JP6777330B2 - ディスクアレイ制御装置、ディスクアレイ装置、ディスクアレイ装置の制御方法及びプログラム - Google Patents
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Description
特許文献2には、RAIDを構成するハードディスク(Hard Disk Drive)の他に予備のハードディスクを設け、書き込んだデータの整合性確認にて不一致が生じた場合、多数決論理で有効なデータを決定することが開示されている。さらに特許文献2には、有効なデータの決定後、少数派となったハードディスクに対してディスクチェックを行い、復旧不可能と判定すると、予備のハードディスクと切り替えることが記載されている。
また特許文献2に記載の方法は、第2の課題に関連し、多数決論理で有効データとされたデータが書き込まれたディスクを正当とするという解決方法を提示するが、同方式は冗長度に応じた数のハードディスクに加え、予備ハードディスクを必要とするため容量効率が悪化するという課題がある。
図示するようにディスクアレイ装置1は、ディスクアレイコントローラ11と、複数の磁気記憶ディスクからなるディスクアレイ15と、を備える。
RAID演算器13は、複数の乗算器13a0〜13fn、複数の加算器13A0〜13Fnを備えている。乗算器13a0〜13fnには、各々係数αa0〜αanが与えられている。乗算器13a0〜13fnは、RAID演算器13に入力されたデータと各係数αa0〜αanとのガロア体上またはガロア拡大体上での乗算を行う。図の×は、ガロア体またはガロア拡大体における積演算を示している。また、加算器13A0〜13Fnは、乗算結果をガロア体上またはガロア拡大体上での加減算を行う。図の+は、ガロア体またはガロア拡大体におけるXOR演算を示している。これにより、RAID演算器13は、データDa〜Dfを入力し、演算結果C0〜Cnを出力する。なお、ガロア体およびガロア拡大体については、非特許文献1に記載があるように、必要な冗長度によって要件が異なる。図2に例示するものは、一例であってこれに限定されない。また、本実施形態では、使用するガロア体およびガロア拡大体については特に限定しない。RAID演算器13は、図2の演算器を用いて、複数の冗長符号を演算したり、整合性確認を行ったり、再構築演算を行ったりする。例えば、ディスクアレイコントローラ11は、上位装置から書き込みを命令されたDa〜Dfとともに、RAID演算器13が演算した複数の冗長符号を磁気記憶ディスク151〜156に分散して書き込む。
図3〜図5を用いて、磁気記憶ディスクが6台の場合のRAID6を例に、RAID演算器13による演算例を説明する。なお、図3のガロア体あるいはガロア拡大体係数α0〜α3は、例えば、非特許文献1の方式によりガロア体の原子根より決定することができるが、冗長性が保証されるならば、他の方法で係数を決定してもよい。
図3の上の2行は、通常の冗長符号PおよびQを演算するRAID演算器13の構成例を示している。例えば、1行目は、書き込みデータD0〜D3の各々について係数1を乗じ、それらを加算して冗長符号Pを演算することを示している。同様に2行目は、書き込みデータD0にα0を乗じた値と、D1にα1を乗じた値と、D2にα2を乗じた値と、D3にα3を乗じた値とを加算して、冗長符号Qを演算することを示している。
整合性確認の処理は、所定の周期、または、データの読み出し時に行う。
図6にデータD1を書き込んだ磁気記憶ディスクに「書き込み未了障害」が発生した場合の再構築演算に及ぼす影響を示す。
まず、図6の1行目にてD1の正しいデータ(書き込まれるべきだったデータ)と誤ったデータD1’(一世代前のデータ)との差分をDxとおく。2行目以降は、D0〜D3、P,Qに対する再構築演算の結果を示している。図3〜図5に例示するようにD0〜D3、P,Qの再構築演算には複数の方法がある。例えば、D1については、図3の上から6行目、図4の上から1,3,5,7行目の各々に再構築演算の方法が例示されている。図6に示すのは、これらのうちの何れかの方法でD0〜D3、P,Qの再構築演算を行った場合のD1に関係する部分である。図6に示すように再構築演算結果は、各係数に差分Dxを掛けた分だけ変動する。ただし、係数が「0」の場合は、Dxの影響を受けないので正常な値が演算される。係数が「0」の場合とは、例えば、D1について再構築演算する場合である。本実施形態では、この性質を利用して「書き込み未了障害」が発生した磁気記憶ディスクを特定する。
図7〜図9は、図3〜図5に示した再構築演算について、再構築するデータ別に並べ替え整理したものである。また、図7〜図9においては、「書き込み未了障害」が生じた磁気記憶ディスクを特定するための構成「Count D0」〜「Count D4」等が追加されている。
