JP6771379B2 - N,n’−ビス−(ヒドロキシアルキル)−ピロメリト酸ジイミドから誘導されるコポリエステルイミドおよびそれから作成されるフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエステルイミドおよびそれから作成されるフィルム、ならびにそれらの合成方法に関する。特に、本発明は、改良された耐熱性および熱機械的安定性を示す芳香族カルボン酸の新規なコポリマー、特にポリ(アルキレンナフタレート)のコポリマーおよびポリ(アルキレンテレフタレート)のコポリマーに関する。
ガラス転移温度(Tg)、結晶融点(Tm)および結晶化度はポリエステルの熱機械的性質を決定する際の重要なパラメーターである。以前の研究は熱可塑性ポリマー、主としてホモポリマーのTgを上昇させることに成功したが、これには通例対応するTmの上昇が伴っていた。かかるTmの上昇は不都合である可能性がある。というのは、熱可塑性ポリマーはまた(例えば押出機内で)溶融加工可能なままであるべきであり、好ましくは経済的条件下(例えば、慣用の押出設備の使用が可能である約320℃未満、好ましくは約300℃未満)で溶融加工可能なままであるべきであるからである。より高い加工温度ではポリマーの押出に高価な専門の設備と多大なエネルギーが必要とされ、通例分解産物も生じる。溶融加工温度はポリマーの分解温度より十分に低く(例えば、少なくとも約20℃低く)なければならない。場合によっては、Tmを保持しつつTgを上昇させるためにコモノマーがポリマー中に導入されたが、やはり分解温度とTmの収斂が起こり、溶融物中に分解産物が生成される。
また、より剛性の高いコモノマーの導入によりポリエステルのガラス転移温度を高めるために多くの試みがなされてきた。しかしながら、かかるコモノマーはまた結晶格子内のポリマー鎖の充填を乱すので、Tgが上昇する一方で、Tmと結晶化度はいずれも通例コモノマーの割合が増大すると低下し、最終的に非晶質の材料になる。ポリマー性の材料から物品を製造するには、許容できる熱機械的性質を有する物品を得るためにポリマーが結晶性を示すことが極めて重大であることが多い。
ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)は78℃のガラス転移温度(Tg)および260℃の結晶融点(Tm)を有する半結晶性コポリマーである。ポリ(エチレンナフタレート)(PEN)は、PETと比較してより高いガラス転移温度(Tg=120℃)を有する半結晶性コポリマーであるが、結晶融点は大きく異なっているわけではない(PENのTm=268℃)。PENの熱機械的安定性はPETのものよりかなり高い。より剛性のコモノマーの導入によってTgを高めるためになされた試みの多くは、PENよりかなり安価なPETに集中している。PENより高いTgをもつ市販の半結晶性ポリエステルはない。ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)は、高いTg(およそ143〜146℃)の半結晶性熱可塑性ポリマーの幾つかの例の1つであり、工学および生物医学用途で成功裏に使用されている。しかしながら、PEEKはある種のタイプの物品に対して適しているのみである。例えば、二軸配向フィルムの製造には適していない。また、PEEKは非常に高価であり、しかも高い結晶融点(およそ350℃)を有する。
本発明の根底にある目的は、ポリマーがもはや経済的条件下で溶融加工可能でなくなる点までTmを有意に上昇させることなく、特に(許容できる熱機械的性質を得るために)フィルムの結晶化度を有意に低下させることなく、また好ましくは分解温度を有意に低下させることなく、対応するベースのポリエステルより高いTgを有するコポリエステルから作成されたコポリエステルフィルムを提供することである。
したがって、本発明の目的は、改良された耐熱性および熱機械的安定性を示すポリエステルを提供することである。本発明の別の目的は、ポリマーがもはや経済的条件下で溶融加工可能でなくなる(すなわち、ポリマーが約320℃未満、好ましくは約300℃未満で溶融加工可能なままであるべきである)点までTmを上昇させることなく、高いまたは上昇したTgを有する熱可塑性ポリマーを提供することである。本発明のさらに別の目的は、高いTgと共に高いTmを示す半結晶性ポリエステルを提供することである。本発明のさらなる目的は、そのTmおよび/またはその結晶化度を有意に低下させることなく、好ましくはその分解温度を有意に低下させることなく、ポリエステルのTgを上昇させることである。
本明細書で使用する場合、用語「Tmを有意に低下させることなく」とは、Tmが10%以下、好ましくは5%以下低下することを意味する。
本明細書で使用する場合、用語「結晶化度を有意に低下させることなく」とは、ポリエステルが商業的に有用な結晶化度を、好ましくは約10%〜約60%、好ましくは約20〜約50%の範囲に保持することを意味する。
本発明のさらなる目的は、そのTmおよび/またはその結晶化度を有意に低下させることなく、好ましくはその分解温度を有意に低下させることなく対応するベースのポリエステルより高いTgを有するコポリエステルを提供することである。
本発明のさらなる目的は、従来のポリエステルにおいて、前記ポリエステルのTmおよび/またはその結晶化度を有意に低下させることなく、好ましくはその分解温度を有意に低下させることなく、そのTgを上昇させるモノマーの一部置換に適したコモノマーの使用を提供することである。
本発明の目的はTmの上昇を排除するものではないが、Tmのいかなる上昇も溶融加工が非経済的になり、Tmと分解温度が収斂するほど大きくてはならない。
本明細書で使用する場合、用語「コポリエステル」は、エステル結合を含み、3種類以上のコモノマーから誘導されるポリマーをいう。本明細書で使用する場合、用語「対応するベースのポリエステル」とは、エステル結合を含んでおり、エステル形成性官能基を有する2種類のコモノマーから誘導され、かつ、対応するベースのポリエステルのコモノマーを含むコモノマーから誘導されるコポリエステルに対する比較の基準として役に立つポリマーをいう。エステル形成性官能基を含むコモノマーは2つのエステル形成性官能基を保有することが好ましい。
本明細書で使用する場合、用語「半結晶性」は、本明細書に記載されている試験に従って測定して少なくとも約5%、好ましくは少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約15%、好ましくは少なくとも約20%の結晶化度を意味することを意図している。
したがって、本発明は、脂肪族グリコール、芳香族ジカルボン酸(好ましくはテレフタル酸およびナフタレン−ジカルボン酸から選択される)、および次式(I)のモノマーから誘導される繰り返し単位を含むコポリエステルを含むフィルムを提供する。
(I)
(式中、n=2、3または4、好ましくはn=2である)
本明細書中では、式(I)のモノマーをN,N’−ビス−(ヒドロキシアルキル)−ピロメリト酸ジイミド(PDI)という。n=2の場合、モノマーはN,N’−ビス−(ヒドロキシエチル)−ピロメリト酸ジイミドといわれる。
驚くべきことに、本発明者はこの度、特定のコモノマー(I)をポリエステル中に組み込むと、単にTgを実質的に上昇させるだけでなく、それから作成されるフィルムの結晶性に有意な害を及ぼすことなくTgを実質的に上昇させることを見出した。これは、Tmを有意に上昇させることなく達成される。本明細書に記載されているコポリエステルは熱可塑性である。本明細書に記載されているコポリエステルおよびそれから作成されるフィルムは半結晶性を示す。本明細書に記載されているコポリエステルは高分子量で容易に得ることができる。本明細書に記載されているコポリエステルは320℃未満(好ましくは300℃未満)で強靱な高強度のフィルムに溶融加工することができる。コポリエステルは本明細書中ではコ(ポリエステル−イミド)ともいう。
コモノマー(I)はコポリエステルのグリコール部分の一部を構成する。好ましい実施形態において、コモノマー(I)は、コポリエステルのグリコール部分の約50mol%以下、好ましくは約40mol%以下、好ましくは約30mol%以下、好ましくは約20mol%以下、好ましくは約15mol%以下の量で存在する。好ましくはコモノマーはコポリエステルのグリコール部分の少なくとも約1mol%、より好ましくは少なくとも約3mol%、より好ましくは少なくとも約4mol%の量で存在する。
