JP6769752B2 - トナーシェルに低voc(揮発性有機化合物)融着剤を利用するスチレンアクリレートハイブリッドトナープロセス - Google Patents

トナーシェルに低voc(揮発性有機化合物)融着剤を利用するスチレンアクリレートハイブリッドトナープロセス Download PDF

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Description

本開示は、コア−シェル型構造を有し、シェルが非揮発性(すなわち、低VOC(揮発性有機化合物))融着剤を含有するトナー粒子を用いてハイブリッドトナー組成物を調製するプロセスに関する。さらに具体的には、本発明の実施形態は、スチレンアクリレートハイブリッドトナー組成物を調製するプロセスに関する。
ポリエステル樹脂ラテックスの一部をスチレン/アクリレートラテックスに置き換えたハイブリッドトナーは、特定のトナー製品の費用削減を将来的に促進する鍵となる。例えば、ハイブリッドトナーは、スチレン/アクリレートシェルと、スチレン−アクリレートコポリマーおよびアモルファスポリエステルを含むコアとを含んでいてもよい。ポリエステルは、従来から高価な材料であるため、ポリエステルをもっと多くのスチレン/アクリレートコポリマーと置き換えることによって費用が削減される。ポリエステル原材料は、一般的に高価なだけではなく、乳化凝集トナーで使用可能なポリエステルラテックスを調製するには、さらなる処理工程が必要であり、この工程の多くは溶媒の使用を必要とするのに対し、スチレン/アクリレートコポリマーは、樹脂を乳化重合によって調製するとき、ラテックスとして直接調製することができる。しかし、これらのハイブリッドトナーを調製するプロセスは、スチレン/アクリレートシェルの調製が、コア中のポリエステルと比較して、融着するのにもっと高い温度を必要とするため、課題がある。例えば、バッチプロセスによって調製されるポリエステル乳化/凝集トナーは、一般的に、約70℃〜約85℃の温度で融着され、一方、スチレン/アクリレートトナーは、一般的に、90℃を超える温度、典型的には、95〜96℃で融着される。
この不整合に対処し得る手法は、乳化凝集プロセスにおいて、融着温度を典型的にはスチレン/アクリレートの約95〜96℃まで上げることである。シェルに用いられるスチレンアクリレートラテックスのTg値によっては、融着温度を上げたとしても、完全に融着させるには十分ではなく、トナー粒子の表面形状が粗くなる場合があり、または融着プロセス中にトナー粒子の制御ができなくなり、粒子の特性(例えば、トナー粒径、トナー粒子の形状、幾何サイズ分布(GSD)、微粒子および粗粒子)が悪化する場合があり、スチレン/アクリレートラテックス、または他の構成要素(例えば、ワックスまたは顔料)が拒絶される場合がある。
従って、ハイブリッドトナー粒子を調製するためのスチレン−アクリレートの融着を改良する必要がある。本願発明者らは、低VOC(揮発性有機化合物)融着剤をトナーシェルに含むことでスチレン−アクリレートの融着を改良することができることを発見した。
本明細書に示される実施形態によれば、コアとシェルとを有するハイブリッドトナーを調製するためのプロセスであって、少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂を含む第1のラテックスと、少なくとも1つのアモルファスポリエステルラテックスと、任意要素の結晶性ポリエステルラテックスと、ワックスと、任意要素の着色剤とを混合し、コア混合物を作製することと;場合により、前記コア混合物に凝固剤を添加することと;前記コア混合物を、前記少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂のいずれかのガラス転移温度より低い温度まで加熱し、前記コア混合物を凝集させ、凝集したコア粒子を作製することと;少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂を含む第2のラテックスと融着剤とを混合し、シェル混合物を作製することと;前記凝集したコア粒子を前記シェル混合物でコーティングすることと;前記シェル混合物と前記凝集したコア粒子を、前記少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂のいずれかのガラス転移温度より高い温度まで加熱し、前記凝集したコア粒子を融着させ、トナー粒子を作製することと;前記トナー粒子を単離することとを含む、プロセスが提供される。
特定の実施形態において、コアとシェルとを有するハイブリッドトナーを調製するためのプロセスであって、少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂を含む第1のラテックスと、少なくとも1つのアモルファスポリエステルラテックスと、任意要素の結晶性ポリエステルラテックスと、任意要素の着色剤と、任意要素のワックスとを混合し、コア混合物を作製することと;場合により、前記コア混合物に凝固剤を添加することと;前記コア混合物を、前記少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂のいずれかのガラス転移温度より低い温度まで加熱し、前記コア混合物を凝集させ、凝集したコア粒子を作製することと;少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂を含む第2のラテックスと2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートとを混合し、シェル混合物を作製することと;前記凝集したコア粒子を前記シェル混合物でコーティングすることと;前記シェル混合物と前記凝集したコア粒子を、前記少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂のいずれかのガラス転移温度より高い温度まで加熱し、前記凝集したコア粒子を融着させ、トナー粒子を作製することと;前記トナー粒子を単離することとを含む、プロセスが提供される。
本実施形態のよりよい理解のために、添付の図面を参照してもよい。
図1は、コントロールハイブリッドトナーのトナー表面を13,000倍に拡大した走査型超音波顕微鏡(SEM)画像を示す。 図2は、1% テキサノールを含む開示ハイブリッドトナーのトナー表面を13,000倍に拡大した走査型超音波顕微鏡(SEM)画像を示す。 図3は、5% テキサノールを含む開示ハイブリッドトナーのトナー表面を10,000倍に拡大した走査型超音波顕微鏡(SEM)画像を示す。 図4は、5% テキサノールを含む開示ハイブリッドトナーのトナー表面を12,000倍に拡大した走査型超音波顕微鏡(SEM)画像を示す。
以下の記載において、他の実施形態を利用してもよく、本明細書に開示される実施形態の範囲から逸脱することなく、構造上および操作上の変更を行ってもよいことが理解される。
以下の本明細書および特許請求の範囲において、単数形、例えば、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」は、その内容が明らかに他の意味を示している場合を除き、複数形を含む。本明細書に開示されるすべての範囲は、特に明記されていない限り、すべての終点および中間値を含む。
本開示は、コアとシェルとを有し、シェルが非揮発性物質(すなわち、低VOC(揮発性有機化合物))融着剤を含有するハイブリッドトナーを調製するプロセスを提供する。
このプロセスは、コア混合物(またはコアラテックス)を調製することと、コア混合物を加熱し、凝集したコア粒子を作製することと;シェル混合物(またはシェルラテックス)を調製し、凝集したコア粒子をシェル混合物でコーティングすることと;シェル混合物と凝集したコア粒子を加熱し、凝集したコア粒子を融着させ、トナー粒子を作製することと;トナー粒子を単離することとを含む。
コア粒子を調製することは、(1)少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂を含む第1のラテックス、少なくとも1つのアモルファスポリエステルラテックスおよび任意要素の結晶性ポリエステルラテックスと;(2)ワックスと、(3)任意要素の着色剤とを混合し、コア混合物を作製することと;場合により、コア混合物に凝固剤を添加することと;コア混合物を、少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂のいずれかのガラス転移温度より低い温度まで加熱し、前記コア混合物を凝集させ、凝集したコア粒子を作製することとを含む。
トナーシェルを調製することは、少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂を含む第2のラテックスと融着剤とを混合し、シェル混合物を作製することを含む。
最後に、トナー粒子は、凝集したコア粒子をシェル混合物でコーティングし;シェル混合物と凝集したコア粒子を、少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂のいずれかのガラス転移温度より低い温度まで加熱し、凝集したコア粒子を融着させ、トナー粒子を作製することによって得られる。
本開示のトナーは、乳化凝集(EA)によって調製することができる。乳化重合段階中に低VOC融着剤をトナーシェルに組み込んでもよい。乳化重合は、ポリマーを作製するときに用いられる技術であり、モノマーがミセル内に拡散し、ミセル内で遊離ラジカル重合が進行し、ポリマー粒子が生成する。融着剤をポリマー樹脂(すなわち、第2のラテックス)と混合し、シェル混合物を作製してもよい。第2のラテックスは、少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂を含有する。融着剤を第2のラテックスに組み込むことによって、融着剤がシェル混合物中に均一に分布するだけではなく、それによって作られたトナーシェル中に融着剤が局在化する。低VOC融着剤がシェル混合物(またはシェルラテックス)中に拡散するため、シェルラテックス内に閉じ込められる。融着中、融着剤の一部は、さらに基材へと拡散し、固く丈夫なトナーコーティングが得られるだろう。
