JP6775787B2 - 表面検査装置、表面検査方法、表面検査プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

表面検査装置、表面検査方法、表面検査プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、表面検査装置および表面検査方法に関する。また、前記表面検査装置および表面検査方法に関する表面検査プログラム並びに前記表面検査プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
従来から、表面状態を検査する手段として、光の反射や散乱、吸収、さらには、偏光、色等の種々の特性を利用した多くの検査技術が開示され、実用化されている。光の特性は被検査対象の表面状態によっても変動するため、それらの表面状態等に合わせて光に関する数学的に解析可能な光学的な挙動も把握して、検査光の照射や検出が必要となる。
例えば球や円柱、凹凸のように、自由曲面を有する被検査体の検査においては、1つの方向から光を入射すると、「入射角=反射角」となっている、ある特定方向のみに強い反射光を生じてしまう。すると、そのような被検査体の表面状態を検査するとき、観察方向への特定方向に強い光強度が発生する一方で、その方向がいずれの方向かも含めた解析が必要となり、正確な観察や評価が難しいものとなる。
例えば、特許文献1には、検査すべきベアリングの表面にレーザ光を照射しながらそのベアリングを回転させて照射部位をベアリングの表面全周に亘って移動させる構成を有する自動検査装置等が開示されている。また、特許文献2には、保持部がその回転する周面に沿って環状に形成された受容溝を有する支持部を有し、この受容溝が、球状物の底部付近を収容することが可能であり、支持部の回転によって、受容溝内にて球状物を転がして、球状物の向きを変えることが可能な表面検査装置等が開示されている。このように、自由曲面を有する被検査体の検査を行う技術としては、被検査体を動かしながら検査する手法が開示されている。
一方で、特許文献3は、円筒光拡散部材と、リング照明とを備えた照明装置が設けられた画像外観検査装置に関し、凹凸や周囲に遮蔽物が存在していても撮影できる技術を開示するものである。
特開平11−83756号公報 特開平7-63539号公報 特開2015−55569号公報
自由曲面を持つ製品部材等の被検査体の表面検査については、従来技術では表面に対して均一な照明が困難なため、下記の問題があった。
まず、観察できる領域が、非常に狭い領域(点)に限定されるため、全面を検査するには、文献1や文献2のように試料を回転する機構が必要である。よって、長い検査時間を要して、一度に複数個の検査等も困難となる。また、受光部として光ファイバーを採用しても、視野角が大きくなるため、検出分解能を小さくできず、被検査体の回転等は必要となる。また、特許文献2のように、受光部をなすセンサー(光ファイバー等)を扇状等の複数の軸に配設することも考えられるが、受光部(撮像部)の配置上の制限が発生して有効な検出範囲を確保できなかったり、依然として被検査体の回転は必要等の課題が残る。
また、特許文献3の構成では、円筒光拡散部材と、リング照明とを備えた照明装置を用いることで、凹凸等の自由曲面に対して散乱光を照射しており、単一の光軸上に設けられた撮像手段でも比較的影が少ない観察を可能とすることができる。しかし、本発明者らが検討した結果、これと同様の構成をとっても、円筒光拡散部材の開口部側の中心に、散乱光が照射されにくい暗点となる部分が生じることが分かった。これは、特に被検査体が球体のとき顕著であり、球体の場合、頂点付近を観察するためには、その方向への反射光が生じるように、開口部側となる直上からの入射光が必要となるためと考えられる。
係る状況下、本発明者らは、球体も含む自由曲面を有する被検査体の検査に適し、中心等に生じやすい暗点部が発生しない均質照射が可能な表面検査装置および方法を提供することを目的とする。さらには、球体の表面の反射・散乱光の観察像のみでは判断しにくいような欠陥を検出することができる表面検査装置および方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
本発明に係る表面検査装置は、被検査体を内包することができ開口部を有する中空状の拡散部と、
前記拡散部の外から前記拡散部に向けて光を照射する第一の照明部と、
前記被検査体から前記開口部の開口方向に散乱される光の光軸と傾斜する角度で設けられたビームスプリッタと、
前記被検査体から前記開口方向に散乱されビームスプリッタに入射した光が前記ビームスプリッタにより反射する方向に設けられた拡散板と、
前記被検査体から前記開口方向に散乱され前記ビームスプリッタを透過した光を検出する撮像部とを有する。この表面検査装置は、拡散部からの拡散光による照射に加えて、拡散板とビームスプリッタとを介して、拡散部の開口方向からも被検査体を照射するため、被検査体の検査にあたって、撮像した像の中心等に生じやすい暗点部が発生しない均質照射を行った像を得ることができる。
本発明に係る表面検査装置は、前記表面検査装置において、さらに、前記被検査体から前記開口方向に散乱される光が前記ビームスプリッタを透過する方向に設けられ、前記ビームスプリッタと前記撮像部との間に設けられた偏光フィルタを有することが好ましい。この表面検査装置は、偏光フィルタにより、被検査体の偏光成分に基づく解析に適した像を得ることができる。
本発明に係る表面検査装置は、前記表面検査装置において、さらに、前記拡散板に対して前記ビームスプリッタの方向に光を照射する第二の照明部を有することが好ましいこの表面検査装置は、第二の照明部による光により、より拡散部の開口方向に生じる暗点部に対して均質な照射を行うことができる。
本発明に係る表面検査装置は、前記表面検査装置において、前記拡散部が、所定の色のパターン部を有する拡散部であることが好ましい。この表面検査装置は、この所定の色のパターンを被検査体に投影させるものとなるため、そのパターンが投影された被検査体の像を解析することで、被検査体の形状等をより明確に解析しやすいものとすることができる。
本発明に係る表面検査装置は、前記表面検査装置において、前記撮像部が、複数の波長の光の強度に関する複数の検出画像として撮像する撮像部であることが好ましい。この表面検査装置は、複数の波長の光(複数の色)の像のうち、任意の色の像を解析したり、複数の色の像を比較して色の特徴(色分布、色ムラなど)を解析することに適している。
本発明に係る表面検査装置は、前記表面検査装置において、前記偏光フィルタを回転させ少なくとも3つ以上の角度の偏光成分画像を撮像するための偏光フィルタ回転手段を有することが好ましい。この表面検査装置は、3つの角度の偏光成分画像を得ることで、これらの像を比較し、楕円偏光の長軸を正確に把握したり、その楕円率を計算するような、偏光成分に基づくより詳細な解析を行うことができる。
このような特徴を有する本発明に係る表面検査装置は、特に、前記被検査体が、自由曲面を有する被検査体の解析に適している。
本発明に係る表面検査方法は、被検査体を内包することができ開口部を有する中空状の拡散部の内部に前記被検査体を配置する工程と、
前記拡散部の外から前記拡散部に向けて光を照射する第一の照明部により前記拡散部を外側から照射する工程と、
前記被検査体から前記開口部の開口方向に散乱される光の光軸と傾斜する角度で設けられたビームスプリッタにより前記ビームスプリッタに入射した光を分離する工程と、
前記被検査体から前記開口方向に散乱され前記ビームスプリッタに入射した光が反射する方向に設けられた拡散板により前記拡散板に入射した光を前記ビームスプリッタに反射させ前記ビームスプリッタを介して前記被検査体を前記開口部側から照射する工程と、
