JP6770097B2 - ロボット手術台、及び医療システム - Google Patents

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Description

本発明は、効率的な手術を実現するために用いられるロボット手術台、及び医療システムに関する。
一般的に、患者に手術等の治療を施す際には、患者を移動させず安静な状態とすることが好ましい。しかしながら、医用画像装置による撮影と手術を同一治療室で行うようなハイブリッド手術室においては、患者側を動かす方が効率的に治療を行うことができる場合がある。例えば脳腫瘍摘出手術でMRI検査と手術を交互に行うケース(いわゆる術中MRI)においては、患者側を動かすケースが多い。特許文献1においては、昇降スライド式のテーブルを用いて、患者をMRI装置に対して搬入及び搬出するものが開示されている。
特開2010−94291号公報
通常、手術室におけるテーブルの周囲には、麻酔器、輸液ポンプ、ジェネレーター、ディスプレイ(生体モニタや内視鏡ディスプレイ)など種々の医療機器が配置される。そしてテーブルの周囲には、これらの医療機器と接続されるチューブやケーブルが存在することになる。
このような手術室において、患者側を移動させる治療を行う場合、現実的な対策としてはチューブやケーブルとして長いものを使用し、これらのチューブやケーブルが患者から分離できない場合でも延長できるようにすることが考えられる。
例えば、患者に麻酔器からのチューブが取り付けられている場合、撮影位置と手術位置との間を移動させる場合でも麻酔器は取り外すことができない装置であるため、麻酔器より伸びるチューブが患者に取り付けられたままテーブルを移動させることとなる。このときテーブルの移動範囲に対応できるようにチューブの長さを確保するが、チューブの絡まりや周囲の人・物との引っかかりなどの可能性があり、安全性の面で課題がある。
本発明は、上記実情に鑑みることにより、処置対象を載置したテーブルの移動及び/又は姿勢変化が生じる場合でも、これらを効率的かつ安全に行うことができるロボット手術台、及び医療システムを提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するためのある局面に係るロボット手術台は、処置対象を載置するテーブルと、前記テーブルを第1の位置と第2の位置との間を移動可能なように、前記テーブルを支持するロボットアームと、一端が処置対象に取り付けられるチューブと、前記チューブの他端が接続される医療用流体注入機器を保持するホルダーとを備え、前記ホルダーを支持する支持装置が前記テーブルに固定されている構成を有している。
本発明によると、手術中に処置対象を載置したテーブルの移動及び/又は姿勢変化が伴う場合であっても、効率的かつ安全に手術工程を実施することができる。
本発明の第1構成例に係るロボット手術台の模式的な斜視図である。 本発明の第1構成例に係るロボット手術台の側面図である。 アクチュエータ、位置決め装置、ブレーキ機構を1ユニットした場合の概念図である。 第1構成例に係るロボット手術台が配置された手術室の平面図であり、テーブルが第1の位置にある状態を示す。 第1構成例に係るロボット手術台が配置された手術室の平面図であり、テーブルが第1の位置から第2の位置に移る途中の状態を示す。 第1構成例に係るロボット手術台が配置された手術室の平面図であり、テーブルが第2の位置にある状態を示す。 MRI装置の斜視図である。 第1構成例の第1変形例に係るロボット手術台の構成を示す側面図である。 第1構成例の第2変形例に係るロボット手術台の構成を示す側面図である。 (A)〜(C)は、ホルダー用ロボットアームの操作部材を示す斜視図であり、(D)は、操作部材とホルダー用ロボットアームとの電気的な接続構成を模式的に示すブロック図である。 (A)は第1構成例の第4変形例を示す斜視図であり、(B)は第1構成例の第4変形例の別の例を示す側面図である。 第1構成例に係るロボット手術台が配置された手術室の平面図であり、テーブルが第3の位置にある状態を示す。 第2構成例に係るロボット手術台の側面図である。 (A)は、第2構成例に係るロボット手術台の主要部を側方から見た状態を示す断面図であり、(B)は、第2構成例に係るロボット手術台の主要部を鉛直方向上側から見た状態を示す図である。 第2構成例に係るロボット手術台が術中MRIに適用された場合の斜視図であり、テーブルが手術位置にある状態を示す。 第2構成例に係るロボット手術台が術中MRIに適用された場合の斜視図であり、テーブルが撮影準備位置にある状態を示す。 第2構成例に係るロボット手術台が術中MRIに適用された場合の斜視図であり、テーブルが撮影位置にある状態を示す。 第3構成例に係るロボット手術台の側面図である。 第3構成例に係るロボット手術台を上下に移動させた場合の遷移状態を示す側面図である。 スライド機構が搭載された第3の構成例に係るロボット手術台が第1の位置から第2の位置へ移動する様子を示した斜視図と対応する平面図である。 テーブルその他のロボット手術台の設計を説明するための図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。
[ロボット手術台の構成]
(第1構成例)
図1は、本発明の第1構成例に係るロボット手術台1の模式的な斜視図である。図2は、ロボット手術台1の側面図である。図3は、アクチュエータ、位置決め装置、ブレーキ機構を1ユニットとした部品の概念図である。
第1構成例では、手動式の医療用注入機器ホルダーユニットが装着されたロボット手術台1を説明する。
図1及び図2を参照して、本明細書のロボット手術台は、処置対象(載置対象ともいう)に検査、測定、及び、手術などの治療を含む工程を施すために用いられる。処置対象として、人間と、犬及び猫などの動物と、を含む生体を例示することができる。本明細書では、処置対象が人間(患者)である場合を例に説明する。
また、第1構成例では、患者Kに術者Tが手術を行う場合を例に説明する。図1では、術者Kがドレープ2に覆われた状態を示している。また、図2以降の図については、説明の便宜上、想像線である2点鎖線で示している箇所がある。
ロボット手術台1は、医療室3に配置されている。また、ロボット手術台1は、医療用流体注入機器としての麻酔器4がホルダー15により保持されている。麻酔器4は、患者Kの手術時に用いられる医療機器の一例であり、患者Kの移動時に手術中の患者Kとの接続を解除できない医療機器である。
麻酔器4は、患者Kに対して麻酔を導入し、麻酔薬を連続的に投与することによって麻酔状態を維持するために設けられている。麻酔器4は、ガス供給部4aと、呼吸回路部4bとを有している。
ガス供給部4aは、酸素、笑気ガス(亜酸化窒素)を混合することで麻酔用のガスを作り出すように構成されている。ガス供給部4aは、酸素、笑気ガス(亜酸化窒素)及び空気の流量を計測する流量計4dと、流量計4dを通過した酸素、笑気ガス(亜酸化窒素)及び空気によって構成された麻酔用ガスを気化させる気化器4eと、を有している。ガス供給部4aに隣接して、呼吸回路部4bが設けられている。呼吸回路部4bは、呼気弁、吸気弁、呼吸バッグ及び二酸化炭素を吸収するカニスタを内蔵した構成を有している。
呼吸回路部4bには、可撓性の吸気チューブ4f及び呼気チューブ4gが接続されている。吸気チューブ4fの一端は、上記の吸気弁に接続されている。呼気チューブ4gの他端は、患者Kの口に当てられるマスクに接続されている。また、呼気チューブ4gの一端は、上記の呼気弁に接続されている。呼気チューブ4gの他端は、上記マスクに接続されている。上記の構成により、麻酔用のガスは、吸気チューブ4fを介して患者Kに供給される。また、患者Kからの呼気は、呼気チューブ4gを介して呼吸回路部4bに送られる。
ロボット手術台1は、テーブルユニット100と、医療機器ホルダーユニット11と、を備えている。
テーブルユニット100は、患者Kを載置するテーブル10と、テーブル10を支持するロボットアーム103と、を有している。
医療機器ホルダーユニット11は、医療用流体注入機器である麻酔器4を支持可能に構成されたホルダー15を有し、テーブルユニット100に装着されている。
患者Kを載置するテーブル10を支持するロボットアーム103は、多自由度(3自由度以上)を有している。
テーブル10は、患者Kが載せられる板状部材である。テーブル10は、特定の方向を長手方向(前後方向)として延びる、矩形の板状部材である。
ロボットアーム103は、ベース104と、複数の可動要素(本構成例では、第1〜第4可動要素1051〜1054)と、複数のジョイント(本構成例では、第1〜第6ジョイント1061〜1066)と、を含む。
ベース104と第1可動要素1051の一端部は、鉛直直進ジョイントである第1ジョイント1061によって連結されており、第1可動要素1051は第1軸方向(鉛直方向)に移動することができる。第1可動要素1051の他端部と第2可動要素1052の一端部は水平回転ジョイントである第2ジョイント1062で連結されており、第2可動要素1052は第2軸(鉛直方向)まわりに回転することができる。第2可動要素1052の他端部と第3可動要素1053の一端部は水平回転ジョイントである第3ジョイント1063で連結されており、第2軸によって回転され、第2軸と平行な第3軸(鉛直方向)まわりに第3可動要素1053が回転することができる。第3可動要素1053と第4可動要素1054の間の第4〜第6ジョイント1064〜1066は、それぞれ、第4〜第6軸回りの回転ジョイントである。第4軸は第3可動要素1053の延びる方向であり、第5軸は第4ジョイント1064によって回転される、第4軸と直交する方向であり、第6軸は、第5ジョイント1065によって回転される、第5軸と直交する方向である。なお、図では、回転部材の回転方向を当該部材の付近に示している。