芳香族酸がナフタレン−ジカルボン酸である場合、コモノマー(I)は約15mol%以下、約10mol%以下、好ましくは10mol%未満、好ましくは約9mol%以下、そして1つの実施形態においては約8mol%以下の量で存在する。
本発明者は、低いモル分率のコモノマー(I)でも、Tgの小さいが価値のある上昇が観察されることを観察した。例えば、n=2のコモノマー(I)を5mol%だけ含むコポリエステルはTgのかなりの上昇を示すが、良好な結晶化度を保持する。
芳香族ジカルボン酸は好ましくはテレフタル酸およびナフタレン−ジカルボン酸から選択される。本発明で使用することができるその他の芳香族ジカルボン酸としてはイソフタル酸およびフタル酸がある。ナフタレン−ジカルボン酸は2,5−、2,6−または2,7−ナフタレンジカルボン酸から選択することができ、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
脂肪族グリコールは好ましくはC2、C3またはC4脂肪族ジオールから、より好ましくはエチレングリコール、1,3−プロパンジオールおよび1,4−ブタンジオールから、より好ましくはエチレングリコールおよび1,4−ブタンジオールから選択され、最も好ましくはエチレングリコールである。脂肪族グリコールの炭素原子の数はコモノマー(I)中の数(n)と同じでも異なってもよいが、結晶性を保持するために、特にコモノマーの増大する量と共に結晶性を保持するために同じであるのが最も好ましい。したがって、脂肪族グリコールは式HO(CH2mOHを有するのが好ましく、m=nである。
1つの実施形態において、脂肪族グリコールは1,4−ブタンジオールであり、n=4である。好ましい実施形態において、脂肪族グリコールはエチレングリコールであり、n=2である。
酸成分が2,6−ナフタレンジカルボン酸から選択されるコポリエステルは次式(IIa)で記述することができる。
(IIa)
(式中、
nは式(I)に対して定義されている通りであり、
基Xは前記脂肪族グリコールの炭素鎖であり、
pおよびqは、それぞれ、上で定義した脂肪族グリコール含有繰り返しエステル単位およびモノマー(I)含有繰り返しエステル単位のモル分率である(すなわち、qは好ましくは50以下であり、p=100−qである))
酸成分がテレフタル酸から選択されたコポリエステルは次式(IIb)で記述することができる。
(IIb)
(式中、n、X、pおよびqは上に記載した通りである)
コポリエステルは1種類より多くの前述の脂肪族グリコール、および/または1種類より多くの式(I)のモノマー(すなわちnの値が異なる複数種類のモノマー)を含有していてもよい。しかしながら、好ましくは、コポリエステルは単一種類の前述の脂肪族グリコールを含む。好ましくは、コポリエステルは単一種類の式(I)のモノマーを含む。好ましくは、コポリエステルは単一種類の前述の脂肪族グリコール、および単一種類の式(I)のモノマーを含む。コポリエステルが1種類より多くの前記脂肪族グリコールを含有する場合、コポリエステルは単一種類の前記脂肪族グリコールの主要な脂肪族グリコール部分、および1以上の異なる種類の前記脂肪族グリコールの少ない量の脂肪族グリコール部分を含むのが好ましく、ここで前記1以上の異なる種類の前記脂肪族グリコールは全体のグリコール部分の10mol%以下、好ましくは5mol%以下、好ましくは1mol%以下を構成する。同様に、コポリエステルが1種類より多くの前記式(I)のモノマーを含有する場合、コポリエステルは単一種類の前記式(I)のモノマーの主要部分、および1以上の異なる種類の前記式(I)のモノマーの少量部分を含むのが好ましく、ここで前記少量部分の1以上の異なる種類の式(I)のモノマーは全体のモノマー(I)部分の10mol%以下、好ましくは5mol%以下、好ましくは1mol%以下を構成する。コポリエステルは少量の他のグリコールを含有していてもよく、好ましい実施形態においてかかる他のグリコールは全体のグリコール部分の10mol%以下、好ましくは5mol%以下、好ましくは1mol%以下を構成するが、性能を最大にするためにグリコール部分は上記のコモノマー(I)および前記脂肪族グリコールからなるのが好ましい。
本明細書に記載されているコポリエステルは1種類より多くのカルボン酸を含有していてもよい。この実施形態において、コポリエステルは上記したように好ましくはテレフタル酸またはナフタレン−ジカルボン酸である第1の芳香族ジカルボン酸、および1種以上の追加のカルボン酸を含む。追加のカルボン酸は少量(好ましくは全体の酸部分の10mol%以下、好ましくは5mol%以下、好ましくは1mol%以下)で存在し、前記第1の芳香族カルボン酸とは異なる。追加のカルボン酸は好ましくはジカルボン酸から、好ましくは例えばテレフタル酸(この場合第1の芳香族ジカルボン酸はナフタレン−ジカルボン酸である)、ナフタレン−ジカルボン酸(この場合第1の芳香族ジカルボン酸はテレフタル酸である)、イソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸および4,4’−ジフェニルジカルボン酸を含む芳香族ジカルボン酸から選択される。この実施形態において、第1の芳香族ジカルボン酸はナフタレン−ジカルボン酸の1つの異性体であってもよく、追加のジカルボン酸はナフタレン−ジカルボン酸の他の異性体から選択され得る。
しかしながら、酸部分は上記した単一の芳香族ジカルボン酸からなるのが好ましい。
したがって、本明細書に記載されているコポリエステルは、脂肪族グリコール、芳香族ジカルボン酸(好ましくはテレフタル酸またはナフタレン−ジカルボン酸)および上で定義した式(I)のモノマーのみを含有するのが好ましい。
本明細書に記載されているコポリエステルは、通例約310℃以下の温度で、縮合またはエステル交換によりポリエステル材料を製造する慣用の技術に従って合成することができる。重縮合は固相重合(SSP)段階を含み得る。固相重合は、回転式真空乾燥機を用い、例えば窒素で流動化された流動床で、または真空流動床で実施することができる。適切な固相重合技術は例えば欧州特許出願公開第0419400号に開示されている。その開示は参照により本明細書に組み込まれる。こうして、SSPは通例、ポリマーの結晶融点(Tm)より10〜50℃低いがガラス転移温度(Tg)より高い温度で行われる。乾燥した窒素または真空の不活性雰囲気を使用して変質を防止する。1つの実施形態において、コポリエステルは、触媒残渣、望ましくない無機堆積物およびその他のポリマー製造の副産物のような汚染物質のレベルが低下したポリマー性物質を提供するゲルマニウムをベースとする触媒を用いて調製される。したがって、本発明のさらなる態様により、本明細書中に定義されたコポリエステルを調製する方法であって、
(i)前記脂肪族グリコールを前記芳香族ジカルボン酸と反応させて前記芳香族ジカルボン酸のビス(ヒドロキシアルキル)−エステルを形成するステップ、
(ii)高まった温度および圧力の条件下、触媒の存在下で、前記芳香族ジカルボン酸の前記ビス(ヒドロキシアルキル)−エステルをモノマー(I)と反応させるステップ
を含む、方法が提供される。
1つの実施形態において、脂肪族グリコールをナフタレンジカルボン酸と反応させてビス(ヒドロキシアルキル)−ナフタレートを形成し、次にこれを以下のスキーム(1)に例示されているように高まった温度および圧力の条件下、触媒の存在下で、所望のモル比でモノマー(I)と反応させる。さらなる実施形態において、脂肪族グリコールをテレフタル酸と反応させてビス(ヒドロキシアルキル)−テレフタレートを形成し、次にこれを以下のスキーム(2)に例示されているように高まった温度および圧力の条件下、触媒の存在下で、所望のモル比でモノマー(I)と反応させる。
コポリエステルを調製するための上記本発明の方法では、有利なことに、高い選択性および高い収率での本明細書に記載のコポリエステルの調製が可能になる。また、この方法は、有利なことに、安定で比較的に迅速な反応も提供し、信頼でき再現可能な重合を容易にすると共に安全かつ経済的にスケールアップを可能にし、また製品の均一性も改良する。
