(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、実質的に同じ構成要素には、同じ符号が付される。
図1は、実施の形態1にかかる車両1を示す図である。車両1は、後方カメラ2と、前方カメラ3と、側面カメラ4と、表示制御装置100とを有する。後方カメラ2は、車両1の後部に設置されており、路面90を含む車両1の後方を撮影する。前方カメラ3は、車両1の前方に設置されており、路面90を含む車両1の前方を撮影する。側面カメラ4は、車両1の左右それぞれに設置されており、路面90を含む車両1の左方及び右方を撮影する。したがって、後方カメラ2、前方カメラ3及び側面カメラ4は、車両1の周囲を撮影するカメラである。なお、実施の形態1においては、前方カメラ3及び側面カメラ4は、必ずしも必要ではない。
表示制御装置100は、車両1の任意の位置に設けられ得る。表示制御装置100は、CAN(Control Area Network)に接続され得る。表示制御装置100は、後方カメラ2等によって撮影された映像に、現在の車両1からの距離又は将来の車両1の位置からの距離を示す距離を示す距離表示線を重畳するように制御を行う。詳しくは後述する。なお、このことは、後述する他の実施の形態においても同様である。
図2は、実施の形態1にかかる車両1の内部を示す図である。図2は、車両1の内部の運転室を運転席から車両1の前方向に見た図である。車両1は、ステアリングホイール10、ダッシュボード12、ウィンドシールド14、センターコンソール16、車両の走行速度及びエンジン回転数などを表示するクラスターパネル18などを有する。また、センターコンソール16には、ナビゲーション画面などを表示するセンター表示部20が設けられていてもよい。車両1には、クラスターパネル18の上部に、ヘッドアップディスプレイにより映像が表示されるヘッドアップディスプレイ表示部22が設けられていてもよい。ヘッドアップディスプレイがコンバイナ型である場合、ヘッドアップディスプレイ表示部22はコンバイナである。また、ヘッドアップディスプレイがウィンドシールド14に虚像を表示する場合、ヘッドアップディスプレイ表示部22は、ウィンドシールド14において虚像が提示される領域である。また、車両1は、リヤビューモニタ24を有してもよい。リヤビューモニタ24は、一般的な車両における後方確認用のリヤビューミラーと同様の位置、すなわち、ウィンドシールド14の上部中央付近に配置されている。
図3は、実施の形態1にかかる表示制御装置100及び表示制御装置100を有する表示装置40の構成を示す図である。表示装置40は、後方カメラ2と、認識辞書42と、表示部50と、表示制御装置100とを有する。表示制御装置100は、後方カメラ2、認識辞書42及び表示部50と通信可能に接続されている。
表示制御装置100は、車両情報取得部102と、映像データ取得部106と、映像処理部110と、表示制御部120とを有する。また、映像処理部110は、物体検出部112と、表示映像生成部114とを有する。なお、表示装置40の少なくとも1つの構成要素又は全ての構成要素は、車両1に組み込まれていてもよいし、車両1から取り外して携帯可能であってもよい。このことは、後述する他の実施の形態においても同様である。
認識辞書42は、例えばメモリ等の記憶装置である。認識辞書42は、物体検出部112が映像データから物体を検出するために必要な辞書データを記憶する。辞書データは、画像認識処理により車両1の目標位置を規定する物体を映像データから認識するためのデータである。例えば、認識辞書42は、この「車両1の目標位置を規定する物体」として、駐車枠線、駐車区画線、縁石、他の車両又は壁等の障害物などといった物体に関する辞書データを記憶している。なお、以下、「車両1の目標位置」が駐車区画である場合、つまり、車両1が駐車区画内に駐車を行う場合、「車両1の目標位置を規定する物体」を、駐車区画の境界である区画境界と称する。言い換えると、「区画境界」は、上記の駐車枠線、駐車区画線、縁石、他の車両又は壁等の障害物などを含み得る。
表示部50は、後方カメラ2によって撮影された映像を表示する。表示部50は、例えば、リヤビューモニタ24、クラスターパネル18、センター表示部20又はヘッドアップディスプレイ表示部22によって実現され得る。また、表示部50は、表示制御装置100と通信可能なスマートフォン又はタブレット端末等の携帯端末装置によって実現されてもよい。また、表示制御装置100は、例えばセンターコンソール16等に内蔵されたコンピュータ装置であってもよいし、上述した携帯端末装置であってもよい。
表示制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、メモリ等の記憶装置、ユーザインタフェース及び各種周辺回路によって構成されている。つまり、表示制御装置100は、コンピュータとしての機能を有する。また、表示制御装置100は、記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサが実行することによって、車両情報取得部102、映像データ取得部106、映像処理部110及び表示制御部120といった構成要素を実現する。また、表示制御装置100の各構成要素は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。また、表示制御装置100の各構成要素は、例えばFPGA(field-programmable gate array)又はマイコン等の、使用者がプログラミング可能な集積回路を用いて実現してもよい。この場合、この集積回路を用いて、上記の各構成要素から構成されるプログラムを実現してもよい。このことは、後述する他の実施の形態においても同様である。
車両情報取得部102は、車両1の動作に関する車両情報を、CAN及び舵角センサ等から取得する。具体的には、車両情報取得部102は、CAN等からリバースギアが選択された旨を示す情報である後退動作情報を取得する。このとき、車両情報取得部102は、この後退動作情報を映像処理部110に対して出力する。
また、車両情報取得部102は、CAN又は舵角センサ等からの信号を取得することで、車両1の車輪における操舵角を示す操舵角情報を取得する。なお、操舵角情報は、操舵角度を示す情報に加えて、右又は左といった操舵方向を示す情報も含む。なお、操舵角情報は、ステアリングホイール10の操舵角を示してもよい。車両情報取得部102は、取得した操舵角情報を映像処理部110に対して出力する。特に、車両情報取得部102は、車両1の停止時または後退動作時における操舵角情報を取得する。
映像データ取得部106は、後方カメラ2からの映像データを取得する。映像データ取得部106は、取得した映像データを、映像処理部110に対して出力する。ここで、映像データは、後方カメラ2により車両1の後方が撮影された映像を示すデータである。なお、車両1が後退動作により駐車区画に駐車する際に撮影された映像は、駐車区画を示す画像、及び、駐車区画の境界である区画境界を示す画像を含み得る。
また、駐車区画とは、車両1が駐車可能な駐車スペースであり得る。例えば、路面90に描かれた白線等の駐車区画線によって駐車区画が仕切られていてもよい。この場合、区画境界つまり「車両1の目標位置を規定する物体」は、路面90に描かれた駐車区画線に対応する。また、駐車区画は、駐車区画線によって仕切られていなくてもよく、壁等の障害物で仕切られていてもよい。この場合、区画境界つまり「車両1の目標位置を規定する物体」は、障害物に対応する。また、駐車区画は、物理的に仕切られている必要はなく、単に、車両1を駐車するために十分な空間であってもよい。この場合、区画境界つまり「車両1の目標位置を規定する物体」は、隣に駐車している他の車両等に対応する。なお、駐車区画線によって駐車スペースが仕切られている場合であっても、隣の駐車スペースに駐車した他の車両が駐車区画線からはみ出して駐車していることがある。この場合、区画境界つまり「車両1の目標位置を規定する物体」は、駐車区画線からはみ出して駐車している他の車両に対応する。なお、以下、「障害物」は、壁等の、駐車区画の近傍に固定された物体だけでなく、他の車両等を含み得る。