第2可動要素1052と第3可動要素1053は特定方向に延びる棒状となっており、これらの可動要素の長さはロボットアーム103の必要な可動範囲に応じて適宜設計される。
本明細書において、特定方向に延びる可動要素の「一端部」とは、可動要素を特定方向(長手方向)に三等分したときの両側2つの領域のどちらかをいい、特定方向に延びる可動要素の「他端部」とは、可動要素を特定方向(長手方向)に三等分したときの両側2つの領域の一端部とは反対側の端部をいう。単に「端部」という場合には、一端部又は他端部のどちらかをいう。両端部の間にある部分は「中央部」という。
第1可動要素1051は水平面に平行な状態を維持して上下移動し、第2可動要素1052及び第3可動要素1053は第1可動要素1051と平行な状態を維持して回転する構成となっている。このような構成であれば、第2及び第3アクチュエータ1072,1073において鉛直方向の重力補償を行う必要がないためモータを小さくすることができる。これは、ロボットアーム103の小型化に有利な構成であり、限られたスペースしか確保できない医療現場に導入する場合や、治療や手術でより多くのスペースを確保するのに有利である。
テーブル10の幅はロボットアーム103の各可動要素1051〜1054の幅よりも大きい方が好ましい。例えば、鉛直方向上側から見下ろした場合に端部同士が水平回転ジョイントで連結された第2可動要素1052と第3可動要素1053の特定方向を平行となる状態において、鉛直方向上側から見下ろした場合に全ての可動要素がテーブル10に隠れることが可能であることが望ましい。さらに、本構成例においては、テーブル10の長さもロボットアーム103の各可動要素の長さよりも大きい方が好ましい。例えば、鉛直方向上側から見下ろした場合に端部同士が水平回転ジョイントで連結された第2可動要素1052と第3可動要素1053を特定方向が平行で第2可動要素1052と第3可動要素1053の中央部が被る状態において、鉛直方向上側から見下ろした場合にベース104がテーブル10に隠れることが望ましい。
本構成例では互いの端部同士が水平回転ジョイントで接続された2つの可動要素(第2可動要素1052と第3可動要素1053)のひとつ(第2可動要素1052)がベース104に間接的に(第1可動要素1051を介して)連結されている。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば第2可動要素1052を直接鉛直直進ジョイントである第1ジョイント1061に連結されるようにしてもよい。また、第2可動要素1052は、さらなる水平回転ジョイントや垂直回転ジョイントを介してさらに間接的にベースに連結されていてもよい。この場合でも上述した位置関係が担保されている限り、スペース確保及びコンパクトという効果を得ることができる。
第4可動要素1054は、ロボットアーム103の先端に位置している。本構成例では、ロボットアーム103の先端が、特定方向に延びるテーブル10の中央部の下面に固定されている。このような構成であれば、大きな支持強度でテーブル10を支持することができ、また、テーブル10の下にロボットアーム103の可動要素及びベースを収納しやすくなる。ただし、例えば第3可動要素1053の長さを短くし、テーブル10の支持位置を一端部とするようにしてもよく、この場合であってもスペース確保及びコンパクト化という効果を得られることに違いはない。
ロボットアーム103は、第1〜第6ジョイント1061〜1066に対応して、第1〜第4可動要素1051〜1054を移動又は回転させる複数のアクチュエータ(本構成例では、第1〜第6アクチュエータ1071〜1076)と、それぞれのジョイントに組み込まれそれぞれの可動要素の位置を検出する複数の位置検出器(本構成例では第1〜第6位置検出器1081〜1086)と、それぞれのアクチュエータの駆動を制御する制御装置109を含む。制御装置109はベース104内に位置しているが、例えば外部の独立した装置としてもよい。
第1〜第6アクチュエータ1071〜1076は、例えばサーボモータである。位置検出器としては、エンコーダを用いてもよいしレゾルバやポテンショメータを用いても構わない。
ロボットアーム103は、また、第1〜第6ジョイント1061〜1066に対応して、それぞれ、第1〜第6電磁ブレーキ1101〜1106を含むことが望ましい。電磁ブレーキを備えていない場合は、複数のアクチュエータ1071〜1076の駆動によりロボットアーム103の姿勢を一定に保つことになるが、電磁ブレーキを含んでいると、ある部分のアクチュエータの駆動をオフにしても電磁ブレーキ機能をオンとすることにより、ロボットアーム103の姿勢を一定に保つことができる。
電磁ブレーキが設けられる場合の第1〜第6電磁ブレーキ1101〜1106それぞれは、アクチュエータへ駆動電流が供給されないときにブレーキ機能をオンにし、アクチュエータへ駆動電流が供給されたときにブレーキ機能をオフにするように構成されている。
アクチュエータとしてのモータ、位置検出器としてのエンコーダ、及びブレーキは、図3に示すように一体化した部品として構成されることが多い。さらに、第1〜第6アクチュエータ1071〜1076のそれぞれには、動力伝達用の減速機構及びカップリングなどが設けられる。
以上、図1に示したロボットアーム103は、自由度が6である。なお、本発明のロボットアームの自由度は、必ずしも6である必要はなく、5以下であってもよいし7以上であってもよい。
次に、医療用流体注入機器ホルダーユニット11について説明する。
医療用流体注入機器ホルダーユニット11は、支持装置14と、ホルダー15と、を有している。
支持装置14は、特定の自由度(1自由度以上、本構成例では2自由度)を有するアームで構成されており、その先端で麻酔器4が保持されるホルダー15を支持する。アーム14は、本構成例では、人手で動かされる。
支持装置14は、ベース16と、複数の可動要素(本構成例では、第1〜第2可動要素17a〜17b)と、複数のジョイント(本構成例では、第1〜第2ジョイント18a〜18b)と、を含む。
ベース16は、テーブル10の例えば前寄り部分(患者Kの頭部が配置される部分の付近)において、テーブル10の下面に固定されている。ベース16は、第1ジョイント18aを介して、第1可動要素17aの一端部と連結されている。これにより、第1可動要素17aは、第1軸(鉛直方向)まわりに回転することができる。第1可動要素17aの一端部は、第2可動要素17bの他端部と、水平回転ジョイントである第2ジョイント18bによって連結されており、第2軸(鉛直方向)まわりに第2可動要素17bが回転することができる。上記の第1軸と第2軸は、第2可動要素17bが延びる方向と平行な方向に延びる軸である。
第1可動要素17aは、テーブル10の上面と平行な方向で且つ特定方向に延びる棒状となっており、長さはアーム14の必要な可動範囲に応じて適宜選択される。第2可動要素17bは、第1可動要素17aと直交する方向で且つテーブル10の上面と直交する方向に延びる棒状となっており、長さは、各手術工程において邪魔にならないよう長すぎない寸法で設計される。
第1可動要素17aの高さ位置は、テーブル10の高さ位置よりも低く設定されている。また、第1可動要素17aの一端部は、テーブル10における長手方向の一端部(本構成例では、テーブル10に載せられた患者Kの頭部側)に配置されたベース16と接続されている。また、第1可動要素17aの一端部は、鉛直方向上側から見下ろしたときに、テーブル10の下方に隠れるように配置することができる。
第2可動要素17bの他端部(上端部)の高さ位置は、テーブル10の上面の高さ位置よりも高く設定されている。そして、第2可動要素17bの他端側は、ホルダー15を支持している。
ホルダー15は、麻酔器4を保持する部分として設けられている。ホルダー15は、例えば、鉛直方向に立てられた平板状に形成されている。ホルダー15の一縁部は、例えば、ねじ部材などの固定部材を用いて、第2可動要素17bに着脱可能に固定されている。ホルダー15は、麻酔器4の枠部をホルダーの受け部に引っ掛けることなどによって当該麻酔器4を保持するように構成されており、ホルダー15の片側面に、麻酔器4が保持されている。なお、ホルダー15に麻酔器4を保持することができればよく、ホルダー15に麻酔器4を保持するための構成の具体例は、限定されない。
本構成例に係るロボット手術台がハイブリッド手術としての術中MRIに用いられて、テーブルが複数の位置の間で移動する動作を、図1及び図2に示した6自由度のロボット手術台1を用いた場合を例にして、図4〜図6を参照して説明する。
図4は、患者Kを載置位置(第1の位置)からあるMRI装置による撮影位置(第2の位置)へ移動させる場合に、テーブル10が載置位置に位置している様子を示している。載置位置は患者への麻酔導入や点滴剤の接続などを行う手術準備を行う位置であってもよい。図5は、制御装置109による制御によって第2可動要素1052及び第3可動要素1053が矢印の如く動き、またテーブル10が第6軸まわりに回転して矢印の如く動いて(場合によっては、第1可動要素1051も鉛直方向に動いて高さが調節され、また第4軸又は/及び第5軸まわりの回転によりテーブル10が長手方向又は/及び幅方向まわりに回転して傾きが微調整され)患者の頭部が医用画像診断装置(モダリティ)としてのMRI装置414に対して斜めから移動してゆく様子を示している。図6はテーブル10がMRI装置414の内部に挿入され、患者が撮影位置(第2の位置)に到達した様子を示している。なお、図4におけるテーブル10の位置(第1の位置)は手術位置でもあり得、テーブル10が図6の撮影位置(第2の位置)から図4の手術位置(第1の位置)まで各可動要素が逆方向に動いて元の位置に戻り、撮影直後に術者412が医用画像の内容を確認しながら手術を行うことができる。