前記被検査体から前記開口方向に散乱され前記ビームスプリッタを透過した光を検出し像として撮像する撮像部により撮像する工程とを有する。
この表面検査方法は、拡散部からの拡散光による照射に加えて、拡散板とビームスプリッタとを介して、拡散部の開口方向からも被検査体を照射するため、被検査体の検査にあたって、撮像した像の中心等に生じやすい暗点部が発生しない均質照射を行った像を得ることができる。なお、前述した本発明に係る表面検査装置は、本発明に係る表面検査方法に用いることができ、各好適な構成に対応する工程を行うことで、それと対応したより好適な検査方法を達成することができる。
本発明に係る表面検査方法は、前記表面検査方法において、前記撮像する工程において所定の画素ごとの像を撮像することができ、前記撮像する工程により撮像した像から前記被検査体の被検査範囲を特定し、前記被検査範囲の画素ごとの輝度を求める輝度画像解析工程を有し、
前記輝度画像解析工程により、前記被検査体として標準試料の画素毎の輝度を求め、前記標準試料の画素毎の輝度の分布に基づく閾値を求める標準輝度分布解析工程と、
前記輝度画像解析工程により、前記被検査体として試験試料の画素毎の輝度を求め、前記標準輝度分布解析工程により求められた閾値と比較することで前記試験試料の輝度異常点を特定する輝度異常点特定工程と、
前記輝度異常点特定工程により特定された前記輝度異常点同士が近接する輝度異常点範囲を求め、前記輝度異常点範囲と前記輝度異常点の輝度との組合せパラメータにより前記試験試料の輝度異常点の分布をスコア化する輝度異常点解析工程とを有し、
前記輝度異常点解析工程によるスコアに基づいて輝度ムラを解析する方法とすることができる。この表面検査方法によれば、被検査体とした試験試料の輝度ムラをスコア化して解析することができ、輝度を特定の波長の光の輝度として像を検出しておけば、その波長の光に対応する色ムラを解析することもできる。
本発明に係る表面検査方法は、前記検査方法に、さらに、前記被検査体から前記開口方向に散乱された光が前記ビームスプリッタを透過する方向に設けられ、前記ビームスプリッタと前記撮像部との間に設けられた偏光フィルタにより偏光分離する工程とを有することが好ましい。この表面検査装置は、偏光フィルタにより、被検査体の偏光成分に基づく解析に適した像を得ることができる。
本発明に係る表面検査方法は、前記表面検査方法において、
前記撮像する工程において所定の画素ごとの像を撮像することができ、前記撮像する工程により撮像した像から前記被検査体の被検査範囲を特定し、前記被検査範囲の画素ごとの偏光成分を求める偏光成分画像解析工程を有し、
前記偏光成分画像解析工程により、前記被検査体として標準試料の画素毎の偏光成分を求め、前記標準試料の画素毎の偏光成分の分布に基づく閾値を求める標準偏光成分分布解析工程と、
前記偏光成分画像解析工程により、前記被検査体として試験試料の画素毎の偏光成分を求め、前記標準偏光成分分布解析工程により求められた閾値と比較することで前記試験試料の偏光成分異常点を特定する偏光成分異常点特定工程と、
前記偏光成分異常点特定工程により特定された前記偏光成分異常点同士が近接する偏光成分異常点範囲を求め、前記偏光成分異常点範囲と前記偏光成分異常点の偏光成分との組合せパラメータにより前記試験試料の偏光成分異常点の分布をスコア化する偏光成分異常点解析工程とを有し、
前記偏光成分異常点解析工程によるスコアに基づいて偏光成分ムラを解析する方法とすることができる。この表面検査方法によれば、被検査体とした試験試料の偏光成分ムラを解析することができる。なお、この偏光成分画像は、偏光フィルタを偏光フィルタ回転手段等により回転させて、複数(好ましくは3以上)の偏光フィルタの角度における偏光成分画像を得て、その解析を行うことでよりより詳細な解析を行うことができる。
本発明に係る表面検査プログラムは、被検査体を内包することができ開口部を有する中空状の拡散部の内部に前記被検査体を配置し、前記拡散部の外から前記拡散部に向けて光を照射する第一の照明部により前記拡散部を外側から照射し、前記被検査体から前記開口部の開口方向に散乱される光の光軸と傾斜する角度で設けられたビームスプリッタにより前記ビームスプリッタに入射した光を分離し、前記被検査体から前記開口方向に散乱され前記ビームスプリッタに入射した光が反射する方向に設けられた拡散板により前記拡散板に入射した光を前記ビームスプリッタに反射させ前記ビームスプリッタを介して前記被検査体を前記開口部側から照射し、前記被検査体から前記開口方向に散乱され前記ビームスプリッタを透過した光を検出し像として撮像する撮像部により撮像された像を用いて、
前記撮像された像から前記被検査体の被検査範囲を特定し、前記被検査範囲の画素ごとの輝度を求める輝度画像解析手段と、
前記輝度画像解析手段により、前記被検査体として標準試料の画素毎の輝度を求め、前記標準試料の画素毎の輝度の分布に基づく閾値を求める標準輝度分布解析手段と、
前記輝度画像解析手段により、前記被検査体として試験試料の画素毎の輝度を求め、前記標準輝度分布解析手段により求められた閾値と比較することで前記試験試料の輝度異常点を特定する輝度異常点特定手段と、
前記輝度異常点特定手段により特定された前記輝度異常点同士が近接する輝度異常点範囲を求め、前記輝度異常点範囲と前記輝度異常点の輝度との組合せパラメータにより前記試験試料の輝度異常点の分布をスコア化する輝度異常点解析手段とを、コンピュータに実行させるための表面検査プログラムとすることができる。この表面検査プログラムは、本発明に係る表面検査装置により撮像した像を、本発明に係る輝度ムラを解析する表面検査方法として達成するためのものである。
本発明に係る表面検査プログラムは、被検査体を内包することができ開口部を有する中空状の拡散部の内部に前記被検査体を配置し、前記拡散部の外から前記拡散部に向けて光を照射する第一の照明部により前記拡散部を外側から照射し、前記被検査体から前記開口部の開口方向に散乱される光の光軸と傾斜する角度で設けられたビームスプリッタにより前記ビームスプリッタに入射した光を分離し、前記被検査体から前記開口方向に散乱され前記ビームスプリッタに入射した光が反射する方向に設けられた拡散板により前記拡散板に入射した光を前記ビームスプリッタに反射させ前記ビームスプリッタを介して前記被検査体を前記開口部側から照射し、前記被検査体から前記開口方向に散乱され前記ビームスプリッタを透過し、前記被検査体から前記開口方向に散乱された光が前記ビームスプリッタを透過する方向に設けられ、前記ビームスプリッタと前記撮像部との間に設けられた偏光フィルタにより偏光分離した光を検出し像として撮像する撮像部により撮像された像を用いて、
前記撮像された像から前記被検査体の被検査範囲を特定し、前記被検査範囲の画素ごとの偏光成分を求める偏光成分画像解析手段と、
前記偏光成分画像解析手段により、前記被検査体として標準試料の画素毎の偏光成分を求め、前記標準試料の画素毎の偏光成分の分布に基づく閾値を求める標準偏光成分分布解析手段と、
前記偏光成分画像解析手段により、前記被検査体として試験試料の画素毎の偏光成分を求め、前記標準偏光成分分布解析手段により求められた閾値と比較することで前記試験試料の偏光成分異常点を特定する偏光成分異常点特定手段と、
前記偏光成分異常点特定手段により特定された前記偏光成分異常点同士が近接する偏光成分異常点範囲を求め、前記偏光成分異常点範囲と前記偏光成分異常点の偏光成分との組合せパラメータにより前記試験試料の偏光成分異常点の分布をスコア化する偏光成分異常点解析手段とを、コンピュータに実行させるための表面検査プログラムとすることができる。この表面検査プログラムは、本発明に係る表面検査装置により撮像した像を、本発明に係る偏光成分ムラを解析する表面検査方法として達成するためのものである。これらの表面検査プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体とすることもできる。
