JP6767028B2 - 赤外線焼成装置及びこれを用いた電子部品の焼成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、赤外線焼成装置及びこれを用いた電子部品の焼成方法に関する。さらに詳しくは、開口部を開閉蓋により開閉可能で内部空間を密閉可能な炉室と、焼成物を載置し開口部から出し入れ可能な焼成物載置部と、赤外線により焼成物を加熱するヒーターランプと、前記炉室にガスを供給可能なガス供給口と、前記炉室からガスを排気可能なガス排気口とを備え、前記炉室の炉壁は前記ヒーターランプの赤外線光を集めて前記焼成物載置部に照射する赤外線焼成装置及びこれを用いた電子部品の焼成方法に関する。
従来、赤外線焼成装置としては、特許文献1に記載のラボレベルのものが知られている。一方、電子部品の焼成方法としては、特許文献2に記載の焼成トンネル式のものが知られている。
前者のものは、小さなルツボに観察対象物を設置し、観察窓の蒸発物による汚染を防ぐ目的で観察窓近傍からガスを噴出させ、一方の側部からガスを吸引していた。同装置は実験観察が目的であり、多数の電子部品等の製造を考慮したものではなかった。
一方、後者のものは、ベルトコンベヤに載せたMLCC(multi-layer ceramic capacitor、積層セラミックコンデンサ)を数十メートルの加熱されたトンネルの中をくぐらせて徐々に昇温及び降温を行っていた。加熱トンネルの温度は微調整が効きにくく、しかも、トンネルを最後までくぐり抜けなければMLCCの品質検査は行えないため、条件設定の変更は極めて困難であった。また、温度変化が緩慢であるため、電極の形成用のCuやAgのペーストに含まれたガラスフリットが表面に浮き出たり、空洞を形成して、品質管理上の妨げとなっていた。
特開2004−11938号公報 特開平7−309673号公報
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、焼成の際の温度プロファイルを簡単に調整可能で大量の焼成物をバッチ処理できながら、供給されるガス雰囲気も焼成物に対して均一に維持することの可能な赤外線焼成装置及びこれを用いた電子部品の焼成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る赤外線焼成装置の特徴は、開口部を開閉蓋により開閉可能で内部空間を密閉可能な炉室と、焼成物を載置し開口部から出し入れ可能な焼成物載置部と、赤外線により焼成物を加熱するヒーターランプと、前記炉室にガスを供給可能なガス供給口と、前記炉室からガスを排気可能なガス排気口とを備え、前記炉室の炉壁は前記ヒーターランプの赤外線光を集めて前記焼成物載置部に照射する構成において、前記焼成物載置部は、トレーであり、前記ガス供給口は、前記トレーの上部の複数個所から前記トレー上に向かってガスを流下させるものであり、各ガス供給口は、下に突出する管状体の周囲に複数の噴出口を設けてなり、前記ガス排気口は、前記トレーの両横側に設けられて前記流下したガスを排気することにある。
同特徴において、前記焼成物載置部はトレーであるため、多くの焼成物をトレー上に載置してバッチ式で多数の焼成処理を行うことができる。ガス供給口はトレーの上部の複数個所から前記トレー上に向かってガスを流下させるものであり、図7に示すように、各ガス供給口には、下に突出する管状体の周囲に複数の噴出口が設けられているので、トレーの上面でガスは均一に行き渡る。しかも、ガス排気口は幅広のトレーの片側ではなく、両横側に設けられて流下したガスを排気する。この作用により、トレー上に均一に供給されたガスは層となって焼成物の上を流れ、均一なガス雰囲気で焼成を行うことができる。
