以下、図面を参照しながら実施形態を説明する。本実施形態では、『(不特定)多数者に対して個別に通行(通過)の制御可能』な場所自体あるいはその場所への設置設備を“ゲート”と呼ぶ。従って例えば大勢の人が集まるイベント会場周辺の公共場所にロープを張って通行制限を行っている場合、そのロープが張られた“場所”も本実施形態では広義なゲートに含める。一方で狭義なゲートには、その場所に設置された設備もしくは機械(その操作者や対応者を含む)が対応する。
また上記の『通行(通過)を制御』する手段として開閉可能な物理的な扉類は必ずしも必要無く、通過者への口答伝達や表示などの通行制限情報の伝達手段が存在すれば良い。従って例えば特定施設の検問所や検査場所などの『常に開け放たれたスペース』も、本実施形態ではゲートに含まれる。またそれに限らず本実施形態において開け放たれたスペースの例として、ホテルフロントでのチェックイン/アウトカウンタ設置場所やビルやデパートの案内カウンタ設置場所などもゲートの範疇に含める。
ゲートは所定エリアとそれ以外のエリア間の境界線上またはその近傍に位置しても良い。この場合の所定エリアとは、学校や会社、役所などの教育活動/経済活動/公共活動を営むエリアに限らず、電車や船舶、飛行機などの交通手段提供エリア、美術館や動物園、遊園地、コンサード会場などの公共サービス提供エリア、ホテルや旅館等の宿泊/休憩サービス提供エリアなどいずれでも良い。またこのような何らかの活動やサービス提供に関係した機能上のエリアに限らず、例えば特定国や特定地域など地理的エリアあるいは位置範囲上のエリア(かならずしもエリア内外の境界線が壁などで仕切られて無くても良い)を所定エリアと扱っても良い。更に2次元平面上の地理的には同一場所で有っても、フロアの違いや地面/地下/上空など特定の高さも限定した特定位置範囲を所定エリアと扱える。この具体的例として、ビル内特定フロア上の特定範囲あるいは地下資源/産油の埋蔵エリアなどが該当する。
ゲートの通過者が不審人物か否かの判定のみ行う従来技術では安全対策に限界が有る事を前述した。既公開の不審者リストに含まれないゲート通過予定者に対して個々に安全確認する手段として本実施形態では、ゲート通過の完了前に予め『特定対象者』を設定する。すなわち全てのゲート通過者に対して通過ランクを設定する。この通過ランクはゲート通過の完了前に事前設定されている。そしてゲート通過者の通過ランクに応じてゲート通過時に異なる個別処理を行う。
公開指名手配されている犯罪容疑者として既公開の不審人物リストに含まれているゲート通過者に対する個別処理としては、ゲートの通過を禁止すると共に警察への通報をおこなう。一方過去の犯罪履歴者として既公開の不審人物リストに含まれているゲート通過者に対する個別処理としては、ゲート通過完了前に所持品の検査や本人情報を詳細に聴取しても良い。
特定対象者への設定条件として、ゲート通過者からの申告氏名(偽名の可能性有り)が上記の既公開の不審人物リストに該当しない条件が含まれる。前記条件を満足するゲート通過者の中で『事前入手可能情報から不審人物と推定できず、かつ安易なゲート通過を許される人(安全人物)以外』を特定対象者と本実施形態では呼ぶ。あるいは『ゲート通過時に、高い安全性が推定されたゲート通過者(安全人物)とは異なる処理が必要となるゲート通過者』を特定対象者と呼んでも良い。
図1は本実施形態の一例を示す。所定エリア6とそれ以外のエリア間の境界線上またはその近傍に所定ゲート2、4が設置されている。そしてこの所定ゲート2、4は、入力部12、14と表示部16、18、制御部22、24、通信部26、28から構成されている。
この表示部16、18は所定ゲート2、4を通過するゲート通過者82、84毎の通過ランクを表示し、監査員または係員42、44に通知する。
ここで制御部22、24は所定ゲート2、4内部の動作制御として、データ入力制御や表示制御、進行経路制御板32、34の制御などを行う。またこの制御部22、24内部でデータ処理の一部を行っても良い。
ゲート通過者82、84が所定ゲート2、4の通過時に必要な情報が、入力部12、14に入力される。ここでこの情報の入力処理はゲート通過者82、84が直接行っても良いし、監査員または係員42、44が入力代行しても良い。そしてこの入力情報に基付いて、ゲート通過者82、84に対する個別処理が実行される。
すなわちゲート通過者84が“安全人物”と推定された場合には、進行経路制御板34が開く。それによりゲート通過者84は、所定ゲート4を通過できる(ゲート通過者84の進行経路38は直進となる)。またこの時には表示部18は警告表示しない。
他方でゲート通過者82が“不審人物”あるいは“特定対象者”と推定された場合には、表示部16からその旨の警告表示がなされる。そして進行経路制御板32が閉じ、ゲート通過者82の進行経路36は詳細調査室10を通過する経路に切り替わる。この詳細調査室10内では専門の監査官や係員による聞き取り調査や荷物検査が行われる。
この所定ゲート2、4は、通信部26、28を介して所定エリア6内に設置された管理サーバ8との間で(有線または無線の)ネットワーク接続されている。またこの管理サーバ8は(有線または無線で)インターネット回線74に接続されており、データベースサーバ52との間でデータ通信が可能となっている。
上記データベースサーバ52はインターネット回線74を経由して、既公開されている不審人物リスト70にアクセス可能となっている。さらにこのデータベースサーバ52はインターネット回線74を経由して、SNS(Social Networking Service)コンテンツ(プロフィール情報も含む)72から種々な情報入手が可能となっている。
