JP6778083B2 - チョコレート試料中の小麦アレルゲンの検出方法 - Google Patents

チョコレート試料中の小麦アレルゲンの検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、非イオン性界面活性剤を含む抽出液を用いてチョコレート試料中の変性及び未変性の小麦グリアジンを抽出することを特徴とする小麦アレルゲンの検出方法に関する。
自然環境の減少、車や工場などからの排気ガス、住宅事情等、或いは食べ物の変化など様々な要因により、現在では、3人に1人が何らかのアレルギー疾患をもつといわれている。特に、食物アレルギーは、食品中に含まれるアレルギー誘発物質(以下、「食物アレルゲン」という)の摂取が原因となる有害な免疫反応であり、皮膚炎、喘息、消化管障害、アナフィラキシーショック等を引き起こすことが知られている。これらの症状は死に至ることもあることから、FAO/WHO合同食品規格委員会は、食物アレルゲンを含む可能性がある8種の原材料を含む食品について、それを含む旨の表示について合意し、加盟国で各国の制度に適した表示方法を検討することとした(1999年6月)。日本では過去の健康危害などの程度、頻度を考慮して重篤なアレルギー症状を起した実績のある24品目の食品について、その表示方法が定められた(2002年4月より施行)。その後、3品目の食品が追加され、2016年現在、合計27品目の表示方法が定められている。アレルギーを引き起こすおそれのある食品としては、卵類、牛乳類、肉類、魚類、甲殻類、軟体動物類、穀類、豆類、ナッツ類、果実類、野菜類、ビール酵母、ゼラチン等が知られている。
上記の食物アレルゲンを迅速かつ簡易に検出するため、抗原抗体反応を利用して特定の抗原又は抗体よりなる被検出物質を検出する免疫測定法が広く用いられており、試料中の被検出物質に、蛍光物質等からなる標識物質により標識した抗体又は抗原を免疫反応により結合させ、結合した標識物質を測定する免疫測定法が採用されている。これらの免疫測定法では、競合型反応、サンドイッチ型反応が広く用いられており、サンドイッチ型反応を利用したイムノクロマトグラフィー法による(例えば、特許文献1参照)、アレルゲン検出キットが販売されている。
一方、小麦アレルゲンとしては、グリアジン、グルテニン、グルテン、アルブミン、グロブリン等のタンパク質が知られているが、小麦属植物等の穀物に存在し、重篤なアレルギーを引き起こすおそれがあることが知られているグリアジンやグルテンを高精度に検出することがアレルゲン検査において特に求められている。
本出願人は、変性剤及び還元剤を用いた抽出溶液を用いて食物アレルゲンを抽出し、金コロイドの崩壊に伴う非特異反応を抑え迅速かつ精度よくアレルゲンを検出することのできるイムノクロマト法(例えば、特許文献2参照)を提案している。また、2−メルカプトエタノールが2008年7月1日より毒物として指定されたことから、2−メルカプトエタノールを使用することなく、陰イオン性界面活性剤とチオ硫酸塩、又は、陰イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤を用いて抽出した変性及び未変性のアレルゲンの測定サンプルを含む展開液を用い、金コロイドの集積の有無により、アレルゲンを検出するイムノクロマト法によるアレルゲンの検出方法(例えば、特許文献3参照)を提案している。これらの方法では、加熱した被検試料から小麦グリアジンをはじめとする各アレルゲンが十分に抽出され、精度と簡便さが飛躍的に向上している。
特開平5−010950号公報 特開2007−278773号公報 国際公開WO2010/095469号パンフレット
本発明者らは、上述のとおり各種アレルゲンを検出する方法を開発し、それらは、実用段階において高い評価を得ているが、チョコレート試料中の小麦アレルゲンの検出感度が低くなることがあるという事象について報告を受けている。
本発明の課題は、チョコレート試料中の小麦アレルゲンの検出感度を高めることにある。
本発明者らは、チョコレート試料から小麦アレルゲンを抽出するための抽出液の組成について鋭意検討し、非イオン性界面活性剤を含む抽出液を用いた場合に、チョコレート試料中の小麦アレルゲンの検出感度が高いまま維持されることを確認し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識し、かつ異なるエピトープを認識する2種類のモノクローナル抗体を用いるチョコレート試料中の小麦アレルゲンの検出方法であって、前記チョコレート試料から非イオン性界面活性剤を含む抽出液を用いて変性及び未変性の小麦グリアジンを抽出することを特徴とする小麦アレルゲンの検出方法。
[2]異なるエピトープを認識する2種類のモノクローナル抗体の少なくとも一つが、イムノクロマト法に用いられる金コロイドで標識されたモノクローナル抗体であることを特徴とする上記[1]記載の小麦アレルゲンの検出方法。
[3]非イオン性界面活性剤の濃度が0.01〜8.0%であることを特徴とする上記[1]又は[2]記載の小麦アレルゲンの検出方法。