本開示のプロセスは、米国特許第7,736,831号(以下、「831号特許」)に開示されるプロセスとは異なり、凝集の後、融着の前に融着剤をトナーに加えることを含む。831号特許のプロセスは、本開示に記載されるトナーシェルだけではなく、トナー全体に混合した融着剤を含むトナー組成物を与える。トナーシェル中にのみ融着剤が存在することは、ある種のポリエステル樹脂を含むトナーのコアに顕著な影響を与えることなく、ハイブリッドトナーの平滑なシェル表面を得るために、ハイブリッドトナーの調製プロセス、特に、スチレンアクリレートハイブリッドトナーの調製プロセスにとって重要である。乳化/凝集融着工程中、コア中のポリエステル樹脂は、比較的低い粘度を示し、一方、スチレン−アクリレートシェルは、比較的高い粘度を示す。従って、融着剤がトナーコア中に含まれる場合、シェルがコア中のポリエステル樹脂を包み込むことは困難になる。それに加え、コア中に融着剤が存在すると、その粘度が比較的高いことに起因して、シェルは、融着温度で十分に流動しない場合があり、トナー粒子同士が粘着する場合がある。シェルのみに融着剤を含む(すなわち、コア中に含まれない)ことで、コア中のポリエステルの粘度にほとんど影響がなく、そのため、全体的なトナープロセスにほとんど影響がない。このことは、シェルのみに存在する融着剤が、シェル中のスチレン/アクリレートの粘度を下げるのに効果的であり、所望の融着温度でシェルを非常に円滑に融着させることができる。
本開示のハイブリッドトナーのトナーシェルに組み込まれる融着剤は、大気圧で約250℃〜約450℃、約250℃〜約350℃、または約250℃〜約400℃の高い沸点を有する。
いくつかの実施形態において、融着剤は、20℃での揮発性が約10−8〜約10−2mmHg、約10−8〜約10−3mmHg、約10−6〜約10−2mmHgである。
いくつかの実施形態において、融着剤は、水に不溶性である。いくつかの実施形態において、融着剤は、20℃での水への溶解度が約0.5重量%未満、または0〜約0.2重量%、または0〜約0.15重量%である。
いくつかの実施形態において、融着剤は、少なくとも1つのエステル結合を含む。いくつかの実施形態において、融着剤は、8〜20個の炭素原子、10〜15個の炭素原子、または8〜25個の炭素原子を含む有機化合物である。融着剤としては、Eastman Chemical Companyから入手可能なTEXANOL(登録商標)(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートまたはIUPAC:3−ヒドロキシ−2,2,4−トリメチルペンチル 2−メチルプロパノエート)、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、安息香酸ベンジル、ジエチレングリコールジベンゾエートまたはIUPAC:2−[2−(ベンゾイルオキシ)エトキシ]エチルベンゾエート、3−フェニルプロピルベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、プロピレングリコールジベンゾエートまたはこれらの混合物が挙げられるだろう。
2種類以上の融着剤を第2のラテックスと混合してもよい。2種類の融着剤を使用する場合、2種類の融着剤の比率は、約1:5〜約5:1、約1:3〜約3:1、または約1:2〜約2:1であってもよい。3種類の融着剤を使用する場合、第3の融着剤の量は、最初の2種類の融着剤のいずれかと同じであってもよく、それより少なくてもよい。
以下の表1は、本開示の実施形態に従って使用するのに適したいくつかの例を列挙している。
第2のラテックスと混合してシェル混合物を調製するときに用いられる融着剤の量は、シェル混合物中の固形分含有量を基準として、約0.1〜約5.0重量%、約0.5〜約1.0重量%、または約0.5〜約2.0重量%である。
融着剤の大部分(例えば、使用する融着剤の合計重量の少なくとも95重量%)は、後の処理中に蒸発せず、その結果、融着剤は、最終的に調製されたハイブリッドトナー粒子中に、ハイブリッドトナー粒子の最終的な乾燥重量を基準として約0.01〜約2.0重量%、約0.05〜約0.3重量%、または約0.1〜約1.0重量%の量で存在する。
(ポリマー樹脂)
第1のラテックスと第2のラテックスは、同じであってもよく、または異なっていてもよい。第1のラテックスは、少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂を含有する。第2のラテックスは、少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂を含有する。第1のラテックス中の少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂と、第2のラテックス中の少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂は、同じであってもよく、または異なっていてもよい。
第1および第2のラテックスのための具体的なポリマーの実例としては、例えば、ポリ(スチレン−アクリル酸アルキル)、ポリ(スチレン−メタクリル酸アルキル)、ポリ(スチレン−アクリル酸アルキル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−メタクリル酸アルキル−アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸アルキル−アクリル酸アルキル)、ポリ(メタクリル酸アルキル−アクリル酸アリール)、ポリ(メタクリル酸アリール−アクリル酸アルキル)、ポリ(メタクリル酸アルキル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−アクリル酸アルキル−アクリロニトリル−アクリル酸)、ポリ(アクリル酸アルキル−アクリロニトリル−アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸メチル−ブタジエン)、ポリ(メタクリル酸エチル−ブタジエン)、ポリ(メタクリル酸プロピル−ブタジエン)、ポリ(メタクリル酸ブチル−ブタジエン)、ポリ(アクリル酸メチル−ブタジエン)、ポリ(アクリル酸エチル−ブタジエン)、ポリ(アクリル酸プロピル−ブタジエン)、ポリ(アクリル酸ブチル−ブタジエン)、ポリ(スチレン−イソプレン)、ポリ(メチルスチレン−イソプレン)、ポリ(メタクリル酸メチル−イソプレン)、ポリ(メタクリル酸エチル−イソプレン)、ポリ(メタクリル酸プロピル−イソプレン)、ポリ(メタクリル酸ブチル−イソプレン)、ポリ(アクリル酸メチル−イソプレン)、ポリ(アクリル酸エチル−イソプレン)、ポリ(アクリル酸プロピル−イソプレン)、ポリ(アクリル酸ブチル−イソプレン)、ポリ(スチレン−アクリル酸プロピル)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−メタクリル酸)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−アクリロニトリル)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−アクリロニトリル−アクリル酸)、および他の同様のポリマーが挙げられる。上述のポリマーのアルキル基は、任意のアルキル基であってもよく、特に、C−C12アルキル基であってもよく、例えば、メチル、エチル、プロピルおよびブチルを含む。アリール基の場合、当該技術分野で知られている任意のアリール基を使用してもよい。
(アモルファスポリエステル樹脂)
本開示のトナー組成物は、アモルファスポリエステル樹脂を含むコア粒子を含む。アモルファスポリエステル樹脂は、任意要素の触媒存在下、ジオールと二酸とを反応させることによって作られてもよい。アモルファスポリエステルを調製するために利用される二酸またはジエステルの例としては、ビニル二酸またはビニルジエステルが含まれ、例えば、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、フマル酸、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、cis,1,4−ジアセトキシ−2−ブテン、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、コハク酸、無水コハク酸、ドデシルコハク酸、無水ドデシルコハク酸、グルタル酸、無水グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、無水フタル酸、フタル酸ジエチル、コハク酸ジメチル、フマル酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、ドデシルコハク酸ジメチルおよびこれらの組み合わせのようなジカルボン酸またはジエステルが挙げられる。有機二酸またはジエステルは、例えば、樹脂の約40〜約60モル%、いくつかの実施形態において、約42〜約52モル%、いくつかの実施形態において、約45〜約50モル%の量で存在していてもよい。
アモルファスポリエステルを作るときに利用可能なジオールの例としては、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、2,2−ジメチルプロパンジオール、2,2,3−トリメチルヘキサンジオール、ヘプタンジオール、ドデカンジオール、ビス(ヒドロキシエチル)−ビスフェノールA、ビス(2−ヒドロキシプロピル)−ビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、キシレンジメタノール、シクロヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ビス(2−ヒドロキシエチル)オキシド、ジプロピレングリコール、ジブチレン、およびこれらの組み合わせが挙げられる。選択される有機ジオールの例は、さまざまであってもよく、例えば、樹脂の約40〜約60モル%、いくつかの実施形態において、約42〜約55モル%、いくつかの実施形態において、約45〜約53モル%の量で存在していてもよい。
