JP6776118B2 - 太陽電池モジュール - Google Patents
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Description
太陽電池モジュールの一態様は、前面と、該前面の逆側に位置する裏面と、を有している。該太陽電池モジュールは、前記前面から前記裏面に向けて順に位置している、透光性板部と、透光性封止材と、太陽電池セルと、裏側封止材と、第1保護層と、を備えているとともに、第2保護層と、第3保護層と、を備えている。前記裏側封止材は、前記太陽電池セルと接しており、第1母材としての樹脂と、該第1母材中に位置している第1色材と、を含む。前記第1保護層は、第2母材としての樹脂と、該第2母材中および該第2母材の表面の少なくとも一方に位置している第2色材と、含む。前記第2保護層は、前記第1保護層の前記裏面側に位置し、絶縁性および透光性を有している。前記第3保護層は、前記裏側封止材と前記第1保護層との間に位置している。前記裏面側封止材と、前記第3保護層と、前記第1保護層と、が順に積層している。前記裏側封止材の光の反射率は、前記第1保護層の光の反射率よりも高い。前記第1保護層の光の吸収率は、前記裏側封止材の光の吸収率よりも高い。前記第3保護層の素材は、前記裏側封止材の素材および前記第1保護層の素材のそれぞれが溶融する温度において、前記裏側封止材および前記第1保護層の何れの素材よりも流動しにくい性質を有している。
<1−1.太陽電池モジュールの構成>
図1および図2で示されるように、太陽電池モジュール100は、主に光を受光する面(前面ともいう)100fsと、該前面100fsの逆側に位置している面(裏面ともいう)100bsと、を有する板状の外形を有している。裏面100bsは、前面100fsよりも光を受光しない。
透光性板部1は、透光性を有する板状の部材である。透光性板部1は、例えば、少なくとも特定範囲の波長の光に対して透光性を有している。「特定範囲の波長の光に対する透光性」とは、特定範囲の波長の光が透過し得る性質を示す。特定範囲の波長としては、例えば、光電変換部3が光電変換し得る光の波長が採用される。
透光性封止材2は、光電変換部3を前面100fs側から封止している、透光性を有する封止材である。透光性封止材2は、例えば、少なくとも特定範囲の波長の光に対して透光性を有している。このため、太陽電池モジュール100の前面100fsに照射される光が、透光性板部1と透光性封止材2とを透過して光電変換部3に入射される。これにより、光電変換部3において光電変換による発電が実現され得る。また、透光性封止材2は、例えば、封止材としての役割に加えて、光電変換部3を保持する役割を有している。図2の例では、透光性封止材2は、透光性板部1と光電変換部3との間に充填されている。
図1から図3で示されるように、光電変換部3は、1以上の太陽電池セルC1を有している。図1から図3の例において、光電変換部3は、複数の太陽電池セルC1と、これらの複数の太陽電池セルC1を電気的に接続する配線材Tb1とを有している。具体的には、光電変換部3には、例えば、複数(ここでは、6つ)の太陽電池ストリングSS1が含まれている。ここで、太陽電池ストリングSS1は、例えば、複数の太陽電池セルC1と、該複数の太陽電池セルC1を電気的に接続する配線材Tb1とによって構成されている。図1から図3の例において、各太陽電池ストリングSS1は、7つの太陽電池セルC1と、互いに隣接している太陽電池セルC1同士のそれぞれを電気的に接続している複数本の配線材Tb1と、を含んでいる。
裏側封止材4は、光電変換部3を裏面100bs側から封止している封止材である。ここでは、裏側封止材4は、例えば、光電変換部3を構成している太陽電池セルC1と接している。これにより、裏側封止材4は、光電変換部3を保持している。図2の例では、裏側封止材4は、光電変換部3と第1保護層5との間に充填されている。
第1保護層5は、光電変換部3を裏面100bs側から保護する層である。図2の例において、第1保護層5は、裏面100bsを構成するバックシートである。バックシートは、例えば、0.3mmから0.5mm程度の厚さを有している。
次に、太陽電池モジュール100の製造方法の一例について、図5、図6(a)および図6(b)に基づいて説明する。ここでは、図5で示される第1工程ST1から第3工程ST3を順に実施することで、太陽電池モジュール100を製造することができる。
第1実施形態に係る太陽電池モジュール100では、例えば、前面100fsに雪が積もっていないときには、前面100fsに照射される光のうち、裏側封止材4に達する光が、第1色材の存在によって裏側封止材4と透光性板部1との間で多重反射し、太陽電池セルC1に入射する。このため、太陽電池モジュール100における発電量が高まる。また、例えば、前面100fsに雪が積もっているときには、地面に積もった雪の表面で反射する反射光が、太陽電池モジュール100の裏面100bsに照射される。このとき、該反射光が、第1保護層5の第2色材に吸収される。その結果、例えば、太陽電池モジュール100の温度が高まり、前面100fs上の雪が落雪し易くなる。したがって、太陽光発電システムに太陽電池モジュール100を適用することで、太陽電池モジュール100が発電する時間を長くできるため、太陽光発電システムの設備利用率を容易に向上させることができる。
