JP6777259B2 - カートリッジ - Google Patents
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Description
テープ状の磁気記録媒体と、
カートリッジメモリを含むカートリッジであって、
磁気記録媒体は複数のサーボバンドを有し、
磁気記録媒体の長手方向の弾性限界値σ MD が、0.8[N]≦σ MD であり、
カートリッジメモリが、
カートリッジが記録再生装置にロードされた状態において記録再生装置と通信を行う通信部と、
記憶部と、
通信部を介して記録再生装置から受信した情報を記憶部に記憶し、かつ、記録再生装置の要求に応じて、記憶部から情報を読み出し、通信部を介して記録再生装置に送信する制御部と
を備え、
情報は、磁気記録媒体の長手方向にかかるテンションを調整するための調整情報を含み、
記憶部が第1の記憶領域と第2の記憶領域を有し、第1の記憶領域がカートリッジの製造情報を記憶し、第2の記憶領域が調整情報を記憶するカートリッジである。
1 第1の実施形態
2 第2の実施形態
3 変形例
[概要]
本発明者らは、磁気テープの長手方向のテンションを調整することで、磁気テープの幅を一定またはほぼ一定に保つことができる記録再生装置における使用に適している磁気テープを検討している。また、上記テンションの調整を、カートリッジメモリに予め記憶されたテンション調整情報を用いて行うことが考えられる。しかしながら、本発明者らの知見によれば、一般的な磁気テープは、上述したように、長手方向のテンション変化に対する幅方向の寸法変化量が小さいため、上記記録再生装置により磁気テープの幅を一定またはほぼ一定に保つことは困難である。
図1は、本開示の一実施形態に係る記録再生システム100の構成の一例を示す概略図である。記録再生システム100は、磁気テープ記録再生システムであり、カートリッジ10と、カートリッジ10をロードおよびアンロード可能に構成された記録再生装置50とを備える。
図2は、カートリッジ10の構成の一例を示す分解斜視図である。カートリッジ10は、LTO(Linear Tape-Open)規格に準拠した磁気テープカートリッジであり、下シェル12Aと上シェル12Bとで構成されるカートリッジケース12の内部に、磁気テープ(テープ状の磁気記録媒体)MTが巻かれたリール13と、リール13の回転をロックするためのリールロック14およびリールスプリング15と、リール13のロック状態を解除するためのスパイダ16と、下シェル12Aと上シェル12Bに跨ってカートリッジケース12に設けられたテープ引出口12Cを開閉するスライドドア17と、スライドドア17をテープ引出口12Cの閉位置に付勢するドアスプリング18と、誤消去を防止するためのライトプロテクト19と、カートリッジメモリ11とを備える。リール13は、中心部に開口を有する略円盤状であって、プラスチック等の硬質の材料からなるリールハブ13Aとフランジ13Bとにより構成される。磁気テープMTの一端部には、リーダーピン22が設けられている。
図3は、カートリッジメモリ11の構成の一例を示すブロック図である。カートリッジメモリ11は、規定の通信規格でリーダライタ57と通信を行うアンテナコイル(通信部)31と、アンテナコイル31により受信した電波から、誘導起電力を用いて発電、整流して電源を生成する整流・電源回路32と、アンテナコイル31により受信した電波から、同じく誘導起電力を用いてクロックを生成するクロック回路33と、アンテナコイル31により受信した電波の検波およびアンテナコイル31により送信する信号の変調を行う検波・変調回路34と、検波・変調回路34から抽出されるデジタル信号から、コマンドおよびデータを判別し、これを処理するための論理回路等で構成されるコントローラ(制御部)35と、情報を記憶するメモリ(記憶部)36とを備える。また、カートリッジメモリ11は、アンテナコイル31に対して並列に接続されたキャパシタ37を備え、アンテナコイル31とキャパシタ37により共振回路が構成される。
図4は、カートリッジ10に用いられる磁気テープMTの構成の一例を示す断面図である。磁気テープMTは、例えば垂直磁気記録方式の磁気テープであって、長尺状の基体41と、基体41の一方の主面上に設けられた下地層(非磁性層)42と、下地層42上に設けられた記録層(磁性層)43と、基体41の他方の主面上に設けられたバック層44とを備える。なお、下地層42およびバック層44は、必要に応じて備えられるものであり、無くてもよい。以下では、磁気テープMTの両主面のうち、記録層43が設けられた側の面を磁性面といい、それとは反対となる、バック層44が設けられた側の面をバック面ということがある。
支持体となる基体41は、可撓性を有する長尺状の非磁性基体である。基体41はフィルムであり、基体41の平均厚みTsubは、好ましくは3μm以上8μm以下、より好ましくは3μm以上4.2μm以下、さらにより好ましくは3μm以上3.8μm以下、特に好ましくは3μm以上3.4μm以下である。
記録層43は、いわゆる垂直記録層であり、例えば、磁性粉および結着剤を含む。記録層43が、必要に応じて、潤滑剤、導電性粒子、研磨剤および防錆剤等からなる群より選ばれる1種以上の添加剤をさらに含んでいてもよい。
装置:TEM(日立製作所製H9000NAR)
加速電圧:300kV
倍率:100,000倍
次に、得られたTEM像を用い、磁気テープMTの長手方向で少なくとも10点以上の位置で記録層43の厚みを測定したのち、それらの測定値を単純に平均(算術平均)して記録層43の平均厚みtm(nm)とする。
割合RS[%]=(((サーボバンド幅WSB)×(サーボバンドSBの本数))/(磁気テープMTの幅))×100
磁性粉は、ε酸化鉄を含有するナノ粒子(以下「ε酸化鉄粒子」という。)の粉末を含む。ε酸化鉄粒子は、微粒子でも高保磁力を得ることができる硬磁性粒子である。ε酸化鉄粒子に含まれるε酸化鉄は、磁気テープMTの厚み方向(垂直方向)に優先的に結晶配向していることが好ましい。
V=(π/6)×DLave3
V=Lave3
結着剤としては、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂等に架橋反応を付与した構造の樹脂が好ましい。しかしながら結着剤はこれらに限定されるものではなく、磁気テープMTに対して要求される物性等に応じて、その他の樹脂を適宜配合してもよい。配合する樹脂としては、通常、塗布型の磁気テープMTにおいて一般的に用いられる樹脂であれば、特に限定されない。
記録層43は、非磁性補強粒子として、酸化アルミニウム(α、βまたはγアルミナ)、酸化クロム、酸化珪素、ダイヤモンド、ガーネット、エメリー、窒化ホウ素、チタンカーバイト、炭化珪素、炭化チタン、酸化チタン(ルチル型またはアナターゼ型の酸化チタン)等をさらに含有していてもよい。
下地層42は、いわゆる非磁性層であり、例えば、非磁性粉および結着剤を含む。下地層42が、必要に応じて、導電性粒子、潤滑剤、硬化剤および防錆剤等からなる群より選ばれる1種以上の添加剤をさらに含んでいてもよい。
非磁性粉は、無機物質でも有機物質でもよい。また、非磁性粉は、カーボンブラック等でもよい。無機物質としては、例えば、金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等が挙げられる。非磁性粉の形状としては、例えば、針状、球状、立方体状、板状等の各種形状が挙げられるが、これに限定されるものではない。