結晶性ポリエステルまたはアモルファスポリエステルのいずれかを作製するときに利用され得る重縮合触媒としては、チタン酸テトラアルキル、ジアルキルスズオキシド(例えば、ジブチルスズオキシド)、テトラアルキルスズ(例えば、ジブチルスズジラウレート)、ジアルキルスズオキシド水酸化物(例えば、酸化ブチルスズ水酸化物)、アルミニウムアルコキシド、アルキル亜鉛、ジアルキル亜鉛、酸化亜鉛、酸化第一スズ、またはこれらの組み合わせが挙げられる。このような触媒は、ポリエステル樹脂を作製するために用いられる出発物質のポリ酸またはポリエステルを基準として、例えば、約0.01〜約5モル%の量で利用されてもよい。いくつかの実施形態において、適切なアモルファス樹脂としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリイソブチレート、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、ポリプロピレン、これらの組み合わせなどが挙げられる。利用可能なアモルファス樹脂の例としては、アルカリスルホン酸化ポリエステル樹脂、分岐したアルカリスルホン酸化ポリエステル樹脂、アルカリスルホン酸化ポリイミド樹脂および分岐したアルカリスルホン酸化ポリイミド樹脂が挙げられる。アルカリスルホン酸化ポリエステル樹脂が、いくつかの実施形態において利用されてもよく、例えば、コポリ(エチレン−テレフタレート)−コポリ(エチレン−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(プロピレン−テレフタレート)−コポリ(プロピレン−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(ジエチレン−テレフタレート)−コポリ(ジエチレン−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(プロピレン−ジエチレン−テレフタレート)−コポリ(プロピレン−ジエチレン−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(プロピレン−ブチレン−テレフタレート)−コポリ(プロピレン−ブチレン−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(プロポキシル化ビスフェノール−A−フマレート)−コポリ(プロポキシル化ビスフェノールA−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(エトキシル化ビスフェノール−A−フマレート)−コポリ(エトキシル化ビスフェノール−A−5−スルホ−イソフタレート)およびコポリ(エトキシル化ビスフェノール−A−マレエート)−コポリ(エトキシル化ビスフェノール−A−5−スルホ−イソフタレート)の金属塩またはアルカリ塩が有用な場合があり、ここで、アルカリ金属は、例えば、ナトリウムイオン、リチウムイオンまたはカリウムイオンである。
いくつかの実施形態において、上述のように、不飽和アモルファスポリエステル樹脂をラテックス樹脂として利用してもよい。このような樹脂の例としては、米国特許第6,063,827号に開示されているものが挙げられる。例示的な不飽和アモルファスポリエステル樹脂としては、限定されないが、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールコ−フマレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールコ−フマレート)、ポリ(ブチルオキシル化ビスフェノールコ−フマレート)、ポリ(コ−プロポキシル化ビスフェノールコ−エトキシル化ビスフェノールコ−フマレート)、ポリ(1,2−プロピレンフマレート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールコ−マレエート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールコ−マレエート)、ポリ(ブチルオキシル化ビスフェノールコ−マレエート)、ポリ(コ−プロポキシル化ビスフェノールコ−エトキシル化ビスフェノールコ−マレエート)、ポリ(1,2−プロピレンマレエート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールコ−イタコネート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールコ−イタコネート)、ポリ(ブチルオキシル化ビスフェノールコ−イタコネート)、ポリ(コ−プロポキシル化ビスフェノールコ−エトキシル化ビスフェノールコ−イタコネート)、ポリ(1,2−プロピレンイタコネート)、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態において、適切なポリエステル樹脂は、アモルファスポリエステル、例えば、以下の式(I)を有するポリ(プロポキシル化ビスフェノールA コ−フマレート)樹脂であってもよく、
式中、mは、約5〜約1000であってもよい。このような樹脂およびその製造プロセスの例としては、米国特許第6,063,827号に開示されるものが挙げられる。
ラテックス樹脂として利用可能な直鎖プロポキシル化ビスフェノールAフマレート樹脂の一例は、Resana S/A Industrias Quimicas(サンパウロ、ブラジル)から商標名SPARIIで入手可能である。利用可能であり、市販される他のプロポキシル化ビスフェノールAフマレート樹脂としては、花王株式会社(日本)製のGTUFおよびFPESL−2、Reichhold(リサーチトライアングルパーク、ノースカロライナ)製のEM181635が挙げられる。
いくつかの実施形態において、樹脂コーティングとして利用される樹脂は、ガラス転移温度が約30℃〜約80℃、いくつかの実施形態において、約35℃〜約70℃であってもよい。さらなる実施形態において、樹脂コーティングとして利用される樹脂は、約130℃での溶融粘度が約10〜約1,000,000Pa*S、いくつかの実施形態において、約20〜約100,000Pa*Sであってもよい。
(結晶性ポリエステル樹脂)
結晶性樹脂は、多くの供給源から入手可能であり、重縮合触媒存在下、有機ジオールと有機二酸とを反応させる重縮合プロセスによって調製することができる。一般的に、化学量論的に等モル比の有機ジオールと有機二酸が利用されるが、ある場合には、有機ジオールの沸点が約180℃〜約230℃であり、過剰量のジオールを利用し、重縮合プロセス中に除去してもよい。利用される触媒の量はさまざまであり、例えば、樹脂の約0.01〜約1モル%の量になるように選択されてもよい。さらに、有機二酸の代わりに、有機ジエステルを選択することもでき、製造により副産物のアルコールが生成する。
有機ジオールの例としては、約2〜約36個の炭素原子を含む脂肪族ジオール、例えば、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオールなど;アルカリスルホ−脂肪族ジオール、例えば、ナトリウム2−スルホ−1,2−エタンジオール、リチウム2−スルホ−1,2−エタンジオール、カリウム2−スルホ−1,2−エタンジオール、ナトリウム2−スルホ−1,3−プロパンジオール、リチウム2−スルホ−1,3−プロパンジオール、カリウム2−スルホ−1,3−プロパンジオール、これらの混合物などが挙げられる。脂肪族ジオールは、例えば、樹脂の約45〜約50モル%の量になるように選択され、アルカリスルホ−脂肪族ジオールは、樹脂の約1〜約10モル%の量になるように選択されてもよい。
結晶性ポリエステル樹脂を調製するために選択される有機二酸とジエステルの例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸およびメサコン酸、これらのジエステルまたは無水物;アルカリスルホ−有機二酸、例えば、ジメチル−5−スルホ−イソフタレート、ジアルキル−5−スルホ−イソフタレート−4−スルホ−1,8−ナフタル酸無水物、4−スルホ−フタル酸、ジメチル−4−スルホ−フタレート、ジアルキル−4−スルホ−フタレート、4−スルホフェニル−3,5−ジカルボメトキシベンゼン、6−スルホ−2−ナフチル−3,5−ジカルボメトキシベンゼン、スルホ−テレフタル酸、ジメチル−スルホ−テレフタレート、5−スルホ−イソフタル酸、ジアルキル−スルホ−テレフタレート、スルホエタンジオール、2−スルホプロパンジオール、2−スルホブタンジオール、3−スルホペンタンジオール、2−スルホヘキサンジオール、3−スルホ−2−メチル−ペンタンジオール、2−スルホ−3,3−ジメチルペンタンジオール、スルホ−p−ヒドロキシ安息香酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホネートのナトリウム塩、リチウム塩またはカリウム塩、またはこれらの混合物が挙げられる。有機二酸は、例えば、樹脂の約40〜約50モル%の量になるように選択され、アルカリスルホ脂肪族二酸は、樹脂の約1〜約10モル%の量になるように選択されてもよい。第3のラテックスのために、分岐したアモルファス樹脂およびアルカリスルホン酸化ポリエステル樹脂が選択されてもよい。適切なアルカリスルホン酸化ポリエステル樹脂の例としては、コポリ(エチレン−テレフタレート)−コポリ−(エチレン−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(プロピレン−テレフタレート)−コポリ(プロピレン−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(ジエチレン−テレフタレート)−コポリ(ジエチレン−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(プロピレン−ジエチレン−テレフタレート)−コポリ(プロピレン−ジエチレン−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(プロピレン−ブチレン−テレフタレート)−コポリ(プロピレン−ブチレン−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ−(プロポキシル化ビスフェノール−A−フマレート)−コポリ(プロポキシル化ビスフェノール−A−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(エトキシル化ビスフェノール−A−フマレート)−コポリ(エトキシル化ビスフェノール−A−5−スルホ−イソフタレート)およびコポリ(エトキシル化ビスフェノール−A−マレエート)−コポリ(エトキシル化ビスフェノール−A−5−スルホ−イソフタレート)の金属塩またはアルカリ塩が挙げられ、ここで、アルカリ金属は、例えば、ナトリウムイオン、リチウムイオンまたはカリウムイオンである。