映像処理部110は、車両情報取得部102から後退動作情報を取得したときに、表示部50に表示させる映像を示す表示映像データを生成するための処理を行う。そして、映像処理部110は、生成された表示映像データを、表示制御部120に対して出力する。
物体検出部112は、映像データ取得部106によって取得された映像データから、認識辞書42に記憶された辞書データを用いて、車両1の目標位置を規定する物体を検出する。ここで、「目標位置」が駐車区画である場合、物体検出部112は、辞書データを用いて映像データから区画境界を検出する。そして、物体検出部112は、検出された物体を示す検出データを、表示映像生成部114に対して出力する。
具体的には、物体検出部112は、画像認識処理により、映像データから物体つまり区画境界を認識する。区画境界の認識は、既存の様々な方法によって行われ得る。例えば、物体検出部112は、映像データに対してエッジ検出を行って、映像データ内に含まれるオブジェクトを認識してもよい。物体検出部112は、認識辞書42に記憶された辞書データと、映像データ内のオブジェクトとを比較して駐車区画線及び車両等を認識することで、区画境界を抽出してもよい。また、駐車区画が白線である場合、物体検出部112は、映像データから白線を認識することで、区画境界を検出してもよい。
なお、物体検出部112は、映像データから駐車区画を認識してもよい。駐車区画の認識は、既存の様々な方法によって行われ得る。例えば、物体検出部112は、区画境界によって形成される矩形の領域を、駐車区画と認識してもよい。また、物体検出部112は、映像データ取得部106によって取得された映像データではなく、後述する表示映像生成部114によって生成された表示映像データから、認識辞書42に記憶された辞書データを用いて、車両1の目標位置を規定する物体を検出してもよい。
表示映像生成部114は、映像データ取得部106によって取得された映像データに、ガイド線を重畳させた表示映像データを生成する。そして、表示映像生成部114は、生成された表示映像データを、表示制御部120に対して出力する。
ここで、ガイド線は、予想進路線、後退予測軌跡、又は予想軌跡線などと言い換えることができる。ガイド線は、車両1の幅に対応し車両1の後退動作に応じて描画される。つまり、表示映像データにおいて、ガイド線の幅は、車両1の幅に対応する。そして、ガイド線は、車両1の後退動作の軌跡の予測を示している。言い換えると、ガイド線は、車両情報取得部102によって取得された操舵角情報によって示される操舵角で車両1が後退動作を行った場合の、車両1の左端及び右端の路面90における予想軌跡を示している。したがって、表示映像生成部114は、操舵角情報に応じて、ガイド線の形状を決定する。
さらに、ガイド線は、車両1からの予め定められた距離を示す距離表示線を含んでもよい。また、ガイド線は、予想軌跡における位置からの予め定められた距離を示す距離表示線を含んでもよい。つまり、ガイド線は、車両1の予想軌跡を示すとともに、車両1から、区画境界等の映像データにおける各オブジェクトまでの、現在及び将来の距離を示す。詳しくは後述する。
また、表示映像生成部114は、物体検出部112によって検出された物体つまり区画境界の位置が距離表示線の位置に近づいた場合に、その距離表示線の位置よりも車両に近い距離の位置を示す補助線を、映像データにさらに重畳させた表示映像データを生成する。ここで、「補助線」は、上記のガイド線だけでは区画境界までの距離を適切に把握できないおそれがあるため、適切に距離の把握を行うことを補助するための線である。詳しくは後述する。なお、表示映像生成部114は、操舵角情報に応じて、補助線の形状も決定し得る。このとき、補助線の形状は、ガイド線の形状に対応し得る。
表示制御部120は、映像処理部110の表示映像生成部114から、表示映像データを受け付ける。そして、表示制御部120は、表示映像生成部114によって生成された表示映像データによる映像を、表示部50に表示させるように制御を行う。なお、後述するように、表示映像生成部114は、映像データにおける距離表示線と区画境界つまり物体との距離に応じて、補助線を表示映像データに重畳するように処理を行う。したがって、表示制御部120の制御によって表示される表示映像データにおいて、補助線の有無は、距離表示線と区画境界との位置関係に応じて異なり得る。
図4は、実施の形態1にかかる表示制御装置100によって実行される表示制御方法を示すフローチャートである。また、図5〜図8は、車両1が後方に直進する場合に表示映像生成部114によって生成される表示映像データに関する映像を例示する図である。また、図9〜図10は、車両1がある操舵角で後退する場合に表示映像生成部114によって生成される表示映像データに関する映像を例示する図である。以下、図5〜図8に示された例を用いて図4に示すフローチャートの説明を行う。
車両情報取得部102が車両1の後退動作を検出すると(ステップS100のYES)、車両情報取得部102は、車両1の操舵角を示す操舵角情報を取得する(ステップS102)。また、映像データ取得部106は、後方カメラ2からの映像データを取得する(ステップS104)。
表示映像生成部114は、映像データ取得部106によって取得された映像データに、距離表示線を含むガイド線を重畳させた表示映像データを生成する(ステップS106)。図5は、実施の形態1にかかる表示映像生成部114によって生成された表示映像データによって示される後方映像52を例示する図である。図5は、表示部50が、駐車区画に向かって車両1が後方に直進している状態を示す後方映像52を表示した様子を例示している。
後方映像52は、路面90と、駐車区画60と、駐車区画60の左側に位置する区画境界62Lと、駐車区画60の右側に位置する区画境界62Rと、駐車区画60の後方に位置する区画境界62Aとを含む。これらの駐車区画60、区画境界62L、区画境界62R及び区画境界62Aを示すデータは、映像データ取得部106によって取得された映像データに含まれる。なお、以下、区画境界62L、区画境界62R及び区画境界62Aを区別しないで説明する場合に、単に区画境界62と称する。このことは、以下で説明するガイド線についても同様である。
後方映像52は、左側の予想軌跡線202L及び右側の予想軌跡線202Rを含むガイド線200を含む。つまり、ガイド線200は、縦線で形成された一対の予想軌跡線202を含む。このガイド線200は、操舵角情報に応じて、表示映像生成部114によって描画される。なお、後方映像52は車両1の後方の映像であるので、予想軌跡線202Lは、車両1の右端の予想軌跡に対応し、予想軌跡線202Rは、車両1の左端の予想軌跡に対応する。
また、ガイド線200は、現在の車両1の後端からの距離を示す距離表示線204A,204B,204C,204Dを含む。つまり、ガイド線200は、横線で形成され車両1からの予め定められた距離を示す距離表示線204を含む。距離表示線204Aは、車両1の後端から距離Daの位置を示す。同様に、距離表示線204B,204C,204Dは、それぞれ、車両1の後端から距離Db,距離Dc,距離Ddの位置を示す。例えば、距離Da,距離Db,距離Dc,距離Ddは、それぞれ、0.4m,1.0m,2.0m,3.0mである。なお、距離表示線204の数は任意である。
なお、予想軌跡線202Lは、車両1の予想軌跡において、車両1の右側面から0.0mの距離を示す。同様に、予想軌跡線202Rは、車両1の予想軌跡において、車両1の左側面から0.0mの距離を示す。したがって、予想軌跡線202L及び予想軌跡線202Rも、距離表示線であるといえる。このことは、後述する実施の形態2にかかる予想軌跡線についても同様である。
このように、後方映像52にガイド線200が含まれることによって、運転者は、現在の操舵角で車両1が後退したときの車両1の予想軌跡を把握することが可能となる。また、距離表示線204が表示されていることによって、運転者は、車両1の後端から区画境界62Aまでのおおよその距離を把握することが可能となる。
