JP6778083B2 - チョコレート試料中の小麦アレルゲンの検出方法 - Google Patents
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Description
[1]変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識し、かつ異なるエピトープを認識する2種類のモノクローナル抗体を用いるチョコレート試料中の小麦アレルゲンの検出方法であって、前記チョコレート試料から非イオン性界面活性剤を含む抽出液を用いて変性及び未変性の小麦グリアジンを抽出することを特徴とする小麦アレルゲンの検出方法。
[2]異なるエピトープを認識する2種類のモノクローナル抗体の少なくとも一つが、イムノクロマト法に用いられる金コロイドで標識されたモノクローナル抗体であることを特徴とする上記[1]記載の小麦アレルゲンの検出方法。
[3]非イオン性界面活性剤の濃度が0.01〜8.0%であることを特徴とする上記[1]又は[2]記載の小麦アレルゲンの検出方法。
[4]非イオン性界面活性剤の濃度が、陰イオン性界面活性剤が共存しないときは0.02〜4.0%であり、陰イオン性界面活性剤が共存するときは0.1〜7.0%であることを特徴とする上記[1]又は[2]記載の小麦アレルゲンの検出方法。
[5]非イオン性界面活性剤がモノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタンであることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれか記載の小麦アレルゲンの検出方法。
[6]小麦グリアジンを認識するモノクローナル抗体として、ハイブリドーマ(FERM−BP−10267)が産生する抗小麦グリアジンモノクローナル抗体PGL1及びハイブリドーマ(FERM−BP−10268)が産生する抗小麦グリアジンモノクローナル抗体PGL2を用いることを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれか記載の小麦アレルゲンの検出方法。
[7]変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識し、かつ異なるエピトープを認識する2種類のモノクローナル抗体を用いるチョコレート試料中の小麦アレルゲンの検出方法であって、以下の工程(a)〜(h)を備える方法。
(a)チョコレート試料に非イオン性界面活性剤を含む抽出液を添加して、チョコレート含有抽出液を調製する工程;
(b)チョコレート含有抽出液を加熱して、変性及び未変性の小麦グリアジンが抽出された測定サンプルを調製する工程;
(c)測定サンプルに、金コロイド標識抗体と展開液とを添加してサンプル供試液を調製する工程;
(d)サンプル供試液中の小麦グリアジンが、変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識する金コロイド標識抗体と結合して抗原抗体複合体を形成する工程;
(e)サンプル供試液をイムノクロマトストリップに供試する工程;
(f)抗原抗体複合体がイムノクロマトストリップ上の展開支持体を毛細管現象により移動する工程;
(g)展開支持体上の所定位置に固定された、変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識し、金コロイド標識抗体と異なるエピトープを認識するモノクローナル抗体が抗原抗体複合体を捕捉する工程;
(h)所定位置において金コロイドが集積することにより現れる着色ラインにより小麦グリアジンを検出する工程;
[8]変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識するモノクローナル抗体に金コロイドを結合した金コロイド標識抗体、変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識し、前記金コロイド標識抗体と異なるエピトープを認識するモノクローナル抗体が所定の位置に固定された展開支持体と、チョコレート試料から小麦グリアジンを抽出するための非イオン性界面活性剤を含有する抽出液と、展開液とを備えることを特徴とするイムノクロマト用小麦アレルゲンの検出キット。