結晶性のポリエステル樹脂の例としては、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コ−ポリ(エチレン−アジペート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(プロピレン−アジペート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ブチレン−アジペート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−アジペート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(オクチレン−アジペート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(エチレン−アジペート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(プロピレン−アジペート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コ−ポリ(ブチレン−アジペート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−アジペート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ヘキシレン−アジペート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(オクチレン−アジペート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(エチレン−サクシネート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル−コポリ(ブチレン−サクシネート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ヘキシレン−サクシネート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(オクチレン−サクシネート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(エチレン−セバケート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(プロピレン−セバケート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ブチレン−セバケート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−セバケート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ヘキシレン−セバケート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(オクチレン−セバケート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(エチレン−アジペート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(プロピレン−アジペート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ブチレン−アジペート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−アジペート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ヘキシレン−アジペート)、ポリ(オクチレン−アジペート)が挙げられ、ここで、アルカリは、ナトリウム、リチウムまたはカリウムなどの金属である。いくつかの実施形態において、アルカリ金属は、リチウムである。
結晶性樹脂は、例えば、トナー成分の約5〜約50重量%、いくつかの実施形態において、約10〜約35重量%の量で存在していてもよい。結晶性樹脂は、種々の融点を有していてもよく、例えば、約30℃〜約120℃、いくつかの実施形態において、約50℃〜約90℃の融点を有していてもよい。結晶性樹脂は、数平均分子量(Mn)が、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定される場合、例えば、約1,000〜約50,000、いくつかの実施形態において、約2,000〜約25,000であってもよく、重量平均分子量(Mw)が、ポリエスチレン標準を用いたゲル浸透クロマトグラフィーによって決定される場合、例えば、約2,000〜約100,000、いくつかの実施形態において、約3,000〜約80,000であってもよい。結晶性樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、例えば、約2〜約6、いくつかの実施形態において、約3〜約4であってもよい。
(任意要素の添加剤)
トナー粒子は、所望な場合、他の任意要素の添加剤も含有していてもよい。例えば、トナーは、正または負の電荷制御剤を任意の望ましい量または有効な量で、一実施形態において、トナーの少なくとも約0.1重量%、別の実施形態において、トナーの少なくとも約1重量%、一実施形態において、トナーの約10重量%以下、別の実施形態において、トナーの約3重量%以下の量で含んでいてもよい。適切な電荷制御剤の例としては、限定されないが、ハロゲン化アルキルピリジニウムを含む四級アンモニウム化合物;硫酸水素塩;米国特許第4,298,672号に開示されるものを含むアルキルピリジニウム化合物;米国特許第4,338,390号に開示されるものを含む、有機サルフェートおよび有機スルホネート組成物;セチルピリジニウムテトラフルオロボレート;ジステアリルジメチルアンモニウムメチルサルフェート;アルミニウム塩、例えば、BONTRON E84(商標)またはE88(商標)(Hodogaya Chemical)など、およびこれらの混合物が挙げられる。このような電荷制御剤を、上述のシェル樹脂と同時に、またはシェル樹脂を塗布した後に塗布してもよい。
トナー粒子と、流動補助添加剤を含む外部添加剤粒子とがブレンドされてもよく、添加剤は、トナー粒子表面に存在していてもよい。これらの添加剤の例としては、限定されないが、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化スズなどの金属酸化物、およびこれらの混合物;コロイド状シリカおよびアモルファスシリカ、例えば、AEROSIL(登録商標)、金属塩および脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、酸化アルミニウム、酸化セリウムなどを含む)およびこれらの混合物が挙げられる。これらそれぞれの外部添加剤は、任意の望ましい量または有効な量で、一実施形態において、トナーの少なくとも約0.1重量%、別の実施形態において、トナーの少なくとも約0.25重量%、一実施形態において、トナーの約5重量%以下、別の実施形態において、トナーの約3重量%以下の量で存在していてもよい。適切な添加剤としては、限定されないが、米国特許第3,590,000号、同第3,800,588号および同第6,214,507号に開示されるものが挙げられる。ここでも、これらの添加剤を上述のシェル樹脂と同時に、またはシェル樹脂を塗布した後に塗布してもよい。
(ワックス)
トナーのコアおよび/またはシェル粒子にワックスが含まれていてもよい。ワックスは、乳化凝集トナー組成物に従来から使用されている種々のワックスのいずれかを含んでいてもよい。ワックスの適切な例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン/アミド、ポリエチレンテトラフルオロエチレンおよびポリエチレンテトラフルオロエチレン/アミドが挙げられる。他の例としては、例えば、ポリオレフィンワックス、例えば、直鎖ポリエチレンワックスおよび分岐したポリエチレンワックスを含むポリエチレンワックス、直鎖ポリプロピレンワックスおよび分岐したポリプロピレンワックスを含むポリプロピレンワックス;パラフィンワックス;Fischer−Tropschワックス;アミンワックス;シリコーンワックス;メルカプトワックス;ポリエステルワックス;ウレタンワックス;改質ポリオレフィンワックス(例えば、末端がカルボン酸のポリエチレンワックスまたは末端がカルボン酸のポリプロピレンワックス);アミドワックス、例えば、脂肪族極性アミド官能基化ワックス;ヒドロキシル化不飽和脂肪酸のエステルからなる脂肪族ワックス;高酸ワックス、例えば、高酸モンタンワックス;微結晶性ワックス、例えば、原油の蒸留から誘導されるワックスなどが挙げられる。「高酸ワックス」とは、酸含有量が多いワックス材料を意味する。ワックスは、所望な場合、結晶性または非結晶性であってもよいが、いくつかの実施形態において、結晶性ワックスが好ましい。「結晶性ポリマーワックス」とは、ワックス材料が、ポリマーマトリックス中にポリマー鎖の規則的な配列を含むことを意味し、結晶の融点転移温度Tmによって特徴付けることができる。結晶の融点は、ポリマーサンプルの結晶性領域の融点である。これは、ポリマー鎖がポリマー中のアモルファス領域で流動し始める温度を特徴付けるガラス転移温度Tgとは対照的である。
トナーにワックスを組み込むために、ワックスが、固体ワックスの1種類以上の水系エマルションまたは水分散物の形態であることが望ましく、固体ワックスの粒径は、通常、約100〜約500nmの範囲である。
トナーは、ワックスを任意の量で、例えば、乾燥基準で、トナーの約3〜約15重量%の量含んでいてもよい。例えば、トナーは、約5〜約11重量%のワックスを含んでいてもよい。
(着色剤)
トナーは、少なくとも1つの着色剤を含んでいてもよい。例えば、使用される着色剤または顔料としては、顔料、染料、顔料と染料の混合物、顔料混合物、染料混合物などが挙げられる。単純化のために、「着色剤」という用語は、本明細書で使用される場合、特定の顔料または他の着色剤成分として明記されている場合を除き、このような着色剤、染料、顔料および混合物を包含することを意味している。いくつかの実施形態において、着色剤は、顔料、染料、これらの混合物、カーボンブラック、マグネタイト、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン、ブルー、ブラウン、これらの混合物を、組成物の合計重量を基準として約1〜約25重量%の量で含む。他の有用な着色剤は、本開示に基づき容易に明らかであることが理解されるべきである。