なお、患者の頭の向きはテーブル10の長手方向において反対側でもよく、その場合はテーブル10の回転方向が図5に示したテーブルの移動方向とは逆に回りながらMRI装置414に移動することになる。このように、ベース104がテーブル10の下に収納されると、患者の向きがどちらであってもよく、図4のテーブル10の位置が手術位置だとすると、術者412はテーブル10のどちら側からでも手術を行うことができ、助手も含めてテーブル10を取り囲んで手術にあたることができる。ベース104が邪魔となることもないので、術者412は座った状態で手術を行うことができる。
上記医用画像診断装置として用いられるオープン型のMRI装置414を図7に示す。当該オープン型MRI装置414は、前方及び側方に開口するオープン型である。具体的には、中央部が前方に張り出すような略T字状の上側検査部(上部磁石)415及び下側検査部(下部磁石)416を含み、これらの検査部415、416の間に患者が載置されたテーブルが挿入される空間が形成されている。上側検査部415及び下側検査部416の両端部同士は、一対の支柱417によって連結されている。MRI装置414はドーナツ型であってもよいが、患者を斜めからMRI装置に挿入しやすいようなケース(図5のような場合)に適用する場合には、ドーナツ内側の空洞の正面にテーブルを位置させてから空洞内部へ挿入することとなるため、ロボットアームの動きが少し窮屈になる場合がある。
上側検査部(上部磁石)415及び下側検査部(下部磁石)416で挟まれる空間で形成される部分が撮影空間である。テーブル10の少なくとも一部が当該撮影空間とオーバーラップする場合において、テーブル10がMRI撮影位置にあるということができる。撮影空間内でのテーブル10の位置は、患者の撮影部位や患者の身長・大きさによって異なるため、常に一定であるとは限らない。しかし、撮影空間内の特定位置を制御装置109内の記憶装置に記憶させておくことはできる。ハイブリッド手術では手術位置と撮影位置を複数回往復することが普通なので、手術ごとに撮影位置及び/又は手術位置を記憶させてもよい。
上述した第1の位置としての手術位置とは、テーブル10が撮影空間に近接しない、すなわち撮影空間と一定距離以上離れた位置である。そして、上記の例において、手術位置の近傍には、術者412が使用する手術器具を置くための手術器具台413が設置されており、これら手術器具がMRI装置414の近くに配置されていると、MRI装置414の永久磁石の影響を受けて(例えば浮揚して)患者や取り扱う者を傷つける恐れがあるため、手術位置はMRI装置より十分離れた位置に確保し、5ガウスラインLよりも離れていることが望ましい。
さらに、ロボットアーム103のベース104も、5ガウスラインLの外側に配置されていることが好ましい。ロボットアーム103のベース104には大きなモータが設けられており、モータは磁石を含んでいるため、これがMRI装置414の近くに位置していると、MRI装置414の撮影空間に形成された磁界が歪められ、撮影画像の劣化に繋がるためである。
よって、ロボットアーム103とテーブル10により構成されるロボット手術台1は、第1の位置である手術位置を、MRI装置との最短距離Sが一定距離以上離れた位置に設定することが好ましく、安全性を考慮すると、当該最短距離Sを5ガウスラインLに設定するのが好ましい。
5ガウスラインについては、低磁場のMRI装置が開発されており、例えば、静磁場強度が0.3テスラで5ガウスラインをガントリー辺縁より約1mとすることが可能になっている(「インテリジェントオペ室・MRI誘導手術対応システム」、MEDIX, 39 : 11-16,
2001参照)。従って、MRI装置414と第1の位置にあるロボット手術台1との最短距離は少なくとも1mに設定するのが好ましい。低磁場のMRI装置の開発状況によっては、上記最短距離Sをもう少し短く設定可能となることが期待される。
他の磁場が大きめのMRI装置を使用する場合や、より高い安全性を確保しようとする場合には、上記最短距離Sを例えば1.5m以上に設定することが好ましい。
ただし、ロボットアーム103がテーブル10を支持することができる耐荷重なども考慮すると、第1の位置である治療位置をMRI装置414より遠くに設置した場合、第2の位置である撮影位置にテーブル10を移動させるには、大きな耐荷重に耐えうる大型のロボットアーム103が必要となる。そして、大型のロボットアーム103では第1の位置である手術位置においてテーブル下にロボットアーム103の大部分を収納させることが困難となり(よって、術者や助手がテーブル10を取り囲んで手術する際に邪魔となり)、またロボット手術台1をMRI装置414より遠くに設置する分の大きめの手術室が必要となるため、第1の位置にあるロボット手術台1とMRI装置との最短距離Sが大きければ大きいほどよいという訳ではない。
従って、MRI装置414との関係で十分な安全性を確保することができる限りにおいてはロボット手術台1の第1の位置の設定場所はMRI装置414に近い方がよい。例えば1.5テスラのMRIだと、5ガウスラインは最短の箇所でガントリー(MRI装置)の2.8mくらいになる(「3T MRIの吸着事故を防ごう」、土橋俊男、月間インナービジョン2012年9月号)ため、5ガウスラインとロボットアーム103の剛性(テーブル10の安定性)や小型化構造を考慮すると、MRI装置414と第1の位置にあるロボット手術台1との最短距離Sの上限は、例えば3m以下に設定することが好ましい。静磁場強度が0.3テスラで5ガウスラインが1m程度である場合は、手術器具を把持した人がMRI装置側に立てることも考慮して、上記最短距離Sの上限として2m程度を見ておけばよい。
なお、上記文献(「3T MRIの吸着事故を防ごう」、月間インナービジョン2012年9月号)にも記載している通り5ガウスラインはMRI装置まわりに楕円状に形成され、1.5テスラのMRIの場合、最短の箇所でMRI装置より2.8mであるが、最長の場合は5mである。現在ではほとんどの場合、術中MRIでは回転−昇降−天板スライド式の手術台が用いられているが、手術台の動作がこの3つに限定されているとテーブルの撮影位置への移動が可能な位置が制限され、手術台の設置場所を5ガウスラインの最短部分付近に設置することが困難な場合があるが、ロボット手術台であればこれまで示したようにテーブルの移動方向の自由度が高いので、設置場所の自由度も高いというメリットがある。
以上のように構成されたロボット手術台を用いれば、テーブル上に患者を載置した後、テーブル10を撮影位置や手術位置といった目的とする位置に正確かつ迅速に移動させることができ、手術工程の効率を格段に向上させることができる。例えば、キャスター付きのテーブルにより載置対象としての患者を移動させるのと比較して、患者Kに大きな振動を与えることなくテーブル10をスムーズに移動させることができる。また、上記ロボット手術台は医療用注入機器を保持するホルダーユニット11を備えているため、麻酔器4のような手術中に取り外しができないような機器もテーブル10と一体的に移動させることができる。従って、患者Kに接続されているチューブ4f,4gを、テーブル10の動作範囲を考慮して長くとる必要がなくなる。また、患者Kに接続されているチューブ4f,4gがテーブル10が動くことによって絡まる危険性を低減することができる。そして、麻酔器を不動に設置しておくスペースが削減でき、限られたスペースしか確保できない手術室に導入するのに有利である。
(第1構成例の第1変形例)
手術中に患者Kと接続しておかなければならない医療機器は、麻酔器4に限定されない。例えば、手術中には患者Kが出血によって体液を失うため、水分を補充するために輸液ポンプにより制御して点滴剤を投与することも一般的である。従って、本変形例では、麻酔器4を保持するホルダーに加えて、輸液ポンプを保持するホルダーを設け、これらを共にテーブル10に固定する。
なお、以下では、先に説明された構成と同一の構成については、図に同一の符号を付し、詳細な説明は省略する場合がある。
図8は、第1構成例の第1変形例に係る医療システムの側面図である。
図8を参照して、第1構成例の第1変形例では、第1構成例の構成の麻酔器用ホルダーユニット11に加えて、輸液ポンプ用ホルダーユニット13が設けられている。
医療機器ホルダーユニット13は、アーム26と、ホルダー部27と、を有している。
アーム26は、特定の自由度(1自由度以上、アーム26では2自由度)を有し、その先端で輸液ポンプ6が保持されるホルダー部27を支持する。また、アーム26は、点滴剤(薬剤や栄養分)6aを吊るす釣支部6bを有する。支持装置としてのアーム26は、本構成例では、人手で動かされる。
アーム26は、ベース28と、複数の可動要素(本構成例では、第1〜第2可動要素29a〜29b)と、複数のジョイント(本構成例では、第1〜第2ジョイント30a〜30b)と、を含む。
ベース28は、テーブル10の例えば後ろ寄り部分(患者Kの頭部が配置される側と反対側の付近)において、テーブル10の下面に固定されている。ベース28は、第1ジョイント30aを介して、第1可動要素29aの一端部と連結されている。これにより、第1可動要素29aは、第1軸(鉛直方向)まわりに回転することができる。第2可動要素29bの一端部(下端部)は、第1可動要素29aの他端部と、水平回転ジョイントである第2ジョイント30bによって連結されており、第2軸(鉛直方向)まわりに第2可動要素29bが回転することができる。上記の第1軸〜第2軸は、第2可動要素29bが延びる方向と平行な方向に延びる軸である。
第1可動要素29aは、テーブル10の上面と平行な方向で且つ特定方向に延びる棒状でとなっており、長さはアーム26の必要な可動範囲に応じて適宜設計される。第2可動要素29bは、第1可動要素29aと直交する方向で且つテーブル10の上面と直交する方向に延びる棒状となっており、長さは、点滴剤6aが患者Kより上方に位置するように選択される。