結着剤は、上述の記録層43と同様である。
バック層44は、結着剤および非磁性粉を含む。バック層44が、必要に応じて潤滑剤、硬化剤および帯電防止剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。結着剤および非磁性粉は、上述の下地層42と同様である。
tb[μm]=tT[μm]−tB[μm]
磁気テープMTの平均厚みtTが、tT≦5.5[μm]、好ましくはtT≦5.2[μm]、より好ましくはtT≦5.0[μm]、さらにより好ましくはtT≦4.6[μm]、特に好ましくはtT≦4.4[μm]である。磁気テープMTの平均厚みtTがtT≦5.5[μm]であると、1データカートリッジ内に記録できる記録容量を従来よりも高めることができる。磁気テープMTの平均厚みtTの下限値は特に限定されるものではないが、例えば、3.5[μm]≦tTである。
磁気テープMTの長手方向のテンション変化に対する磁気テープMTの幅方向の寸法変化量Δw[ppm/N]は、650ppm/N≦Δwであり、好ましくは670ppm/N≦Δwであり、より好ましくは680ppm/N≦Δwであり、さらにより好ましくは700ppm/N≦Δwであり、特に好ましくは750ppm/N≦Δwであり、最も好ましくは800ppm/N≦Δwである。寸法変化量ΔwがΔw<650ppm/Nであると、記録再生装置50による磁気テープMTの長手方向のテンションの調整では、磁気テープMTの幅の変化を抑制することが困難となる虞がある。寸法変化量Δwの上限値は特に限定されるものではないが、例えばΔw≦1700000ppm/N、好ましくはΔw≦20000ppm/N、より好ましくはΔw≦8000ppm/N、さらにより好ましくはΔw≦5000ppm/N、Δw≦4000ppm/N、Δw≦3000ppm/N、またはΔw≦2000ppm/Nでありうる。
磁気テープMTの温度膨張係数αは、6[ppm/℃]≦α≦8[ppm/℃]であることが好ましい。温度膨張係数αが上記範囲であると、記録再生装置による磁気テープMTの長手方向のテンションの調整により、磁気テープMTの幅の変化を更に抑制することができる。
磁気テープMTの湿度膨張係数βは、β≦5[ppm/%RH]であることが好ましい。湿度膨張係数βが上記範囲であると、記録再生装置による磁気テープMTの長手方向のテンションの調整により、磁気テープMTの幅の変化を更に抑制することができる。
磁気テープMTのポアソン比ρは、0.3≦ρであることが好ましい。ポアソン比ρが上記範囲であると、記録再生装置による磁気テープMTの長手方向のテンションの調整により、磁気テープMTの幅の変化を更に抑制することができる。
磁気テープMTの長手方向の弾性限界値σMDが、0.8[N]≦σMDであることが好ましい。弾性限界値σMDが上記範囲であると、記録再生装置による磁気テープMTの長手方向のテンションの調整により、磁気テープMTの幅の変化を更に抑制することができる。また、ドライブ側の制御がし易くなる。磁気テープMTの長手方向の弾性限界値σMDの上限値は特に限定されるものではないが、例えばσMD≦5.0[N]である。弾性限界値σMDが、弾性限界測定を行う際の引張速度Vに依らないことが好ましい。弾性限界値σMDが上記引張速度Vに依らないことで、記録再生装置における磁気テープMTの走行速度や、記録再生装置のテンション調整速度とその応答性に影響を受けること無く、効果的に磁気テープMTの幅の変化を抑制できるからである。弾性限界値σMDは、例えば、下地層42、記録層43およびバック層44の硬化条件の選択、基体41の材質の選択により所望の値に設定される。例えば、下地層形成用塗料、記録層形成用塗料およびバック層形成用塗料の硬化時間を長くするほど、あるいは硬化温度を上げるほど、これらの各塗料に含まれるバインダと硬化剤の反応が促進する。これにより、弾性的な特徴が向上し、弾性限界値σMDが向上する。
Δλ(%)=((λ−λ0)/λ0)×100
次に、上記のグラフ中、σ≧0.2Nの領域で、グラフが直線となる領域を算出し、その最大荷重σを弾性限界値σMD(N)とする。
磁性面とバック面の層間摩擦係数μが、0.20≦μ≦0.80であることが好ましい。層間摩擦係数μが上記範囲であると、磁気テープMTをリール(例えば図2のリール13)に巻いたときに、巻ズレが発生することを抑制できる。より具体的には、層間摩擦係数μがμ<0.20であると、カートリッジリールに既に巻かれている磁気テープMTのうち最外周に位置する部分の磁性面と、その外側に新たに巻こうとしている磁気テープMTのバック面との間の層間摩擦が極端に低い状態となり、新たに巻こうとしている磁気テープMTが、既に巻かれている磁気テープMTのうち最外周に位置する部分の磁性面からズレやすくなる。したがって、磁気テープMTの巻ズレが発生する。一方、層間摩擦係数μが0.80<μであると、ドライブ側リールの最外周から正に巻き出されようとしている磁気テープMTのバック面と、その直下に位置する、未だドライブリールに巻かれたままの磁気テープMTの磁性面との間の層間摩擦が極端に高い状態となり、上記バック面と上記磁性面とが貼り付いた状態となる。したがって、カートリッジリールへと向かう磁気テープMTの動作が不安定となり、これにより磁気テープMTの巻ズレが発生する。
バック面の表面粗度(バック層44の表面粗度)Rbが、Rb≦6.0[nm]であることが好ましい。バック面の表面粗度Rbが上記範囲であると、電磁変換特性を向上することができる。
装置:光干渉を用いた非接触粗度計
(株式会社菱化システム製 非接触表面・層断面形状計測システム VertScan R5500GL-M100-AC)
対物レンズ:20倍(約237μm×178μm視野)
分解能:640points×480points
測定モード:phase
波長フィルター:520nm
面補正:2次多項式近似面にて補正
上述のようにして、長手方向で少なくとも5点以上の位置にて面粗度を測定したのち、各位置で得られた表面プロファイルから自動計算されたそれぞれの算術平均粗さSa(nm)の平均値をバック面の表面粗度Rb(nm)とする。
磁気テープMTの厚み方向(垂直方向)に測定した保磁力Hcが、好ましくは220kA/m以上310kA/m以下、より好ましくは230kA/m以上300kA/m以下、更により好ましくは240kA/m以上290kA/m以下である。保磁力Hcが220kA/m以上であると、保磁力Hcが十分な大きさとなるため、記録ヘッドからの漏れ磁界により、隣接するトラックに記録された磁化信号が劣化することを抑制できる。したがって、より優れたSNRを得ることができる。一方、保磁力Hcが310kA/m以下であると、記録ヘッドによる飽和記録が容易になるため、より優れたSNRを得ることができる。
50℃にて磁気テープMTの厚み方向(垂直方向)に測定した保磁力Hc(50)と25℃にて磁気テープMTの厚み方向に測定した保磁力Hc(25)との比率R(=(Hc(50)/Hc(25))×100)が、好ましくは95%以上、より好ましくは96%以上、更により好ましくは97%以上、特に好ましくは98%以上である。上記比率Rが95%以上であると、保磁力Hcの温度依存性が小さくなり、高温環境下におけるSNRの劣化を抑制することができる。
磁気テープMTの走行方向に測定した角形比S1が、好ましくは35%以下、より好ましくは30%以下、さらにより好ましくは25%以下、特に好ましくは20%以下、最も好ましくは15%以下である。角形比S1が35%以下であると、磁性粉の垂直配向性が十分に高くなるため、より優れたSNRを得ることができる。したがって、より優れた電磁変換特性を得ることができる。また、サーボ信号形状が改善され、よりドライブ側の制御がし易くなる。
