以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。本発明に係る遊技機の具体例として、メダルを遊技媒体として用いて遊技を実行可能なスロットマシンを挙げて説明する。しかし、遊技機は、このようなスロットマシンに限定されず、遊技球を遊技媒体として用いて遊技を実行可能な遊技機や、遊技媒体(メダルなど有体物の価値)を用いるものではなく内部的に付与される得点(電磁的方法により記録された情報など無体物の価値)を用いて遊技を実行可能な遊技機などの他の遊技機であってもよい。
[実施形態1]
<スロットマシンの構成例>
図1および図2を参照してスロットマシンの全体構成を説明する。図1は、スロットマシンの正面図である。図2は、スロットマシンの前面扉が開放された状態を示す斜視図である。
スロットマシン1は、前面に開口を有する箱状の筐体3と、筐体3の一辺において開閉自在に取り付けられた前面扉5とを含む部材から構成される。筐体3の前面は、前面扉5が筐体3に対して閉じられることにより閉塞される。前面扉5は、遊技場の管理者が管理する扉用鍵により筐体3に対して施錠・解除が可能となる。前面扉5が筐体3に対して閉じられた状態であるか否かは、扉センサ20により検出される。
図1に示すように、前面扉5の中央部分には、表示窓7が設けられている。表示窓7からは、複数種類の図柄が配列されているリール11L、11M、11R(以下、まとめてリール11L〜11Rともいう)を視認できる。リール11L〜11Rが回転すると、表示窓7からは、リール11L〜11R各々に配列されている図柄が可変表示している状態を視認できる。このように、表示窓7およびリール11L〜11Rにより、複数の図柄を可変表示する可変表示部13が形成される。
可変表示部13は、複数の可変表示列10を備えている。具体的に、可変表示部13は、表示窓7のうちリール11Lの前方に相当する部分とリール11Lとから構成される左可変表示列10L、表示窓7のうちリール11Mの前方に相当する部分とリール11Mとから構成される中可変表示列10M、および、表示窓7のうちリール11Rの前方に相当する部分とリール11Rとから構成される右可変表示列10Rを備えている。リール11L〜11Rが停止している状態において、左可変表示列10L、中可変表示列10M、および右可変表示列10R各々は、上段・中段・下段に図柄を停止表示できる。このため、表示窓7からは、9つの図柄を視認できる。
本実施形態では、役の入賞判定対象となる入賞ラインとして、左可変表示列10Lの下段、中可変表示列10Mの下段、右可変表示列10Rの下段により構成されるいわゆる下段ラインが設定されている。表示窓7には、入賞ラインNLが描かれている。
前面扉5の表示窓7の上方には、液晶表示器27が設けられている。液晶表示器27は、遊技(ゲーム)の進行に応じて、所定の画像を表示することにより演出を実行する。また、前面扉5の液晶表示器27の上方には、予め定められた役の図柄組合せや払出枚数等が刷られた説明パネル29が設けられ、さらに、説明パネル29の上方および左右各々には、ランプ部33L、33M、33Rが設けられている。ランプ部33L、33M、33Rは、LEDなどの光源を備え、遊技の進行に応じて発光することにより演出を実行する。
前面扉5の表示窓7の左側には、クレジット表示器45と、ペイアウト表示器46と、報知用表示器60と、有利期間報知ランプ80とが配設されている。クレジット表示器45は、遊技者所有のメダルのうち、スロットマシン1内において貯留(記憶)されているメダルの枚数であるクレジットを表示する。クレジットの上限枚数は50に設定されている。
ペイアウト表示器46は、役の入賞が発生したときにメダル(遊技媒体)の払出枚数を表示するとともに、エラー情報や設定示唆情報など各種情報の表示にも兼用される表示器である。設定示唆情報とは、設定値1〜6のうちの少なくともいずれかの設定値を特定可能にする情報であって、設定されている設定値を示唆する情報をいう。報知用表示器60は、遊技者にとって有利となる操作態様(例えば、操作タイミング、押し順など。以下、有利操作態様ともいう)や役抽選の結果などを特定するための所定情報を報知する表示器である。有利期間報知ランプ80は、有利操作態様を報知可能なAT遊技を許容できる有利な期間(以下、有利期間という)であることを報知する表示器である。
クレジット表示器45、ペイアウト表示器46、および報知用表示器60は、各々、例えば7セグメントLEDにより構成され、各セグメントの点灯態様に応じて情報を報知する。また、有利期間報知ランプ80は、例えばLEDにより構成され、有利期間において点灯し、有利期間ではない通常期間において消灯する。
前面扉5の表示窓7の下方には、各種の操作部が設けられている。操作部としては、ベットスイッチ15、最大ベットスイッチ17、演出操作部81、スタートスイッチ19、精算スイッチ23、ストップスイッチ21L、21M、21R(以下、まとめてストップスイッチ21L〜21Rともいう)、および、メダル投入口25が設けられている。
ベットスイッチ15は、クレジットを用いて1枚分のメダルを賭数設定するための操作を検出するスイッチである。最大ベットスイッチ17は、クレジットを用いて最大賭け枚数分のメダルを賭数設定するための操作を検出するスイッチである。最大賭け枚数とは、1回の遊技(以下、1遊技ともいう)について賭数設定できる最大の枚数(本実施形態では、「ボーナス状態中」以外は「3」、「ボーナス状態中」は「2」に設定。)をいう。
演出操作部81は、演出に関わる操作を検出するスイッチである。演出に関わる操作には、演出を実行・発展させるための操作、演出モードやキャラクタ等を選択するための操作、および遊技履歴等を表示させる遊技者メニュー状態や設定履歴等を表示させる管理者メニュー状態へ移行させるための操作等を含む。
スタートスイッチ19は、リール11L〜11R各々を回転させて図柄の可変表示を開始させるための操作を検出するスイッチである。精算スイッチ23は、クレジットあるいは設定済の賭数に相当する枚数分のメダルを払い出させるための操作を検出するスイッチである。ストップスイッチ21L〜21Rは、各々、リール11L〜11Rのうちの対応するリールの回転を停止させて図柄の可変表示を停止させるための操作を検出するスイッチである。メダル投入口25は、遊技者がメダルを投入するための開口である。
演出操作部81を含む各種スイッチは、各々に対応する操作部(ボタン部)への操作を検出する。各種スイッチに対応する操作部は、光を透過する透過部材から構成されている。また、各種スイッチに対応する操作部の内部には、例えばLEDなどの光源が搭載されており、遊技の進行に応じて操作可能なタイミング(操作を有効に受付けるタイミング)等において発光することにより演出を実行する。
前面扉5における各種の操作部の下方には、キャラクタなどが刷られた下部パネル35が設けられている。また、下部パネル35の左右には、それぞれ下部ランプ部37L、37Rが設けられている。下部ランプ部37L、37Rは、例えばLEDなどの光源を備え、遊技の進行に応じて発光することにより演出を実行する。
また、下部パネル35の下方には、役入賞の発生等に応じてメダルを払い出すためのメダル払出口39、および、メダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。メダル払出口39の左右には、各々、遊技の進行に応じて効果音や音声などを出力することによる演出を行うためのスピーカ31L、31Rが設けられている。
