JP6771379B2 - N,n’−ビス−(ヒドロキシアルキル)−ピロメリト酸ジイミドから誘導されるコポリエステルイミドおよびそれから作成されるフィルム - Google Patents
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Description
また、より剛性の高いコモノマーの導入によりポリエステルのガラス転移温度を高めるために多くの試みがなされてきた。しかしながら、かかるコモノマーはまた結晶格子内のポリマー鎖の充填を乱すので、Tgが上昇する一方で、Tmと結晶化度はいずれも通例コモノマーの割合が増大すると低下し、最終的に非晶質の材料になる。ポリマー性の材料から物品を製造するには、許容できる熱機械的性質を有する物品を得るためにポリマーが結晶性を示すことが極めて重大であることが多い。
したがって、本発明の目的は、改良された耐熱性および熱機械的安定性を示すポリエステルを提供することである。本発明の別の目的は、ポリマーがもはや経済的条件下で溶融加工可能でなくなる(すなわち、ポリマーが約320℃未満、好ましくは約300℃未満で溶融加工可能なままであるべきである)点までTmを上昇させることなく、高いまたは上昇したTgを有する熱可塑性ポリマーを提供することである。本発明のさらに別の目的は、高いTgと共に高いTmを示す半結晶性ポリエステルを提供することである。本発明のさらなる目的は、そのTmおよび/またはその結晶化度を有意に低下させることなく、好ましくはその分解温度を有意に低下させることなく、ポリエステルのTgを上昇させることである。
本明細書で使用する場合、用語「結晶化度を有意に低下させることなく」とは、ポリエステルが商業的に有用な結晶化度を、好ましくは約10%〜約60%、好ましくは約20〜約50%の範囲に保持することを意味する。
本発明のさらなる目的は、そのTmおよび/またはその結晶化度を有意に低下させることなく、好ましくはその分解温度を有意に低下させることなく対応するベースのポリエステルより高いTgを有するコポリエステルを提供することである。
本発明の目的はTmの上昇を排除するものではないが、Tmのいかなる上昇も溶融加工が非経済的になり、Tmと分解温度が収斂するほど大きくてはならない。
本明細書で使用する場合、用語「半結晶性」は、本明細書に記載されている試験に従って測定して少なくとも約5%、好ましくは少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約15%、好ましくは少なくとも約20%の結晶化度を意味することを意図している。
(式中、n=2、3または4、好ましくはn=2である)
本明細書中では、式(I)のモノマーをN,N’−ビス−(ヒドロキシアルキル)−ピロメリト酸ジイミド(PDI)という。n=2の場合、モノマーはN,N’−ビス−(ヒドロキシエチル)−ピロメリト酸ジイミドといわれる。
驚くべきことに、本発明者はこの度、特定のコモノマー(I)をポリエステル中に組み込むと、単にTgを実質的に上昇させるだけでなく、それから作成されるフィルムの結晶性に有意な害を及ぼすことなくTgを実質的に上昇させることを見出した。これは、Tmを有意に上昇させることなく達成される。本明細書に記載されているコポリエステルは熱可塑性である。本明細書に記載されているコポリエステルおよびそれから作成されるフィルムは半結晶性を示す。本明細書に記載されているコポリエステルは高分子量で容易に得ることができる。本明細書に記載されているコポリエステルは320℃未満(好ましくは300℃未満)で強靱な高強度のフィルムに溶融加工することができる。コポリエステルは本明細書中ではコ(ポリエステル−イミド)ともいう。
コモノマー(I)はコポリエステルのグリコール部分の一部を構成する。好ましい実施形態において、コモノマー(I)は、コポリエステルのグリコール部分の約50mol%以下、好ましくは約40mol%以下、好ましくは約30mol%以下、好ましくは約20mol%以下、好ましくは約15mol%以下の量で存在する。好ましくはコモノマーはコポリエステルのグリコール部分の少なくとも約1mol%、より好ましくは少なくとも約3mol%、より好ましくは少なくとも約4mol%の量で存在する。
本発明者は、低いモル分率のコモノマー(I)でも、Tgの小さいが価値のある上昇が観察されることを観察した。例えば、n=2のコモノマー(I)を5mol%だけ含むコポリエステルはTgのかなりの上昇を示すが、良好な結晶化度を保持する。
