JP2017021338A - トナーシェルに低voc(揮発性有機化合物)融着剤を利用するスチレンアクリレートハイブリッドトナープロセス - Google Patents
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Abstract
Description
第1のラテックスと第2のラテックスは、同じであってもよく、または異なっていてもよい。第1のラテックスは、少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂を含有する。第2のラテックスは、少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂を含有する。第1のラテックス中の少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂と、第2のラテックス中の少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂は、同じであってもよく、または異なっていてもよい。
本開示のトナー組成物は、アモルファスポリエステル樹脂を含むコア粒子を含む。アモルファスポリエステル樹脂は、任意要素の触媒存在下、ジオールと二酸とを反応させることによって作られてもよい。アモルファスポリエステルを調製するために利用される二酸またはジエステルの例としては、ビニル二酸またはビニルジエステルが含まれ、例えば、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、フマル酸、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、cis,1,4−ジアセトキシ−2−ブテン、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、コハク酸、無水コハク酸、ドデシルコハク酸、無水ドデシルコハク酸、グルタル酸、無水グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、無水フタル酸、フタル酸ジエチル、コハク酸ジメチル、フマル酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、ドデシルコハク酸ジメチルおよびこれらの組み合わせのようなジカルボン酸またはジエステルが挙げられる。有機二酸またはジエステルは、例えば、樹脂の約40〜約60モル%、いくつかの実施形態において、約42〜約52モル%、いくつかの実施形態において、約45〜約50モル%の量で存在していてもよい。
結晶性樹脂は、多くの供給源から入手可能であり、重縮合触媒存在下、有機ジオールと有機二酸とを反応させる重縮合プロセスによって調製することができる。一般的に、化学量論的に等モル比の有機ジオールと有機二酸が利用されるが、ある場合には、有機ジオールの沸点が約180℃〜約230℃であり、過剰量のジオールを利用し、重縮合プロセス中に除去してもよい。利用される触媒の量はさまざまであり、例えば、樹脂の約0.01〜約1モル%の量になるように選択されてもよい。さらに、有機二酸の代わりに、有機ジエステルを選択することもでき、製造により副産物のアルコールが生成する。
トナー粒子は、所望な場合、他の任意要素の添加剤も含有していてもよい。例えば、トナーは、正または負の電荷制御剤を任意の望ましい量または有効な量で、一実施形態において、トナーの少なくとも約0.1重量%、別の実施形態において、トナーの少なくとも約1重量%、一実施形態において、トナーの約10重量%以下、別の実施形態において、トナーの約3重量%以下の量で含んでいてもよい。適切な電荷制御剤の例としては、限定されないが、ハロゲン化アルキルピリジニウムを含む四級アンモニウム化合物;硫酸水素塩;米国特許第4,298,672号に開示されるものを含むアルキルピリジニウム化合物;米国特許第4,338,390号に開示されるものを含む、有機サルフェートおよび有機スルホネート組成物;セチルピリジニウムテトラフルオロボレート;ジステアリルジメチルアンモニウムメチルサルフェート;アルミニウム塩、例えば、BONTRON E84(商標)またはE88(商標)(Hodogaya Chemical)など、およびこれらの混合物が挙げられる。このような電荷制御剤を、上述のシェル樹脂と同時に、またはシェル樹脂を塗布した後に塗布してもよい。
