以下、適宜図面が参照されつつ、実施形態が詳細に説明される。
図1は、一実施形態に係る流体取扱装置100の斜視図である。本実施形態の流体取扱装置100は、流体を排出する装置である。本実施形態では、流体は液体である。本実施形態では、流体は水である。
流体取扱装置100は、本体部102と、把持操作部104とを有する。本実施形態では、本体部102が2つに分離している。本体部102は、第1の本体部106と、第2の本体部108とを有する。本体部102(本体部106)は、ホースを介して水栓に接続されている。本実施形態では、本体部102(本体部106)が流体駆動部110を有する。流体駆動部110は、中間部134(後述)に内蔵されている。流体駆動部110は、水を昇圧するポンプである。このポンプは、加圧ポンプである。第2の本体部108は、ホースリールである。把持操作部104は、ホースを介して本体部102(本体部106)に接続されている。ポンプの種類は限定されず、本実施形態では容積式ポンプの一種である往復ポンプ(ダイヤフラムポンプ)が用いられている。なお、本体部102は、2つ以上に分離していなくてもよい。また、本体部106のみが流体取扱装置100の本体部とみなされ、ホースリールは本体部から除外されてもよい。
流体取扱装置100は、水栓に接続して用いられうる。流体取扱装置100は、散水機(散水ノズル装置)である。流体取扱装置100は、洗浄機(洗浄ノズル装置)である。流体取扱装置100は、水道水圧を昇圧して散水できる装置である。水道水圧は、0.15MPa以上が基準とされており、典型的には0.2MPa以上0.3MPa以下である。昇圧後の水圧は限定されない。本実施形態では、昇圧後の水圧は、例えば0.5MPa以上3.0MPa以下、更には0.5MPa以上1.0MPa以下とすることができる。流体取扱装置100は、洗浄、散水などの用途に使用されうる。
本実施形態では、把持操作部104は、吐水ノズルである。把持操作部104は、グリップ部112と、流体口114と、延在部116とを有する。流体口114は、吐水ノズルの吐出口である。
グリップ部112は、使用者によって握られる部分である。グリップ部112は、操作により吐水と止水とを切り換えうる切替部118を有する。切替部118は押圧スイッチである。切替部118は、オルタネイト動作で、吐水と止水とを切り換える。片手でグリップ部112を把持することで、把持操作部104の姿勢及び位置を制御しながら、吐止水の切替をすることができる。グリップ部112の内部には、流体が通る流路が形成されている。グリップ部112の後端部は、ホースを介して本体部106に接続されている。グリップ部112の先端部は、延在部116に接続されている。
流体口114では、流体が吐出又は吸引される。本実施形態では、流体口114では、水が吐出される。流体口114は、グリップ部112及び延在部116の内部で連通する流路の出口である。流体口114は、先端部120に形成されている。把持操作部104は先端部120を有しており、先端部120が流体口114を有している。先端部120は、延在部116に、取り外し可能に取り付けられている。先端部120は、交換可能である。
延在部116は、グリップ部112と先端部120との間に延びている。延在部116は、グリップ部112と流体口114との間に延びている。延在部116は流体を通しうる管状部である。延在部116の内部には、グリップ部112の内部の流路と連通し流体が通る流路が形成されている。本実施形態では、延在部116は真っ直ぐに延びている。延在部116は、曲がっていても良い。延在部116の第1端(後端)はグリップ部112に接続されている。延在部116の第1端(後端)は、グリップ部112に、取り外し可能に取り付けられている。延在部116の第2端(先端)は、先端部120に接続されている。延在部116の第2端(先端)は、先端部120に、取り外し可能に取り付けられている。
延在部116により、流体口114がグリップ部112から離れる。延在部116により、把持操作部104の長さが確保される。延在部116により、狙った場所に流体(水)を噴射することが容易となる。
図2は本体部106の斜視図の斜視図である。本体部106は、第1端部130と、第2端部132と、中間部134とを有する。中間部134は、第1端部130と第2端部132との間に延びている。中間部134は、第1端部130と第2端部132とを繋いでいる。第1端部130は、全体として略三角柱の形状を有する。第2端部132は、全体として略三角柱の形状を有する。第1端部130と第2端部132とは、ほぼ同じ形態を有している。中間部134は、全体として略円柱の形状を有する。基準状態(後述)において、第1端部130及び第2端部132は本体部106が載置された水平面に接しており、中間部134はこの水平面に接していない。
図3は、取っ手兼用部140が取り付けられた本体部106の斜視図である。取っ手兼用部140は、把持操作部104から分離された延在部116である。延在部116の全体が、取っ手兼用部140として用いられている。延在部116が第1分割体116aと第2分割体116bとの2つに分解されている。第1分割体116aと第2分割体116bとが取っ手兼用部140とされている。流体取扱装置100を使用するときに、取っ手兼用部140は延在部116として用いられる。流体取扱装置100を使用しないとき、取っ手兼用部140は本体部106の取っ手として用いられる。
本体部106は、取っ手装着部150を有する。取っ手装着部150に、取っ手兼用部140が取り付けられている。取っ手兼用部140は、取っ手装着部150に、取り外し可能に取り付けられている。第1分割体116aと第2分割体116bとが、互いに平行な状態で取っ手装着部150に取り付けられている。
図4は、図3の本体部106の平面図である。図3及び図4が示すように、本体部106には、取っ手兼用部140としての延在部116に加えて、グリップ部112及び先端部120が取り付けられている。また流体取扱装置100は、交換用の先端部122を有している。把持操作部104において、第1の先端部120と第2の先端部122とは、交換可能である。この交換により、流体口114の形状を変えることができ、吐出された液体の形状(水形)を変えることができる。先端部120に加えて先端部122も本体部106に取り付けられている。