ここでSNSの多くは、外部プログラムを用いてデータを容易に習得できるAPI(Application Programming Interface)を用意している。従ってデータベースサーバ52がこのAPIを利用してSNSコンテンツ(プロフィール情報も含む)72から必要なデータを適宜入手可能となっている。さらにこのデータベースサーバ52は、一度接続したらコネクションを切断しない限りデータを送り続けるストリーミングAPIを使用してリアルタイムでデータ取得しても良い。
また上記データベースサーバ52は予めデータ処理ソフト60がインストールされており、データベースサーバ52内部のビッグデータ処理の一例として、データ統合機能62⇒データ分析機能64⇒閾値判定機能66が順次働く。更に上記データベースサーバ52はデータベース54を所有し、その中にゲート通過予定者リスト56やゲートの通過予定者/既通過者に関係した情報58を記録しても良い。ここでゲート通過者82、84が所定ゲート2、4を通過する前の状態を、『ゲート通過予定者』と呼ぶ。
所で図1に示した実施形態例ではデータ処理ソフト60とデータベース54がデータサーバ52内に設置されている。しかしそれに限らず本実施形態では、所定エリア6の敷地内に設置された管理サーバ8内に上記データ処理ソフト60とデータベース54が存在しても良い。更には所定ゲート2、4内の制御部22、24内に上記データ処理ソフト60とデータベース54の一部が設置されても良い。
図1に示す実施形態例では、ゲート通過者82、84が予め入場予約端末92、94を用いてゲート通過に関係した予約を行う。そしてこのゲート通過に関係した予約情報は、インターネット回線74を経由してゲート通過予定者リスト56と通過予定者/既通過者に関係した情報58内に登録/追記される。
所で上記の入場予約端末92、94として専用端末に限定する必要は無く、家庭やオフィスに有るパーソナルコンピュータや携帯端末(スマートホーンやタブレット、携帯電話)でも良い。また事前予約に使用する入場予約端末92、94の代わりに、所定ゲート2、4の通過直前に入手するチケットの発券機(あるいは所定エリア6内で携行が必要な入構票やバッチ、バンドなどの発行機)などを使用しても良い。
ここで本実施形態では、上記の入場予約端末92、94などを介して事前に入手する予約券やチケット、所定エリア6内の指定携行品には、ゲート通過者82、84の所定ゲート2、4通過時に必要な情報が予め記載されている。そしてその情報を用いて、ゲート通過者82、84毎の識別あるいは認証を行う。
さらに図1に示す実施形態例では、所定ゲート2、4と入場予約端末92、94間の物理的配置場所が大きく離れているように記載している。しかし本実施形態ではそれに限らず、所定ゲート2、4と入場予約端末92、94間の物理的距離が近接しても良い。すなわち発券機(や発行機)でチケットまたは所定エリア6内の指定携行品を入手直後に所定ゲート2、4を通過する場合には、両者の配置場所が近接した方がゲート通過者82、84の負担が軽減される。
以下に所定ゲート2、4通過時に必要な情報が予め記載されている予約券やチケット、指定携行品の具体例に付いて説明する。所定エリア6が
・公共サービス提供エリアの場合は入場予約券や入場券、入場バンド、入場バッチが該当し、
・教育活動/経済活動/公共活動エリアでは入構予約票や入構票、入構バッチ、
・宿泊/休憩サービス提供エリアでは宿泊予約票や入室カードや入室鍵、
・交通手段提供エリアでは搭乗予約券、乗車予約券、乗船予約券、搭乗券、乗車券、乗船券、
・特にセキュリティ管理が厳しいエリアではゲート通過者82、84本人の身体情報(指紋、顔面(顔認識)、声紋、指の血管配置パターン、眼底血管パターン)、
・地理的エリアではパスポート(旅券)や社員証、自動車運転免許証、保険証
が、それぞれ対応する。
上記のように予約券やチケット、指定携行品の形態が多種多様に亘るため、その中に予め記録された所定ゲート2、4通過時に必要な情報を入力するための入力部12、14の形態はそれに合わせた多様な形態を取っても良い。
例えば入力部12、14の形態例としてバーコード読み取り器でも良いし、あるいは近接場無線通信部、音声入力部(マイク)、撮像部(カメラ)などでも良い。またそれに限らず入力部12、14が予約券やチケット、指定携行品の挿入口(あるいは挿入直後の情報読取り部)でも良い。あるいは上記のような自動入力とは異なり、ゲート通過者82、84あるいは監査員または係員42、44が直接手入力する手段としてキーボードやタッチパネル、マイク(音声入力対応)、撮像部(ジェスチャー入力対応)でも良い。
所で図1に示した表示部16、18の一形態例ではランプやLED(light-emitting diode)、パネルなどの発光/発色素子を用い、ゲート通過者82、84の通過ランクに応じて発光や発色の状態を変化させて監査員または係員42、44に通知する。例えばゲート通過者82、84が安全人物と推定された場合には発光/発色せず、不審人物かまたは特定対象者かに応じて色を変える、あるいは発光強度や発光の点灯パターンを変化させても良い。このように本実施形態では、ゲート通過者82が特定対象者に該当する場合には、表示部16が特定対象者に対応した明示処理を行う。
しかしそれに限らず本実施形態における表示部16、18の形態として、画面上の文字表示やアイコン表示あるいはマイクによる音声出力に拠る監査員または係員42、44への通知でも良い。また図1の実施例では、表示部16、18が監査員または係員42、44から離れた位置に配置されている。しかしそれに限らず、監査員または係員42、44の近くに表示部16、18を配置しても良い。その具体的形態例として、監査員または係員42、44の手元にキーボート(入力部12、14)とディスプレー(表示部16、18)を備えたパーソナルコンピュータを配置しても良い。このように配置することで、監査員または係員42、44が間近で通過ランクを確認できる効果が有る。