トナーのコアおよび/またはシェル粒子にワックスが含まれていてもよい。ワックスは、乳化凝集トナー組成物に従来から使用されている種々のワックスのいずれかを含んでいてもよい。ワックスの適切な例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン/アミド、ポリエチレンテトラフルオロエチレンおよびポリエチレンテトラフルオロエチレン/アミドが挙げられる。他の例としては、例えば、ポリオレフィンワックス、例えば、直鎖ポリエチレンワックスおよび分岐したポリエチレンワックスを含むポリエチレンワックス、直鎖ポリプロピレンワックスおよび分岐したポリプロピレンワックスを含むポリプロピレンワックス;パラフィンワックス;Fischer−Tropschワックス;アミンワックス;シリコーンワックス;メルカプトワックス;ポリエステルワックス;ウレタンワックス;改質ポリオレフィンワックス(例えば、末端がカルボン酸のポリエチレンワックスまたは末端がカルボン酸のポリプロピレンワックス);アミドワックス、例えば、脂肪族極性アミド官能基化ワックス;ヒドロキシル化不飽和脂肪酸のエステルからなる脂肪族ワックス;高酸ワックス、例えば、高酸モンタンワックス;微結晶性ワックス、例えば、原油の蒸留から誘導されるワックスなどが挙げられる。「高酸ワックス」とは、酸含有量が多いワックス材料を意味する。ワックスは、所望な場合、結晶性または非結晶性であってもよいが、いくつかの実施形態において、結晶性ワックスが好ましい。「結晶性ポリマーワックス」とは、ワックス材料が、ポリマーマトリックス中にポリマー鎖の規則的な配列を含むことを意味し、結晶の融点転移温度Tmによって特徴付けることができる。結晶の融点は、ポリマーサンプルの結晶性領域の融点である。これは、ポリマー鎖がポリマー中のアモルファス領域で流動し始める温度を特徴付けるガラス転移温度Tgとは対照的である。
トナーは、少なくとも1つの着色剤を含んでいてもよい。例えば、使用される着色剤または顔料としては、顔料、染料、顔料と染料の混合物、顔料混合物、染料混合物などが挙げられる。単純化のために、「着色剤」という用語は、本明細書で使用される場合、特定の顔料または他の着色剤成分として明記されている場合を除き、このような着色剤、染料、顔料および混合物を包含することを意味している。いくつかの実施形態において、着色剤は、顔料、染料、これらの混合物、カーボンブラック、マグネタイト、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン、ブルー、ブラウン、これらの混合物を、組成物の合計重量を基準として約1〜約25重量%の量で含む。他の有用な着色剤は、本開示に基づき容易に明らかであることが理解されるべきである。
本開示のトナーは、凝固剤、例えば、一価の金属凝固剤、二価の金属凝固剤、多価イオン凝固剤なども含んでいてもよい。種々の凝固剤が、上述のように当該技術分野で知られている。本明細書で使用する場合、「多価イオン凝固剤」は、少なくとも3、望ましくは少なくとも4または5の価数を有する金属種から作られる塩または酸化物(例えば、金属塩または金属酸化物)である凝固剤を指す。従って、適切な凝固剤としては、例えば、アルミニウムに由来する凝固剤、例えば、ポリハロゲン化アルミニウム、例えば、ポリフッ化アルミニウムおよびポリ塩化アルミニウム(PAC)、ポリケイ酸アルミニウム、例えば、ポリアルミニウムスルホシリケート(PASS)、ポリ水酸化アルミニウム、ポリリン酸アルミニウムなどが挙げられる。他の適切な凝固剤としては、限定されないが、チタン酸テトラアルキル、ジアルキルスズオキシド、テトラアルキルスズオキシド水酸化物、ジアルキルスズオキシド水酸化物、アルミニウムアルコキシド、アルキル亜鉛、ジアルキル亜鉛、酸化亜鉛、酸化第一スズ、ジブチルスズオキシド水酸化物、テトラアルキルスズなどが挙げられる。凝固剤が多価イオン凝固剤である場合、凝固剤には、望ましい数の多価イオン原子が存在していてもよい。例えば、適切なポリアルミニウム化合物は、いくつかの実施形態において、化合物中に約2〜約13個、例えば、約3〜約8個のアルミニウムイオンが存在する。