物体検出部112は、映像データ取得部106によって取得された映像データから、駐車区画の区画境界、つまり「車両1の目標位置を規定する物体」を抽出する(ステップS108)。図5の例では、物体検出部112は、後方映像52に関する映像データから、区画境界62L、区画境界62R及び区画境界62Aを抽出する。
次に、表示映像生成部114は、距離表示線Nに対応する位置に、区画境界62の位置が近づいたか否かを判断する(ステップS112)。ここで、距離表示線Nは、距離表示線204A,204B,204C,204Dのいずれかである。好適には、距離表示線Nは、区画境界62に対して車両1の側つまり手前側にある距離表示線204である。さらに好適には、距離表示線Nは、区画境界62に対して車両1の側つまり手前側にある複数の距離表示線204の位置のうち、区画境界62の位置に最も近い位置に対応する距離表示線204(第1の距離表示線)である。なお、図5の例では、表示映像生成部114は、区画境界62Aの位置が、車両1の進行方向に沿って距離表示線204Dに対応する位置に近づいたか否かについて判断する。また、「距離表示線Nに対応する位置」とは、実際の路面90において、車両1の後端から距離表示線Nが示す距離の位置のことをいう。例えば、距離表示線204Dに対応する位置とは、車両1の後端から距離Dd(=2.0m)の位置のことをいう。
ここで、表示映像生成部114は、区画境界62Aの位置と距離表示線Nに対応する位置との距離ΔDnが予め定められた閾値Dth以下となったと判断された場合、つまりΔDn≦Dthとなった場合に、距離表示線Nの位置に、区画境界62の位置が近づいたと判断する。言い換えると、表示映像生成部114は、ΔDn≦Dthとなったか否かを判断する(S112)。つまり、表示映像生成部114は、物体検出部112によって検出された物体つまり区画境界62の位置と距離表示線Nに対応する位置との距離が予め定められた第1の閾値以下となったか否かを判断する。
なお、距離表示線Nが示す距離、つまり車両1の後端から距離表示線Nに対応する位置までの距離をDnとし、車両1の後端から区画境界62Aまでの距離をDxとすると、ΔDn=Dx−Dnである。例えば、距離表示線Nが距離表示線204Dである場合、ΔDn=Dx−Ddである。また、ΔDnは、区画境界62の位置と距離表示線204の位置との間の距離の最小値、つまり、区画境界62の位置と距離表示線204の位置とが最も近い箇所における距離であってもよい。
また、閾値Dthは、各距離表示線204について一定でなくてもよく、距離表示線204ごとに異なってもよい。つまり、距離表示線204Aに関する閾値Dthと、距離表示線204Dに関する閾値Dthとは、互いに異なってもよい。なお、距離表示線204Dに関する閾値Dthは、例えば0.2mであってもよい。つまり、Da=3.0mの例において、車両1の後端から区画境界62Aまでの距離Dxが3.2mとなった場合に、表示映像生成部114は、距離表示線Nに対応する位置に、区画境界62が近づいたと判断してもよい。
なお、表示映像生成部114は、ΔDn≦Dthであるか否かの判断を、画像処理によって行ってもよい。例えば、表示映像生成部114は、表示映像データにおける区画境界62の画像と距離表示線Nの画像との間の画素数から、ΔDnを算出してもよい。ここで、遠近法により、奥行きの位置に応じて、画素数と距離との関係は変わってくる。したがって、表示映像生成部114は、表示映像データにおいて、奥行きに応じて画素数と距離との関係を記憶してもよい。さらに、表示映像生成部114は、各距離表示線204の近傍の画素数とその距離表示線204に対応する位置の実際の距離との関係を記憶しておいてもよい。そして、表示映像生成部114は、表示映像データにおいて、区画境界62の画像と距離表示線Nの画像との間の画素数をカウントし、その画素数に応じて、ΔDnを算出してもよい。
距離表示線Nに対応する位置に区画境界62が近づいていないと判断された場合、つまりΔDn≦Dthとなっていないと判断された場合(S112のNO)、後述するS114の処理は行われないで、処理はS116に進む。一方、距離表示線Nに対応する位置に区画境界62が近づいたと判断された場合、つまりΔDn≦Dthとなったと判断された場合(S112のYES)、表示映像生成部114は、距離表示線Nの位置よりも車両1に近い距離の位置に、補助線を重畳する(ステップS114)。つまり、表示映像生成部114は、このとき、距離表示線Nの位置よりも車両1に近い距離の位置を示す補助線を、映像データにさらに重畳させた表示映像データを生成する。そして、表示制御部120は、表示映像生成部114によって生成された表示映像データによる映像を、表示部50に表示させる(ステップS116)。
図5の例では、区画境界62Aに最も近づいた距離表示線204は、距離表示線204Dである。したがって、表示映像生成部114は、距離表示線204Dに対応する位置と区画境界62Aの位置との距離ΔDnを算出する。そして、表示映像生成部114は、ΔDn>Dthである、つまり距離表示線204Dに対応する位置に区画境界62Aが近づいていないと判断する(S112のNO)。したがって、図5の例では、表示映像生成部114は、映像データに補助線を重畳させていない。
図6は、図5に示した状態よりも車両1がさらに後退した状態を示した後方映像52を例示する図である。図6に示した状態では、図5に示した状態よりも、区画境界62Aの位置が距離表示線204Dの位置に近づいている。ここで、表示映像生成部114は、距離表示線204Dに対応する位置と区画境界62Aの位置との距離ΔDnを算出し、その結果、ΔDn≦Dthであったとする。
この場合、S112の処理で、表示映像生成部114は、ΔDn≦Dthであると判断する。つまり、表示映像生成部114は、距離表示線204Dに対応する位置に区画境界62が近づいたと判断する(S112のYES)。したがって、表示映像生成部114は、距離表示線204Dの位置よりも車両1に近い距離の位置を示す補助線300Dを重畳させる(S114)。ここで、補助線300Dの表示形態は、距離表示線204の表示形態とは異なるようにしてもよい。図6の例では、距離表示線204が実線であるのに対し、補助線300Dは破線で示されている。また、補助線300Dの太さを、距離表示線204よりも細くしてもよい。このことは、他の補助線300及び他の実施の形態にかかる補助線についても同様である。
このように、補助線300Dが重畳されることによって、区画境界62Aの近傍において車両1の後端からの距離を示す線が多く表示されることとなる。したがって、運転者は、車両1の後端から区画境界62Aまでの距離を、ある程度、定量的に把握することができる。つまり、運転者は、車両1の後端が区画境界62Aまでどれくらい近づいたかを、ある程度、定量的に把握することができる。さらに言い換えると、運転者は、車両1をあとどれだけ後退させると区画境界62Aにどれだけ近づくかを、ある程度、定量的に把握することができる。したがって、運転者は、区画境界62Aまでの距離を適切に把握することができる。さらに、補助線300Dが後方映像52に表れることで、車両1の後端から区画境界62Aまでの距離が3.0m近傍となったことを、運転者は即座に把握することができる。
ここで、好ましくは、表示映像生成部114は、距離表示線204Dと距離表示線204Cとの間に、補助線300Dを重畳して表示させる。つまり、車両1の後端から補助線300Dの位置までの距離をDsdとすると、Dd>Dsd>Dcである。また、上述の例のように、Dd=3.0m、Dc=2.0のとき、Dsd=2.5mとしてもよい。このとき、補助線300Dは、距離表示線204Dと距離表示線204Cとの間の距離を2等分した位置を示す。