[4]非イオン性界面活性剤の濃度が、陰イオン性界面活性剤が共存しないときは0.02〜4.0%であり、陰イオン性界面活性剤が共存するときは0.1〜7.0%であることを特徴とする上記[1]又は[2]記載の小麦アレルゲンの検出方法。
[5]非イオン性界面活性剤がモノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタンであることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれか記載の小麦アレルゲンの検出方法。
[6]小麦グリアジンを認識するモノクローナル抗体として、ハイブリドーマ(FERM−BP−10267)が産生する抗小麦グリアジンモノクローナル抗体PGL1及びハイブリドーマ(FERM−BP−10268)が産生する抗小麦グリアジンモノクローナル抗体PGL2を用いることを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれか記載の小麦アレルゲンの検出方法。
[7]変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識し、かつ異なるエピトープを認識する2種類のモノクローナル抗体を用いるチョコレート試料中の小麦アレルゲンの検出方法であって、以下の工程(a)〜(h)を備える方法。
(a)チョコレート試料に非イオン性界面活性剤を含む抽出液を添加して、チョコレート含有抽出液を調製する工程;
(b)チョコレート含有抽出液を加熱して、変性及び未変性の小麦グリアジンが抽出された測定サンプルを調製する工程;
(c)測定サンプルに、金コロイド標識抗体と展開液とを添加してサンプル供試液を調製する工程;
(d)サンプル供試液中の小麦グリアジンが、変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識する金コロイド標識抗体と結合して抗原抗体複合体を形成する工程;
(e)サンプル供試液をイムノクロマトストリップに供試する工程;
(f)抗原抗体複合体がイムノクロマトストリップ上の展開支持体を毛細管現象により移動する工程;
(g)展開支持体上の所定位置に固定された、変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識し、金コロイド標識抗体と異なるエピトープを認識するモノクローナル抗体が抗原抗体複合体を捕捉する工程;
(h)所定位置において金コロイドが集積することにより現れる着色ラインにより小麦グリアジンを検出する工程;
[8]変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識するモノクローナル抗体に金コロイドを結合した金コロイド標識抗体、変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識し、前記金コロイド標識抗体と異なるエピトープを認識するモノクローナル抗体が所定の位置に固定された展開支持体と、チョコレート試料から小麦グリアジンを抽出するための非イオン性界面活性剤を含有する抽出液と、展開液とを備えることを特徴とするイムノクロマト用小麦アレルゲンの検出キット。
[9]金コロイド標識抗体が、ハイブリドーマ(FERM−BP−10268)が産生する抗小麦グリアジンモノクローナル抗体PGL2であり、前記金コロイド標識抗体と異なるエピトープを認識するモノクローナル抗体が、ハイブリドーマ(FERM−BP−10267)が産生する抗小麦グリアジンモノクローナル抗体PGL1であることを特徴とする上記[8]記載のイムノクロマト用小麦アレルゲンの検出キット。
本発明によると、チョコレート試料中の小麦アレルゲンの検出感度を、他試料中の小麦アレルゲンの検出感度と同等に維持する又は高めることができる。
本発明の小麦アレルゲンの検出方法としては、変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識し、かつ異なるエピトープを認識する2種類のモノクローナル抗体を用いるチョコレート試料中の小麦アレルゲンの検出方法であって、前記非イオン性界面活性剤を含む抽出液を用いて変性及び未変性の小麦グリアジンをチョコレート試料から抽出するアレルゲンの検出方法であれば特に制限されず、上記小麦グリアジンとしては、一般に小麦粉や小麦グルテンより得ることができる、分子内ジスルフィド結合を有する単量体タンパク質の混合物であって、水不溶性であるが70%エタノール(pH7.0)に溶解するタンパク質を挙げることができる。また、ライ麦、大麦、エンバク等の各種穀類から得ることができる70%エタノール(pH7.0)に溶解するタンパク質を便宜上小麦グリアジンに含めることができる。また、上記小麦グリアジンには、上記グリアジンと貯蔵タンパク質の一種であるグルテニンが相互作用することによって生成したグルテンが含まれる。