本開示は上述の第1実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
上記第1実施形態において、例えば、図7で示されるように、第1保護層5としてのバックシート5Shの代わりに、第1保護層5Aとしての裏側充填層5fAが採用され、該第1保護層5Aの前面100fsとは逆側に第2保護層6が追加されてもよい。図7の例では、第2実施形態に係る太陽電池モジュール100Aが、透光性板部1と、透光性封止材2と、光電変換部3と、裏側封止材4と、第1保護層5Aと、第2保護層6と、がこの順に−Z方向に積層されている構成を有している。
上記各実施形態において、例えば、裏側封止材4を、第1母材中に、第1色材および第1母材の何れよりも高い熱伝導率を有しているフィラーが位置している裏側封止材4Bに変更してもよい。ここでは、例えば、裏側封止材4Bの第1母材中に多数のフィラーが分散している構成が採用される。この場合には、例えば、第1保護層5,5Aにおける光の吸収に応じた熱が、熱伝導率が高められた裏側封止材4Bと、透光性封止材とを介して、透光性板部1に伝わり易くなる。これにより、例えば、透光性板部1の温度が高まり易いため、前面100fs上の雪が落雪し易くなる。
上記各実施形態において、例えば、第1保護層5,5Aの前面100fsとは逆側である裏面100bs側に、絶縁性および透光性を有している第2保護層6,6Cが位置していてもよい。
上記第2実施形態から上記第4実施形態において、例えば、図9で示されるように、裏側封止材4,4Bと、第1保護層5Aとの間に、第3保護層7を挿入してもよい。図9の例において、第5実施形態に係る太陽電池モジュール100Dは、裏側封止材4(4B)と、第3保護層7と、第1保護層5Aと、が順に積層している構成を有している。そして、ここでは、例えば、第3保護層7の素材は、裏側封止材4(4B)の素材および第1保護層5Aのそれぞれの素材が溶融する温度において、裏側封止材4(4B)および第1保護層5Aの何れの素材よりも流動しにくい性質を有している。例えば、第3保護層7の素材が樹脂である場合には、第3保護層7の素材のメルトフローレート(Melt Flow Rate:MFR)が、裏側封止材4,4Bおよび第1保護層5Aの何れの素材のMFRよりも低い態様が考えられる。MFRは、例えば、溶液状態にある樹脂の流動性を示す尺度の一つである。MFRの値が大きい素材ほど、溶融時において、流動性が高く、加工性が良好である。なお、MFRは、JIS K 7210に準拠した計測法により測定することができる。
上記第2実施形態から上記第5実施形態において、例えば、図10で示されるように、例えば、第2保護層6が、第1保護層5Aと接触している面(凹凸面ともいう)6sEが凹凸を有している、第2保護層6Eに変更されてもよい。図10の例において、第6実施形態に係る太陽電池モジュール100Eの第2保護層6Eは、第1保護層5Aと接触している、凹凸状の凹凸面6sEを有している。
上記第1、第3および第4実施形態において、例えば、図2および図8で示されるように、第1保護層5が、裏面100bs側に位置している面が凹凸状の面(凹凸面ともいう)5Fuに変更された第1保護層5Fに変更されてもよい。図2および図8の例において、第7実施形態に係る太陽電池モジュール100Fの第1保護層5Fは、裏面100bs側に位置している凹凸面5Fuを有している。
上記第4実施形態から上記第7実施形態において、例えば、第2保護層6,6C,6Eの裏面100bs側の表面を覆っている反射防止層8が設けられてもよい。図11の例において、第8実施形態に係る太陽電池モジュール100G1は、透光性板部1と、透光性封止材2と、光電変換部3と、裏側封止材4(4B)と、第1保護層5(5F)と、第2保護層6Cと、反射防止層8と、がこの順に−Z方向に積層されている構成を有している。図12の例において、第8実施形態に係る太陽電池モジュール100G2は、透光性板部1と、透光性封止材2と、光電変換部3と、裏側封止材4(4B)と、第1保護層5Aと、第2保護層6と、反射防止層8と、がこの順に−Z方向に積層されている構成を有している。
