JP6766280B1 - インバータの劣化監視診断方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動機に駆動電流を供給するインバータの出力側の電流信号を運転状態で計測し、解析して、監視することにより、簡易的かつ正確にインバータの劣化の兆候を検出することができ、その劣化の進行状況を管理して、適切なメンテナンスを行うことができるインバータの劣化監視診断方法を提供する。【解決手段】インバータ11の劣化の有無を判定するインバータ劣化判定工程は、電動機10の稼動時にインバータ11の出力電流を計測して、(a)得られる電流波形の周期が変動する周期異常、(b)得られる電流波形の振幅が変動する振幅異常、及び(c)得られる電源周波数f1の高調波の比率が変動する高調波比率異常の少なくとも1つが発生しているときに、インバータ11が劣化していると判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、電動機に駆動電流を供給するインバータの出力側(二次側)の電流信号(電流波形)を運転状態で計測し、解析することにより、インバータの劣化を検出するインバータの劣化監視診断方法に関する。
従来、電動機に駆動電流を供給するインバータについては、運転状態で劣化の進行状況を監視し、診断することはできなかった。そのため、診断時には、インバータを含め、電動機及び電動機で駆動される電気機器を停止させる必要があり、作業に手間がかかるだけでなく、電気機器の稼働率の低下にも繋がっていた。そこで、例えば特許文献1には、誘導電動機並びにインバータを対象とした電気機器の異常及び劣化診断を、電気機器を停止若しくは休止分解することなく、運転状態のままで行うための電気機器の異常及び劣化診断装置が開示されている。また、特許文献2は、電動機の正常時電流と稼働時(点検時)電流の状態を比較して回転機械系の異常を診断する回転機械系の異常診断方法に関する発明であるが、電動機の稼働時の電流信号の高調波成分と電源周波数成分の単調波比率及び全調波比率と相間電流の不平衡率を算出し、これらのうちの一つでも基準値以上となった場合に、電源品質又はインバータに異常が発生したと診断することが記載されている。
特開2003−156547号公報 特許第5733913号公報
特許文献1の電気機器の診断装置では、電気機器に流れる機器電流に含まれる各次数の高調波含有率の大きさにより電気機器の異常及び劣化の程度や、その異常及び劣化の原因や場所の特定を行っている。つまり、インバータの入力側及び出力側の高調波の次数のそれぞれに、劣化原因と劣化場所(劣化が発生した部品)が対応しており、機器全体の交換を避け、劣化が発生した部品の修理や交換を可能としている。しかし、インバータの部品構成又は各部品の特性が異なれば、機器電流に含まれる各次数の高調波含有率が変化するものと考えられ、劣化原因と劣化場所を正確に特定することができない可能性がある。また、インバータの劣化(故障)が発生した場合には、回路基板の交換を行うことが一般的であり、劣化が発生した部品の修理や交換は現実的ではない。従って、インバータの劣化(異常)の有無を診断する際には、異常及び劣化の原因や場所の特定までは必要とされておらず、簡易的な劣化監視診断方法が求められている。
また、特許文献2では、インバータの異常診断にも言及しているが、電動機の稼働時の電流信号の高調波成分と電源周波数成分の単調波比率及び全調波比率と相間電流の不平衡率のみをパラメータとしており、その他の電流信号の変化については考慮されておらず、インバータの劣化の進行状況を監視し、劣化の有無を診断する方法としては不十分である。また、電源品質又はインバータに異常が発生しているかどうかを判別することはできても、インバータの異常以外の理由で電源品質に異常が発生しているのか、インバータそのものに劣化(異常)が発生しているのかを切り分けることができず、インバータの劣化を正確に検出することはできない。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、電動機に駆動電流を供給するインバータの出力側の電流信号を運転状態で計測し、解析して、監視することにより、簡易的かつ正確にインバータの劣化の兆候を検出することができ、その劣化の進行状況を管理して、適切なメンテナンスを行うことができるインバータの劣化監視診断方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係るインバータの劣化監視診断方法は、電動機に駆動電流を供給するインバータの劣化を検出するために用いられるインバータの劣化監視診断方法であって、