本発明におけるチョコレート試料としては、チョコレート類及びチョコレート関連試料を挙げることができ、上記チョコレート類としては、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」(昭和46年3月29日、公正取引委員会告示第16号)における第2条に定めるチョコレート、準チョコレート、チョコレート菓子、準チョコレート菓子、カカオマス、ココアバター、ココアケーキ、ココアパウダー(ココア)及び調整ココアパウダー(調整ココア)として記載されているチョコレート製品を挙げることができる。また、市販されておらず他の製品の原材料として用いられるチョコレート様製品も、実質上上記チョコレート類の態様に含まれるものであれば、チョコレート試料に含めることができる。
上記チョコレート関連試料としては、上記チョコレート類を含む可能性のある試料であれば特に制限されず、例えば、チョコレート類を製造するために用いられる装置を洗浄した洗浄水;該洗浄水を取り除くために使用されたすすぎ液;上記洗浄水の乾燥物、上記すすぎ液の乾燥物、チョコレート類を製造するために用いられる原料又はその飛散物、チョコレート類を製造するために使用された装置に残るカス、チョコレート類製造工程における沈殿物等の残留物、チョコレート類を包装した包装紙や包装容器における残留物等を(拭取り用)溶媒で拭き取った拭取り液;及びかかる拭取り液を溶媒に溶解することにより得られる拭取り溶液;などを挙げることができる。
本発明における抽出液としては、変性及び未変性の小麦グリアジンを抽出することができる非イオン性界面活性剤を含む抽出液であれば特に制限されず、上記非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ソルビタン脂肪酸エステル等を挙げることができ、具体的にはモノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(Tween20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアラート(Tween60)、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(TritonX−100)を好適に例示することができる。上記非イオン性界面活性剤の濃度としては、0.01〜8.0%が好ましく、0.02〜7.0%がより好ましく、0.05〜5.0%がさらに好ましい。SDS等の陰イオン性界面活性剤を添加しない場合の非イオン性界面活性剤の濃度としては、0.02〜4.0%が好ましく、0.03〜3.0%がより好ましく、0.05〜2.5%がさらに好ましく、0.2〜2.0%が特に好ましい。なお、SDS等の陰イオン性界面活性剤を添加した場合の非イオン性界面活性剤の濃度としては、0.1〜7.0%が好ましく、0.3〜6.0%がより好ましく、1.0〜5.0%がさらに好ましい。また、例えば10倍濃度のキット用濃縮抽出液を作製した場合に、抽出液における濃度を1〜3%とすると、操作性が向上する点で好ましい。なお、本発明において濃度(%)は、w/v%を表す。
上記抽出液には、チョコレート試料に含まれるナッツ、果実、ゼラチン、乳製品等の非チョコレート部原料における小麦グリアジンの検出感度を高めるために、チオ硫酸塩や陰イオン性界面活性剤を含めることもできる。上記チオ硫酸塩としては、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム等を挙げることができる。抽出液中の上記チオ硫酸塩の濃度としては、0.01〜5.0%が好ましく、0.05〜1.0%がより好ましく、0.075%〜0.5%がさらに好ましく、0.08〜0.2%が特に好ましい。
上記陰イオン性界面活性剤としては、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩などを挙げることができ、具体的にはドデシル硫酸ナトリウム(Sodium Dodecyl Sulfate−SDS)を例示することができる。抽出液中の上記陰イオン性界面活性剤の濃度としては、0.01〜1.0%が好ましく、0.05%〜0.5%がより好ましい。
本発明における、チョコレート試料から非イオン性界面活性剤を含む抽出液を用いて変性及び未変性の小麦グリアジンを抽出する手順としては、
(a)チョコレート試料に非イオン性界面活性剤を含む抽出液を添加して、チョコレート含有抽出液を調製する工程;
(b)チョコレート含有抽出液を加熱して、変性及び未変性の小麦グリアジンが抽出された測定サンプルを調製する工程;
を備える手順を例示することができる。
上記チョコレート試料に添加する非イオン性界面活性剤を含む抽出液の量としては、チョコレート試料:抽出液(質量比)で0.1〜20:20が好ましく、0.2〜10:20がより好ましく、0.5〜5:20がさらに好ましく、0.8〜1.5:20が特に好ましい。
上記チョコレート含有抽出液を加熱する時間としては、チョコレート試料から変性及び未変性の小麦グリアジンを抽出することができる限りにおいて特に制限されないが、例えば、100℃にて2〜20分間が好ましく、5〜15分間がより好ましく、8〜12分間がさらに好ましい。また、80℃にて30〜60分間や、90℃にて15〜45分間等の加熱時間によっても同等の効果を得ることができる。