驚くべきことに、コポリエステルは例外的に低い数のカルボキシル末端基、好ましくは25グラム当量/106gポリマー以下、好ましくは20グラム当量/106gポリマー以下、好ましくは15グラム当量/106gポリマー以下、好ましくは10グラム当量/106gポリマー以下、好ましくは5グラム当量/106gポリマー以下、好ましくは1グラム当量/106gポリマー以下を示し、したがって、優れた加水分解安定性を示す。
本発明のさらなる態様によって、脂肪族グリコール、芳香族ジカルボン酸、および式(I)のモノマーから誘導される繰り返し単位を含むコポリエステルであって、コモノマー(I)はコポリエステルのグリコール部分の一部を構成し、前記コポリエステルは本明細書に記載した方法によって得ることができ、および/または25グラム当量/106gポリマー以下、好ましくは20グラム当量/106gポリマー以下、好ましくは15グラム当量/106gポリマー以下、好ましくは10グラム当量/106gポリマー以下、好ましくは5グラム当量/106gポリマー以下、好ましくは1グラム当量/106gポリマー以下のカルボキシル末端基含量を示す、コポリエステルが提供される。
(I)
(式中、nは2、3または4である)
本明細書に記載されているコポリエステルは、高温への曝露を伴う用途および高い熱機械的性能を要求する用途に使用するのに特に適している。本明細書に記載されているコポリエステルのPEEKに勝る1つの利点は、PEEKのものに近いTg値を示すが、それよりかなり低いTmを有することである。
驚くべきことに、本発明者は、特定のコモノマー(I)を芳香族ポリエステル(好ましくはテレフタレートまたはナフタレートポリエステル)に組み込むと、単にTgを実質的に上昇させるだけでなくて、それから作成されるフィルムの結晶性に対して顕著な害を及ぼすことなくそのようにすることを見出した。これは、Tmを有意に上昇させることなく達成される。本明細書に記載されているコポリエステルから作成されるフィルムは予想外に優れた半結晶性を示す。本発明の半結晶性フィルムは本明細書に記載されている密度法に従って測定して少なくとも約5%、好ましくは少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約15%、好ましくは少なくとも約20%、そして好ましくは少なくとも約25%の結晶化度を示す。このように、本発明は、芳香族ジカルボン酸(または本明細書に定義されている第1のジカルボン酸)がナフタレンジカルボン酸であるフィルムを提供し、このフィルムの結晶化度は、フィルム密度から、そして0%結晶性のポリエチレンナフタレート(PEN)の密度1.325g/cm3および100%結晶性のPENの密度1.407g/cm3に基づいて計算して、少なくとも約5%(好ましくは10%、好ましくは15%、好ましくは20%、好ましくは25%)であり、さらに、芳香族ジカルボン酸(または本明細書に定義されている第1のジカルボン酸)がテレフタル酸であるフィルムを提供し、このフィルムの結晶化度は、フィルム密度から、そして0%結晶性のポリエチレンテレフタレート(PET)の密度1.335g/cm3および100%結晶性のPETの密度1.455g/cm3に基づいて計算して、少なくとも約5%(好ましくは10%、好ましくは15%、好ましくは20%、好ましくは25%)である。
本発明のフィルムは好ましくは配向フィルム、好ましくは二軸配向フィルムである。二軸配向フィルムは特に、磁気記録媒体、特に狭いが安定なトラックピッチを許容し、より高い密度または容量の情報の記録を可能にするために低下したトラックのずれを示すことが必要とされる磁気記録媒体、例えばLTO(リニアテープオープン)フォーマットのようなサーバーバックアップ/データ記憶として適切な磁気記録媒体のベースフィルムとして有用である。本発明のフィルム(好ましくは二軸配向フィルム)はまた、最終製品の製作中熱機械的に安定なバックプレーンが重要である電子および光電デバイスにおける使用(特にフィルムが可撓性であることが必要とされる場合)に特に適しており、例えばエレクトロルミネッセント(EL)ディスプレイデバイス(特に有機発光ディスプレイ(OLED)デバイス)、電気泳動ディスプレイ(e−ペーパー)、光電池(PV)セルおよび半導体デバイス(例えば有機電界効果トランジスター、薄膜トランジスターおよび一般に集積回路)、特に可撓性のかかるデバイスの製造に適している。
脂肪族グリコール、芳香族ジカルボン酸、および上で定義された式(I)のモノマーから誘導される繰り返し単位を含むコポリエステルは、好ましくはフィルムの主要成分であり、フィルムの総質量の少なくとも50%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、そして好ましくは少なくとも95質量%を構成する。前記コポリエステルはフィルムに使用される唯一のポリエステルであるのが適切である。
フィルムの形成は当業界で周知の慣用の押出技術によって行うことができる。一般的に言って、この方法は、適当な温度範囲、例えば約280〜約300℃の範囲内の温度で溶融ポリマーの層を押し出すステップ、押出物をクエンチするステップ、クエンチした押出物を配向するステップを含む。配向は、配向フィルムを生成するための当業界で公知の任意のプロセス、例えばチューブラまたはフラットフィルムプロセスによって行うことができる。二軸配向は、機械的および物理的性質の満足のいく組合せを達成するために、フィルムの平面内で2つの互いに垂直の方向に引っ張ることによって行われる。チューブラプロセスでは、熱可塑性ポリエステルチューブを押し出し、その後これをクエンチし、再加熱した後、内部ガス圧力により膨張させて横方向の配向を誘発し、縦方向の配向を誘発する速度で引き抜くことによって同時二軸配向を実施することができる。好ましいフラットフィルムプロセスでは、フィルム形成性ポリエステルをスロットダイに通して押し出し、冷却したキャスティングドラム上で急速にクエンチして、ポリエステルを非晶質状態に確実にクエンチする。その後、クエンチされた押出物をポリエステルのガラス転移温度を超える温度で少なくとも1つの方向に延伸することによって配向を行う。逐次配向はクエンチされたフラットな押出物をフィルム延伸機に通して最初に1つの方向、通常は縦方向、すなわち順方向に、次に横方向に延伸することによって行うことができる。押出物の前方延伸は1組の回転ロール上で、または2対のニップロールの間で都合よく行われ、次に横方向の延伸がステンター装置で行われる。延伸は一般に、配向フィルムの寸法が延伸の方向または各方向で元の寸法の2〜5倍、より好ましくは2.5〜4.5倍になるようにして行われる。通例、延伸はポリエステルのTgより高い温度、好ましくはTgより約15℃高い温度で行われる。1つの方向だけの配向が必要であれば、より大きい延伸比(例えば、約8倍まで)を使用してもよい。機械および横方向に等しく延伸する必要はないが、バランスのとれた性質が所望の場合はこれが好ましい。
延伸したフィルムは、ポリエステルの所望の結晶化を誘発するために、寸法支持下で(under dimensional support)、ポリエステルのガラス転移温度より高いがその融解温度より低い温度でヒートセットすることにより、寸法を安定化することができ、好ましくはそのように安定化する。ヒートセットの間、「トーイン」として公知の手順により横方向(TD)で小量の寸法緩和が起こり得る。トーインは2〜4%程度の寸法収縮を伴うことができるが、このプロセスまたは機械方向(MD)における類似の寸法緩和は達成するのが困難である。なぜならば、低い線張力が必要とされ、フィルムの制御および巻き取りが問題になるからである。実際のヒートセット温度および時間は、フィルムの組成およびその所望の最終の熱収縮に依存して変化するが、フィルムの引き裂き抵抗のような靱性特性を実質的に低下させないように選択するべきである。これらの制約の範囲内で、約150〜245℃(通例少なくとも180℃)のヒートセット温度が一般に望ましい。ヒートセット後、ポリエステルの所望の結晶性を誘発するために、通例フィルムを急速にクエンチする。