(1%テキサノールを含むラテックスの調製)
250mlビーカー中、磁気攪拌棒を用いて250rpmで攪拌しつつ、シェルラテックス(126.50g、スチレン−アクリレートラテックスC、粒径が約220nmであり、75%のスチレンと25%のnBAを含み、Mwが55,000、開始Tgが約55℃、固形分約40%の乳化重合したラテックス)を、1% Texanol(商標)(0.51g、Sigma Aldrich)と約2時間かけてあらかじめ混合する。
(ハイブリッドトナーコントロールの調製)
2L反応器中、82.64gのMwが約19,400、Mnが約5,000、開始Tgが約60℃、固形分約35%のアモルファスポリエステルエマルションA、82.64gの平均分子量(Mw)が約86,000、数平均分子量(Mn)が約5,600、開始ガラス転移温度(開始Tg)が約56℃、固形分約35%のアモルファスポリエステルエマルションB、16.07gの粒径が約220nmであり、75%のスチレンと25%のnBAを含み、Mwが55,000、開始Tgが約55℃、固形分約40%のスチレン−アクリレート乳化重合したラテックスC、29.16gのMwが約23,300、Mnが約10,500、融点(Tm)が約71℃、固形分約35.4%の結晶性ポリエステルエマルションD、45.94gのTmが約90℃、固形分約30%のエマルション形態のポリエチレンワックス、9.55gのシアン顔料(PB15:3)、57.6gの黒色顔料(Nipex(登録商標)−35)および404.50gのDI水を合わせ、スラリーを作製した。その後、2.69gのPAC(ポリ塩化アルミニウム)を33.21gの0.02M硝酸と混合し、次いで、3000〜4000RPMで均質化しつつ、上のスラリーに加え、0.3M硝酸を用い、pHを5.03〜3.75に調節した。この反応器を275RPMに設定し、45℃まで加熱し、トナー粒子を凝集させた。トナーの粒径が4.8〜5μmに達したら、126.50gのスチレン−アクリレートラテックスCを含むシェルコーティングを加えた。反応物をさらに50℃まで加熱した。トナーの粒径が5.6〜6ミクロンに達したら、14.21gの4%NaOH溶液を用い、スラリーのpHを4.88に調節して凍結を開始した。次いで、反応器のRPMを230まで下げ、その後、pHが7.66に達するまで、5.77グラムのキレート化剤(Versene100)および2.33gの4%NaOH溶液を加えた。反応器の温度を76℃まで上げた。温度が76℃に達したら、59.66gの0.3M硝酸を用い、スラリーのpHを7.26から5.07に下げた。反応器の温度をさらに86℃まで上げた。温度が融着温度に達したら、スラリーを約70分間融着させた。次いで、スラリーを急冷し、714gのDI氷で冷却した。Flow Particle Image Analysis(FPIA)装置で測定した場合、最終的な粒径は、6.61ミクロンであり、GSDvが1.12、GSDnが1.40、真円度が0.977であった。次いで、トナーを洗浄し、凍結乾燥させた。
(トナーシェルに1%テキサノールを含む開示ハイブリッドトナーの調製)
2L反応器中、82.64gのアモルファスポリエステルエマルションA、82.64gのアモルファスポリエステルエマルションB、16.07gのスチレン−アクリレートラテックスC、29.16gの結晶性ポリエステルエマルションD、45.94gのTmが約90℃、固形分約30%のエマルション形態のポリエチレンワックス、9.55gのシアン顔料(PB15:3)、57.6gの黒色顔料(Nipex(登録商標)−35)および404.50gのDI水を合わせ、スラリーを作製した。その後、2.69gのPAC(ポリ塩化アルミニウム)を33.21gの0.02M硝酸と混合し、次いで、3000〜4000RPMで均質化しつつ、上のスラリーに加え、0.3M硝酸を用い、pHを5.00〜3.75に調節した。この反応器を280RPMに設定し、45℃まで加熱し、トナー粒子を凝集させた。