次に、スロットマシン1の筐体3の内部構成について説明する。図2に示すように、スロットマシン1の筐体3内の中央には、リール11L〜11Rを横並びに収容するためのリールユニット9が設けられている。リールユニット9は、筐体3内の後壁に固定されている。リールユニット9は、リールモータ14L、14M、14R(図4参照。以下、リールモータ14L〜14Rともいう。)と、位置センサ55L、55M、55R(図4参照。以下、位置センサ55L〜55Rともいう)とを備えている。
リールモータ14L〜14Rは、各々、リールユニット9のフレームに対して横並びに固定されており、その回転軸にリール11L〜11Rのうちの対応するリールが固定されている。これにより、リールモータ14L〜14Rが駆動制御されることにより回転・停止する。リールモータ14L〜14Rは、例えばステッピングモータにより構成されている。
位置センサ55L〜55Rは、各々、リール11L〜11Rに設けられた突起部がリール回転に伴って所定位置を通過したことを検出するためのセンサである。位置センサ55L〜55Rは、例えばフォトインタラプタにより構成されている。位置センサ55L〜55Rは、各々対応するリールの突起部を検出したときに、そのリールの所定位置の図柄(例えば、図3の図柄番号19番の図柄)が表示窓7の中段に位置するように構成されている。
リールユニット9の上方には、メイン制御基板63およびサブ制御基板73が各々基板ケースに収納された状態で設置されている。基板ケースは、収納されている制御基板などに対して仮に不正が行われた場合、その痕跡を容易に判別可能にするために、たとえば一部の部材を破壊等しなければ制御基板に接触できない構造を有している。また、メイン制御基板63とサブ制御基板73とは、基板間を接続する信号線により電気的に接続されている。
リールユニット9の下方には、ホッパーユニット43が設けられている。ホッパーユニット43は、ホッパー容器42と、満タンセンサ58(図4参照)と、ホッパーモータ57(図4参照)と、払出センサ54(図4参照)とを備えている。
ホッパー容器42は、メダル投入口25から受け入れられたメダルを貯留するための容器である。満タンセンサ58は、ホッパー容器42の所定位置に設けられ、ホッパー容器42に貯留されたメダルが所定量に達した満タン状態であることを検出するセンサである。
ホッパーモータ57は、所定の払出条件が成立したときに駆動し、ホッパー容器42に貯留されたメダルを所定枚数排出するために駆動するモータである。ホッパーモータ57は、たとえばDCモータ(Direct Current Motor)により構成されている。払出センサ54は、ホッパーモータ57によりホッパー容器42から排出されるメダルを1枚ずつ検出するセンサである。払出センサ54により検出されたメダルは、前面扉5の裏面側の下方に設けられたメダルシュート47を介して、メダル払出口39から払い出される。
ホッパーユニット43の左側方には、スロットマシン1が備える各種装置に電力を供給するための電源ユニット49が配設されている。電源ユニット49には、電源スイッチ50、リセットスイッチ52、および、変更処理開始スイッチ56が配設されている。
電源スイッチ50は、スロットマシン1への電力供給の有無を切り換えるスイッチである。リセットスイッチ52は、設定値を変更可能な設定変更処理中において設定値の切り換え操作を検出するためのスイッチである。リセットスイッチ52は、エラーが発生した際のエラー解除するためのスイッチとしても用いられる。変更処理開始スイッチ56は、設定変更処理用のキーシリンダからなり、設定変更処理に移行させるための操作を検出するスイッチである。変更処理開始スイッチ56を含む筐体3の内部に設けられているスイッチは、前面扉5を開放しているときに操作可能となるスイッチである。このため、基本的には、遊技場の管理者のみが操作可能となる。
設定値は、遊技者にとっての有利度合いを特定するための値である。具体的に、設定値は、役抽選において予め定められている役に当選する当選確率を特定するための値である。役抽選においては、設定されている設定値に応じた当選確率を用いることにより役に当選する確率を異ならせることができる。つまり、設定されている設定値が異なるときには、同じ役であっても、役抽選において当選する当選確率が異なる場合が生じる。その結果、設定されている設定値に応じて、遊技を所定回数実行する間に払出されるメダルの枚数が異なり、その結果、払出率を異ならせることができる。このため、設定値は、遊技者にとっての有利度合いを特定するための値であるとともに、払出率を特定するための値であるともいえる。設定値としては、例えば、当選確率が異なる1〜6(本実施形態においては、設定値1、2、5、6の4段階)が設けられており、設定値1が最も低い払出率であり、設定値6が最も高い払出率となっている。なお、設定値は、1〜6の6段階に設けられているものであってもよい。設定値の変更は、遊技場の管理者が管理する設定変更用鍵により変更処理開始スイッチ56をONにした状態で電源を投入することにより設定変更処理に移行させることにより可能となる。
設定値は、設定変更処理中にリセットスイッチ52を操作することにより順次切替える(例えば…5→6→1→2→5…)ことができる。設定変更処理中は、ペイアウト表示器46に設定値が表示される。設定変更処理では、スタートスイッチ19への操作が検出された後、変更処理開始スイッチ56をOFFにすることにより、そのときに表示されていた設定値を記憶する。これにより、設定値の変更が完了し、以降の遊技においては、記憶された設定値に基づき後述する役抽選等が行われる。なお、設定変更処理が行われたときには、スロットマシン1のRAM65が初期化される。
前面扉5の裏面側には、メダル投入口25の裏側に相当する位置にメダルセレクタ48が配設されている。メダルセレクタ48は、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものであるか否かを物理的に選別し、正規のメダルについてはホッパー容器42に貯留させるための第1流路40側に誘導する一方、非正規のメダルについては外部へ排出させるための第2流路44側に誘導する構造を有する。
また、メダルセレクタ48は、切替ソレノイド51(図4参照)と、投入センサ53(図4参照)とを備えている。切替ソレノイド51は、遊技状況(例えばリール回転中、クレジット上限到達時等)に応じて投入されたメダルを強制的に第2流路44側に切替えるためのソレノイドである。投入センサ53は、メダル投入口25から投入されたメダルのうち第1流路40側に誘導されたメダルを1枚ずつ検出するセンサである。投入センサ53により検出されたメダルは、前面扉5が閉じられた状態においてホッパー容器42に貯留される。これに対し、第2流路44側に誘導されたメダルは、メダルシュート47を介してメダル払出口39から排出される。
次に、図3を参照して、リール11L〜11R各々の図柄配列の構成について説明する。リール11L〜11Rには、各々、図3に示すとおり複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。図3では、説明の便宜上、複数種類の図柄を「R7」「G7」「BR」「C1」「C2」「BE」「RP」「MD」「T1」「T2」などといった文字列で示しているが、実際にはこれら文字列に対応する絵柄が配列されている。例えば、「R7」として赤色の「7」の絵柄、「G7」として緑色の「7」の絵柄、「BR」として「BAR」の絵柄、「BE」として「ベル」の絵柄、「RP」として「リプレイ」の絵柄などが配列されている。複数種類の図柄は、他の図柄と識別可能な態様であれば絵柄に限るものではなく、模様や、記号、数字など、どのようなものであってもよい。なお、「C1」および「C2」は、外観が類似する絵柄により構成されているため、これらをまとめて「C」ともいう。同様に、「T1」および「T2」も外観が類似する絵柄により構成されているため、これらをまとめて「T」ともいう。