上記変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識し、かつ異なるエピトープを認識する2種類のモノクローナル抗体を用いる小麦アレルゲンの検出方法としては、不溶性担体に結合した小麦グリアジンのエピトープを認識するモノクローナル抗体(本件第一抗体)と、前記第一抗体と異なるエピトープを認識する蛍光色素等を有する標識モノクローナル抗体(本件第二抗体)を用いるサンドイッチELISA法;や、標識物を結合した標識抗体(本件第1抗体)を移動相とし、前記標識抗体と異なる小麦グリアジンのエピトープを認識するモノクローナル抗体(本件第2抗体)を固定相とし、小麦グリアジンと上記標識抗体の複合体が移動して固定相の抗体に抗原抗体反応により結合することにより、着色ラインの有無等により小麦グリアジンを検出することができるイムノクロマト法;が好ましい。
上記イムノクロマト法における標識抗体としては、金コロイド標識抗体、白金コロイド標識抗体、銀コロイド標識抗体等の金属コロイド標識抗体や、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体等の有機高分子を含むラテックス着色粒子を用いたラテックスコロイド標識抗体や、パーオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ等を用いる酵素標識抗体を例示することができるが、本発明においては、上記モノクローナル抗体(本件第1抗体)に金コロイドを結合した金コロイド標識抗体を用いるイムノクロマト法によるアレルゲンの検出方法を好適に挙げることができる。
上記金コロイド標識抗体を用いるイムノクロマト法の具体的な手順としては、
(c)測定サンプルに、金コロイド標識抗体と展開液とを添加してサンプル供試液を調製する工程;
(d)サンプル供試液中の小麦グリアジンが、変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識する金コロイド標識抗体と結合して抗原抗体複合体を形成する工程;
(e)サンプル供試液をイムノクロマトストリップに供試する工程;
(f)抗原抗体複合体がイムノクロマトストリップ上の展開支持体を毛細管現象により移動する工程;
(g)展開支持体上の所定位置に固定された、変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識し、金コロイド標識抗体と異なるエピトープを認識するモノクローナル抗体が抗原抗体複合体を捕捉する工程;
(h)所定位置において金コロイドが集積することにより現れる着色ラインにより小麦グリアジンを検出する工程;
を備える手順を例示することができる。
上記金コロイド標識抗体の作製方法は従来公知の方法を含め特に制限されないが、例えば、pH9.0に調製した金コロイド溶液に、2mMホウ酸緩衝液(pH9.0)でモノクローナル抗体を溶解した溶液を加え、室温にて反応させた後、10%BSA溶液を加えてさらに反応させ、遠心分離する方法を挙げることができる。
上記展開液としては、ウシ胎児血清(FBS)が含まれている溶液が好ましく、ウシ胎児血清(FBS)が少なくとも10質量%含まれている展開液、好ましくは少なくとも20質量%含まれている展開液、より好ましくは少なくとも30質量%含まれている展開液、特に好ましくは少なくとも40質量%含まれている展開液、より一層好ましくは少なくとも50質量%、例えば50〜100質量%含まれている展開液が望ましい。上記展開液におけるウシ胎児血清(FBS)濃度が10質量%未満の場合、非特異反応を生じやすくなるおそれがある。
上記展開支持体は、上記金コロイド標識抗体と異なるエピトープを認識するモノクローナル抗体を含む緩衝液を、ニトロセルロースメンブレン等の支持体に直線状に塗布し乾燥させた後、ブロッキング処理することにより、抗体固定化メンブレンとして作製することができる。
上記イムノクロマトストリップは、例えば、供試サンプルを担持させることができるガラスウール製のサンプルパッド等のサンプル用担体部、上記展開支持体、好ましくはこの展開支持体の他端に展開液を吸収するガラスウール製吸収パッド等の吸収体を順次連結することにより作製することができる。
前記変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識できる抗小麦グリアジンモノクローナル抗体としては、未変性小麦グリアジン、還元カルボキシメチル化小麦グリアジン、0.1M酢酸可溶化小麦グリアジン、70%エタノール可溶化小麦グリアジン、及び変性剤で可溶化した小麦グリアジンを認識することができるモノクローナル抗体が好ましい。異なるエピトープを認識する2種類のモノクローナル抗体を組み合わせることで、特に有利にイムノクロマト法やサンドイッチELISA法を行うことができる。