1つの実施形態において、フィルムはインライン緩和段階の使用によりさらに安定化することができる。あるいは、緩和処理はオフラインで行うことができる。この追加のステップにおいて、フィルムは、ヒートセット段階のものより低い温度で、ずっと低下したMDおよびTD張力で加熱される。フィルムにかかる張力は低い張力であり、通例フィルムの幅1m当たり5kg/m未満、好ましくは3.5kg/m未満、より好ましくは1〜約2.5kg/mの範囲、通例1.5〜2kg/mの範囲である。フィルムのスピードを制御する緩和プロセスの場合、フィルムスピード(したがって、歪み緩和)の低下は通例0〜2.5%、好ましくは0.5〜2.0%の範囲である。加熱−安定化ステップの間フィルムの横方向の寸法の増大はない。加熱安定化ステップに使用される温度は最終のフィルムに由来する性質の所望の組合せに依存して変化することができ、より高い温度がより良好な、すなわちより低い残留する収縮特性を与える。135〜250℃の温度が一般に望ましく、好ましくは150〜230℃、より好ましくは170〜200℃である。加熱の持続時間は使用温度に依存するが、通例10〜40秒の範囲であり、20〜30秒の持続時間が好ましい。この加熱安定化プロセスは、水平および垂直の構成ならびに別途のプロセスステップとしての「オフライン」またはフィルム製造プロセスの続きとしての「インライン」を含めて各種の方法で行うことができる。こうして加工処理されたフィルムはかかる後のヒートセット緩和なしで生成したものより小さい熱収縮を示す。
フィルムはさらに、ポリエステルフィルムの製造において慣習的に使用される他の添加剤を含むことができる。すなわち、酸化防止剤、UV吸収剤、加水分解安定剤、架橋剤、染料、充填剤、顔料、ボイド剤(voiding agent)、潤滑剤、ラジカルスカベンジャー、熱安定剤、難燃剤および阻害剤、粘着防止剤、表面活性剤、スリップ助剤、光沢改良剤、分解促進剤(prodegradent)、粘度調整剤および分散安定剤のような物質を適宜配合することができる。かかる成分は慣用の方法でポリマー中に導入することができる。例えば、フィルム形成性ポリマーの誘導元である原料のモノマー反応物質と混合することができ、またはかかる成分は、タンブルもしくはドライブレンドするか、または押出機でコンパウンディングした後、冷却し、通常、粉砕して顆粒またはチップにすることによってポリマーと混合することができる。マスターバッチ技術も使用することができる。フィルムは、特に、製造中の取扱い性および巻き取り性を改良することができ、また光学的性質を調節するのに使用することができる微粒子状充填剤を含んでもよい。微粒子状充填剤は、例えば、微粒子状無機充填剤(例えば、アルミナ、チタニア、タルクおよびシリカ(殊に沈降またはケイ藻シリカおよびシリカゲル)のような金属または半金属酸化物、焼成白土、ならびにカルシウムおよびバリウムの炭酸塩および硫酸塩のようなアルカリ金属塩)でよい。
フィルムの厚さは約1〜約500μm、通例約250μm以下、そして典型的には約150μm以下の範囲であることができる。特に、本発明のフィルムが磁気記録媒体に使用される場合、多層フィルムの厚さは適宜約1〜約10μm、より好ましくは約2〜約10μm、より好ましくは約2〜約7μm、より好ましくは約3〜約7μm、そして1つの実施形態においては約4〜約6μmの範囲である。フィルムが本明細書に記載されているようにエレクトロニックおよびディスプレイデバイス中の層として使用される場合、多層フィルムの厚さは通例約5〜約350μm、好ましくは約250μm以下、そして1つの実施形態においては約100μm以下の範囲であり、さらなる実施形態においては約50μm以下、通例少なくとも12μm、より典型的には少なくとも約20μmである。
本発明のさらなる態様により、本明細書に記載されているフィルム(特に二軸配向フィルム)を含むエレクトロニックまたはオプトエレクトロニックデバイス、特にエレクトロルミネッセント(EL)ディスプレイデバイス(特に有機発光ディスプレイ(OLED)デバイス)、電気泳動ディスプレイ(e−ペーパー)、光電池(PV)セルおよび(有機電界効果トランジスター、薄膜トランジスターおよび一般に集積回路のような)半導体デバイス、特に可撓性のかかるデバイスのようなエレクトロニックまたはオプトエレクトロニックデバイスが提供される。
本発明のさらなる態様により、本明細書に記載されているフィルム(特に二軸配向フィルム)をベースフィルムとして含み、さらにその1つの表面上に磁気層を含む磁気記録媒体が提供される。磁気記録媒体には、例えば、QICまたはDLTのような線形トラックシステムデータ記憶テープ、および、さらに高容量のタイプのSDLTまたはLTOがある。温度/湿度変化によるベースフィルムの寸法変化は小さく、したがって、テープの高い容量を確保するためにトラックピッチが狭いときでもより小さいトラックのずれを生ずる高密度および高容量に適した磁気記録媒体を提供することができる。
本明細書に開示されている新規な化合物の特性を決定するために以下の試験方法を使用した。
(i)ガラス転移温度(Tg)、低温結晶化の温度(Tcc)、結晶融点(Tm)および結晶化度(Xc)はUniversal V4.5A機(TA Instruments)を用いて示唆走査熱量測定(DSC)によって測定した。特に断らない限り、測定は以下の標準的な試験方法に従ってASTM E1356−98に記載の方法に基づいて行った。サンプルはスキャンの持続時間中乾燥窒素の雰囲気下に維持した(約1.5〜3時間)。サンプル(4〜6mg)を20℃/分の速度で20℃から300℃に加熱し、300℃に5分間保ち、次に20℃/分の速度で20℃に冷却し、次いで10℃/分で20℃から350℃に加熱した。熱特性は第2加熱スキャンのときに記録した。
gの値はASTM E1356−98に記載されているようにDSCスキャン(温度(℃)に対する熱流(W/g))で観察されたガラス転移の外挿開始温度としてとった。
ccおよびTmの値はそれぞれの転移でピークの熱流が観察された温度としてDSCスキャンからとった。
ここで、結晶化度は、特に断らない限り200℃で2時間アニールしたサンプルで測定した。サンプルのアニーリングは、5mgのサンプルと上記機器を用い、DSC加熱サイクル中以下の試験方法に従ってASTM E1356−98に記載の方法に基づいて行った。これらの結晶化度の測定のための全加熱サイクルは次の通りであった。
(i)20℃/分で20℃から300℃まで加熱
(ii)300℃で5分間保持
(iii)20℃/分で20℃まで冷却
(iv)20℃/分で200℃まで加熱
(v)200℃で120分間保持
(vi)20℃まで冷却
(vii)10℃/分で20℃から400℃まで加熱。
熱特性は最後の加熱スキャンのときに記録した。
結晶化度(Xc)は次式に従って計算した。
c=ΔHm/ΔHm °
式中、
ΔHm=融解吸熱の積分から計算された融解の実験エンタルピー
ΔHm °=対応するポリ(アルキレン−カルボキシレート)ホモポリマー(すなわち式(I)のコモノマーを含まない)の100%結晶性における融解の理論エンタルピー
である。したがって、文献(B. Wunderlich, Macromolecular Physics, Academic Press, New York, (1976))に定義されているように、エチレングリコール、ナフタレン−ジカルボン酸および式(I)のコモノマーから誘導される繰り返し単位を含む本発明のコポリエステルの場合、ΔHm °は100%結晶性のPENポリマーの融解の理論エンタルピー(103J/g)であり、エチレングリコール、テレフタル酸および式(I)のコモノマーから誘導される繰り返し単位を含む本発明のコポリエステルの場合、ΔHm °は100%結晶性のPETポリマーの融解の理論エンタルピー(140J/g)である。
(ii)固有粘度(ηinh)はSchott−Gerate CT−52自動粘度計、キャピラリーNo.53103を用いてポリマーのCHCl3/TFA(2:1)中0.1%w/v溶液に対して25℃で決定した。固有粘度は次式で計算した。
ηinh=ln[(t2/t1)/c]
式中、
ηinh=固有粘度(dL/g)
1=溶媒の流下時間(s)
2=ポリマー溶液の流下時間(s)
c=ポリマーの濃度(g/dL)である。
本明細書に記載されているコポリエステルの固有粘度は少なくとも0.7dL/gであるのが好ましい。かかる粘度はSSP技術を用いて容易に得ることができる。
(iii)カルボキシル末端基含量(グラム当量/106gポリマー)はEclipse +500分光計を用いて80℃、d2−TCE中で1H−NMR分光法により決定した。