角形比S1(%)=(Mr/Ms)×100
磁気テープMTの垂直方向(厚み方向)に測定した角形比S2が、好ましくは65%以上、より好ましくは70%以上、さらにより好ましくは75%以上、特に好ましくは80%以上、最も好ましくは85%以上である。角形比S2が65%以上であると、磁性粉の垂直配向性が十分に高くなるため、より優れたSNRを得ることができる。したがって、より優れた電磁変換特性を得ることができる。また、サーボ信号形状が改善され、よりドライブ側の制御がし易くなる。
垂直方向における保磁力Hc1と、長手方向における保磁力Hc2の比Hc2/Hc1が、Hc2/Hc1≦0.8、好ましくはHc2/Hc1≦0.75、より好ましくはHc2/Hc1≦0.7、さらにより好ましくはHc2/Hc1≦0.65、特に好ましくはHc2/Hc1≦0.6の関係を満たす。保磁力Hc1、Hc2がHc2/Hc1≦0.8の関係を満たすことで、磁性粉の垂直配向度を高めることができる。したがって、磁化遷移幅を低減し、かつ信号再生時に高出力の信号を得ることができるので、電磁変換特性(例えばC/N)を向上することができる。なお、上述したように、Hc2が小さいと、記録ヘッドからの垂直方向の磁界により感度良く磁化が反応するため、良好な記録パターンを形成することができる。
磁気テープMTのSFD(Switching Field Distribution)曲線において、メインピーク高さXと磁場ゼロ付近のサブピークの高さYとのピーク比X/Yが、好ましくは3.0以上、より好ましくは5.0以上、更により好ましくは7.0以上、特に好ましくは10.0以上、最も好ましくは20.0以上である。ピーク比X/Yが3.0以上であると、実際の記録に寄与するε酸化鉄粒子の他にε酸化鉄特有の低保磁力成分(例えば軟磁性粒子や超常磁性粒子等)が磁性粉中に多く含まれることを抑制できる。したがって、記録ヘッドからの漏れ磁界により、隣接するトラックに記録された磁化信号が劣化することを抑制できるので、より優れたSNRを得ることができる。ピーク比X/Yの上限値は特に限定されるものではないが、例えば100以下である。
活性化体積Vactが、好ましくは8000nm3以下、より好ましくは6000nm3以下、更により好ましくは5000nm3以下、特に好ましくは4000nm3以下、最も好ましくは3000nm3以下である。活性化体積Vactが8000nm3以下であると、磁性粉の分散状態が良好になるため、ビット反転領域を急峻にすることができ、記録ヘッドからの漏れ磁界により、隣接するトラックに記録された磁化信号が劣化することを抑制できる。したがって、より優れたSNRが得られなくなる虞がある。
Vact(nm3)=kB×T×Χirr/(μ0×Ms×S)
(但し、kB:ボルツマン定数(1.38×10-23J/K)、T:温度(K)、Χirr:非可逆磁化率、μ0:真空の透磁率、S:磁気粘性係数、Ms:飽和磁化(emu/cm3))
非可逆磁化率Χirrは、残留磁化曲線(DCD曲線)の傾きにおいて、残留保磁力Hr付近における傾きと定義される。まず、磁気テープMT全体に−1193kA/m(15kOe)の磁界を印加し、磁界をゼロに戻し残留磁化状態とする。その後、反対方向に約15.9kA/m(200Oe)の磁界を印加し再びゼロに戻し残留磁化量を測定する。その後も同様に、先ほどの印加磁界よりもさらに15.9kA/m大きい磁界を印加しゼロに戻す測定を繰り返し行い、印加磁界に対して残留磁化量をプロットしDCD曲線を測定する。得られたDCD曲線から、磁化量ゼロとなる点を残留保磁力Hrとし、さらにDCD曲線を微分し、各磁界におけるDCD曲線の傾きを求める。このDCD曲線の傾きにおいて、残留保磁力Hr付近の傾きがΧirrとなる。
まず、磁気テープMTの厚み方向に磁気テープMT(測定サンプル)全体のM−Hループを測定する。次に、アセトンおよびエタノール等を用いて塗膜(下地層42、記録層43等)を払拭し、基体41のみを残して、バックグラウンド補正用として、基体41のM−Hループを同様に厚み方向に測定する。その後、磁気テープMT全体のM−Hループから基体41のM−Hループを引き算して、バックグラウンド補正後のM−Hループを得る。得られたM−Hループの飽和磁化Ms(emu)の値と、測定サンプル中の記録層43の体積(cm3)から、Ms(emu/cm3)を算出する。なお、記録層43の体積は測定サンプルの面積に記録層43の平均厚みを乗ずることにより求められる。また、使用するVSMの感度に合わせて、測定するサンプルを複数枚重ねてM−Hループを測定してもよい。記録層43の体積の算出に必要な記録層43の平均厚みの算出方法については後述する。
まず、磁気テープMT(測定サンプル)全体に−1193kA/m(15kOe)の磁界を印加し、磁界をゼロに戻し残留磁化状態とする。その後、反対方向に、DCD曲線より得られた残留保磁力Hrの値と同等の磁界を印加する。磁界を印加した状態で1000秒間、磁化量を一定の時間間隔で継続的に測定する。このようにして得られた、時間tと磁化量M(t)の関係を以下の式に照らし合わせて、磁気粘性係数Sを算出する。
M(t)=M0+S×ln(t)
(但し、M(t):時間tの磁化量、M0:初期の磁化量、S:磁気粘性係数、ln(t):時間の自然対数)
潤滑剤を除去した状態における磁気テープMTの全体のBET比表面積の下限値は、3.5m2/mg以上、好ましくは4m2/mg以上、より好ましくは4.5m2/mg以上、さらにより好ましくは5m2/mg以上である。BET比表面積の下限値が3.5m2/mg以上であると、繰り返し記録または再生を行った後にも(すなわち磁気ヘッドを磁気テープMTの表面に接触させて繰り返し走行を行った後にも)、記録層43の表面と磁気ヘッドの間に対する潤滑剤の供給量の低下を抑制することができる。したがって、動摩擦係数の増加を抑制することができる。
測定装置:Micromeritics社製 3FLEX
測定吸着質:N2ガス
測定圧力範囲(p/p0):0〜0.995
磁性面の算術平均粗さRaは、好ましくは2.5nm以下、より好ましくは2.0nm以下である。Raが2.5nm以下であると、より優れたSNRを得ることができる。
次に、上述の構成を有する磁気テープMTの製造方法の一例について説明する。まず、非磁性粉および結着剤等を溶剤に混練、分散させることにより、下地層形成用塗料を調製する。次に、磁性粉および結着剤等を溶剤に混練、分散させることにより、記録層形成用塗料を調製する。記録層形成用塗料および下地層形成用塗料の調製には、例えば、以下の溶剤、分散装置および混練装置を用いることができる。
記録再生装置50は、上述の構成を有する磁気テープMTの記録および再生を行う。記録再生装置50は、磁気テープMTの長手方向に加わるテンションを調整可能な構成を有している。また、記録再生装置50は、カートリッジ10を装填可能な構成を有している。ここでは、説明を容易とするために、記録再生装置50が、1つのカートリッジ10を装填可能な構成を有している場合について説明するが、記録再生装置50が、複数のカートリッジ10を装填可能な構成を有していてもよい。
以下、図7を参照して、データ記録時における記録再生装置50の動作の一例について説明する。
以下、図8を参照して、データ再生時における記録再生装置50の動作の一例について説明する。