一般的に、有用な着色剤としては、Paliogen Violet 5100および5890(BASF)、Normandy Magenta RD−2400(Paul Uhlrich)、Permanent Violet VT2645(Paul Uhlrich)、Heliogen Green L8730(BASF)、Argyle Green XP−111−S(Paul Uhlrich)、Brilliant Green Toner GR 0991(Paul Uhlrich)、Lithol Scarlet D3700(BASF)、Toluidine Red(Aldrich)、Scarlet for Thermoplast NSD Red(Aldrich)、Lithol Rubine Toner(Paul Uhlrich)、Lithol Scarlet 4440、NBD 3700(BASF)、Bon Red C(Dominion Color)、Royal Brilliant Red RD−8192(Paul Uhlrich)、Oracet Pink RF(Ciba Geigy)、Paliogen Red 3340および3871K(BASF)、Lithol Fast Scarlet L4300(BASF)、Heliogen Blue D6840、D7080、K7090、K6910およびL7020(BASF)、Sudan Blue OS(BASF)、Neopen Blue FF4012(BASF)、PV Fast Blue B2G01(American Hoechst)、Irgalite Blue BCA(Ciba Geigy)、Paliogen Blue 6470(BASF)、Sudan II、IIIおよびIV(Matheson、Coleman、Bell)、Sudan Orange(Aldrich)、Sudan Orange 220(BASF)、Paliogen Orange 3040(BASF)、Ortho Orange OR 2673(Paul Uhlrich)、Paliogen Yellow 152および1560(BASF)、Lithol Fast Yellow 0991K(BASF)、Paliotol Yellow 1840(BASF)、Novaperm Yellow FGL(Hoechst)、Permanerit Yellow YE 0305(Paul Uhlrich)、Lumogen Yellow D0790(BASF)、Suco−Gelb 1250(BASF)、Suco−Yellow D1355(BASF)、Suco Fast Yellow D1165、D1355およびD1351(BASF)、Hostaperm Pink E(Hoechst)、Fanal Pink D4830(BASF)、Cinquasia Magenta(DuPont)、Paliogen Black L9984 9BASF)、Pigment Black K801(BASF)、特に、カーボンブラック、例えば、REGAL 330(Cabot)、Carbon Black 5250および5750(Columbian Chemicals)など、またはこれらの混合物が挙げられる。
さらなる有用な着色剤としては、水系分散物である顔料、例えば、Sun Chemicalから市販されているもの、例えば、SUNSPERSE BHD 6011X(Blue 15 Type)、SUNSPERSE BHD 9312X(Pigment Blue 15 74160)、SUNSPERSE BHD 6000X(Pigment Blue 15:3 74160)、SUNSPERSE GHD 9600XおよびGHD 6004X(Pigment Green 7 74260)、SUNSPERSE QHD 6040X(Pigment Red 122 73915)、SUNSPERSE RHD 9668X(Pigment Red 185 12516)、SUNSPERSE RHD 9365Xおよび9504X(Pigment Red 57 15850:1、SUNSPERSE YHD 6005X(Pigment Yellow 83 21108)、FLEXIVERSE YFD 4249(Pigment Yellow 17 21105)、SUNSPERSE YHD 6020Xおよび6045X(Pigment Yellow 74 11741)、SUNSPERSE YHD 600Xおよび9604X(Pigment Yellow 14 21095)、FLEXIVERSE LFD 4343およびLFD 9736(Pigment Black 7 77226)など、またはこれらの混合物が挙げられる。他の有用な水系着色剤分散物としては、Clariantから市販されているもの、例えば、HOSTAFINE Yellow GR、HOSTAFINE Black TおよびBlack TS、HOSTAFINE Blue B2G、HOSTAFINE Rubine F6Bおよびマゼンタ乾燥顔料、例えば、使用前に水および/または界面活性剤に分散させることができるToner Magenta 6BVP2213およびToner Magenta EO2が挙げられる。
他の有用な着色剤としては、例えば、マグネタイト、例えば、MobayマグネタイトM08029、M08960;Columbianマグネタイト、MAPICO BLACKSおよび表面処理されたマグネタイト;PfizerマグネタイトCB4799、CB5300、CB5600、MCX6369;Bayerマグネタイト、BAYFERROX 8600、8610;Northern Pigmentsマグネタイト、NP−604、NP−608;MagnoxマグネタイトTMB−100またはTMB−104など、またはこれらの混合物が挙げられる。顔料の具体的なさらなる例としては、フタロシアニンHELIOGEN BLUE L6900、D6840、D7080、D7020、PYLAM OIL BLUE、PYLAM OIL YELLOW、PIGMENT BLUE 1(Paul Uhlrich & Company,Inc.から入手可能)、PIGMENT VIOLET 1、PIGMENT RED 48、LEMON CHROME YELLOW DCC 1026、E.D.TOLUIDINE REDおよびBON RED C(Dominion Color Corporation,Ltd.、トロント、オンタリオから入手可能)、NOVAPERM YELLOW FGL、HOSTAPERM PINK E(Hoechst製)、E.I.DuPont de Nemours & Companyから入手可能なCINQUASIA MAGENTAなどが挙げられる。マゼンタの例としては、例えば、2,9−ジメチル置換キナクリドンおよびColor IndexでCI 60710として特定されるアントラキノン染料、Color IndexでCI 26050として特定されるジアゾ染料であるCI Dispersed Red 15、CI Solvent Red 19など、またはこれらの混合物が挙げられる。シアンの具体例としては、銅テトラ(オクタデシルスルホンアミド)フタロシアニン、Color IndexでCI 74160として特定されるx−銅フタロシアニン顔料、CI Pigment Blue、Color IndexでCI 69810として特定されるAnthrathrene Blue、Special Blue X−2137など、またはこれらの混合物が挙げられる。選択可能なイエローの具体例としては、ジアリーリドイエロー3,3−ジクロロベンジデンアセトアセトアニリド、Color IndexでCI 12700として特定されるモノアゾ顔料、CI Solvent Yellow 16、Color IndexでForon Yellow SE/GLNとして特定されるニトロフェニルアミンスルホンアミド、CI Dispersed Yellow 33、2,5−ジメトキシ−4−スルホンアニリドフェニルアゾ−4’−クロロ−2,4−ジメトキシアセトアセトアニリド、Permanent Yellow FGLが挙げられる。着色したマグネタイト、例えば、MAPICO BLACKとシアン成分の混合物も顔料として選択されてもよい。
着色剤(例えば、カーボンブラック、シアン、マゼンタおよび/またはイエローの着色剤)を、トナーに望ましい色を付与するのに十分な量組み込む。概して、顔料または染料は、固形分基準でトナー粒子の約1〜約35重量、例えば、約5%〜約25重量%または約5〜約15重量%の範囲の量で使用される。しかし、これらの範囲からはずれた量も、いくつかの実施形態において使用されてもよい。
(凝固剤)
本開示のトナーは、凝固剤、例えば、一価の金属凝固剤、二価の金属凝固剤、多価イオン凝固剤なども含んでいてもよい。種々の凝固剤が、上述のように当該技術分野で知られている。本明細書で使用する場合、「多価イオン凝固剤」は、少なくとも3、望ましくは少なくとも4または5の価数を有する金属種から作られる塩または酸化物(例えば、金属塩または金属酸化物)である凝固剤を指す。従って、適切な凝固剤としては、例えば、アルミニウムに由来する凝固剤、例えば、ポリハロゲン化アルミニウム、例えば、ポリフッ化アルミニウムおよびポリ塩化アルミニウム(PAC)、ポリケイ酸アルミニウム、例えば、ポリアルミニウムスルホシリケート(PASS)、ポリ水酸化アルミニウム、ポリリン酸アルミニウムなどが挙げられる。他の適切な凝固剤としては、限定されないが、チタン酸テトラアルキル、ジアルキルスズオキシド、テトラアルキルスズオキシド水酸化物、ジアルキルスズオキシド水酸化物、アルミニウムアルコキシド、アルキル亜鉛、ジアルキル亜鉛、酸化亜鉛、酸化第一スズ、ジブチルスズオキシド水酸化物、テトラアルキルスズなどが挙げられる。凝固剤が多価イオン凝固剤である場合、凝固剤には、望ましい数の多価イオン原子が存在していてもよい。例えば、適切なポリアルミニウム化合物は、いくつかの実施形態において、化合物中に約2〜約13個、例えば、約3〜約8個のアルミニウムイオンが存在する。
粒子の凝集中にこのような凝固剤をトナー粒子に組み込んでもよい。このように、凝固剤は、トナー粒子中に、外部添加剤を除き、乾燥重量基準で、トナー粒子の0〜約5重量%、例えば、トナー粒子の約0重量%より大きく約3重量%までの量で存在していてもよい。
乳化凝集手順によってトナーを調製するときに、1種類以上の界面活性剤がこのプロセスで使用されてもよい。適切な界面活性剤は、アニオン系、カチオン系および非イオン系の界面活性剤を含む。いくつかの実施形態において、凝固剤の存在下、凝集が不安定化し得る凝集プロセスを安定化させるのに役立つように、アニオン系および非イオン系の界面活性剤の使用が好ましい。
アニオン系界面活性剤としては、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレン硫酸ナトリウム、ジアルキルベンゼンアルキル、サルフェートおよびスルホネート、アビエチン酸、およびNEOGENブランドのアニオン系界面活性剤が挙げられる。適切なアニオン系界面活性剤の一例は、第一工業製薬株式会社から入手可能なNEOGEN RKまたはテイカ株式会社製のTAYCA POWER BN2060(主に分枝鎖ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムからなる)である。
カチオン系界面活性剤の例としては、ジアルキルベンゼンアルキルアンモニウムクロリド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムブロミド、塩化ベンザルコニウム、セチルピリジニウムブロミド、C12,C15,C17トリメチルアンモニウムブロミド、四級化したポリオキシエチルアルキルアミンのハロゲン化物塩、ドデシルベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、MIRAPOLおよびALKAQUAT(Alkaril Chemical Companyから入手可能)、Kao Chemicalから入手可能なSANISOL(塩化ベンザルコニウム)などが挙げられる。適切なカチオン系界面活性剤の一例は、Kao Corp.から入手可能なSANISOL B−50であり、主にベンジルジメチルアルコニウムクロリドからなる。