また図1では進行経路制御板32、34を用いてゲート通過者82、84の進行経路36、38を変更している。すなわちゲート通過者82、84が特定対象者に該当するか否かで、ゲート通過者82、84の進行経路36、38が切り替わる。しかしそれに限らず本実施形態ではゲート通過者82、84の進行経路36、38の変更手段として、進行経路制御板32、34以外の任意な方法を使用しても良い。更にゲート通過者82、84の進行経路36、38を変更せず、他の方法による個別処理を行っても良い。例えば不審人物や特定対象者と推定した場合には、監査員または係員42、44の聴取時間を変更してゲート通過者82、84から詳細な聞き取り実施や所持品の検査まで行っても良い。
図1に示した実施形態では所定ゲート2、4毎に監査員または係員42、44を配置している。しかしそれに限らず、複数の所定ゲート2、4に一人の監査員または係員42を配置しても良い。またそれ以外として、常駐の監査員または係員42、44を配置せず、進行経路制御板32、34を閉鎖させて表示部16、18が警告した時のみ監査員または係員42を出動させても良い。これにより監査員または係員42、44の人件費が減少し、運営経費削減の効果が現れる。
図1のデータベース54内に格納されたゲート通過予定者リスト56の内容例を図2に示す。このゲート通過予定者リスト56の内容には、通過者氏名とランクNMRKと通過者属性PSAT、ゲート通過関連情報PSRD、本人認証情報(番号)IDNMを格納しても良い。
図2の記載例ではHanako Satoと言う氏名のゲート通過者82が一人の友人との旅行を予約し、氏名がTaro Suzukiの38歳のゲート通過者84が36歳の奥さんと3人の子供と一緒の家族旅行を予約した例を示している。ここで旅行予約時に旅行同行者個々の氏名が記載されない場合には、図2のように予約者氏名の後ろに番号を付与してゲート通過者毎に区別する。
通過属性PSATに含まれる性別SEXや子供か大人かの区別情報ADCD、年齢AGEと本人認証情報(番号)IDNMとしてのチケット(発券/予約)番号TCNMや自動車運転免許証番号LCNM、パスポート(旅券)番号PCNM、クレジットカード番号CRNMは、予約時に入場予約端末92、94から入力して貰う。
また予約時の旅行スケジュールの入力に拠り、所定ゲートENGTや後述する後設ゲートEXGTを通過する予定の日時範囲SCRGN、SCRGXが想定できる。そしてその想定された日時範囲SCRGN、SCRGXも、ゲート通過予定者リスト56内に事前登録される。そして所定ゲートENGTや後設ゲートEXGTの通過完了時に、通過履歴RDN、RDX欄内に“P”の記号が記載される。この通過履歴RDN、RDX欄内に記載された情報に拠り、ゲート通過者82、84の現在位置がおよそ把握できる効果が有る。また通過履歴RDN、RDX欄のデータを活用すると、後述する後設ゲートの通過を完了する前に所定ゲート通過済で有る事が事前に判明する。従ってこの情報から所定エリア6を出入りするゲート通過者82、84の不正行動を防止できる効果が有る。すなわち図2に示した状態では、Taro Suzuki 家族は既に所定エリア6内に入っており、Hanako Sato の二人連れグループは未だ所定エリア6の外に居る事を示している。この状態で万が一 Hanako Sato の二人連れグループが後設ゲートを通過した場合には、通常外のルートで所定エリア6内に入り込んだ事が判明する。
ゲート通過者82、84毎に設定する通過ランクRANKは上述したように、不審人物と特定対象者、安全人物にランク分けられ、それぞれのランクにAとB、Cの記号が割り当てられる。本実施例ではそれに限らず、より細かくランク分けしても良い。
ゲート通過に関係した事前予約時に、ゲート通過者82、84が偽名を使う可能性が有る。従って事前予約時にゲート通過者82、84が入力した本人名が本物か(本人名で入力しているか)の推定値を本人確率PROBの欄に記入する。ここでこの値が高い場合には本人の確率が高く、この値が低い場合には偽名を使っている可能性が高い。
図1に示した実施形態例を用いて、ゲート通過者82、84の所定ゲートを通過し終わるまでの処理過程を図3に示す。最初のStep1として、入場予約端末92、94を用いてゲート通過者82、84がゲート通過予定者の事前予約(通行券/入場券の購入含む)を行うと、予約券/通行券/携行品を入手する(Step2)。
ゲート通過予定者の事前予約(Step1)をWebサイドから行った場合には、Step2の具体的内容として予約画面に表示される予約券をプリントアウトする事になる。一方旅行代理店経由で旅行予約を行った場合(この場合には旅行代理店業者が入場予約端末92、94からの予約入力になる)には、入場バンドなどの指定携行品や予約券を後日受け取る。またStep1として直接窓口での入場券/乗車券/搭乗券の購入をした場合には、Step2として入場券や通行券、乗車券、搭乗券、所定エリア6内携行用の携行品を直接受け取る。
いずれにしても上記Step2は前述した所定ゲート2、4通過時に必要な情報が予め記載されている予約券やチケット、指定携行品の受け取りに対応する。ここで上記所定ゲート2、4通過時に必要な情報の記載方法として、文字やバーコードの形で予約券やチケット、指定携行品(入場バンドなど)の表面に直接表示されても良いし、例えば所定エリア6内携行品内部や本人認証用の自動車運転免許証やパスポート(旅券)内部に必要な情報が予め記録されたメモリチップが内蔵されても良い。そしてこの中には、図2の通過者氏名NMRKあるいはチケット(発券/予約)番号TCNMなどの本人認証情報(番号)IDNMが記載されている。
一方で上記ゲート通過予定者の事前予約時に入力された予約情報はインターネット回線74を経由してデータベースサーバ52に転送され、ゲート通過所定者リスト56と通過予定者/既通過者に関係した情報58への事前追加登録が行われる(Step3)。