本発明の表面検査装置および表面検査方法は球体も含む自由曲面を有する被検査体の検査に適し、これによって被検査体の中心等に生じやすい暗点部が発生しない均質照射を行った撮像が可能となる。
本発明に係る表面検査装置の第一の実施形態を説明するための全体概要図である。 本発明に係る表面検査装置の第二の実施形態を説明するための全体概要図である。 本発明に係る表面検査装置の第三の実施形態を説明するための全体概要図である。 本発明に係る表面検査装置の第四の実施形態を説明するための全体概要図である。 本発明に係る表面検査装置の第五の実施形態を説明するための拡散部の概要図である。 本発明に係る表面検査装置の第五の実施形態の拡散部による被検査体の撮像を説明するため図である。 本発明に係る表面検査装置の第五の実施形態の拡散部による被検査体の他の撮像を説明するため図である。 本発明に係る表面検査装置の第五の実施形態の他の拡散部による被検査体の撮像を説明するため図である。 本発明に係る表面検査方法の第六の実施形態のフローを示す図である。 本発明に係る表面検査方法の第七の実施形態のフローを示す図である。 本願の表面検査装置の第八の実施形態を説明するための全体概要図である。 第八の実施形態に基づく表面ムラ解析の例を説明するための図である。 本発明に係る表面検査装置の実施例により鉄球を撮像した図である。 本発明に係る表面検査装置の他の実施例により鉄球を撮像した図である。 本発明に係る表面検査装置の他の実施例により撮像した鉄球を解析した図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。
(本発明の第一の実施形態)
図1は、本発明に係る表面検査装置の第一の実施形態の全体構成の概要を示すものである。この表面検査装置およびそれを用いた表面検査方法について説明する。表面検査装置101は、拡散部1と、第一の光源2と、ビームスプリッタ3と、拡散板4と、撮像部5を有している。さらに、表面検査装置101においては、撮像部5により撮像した像を適宜任意の表示や解析するために、画像検出手段81と、画像解析手段82と、表示部83を備えている。
この表面検査装置101において、拡散部1は筒状体であり、その筒内に被検査体7が内包された状態で配置され、被検査体7の表面が検査される。そして、第一の光源2は、拡散部1の外側から拡散部1方向に光を照射する第一の照明部となる。この照射された光は、拡散部1で拡散されながら透過して、さらに、拡散部内でも拡散することで、拡散部内に配置されている被検査体7に様々な入射角の光が照射される状態となることで、第一の光源2と、被検査体7との単純な位置関係を超えた入射角からの光照射がされる。また、これによって自由曲面を有する被検査体の表面にも様々な入射角の光が照射されることとなる。
そして、被検査体7に照射された光の一部は、拡散部1の図1中上部の開口部の方向に設けられたビームスプリッタ3方向に反射(散乱)する。このビームスプリッタ3は、その光の分離面がこの被検査体からの反射光(散乱光)の光軸に対して斜めに配置されている。好ましくは、被検査体からの反射光の光軸と、ビームスプリッタ3が光を分離する面とが45°をなすように配置される。このビームスプリッタ3に入射した光は、被検査体から反射された光の光軸とビームスプリッタ3とがなす角度に応じて所定の照射強度の光がビームスプリッタ3を透過して、対物レンズ51を介して、撮像部5に検出される。一方、ビームスプリッタ3に入射した光のうち撮像部方向に透過しなかった光(反射した光)は、ビームスプリッタ3によりそれらの位置関係に応じてさらに反射される。
このビームスプリッタ3から反射された光の光軸上に、拡散板4が配置されている。この拡散板4は、ビームスプリッタ3から反射された光を、さらに拡散・反射する。拡散板4から拡散・反射された光は、再度ビームスプリッタに入射し、ビームスプリッタ3により反射され、拡散部1の開口部側から、拡散部1内に入射することとなり、被検査体7の図1中上部方向から照射することになる。そして、この拡散板4とビームスプリッタ3を介して、開口部側から被検査体7に照射された光は、被検査体7から反射されたとき、前述した第一の光源2および拡散部1を通して被検査体7を照射し被検査体7により反射された光のように、再度開口部側からビームスプリッタ3に入射(透過)し、その所定強度の光は撮像部5に検出される。
拡散部1を介して、第一の光源2から照射された光が、被検査体7を照射していることから、被検査体7はほぼ全方向の入射角の光により照射された状態となっているため、第一の光源1や、被検査体7の形状や配置による影響が少なく照射されたものとなっているが、拡散部1の開口部側は入射光がない死角(暗点部、ダークスポット)となりやすい。この死角となりやすい方向に、ビームスプリッタ3と拡散板4とが配置されていることで、前述したように開口部側からも様々な入射角の光が照射されることとなる。このような構成により、被検査体7は、拡散部1の開口側に死角がない観察が可能となり、撮像部5には、被検査体7に全方向的に光が照射された状態の像が検出できる状態となる。
撮像部5により撮像された像(検出された散乱光)について画像検出手段81で画像をそのまま、あるいは適宜選択や合成等して検出され、画像解析手段82にて解析することができる。また、その解析結果は、適宜、表示部83に表示される。また、各検出手段や解析手段は、適宜、記憶部(図示せず)に予め記憶させたパラメータや計算式を読み出したり、検出した画像や解析した結果をこの記憶部に保存することができる。
本発明に係る表面検査の対象となる被検査体7は、様々なものを対象とすることができる。特に、自由曲面を有する被検査体や、光の反射率が高い被検査体を対象とすることができる。例えば、金属等の反射率が高いものや、球体や凹凸を有することで一方向からの照射では著しく不均質な反射や影が生じるものなどの検査にも適している。
この拡散部1は、被検査体7の大きさのものを内包することができる大きさで設計される。この拡散部1は、光散乱性と、光透過性を有する素材により形成される。また、光の波長の影響を与えにくいように白の素材が用いられることが好ましい。このような素材としては、例えば白色のプラスチック材料や紙などが用いられる。より具体的には、光学用途に用いられている光拡散シートや白紙などを筒状にしたものや、発泡プラスチックを中空の筒状に成形したものなどがあげられる。この拡散部1は、ビームスプリッタや撮像部等を配置する方向に開口部を設けて、被検査体を十分に包み込む形となればよく、代表的な形状としては筒状であるが、他のドーム状のような形状とすることもできる。
この拡散部1には、開口部が設けられている。この開口部の方向には、ビームスプリッタ3や撮像部5などが配置されている。拡散部1内から開口方向へ散乱光が散乱する。例えば、拡散部1内の被検査体7等の散乱光の一部は、この開口部から拡散部1の外へ散乱される。開口部の大きさは被検査体7や拡散部1および拡散板4等の構成による光照射の程度、撮像部5との位置関係により撮像できる範囲等の条件に応じて適宜設計される。拡散部が筒状の場合、筒の端部側に蓋がない状態の開放状態のままで開口部と扱ってもよく、蓋に孔を設けることで開口部としてもよい。また、ドーム状の拡散部の場合、孔を設けて開口部とすることもできる。開口部が設けられる方向は、ビームスプリッタ3等を配置する位置によって設定される。または、開口部の位置に合わせて、ビームスプリッタ等を配置する場合もある。なお、開口部方向から撮像部5により撮像するが、このとき、被検査体と被検査体以外との境界が明確になるように、撮像部5の撮影方向から開口部の延長方向となる部分(例えば筒状で蓋側を開口部としたとき底にあたる部分)は、光がほとんど散乱しない黒い構成(例えば、黒い紙を配置)としてもよい。これらの黒い構成とする範囲は撮像部5方向から撮像可能な範囲となる被検査体7の表面に入射光が入射しない範囲で設計される。