非イオン系界面活性剤の例としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、メタロース、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ジアルキルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール、IGEPAL CA−210、IGEPAL CA−520、IGEPAL CA−720、IGEPAL CO−890、IGEPAL CO−720、IGEPAL CO−290、IGEPAL CA−210、ANTAROX 890およびANTAROX 897としてRhone−Poulenc Inc.から入手可能なものが挙げられる。適切な非イオン系界面活性剤の一例は、Rhone−Poulenc Inc.から入手可能なANTAROX 897であり、主にアルキルフェノールエトキシレートからなる。
pHを上げ、従って、凝集物粒子をイオン化し、それによって、安定性を付与し、凝集物の粒径が大きくなるのを防ぐために使用される塩基の例は、特に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化セシウムなどから選択することができる。
利用可能な酸の例としては、例えば、硝酸、硫酸、塩酸、酢酸、クエン酸、トリフルオロ酢酸、コハク酸、サリチル酸などが挙げられ、酸は、いくつかの実施形態において、水の約0.5〜約10重量%、または水の約0.7〜約5重量%の範囲で希釈された形態で利用されてもよい。
本開示のプロセスは、乳化凝集トナー粒子を作製するための乳化凝集手順であってもよい。このプロセスはポリマーバインダー(すなわち、少なくとも1つのアモルファスポリエステルラテックスを含む第1のラテックスと、任意要素の結晶性ポリエステルラテックスを含む)、任意要素の着色剤、ワックス、任意要素の界面活動剤、任意要素の凝固剤、任意要素の添加剤を含むエマルションを凝集させ、コア粒子の凝集物を作製することと、その後、シェル混合物を調製することとを含み、シェル混合物を調製することは、上述の融着剤と第2のラテックスとを混合し、シェル混合物を作製することと;凝集したコア粒子をシェル混合物でコーティングすることと、その後、凝集物を融着または融合し、次いで、回収し、得られた乳化凝集トナー粒子を場合により洗浄し、場合により冷却し、場合により乾燥し、トナー粒子を単離することとを含む。
いくつかの実施形態において、第1のラテックスと、ワックスと、任意要素の着色剤と、任意要素の凝固剤との混合によって、pHが例えば約2.0〜約4.0のコア混合物が得られ、これをポリマー樹脂のTgより低い温度まで加熱することによって凝集させ、トナーの大きさの凝集物を得る。いくつかの実施形態において、コア混合物の加熱は、約40〜約60℃、約45〜約50℃、または約40〜約55℃の温度で行われてもよい。いくつかの実施形態において、コア混合物を約15分〜120分、約15分〜30分、または約15分〜60分加熱してもよい。
次いで、第2のラテックスを融着剤と混合し、シェル混合物を作製してもよい。シェル混合物のpHを、例えば、約6.5〜8.0のpHが達成されるまで塩基(例えば、水酸化ナトリウム溶液など)を添加することによって調節してもよい。得られたシェル混合物で、凝集したコア粒子の表面をコーティングし、それにより、生成した凝集物の上にシェルを与えてもよい。その後、シェル混合物と、凝集したコア粒子を、第2のラテックスの少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂のいずれかのガラス転移温度より高い温度まで加熱し、凝集したコア粒子を融着させ、トナー粒子を作製してもよい。いくつかの実施形態において、シェル混合物と凝集したコア粒子の加熱は、約65〜約90℃、約70〜約85℃、または約75〜約85℃の温度で行ってもよい。
いくつかの実施形態において、シェル混合物と凝集したコア粒子を約15分〜480分、約30分〜360分、または約90分〜480分加熱してもよい。
融合した粒子を、例えば、Sysmex FPIA 2100分析機を用い、望ましい形状が得られるまで形状因子または真円度について測定してもよい。
得られたトナー粒子を室温(約20℃〜約25℃)まで冷却してもよく、当該技術分野でよく知られている急冷技術を用いてすばやく冷却してもよく、場合により、洗浄して任意の添加剤または界面活性剤を除去してもよい。次いで、トナー粒子を場合により乾燥させる。
本開示のトナー粒子は、外部添加剤がトナー粒子に存在しないときに、以下の物理特性を有するように製造することができる。
トナー粒子は、表面積が、BET方法によって測定する場合、約1.3〜約6.5m/gであってもよい。例えば、シアン、イエローおよびブラックのトナー粒子の場合、BET表面積は、2m/g未満、例えば、約1.4〜約1.8m/gであってもよく、マゼンタトナーの場合、約1.4〜約6.3m/gであってもよい。
トナー粒子の粒径を制御し、トナー中のトナー微粒子およびトナー粗粒子の量を制限することも望ましい。一実施形態において、トナー粒子は、非常に狭い粒度分布を有し、数比率による下側幾何標準偏差(GSD)が約1.15〜約1.30、またはおおよそ1.25未満である。本開示のトナー粒子は、体積による上側幾何標準偏差(GSD)が約1.15〜約1.30の範囲、例えば、約1.18〜約1.22、または1.25未満になるような粒径を有していてもよい。本開示のトナー粒子について、これらのGSD値は、トナー粒子が非常に狭い粒度分布を有するように作られることを示す。
形状因子は、最適な機械性能を達成することができるトナーに関連する制御処理パラメータでもある。トナー粒子は、形状因子SF1*aが約105〜約170、例えば、約110〜約160であってもよい。走査型電子顕微鏡(SEM)を使用し、SEMによるトナーの形状因子の分析を決定し、画像分析(IA)を試験する。以下の形状因子(SF1*a)の式:SF1*a=100πd/(4A)を使用することによって平均粒子形状を定量し、式中、Aは粒子の面積であり、dはその主要な軸である。完全に円形または球状の粒子は、形状因子が実際に100である。形状が、表面積が大きな不規則または細長い形状になるほど、形状因子SF1*aは大きくなる。形状因子SFを測定することに加え、粒子の真円度を測定するための別の測定法が日常的に用いられる。これは、粒子の形状を定量するための迅速な方法である。使用される装置は、Sysmex製のFPIA−2100である。完全に円形の球の場合、真円度は1.000であろう。トナー粒子は、真円度が約0.920〜0.990、例えば、約0.940〜約0.980であってもよい。
上述の内容に加え、本開示のトナー粒子は、以下のレオロジー特性および流動特性も有する。第1に、トナー粒子は、当該技術分野で知られるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によってそれぞれ決定される場合、それぞれ以下の分子量値を有していてもよい。トナー粒子のバインダーは、重量平均分子量Mwが約15,000〜約90,000ダルトンであってもよい。
全体的に、トナー粒子は、いくつかの実施形態において、重量平均分子量(Mw)が約17,000〜約60,000ダルトン、数平均分子量(Mn)が約9,000〜約18,000ダルトン、MWDが約2.1〜約10の範囲である。MWDは、トナー粒子のMnに対するMwの比率であり、ポリマーの多分散性(つまり幅)の測定値である。シアンおよびイエローのトナーの場合、トナー粒子は、いくつかの実施形態において、約22,000〜約45,000ダルトンの重量平均分子量(Mw)、約9,000〜約13,000ダルトンの数平均分子量(Mn)、約2.2〜約10のMWDを示していてもよい。ブラックおよびマゼンタの場合、トナー粒子は、いくつかの実施形態において、約22,000〜約45,000ダルトンの重量平均分子量(Mw)、約9,000〜約13,000ダルトンの数平均分子量(Mn)、約2.2〜約10のMWDを示していてもよい。
ここで、具体的な実施形態を詳細に示す。これらの実施例は、実例であることを意図しており、特許請求の範囲は、これらの実施形態に示される材料、条件または処理パラメータに限定されない。あらゆる部およびパーセントは、特に示されていない限り、重量基準である。
(実施例1)
(1%テキサノールを含むラテックスの調製)
250mlビーカー中、磁気攪拌棒を用いて250rpmで攪拌しつつ、シェルラテックス(126.50g、スチレン−アクリレートラテックスC、粒径が約220nmであり、75%のスチレンと25%のnBAを含み、Mwが55,000、開始Tgが約55℃、固形分約40%の乳化重合したラテックス)を、1% Texanol(商標)(0.51g、Sigma Aldrich)と約2時間かけてあらかじめ混合する。
(実施例2)
(ハイブリッドトナーコントロールの調製)
2L反応器中、82.64gのMwが約19,400、Mnが約5,000、開始Tgが約60℃、固形分約35%のアモルファスポリエステルエマルションA、82.64gの平均分子量(Mw)が約86,000、数平均分子量(Mn)が約5,600、開始ガラス転移温度(開始Tg)が約56℃、固形分約35%のアモルファスポリエステルエマルションB、16.07gの粒径が約220nmであり、75%のスチレンと25%のnBAを含み、Mwが55,000、開始Tgが約55℃、固形分約40%のスチレン−アクリレート乳化重合したラテックスC、29.16gのMwが約23,300、Mnが約10,500、融点(Tm)が約71℃、固形分約35.4%の結晶性ポリエステルエマルションD、45.94gのTmが約90℃、固形分約30%のエマルション形態のポリエチレンワックス、9.55gのシアン顔料(PB15:3)、57.6gの黒色顔料(Nipex(登録商標)−35)および404.50gのDI水を合わせ、スラリーを作製した。その後、2.69gのPAC(ポリ塩化アルミニウム)を33.21gの0.02M硝酸と混合し、次いで、3000〜4000RPMで均質化しつつ、上のスラリーに加え、0.3M硝酸を用い、pHを5.03〜3.75に調節した。この反応器を275RPMに設定し、45℃まで加熱し、トナー粒子を凝集させた。トナーの粒径が4.8〜5μmに達したら、126.50gのスチレン−アクリレートラテックスCを含むシェルコーティングを加えた。反応物をさらに50℃まで加熱した。トナーの粒径が5.6〜6ミクロンに達したら、14.21gの4%NaOH溶液を用い、スラリーのpHを4.88に調節して凍結を開始した。次いで、反応器のRPMを230まで下げ、その後、pHが7.66に達するまで、5.77グラムのキレート化剤(Versene100)および2.33gの4%NaOH溶液を加えた。反応器の温度を76℃まで上げた。温度が76℃に達したら、59.66gの0.3M硝酸を用い、スラリーのpHを7.26から5.07に下げた。反応器の温度をさらに86℃まで上げた。温度が融着温度に達したら、スラリーを約70分間融着させた。次いで、スラリーを急冷し、714gのDI氷で冷却した。Flow Particle Image Analysis(FPIA)装置で測定した場合、最終的な粒径は、6.61ミクロンであり、GSDvが1.12、GSDnが1.40、真円度が0.977であった。次いで、トナーを洗浄し、凍結乾燥させた。