以上説明したように、第1の実施形態では、磁気テープMTの平均厚みtTが、tT≦5.5[μm]であり、かつ、磁気テープMTの長手方向のテンション変化に対する磁気テープMTの幅方向の寸法変化量Δwが650[ppm/N]≦Δwである。また、カートリッジメモリ11のメモリ(記憶部)36は、データ記録時の磁気テープMTの幅に関連する幅関連情報を書き込む領域(第2の記憶領域36B)を有する。これにより、磁気テープMTの幅が何らかの理由(例えば温湿度変化等)で変動したような場合でも、上記幅関連情報をデータ再生時に利用して、記録再生装置50により磁気テープMTの長手方向のテンションを調整することで、磁気テープMTの幅の変化を抑制することができる。したがって、磁気テープMTの幅が何らかの理由で変動したような場合でも、再生の信頼性低下を抑制することができる。
[記録再生装置の構成]
図9は、本開示の第2の実施形態に係る記録再生システム100Aの構成の一例を示す概略図である。記録再生システム100Aは、カートリッジ10と、記録再生装置50Aとを備える。
以下、図10を参照して、データ記録時における記録再生装置50Aの動作の一例について説明する。
以下、図11を参照して、データ再生時における記録再生装置50Aの動作の一例について説明する。
Tn2=Tn1+TmD×α+HD×β
W2=W1(1+TmD×γ+HD2×δ)
Tn2=Tn1+WD×ε
以上説明したように、第2の実施形態では、磁気テープMTのデータ記録時情報がカートリッジメモリ11に記憶されているので、この情報をデータ再生時に利用することで、磁気テープMTの幅を適切に調整することができる。したがって、磁気テープMTの幅が何らかの理由で変動したような場合でも、磁気テープMTに記録されたデータを正確に再生することができる。
(変形例1)
上述の実施形態では、ε酸化鉄粒子が2層構造のシェル部を有している場合について説明したが、ε酸化鉄粒子が単層構造のシェル部を有していてもよい。この場合、シェル部は、第1シェル部と同様の構成を有する。但し、ε酸化鉄粒子の特性劣化を抑制する観点からすると、上述の実施形態におけるように、ε酸化鉄粒子が2層構造のシェル部を有していることが好ましい。
上述の実施形態では、ε酸化鉄粒子がコアシェル構造を有している場合について説明したが、ε酸化鉄粒子が、コアシェル構造に代えて添加剤を含んでいてもよいし、コアシェル構造を有すると共に添加剤を含んでいてもよい。この場合、ε酸化鉄粒子のFeの一部が添加剤で置換される。ε酸化鉄粒子が添加剤を含むことによっても、ε酸化鉄粒子全体としての保磁力Hcを記録に適した保磁力Hcに調整できるため、記録容易性を向上することができる。添加剤は、鉄以外の金属元素、好ましくは3価の金属元素、より好ましくはAl、GaおよびInのうちの少なくとも1種、さらにより好ましくはAlおよびGaのうちの少なくとも1種である。
上述の実施形態では、磁性粉がε酸化鉄粒子の粉末を含む場合について説明したが、磁性粉が、ε酸化鉄粒子の粉末に代えて、六方晶フェライトを含有するナノ粒子(以下「六方晶フェライト粒子」という。)の粉末を含むようにしてもよい。六方晶フェライト粒子は、例えば、六角板状またはほぼ六角板状を有する。六方晶フェライトは、好ましくはBa、Sr、PbおよびCaのうちの少なくとも1種、より好ましくはBaおよびSrのうちの少なくとも1種を含む。六方晶フェライトは、具体的には例えばバリウムフェライトまたはストロンチウムフェライトであってもよい。バリウムフェライトは、Ba以外にSr、PbおよびCaのうちの少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。ストロンチウムフェライトは、Sr以外にBa、PbおよびCaのうちの少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。
V=3√3/8×DAave×DBave2
上述の実施形態では、磁性粉がε酸化鉄粒子の粉末を含む場合について説明したが、磁性粉が、ε酸化鉄粒子の粉末に代えて、Co含有スピネルフェライトを含有するナノ粒子(以下「コバルトフェライト粒子」という。)の粉末を含むようにしてもよい。コバルトフェライト粒子は、一軸異方性を有することが好ましい。コバルトフェライト粒子は、例えば、立方体状またはほぼ立方体状を有している。Co含有スピネルフェライトが、Co以外にNi、Mn、Al、CuおよびZnのうちの少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。
CoxMyFe2OZ ・・・(1)
(但し、式(1)中、Mは、例えば、Ni、Mn、Al、CuおよびZnのうちの少なくとも1種の金属である。xは、0.4≦x≦1.0の範囲内の値である。yは、0≦y≦0.3の範囲内の値である。但し、x、yは(x+y)≦1.0の関係を満たす。zは3≦z≦4の範囲内の値である。Feの一部が他の金属元素で置換されていてもよい。)
磁気テープMTをライブラリ装置に用いるようにしてもよい。この場合、ライブラリ装置は、磁気テープMTの長手方向に加わるテンションを調整可能な構成を有しており、第1の実施形態における記録再生装置50を複数備えるものであってもよい。
磁気テープMTをサーボライタに用いてもよい。すなわち、サーボライタが、サーボ信号の記録時等に磁気テープMTの長手方向のテンションを調整することで、磁気テープMTの幅を一定またはほぼ一定に保つようにしてもよい。この場合、サーボライタが、磁気テープMTの幅を検出する検出装置を備え、この検出装置の検出結果に基づき、磁気テープMTの長手方向のテンションを調整するようにしてもよい。
磁気テープMTは、垂直記録型の磁気記録媒体に限定されるものであなく、水平記録型の磁気記録媒体であってもよい。この場合、磁性粉としてはメタル磁性粉等の針状磁性粉を用いてもよい。
上述の第1の実施形態では、データ記録時における磁気テープMTに関連する幅関連情報として、サーボバンドSB間の距離を用いる場合について説明したが、磁気テープMTの幅を用いるようにしてもよい。
上述の第2の実施形態では、データ記録時情報として、温度Tm1、Tm2、湿度H1、H2、テンションTn1、Tn2、幅W1、W2の全てが用いられる場合について説明したが、データ記録時情報は、温度Tm1、Tm2、湿度H1、H2、テンションTn1、Tn2、および幅W1、W2のうちいずれか1つであってもよいし、任意の2つ、3つの組合せであってもよい。
上述の第1、第2の実施形態では、磁気テープMTが、下地層および記録層等が塗布工程(ウエットプロセス)により作製された塗布型の磁気テープである場合について説明したが、下地層および記録層等がスパッタリング等の真空薄膜の作製技術(ドライプロセス)により作製される薄膜型の磁気テープであってもよい。薄膜型の磁気テープの場合、記録層の平均厚みtmは、好ましくは9[nm]≦tm≦90[nm]、より好ましくは9[nm]≦tm≦20[nm]、更により好ましくは9[nm]≦tm≦15[nm]である。記録層43の平均厚みtmが9[nm]≦tm≦90[nm]であると、電磁変換特性を向上することができる。
(記録層形成用塗料の調製工程)
記録層形成用塗料を以下のようにして調製した。まず、下記配合の第1組成物をエクストルーダで混練した。次に、ディスパーを備えた攪拌タンクに、混練した第1組成物と、下記配合の第2組成物を加えて予備混合を行った。続いて、さらにサンドミル混合を行い、フィルター処理を行い、記録層形成用塗料を調製した。