図7は、図6に示した状態よりも車両1がさらに後退した状態を示した後方映像52を例示する図である。図7に示した状態では、区画境界62Aの位置が距離表示線204Cの位置に近づいている。なお、距離表示線204Dは、区画境界62Aよりも車両1から遠くの位置となっている。このとき、表示映像生成部114は、距離表示線204Cに対応する位置と区画境界62Aの位置との距離ΔDnを算出し、その結果、ΔDn≦Dthであったとする。
この場合、S112の処理で、表示映像生成部114は、ΔDn≦Dthであると判断する。つまり、表示映像生成部114は、距離表示線204Cに対応する位置に区画境界62が近づいたと判断する(S112のYES)。したがって、表示映像生成部114は、距離表示線204Cの位置よりも車両1に近い距離の位置を示す補助線300Cを重畳させる(S114)。このように、補助線300Cが重畳されることによって、運転者は、区画境界62Aまでの距離を適切に把握することができる。さらに、補助線300Cが後方映像52に表れることで、車両1の後端から区画境界62Aまでの距離が2.0m近傍となったことを、運転者は即座に把握することができる。
ここで、図6の例のように、表示映像生成部114は、距離表示線204Cと距離表示線204Bとの間に、補助線300Dを重畳して表示させる。つまり、車両1の後端から補助線300Cの位置までの距離をDscとすると、Dc>Dsc>Dbである。また、上述の例のように、Dc=2.0m、Db=1.0のとき、Dsc=1.5mとしてもよい。このとき、補助線300Cは、距離表示線204Cと距離表示線204Bとの間の距離を2等分した位置を示す。
図8は、図7に示した状態よりも車両1がさらに後退した状態を示した後方映像52を例示する図である。図8に示した状態では、区画境界62Aの位置が距離表示線204Aの位置に近づいている。なお、距離表示線204D,204C,204Bは、区画境界62Aよりも車両1から遠くの位置となっている。このとき、表示映像生成部114は、距離表示線204Aに対応する位置と区画境界62Aの位置との距離ΔDnを算出し、その結果、ΔDn≦Dthであったとする。
この場合、S112の処理で、表示映像生成部114は、ΔDn≦Dthであると判断する。つまり、表示映像生成部114は、距離表示線204Aに対応する位置に区画境界62が近づいたと判断する(S112のYES)。したがって、表示映像生成部114は、距離表示線204Aの位置よりも車両1に近い距離の位置を示す補助線300Aを重畳させる(S114)。このように、補助線300Aが重畳されることによって、運転者は、区画境界62Aまでの距離を適切に把握することができる。さらに、補助線300Aが後方映像52に表れることで、車両1の後端から区画境界62Aまでの距離が0.4m近傍となったことを、運転者は即座に把握することができる。
ここで、距離表示線204Aは、複数の距離表示線204のうち車両1に最も近い距離表示線204である。この場合は、表示映像生成部114は、距離表示線204Aと車両1の後端との間に、補助線300Aを重畳して表示させる。つまり、車両1の後端から補助線300Aの位置までの距離をDsaとすると、Da>Dsa>0である。また、上述の例のように、Da=0.4mのとき、Dsa=0.2mとしてもよい。このとき、補助線300Aは、距離表示線204Aと車両1の後端との間の距離を2等分した位置を示す。
なお、表示映像生成部114は、車両1に最も近い距離表示線204である距離表示線204Aに関する補助線300Aを、他の補助線300よりも目立つような表示形態で重畳して表示するようにしてもよい。例えば、補助線300Aを赤色等の目立つ色で表示するようにしてもよい。また、補助線300Aを他の補助線300よりも太く表示するようにしてもよい。また、補助線300Aを点滅させるようにして表示するようにしてもよい。
補助線300Aが表示されるということは、車両1の後端と区画境界62Aとの間の距離が、車両1の後端に最も近い距離表示線204Aが示す距離と同じ程度となるほど、車両1が区画境界62Aに接近していることである。したがって、上記のように補助線300Aを目立つような表示形態で表示させることで、運転者に対し、車両1が区画境界62Aに接近していることを警告することができる。
上述したように、本実施の形態にかかる表示制御装置100は、区画境界62が距離表示線204に近づいた場合に、その距離表示線204よりも近い位置を示す補助線300をさらに重畳させた表示映像データを生成する。したがって、区画境界62Aの近傍において車両1の後端からの距離を示す線が多く表示されることとなる。これにより、運転者は、補助線300が表示されない場合と比較して、一見して精度よく、車両1の後端から区画境界62Aまでの距離を把握することができる。したがって、本実施の形態にかかる表示制御装置100は、区画境界62Aまでの距離を運転者が適切にかつ迅速に把握することを可能とする。
また、上述したように、本実施の形態においては、区画境界62Aがある距離表示線204に近づいた場合に、その距離表示線204に関する補助線300が重畳されるように構成されている。言い換えると、区画境界62Aの位置に最も近い位置に対応する距離表示線204に関する補助線300のみが表示され、他の距離表示線204に関する補助線300は表示されない。ここで、常に全ての補助線300が表示されていると、表示内容が複雑となるので、運転者にとって煩わしく、したがって運転者が直ぐに区画境界62Aまでの距離を把握することが、困難となってしまうおそれがある。これに対し、本実施の形態においては、上述したように全ての補助線300が表示されるわけではなく、区画境界62Aの近傍の補助線300のみが表示される。したがって、表示映像は複雑でないにも関わらず、運転者の知りたい情報、つまり区画境界62A近傍の距離情報は、詳細に表示されることとなる。したがって、運転者は、さらに適切にかつ迅速に区画境界62Aまでの距離を把握することができる。
また、上述したように、本実施の形態においては、例えば図6の例において、区画境界62Aの位置に最も近い位置に対応する距離表示線204D(第1の距離表示線)と距離表示線204Dと隣り合い距離表示線204Dよりも車両1に近い距離を示す距離表示線204C(第2の距離表示線)との間に、補助線300Dが重畳されるように構成されている。これにより、補助線300が示す距離を運転者が把握していなくても、補助線300が示す大凡の距離を、運転者は直感的に把握することができる。
さらに、上述した例では、補助線300が、互いに隣り合う距離表示線204の間の距離を整数等分(例えば2等分)した位置を示している。つまり、以下の式(1)が成り立つように、補助線300が重畳され得る。
式(1):
Dsn=D(n−1)+k*{Dn−D(n−1)}/M
ここで、M及びkは整数であり、k<Mである。また、D(n−1)は、距離表示線Nの1つ手前の距離表示線が示す距離である。これにより、互いに隣り合う距離表示線204とそれらの間の補助線300とが目盛りの役割を果たすので、運転者は、車両1から区画境界62Aまでの距離をさらに精度よく把握することができる。
また、上述したように、本実施の形態では、補助線300の表示形態と距離表示線204の表示形態が区別されている。これにより、定規の目盛りのように、どの線がどの距離を示すかを、運転者が容易に把握することができる。したがって、運転者は、より適切かつ迅速に、区画境界62Aまでの距離を把握することができる。
補助線300が重畳表示された後の処理例について説明する。例えば、車両1が後退することで図6に示した状態から図7に示した状態へ推移する際、補助線300Dの表示は、区画境界62Aが距離表示線204Dの位置を超えて補助線300Dの位置に来るまで継続され得る。そして、補助線300Dの表示は、補助線300Dの位置に区画境界62Aが達したときに終了し得る。図7に示した補助線300Cについても同様である。なお、補助線300Aの表示は、区画境界62Aが補助線300Aの位置まで達した場合であっても継続することが好ましい。これらの補助線300の表示終了処理は、他の実施の形態においても共通する。