(実施例3)
(トナーシェルに1%テキサノールを含む開示ハイブリッドトナーの調製)
2L反応器中、82.64gのアモルファスポリエステルエマルションA、82.64gのアモルファスポリエステルエマルションB、16.07gのスチレン−アクリレートラテックスC、29.16gの結晶性ポリエステルエマルションD、45.94gのTmが約90℃、固形分約30%のエマルション形態のポリエチレンワックス、9.55gのシアン顔料(PB15:3)、57.6gの黒色顔料(Nipex(登録商標)−35)および404.50gのDI水を合わせ、スラリーを作製した。その後、2.69gのPAC(ポリ塩化アルミニウム)を33.21gの0.02M硝酸と混合し、次いで、3000〜4000RPMで均質化しつつ、上のスラリーに加え、0.3M硝酸を用い、pHを5.00〜3.75に調節した。この反応器を280RPMに設定し、45℃まで加熱し、トナー粒子を凝集させた。トナーの粒径が4.8〜5μmに達したら、上述のように実施例1で調製した126.50gのスチレン−アクリレートラテックスCおよび0.51gの1%テキサノールを含むシェルコーティングを加えた。反応物をさらに50℃まで加熱した。トナーの粒径が5.6〜6ミクロンに達したら、23.11gの4%NaOH溶液を用い、スラリーのpHを5.02に調節して凍結を開始した。次いで、反応器のRPMを185まで下げ、その後、pHが7.70に達するまで、5.77グラムのキレート化剤(Versene100)を加えた。反応器の温度を74℃まで上げた。温度が74℃に達したら、36.04gの0.3M硝酸を用い、スラリーのpHを7.16から4.79に下げた。反応器の温度をさらに86℃まで上げた。温度が融着温度に達したら、スラリーを約95分間融着させた。次いで、スラリーを急冷し、732gのDI氷で冷却した。Flow Particle Image Analysis(FPIA)装置で測定した場合、最終的な粒径は、6.75ミクロンであり、GSDvが1.20、GSDnが1.23、真円度が0.976であった。次いで、トナーを洗浄し、凍結乾燥させた。
(実施例4)
(5%テキサノールを含むラテックスの調製)
250mlビーカー中、磁気攪拌棒を用いて250rpmで攪拌しつつ、シェルラテックス(126.50g、スチレン−アクリレートラテックスC)を約5%のTexanol(商標)(実施例5の場合、2.55g、実施例6の場合、2.14g、Sigma Aldrich)と約2時間かけてあらかじめ混合する。
(実施例5)
トナーシェルに5%のテキサノールを含有する開示ハイブリッドトナーの調製)
2L反応器中、82.64gのアモルファスポリエステルエマルションA、82.64gのアモルファスポリエステルエマルションB、16.07gのスチレン−アクリレートラテックスC、29.16gの結晶性ポリエステルエマルションD、45.94gのTmが約90℃、固形分約30%のエマルション形態のポリエチレンワックス、9.55gのシアン顔料(PB15:3)、57.6gの黒色顔料(Nipex(登録商標)−35)および404.50gのDI水を合わせ、スラリーを作製した。その後、2.69gのPAC(ポリ塩化アルミニウム)を33.21gの0.02M硝酸と混合し、次いで、3000〜4000RPMで均質化しつつ、上のスラリーに加え、0.3M硝酸を用い、pHを5.00〜3.00に調節する。この反応器を310RPMに設定し、45℃まで加熱し、トナー粒子を凝集させた。トナーの粒径が4.8〜5μmに達したら、上述の実施例4で調製した126.50gのスチレン−アクリレートラテックスCおよび2.55gの5%テキサノールを含むシェルコーティングを加えた。反応物をさらに50℃まで加熱した。トナーの粒径が5.6〜6ミクロンに達したら、20.79gの4%NaOH溶液を用い、スラリーのpHを4.89に調節して凍結を開始した。次いで、反応器のRPMを192まで下げ、その後、pHが7.71に達するまで、5.77グラムのキレート化剤(Versene100)を加えた。反応器の温度を74℃まで上げた。温度が74℃に達したら、33.88gの0.3M硝酸を用い、スラリーのpHを7.16から4.79に下げた。反応器の温度をさらに86℃まで上げた。温度が融着温度に達したら、スラリーを約110分間融着させた。次いで、スラリーを急冷し、794gのDI氷で冷却した。Flow Particle Image Analysis(FPIA)装置で測定した場合、最終的な粒径は、7.34ミクロンであり、GSDvが1.21、GSDnが1.21、真円度が0.973であった。次いで、トナーを洗浄し、凍結乾燥させた。
(実施例6)
(トナーシェルに5%テキサノールを含む開示ハイブリッドトナーの調製)
2L反応器中、94.12gのアモルファスポリエステルエマルションA、94.12gのアモルファスポリエステルエマルションB、18.20gのスチレン−アクリレートラテックスC、29.16gの結晶性ポリエステルエマルションD、45.94gのTmが約90℃、固形分約30%のエマルション形態のポリエチレンワックス、9.55gのシアン顔料(PB15:3)、57.6gの黒色顔料(Nipex(登録商標)−35)および450.07gのDI水を合わせ、スラリーを作製した。その後、2.69gのPAC(ポリ塩化アルミニウム)を33.21gの0.02M硝酸と混合し、次いで、3000〜4000RPMで均質化しつつ、上のスラリーに加え、0.3M硝酸を用い、pHを5.00〜3.00に調節する。この反応器を320RPMに設定し、44℃まで加熱し、トナー粒子を凝集させた。トナーの粒径が4.8〜5μmに達したら、上述の実施例4で調製した103.60gのスチレン−アクリレートラテックスCおよび2.14gの5%テキサノールを含むシェルコーティングを加えた。反応物をさらに50℃まで加熱した。トナーの粒径が5.6〜6ミクロンに達したら、15.13gの4%NaOH溶液を用い、スラリーのpHを4.72に調節して凍結を開始した。次いで、反応器のRPMを208まで下げ、その後、pHが7.29に達するまで、5.77グラムのキレート化剤(Versene100)を加えた。反応器の温度を70℃まで上げた。温度が70℃に達したら、39.47gの0.3M硝酸を用い、スラリーのpHを7.02から5.03に下げた。反応器の温度をさらに83℃まで上げた。温度が融着温度に達したら、スラリーを約42分間融着させた。次いで、スラリーを急冷し、757gのDI氷で冷却した。Flow Particle Image Analysis(FPIA)装置で測定した場合、最終的な粒径は、5.96ミクロンであり、GSDvが1.20、GSDnが1.21、真円度が0.985であった。次いで、トナーを洗浄し、凍結乾燥させた。
(実施例7)
(トナー粒子の特性および性能)
コントロールハイブリッドトナーおよび3種類の開示ハイブリッドトナーのトナー粒子の特性および性能を比較し、以下の表2にまとめている。1%のTexanol(登録商標)または5%のTexanol(登録商標)を含むラテックスをシェルに添加した開示ハイブリッドトナーは、コントロールハイブリッドトナーと比較して良好なGSDnが得られた。コントロールハイブリッドトナーは、GSDn=1.40を示し、これは許容範囲ではない。全体的な微粒子の合計も、3種類すべての開示ハイブリッドトナーについて少なかった。しかし、実施例5の開示ハイブリッドトナーの粒径は、他のものよりも大きく、これにより微粒子が見かけ上減少している。このトナーは、処理条件をいくらか変更して実施例6で再び製造され、他の実施例のトナーよりも粒径はいくらか小さく、さらに、微粒子が非常に少なく、実施例5および6の微粒子量の向上は、シェル中に5%のTexanol(登録商標)を含むトナーの小さな粒径によって生じたものではない。
(トナーの融合評価)
製造されたトナーの融合特徴は、しわ面積、最低固定温度、光沢、ホットオフセット温度(HOT)およびむら発生温度によって決定された。
すべての融合していない画像を、改変Xerox複写機を用いて作成した。CXS紙(Color Xpressions Select、90gsm、コーティングされていない、Xerox P/N 3R11540)の上に置かれるトナーの量としてTMA(単位面積あたりのトナーの質量)1.00mg/cmを使用し、光沢、しわおよびホットオフセットの測定に使用した。光沢/しわの標的は、ページの中央に配置された四角形の画像であった。
次いで、サンプルを、紙輸送部と共に外部モーターおよび温度制御部を取り付けたXerox(登録商標)700製造フューザーCRUからなる油を使用しないフュージング固定具を用いて融合した。フューザーの処理速度を220mm/s(ニップ滞留時間〜34ms)に設定し、光沢およびしわの測定について、サンプルについてフューザーロールの温度をコールドオフセットからホットオフセットまで、または210℃まで変えた。フューザーロールの設定温度を変えた後、10分間待ち、ベルトと圧力アセンブリの温度を安定化した。
(しわ面積)
トナー画像は、トナー画像が載った基材(例えば、紙)の一部にしわを付け、しわの中のトナーが紙から分離する程度を定量化することによって決定されるような機械特性(例えば、しわ)を示す。良好なしわ耐性は、値が1mm未満であると考えられてもよく、しわのついた画像の平均幅は、紙の上に画像を印刷し、その後、(a)画像が印刷された領域を内側に折り曲げ、(b)折り曲げられた画像の上を、標準的なTEFLON(登録商標)コーティングされた約860グラムの銅製ロールを通過させ、(c)紙を広げ、しわの付いた画像付き表面から浮き上がったインクを綿製の布で拭き取り、(d)しわの付いた領域のうちインクのない平均幅を、画像分析機を用いて測定することによって測定される。しわの値は、特に、画像が、しわの上で均一に破壊されるほど十分に固い場合には、面積の観点で報告することもでき、面積の観点で測定されるとき、しわの値100は、約1mmの幅に対応する。