第一の実施形態において、第一の光源2は、拡散部1の外部から拡散部1方向に光を照射する第一の照明部となる。このような光源としては、被検査体7を観察する任意の光を選択することができるが、一般的には白色光源が採用される。本発明においては拡散部1により光を拡散させるが、より拡散しやすいように指向性が低い光の方が好ましく用いられる。また、拡散部1の一方から光照射するような電球や面照射体により照射してもよいし、拡散部を覆うようなリング状の光源を用いてもよい。
ビームスプリッタ3は、ビームスプリッタ3に入射した光を分割(分離)するもので、入射した光の一部は反射し、一部は透過する。いわゆるハーフミラーなどがあげられる。このビームスプリッタ3を、開口部側に斜め方向に配置することで、拡散部内から散乱された光(被検査体7から開口部方向に散乱された光)は、一部が撮像部側に、一部が入射角に依存して反射され、その反射方向に拡散板4が配置されるものとなる。
拡散板4は、ビームスプリッタ3から反射された光を拡散・反射する。拡散板には、拡散部1と同様の素材などを用いてもよい。拡散板は、ビームスプリッタで反射した光をビームスプリッタ側に反射させることが主たる機能となるため、拡散板に対する入射角の光をそのまま反射することができるような板状のものを用いることが好ましい。
撮像部5は、被検査体7から反射される光のように拡散部1の内部から散乱された光のうち、ビームスプリッタ3を透過した光を検出する。また、より透過した光を検出しやすいように、図1に示す表面検査装置101では、対物レンズ51などを配置することができる。この撮像部5には、表面検査の目的に対応した画素や、色を検出できるカメラなどが用いられ、例えばCCDカメラなどが採用される。
この撮像部5で撮像された像は、簡易的には、その撮像された像を表示部などに表示して目視で評価することもできる。また、適宜、画像検出手段81、画像解析手段82により、目的に応じたさらなる光学的処理や画像処理が行われ検査することもできる。
(本発明の第二の実施形態)
図2は、本発明に係る表面検査装置の第二の実施形態の全体構成の概要を示すものである。この表面検査装置およびそれを用いた表面検査方法について説明する。表面検査装置102は、拡散部1と、第一の光源2と、ビームスプリッタ3と、拡散板4と、撮像部5と、さらに、偏光フィルタ6を有している。さらに、表面検査装置102においては、撮像部5により撮像した像を適宜任意の表示や解析するために、画像検出手段81と、画像解析手段821と、表示部83を備えている。
この第二の実施形態においては、第一の実施形態と共通する構成により、同様の検査が行われることに加えて、拡散部1から拡散部1の開口方向に散乱しビームスプリッタ3を透過する方向であり、ビームスプリッタ3と撮像部5(対物レンズ51)との間に、偏光フィルタ6が設けられている。この偏光フィルタ6を備えることで、その偏光フィルタ6に対応した偏光成分が撮像部5に検出される。偏光フィルタ6は、直線偏光板や楕円偏光板、偏光ビームスプリッタなどの種々の偏光フィルタを用いることができ、これを備えることで、被検査体7を偏光成分にもとづいて表面検査することも可能となる。
さらに、偏光フィルタ6は、偏光フィルタの回転手段(図示せず)を備えていることが好ましい。被検査体7には、自由曲面を有するもの(典型的には球体)を検査対象として採用することができる。ここで、自由曲面を有する被検査体から反射した光は、その偏光成分の角度が不規則なものとなっていることが多く、一般的に偏光成分の検査を行うときに採用されるようなp偏光、s偏光の角度をあらかじめ把握して偏光フィルタを設定した偏光成分に基づく検査が難しい場合がある。
このために、被検査体7から反射した光の偏光成分が任意の角度の楕円偏光と仮定して分析していくような偏光の状態の把握が重要となる場合がある。このためには、偏光フィルタを回転手段により撮像部へ入射する光軸を軸に回転させて、複数の角度に配置した偏光フィルタを透過して検出される偏光成分を取得することが有効となる。例えば、直線偏光板である偏光フィルタの初期の配置を0°とすると、これを90°回転させたときと、45°回転させたときのように、少なくとも3つ以上の角度の偏光成分を取得し、これらの結果を基に被検査体7の反射光の楕円偏光としての楕円長軸方向を求めてその分布を把握したり、さらにその楕円率を求めるといった解析を行うこともできる。画像解析手段821は、このような偏光成分に関する解析も行うことができる解析手段である。
(本発明の第三の実施形態)
図3は、本発明に係る表面検査装置の第三の実施形態の全体構成の概要を示すものである。この表面検査装置およびそれを用いた表面検査方法について、説明する。表面検査装置103は、拡散部1と、第一の光源2と、ビームスプリッタ3と、拡散板4と、撮像部5と、偏光フィルタ6と、さらに第二の光源41を有している。さらに、表面検査装置103においては、第二の実施形態と同様に、撮像部5により撮像した像を適宜任意の表示や解析するために、画像検出手段81と、画像解析手段821と、表示部83を備えている。
この第三の実施形態においては、第一の実施形態および第二の実施形態と共通する構成により、同様の検査が行われることに加えて、第二の光源41を有している。この第二の光源41は、拡散板4に対してビームスプリッタ3の方向に光を照射する。すなわち、第二の光源41は、拡散部1の開口部から散乱し、ビームスプリッタ3により反射された光の反射角上に設けられている拡散板4に対して、拡散板4のビームスプリッタ3側の反対の面側に配置する。
そして、第二の光源41から照射される光は、拡散板4で拡散されて、ビームスプリッタ3側へと透過する。第一の実施形態において詳述したように、拡散板4は、ビームスプリッタ3で反射した光を拡散反射することで、この拡散板4を介してビームスプリッタ3に光を再入射させる。この再入射された光は、ビームスプリッタ3により反射されて、拡散部1の開口部側から拡散部1内部や被検査体7を照射する。このビームスプリッタ3を反射し、拡散板4を介して再入射を経て照射される光は、本来第一の光源2由来の光であり、複数回の拡散や反射により減衰等して照度が低下しやすい傾向がある。このため、開口部側の暗点部に照射される光が不十分となる場合がある。
この暗点部を解消するために、第二の照明部を設けることが有効である。この第二の照明部としては、第三の実施形態では第二の光源41を設けている。第二の光源41から照射される光は、前述のように拡散板4で拡散・透過して、ビームスプリッタ3に入射し、拡散部1の開口部側から、拡散部1内を照射する。これにより、開口部側からの入射光も十分な照射強度を確保しやすく、暗点部が発生しにくくなる。また、第一の光源2と第二の光源41とをそれぞれ設けていることで、拡散部1や被検査体7等に合わせた光照射を調整しやすくなる。一方で、第一の光源2も、第二の光源41もいずれも光が拡散されて被検査体7を照射する設計が維持されるため、照射強度や照射光角度のムラや、狭いピークがあるという問題は十分に低減することができる。
(本発明の第四の実施形態)