把持操作部104は複数の分割体に分割されるように構成されている。これらの分割体は、第1分割体116a、第2分割体116b、グリップ部112及び先端部120である。またグリップ部112はホースに取り外し可能に結合されている。把持操作部104の分割体の全てが、本体部106に取り付けられうる。これらの分割体同士は、取り外し可能に結合されている。分割体同士は、ネジ結合、弾性係合等、公知の方法で結合されている。把持操作部104の分解及び再組み立ては容易である。
本体部106には、電源コード160が接続されている。電源コード160は、プラグ部160aと電線部160bとを有している。本体部106は、電源コード160を巻き付けることができる巻き付け部162を有している。巻き付け部162は、中間部134に形成されている。巻き付け部162は中間部134の外面(外周面)である。
本体部106は、電源スイッチ170と、流体入口172と、流体出口174とを有する。電源スイッチ170は、流体駆動部110に対する電源のオンとオフとを切り換える。流体入口172はホースを介して水栓に接続されている。流体出口174はホースを介して把持操作部104に接続されている。流体入口172及び流体出口174には、ホースとの接続を容易とする継手176が取り付けられている。これらの継手176は、本体部106に含まれない。
本体部106は、取っ手装着部150を覆うカバー180を有する。カバー180は、取っ手兼用部140が外れるのを防止しうる。
図5は、本体部106の側面図である。図6(a)は、本体部106の正面図である。図6(b)は、本体部106の背面図である。図4、図5、図6(a)及び図6(b)では、本体部106に取っ手兼用部140が取り付けられている。更に、図4、図5、図6(a)及び図6(b)では、本体部106にグリップ部112、先端部120及び先端部122が取り付けられている。
取っ手装着部150に取り付けられた取っ手兼用部140は、本体部106の外形寸法の範囲内に配置されている。本体部106の外形寸法は、本体部106の全体を包囲する直方体(包囲直方体)であって体積が最小のもの(最小包囲直方体)により画定される。図4、図5、図6(a)及び図6(b)には、この最小包囲直方体RP1が2点鎖線で示されている。取っ手装着部150に取り付けられた取っ手兼用部140の全体が、この最小包囲直方体RP1の内側に位置する。
なお、複数の最小包囲直方体RP1が存在する場合、全ての最小包囲直方体RP1が、取っ手装着部150に取り付けられた取っ手兼用部140の全体を包囲しているのが好ましい。
好ましくは、本体部106が水平面に載置された基準状態において、最小包囲直方体RP1を構成する6つの長方形のうちの1つが、前記水平面に面接触している。基準状態とは、本体部106が水平面上に安定的に載置され、且つ、取っ手兼用部140の全体が本体部106の重心よりも上側にある状態Xである。この状態Xが複数存在する場合、状態Xのうち、本体部106の重心が最も低い状態が、基準状態とされる。
なお、最小包囲直方体RP1の設定において、本体部106における可動部は、包囲直方体が最も小さくなる位置とされる。本体部106においてこの可動部はカバー180である。カバー180の動きについては、後述される。本体部106の重心の決定においても、この可動部は、最小包囲直方体RP1の体積を最小とする位置とされる。本実施形態では、最小包囲直方体RP1の設定において、可動部であるカバー180は第1位置P1とされる。第1位置P1については、後述される。
最小包囲直方体RP1の設定において、易変形部は、本体部106から除外される。易変形部とは、自重により変形する部分である。易変形部の例として、ホース及び電線が挙げられる。
このように、本体部106では、取っ手装着部150に取り付けられた取っ手兼用部140が、本体部106の外形寸法の範囲内に配置されている。更に、グリップ部112が、本体部106の外形寸法の範囲内に取り付けられている。更に、(第1の)先端部120が、本体部106の外形寸法の範囲内に取り付けられている。更に、(第2の)先端部122が、本体部106の外形寸法の範囲内に取り付けられている。把持操作部104の分割体の全てが、本体部106の外形寸法の範囲内に取り付けられている。
図6(a)及び図6(b)が示すように、取っ手装着部150に取り付けられた取っ手兼用部140は、本体部106の正面図及び背面図において見えない位置に配置されている。これらの図において、取っ手兼用部140は、第1端部130又は第2端部132に隠れている。中間部134は、本体部106の正面図及び背面図において見えない位置に配置されている。
ここで、最小包囲直方体RP1における最も長い辺の方向が、前後方向とされる。本体部106の正面図及び背面図は、この前後方向における本体部106の投影図である。本体部106の前方への投影像が投影像Pxとされ、本体部106の後方への投影像が投影像Pyとされるとき、投影像Pxは、正面図(図6(a))及び背面図(図6(b))の一方であり、投影像Pyは正面図(図6(a))及び背面図(図6(b))の他方である。
中間部134は、前記正面図及び前記背面図において視認されない。すなわち、中間部134は、投影像Px及び投影像Pyにおいて視認されない。取っ手装着部150に取り付けられた取っ手兼用部140は、前記正面図及び前記背面図において視認されない。すなわち、取っ手装着部150に取り付けられた取っ手兼用部140は、投影像Px及び投影像Pyにおいて視認されない。
巻き付け部162に巻き付けられることで、電源コード160は、本体部106の外形寸法の範囲内に配置されうる。取っ手兼用部140は、巻き付け部162に巻き付けられた160の外側に位置する。巻き付け部162に巻き付けられた電源コード160は、巻き付け部162と取っ手兼用部140との間に位置する。巻き付けが解けようとするとき、電源コード160が取っ手兼用部140に当たる。取っ手兼用部140は、電源コード160の巻き付けが解けるのを阻害している。
