板214の上面は、それぞれが第1の誘電体層206、第2の誘電体層212、第1の電極204、第2の電極208、およびギャップ210を含む多くのデバイスからなるアレイを支持するのに十分なほどに大きくすることができる。いくつかの実施形態では、それぞれのデバイスは、隣接するデバイスの電極が電気的または物理的に互いに接触しないように、誘電体層によって分離することができる。いくつかの実施形態では、1つのアレイ中の各デバイスは、電圧を印加するための、かつ特定のデバイス(すなわち、デバイス200)の中で発生した量子トンネル電流または電圧を測定するための、それ自体の回路(たとえば、回路216)を含み得る。いくつかの別の実施形態では、多数のデバイス用の回路は、線状生体分子がアレイ中のデバイスの一部または全部のギャップ内に存在するときに、回路216が電圧を印加し、量子トンネル電流または電圧を測定するように一体化することができる。
[0056]単一の集積回路チップ上に多数のデバイスを設けることによって、生体分子断片がアレイ中の各デバイスのギャップを横切るときに量子トンネル電流および電圧の測定をすることができるので、多くの生体分子断片を同時に配列決定することが可能である。その結果、線状生体分子を単分子レベルにおいて、改善された速度および効率で配列決定することができる。
II.ナノ製造デバイスを作製する方法
[0057]本発明の実施形態はまた、線状生体分子を単分子レベルで、量子トンネル効果を用いて配列決定するためのナノ製造デバイスを作製する方法を提供する。このような方法では、既存の半導体製造プロセスに適合した、一般に利用可能な半導体加工機器および材料を使用することができる。さらに、ナノ製造デバイスを形成するのに既存の半導体製造技法(たとえば、フォトリソグラフィ、エッチング、堆積など)を用いることもできる。その結果、本発明のナノ製造デバイスは、既存の単分子配列決定デバイスと比較して、より時間効率がよく費用対効果が大きいようにして作製することができる。
A.半導体生産プロセス
[0058]本発明の実施形態は、フォトリソグラフィ、電子ビーム(eビーム)リソグラフィ、エッチング、堆積などの既存の半導体製造技法を少なくとも一部使用して、ナノ製造デバイスを作製する方法を提供する。
[0059]フォトリソグラフィは、半導体業界において半導体(たとえば、Si)ウェハなどの固体材料をパターニングするために使用される。この技法では、光を使用して幾何学的パターンをフォトマスクから、材料表面に配置された「フォトレジスト」と呼ばれる感光性化学物質へ転写する。フォトマスクは、光が特定の幾何学的パターンで通過して当たることを可能にする透明な領域を含む、不透明な板とすることができる。その後に化学的処理を用いて露光パターンをフォトレジストの下の材料まで食刻することができ、このような処理を用いてまた、新しい材料がその幾何学的パターンで堆積できるようにすることができる。いくつかのフォトリソグラフィサイクルを実行して、所望の微小構造を有する材料を製造することができ、それぞれの繰り返し手順が、順次行われるいくつかのステップを含む。
[0060]例示的なフォトリソグラフィプロセスでは、出発材料が最初に、ウェット化学処理剤(たとえば、過酸化水素、トリクロロエチレン、アセトン、メタノールなど)を使用して洗浄されて、表面汚染物質が除去される。次に、材料は加熱されて、表面に湿気があれば蒸発し、ビス(トリミチルシリル)アミンなどの化学物質が塗布されて、材料表面へのフォトレジストの接着が促進される。次に、スピンコーティングプロセスを使用して、液体フォトレジスト溶液が材料に塗布されて、たとえば約3マイクロメートル以下の均一な厚さを有するコーティングが形成される。例示的なフォトレジストは、それだけには限らないが、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリ(メチルグルタルイミド)(PMGI)、フェノールホルムアルデヒド樹脂、SU−8などを含み得る。次に、コーティングされた材料はプリベークされて、過剰なフォトレジスト溶液があれば蒸発する。
[0061]フォトレジストがコーティングされた材料には強UV光または強X線光のパターンがあてられ、これにより、フォトレジスト材料がテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)などの現像液を使用して除去できるようになる、フォトレジスト層の化学変化が生じる。「ポジティブ」フォトレジストが使用された場合は、UV(またはX線)光に露光された領域が現像液中で溶解し得る。別法として、「ネガティブフォトレジスト」が使用された場合には、フォトレジストの非露光領域が現像液中で溶解し得る。露光後ベーク(PEB)の後に現像液が塗布され、材料の表面に残っているフォトレジストパターンを固化するための「ハードベーキング」が後に続く。
[0062]次に、エッチングプロセスを使用して、フォトレジストでコーティングされていない材料の領域を除去し、それによって、所望の幾何学的パターンが材料中に形成される。これは、液体エッチャント(たとえば、フッ化水素酸、リン酸、塩酸、硝酸、水酸化ナトリウム、SC−1溶液、有機溶剤など)またはプラズマエッチャント(たとえば、酸素、アルゴンなど)を使用して達成することができる。次に、フォトレジストは、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの液体レジストストリッパ、またはプラズマ(たとえば、酸素含有)を使用して除去することができる。