次のStep4の処理として、データベースサーバ52内に保管されているゲート通過予定者リスト56内の必要抜粋箇所のみを所定エリア6内に設置された管理サーバ8内にコピーする。ここでは所定ゲートENGTを通過する通過予定日時範囲SCRGNでソートし直し、当面必要となるデータのみ抜粋して管理サーバ8内にコピーする。この処理により管理サーバ8の処理負担を軽減する事で、ゲート通過者82、84のスムーズな所定ゲート2、4の通過が達成できる効果が有る。
図3に示すように、ここまでの一連の処理がゲート通過前の事前準備期間86内に実施される。そしてそれ以降の処理はゲート通過者82、84のゲート通過時の処理期間88内に実施される。図4A、図4Bを用いて後述するように、Step3の処理完了までには比較的長い時間を要する。従ってStep3の処理をゲート通過前の事前準備期間86内に実施する事で、ゲート通過者82、84のスムーズな所定ゲート2、4の通過が保証できる効果が有る。
図2が示すように本実施形態では所定ゲート12、14通過時に必要な情報として、通過者氏名PSNM(その同行者や家族も含む)またはチケット(発券/予約)番号などの本人認証情報(番号)IDNMを用いてゲート通過者82、84個々の識別を行っている。そのため所定ゲート2、4の通過前に、その情報を入力部12、14に入力する(Step6)。
従ってそれに先行するStep5の段階で、ゲート通過者82、84から上記情報が記録されている予約券やチケット、指定携行品を提示して貰う。また本実施形態では予約券やチケット、指定携行品の提示の代わりに、図2のゲート通過予定者リスト56内情報が記載された証明物(例えば自動車免許証やパスポート(旅券)など)を提示しても良い。このようにゲート通過者82、84個々の識別情報を複数準備すると、例えばチケット紛失者でも所定ゲート12、14通過を許可できるなどゲート通過者82、84のサービスを向上できる効果が有る。
ゲート通過者82、84毎の識別が完了するとStep7では、管理サーバ8内に保管されているゲート通過予定者リスト56の一部内を検索し、該当者の通過ランクRANKを調べ、その結果に応じてStep8では上述した個別処理を実施する。
図3のStep3内の詳細処理内容を、図4A、図4Bに示す。この図4A、図4Bが示すように、ゲート通過予定者本人及びその家族や親友の交友関係の情報やゲート通過予定者の仕事/趣味/嗜好/声紋/文章表現の特徴/筆跡/行動パターンなどの情報から本人確率PROBの値算出と通過ランクRANK推定を行い、その結果をゲート通過予定者リスト56内に記録する。
データベースサーバ52がゲート通過予定者リスト54内該当欄(行)の新規登録/追加(Step11)を行った後、インターネット回線74を経由して既公開の不審人物リスト70を参照する(Step12)。そして対応するゲート通過予定者が不審人物に該当した場合には(Step13)、ゲート通過予定者リスト56の中の通過ランクRANK欄内の該当個所に“A”の記号を記入し(Step14)データベース内処理を完了させる(Step15)。このように最初に不審人物と判定された場合にStep16以降の処理を割愛する事で、データベースサーバ52の処理の簡素化を図り、対応処理時間の短縮化が図れる効果が有る。
対象者が不審人物に該当しない場合にはStep16では、SNSコンテンツ(プロフィール情報も含む)72内を検索してゲート通過予定者の家族構成と親友を調査する。そして家族構成と親友条件が一致した場合には、図2の通過者氏名PSNM内末尾に“2”以上の番号が付与されている人に対して通過者氏名PSNMの変更を行っても良い。
SNSコンテンツ(プロフィール情報も含む)72内の一部では、ソーシャルグラフと言う『誰と誰が繋がっているか』や『どのような関係なのか』と言った情報がデータベース化されている。従ってデータベースサーバ52は、上記ソーシャルグラフのデータ収集に対応した専用APIを利用して特定人物の家族構成や親友の氏名あるいは他の人との交友関係も知る事が出来る。
更にゲート通過予定者本人82、84だけで無く、そこで分かった家族と親友も含め、SNSコンテンツ(プロフィール情報も含む)72内を検索して交友関係を調査する(Step17)。その結果として交友関係に不審人物が含まれた場合には(Step18)、ゲート通過予定者リスト56の中の通過ランクRANK欄内の該当個所に“B”の記号を記入し(Step19)、上記過程で得られた情報をデータベース54内の通過予定者/既通過者に関係した情報58内に追記して(Step20)データベース内処理を完了させる(Step21)。
上記不審人物との関係が無い場合にはStep22では、同じくSNSコンテンツ(プロフィール情報も含む)72内を検索してゲート通過予定者の仕事/趣味/嗜好/声紋/文章表現特徴/筆跡/独特な行動パターンなどを調査する。予め上記不審人物の独特な行動パターン情報を入手しておき、Step23ではゲート通過予定者の独特な行動パターンとの間の一致度を計算する。その結果として一致度が所定値を超えた場合には、通過ランクRANK欄内の該当個所に“B”を記入する。
図1のデータベースサーバ52に予めインストールされたデータ処理ソフト60の動作範囲68が、Step25からStep29までの一連の処理に対応する。すなわちデータ処理ソフト60内のデータ統合機能62としてStep22で収集したデータの統合処理を行い(Step25)、その結果を通過予定者/既通過者に関係した情報58内に追記する(Step24)。
次にデータ処理ソフト60内のデータ分析機能64を実行させたStep26では、統合処理結果に対する情報分析処理を行う。その結果としてゲート通過予定者の本人確率PROBの値を算出してゲート通過予定者リスト内の本人確率PROBの欄内に記録する(Step27)。そしてStep29において上記算出値が所定値より低い場合には、通過ランクRANK欄内の該当個所に“B”を記録し(Step31)、データベース内処理を完了させる(Step32)。