しかも、異なるガスをガス供給口から供給すると共にガス排気口から排気することで、炉室内のガスを完全に入れ替えることができる。また、ガス排気口からガスを排気することで、炉室内を真空にさせることも可能である。ガスの入れ替えや完全排気においても、両側からガスを排気するため、炉室内にガスの滞りがなく、不本意な焼成物のガスへの接触を防ぐことができる。
また、本焼成装置における加熱は、周囲のガスからの伝熱ではなく、ヒーターランプを通じた赤外線光のトレーに対する照射により、直接的に加温される。したがって、周囲のガスの熱容量に左右されることなく、極めて俊敏に加熱及び非加熱の選択が可能であり、短時間での加熱、冷却が可能である。このため、MLCC等の電子部品の製造においては、上記ガラスフリットの不都合を防ぐように微細な加温プロファイルのコントロールを行うことができる。
また、上記特徴に加え、前記ヒーターランプが棒状に形成されて複数設けられ、前記炉壁はこのヒーターランプの長手方向に沿って略同一の断面形状を有すると共に同長手方向に直交する方向に赤外線光を集めて前記トレーに照射するものであり、前記トレーは同長手方向に沿って設けられ、前記ガス排気口は同長手方向の各端部に設けられてもよい。同特徴によれば、トレーに対する加熱状態を各長手方向部位の断面単位で設定できるため、製造量の増加は、同長手方向への延長により簡単に行える。しかも、トレーの幅方向への延長を行っても、供給されるガスは両側のガス排出口からの排出でトレーの長手方向にそって極めて安定的に行われる。したがって、加熱及びガス雰囲気の双方が極めて安定しており、製造管理上大変優れている。
また、前記開閉蓋は、前記長手方向に直交する方向に設けると良い。ガス排気路を妨げず、しかも、トレー長手方向に直交する短辺方向に対しては迅速に出し入れが可能だからである。
係る場合、例えば、前記管状体は、石英管である。赤外線光はこの管状体に妨げられることなくトレーに照射できるからである。加えて、前記各ガス供給口は、前記長手方向に沿って並べられると共に、前記長手方向に直交する方向に交互に変位させてもよい。同配置により、ガスの供給と排気によるガス層の形成が適切に行われる。
前記炉室の上部中央には、観察窓が設けられ、前記各ガス供給口のうち少なくとも2つは前記観察窓の横側にそれぞれ配置されていてもよい。観察窓近傍にもガスが供給され、中央付近で一番ガス層が形成されにくくなる虞のある部分での観察ができ、しかも、観察窓側にガスが供給されるため、この部分のガス層の均一性も補強されるからである。
前記開閉蓋は、上記に加え、前記長手方向に直交する前記炉室前方及び後方にそれぞれ設けてもよい。炉室前後の両方の開閉蓋を開けることで、炉内の清掃を極めて容易に行うことができる。また、前記トレーは、上面が扁平であり、周囲に前記焼成物が零れ落ちることを防ぐ鍔を有し、前記長手方向に沿って横長に同一断面で形成されていてもよい。
上記特徴のいずれかに記載の赤外線焼成装置を用いたMLCCその他の電子部品の焼成方法の特徴は、前記トレーに焼成物である多数の電子部品を敷き詰め、前記ガス供給口よりガスを供給すると共に前記ガス排気口から適宜ガスを排気して均一な供給ガスの層を形成しながら前記ヒーターランプにより焼成を行うことにある。
同方法において、前記トレー近傍に熱電対を備えると共に前記炉室の上部中央に観察窓が設けられ、前記観察窓から前記電子部品を撮影し、前記熱電対の温度プロファイルと共に撮影結果を保存し、前記トレー単位のロット記録として保存してもよい。上述のトンネル式の焼成では決してできない撮影と正確な温度プロファイルをロットに紐づけできることで、不良品等に対する品質管理を適切に行うことができる。
また、前記ガス供給口より第一のガスを供給すると共に前記ガス排気口により第一のガスを完全排気し、前記ガス供給口より第二のガスを供給してもよい。このようなガスのコントロールは従来のトンネル方式ではなし得なかった製法である。