上述した実施の形態においては、車両1の進行方向に対して補助線を重畳表示する例について説明した。次に、車両1の幅方向に対して補助線を重畳表示する場合について説明する。
図9は、実施の形態1にかかる表示映像生成部114によって生成された表示映像データによって示される後方映像52を例示する図である。図9は、表示部50が、駐車区画に向かって車両1がある操舵角で後退している状態を示す後方映像52を表示した様子を例示している。
図5に示した例と同様に、図9に示す後方映像52は、駐車区画60と、区画境界62Lと、区画境界62Rと、区画境界62Aを含む。また、図9に示す後方映像52は、予想軌跡線202L及び予想軌跡線202Rと、距離表示線204A,204B,204C,204Dとを含むガイド線200を含む。図9に示す例では、表示映像生成部114は、予想軌跡線202L及び予想軌跡線202Rを、操舵角情報に示される操舵角に対応した曲線となるように描画する。この曲線の曲率は、操舵角が大きくなるにつれて大きくなる。また、表示映像生成部114は、この予想軌跡線202L及び予想軌跡線202Rの湾曲に対応して、距離表示線204A,204B,204C,204Dを傾くように描画する。
また、図9に示した例では、ガイド線200は、予想軌跡線202Lの左側及び予想軌跡線202Rの右側に、それぞれ、距離表示線206L及び距離表示線206Rをさらに含む。距離表示線206Lは、予想軌跡線202Lから左側に距離Dlの位置を示す。距離表示線206Rは、予想軌跡線202Rから左側に距離Drの位置を示す。例えば、Dl=Dr=1.0mである。また、距離表示線206の形状は、予想軌跡線202と同様に、操舵角に連動して湾曲している。これにより、距離表示線206は、予想軌跡線202に対して平行に見えるように描画される。なお、予想軌跡線202は、車両1の予想軌跡における位置から0.0mの距離の位置を示している。したがって、予想軌跡線202も、距離表示線であるといえる。なお、図9の例では、距離表示線206の数は、左右に1本ずつであるが、距離表示線206の数は任意である。
図9の例においても、表示映像生成部114は、距離表示線Nに対応する位置に、区画境界62の位置が近づいたか否かを判断する(S112)。ここで、図9の例では、距離表示線Nは距離表示線206Lであり、区画境界62は区画境界62Lである。表示映像生成部114は、区画境界62Lの位置と距離表示線206Lに対応する位置とが最も接近している箇所(矢印Aで示す)の距離ΔDnが予め定められた閾値Dth以下となったか否かを判断する。なお、上述したように、距離ΔDnの算出方法については、画像処理によって行ってもよい。つまり、表示映像生成部114は、ある奥行きにおける距離と画素数との関係を予め記憶しておき、矢印Aで示す箇所において、区画境界62Lの位置と距離表示線206Lに対応する位置との間の画素数から、ΔDnを算出してもよい。なお閾値Dthは、距離表示線204に関するものと同じである必要はない。さらに、閾値Dthは、距離表示線206Lと距離表示線206Rとで同じである必要はない。
図9の例では、表示映像生成部114は、ΔDn>Dthである、つまり距離表示線206Lに対応する位置に区画境界62Lが近づいていないと判断する(S112のNO)。したがって、表示映像生成部114は、映像データに補助線を重畳させていない。
図10は、図9に示した状態よりも車両1がさらに後退した状態を示した後方映像52を例示する図である。図10に示した状態では、図9に示した状態よりも、区画境界62Lの位置が距離表示線206Lの位置に近づいている。ここで、表示映像生成部114は、距離表示線206Lに対応する位置と区画境界62Lの位置との距離ΔDnを算出し、その結果、ΔDn≦Dthであったとする。
この場合、S112の処理で、表示映像生成部114は、ΔDn≦Dthであると判断する。つまり、表示映像生成部114は、距離表示線206Lに対応する位置に区画境界62Lが近づいたと判断する(S112のYES)。したがって、表示映像生成部114は、距離表示線206Lの位置よりも車両1の予想軌跡線202に近い距離の位置を示す補助線310Lを重畳させる(S114)。なお、距離表示線206が実線で示されているのに対し、補助線310Lは、破線で示されている。
このように、補助線310Lが重畳されることによって、運転者は、予想軌跡線202Lから区画境界62Lまでの距離を、ある程度、定量的に把握することができる。つまり、運転者は、現在の操舵角で車両1が矢印Bに対応する位置まで後退した場合に、車両1が区画境界62Lまでどれくらい近づくかを、把握することができる。したがって、運転者は、予想される車両1の軌跡から区画境界62Lまでの距離を適切に把握することができる。さらに、補助線310Lが後方映像52に表れることで、現在の操舵角で車両1が後退したときに区画境界62Lまでの距離が1.0m近傍となることを、運転者は即座に把握することができる。
ここで、表示映像生成部114は、補助線310Lを、予想軌跡線202L及び距離表示線206Lの湾曲形状に応じて曲線となるように描画する。したがって、補助線310Lは、予想軌跡線202及び距離表示線206Lに対して平行に見えるように描画される。
ここで、好ましくは、表示映像生成部114は、距離表示線206Lと予想軌跡線202Lとの間に、補助線310Lを重畳して表示させる。つまり、予想軌跡線202Lから補助線310Lの位置までの距離をDslとすると、Dl>Dsl>0である。また、上述の例のように、Dl=1.0m、Dsl=0.5mとしてもよい。このとき、補助線310Lは、距離表示線206Lと予想軌跡線202Lとの間の距離を2等分した位置を示す。つまり、補助線310Lは、距離表示線206Lと予想軌跡線202Lとの間の距離を整数等分した位置を示す。これにより、運転者は、車両1の予想される軌跡から区画境界62Lまでの距離をさらに精度よく把握することができる。
このように、実施の形態1にかかる表示制御装置100は、図9及び図10に示した例においても、図5〜図8に示した例と同様の効果を奏することができる。例えば、本実施の形態にかかる表示制御装置100は、区画境界62Lまでの距離を運転者が適切にかつ迅速に把握することを可能とする。また、図9及び図10に示した例においても、距離表示線206L(第1の距離表示線)と距離表示線206Lと隣り合い距離表示線206Lよりも車両1に近い距離を示す予想軌跡線202L(第2の距離表示線)との間に、補助線310Lが重畳されるように構成されている。これにより、補助線310が示す距離を運転者が把握していなくても、補助線310が示す大凡の距離を、運転者は直感的に把握することができる。また、補助線310の表示形態と距離表示線206の表示形態が区別されていることにより、運転者は、より適切かつ迅速に、区画境界62Lまでの距離を把握することができる。
(実施の形態1の変形例)
次に、実施の形態1の変形例について説明する。この変形例では、表示映像生成部114は、物体検出部112によって認識された区画境界62の位置よりも車両1の後端から遠くの位置に対応するガイド線200の部分の表示形態を変化させる。
図11は、実施の形態1の変形例にかかる処理を示すフローチャートである。また、図12〜図13は、実施の形態1の変形例にかかる後方映像52の例を示す図である。図11に示した処理は、図4に示したフローチャートのうち、S108の次の処理からS114の前の処理を変形したものに対応する。また、図12は、図7に示した後方映像52の変形例に対応する。図13は、図8に示した後方映像52の変形例に対応する。なお、以下に説明する例は、図9〜図10に示した、車両1がある操舵角で後退する場合についても適用可能である。