図3においては、その左端に、リール11L〜11R各々に図柄が配置されている図柄配置領域に対応させて図柄番号0〜19を示している。図柄番号0〜19は、本実施形態のリール11L〜11R各々において、どの図柄配置領域の図柄であるかを特定するための番号である。
本実施形態の場合、例えば、図柄番号0〜19までの図柄が印刷されたリールテープがリール11L〜11R各々の周面に貼り付けられている。このため、リール11L〜11Rが回転すると、図柄番号…19→18→17→…2→1→0→19→18…といったように、予め定められた順に複数の図柄を表示窓7において可変表示させることができる。
以上のような構成を備えるスロットマシン1は、まずメダル投入口25へのメダル投入あるいはベットスイッチ15等が操作されて1ゲームの開始に必要な規定数(本実施形態では、「ボーナス状態中」以外は「3」、「ボーナス状態中」は「2」に設定)分のメダルが賭数設定されることにより回転開始可能な状態になり、スタートスイッチ19が操作されることにより、リール11L〜11Rを回転させて図柄を可変表示して1遊技を開始する。本実施形態においては、「ボーナス状態」以外の遊技状態の規定数として「3」が設定され、「ボーナス状態」の規定数として「2」が設定されている。なお、規定数は、これに限らず、他の値であってもよく、また、遊技状態にかかわらず同じ値が設定されるものであってもよい。
1遊技が開始された後においては、リール回転中においてストップスイッチ21L〜21Rが操作されることにより対応するリールの回転を停止させ、リール11L〜11Rすべての回転が停止することにより1遊技を終了する。スロットマシン1は、リール11L〜11Rすべての回転が停止したときの図柄組合せなど(表示結果)に応じて遊技者に対して所定の遊技価値を新たに付与する。所定の遊技価値としては、例えば、遊技状態の移行、メダル等を新たに用いることなく次回遊技の賭数を自動設定、遊技価値の付与である所定枚数のメダル払出(あるいはクレジット加算)等が挙げられるが、これらに限るものではない。
次に、図4を参照して、スロットマシン1の電気的な構成について説明する。図4に示すとおり、スロットマシン1には、メイン制御基板63、サブ制御基板73、電源ユニット49、および、外部出力基板90などが設けられている。
メイン制御基板63は、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装された基板である。サブ制御基板73は、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブCPU71が実装された基板である。電源ユニット49は、外部から供給される電力を用いて、スロットマシン1に搭載された各種電気部品を駆動するための電源を生成する。外部出力基板90は、遊技の進行に応じた信号をスロットマシン1の外部(例えば、ホールコンピュータ、台毎データ表示器等)に出力する基板である。
メインCPU61は、遊技の進行を制御するための遊技制御プログラムを記憶するROM67と、遊技に関するデータなどを一時的に記憶するRAM65とを備え、ROM67に格納された遊技制御プログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を有している。
メインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶されている遊技制御プログラムを実行し、メイン制御基板63に接続されたスイッチ(操作手段)やセンサ(検出手段)からの信号に基づいて遊技の進行に関する処理を行う。また、メインCPU61は、スロットマシン1においてエラーが発生しているか否かを判定する。エラーには、例えば、投入センサ53により所定時間以上検知されているセレクターエラー、満タンセンサ58によりホッパー容器42が満タンであることが検知されている満タンエラー、ホッパーモータ57を駆動しているにもかかわらず払出センサ54により所定時間以上検知されていないメダル切れエラーなどを含む。
メイン制御基板63に接続されたスイッチやセンサには、図4に示される、投入センサ53、ベットスイッチ15、最大ベットスイッチ17、スタートスイッチ19、扉センサ20、ストップスイッチ21L〜21R、精算スイッチ23、リセットスイッチ52、変更処理開始スイッチ56、位置センサ55L〜55R、払出センサ54、満タンセンサ58などが含まれる。
また、メインCPU61は、遊技の進行に関する処理を行って、メイン制御基板63に接続された機器類を駆動制御する。メイン制御基板63に接続された機器類には、図4に示される、切替ソレノイド51、クレジット表示器45、ペイアウト表示器46、報知用表示器60、有利期間報知ランプ80、リールモータ14L〜14R、ホッパーモータ57、および、各種LEDなどが含まれる。また、メイン制御基板63には、7セグメントLEDからなる表示器が搭載されている。メイン制御基板63には、全遊技期間に対して有利期間に滞在している有利期間滞在比率、総払出枚数に対するボーナスでの払出枚数の役物比率、総遊技回数に対するボーナス入賞からボーナス終了までの遊技回数の役物等状態比率、メダルの総払出枚数に対して有利期間中におけるナビ演出(指示)による払出枚数とボーナス状態中における払出枚数との合計払出枚数が占める比率(例えば、指示込役物比率ともいう)などを表示する表示器が搭載されている。なお、有利期間滞在比率、役物比率、役物等状態比率、および指示込役物比率などは、メイン制御基板63に搭載されている表示器に表示するものに限らず、別個に設けられた表示器(例えば、ペイアウト表示器46等)に表示するものであってもよい。この場合、メインCPU61は、例えばリセットスイッチ52が操作されたときに、有利期間滞在比率、役物比率、役物等状態比率、および指示込役物比率などを表示器に表示するようにしてもよい。
メイン制御基板63は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板73に対して各種のコマンドを送信する。サブ制御基板73は、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて演出の制御を行う。一方、サブ制御基板73からメイン制御基板63に対しては、コマンドを送ることはできない。コマンドは、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して一方向にのみ送信される。
サブ制御基板73に搭載されているサブCPU71は、演出を制御するための演出制御プログラムを記憶するROM77と、演出に関するデータなどを一時的に記憶するRAM75とを備え、ROM77に格納された演出制御プログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を有している。