前記インバータの劣化の有無を判定するインバータ劣化判定工程は、前記電動機の稼動時に前記インバータの出力電流を計測して、(a)得られる電流波形の周期が変動する周期異常、(b)得られる電流波形の振幅が変動する振幅異常、及び(c)得られる電源周波数fの高調波の比率が変動する高調波比率異常の少なくとも1つが発生しているときに、前記インバータが劣化していると判定する。
ここで、電動機は、三相誘導電動機でも単相誘導電動機でもよいし、永久磁石形同期電動機(PMモーター)でもよい。インバータが三相出力インバータの場合、出力電流の計測は一相のみについて行ってもよいし、三相全てについて行ってもよい。
本発明に係るインバータの劣化監視診断方法において、前記周期異常は、前記電流波形の時系列データを周波数スペクトル分析して電源周波数fを求め、該電源周波数fの逆数である電源周期Tと、前記電流波形の最大半周期Tmax及び最小半周期Tminを用いて、以下の式(1)により算出される電流周期変動率Tが、予め設定した周期変動率の基準値以上となるか、時間経過と共に増加傾向にあるときに、発生していると判定されることが好ましい。
Figure 0006766280
本発明に係るインバータの劣化監視診断方法において、前記振幅異常は、前記電流波形から求めた最大振幅Pmax、最小振幅Pmin及び電流実効値Irms若しくは電流平均値Iaveを用いて、以下の式(2)又は式(3)により算出される電流振幅変動率Pが、予め設定した振幅変動率の基準値以上となるか、時間経過と共に増加傾向にあるときに、発生していると判定されることが好ましい。
ここで、非定常状態の電流波形では、振幅(振動の中心から最大変位までの距離)が一定とならず変動するので、その振幅(絶対値)の最大値を最大振幅Pmaxとし、最小値を最小振幅Pminとする。
Figure 0006766280
Figure 0006766280
本発明に係るインバータの劣化監視診断方法において、前記高調波比率異常は、前記出力電流を計測して得られる電流波形の時系列データを周波数スペクトル分析して前記電源周波数fを求め、該電源周波数fの電流値Iと、該電源周波数fの(6i±1)次の高調波の電流値I6i±1を用いて以下の式(4)により算出される特定高調波比率Iが、予め設定した高調波比率の基準値以上となるか、時間経過と共に増加傾向にあるときに、発生していると判定されることが好ましい。
Figure 0006766280
ここで、nは1以上8以下の自然数であり、より好ましくは1以上3以下の自然数である。
本発明に係るインバータの劣化監視診断方法において、前記高調波比率異常は、前記出力電流を計測して得られる電流波形の時系列データを周波数スペクトル分析して前記電源周波数fを求め、該電源周波数fの(6i−3)次及び(6i+3)次の高調波のピークがいずれも、(6i−1)次及び(6i+1)次の高調波のピークよりも小さいときに、発生していると判定されてもよい。ここで、iは1又は2又は3の少なくとも1つである。
本発明に係るインバータの劣化監視診断方法において、前記出力電流を計測して得られる電流波形の時系列データを周波数スペクトル分析して求められる電源周波数fを基に作成される基準正弦波信号波形から求めた参照振幅確率密度関数fr(x)と、前記電流波形から求めた診断時振幅確率密度関数ft(x)から、以下の式(5)により算出されるKI(Kullback−Leibler Information:カルバック・ライブラー情報量)の値が、予め設定したKIの基準値以上となるか、時間経過と共に増加傾向にあるときに、前記インバータ劣化判定工程を行うことが好ましい。
Figure 0006766280
本発明に係るインバータの劣化監視診断方法は、インバータの出力電流を計測して得られる電流波形を解析して、周期異常、振幅異常、及び高調波比率異常の少なくとも1つが発生しているときに、インバータが劣化していると判定することにより、簡便かつ確実にインバータの劣化(異常)を検出することができ、インバータの劣化検出の信頼性及びインバータのメンテナンス性に優れる。特に、KIの値が、予め設定したKIの基準値以上となるか、時間経過と共に増加傾向にあるときに、さらに、電流波形の周期変動率、振幅変動率、及び電源周波数fの高調波比率のいずれか1以上の状況(推移)を監視することにより、作業効率が向上すると共に、インバータの劣化の進行状況を把握して、劣化の検出精度を高めることができる。