一方本人確率PROBの値が高い場合(Step29)には、Step28で本人確率PROBの値考慮に入れてゲート通過予定者の安全度指数を算出する。その結果が所定値より高い場合(Step30)には“安全人物”と見なして通過ランクRANK欄内の該当個所に“C”と記録し(Step33)、データベース内処理を完了させる(Step32)。ここでデータ処理ソフト60内のデータ分析機能64(図1)として、ゲート通過予定者の安全度指数算出を行う。一方閾値判定機能66が、その算出された安全度指数からの通過ランクRANK割り出しを行う。この判定を行う閾値として50%に設定した場合には、半分の確率で安全人物の推定が行える。しかし50%の確率での推定では信頼度が低いと考えられる。従って上記安全人物の推定をするための閾値として、安全度指数が最低でも70%以上、もしくは80%以上に設定する事が望ましい。
同一のゲート通過者84が複数のゲートを通過する場合における、本実施形態での個別処理例を図5に示す。図5の実施形態では、所定エリア6の入場口96と退場口98にそれぞれ所定ゲート2、4と後設ゲート102、104を設置している。従って入場口96から所定エリア6内に入り退場口98から出る場合には、ゲート通過者82または84が所定ゲート2、4と後設ゲート102、104を合計2回通過する事になる。
さらに例えばこの所定エリア6には別エリア164が隣接し、その別エリアの入場口に新たなゲート162が設置されても良い。この場合には、ゲート通過者84が 所定ゲート2または4 ⇒ 後設ゲート102または104 ⇒ 新たなゲート162 の順で合計3回順次通過する。
図5では説明の便宜上所定エリアに別エリア164が隣接している状態を示しているが前記状況に限らず、所定エリア6の出入りを繰り返しても良い。すなわち例えば所定エリア6から一度退場した後で再度所定エリア6内に入場した場合は、ゲート通過者82または84は 所定ゲート2または4 ⇒ 後設ゲート102または104 ⇒ 所定ゲート2または4 の順で合計3回順次通過する事になる。
図1の実施例と比べて図5では、より高い所定エリア内での安全性確保を可能としている。すなわち所定ゲート2、4(の通過開始)後にゲート通過者の所持品検査場所46を設置してゲート通過者82、84の所持品を検査する。
図5に示した後設ゲート102、104に内蔵されている入力部112、114及び表示部116、118、制御部122、124、通信部126、128、進行経路制御板132、134の役割と機能は、前述した所定ゲート2、4内の入力部12、14及び表示部16、18、制御部22、24、通信部26、28、進行経路制御板32、34とそれぞれ一致する。同様に監査員または係員142、144と詳細調査室110の役割も前述した監査員または係員42、44と詳細調査室10と同じになっている。
図1を用いた説明と同様に、入力部112、114で後設ゲート104の通過時に必要な情報としての通過者氏名PSNMあるいは本人認証情報IDNMが入力され、その結果を基にゲート通過予定者リスト56を用いて個別処理を実施する。
所定ゲート2、4に対して新規に敷設されている購入履歴申請及び料金精算場所152と持出申請及び所持品検査場所154の役割に付いて以下に説明する。図示して無いが所定エリア6内の設置設備や商品をゲート通過者82、84が故意的または不用意に所定エリア6外に持ち出してトラブルが発生する状況を防止するため本実施形態では、後設ゲート102、104近傍もしくはその内部に持出申請及び所持品検査場所154を設置している。すなわちここでゲート通過者82、84の所持品を検査する。また仮に修理などの必要性から所定エリア6内の設置設備を所定エリア6外に持ち出す場合(あるいは所定エリア6内で非常に高価な商品を購入した場合)には、その品物の持出申請を事前に行った後に所持品検査に入る。
ゲート通過者の進行経路36、38の方向から見ると本実施形態では、後設ゲート102、104を通過する以前に持ち出し申請及び所持品検査場所154が配置されている。一般に後設ゲート102、104は退場口98近傍に設置されている場合が多く、多くのゲート通過者82、84は後設ゲート102、104通過完了時点で所定エリア6の外に出たと解釈する。従って上記に配置する事で、所定エリア6内の設置設備や商品の持ち出しを所定エリア6内で発見/管理できる効果が有る。
例えば海外旅行者が免税店で購入した商品の消費税分に対して後で還付を受けられる制度が有る。またそれに類似した方法として所定エリア6内での商品購入額の合計が特定額以上の場合、アンケートに答えると購入金額の一部が戻るサービス例を考えても良い。上記の制度やサービスが有る場合には、購入履歴申請及び料金精算場所152で手続きを行って費用一部の還付が受けられる。すなわち所定エリア内でゲート通過者82、84が入手したレシートをまとめて、アンケート結果(または購入理由)を申請用紙に記入する。そしてその申請用紙提出と交換に還付金を受け取るサービスを行っても良い。この場合の所定エリア6内で入手したレシートを纏めたり、申請用紙に必要事項を記入して還付金を受け取る場所として前記購入履歴申請及び料金精算場所152を使用しても良い。
またこの購入履歴申請及び料金精算場所152は、後設ゲート102、104の設置場所よりも手前位置に配置される。一般に後設ゲート102、104は退場口98近傍に設置されている場合が多く、多くのゲート通過者82、84は後設ゲート102、104通過完了時点で所定エリア6の外に出たと解釈する。従ってゲート通過者82、84の進行経路36、38に沿い、この購入履歴申請及び料金精算場所152を後設ゲート102、104より前の位置に配置する事で、申請用紙の作成と料金還付を所定エリア6内で管理してサービス精度を高める効果が有る。