電源コード160の電線部160bのうち、巻き付け部162に巻き付けられている部分は、最小包囲直方体RP1に包囲されている。電源コード160は、その電線部160bの全体が最小包囲直方体RP1の内側に収まる状態で、巻き付け部162に巻き付けられうる。電源コード160は、その電線部160bの全体が前記投影像Px及び前記投影像Pyにおいて視認されない状態で、巻き付け部162に巻き付けられうる。電源コード160は、その全体が最小包囲直方体RP1の内側に収まる状態で、巻き付け部162に巻き付けられうる。電源コード160は、その全体が前記投影像Px及び前記投影像Pyにおいて視認されない状態で、巻き付け部162に巻き付けられうる。
図7(a)及び図7(b)は、本体部106の斜視図である。図7(a)及び図7(b)では、取っ手兼用部140が取り付けられておらず、グリップ部112、先端部120及び先端部122も取り付けられていない。また図7(a)及び図7(b)では、継手176が取り外されている。
図7(a)及び図7(b)は、カバー180の動きを示している。図7(a)では、カバー180は第1位置P1にある。図7(b)では、カバー180は第2位置P2にある。カバー180は、第1位置P1と第2位置P2との相互移行が可能な状態で、取っ手装着部150に取り付けられている。
取っ手装着部150は、第1装着部152と、第2装着部154とを有する。第1装着部152と第2装着部154とは、所定の離間距離をおいて配置されている。第1装着部152は、第1端部130側に設けられている。第2装着部154は、第2端部132側に設けられている。第1装着部152には、取っ手兼用部140の一端部が取り付けられる。第2装着部154には、取っ手兼用部140の他端部が取り付けられる。第1装着部152には、第1分割体116a及び第2分割体116bの一端部が取り付けられる。第2装着部154には、第1分割体116a及び第2分割体116bの他端部が取り付けられる。
カバー180は、第1カバー182と、第2カバー184とを有する。第1カバー182は、第1装着部152に取り付けられている。第2カバー184は、第2装着部154に取り付けられている。
図8(a)は、図7(a)のA−A線に沿った断面図である。図8(b)は、図7(b)のB−B線に沿った断面図である。なお、図8(a)及び図8(b)は第1カバー182の断面であるが、第2カバー184の断面も同じである。図9は、取っ手装着部150(第1装着部152、第2装着部154)の斜視図である。図10(a)はカバー180(第1カバー182、第2カバー184)の斜視図であり、図10(b)はカバー180(第1カバー182、第2カバー184)の右側面図であり、図10(c)はカバー180(第1カバー182、第2カバー184)の左側面図であり、図10(d)はカバー180(第1カバー182、第2カバー184)の底面図である。
前述の通り、カバー180は、図7(a)及び図8(a)に示される第1位置P1と、図7(b)及び図8(b)に示される第2位置P2とを採ることができる。カバー180は、第1位置P1と第2位置P2との相互移行が可能である。本実施形態では、第1位置P1は下側位置であり、第2位置P2は上側位置である。カバー180では、第1位置P1及び第2位置P2が保持されうる。カバー180の自重に抗して、第2位置P2が保持されうる。第1位置P1と第2位置P2との間の相互移行は、外力により達成される。典型的には、この外力は手から付与される。
第1位置P1と第2位置P2との間のカバー180の移動は、スライド移動である。取っ手装着部150とカバー180とはスライド係合している。このスライド係合は、スライド溝とスライド突起との係合である。図9が示すように、取っ手装着部150はスライド溝190を有している。図10(d)が示すように、カバー180はスライド突起192を有している。スライド溝190とスライド突起192とが係合している。カバー180は、その姿勢を維持したまま、第1位置P1と第2位置P2とを結ぶ方向(上下方向)にスライド移動しうる。
図8(a)及び図8(b)がよく示すように、取っ手装着部150は、第1受入れ部200と第2受入れ部202とを有する。第1装着部152及び第2装着部154のそれぞれが、第1受入れ部200と第2受入れ部202とを有する。第1受入れ部200と第2受入れ部202とは、互いに向き合っている。第1受入れ部200は、第2受入れ部202側に向かって凹む凹部を形成している。第2受入れ部202は、第1受入れ部200側に向かって凹む凹部を形成している。第1受入れ部200に、第1分割体116a又は第2分割体116bの一方が装着される。第2受入れ部202に、第1分割体116a又は第2分割体116bの他方が装着される。
図9が示すように、本体部106(取っ手装着部150)は、保持係合部210を有する。図9では第1受入れ部200側の保持係合部210のみが示されているが、第2受入れ部202側にも保持係合部210が設けられている(図8(a)及び図8(b)参照)。本実施形態の保持係合部210は、突起である。
図9が示すように、本体部106(取っ手装着部150)は、外れ止め係合部212を有する。図9では第1受入れ部200側の外れ止め係合部212のみが示されているが、第2受入れ部202側にも外れ止め係合部212が設けられている(図8(a)及び図8(b)参照)。本実施形態の外れ止め係合部212は、突起である。外れ止め係合部212は、保持係合部210の上側に設けられている。
図8(a)、図8(b)及び図10(a)が示すように、カバー180は、係合部214を有する。本実施形態では、係合部214は突起である。また、カバー180は、係合回避部216を有する。本実施形態では、係合回避部216は開口部(窓部)である。係合回避部216は、係合部214の上側に設けられている。
図7(a)及び図8(a)が示すように、カバー180が第1位置P1にあるとき、カバー180はスライド移動の下限位置にある。カバー180が第1位置P1にあるとき、保持係合部210は係合部214に係合していない。カバー180が第1位置P1にあるとき、外れ止め係合部212は係合部214に係合していない。