芳香族ジカルボン酸は好ましくはテレフタル酸およびナフタレン−ジカルボン酸から選択される。本発明で使用することができるその他の芳香族ジカルボン酸としてはイソフタル酸およびフタル酸がある。ナフタレン−ジカルボン酸は2,5−、2,6−または2,7−ナフタレンジカルボン酸から選択することができ、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
(式中、
nは式(I)に対して定義されている通りであり、
基Xは前記脂肪族グリコールの炭素鎖であり、
pおよびqは、それぞれ、上で定義した脂肪族グリコール含有繰り返しエステル単位およびモノマー(I)含有繰り返しエステル単位のモル分率である(すなわち、qは好ましくは50以下であり、p=100−qである))
(式中、n、X、pおよびqは上に記載した通りである)
しかしながら、酸部分は上記した単一の芳香族ジカルボン酸からなるのが好ましい。
したがって、本明細書に記載されているコポリエステルは、脂肪族グリコール、芳香族ジカルボン酸(好ましくはテレフタル酸またはナフタレン−ジカルボン酸)および上で定義した式(I)のモノマーのみを含有するのが好ましい。
(i)前記脂肪族グリコールを前記芳香族ジカルボン酸と反応させて前記芳香族ジカルボン酸のビス(ヒドロキシアルキル)−エステルを形成するステップ、
(ii)高まった温度および圧力の条件下、触媒の存在下で、前記芳香族ジカルボン酸の前記ビス(ヒドロキシアルキル)−エステルをモノマー(I)と反応させるステップ
を含む、方法が提供される。
驚くべきことに、コポリエステルは例外的に低い数のカルボキシル末端基、好ましくは25グラム当量/106gポリマー以下、好ましくは20グラム当量/106gポリマー以下、好ましくは15グラム当量/106gポリマー以下、好ましくは10グラム当量/106gポリマー以下、好ましくは5グラム当量/106gポリマー以下、好ましくは1グラム当量/106gポリマー以下を示し、したがって、優れた加水分解安定性を示す。
(式中、nは2、3または4である)
本発明のフィルムは好ましくは配向フィルム、好ましくは二軸配向フィルムである。二軸配向フィルムは特に、磁気記録媒体、特に狭いが安定なトラックピッチを許容し、より高い密度または容量の情報の記録を可能にするために低下したトラックのずれを示すことが必要とされる磁気記録媒体、例えばLTO(リニアテープオープン)フォーマットのようなサーバーバックアップ/データ記憶として適切な磁気記録媒体のベースフィルムとして有用である。本発明のフィルム(好ましくは二軸配向フィルム)はまた、最終製品の製作中熱機械的に安定なバックプレーンが重要である電子および光電デバイスにおける使用(特にフィルムが可撓性であることが必要とされる場合)に特に適しており、例えばエレクトロルミネッセント(EL)ディスプレイデバイス(特に有機発光ディスプレイ(OLED)デバイス)、電気泳動ディスプレイ(e−ペーパー)、光電池(PV)セルおよび半導体デバイス(例えば有機電界効果トランジスター、薄膜トランジスターおよび一般に集積回路)、特に可撓性のかかるデバイスの製造に適している。
(i)ガラス転移温度(Tg)、低温結晶化の温度(Tcc)、結晶融点(Tm)および結晶化度(Xc)はUniversal V4.5A機(TA Instruments)を用いて示唆走査熱量測定(DSC)によって測定した。特に断らない限り、測定は以下の標準的な試験方法に従ってASTM E1356−98に記載の方法に基づいて行った。サンプルはスキャンの持続時間中乾燥窒素の雰囲気下に維持した(約1.5〜3時間)。サンプル(4〜6mg)を20℃/分の速度で20℃から300℃に加熱し、300℃に5分間保ち、次に20℃/分の速度で20℃に冷却し、次いで10℃/分で20℃から350℃に加熱した。熱特性は第2加熱スキャンのときに記録した。
Tgの値はASTM E1356−98に記載されているようにDSCスキャン(温度(℃)に対する熱流(W/g))で観察されたガラス転移の外挿開始温度としてとった。
TccおよびTmの値はそれぞれの転移でピークの熱流が観察された温度としてDSCスキャンからとった。