サブCPU71は、タイマ割込などの割込機能を有し、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて、ROM77に記憶されている演出制御プログラムを実行し、遊技の進行に応じた演出内容の決定等を行い、その結果に基づいてサブ制御基板73に接続された機器類を駆動制御して演出を行う。サブ制御基板73に接続された機器類には、図4に示される、スピーカ31L、31R、液晶表示器27、各種ランプ・LED、および演出操作部81などが含まれる。液晶表示器27は、表示領域に画像を表示させるための表示処理を実行する表示制御部を含む。表示制御部は、サブ制御基板73からの表示制御用のコマンドに基づいて表示処理を実行して、液晶表示器27の表示領域に所定の画像を表示する。また、表示制御部は、表示内容に応じてコマンドをサブ制御基板73に送信することも可能である。サブ制御基板73は、表示制御部からのコマンドに基づいて、スピーカ31L、31Rおよび各種ランプ・LED等に対応するコマンドを送信することにより、表示領域に表示する画像に対応する音や光による演出を実行させる。サブCPU71により制御される各種ランプ・LEDには、各種スイッチに対応する操作部の内部に搭載されているLEDを含む。サブCPU71は、エコモードであるか否かに応じて、制御されているモードに対応する消費電力となるように当該LED等を制御することより、操作部を光らせることができる。
演出操作部81には、決定用の決定スイッチ81aと、選択用の左選択スイッチ81b、右選択スイッチ81c、上選択スイッチ81d、および下選択スイッチ81e(これらをまとめて上下左右スイッチともいう)とが設けられている。サブCPU71は、予め定められた演出を実行させるときや発展させる際に決定スイッチ81aへの操作を促す促進演出を実行し、決定スイッチ81aが操作されることにより予め定められた演出を実行あるいは発展させる制御を行う。また、サブCPU71は、液晶表示器27などにより実行する演出(キャラクタや背景)の種類が異なる複数種類の演出モードのうちからいずれかを設定できる演出モード選択可能状態(演出モード選択画面表示中)において、上下左右スイッチが操作されることによりいずれかの演出モードを選択し、決定スイッチ81aが操作されることにより選択されている演出モードを設定する。
さらに、サブCPU71は、変更処理開始スイッチ56が操作されて設定変更処理に移行されているときに決定スイッチ81aが操作されることにより管理者メニュー状態に移行させて、管理者メニュー画面を液晶表示器27において表示可能にする。管理者メニュー画面では、「日時設定」、「設定変更履歴」の表示、「携帯連動サービスON/OFF設定」、および「エコモードの設定」などを行うことができる。エコモードとは、サブ制御基板73に接続された機器類による演出実行により消費される電力を通常時よりも節約するモードをいう。エコモードが設定されているときには、通常時よりも、例えば、液晶表示器27、各種ランプ・LEDの輝度を低くする制御や、駆動時間あるいは点灯時間を短くする制御、スピーカ31L、31Rから出力される音量を低くする制御などが行われる。
また、サブCPU71は、リール11L〜11Rのいずれも回転しておらず、かつ遊技の進行に応じて発生する特定の演出(例えば、複数遊技にわたって連続する連続演出、特定のボタンへの操作を促すチャンスボタン演出など)が実行されていないときであって、いずれの操作も検出されることなく所定時間が経過している状態(以下では、待機状態、あるいは遊技待機中ともいう)において決定スイッチ81aが操作されることにより遊技者メニュー状態に移行させて、遊技者メニュー画面を液晶表示器27において表示可能にする。待機状態においては、決定スイッチ81aへの操作を促して遊技者メニュー状態に誘導するための誘導演出(促進演出に含まれる)を実行する。誘導演出中に決定スイッチ81aが操作されることにより、遊技者メニュー状態に移行させて遊技者メニュー画面が表示される。
また、遊技者メニュー画面においては、演出操作部81への操作に応じて、例えば、入賞の発生回数や発生確率などの役履歴の確認や、遊技者の遊技履歴を蓄積するための携帯連動サービス(以下では、携帯連動ともいう)の設定、スピーカ31L、31Rから出力される音量設定、液晶表示器27の輝度調整などを行うことができる。なお、エコモードの設定は、管理者メニュー状態において設定可能となる例について説明するが、これに限らず、遊技者メニュー状態において設定可能となるものであってもよい。
サブCPU71は、管理者メニュー状態および遊技者メニュー状態において上下左右スイッチが操作されることにより表示する項目や対象を選択し、決定スイッチ81aが操作されることにより選択されている項目や対象に応じた処理を実行する。なお、サブCPU71は、特定の演出を実行しているときであっても、決定スイッチ81aが操作されることにより遊技者メニュー状態に移行させるようにしてもよい。この場合、サブCPU71は、特定のレイヤに特定の演出の画像を描き、決定スイッチ81aが操作されることにより、特定のレイヤよりも優先度が高いレイヤにおいて、遊技者メニュー状態における遊技者メニュー画面の画像を描くことにより、遊技者メニュー画面を優先して表示するようにしてもよい。なお、遊技者メニュー画面表示中においては、特定のレイヤにおける特定の演出を継続して実行するものであってもよく、また特定のレイヤにおける特定の演出を一旦終了するものであってもよい。
また、遊技者メニュー画面表示中に特定のレイヤで特定の演出を継続して実行する場合であって、当該演出が特定のボタンへの操作を促すチャンスボタン演出を伴わない連続演出であるときには、決定スイッチ81aの操作で遊技者メニュー画面を表示可能にする一方、当該演出が特定のボタンへの操作を促すチャンスボタン演出であるときには、決定スイッチ81aが操作されたとしても遊技者メニュー画面を表示しないようにしてもよい。このようにすることで、遊技者メニュー画面表示中における決定スイッチ81aの操作によって、意図せずにチャンスボタン演出を次の段階に発展させてしまうことを未然に防止できる。また、遊技者メニュー画面を表示させるためのスイッチと、チャンスボタン演出を発展させるためのスイッチとは、同じスイッチであってもよく、物理的に異なるスイッチであってもよい。なお、遊技者メニュー画面を表示させるためのスイッチと、チャンスボタン演出を発展させるためのスイッチとが異なるスイッチであっても、遊技者メニュー画面表示中においてチャンスボタン演出を発展させるためのスイッチを操作してしまい意図せずに演出を発展させてしまうことを防止できる。
<遊技制御処理>
メインCPU61は、ROM67に記憶されている遊技制御プログラムに基づいて、遊技の進行を制御するための遊技制御処理を行う。図5は、遊技制御処理の一例を説明するための図である。
(賭数設定処理)
S100の賭数設定処理では、投入センサ53からの検出信号、ベットスイッチ15あるいは最大ベットスイッチ17からの操作信号、および再遊技役の入賞時に設定される再遊技フラグなどに応じて、賭数を設定するための処理が行われる。賭数設定処理では、賭数が設定されたときに賭数設定コマンドを出力する。設定された賭数が規定数に達しているときには、スタートスイッチ19への操作を有効に受け付ける回転開始可能な状態(有効化)にする。
また、賭数設定処理では、精算スイッチ23からの操作信号に基づいて、ホッパーモータ57を駆動させる駆動信号を出力して、クレジット分あるいは設定済の賭数分に相当する枚数のメダルを払い出すための精算処理が行われる。賭数設定処理は、回転開始可能な状態においてスタートスイッチ19からの操作信号を受信することにより終了し、S200の内部抽選処理へ移行する。賭数設定処理では、スタートスイッチ19からの操作信号を受信して内部抽選処理へ移行する際に、実際に設定された賭数(メダル枚数)を特定可能なベットコマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においても1遊技に対して賭数設定されたメダル枚数を特定可能となる。
(内部抽選処理)
S200の内部抽選処理では、所定範囲(例えば0〜65535)で乱数値を更新する乱数回路から役抽選用の乱数値を抽出し、抽出した値(以下、抽出値という)に基づいて予め定められた複数種類の役のいずれかに当選するか否かを抽選する役抽選が行われる。図6を参照して、スロットマシン1において設定されている役の種別および役名称について説明する。