[0063]eビームリソグラフィなどの他の技法もまた、半導体業界では固体材料をパターニングするために使用される。eビームリソグラフィでは電子ビームを(光の代わりに)使用して幾何学的パターンを、材料表面に配置された電子感受性レジスト層の溶解性を選択的に変えることによって転写することを除いて、eビームリソグラフィは上述したフォトリソグラフィと非常に類似したプロセスである。eビームリソグラフィは、非常に小さいスケール(たとえば、10nm以下)の幾何学的パターンを転写するのに使用することができる。
[0064]上述のフォトリソグラフィ技法およびeビームリソグラフィ技法は、本発明のいくつかの実施形態において、線状生体分子を配列決定するためのナノ製造デバイスの製造中に材料の複数の領域を除去するために使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のナノ製造デバイスを形成する場合に、半導体業界で使用される堆積技法を使用して材料の複数の領域を付加することができる。たとえば、堆積技法を使用して、エッチングプロセスが後に続くフォトリソグラフィ中に材料の複数の領域が除去されることによって形成されるキャビティまたはボイドの中に、材料を堆積することができる。このような堆積技法は、それだけには限らないが、原子層堆積(ALD)、化学的気相成長(CVD)、物理的気相成長(PVD)、イオンビームスパッタリング(IBS)、および反応性スパッタリングを含み得る。
[0065]ALDは、1つまたは複数の前駆体を基板の表面と自己制限的に反応させることによって薄膜を堆積することを含み、結果として生じる膜は、反復ごとに一度成長した1つの原子(または分子)層である。CVDとは、基板が1つまたは複数の揮発性前駆体にさらされるプロセスを指し、前駆体は、基板表面で反応または分解し、それによって材料の堆積層が形成される。揮発性副生成物があれば、ガス流を使用してCVD反応容器の外に輸送することができる。PVDでは、薄膜が、標的膜材料をその気相から凝縮させることによって、基板の上に堆積する。IBSは、材料を、真空チャンバ内に磁界によって閉じ込められた電子と衝突させることによってソース材料のイオンを発生させることを含む。電界がイオンを基板に向けて加速させ、このイオンは、外部フィラメントからの電子によって、基板に当たり所望の材料の層を形成する前に中性化される。反応性スパッタリングはIBSと類似しているが、反応性ガス(たとえば、酸素、窒素、CO、C、またはCH)が真空チャンバの中に導入されるという違いがあり、このガスがソース材料イオンと反応して、たとえば酸化物、窒化物、金属−DLC、カーバイド、または炭窒化物を含む層を基板上に形成する。
B.ナノ製造デバイスを作製する方法
[0066]図3A〜3Hは、本発明の実施形態による、量子トンネルを用いて線状生体分子を配列決定するためのナノ製造デバイスを作製する方法を示す。この方法では、ギャップによって分離された2つの電極を含む層状化デバイスを形成するための、既存の半導体製造プロセスに使用されるフォトリソグラフィ、エッチング、および堆積の技法を利用することができる。ギャップは、一部分(たとえば、核酸塩基またはアミノ酸)がギャップ内に存在するときに電極間で量子トンネル電流が伝送されるように、配列決定される線状生体分子(たとえば、DNA、RNA、ポリペプチド、タンパク質など)のサイズに対応する幅を有することができる。図3A〜3Hに描写された方法および得られるデバイスは1つの例にすぎないこと、ならびに当業者には、本発明の実施形態が、得られるデバイスの構造的修正につながる、記載された方法の修正を包含することが理解されるであろうことに留意されたい。
[0067]図3Aに示されるように、この方法は、第1の誘電体層306を図3Bに示されるように堆積できる上面を有する基板302を提供することから開始することができる。第1の誘電体層306は、本明細書に記載の任意の適切な堆積技法を使用して堆積することができる。
[0068]第1の誘電体層306は、それだけには限らないが、酸化物、誘電体セラミック、ポリマー、炭酸塩、ガラス、無機物、および空気を含む、任意の適切な電気絶縁材料を含み得る。例示的な酸化物は、SiO、Si、Al、ZrO、Fe、MgO、ZnO、Ta、HfO、チタン酸塩などを含み得る。例示的な誘電体セラミックは、Si、SiC、SiAlON、AlNなどを含み得る。例示的なポリマーは、炭化水素ゴム(たとえば、EPM、EPDMなど)、ニトリル、ポリエチレン、ポリウレタン、シリコーンなどを含み得る。例示的な炭酸塩は、CaCO、MgCOなどを含む。例示的なガラスは、ソーダライムガラスなどを含み得る。例示的な無機物は、マイカ、ステアタイト、コージエライトなどを含み得る。
[0069]いくつかの実施形態では、図3A〜3Bに示されるように、基板302は、半導体基板314上に配置された第2の誘電体層312を含み得る。第2の誘電体層312は、第1の誘電体層306に関して上述した任意の適切な電気絶縁材料を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の誘電体層306と第2の誘電体層312は、同じ電気絶縁材料を含み得る。別の実施形態では、第1の誘電体層306と第2の誘電体層312は、別々の電気絶縁材料を含み得る。