ここで、結晶化度は、特に断らない限り200℃で2時間アニールしたサンプルで測定した。サンプルのアニーリングは、5mgのサンプルと上記機器を用い、DSC加熱サイクル中以下の試験方法に従ってASTM E1356−98に記載の方法に基づいて行った。これらの結晶化度の測定のための全加熱サイクルは次の通りであった。
(i)20℃/分で20℃から300℃まで加熱
(ii)300℃で5分間保持
(iii)20℃/分で20℃まで冷却
(iv)20℃/分で200℃まで加熱
(v)200℃で120分間保持
(vi)20℃まで冷却
(vii)10℃/分で20℃から400℃まで加熱。
熱特性は最後の加熱スキャンのときに記録した。
Xc=ΔHm/ΔHm °
式中、
ΔHm=融解吸熱の積分から計算された融解の実験エンタルピー
ΔHm °=対応するポリ(アルキレン−カルボキシレート)ホモポリマー(すなわち式(I)のコモノマーを含まない)の100%結晶性における融解の理論エンタルピー
である。したがって、文献(B. Wunderlich, Macromolecular Physics, Academic Press, New York, (1976))に定義されているように、エチレングリコール、ナフタレン−ジカルボン酸および式(I)のコモノマーから誘導される繰り返し単位を含む本発明のコポリエステルの場合、ΔHm °は100%結晶性のPENポリマーの融解の理論エンタルピー(103J/g)であり、エチレングリコール、テレフタル酸および式(I)のコモノマーから誘導される繰り返し単位を含む本発明のコポリエステルの場合、ΔHm °は100%結晶性のPETポリマーの融解の理論エンタルピー(140J/g)である。
ηinh=ln[(t2/t1)/c]
式中、
ηinh=固有粘度(dL/g)
t1=溶媒の流下時間(s)
t2=ポリマー溶液の流下時間(s)
c=ポリマーの濃度(g/dL)である。
本明細書に記載されているコポリエステルの固有粘度は少なくとも0.7dL/gであるのが好ましい。かかる粘度はSSP技術を用いて容易に得ることができる。
PET:低濃度溶液:1.28g/cm3(240.80g硝酸カルシウム;860mL水;硝酸カルシウムのモル濃度1.71M)。高濃度溶液:1.43g/cm3(369.80g硝酸カルシウム;860mL水;2.62M硝酸カルシウム)。
PEN:低濃度溶液:1.32g/cm3(275.20g硝酸カルシウム;860mL水;1.95M硝酸カルシウム)。高濃度溶液:1.41g/cm3(352.60g硝酸カルシウム、860mL水;2.50M硝酸カルシウム)。
χc=結晶化度(%)
ρrecorded=ポリマーの記録された密度(gcm-3)
ρamorphous=非晶質ホモポリマーの既知密度(0%結晶性)
ρcrystalline=100%結晶性ホモポリマーの既知密度である。
ビス−(2−ヒドロキシエチル)−テレフタレート(BHET)またはビス−(2−ヒドロキシエチル)−2,6−ナフタレート(BHEN)と式(I)のコモノマーとの重縮合によって、2つの一連の新規な線形ポリ(エステル−イミド)を合成した。変化する量のコモノマーを含有するコポリマーはSb2O3またはGeO2を触媒として用いて得た。エステル交換反応を真空下190〜200℃で約30〜90分にわたって実施した後重縮合段階を290〜300℃で実施した。ポリマーはTFAおよび/またはHFIPに、ならびにTFAまたはHFIPとCHCl3の混合物に可溶性であった。MeOH中での再沈殿により、白色またはオフホワイトのポリマービーズが得られ、これをろ過により単離し、メタノールで洗浄し、乾燥した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) δ (ppm) 8.40 (s, Hf), 8.17 (s, Ha), 8.10 (s, Hc), 4.84 (s, Hb), 4.70 (s, Hd), 4.29 (s, He), 13C NMR (100 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) 167.85 (C1), 166.98 (C10), 137.09 (C11), 133.31 (C2), 133.11 (C6), 130.05 (C3), 119.33 (C12), 63.92 (C4), 63.50 (C8), 37.67 (C9), Tg = 88℃, Tcc = 170℃, Tm = 243℃, Tc = 156℃, ηinh = 0.58 dL g-1.