ベース28はテーブル10の下に固定されるように配置されている。この構成により、第1可動要素29aの一端部は、鉛直方向上側から見下ろしたときに、テーブル10の下方に隠れるように配置することができる。
以上のように、本変形例では医療用流体注入機器及びこれを保持するホルダーを複数設け、これらの組をそれぞれテーブル10に固定するようにした。具体的には、複数の医療用流体注入機器として麻酔器4及び輸液ポンプ6を、テーブル10に連結されるホルダー15、27に保持させるようにし、テーブル10が図4〜図6に示すような動作をした場合でも、一体的に移動するようにした。従って、麻酔器4や輸液ポンプ6のような手術中に取り外しができないような複数の機器もまとめてテーブル10と一体的に移動することができる。このように手術においては患者Kに多くのチューブ類が接続されるが、これらのチューブ類を、テーブル10の動作範囲を考慮して長くとる必要がなくなり、また、患者に接続されているチューブ類がテーブル10の動作によって絡まる危険性を低減することができる。
なお、点滴剤は患者Kより高い位置に保っておく必要があるため、テーブル10の医用画像診断装置内(撮影位置)への移送の際に邪魔となるためテーブル長手方向において端部に設けておくことが好ましい。
また、テーブル10には輸液ポンプ6を搭載する医療機器ホルダーユニット13のみが連結される構成であってもよい。
(第1構成例の第2変形例)
図9を参照して、本変形例に係る医療用流体注入機器ホルダーユニット240は、ホルダー用ロボットアーム241と、ホルダー242と、を有しており、テーブル10に支持されている。
ホルダー用ロボットアーム241は、多自由度を有し、その先端で医療用流体注入機器としての麻酔器4を支持する。
ホルダー用ロボットアーム241は、ベース243と、複数の可動要素(本構成例では、第1〜第4可動要素2441〜2444)と、複数のジョイント(本構成例では、第1〜第6ジョイント2451〜2456)と、を含む。
ベース243は、テーブル10の端部において、テーブル10の下面に固定されている。ベース243は、鉛直上方からみてテーブル10に隠れるように配置されている。ベース243と第1可動要素2441の一端部は、水平直進ジョイントである第1ジョイント2451によって連結されており、第1可動要素2441は第1軸方向(直線方向)に移動することができる。第1可動要素2441の他端部と第2可動要素2442の一端部は鉛直回転ジョイントである第2ジョイント2452で連結されており、第2可動要素2442は第1軸と直交する第2軸(水平方向)まわりに回転することができる。第2可動要素2442の他端部と第3可動要素2443の一端部は鉛直回転ジョイントである第3ジョイント2453で連結されており、第3可動要素2443は第2軸と平行な第3軸まわりに回転することができる。
第3可動要素2443の他端部(上端部)と第4可動要素2444の一端部(下端部)は、水平回転ジョイントである第4ジョイント2454、鉛直回転ジョイントである第5ジョイント2455、及び、水平回転ジョイントである第6ジョイント2456で連結されている。これにより、第4可動要素2444は、第3可動要素2443が延びる方向と平行な第4軸まわりと、第4軸に直交する第5軸回りと、第5軸に直交する第6軸回りと、のそれぞれの軸まわりに回転することができる。
第1〜第4可動要素2441〜2444は特定方向に延びる棒状となっており、これらの可動要素の長さはロボットアーム241の必要な可動範囲に応じて適宜設計される。第1可動要素2441は、テーブル10の上面と平行に延びている。
ホルダー用ロボットアーム241は、第1〜第6ジョイント2451〜2456に対応して、第1〜第4可動要素2441〜2444を移動又は回転させる複数のアクチュエータ(本変形例では、第1〜第6アクチュエータ2461〜2466)と、それぞれのジョイントに組み込まれそれぞれの可動要素の位置を検出する複数の位置検出器(本変形例では第1〜第6位置検出器2471〜2476)と、それぞれのアクチュエータの駆動を制御する制御装置249を含む。
第1〜第6アクチュエータ2461〜2466は、例えばサーボモータである。位置検出器としては、エンコーダを用いてもよいしレゾルバやポテンショメータを用いても構わない。
ホルダー用ロボットアーム241は、また、第1〜第6ジョイント2451〜2456に対応して、それぞれ、第1〜第6電磁ブレーキ2481〜2486を含むことが望ましい。電磁ブレーキを備えていない場合は、複数のアクチュエータ2461〜2466の駆動によりロボットアーム241の姿勢を一定に保つことになるが、電磁ブレーキを含んでいると、ある部分のアクチュエータの駆動をオフにしても電磁ブレーキ機能をオンとすることにより、ロボットアーム241の姿勢を一定に保つことができる。
上記のロボットアーム241の先端である第4可動要素2444に、ホルダー242が支持されている。ホルダー242は、麻酔器4を保持する部分として設けられている。ホルダー部242は、例えば、平板状に形成されている。ホルダー部242の一縁部は、例えば、ねじ部材などの固定部材を用いて、第4可動要素2444に着脱可能に固定されている。ホルダー部242が麻酔器4を保持する構成は、第1構成例のホルダー部15と同様であるので、詳細な説明は省略する。
図9示すように、本変形例に係るロボットアーム103の動作によってテーブル10が水平面に対して傾斜したとき、テーブル10の姿勢にかかわらず、水平面に対するホルダー部242及び麻酔器4の傾斜角度がゼロとなるように、制御装置249が例えば第2、第3、第5ジョイント2452,2453,2455(ロボットアーム241)の動作を制御することができる。
具体的には、テーブル用ロボットアーム103の制御装置109とホルダー用ロボットアーム241の制御装置209を連携させ、テーブル用ロボットアーム103の制御装置109によりロボットアーム103の姿勢情報がホルダー用ロボットアーム241の制御装置209に伝えられ、ホルダー用ロボットアーム241の制御装置209が上記ロボットアーム103の姿勢情報を受けてホルダー用ロボットアーム241の姿勢を、ホルダー部242が水平面との関係で一定となるように、制御する。
この構成によると、ホルダー242は、テーブル10に対する水平回転移動、水平回転移動、及び、平行移動が可能である。よって、ホルダー242に保持される麻酔器4や輸液ポンプ6の平行状態も保つことができる。
また、上記のようなロボティックホルダーを導入する場合、ホルダー用ロボットアーム241を遠隔操作可能な操作部材を用いて操作できるようにしておくことが望ましい。
このような操作部材として、図10(A)に示す操作部材71を例示することができる。操作部材71は、ジョイスティックであり、操作者(術者、麻酔医、助手、看護師等)が手で把持するためのスティック711を有している。スティック711を操作者が傾けることで、傾けた方向にホルダー用ロボットアーム241の先端が変位する。また、スティック711には、ホルダー用ロボットアーム241の先端を上下に変位させるための上昇・降下ボタン712が備えられていてもよい。操作者が操作部材71を操作することで、ホルダー用ロボットアーム241の先端は、当該操作に応じた方向に変位する。
また、操作部材として、図10(B)に示す操作部材72が用いられてもよい。操作部材72は、ボタン装置であり、処置者が手で押し操作するための複数のボタンを有している。このボタンとして、例えば、ホルダー用ロボットアーム241の先端を特定の平面上で変位させるための前後左右ボタン721が備えられている。なお、ホルダー用ロボットアーム241の先端を上記の平面に対して鉛直な方向に変位させるための上昇・降下ボタン722が設けられてもよい。
また、操作部材として、図10(C)に示す操作部材73が用いられてもよい。操作部材73は、フットペダル装置であり、操作者が足で操作するための複数のペダルを有している。このペダルとして、例えば、ホルダー用ロボットアーム241の先端を特定の平面上で変位させるための前後左右ペダル731が備えられている。なお、ホルダー用ロボットアーム241の先端を上記の平面に対して鉛直な方向に変位させるための上昇・降下ペダル732が設けられてもよい。
上記の操作部材71〜73の何れかは、図41(D)に示すように、ホルダー用ロボットアーム241の制御装置249に、有線又は無線によって接続される。なお、操作部材71〜73は、2種類又は3種類が組み合わせて用いられてもよい。
(第1構成例の第3変形例)
図2を参照して、本変形例においては、医療用流体注入機器ホルダーユニット11は各関節(上記例の場合は18a及び18b)に電磁ブレーキを備え、また電磁ブレーキをON及びOFFに切り替えるための作動子として、手動操作トリガーボタン3101を備える。
各ジョイントの電磁ブレーキは、ジョイント18a及び18bをそれぞれロック状態にするように構成されている。電磁ブレーキは、通電されていない場合に、回転軸において対応するリンクを押圧することでジョイントの動作を妨げロック状態とする。また、電磁ブレーキは、通電されている場合に、電磁石のコイルに磁力が生じ上記押圧しているブレーキを引き離して関節のロック状態を解除する。
トリガーボタン3101は、押下されることにより、対応する電磁ブレーキに通電されて、ロック状態が解除される。これにより、操作者がトリガーボタン3101を押下している間は、関節が自由になり、ホルダー15の位置を操作者の所望の位置に動かすことができる。
なお、上記作動子の形状はボタンに限定されず、レバースイッチやスライドスイッチなどであってもよい。
(第1構成例の第4変形例)
上記では、医療用流体注入機器ホルダーユニット11、13のベースがテーブル10に固定される形態を主に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。テーブル10に取り付けられる医療用流体注入機器ホルダーユニット11、13のベースは、図11に示すように、テーブル10とは別体に形成され、テーブル10に対する取付位置が変更可能に構成されていてもよい。