(iv)フィルムの結晶化度は密度の測定によって測定した。フィルムサンプルの密度は、以下の方法を使用し、水ジャケットを用いて一定の23℃に調節した較正硝酸カルシウム/水密度カラムを使って測定した。既知密度の2つの860ml硝酸カルシウム溶液を調製し、ろ過し、真空中で2時間脱ガスした後、静水圧平衡下で目盛付カラムチューブにポンプで同時に送った。これら既知密度の2つの硝酸カルシウム溶液は低濃度および高濃度の溶液であり、本発明の半結晶性フィルムに期待される密度を含む一定範囲の密度をカラム内に形成する(PETおよびPENホモポリマーについて下に示されているように0および100%ホモポリマーに対して文献密度により定義される約0〜約60%の結晶化度に対応する)。したがって、各々の溶液の濃度はポリマー中の芳香族ジカルボン酸に基づいて(または、1より多くのジカルボン酸を使用する場合は、本明細書に定義されている第1の芳香族ジカルボン酸に基づいて)選択される。使用した溶液は次の通りであった。
PET:低濃度溶液:1.28g/cm3(240.80g硝酸カルシウム;860mL水;硝酸カルシウムのモル濃度1.71M)。高濃度溶液:1.43g/cm3(369.80g硝酸カルシウム;860mL水;2.62M硝酸カルシウム)。
PEN:低濃度溶液:1.32g/cm3(275.20g硝酸カルシウム;860mL水;1.95M硝酸カルシウム)。高濃度溶液:1.41g/cm3(352.60g硝酸カルシウム、860mL水;2.50M硝酸カルシウム)。
密度カラムを較正するために8つの既知密度の試料を使用し、硝酸カルシウム溶液内で洗浄した後目盛付カラムに入れた。カラムに入れた各々の試料について、一定の懸濁レベルに達したとき(4〜5時間後)カラムの容積高さを記録した。各々の試料に対して別途の測定を行って密度に対する容積高さの較正プロットを生成した。この測定法を各々のフィルム試験片(寸法3×5mm)に対して繰り返し、各々のフィルムサンプルに対して3つの試験片を用いて測定された容積高さの平均を生成し、これから測定された密度(ρrecorded)を較正プロットから得た。次に各々のサンプルに対する結晶化度(χc)を次式(1)を用いて計算した。
式中、
χc=結晶化度(%)
ρrecorded=ポリマーの記録された密度(gcm-3
ρamorphous=非晶質ホモポリマーの既知密度(0%結晶性)
ρcrystalline=100%結晶性ホモポリマーの既知密度である。
以下の例により本発明をさらに例証する。これらの例は単に例示を目的とするものであり、上に記載した本発明を限定する意図はないことが分かるであろう。本発明の範囲から逸脱することなく細部の修正をなすことができる。
本発明のコポリエステルを調製するための反応スキームを以下のスキーム1および2に示す。
スキーム1.コモノマー1の合成ならびに一群のコ(ポリエステル−イミド)(2)を与えるビス(ヒドロキシエチル2,6−ナフタレート)とのその共重合(ここで、スキーム1中のzはコポリマー全体の重合度である)
スキーム2.コモノマー1の合成ならびに一群のコ(ポリエステル−イミド)(2)を与えるビス(ヒドロキシエチル2,6−テレフタレート)とのその共重合(ここで、スキーム1中のzはコポリマー全体の重合度である)
(例1)モノマー1の合成
エタノールアミン(1.70mL、27.56mmol)を、ピロメリト酸二無水物(3.01g、13.80mmol)、DMAc(25mL)およびトルエン(15mL)の混合物に加えた。その後Dean−Stark装置を用いて反応混合物を一晩還流して、同時に生成した水を共沸留去した。反応混合物を室温に冷却し、水(約400mL)中に注ぎ入れたところ白色の沈殿が形成された。懸濁液を6時間撹拌し、ろ過し、固体を水とMeOHで洗浄し、真空中100℃で一晩乾燥して3.72gのN,N’−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−ピロメリト酸ジイミドをオフホワイトの粉末として得た(収率: 89%; mp (DSC): 283℃; MS m/z= 327.0589 [M+Na], 計算値327.0545, 1H NMR (400 MHz, DMSO) δ(ppm) 8.22 (4H, m, Hb+c), 7.97 (2H, d, J = 8.16 Hz, Ha), 4.85 (2H, t, J = 12.0 Hz, Hf), 3.67 (4H, t, J = 11.3 Hz, Hd), 3.59 (4H, m, Hf); 13C NMR (100 MHz, DMSO) δ (ppm)167.48 (C7+8), 144.00 (C1), 137.17 (C3), 132.75 (C4), 131.42 (C6), 123.53 (C2), 121.68 (C5), 57.90 (C9), 40.42 (C10); IR (vmaxcm-1) 3385, 3034, 2947, 2883, 1771, 1697, 1394, 1362, 1132)。
(例2〜11)コポリエステルの合成
ビス−(2−ヒドロキシエチル)−テレフタレート(BHET)またはビス−(2−ヒドロキシエチル)−2,6−ナフタレート(BHEN)と式(I)のコモノマーとの重縮合によって、2つの一連の新規な線形ポリ(エステル−イミド)を合成した。変化する量のコモノマーを含有するコポリマーはSb23またはGeO2を触媒として用いて得た。エステル交換反応を真空下190〜200℃で約30〜90分にわたって実施した後重縮合段階を290〜300℃で実施した。ポリマーはTFAおよび/またはHFIPに、ならびにTFAまたはHFIPとCHCl3の混合物に可溶性であった。MeOH中での再沈殿により、白色またはオフホワイトのポリマービーズが得られ、これをろ過により単離し、メタノールで洗浄し、乾燥した。
PETについての一般的なポリエステル化手順は次の通りである:ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET、5.01g、19.71mmol)とSb23(1.50mg、4.12×10-3mmol)を、ゴムでシールした撹拌ガイドおよびガラス撹拌棒を備えたSchlenkチューブに仕込んだ。不活性窒素雰囲気下で管状炉を使用して30分かけて反応混合物をエステル交換温度(温度1)に加熱し、20〜30分保った。その後機械式撹拌機により撹拌速度を300rpmとし、反応混合物を40分かけて重縮合温度(温度2)に加熱した。1〜2分かけて徐々に0.1〜1トルの真空にし、反応混合物の粘度上昇の結果として撹拌速度が250〜260rpmに落ちるまで温度を一定期間(浸漬時間)維持した。この時点で窒素をシステムにパージし、撹拌機を除き、混合物を放冷した。反応管を切断し、ポリマーを含有するその下部を壊した。ポリマーをCHCl3/TFA(2:1)(約50mL)の溶液に溶解させて管の断片および撹拌棒から分離し、ガラスをろ過して除いた。得られた褐色の溶液を真空中で約15mLに濃縮した。MeOH(約120mL)中の析出によりビーズが形成された。ポリマービーズをろ過し、MeOH(2×15mL)で洗浄し、真空オーブンで一晩PETの場合120℃(PENの場合は150℃)で乾燥させた。PENに対する対応する条件は下記表1に示す。
下記表2に示されているように、変化する量のBHETをコモノマー(I)で置き換えて、PETと変化するモル分率のコモノマー(I)とのコポリエステルを提供した。
PETコポリエステルの分析結果は次の通りである。
(例2)PETコPDI−5
1H NMR (400 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) δ (ppm) 8.40 (s, Hf), 8.17 (s, Ha), 8.10 (s, Hc), 4.84 (s, Hb), 4.70 (s, Hd), 4.29 (s, He), 13C NMR (100 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) 167.85 (C1), 166.98 (C10), 137.09 (C11), 133.31 (C2), 133.11 (C6), 130.05 (C3), 119.33 (C12), 63.92 (C4), 63.50 (C8), 37.67 (C9), Tg = 88℃, Tcc = 170℃, Tm = 243℃, Tc = 156℃, ηinh = 0.58 dL g-1.