再構築結果D00〜D04は、それぞれ異なる方法で再構築演算されたD0の値を示している。「Count D0」の値は、再構築結果D00〜D04のうち、同じ値を示すものが何個あるかを示している。例えば、D00〜D04の全てが同じであれば、「Count D0」の値は、「5」である。同様に「Count D1」の値は、D1について再構築演算を行った結果であるD10〜D14のうち、同じ値を示すものの個数を示している。「Count D2」、「Count D3」についても同様である。また、「Count P」の値は、Pについて再構築演算を行った結果であるP0〜P4のうち、同じ値を示すものの何個を示している。「Count Q」についても同様である。
図10は、本発明の一実施形態のRAID演算器による処理方法の一例を示す図である。
RAID演算器13は、図10に例示する演算器130を備えている。
まず、RAID演算器13は、冗長符号の整合性不一致が検出されたか否かをDx、Dyにより判定し、不一致と判定された場合は、再構築演算および「Count D0」〜「Count Q」の算出を行う。図10に示す演算器130は、複数の比較器130a,130b等と複数の加算器を備えている。演算器130は、再構築結果D00〜D04を、互いに比較するマトリクス演算を行い、比較器の出力が「一致」を示す場合、当該行の比較結果を加算する。D00の行について具体的に説明すると、比較器130aは、D00とD01を比較する。両者が同じ値の場合は1を出力し、両者が異なる値の場合は0を出力する。比較器130bは、D00とD02を比較する。比較器130cは、D00とD03を比較する。比較器130dは、D00とD04を比較する。D00〜D03の値が全て同じ値の場合、比較器130a〜比較器130dの出力を加算すると4となる。また、比較元(1行目の場合、比較元はD00)同士の比較結果も一致数に含めるため、最後に1を加算する。このようにして、演算器130は、「Count D00」を演算する。同様にして演算器130は「Count D01」〜「Count D04」を演算する。演算器130は、「Count D00」〜「Count D04」を比較し、最も大きな値を「Count D0」として決定する。
同様にして演算器130は、「Count D1」〜「Count D3」、「Count P」、「Count Q」を決定する。
図11は、本発明の一実施形態の書き込み未了障害に関する処理の一例を示すフローチャートである。
6本の磁気記憶ディスク151〜156には、RAID6の方式で、データD0〜D4、冗長化符号P,Qが分散して書き込まれている。
まず、所定のタイミングで、ディスクアレイコントローラ11が、整合性確認処理を行う(ステップS11)。RAID演算器13は、磁気記憶ディスク151等から読み出したデータD0〜D4を用いてP,Qを演算し、その演算結果を磁気記憶ディスク151等から読み出したP,Qと比較する。RAID演算器13は、P,Qが共に一致すれば整合性ありと判定し、P,Qの何れかが一致しない場合、整合性なしと判定する(ステップS12)。整合性ありと判定した場合(ステップS12;Yes)、書き込み未了障害は発生していないので、処理を終了する。
次にRAID演算器13は、再構築演算の結果に基づいて多数決で障害が生じた磁気記憶ディスクを特定する(ステップS14)。例えば、RAID演算器13は、図10で説明したように、1つの磁気記憶ディスクに書き込まれたデータについて実行された全障害復旧パターンに対する再構築演算結果のそれぞれを互いに比較し、値が一致するものの個数を算出する。RAID演算器13は、算出した個数の値が最も大きい磁気記憶ディスクを「書き込み未了障害」が生じた磁気記憶ディスクとして特定する(ステップS14)。
ディスクアレイコントローラ11は、RAID演算器13が特定した磁気記憶ディスクに対して、当該磁気記憶ディスクについて行った再構築演算結果を書き込んで、データを復旧する(ステップS15)。図10を用いて説明したように、「書き込み未了障害」が生じた磁気記憶ディスクに書き込まれたデータ(上記例では、D1)の全障害復旧パターンについて、再構築演算を実行した演算結果は一致する。
図12は、本発明の一実施形態におけるディスクアレイ制御装置の機能ブロック図である。
図示するようにディスクアレイ制御装置100は、制御部101と記憶装置特定部103と、訂正部104とを備える。
制御部101は、多重冗長符号を用いてデータの冗長化を行うディスクアレイ装置に対するデータの書き込み、読み込み処理、それに必要な各種処理を行う。制御部101は、例えば、一般的なRAID6対応のRAIDコントローラや、RAID6対応のソフトウェアRAIDのプログラムが備える機能である。制御部101は、整合性確認部102を備えている。整合性確認部102は、複数の磁気記憶ディスク装置に分散して書き込んだデータの不整合を、前記データから算出される複数の符号に基づいて検出する。整合性確認部102は、例えば、図11のフローチャートのステップS11の処理を行う。
記憶装置特定部103は、各磁気記憶ディスクから障害の報告が無く、整合性確認部102が整合性の不一致を検出した場合、複数の磁気記憶ディスクのそれぞれについて復旧データを演算し、多数決理論で正しいと判断された復旧データに係る磁気記憶ディスクを、データの書き込み障害が発生した磁気記憶ディスクとして特定する機能を備える。記憶装置特定部103は、例えば、図11のフローチャートのステップS12〜ステップS14の処理を行う。