上記第2実施形態から上記第6実施形態および上記第8実施形態において、例えば、図13で示されるように、第2保護層6、6Eが、裏面100bs側に位置している面が凹凸状の面(凹凸面ともいう)6Huに変更された第2保護層6Hに変更されてもよい。図13の例において、第9実施形態に係る太陽電池モジュール100Hの第2保護層6Hは、裏面100bs側に位置している凹凸面6Huを有している。このような構成を採用すると、第2保護層6Hの裏面100bs側に位置している凹凸面6Huの表面積が増加する。これにより、例えば、第2保護層6Hは、裏面100bsに対する光の照射に応じたより多くの熱量を得ることができる。その結果、例えば、太陽電池モジュール100Hを容易に温めることができる。
上記各実施形態および各種変形例をそれぞれ構成する全部または一部を、適宜、矛盾しない範囲で組み合わせ可能であることは、言うまでもない。
2 透光性封止材
3 光電変換部
4,4B 裏側封止材
5,5A,5F 第1保護層
5Fu,5sE,6Hu,6sE 凹凸面
6,6C,6E,6H 第2保護層
7 第3保護層
8 反射防止層
100,100A,100B1,100B2,100C,100D,100E,100F,100G1,100G2,100H 太陽電池モジュール
100bs 裏面
100fs 前面
C1 太陽電池セル
Claims (9)
- 前面と、該前面の逆側に位置する裏面と、を有し、
前記前面から前記裏面に向けて順に位置している、透光性板部と、透光性封止材と、太陽電池セルと、裏側封止材と、第1保護層と、を備え、
前記裏側封止材は、前記太陽電池セルと接しており、第1母材としての樹脂と、該第1母材中に位置している第1色材と、前記第1母材中に位置しているフィラーと、を含み、
前記第1保護層は、第2母材としての樹脂と、該第2母材中および該第2母材の表面の少なくとも一方に位置している第2色材と、含み、
前記裏側封止材の光の反射率は、前記第1保護層の光の反射率よりも高く、
前記第1保護層の光の吸収率は、前記裏側封止材の光の吸収率よりも高く、
前記フィラーは、前記第1色材および前記第1母材の何れよりも高い熱伝導率を有している、太陽電池モジュール。 - 前面と、該前面の逆側に位置する裏面と、を有し、
前記前面から前記裏面に向けて順に位置している、透光性板部と、透光性封止材と、太陽電池セルと、裏側封止材と、第1保護層と、を備えているとともに、第2保護層と、第3保護層と、を備え、
前記裏側封止材は、前記太陽電池セルと接しており、第1母材としての樹脂と、該第1母材中に位置している第1色材と、を含み、
前記第1保護層は、第2母材としての樹脂と、該第2母材中および該第2母材の表面の少なくとも一方に位置している第2色材と、含み、
前記第2保護層は、前記第1保護層の前記裏面側に位置し、絶縁性および透光性を有しており、
前記第3保護層は、前記裏側封止材と前記第1保護層との間に位置しており、
前記裏面側封止材と、前記第3保護層と、前記第1保護層と、が順に積層しており、
前記裏側封止材の光の反射率は、前記第1保護層の光の反射率よりも高く、
前記第1保護層の光の吸収率は、前記裏側封止材の光の吸収率よりも高く、
前記第3保護層の素材は、前記裏側封止材の素材および前記第1保護層の素材のそれぞれが溶融する温度において、前記裏側封止材および前記第1保護層の何れの素材よりも流動しにくい性質を有している、太陽電池モジュール。 - 請求項2に記載の太陽電池モジュールであって、
前記裏側封止材は、前記第1母材中に位置しているフィラー、を含み、
該フィラーは、前記第1色材および前記第1母材の何れよりも高い熱伝導率を有している、太陽電池モジュール。 - 請求項1から請求項3の何れか1つの請求項に記載の太陽電池モジュールであって、
前記第1保護層は、前記裏面側に位置している凹凸状の面を有している、太陽電池モジュール。 - 請求項1に記載の太陽電池モジュールであって、
前記第1保護層の前記裏面側に位置している第2保護層、を備え、
該第2保護層は、絶縁性および透光性を有している、太陽電池モジュール。 - 請求項5に記載の太陽電池モジュールであって、
前記裏側封止材と前記第1保護層との間に位置している第3保護層、を備え、
前記裏側封止材と、前記第3保護層と、前記第1保護層と、が順に積層しており、
前記第3保護層の素材は、前記裏側封止材の素材および前記第1保護層の素材のそれぞれが溶融する温度において、前記裏側封止材および前記第1保護層の何れの素材よりも流動しにくい性質を有している、太陽電池モジュール。 - 請求項2、請求項3、請求項5および請求項6の何れか1つの請求項に記載の太陽電池モジュールであって、
前記第2保護層は、前記第1保護層と接触している凹凸状の面を有している、太陽電池モジュール。 - 請求項2、請求項3および請求項5から請求項7の何れか1つの請求項に記載の太陽電池モジュールであって、
前記第2保護層の前記裏面側の表面を覆っている反射防止層、を備えている、太陽電池モジュール。 - 請求項2、請求項3および請求項5から請求項8の何れか1つの請求項に記載の太陽電池モジュールであって、
前記第2保護層は、前記裏面側に位置している凹凸状の面を有している、太陽電池モジュール。
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