発明を実施するための形態に関して説明を開始した冒頭で説明したように、本実施形態では所定エリア6や別エリア164は多種多様に対応できる。従ってそれに合わせて、所定ゲート2、4や後設ゲート102、104が近傍に設置されている入場口96や退場口98を別名称で呼んでも良い。例えば所定エリア6や別エリア164をオフィスや国に対応させた場合には、入室口や退出口あるいは国境の出入り口と呼べる。特に国や特定地域が海に囲まれた場合には、空港や港(海岸線の一部も含む)と呼んでも良い。また所定エリア6や別エリア164を交通手段提供エリアに対応させた場合には、入場口96/退場口98は乗車口/下車口や搭乗口と呼べる。
図5では図示して無いが、新たなゲート162内も入力部12や表示部16、制御部22、通信部26、進行経路制御板32が内蔵されても良い。またこの新たなゲート162の通り道や近傍に監査員または係員42を配置しても良い。
また別エリア164内に管理用サーバ(図示して無い)が設置されている場合には、それと有線または無線のインターネット回線74を経由して所定エリア内の管理サーバ8やデータベースサーバ52(図1)との間のデータ交換を行っても良い。
上記所定ゲート2、4と後設ゲート102、104が入場口96と退場口98(またはその近傍)に設置された所定エリア6内でのサービス提供例を図6に示す。この場合は内部にメモリ部418とインタフェース部416が内蔵された所定エリア内指定携行品408をゲート通過者82、84が携行しても良い。
上記所定エリア内指定携行品408の入手方法として、所定ゲート2、4通過前に事前に入手しても良いし、所定ゲート2、4通過後に入手しても良い。あるいは所定ゲート2、4通過途中で入手しても良い。ここで所定ゲート2、4通過前に事前に入手する方法として、例えば図3のStep2で既に説明したように、旅行代理店から入場バンドや入場バッチの形で入手しても良い。
一方所定ゲート2、4通過後に入手する方法として図6に示すように、所定ゲート2、4の通過出口近傍に所定エリア内指定携行品の有料貸出場406を設置しても良い。この場合の所定エリア内指定携行品408の具体的形態として、バッチ形態あるいはバンド形態、カード形態などいずれの形態を取っても良い。特にカード形態を取る場合は、インタフェース部416として近接場無線通信を採用して交通機関の利用と購入利用の両方に使える日本のフェリカカードや、購入時に使用するクレジットカード、金融機関での振り込みや現金の出し入れ/購入に利用可能なデビッドカードなどを使用しても良い。
また所定ゲート2、4通過途中で入手可能な所定エリア内指定携行品408の具体的形態として、シールやワッペン形態を取っても良い。図1の説明の所で、ゲート通過者82、84の本人認証方法として監査員または係員42、44に自動車運転免許証やパスポート(旅券)を提示する方法を説明した。この時に監査員または係員42、44がシール形態の所定エリア内指定携行品408を上記の自動車運転免許証やパスポート(旅券)に一時的に貼り付け、ゲート通過者82、84が後設ゲート104を通過する前に回収しても良い。
特に上記所定エリア内指定携行品408内に位置検出機能を持たせても良い。この位置検出機能として例えばGPS(Global Positioning System)対応人工衛星402、404からの電波をインタフェース部416が受けて位置検出しても良い。或いは他の方法として、所定エリア内に設置された無線通信基地局412、414からの無線通信波をインタフェース部416が受けて位置検出しても良い。
この時の所定エリア内指定携行品408の位置履歴は逐次メモリ部418内に蓄積され、所定エリア6から出る直前にメモリ部内記録データ読取機410でその位置履歴情報が回収される。
所定エリア内指定携行品408の一例としてインタフェース部416に近接場通信を採用したフェリカカードを使用した場合の使用例を説明する。この場合にも上記の所定エリア内指定携行品408内に上記の位置検出機能を持たせても良い。ゲート通過者82、84の移動手段として電車・車両424を利用する場合、
ゲートエリア内入口ゲートとゲートエリア内出口ゲートの入力部432と434に上記所定エリア内指定携行品408をかざすだけで乗車料金の決済が完了する。
次にゲート通過者82、84がホテルや民宿などの宿泊施設450に宿泊する場合、チェックイン/アウトカウンタ452の入力部454に上記所定エリア内指定携行品408をかざしてチェックイン処理を完了させる。チェックアウト時には上記の入力部454に上記所定エリア内指定携行品408をかざして宿泊料の決済を行うと共にレシート出票部458から宿泊履歴を示すレシートを取り出す。
更に店舗440内で陳列された商品群446から所定商品を購入する場合には、店舗内カウンタ430上に設置された入力部436に上記所定エリア内指定携行品408をかざして購入決済を行い、レシート出票部438から購入レシートを取り出す。
最後に上記所定エリア内指定携行品408を返却し、その中のメモリ部418内に記録された行動履歴(位置情報)や購入履歴などのイベント情報を回収する。このようにしてゲート通過者82、84が所定ゲート2、4と後設ゲート102、104を通過する間の期間に発生したイベント情報を収集し、それに基付いて前記ゲート通過者82、84が新たな特定対象者に該当するか否かを判定する。そして前記判定結果に基付いて同じゲート通過者82、84が後設ゲート102、104または新たなゲート162の通過時に個別に適応処理を行う。
所で上記のイベント情報収集手段はメモリ部内記録データ読取機410から回収された情報に限らず、購入履歴申請及び料金精算場所152で得られるレシート情報や還付金受取り申請用の申請用紙情報(購入履歴情報)を利用しても良い。