トナーの粒径が4.8〜5μmに達したら、上述のように実施例1で調製した126.50gのスチレン−アクリレートラテックスCおよび0.51gの1%テキサノールを含むシェルコーティングを加えた。反応物をさらに50℃まで加熱した。トナーの粒径が5.6〜6ミクロンに達したら、23.11gの4%NaOH溶液を用い、スラリーのpHを5.02に調節して凍結を開始した。次いで、反応器のRPMを185まで下げ、その後、pHが7.70に達するまで、5.77グラムのキレート化剤(Versene100)を加えた。反応器の温度を74℃まで上げた。温度が74℃に達したら、36.04gの0.3M硝酸を用い、スラリーのpHを7.16から4.79に下げた。反応器の温度をさらに86℃まで上げた。温度が融着温度に達したら、スラリーを約95分間融着させた。次いで、スラリーを急冷し、732gのDI氷で冷却した。Flow Particle Image Analysis(FPIA)装置で測定した場合、最終的な粒径は、6.75ミクロンであり、GSDvが1.20、GSDnが1.23、真円度が0.976であった。次いで、トナーを洗浄し、凍結乾燥させた。
(5%テキサノールを含むラテックスの調製)
250mlビーカー中、磁気攪拌棒を用いて250rpmで攪拌しつつ、シェルラテックス(126.50g、スチレン−アクリレートラテックスC)を約5%のTexanol(商標)(実施例5の場合、2.55g、実施例6の場合、2.14g、Sigma Aldrich)と約2時間かけてあらかじめ混合する。
トナーシェルに5%のテキサノールを含有する開示ハイブリッドトナーの調製)
2L反応器中、82.64gのアモルファスポリエステルエマルションA、82.64gのアモルファスポリエステルエマルションB、16.07gのスチレン−アクリレートラテックスC、29.16gの結晶性ポリエステルエマルションD、45.94gのTmが約90℃、固形分約30%のエマルション形態のポリエチレンワックス、9.55gのシアン顔料(PB15:3)、57.6gの黒色顔料(Nipex(登録商標)−35)および404.50gのDI水を合わせ、スラリーを作製した。その後、2.69gのPAC(ポリ塩化アルミニウム)を33.21gの0.02M硝酸と混合し、次いで、3000〜4000RPMで均質化しつつ、上のスラリーに加え、0.3M硝酸を用い、pHを5.00〜3.00に調節する。この反応器を310RPMに設定し、45℃まで加熱し、トナー粒子を凝集させた。トナーの粒径が4.8〜5μmに達したら、上述の実施例4で調製した126.50gのスチレン−アクリレートラテックスCおよび2.55gの5%テキサノールを含むシェルコーティングを加えた。反応物をさらに50℃まで加熱した。トナーの粒径が5.6〜6ミクロンに達したら、20.79gの4%NaOH溶液を用い、スラリーのpHを4.89に調節して凍結を開始した。次いで、反応器のRPMを192まで下げ、その後、pHが7.71に達するまで、5.77グラムのキレート化剤(Versene100)を加えた。反応器の温度を74℃まで上げた。温度が74℃に達したら、33.88gの0.3M硝酸を用い、スラリーのpHを7.16から4.79に下げた。反応器の温度をさらに86℃まで上げた。温度が融着温度に達したら、スラリーを約110分間融着させた。次いで、スラリーを急冷し、794gのDI氷で冷却した。Flow Particle Image Analysis(FPIA)装置で測定した場合、最終的な粒径は、7.34ミクロンであり、GSDvが1.21、GSDnが1.21、真円度が0.973であった。次いで、トナーを洗浄し、凍結乾燥させた。
(トナーシェルに5%テキサノールを含む開示ハイブリッドトナーの調製)