図7(b)及び図8(b)が示すように、カバー180が第2位置P2にあるとき、保持係合部210が係合部214に係合している。この係合により、カバー180の自重に抗して、カバー180の第2位置P2が維持される。第1位置P1にあるカバー180を第2位置P2側(上側)に動かすことで、係合部214は保持係合部210を乗り越えて、カバー180の自重により保持係合部210と当接する。カバー180の上限位置は、係合部214と外れ止め係合部212との係合により規制されている。係合部214と外れ止め係合部212との係合により、カバー180が取っ手装着部150から外れることが抑制されている。第1位置P1から第2位置P2までの間において、外れ止め係合部212とカバー180との係合は、係合回避部216によって回避されている。第1位置P1と第2位置P2との間のカバー180の移動は円滑である。
図10(a)から(d)が示すように、カバー180は、第1部分220と第2部分222とを有する。基準状態の本体部106において、第1部分220は中間部134の上側に位置する。基準状態の本体部106において、第2部分222は、端部130、132の上側に位置する。第1部分220は、カバー180が操作されるときに手によって持たれる部分となる。第2部分222は、第1部分220とは異なる外形を有する。本体部106が第1位置P1にあるとき、第2部分222の外形は端部130、132の外形に同調している。係合部214及び係合回避部216は、第1部分220に設けられている。
図11は、延在部116の斜視図である。図12(a)は第1分割体116aの側面図であり、図12(b)は第2分割体116bの側面図である。前述の通り、把持操作部104は、延在部116とこの延在部116以外の部分とに分解される。よって延在部116は、把持操作部104から分離される。更に延在部116は、第1分割体116aと第2分割体116bとに分割される。
このように、延在部116の複数の分割体は、第1分割体116aと第2分割体116bとを含む。本実施形態では、延在部116の分割数が2である。延在部116は分割できなくてもよい。延在部116の分割数は、3であってもよく、4以上であってもよい。この分割数は、把持操作部104における好ましい延在部116の長さと、取っ手兼用部140として好ましい長さとを考慮して決定されうる。
第1分割体116aは、非外形共通部230と、外形共通部232とを有する。外形共通部232の外面の断面形状は円である。非外形共通部230は、外形共通部232と異なる外形を有する。第1分割体116aの一端部(先端部)に、非外形共通部230が形成されている。非外形共通部230は、断面非円形の部分と、断面の外径が外形共通部232と異なる異径部とを含む。
第2分割体116bは、非外形共通部234と、外形共通部232とを有する。外形共通部232の外形は、第1分割体116aの外形共通部232と同じである。非外形共通部234は、外形共通部232と異なる外形を有する。第2分割体116bの一端部(先端部)及び他端部(後端部)に、非外形共通部234が形成されている。非外形共通部234は、断面非円形の部分と、断面の外径が外形共通部232と異なる異径部とを含む。
なお、第1当接部116の非外形共通部230と、第2分割体116bの先端側の非外形共通部234とは、同じ形状である。図面上では同じ形状に見えないが、これは図示における位相が90°相違しているためである。よって、第2分割体116bに先端部120を接続することができる。この結果、把持操作部は、第1分割体116aを除いた構成とすることも可能である。すなわち、グリップ部112の先端側に第2分割体116bを接続し、第2分割体116bの先端側に先端部120を接続することでも、把持操作部が構成されうる。この把持操作部は、図1に示される把持操作部104よりも短い。
図13は、取っ手装着部150の正面図である。図13は、本体部106の中心側から取っ手装着部150を見た図である。図13において2点鎖線で示されるのは、外形共通部232の外面である。取っ手兼用部140となる全ての分割体116a、116bにおいて、外形共通部232は共通の外形を有する。
外形共通部232は、少なくとも、分割体116a、116bの両端部に設けられている。外形共通部232は、取っ手兼用部140の一端部及び取っ手兼用部140の他端部に設けられている。本実施形態では、外形共通部232の外形が円周面である。
機能的観点からは、延在部116(第1分割体116a、第2分割体116b)は、パイプを構成する主部m1と、隣接部材と接続されるジョイント部j1とを有する。非外形共通部230、234は、ジョイント部j1である。第1分割体116aの両端部はジョイント部j1である。第2分割体116bの両端部はジョイント部j1である。
図8及び図9で説明した通り、取っ手装着部150は、第1受入れ部200と第2受入れ部202とを有する。第1受入れ部200に、第1分割体116a又は第2分割体116bの一方が装着される。第2受入れ部202に、第1分割体116a又は第2分割体116bの他方が装着される。
図9が示すように、第1受入れ部200は、嵌め込み部240を有する。また、第2受入れ部202は、嵌め込み部242を有する。嵌め込み部240は、嵌め込み部242側に向かって凹む凹部を形成している。嵌め込み部242は、嵌め込み部240側に向かって凹む凹部を形成している。嵌め込み部240、242は、弾性嵌合部244の例である。弾性嵌合部244は、弾性変形により拡げられて取っ手兼用部140を受け入れ、この弾性変形が元に戻ろうとする力(弾性回復力)により取っ手兼用部140を保持する。
図13が示すように、第1受入れ部200への分割体116a、116bの装着では、分割体116a、116bに、第2受入れ部202側への押圧力F11を付与する。
嵌め込み部240は、開口240aと、導入部240bと、くびれ部240cと、保持部240dとを有する。開口240aは、外形共通部232の外径よりも大きな幅を有している。導入部240bの幅は、開口240aからくびれ部240cに向かって徐々に狭くなっている。くびれ部240cの幅W1は、外形共通部232の外径よりも小さい。保持部240dは、くびれ部240cよりも奥側に位置している。保持部240dは、嵌め込み部240において最も奥側に位置する。嵌め込み部240の奥側は、嵌め込み部242側である。保持部240dは、外形共通部232の外面の断面形状に対応した略円弧形状を有している。外形共通部232は、開口240aから嵌め込み部240に入り、嵌め込み部240を弾性変形させてくびれ部240cの幅W1を拡げつつくびれ部240cを乗り越え、保持部240dに到達する。外形共通部232が保持部240dにある状態で、嵌め込み部240の弾性変形は完全に解消されていない。保持部240dの内寸は、外形共通部232の外径の1.0倍以上1.05倍以下に設定されるのが好ましい。保持部240dにある外形共通部232は、弾性力(弾性収縮力)により嵌め込み部240に保持されている。