(例3)PETコPDI−10
1H NMR (400 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) δ (ppm) 8.40 (s, 2Hf), 8.17 (s, 2Ha), 8.09 (m, 2Hc), 4.84 (s, 4Hb), 4.70 (s, 4Hd), 4.29 (s, 4He), 13C NMR (100 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) 167.84 (C1), 166.91 (C10), 137.09 (C11), 133.32 (C2), 133.12 (C6), 130.05 (C3), 119.33 (C12), 63.92 (C4), 63.49 (C8), 37.66 (C9), Tg = 96℃, Tcc = 158℃, Tm = 232℃, Tc = 159℃, ηinh = 0.69 dL g-1.
(例4)PETコPDI−15
1H NMR (400 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) δ (ppm) 8.40 (s, 2Hf), 8.17 (s, 2Ha), 8.08 (m, 2Hc), 4.83 (s, 4Hb), 4.70 (s, 4Hd), 4.29 (s, 4He), 13C NMR (100 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) 167.80 (C1), 166.93 (C10), 137.08 (C11), 133.31 (C2), 133.10 (C6), 130.04 (C3), 119.33 (C12), 63.92 (C4), 63.51 (C8), 37.65 (C9), Tg = 106℃, Tcc = 171℃, Tm = 247℃, Tc = 176℃, ηinh = 1.02 dL g-1.
1H NMR (400 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) δ (ppm) 8.39 (s, 2Hf), 8.17 (s, 2Ha), 8.08 (d, 2Hc), 4.83 (s, 4Hb), 4.70 (s, 4Hd), 4.29 (s, 4He), 13C NMR (100 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) 167.85 (C1), 166.93 (C10), 137.08 (C11), 133.30 (C2), 133.09 (C6), 130.04 (C3), 119.34 (C12), 63.92 (C4), 63.51 (C8), 37.64 (C9), Tg = 102℃, ηinh = 0.45 dL g-1.
(例6)PETコPDI−25
1H NMR (400 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) δ (ppm) 8.39 (s, 2Hf), 8.17 (s, 2Ha), 8.08 (d, 2Hc), 4.84 (s, 4Hb), 4.70 (s, 4Hd), 4.29 (s, 4He), 13C NMR (100 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) 167.69 (C1), 166.87 (C10), 137.10 (C11), 133.35 (C2), 133.14 (C6), 130.04 (C3), 119.28 (C12), 63.89 (C4), 63.47 (C8), 37.67 (C9), Tg = 97℃, ηinh = 0.30 dL g-1, IR (vmax cm-1) 2956, 1717, 1457, 1405, 1388, 1340, 1263, 1251, 1119, 1102.
1H NMR (500 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) δ (ppm) 8.70 (s, Ha), 8.62 (s, He), 8.40 (s, Hj), 8.14 (d, J = 8.5 Hz, Hb), 8.06 (d, J = 8.5 Hz, Hc), 8.02 (m, Hg), 7.94 (s, Hf), 4.92 (s, Hd), 4.74 (s, Hh), 4.32 (s, Hi), 13C NMR (125 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) 168.87 (C1), 166.98 (C16), 137.14 (C17), 135.01 (C4), 134.87 (C11), 131.59 (C3), 130.25 (C5), 128.46 (C2), 128.17 (C9), 125.84 (C6), 125.70 (C13), 119.36 (C18), 64.00 (C7), 63.47 (C8), 37.78 (C9), Tg = 130℃, Tm = 256℃, ηinh = 0.49 dL g-1.
(例8)PENコPDI−10
1H NMR (400 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) δ (ppm) 8.71 (s, 2Ha), 8.60 (m, 2He), 8.40 (s, 2Hj), 8.13 (d, J = 8.4 Hz, 2Hb), 8.05 (d, J = 8.8 Hz, 2Hc), 8.02 (s, 2Hf, 2Hg), 4.91 (s, 4Hd), 4.74 (s, 4Hh), 4.32 (s, 4Hi), 13C NMR (100 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) 168.89 (C1), 166.98 (C16), 137.10 (C17), 134.98 (C4), 131.58 (C3), 130.23 (C5+12), 128.40 (C2), 128.14 (C9), 125.79 (C6), 125.68 (C13), 119.36 (C18), 64.00 (C7), 63.45 (C8), 37.74 (C9), Tg = 136℃, ηinh = 0.52 dL g-1.