上記本発明に係る赤外線焼成装置及びこれを用いた電子部品の焼成方法の特徴によれば、焼成の際の温度プロファイルを簡単に調整可能で大量の焼成物をバッチ処理できながら、供給されるガス雰囲気も焼成物に対して均一に維持することが可能となった。これにより、MLCC等の電子部品の生産管理や品質管理が極めて適切に行えるようになり、歩留まりの向上と新たな品質の提供に寄与し得るに至った。
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
赤外線焼成装置の概念図である。 炉室の一部を破砕した斜視図である。 焼成炉と動作装置との関係を示す概略の横断面図である。 炉室の縦断面図である。 炉室の平面図である。 (a)ノズルの斜視図、(b)ノズルの横断面図である。 ノズルと吸引口との関係を示す概略の縦断面図である。 温度測定部近傍の縦断面図である。
次に、適宜添付図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
図1〜8に示すように、本発明に係る赤外線焼成装置1は、ガス供給系2、ガス排出系3、カメラ7,制御装置8、焼成炉20を備えている。焼成物載置部であるトレー34は、縁のある横長の方形の皿状であり、上部に焼成物であるMLCC(multi-layer ceramic capacitor、積層セラミックコンデンサ)を多数載せて焼成処理を行う。
ガス供給系2は、供給路2a、電磁弁2b、ガスボンベ2cを備えており、焼成炉20の上部に複数設けられたガス供給口であるノズル30にガスボンベ2c内のガスを供給する。一方、ガス排出系3は、排出炉3a、電磁弁3b、ファン3cを備えており、ノズル30から供給されたガスを左右のガス排気口35,35から強制排気する。電磁弁2b、3b、ファン3cはそれぞれ制御装置8によりコントロールされて、ガスの供給と排気をプログラミングに従いながら行う。
ヒーターランプ31は先のトレー34を赤外線により加熱するものである。一方、温度測定部32は熱電対によりトレー34の温度を測定するものである。温度測定部32による温度モニターで、ヒーターランプ31による加熱電力を制御し、プログラミングされた温度プロファイルに従って加温・焼成を行う。図1中の一点鎖線は電気コントロール系統を示し、これらに接続部材は全て制御装置8に信号またはデータを送り、制御装置8からコントロールされる。カメラ7は焼成炉20内の状況を逐次制御装置8に記録する。すなわち、制御装置8は、焼成の際にいつ何度で加熱するかという温度プロファイルと、ガス供給及び排気の両とタイミングを簡単に設定・変更でき、加熱を実行すると共にカメラ7の画像を実行結果の温度データと共に記録できる。
焼成炉20は、図2〜4に示すように、断面において6個の頂点を有する放物線が花の形状のように集まった内面を呈し、左右の長手方向L1に対して同一形状を有する炉壁23となっている。各放物線の焦点F(F1,F2a,F2b,F3a,F3b)には、棒状のヒーターランプがその中心のフィラメントを位置させるように前記長手方向L1に沿って配置されている。したがって、焦点Fであるヒーターランプ31のフィラメントからで発せられる赤外線光は反射面である炉壁23に反射して、平行に進行して、炉室21の内部空間22における中央部に集まり、この部分を均等に加熱する。
特にこの点を図4を参照しながら説明する。同図では、左右4か所と下1か所にヒーターランプ31が設けられている。フィラメントが位置する各放物線の焦点F(F1,F2a,F2b,F3a,F3b)から発生られる光の光路のうち放物線端部近傍と中央を通るものを二点鎖線で記述する。左右の焦点F2a,F2b,F3a,F3bからの光により、中央部分の4つの菱型の領域内にトレー34が収まっており、均等に加熱される様子が伺える。また、下側の焦点F1により、接触部材32aを含む中央部が加熱され、温度測定を正確に行える。なお、各焦点Fからトレー34への直接照射の他、他の焦点の領域の放物線の面に進入した光は、その面で反射されて、同じくトレー34に照射される。