上記抗小麦グリアジンモノクローナル抗体の具体例としては、ハイブリドーマ(FERM−BP−10267)が産生する抗小麦グリアジンモノクローナル抗体PGL1や、ハイブリドーマ(FERM−BP−10268)が産生する抗小麦グリアジンモノクローナル抗体PGL2を挙げることができる。ハイブリドーマ(FERM−BP−10267)、及びハイブリドーマ(FERM−BP−10268)は、2005年2月24日付で独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(住所:茨城県つくば市東1−1−1つくばセンター中央第6)に受託されている。
本発明のイムノクロマト用小麦アレルゲンの検出キットとしては、変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識することができるモノクローナル抗体に前記の標識物を結合した標識抗体と、変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識し、前記標識物を結合した標識抗体と異なる小麦グリアジンエピトープを認識するモノクローナル抗体とがそれぞれ所定の位置に固定された展開支持体と;必要に応じて濃縮された抽出液を備えることを特徴とする検出キットであれば特に制限されないが、展開液を回収するための拭取り部をさらに備えることもでき、製造年月日から1年以上常温保存した場合においても、実用性に耐えうる精度・安定性を有するものが望ましい。
より好ましい態様の本発明の小麦アレルゲン検出用キットとしては、前記イムノクロマト法におけるイムノクロマトストリップを挙げることができる。この場合、異なるエピトープを認識する2種類のモノクローナル抗体の少なくとも一つを、イムノクロマト法に用いられる金コロイドで標識されたモノクローナル抗体とすることが好ましい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
[実施例1]
[金コロイド標識抗体及び小麦アレルゲン検出用イムノクロマトストリップの作製]
(金コロイド標識抗体の作製)
2mMホウ酸緩衝液(pH9.0)で1mg/mLとなるように抗小麦グリアジンモノクローナル抗体PGL2溶液を調製した。次いで、あらかじめ0.2M炭酸カリウム溶液でpH9.0に調製した金コロイド溶液(シグマ社製)5mLに、上記抗小麦グリアジンモノクローナル抗体PGL2溶液を500μL加えて室温にて30分間反応させた後、10%BSA溶液を635μL加えてさらに15分間反応させた。遠心分離を行い、1%BSA溶液でOD525=1.0になるよう調整し、金コロイド標識抗体とした。
(抗体固定化メンブレンの作製)
PBSで4mg/mLとなるように抗小麦グリアジンモノクローナル抗体PGL1溶液を調製し、ニトロセルロースメンブレンに直線状に塗布し乾燥させた。その後、0.1%牛ゼラチンを含むTBS(Tris Buffered Saline)で37℃にて1時間ブロッキング後、TBSで洗浄し乾燥させ、抗体固定化メンブレンとした。
(イムノクロマトストリップの組立)
上記抗体固定化メンブレンに加えて、サンプル用担体部としてのガラスウール製サンプルパッド、液状サンプル吸収用のガラスウール製吸収パッドを別途用意し、サンプルパッド、抗体固定化メンブレン、吸収パッドの順にそれぞれ貼り付け、イムノクロマトストリップを作製した。
[実施例2]
[各種チョコレートにおける検出感度]
現行キットに使用されている抽出液の濃度範囲の組成を用い、チョコレートの種類によって、イムノクロマト法での検出感度の相違が生じるか否かを検討した。
1)抽出液の調製
0.2%Tween20、0.5%SDS、及び0.1%チオ硫酸ナトリウムを添加したPBS(phosphate buffered saline:リン酸緩衝生理食塩水、ダルベッコPBS(日水製薬株式会社製))溶液を、抽出液として調製した。
2)小麦タンパク質の調製
小麦タンパク質は、小麦全粒粉(日本製粉株式会社製)を用い、「アレルギー物質を含む食品の検査方法について(参考)(平成26年3月26日、消費者庁)」に記載の標準品規格の方法に従い作製した粉末から調製した。
3)小麦タンパク質添加チョコレート試料の調製
上記小麦タンパク質をミルクチョコレート及びホワイトチョコレートにそれぞれ添加した試料を調製した。ミルクチョコレート(株式会社明治製)及びホワイトチョコレート(株式会社明治製)を湯煎により溶解した各チョコレート液に小麦タンパク質を終濃度で0ppm、2ppm、10ppm、50ppmとなるように添加し、よく混合して均一化させることにより4種類の小麦タンパク質添加ミルクチョコレート試料、及び、4種類の小麦タンパク質添加ホワイトチョコレート試料を調製した。また、上記抽出液に小麦タンパク質を終濃度で0、2、10、50ppmとなるように添加し、4種類のチョコレート無添加小麦タンパク質標準溶液を調製した。
4)測定サンプルの調製
上記4種類の小麦タンパク質添加ミルクチョコレート試料、4種類の小麦タンパク質添加ホワイトチョコレート試料、及び4種類のチョコレート無添加小麦タンパク質標準溶液について、各1gを50mLの遠沈管に量り取り、上記抽出液19mLをそれぞれ加えて撹拌することにより、12種類のチョコレート試料含有抽出液を調製した。各チョコレート試料含有抽出液を沸騰水中で10分間加熱し、冷却遠心後、それぞれの上清を12種類の測定サンプルとして調製した。