図4は、本発明に係る表面検査装置の第四の実施形態の全体構成の概要を示すものである。この表面検査装置およびそれを用いた表面検査方法について、説明する。表面検査装置104は、拡散部1と、第一の光源2と、ビームスプリッタ3、31と、拡散板4と、撮像部5と、偏光フィルタ6と、反射鏡42を有している。さらに、表面検査装置104においては、撮像部5により撮像した像を適宜任意の表示や解析するために、画像検出手段81と、画像解析手段821と、表示部83を備えている。この第四の実施形態は、第二の照明部を有する第三の実施形態の変形例である。
第三の実施形態においては、第二の照明部として、第二の光源41を用いる構成とした。一方、この第四の実施形態においては、第一の光源1の光軸上にもビームスプリッタ31を設けることにより拡散部1に入射させる前に分離させている。この分離させた光のうち一方(例えば透過した光)は、そのまま拡散部を照射するため、第一の照明部として機能する。そして分離させた光のうち他方(例えば反射した光)は、その反射する方向に反射鏡42を設けて、光をさらに反射させ拡散板4を介してビームスプリッタ3側を照射させることで、第二の照明部として機能する。このように、光源自体は、第一の光源2単独として、その後の光学系の設計によって、第一の照明部および、第二の照明部を達成することもできる。
このような第四の実施形態における照明を行うと、元の光源が同一のため、拡散部1による影響が大きい照射と、拡散板4を介する影響が大きい照射との均質性を高めることができる。よって、光源由来の色ムラなどがさらに低減できる。光源を複数用いるとき、同一仕様の製品であっても、わずかに色や輝度が異なる場合もあるため、このような同一光源による照明系の効果は大きい。
(本発明の第五の実施形態)
図5は、本発明に係る表面検査装置の第五の実施形態を説明するための拡散部の構成の概要を示すものである。この拡散部は、前記した第一の実施形態〜第四の実施形態のいずれにも適用でき、拡散部1に代え、拡散部11を用いた実施が可能である。拡散部11は、拡散筒11aの内部に黒線部11bを設けたものである。この黒線部11bは、円筒状の拡散筒11aの底の円を中心に均等な8方向に規則性をもって設けられている。また、この黒線部11bは、円筒の高さ方向に直線状に設けられている。
なお、ここでは、所定の色のパターンとして、円筒の高さ方向に上下に設けた直線状の線(黒線部11b)を所定の間隔で設けた拡散部11を例としたが、これ以外のものとしてもよい。例えば、高さ方向に上下の線に加えて、それに直行する円筒の周方向にも所定の高さごとに線を引き、格子状としてもよく、内包される被検査体の形状等の解析に有効な任意のパターンを設定することができる。
これらのパターンの色は、適宜変更してもよく、任意の色を採用してよい。例えば、撮像部がRGBのように複数の色を撮像可能なものを採用し、所定の色にのみパターンの像を得て、パターンの有無でそれぞれの像を同時に撮像することも可能である。黒色の線は、いずれの色の像においても明確にそのパターンを確認しやすい点で採用しやすい。このような所定の色のパターンは、拡散部の内側に設けることが好ましい。拡散筒の外側に設けるとその色のパターンが内側の拡散部によって拡散され明確なパターンを被検査体に反映させることができない場合がある。
図6および図7は、第五の実施形態の拡散部11を、第一の実施形態の拡散部1に代えて配置したときの撮像例を説明するための図である。被検査体として、被検査球71を用いて表面検査する場合を例として説明する。
図6(a)に示すように拡散部11の略中央に被検査球71を配置して、表面検査を行うと、撮像部5により撮像された像は、図6(b)に示すような被検査球71の画像71aのような像となる。この画像71aには、黒線部11bの線が反映されて黒線11cが確認される。すなわち、黒線部11bによるパターンが投影された像が得られて、このパターンを解析することで被検査球71の真球度や、ひずみ、へこみの有無などを容易に解析することができる。真球度が高い場合、黒線11cは、均一な直線状で、像71aの中心から放射状となる。一方、真球度が低い場合、線が一部曲線状となる。また、へこみやキズなどがある場合、歪が生じる。
なお、この拡散部11に設けられたパターンは、拡散部11の開口部に相当する部分にはパターン(黒線部11b)がないことから、それに対応する線も画像71aには現れない。より安定した検査を行うためには、拡散部11の中央と対応して、被検査体71を配置させるための台座を設けてもよい。
一方、図7(a)に示すように拡散部11の略中央からずれた位置に被検査球71を配置して、表面検査を行うと、撮像部5により撮像された像は、図7(b)に示すような被検査球71の画像71bのような像となる。この場合、開口部に相当する中央や、黒線部11bによる黒線11cが画像71bの中央からやや外れたものとなる。しかしながら、依然として直線状の線として現れ、そのパターンから、被検査球71と拡散部11のずれも補正した解析も行うことができる。被検査体としては、被検査球71のようなものが対象となることがあるが、このような球状の場合、拡散部11内で転動し、中央に配置しにくくずれが生じる場合がある。円筒状の拡散部とすると、このようなずれが生じても、そのままで画像解析により十分な表面検査を行うことができる点で優れている。
図8は、第5の実施形態における拡散部の形状を変更させた場合を説明するものである。ここでは、拡散部12をドーム状の拡散体11dにより形成させている。このドーム状の拡散体に、黒線部11eを設けて、その内部に被検査球71を配置して表面検査した場合を例に説明する。拡散部12がドーム状の拡散体の場合、被検査球71が拡散部12の中央からずれている場合、被検査球71を撮像した画像71cには、黒線部11eによるパターンが曲線状に現れる。この場合、その曲線状に生じているパターンが、被検査球71の真球度等によるものか、この配置のずれによるものかの判別が難しく、画像解析が複雑となる恐れがある。これを解消するためには、ドーム状を有する拡散部12に対する中央に正確に被検査球71を配置することが必要となる。
(本発明の第六の実施形態)
本発明の表面検査に関連する解析手法について、図9および図10を適宜参照しながら説明する。本発明は、前述した第一の実施形態の装置構成により、被検査体を内包することができ開口部を有する中空状の拡散部の内部に前記被検査体を配置する工程と、前記拡散部の外から前記拡散部に向けて光を照射する第一の照明部により前記拡散部を外側から照射する工程と、前記被検査体から前記開口部の開口方向に散乱される光の光軸と傾斜する角度で設けられたビームスプリッタにより前記ビームスプリッタに入射した光を分離する工程と、前記被検査体から前記開口方向に散乱され前記ビームスプリッタに入射した光が反射する方向に設けられた拡散板により前記拡散板に入射した光を前記ビームスプリッタに反射させ前記ビームスプリッタを介して前記被検査体を前記開口部側から照射する工程と、前記被検査体から前記開口方向に散乱され前記ビームスプリッタを透過した光を検出し像として撮像する撮像部により撮像する工程とを有する表面検査方法とすることができる。
この表面検査により撮像された像についての解析は、例えば次のように行うことができる。まず、この解析を行うため、撮像工程において、所定の画素ごとの像を撮像する撮像を行って、画素毎の情報を有する像を得る。そして、このような撮像工程により撮像した像から被検査体の被検査範囲を特定し、前記被検査範囲の画素ごとの輝度を求める輝度画像解析工程を設ける。より具体的には、例えば、撮像手段に100×100画素を超えるようなCCDカメラなどを採用して、得られた像のうち、被検査体が球状や円状の場合、その二次元像としての円で、被検査体部分を特定することができる構成とする。なお、ここでの輝度は、白色光相当や任意の特定の波長のみの輝度として解析して輝度ムラ全体として解析してもよいし、複数の波長の光の強度に関する複数の画像を検出して、その中から任意の色に対応する輝度を選択的に解析したり、比較して解析して、色ムラとして解析してもよい。