[9]金コロイド標識抗体が、ハイブリドーマ(FERM−BP−10268)が産生する抗小麦グリアジンモノクローナル抗体PGL2であり、前記金コロイド標識抗体と異なるエピトープを認識するモノクローナル抗体が、ハイブリドーマ(FERM−BP−10267)が産生する抗小麦グリアジンモノクローナル抗体PGL1であることを特徴とする上記[8]記載のイムノクロマト用小麦アレルゲンの検出キット。
(a)チョコレート試料に非イオン性界面活性剤を含む抽出液を添加して、チョコレート含有抽出液を調製する工程;
(b)チョコレート含有抽出液を加熱して、変性及び未変性の小麦グリアジンが抽出された測定サンプルを調製する工程;
を備える手順を例示することができる。
(c)測定サンプルに、金コロイド標識抗体と展開液とを添加してサンプル供試液を調製する工程;
(d)サンプル供試液中の小麦グリアジンが、変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識する金コロイド標識抗体と結合して抗原抗体複合体を形成する工程;
(e)サンプル供試液をイムノクロマトストリップに供試する工程;
(f)抗原抗体複合体がイムノクロマトストリップ上の展開支持体を毛細管現象により移動する工程;
(g)展開支持体上の所定位置に固定された、変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識し、金コロイド標識抗体と異なるエピトープを認識するモノクローナル抗体が抗原抗体複合体を捕捉する工程;
(h)所定位置において金コロイドが集積することにより現れる着色ラインにより小麦グリアジンを検出する工程;
を備える手順を例示することができる。
[金コロイド標識抗体及び小麦アレルゲン検出用イムノクロマトストリップの作製]
(金コロイド標識抗体の作製)
2mMホウ酸緩衝液(pH9.0)で1mg/mLとなるように抗小麦グリアジンモノクローナル抗体PGL2溶液を調製した。次いで、あらかじめ0.2M炭酸カリウム溶液でpH9.0に調製した金コロイド溶液(シグマ社製)5mLに、上記抗小麦グリアジンモノクローナル抗体PGL2溶液を500μL加えて室温にて30分間反応させた後、10%BSA溶液を635μL加えてさらに15分間反応させた。遠心分離を行い、1%BSA溶液でOD525=1.0になるよう調整し、金コロイド標識抗体とした。
PBSで4mg/mLとなるように抗小麦グリアジンモノクローナル抗体PGL1溶液を調製し、ニトロセルロースメンブレンに直線状に塗布し乾燥させた。その後、0.1%牛ゼラチンを含むTBS(Tris Buffered Saline)で37℃にて1時間ブロッキング後、TBSで洗浄し乾燥させ、抗体固定化メンブレンとした。
上記抗体固定化メンブレンに加えて、サンプル用担体部としてのガラスウール製サンプルパッド、液状サンプル吸収用のガラスウール製吸収パッドを別途用意し、サンプルパッド、抗体固定化メンブレン、吸収パッドの順にそれぞれ貼り付け、イムノクロマトストリップを作製した。
[各種チョコレートにおける検出感度]
現行キットに使用されている抽出液の濃度範囲の組成を用い、チョコレートの種類によって、イムノクロマト法での検出感度の相違が生じるか否かを検討した。
0.2%Tween20、0.5%SDS、及び0.1%チオ硫酸ナトリウムを添加したPBS(phosphate buffered saline:リン酸緩衝生理食塩水、ダルベッコPBS(日水製薬株式会社製))溶液を、抽出液として調製した。
小麦タンパク質は、小麦全粒粉(日本製粉株式会社製)を用い、「アレルギー物質を含む食品の検査方法について(参考)(平成26年3月26日、消費者庁)」に記載の標準品規格の方法に従い作製した粉末から調製した。
上記小麦タンパク質をミルクチョコレート及びホワイトチョコレートにそれぞれ添加した試料を調製した。ミルクチョコレート(株式会社明治製)及びホワイトチョコレート(株式会社明治製)を湯煎により溶解した各チョコレート液に小麦タンパク質を終濃度で0ppm、2ppm、10ppm、50ppmとなるように添加し、よく混合して均一化させることにより4種類の小麦タンパク質添加ミルクチョコレート試料、及び、4種類の小麦タンパク質添加ホワイトチョコレート試料を調製した。また、上記抽出液に小麦タンパク質を終濃度で0、2、10、50ppmとなるように添加し、4種類のチョコレート無添加小麦タンパク質標準溶液を調製した。