本発明の一実施の形態に係るインバータの劣化監視診断方法を示す説明図である。 稼動時の三相出力インバータの出力電流のうち、一相の電流信号を周波数スペクトル分析した結果を示すグラフである。 基準正弦波信号波形と周期異常が発生した電流波形を比較したグラフである。 基準正弦波信号波形と振幅異常が発生した電流波形を比較したグラフである。 (A)は基準正弦波信号波形の時系列データを周波数スペクトル分析し、高調波解析を行った結果を示すグラフであり、(B)は高調波比率異常が発生している電流波形の時系列データを周波数スペクトル分析し、高調波解析を行った結果を示すグラフである。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
本発明の一実施の形態に係るインバータの劣化監視診断方法は、図1に示すように、三相誘導電動機(電動機の一例)10に駆動電流を供給する三相出力インバータ(インバータの一例)11の劣化を検出するために用いられる。
図1に示すように、三相出力インバータ11は、入力側(一次側)が電源(商用の三相交流電源)14に接続され、出力側(二次側)が三相誘導電動機10に接続される。三相誘導電動機10の先には図示しないポンプやブロワ等の各種回転機械(負荷の一例)が接続され、三相誘導電動機10によって駆動される。
このとき、三相出力インバータ11に劣化(異常)があれば、三相出力インバータ11の出力電流(電流波形)に各種の異常が発生するので、稼動時の三相出力インバータ11の出力電流を計測し、解析して、監視することにより、三相出力インバータ11の劣化を検出することができる。
三相出力インバータ11の出力電流は、三相出力インバータ11と三相誘導電動機10(各固定子)を接続する3本の電力線15に、例えばクランプ式の電流検出器16をそれぞれ接続することにより、容易に計測することができる。なお、三相全てについて電流の計測を行えば、より精度の高い診断を行うことができるが、三相のうちのいずれか一相について電流の計測を行うだけでも診断は可能である。電流検出器16で計測されたアナログの電流波形(電流信号)は、A/D変換器(図示せず)でデジタルの電流データに変換され、処理ユニット(図示せず)で処理される。処理ユニットは、RAM、CPU、ROM、I/O、及びこれらの要素を接続するバスを備えた従来公知の演算器(即ち、コンピュータ)で構成される。そして、処理ユニットでの処理は、CPUが所定のプログラムを実行することで実現される。なお、A/D変換器から処理ユニットへの電流データの送信は、LANやUSBケーブル等を用いて行うことができ、処理ユニットの設置場所は適宜、選択することができる。また、処理ユニットによる診断結果を表示するモニタの設置場所及び数は適宜、選択することができ、LANを利用して遠隔地から診断結果を確認することもできる。さらに、計測されたデータ及び処理ユニットで処理された診断結果は、クラウド環境を利用することにより複数の作業者や管理者が共有することができる。
本発明のインバータの劣化監視診断方法は、インバータの劣化診断を簡易的かつ定量的に行うために適用される。以下、本実施の形態のインバータの劣化監視診断方法の詳細について説明する。なお、ここでは、三相出力インバータ11の三相のうちの一相のみの出力電流に着目して診断を行う。
まず、三相誘導電動機10の稼動時に、三相出力インバータ11の出力電流を電流検出器16で計測して得られる電流波形の時系列データ(電流信号)を一旦、周波数スペクトル分析して電源周波数fを求め、それを基に計算した基準正弦波信号波形(シミュレーション波形)をA/D変換して処理ユニットに送信し、所定のサンプリング時間で得られる複数の点データから参照振幅確率密度関数fr(x)を求めて、記憶手段(RAM又はROM)に保存する(第1のステップ)。
なお、周波数スペクトル分析は、従来公知の方法で行われ、サンプリングした出力電流の電流信号につき、フィルター処理(例えば0.5Hz〜125Hzのバンドパスフィルタをかける)を行い、高速フーリエ変換を行うことにより、図2に示すような電流スペクトルが得られる。そして、電流スペクトルの最大ピークから三相出力インバータ11の出力電流の電源周波数fを求めることができる。この電源周波数fに基づいて、図3及び図4に示すような基準正弦波信号波形(シミュレーション波形)aが得られる。
次に、診断時の三相出力インバータ11の出力電流を計測して得られる電流波形をA/D変換して処理ユニットに送信し、所定のサンプリング時間で得られる複数の点データから診断時振幅確率密度関数ft(x)を求めて、記憶手段に保存する(第2のステップ)。
なお、第1、第2のステップにおける出力電流の計測時間(サンプリング時間)は、例えば、8〜16秒程度である。
振幅確率密度関数(参照振幅確率密度関数及び診断時振幅確率密度関数)は、変動する信号が特定の振幅レベルに存在する確率を求めるもので、どの振幅付近でどの程度の変動を起こしているかを解析するものである。