5)イムノクロマト法による検出の確認
上記金コロイド標識抗体20μLと、展開液として牛胎児血清(FBS)30μLとを、上記12種類の測定サンプル50μLにそれぞれ加えた供試液を、上記イムノクロマトストリップに供試した。結果を表1に示す。判定はラインの強い方から順に++、+、+w、+−と表記し、陰性を−と表記した(以下同じ)。
Figure 0006778083
(結果)
表1から明らかなとおり、小麦タンパク質添加ミルクチョコレート試料では、2ppm及び10ppmにおいて小麦グリアジンは陰性(−)であり、50ppmにおいて陽性(+−)であり検出限界が大幅に低下した。一方、小麦タンパク質添加ホワイトチョコレート試料では、チョコレート無添加小麦標準溶液同様に、50ppm及び10ppmにおいて小麦グリアジンは陽性(++)であり、2ppmにおいても陽性(+)であって、ホワイトチョコレートでは検出感度が低下しないことが確認された。
(考察)
供試したミルクチョコレートの原材料は「砂糖、カカオマス、全粉乳、ココアバター、レシチン(大豆由来)、香料」であり、ホワイトチョコレートは「砂糖、全粉乳、ココアバター、植物油脂、乳糖、バターオイル、クリームパウダー、脱脂粉乳、乳たんぱく、レシチン(大豆由来)、香料」であった。ホワイトチョコレートにはチョコレート特有の茶褐色の色調の元となるカカオマスが含まれていないことから、カカオマス由来の成分が小麦グリアジンの検出感度の低下に大きく影響していると考えられた。
[実施例3]
[非イオン性界面活性剤による検出感度の改善効果−1(陰イオン性界面活性剤SDSを含む場合)]
抽出液中の非イオン性界面活性剤の濃度を高くすることにより、ミルクチョコレートにおける小麦グリアジン検出感度を改善できるか否かを検討した。SDS等の陰イオン性界面活性剤は、食品を対象としたアレルゲン検査において最もよく使われる試薬であることから、SDSを含む抽出液においてまず検討した。非イオン性界面活性剤としては、Tween20、Tween60、及びTritonX−100を用いて検討した。
1)抽出液の調製
0.1%チオ硫酸ナトリウム及び0.5%SDSを添加したPBS溶液に、Tween20、Tween60、あるいはTritonX−100を、0%、0.05%、0.2%、0.5%、1.0%、2.0%、5.0%、又は10.0%となるようにそれぞれ添加し、24種類の抽出液を調製した。
2)小麦タンパク質添加チョコレート試料の調製
上記ミルクチョコレートを湯煎により溶解したミルクチョコレート液に小麦タンパク質を終濃度で50ppmとなるように添加し、よく混合して均一化させることにより50ppm小麦タンパク質添加ミルクチョコレート試料を調製した。また、小麦タンパク質を添加しない、小麦無添加ミルクチョコレート試料をコントロールとして調製した。
3)測定サンプルの調製
上記50ppm小麦タンパク質添加ミルクチョコレート試料及び小麦無添加ミルクチョコレート試料について、各1gを50mLの遠沈管に量り取り、上記24種類の抽出液19mLをそれぞれ加えて撹拌することにより、48種類のチョコレート試料含有抽出液を調製した。各チョコレート試料含有抽出液を沸騰水中で10分間加熱し、冷却遠心後、それぞれの上清を48種類の測定サンプルとして調製した。
4)イムノクロマト法による検出の確認
前記金コロイド標識抗体20μLと、展開液として牛胎児血清(FBS)30μLとを、上記48種類の測定サンプル50μLにそれぞれ加えた供試液を、上記イムノクロマトストリップに供試した。結果を表2に示す。
Figure 0006778083
(結果)
表2から明らかなとおり、非イオン性界面活性剤が0%及び0.05%の場合は、いずれの試料においても、小麦グリアジンは検出されなかった(−)。また、いずれの小麦無添加ミルクチョコレート試料においても、10.0%(+w又は+−)で非特異的反応が認められ、正しい検査結果が得られなかった。非イオン性界面活性剤がTween20の場合、0.2%以上で陽性(+−)となり、1.0%、2.0%、5.0%、及びそれ以上のとき最も検出感度が高かった(++)。非イオン性界面活性剤がTween60の場合、0.2%以上で陽性(+−)となり、1.0%、2.0%、5.0%、及びそれ以上のとき最も検出感度が高かった(++)。非イオン性界面活性剤がTritonX−100の場合、0.5%以上で陽性(+)となり、1.0、2.0、5.0%、及びそれ以上のとき最も検出感度が高かった(++)。
以上の結果より、陰イオン性界面活性剤であるSDSが含まれている場合において、Tween20、Tween60、TritonX−100のいずれにおいても、抽出液に0.5%、1.0%、2.0%、5.0%含まれているときに、検出阻害が低減し、また非特異反応も認められず、良好な検出が可能であった。また、Tween20及びTween60の場合は、抽出液に0.2%、0.5%、1.0%、2.0%、5.0%含まれているときに、検出が阻害されず検出が可能であった。したがって、非イオン性界面活性剤を、従来よりも高い濃度を添加すると、小麦を含むチョコレート試料において、小麦グリアジンの検出感度が改善されることが確認された。