そして、前記輝度画像解析工程により、標準試料の輝度分布に基づく閾値を定める標準輝度分布解析工程を行う(図9中S1)。この標準試料とは、基本的には被検査対象の理想サンプルや、限度見本など、標準となる良品相当のものを対象とする。まず、このような標準試料を撮像して、前述したような輝度画像解析工程により、その輝度画像を解析する(S11)。そして、その標準試料の輝度分布に基づく閾値を定める(S12)。この輝度分布に基づく閾値を定める手法としては、例えば、標準試料の被検査範囲の画素の輝度の平均値(目的に応じた任意の平均値を採用することができる)を求めて、その平均値に対する許容範囲を定めることでその許容範囲の閾となる値を閾値とすることができる。すなわち、標準試料の被検査範囲の輝度の標準偏差σをその許容範囲とし、「輝度の平均値±標準偏差σ」を閾値の範囲内とするような閾値の設定ができる。具体的な標準試料によっては、「輝度の平均値±標準偏差3σ」や、「輝度の平均値±標準偏差6σ」のように、閾値を設定してもよい。
次に、前記輝度画像解析工程により、試験試料の画素毎の輝度を求め、前記標準輝度分布解析工程(図9中S1)により求められた閾値と比較することで試験試料の輝度異常点を特定する輝度異常点特定工程を行う。さらに、前記輝度異常点同士が近接する輝度異常点範囲を求め、前記輝度異常点範囲と前記輝度異常点の輝度とのより輝度異常点の分布をスコア化する輝度異常点解析工程とを有し、前記輝度異常点解析工程により求められたスコアに基づいて、輝度ムラを解析する(図9中S2)。
この試験試料は、輝度ムラのスコア化の対象となる試料である。具体的には標準試料と同種類で、実際の製品のように、その良否判定が求められるような試料である。このような試験試料に対して、まず標準試料と同様に、その輝度画像解析工程により、その輝度画像を解析する(図9中S21)。そして、その試験試料の輝度画像について、標準輝度分布解析工程で定められた閾値との対比を行い、閾値から外れる点の画素を、輝度異常点として特定する(図9中S22)。
この輝度異常点を特定したあと、さらに輝度異常点が近接するものについて輝度異常点範囲を求める。そして、輝度異常点範囲の広さと、輝度異常点の輝度との組合せパラメータを利用して、輝度異常点の分布をスコア化する(図9中S23)。
ムラと呼ばれるものは、視覚的に異常な部分(異常点)が点としてバラバラに存在していてもヒトが観察したときにほとんど認識されにくい。一方、異常点が集まり一定の範囲を占めるとき(近接して多数存在する塊となっているとき)、その範囲をムラと認識しやすい。この異常点の範囲(塊)の影響を反映したスコア化を行うために、前述した異常点が近接する範囲として特定する輝度異常点範囲を求める。ここでの近接の幅は、適宜被検査体の試料に応じて設定されるが、例えば隣接する画素が異常点の場合のみ、同一範囲内として特定してもよいし、画素としての距離が2点以内に異常点がある場合、それが連続する範囲として同一の範囲内とするように設定してもよい。
このように異常点を単独の点としてではなく、近接する範囲内も含めて、異常点範囲として特定した後、その範囲の広さと、その輝度との組合せパラメータを用いて、その度数を設定する。この組み合わせパラメータとは、範囲の広さと、輝度との値や程度を組み合わせて分析するためのパラメータである。すなわち、それらの和や積、比などの双方の値や程度の影響を反映させる指標としてのパラメータに処理する。端的な例としては、「同一の異常点範囲の広さ」×「同一の異常点範囲内の平均輝度」を、その所定の異常点やその異常点範囲の異常点度数とする。そして、この異常点度数が、試料全体としてどの程度存在するかを評価することで、輝度分布のスコア化を行う(図9中S23)。このスコアは、表示部等に表示される(図9中S3)。これらの解析は、図9に示すような工程を実行するためのプログラムとしてコンピュータ等により実施することができ、このプログラムそのものや、撮像された像、標準試料による閾値等の解析上必要な情報は適宜メモリに保存されて実行される。
このような解析をおこなえば、標準試料にのみ基づく試験試料の評価が可能となる。試験試料に、ムラがない場合、異常点が少なく塊としても存在しないことから、前述した輝度分布のスコアはムラが小さいスコアとなる。一方、ムラがある場合、異常点が塊として存在する程度に応じて、その塊の影響も同時に評価するため、塊がムラとして認識されやすいような大きさであるほど輝度分布のスコアはムラが大きいスコアとなる。これは、従来の複数の見本資料や、試験試料情報を蓄積していくような、いわゆるティーチングを必要とせず、それらによるずれが生じにくい手法である。
(本発明の第七の実施形態)
このムラの評価手法は、偏光成分として撮像した像に対して行うこともできる。前述した第六の実施形態に準じて、第六の実施形態における輝度に代え、偏光成分に基づく解析を、図10に示すようなフローで実施することで偏光成分によるムラとして解析してもよい。このために、第二の実施形態に開示するような表面検査装置を用いて、第六の実施形態に加えて、前記被検査体から前記開口方向に散乱された光が前記ビームスプリッタを透過する方向に設けられ、前記ビームスプリッタと前記撮像部との間に設けられた偏光フィルタにより偏光分離する工程とを有する表面検査方法を実施する。そして、この偏光分離する工程で偏光分離されていることで、撮像部には偏光成分の像が得られたものとなる。さらに詳しい偏光成分の解析を行う場合は、偏光フィルタ回転手段により、複数(好ましくは3以上)の角度の偏光成分画像を取得して、それに基づく偏光成分の情報を得ておくことも有効である。
また、輝度によるムラのスコアと、偏光成分によるムラのスコアとを合わせて表示するものとしてもよく、同一画素に対する輝度によるムラの程度と、偏光成分によるムラの程度とを対比させてそれぞれをX軸、Y軸に設定したグラフとして表示することもできる。
(本発明の第八の実施形態)
前述した第六及び第七の実施形態のムラ評価方法は、第一の実施形態等により撮像された像以外の手法で、撮像した像に対しても実施することができる。
例えば、前述の第六の実施形態の解析手法を利用して、所定の画素ごとの像を撮像することができる撮像手段により撮像した像から被検査体の被検査範囲を特定し、前記被検査範囲の画素ごとの輝度を求める輝度画像解析工程を有し、前記輝度画像解析工程により、標準試料の輝度分布に基づく閾値を定める標準輝度分布解析工程と、前記輝度画像解析工程により、試験試料の画素毎の輝度を求め、前記標準輝度分布解析工程により求められた閾値と比較することで試験試料の輝度異常点を求め、前記輝度異常点同士が近接する輝度異常点範囲を求め、前記輝度異常点範囲と前記輝度異常点の輝度との組合せパラメータより輝度異常点の分布をスコア化する輝度異常点解析工程とを有し、前記輝度異常点解析工程により求められたスコアに基づいて、輝度ムラを解析する、表面検査方法の発明とすることもできる(第八の実施形態A)。
さらには、この輝度は、色を特定した輝度として実施してもよく、特定の色の輝度ムラを解析することで色ムラ解析を実施することができる。また、この各工程と対応した手段を有する装置、およびこれを実行するためのプログラムとすることもできる。