したがって、トレー34は長手方向L1に直交する前後方向L2に幅を有していても、均等に加熱することができる。なお、断面の形状は放物線以外に楕円形状とし、一方の焦点にヒーターランプ31のフィラメントを、他方の焦点にトレー34の中央を配置してもよい。しかし、トレー34全体に対する加温の均一性は放物線形状のほうが優れている。楕円の場合は、フィラメントの発光面積を増やすことで、加熱の偏りが緩和される。
ヒーターランプ31は、図示省略するが、発熱部(発光部)である螺旋状のフィラメントを前記長手方向L1に沿わせて直管状の石英管の中に収納するとともに左右で支持し、内部にハロゲンガス等を封入したものである。左右の端子から電力を供給され、サイリスタ等を介して先の制御装置8により発熱状態が制御される。電力の供給で、フィラメントが発光すると、ここから発せられる赤外線光が先の炉壁23で反射されて、上述の如き加温がなされる。ヒーターランプ31は最上部を除き5本設けられている。炉室21には適宜冷却水炉36が形成され、こちらに冷却水を流通させることで、炉室21の過熱を防止している。
焼成炉20の炉室21には、正面開口部24と背面開口部25が先の前後方向L2に並んで設けられており、内部空間22の清掃などが行い易くなっている。各開口部は、正面蓋26と背面蓋27とで密閉状態に閉じられる。炉室21の中央部には貫通孔28aが形成され、そこに石英等の透明な耐熱材料よりなる観察窓28が設けられ、先のカメラ7で撮影がなされる。各ヒーターランプ31は、図7では代表して1本のみ模式的に示すが、両端の各端子部を炉室21の外に貫通させて突出させ、各端部でシール31a及び固定キャップ31bにより内部空間22の気密性を保っている。
背面蓋27は主に清掃のときのみ使用され、常時のトレー34の出し入れは、正面蓋26の開閉により行われる。背面蓋27は下側のヒンジで支持され、ヒンジを支点として開閉される。これに対し、正面蓋26は動作装置40により水平移動させらて、開閉される。この動作装置40は、ピストンロッド41a、シリンダ41bを有する開閉アクチュエーター41と、可動部42a、固定部42bを有する第二開閉アクチュエーター42を備えている。開閉アクチュエーター41は縮小することで正面蓋26を開け、第二開閉アクチュエーター42は縮小することで正面蓋26をさらに後退させて、炉室21の清掃を行い易くするものである。
トレー34は、上面が扁平、周囲にMLCCが零れ落ちることを防ぐ鍔を有し、長手方向L1に沿って横長に略同じ断面で形成されている。また、温度測定部32は、先のトレー34に接触する小さなブロック状の接触部材32aに形成された穴に支持腕32bを挿入し、その中に、熱電対接合部32cを配置してあり、コネクター32dを介してケーブルで先の制御装置8に接続してある。トレー34も接触部材32aも赤外線光を吸収する同一素材で構成してあり、例えば、セラミックス、シリコンカーバイド(SiC)、シリコンカーバイド(SiC)にジルコニア(ZrO2)をコーティングしたもの等を使用することができる。
正面蓋26には、石英などの耐熱素材よりなる一対の支持アーム33が設けられている。こちらは、赤外線光を吸収しにくい素材(赤外線光の透過率が高い素材)を用いることで、正面蓋26に対する伝熱が防止されると共にトレー34に対する赤外線光の照射が妨げられず、温度制御やレスポンスが向上する。先の支持腕32bは支持アーム33,33間に配置され、これらの間に先の接触部材32aを配置させている。トレー34のセットに際しては、昇降装置である昇降アクチュエーター43のシリンダ43bに対しピストンロッド43aを突き出して一対の支持部43c,43cを前記支持アーム33,33よりも上に位置させて、トレー34をこちらに移す。次いでピストンロッド43aを縮小させてトレー34を下降させ、前記支持アーム33,33上に載せて移し替える。