(例9)PENコPDI−15
1H NMR (400 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) δ (ppm) 8.71 (m, 2Ha), 8.60 (m, 2He), 8.40 (s, 2Hj), 8.14 (d, J = 8.4 Hz, 2Hb), 8.03 (m, 2Hc, 2Hf, 2Hg), 4.91 (s, 4Hd), 4.74 (s, 4Hh), 4.32 (s, 4Hi), 13C NMR (100 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) 168.91 (C1), 166.99 (C16), 137.10 (C17), 134.98 (C4), 131.58 (C3), 130.22 (C5), 128.39 (C2), 128.10 (C9), 125.78 (C6), 125.64 (C13), 119.37 (C18), 63.98 (C7), 63.45 (C8), 37.76 (C9), Tg = 144℃, ηinh = 0.47 dL g-1.
1H NMR (400 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) δ (ppm) 8.71 (m, 2Ha), 8.60 (m, 2He), 8.40 (s, 2Hj), 8.14 (d, J = 8.8 Hz, 2Hb), 8.03 (m, 2Hc, 2Hf, 2Hg), 4.91 (s, 4Hd), 4.74 (s, 4Hh), 4.32 (s, 4Hi), 13C NMR (100 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) 168.90 (C1), 166.98 (C16), 137.11 (C17), 134.98 (C4), 131.58 (C3), 130.23 (C5), 128.40 (C2), 128.12 (C9), 125.79 (C6), 125.65 (C13), 119.45 (C18), 63.99 (C7), 63.45 (C8), 37.82 (C9), Tg = 148℃, ηinh = 0.46 dL g-1.
1H NMR (500 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) δ (ppm) 8.73 (m, 2Ha), 8.62 (m, 2He), 8.42 (s, 2Hj), 8.16 (d, J = 10.45 Hz, 2Hb), 8.06 (m, 2Hc, 2Hf, 2Hg), 4.95 (s, 4Hd), 4.76 (s, 4Hh), 4.34 (s, 4Hi), 13C NMR (500 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) 168.81 (C1), 166.98 (C16), 137.11 (C17), 134.98 (C4), 134.94 (C11), 131.59 (C3), 131.55 (C10), 130.24 (C5+12), 128.43 (C2), 128.14 (C9), 125.83 (C6), 125.68 (C13), 119.35 (C18), 64.00 (C7), 63.48 (C8), 37.76 (C9), Tg = 151℃, ηinh = 0.45 dL g-1, IR (vmax cm-1) 2956, 1717, 1387, 1339, 1278, 1257, 1182, 1132, 1091.
モノマー(I)をそれぞれ5、10.3および16.4mol%含む3つのPENコポリマー(ここではPENコPDI−5、PENコPDI−10およびPENコPDI−16という)を、上記合成法を用いて、(5ガロンの反応器を用いて)より大きい規模で製造した後一晩(8時間、150℃)乾燥し、それから二軸配向フィルムを製造した。コポリマー中のコモノマー(I)の量はNMRで決定した。対照として100%PENフィルムも調製した。
フィルムサンプルの結晶化度は本明細書に記載されている密度法を用い、PENの密度および結晶化度の既知の値に対する次の文献データに基づいて計算された。
0%結晶性PENの密度=1.325g/cm3
100%結晶性PENの密度=1.407g/cm3