(例3)PETコPDI−10
1H NMR (400 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) δ (ppm) 8.40 (s, 2Hf), 8.17 (s, 2Ha), 8.09 (m, 2Hc), 4.84 (s, 4Hb), 4.70 (s, 4Hd), 4.29 (s, 4He), 13C NMR (100 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) 167.84 (C1), 166.91 (C10), 137.09 (C11), 133.32 (C2), 133.12 (C6), 130.05 (C3), 119.33 (C12), 63.92 (C4), 63.49 (C8), 37.66 (C9), Tg = 96℃, Tcc = 158℃, Tm = 232℃, Tc = 159℃, ηinh = 0.69 dL g-1.
(例4)PETコPDI−15
1H NMR (400 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) δ (ppm) 8.40 (s, 2Hf), 8.17 (s, 2Ha), 8.08 (m, 2Hc), 4.83 (s, 4Hb), 4.70 (s, 4Hd), 4.29 (s, 4He), 13C NMR (100 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) 167.80 (C1), 166.93 (C10), 137.08 (C11), 133.31 (C2), 133.10 (C6), 130.04 (C3), 119.33 (C12), 63.92 (C4), 63.51 (C8), 37.65 (C9), Tg = 106℃, Tcc = 171℃, Tm = 247℃, Tc = 176℃, ηinh = 1.02 dL g-1.
(例5)PETコPDI−20
1H NMR (400 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) δ (ppm) 8.39 (s, 2Hf), 8.17 (s, 2Ha), 8.08 (d, 2Hc), 4.83 (s, 4Hb), 4.70 (s, 4Hd), 4.29 (s, 4He), 13C NMR (100 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) 167.85 (C1), 166.93 (C10), 137.08 (C11), 133.30 (C2), 133.09 (C6), 130.04 (C3), 119.34 (C12), 63.92 (C4), 63.51 (C8), 37.64 (C9), Tg = 102℃, ηinh = 0.45 dL g-1.
(例6)PETコPDI−25
1H NMR (400 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) δ (ppm) 8.39 (s, 2Hf), 8.17 (s, 2Ha), 8.08 (d, 2Hc), 4.84 (s, 4Hb), 4.70 (s, 4Hd), 4.29 (s, 4He), 13C NMR (100 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) 167.69 (C1), 166.87 (C10), 137.10 (C11), 133.35 (C2), 133.14 (C6), 130.04 (C3), 119.28 (C12), 63.89 (C4), 63.47 (C8), 37.67 (C9), Tg = 97℃, ηinh = 0.30 dL g-1, IR (vmax cm-1) 2956, 1717, 1457, 1405, 1388, 1340, 1263, 1251, 1119, 1102.
下記表3に示されているように、変化する量のBHENをコモノマー(I)で置き換えて、PENと変化するモル分率のコモノマー(I)とのコポリエステルを提供した。
PETコポリエステルの分析結果は次の通りである。
(例7)PENコPDI−5
1H NMR (500 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) δ (ppm) 8.70 (s, Ha), 8.62 (s, He), 8.40 (s, Hj), 8.14 (d, J = 8.5 Hz, Hb), 8.06 (d, J = 8.5 Hz, Hc), 8.02 (m, Hg), 7.94 (s, Hf), 4.92 (s, Hd), 4.74 (s, Hh), 4.32 (s, Hi), 13C NMR (125 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) 168.87 (C1), 166.98 (C16), 137.14 (C17), 135.01 (C4), 134.87 (C11), 131.59 (C3), 130.25 (C5), 128.46 (C2), 128.17 (C9), 125.84 (C6), 125.70 (C13), 119.36 (C18), 64.00 (C7), 63.47 (C8), 37.78 (C9), Tg = 130℃, Tm = 256℃, ηinh = 0.49 dL g-1.
(例8)PENコPDI−10
1H NMR (400 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) δ (ppm) 8.71 (s, 2Ha), 8.60 (m, 2He), 8.40 (s, 2Hj), 8.13 (d, J = 8.4 Hz, 2Hb), 8.05 (d, J = 8.8 Hz, 2Hc), 8.02 (s, 2Hf, 2Hg), 4.91 (s, 4Hd), 4.74 (s, 4Hh), 4.32 (s, 4Hi), 13C NMR (100 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) 168.89 (C1), 166.98 (C16), 137.10 (C17), 134.98 (C4), 131.58 (C3), 130.23 (C5+12), 128.40 (C2), 128.14 (C9), 125.79 (C6), 125.68 (C13), 119.36 (C18), 64.00 (C7), 63.45 (C8), 37.74 (C9), Tg = 136℃, ηinh = 0.52 dL g-1.
(例9)PENコPDI−15
1H NMR (400 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) δ (ppm) 8.71 (m, 2Ha), 8.60 (m, 2He), 8.40 (s, 2Hj), 8.14 (d, J = 8.4 Hz, 2Hb), 8.03 (m, 2Hc, 2Hf, 2Hg), 4.91 (s, 4Hd), 4.74 (s, 4Hh), 4.32 (s, 4Hi), 13C NMR (100 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) 168.91 (C1), 166.99 (C16), 137.10 (C17), 134.98 (C4), 131.58 (C3), 130.22 (C5), 128.39 (C2), 128.10 (C9), 125.78 (C6), 125.64 (C13), 119.37 (C18), 63.98 (C7), 63.45 (C8), 37.76 (C9), Tg = 144℃, ηinh = 0.47 dL g-1.