2L反応器中、94.12gのアモルファスポリエステルエマルションA、94.12gのアモルファスポリエステルエマルションB、18.20gのスチレン−アクリレートラテックスC、29.16gの結晶性ポリエステルエマルションD、45.94gのTmが約90℃、固形分約30%のエマルション形態のポリエチレンワックス、9.55gのシアン顔料(PB15:3)、57.6gの黒色顔料(Nipex(登録商標)−35)および450.07gのDI水を合わせ、スラリーを作製した。その後、2.69gのPAC(ポリ塩化アルミニウム)を33.21gの0.02M硝酸と混合し、次いで、3000〜4000RPMで均質化しつつ、上のスラリーに加え、0.3M硝酸を用い、pHを5.00〜3.00に調節する。この反応器を320RPMに設定し、44℃まで加熱し、トナー粒子を凝集させた。トナーの粒径が4.8〜5μmに達したら、上述の実施例4で調製した103.60gのスチレン−アクリレートラテックスCおよび2.14gの5%テキサノールを含むシェルコーティングを加えた。反応物をさらに50℃まで加熱した。トナーの粒径が5.6〜6ミクロンに達したら、15.13gの4%NaOH溶液を用い、スラリーのpHを4.72に調節して凍結を開始した。次いで、反応器のRPMを208まで下げ、その後、pHが7.29に達するまで、5.77グラムのキレート化剤(Versene100)を加えた。反応器の温度を70℃まで上げた。温度が70℃に達したら、39.47gの0.3M硝酸を用い、スラリーのpHを7.02から5.03に下げた。反応器の温度をさらに83℃まで上げた。温度が融着温度に達したら、スラリーを約42分間融着させた。次いで、スラリーを急冷し、757gのDI氷で冷却した。Flow Particle Image Analysis(FPIA)装置で測定した場合、最終的な粒径は、5.96ミクロンであり、GSDvが1.20、GSDnが1.21、真円度が0.985であった。次いで、トナーを洗浄し、凍結乾燥させた。
(トナー粒子の特性および性能)
コントロールハイブリッドトナーおよび3種類の開示ハイブリッドトナーのトナー粒子の特性および性能を比較し、以下の表2にまとめている。1%のTexanol(登録商標)または5%のTexanol(登録商標)を含むラテックスをシェルに添加した開示ハイブリッドトナーは、コントロールハイブリッドトナーと比較して良好なGSDnが得られた。コントロールハイブリッドトナーは、GSDn=1.40を示し、これは許容範囲ではない。全体的な微粒子の合計も、3種類すべての開示ハイブリッドトナーについて少なかった。しかし、実施例5の開示ハイブリッドトナーの粒径は、他のものよりも大きく、これにより微粒子が見かけ上減少している。このトナーは、処理条件をいくらか変更して実施例6で再び製造され、他の実施例のトナーよりも粒径はいくらか小さく、さらに、微粒子が非常に少なく、実施例5および6の微粒子量の向上は、シェル中に5%のTexanol(登録商標)を含むトナーの小さな粒径によって生じたものではない。
製造されたトナーの融合特徴は、しわ面積、最低固定温度、光沢、ホットオフセット温度(HOT)およびむら発生温度によって決定された。
トナー画像は、トナー画像が載った基材(例えば、紙)の一部にしわを付け、しわの中のトナーが紙から分離する程度を定量化することによって決定されるような機械特性(例えば、しわ)を示す。良好なしわ耐性は、値が1mm未満であると考えられてもよく、しわのついた画像の平均幅は、紙の上に画像を印刷し、その後、(a)画像が印刷された領域を内側に折り曲げ、(b)折り曲げられた画像の上を、標準的なTEFLON(登録商標)コーティングされた約860グラムの銅製ロールを通過させ、(c)紙を広げ、しわの付いた画像付き表面から浮き上がったインクを綿製の布で拭き取り、(d)しわの付いた領域のうちインクのない平均幅を、画像分析機を用いて測定することによって測定される。しわの値は、特に、画像が、しわの上で均一に破壊されるほど十分に固い場合には、面積の観点で報告することもでき、面積の観点で測定されるとき、しわの値100は、約1mmの幅に対応する。
最低固定温度(MFT)の測定は、特定の温度で融合された紙の上の画像を折り曲げ、この折り目全体に標準的な錘を回転させることを含む。市販の折り畳み機(例えば、Duplo D−590紙折り畳み機)を用い、印刷物を折り畳んでもよい。次いで、折り畳まれた画像を広げ、顕微鏡で分析し、この折り畳み部分で示されるしわの量に基づいて数値化して評価する。最低融合温度(非常に少ないしわを示す)が得られるまで、この手順を種々の温度で繰り返す。