上記4種類の小麦タンパク質添加ミルクチョコレート試料、4種類の小麦タンパク質添加ホワイトチョコレート試料、及び4種類のチョコレート無添加小麦タンパク質標準溶液について、各1gを50mLの遠沈管に量り取り、上記抽出液19mLをそれぞれ加えて撹拌することにより、12種類のチョコレート試料含有抽出液を調製した。各チョコレート試料含有抽出液を沸騰水中で10分間加熱し、冷却遠心後、それぞれの上清を12種類の測定サンプルとして調製した。
上記金コロイド標識抗体20μLと、展開液として牛胎児血清(FBS)30μLとを、上記12種類の測定サンプル50μLにそれぞれ加えた供試液を、上記イムノクロマトストリップに供試した。結果を表1に示す。判定はラインの強い方から順に++、+、+w、+−と表記し、陰性を−と表記した(以下同じ)。
表1から明らかなとおり、小麦タンパク質添加ミルクチョコレート試料では、2ppm及び10ppmにおいて小麦グリアジンは陰性(−)であり、50ppmにおいて陽性(+−)であり検出限界が大幅に低下した。一方、小麦タンパク質添加ホワイトチョコレート試料では、チョコレート無添加小麦標準溶液同様に、50ppm及び10ppmにおいて小麦グリアジンは陽性(++)であり、2ppmにおいても陽性(+)であって、ホワイトチョコレートでは検出感度が低下しないことが確認された。
供試したミルクチョコレートの原材料は「砂糖、カカオマス、全粉乳、ココアバター、レシチン(大豆由来)、香料」であり、ホワイトチョコレートは「砂糖、全粉乳、ココアバター、植物油脂、乳糖、バターオイル、クリームパウダー、脱脂粉乳、乳たんぱく、レシチン(大豆由来)、香料」であった。ホワイトチョコレートにはチョコレート特有の茶褐色の色調の元となるカカオマスが含まれていないことから、カカオマス由来の成分が小麦グリアジンの検出感度の低下に大きく影響していると考えられた。
[非イオン性界面活性剤による検出感度の改善効果−1(陰イオン性界面活性剤SDSを含む場合)]
抽出液中の非イオン性界面活性剤の濃度を高くすることにより、ミルクチョコレートにおける小麦グリアジン検出感度を改善できるか否かを検討した。SDS等の陰イオン性界面活性剤は、食品を対象としたアレルゲン検査において最もよく使われる試薬であることから、SDSを含む抽出液においてまず検討した。非イオン性界面活性剤としては、Tween20、Tween60、及びTritonX−100を用いて検討した。
0.1%チオ硫酸ナトリウム及び0.5%SDSを添加したPBS溶液に、Tween20、Tween60、あるいはTritonX−100を、0%、0.05%、0.2%、0.5%、1.0%、2.0%、5.0%、又は10.0%となるようにそれぞれ添加し、24種類の抽出液を調製した。
上記ミルクチョコレートを湯煎により溶解したミルクチョコレート液に小麦タンパク質を終濃度で50ppmとなるように添加し、よく混合して均一化させることにより50ppm小麦タンパク質添加ミルクチョコレート試料を調製した。また、小麦タンパク質を添加しない、小麦無添加ミルクチョコレート試料をコントロールとして調製した。
上記50ppm小麦タンパク質添加ミルクチョコレート試料及び小麦無添加ミルクチョコレート試料について、各1gを50mLの遠沈管に量り取り、上記24種類の抽出液19mLをそれぞれ加えて撹拌することにより、48種類のチョコレート試料含有抽出液を調製した。各チョコレート試料含有抽出液を沸騰水中で10分間加熱し、冷却遠心後、それぞれの上清を48種類の測定サンプルとして調製した。
前記金コロイド標識抗体20μLと、展開液として牛胎児血清(FBS)30μLとを、上記48種類の測定サンプル50μLにそれぞれ加えた供試液を、上記イムノクロマトストリップに供試した。結果を表2に示す。
表2から明らかなとおり、非イオン性界面活性剤が0%及び0.05%の場合は、いずれの試料においても、小麦グリアジンは検出されなかった(−)。また、いずれの小麦無添加ミルクチョコレート試料においても、10.0%(+w又は+−)で非特異的反応が認められ、正しい検査結果が得られなかった。非イオン性界面活性剤がTween20の場合、0.2%以上で陽性(+−)となり、1.0%、2.0%、5.0%、及びそれ以上のとき最も検出感度が高かった(++)。非イオン性界面活性剤がTween60の場合、0.2%以上で陽性(+−)となり、1.0%、2.0%、5.0%、及びそれ以上のとき最も検出感度が高かった(++)。非イオン性界面活性剤がTritonX−100の場合、0.5%以上で陽性(+)となり、1.0、2.0、5.0%、及びそれ以上のとき最も検出感度が高かった(++)。