[0070]図3A〜3Bでは、第1の誘電体層306と第2の誘電体層312は、2つの別個の層として描写されている。このような実施形態では、基板302は、第2の誘電体層312を半導体基板314の上に、本明細書に記載の任意の適切な堆積技法を使用して堆積することによって形成することができ、基板302の上面は第2の誘電体層312の上面になる。いくつかの別の実施形態では、第1の誘電体層306と第2の誘電体層312は、一緒にして電気絶縁材料の単層とすることができる。たとえば、図3A〜3Bに示された第1の誘電体層306と第2の誘電体層312が合わさった厚さを有する単一の誘電体層を、半導体基板314の上面に堆積することができる。
[0071]半導体基板314は、それだけには限らないが、Si、Ge、SiGe、GaAs、InPなどを含めた任意の適切な半導体材料を含み得る。いくつかの実施形態では、半導体基板314は、本発明の様々な実施形態によるナノ製造デバイスを製造する前、後、または間に半導体基板314の中に形成できる回路316を含む、集積回路チップとすることができる。
[0072]図3Cでは、キャビティ306’が、第1の誘電体層306の一領域を除去することによって形成され得る。いくつかの実施形態では、キャビティ306’は、図3Bに示された上面第1の誘電体層306にフォトレジスト層が塗布されるフォトリソグラフィプロセスを使用して、形成することができる。次に、フォトレジストがコーティングされた表面は、現像液に接触させておいたときにフォトレジストの一領域が溶解されるように、所望の幾何学的パターンのUV光に露光することができる。次に、エッチャントを使用して、その第1の誘電体層306の領域を、フォトレジストで保護された第1の誘電体層306の隣接領域を保存しながらキャビティ306’を形成するように選択的にエッチング除去することができる。
[0073]図3Dに示されるように、第1の電極304を基板302の上面と、第1の誘電体層306中に形成されたキャビティ306’の中とに堆積することができる。第1の電極304は、本明細書に記載の任意の適切な堆積技法を使用して堆積することができる。図3Dに示される得られた構造は、基板302の上面の第1の部分に配置された第1の電極304と、基板302の上面の第2の部分に配置された第1の誘電体層306とを含み得る。
[0074]第1の電極304は、それだけには限らないが、金属、半導体、炭素、導電性セラミック、および導電性ポリマーを含めた任意の適切な導電性材料を含み得る。例示的な金属は、Cu、W、Ti、Au、Ag、Al、Zn、Ni、Fe、Pt、Taなどを含み得る。例示的な半導体は、Si、Ge、SiGe、GaAs、InPなどを含み得る。例示的な炭素の同素体および形態は、ダイヤモンド、黒鉛、グラフェン、ナノチューブ、ナノファイバ、気相成長炭素繊維(VGCF)などを含み得る。いくつかの実施形態では、炭素含有化合物を第1の電極204および第2の電極208用の材料として使用することができる。例示的な導電性セラミックは、TiN、酸化インジウムスズ(ITO)、ランタンドープされたチタン酸ストロンチウム(SLT)、イットリウムドープされたチタン酸ストロンチウム(SYT)などを含み得る。例示的な導電性ポリマーは、ポリ(ピロール)(PPY)、ポリアニリン(PANI)、ポリ(チオフェン)(PT)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリ(p−フェニルスルフィド)(PPS)、ポリ(アセチレン)(PAC)、ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)などを含み得る。
[0075]いくつかの実施形態では、第1の電極304をキャビティ306’の中に形成した後に、第1の誘電体層306の上面に残っているフォトレジストは、液体レジストストリッパまたはプラズマストリッパを使用して除去することができる。いくつかの別の実施形態では、残っているフォトレジストは、第1の電極304をキャビティ306’の中に形成する前に剥ぎ取られ得る。さらに、いくつかの実施形態では、第1の電極304の上面は、たとえば化学的機械研磨(CMP)プロセスを使用して平坦にすることができる。図3Dに示された構成では、第1の誘電体層306の上面はまた、第1の誘電体層306の上面と第1の電極304の上面とが実質的に共平面になるように、CMPまたは他のプロセスによって平坦にすることもできる。いくつかの別の実施形態では、第1の電極304は、第1の誘電体層306の上、およびキャビティ306’の中に堆積することができる。次に、CMPプロセスを使用して、第1の誘電体層306の上に堆積された第1の電極304の部分を除去し、第1の誘電体層306の上面と第1の電極304の上面とを実質的に共平面にすることができる。このようなプロセスは、エッチングとは対照的にCMPを使用して材料がパターニングされる「付加的パターニング」または「ダマシン」技法と同様であり得る。
[0076]図3Eに示されるように、次に、犠牲層318を第1の電極304の上面に堆積することができる。犠牲層318は、本明細書に記載の任意の適切な堆積技法を使用して堆積することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、犠牲層はALDを使用して、約0.8〜5.0nmの厚さを有する薄膜を形成するように堆積することができる。以下でさらに詳細に記述されるように、犠牲層318は、デバイス中に使用される他の材料と比べて異なるエッチング速度を特徴とする任意の適切な材料を含み得る。たとえば、犠牲層318は、本明細書に記載の任意の適切な金属、酸化物、窒化物または炭素含有材料を含み得る。いくつかの実施形態では、犠牲層318の上面は、たとえば化学的機械研磨(CMP)プロセスを使用して平坦にすることができる。