第2受入れ部202への分割体116a、116bの装着では、分割体116a、116bに、第1受入れ部200側への押圧力F12を付与する。
嵌め込み部242は、開口242aと、導入部242bと、くびれ部242cと、保持部242dとを有する。開口242aは、外形共通部232の外径よりも大きな幅を有している。導入部242bの幅は、開口242aからくびれ部242cに向かって徐々に狭くなっている。くびれ部242cの幅W1は、外形共通部232の外径よりも小さい。保持部242dは、くびれ部242cよりも奥側に位置している。保持部242dは、嵌め込み部242において最も奥側に位置する。嵌め込み部242の奥側は、嵌め込み部240側である。保持部242dは、外形共通部232の外面の断面形状に対応した略円弧形状を有している。外形共通部232は、開口242aから嵌め込み部242に入り、嵌め込み部242を弾性変形させてくびれ部242cの幅W1を拡げつつくびれ部242cを乗り越え、保持部242dに到達する。外形共通部232が保持部240dにある状態で、嵌め込み部242の弾性変形は完全に解消されていない。保持部240dの内寸は、外形共通部232の外径の1.0倍以上1.05倍以下が好ましい。保持部242dにある外形共通部232は、弾性力により嵌め込み部242に保持されている。
このように、装着方向への押圧により、取っ手兼用部140は、取っ手装着部150を弾性変形させつつ取っ手装着部150に取り付けられる。装着性及び取り外し性と外れにくさとの観点から、くびれ部240c、242cの幅W1は、外形共通部232の外径の0.9倍以上0.95倍以下が好ましい。幅W1は、外形共通部232が保持部240d、242dに嵌め込まれていない状態で測定される。
このように、第1分割体116aは、第2分割体116b側に押圧されることで取っ手装着部150(第1装着部152、第2装着部154)に嵌め込まれている。また、第2分割体116bは、第1分割体116a側に押圧されることで、取っ手装着部150(第1装着部152、第2装着部154)に嵌め込まれている。取っ手装着部150に装着されるときの分割体116a、116bの移動方向が、装着方向とも称される。装着方向は、嵌め込み部240、242の奥側に向かう方向である。分割体116a、116bを装着方向に押圧する(押し込む)だけで、分割体116a、116bは受入れ部200、202に固定される。受入れ部200、202(嵌め込み部240、242)の弾性変形により、この嵌め込みが達成されている。また、分割体116a、116bを取り外し方向に引くだけで、分割体116a、116bは受入れ部200、202から取り外される。取り外し方向は、装着方向と逆の方向である。取っ手兼用部140は、装着方向に押圧することで取っ手装着部150に取り付けられている。取っ手兼用部140は、取り外し方向に引くことで取っ手装着部150から取り外される。
図9がよく示すように、第1受入れ部200は、非外形共通部230、234を収容しうる収容部250を有する。図9ではほとんど見えないが、第2受入れ部202も、収容部250を有する(図8(a)及び図8(b)参照)。外形共通部232が保持部240d、242dに保持された状態において、収容部250は非外形共通部230、234を収容しうる。各収容部250は、係止面250aを有している(図9参照)。
図12(a)及び図12(b)を参照して、取っ手兼用部140(第1分割体116a、第2分割体116b)の両端部のそれぞれは、外形共通部232と、外形共通部232よりも長手方向外側に位置する終端部252を有している。終端部252は、端面252aを有している。この長手方向とは、取っ手兼用部140の長手方向である。長手方向内側が取っ手兼用部140の中央側であり、長手方向外側は取っ手兼用部140の両端側である。非外形共通部230、234は、終端部252の例である。本実施形態では、終端部252はジョイント部j1である。終端部252の外形は、外形共通部232と異なっていても良いし、外形共通部232と同じであってもよい。これらの終端部252が、収容部250に収容される。嵌め込み部240,242における固定の確実性の観点から、収容部250は、終端部252における端面252a以外の部分に当接しないように構成されているのが好ましい。
図7(a)及び図8(a)が示すように、第1位置P1のカバー180は、取っ手装着部150(受入れ部200、202)の開口240a、242aを塞ぐ。第1位置P1のカバー180は、取り外し方向への分割体116a、116bの移動を防止しうる。一方、図7(b)及び図8(b)が示すように、第2位置P2では、取っ手装着部150(受入れ部200、202)の開口240a、242aが開放されている。カバー180は、分割体116a、116bの装着を阻害しない。このように、第1位置P1では、カバー180は取っ手兼用部140が取っ手装着部150から外れるのを阻止している。第2位置P2では、カバー180は取っ手装着部150への取っ手兼用部140の着脱を阻害しない。
[効果]
以上のような流体取扱装置100は、以下の効果を奏する。
流体取扱装置100では、把持操作部104の一部が本体部106の取っ手となる。このため、本体部106に取っ手部分を設ける必要がない。このため、部品点数が低減され、本体部106が軽量化される。
流体取扱装置100では、把持操作部104の一部である取っ手兼用部140は、本体部106の外形寸法の範囲内に配置されている。このため、取っ手装着部部分によって本体部106が大きくなることが抑制される。
流体取扱装置100では、把持操作部104の一部が本体部106の取っ手として利用される。このため、流体取扱装置100の収納時において把持操作部104が小さくなり、流体取扱装置100を収納するためのスペースを小さくすることができる。すなわち、流体取扱装置100の収納性が高まる。