図11(A)は、本変形例の主要部の構成を示す斜視図である。一例として図11(A)に示す医療用流体注入機器ホルダーユニット201(上記例では11又は13)は、アタッチメント装置400を用いてテーブル10の長手方向一端部に取り付けられている。
アタッチメント装置400は、テーブル10の側面に固定されたアタッチメントベース401と、このアタッチメントベース401に対してテーブル10の前後方向の位置を変更可能に取り付けられるスライダ402と、スライダ402に取り付けられた位置センサ403と、を有している。
アタッチメントベース401は、テーブル10の前後方向に沿って延びており、例えば、突起状のレールを形成している。スライダ402は、このアタッチメントベース401のレールに嵌合される溝部を有する形状に形成されており、アタッチメントベース401上をテーブル10の長手方向にスライド可能である。また、スライダ402には、固定ネジなどの固定部材404がねじ結合している。そして、固定部材404が締められる方向に回転されると、スライダ402と固定部材404とがアタッチメントベース401を強固に挟む。これにより、スライダ402が固定される。スライダ402には、医療用流体注入機器ホルダーユニット201のベース213が固定されており、このスライダ402とともに、医療用流体注入機器ホルダーユニット201のベース213がテーブル10の長手方向に変位する。位置センサ403は、例えば、赤外線センサ、ロータリーエンコーダなどのセンサであり、テーブル10の前端からスライダ402までの距離を測定することが可能に構成されている。位置センサ403の位置検出結果は、医療用流体注入機器ホルダーユニット201の制御装置219(図9の249に相当)に出力される。
医療用流体注入機器ホルダーユニット201の制御装置219は、位置センサ403が検出した、テーブル10に対するベース213の取付位置情報を取得するとともに記憶する。そして、制御装置219は、この取付位置情報を用いて医療機器ホルダー用ロボットアーム201の駆動を制御する。一例として、制御装置219は、テーブル10の1つの隅部と、スライダ402の取付位置のとの距離を計測することにより、上記の取付位置を算出する。
なお、図11(B)に示すように、テーブル10に固定されたU字状のレール411を取っ手付きねじ414との協働によってクランプするスライダ412が、スライダ402に代えて用いられてもよい。
(第1構成例の第5変形例)
図12は、患者の載置位置が麻酔導入位置とは異なり、手術位置と同じである場合において、テーブル10を第1の位置にある載置位置から第3の位置にある麻酔導入位置に移動する様子を示している。
第1の位置においてテーブル10上に患者が載置された後、第2、第3、及び第6ジョイント1062、1063、1066が回動して(場合によっては、第1ジョイント1061によってテーブル高さが調節され、また第4及び/又は第5ジョイント1064、1065によってテーブル10の長手方向及/又は幅方向まわりの傾きが調節され)テーブル10は図12の矢印の如く動いて患者の頭部がMRI装置414と反対方向を向き、5ガウスラインより十分離れた位置まで移動する。図12に示す麻酔位置(第3の位置)においては、テーブル10を鉛直方向上側から見下ろした場合に、ベース10及び可動要素10のうちベース104に直接連結される端部とは反対側の端部がテーブル10の下に隠れていない。そして、テーブル10の下に隠れないロボットアーム103の最大寸法は、テーブルの長手方向の寸法の1/4以上となっている。なお、載置位置が麻酔導入位置と同じである場合、この移動工程は省略される。
そして、麻酔医415は患者に対して麻酔処置を行う。麻酔処置が完了すると、制御装置10の制御により各可動要素が動作してテーブル10を図12に示される矢印とは逆方向に動かし、第1の位置である手術位置へと移動する。そして、術者412は術前にMRI装置によって撮影した画像情報を元に患者に対して手術を施し、例えば脳腫瘍を摘出した時点で、上述したようにテーブル10を第2の位置である撮影位置へと移動させ、患部(例えば脳)のMRI撮影を行い、再びテーブル10を第1の位置にある手術位置に戻して、例えば残存腫瘍が認められた場合には、引き続き術者412による手術が継続される。
第3の位置である麻酔導入位置は、テーブル10が第1の位置である手術位置にある場合において、テーブル幅方向(長手方向に直交する方向)に関して、MRI装置とは反対側に設置することが好ましい。これは、不潔扱いとなる麻酔医415が清潔エリアである手術位置及び撮影位置から遠い別の位置で麻酔導入を行うことができるので、脳腫瘍摘出手術など患者の上半身側の手術を行う場合には有利であるためである。
上記変形例の手術工程においても、医療用流体注入機器ホルダーユニット11はテーブル10に固定されたままであるので、患者Kに接続されているチューブを、テーブル10の動作範囲を考慮して長くとる必要がなく、また、患者Kに接続されているチューブ4f,4gがテーブル10が動くことによってロボットアーム103などに絡まる危険性を低減することができる。
(第1構成例の第6変形例)
図1を参照して、上記説明した医療用流体注入機器ホルダーユニット11(及び13)は、患者と医療用流体注入機器とを繋いでいるチューブの経路3111を形成していることが好ましい。例えば、可動要素17bが円筒形である場合に、曲面部分の一部が取り外し可能な着脱カバーに形成され、この着脱カバーを取り外してチューブを円筒形の可動要素17b内を這わせることができる。
さらに、テーブル10にも、上記チューブ4f,4gを固定する固定具3121を設けておくことが好ましい。
これらにより、手術工程においてテーブル10がどのように移動したとしても、チューブ4f,4gの絡まりを最小限にすることができる。
上記説明した変形例は、任意に選択及び組み合わせをして各構成例に付加することができることに留意すべきである。
例えば、ホルダー15の支持装置14にロボットアームを採用して、各関節のブレーキを解除するトリガーボタンを設けることができる。ロボットアームのように、各関節にモーター(アクチュエータ)が設けられている場合でも手動によりアームを動かすことが可能であり、この場合は手動での動きに合わせてモーターも動き、同時に位置検出器で位置が記憶されることになる。電動で動かす場合には、記憶された位置情報を基に、指示信号に従った位置に移動することになる。
また、何れの変形例においても、医療用流体注入機器ホルダーユニットを複数設けてもよいし、ホルダーの支持装置を手動操作専用のものとロボットアームにより駆動するものの両方を用いてもよし、手術工程において麻酔導入位置を設けていてもよい。
さらに、変形例で示した特徴が単独で新規性を有する場合には、各構成例との組み合わせによらず、単独で発明が成立することにも留意すべきである。
例えば、ホルダー15を支持する支持装置14の関節に電磁ブレーキを備え、各関節のロック状態をトリガーボタンで解除して手動操作できる構成について、ホルダー15が保持する機器としては、医療用流体注入機器に関わらず、医療用モニタやジェネレータなど広範な医療機器が対象となる。
(第2構成例)
図13に第2構成例に係るロボット手術台の側面図を示す。本構成例に係るロボット手術台に用いられるロボットアーム2901は、多自由度(3自由度以上)を有し、その先端で載置対象物が載置されるテーブル2908を支持する。テーブル2908及びロボットアーム2901は、ロボット手術台を構成する。
ロボットアーム2901は、ベース2921と、複数の可動要素(本構成例では、第1〜第3可動要素2922〜2924)と、複数のジョイント(本構成例では、第1〜第5ジョイント2931〜2935)を含む。
ベース2921と第1可動要素2922の一端部は鉛直直進ジョイントである第1ジョイント2931によって連結されており、第1可動要素2922は第1軸方向(鉛直方向)に移動することができる。第1可動要素2922の他端部と第2可動要素2923の一端部は水平回転ジョイントで連結されており、第2軸(鉛直方向)まわりに第2可動要素2923が回転することができる。第2可動要素2923と第3可動要素2924の間の第3〜第5ジョイント2933〜2935は、それぞれ、第3〜第5軸回りの回転ジョイントである。第3軸は第2可動要素2923の延びる方向であり、第4軸は第3ジョイント2933によって回転される、第3軸と直交する方向であり、第5軸は、第4ジョイント2934によって回転される、第4軸と直交する方向である。
第1可動要素2922と第2可動要素2923は特定方向に延びる棒状となっており、長さはロボットアーム2901の必要な可動範囲に応じて適宜設計される。そして、第1可動要素2922は水平面に平行な状態を維持して上下移動し、第2可動要素2923は第1可動要素2922と平行な状態を維持して第2軸まわりに回転する構成となっている。このような構成であれば、第2アクチュエータ2942において鉛直方向の重力補償を行う必要がないためモータを小さくすることができる。これは、ロボットアーム2901の小型化に有利な構成であり、限られたスペースしか確保できない医療現場に導入する場合や、治療や手術でより多くのスペースを確保するのに有利である。
第3可動要素2924は、ロボットアーム2901の先端に位置している。本構成例では、ロボットアーム2901の先端が、テーブル2908のスライド機構2909に連結されている。
ロボットアーム2901は、第1〜第5ジョイント2931〜2935及びスライド機構2909に対応して、第1〜第3可動要素2922〜2924及びスライド機構2909を移動又は回転させる複数のアクチュエータ(本構成例では、第1〜第5アクチュエータ2941〜2945及びスライド機構用アクチュエータ2949)と、それぞれのジョイントに組み込まれそれぞれの可動要素の位置を検出する複数の位置検出器(本構成例では第1〜第5位置検出器2951〜2955及びスライド機構用位置検出器2959)と、それぞれのアクチュエータの駆動を制御する制御装置2907を含む。制御装置2907はベース2921内に位置しているが、例えば外部の独立した装置としてもよい。