炉室21の上面には、長手方向L1に沿って、前後方向L2に交互に変位させながら、貫通孔29を複数形成し、ガス供給口であるノズル30を複数気密状態で取り付けてある。ノズル30は赤外線光を吸収しにくい素材(赤外線光の透過率が高い素材)、例えば石英管などで構成され、トレー34に対する赤外線光の照射が妨げられない。そして、管状のノズル本体30aの周囲に複数のノズル孔30bを形成し、ガスが四方に分散されるようになっている。観察窓28の近傍でも上記の如き配置でノズル30がセットされ、しかも、複数のノズル孔30bで観察窓28の近傍にもガスが流下することとなる。
上述のノズル30の配置により、扁平なトレー34の上に均等にガスが行き渡ることとなる。しかも、トレー34とほぼ同じ高さで、トレー34の長手方向L1に沿った左右に設けたガス排気口35,35からそれぞれガスを強制排気する。このガス供給と排気との組合せにより、ガスの層が均一にトレー34の上の焼成物Cに行き渡る。MLCCの場合、脱バイ等で溶剤が抜けたり、ペーストの酸化を防ぐために、常にガスの層を均一にしつつ流して更新することで、これらの悪影響を防ぐことができる。
次に、赤外線焼成装置1の使用方法を、焼成物として電極にガラスフリットを含む銅ペーストを付着させたMLCCの焼成を例にとって説明する。
まず、焼成物Cをトレー34上に敷き詰め、ロボットアーム等で昇降アクチュエーター43の一対の支持部43c,43c上まで移動させて置き、ピストンロッド43aを縮小させてトレー34を下降させ、支持アーム33,33上に載せて移し替える。次いで、開閉アクチュエーター41を伸長させて、正面蓋26を気密状態で閉じるとともに、トレー34を炉室21の中央にセットする。
次に、ヒーターランプ31を点灯させて加温を開始すると共に、電磁弁2bを開いて窒素ガスをノズル30に供給し、同時に電磁弁3b、ファン3cを作動させてガス排気口35から炉室21内部のガスを排気する。ヒーターランプ31による加熱はプログラミングされたプロフィルに従い、脱バイや金属の溶解等の時点で適宜温度と時間を調整する。
焼成が完了すると、ヒーターランプ31の通電を低下させるかストップして降温させる。さらに、必要に応じて窒素ガスを供給し、焼成物Cとトレー34の冷却を促進してもよい。セットと逆の手順で各動作装置等を動かして、トレーを入れ換え、焼成作業は完了する。
次に、本発明の他の実施形態の可能性について列挙する。同様の部材には同一の符号を附することとする。
上記実施形態ではMLCCにおいて銅のペーストを用いたが、銀のペーストを用いることも可能である。この場合、ガスとして窒素の他、酸素を用いても良い。
上記実施形態では1種類のガスを用いたが、2種類のガスを切り替えて用いても良い。また、排気を強力に行うことで、低真空(弱真空)状態で加熱を行うことも可能である。
赤外線焼成装置1の構成は、発明の趣旨を逸脱しない限り、上記以外にも改変が可能である。例えば、炉壁の断面形状は、6個の放物線としたが、5個や4個の放物線を集めた形状とすることも可能である。
本発明の赤外線焼成装置は、MLCCその他の電子部品、電子部品以外の温度やガス雰囲気のコントロールが必要な部材の焼成用として利用することができる。
1:赤外線焼成装置、2:ガス供給系、2a:供給路、2b:電磁弁、2c:ガスボンベ、3:ガス排出系、3a:排出炉、3b:電磁弁、3c:ファン、4a:電流供給路、7:カメラ、8:制御装置、20:焼成炉、21:炉室、22:内部空間、23:炉壁、24:正面開口部、25:背面開口部、26:正面蓋、27:背面蓋、28:観察窓、29:貫通孔、30:ノズル(ガス供給口)、30a:ノズル本体、30b:ノズル孔、31:ヒーターランプ、31a:シール、31b:固定キャップ、32:温度測定部、32a:接触部材、32b:支持腕、32c:熱電対接合部、32d:コネクター、33:支持アーム、34:トレー(焼成物載置部、サセプタ、セッター)、35:ガス排気口、36:冷却水炉、40:動作装置、41:開閉アクチュエーター、41a:ピストンロッド、41b:シリンダ、42:第二開閉アクチュエーター、42a:可動部、42b:固定部、43:昇降アクチュエーター(昇降装置)、43a:ピストンロッド、43b:シリンダ、43c:支持部、L1:長手方向、L2:前後方向、C :焼成物(MLCC)