次に、参照振幅確率密度関数fr(x)と診断時振幅確率密度関数ft(x)から、前述の式(5)により、KIの値を算出する(第3のステップ)。
そして、式(5)により算出されるKIの値が、予め設定したKIの基準値以上となるか、時間経過と共に増加傾向にあるときに、三相出力インバータ11の劣化が発生している可能性があると判定することができる(第4のステップ)。このとき、KIの第1の基準値と第2の基準値を設定しておき、算出されたKIの値が、KIの第1の基準値(例えば0.5)以上になれば注意を促し、第2の基準値(例えば1)以上になれば危険であることを通知するようにしてもよい。この通知はモニタ上に表示してもよいし、管理者等にメールで送信してもよい。
また、所定の時間間隔で第2、第3のステップを繰り返し行うことにより、時間経過と共に変化するKIの値を知ることができるので、KIの値が時間経過と共に増加傾向にあるときに、三相出力インバータ11の劣化が進行している可能性があると判定することができる。この場合、KIの値がKIの基準値(第1又は第2の基準値)に達する前でも三相出力インバータ11の劣化傾向を把握することができる。
以上のように、KIの値から、三相出力インバータ11の劣化が発生している可能性があると判定したときには、さらに、電流波形を解析し、基準正弦波信号波形との比較を行って、インバータの劣化の有無を判定するインバータ劣化判定工程を行う。
以下、インバータ劣化判定工程の詳細について説明する。
まず、先に求めた電源周波数fの逆数である電源周期Tと、電流波形の最大半周期Tmax及び最小半周期Tmin(図3参照)を用いて、前述の式(1)により電流周期変動率Tを算出する。この電流周期変動率Tが、予め設定した周期変動率の基準値以上となるか、時間経過と共に増加傾向にあるときに、電流波形の周期が変動する周期異常が発生していると判別し、三相出力インバータ11の劣化が発生していると判定することができる(第5のステップ)。このとき、周期変動率の第1の基準値と第2の基準値を設定しておき、算出された電流周期変動率Tが周期変動率の第1の基準値(例えば0.1)以上になれば注意を促し、第2の基準値(例えば0.2)以上になれば危険であることを通知するようにしてもよい。この通知はモニタ上に表示してもよいし、管理者等にメールで送信してもよい。
次に、電流波形から求めた最大振幅Pmax、最小振幅Pmin(図4参照)及び電流実効値Irms若しくは電流平均値Iaveを用いて、前述の式(2)又は(3)により電流振幅変動率Pを算出する。この電流振幅変動率Pが、予め設定した振幅変動率の基準値以上になるか、時間経過と共に増加傾向にあるときに、電流波形の振幅が変動する振幅異常が発生していると判別し、三相出力インバータ11の劣化が発生していると判定することができる(第6のステップ)。このとき、振幅変動率の第1の基準値と第2の基準値を設定しておき、算出された電流振幅変動率Pが振幅変動率の第1の基準値(例えば0.3)以上になれば注意を促し、第2の基準値(例えば0.5)以上になれば危険であることを通知するようにしてもよい。この通知はモニタ上に表示してもよいし、管理者等にメールで送信してもよい。
次に、先に求めた電源周波数fの電流値Iと、電源周波数fの(6i±1)次の高調波の電流値I6i±1を用いて前述の式(4)により算出される特定高調波比率Iが、予め設定した高調波比率の基準値以上となるか、時間経過と共に増加傾向にあるときに、電源周波数fの高調波の比率が変動する高調波比率異常が発生していると判定することができる。但し、nは1以上8以下の自然数であり、より好ましくは1以上3以下の自然数である(第7のステップ)。このとき、高調波比率の第1の基準値と第2の基準値を設定しておき、算出された特定高調波比率Iが高調波比率の第1の基準値(例えば0.03)以上になれば注意を促し、第2の基準値(例えば0.05)以上になれば危険であることを通知するようにしてもよい。この通知はモニタ上に表示してもよいし、管理者等にメールで送信してもよい。
前述の式(4)により算出される特定高調波比率Iを用いて高調波比率異常の発生の有無を判定する代わりに、先に求めた電源周波数fの(6i−3)次及び(6i+3)次の高調波のピークがいずれも、(6i−1)次及び(6i+1)次の高調波のピークよりも小さい(但し、iは1又は2又は3の少なくとも1つである)ときに、電源周波数fの高調波の比率が変動する高調波比率異常が発生していると判定することもできる(第8のステップ)。この場合、計算を行うことなく、簡易的に高調波比率異常の発生を検出することができる。例えば、図5(A)の正常時に対し、図5(B)では、3次及び9次の高調波のピークがいずれも、5次及び7次の高調波のピークよりも小さく、9次及び15次の高調波のピークがいずれも、11次及び13次の高調波のピークよりも小さく、15次及び21次の高調波のピークがいずれも、17次及び19次の高調波のピークよりも小さくなっており、高調波比率異常が発生していることを容易に検出できる。