また、前述の第八の実施形態は、前述の第七の実施形態の解析手法を利用して、所定の画素ごとの像を偏光成分の像として撮像することができ、前記撮像工程により撮像した像から被検査体の被検査範囲を特定し、前記被検査範囲の画素ごとの偏光成分を求める偏光成分画像解析工程を有し、前記偏光成分画像解析工程により、標準試料の偏光成分分布に基づく閾値を定める標準偏光成分分布解析工程と、前記偏光成分画像解析工程により、試験試料の画素毎の偏光成分を求め、前記標準偏光成分分布解析工程により求められた閾値と比較することで試験試料の偏光成分異常点を求め、前記偏光成分異常点同士が近接する偏光成分異常点範囲を求め、前記偏光成分異常点範囲と前記偏光成分異常点の偏光成分との組合せパラメータより偏光成分異常点の分布をスコア化する偏光成分異常点解析工程とを有し、前記偏光成分異常点解析工程により求められたスコアに基づいて、偏光成分ムラを解析する、表面検査方法の発明とすることもできる(第八の実施形態B)。また、この各工程と対応した手段を有する装置、およびこれを実行するためのプログラムとすることもできる。そして、これらの輝度ムラと、偏光成分ムラとは、それぞれのスコアを組み合わせた検査方法とすることもできる。
この第八の実施形態は、輝度によるムラのスコアと、偏光成分によるムラのスコアとを合わせて表示・評価するものとしてもよい。例えば、同一画素に対する輝度によるムラの程度と、偏光成分によるムラの程度とを対比させてそれぞれをX軸、Y軸に設定したグラフとして表示することで輝度(色)ムラと、偏光成分ムラとを総合的に視覚的に把握可能な指標とすることもできる。
この第八の実施形態における、輝度(色)ムラ解析のための所定の画素ごとの像の撮像と、偏光成分ムラ解析のための所定後の画素毎の像の撮像とは、例えば、本発明者らが発明者である特開2016−138790号公報に開示された技術を利用することができる。よって、本願に係る詳細な説明においては、特開2016−138790号公報に係る開示を引用する。特開2016−138790号公報には、照射された光の散乱光を分析して、上記光が照射された物体表面の性状を検査する表面検査装置において、「上記散乱光を、散乱面に平行な振動成分であるP偏光成分と、上記散乱面に垂直な振動成分であるS偏光成分とに分離する偏光成分分離手段と、上記偏光成分分離手段によって分離された上記P偏光成分および上記S偏光成分のそれぞれの偏光成分画像として検出する偏光成分画像検出手段と」、「上記散乱光を、複数の波長の光の強度に関する複数の検出画像として検出する色成分画像検出手段と、」を有している(請求項1等)。そして、その解析を所定の手段(工程)で解析しているが、本願発明では、輝度ムラの解析にこの色成分画像検出手段による検出画像を利用することができる。また、偏光成分ムラの解析にこの偏光成分が像検出手段による偏光成分画像を利用することができる。または、それらの画像に係る偏光強度比相関パラメータや、色強度比相関パラメータを利用してもよい。
例えば、特開2016−138790号公報の技術に準じて構成されている図11に示すような表面検査装置により、図12に示すような金メッキパッドの評価を行う場合を説明する。図11のS偏光板を通過した像を得るカメラ1と、ビームスプリッタ、ミラーを介して、P偏光板を通過した像(P´偏光像)を得るカメラ2を設ける。なお、このカメラはいずれもRGB画像をえることができるものであり、撮像した像から150×150の画素を解析・表示対象としたものとする。そして、P´偏光像,およびS´偏光像において、色成分画像検出手段に対応する像として、各カメラのRGB輝度成分からRP´+RS´およびGP´+GS´の値を求め、両者の組合せパラメータの大きさから色分布を調べた。また、偏光強度比相関パラメータとしては、パラメータΨ=tan−1(S偏光成分の強度/P偏光成分の強度)を用いた。このパラメータΨは、光沢との相関性があることから、光沢ムラの指標として利用できる。
このような構成の光学系により取得される像を、第八の実施形態A、第八の実施形態Bを組み合わせて解析する例を示す。この例は、図12に示すような金めっきパッドの良品(図12(a))及び不良品(図12(b))の評価例を示すものである。なお、この解析を行うための、標準試料による閾値の設定は、この良品よりもさらにムラが少ない理想サンプルを用いて設定されたものである。また、この閾値は、その標準試料における「平均値±6σ」を非異常点とする設定を行った。図12(a)、(b)の各下段左側は、各画素についての光沢ムラ(偏光成分に基づく)に係る組み合わせパラメータを横軸、色ムラ(輝度ムラに基づく)に係る組み合わせパラメータを縦軸として表示したものである。また、この2次元座標では同一のプロットが多数存在することになるため(特に非異常点)、その頻度を下段右側に示している。
図12に示すように、良品では、非異常点が少ないことから、光沢ムラ及び色ムラの組合せパラメータはほぼ中心付近の基準点に集中している。そして、この良品の各画素の光沢ムラと色ムラとプロットによる原点からの距離を指標として、その距離の和をスコア化して、ムラ点数の基準としては1点とした。一方、不良品で同様にスコア化すると、光沢ムラ及び色ムラとも大きく広がっており、前記基準によるムラ点数は550点となった。この不良品では、色ムラと光沢ムラの2次元平面上で約45°方向にムラの特徴が現れており、この不良品では色ムラ傾向と光沢ムラ傾向とが概ね対応することも確認された。
[表面検査装置A]
第四の実施形態に準じる表面検査装置により、以下の実験を行った。なお、この実験において主な構成は以下のものである。
拡散部:白い厚紙を用いて作製したφ15mm・高さ50mmの円筒を拡散部とした。なお、筒の底部(開口部の反対側)に黒いラシャ紙を置き、撮像時に被検査体の周囲から光散乱が生じにくい構成とした。
第一の光源:LED照明装置「LFV40SW」(シーシーエス社))
ビームスプリッタ:「TS プレート型B/S VIS 50R/50T 50 X 50」(エドモンドオプティクス社)
拡散板:「オパール光拡散ガラス 125 X 125」(エドモンドオプティクス社)
撮像部:CCDカメラ「DFK31AU03」(アルゴ社)
偏光フィルタ:偏光板「USP−50C−38」(シグマ光機社)
被検査体:φ6mm、金属球
[実施例1]
前記表面検査装置Aの偏光フィルタを取り除いた状態で、被検査体を撮像した結果を図13(右側)に示す。
[比較例1]
前記実施例1から、拡散板および反射鏡(第二の照明部)を取り除いた状態で、被検査体を撮像した結果を図13(左側)に示す。
図13の実施例1および比較例1の像を観察すると、左側の比較例1は、被検査体の撮像写真の中央付近に、丸い暗点部がみられる。これは、比較例1では、拡散板および第二の照明部がないことから、拡散部1の開口部側から照射する光がほとんどない状態となり、死角となって暗点部になったと考えられる。
一方、右側の実施例1の撮像結果では、この比較例1で見られたような暗点部はなく、球である被検査体の上側半分が均一に照射された像を得ることができている。このような均一な像を取得することができているため、被検査体の照射強度が低下している場所が明確になり、キズやへこみ等の検査を行いやすいことがわかる。
[実施例2]
前記表面検査装置Aを用いて、被検査体を撮像した結果を図14に示す。なお、ここでは偏光フィルタを回転させて、0度、45度、90度と3方向の直線偏光成分を検出した。それぞれの偏光成分を検出した像が図14に示される像である。
さらに、図14に示す偏光成分の強度に基づき、画素ごとの楕円偏光としての楕円の主軸や、楕円率を求めた。この楕円率の分布を図15に示す。図15で示すように、楕円率の違いから明確な欠陥に相当する異常点を白い点として表示しているが、この他にもコントラストの比較的低い模様や、黒い点も観察できる。これらの点を確認し、比較・検討することで、単なる自由曲面の観察よりも、優れた分離性で欠陥等を判別・検出し表面検査することができる。