第1〜第5アクチュエータ2941〜2945及びスライド機構用アクチュエータ2949は、例えばサーボモータである。位置検出器としては第1〜第4の構成例と同様、エンコーダやレゾルバ、ポテンショメータを用いることができる。
ロボットアーム2901はまた、第1〜第5ジョイント2931〜2935及びスライド機構2909に対応して、それぞれ、第1〜第5電磁ブレーキ2961〜2965及びスライド機構用電磁ブレーキ2969を含むことが望ましい。電磁ブレーキを備えていない場合は、複数のアクチュエータ2941〜2945及びスライド機構用アクチュエータ2949の駆動によりロボットアーム2901の姿勢を一定に保つことになるが、電磁ブレーキを含んでいると、ある部分のアクチュエータの駆動をオフにしても電磁ブレーキ機能をオンとすることにより、ロボットアーム2901の姿勢を一定に保つことができる。
電磁ブレーキが設けられる場合の第1〜第5電磁ブレーキ2961〜2965それぞれは、アクチュエータ2941〜2945へ駆動電流が供給されないときにブレーキ機能をオンにし、アクチュエータ2941〜2945へ駆動電流が供給されたときにブレーキ機能をオフにするように構成されている。
図14(A)に示すように、スライド機構2909は、テーブル10を水平面に平行な状態を維持してテーブル10を移動させるように構成されている。スライド機構2909は、ロボットアーム2901の何れかに支持されるテーブルベース1156と、スライド部材1159と、を有している。
図14(B)に示すように、テーブルベース1156は、ロボットアーム2901に支持され、制御装置2907によって制御される一対のアクチュエータ1161,1162と、一対のアクチュエータ1161,1162によって回転駆動する一対のピニオン1163,1164と、を有している。各アクチュエータ1161,1162は、例えば、サーボモータである。スライド部材1159は、平板状部分の下面に形成された窪みの左右一対の側面に一対のラック1165,1166が形成された構成を有している。
一対のラック1165,1166に一対のピニオン1163,1164が噛み合っている。スライド部材1159の上面にテーブル2908が固定されている。この構成では、ラック1165,1166とピニオン1163,1164との噛み合い動作により、スライド部材1159及びテーブル2908がスライドする。
以上のように、スライド機構を設けると、ロボットアームのサイズを小型化できるというメリットがある。
なお、ここで紹介した例ではロボットアームの先端がテーブルの端部を支持しているが、ロボットアームの先端がテーブルの中央部を支持している構成において手動スライド機構を採用してもよい。また、アクチュエータ駆動のスライド機構2909が嵌まり込むテーブル2908の溝2983の長さを中央部分だけに制限してもよく、この場合はスライド幅が短くなるが、スライド幅が大きい場合と比べて、テーブル2908の撓みは発生しにくくなる。
また、上記スライド機構はラックアンドピニオンではなく、ボールネジなど他の構成を採用してもよい。
図15に、本構成例を術中MRIに適用した場合のロボット手術台の動きを斜視図を用いて示す。図15はテーブル2908が第1の位置である患者の載置位置及び手術位置にあり、第2の可動要素2923が第2軸まわりに水平回転し、同時にテーブル2908が第5軸まわりに軸回転して(場合によっては第1ジョイント2931によってテーブル2908の高さが調節され、また第3及び/又は第4ジョイント2933,2934により長手方向及び/又は幅方向まわりの傾きが調整され)、図16に示すMRI撮影準備位置に移動する。そして、テーブル2908がアクチュエータ駆動によりMRI装置の撮影空間とオーバーラップする位置までスライドし、テーブル2908が第2の位置であるMRI撮影位置へと移動する(図17)。
本構成例に係るロボット手術台を用いた場合、スライド機構が設けられているので、テーブルの可動範囲を大きくとるために第1可動要素や第2可動要素を長くする必要がなくなるのでロボットアームのサイズを小型化できるというメリットがある。
なお、図16で示したMRI撮影準備位置とは、テーブル2908が撮影空間とオーバーラップしておらず、撮影位置に近接する位置(例えば、撮影空間との距離が10cm〜40cm)でテーブル2908の特定方向(長手方向)がMRI装置414の開口部への方向を向く位置であり、撮影位置におけるテーブルの特定方向(長手方向)と平行である位置である。オープン型のMRIだと開口は広いので開口部の方向は複数あるが、ドーナツ型のMRI装置であると、開口部を向く方向はほぼ一意に決まる。この撮影準備位置において一旦移動を止め、例えば助手がMRI撮影のための準備(金属物がないことの確認や患者の位置・姿勢の修正)をし、その後MRI装置にテーブル2908を搬送するようにしてもよい。もちろん、MRI撮影準備位置は単なる経由位置で、テーブル2908をこの位置で一旦止めることなくスムーズにMRI撮影位置に移動させるようにしてもよい。
(第3構成例)
次に、第3の構成例に係るロボット手術台の側面図を図18に示す。ロボット手術台に用いられるロボットアーム2001は、多自由度(3自由度以上)を有し、その先端で載置対象物が載置されるテーブル2208を支持する。テーブル2208及びロボットアーム2001は、ロボット手術台を構成する。
図18に示すように、ロボットアーム2001は、ベース2021と、複数の可動要素(本構成例では、第1〜第4可動要素2022〜2026)と、複数のジョイント(本構成例では、第1〜第6ジョイント2031〜2036)を含む。
ベース2021と第1可動要素2022の一端部は水平回転ジョイントである第1ジョイント2031によって連結されており、第1可動要素2022は第1軸(鉛直方向)まわりに回転することができる。第1可動要素2022の他端部は少なくとも特定方向の他端部側において開口しており、該開口に第2可動要素2023が一端部から嵌り込んでいる。これにより、第1可動要素2022と第2可動要素2023は直進ジョイントで連結されている。よって、第2可動要素2023は第2軸方向(水平方向)に移動することができる。第2可動要素2023の他端部と第3可動要素2024の一端部は垂直回転ジョイントで連結されており、第3可動要素2024は長手方向(第3可動要素2024の延びる方向)と鉛直方向の両方に直交する第3軸まわりに回転することができる。なお、本構成例において、第3可動要素2024はパラレルリンクで構成されており、鉛直方向上側と下側に設けられた同一長さのリンクが対になって設けられている。従って、第2可動要素2023と第3可動要素2024との回転軸は鉛直方向上側と下側の2つとなる。第3可動要素2024の他端部と第4の可動要素2025の一端部は垂直回転する回転軸で連結されており、第4可動要素2025は長手方向(第4可動要素2025の延びる方向)と鉛直方向の両方に直交し第3軸と平行な第4軸まわりに回転することができる。第3可動要素2024がパラレルリンクで構成されているため、第3可動要素2024と第4可動要素2025との回転軸も鉛直方向上側と下側の2つとなる。第3可動要素2024の4つの回転軸は互いに連動して動き、例えば第3可動要素2024を第3軸の時計まわりに15度回転させると、第4可動要素2025は第3可動要素と接続する2つの回転軸で反時計回りに15度回転するように機構的に連動して動作し、第4可動要素2025全体が水平面と平行な状態を維持したまま鉛直方向に上下移動する。第4可動要素2025と第5可動要素2026の間の第4〜第6ジョイント2034〜2036は、それぞれ、第4〜第6軸回りの回転ジョイントである。第4軸は第5可動要素2026の延びる方向であり、第5軸は第4ジョイント2034によって回転される、第4軸と直交する方向であり、第6軸は、第5ジョイント2035によって回転される、第5軸と直交する方向である。
第1可動要素2022〜第4可動要素2026は特定方向に延びる棒状となっており、これらの可動要素の長さはロボットアーム2001の必要な可動範囲及びテーブル2208を鉛直方向に移動させる範囲に応じて適宜設計される。そして、本構成例においては、テーブル2208の鉛直方向上下の移動を、パラレルリンク2024(第3の垂直回転ジョイント2033)で行うため、第1及び第2の構成例のようにベース2021の高さを確保する必要がない。すなわち、テーブル2208の鉛直方向の移動幅は、ベース2021の鉛直方向高さではなく、第3可動要素2024の長さで調整することができる。このように、テーブル2208を高さ方向に移動させるためのパラレルリンク2024により連結される2つの可動要素(2023及び2025)が特定姿勢、例えばロボットアーム2001がテーブル2208を鉛直方向の可動範囲において最も低くする姿勢をとった場合に、同一水平面において重なる構成をとるため、テーブル2208の高さをさらに低くすることができ、低い治療ポジションの確保や低い位置での載置対象の載置も可能となる。また、ベース2021をテーブル2208の下に隠れるような構成とすることにより、限られたスペースしか確保できない医療現場に導入する場合や、治療や手術でより多くのスペースを確保するのに有利である。なお、テーブル2208の高さの調整は、第3可動要素の長さHで決定されるため、高さ方向の動作範囲を考慮してHの寸法を決定する。