図4のS108の処理の後、表示映像生成部114は、後方映像52つまり表示映像データにおいて、区画境界62の位置よりも外側の位置に対応するガイド線200の部分があるか否かを判断する(ステップS122)。区画境界62の位置よりも外側の位置に対応するガイド線200の部分がないと判断された場合(S122のNO)、後述するS124の処理は行われないで、処理はS126に進む。一方、区画境界62の位置よりも外側の位置に対応するガイド線200の部分があると判断された場合(S122のYES)、表示映像生成部114は、区画境界62の位置よりも車両1の後端から遠方の位置に対応するガイド線200の部分を消去するようにする(ステップS124)。
そして、表示映像生成部114は、表示形態が変化しなかった距離表示線204のうち、車両1の後端から最も遠方の距離表示線204の位置に区画境界62の位置が近づいたか否かを判断する(ステップS126)。この処理は、実施の形態1にかかるS112の処理に対応する。ここで、この変形例における「車両1の後端から最も遠方の距離表示線204」は、実施の形態1における「距離表示線N」に対応する。したがって、「車両1の後端から最も遠方の距離表示線204」の位置と区画境界62の位置との距離をΔDnとすると、表示映像生成部114は、ΔDn≦Dthとなったか否かを判断する。
車両1の後端から最も遠方の距離表示線204の位置に区画境界62の位置が近づいたと判断された場合(S126のYES)、処理は上述したS114の処理に進む。一方、車両1の後端から最も遠方の距離表示線204の位置に区画境界62の位置が近づいていないと判断された場合(S126のNO)、処理は上述したS116の処理に進む。以降の処理については、図4を用いて上述した実施の形態1にかかる処理と実質的に同様であるので、説明を省略する。
図12に示す例では、表示映像生成部114は、予想軌跡線202のうち、区画境界62Aよりも遠方の位置に対応する部分を消去している。また、表示映像生成部114は、距離表示線204のうち、区画境界62Aよりも遠方の位置に対応する距離表示線204Dを消去している。そして、表示映像生成部114は、距離表示線204Dが消去された後方映像52において、最も遠方の距離表示線204である距離表示線204Cの位置に区画境界62Aの位置が近づいたので(S126のYES)、補助線300Cを重畳して表示させている。
図13に示す例では、表示映像生成部114は、予想軌跡線202のうち、区画境界62Aよりも遠方の位置に対応する部分を消去している。また、表示映像生成部114は、距離表示線204のうち、区画境界62Aよりも遠方の位置に対応する距離表示線204D,204C,204Bを消去している。そして、表示映像生成部114は、距離表示線204D,204C,204Bが消去された後方映像52において、車両1の後端から最も遠方の距離表示線204である距離表示線204Aの位置に区画境界62Aの位置が近づいたので(S126のYES)、補助線300Aを重畳して表示させている。
実施の形態1の変形例においては、区画境界62Aよりも遠方のガイド線200の部分が消去されている。ここで、区画境界62Aよりも遠方については、車両1は実質的に侵入しないので、運転者にとってガイド線200の表示は不要である。したがって、実施の形態1の変形例においては、不要な表示である、区画境界62Aよりも遠方のガイド線200の部分を変化させることで、運転者は、区画境界62Aまでの距離を、より適切にかつ迅速に把握することが可能となる。さらに、実施の形態1の変形例においては、車両1が区画境界62Aに近づくほど、ガイド線200が短くなり、表示されている距離表示線204の数が減少していくように構成されている。したがって、運転者は、車両1の後端が区画境界62Aにどれだけ近づいたかを、より直観的に認識することが可能となる。
なお、上述した説明では、表示映像生成部114がこのガイド線200の部分の表示を消去するようにする例を示したが、このような構成に限られない。表示映像生成部114は、このガイド線200の部分の表示を少なくとも目立たなくなるように変化させればよい。例えば、表示映像生成部114は、このガイド線200の部分の表示の色を薄くしてもよい。また、例えば、表示映像生成部114は、このガイド線200の部分を破線で示すようにしてもよい。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2は、表示部50に俯瞰映像が表示される点で、実施の形態1と異なる。なお、実施の形態2にかかる車両1のハードウェア構成については、実施の形態1にかかるものと実質的に同様であるので、説明を省略する。なお、俯瞰映像とは、あたかも上方の視点から車両の周囲を見下ろしたように疑似表示された映像である。
図14は、実施の形態2にかかる表示制御装置100及び表示制御装置100を有する表示装置40の構成を示す図である。表示装置40は、俯瞰映像用カメラ8と、認識辞書42と、表示部50と、表示制御装置100とを有する。俯瞰映像用カメラ8は、後方カメラ2と、前方カメラ3と、側面カメラ4とから構成される。表示制御装置100は、車両情報取得部102と、映像データ取得部106と、映像処理部110と、表示制御部120とを有する。また、映像処理部110は、物体検出部112と、表示映像生成部114とを有する。また、表示映像生成部114は、俯瞰映像生成部116を有する。これらの構成要素のうち、実施の形態1にかかるものと実質的に同様の機能については、説明を省略する。
映像データ取得部106は、俯瞰映像用カメラ8を構成する後方カメラ2、前方カメラ3及び側面カメラ4からの映像データを取得する。映像データ取得部106は、取得した映像データを、映像処理部110に対して出力する。
俯瞰映像生成部116は、車両1の周囲の映像を車両1の上方から見たように視点変換した俯瞰映像を生成する。具体的には、俯瞰映像生成部116は、後方カメラ2、前方カメラ3及び側面カメラ4からの映像データに関する各映像について、車両1の上方から見たように視点変換を行う。そして、俯瞰映像生成部116は、視点変換した各映像を、仮想的な車両1の画像である車両アイコンに合成することで、俯瞰映像を示す俯瞰映像データを生成する。なお、用語「映像データ」は、この俯瞰映像データも含み得る。
物体検出部112は、俯瞰映像生成部116によって生成された俯瞰映像データから、認識辞書42に記憶された辞書データを用いて、区画境界等の、車両1の目標位置を規定する物体を検出する。また、実施の形態2において、認識辞書42は、物体を上方から見た画像に関する辞書データを記憶している。なお、物体検出部112が物体を検出する方法については、実施の形態1にかかる方法と実質的に同様である。
表示映像生成部114は、俯瞰映像生成部116によって生成された俯瞰映像データに、ガイド線を重畳させた表示映像データを生成する。そして、表示映像生成部114は、生成された表示映像データを、表示制御部120に対して出力する。表示制御部120は、表示映像生成部114によって生成された表示映像データによる映像を、表示部50に表示させるように制御を行う。したがって、実施の形態2においては、表示部50は、俯瞰映像生成部116によって生成された俯瞰映像データに対応する俯瞰映像を表示する。
図15は、実施の形態2にかかる表示制御装置100によって実行される表示制御方法を示すフローチャートである。また、図16〜図18は、車両1がある操舵角で後退して後方の車輪止めに近づく場合に表示映像生成部114によって生成される表示映像データに関する俯瞰映像を例示する図である。図19〜図20は、車両1が後退して側方にある縁石に近づく場合に表示映像生成部114によって生成される表示映像データに関する俯瞰映像を例示する図である。以下、図16〜図18に示された例を用いて図15に示すフローチャートの説明を行う。
車両情報取得部102が車両1の後退動作を検出すると(ステップS200のYES)、車両情報取得部102は、車両1の操舵角を示す操舵角情報を取得する(ステップS202)。また、映像データ取得部106は、俯瞰映像用カメラ8からの映像データを取得する(ステップS204)。
俯瞰映像生成部116は、上述したようにして、俯瞰映像データを生成する(ステップS205)。そして、表示映像生成部114は、俯瞰映像生成部116によって生成された俯瞰映像データに、距離表示線を含むガイド線を重畳させた表示映像データを生成する(ステップS206)。