取っ手部分の取り外しが可能であるため、本体部106の巻き付け部162への電源コード160の巻き付けが容易である。また、電源コード160の電線部160bを本体部106の外形寸法の範囲内に巻き付けることができる。よって、流体取扱装置100の収納性が高まる。
取っ手兼用部140は、巻き付け部162に巻き付けられた電源コード160の外側に位置する。電源コード160の巻き付けが解けようとすると、電源コード160は取っ手兼用部140に当たる。取っ手兼用部140により、電源コード160の巻き付けが解けにくい。
図13において両矢印S1で示されているのは、巻き付け部162と取っ手兼用部140との間の最短距離である。取っ手兼用部140の持ちやすさの観点から、距離S1は25mm以上が好ましく、30mm以上がより好ましく、35mm以上がより好ましい。取っ手兼用部140を本体部106の外形寸法の範囲内とする観点から、距離S1は、50mm以下が好ましく、45mm以下がより好ましく、40mm以下がより好ましい。なお上記実施形態では、最短距離S1は、取っ手兼用部140の長手方向の位置に関わらず一定である。このため、電源コード160の巻き付け位置に関わらず、持ちやすさの効果が奏される。
流体取扱装置100では、分解された延在部116が取っ手兼用部140として利用されている。このため、把持操作部104において延在部116の長さを確保しつつ、取っ手兼用部140の長さを調整することができる。
流体取扱装置100では、取っ手兼用部140を設置する際に、把持操作部104は、延在部116と延在部116以外の部分とに分解される。この分解により、無意識のうちに水抜きが達成される。更に、延在部116が分解されるため、水抜きが更に促進される。水抜きがなされると、凍結破損が防止される。更に、この分解では、グリップ部112及び先端部120も分離され、これらの部材でも水抜きが達成される。
流体取扱装置100では、2本の分割体116a、116bが取っ手として用いられている。このため、1本の延在部116が取っ手となっている場合に比較して、取っ手の剛性及び強度が高まる。換言すれば、延在部116に要求される剛性及び強度を抑制することができ、延在部116の設計自由度が向上する。この結果、延在部116の軽量化が可能となり、把持操作部104が軽量化されうる。
流体取扱装置100では、第1分割体116aと第2分割体116bとが互いに平行な状態で取っ手装着部150に装着されている。このため、延在部116が細くても、取っ手としての持ちやすい太さが確保されうる。この結果、延在部116の軽量化が可能となり、把持操作部104が軽量化されうる。
流体取扱装置100では、第1分割体116aと第2分割体116bとが互いに平行な状態で取っ手装着部150に装着されている。取っ手兼用部140が握られると、第1分割体116aが第2分割体116b側に向かう力F21を受け、第2分割体116bは第1分割体116a側に向かう力F22を受ける(図13参照)。これらの力F21及びF22の方向は、前記装着方向である。よって、取っ手兼用部140を把持することで分割体116a、116bの装着が確実となり、把持中における取っ手兼用部140の外れが防止される。
図4において両矢印D1で示されるのは、取っ手装着部150に装着された取っ手兼用部140の把持部横断幅である。幅D1は、第1装着部152と第2装着部154との間の部分において測定される。この把持部横断幅D1は、取っ手兼用部140の長手方向に対して垂直な断面において測定される(図13参照)。この断面において、取っ手兼用部140の全体を挟み込む互いに平行な2本の直線L1、L2が設定される(図13参照)。この直線L1と直線L2との間隔の最大値が、把持部横断幅D1である。握りやすさの観点から、横断幅D1は、25mm以上が好ましく、30mm以上がより好ましく、35mm以上がより好ましい。握りやすさの観点から、横断幅D1は、60mm以下が好ましく、50mm以下がより好ましく、40mm以下がより好ましい。
図4において両矢印D2で示されているのは、第1分割体116aと第2分割体116bとの間隔である。幅D2は、第1装着部152と第2装着部154との間の部分において測定される。この間隔D2が過小であると、第1受入れ部200と第2受入れ部202との間の壁部260(図8(a)及び図8(b)参照)が薄くなり、取っ手装着部150の強度が低下しうる。また、間隔D2を大きくすることで、延在部116が細い場合に、横断幅D1を好ましい値に設定することができる。これらの観点から、間隔D2は、2.5mm以上が好ましく、3.0mm以上がより好ましく、3.5mm以上がより好ましい。握りやすさの観点から、横断幅D2は、5.0mm以下が好ましく、4.5mm以下がより好ましく、4.0mm以下がより好ましい。ただし、取っ手装着部150の構造次第で、間隔D2を0mmとすることも可能である。
図4において両矢印D3で示されているのは、両側の弾性嵌合部244同士の間隔である。延在部116の長さを確保する観点及び握りやすさの観点から、間隔D3は、110mm以上が好ましく、130mm以上がより好ましく、150mm以上がより好ましい。間隔D3が過大であると、取っ手兼用部140に要求される剛性及び強度が過大となり、取っ手兼用部140の設計自由度が低下する。この観点から、間隔D3は、2200mm以下が好ましく、2150mm以下がより好ましく、2100mm以下がより好ましい。
図12(a)及び図12(b)において両矢印D4で示されるのは、延在部116の分割体(第1分割体116a、第2分割体116b)の長さ(長手方向長さ)である。取っ手装着部150への固定性の観点から、差(D4−D3)は、30mm以上が好ましく、40mm以上がより好ましく、50mm以上がより好ましい。本体部106の寸法を考慮すると、過大な長さD4は好ましくない。この観点から、差(D4−D3)は、120mm以下が好ましく、110mm以下がより好ましく、100mm以下がより好ましい。
第1分割体116aの長さと第2分割体116bの長さとは略同一であるのが好ましい。この長さの相違が大きい場合、第1分割体116aと第2分割体116bとを入れ替えて装着することができない場合が生じ、装着作業に分かりづらさが生ずる。第1分割体116aの長さD4がD41とされ、第2分割体116bの長さD4がD42とされるとき、D41/D42は0.95以上1.05以下が好ましく、0.98以上1.02以下がより好ましく、0.99以上1.01以下がより好ましく、1.00がより好ましい。