役の種別としては、ボーナス役と、再遊技役と、小役とが設けられている。ボーナス役は、小役の当選確率が高いボーナス状態への移行を伴う移行役である。再遊技役(以下、リプレイともいう)は、入賞したときに前述の再遊技フラグを設定する役である。賭数設定処理では、再遊技フラグが設定されている場合、遊技者所有のメダル(あるいはクレジット)を新たに用いることなく、次に(今から)開始される遊技(今回遊技)の規定数に対応した賭数を次回遊技の賭数として自動設定する役である。小役は、所定枚数のメダルの払い出し(あるいはクレジット加算)を伴う役である。
ボーナス役としては、役名称「RBB1」「RBB2」(以下、まとめてボーナス役、あるいは「RBB」ともいう)が設けられている。「RBB1」「RBB2」の図柄組合せには、各々、「R7」の3つ揃い、「G7」の3つ揃いとなる組合せが定められている。「RBB1」および「RBB2」に入賞したときには、ボーナス状態に制御される。ボーナス状態は、払出されたメダルの枚数が、入賞したボーナス役に対応するメダル枚数(図6の備考欄に記載の枚数)を超えた遊技で終了する。
再遊技役としては、役名称「RPC」「RTT1」〜「RTT9」が設けられている。「RPC」の図柄組合せには、「RP」の3つ揃いとなる組合せが定められている。「RTT1」〜「RTT9」についても、各々、図6に記載のとおりの図柄組合せが定められている。「RTT1」〜「RTT9」の図柄組合せが入賞ラインNLに停止したときには、リール11L〜11R各々の下段・中段・上段に「T」図柄が停止、若しくは、リール11Lの下段に「BR」図柄、リール11Mの中段、リール11Rの上段に「T」図柄が停止し、見た目上は、少なくとも一部に「T」図柄が斜めに揃う。また、「RTT1」〜「RTT9」は、有利RTに制御する契機となる役であるため、昇格リプレイともいう。
小役としては、役名称「BEL」「ATA1」〜「ATA12」および「CH」が設けられている。「BEL」の図柄組合せには、「BE」の3つ揃いとなる組合せが定められている。「ATA1」〜「ATA12」および「CH」についても、各々、図6に記載のとおりの図柄組合せが定められている。「BEL」は、規定数が「3」に設定されている遊技状態(「ボーナス状態」以外)においては、押し順が正解したときに入賞となり、メダルが9枚払い出されるのに対し、規定数が「2」に設定されている「ボーナス状態」においては、押し順にかかわらず入賞となりメダルが12枚払い出される。「ATA1」〜「ATA12」は、押し順が不正解(失敗)したときであってストップスイッチ21L〜21Rへの操作タイミングに応じて入賞可能であり、メダルが1枚払出される。「CH」は、入賞するとメダルが1枚払い出される。
内部抽選処理では、図6に示す役のうち予め定められた役から構成される複数種類の当選役グループ毎に役抽選が行われる。図7を参照して、本実施形態における当選役グループおよび役構成について説明する。
ボーナス役を含む当選役グループとしては、「ボーナス1」「ボーナス2」が設けられている。「ボーナス1」「ボーナス2」は、それぞれ1つのボーナス役から構成される当選役グループである。なお、ボーナス役を含む当選役グループは、ボーナス役のみならず、他の役(例えばCHなど)と同時に当選する当選役グループを含むものであってもよい。
再遊技役の当選役グループとしては、「通常リプ」および「昇格リプ」が設けられている。「通常リプ」は、「RPC」のみから構成される当選役グループである。一方、「昇格リプ」は、「RTT1」〜「RTT9」から構成される当選役グループである。
小役の当選役グループとしては、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」および「1枚役」が設けられている。「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」は、「BEL」に加えて、「ATA1」〜「ATA12」のうちの2種類以上の役であって、互いに異なる組合せとなる役を含むように構成される当選役グループである。「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」は、まとめて「押し順ベル」ともいう。「1枚役」は、「CH」から構成される当選役グループである。
これら複数種類の当選役グループのうち役抽選の対象となる当選役グループは、複数種類の遊技状態毎に定められている。また、役抽選における当選確率にかかわる判定値は、当選役グループ、制御されている遊技状態、および設定されている設定値に応じて定められている。
スロットマシン1において制御可能となる遊技状態としては、「初期RT」、「通常RT」、「有利RT」、「RBB」が当選している「RBB内部当選状態」、およびボーナス役の入賞に伴う「ボーナス状態」などが設けられている。「初期RT」、「通常RT」、および「有利RT」は、まとめて一般遊技状態ともいう。
ボーナス役を含む当選役グループのうち「ボーナス1」「ボーナス2」は、一般遊技状態において役抽選の対象となる。ボーナス役を含む当選役グループは、各々、例えば設定値1のときには当選確率が1/1000となるように判定値が定められている。ボーナス役を含む当選役グループの判定値は、設定値に応じて異なる判定値が定められており、設定値が高くなるに連れて当選確率が高くなる。例えば、設定値6のときには当選確率が1/900となるように判定値が定められている。なお、「ボーナス1」「ボーナス2」は、設定値にかかわらず一律の確率で当選するように判定値が定められているものであってもよい。
次に、再遊技役を含む当選役グループのうち「通常リプ」は、一般遊技状態、「RBB内部当選状態」において役抽選の対象となり、「有利RT」中の当選確率が1/1.7となり「通常RT」および「初期RT」中における当選確率が1/8となり、「RBB内部当選状態」中における当選確率が1/3となるように判定値が定められている。また、「昇格リプ」は、「通常RT」においてのみ役抽選の対象となり、1/20の当選確率となるように判定値が定められている。再遊技役を含む当選役グループの当選確率は、制御されているRTの種類に応じた当選確率となる。
通常リプおよび昇格リプのいずれかに当選する確率は、「通常RT」≦「初期RT」<「RBB内部当選状態」<「有利RT」の関係となるように判定値が記憶されている。このため、一般遊技状態のうち「有利RT」は、他の遊技状態と比較して再遊技役の当選確率が向上するため、遊技者にとって有利な状態であるといえる。
小役を含む当選役グループのうち「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」は、一般遊技状態、「RBB内部当選状態」、および「ボーナス状態」において役抽選の対象となる。一般遊技状態中などにおいて「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選する確率は、1/5となり、かつ「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」各々の当選確率が同一となるように、判定値が均等に振分けられている。「ボーナス状態」中においては、1/1の確率で「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のすべてに当選するように判定値が定められており、1遊技毎に「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のすべてに当選して「BEL」に入賞する。「ボーナス状態」は、一般遊技状態などと比較して「BEL」に入賞する確率が向上するため、遊技者にとって有利な状態であるといえる。