[非イオン性界面活性剤による検出感度の改善効果−2(陰イオン性界面活性剤SDSを含まない場合)]
抽出液がSDS等の陰イオン性界面活性剤を含まない場合においても、非イオン性界面活性剤の濃度を高くすることにより、ミルクチョコレートにおける小麦グリアジン検出感度を改善できるか否かを検討した。
PBS溶液に、Tween20、Tween60、又はTritonX−100を、0%、0.05%、0.2%、0.5%、1.0%、2.0%、5.0%、又は10.0%となるようにそれぞれ添加し、24種類の抽出液を調製した。
前記非イオン性界面活性剤による検出感度の改善効果−1の2)の手順に従って、小麦タンパク質添加チョコレート試料と小麦無添加ミルクチョコレート試料とを調製した。
上記50ppm小麦タンパク質添加ミルクチョコレート試料及び小麦無添加ミルクチョコレート試料について、各1gを50mLの遠沈管に量り取り、上記24種類の抽出液19mLをそれぞれ加えて撹拌することにより、48種類のチョコレート試料含有抽出液を調製した。各チョコレート試料含有抽出液を沸騰水中で10分間加熱し、冷却遠心後、それぞれの上清を48種類の測定サンプルとして調製した。
上記金コロイド標識抗体20μLと、展開液として牛胎児血清(FBS)30μLとを、上記48種類の測定サンプル50μLにそれぞれ加えた供試液を、上記イムノクロマトストリップに供試した。結果を表3に示す。
表3から明らかなとおり、非イオン性界面活性剤が0%の場合は、いずれの試料においても、小麦グリアジンは検出されなかった(−)。また、いずれの小麦無添加ミルクチョコレート試料においても、5.0%(+−)と10.0%(+w又は+)とで非特異的反応が認められ、正しい検査結果が得られなかった。非イオン性界面活性剤がTween20の場合、0.05%、0.2%、0.5%、1.0%、2.0%、及びそれ以上のとき最も検出感度が高かった(++)。非イオン性界面活性剤がTween60の場合、0.05%以上で陽性(+)となり、0.2%、0.5%、1.0%、2.0%、及びそれ以上のとき最も検出感度が高かった(++)。非イオン性界面活性剤がTritonX−100の場合、0.05%以上で陽性(+w)となり、0.5%、1.0%、2.0%、及びそれ以上のとき最も検出感度が高かった(++)。
[非イオン性界面活性剤を含む抽出液による検出限界]
これまでの検討の結果から、検出感度が高かったTween20を2.0%含む抽出液を使用する場合に、ミルクチョコレート中の小麦アレルゲンを検出できる限界濃度を検討した。
0.1%チオ硫酸ナトリウム及び0.5%SDSを添加したPBSに、Tween20を0.2%又は2.0%添加し、2種類の抽出液を調製した。
ミルクチョコレートを湯煎により溶解したミルクチョコレート液に小麦タンパク質を終濃度で0ppm、2ppm、5ppm、10ppm、20ppm、50ppmとなるようにそれぞれ添加し、よく混合して均一化させることにより6種類の小麦タンパク質添加ミルクチョコレート試料を調製した。
上記6種類の小麦タンパク質添加ミルクチョコレート試料について、各1gを50mLの遠沈管に量り取り、上記2種類の抽出液19mLをそれぞれ加えて撹拌することにより、12種類のチョコレート試料含有抽出液を調製した。各チョコレート試料含有抽出液を沸騰水中で10分間加熱し、冷却遠心後、それぞれの上清を12種類の測定サンプルとして調製した。
上記金コロイド標識抗体20μLと、展開液として牛胎児血清(FBS)30μLとを、上記12種類の測定サンプル50μLにそれぞれ加えた供試液を、上記イムノクロマトストリップに供試した。結果を表4に示す。
表4から明らかなとおり、Tween20が2.0%の場合は小麦タンパク質濃度が2ppm(+w)〜50ppm(++)で陽性であった。一方、Tween20が0.2%の場合は、50ppm(+−)以外は検出できず陰性(−)であった。したがって、小麦グリアジンの検出感度の低下に大きく影響すると考えられる成分が含まれているチョコレートにおいても、小麦タンパク質が2ppm以上含まれている場合には小麦アレルゲンを検出できることが確認された。これは、一般的なアレルゲン検査キットの検出感度と同等の検出感度である。
Claims (9)