モノマー(I)をそれぞれ12.5および16.7mol%含む2つのPETコポリマー(ここではPETコPDI−12およびPETコPDI−16という)を、上の例12で記載した合成法を用いて、(5ガロンの反応器を用いて)より大きい規模で製造した。コポリマー中のコモノマー(I)の量はNMRで決定した。コポリマーPETコPDI−12は108℃のTgおよび240℃のTmを示した。コポリマーPETコPDI−16は103℃のTgおよび257℃のTmを示した。ポリマーを上記のように一晩乾燥し、上記のようにそれから二軸配向フィルムを製造した。対照として100%PETフィルムも調製した。加工処理条件を下記表10に示す。
0%結晶性PETの密度=1.335g/cm3
100%結晶性PETの密度=1.455g/cm3
上記固相重合技術を用い、例7に記載したのと同様にして調製した出発ポリマーを用いて、PENコPDI−5コポリエステルイミドを製造した。質量およそ5gのポリマーサンプルを高温ブロック内のSchlenkチューブに入れた。次にサンプルを真空中で(<0.1mbar)200℃に16時間加熱した。SSP手順の後、より高分子量のポリマーをDSCで分析して、SSP直後に(すなわちその熱履歴を消去しないで)ポリマーの結晶化度を測定したところ、最終ポリマーが46.56Jg-1のΔHmおよび45%の結晶化度を示すことが立証された。
このポリマーのカルボキシル末端基含量も分析し、その値を下記表14に示す。ここで認められるように、本明細書に記載されているコポリエステルは驚くほど低いカルボキシル末端基含量を示し、SSPはこの特性を際立たせる。
〔1〕脂肪族グリコール、芳香族ジカルボン酸、および式(I)のモノマーから誘導される繰り返し単位を含むコポリエステルを含むポリエステルフィルム。
(I)
(式中、n=2、3または4であり、コモノマー(I)はコポリエステルのグリコール部分の一部を構成する)
〔2〕モノマー(I)がコポリエステルのグリコール部分の約1〜約50mol%の範囲で存在する、前記〔1〕に記載のフィルム。
〔3〕脂肪族グリコールがC 2 、C 3 またはC 4 脂肪族ジオールから選択される、前記〔1〕から〔2〕までのいずれか1項に記載のフィルム。
〔4〕脂肪族グリコールがエチレングリコールである、前記〔1〕から〔3〕までのいずれか1項に記載のフィルム。
〔5〕脂肪族グリコールの炭素原子の数がコモノマー(I)の数(n)と同じである、前記〔1〕から〔4〕までのいずれか1項に記載のフィルム。
〔6〕n=2である、前記〔1〕から〔5〕までのいずれか1項に記載のフィルム。
〔7〕芳香族ジカルボン酸がナフタレンジカルボン酸およびテレフタル酸から選択される、前記〔1〕から〔6〕までのいずれか1項に記載のフィルム。
〔8〕芳香族ジカルボン酸が2,6−ナフタレンジカルボン酸である、前記〔1〕から〔7〕までのいずれか1項に記載のフィルム。
〔9〕コポリエステルが式(IIa)を有する、前記〔1〕から〔8〕までのいずれか1項に記載のフィルム。
(IIa)
(式中、
n=2、3または4であり、
基Xは前記脂肪族グリコールの炭素鎖であり、
pおよびqはそれぞれ脂肪族グリコール含有繰り返しエステル単位およびモノマー(I)含有繰り返しエステル単位のモル分率である)
〔10〕モノマー(I)がコポリエステルのグリコール部分の約3〜約15mol%の量、好ましくは約10mol%以下の量で存在する、前記〔9〕に記載のフィルム。
〔11〕コポリエステルが式(IIb)を有する、前記〔1〕から〔7〕までのいずれか1項に記載のフィルム。
(IIb)
(式中、n=2、3または4であり、
基Xは前記脂肪族グリコールの炭素鎖であり、
pおよびqはそれぞれ脂肪族グリコール含有繰り返しエステル単位およびモノマー(I)含有繰り返しエステル単位のモル分率である)
〔12〕モノマー(I)がコポリエステルのグリコール部分の約1〜約30mol%、好ましくは約3〜約15mol%の範囲で存在する、前記〔11〕に記載のフィルム。
〔13〕コポリエステルが25グラム当量/10 6 gポリマー以下、好ましくは1グラム当量/10 6 gポリマー以下のカルボキシル末端基含量を示す、前記〔1〕から〔12〕までのいずれか1項記載のフィルム。
〔14〕フィルムが配向フィルム、特に二軸配向フィルムである、前記〔1〕から〔13〕までのいずれか1項に記載のフィルム。