(例10)PENコPDI−20
1H NMR (400 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) δ (ppm) 8.71 (m, 2Ha), 8.60 (m, 2He), 8.40 (s, 2Hj), 8.14 (d, J = 8.8 Hz, 2Hb), 8.03 (m, 2Hc, 2Hf, 2Hg), 4.91 (s, 4Hd), 4.74 (s, 4Hh), 4.32 (s, 4Hi), 13C NMR (100 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) 168.90 (C1), 166.98 (C16), 137.11 (C17), 134.98 (C4), 131.58 (C3), 130.23 (C5), 128.40 (C2), 128.12 (C9), 125.79 (C6), 125.65 (C13), 119.45 (C18), 63.99 (C7), 63.45 (C8), 37.82 (C9), Tg = 148℃, ηinh = 0.46 dL g-1.
(例11)PENコPDI−25
1H NMR (500 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) δ (ppm) 8.73 (m, 2Ha), 8.62 (m, 2He), 8.42 (s, 2Hj), 8.16 (d, J = 10.45 Hz, 2Hb), 8.06 (m, 2Hc, 2Hf, 2Hg), 4.95 (s, 4Hd), 4.76 (s, 4Hh), 4.34 (s, 4Hi), 13C NMR (500 MHz, CDCl3:TFA (2:1)) 168.81 (C1), 166.98 (C16), 137.11 (C17), 134.98 (C4), 134.94 (C11), 131.59 (C3), 131.55 (C10), 130.24 (C5+12), 128.43 (C2), 128.14 (C9), 125.83 (C6), 125.68 (C13), 119.35 (C18), 64.00 (C7), 63.48 (C8), 37.76 (C9), Tg = 151℃, ηinh = 0.45 dL g-1, IR (vmax cm-1) 2956, 1717, 1387, 1339, 1278, 1257, 1182, 1132, 1091.
これらの例の実験データを下記表4にまとめて示す。対照サンプルは、例2〜11に記載の手順に従って合成されたがコモノマーを含んでいない純粋なPETまたはPENである。表4の融解のエンタルピーおよび結晶化度データは標準的な(アニールしない)DSC法を用いて得られた。
(例12、13および14)
モノマー(I)をそれぞれ5、10.3および16.4mol%含む3つのPENコポリマー(ここではPENコPDI−5、PENコPDI−10およびPENコPDI−16という)を、上記合成法を用いて、(5ガロンの反応器を用いて)より大きい規模で製造した後一晩(8時間、150℃)乾燥し、それから二軸配向フィルムを製造した。コポリマー中のコモノマー(I)の量はNMRで決定した。対照として100%PENフィルムも調製した。
各ポリマーを275〜300℃の範囲の温度で押出機(単軸式;スクリュースピードおよそ80rpm)に供給した。キャストフィルムを製造し、これを静電気的に留め、キャスティングドラムの回りおよびスクラップ巻き取り機上の前方延伸の頂部の上に巻き付けた。一旦落ち着いたら、キャストサンプルを一定範囲のキャスティングドラムスピード(2、3および5m/分)で集めてある範囲の厚さを得る。続いてキャストフィルムを、Long Stretcher(T.M.Long Co.、Somerville、New Jerseyから供給)を用いて延伸する。Long Stretcherは外すことができる蓋を有する加熱されたオーブンの内部に装着された水圧で操作される延伸ヘッドを含む。延伸メカニズムの操作は2対の延伸棒(通常互いに装着された1つは固定、1つは可動)の相対運動に基づく。延伸棒を、課された延伸の量(延伸比)とスピード(延伸速度)を制御する水圧ラムに取り付ける。各々の延伸棒に、パンタグラフシステムに取り付けた空気圧サンプルクリップを装着する。サンプル装填システムを用いてサンプルを空気圧クリップ内に位置決めする。特定の大きさ(11.1×11.1cm)に切断したキャストサンプルをアームの端に取り付けた真空プレート上に対称的に配置する。アームをオーブン中に入れ、サンプルをクリップの間に来るように下げる。窒素圧を用いてクリップを閉じて、フィルムと装填アームを引き抜かれたままに保持する。オーブンを2つのプレート−ヒーターで特定の温度に加熱する。蓋を下げ、空気ヒーターでサンプルを特定の温度まで急速に加熱する。適切な予熱時間(30秒)の後、オペレーターが手動で延伸を開始する。およそ2.54cm/秒の延伸速度を使用する。これらの例では垂直方向の同時の二軸延伸を使用する。加工処理条件を下記表5に示す。
Long Stretcherで製造したフィルムは次に、Laboratory Crystallisation Rigを用いて結晶化させ、(下記表6〜9に示すように)特定の温度に一定の時間保持する。この機器では、サンプルをフレームにクランプし、これを空気圧により落下させ、加熱されたプラテン間に一定の時間保持した後氷水中に落下させることにより急速にクエンチする。
フィルムサンプルの結晶化度は本明細書に記載されている密度法を用い、PENの密度および結晶化度の既知の値に対する次の文献データに基づいて計算された。
0%結晶性PENの密度=1.325g/cm3
100%結晶性PENの密度=1.407g/cm3
フィルムの密度と結晶化度の結果を下記表6〜9に示す。
表7、8および9のデータは、本発明のコポリマーから慣用のフィルム−ラインで使用される典型的なステンター条件下で結晶性二軸配向フィルムを製造することができ、そのように製造されたフィルムが優れた結晶性ということを立証している。例13および14でより多い量のコモノマーが存在すると、二軸配向結晶性フィルムの製造はステンター内で比較的に低めのヒートセット(結晶化)温度で実施するのが適切である。
(例15および16)
モノマー(I)をそれぞれ12.5および16.7mol%含む2つのPETコポリマー(ここではPETコPDI−12およびPETコPDI−16という)を、上の例12で記載した合成法を用いて、(5ガロンの反応器を用いて)より大きい規模で製造した。コポリマー中のコモノマー(I)の量はNMRで決定した。コポリマーPETコPDI−12は108℃のTgおよび240℃のTmを示した。コポリマーPETコPDI−16は103℃のTgおよび257℃のTmを示した。ポリマーを上記のように一晩乾燥し、上記のようにそれから二軸配向フィルムを製造した。対照として100%PETフィルムも調製した。加工処理条件を下記表10に示す。
フィルムサンプルの結晶化度は本明細書に記載されている密度法を用い、PETの密度および結晶化度の既知の値に対する次の文献データに基づいて計算された。
0%結晶性PETの密度=1.335g/cm3
100%結晶性PETの密度=1.455g/cm3
フィルムの密度と結晶化度の結果を下記表11、12および13に示す。
PET対照フィルムはヒートセットしない二軸配向フィルムで14.94%の結晶化度を示し、これはヒートセット中追加の結晶化後約50%に増大した。240℃でフィルムサンプルは結晶化中に融解し始めた。
表12および13のデータは、本発明のコポリマーから慣用のフィルム−ラインで使用される典型的なステンター条件下で結晶性二軸配向フィルムを製造することができ、そのように製造されたフィルムが優れた結晶性ということを立証している。例15では融点がより低いため、二軸配向結晶性フィルムの製造はステンター内で比較的に低めのヒートセット(結晶化)温度で実施するのが適切である。
(例17)
上記固相重合技術を用い、例7に記載したのと同様にして調製した出発ポリマーを用いて、PENコPDI−5コポリエステルイミドを製造した。質量およそ5gのポリマーサンプルを高温ブロック内のSchlenkチューブに入れた。次にサンプルを真空中で(<0.1mbar)200℃に16時間加熱した。SSP手順の後、より高分子量のポリマーをDSCで分析して、SSP直後に(すなわちその熱履歴を消去しないで)ポリマーの結晶化度を測定したところ、最終ポリマーが46.56Jg-1のΔHmおよび45%の結晶化度を示すことが立証された。