なお、垂直回転ジョイントにより連結される2つの可動要素は、必ずしも図18に示されるような端部同士が連結される構成をとる必要はなく、例えば可動要素の側面同士が垂直回転ジョイントにより連結されるような構成であってもよい。また、垂直回転ジョイントにより連結される可動要素を同一水平面において重なる構成は必ずしも直動ジョイントとともに用いられる必要はなく、例えば第1の構成例や第2の構成例において垂直直進ジョイントの代わりに用いてもよく、本構成例の場合に限定されない、省スペース用のロボット手術台を実現するための独立した特徴である。
また、第1及び第2の構成例においては、ロボットアームが可動要素の端部同士が水平回転ジョイントで接続された構成であったため、鉛直方向では可動要素の重なりが生じていたが、本構成例においては、ロボットアームに水平直進ジョイントを採用しているため、この重なりを解消しており、テーブル2208を低い位置にするのにさらに有利な構成となっている。
そして、本構成例に係るロボット手術台は、テーブル2208が水平な状態を保ったテーブル2208が水平面に平行な状態を保ったまま上下に(鉛直方向に)移動させても、またテーブル2208をどのように回転させても(例えば、360度回転させても)ロボットアーム2001に接触しないように構成されている。よって、本構成例においては、ロボットアームがどのような任意の姿勢をとっても、テーブル2208が水平面に平行な状態にあることが維持されていれば、テーブル2208をどのように回転させても、テーブルとロボットアームとが接触することはない。
そして、テーブル2208の幅はロボットアーム2001の各可動要素及びベースの幅よりも大きく、鉛直方向上側から見下ろした場合にベース2021を含むロボットアーム2001の全体がテーブル2208の下に隠れることが好ましい。例えば、鉛直方向上側から見下ろした場合にテーブル2208の長手方向と第1及び第2可動要素2022・2023の特定方向が平行となる状態において、テーブル2208を鉛直方向上側から見下ろした場合に全ての可動要素及びベース2021がテーブル2208に隠れることが可能であることが望ましい。
なお、上記説明における「一端部」「他端部」「端部」「中央部」の定義については、第1及び第2の構成例と同様である。
ロボットアーム2001は、第1〜第6ジョイント2031〜2036に対応して、第1〜第5可動要素2022〜2026を移動又は回転させる複数のアクチュエータ(本構成例では、第1〜第6アクチュエータ2041〜2046)と、それぞれのジョイントに組み込まれそれぞれの可動要素の位置を検出する複数の位置検出器(本構成例では第1〜第6位置検出器2051〜2056)と、それぞれのアクチュエータの駆動を制御する制御装置2007(図18参照)を含む。制御装置2007は本構成例においてベース2021内に位置しているが、例えば外部の独立した装置としてもよい。
第1〜第6アクチュエータ2041〜2046は、例えばサーボモータである。位置検出器としては第1及び第2の構成例と同様、エンコーダを用いてもよいしレゾルバやポテンショメータを用いても構わない。
ロボットアーム2001はまた、第1〜第6ジョイント2031〜2036に対応して、それぞれ、第1〜第6電磁ブレーキ2061〜2066を含むことが望ましい。電磁ブレーキを備えていない場合は、複数のアクチュエータ2041〜2046の駆動によりロボットアーム2001の姿勢を一定に保つことになるが、電磁ブレーキを含んでいると、ある部分のアクチュエータの駆動をオフにしても電磁ブレーキ機能をオンとすることにより、ロボットアーム2001の姿勢を一定に保つことができる。
電磁ブレーキが設けられる場合の第1〜第6電磁ブレーキ2061〜2066それぞれは、アクチュエータへ駆動電流が供給されないときにブレーキ機能をオンにし、アクチュエータへ駆動電流が供給されたときにブレーキ機能をオフにするように構成されている。
第1及び第2の構成例と同様、アクチュエータとしてのモータ、位置検出器としてのエンコーダ、及びブレーキは、図3に示すように一体化したユニットとして構成されることが多い。さらに、第1〜第6アクチュエータ2041〜2046のそれぞれには、動力伝達用の減速機構及びカップリングなどが設けられる。
なお、パラレルリンク2024においては、4つの回転軸のうち何れか1か所にアクチュエータ、位置検出器、及びブレーキを設けておけばよい。
また、上記構成では、第2可動要素2023と第4可動要素2025との連結にパラレルリンクを用いたが、単一のリンクにより構成された可動要素を採用し、第2可動要素2023及び第4可動要素2025のそれぞれと、独立して制御可能なように連結してもよい。
図19は、本構成例でテーブル2208を上下に移動させた場合の側面図を示している。
このように、本構成例ではパラレルリンク機構を採用したので、テーブル2208を鉛直方向に上下動させる際に、テーブル2208に載置された載置対象の重量を受ける点がパラレルリンクの第2可動要素2023側ではなく第4可動要素2025側の回動軸になるので、テーブル2208を鉛直方向に上下動させるためのトルクを小さくすることができる。従って、パラレルリンクを駆動するためのアクチュエータを小型化することができ、ロボットアーム2001を小型化することができる。これは、ロボットアーム2001全体をテーブル2208下の空間に収納される構成とするのに有利である。
以上のように構成されたロボット手術台を用いれば、テーブル上に患者を載置した後、テーブル2208を撮影位置や手術位置といった目的とする位置に正確かつ迅速に移動させることができ、手術工程の効率を格段に向上させることができる。
図20に、医用画像診断装置として天井走行式と床固定式を組み合わせたバイプレーンのアンギオ装置を用い、ロボット手術台として本構成例(図18に示したもの)にスライド機構が搭載されたものを用いて、手術位置(第1の位置)から撮影位置(第2の位置)にテーブルを移動させる様子を示す。図20(A)、(C)、(E)は斜視図であり、図20(B)、(D)、(F)は手術室を鉛直方向上方から見下ろした場合の平面図である。
図20(A)、(B)では、テーブルの下にロボットアーム全体が隠れる第1の位置としての手術位置にテーブルが位置している。図20(C)、(D)では、第1及び第6ジョイントが回転し、第2ジョイントが伸縮して第6ジョイントのベースからの距離が調整され(場合によっては、第3ジョイントの回動によりテーブル高さが調整され、また、第4又は/及び第5ジョイントによってテーブルの長手方向又は/及び幅方向まわりの傾きが調整され)テーブルが撮影準備位置に到達している。図20(E)、(F)では、スライド機構の駆動によりテーブルが撮影位置(第2の位置)に到達している。
第1の位置の設定方法は、医用画像診断装置としてアンギオ装置を用いる場合でも、MRI装置を用いる場合と類似しており、第1の位置としての手術位置にあるロボット手術台とアンギオ装置との最短距離Sで決定される。医用画像診断装置としてアンギオ装置を用いる場合、磁性の影響を考える必要はないため、5ガウスラインは考慮しなくてよい。しかし、テーブルが手術位置(第1の位置)にある場合に術者や助手がテーブルまわりを取り囲めるようにアンギオ装置との最短距離Sは一定距離以上離すことが好ましい。また、医用画像診断装置としてアンギオ装置を用いる場合のハイブリッド手術においても、手術時に手術用顕微鏡(マイクロスコープ)などの医療機器をテーブルまわりに配置することから、これらを配置可能とするためにも最短距離Sを一定距離以上とすることが好ましい。この最短距離Sは、例えば手術用顕微鏡のベース部分の直径寸法を考慮して、ロボット手術台とアンギオ装置との間に手術用顕微鏡を配置可能なように80cm以上とすることができる。
また、医用画像診断装置としてMRI装置を用いる場合と同様に、ロボットアームがテーブルを支持することができる耐荷重と、手術位置(第1の位置)におけるロボットアームのテーブル下の収納可能性(ロボット構造の小型化)及びロボットアームの剛性(テーブルの安定性)を考慮すると、第1の位置にあるロボット手術台とアンギオ装置との最短距離Sが大きければ大きいほどよいという訳ではない。従って、アンギオ装置と第1の位置にあるロボット手術台との最短距離Sは、例えば手術用顕微鏡(マイクロスコープ)の設置が可能な80cmに加えて、さらに人が通過可能な程度を考慮して2m以下に設定することが好ましい。
次に、医用画像診断装置が天井走行式や床固定式のアンギオ装置である場合は、手術中でもレールに沿って動かすことにより、又は本体(Cの部分)を支持部に関して回転させることにより、撮影位置と退避位置とを往復させることも可能である。
(ロボット手術台と医療システムの設計についての補足)
上記各構成例のハイブリッド手術において説明した、図4及び図20の第1の位置は、テーブルを鉛直方向上側から見下ろした場合に、テーブル用ロボットアームの全てが前記テーブルの下に隠れる様子を示しているが、術者や助手がテーブルを取り囲むのに差支えの無い場合はロボットアームがテーブルに隠れない部分(はみ出し)が生じてもよい。このようなはみ出しは、例えばテーブルの幅方向の一端側のみで生じ、テーブルに隠れないロボットアームの最大寸法はテーブル長手方向の寸法の1/4未満であればよい。そして、テーブルからのロボットアームのはみ出し量がテーブルの幅方向の1/3以上である場合は、「ロボットアームのうち一定量がテーブルの下に隠れていない(テーブルからはみ出す)」ということができる。
また、上記ハイブリッド手術に用いられるロボット手術台は、医用画像診断装置による画像撮影のみに用いられる場合とは違い、手術位置において術式に応じた適当な手術を行うことが要求されるため、床面を基準としたテーブルの高さ位置は、下方が70cm以下、望ましくは50cmまで下がり、上方は100cm以上、望ましくは120cmまで上がるように、ロボットアームを設計するようにすることが好ましい。例えば、図19に示すように、テーブルを水平面に平行な状態を保ったまま鉛直方向に動作させる場合において、テーブルが最も低くなる場合の床面からテーブル上面までの距離H1が50cm以上70cm以下であり、テーブルが最も高くなる場合の床面からテーブル上面までの距離H2が100cm以上120cm以下である。