Claims (11)

  1. 開口部を開閉蓋により開閉可能で内部空間を密閉可能な炉室と、焼成物を載置し開口部から出し入れ可能な焼成物載置部と、赤外線により焼成物を加熱するヒーターランプと、前記炉室にガスを供給可能なガス供給口と、前記炉室からガスを排気可能なガス排気口とを備え、前記炉室の炉壁は前記ヒーターランプの赤外線光を集めて前記焼成物載置部に照射する赤外線焼成装置であって、
    前記焼成物載置部は、トレーであり、
    前記ガス供給口は、前記トレーの上部の複数個所から前記トレー上に向かってガスを流下させるものであり、各ガス供給口は、下に突出する管状体の周囲に複数の噴出口を設けてなり、
    前記ガス排気口は、前記トレーの両横側に設けられて前記流下したガスを排気するものである赤外線焼成装置。
  2. 前記ヒーターランプが棒状に形成されて複数設けられ、前記炉壁はこのヒーターランプの長手方向に沿って略同一の断面形状を有すると共に同長手方向に直交する方向に赤外線光を集めて前記トレーに照射するものであり、前記トレーは同長手方向に沿って設けられ、前記ガス排気口は同長手方向の各端部に設けられている請求項1記載の赤外線焼成装置。
  3. 前記開閉蓋は、前記長手方向に直交する方向に設けられている請求項2記載の赤外線焼成装置。
  4. 前記管状体は、石英管である請求項1〜3のいずれかに記載の赤外線焼成装置。
  5. 前記各ガス供給口は、前記長手方向に沿って並べられると共に、前記長手方向に直交する方向に交互に変位させてある請求項2又は3記載の赤外線焼成装置。
  6. 前記炉室の上部中央には、観察窓が設けられ、前記各ガス供給口のうち少なくとも2つは前記観察窓の横側にそれぞれ配置されている請求項1〜5のいずれかに記載の赤外線焼成装置。
  7. 前記開閉蓋は、前記長手方向に直交する前記炉室前方及び後方にそれぞれ設けられている請求項2,3,5のいずれかに記載の赤外線焼成装置。
  8. 前記トレーは、上面が扁平であり、周囲に前記焼成物が零れ落ちることを防ぐ鍔を有し、前記長手方向に沿って横長に同一断面で形成されている請求項2,3,5,7のいずれかに記載の赤外線焼成装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の赤外線焼成装置を用いたMLCCその他の電子部品の焼成方法であって、
    前記トレーに焼成物である多数の電子部品を敷き詰め、前記ガス供給口よりガスを供給すると共に前記ガス排気口から適宜ガスを排気して均一な供給ガスの層を形成しながら前記ヒーターランプにより焼成を行う赤外線焼成装置を用いた電子部品の焼成方法。
  10. 前記トレー近傍に熱電対を備えると共に前記炉室の上部中央に観察窓が設けられ、前記観察窓から前記電子部品を撮影し、前記熱電対の温度プロファイルと共に撮影結果を保存し、前記トレー単位のロット記録として保存する請求項9記載の赤外線焼成装置を用いた電子部品の焼成方法。
  11. 前記ガス供給口より第一のガスを供給すると共に前記ガス排気口により第一のガスを完全排気し、前記ガス供給口より第二のガスを供給する請求項9又は10記載の赤外線焼成装置を用いた電子部品の焼成方法。
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