以上説明した第5〜第8のステップは順不同で行うことができる。なお、必ずしも第5〜第8の全てのステップを実行する必要はなく、第5〜第8のステップの中から、1又は2以上のステップを適宜、選択することができる。また、複数のステップを選択した場合でも、いずれか1つのステップで異常を検出した段階で、三相出力インバータの劣化が発生していると判断し、残りのステップを省略してもよい。
なお、時間経過に対するKIの値、電流周期変動率T、電流振幅変動率P、及び特定高調波比率Iの変化をグラフ化してモニタに表示した場合、管理者は、三相出力インバータの劣化傾向を目視で容易に確認することができ、劣化傾向管理の簡便性及び信頼性に優れる。このとき、全てのパラメータの推移を同時に表示する必要はなく、幾つかの画面に分けて表示することができ、同時に表示するパラメータの数及び組合せも適宜、選択することができる。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
例えば、上記実施の形態では、三相出力インバータの三相のうちのいずれか一相のみの出力電流を計測して診断を行う場合について説明したが、三相全ての出力電流を計測し、それぞれについて同様の解析を行い、診断を行うこともできる。その場合、三相のバランスも含めて総合的な判断を行うことができ、診断の精度を高めることができる。また、インバータの形態は特に限定されるものではない。さらに、KIの値による判定(第1〜第4のステップ)を行わず、最初からインバータ劣化判定工程(第5〜第8のステップ)を行うこともできる。
10:三相誘導電動機(電動機)、11:三相出力インバータ(インバータ)、14:電源、15:電力線、16:電流検出器

Claims (8)

  1. 電動機に駆動電流を供給するインバータの劣化を検出するために用いられるインバータの劣化監視診断方法において、
    前記インバータの劣化の有無を判定するインバータ劣化判定工程は、前記電動機の稼動時に前記インバータの出力電流を計測して、(a)得られる電流波形の周期が変動する周期異常、(b)得られる電流波形の振幅が変動する振幅異常、及び(c)得られる電源周波数fの高調波の比率が変動する高調波比率異常の少なくとも1つが発生しているときに、前記インバータが劣化していると判定する劣化監視診断方法であって、
    前記インバータ劣化判定工程は、前記周期異常が発生しているときに前記インバータが劣化していると判定し、該周期異常は、前記電流波形の時系列データを周波数スペクトル分析して電源周波数f を求め、該電源周波数f の逆数である電源周期T と、前記電流波形の最大半周期T max 及び最小半周期T min を用いて、以下の式(1)により算出される電流周期変動率T が、予め設定した周期変動率の基準値以上となるか、時間経過と共に増加傾向にあるときに、発生していると判定されることを特徴とするインバータの劣化監視診断方法
    Figure 0006766280
  2. 電動機に駆動電流を供給するインバータの劣化を検出するために用いられるインバータの劣化監視診断方法において、
    前記インバータの劣化の有無を判定するインバータ劣化判定工程は、前記電動機の稼動時に前記インバータの出力電流を計測して、(a)得られる電流波形の周期が変動する周期異常、(b)得られる電流波形の振幅が変動する振幅異常、及び(c)得られる電源周波数fの高調波の比率が変動する高調波比率異常の少なくとも1つが発生しているときに、前記インバータが劣化していると判定する劣化監視診断方法であって、
    前記インバータ劣化判定工程は、前記高調波比率異常が発生しているときに前記インバータが劣化していると判定し、該高調波比率異常は、前記出力電流を計測して得られる電流波形の時系列データを周波数スペクトル分析して前記電源周波数f を求め、該電源周波数f の電流値I と、該電源周波数f の(6i±1)次の高調波の電流値I 6i±1 を用いて以下の式(4)により算出される特定高調波比率I が、予め設定した高調波比率の基準値以上となるか、時間経過と共に増加傾向にあるときに、発生していると判定されることを特徴とするインバータの劣化監視診断方法
    Figure 0006766280