「1枚役」は、一般遊技状態、「RBB内部当選状態」において役抽選の対象となる。一般遊技状態中などにおいて「1枚役」に当選する確率は、いずれの設定値が設定されているときでも1/50の確率で当選するように、設定値にかかわらず共通の判定値が定められている。当選役グループは、図7に示す種類に限るものではない。また、設定差が設けられている当選役グループと、設定差が設けられていない当選役グループとは、図7を用いて説明した当選役グループに限るものではない。
内部抽選処理では、現在の遊技状態において役抽選の対象となる当選役グループの判定値(設定されている設定値に応じた判定値)を読み出し、抽出値から減算した値(抽出値を更新)が所定値(例えば0)よりも小さい値になっているか否かを判定する判定処理を行い、小さい値になっていなければ(例えば0以上のとき)次の当選役グループについての判定処理を行うというサイクルを繰り返す。
いずれかの当選役グループについての判定処理において所定値よりも小さい値になっていると判定したときには、この当選役グループに当選していると判定し、当該当選役グループに含まれる役の当選フラグをRAM65の所定領域に設定して役抽選を終了する。このため、当選役グループに当選する確率は、「当選役グループの判定値/65536」となる。役抽選において読み出される判定値が大きいほど所定値よりも小さい値になりやすくなるため、当選確率が高い当選役グループであるといえる。一方、役抽選の対象となるすべての当選役グループについて判定処理を行ったが所定値よりも小さい値になっていないと判定されたときには、いずれの当選役グループにも当選していない「はずれ」であると判定する。本実施形態における「はずれ」となる確率は、有利RT中においては約19%となるように定められているが、これに限るものではなく、例えば極めて低い確率(5%等)となるように定められているものであってもよい。
内部抽選処理は、いずれかの当選役グループに当選していると判定されるか、いずれの当選役グループにも当選しておらず「はずれ」であると判定されると役抽選を終了して、S300の有利期間関連処理に移行する。
内部抽選処理では、役抽選において当選した当選役グループの種別を特定可能な当選種別コマンドをサブ制御基板73に出力するための処理を行う。例えば、「ボーナス1」「ボーナス2」に当選したときにはいずれかの「RBB」に当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力し、「通常リプ」「昇格リプ」に当選したときにはいずれかの再遊技役に当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力し、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選したときには押し順ベルに当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においては、当選役グループの種別に応じた演出を実行可能となる。
(有利期間関連処理)
S300の有利期間関連処理では、有利期間にかかわる処理を行う。本実施形態においては、通常期間において、所定の有利期間移行条件が成立することにより有利期間に制御可能となる。有利期間は、有利一般、チャンスゾーン(以下、CZという)、および、アシストタイム(以下、ATという)を含む。有利一般は、CZに移行するか否かのCZ移行抽選を実行可能な期間である。CZは、AT遊技を実行可能なATに移行するか否かのAT移行抽選を実行可能な期間である。有利一般は、CZあるいはAT遊技を実行可能なATに移行するか否かの移行抽選(CZ移行抽選、AT移行抽選)を実行可能な期間である。CZは、ATに移行するか否かのAT移行抽選を実行可能な期間である。AT移行抽選においてATに移行する旨が決定される割合は、有利一般中であるときよりもCZ中であるときの方が高い。
有利期間のうちの有利一般およびCZは、当該期間中の払出率が1を超えない期間(例えば、有利期間中非出玉期間ともいう)であるのに対し、ATは、AT遊技が行われる結果、AT中の払出率が1を超える期間(例えば、有利期間中出玉期間ともいう)であるといえる。有利期間においては、まず有利一般に制御される。また、有利一般中においては、所定のCZ移行抽選条件が成立することにより行われるCZ移行抽選において当選することによりCZに制御可能となる。また、有利一般中およびCZ中においては、所定のAT移行抽選条件が成立することにより行われるAT移行抽選において当選することによりATに制御可能となる。よって、有利期間は、ATに制御可能な期間であるといえる。また、有利期間のうちのATは、遊技者にとって有利な有利状態であるといえる。
所定の有利期間移行条件は、内部抽選処理における役抽選の結果に基づいて成立する条件であって、例えば図7で示した当選役グループのいずれかに当選することにより成立する条件などを含む。有利期間への移行条件は、当選確率に設定差が設けられている当選役グループに当選することによっても成立し、当選確率に設定差が設けられていない当選役グループに当選することによっても成立する。有利期間への移行条件は、役抽選における当選確率が制御されている状態の種類にかかわらず一律に定められている特定の当選役グループに当選することにより成立するものであってもよい。「役抽選における当選確率が制御されている状態の種類にかかわらず一律に定められている」とは、図8を用いて後述するいずれの状態においても役抽選における当選確率が一律に定められているものをいう。
また、所定のCZ移行抽選条件および所定のAT移行抽選条件各々についても、例えば「1枚役」当選により成立する条件や「ボーナス1」または「ボーナス2」当選により成立する条件などを含む。このため、例えば、「1枚役」や「ボーナス1」または「ボーナス2」に当選したときには、有利移行条件が成立するとともに、CZ移行抽選条件およびAT移行抽選条件が成立する。その結果、通常期間であっても、「1枚役」や「ボーナス1」または「ボーナス2」に当選することにより、CZ移行抽選およびAT移行抽選で当選することにより、有利期間のうちATに制御される場合も生じ得る。なお、有利期間移行条件、CZ移行抽選条件およびAT移行抽選条件は、全く同じ条件であってもよく、また全く異なる条件であってもよく、さらには共通する条件を含むものであってもよい。
有利期間を終了させる条件は、後述するように有利期間の上限値(例えば上限ゲーム数:1500)到達を示す有利期間カウンタ=1500となることにより成立する第1の条件と、有利期間において賭数とメダル付与数とに基づく差数を累計した累計数が最低となる最下値を0として基点とし、該基点からの現在の累計数が有利期間の上限値(例えば上限累計数:2400)に到達することにより成立する第2の条件を含む。累計数は、有利期間中において更新される累計数カウンタの値に応じて特定される。有利期間カウンタおよび累計数カウンタは、ともに、RAM65の所定領域において更新される。なお、第1の条件である上限ゲーム数1500や、第2の条件である上限累計数2400については、必ずしもその数値に到達するとは限らず、これらの条件を超えることのない数値で有利期間が終了されることもあり、例えば、第1の条件においては1450前後で終了したり、第2の条件においては2300前後で終了したりするようにしてもよい。