- 変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識し、かつ異なるエピトープを認識する2種類のモノクローナル抗体を用いるチョコレート試料中の小麦アレルゲンの検出方法であって、前記チョコレート試料から非イオン性界面活性剤を含み、トリス(3−ヒドロキシプロピル)フォスフィンを含まない抽出液を用いて変性及び未変性の小麦グリアジンを抽出することを特徴とする小麦アレルゲンの検出方法。
- 異なるエピトープを認識する2種類のモノクローナル抗体の少なくとも一つが、イムノクロマト法に用いられる金コロイドで標識されたモノクローナル抗体であることを特徴とする請求項1記載の小麦アレルゲンの検出方法。
- 非イオン性界面活性剤の濃度が0.01〜8.0%であることを特徴とする請求項1又は2記載の小麦アレルゲンの検出方法。
- 非イオン性界面活性剤の濃度が、陰イオン性界面活性剤が共存しないときは0.02〜4.0%であり、陰イオン性界面活性剤が共存するときは0.1〜7.0%であることを特徴とする請求項1又は2記載の小麦アレルゲンの検出方法。
- 非イオン性界面活性剤がモノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の小麦アレルゲンの検出方法。
- 小麦グリアジンを認識するモノクローナル抗体として、ハイブリドーマ(FERM−BP−10267)が産生する抗小麦グリアジンモノクローナル抗体PGL1及びハイブリドーマ(FERM−BP−10268)が産生する抗小麦グリアジンモノクローナル抗体PGL2を用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の小麦アレルゲンの検出方法。
- 変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識し、かつ異なるエピトープを認識する2種類のモノクローナル抗体を用いるチョコレート試料中の小麦アレルゲンの検出方法であって、以下の工程(a)〜(h)を備える方法。
(a)チョコレート試料に非イオン性界面活性剤を含み、トリス(3−ヒドロキシプロピル)フォスフィンを含まない抽出液を添加して、チョコレート含有抽出液を調製する工程;
(b)チョコレート含有抽出液を加熱して、変性及び未変性の小麦グリアジンが抽出された測定サンプルを調製する工程;
(c)測定サンプルに、金コロイド標識抗体と展開液とを添加してサンプル供試液を調製する工程;
(d)サンプル供試液中の小麦グリアジンが、変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識する金コロイド標識抗体と結合して抗原抗体複合体を形成する工程;
(e)サンプル供試液をイムノクロマトストリップに供試する工程;
(f)抗原抗体複合体がイムノクロマトストリップ上の展開支持体を毛細管現象により移動する工程;
(g)展開支持体上の所定位置に固定された、変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識し、金コロイド標識抗体と異なるエピトープを認識するモノクローナル抗体が抗原抗体複合体を捕捉する工程;
(h)所定位置において金コロイドが集積することにより現れる着色ラインにより小麦グリアジンを検出する工程; - 変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識するモノクローナル抗体に金コロイドを結合した金コロイド標識抗体、変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識し、前記金コロイド標識抗体と異なるエピトープを認識するモノクローナル抗体が所定の位置に固定された展開支持体と、チョコレート試料から小麦グリアジンを抽出するための非イオン性界面活性剤を含み、トリス(3−ヒドロキシプロピル)フォスフィンを含まない抽出液と、展開液とを備えることを特徴とするイムノクロマト用小麦アレルゲンの検出キット。
- 金コロイド標識抗体が、ハイブリドーマ(FERM−BP−10268)が産生する抗小麦グリアジンモノクローナル抗体PGL2であり、前記金コロイド標識抗体と異なるエピトープを認識するモノクローナル抗体が、ハイブリドーマ(FERM−BP−10267)が産生する抗小麦グリアジンモノクローナル抗体PGL1であることを特徴とする請求項8記載のイムノクロマト用小麦アレルゲンの検出キット。
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