本発明によれば、球体のように自由曲面を有するようなものの表面も均一に光照射することができ、金属球の表面検査など検査技術として種々の応用を行うことができ産業上有用である。
1、11、12 拡散部
101、102、103、104 表面検査装置
2 第一の光源
3、31 ビームスプリッタ
4 拡散板
41 第二の光源
42 反射鏡
5 撮像部
51 対物レンズ
6 偏光フィルタ
7 被検査体
71 被検査球
81 画像検出手段
82、821 画像解析手段
83 表示部

Claims (10)

  1. 被検査体を内部に配置することができ開口部を有する中空状の拡散部と、
    前記拡散部の外から前記拡散部に向けて光を照射する第一の照明部と、
    前記被検査体から前記開口部の開口方向に散乱される光の光軸と傾斜する角度で設けられたビームスプリッタと、
    前記被検査体から前記開口方向に散乱されビームスプリッタに入射した光が前記ビームスプリッタにより反射する方向に設けられた拡散板と、
    前記被検査体から前記開口方向に散乱され前記ビームスプリッタを透過した光を検出する撮像部と
    前記被検査体から前記開口方向に散乱される光が前記ビームスプリッタを透過する方向に設けられ、前記ビームスプリッタと前記撮像部との間に設けられた偏光フィルタと、
    前記偏光フィルタを回転させ少なくとも3つ以上の角度の偏光成分画像を撮像するための偏光フィルタ回転手段とを有する表面検査装置。
  2. さらに、前記拡散板に対して前記ビームスプリッタの方向に光を照射する第二の照明部を有する請求項1記載の表面検査装置。
  3. 前記拡散部が、所定の色のパターン部を有する拡散部である請求項1または2に記載の表面検査装置。
  4. 前記撮像部が、複数の波長の光の強度に関する複数の検出画像として撮像する撮像部である請求項1〜のいずれかに記載の表面検査装置。
  5. 前記被検査体が、自由曲面を有する請求項1〜のいずれかに記載の表面検査装置。
  6. 被検査体を内部に配置することができ開口部を有する中空状の拡散部の内部に前記被検査体を配置する工程と、
    前記拡散部の外から前記拡散部に向けて光を照射する第一の照明部により前記拡散部を外側から照射する工程と、
    前記被検査体から前記開口部の開口方向に散乱される光の光軸と傾斜する角度で設けられたビームスプリッタにより前記ビームスプリッタに入射した光を分離する工程と、
    前記被検査体から前記開口方向に散乱され前記ビームスプリッタに入射した光が反射する方向に設けられた拡散板により前記拡散板に入射した光を前記ビームスプリッタに反射させ前記ビームスプリッタを介して前記被検査体を前記開口部側から照射する工程と、
    前記被検査体から前記開口方向に散乱され前記ビームスプリッタを透過した光を検出し像として撮像する撮像部により撮像する工程と
    前記被検査体から前記開口方向に散乱された光が前記ビームスプリッタを透過する方向に設けられ、前記ビームスプリッタと前記撮像部との間に設けられた偏光フィルタにより偏光分離する工程と、
    前記偏光フィルタを、偏光フィルタ回転手段により、少なくとも3つ以上の角度の偏光成分画像を撮像するために回転する工程を有する表面検査方法。
  7. 請求項記載の表面検査方法において、
    記撮像する工程により撮像した像から前記被検査体の被検査範囲を特定し、前記被検査範囲の画素ごとの輝度を求める輝度画像解析工程を有し、
    前記輝度画像解析工程により、前記被検査体として標準試料の画素毎の輝度を求め、前記標準試料の画素毎の輝度の分布に基づく閾値を求める標準輝度分布解析工程と、
    前記輝度画像解析工程により、前記被検査体として試験試料の画素毎の輝度を求め、前記標準輝度分布解析工程により求められた閾値と比較することで前記試験試料の輝度異常点を特定する輝度異常点特定工程と、
    前記輝度異常点特定工程により特定された前記輝度異常点同士が近接する輝度異常点範囲を求め、前記輝度異常点範囲と前記輝度異常点の輝度との組合せパラメータにより前記試験試料の輝度異常点の分布をスコア化する輝度異常点解析工程とを有し、
    前記輝度異常点解析工程によるスコアに基づいて輝度ムラを解析する表面検査方法。
  8. 請求項記載の表面検査方法において、
    記撮像する工程により撮像した像から前記被検査体の被検査範囲を特定し、前記被検査範囲の画素ごとの偏光成分を求める偏光成分画像解析工程を有し、
    前記偏光成分画像解析工程により、前記被検査体として標準試料の画素毎の偏光成分を求め、前記標準試料の画素毎の偏光成分の分布に基づく閾値を求める標準偏光成分分布解析工程と、
    前記偏光成分画像解析工程により、前記被検査体として試験試料の画素毎の偏光成分を求め、前記標準偏光成分分布解析工程により求められた閾値と比較することで前記試験試料の偏光成分異常点を特定する偏光成分異常点特定工程と、
    前記偏光成分異常点特定工程により特定された前記偏光成分異常点同士が近接する偏光成分異常点範囲を求め、前記偏光成分異常点範囲と前記偏光成分異常点の偏光成分との組合せパラメータにより前記試験試料の偏光成分異常点の分布をスコア化する偏光成分異常点解析工程とを有し、
    前記偏光成分異常点解析工程によるスコアに基づいて偏光成分ムラを解析する、表面検査方法。
  9. 被検査体を内部に配置することができ開口部を有する中空状の拡散部の内部に前記被検査体を配置し、前記拡散部の外から前記拡散部に向けて光を照射する第一の照明部により前記拡散部を外側から照射し、前記被検査体から前記開口部の開口方向に散乱される光の光軸と傾斜する角度で設けられたビームスプリッタにより前記ビームスプリッタに入射した光を分離し、前記被検査体から前記開口方向に散乱され前記ビームスプリッタに入射した光が反射する方向に設けられた拡散板により前記拡散板に入射した光を前記ビームスプリッタに反射させ前記ビームスプリッタを介して前記被検査体を前記開口部側から照射し、前記被検査体から前記開口方向に散乱され前記ビームスプリッタを透過し、前記被検査体から前記開口方向に散乱された光が前記ビームスプリッタを透過する方向に設けられ、前記ビームスプリッタと前記撮像部との間に設けられ、偏光フィルタ回転手段により少なくとも3つ以上の角度に配置させた偏光フィルタにより偏光分離した光を検出し像として撮像する撮像部により撮像された像を用いて、
    前記撮像された像から前記被検査体の被検査範囲を特定し、前記被検査範囲の画素ごとの偏光成分を求める偏光成分画像解析手段と、
    前記偏光成分画像解析手段により、前記被検査体として標準試料の画素毎の偏光成分を求め、前記標準試料の画素毎の偏光成分の分布に基づく閾値を求める標準偏光成分分布解析手段と、
    前記偏光成分画像解析手段により、前記被検査体として試験試料の画素毎の偏光成分を求め、前記標準偏光成分分布解析手段により求められた閾値と比較することで前記試験試料の偏光成分異常点を特定する偏光成分異常点特定手段と、
    前記偏光成分異常点特定手段により特定された前記偏光成分異常点同士が近接する偏光成分異常点範囲を求め、前記偏光成分異常点範囲と前記偏光成分異常点の偏光成分との組合せパラメータにより前記試験試料の偏光成分異常点の分布をスコア化する偏光成分異常点解析手段とを、コンピュータに実行させるための表面検査プログラム。
  10. 請求項に記載の表面検査プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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