このポリマーのカルボキシル末端基含量も分析し、その値を下記表14に示す。ここで認められるように、本明細書に記載されているコポリエステルは驚くほど低いカルボキシル末端基含量を示し、SSPはこの特性を際立たせる。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕脂肪族グリコール、芳香族ジカルボン酸、および式(I)のモノマーから誘導される繰り返し単位を含むコポリエステルを含むポリエステルフィルム。
(I)
(式中、n=2、3または4であり、コモノマー(I)はコポリエステルのグリコール部分の一部を構成する)
〔2〕モノマー(I)がコポリエステルのグリコール部分の約1〜約50mol%の範囲で存在する、前記〔1〕に記載のフィルム。
〔3〕脂肪族グリコールがC 2 、C 3 またはC 4 脂肪族ジオールから選択される、前記〔1〕から〔2〕までのいずれか1項に記載のフィルム。
〔4〕脂肪族グリコールがエチレングリコールである、前記〔1〕から〔3〕までのいずれか1項に記載のフィルム。
〔5〕脂肪族グリコールの炭素原子の数がコモノマー(I)の数(n)と同じである、前記〔1〕から〔4〕までのいずれか1項に記載のフィルム。
〔6〕n=2である、前記〔1〕から〔5〕までのいずれか1項に記載のフィルム。
〔7〕芳香族ジカルボン酸がナフタレンジカルボン酸およびテレフタル酸から選択される、前記〔1〕から〔6〕までのいずれか1項に記載のフィルム。
〔8〕芳香族ジカルボン酸が2,6−ナフタレンジカルボン酸である、前記〔1〕から〔7〕までのいずれか1項に記載のフィルム。
〔9〕コポリエステルが式(IIa)を有する、前記〔1〕から〔8〕までのいずれか1項に記載のフィルム。
(IIa)
(式中、
n=2、3または4であり、
基Xは前記脂肪族グリコールの炭素鎖であり、
pおよびqはそれぞれ脂肪族グリコール含有繰り返しエステル単位およびモノマー(I)含有繰り返しエステル単位のモル分率である)
〔10〕モノマー(I)がコポリエステルのグリコール部分の約3〜約15mol%の量、好ましくは約10mol%以下の量で存在する、前記〔9〕に記載のフィルム。
〔11〕コポリエステルが式(IIb)を有する、前記〔1〕から〔7〕までのいずれか1項に記載のフィルム。
(IIb)
(式中、n=2、3または4であり、
基Xは前記脂肪族グリコールの炭素鎖であり、
pおよびqはそれぞれ脂肪族グリコール含有繰り返しエステル単位およびモノマー(I)含有繰り返しエステル単位のモル分率である)
〔12〕モノマー(I)がコポリエステルのグリコール部分の約1〜約30mol%、好ましくは約3〜約15mol%の範囲で存在する、前記〔11〕に記載のフィルム。
〔13〕コポリエステルが25グラム当量/10 6 gポリマー以下、好ましくは1グラム当量/10 6 gポリマー以下のカルボキシル末端基含量を示す、前記〔1〕から〔12〕までのいずれか1項記載のフィルム。
〔14〕フィルムが配向フィルム、特に二軸配向フィルムである、前記〔1〕から〔13〕までのいずれか1項に記載のフィルム。
〔15〕前記芳香族ジカルボン酸がナフタレンジカルボン酸であり、フィルムの結晶化度がフィルム密度から計算して、0%結晶性のポリエチレンナフタレート(PEN)の密度1.325g/cm 3 および100%結晶性のPENの密度1.407g/cm 3 に基づいて少なくとも約10%であり、あるいは、前記芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸であり、フィルムの結晶化度がフィルム密度から計算して、0%結晶性のポリエチレンテレフタレート(PET)の密度1.335g/cm 3 および100%結晶性のPETの密度1.455g/cm 3 に基づいて少なくとも約10%である、前記〔1〕から〔14〕までのいずれか1項に記載のフィルム。
〔16〕脂肪族グリコール、芳香族ジカルボン酸、および式(I)のモノマーから誘導される繰り返し単位を含むコポリエステルを調製する方法であって、
(I)
(式中、n=2、3または4であり、コモノマー(I)はコポリエステルのグリコール部分の一部を構成する)
(i)前記脂肪族グリコールを前記芳香族ジカルボン酸(好ましくはナフタレンジカルボン酸またはテレフタル酸)と反応させて前記芳香族ジカルボン酸のビス(ヒドロキシアルキル)−エステル(好ましくはビス(ヒドロキシアルキル)−ナフタレートまたはビス(ヒドロキシアルキル)−テレフタレート)を形成するステップ、
(iii)高まった温度および圧力の条件下、触媒の存在下で、前記芳香族ジカルボン酸の前記ビス(ヒドロキシアルキル)−エステルをモノマー(I)と反応させるステップ
を含む、方法。
〔17〕前記芳香族ジカルボン酸がナフタレンジカルボン酸であり、前記ビス(ヒドロキシアルキル)−エステルがビス(ヒドロキシアルキル)−ナフタレートであるか、または前記芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸であり、前記ビス(ヒドロキシアルキル)−エステルがビス(ヒドロキシアルキル)−テレフタレート)である、前記〔16〕に記載の方法。
〔18〕脂肪族グリコール、芳香族ジカルボン酸、および式(I)のモノマーから誘導される繰り返し単位を含むコポリエステルであって、
(I)
(式中、n=2、3または4であり、コモノマー(I)はコポリエステルのグリコール部分の一部を構成する)
前記〔16〕もしくは〔17〕に記載の方法により得ることができ、および/または25グラム当量/10 6 gポリマー以下、好ましくは1グラム当量/10 6 gポリマー以下のカルボキシル末端基含量を示す、コポリエステル。
〔19〕コポリエステルが前記〔2〕から〔13〕までのいずれか1項に定義されている通りである、前記〔16〕または〔17〕に記載の方法または前記〔18〕に記載のコポリエステル。

Claims (8)

  1. 脂肪族グリコールモノマー、芳香族ジカルボン酸モノマー、および式(I)のモノマーから誘導される繰り返し単位を含む熱可塑性コポリエステルを調製する方法であって、
    (I)
    (式中、n=2であり、モノマー(I)はコポリエステルのグリコール部分の一部を構成し、モノマー(I)は、コポリエステルのグリコール部分の5〜約50mol%の範囲で存在し、脂肪族グリコールがエチレングリコールであり、芳香族ジカルボン酸がナフタレンジカルボン酸である)
    (i)前記脂肪族グリコールモノマーを、前記芳香族ジカルボン酸モノマーと反応させて、ビス(ヒドロキシアルキル)−ナフタレートを形成するステップ、
    (ii)高まった温度および圧力の条件下、触媒の存在下で、前記ビス(ヒドロキシアルキル)−ナフタレートを、モノマー(I)と反応させるステップ
    を含む、方法。
  2. コポリエステルが、脂肪族グリコール、芳香族ジカルボン酸、及び式(I)のモノマーのみを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 芳香族ジカルボン酸が、2,6−ナフタレンジカルボン酸である、請求項1に記載の方法。
  4. コポリエステルが式(IIa)を有する、請求項1に記載の方法。
    (IIa)
    (式中、
    n=2であり、
    基Xは、前記脂肪族グリコールの炭素鎖であり、
    pおよびqは、それぞれ脂肪族グリコール含有繰り返しエステル単位およびモノマー(I)含有繰り返しエステル単位のモル分率である)
  5. モノマー(I)が、5〜約15mol%の量で存在する、請求項1に記載の方法。
  6. モノマー(I)が、コポリエステルのグリコール部分の約10mol%以下の量で存在する、請求項5に記載の方法。
  7. コポリエステルが、25グラム当量/10 6 gポリマー以下のカルボキシル末端基含量を示す、請求項1に記載の方法。
  8. コポリエステルが、1グラム当量/10 6 gポリマー以下のカルボキシル末端基含量を示す、請求項7に記載の方法。
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