また、上記ハイブリッド手術においては、医用画像診断装置(モダリティ)がひとつのみ用いられ、ロボット手術台と組み合わせる例を示したが、複数の医用画像診断装置と組み合わせてもよい。ただし、その場合は上記の配置方法の考え方を利用することはできるが、医用画像診断装置どうしの配置関係や麻酔器の配置位置など考慮して医療システムを再設計することが好ましい。
上記で説明した通り、各構成例で示したロボット手術台は昇降−回転−スライド式の手術台と同程度かそれ以上に省スペースで用いることができる構成となっており、ハイブリッド手術にも好適に用いることができる。それでいて、昇降−回転−天板スライド式手術台と比較するとテーブルの動作範囲が広く、また動作範囲にある限りはテーブルを3次元空間で自由に移動させることができるという柔軟さも有する。さらに、テーブルの平面的な動作はスライド及び回転に限定されないため、医用画像診断装置との関係におけるロボット手術台の配置場所も柔軟に選択することができる。
以上のとおり、第1〜第3構成例を手術室に適用する例を示したけれども、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、図4、図20(B)など載置位置や手術位置において、テーブルを支持するロボットアームは完全にテーブル下に収まる態様としているが、載置や手術において邪魔にならないならば多少のはみ出しを許容するような構成としてもよい。各構成例におけるテーブルは手術室の大きさや術式などの事情に応じて適宜設計可能であるが、テーブルトップとしての機能を考慮すると、載置対象として例えば長身の患者を載置可能なように210cm以上は確保すべきであるということができる。
図21(A)に示すように、ロボット手術台が手術室において最も省スペースとなる姿勢においてロボットアームがテーブルよりはみ出ることを許容する構成を取る場合は、はみ出たロボットアームも考慮したロボット手術台全体のサイズを検討することが望ましい。ロボットアームのはみ出しがテーブルの長手方向である場合、省スペース姿勢におけるロボット手術台の全長は少なくとも300cm未満には抑えることが望ましいため、テーブルの長手方向の寸法は240cm未満とすべきである。すなわち、はみ出し量はテーブルの長手方向の寸法の1/4以下には抑えることが好ましいことから、テーブルの長手方向の寸法が約240cmの場合、省スペース姿勢においてロボットアームがテーブルよりはみ出す許容最大寸法は約60cmとなる。図21(A)に例示したテーブルの長手方向の寸法は230cmであり、テーブルに隠れないロボットアームの寸法を、テーブル長手方向の寸法230cmの1/4未満の55cmとしている。このようにテーブル長手方向の寸法が小さければ駆動力(モーター)も小さくできるためロボットアームがテーブルよりはみ出す量も若干小さくできる。
一方、ロボット手術台が省スペースとなる姿勢において、図21(B)のようにロボットアームがテーブルの下に完全に隠れる構成を取る場合は、例えば200kg程度の耐荷重ロボットアームはそれなりに大きくなることから、ロボットアームをテーブル下に収めるためにはテーブルを大きめに形成することが要求される場合が多い。従って、テーブルの長手方向の寸法としては、例えばテーブルからのロボットアームのはみ出しを許容する構成よりも長い240cm以上とすることが好ましい。また、省スペース姿勢におけるロボット手術台の全長は少なくとも300cm未満には抑えることが望ましいため、ロボットアームがテーブルの下に完全に隠れる場合のテーブルの長手方向の寸法も300未満とすることが好ましい。図21(B)に例示したテーブルの長手方向の寸法は260cmである。上記は240cmを基準としてロボットアームが完全に隠れる場合とはみ出る場合を切り分けたが、必ずしもある値で切り分ける必要はなく、それぞれのテーブル長さの寸法でオーバーラップする範囲が生じることを排除するものではない。
テーブルの幅方向の寸法については、小さすぎると例えば載置対象である患者が落下する危険が大きく、大きすぎると省スペースの妨げになることから、顧客要求に応じて適宜設計することが好ましい。だいたい45cm以上は確保し、一般的なシングルベッドほどには大きくない90cm未満とすることが好ましい。図21(A)の例では60cmとしている。図21(A)の例においては、T字型テーブルを採用しており、一端側(狭い方)が50cm、他端側(広い方)を70cmとしている。なお、本明細書において単に幅の寸法と記載する場合は、特に明示しない限りテーブルの最大幅を意味する。なお、鉛直方向上側から見下ろした場合のテーブルの形状が図21(A)のような長方形である場合や、図21(B)のようなT字型である場合は、ストレッチャーをぴったりとテーブル側部に隣接させて例えば載置対象である患者をテーブルに移動させやすくさせやすいというメリットがある。
その他、上記説明では麻酔器4はテーブルより上側でホルダー15により保持される態様をしめしたが、テーブルと一体的に移動する構成であれば、テーブルより下側で保持するようにしてもよい。
また、医療機器ホルダーユニットに保持される医療用流体注入機器は、麻酔器4と輸液ポンプ6を例示したが、輸血器などであってもよい。
さらに、テーブルに連結される医療機器ホルダーユニットに手術器具のジェネレーターやモニターなどを保持させるように変形させもよい。
さらにまた、手術工程のみならず、検査など他の医療工程において、医療機器ホルダーユニットを備えたロボティックベッドを用いるように適用させてもよい。
なお、各構成例では異なるテーブル用ロボットアームの構造を示し、MRI装置、アンギオ装置、およびCT装置などの医用画像診断機器のうち1つとの組み合わせを示したが、ロボット手術台と医用画像診断機器との組み合わせがこれらに限定されず、どのような組み合わせでもよいことは言うまでもない。
本発明は、ハイブリッド手術に用いられる手術台として適用することができる。
1 ロボット手術台
4 麻酔器
4e 気化器
6 輸液ポンプ
10 テーブル
11、13 医療用流体注入機器ホルダーユニット
15、27 ホルダー
100 テーブルユニット
103、2001、2901 ロボットアーム
3111 経路
K 処置対象
T,415 術者

Claims (12)

  1. 処置対象を載置するテーブルと、
    前記テーブルが第1の位置と第2の位置との間を移動可能なように、前記テーブルを支持する第1のロボットアームと、
    一端が前記処置対象に取り付けられるチューブと、
    前記チューブの他端が接続される医療用流体注入機器を保持するホルダーと、
    前記テーブルに固定され、前記ホルダーを支持する支持装置とを備え、
    前記支持装置は、第2のロボットアームにより構成されている、ロボット手術台。
  2. 前記第1の位置は、鉛直方向上側から前記テーブルを見下ろした場合に前記テーブルに隠れない前記第1のロボットアームの最大寸法が前記テーブルの長手方向の寸法の1/4未満である位置であり、
    前記第2の位置は、鉛直方向上側から前記テーブルを見下ろした場合に前記テーブルに隠れない前記第1のロボットアームの最大寸法が前記テーブルの長手方向の寸法の1/4以上である位置である、請求項1に記載のロボット手術台。
  3. 前記医療用流体注入機器は、麻酔器又は輸液ポンプである、請求項1又は2に記載のロボット手術台。
  4. 前記医療用流体注入機器及び前記ホルダーを複数有し、前記複数の医療用流体注入機器は麻酔器及び輸液ポンプを含む、請求項1又は2に記載のロボット手術台。
  5. 前記麻酔器は、気化器を含み、
    前記ホルダーは、前記気化器を保持可能に構成されている、請求項3又は4に記載のロボット手術台。
  6. 前記テーブルは、水平面に平行な状態を維持して移動させるように構成されたスライド機構を備えている、請求項1〜5の何れかに記載のロボット手術台。
  7. 前記第2のロボットアームを遠隔操作するための操作部材をさらに備えている、請求項1に従属する請求項3〜6の何れかに記載のロボット手術台。
  8. 前記ホルダーを支持する前記支持装置は、前記テーブルとは別体に形成されており、前記テーブルに対する取付位置を変更可能に構成されている、請求項1〜7の何れかに記載のロボット手術台。
  9. 前記ホルダーを支持する前記支持装置の動作を制御するための制御装置をさらに備え、
    前記制御装置は、前記テーブルの姿勢にかかわらず、水平面に対する前記医療用流体注入機器の傾斜角度がゼロとなるように、前記支持装置を制御するように構成されている、請求項1〜8の何れかに記載のロボット手術台。
  10. 前記ホルダーを支持する前記支持装置内には、前記チューブが通過する経路が設けられている、請求項1〜9の何れかに記載のロボット手術台。
  11. ロボット手術台と、医用画像診断装置を備え、
    前記ロボット手術台は、
    処置対象を載置するテーブルと、
    前記テーブルが第1の位置と第2の位置との間を移動可能なように、前記テーブルを支持する第1のロボットアームと、
    一端が前記処置対象に取り付けられるチューブと、
    前記チューブの他端が接続される医療用流体注入機器を保持するホルダーと、
    前記テーブルに固定され、前記ホルダーを支持する支持装置とを備え、
    前記第1の位置は、手術位置であり、
    前記第2の位置は、撮影位置又は撮影準備位置であり、
    前記支持装置は、第2のロボットアームにより構成されている、医療システム。
  12. 前記医用画像診断装置は、MRI撮影装置、アンギオ装置、又はCT装置である、請求項11に記載の医療システム。
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