[実施例4]
[非イオン性界面活性剤による検出感度の改善効果−2(陰イオン性界面活性剤SDSを含まない場合)]
抽出液がSDS等の陰イオン性界面活性剤を含まない場合においても、非イオン性界面活性剤の濃度を高くすることにより、ミルクチョコレートにおける小麦グリアジン検出感度を改善できるか否かを検討した。
1)抽出液の調製
PBS溶液に、Tween20、Tween60、又はTritonX−100を、0%、0.05%、0.2%、0.5%、1.0%、2.0%、5.0%、又は10.0%となるようにそれぞれ添加し、24種類の抽出液を調製した。
2)小麦タンパク質添加チョコレート試料の調製
前記非イオン性界面活性剤による検出感度の改善効果−1の2)の手順に従って、小麦タンパク質添加チョコレート試料と小麦無添加ミルクチョコレート試料とを調製した。
3)測定サンプルの調製
上記50ppm小麦タンパク質添加ミルクチョコレート試料及び小麦無添加ミルクチョコレート試料について、各1gを50mLの遠沈管に量り取り、上記24種類の抽出液19mLをそれぞれ加えて撹拌することにより、48種類のチョコレート試料含有抽出液を調製した。各チョコレート試料含有抽出液を沸騰水中で10分間加熱し、冷却遠心後、それぞれの上清を48種類の測定サンプルとして調製した。
4)イムノクロマト法による検出
上記金コロイド標識抗体20μLと、展開液として牛胎児血清(FBS)30μLとを、上記48種類の測定サンプル50μLにそれぞれ加えた供試液を、上記イムノクロマトストリップに供試した。結果を表3に示す。
Figure 0006778083
(結果)
表3から明らかなとおり、非イオン性界面活性剤が0%の場合は、いずれの試料においても、小麦グリアジンは検出されなかった(−)。また、いずれの小麦無添加ミルクチョコレート試料においても、5.0%(+−)と10.0%(+w又は+)とで非特異的反応が認められ、正しい検査結果が得られなかった。非イオン性界面活性剤がTween20の場合、0.05%、0.2%、0.5%、1.0%、2.0%、及びそれ以上のとき最も検出感度が高かった(++)。非イオン性界面活性剤がTween60の場合、0.05%以上で陽性(+)となり、0.2%、0.5%、1.0%、2.0%、及びそれ以上のとき最も検出感度が高かった(++)。非イオン性界面活性剤がTritonX−100の場合、0.05%以上で陽性(+w)となり、0.5%、1.0%、2.0%、及びそれ以上のとき最も検出感度が高かった(++)。
以上の結果より、陰イオン性界面活性剤であるSDSが含まれていない場合において、非イオン性界面活性剤が0.05%、0.2%、0.5%、1.0%、2.0%含まれているときに、ミルクチョコレートにおいて、検出阻害が低減し、また非特異反応も認められず、良好な検出が可能であった。
[実施例5]
[非イオン性界面活性剤を含む抽出液による検出限界]
これまでの検討の結果から、検出感度が高かったTween20を2.0%含む抽出液を使用する場合に、ミルクチョコレート中の小麦アレルゲンを検出できる限界濃度を検討した。
1)抽出液の調製
0.1%チオ硫酸ナトリウム及び0.5%SDSを添加したPBSに、Tween20を0.2%又は2.0%添加し、2種類の抽出液を調製した。
2)小麦タンパク質添加ミルクチョコレート試料の調製
ミルクチョコレートを湯煎により溶解したミルクチョコレート液に小麦タンパク質を終濃度で0ppm、2ppm、5ppm、10ppm、20ppm、50ppmとなるようにそれぞれ添加し、よく混合して均一化させることにより6種類の小麦タンパク質添加ミルクチョコレート試料を調製した。
3)測定サンプルの調製
上記6種類の小麦タンパク質添加ミルクチョコレート試料について、各1gを50mLの遠沈管に量り取り、上記2種類の抽出液19mLをそれぞれ加えて撹拌することにより、12種類のチョコレート試料含有抽出液を調製した。各チョコレート試料含有抽出液を沸騰水中で10分間加熱し、冷却遠心後、それぞれの上清を12種類の測定サンプルとして調製した。
4)イムノクロマト法による検出の確認
上記金コロイド標識抗体20μLと、展開液として牛胎児血清(FBS)30μLとを、上記12種類の測定サンプル50μLにそれぞれ加えた供試液を、上記イムノクロマトストリップに供試した。結果を表4に示す。
Figure 0006778083
(結果)
表4から明らかなとおり、Tween20が2.0%の場合は小麦タンパク質濃度が2ppm(+w)〜50ppm(++)で陽性であった。一方、Tween20が0.2%の場合は、50ppm(+−)以外は検出できず陰性(−)であった。したがって、小麦グリアジンの検出感度の低下に大きく影響すると考えられる成分が含まれているチョコレートにおいても、小麦タンパク質が2ppm以上含まれている場合には小麦アレルゲンを検出できることが確認された。これは、一般的なアレルゲン検査キットの検出感度と同等の検出感度である。