図16は、実施の形態2にかかる表示映像生成部114によって生成された表示映像データによって示される俯瞰映像54を例示する図である。図16は、駐車区画60において車両1がある操舵角で車輪止め64に向かって後退している状態を示す俯瞰映像54を、表示部50が表示した様子を例示している。
俯瞰映像54は、車両1の仮想的な画像である車両アイコン54aと、駐車区画60と、車輪止め64とを含む。ここで、車輪止め64は、車両1の駐車位置を規定するものであるから、区画境界、つまり「車両1の目標位置を規定する物体」である。
また、俯瞰映像54は、車両1の左側の予想軌跡線222Lと車両1の右側の予想軌跡線222Rを含むガイド線220を含む。つまり、ガイド線220は、縦線で形成された一対の予想軌跡線222を含む。このガイド線220は、操舵角情報に応じて、表示映像生成部114によって描画される。実施の形態1と同様に、表示映像生成部114は、予想軌跡線222L及び予想軌跡線222Rを、操舵角情報に示される操舵角に対応した曲線となるように描画する。
また、ガイド線220は、現在の車両1の後端からの距離を示す距離表示線224A,224B,224Cを含む。つまり、ガイド線220は、横線で形成され車両1からの予め定められた距離を示す距離表示線224を含む。表示映像生成部114は、予想軌跡線222L及び予想軌跡線222Rの湾曲に対応して、距離表示線224A,224B,224Cを傾くように描画する。距離表示線224Aは、車両1の後端から距離Daの位置を示す。同様に、距離表示線224B,224Cは、それぞれ、車両1の後端から距離Db,距離Dcの位置を示す。実施の形態1と同様に、例えば、距離Da,距離Db,距離Dcは、それぞれ、0.4m,1.0m,2.0mである。
このように、俯瞰映像54にガイド線220が含まれることによって、運転者は、車両1の予想軌跡を把握することが可能となる。また、距離表示線224が表示されていることによって、運転者は、車両1の後端から車輪止め64までの大凡の距離を把握することが可能となる。
物体検出部112は、俯瞰映像生成部116によって生成された俯瞰映像データから、駐車区画の区画境界、つまり「車両1の目標位置を規定する物体」を抽出する(ステップS208)。図16の例では、物体検出部112は、俯瞰映像54に関する俯瞰映像データから、車輪止め64を抽出する。
次に、表示映像生成部114は、距離表示線Nに対応する位置に、車輪止め64の位置が近づいたか否かを判断する(ステップS212)。距離表示線Nは、実施の形態1と実質的に同様であり、距離表示線224A,224B,224Cのいずれかである。なお、図16の例では、表示映像生成部114は、車輪止め64の位置が、車両1の進行方向に沿って距離表示線204Cに対応する位置に近づいたか否かについて判断する。
ここで、表示映像生成部114は、車輪止め64の位置と距離表示線Nに対応する位置との距離ΔDnが予め定められた閾値Dth以下となったと判断された場合、つまりΔDn≦Dthとなった場合に、距離表示線Nの位置に、車輪止め64の位置が近づいたと判断する。なお、実施の形態1と同様に、閾値Dthの値は、距離表示線Nが距離表示線224のうちのどれかであるかに応じて、異なっていてもよい。
なお、表示映像生成部114は、ΔDn≦Dthであるか否かの判断を、画像処理によって行ってもよい。ここで、俯瞰映像54は車両1の上方から見た平面図であるので、画素数と実際の距離との関係は、概ね一定であり得る。したがって、表示映像生成部114は、表示映像データにおいて、画素数と実際の距離との関係を記憶しておいてもよい。そして、表示映像生成部114は、表示映像データにおいて、車輪止め64の画像と距離表示線Nの画像との間の画素数をカウントし、その画素数に応じて、ΔDnを算出してもよい。
距離表示線Nに対応する位置に車輪止め64が近づいていないと判断された場合、つまりΔDn≦Dthとなっていないと判断された場合(S212のNO)、後述するS214の処理は行われないで、処理はS216に進む。一方、距離表示線Nに対応する位置に車輪止め64が近づいたと判断された場合、つまりΔDn≦Dthとなったと判断された場合(S212のYES)、表示映像生成部114は、距離表示線Nの位置よりも車両1に近い距離の位置に、補助線を重畳する(ステップS214)。そして、表示制御部120は、表示映像生成部114によって生成された表示映像データによる映像を、表示部50に表示させる(ステップS216)。
図16の例では、車輪止め64に最も近づいた距離表示線224は、距離表示線224Cである。したがって、表示映像生成部114は、距離表示線224Cに対応する位置と車輪止め64の位置との距離ΔDnを算出する。そして、表示映像生成部114は、ΔDn>Dthである、つまり距離表示線224Cに対応する位置に車輪止め64が近づいていないと判断する(S212のNO)。したがって、表示映像生成部114は、俯瞰映像データに補助線を重畳させていない。
図17は、図16に示した状態よりも車両1がさらに後退した状態を示した俯瞰映像54を例示する図である。図17に示した状態では、車輪止め64の位置が距離表示線224Bの位置に近づいている。ここで、表示映像生成部114は、距離表示線224Bに対応する位置と車輪止め64の位置との距離ΔDnを算出し、その結果、ΔDn≦Dthであったとする。
この場合、S212の処理で、表示映像生成部114は、ΔDn≦Dthであると判断する。つまり、表示映像生成部114は、距離表示線224Bに対応する位置に車輪止め64が近づいたと判断する(S212のYES)。したがって、表示映像生成部114は、距離表示線224Bの位置よりも車両1に近い距離の位置を示す補助線320Bを重畳させる(S214)。このように、補助線320Bが重畳されることによって、運転者は、車輪止め64までの距離を、ある程度、定量的に把握することができる。つまり、運転者は、車両1の後端が車輪止め64までどれくらい近づいたかを、ある程度、定量的に把握することができる。さらに言い換えると、運転者は、車両1をあとどれだけ後退させると車輪止め64にどれだけ近づくかを、ある程度、定量的に把握することができる。したがって、運転者は、車輪止め64までの距離を適切に把握することができる。さらに、補助線320Bが俯瞰映像54に表れることで、車両1の後端から車輪止め64までの距離が1.0m近傍となったことを、運転者は即座に把握することができる。
ここで、実施の形態1と同様に、表示映像生成部114は、距離表示線224Bと距離表示線224Aとの間に、補助線320Bを重畳して表示させる。つまり、車両1の後端から補助線320Bの位置までの距離をDsbとすると、Db>Dsb>Daである。また、上述の例のように、Db=1.0m、Da=0.4のとき、Dsb=0.7mとしてもよい。このとき、補助線320Bは、距離表示線224Bと距離表示線224Aとの間の距離を2等分した位置を示す。また、Dsb=0.6m又は0.8mとした場合、補助線320Bは、距離表示線224Bと距離表示線224Aとの間の距離を3等分した位置を示す。これにより、これにより、互いに隣り合う距離表示線224とそれらの間の補助線320とが目盛りの役割を果たすので、運転者は、車両1から車輪止め64までの距離をさらに精度よく把握することができる。
図18は、図17に示した状態よりも車両1がさらに後退した状態を示した俯瞰映像54を例示する図である。図18に示した状態では、車輪止め64の位置が距離表示線224Aの位置に近づいている。このとき、表示映像生成部114は、距離表示線224Aに対応する位置と車輪止め64の位置との距離ΔDnを算出し、その結果、ΔDn≦Dthであったとする(S212のYES)。したがって、表示映像生成部114は、距離表示線224Aの位置よりも車両1に近い距離の位置を示す補助線320Aを重畳させる(S214)。このように、補助線320Aが重畳されることによって、運転者は、車輪止め64までの距離を適切に把握することができる。さらに、補助線320Aが俯瞰映像54に表れることで、車両1の後端から車輪止め64までの距離が0.4m近傍となったことを、運転者は即座に把握することができる。