[0077]図3Fに示されるように、キャビティ318’は、犠牲層318の複数の領域を除去することによって形成することができる。いくつかの実施形態では、キャビティ318’は、フォトレジスト層が犠牲層318の上面に塗布されるフォトリソグラフィプロセスを使用して形成することができる。所望の幾何学的パターンのUV光に露光すると、フォトレジストの複数の領域が、現像液と接触したときに溶解される。次に、エッチャントを使用して犠牲層318の複数の領域を、キャビティ318’を形成するように選択的にエッチング除去することができる。フォトレジストでコーティングされた犠牲層318の複数の領域はエッチングプロセスの間保存することができ、これらのフォトレジスト領域はその後、液体レジストストリッパまたはプラズマストリッパを使用して除去される。
[0078]次に、図3Gに示されるように、第2の電極308を犠牲層318の上、および第1の誘電体層306の上面に堆積することができる。第2の電極308は、本明細書に記載の任意の適切な堆積技法を使用して堆積することができる。第1の電極304と同様に、第2の電極308は、それだけには限らないが、金属、半導体、炭素、導電性セラミック、および導電性ポリマーを含めた任意の適切な導電性材料を含み得る。例示的な金属は、Cu、W、Ti、Au、Ag、Al、Zn、Ni、Fe、Pt、Taなどを含み得る。例示的な半導体は、Si、Ge、SiGe、GaAs、InPなどを含み得る。例示的な炭素の同素体および形態は、ダイヤモンド、黒鉛、グラフェン、ナノチューブ、ナノファイバ、気相成長炭素繊維(VGCF)などを含み得る。いくつかの実施形態では、炭素含有化合物を第1の電極204および第2の電極208用の材料として使用することができる。例示的な導電性セラミックは、TiN、酸化インジウムスズ(ITO)、ランタンドープされたチタン酸ストロンチウム(SLT)、イットリウムドープされたチタン酸ストロンチウム(SYT)などを含み得る。例示的な導電性ポリマーは、ポリ(ピロール)(PPY)、ポリアニリン(PANI)、ポリ(チオフェン)(PT)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリ(p−フェニルスルフィド)(PPS)、ポリ(アセチレン)(PAC)、ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)などを含み得る。
[0079]いくつかの実施形態では、第1の電極304と第2の電極308は、同じ導電性材料を含み得る。別の実施形態では、第1の電極204と第2の電極208は、別々の導電性材料を含み得る。
[0080]第1の電極304と第2の電極308は、互いに対して任意の適切な向きを有することができる。いくつかの実施形態では、第1の電極304と第2の電極308は互いに直交するように方向づけることができる。別の実施形態では、第1の電極304と第2の電極308は、ギャップ310が第1の電極304と第2の電極308の間に存在する限り互いに平行に、または0から180°の間の任意の適切な角度に、向けることができる。
[0081]図3Hに示されるように、犠牲層318を除去して、第1の電極304の上面および第2の電極308の下面によって画定されるギャップ310を形成することができる。いくつかの実施形態では、犠牲層318は、犠牲層がエッチャントにさらされるエッチングプロセスによって除去することができる。犠牲層318は、第1の電極304、第2の電極308、第1の誘電体層306、および基板302(いくつかの実施形態では、第2の誘電体層312および半導体基板314を含む)などの、デバイス中の他の材料と異なるエッチング速度を有する任意の適切な材料で構成することができる。適切なエッチャントを選択することによって、犠牲層318は、デバイス中の他の材料がエッチャントによる影響を受けずに溶解され得る。犠牲層を除去するための適切なエッチャントは、それだけには限らないが、フッ化水素酸、リン酸、塩酸、硝酸、水酸化ナトリウム、SC−1溶液、有機溶剤、およびOプラズマを含み得る。
[0082]図3Gで、第2の電極308は、第2の電極308が第1の誘電体層306と、第1の誘電体層306の上面に堆積された犠牲層318との両方の上に堆積された均一な厚さの層である故に、階段状の構造を有する。図3Hで分かるように、階段状の構造は、要望があれば、たとえば化学的機械研磨(CMP)プロセスによって平坦にすることができる。
[0083]犠牲層318の厚さ、したがって対応するギャップ310の幅は、電圧が第1の電極304と第2の電極308の間に印加され、かつ線状生体分子の一部分がギャップ310内に存在するときに、量子トンネル電流が第1の電極304と第2の電極308の間で伝送されるように、線状生体分子のサイズに対応し得る。いくつかの実施形態では、ギャップ310の幅は約0.8〜5.0nmとすることができる。デバイスがDNAまたはRNAなどの小さい線状生体分子を配列決定するのに使用される場合には、ギャップ310の幅は、いくつかの実施形態において約0.8〜1.2nmとすることができる。ポリペプチドまたはタンパク質などのより大きい生体分子では、ギャップ310の幅は、いくつかの実施形態において約1.2〜5.0nmとすることができる。