ε酸化鉄ナノ粒子(ε−Fe2O3結晶粒子)の粉末:100質量部
塩化ビニル系樹脂(シクロヘキサノン溶液30質量%):10質量部
(重合度300、Mn=10000、極性基としてOSO3K=0.07mmol/g、2級OH=0.3mmol/gを含有する。)
酸化アルミニウム粉末:5質量部
(α−Al2O3、平均粒径0.2μm)
カーボンブラック:2質量部
(東海カーボン社製、商品名:シーストTA)
塩化ビニル系樹脂:1.1質量部
(樹脂溶液:樹脂分30質量%、シクロヘキサノン70質量%)
n−ブチルステアレート:2質量部
メチルエチルケトン:121.3質量部
トルエン:121.3質量部
シクロヘキサノン:60.7質量部
下地層形成用塗料を以下のようにして調製した。まず、下記配合の第3組成物をエクストルーダで混練した。次に、ディスパーを備えた攪拌タンクに、混練した第3組成物と、下記配合の第4組成物を加えて予備混合を行った。続いて、さらにサンドミル混合を行い、フィルター処理を行い、下地層形成用塗料を調製した。
針状酸化鉄粉末:100質量部
(α−Fe2O3、平均長軸長0.15μm)
塩化ビニル系樹脂:55.6質量部
(樹脂溶液:樹脂分30質量%、シクロヘキサノン70質量%)
カーボンブラック:10質量部
(平均粒径20nm)
ポリウレタン系樹脂UR8200(東洋紡績製):18.5質量部
n−ブチルステアレート:2質量部
メチルエチルケトン:108.2質量部
トルエン:108.2質量部
シクロヘキサノン:18.5質量部
バック層形成用塗料を以下のようにして調製した。下記原料を、ディスパーを備えた攪拌タンクで混合を行い、フィルター処理を行うことで、バック層形成用塗料を調製した。
カーボンブラック(旭社製、商品名:#80):100質量部
ポリエステルポリウレタン:100質量部
(日本ポリウレタン社製、商品名:N−2304)
メチルエチルケトン:500質量部
トルエン:400質量部
シクロヘキサノン:100質量部
上述のようにして作製した塗料を用いて、基体(非磁性支持体)である平均厚みTsub:3.8μm、長尺のポレエチレンナフタレートフィルム(以下「PENフィルム」という。)上に平均厚みtu:1.0μmの下地層、および平均厚みtm:90nmの記録層を以下のようにして形成した。まず、フィルム上に、下地層形成用塗料を塗布、乾燥させることにより、フィルム上に下地層を形成した。次に、下地層上に、記録層形成用塗料を塗布し、乾燥させることにより、下地層上に記録層を形成した。なお、記録層形成用塗料の乾燥の際に、ソレノイドコイルにより、磁性粉をフィルムの厚み方向に磁場配向させた。また、記録層形成用塗料に対する磁場の印加時間を調整し、磁気テープの厚み方向(垂直方向)における角形比S2を65%に設定した。
上述のようにして得られた磁気テープを1/2インチ(12.65mm)幅に裁断した。これにより、表1、2に示す特性を有する、目的とする長尺状の磁気テープが得られた。
上述のようにして得られた磁気テープに対して、ハの字の磁気パターン(サーボパターン)の列を長手方向に平行に2列以上記録した。
まず、カートリッジとして、テンション調整情報を書き込む領域をカートリッジメモリに有し、上記領域に対するテンション調整情報の書き込み、および上記領域からのテンション調整情報の読み出しを行うことが可能なものを準備した。次に、このカートリッジに、磁気パターンの列を記録した磁気テープを巻き取った。その後、カートリッジを記録再生装置にローディングし、規定のデータを記録すると共に、上記のハの字の磁気パターン列の2列以上を同時に再生し、もしくはデータ記録を行わずに、上記のハの字の磁気パターン列の2列以上の再生のみを行い、それぞれの列の再生波形の形状から、データ記録時の磁気パターン列の間隔d1を一定間隔(1mの間隔毎)で計測し、その位置と間隔をカートリッジメモリに書き込んだ。これにより、目的とするカートリッジが得られた。
寸法変化量Δwが750[ppm/N]となるように、実施例1よりもPENフィルムの厚みを薄くした。これ以外のことは実施例1と同様にしてカートリッジを得た。
寸法変化量Δwが800[ppm/N]となるように、実施例1よりもPENフィルムの厚みを薄くし、更にバック層および下地層の平均厚みを薄くした。これ以外のことは実施例1と同様にしてカートリッジを得た。
寸法変化量Δwが800[ppm/N]となるように、実施例1よりもPENフィルムの厚みを薄くし、更にバック層および下地層の平均厚みを薄くした。更に下地層、記録層、およびバック層が形成されたフィルムの硬化処理条件を調整した。これ以外のことは実施例1と同様にしてカートリッジを得た。
温度膨張係数αが8[ppm/℃]となるように、下地層形成用塗料の組成を変更したこと以外は実施例4と同様にしてカートリッジを得た。
湿度膨張係数βが3[ppm/%RH]となるように、PENフィルムの両表面に薄いバリア層を形成したこと以外は実施例4と同様にしてカートリッジを得た。
ポアソン比ρが0.31となるように、バック層形成用塗料の組成を変更したこと以外は実施例4と同様にしてカートリッジを得た。
ポアソン比ρが0.35となるように、バック層形成用塗料の組成を変更したこと以外は実施例4と同様にしてカートリッジを得た。
長手方向の弾性限界値σMDが0.80[N]となるように、下地層、記録層、およびバック層が形成されたフィルムの硬化条件を調整したこと以外は実施例7と同様にしてカートリッジを得た。
長手方向の弾性限界値σMDが3.50[N]となるように、下地層、記録層、およびバック層が形成されたフィルムの硬化条件、並びに再硬化条件を調整したこと以外は実施例7と同様にしてカートリッジを得た。
実施例9と同様にして磁気テープを得た。そして、得られた磁気テープの弾性限界値σMDを、長手方向の弾性限界値σMDを測定する際の引張速度Vを5mm/minに変更して測定した。その結果、長手方向の弾性限界値σMDは、上記引張速度Vが0.5mm/minの長手方向の弾性限界値σMD(実施例9)に対して変化はなく0.80[N]であった。
記録層の平均厚みtmが40nmとなるように、記録層形成用塗料の塗布厚を変更したこと以外は実施例7と同様にしてカートリッジを得た。
(SULの成膜工程)
まず、以下の成膜条件にて、非磁性支持体としての長尺の高分子フィルムの表面上に、平均厚み10nmのCoZrNb層(SUL)を成膜した。なお、高分子フィルムとしては、PENフィルムを用いた。
成膜方式:DCマグネトロンスパッタリング方式
ターゲット:CoZrNbターゲット
ガス種:Ar
ガス圧:0.1Pa
次に、以下の成膜条件にて、CoZrNb層上に平均厚み5nmのTiCr層(第1のシード層)を成膜した。
スパッタリング方式:DCマグネトロンスパッタリング方式
ターゲット:TiCrターゲット
到達真空度:5×10-5Pa
ガス種:Ar
ガス圧:0.5Pa
次に、以下の成膜条件にて、TiCr層上に平均厚み10nmのNiW層(第2のシード層)を成膜した。
スパッタリング方式:DCマグネトロンスパッタリング方式
ターゲット:NiWターゲット
到達真空度:5×10-5Pa
ガス種:Ar
ガス圧:0.5Pa
次に、以下の成膜条件にて、NiW層上に平均厚み10nmのRu層(第1の下地層)を成膜した。
スパッタリング方式:DCマグネトロンスパッタリング方式
ターゲット:Ruターゲット
ガス種:Ar
ガス圧:0.5Pa
次に、以下の成膜条件にて、Ru層上に平均厚み20nmのRu層(第2の下地層)を成膜した。
スパッタリング方式:DCマグネトロンスパッタリング方式