図7Aと図7Bを用いて、上記処理方法に関する詳細説明を行う。図3を用いて既に説明した手順でゲート通過者84が所定ゲート4を通過した(Step41)後、店舗440などで特定商品の購入(Step42)時に所定エリア内指定携行品408を店舗内カウンタ430上の入力部436にかざす事で、Step43の本人認証情報IDNM/PSNMの提示が行われる。またそれに限らず、店舗内カウンタ430で本人の認証が行える書類(例えば自動車運転免許証LCNMやパスポート(旅券)PSNM)の提示でも良い。そして購入料金精算が完了すると、レシート出票部438から出票されたレシートをゲート通過者84が受け取る(Step44)。そしてこの所定エリア6内で商品購入を繰り返す毎に、上記の一連のStepが繰り返される。なお宿泊施設452内のチェックインとチャックアウトも上記のStep内に含まれる。
その後、購入履歴申請及び料金精算場所152内で料金精算用申請書への記入(Step45)を行う。このStep45には『アンケートに答えて購入料金の一部を還付されるサービス』を受けるだけでなく、『免税店で購入した商品の消費税金額還付』なども含まれても良い。またこの購入履歴申請及び料金精算場所152内にマイクが配置され、Step46で申請書提出時のゲート通過者84の口頭による料金精算依頼時の音声を収集しても良い。
ここで申請書が提出されると、Step47で料金精算(還付)が完了する。また上記の申請に限らずStep47では、所定エリア内指定携行品408返却時の料金精算(還付)を受けても良い。すなわち図6の所定エリア内指定携行品の有料貸出場406で所定エリア内指定携行品408の借用時に、この所定エリア内指定携行品408内に予め所定金額をチャージして置き、メモリ部内記録データ読取機410の近くで所定エリア内指定携行品408返却時に使わなかったチャージ金額の返却を受けても良い。また説明の都合上図7Aのプロセスでは購入履歴情報のみがイベント情報として入力される方法を説明している。しかしそれに限らず本実施形態では上述した位置情報(所定エリア6内の位置変化履歴情報)もイベント情報としてデータ収集されても良い。さらに上述した音声データの収集をしても良い。そしてStep48に示すように、ゲート通過者84が所定ゲート4と後設ゲート104を通過する間の期間内におけるイベント情報のデータ入力が行われる。
そのStep48で得られたイベント情報のデータは、図1の管理サーバ8を介してインターネット回線74経由でデータベースサーバ52へ転送される。このデータベースサーバ52内では事前にインストールされたデータ処理ソフト60がデータ処理機能62、データ分析機能64、閾値判定機能66を実行する。具体的にはデータ処理機能62の内容として、購入品情報の抽出(Step51)、行動履歴抽出(Step52)、アンケートに記入された文章からの文章特徴抽出(Step53)や筆跡特徴抽出(Step54)、書体抽出(Step56)、あるいはマイクから収集したゲート通過者84の声紋抽出(Step55)や音声特徴抽出(Step58)あるいは音声認識(Step57)などが上げられる。一方それらに対応したデータ分析機能64の中で行われる処理としては、嗜好分析(Step61)、不正行動・性格分析(Step62)、文章に基付く本人判定(Step63)や思考/性格分析(Step64)、本人判定/性格分析(Step66)、あるいは声紋抽出(Step55)から得られる本人判定(Step65)や音声特徴抽出(Step58)から得られる感情・性格分析(Step68)
あるいは音声認識(Step57)から得られる本人判定(Step67)などが実行されても良い。
その結果得られた個別のデータ分析結果に対してStep71では総合的にデータ分析処理を行ってゲート通過者84の安全度指数を算出する。ここで得られた安全度指数に対して、閾値判定機能66(Step73)に従って通過ランクRANKの値の再設定をStep74で行う。またこの時の判定閾値の値として50%に設定した場合には、半分の確率で安全人物の推定が行える。しかし50%の確率での推定では信頼度が低いと考えられる。従って上記安全人物の推定をするための閾値として、安全度指数が最低でも70%以上、もしくは80%以上に設定する事が望ましい。
またそれと並行して総合的データ分析処理(Step71)の結果に基付き、Step72では本人確率PROBの値の再計算を実行する。そしてその再計算結果とStep74で再設定された通過ランクRANKの基付き、Step75ではゲート通過予定者リスト56内容の変更を行う。
Step76ではこの変更後のゲート通過予定者リスト56内容を利用して、ゲート通過者84の後設ゲート102、104通過時の個別処理を行う。しかし本実施形態ではそれに限らず、新たなゲート162の通過時あるは再度所定エリア6内に入場するために所定ゲート2、4を通過する時に上記の変更後のゲート通過予定者リスト56を利用しても良い。
上述したデータ分析機能64を実施する例を図8と図9を用いて説明する。図8では旅行者が所定エリア(所定の観光地)に滞在する場合の統計データの外れ値316を用いて特定対象者を推定する方法を示している。図8は上記観光地の過去の旅行者に対する携行品の重量(100グラム単位)304と滞在日数302の相関図を示している。
上記相関図に対する回帰分析結果として、図8に示す回帰直線312と対応する95%信頼区間314を示す直線が得られたとする。この時に95%信頼区間314から外れた旅行者を外れ値316として抽出し、特定対象者の可能性有りと推定する。ここで閾値判定機能66内で設定される閾値は、95%と設定されている。
なお上記の例に限らず、所定エリア6への入場時と退場時のの携行荷物重量の差と滞在日数の統計結果を図8の相関図で表し、その95%信頼区間314から外れた旅行者を外れ値316として抽出しても良い。