前述の通り、収容部250(取っ手装着部150)は係止面250aを有している(図9参照)。第1装着部152が第1の係止面250aを有しており、第2装着部154が第2の係止面250aを有している。取っ手兼用部140(第1分割体116a、第2分割体116b)が取っ手装着部150に装着された装着状態において、両側の係止面250aのいずれかに、両側の端面252aのいずれかが当接しうる。前記装着状態において、吐止水装置2は、以下の状態A及び状態Bを採りうる。
[状態A]:取っ手兼用部140(第1分割体116a、第2分割体116b)の第1の端面252aが第1の係止面250aに当接しており、第2の端面252aは第2の係止面250aに当接していない。
[状態B]:取っ手兼用部140(第1分割体116a、第2分割体116b)の第2の端面252aが第2の係止面250aに当接しており、第1の端面252aは第1の係止面250aに当接していない。
前記装着状態において、取っ手兼用部140の長手方向位置には、自由度がある。前記装着状態において、取っ手兼用部140は、前記状態Aにあるときの第1位置と、前記状態Bにあるときの第2位置と、前記第1位置と前記第2位置との間の中間位置とを採りうる。取っ手兼用部140が前記第1位置から前記第2位置までのどの位置にあっても、外形共通部232は嵌め込み部240、242に係合している。取っ手兼用部140の位置に前記第1位置から前記第2位置までの自由度があるため、取っ手兼用部140の装着容易性が高められている。また、両側の係止面250aにより取っ手兼用部140の位置範囲が規制されているため、取っ手兼用部140は外れにくい
流体取扱装置100では、第1分割体116aと第2分割体116bとで外形が共通する部分(外形共通部232)が嵌め込み部240、242に嵌め込まれる。このため、第1分割体116aを第1受入れ部200及び第2受入れ部202のいずれにも装着することができ、第2分割体116bも第1受入れ部200及び第2受入れ部202のいずれにも装着することができる。また、この外形共通部232を第1分割体116a及び第2分割体116bの両端部に設けているため、取っ手装着部150に装着される際の第1分割体116a及び第2分割体116bの向きは限定されない。よって、分割体116a、116bは、その向き及び位置を制約されることなく、取っ手装着部150に装着されうる。
取っ手装着部150(受入れ部200、202)に収容部250が設けられている。収容部250に、終端部252が収容されうる。終端部252として、ジョイント部j1のような異形部分が構成されうるが、この異形部分が嵌め込み部240、242に当接することが回避される。よって、外形共通部232が嵌め込み部240、242に嵌め込まれうる。
カバー180は、取っ手兼用部140の不意な脱落を防止する。取っ手兼用部140を把持して本体部106を持ち上げる通常の使用状態では、取っ手兼用部140が脱落する方向への力は作用しない。しかし、不意な衝突等により、取っ手兼用部140に取り外し方向への力が作用しうる。この場合でも、カバー180は、取っ手兼用部140の脱落を防止しうる。また、カバー180は、第2位置P2を維持できるため、取っ手兼用部140の取り付けの邪魔にならない。
グリップ部112の外郭を構成する外郭部材の材質として、樹脂(繊維強化樹脂を含む)及び金属が挙げられる。流体取扱装置100の使用では、把持操作部104を振る動作など、グリップ部112に力が掛かる動作がなされる。グリップ部112には、この力の耐えうる強度が要求される。この観点から、比較的強度が高い樹脂及び繊維強化樹脂が好ましく用いられる。好ましい樹脂として、ポリフェニレンサルファイド(PPS)が挙げられる。好ましい繊維強化樹脂として、ガラス繊維強化ABS樹脂が挙げられる。ABSは、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体を意味する。上記実施形態では、ガラス繊維強化ABS樹脂が用いられた。
延在部116の主部m1の材質として、樹脂(繊維強化樹脂を含む)及び金属が挙げられる。流体取扱装置100の使用では、把持操作部104を振る動作など、延在部116に力が掛かる動作がなされる。また、延在部116が軽いことで、把持操作部104を振りやすくなり、把持操作部104の取り扱い性が高まる。延在部116には長くても軽く且つ強度を有する材質が好ましい。この観点から、延在部116の材質として、アルミニウム合金及びCFRP(炭素繊維強化プラスチック)が好ましい。上記実施形態では、アルミニウム合金が用いられた。
先端部120のノズル部分の材質として、樹脂(繊維強化樹脂を含む)及び金属が挙げられる。成形性を考慮すると、樹脂が好ましい。水圧に耐えうる強度とコストとの兼ね合いの観点から、ABS樹脂がより好ましい。上記実施形態では、ABS樹脂が用いられた。
嵌め込み部240、242の材質として、樹脂(繊維強化樹脂を含む)及び金属が挙げられる。嵌め込みにおける弾性変形の観点から、樹脂が好ましい。嵌め込み部240、242は、本体部106の重量を支える必要があるため、本体部106の筐体部又は構造部等と一体であるのが好ましい。嵌め込み部240、242を含む成型部材の体積は大きくなる場合、材料コストを下げるのが好ましい。本体部106に作用する重力に耐えうる強度とコストとの兼ね合いの観点から、PP(ポリプロピレン)が好ましい。上記実施形態では、PP(ポリプロピレン)が用いられた。
カバー180の材質として、樹脂(繊維強化樹脂を含む)及び金属が挙げられる。第1位置P1と第2位置P2との切替の際の弾性変形を考慮すると、樹脂が好ましい。カバー180には、取っ手兼用部140の不意な脱落を防止するための強度が要求される。この強度とコストとの兼ね合いの観点から、PP(ポリプロピレン)が好ましい。上記実施形態では、PP(ポリプロピレン)が用いられた。
[流体]
流体取扱装置で吐出又は吸引される流体として、液体及び気体が挙げられる。液体として、水、薬液、液体燃料が例示される。薬液として、農薬含有液、肥料含有液及び消毒液が例示される。農薬含有液として、殺虫剤含有液、殺菌剤含有液及び除草剤含有液が例示される。液体燃料として、ガソリン、灯油、軽油及び重油が例示される。気体として、空気及び水蒸気が例示される。