(最低固定温度)
最低固定温度(MFT)の測定は、特定の温度で融合された紙の上の画像を折り曲げ、この折り目全体に標準的な錘を回転させることを含む。市販の折り畳み機(例えば、Duplo D−590紙折り畳み機)を用い、印刷物を折り畳んでもよい。次いで、折り畳まれた画像を広げ、顕微鏡で分析し、この折り畳み部分で示されるしわの量に基づいて数値化して評価する。最低融合温度(非常に少ないしわを示す)が得られるまで、この手順を種々の温度で繰り返す。
(光沢)
印刷物の光沢(ガードナー光沢単位または「ggu」)を75°を用いて測定した。約120℃〜約210℃の温度のフューザーロール温度で融合したトナー画像のためのBYKガードナー光沢計。
(光沢のむら発生)
光沢のむら発生温度は、印刷物がむらのある質感を示す温度であり、印刷物の上のmmスケールでの不均一な光沢を特徴とし、フューザーに小さな領域でトナーが付着し始めることに起因する。
(ホットオフセット)
ホットオフセット温度(HOT)は、フューザーロールを汚染したトナーが紙に再び移動する温度である。これを観察するために、融合した画像を含む印刷物の直後に、無地の紙片(捕捉シート)をフューザーに送る。特定の融合温度で無地の捕捉シートに画像の裏移りがみられる場合、これがホットオフセット温度である。
(融合評価試験)
コントロールハイブリッドトナーならびに実施例3および実施例5の開示ハイブリッドトナーについて、融合の結果を表2に示す。シェルにテキサノールを加えると、光沢40を達成するのに必要な温度は、157から、1%のテキサノールを用いた場合に151、5%テキサノールを用いた場合に144へとかなり低下する。同様に、MFT温度も、特にテキサノールを加える量が多いときにかなり低下する。同時に、HOT温度は、試験した最も高い温度である210℃でも良好なままである。テキサノールを含む両トナーについて、むら発生温度はわずかに低いだけであるが、むら発生は、最も高い温度である210℃での試験の上限でのみみられ、これは許容範囲である。従って、テキサノールを加えると、トナーは、かなり低い温度で、許容範囲のしわ発生および光沢で融合することができ、融合の上限温度でもほとんど変化しない。また、ピーク光沢は、シェルに加えられたテキサノールの量が増えるにつれて大きくなる。
(トナー現像剤の評価)
外部トナー添加剤を含まない元となる両トナー粒子と、一連の外部添加剤をブレンドしたトナーについて、ベンチ現像剤の性能を得た。
(トナー添加剤のブレンド)
それぞれのサンプルについて、約50gのトナーを、シリカ、チタニアおよび亜鉛のステアリン酸塩を含む添加剤パッケージと共にSKMミルに加え、次いで、約12500rpmで約30秒間ブレンドした。表面添加剤は、1.29%のRY50Lシリカ、0.86%のRX50シリカ、0.88%のSTT100Hチタニア、1.73%のX24ゾルゲルコロイド状シリカ、0.18%のステアリン酸亜鉛、0.5%のPMMA、0.28%の酸化セリウム粒子であった。
(トナーの帯電)
表面添加剤を含まない元となる両トナー粒子と、表面添加剤とブレンドしたトナーについて、トナーの電荷を集めた。元となるトナー粒子の場合、担体中の5pphのトナーを調製し、60mLガラス瓶中、1.5グラムのトナーおよび30グラムのXEROX(登録商標)700担体であり、担体に6pphのトナーをブレンドしたトナーの場合、60mLガラス瓶中、1.8グラムのトナーおよび30グラムのXerox 700担体であった。サンプルを21.1℃、10%RHの低湿ゾーン(Jゾーン)で、別個のサンプルは、約28℃/相対湿度85%の高湿ゾーン(Aゾーン)で3日間かけて平衡状態にした。元となるトナー粒子を含む現像剤をTurbulaミキサーで10分間帯電させ、添加剤をブレンドしたトナーを含む現像剤をTurbulaミキサーで60分間帯電させた。
(トナー評価の結果)
表2に示される元となるトナーの帯電は、ハイブリッドコントロールトナーおよびシェルに1%または5%のテキサノールを含む2種類の開示ハイブリッドトナーと同様であり、すべて許容範囲である。ブレンドしたトナーの場合、シェルに1%または5%のテキサノールを含む両方の開示ハイブリッドトナーの方が、AゾーンおよびJゾーンで高い電荷を有している。これは、トナー表面の良好な形状に起因するものであると考えられ、トナー電荷を制御するという点で添加剤がもっと効果的になる。ある実施形態において、両ゾーンで電荷が高いことが望ましい場合があり、他の実施形態において、低い密度の画像が生じる場合がある。しかし、高い電荷が望ましくない場合には、トナー表面添加剤の保持量を減らしてもよい。
図1は、実施例2のコントロールのハイブリッドトナー表面を13,000倍に拡大した走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す。図2は、実施例3の開示ハイブリッドトナーのトナー表面を13,000倍に拡大したSEM画像を示す。図3は、実施例5の開示ハイブリッドトナーのトナー表面を10,000倍に拡大したSEM画像を示す。図4は、実施例6の開示ハイブリッドトナーのトナー表面を12,000倍に拡大したSEM画像を示す。開示ハイブリッドトナーにテキサノールラテックスを加えると、非常に低い濃度(例えば、1%濃度、特に、5%濃度)であっても、表面の融着を向上し、平滑な表面が得られることが示される。

Claims (9)

  1. コアとシェルとを有し且つ融着剤が前記シェルのみに存在するハイブリッドトナーを調製するためのプロセスであって、
    少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂を含む第1のラテックスと、少なくとも1つのアモルファスポリエステルラテックスと、任意要素の結晶性ポリエステルラテックスと、ワックスと、任意要素の着色剤とを混合し、コア混合物を作製することと;
    場合により、前記コア混合物に凝固剤を添加することと;
    前記コア混合物を、前記少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂のいずれかのガラス転移温度より低い温度まで加熱し、前記コア混合物を凝集させ、凝集したコア粒子を作製することと;
    少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂を含む第2のラテックスと前記融着剤とを混合し、シェル混合物を作製することと;
    前記凝集したコア粒子を前記シェル混合物でコーティングすることと;
    前記シェル混合物と前記凝集したコア粒子を、前記少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂のいずれかのガラス転移温度より高い温度まで加熱し、前記凝集したコア粒子を融着させ、トナー粒子を作製することと;
    前記トナー粒子を単離することと
    を含み、
    前記融着剤は、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、安息香酸ベンジル、ジエチレングリコールジベンゾエート、3−フェニルプロピルベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、プロピレングリコールジベンゾエートおよびこれらの混合物からなる群から選択される、
    プロセス。
  2. 前記融着剤は、大気圧での沸点が250℃〜450℃である、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記融着剤は、20℃での揮発性が1−8 〜1−2mmHgである、請求項1に記載のプロセス。
  4. 前記融着剤は、水への溶解度が0.5重量%未満である、請求項1に記載のプロセス。
  5. 前記融着剤は、少なくとも1つのエステル結合を含む、請求項1に記載のプロセス。
  6. 前記融着剤が、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートを含む、請求項1に記載のプロセス。
  7. 前記融着剤が、前記シェル混合物の固形分含有量を基準として、0.1〜5.0重量%の量で加えられる、請求項1に記載のプロセス。
  8. コアとシェルとを有し且つ2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートが前記シェルのみに存在するハイブリッドトナーを調製するためのプロセスであって、
    少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂を含む第1のラテックスと、少なくとも1つのアモルファスポリエステルラテックスと、任意要素の結晶性ポリエステルラテックスと、任意要素の着色剤と、任意要素のワックスとを混合し、コア混合物を作製することと;
    場合により、前記コア混合物に凝固剤を添加することと;
    前記コア混合物を、前記少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂のいずれかのガラス転移温度より低い温度まで加熱し、前記コア混合物を凝集させ、凝集したコア粒子を作製することと;
    少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂を含む第2のラテックスと前記2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートとを混合し、シェル混合物を作製することと;
    前記凝集したコア粒子を前記シェル混合物でコーティングすることと;
    前記シェル混合物と前記凝集したコア粒子を、前記少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂のいずれかのガラス転移温度より高い温度まで加熱し、前記凝集したコア粒子を融着させ、トナー粒子を作製することと;
    前記トナー粒子を単離することと
    を含む、プロセス。
  9. 前記2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートが、前記シェル混合物の固形分含有量を基準として、0.1〜5.0重量%の量で加えられる、請求項に記載のプロセス。
JP2016124772A 2015-07-08 2016-06-23 トナーシェルに低voc(揮発性有機化合物)融着剤を利用するスチレンアクリレートハイブリッドトナープロセス Active JP6769752B2 (ja)

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