図9は、特定の国への観光旅行者あるいはビジネス旅行者のイベント情報間の関係をアソシエーション分析手法に従って分析した例を示す。図9におけるイベント番号EVNMは特定の旅行集団毎の行動履歴を意味している。例えばイベント番号1では、10名以上の集団で直接特定の国に入り、前回の滞在時から1年以上後で再度同じ国に入った事を意味する。
ここでのアソシエーションルールとして、前回の滞在時から再度滞在するまでのインターバル期間を条件部とし、『今回同じ国に来る前に他の国を経由したか/直接入って来たかと何人で一緒に来たか』の組み合わせを結論部に設定した時のアソシエーション分析結果を示している。
図9に示した支持度(Support)とは[ルール合致総数]÷[イベント数]を、
信頼度(Confidence)とは[ルール合致総数]÷[条件部総数]、そして
リフト値(Lift)とは[信頼度]÷{[結論部総数]÷[イベント数]}をそれぞれ意味する。
ここでイベント番号が“n”の所が外れ値316となる。そのけっかとして、イベント番号が“n”に対応した旅行者集団が特定対象者の可能性有りと推定される。
多くの場合、データ分析機能で得られた解析結果はアナログ数値となる。上記支持度SPRTや信頼度ASPRなどの算出結果に対する閾値判定機能66内で設定される閾値として50%に設定した場合には、半分の確率で安全人物の推定が行える。しかし50%の確率での推定では信頼度が低いと考えられる。従って上記安全人物の推定をするための閾値として、最低でも70%以上、もしくは80%以上に設定する事が望ましい。
図10は本実施形態の他の応用例として、ゲート通過者84が所定エリア6(イベント会場、会社、学校、遊園地、鉄道施設など)に入場(或いは入園)した後、前記ゲート通過者84に対するサービスの可能性やサービスの必要性などを予め推定することができるデータ処理装置の一例を示している。
ゲート通過者84の一般情報1002が一般情報取得部1001で取得される。一般情報取得部1001では、例えば端末装置が用いられ、入場券の読み取り及び又は入場処理担当者とゲート通過者84との質疑応答により、ゲート通過者84の一般情報が取得される。なおここでは入場券に、ゲート通過者84のニックネーム、或いは通過者氏名PSNM、或いは本人認証情報IDNMなどの情報が記憶媒体内に予め記録されている。ここで上記情報を本人自身が記録しても良いし、あるいは本人の許可を得て第3者が記録しても良い。
このゲート通過84者が過去に入場した経歴を持つものであれば、このゲート通過者84の過去の入場者履歴情報(過去入場者履歴情報)と前記一般情報とがデータ結合部1103で結合される。このゲート通過者84の過去入場者履歴情報は、過去情報記憶部1101に格納されている。このゲート通過者84が初めて入場した者であれば、データ結合処理は実行されない。
このゲート通過者84の一般情報と過去入場者履歴情報が一体化された情報(以下、現入場者履歴情報と称する)は、データベース記憶装置1105に格納される。次に、このデータベース記憶装置1105に格納された上記ゲート通過者84の現入場者履歴情報は、参照情報記憶部1107に格納されている参照履歴情報と比較され、上記ゲート通過者84の履歴情報と類似する参照履歴情報が存在するか否かの判断が行われる。この判断は注目者検出部1109が行う。
ここで、参照履歴情報A1、A2、・・・は、過去に特別なサービスを必要とした人物、特別な取扱いを必要とした人物、エリア内で暴力を振る舞った人物、エリア内で万引きをした人物などのモデル情報である。過去に特別なサービス或いは特別な取扱いを必要とした人物とは、例えば車いすを必要とした人物、また特定の役所或いは大使館への連絡が必要であった人物、ガードマンを添わせる必要があった人物などである。またモデル情報としては、不正なビジネスを行った人物、などの履歴情報も含まれる。さらには当日に緊急で入手した参照履歴情報AXが用いられる場合もある。
これらの人物の参照履歴情報とゲート通過者84の入場者履歴情報とが、いくつかの項目で同様な傾向を有する場合、注目者検出部1109は、調査関係者(監査員または係員42、44)に通報を行うことができる。即ち、上記の履歴情報には、この所定エリア6内及び又は別エリア164での買い物リストの項目、この所定エリア6内及び又は別エリア164の訪問先を示す項目、所定エリア6内及び又は別エリア164での面会人を示す項目、所定エリア6内及び又は別エリア164での単独行動を示す項目、所定エリア6内及び又は別エリア164でのグループ行動を示す項目、入場時間の項目、退場時間の項目などが含まれている。注目者検出部1109は、参照履歴情報とゲート通過者の入場者履歴情報との各対応する項目を比較し、その内容が類似している項目が複数存在した場合、所定ゲート2、4の通過者84を注目者として決定することができる。類似しているか否かを判定する手法は、各種可能であり、複数の項目が一致することを検出した場合に類似と判定する手法がある。しかし、1つでも重要な項目が一致した場合は、類似と判定する場合もある。
この注目者検出部1109から注目者の情報を受け取った注目者コンタクト部1111は、上記注目者とコンタクトし、取得した情報を新たな入場者情報として上記入場者の履歴情報に付加することができる。注目者コンタクト部1111は、例えば、上記した注目者の履歴情報に対して、注目者として抽出されたことを履歴情報として追記することができる。必要に応じて、調査官(監査員または係員42、44)が手荷物などの検査を行う場合もある。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、各部の名称の置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。