訂正部104は、書き込み障害が発生したと特定された磁気記憶ディスクに対して、正しいと判断された復旧データを書き込んでデータを訂正する機能を備える。訂正部104は、例えば、図11のフローチャートのステップS15の処理を行う。
図13に示すようにディスクアレイ制御装置100は、少なくとも記憶装置特定部103を備える。一つの実施形態では、例えば、ディスクアレイ制御装置100は、一般的なRAIDコントローラやソフトウェアRAID用プログラムと独立した装置またはプログラムとして実装され、一般的なRAIDコントローラがデータ不整合を検出した場合に、記憶装置特定部103によって「書き込み未了障害」が発生した磁気記憶ディスクを特定する。また、ディスクアレイ制御装置100は、特定した磁気記憶ディスクの識別情報と、その磁気記憶ディスクについて演算した復旧データと、その書き込み指示を一般的なRAIDコントローラ等へ出力するように構成されていてもよい。
例えば、実施形態における磁気記憶ディスクは記憶装置の一例であるが、記憶装置はSSDであってもよい。
101・・・制御部
102・・・整合性確認部
103・・・記憶装置特定部
104・・・訂正部
1・・・ディスクアレイ装置
11・・・ディスクアレイコントローラ
15・・・ディスクアレイ
12・・・上位ホスト接続ポート
13・・・RAID演算器
14・・・ディスクキャッシュ
111、131、141・・・内部インターフェース
151〜156・・・磁気記憶ディスク
1511〜1561・・・接続インターフェース
Claims (7)
- RAIDで構成された複数の記憶装置に分散して書き込んだデータおよび冗長化符号について、前記記憶装置から異常の報告が無く不整合が検出された場合、複数の前記記憶装置の中から2つを除外した残りの前記記憶装置に書き込まれた前記データまたは前記冗長化符号を用いて、除外した前記記憶装置のそれぞれについて、前記データまたは前記冗長化符号の書き込み障害が発生したと仮定した場合の復旧データの値を演算する処理を、複数の前記記憶装置の中から除外する2つの前記記憶装置を選択する組み合せの通りだけ実行し、それぞれの前記記憶装置について演算された前記復旧データの値について、その値が一致する数が最も多い前記記憶装置を、前記書き込み障害が発生した前記記憶装置として特定する記憶装置特定部、
を備えるディスクアレイ制御装置。 - 前記記憶装置特定部は、前記復旧データの値が全て一致する前記記憶装置を、前記書き込み障害が発生した前記記憶装置として特定する、
請求項1に記載のディスクアレイ制御装置。 - 前記記憶装置特定部は、複数の前記記憶装置のそれぞれについて、1つの前記記憶装置に障害が発生したときに実行される当該記憶装置に対する再構築演算の全パターンを実行し、全パターンの演算結果に基づいて、書き込み障害が発生した前記記憶装置を特定する、
請求項1または請求項2に記載のディスクアレイ制御装置。 - 特定された前記記憶装置に対して、前記値が一致する数が最も多い前記復旧データを書き込んで書き込み障害が発生した前記記憶装置のデータを訂正する訂正部、
をさらに備える請求項1から請求項3の何れか1項に記載のディスクアレイ制御装置。 - RAIDで構成された複数の記憶装置と、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載のディスクアレイ制御装置と、
を備えるディスクアレイ装置。 - RAIDで構成された複数の記憶装置に分散して書き込んだデータおよび冗長化符号について、前記記憶装置から異常の報告が無く不整合が検出された場合、複数の前記記憶装置の中から2つを除外した残りの前記記憶装置に書き込まれた前記データまたは前記冗長化符号を用いて、除外した前記記憶装置のそれぞれについて、前記データまたは前記冗長化符号の書き込み障害が発生したと仮定した場合の復旧データの値を演算する処理を、複数の前記記憶装置の中から除外する2つの前記記憶装置を選択する組み合せの通りだけ実行し、それぞれの前記記憶装置について演算された前記復旧データの値について、その値が一致する数が最も多い前記記憶装置を、前記書き込み障害が発生した前記記憶装置として特定する、
ディスクアレイ装置の制御方法。 - コンピュータを、
RAIDで構成された複数の記憶装置に分散して書き込んだデータおよび冗長化符号について、前記記憶装置から異常の報告が無く不整合が検出された場合、複数の前記記憶装置の中から2つを除外した残りの前記記憶装置に書き込まれた前記データまたは前記冗長化符号を用いて、除外した前記記憶装置のそれぞれについて、前記データまたは前記冗長化符号の書き込み障害が発生したと仮定した場合の復旧データの値を演算する処理を、複数の前記記憶装置の中から除外する2つの前記記憶装置を選択する組み合せの通りだけ実行し、それぞれの前記記憶装置について演算された前記復旧データの値について、その値が一致する数が最も多い前記記憶装置を、前記書き込み障害が発生した前記記憶装置として特定する手段、
として機能させるためのプログラム。
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