    ここで、nは1以上8以下の自然数である。
  3. 電動機に駆動電流を供給するインバータの劣化を検出するために用いられるインバータの劣化監視診断方法において、
    前記インバータの劣化の有無を判定するインバータ劣化判定工程は、前記電動機の稼動時に前記インバータの出力電流を計測して、(a)得られる電流波形の周期が変動する周期異常、(b)得られる電流波形の振幅が変動する振幅異常、及び(c)得られる電源周波数fの高調波の比率が変動する高調波比率異常の少なくとも1つが発生しているときに、前記インバータが劣化していると判定する劣化監視診断方法であって、
    前記インバータ劣化判定工程は、前記高調波比率異常が発生しているときに前記インバータが劣化していると判定し、該高調波比率異常は、前記出力電流を計測して得られる電流波形の時系列データを周波数スペクトル分析して前記電源周波数f を求め、該電源周波数f の(6i−3)次及び(6i+3)次の高調波のピークがいずれも、(6i−1)次及び(6i+1)次の高調波のピークよりも小さいときに、発生していると判定されることを特徴とするインバータの劣化監視診断方法
    ここで、iは1又は2又は3の少なくとも1つである。
  4. 請求項記載のインバータの劣化監視診断方法において、前記インバータ劣化判定工程は、更に、前記高調波比率異常が発生しているときに前記インバータが劣化していると判定し、該高調波比率異常は、前記出力電流を計測して得られる電流波形の時系列データを周波数スペクトル分析して前記電源周波数fを求め、該電源周波数fの電流値Iと、該電源周波数fの(6i±1)次の高調波の電流値I6i±1を用いて以下の式(4)により算出される特定高調波比率Iが、予め設定した高調波比率の基準値以上となるか、時間経過と共に増加傾向にあるときに、発生していると判定されることを特徴とするインバータの劣化監視診断方法。
    Figure 0006766280
    ここで、nは1以上8以下の自然数である。
  5. 請求項記載のインバータの劣化監視診断方法において、前記インバータ劣化判定工程は、更に、前記高調波比率異常が発生しているときに前記インバータが劣化していると判定し、該高調波比率異常は、前記出力電流を計測して得られる電流波形の時系列データを周波数スペクトル分析して前記電源周波数fを求め、該電源周波数fの(6i−3)次及び(6i+3)次の高調波のピークがいずれも、(6i−1)次及び(6i+1)次の高調波のピークよりも小さいときに、発生していると判定されることを特徴とするインバータの劣化監視診断方法。
    ここで、iは1又は2又は3の少なくとも1つである。
  6. 請求項1〜5のいずれか1記載のインバータの劣化監視診断方法において、前記インバータ劣化判定工程は、更に、前記振幅異常が発生しているときに前記インバータが劣化していると判定し、該振幅異常は、前記電流波形から求めた最大振幅Pmax、最小振幅Pmin及び電流実効値Irmsを用いて、以下の式(2)により算出される電流振幅変動率Pが、予め設定した振幅変動率の基準値以上となるか、時間経過と共に増加傾向にあるときに、発生していると判別されることを特徴とするインバータの劣化監視診断方法。
    Figure 0006766280
  7. 請求項1〜5のいずれか1記載のインバータの劣化監視診断方法において、前記インバータ劣化判定工程は、更に、前記振幅異常が発生しているときに前記インバータが劣化していると判定し、該振幅異常は、前記電流波形から求めた最大振幅Pmax、最小振幅Pmin及び電流平均値Iaveを用いて、以下の式(3)により算出される電流振幅変動率Pが、予め設定した振幅変動率の基準値以上となるか、時間経過と共に増加傾向にあるときに、発生していると判別されることを特徴とするインバータの劣化監視診断方法。
    Figure 0006766280
  8. 請求項1〜のいずれか1記載のインバータの劣化監視診断方法において、前記出力電流を計測して得られる電流波形の時系列データを周波数スペクトル分析して求められる電源周波数fを基に作成される基準正弦波信号波形から求めた参照振幅確率密度関数fr(x)と、前記電流波形から求めた診断時振幅確率密度関数ft(x)から、以下の式(5)により算出されるKIの値が、予め設定したKIの基準値以上となるか、時間経過と共に増加傾向にあるときに、前記インバータ劣化判定工程を行うことを特徴とするインバータの劣化監視診断方法。
    Figure 0006766280
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