有利期間を終了させる条件としては、さらに、ATゲーム数やATナビ回数が終了したことや、ATが終了した後における有利一般中においてCZあるいはATに移行されることなく遊技を所定回数消化することや、ATが終了した後におけるCZ中においてATに移行されることなく遊技を所定回数消化することなどにより成立する第3の条件などを含む。以下においては、有利期間(有利一般、CZおよびATのいずれか)を終了させる条件をまとめて「有利期間を終了させる条件(有利期間終了条件)」ともいう。有利期間を終了させる条件は、少なくとも第1の条件と第2の条件とを含むものであれば、本実施形態において例示したものに限らず、他の特定事象により成立し得る条件であってもよい。
有利期間関連処理では、有利期間中において、所定のCZ移行抽選条件、所定のAT移行抽選条件(例えば所定の当選役グループに当選)、および今回遊技の終了に伴って当該有利期間が終了し得る状況(例えば今回遊技により有利期間の上限遊技回数(1500)あるいは上限累計数(2400)に到達等)であるか否かを判定し、成立させ得る状況であるときには当該条件が成立する可能性があることを煽る演出を実行する。例えば、メインCPU61は、すべてのセグメントを点滅させる態様でペイアウト表示器46、報知用表示器60等を駆動制御する。
また、有利期間関連処理では、有利期間中において、所定のCZ移行抽選条件、所定のAT移行抽選条件、および今回遊技の終了に伴って当該有利期間が終了し得る状況であるときには、メインCPU61は成立する可能性がある条件を特定可能な条件関連コマンドをサブ制御基板73に出力する。これにより、例えば、所定のCZ移行抽選条件、所定のAT移行抽選条件、および有利期間を終了させる条件各々について成立する可能性を液晶表示器27により報知することができる。このように、有利期間関連処理は、有利期間にかかわる条件等が成立し得るか否かに応じた処理を実行するものである。実際に有利期間に移行させるための処理、および有利期間を終了させる条件が成立したか否かを判定して有利期間を終了させるための処理等については、後述するS700の有利期間設定処理により行われる。
また、有利期間関連処理では、有利期間のうちのAT中における役抽選の結果に応じて、有利操作態様を報知用表示器60により報知するための報知処理を実行可能とする。例えば、当選役グループのうち「左正解ベル1」に当選しているときには、後述するように「BEL」を入賞させるために左のリール11Lから停止させるように、報知用表示器60を構成する7セグメントのうちアルファベットの大文字「L」に対応する位置のセグメント(左辺の上下2つ下辺の1つ)を点灯させる態様で報知用表示器60を駆動制御する。さらに、有利期間関連処理では、当該有利操作態様を特定可能な有利操作態様コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においても有利操作態様を報知するための演出を液晶表示器27等において実行可能となる。有利期間関連処理が終了すると、S400のリール制御処理に移行する。
(リール制御処理)
S400のリール制御処理では、リールモータ14L〜14Rを駆動制御して、リール11L〜リール11Rを回転させて停止させる処理が行われる。リール制御処理では、ウェイトタイムが経過しているか否かを判定する。ウェイトタイムは、例えば4.1秒に定められており、前回遊技のリール制御処理においてリール11L〜11R各々の回転が開始されてから計測が開始される。
リール制御処理では、ウェイトタイムが経過していると判定されたときに、リール11L〜11Rの回転を開始させるリール回転処理が行われる。これにより、前回遊技においてリール11L〜11R各々の回転が開始されてから少なくとも4.1秒経過するまで今回遊技におけるリール11L〜11Rを回転開始させるタイミングを遅延させることができる。リール回転処理においては、リール11L〜11Rの回転が開始すると、リール回転開始コマンドを出力する。
リール制御処理では、リール11L〜11R各々の回転を開始させて一定速度に到達した後(例えば、リールモータ14L〜14Rの励磁パターンが一定速度となる励磁パターンとなった後)、リール11L〜11R各々の基準位置が位置センサ55L〜55R各々により検出されることにより停止操作可能な状態となり、ストップスイッチ21L〜21Rへの操作を有効に受け付ける状態(有効化)になる。
また、リール制御処理では、停止操作可能な状態においてストップスイッチを操作したときに、例えば当該ストップスイッチに対応するリールの入賞ラインNL上に位置する図柄から予め定められた引込み可能範囲内に配列されている図柄のいずれかを入賞ラインNLに引き込んで当該リールを停止させるリール停止処理を行う。引込み可能範囲は、4図柄先までの範囲であって、ストップスイッチが操作されたときに入賞ラインNL上にある図柄から4図柄先までに配列されている図柄を入賞ラインNL上に停止可能となる。
役抽選においていずれかの役に当選している場合は、当選している役を構成する図柄を引込み可能範囲内で入賞ライン上に引き込むことができるときに、当該図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させる。これに対して、いずれの役にも当選していない場合は、いずれの役にも入賞しないはずれ図柄組合せとなる図柄を入賞ライン上に引き込み停止させる。このため、ストップスイッチへの操作が行われたときに、当選している役を構成する図柄を引込み可能範囲内で入賞ラインNL上に引込み可能であれば当該図柄を引込んで入賞ラインNL上に停止させることができる一方、当選していない役の図柄組合せを入賞ラインNL上に停止させてしまうことがない。
なお、本実施形態は、上述の通り、「役抽選においていずれかの役に当選している場合は、当選している役を構成する図柄を引込み可能範囲内で入賞ライン上に引き込むことができる」ものである。ここで、役抽選は「当選役グループ」毎に行われるものであるため、前記「当選している役」は、詳しくは、当選した「当選役グループ」を構成するいずれかの役に相当するものとなる。
リール停止処理では、引込み可能範囲内の図柄を入賞ラインNL上に停止させることができるものの、引込み可能範囲外の図柄については入賞ラインNL上に停止させることができない。このため、リール11L〜11Rの図柄配列において、役を構成する図柄が引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する役については、役抽選において当選していても、操作タイミングが合わなければ入賞ラインNL上に当該役を構成する図柄を引き込むことができずに、当該役を取りこぼしてしまう場合(非入賞)が生じる。
「ボーナス役」を構成する図柄は、図3に示すとおり、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。例えば、「RBB1」を構成する図柄「R7」は、リール11L〜11Rに1つしか配列されていない。また、「RBB2」を構成する図柄についても、少なくとも1つのリールにおいて引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。このため、「ボーナス役」は、当選していてもストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングによっては入賞ラインにボーナス役を構成する図柄を引き込むことができない場合があり、取りこぼす可能性がある。よって、図7に示すように、「ボーナス役」のいずれかに当選しているときには、当選しているボーナス役を引込み可能範囲内で引込むリール制御を行うものの、いずれの役にも入賞しない場合が生じる。なお、「RBB1」「RBB2」については、当選した遊技において入賞させることができなかった場合、RBB内部当選状態に制御されて当該ボーナス役に入賞するまで当該ボーナス役の当選フラグを持ち越す処理が行われる。