[0084]いくつかの実施形態では、図3Hに示されるように、ギャップ310はさらに、第1の誘電体層306の上面および第2の電極308の側面によって画定することができる。このような実施形態では、第1の誘電体層306の上面と第1の電極304の上面は、実質的に共平面になり得る。いくつかの別の実施形態では、第1の電極304は、その上面が第1の誘電体層306の上面によって形成される平面よりも下の平面内にあるように窪ませることができる。このような実施形態では、ギャップ310はさらに、第1の誘電体層306の側面によって画定することができ、また、図3Cに示されたキャビティ306’の高さ未満の厚さを有するように堆積される、図3Dに示された第1の電極304の結果として形成することができる。この構成では、図3Eに示された犠牲層318の全部または一部が、第1の電極304の上に存在するキャビティ306’の領域を埋めることができる。
[0085]上述のように、半導体基板314が基板302に含まれる場合、半導体基板314は回路316を含むことができる。いくつかの実施形態では、回路316は、第1の電極304および第2の電極308と電気的に結合することができる。たとえば、回路316は、第2の誘電体層312を貫通する第1のビアを使用して第1の電極304に電気的に結合することができ、また回路316は、第2の誘電体層312および第1の誘電体層306を貫通する第2のビアを使用して第2の電極308に電気的に結合することができる。回路316は、第1の電極304と第2の電極308の間に電圧を印加し、第1の電極304と第2の電極308の間で伝送される量子トンネル電流(またはその間の電圧)を測定するように構成することができる。
[0086]本明細書に記載のように、線状生体分子の一部分がギャップ310内に存在し、かつ電圧が第1の電極304と第2の電極308の間に印加されると、量子トンネル電流が第1の電極304と第2の電極308の間で伝送され得る。測定された量子トンネル電流(または生じる電圧)は、ギャップ310内に存在する生体分子の特定の部分にマッピングすることができる。配列決定が、生体分子がギャップ310を横切るときの測定を繰り返すことによって、達成され得る。回路316は、このようなマッピング操作を実行するように構成することができ、あるいは、電流または電圧の測定値を、マッピング操作の一部または全部を実行するように構成された外部計算デバイスへ伝送することができる。
[0087]図3A〜3Hで、回路316は半導体基板314の中に含まれているように描写されている。別の実施形態では、回路316の全部または一部が基板302の外部に存在し得る。たとえば、回路316の1つまたは複数のトランジスタ、コンデンサ、抵抗器、ダイオード、および/またはインダクタは、基板302の外部またはデバイスの外部に全部一緒にあり得る。いくつかの実施形態では、回路316の全部または一部が外部集積回路チップの形とされるか、またはデバイスの外部の、他の任意の適切な構成とされ得る。
[0088]図3A〜3Hに描写された方法によって形成されるデバイスは、単一の集積回路チップ上の多くのデバイスのうちの1つであり得る。たとえば、半導体基板314の上面は、それぞれが第1の誘電体層306、第2の誘電体層312、第1の電極304、第2の電極308、およびギャップ310を含む多くのデバイスからなるアレイを支持するのに十分なほどに大きくすることができる。したがって、本発明の実施形態による方法は、多くのデバイスが単一のチップ上に同時または順次に形成されるようにスケール変更することができる。いくつかの実施形態では、それぞれのデバイスは、隣接するデバイスの電極が電気的または物理的に互いに接触しないように、誘電体層によって分離されるように形成することができる。いくつかの実施形態では、1つのアレイ中の各デバイスは、電圧を印加するための、かつ特定のデバイスの中で発生した量子トンネル電流または電圧を測定するための、それ自体の回路(たとえば、回路316)を含み得る。いくつかの別の実施形態では、多数のデバイス用の回路は、線状生体分子がアレイ中のデバイスの一部または全部のギャップ内に存在するときに、回路316が電圧を印加し、量子トンネル電流または電圧を測定するように一体化することができる。
C.材料選択
[0089]上述のように、線状生体分子を配列決定するために使用される高精度に寸法設定されたギャップは、2つの電極間に配置される犠牲層を堆積し、次に、犠牲層をエッチングプロセスによって除去することによって形成することができ、ギャップが形成された後にボイドが残される。誘電体層、電極、および犠牲層に使用される材料、ならびに選択されるエッチャントは、(たとえば、図3Gの)犠牲層を含むデバイスがエッチャントにさらされたときに実質的に犠牲層だけが溶解されてギャップが形成され、他の材料は保存されるように選ぶことができる。材料とエッチャントの多くの異なる組合せを用いて、本発明の様々な実施形態に応じた所望のギャップを得ることができる。材料とエッチャントのいくつかの例示的な組合せが、以下の表1に提示されている。
[0090]表1に示された材料とエッチャントの組合せのリストは非網羅的であり、したがって限定的なものではない。エッチング速度が異なる、材料とエッチャントの他の多くの可能な組合せが、デバイスの他の材料を溶解することなく犠牲材料をエッチング除去できるように、本発明の様々な実施形態に応じて使用され得る。様々な材料およびエッチャントのエッチング速度が、参照により本明細書にあらゆる目的のために組み込まれる、Williamsらの「Etch Rates for Micromachining Processing − Part II(微小機械加工処理のためのエッチング速度−II部)」Journal of Microelectromechanical Systems(ジャーナル・オブ・マイクロエレクトロメカニカル・システムズ)、2003、12(6)、761〜778頁に見出され得る。