印刷物の光沢(ガードナー光沢単位または「ggu」)を75°を用いて測定した。約120℃〜約210℃の温度のフューザーロール温度で融合したトナー画像のためのBYKガードナー光沢計。
光沢のむら発生温度は、印刷物がむらのある質感を示す温度であり、印刷物の上のmmスケールでの不均一な光沢を特徴とし、フューザーに小さな領域でトナーが付着し始めることに起因する。
ホットオフセット温度(HOT)は、フューザーロールを汚染したトナーが紙に再び移動する温度である。これを観察するために、融合した画像を含む印刷物の直後に、無地の紙片(捕捉シート)をフューザーに送る。特定の融合温度で無地の捕捉シートに画像の裏移りがみられる場合、これがホットオフセット温度である。
コントロールハイブリッドトナーならびに実施例3および実施例5の開示ハイブリッドトナーについて、融合の結果を表2に示す。シェルにテキサノールを加えると、光沢40を達成するのに必要な温度は、157から、1%のテキサノールを用いた場合に151、5%テキサノールを用いた場合に144へとかなり低下する。同様に、MFT温度も、特にテキサノールを加える量が多いときにかなり低下する。同時に、HOT温度は、試験した最も高い温度である210℃でも良好なままである。テキサノールを含む両トナーについて、むら発生温度はわずかに低いだけであるが、むら発生は、最も高い温度である210℃での試験の上限でのみみられ、これは許容範囲である。従って、テキサノールを加えると、トナーは、かなり低い温度で、許容範囲のしわ発生および光沢で融合することができ、融合の上限温度でもほとんど変化しない。また、ピーク光沢は、シェルに加えられたテキサノールの量が増えるにつれて大きくなる。
外部トナー添加剤を含まない元となる両トナー粒子と、一連の外部添加剤をブレンドしたトナーについて、ベンチ現像剤の性能を得た。
それぞれのサンプルについて、約50gのトナーを、シリカ、チタニアおよび亜鉛のステアリン酸塩を含む添加剤パッケージと共にSKMミルに加え、次いで、約12500rpmで約30秒間ブレンドした。表面添加剤は、1.29%のRY50Lシリカ、0.86%のRX50シリカ、0.88%のSTT100Hチタニア、1.73%のX24ゾルゲルコロイド状シリカ、0.18%のステアリン酸亜鉛、0.5%のPMMA、0.28%の酸化セリウム粒子であった。
表面添加剤を含まない元となる両トナー粒子と、表面添加剤とブレンドしたトナーについて、トナーの電荷を集めた。元となるトナー粒子の場合、担体中の5pphのトナーを調製し、60mLガラス瓶中、1.5グラムのトナーおよび30グラムのXEROX(登録商標)700担体であり、担体に6pphのトナーをブレンドしたトナーの場合、60mLガラス瓶中、1.8グラムのトナーおよび30グラムのXerox 700担体であった。サンプルを21.1℃、10%RHの低湿ゾーン(Jゾーン)で、別個のサンプルは、約28℃/相対湿度85%の高湿ゾーン(Aゾーン)で3日間かけて平衡状態にした。元となるトナー粒子を含む現像剤をTurbulaミキサーで10分間帯電させ、添加剤をブレンドしたトナーを含む現像剤をTurbulaミキサーで60分間帯電させた。
表2に示される元となるトナーの帯電は、ハイブリッドコントロールトナーおよびシェルに1%または5%のテキサノールを含む2種類の開示ハイブリッドトナーと同様であり、すべて許容範囲である。ブレンドしたトナーの場合、シェルに1%または5%のテキサノールを含む両方の開示ハイブリッドトナーの方が、AゾーンおよびJゾーンで高い電荷を有している。これは、トナー表面の良好な形状に起因するものであると考えられ、トナー電荷を制御するという点で添加剤がもっと効果的になる。ある実施形態において、両ゾーンで電荷が高いことが望ましい場合があり、他の実施形態において、低い密度の画像が生じる場合がある。しかし、高い電荷が望ましくない場合には、トナー表面添加剤の保持量を減らしてもよい。
Claims (10)
- コアとシェルとを有するハイブリッドトナーを調製するためのプロセスであって、
少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂を含む第1のラテックスと、少なくとも1つのアモルファスポリエステルラテックスと、任意要素の結晶性ポリエステルラテックスと、ワックスと、任意要素の着色剤とを混合し、コア混合物を作製することと;