[流体取扱装置]
流体取扱装置として、散水機、洗浄機、液体移送装置、掃除機及び噴霧器が例示される。散水機と洗浄機とは、共に水を吐出できるものであり、用途、吐出時の水圧によって区別されうる。上記実施形態のように、散水機と洗浄機とを兼ねた装置であってもよい。洗浄機として、中圧洗浄機及び高圧洗浄機が例示される。液体移送装置として、液体燃料を容器(18リットル缶、ドラム缶等)から暖房機のタンクに移送する装置が例示される。掃除機の典型例は、電気掃除機である。掃除機として、真空洗浄機及びスチームクリーナーが例示される。また、掃除機(特に真空掃除機)のタイプとして、キャニスター型及びハンディー型が例示される。噴霧器として、蓄圧式及びポンプ式が例示される。蓄圧式噴霧器は、手動式であってもよいし、自動式であってもよい。
[流体駆動部]
流体駆動部として、ポンプ、送風機、加圧機構部と圧力室とを備えた蓄圧機構部、等が挙げられる。流体駆動部は、タービン、プロペラ等を有している装置であってもよい。流体駆動部は、手動であってもよいし、自動であってもよい。自動の場合の動力源として、電気モーター及びエンジンが例示される。
[本体部]
本体部は、2以上に分離していない一部材であってもよいし、2以上に分離していてもよい。上述した実施形態のように、本体部102が2以上に分離している場合、本体部108(第2の本体部)に取っ手兼用部140が取り付けられてもよい。
上記実施形態では、取っ手兼用部140の両端部が取っ手装着部150に支持されているが、この形態に限定されない。例えば取っ手兼用部140は、片持ち状態で取っ手装着部150に取り付けられてもよい。取っ手兼用部140及び取っ手装着部150の強度及び剛性の観点から、取っ手兼用部140の両端部が取っ手装着部150に支持されるのが好ましい。上記実施形態では、取っ手兼用部140が円弧形状の凹部に嵌め込まれているが、この形態に限定されない。例えば取っ手装着部150が断面円形の孔を有しており、この孔に挿入されることで取っ手兼用部140が固定されてもよい。この場合、孔の直径を調整することで、取っ手装着部150が孔に嵌め込まれた状態とすることができる。
以下の付記は、本開示に含まれる発明の一部である。
[付記1]
流体を吐出又は吸引する流体取扱装置であって、
流体を駆動する流体駆動部を備えた本体部と、前記本体部に接続されている把持操作部とを有しており、
前記把持操作部が、グリップ部と、前記流体が吐出又は吸引される流体口と、前記グリップ部と前記流体口との間に延びる延在部とを有しており、
前記把持操作部の少なくとも一部が、前記本体部に取り付けられて前記本体部の取っ手となる取っ手兼用部でもあり、
前記本体部が、前記取っ手兼用部を取り外し可能に取り付けうる取っ手装着部を有する流体取扱装置。
[付記2]
前記取っ手装着部に取り付けられた前記取っ手兼用部が、前記本体部の外形寸法の範囲内に配置されている付記1に記載の流体取扱装置。
[付記3]
前記取っ手兼用部が、装着方向に押圧することで前記取っ手装着部の弾性嵌合部に取り付けられ、前記装着方向とは逆方向である取り外し方向に引くことで前記弾性嵌合部から取り外される付記1又は2に記載の流体取扱装置。
[付記4]
第1位置と第2位置との相互移行が可能なカバーを更に有しており、
前記第1位置では、前記カバーは前記取っ手兼用部が前記取っ手装着部から外れるのを阻止しており、
前記第2位置では、前記カバーは前記取っ手装着部への前記取っ手兼用部の着脱を阻害しない付記1から3のいずれか1項に記載の流体取扱装置。
[付記5]
前記把持操作部が、前記延在部と前記延在部以外の部分とに分解されるように構成されており、
前記延在部の少なくとも一部が、前記取っ手兼用部である付記1から4のいずれか1項に記載の流体取扱装置。
[付記6]
前記延在部が、複数の分割体に分割されるように構成されており、
前記複数の分割体の少なくとも1つが前記取っ手兼用部である付記5に記載の流体取扱装置。
[付記7]
前記複数の分割体の全てが前記取っ手兼用部である付記6に記載の流体取扱装置。
[付記8]
前記複数の分割体が、第1分割体と第2分割体とを含んでおり、
前記第1分割体及び前記第2分割体が、前記取っ手兼用部であり、
前記第1分割体と前記第2分割体とが、互いに平行な状態で前記取っ手装着部に装着される付記6又は7に記載の流体取扱装置。
[付記9]
前記第1分割体が、前記第2分割体側に押圧されることで前記取っ手装着部に嵌め込まれ、
前記第2分割体が、前記第1分割体側に押圧されることで前記取っ手装着部に嵌め込まれる付記8に記載の流体取扱装置。
[付記10]
前記取っ手装着部が、前記取っ手兼用部の一端部が取り付けられる第1装着部と、前記取っ手兼用部の他端部が取り付けられる第2装着部とを有しており、
前記第1装着部及び前記第2装着部のそれぞれが、嵌め込み部と収容部とを有しており、
前記取っ手兼用部の一端部及び前記取っ手兼用部の他端部が、外形共通部と、外形共通部よりも長手方向外側に位置する終端部とを有しており、
前記外形共通部が前記嵌め込み部に嵌め込まれ、前記終端部が前記収容部に収容される付記1から9のいずれか1項に記載の流体取扱装置。
[付記11]
前記本体部から延びる電源コードを更に有しており、
前記本体部が、前記電源コードを巻き付けることができる巻き付け部を有しており、
前記取っ手兼用部が、前記巻き付け部に巻き付けられた前記電源コードの外側に位置する付記1から10のいずれか1項に記載の流体取扱装置。
[付記12]
前記流体が水であり、
前記流体駆動部が加圧ポンプであり、
前記把持操作部が吐水ノズルである付記1から11のいずれか1項に記載の流体取扱装置。
本願には、請求項(独立形式請求項を含む)に係る発明に含まれない他の発明も開示されている。本願の請求項及び実施形態に記載されたそれぞれの形態、部材、構成及びそれらの組み合わせは、それぞれが有する作用効果に基づく発明として認識される。
前記各実施形態で示されたそれぞれの形態、部材、構成等は、これら実施形態の全ての形態、部材又は構成をそなえなくても、個々に、本願請求項に係る発明をはじめとした、本願記載の全発明に適用されうる。