III.ナノ製造デバイスを使用する方法
[0091]本発明の実施形態はまた、単分子レベルで量子トンネル効果を用いて線状生体分子を配列決定するためのナノ製造デバイスを使用する方法を提供する。上述のように、本発明のナノ製造デバイスは、2つの電極間に配置され幅が非常に小さく(たとえば、0.8〜5.0nm)、かつALDなどの堆積プロセスを使用して形成されるギャップを含み得る。ギャップの幅は、DNA、RNA、ポリペプチド、タンパク質などの線状生体分子のサイズに対応することができる。線状生体分子の一部分(たとえば、核酸塩基またはアミノ酸)がギャップ内に存在し、かつ電圧が電極間に印加されたときに、量子トンネル電流の変化を測定することができる。
[0092]いくつかの実施形態では、量子トンネル電流の測定される変化がベースライン電流と、測定が行われたときにギャップ内に存在する線状生体分子の一部分によって生じた電流の増加(または減少)との差になり得るように、電圧を加えたときにベースライン量子トンネル電流が存在する。いくつかの別の実施形態では、線状生体分子の一部分がギャップ内に存在しない限り、量子トンネル電流は電極間で伝送され得ない。このような実施形態では、量子トンネル電流の変化は、測定電流の大きさ全体になり得る。
[0093]本発明の様々な実施形態によれば、電極間の電圧の変化もまた測定されて線状生体分子が配列決定され得る。たとえば、電極間に定電流を維持する電流源が利用され得る。線状生体分子の一部分がギャップ内に存在すると、生体分子部分のインピーダンスにより電極間の電圧が変化し得る。
[0094]量子トンネル電流または電圧の測定された変化は、測定が行われたときにギャップ内に存在する特定の生体分子部分にマッピングすることができる。配列決定は、線状生体分子がギャップを横切るときに測定を繰り返すと共に測定値をマッピングすることによって達成され得る。いくつかの実施形態では、測定は、生体分子がギャップを横切る速度に基づいて選択された時間間隔で繰り返され得る。
[0095]図4は、本発明の実施形態による、量子トンネルを用いて線状生体分子を配列決定するためのデバイスを使用する方法400を示す流れ図である。方法400において使用されるデバイスは、図2A〜2Bに示されたデバイス200とすることができる。したがって、デバイス200に関して上述したすべての詳細が、方法400において使用されるデバイスにも当てはまり得る。
[0096]ステップ402で、デバイスが提供される。このデバイスは、上面を有する基板と、基板の上面の第1の部分に配置された第1の電極と、基板の上面の第2の部分に配置された第1の誘電体層と、第1の誘電体層上に配置され第1の電極の上に懸架された第2の電極とを含み得る。ギャップが、第1の電極の上面および第2の電極の下面によって画定され得る。
[0097]提供されるデバイスはさらに、第1の電極および第2の電極と電気的に結合された回路を含み得る。いくつかの実施形態では、デバイスの基板は、半導体基板上に配置された第2の誘電体層を含み得る。このような実施形態では、回路の全部または一部が、半導体基板の中に含まれ得る。たとえば、回路は、第2の誘電体層を貫通する第1のビアを使用して第1の電極に電気的に結合することができ、また回路は、第2の誘電体層および第1の誘電体層を貫通する第2のビアを使用して第2の電極に電気的に結合することができる。
[0098]ステップ404で、電圧が第1の電極と第2の電極の間に回路を使用して印加され得る。いくつかの実施形態では、印加される電圧は定電圧とされ得る。いくつかの別の実施形態では、可変電圧が、第1と第2の電極間に定電流を供給する電流源によって印加され得る。
[0099]ステップ406で、線状生体分子の一部分がギャップの中に導入され得る。いくつかの実施形態では、線状生体分子はDNA、RNA、ポリペプチド、またはタンパク質であり得る。このような実施形態では、ギャップ内に存在する線状生体分子の一部分は核酸塩基またはタンパク質であり得る。
[0100]核酸の捕捉、DNA、RNAまたはタンパク質の分離、一本鎖DNAテンプレートの調製等のためのプロトコルなど、よく知られている多くの分子生物学のプロトコルは、配列決定方法に使用するために適合させることができ、また、本発明の様々な実施形態による配列決定のために生体分子を調製するのに使用することができる。Thermo Fisher Scientific,Inc.(Waltham,Mass.)から入手可能なDNAおよびRNA分離キットなど、一本鎖DNAテンプレートの分離および生成のための、当業者によく知られているはずの手法および市販のキットには多くの例がある。しかし、これらは、多くのそのような手法の特定の例にすぎず、限定するものではない。
[0101]いくつかの実施形態では、生体分子は、電極間にギャップを含むデバイスの領域の上部に直接製造された、またはデバイス上に取り付けられたフローセル内に製造された、1つまたは複数のチャネルによってギャップの中に導入され得る。チャネルは、機械加工、成形、プレス加工、ナノ製造などの多種多様な技法を使用して形成され得る。配列決定されるテンプレートは、たとえば、テンプレートを含有する一滴の液体をチャネル内に入れることによってデバイスに装填され得る。拡散だけで、テンプレートが電極間を横切ることを可能にできる。いくつかの実施形態では、生体分子を荷電できるので、生体分子は、チャネルのどちらかの端部に配置された電極間に電位を置いてチャネル下方へ電気バイアスをかけることにより、ギャップを通って流れるように導かれ得る。次に、生体分子は、電気泳動によりチャネル下方へ移動し、電極を分離しているギャップを通過することができる。別法として、生体分子が十分に大きい場合には、分子の分極率が、誘電泳動を機構として用いて分子をギャップに通すのに用いられ得る。誘電泳動技法については、参照により本明細書にあらゆる目的のために組み込まれる、Ivanovらの「ACS Nano(ACSナノ)9(2015)、3587〜3595頁にさらに詳細に説明されている。