場合により、前記コア混合物に凝固剤を添加することと;
前記コア混合物を、前記少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂のいずれかのガラス転移温度より低い温度まで加熱し、前記コア混合物を凝集させ、凝集したコア粒子を作製することと;
少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂を含む第2のラテックスと融着剤とを混合し、シェル混合物を作製することと;
前記凝集したコア粒子を前記シェル混合物でコーティングすることと;
前記シェル混合物と前記凝集したコア粒子を、前記少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂のいずれかのガラス転移温度より高い温度まで加熱し、前記凝集したコア粒子を融着させ、トナー粒子を作製することと;
前記トナー粒子を単離することとを含む、プロセス。 - 前記融着剤は、大気圧での沸点が約250℃〜約450℃である、請求項1に記載のプロセス。
- 前記融着剤は、20℃での揮発性が約10−8〜約10−2mmHgである、請求項1に記載のプロセス。
- 前記融着剤は、水への溶解度が約0.5重量%未満である、請求項1に記載のプロセス。
- 前記融着剤は、少なくとも1つのエステル結合を含む、請求項1に記載のプロセス。
- 前記融着剤は、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、安息香酸ベンジル、ジエチレングリコールジベンゾエート、3−フェニルプロピルベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、プロピレングリコールジベンゾエートおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のプロセス。
- 前記融着剤が、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートを含む、請求項1に記載のプロセス。
- 前記融着剤が、前記シェル混合物の固形分含有量を基準として、約0.1〜約5.0重量%の量で加えられる、請求項1に記載のプロセス。
- コアとシェルとを有するハイブリッドトナーを調製するためのプロセスであって、
少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂を含む第1のラテックスと、少なくとも1つのアモルファスポリエステルラテックスと、任意要素の結晶性ポリエステルラテックスと、任意要素の着色剤と、任意要素のワックスとを混合し、コア混合物を作製することと;
場合により、前記コア混合物に凝固剤を添加することと;
前記コア混合物を、前記少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂のいずれかのガラス転移温度より低い温度まで加熱し、前記コア混合物を凝集させ、凝集したコア粒子を作製することと;
少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂を含む第2のラテックスと2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートとを混合し、シェル混合物を作製することと;
前記凝集したコア粒子を前記シェル混合物でコーティングすることと;
前記シェル混合物と前記凝集したコア粒子を、前記少なくとも1つのスチレンアクリレートポリマー樹脂のいずれかのガラス転移温度より高い温度まで加熱し、前記凝集したコア粒子を融着させ、トナー粒子を作製することと;
前記トナー粒子を単離することとを含む、プロセス。 - 前記融着剤が、前記シェル混合物の固形分含有量を基準として、約0.1〜約5.0重量%の量で加えられる、請求項9に記載のプロセス。
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