ターゲット:Ruターゲット
ガス種:Ar
ガス圧:1.5Pa
次に、以下の成膜条件にて、Ru層上に平均厚みtm:9nmの(CoCrPt)−(SiO2)層(記録層)を成膜した。
成膜方式:DCマグネトロンスパッタリング方式
ターゲット:(CoCrPt)−(SiO2)ターゲット
ガス種:Ar
ガス圧:1.5Pa
次に、以下の成膜条件にて、記録層上に平均厚み5nmのカーボン層(保護層)を成膜した。
成膜方式:DCマグネトロンスパッタリング方式
ターゲット:カーボンターゲット
ガス種:Ar
ガス圧:1.0Pa
次に、潤滑剤を保護層上に塗布し、潤滑層を成膜した。
次に、記録層とは反対側の面に、バック層形成用塗料を塗布し乾燥することにより、平均厚みtb:0.3μmのバック層を形成した。これにより、平均厚みtT:4.0μmの磁気テープが得られた。
上述のようにして得られた磁気テープを1/2インチ(12.65mm)幅に裁断した。これにより、表1、2に示す特性を有する、目的とする長尺状の磁気テープが得られた。
バック層の平均厚みtbが0.3μmとなるように、バック層形成用塗料の塗布厚を変更したこと以外は実施例7と同様にしてカートリッジを得た。
バック層の表面粗度Rbが3[nm]となるように、バック層形成用塗料の組成(無機フィラー(カーボンブラック)の添加量)を変更したこと以外は実施例7と同様にしてカートリッジを得た。
磁性面とバック面の層間摩擦係数μが0.2となるように、カレンダー処理の条件(温度)を調整したこと以外は実施例7と同様にしてカートリッジを得た。
磁性面とバック面の層間摩擦係数μが0.8となるように、カレンダー処理の条件(温度)を調整したこと以外は実施例7と同様にしてカートリッジを得た。
記録層の平均厚みtmが110nmとなるように、記録層形成用塗料の塗布厚を変更したこと以外は実施例7と同様にしてカートリッジを得た。
バック層の表面粗度Rbが7[nm]となるように、バック層形成用塗料の組成(無機フィラー(カーボンブラック)の添加量)を変更したこと以外は実施例7と同様にしてカートリッジを得た。
磁性面とバック面の層間摩擦係数μが0.18となるように、カレンダー処理の条件(温度)を調整したこと以外は実施例7と同様にしてカートリッジを得た。
磁性面とバック面の層間摩擦係数μが0.82となるように、カレンダー処理の条件(温度)を調整したこと以外は実施例7と同様にしてカートリッジを得た。
磁性層形成用塗料に対する磁場の印加時間を調整し、磁気テープの厚み方向(垂直方向)における角形比S2を73%に設定したこと以外は実施例7と同様にしてカートリッジを得た。
磁性層形成用塗料に対する磁場の印加時間を調整し、磁気テープの厚み方向(垂直方向)における角形比S2を80%に設定したこと以外は実施例7と同様にしてカートリッジを得た。
長手方向の弾性限界値σMDが5.00[N]となるように、下地層、記録層、およびバック層が形成されたフィルムの硬化条件、並びに再硬化条件を調整したこと以外は実施例10と同様にしてカートリッジを得た。
ε酸化鉄ナノ粒子に代えてバリウムフェライト(BaFe12O19)ナノ粒子を用いたこと以外は実施例7と同様にしてカートリッジを得た。
寸法変化量Δwが670[ppm/N]となるように、幅方向の延伸強度が実施例7のPENフィルムよりも高いPENフィルムを用いた。これ以外のことは実施例25と同様にしてカートリッジを得た。
寸法変化量Δwが650[ppm/N]となるように、幅方向の延伸強度が実施例1のPENフィルムよりも高いPENフィルムを用いた。これ以外のことは実施例1と同様にしてカートリッジを得た。
寸法変化量Δwが630[ppm/N]となるように、幅方向の延伸強度が実施例26のPENフィルムよりも高い、平均厚みTsubが4.0μmのPENフィルムを用いた。これ以外のことは実施例1と同様にしてカートリッジを得た。
寸法変化量Δwが500[ppm/N]となるように、幅方向の延伸強度が実施例26のPENフィルムよりも高い、平均厚みTsubが5.0μmのPENフィルムを用いた。また、バック層の平均厚みtbを0.4μmとした。これ以外のことは実施例1と同様にしてカートリッジを得た。
まず、実施例1〜27、比較例1、2と同様にして、磁気テープを得たのち、磁気テープに対してハの字の磁気パターンの列を記録した。続いて、カートリッジとして、テンション調整情報の書き込み、およびテンション調整情報の読み出しを行うことができないものを準備した。次に、このカートリッジに、磁気パターンの列を記録した磁気テープを巻き取った。その後、カートリッジを記録再生装置にローディングし、規定のデータを記録した。これにより、目的とするカートリッジが得られた。
まず、実施例1〜27、比較例1、2のカートリッジを記録再生装置にローディングし、磁気テープの長手方向にかかるテンションを調整しながら、磁気テープを再生し、往復走行させた。この際、記録再生装置により、テンションの調整を以下のようにして行った。すなわち、ハの字の磁気パターン列の2列以上をデータと共に再生し、それぞれの列の再生波形の形状から、データ再生時の磁気パターン列の間隔d2を連続的(サーボの位置情報があるポイント毎(具体的には約6mm毎))に計測すると共に、カートリッジメモリからデータ記録時の磁気パターン列の間隔d1を読み出した。そして、データ再生時の磁気パターン列の間隔d2が、データ記録時の磁気パターン列の間隔d1に近づくように、スピンドル駆動装置とリール駆動装置の回転駆動を制御し、磁気テープの長手方向のテンションを自動で調整した。この磁気パターン列の間隔の1往復分全ての計測値を「計測された磁気パターン列の間隔d2」とし、これと「予め走行した際の既知の磁気パターン列の間隔d1」の差分の最大値を「テープ幅の変化」とした。
8:何も異常が発生しない
7:走行時に、軽度のエラーレートの上昇がみられる
6:走行時に、重度のエラーレートの上昇がみられる
5:走行時に、サーボ信号が読めず軽度(1〜2回)の再読み込みがかかる
4:走行時に、サーボ信号が読めず中度(10回以内)の再読み込みがかかる
3:走行時に、サーボ信号が読めず重度(10回超)の再読み込みがかかる
2:サーボが読めず、システムエラーで時々停止する
1:サーボが読めず、システムエラーで即時に停止する
参考例1〜26、比較例1〜3のカートリッジを記録再生装置にローディングし、磁気テープの長手方向にかかるテンションを調整しながら、磁気テープを再生し、往復走行させた。この際、記録再生装置により、テンションの調整を以下のようにして行った。すなわち、ハの字の磁気パターン列の2列以上をデータと共に再生し、それぞれの列の再生波形の形状から、データ再生時の磁気パターン列の間隔d2を連続的に計測した。そして、データ再生時の磁気パターン列の間隔d2が規定の間隔d3に近づくように、スピンドル駆動装置とリール駆動装置の回転駆動を制御し、磁気テープの長手方向のテンションを自動で調整した。これ以外のことはテープ幅の変化量の判定(1)と同様にして、「実効的なテープ幅の変化量」の理想からの乖離に従った判定を各カートリッジに対して行い、8段階の判定値をそれぞれ付与した。なお、規定の間隔d3は、磁気テープの長手方向のテンションを調整するときに基準となる既知の磁気パターン列の間隔であり、記録再生装置の制御装置に予め記憶されている。
まず、ループテスター(Microphysics社製)を用いて、実施例1〜27、比較例1、2のカートリッジに用いた磁気テープの再生信号を取得した。以下に、再生信号の取得条件について示す。
head : GMR head