ここで、距離表示線224Aは、複数の距離表示線224のうち車両1に最も近い距離表示線224である。この場合、実施の形態1と同様に、表示映像生成部114は、距離表示線224Aと車両1の後端との間に、補助線320Aを重畳して表示させる。つまり、車両1の後端から補助線320Aの位置までの距離をDsaとすると、Da>Dsa>0である。また、上述の例のように、Da=0.4mのとき、Dsa=0.2mとしてもよい。このとき、補助線300Aは、距離表示線224Aと車両1の後端との間の距離を2等分した位置を示す。
また、実施の形態1と同様に、表示映像生成部114は、車両1に最も近い距離表示線224Aにかかる補助線320Aを、他の補助線320よりも目立つような表示形態で重畳して表示するようにしてもよい。補助線320Aを目立つような表示形態で表示させることで、運転者に対し、車両1が車輪止め64等の区画境界に接近していることを警告することができる。
このように、実施の形態2にかかる表示制御装置100は、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。例えば、実施の形態2にかかる表示制御装置100は、車輪止め64等の区画境界までの距離を運転者が適切にかつ迅速に把握することを可能とする。また、実施の形態2においても、互いに隣り合う距離表示線224の間に、補助線320が重畳されるように構成されている。これにより、補助線320が示す距離を運転者が把握していなくても、補助線320が示す大凡の距離を、運転者は直感的に把握することができる。また、補助線320の表示形態と距離表示線224の表示形態が区別されていることにより、運転者は、より適切かつ迅速に、車輪止め64等の区画境界までの距離を把握することができる。
図19は、実施の形態2にかかる表示映像生成部114によって生成された表示映像データによって示される俯瞰映像54を例示する図である。図19は、車両1が後退して車両1の側方にある縁石に近づいている状態を示す後方映像52を、表示部50が表示した様子を例示している。
図16に示した例と同様に、図19に例示された俯瞰映像54は、車両アイコン54aと、駐車区画60とを含む。また、図19に例示された俯瞰映像54は、車両アイコン54aの左側方に縁石66を含む。ここで、縁石66は、車両1の駐車位置を規定するものであるから、区画境界、つまり「車両1の目標位置を規定する物体」である。また、俯瞰映像54は、予想軌跡線222L及び予想軌跡線222Rと、距離表示線224A,224B,224Cとを含むガイド線220を含む。
さらに、図19に例示された俯瞰映像54では、ガイド線220は、さらに、距離表示線226L及び距離表示線224Rを含む。距離表示線226Lは、車両アイコン54a及び予想軌跡線222Lの左側に描画される。距離表示線224Rは、車両アイコン54a及び予想軌跡線222Rの右側に描画される。
距離表示線226Lは、車両1の左側面及び予想軌跡線222Lに対応する位置から左側に距離Dlの位置を示す。距離表示線226Rは、車両1の右側面及び予想軌跡線222Rに対応する位置から右側に距離Drの位置を示す。例えば、Dl=Dr=1.0mである。また、距離表示線226の形状は、予想軌跡線222と同様に、操舵角に連動して湾曲し得る。これにより、距離表示線226は、予想軌跡線222に対して平行に見えるように描画される。
図19の例においても、表示映像生成部114は、距離表示線Nに対応する位置に、区画境界の位置が近づいたか否かを判断する(S212)。ここで、図19の例では、距離表示線Nは距離表示線226Lであり、区画境界は縁石66である。表示映像生成部114は、縁石66の位置と距離表示線226Lに対応する位置とが最も接近している箇所の距離ΔDnが予め定められた閾値Dth以下となったか否かを判断する。なお、図19の例では、表示映像生成部114は、ΔDn>Dthである、つまり距離表示線226Lに対応する位置に縁石66が近づいていないと判断する(S212のNO)。したがって、表示映像生成部114は、俯瞰映像データに補助線を重畳させていない。
図20は、図19に示した状態よりも車両1がさらに後退した状態を示した俯瞰映像54を例示する図である。図20に示した状態では、縁石66の位置が距離表示線226Lの位置に近づいている。ここで、表示映像生成部114は、距離表示線226Lに対応する位置と縁石66の位置との距離ΔDnを算出し、その結果、ΔDn≦Dthであったとする。
この場合、S212の処理で、表示映像生成部114は、ΔDn≦Dthであると判断する。つまり、表示映像生成部114は、距離表示線226Lに対応する位置に縁石66が近づいたと判断する(S212のYES)。したがって、表示映像生成部114は、距離表示線226Lの位置よりも車両1に近い距離の位置を示す補助線330Lを重畳させる(S214)。このように、補助線330Lが重畳されることによって、運転者は、予想軌跡線222Lから縁石66までの距離を適切に把握することができる。つまり、運転者は、現在の操舵角で車両1が矢印Cに対応する位置まで後退した場合に、車両1が縁石66までどれくらい近づくかを、把握することができる。
ここで、実施の形態1と同様に、表示映像生成部114は、補助線330Lを、予想軌跡線222L及び距離表示線226Lの湾曲形状に応じて曲線となるように描画する。したがって、補助線330Lは、予想軌跡線222及び距離表示線226Lに対して平行に見えるように描画される。
また、実施の形態1と同様に、表示映像生成部114は、距離表示線226Lと予想軌跡線222L及び車両アイコン54aとの間に、補助線330Lを重畳して表示させる。つまり、予想軌跡線222Lから補助線330Lの位置までの距離をDslとすると、Dl>Dsl>0である。また、上述の例のように、Dl=1.0m、Dsl=0.5mとしてもよい。このとき、補助線330Lは、距離表示線226Lと予想軌跡線222Lとの間の距離を2等分した位置を示す。つまり、補助線330Lは、距離表示線226Lと予想軌跡線222L及び車両アイコン54aとの間の距離を整数等分した位置を示す。これにより、運転者は、車両1及び車両1の予想される軌跡から縁石66までの距離をさらに精度よく把握することができる。
(変形例)
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述したフローチャートにおける各処理の順序は、適宜、変更可能である。例えば、図4に示したフローチャートにおいて、S102の処理とS104の処理の順序は、逆であってもよい。
また、上述した実施の形態においては、車両1の後端との距離にかかる補助線(補助線300又は補助線320)と車両1の予想軌跡線との距離にかかる補助線(補助線310又は補助線330)とは、互いに別個に表示されているが、このような構成に限られない。車両1の後端との距離にかかる補助線と車両1の予想軌跡線との距離にかかる補助線とは、同時に表示されてもよい。例えば、図10に示す例において、距離表示線204Dに区画境界62Aが接近している場合は、表示映像生成部114は、補助線310Lだけでなく補助線300Dも重畳して表示させてもよい。
また、ある距離表示線Nと隣り合う距離表示線N−1との間に描画される補助線は、1本とは限られず、複数の補助線が描画され得る。好ましくは、複数の補助線は、等間隔に描画される。これにより、補助線が目盛りの役割を果たすので、運転者は、車両1から区画境界までの距離をさらに精度よく把握することができる。
また、上述した実施の形態においては、車両1が駐車区画に駐車する場合の例について説明したが、このような構成に限られない。本実施の形態は、車両1がある目標位置に向かう任意の場合に対して、適用可能である。
また、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。