チョコレート試料中の小麦アレルゲンを迅速かつ精度よく検出することのできる、本発明の小麦アレルゲンの検出方法や、それに用いることができる本発明のイムノクロマト用アレルゲンの検出キットは、食品産業において特に有用である。

Claims (9)

  1. 変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識し、かつ異なるエピトープを認識する2種類のモノクローナル抗体を用いるチョコレート試料中の小麦アレルゲンの検出方法であって、前記チョコレート試料から非イオン性界面活性剤を含み、トリス(3−ヒドロキシプロピル)フォスフィンを含まない抽出液を用いて変性及び未変性の小麦グリアジンを抽出することを特徴とする小麦アレルゲンの検出方法。
  2. 異なるエピトープを認識する2種類のモノクローナル抗体の少なくとも一つが、イムノクロマト法に用いられる金コロイドで標識されたモノクローナル抗体であることを特徴とする請求項1記載の小麦アレルゲンの検出方法。
  3. 非イオン性界面活性剤の濃度が0.01〜8.0%であることを特徴とする請求項1又は2記載の小麦アレルゲンの検出方法。
  4. 非イオン性界面活性剤の濃度が、陰イオン性界面活性剤が共存しないときは0.02〜4.0%であり、陰イオン性界面活性剤が共存するときは0.1〜7.0%であることを特徴とする請求項1又は2記載の小麦アレルゲンの検出方法。
  5. 非イオン性界面活性剤がモノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の小麦アレルゲンの検出方法。
  6. 小麦グリアジンを認識するモノクローナル抗体として、ハイブリドーマ(FERM−BP−10267)が産生する抗小麦グリアジンモノクローナル抗体PGL1及びハイブリドーマ(FERM−BP−10268)が産生する抗小麦グリアジンモノクローナル抗体PGL2を用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の小麦アレルゲンの検出方法。
  7. 変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識し、かつ異なるエピトープを認識する2種類のモノクローナル抗体を用いるチョコレート試料中の小麦アレルゲンの検出方法であって、以下の工程(a)〜(h)を備える方法。
    (a)チョコレート試料に非イオン性界面活性剤を含み、トリス(3−ヒドロキシプロピル)フォスフィンを含まない抽出液を添加して、チョコレート含有抽出液を調製する工程;
    (b)チョコレート含有抽出液を加熱して、変性及び未変性の小麦グリアジンが抽出された測定サンプルを調製する工程;
    (c)測定サンプルに、金コロイド標識抗体と展開液とを添加してサンプル供試液を調製する工程;
    (d)サンプル供試液中の小麦グリアジンが、変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識する金コロイド標識抗体と結合して抗原抗体複合体を形成する工程;
    (e)サンプル供試液をイムノクロマトストリップに供試する工程;
    (f)抗原抗体複合体がイムノクロマトストリップ上の展開支持体を毛細管現象により移動する工程;
    (g)展開支持体上の所定位置に固定された、変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識し、金コロイド標識抗体と異なるエピトープを認識するモノクローナル抗体が抗原抗体複合体を捕捉する工程;
    (h)所定位置において金コロイドが集積することにより現れる着色ラインにより小麦グリアジンを検出する工程;
  8. 変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識するモノクローナル抗体に金コロイドを結合した金コロイド標識抗体、変性及び未変性の小麦グリアジンを共に認識し、前記金コロイド標識抗体と異なるエピトープを認識するモノクローナル抗体が所定の位置に固定された展開支持体と、チョコレート試料から小麦グリアジンを抽出するための非イオン性界面活性剤を含み、トリス(3−ヒドロキシプロピル)フォスフィンを含まない抽出液と、展開液とを備えることを特徴とするイムノクロマト用小麦アレルゲンの検出キット。
  9. 金コロイド標識抗体が、ハイブリドーマ(FERM−BP−10268)が産生する抗小麦グリアジンモノクローナル抗体PGL2であり、前記金コロイド標識抗体と異なるエピトープを認識するモノクローナル抗体が、ハイブリドーマ(FERM−BP−10267)が産生する抗小麦グリアジンモノクローナル抗体PGL1であることを特徴とする請求項8記載のイムノクロマト用小麦アレルゲンの検出キット。
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