speed : 2m/s
signal : 単一記録周波数(10MHz)
記録電流:最適記録電流
良好:磁気テープのSNRが評価基準サンプル(比較例1)のSNR(=0(dB))と同等、もしくはこのSNR(=0(dB))を超える。
不良:磁気テープのSNRが評価基準サンプル(比較例1)のSNR(=0(dB))未満である。
まず、上記の“テープ幅の変化量の判定(1)”後のカートリッジサンプルを準備した。次に、カートリッジサンプルからテープが巻かれたリールを取り出し、巻かれたテープの端面を目視にて観察した。なお、リールにはフランジがあり、少なくとも1つのフランジは透明または半透明であり、内部のテープ巻き状態をフランジ越しに観察することができる。
良好:サンプルの巻ズレ状態が、基準サンプル(比較例1)の巻ズレ状態と同等もしくは少ない場合
不良:サンプルの巻ズレが、基準サンプル(比較例1)の巻ズレより多い場合
Tsub:基体の平均厚み
tT:磁気テープの厚み
Δw:磁気テープの長手方向のテンション変化に対する磁気テープの幅方向の寸法変化量
α:磁気テープの温度膨張係数
β:磁気テープの湿度膨張係数
ρ:磁気テープのポアソン比
σMD:磁気テープの長手方向の弾性限界値
V:弾性限界測定を行う際の引張速度
tm:記録層の平均厚み
R2:磁気テープの厚み方向(垂直方向)における角形比
tu:下地層の平均厚み
tb:バック層の平均厚み
Rb:バック層の表面粗度
μ:磁性面とバック面の層間摩擦係数
実施例1〜3、26、27、比較例1、2等の評価結果の比較から、磁気テープの寸法変化量Δwを650[ppm/N]≦Δwとし、かつ、データ記録時にカートリッジメモリに記憶されたテンション調整情報を用いて、磁気テープの長手方向にかかるテンションを調整することで、「実効的なテープ幅の変化量」の理想からの乖離を抑制することができることがわかる。
参考例3、4、6等の評価結果の比較から、「実効的なテープ幅の変化量」の理想からの乖離を抑制する観点からすると、湿度膨張係数βがβ≦5[ppm/%RH]であることが好ましいことがわかる。
参考例7、9、10、24等の評価結果の比較から、「実効的なテープ幅の変化量」の理想からの乖離を抑制する観点からすると、長手方向の弾性限界値σMDが、0.8[N]≦σMDであることが好ましいことがわかる。
実施例9、11等の弾性限界値σMDが、弾性限界測定を行う際の引張速度Vに寄らないことがわかる。
(1)
テープ状の磁気記録媒体と、
記録再生装置と通信を行う通信部と、
記憶部と、
前記通信部を介して前記記録再生装置から受信した情報を前記記憶部に記憶し、かつ、前記記録再生装置の要求に応じて、前記記憶部から前記情報を読み出し、前記通信部を介して前記記録再生装置に送信する制御部と
を備え、
前記情報は、前記磁気記録媒体の長手方向にかかるテンションを調整するための調整情報を含み、
前記磁気記録媒体の平均厚みtTが、tT≦5.5[μm]であり、
前記磁気記録媒体の長手方向のテンション変化に対する幅方向の寸法変化量Δwが、650[ppm/N]≦Δwであるカートリッジ。
(2)
前記寸法変化量Δwが、700[ppm/N]≦Δwである(1)に記載のカートリッジ。
(3)
前記寸法変化量Δwが、750[ppm/N]≦Δwである(1)に記載のカートリッジ。
(4)
前記寸法変化量Δwが、800[ppm/N]≦Δwである(1)に記載のカートリッジ。
(5)
前記調整情報は、前記磁気記録媒体に対するデータ記録時に取得される(1)から(4)のいずれかに記載のカートリッジ。
(6)
前記調整情報は、前記磁気記録媒体の幅に関連する幅関連情報を含む(5)に記載のカートリッジ。
(7)
前記幅関連情報は、隣接するサーボトラック間の距離情報、または前記磁気記録媒体の幅情報である(6)に記載のカートリッジ。
(8)
前記調整情報は、前記磁気記録媒体の周囲の環境情報を含む(5)から(7)のいずれかに記載のカートリッジ。
(9)
前記環境情報は、前記磁気記録媒体の周囲の温度情報を含む(8)に記載のカートリッジ。
(10)
前記環境情報は、前記磁気記録媒体の周囲の湿度情報を含む(8)または(9)に記載のカートリッジ。
(11)
前記調整情報は、前記磁気記録媒体のテンション情報を含む(5)から(10)のいずれかに記載のカートリッジ。
(12)
前記記憶部は、
磁気テープ規格に準拠した第1の情報を記憶するための第1の記憶領域と、
前記第1の情報以外の第2の情報を記憶するための第2の記憶領域と
を有し、
前記第2の情報は、前記調整情報を含む(1)から(11)のいずれかに記載のカートリッジ。
(13)
前記磁気記録媒体の温度膨張係数αが、6[ppm/℃]≦α≦8[ppm/℃]である(1)から(12)のいずれかに記載のカートリッジ。
(14)
前記磁気記録媒体の湿度膨張係数βが、β≦5[ppm/%RH]である(1)から(13)のいずれかに記載のカートリッジ。
(15)
前記磁気記録媒体のポアソン比ρが、0.3≦ρである(1)から(14)のいずれかに記載のカートリッジ。
(16)
前記磁気記録媒体の長手方向の弾性限界値σMDが、0.8[N]≦σMDである(1)から(15)のいずれかに記載のカートリッジ。
(17)
前記磁気記録媒体が、6000以上のデータトラックを形成可能に構成されている(1)から(16)のいずれかに記載のカートリッジ。
(18)
LTO9以降の規格に準拠している(1)から(17)のいずれかに記載のカートリッジ。
(19)
前記磁気記録媒体は、記録層を備え、
前記記録層の平均厚みtmが、9[nm]≦tm≦90[nm]である(1)から(18)のいずれかに記載のカートリッジ。
(20)
前記記録層の平均厚みtmが、35[nm]≦tm≦90[nm]である(19)に記載のカートリッジ。
(21)
バック層を備え、
前記バック層の平均厚みtbが、tb≦0.6[μm]である(1)から(20)のいずれかに記載のカートリッジ。
(22)
バック層を備え、
前記バック層の表面粗度Rbが、Rb≦6.0[nm]である(1)から(21)のいずれかに記載のカートリッジ。
(23)
磁性面と該磁性面とは反対側となるバック面とを有し、
前記磁性面と前記バック面の層間摩擦係数μが、0.20≦μ≦0.80である(1)から(22)のいずれかに記載のカートリッジ。
(24)
前記磁気記録媒体は、磁性粉を含む記録層を備え、
前記磁性粉は、ε酸化鉄、六方晶フェライトまたはCo含有スピネルフェライトを含む(1)から(23)のいずれかに記載のカートリッジ。
(25)
前記磁気記録媒体の垂直方向における角形比が、65%以上である(1)から(24)のいずれかに記載のカートリッジ。
(26)
前記磁気記録媒体の垂直方向における角形比が、70%以上である(1)から(25)のいずれかに記載のカートリッジ。
(27)
前記磁気記録媒体の垂直方向における保磁力Hc1と、前記磁気記録媒体の長手方向における保磁力Hc2とが、Hc2/Hc1≦0.8の関係を満たす(1)から(26)のいずれかに記載のカートリッジ。
(28)
前記磁気記録媒体は、潤滑剤を含む磁性層を備え、
前記磁性層は、多数の孔部が設けられた表面を有し、
前記潤滑剤を除去した状態における前記磁気記録媒体の全体のBET比表面積は、3.5m2/mg以上である(1)から(27)のいずれかに記載のカートリッジ。
(29)
テープ状の磁気記録媒体と、
前記磁気記録媒体の長手方向にかかるテンションを調整するための調整情報を書き込む領域を有する記憶部と
を備え、
前記磁気記録媒体の平均厚みtTが、tT≦5.5[μm]であり、