[0102]ステップ408で、回路を使用して、第1の電極と第2の電極の間で伝送される量子トンネル電流、第1の電極と第2の電極の間の電圧、または第1の電極と第2の電極の間のインピーダンスを測定することができる。たとえば、線状生体分子の一部分がギャップ内に存在するとき、そのインピーダンスまたはコンダクタンスにより、第1と第2の電極間の電流(または電圧)が変化し得る。いくつかの実施形態では、その変化は、生体分子が電極間に存在しないときの電極間の電流または電圧のベースラインレベルと関連し得る。別の実施形態では、その変化は、線状生体分子が存在するときにのみ非ゼロの値に達するゼロ電流またはゼロ電圧と関連し得る。
[0103]ステップ410で、ギャップの中に導入された線状生体分子の一部分が、測定された量子トンネル電流、電圧、またはインピーダンスに基づいて特定され得る。いくつかの実施形態では、様々な線状生体分子部分の電流値、電圧値、および/またはインピーダンス値を含むマッピングデータが、データ表または他のデータ構造として記憶され得る。いくつかの実施形態では、マッピングデータはデバイスの中に記憶され得る。いくつかの別の実施形態では、マッピングデータは、電流、電圧またはインピーダンス測定値をデバイスから受け取る外部計算デバイス内に記憶され得る。どちらの場合でも、マッピングデータは電流または電圧測定値と比較されて、測定が行われたときにどの線状生体分子部分がギャップ内に存在していたかが決定され得る。
[0104]測定は、線状生体分子がギャップを横切る速度に基づく時間間隔で繰り返され得る。一連の測定値を線状生体分子部分にマッピングすることによって、その生体分子が配列決定され得る。
IV.コンピュータシステム
[0105]測定電流、電圧またはインピーダンスの変化を特定の線状生体分子部分にマッピングすることによって線状生体分子を配列決定する本明細書に記載の1つまたは複数のプロセスは、ナノ製造デバイスに組み込みの、または外部のコンピュータシステムによって実現され得る。
[0106]図5は、本発明の実施形態による、量子トンネルを用いて線状生体分子を配列決定するのに使用可能な例示的なコンピュータシステム500のブロック図である。図5で分かるように、コンピュータシステム500はいくつかのサブシステムを利用することができる。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム500は単一のコンピュータ装置を含むことができ、サブシステムはそのコンピュータ装置の構成要素とすることができる。別の実施形態では、コンピュータシステム500は、それぞれがサブシステムである、内部構成要素を持つ多数のコンピュータ装置を含むことができる。コンピュータシステム500は、1つまたは複数のデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット、携帯電話、または他のタイプの計算デバイスを含み得る。
[0107]図5に示されたサブシステムは、システムバス512を介して相互接続されている。プリンタ508、キーボード518、記憶デバイス520、ディスプレイアダプタ514と結合されているモニタ524、およびその他などの追加サブシステムが示されている。I/Oコントローラ502に結合する周辺機器および入力/出力(I/O)デバイスが、入力/出力(I/O)ポート516(たとえば、USB、FireWire(登録商標))など、当技術分野で知られている任意の数の手段によってコンピュータシステム500に接続され得る。たとえば、I/Oポート516または外部インターフェース522(たとえば、イーサネット(登録商標)、Wi−Fiなど)が、コンピュータシステム500をインターネットなどの広域ネットワーク、マウス入力デバイス、またはスキャナに接続するのに使用され得る。システムバス512を介する相互接続は、中央プロセッサ506が各サブシステムと通信し、システムメモリ504または記憶デバイス520(たとえば、ハードドライブなどの据え付けディスク、または光ディスク)からの命令の実行を制御できるようにすると共に、サブシステム間での情報の交換を可能にする。システムメモリ504および/または記憶デバイス520は、コンピュータ可読媒体を具現化することができる。別のサブシステムには、カメラ、マイクロフォン、加速度計などのデータ収集デバイス510がある。本明細書に記載のデータのいずれも、一方の構成要素から他方の構成要素へ出力され、またユーザへ出力され得る。
[0108]コンピュータシステム500は、たとえば外部インターフェース522または内部インターフェースによって一緒に接続された複数の同じ構成要素またはサブシステムを含み得る。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム、サブシステム、または装置は、ネットワークを介して通信することができる。このような場合、一方のコンピュータがクライアントとみなされ、他方のコンピュータがサーバとみなされ、それぞれが同じコンピュータシステムの一部であり得る。クライアントおよびサーバがそれぞれ、多数のシステム、サブシステム、または構成要素を含み得る。