〔15〕前記芳香族ジカルボン酸がナフタレンジカルボン酸であり、フィルムの結晶化度がフィルム密度から計算して、0%結晶性のポリエチレンナフタレート(PEN)の密度1.325g/cm 3 および100%結晶性のPENの密度1.407g/cm 3 に基づいて少なくとも約10%であり、あるいは、前記芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸であり、フィルムの結晶化度がフィルム密度から計算して、0%結晶性のポリエチレンテレフタレート(PET)の密度1.335g/cm 3 および100%結晶性のPETの密度1.455g/cm 3 に基づいて少なくとも約10%である、前記〔1〕から〔14〕までのいずれか1項に記載のフィルム。
〔16〕脂肪族グリコール、芳香族ジカルボン酸、および式(I)のモノマーから誘導される繰り返し単位を含むコポリエステルを調製する方法であって、
(I)
(式中、n=2、3または4であり、コモノマー(I)はコポリエステルのグリコール部分の一部を構成する)
(i)前記脂肪族グリコールを前記芳香族ジカルボン酸(好ましくはナフタレンジカルボン酸またはテレフタル酸)と反応させて前記芳香族ジカルボン酸のビス(ヒドロキシアルキル)−エステル(好ましくはビス(ヒドロキシアルキル)−ナフタレートまたはビス(ヒドロキシアルキル)−テレフタレート)を形成するステップ、
(iii)高まった温度および圧力の条件下、触媒の存在下で、前記芳香族ジカルボン酸の前記ビス(ヒドロキシアルキル)−エステルをモノマー(I)と反応させるステップ
を含む、方法。
〔17〕前記芳香族ジカルボン酸がナフタレンジカルボン酸であり、前記ビス(ヒドロキシアルキル)−エステルがビス(ヒドロキシアルキル)−ナフタレートであるか、または前記芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸であり、前記ビス(ヒドロキシアルキル)−エステルがビス(ヒドロキシアルキル)−テレフタレート)である、前記〔16〕に記載の方法。
〔18〕脂肪族グリコール、芳香族ジカルボン酸、および式(I)のモノマーから誘導される繰り返し単位を含むコポリエステルであって、
(I)
(式中、n=2、3または4であり、コモノマー(I)はコポリエステルのグリコール部分の一部を構成する)
前記〔16〕もしくは〔17〕に記載の方法により得ることができ、および/または25グラム当量/10 6 gポリマー以下、好ましくは1グラム当量/10 6 gポリマー以下のカルボキシル末端基含量を示す、コポリエステル。
〔19〕コポリエステルが前記〔2〕から〔13〕までのいずれか1項に定義されている通りである、前記〔16〕または〔17〕に記載の方法または前記〔18〕に記載のコポリエステル。
Claims (8)
- 脂肪族グリコールモノマー、芳香族ジカルボン酸モノマー、および式(I)のモノマーから誘導される繰り返し単位を含む熱可塑性コポリエステルを調製する方法であって、
(式中、n=2であり、モノマー(I)はコポリエステルのグリコール部分の一部を構成し、モノマー(I)は、コポリエステルのグリコール部分の5〜約50mol%の範囲で存在し、脂肪族グリコールがエチレングリコールであり、芳香族ジカルボン酸がナフタレンジカルボン酸である)
(i)前記脂肪族グリコールモノマーを、前記芳香族ジカルボン酸モノマーと反応させて、ビス(ヒドロキシアルキル)−ナフタレートを形成するステップ、
(ii)高まった温度および圧力の条件下、触媒の存在下で、前記ビス(ヒドロキシアルキル)−ナフタレートを、モノマー(I)と反応させるステップ
を含む、方法。 - コポリエステルが、脂肪族グリコール、芳香族ジカルボン酸、及び式(I)のモノマーのみを含む、請求項1に記載の方法。
- 芳香族ジカルボン酸が、2,6−ナフタレンジカルボン酸である、請求項1に記載の方法。
- コポリエステルが式(IIa)を有する、請求項1に記載の方法。
(式中、
n=2であり、
基Xは、前記脂肪族グリコールの炭素鎖であり、
pおよびqは、それぞれ脂肪族グリコール含有繰り返しエステル単位およびモノマー(I)含有繰り返しエステル単位のモル分率である) - モノマー(I)が、5〜約15mol%の量で存在する、請求項1に記載の方法。
- モノマー(I)が、コポリエステルのグリコール部分の約10mol%以下の量で存在する、請求項5に記載の方法。
- コポリエステルが、25グラム当量/10 6 gポリマー以下のカルボキシル末端基含量を示す、請求項1に記載の方法。
- コポリエステルが、1グラム当量/10 6 gポリマー以下のカルボキシル末端基含量を示す、請求項7に記載の方法。
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