前記磁気記録媒体の長手方向のテンション変化に対する幅方向の寸法変化量Δwが、650[ppm/N]≦Δwであるカートリッジ。
(30)
テープ状の磁気記録媒体に用いられるカートリッジメモリであって、
記録再生装置と通信を行う通信部と、
記憶部と、
前記通信部を介して前記記録再生装置から受信した情報を前記記憶部に記憶し、かつ、前記記録再生装置の要求に応じて、前記記憶部から前記情報を読み出し、前記通信部を介して前記記録再生装置に送信する制御部と
を備え、
前記情報は、前記磁気記録媒体の長手方向にかかるテンションを調整するための調整情報を含むカートリッジメモリ。
(31)
テープ状の磁気記録媒体に用いられるカートリッジメモリであって、
前記磁気記録媒体の長手方向にかかるテンションを調整するための調整情報を書き込む領域を有する記憶部を備えるカートリッジメモリ。
11 カートリッジメモリ
31 アンテナコイル
32 整流・電源回路
33 クロック回路
34 検波・変調回路
35 コントローラ
36 メモリ
36A 第1の記憶領域
36B 第2の記憶領域
41 基体
42 下地層
43 記録層
44 バック層
50、50A 記録再生装置
51 スピンドル
52 リール
53 スピンドル駆動装置
54 リール駆動装置
55 ガイドローラ
56 ヘッドユニット
57 リーダライタ
58 通信インターフェース
59 制御装置
60 温度計
61 湿度計
100、100A 記録再生システム
MT 磁気テープ
Claims (27)
- テープ状の磁気記録媒体と、
カートリッジメモリを含むカートリッジであって、
前記磁気記録媒体は複数のサーボバンドを有し、
前記磁気記録媒体の長手方向の弾性限界値σ MD が、0.8[N]≦σ MD であり、
前記カートリッジメモリが、
前記カートリッジが記録再生装置にロードされた状態において前記記録再生装置と通信を行う通信部と、
記憶部と、
前記通信部を介して前記記録再生装置から受信した情報を前記記憶部に記憶し、かつ、前記記録再生装置の要求に応じて、前記記憶部から前記情報を読み出し、前記通信部を介して前記記録再生装置に送信する制御部と
を備え、
前記情報は、前記磁気記録媒体の長手方向にかかるテンションを調整するための調整情報を含み、
前記記憶部が第1の記憶領域と第2の記憶領域を有し、前記第1の記憶領域が前記カートリッジの製造情報を記憶し、前記第2の記憶領域が前記調整情報を記憶するカートリッジ。 - 前記カートリッジメモリはさらに整流・電源回路を備える請求項1に記載のカートリッジ。
- 前記カートリッジメモリはさらにクロック回路を備える請求項1から2のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前記カートリッジメモリはさらに検波・変調回路を備える請求項1から3のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前記記憶部が不揮発性メモリを含む請求項1から4のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前記記憶部が前記制御部の作業領域として用いられる揮発性のメモリを含む請求項1から5のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前記記憶部が複数のバンクを有し、前記複数のバンクの内の一部のバンクにより前記第1の記憶領域が構成され、前記複数のバンクの前記第1の記憶領域を構成するバンク以外のバンクにより前記第2の記憶領域が構成される請求項6に記載のカートリッジ。
- 前記調整情報は、前記磁気記録媒体に対するデータ記録時に取得される請求項1から7のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前記調整情報は、前記磁気記録媒体の幅情報を含む請求項1から8のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前記調整情報は、前記複数のサーボバンドの隣接するサーボバンド間の距離情報を含む請求項1から9のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前記調整情報は、前記磁気記録媒体の周囲の環境情報を含む請求項1から10のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前記環境情報は、前記磁気記録媒体の周囲の温度情報を含む請求項11に記載のカートリッジ。
- 前記環境情報は、前記磁気記録媒体の周囲の湿度情報を含む請求項11または12に記載のカートリッジ。
- 前記調整情報は、前記磁気記録媒体のテンション情報を含む請求項1から13のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前記情報は、前記カートリッジの使用履歴情報を含む請求項1から14のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前記情報は、管理台帳データ、Index情報、または前記磁気記録媒体に記憶された動画のサムネイル情報のうち少なくとも一つを含む請求項1から14のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前記記憶部が32KB以上の記憶容量を有する請求項1から16のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前記通信部がアンテナコイルを有する請求項1から17のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前記サーボバンドにはサーボ信号が書き込まれている請求項1から18のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前記サーボ信号がハの字状のサーボパターンである請求項19に記載のカートリッジ。
- 前記サーボバンドの数が5以上である請求項1から20のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前記サーボバンドの数が9以上である請求項1から20のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前記サーボバンドの幅が10μm以上95μm以下である請求項1から22のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前記サーボバンドの幅が10μm以上60μm以下である請求項1から22のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前記カートリッジメモリは、前記カートリッジが前記記録再生装置にロードされた状態において前記記録再生装置のリーダライタと対向する位置に配置される請求項1から24のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前記磁気記録媒体の湿度膨張係数βが、β≦5[ppm/%RH]である請求項1から25のいずれかに記載のカートリッジ。
- 前記磁気記録媒体の温度膨張係数αが、6[ppm/℃]≦α≦8[ppm/℃]である請求項1から26のいずれかに記載のカートリッジ。
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