Claims (15)

  1. 量子トンネルを用いて線状生体分子を配列決定するためのデバイスであって、
    前記デバイスは、
    上面を有する基板;
    前記基板の前記上面の第1の部分に配置された第1の電極;
    前記基板の前記上面の第2の部分に配置された第1の誘電体層;
    前記第1の誘電体層上に配置され前記第1の電極の上に懸架された第2の電極;および、
    前記第1の電極の上面および前記第2の電極の下面によって画定されたギャップ、を含み、
    前記ギャップの幅は、
    電圧が前記第1の電極と前記第2の電極の間に印加され、かつ、
    前記線状生体分子の一部分が前記ギャップ内に存在するときに、量子トンネル電流が前記第1の電極と前記第2の電極の間で伝送されるように、前記線状生体分子のサイズに対応する、前記デバイス。
  2. 前記基板が、半導体基板上に配置された第2の誘電体層を含む、請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記ギャップの幅が約0.8〜5.0nmである、請求項1または2に記載のデバイス。
  4. 前記ギャップがさらに、前記第1の誘電体層の上面、および前記第2の電極の側面によって画定される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のデバイス。
  5. 前記第1の誘電体層の前記上面と前記第1の電極の前記上面とが実質的に共平面である、請求項4に記載のデバイス。
  6. 前記第1の電極と前記第2の電極が互いに直交するように方向づけられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のデバイス。
  7. 前記第1の電極および前記第2の電極に電気的に結合された回路であって、
    電圧を前記第1の電極と前記第2の電極の間に印加するように構成され、かつ、
    前記第1の電極と前記第2の電極の間に伝送される前記量子トンネル電流、
    前記第1の電極と前記第2の電極の間の電圧、または、
    前記第1の電極と前記第2の電極の間のインピーダンス、
    を測定するように構成された回路をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のデバイス。
  8. 前記第1の電極および前記第2の電極が個々に、金属、半導体、炭素、導電性セラミック、および導電性ポリマーから成る群から選択される材料を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のデバイス。
  9. 前記第1の誘電体層が、酸化物、誘電体セラミック、ポリマー、炭酸塩、ガラス、無機物、および空気から成る群から選択される材料を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のデバイス。
  10. 量子トンネルを用いて線状生体分子を配列決定するためのデバイスを作製する方法であって、
    上面を有する基板を提供するステップ;
    前記基板の前記上面の第1の部分の上に第1の電極を堆積するステップ;
    前記基板の前記上面の第2の部分の上に第1の誘電体層を堆積するステップ;
    前記第1の電極の上面に犠牲層を堆積するステップ;
    前記犠牲層の上、および前記第1の誘電体層の上面に第2の電極を堆積するステップ;および、
    前記犠牲層を除去し、それによって、前記第1の電極の前記上面および前記第2の電極の下面によって画定されたギャップを形成するステップ、を含み、
    前記ギャップの幅は、
    電圧が前記第1の電極と前記第2の電極の間に印加され、かつ、
    前記線状生体分子の一部分が前記ギャップ内に存在するときに、量子トンネル電流が前記第1の電極と前記第2の電極の間で伝送されるように、前記線状生体分子のサイズに対応する、前記方法。
  11. 前記犠牲層がさらに、前記第1の誘電体層の前記上面に堆積され、前記ギャップがさらに、前記第1の誘電体層の前記上面および前記第2の電極の側面によって画定される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記第1の電極と前記第2の電極が互いに直交するように方向づけられる、請求項10に記載の方法。
  13. 前記犠牲層が原子層堆積プロセスを使用して堆積される、請求項10に記載の方法。
  14. 前記犠牲層がエッチングプロセスを使用して除去され、前記エッチングプロセスが、前記犠牲層をエッチャントにさらすステップを含む、請求項10に記載の方法。
  15. 下記を含む配列決定方法;
    a)請求項1〜9に記載のデバイスを提供するステップ;
    b)前記第1の電極と前記第2の電極の間に電圧を印加するステップ;
    c)線状生体分子の一部分を前記ギャップの中に導入するステップ;
    d)前記第1の電極と前記第2の電極の間で伝送される量子トンネル電流;および/または、
    前記第1の電極と前記第2の電極の間の前記電圧;および/または、
    前記第1の電極と前記第2の電極の間のインピーダンス、
    を測定するステップ;ならびに、
    e)前記測定された量子トンネル電流、前記測定された電圧、または前記測定されたインピーダンスに基づいて、前記ギャップの中に導入された前記線状生体分子の前記一部分を特定するステップ。
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