「通常リプ」に含まれる「RPC」を構成する図柄「RP」は、図3に示すように、リール11L〜11Rのすべてにおいて引込み可能範囲内に配列されている。また、「昇格リプ」に含まれる「RTT1」〜「RTT9」各々を構成する図柄は、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在するが、「昇格リプ」当選時には「RTT1」〜「RTT9」のすべてに当選する。その結果、「昇格リプ」に当選したときには、ストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングにかかわらず、必ず「RTT1」〜「RTT9」のうちのいずれかを入賞させることができる。
小役のうち「1枚役」に含まれる「CH」を構成する図柄(「R7」「MD」)は、図3に示すとおり、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。このため、「1枚役」は、当選していてもストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングによっては入賞ラインに「CH」を構成する図柄を引き込むことができない場合があり、取りこぼす可能性がある。
また、リール停止処理では、複数種類の役に当選しているときには、当選している役の種類(役抽選の結果)およびストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングおよび押し順(操作態様)に応じて、優先して引き込む対象が予め定められている。
ここで、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選しているときのリール停止処理について説明する。「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選しているときには、第1停止されたリールの種類に応じて優先して引き込む対象が異なるように定められている。第1停止とは、すべてのリール11L〜11Rが回転しているときに最初にリールを停止させることをいう。また、第1停止されたリールは、第1停止リールともいう。また、第2停止とは、第1停止により一のリールが停止し残り2つのリールが回転しているときに停止させることをいい、第3停止とは、残り1つのリールが回転しているときに停止させることをいう。第1停止、第2停止、および第3停止のためのストップスイッチへの操作を、第1停止操作、第2停止操作、および第3停止操作ともいう。
例えば、「左正解ベル1」に当選しているときにおいて、図7に示すように、左第1停止(左のリール11Lを第1停止)したときには、「BEL」を他の役よりも優先して引き込むように定められている。「BEL」を構成する図柄「BE」は、引込み可能範囲内に配列されているために、「BEL」の取りこぼしが発生することはない。よって、「左正解ベル1」に当選しているときにおいて、左第1停止したときには、必ず「BEL」に入賞するようにリール制御が行われる。
一方、「左正解ベル1」に当選しているときにおいて、中あるいは右第1停止(中あるいは右のリール11Mあるいは11Rを第1停止)したときには、「BEL」よりも同時当選している「ATA1」または「ATA4」を優先して引き込むように定められている。「ATA1」および「ATA4」を構成する図柄「R7」「T1」および「T2」は、いずれも、図3に示されるようにリール11L〜11Rの図柄配列から引込み可能範囲内に配列されていない箇所が存在する。このため、ストップスイッチの操作タイミングによっては、入賞ラインに「ATA1」および「ATA4」を構成する図柄を引き込むことができず、「左正解ベル1」に当選してもいずれの役にも入賞させることができない場合が生じる。
また、「左正解ベル2」〜「左正解ベル4」当選時においても、左第1停止したときには必ず「BEL」を入賞させることができるものの、中あるいは右第1停止したときには「BEL」よりも同時当選している他の役が優先して引き込まれ、かつリール11L〜11Rの図柄配列が当該他の役を構成する図柄を引き込むことができない箇所が存在する図柄配列であるため、ストップスイッチの操作タイミングによってはいずれの役にも入賞させることができない場合が生じる。同様に、「中正解ベル1」〜「中正解ベル4」当選時においても、中第1停止したときには必ず「BEL」を入賞させることができる。しかし、左あるいは右第1停止したときには、「BEL」よりも同時当選している他の役が優先して引き込まれ、かつリール11L〜11Rの図柄配列が当該他の役を構成する図柄を引き込むことができない箇所が存在する図柄配列であるため、ストップスイッチの操作タイミングによってはいずれの役にも入賞させることができない場合が生じる。また、「右正解ベル1」〜「右正解ベル4」当選時においても、右第1停止したときには必ず「BEL」を入賞させることができるものの、左あるいは中第1停止したときには「BEL」よりも同時当選している他の役が優先して引き込まれ、かつリール11L〜11Rの図柄配列が当該他の役を構成する図柄を引き込むことができない箇所が存在する図柄配列であるため、ストップスイッチの操作タイミングによってはいずれの役にも入賞させることができない場合が生じる。なお、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のすべてに当選しているとき(例えば、「ボーナス状態」中など)には、ストップスイッチ21L〜21Rの操作態様にかかわらず、必ず「BEL」に入賞するようにリール制御が行われる。
「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選しているときにおいて「BEL」を入賞させる押し順は、正解手順ともいう。前述したAT中において「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選したときには、有利操作態様として正解手順を特定可能な情報が報知される。
「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選しているときにおいて、正解手順で操作できず、かつ「ATA1」〜「ATA12」のうちの当選している役のいずれも入賞させることができないタイミングで停止操作されたときには、「はずれ」図柄組合せのうち、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」に当選していないときには入賞ライン上に停止することがない特定の「はずれ」図柄組合せを入賞ライン上に引き込むリール制御が行われる。特定の「はずれ」図柄組合せは、「初期RT」あるいは「有利RT」において入賞ラインNL上に停止すると「通常RT」への移行を伴う。このため、特定の「はずれ」図柄組合せは、通常移行出目ともいう(図7参照)。
また、ボーナス役の当選が持ち越されている状態(RBB内部当選状態)において再遊技役や小役に当選したときにおけるリール停止処理では、ボーナス役よりも再遊技役や小役を優先して引き込むように定められている。
リール停止処理においては、リール11L〜11Rのいずれかが停止する毎に、停止したリール、および停止位置(例えば、中段に停止されている図柄の図柄番号等)などを特定可能なリール停止コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73は、停止したリール、および停止位置が特定可能となり、対応する演出を実行可能となる。リール11L〜11Rすべてが停止すると、S500の出目判定処理に移行する。
(出目判定処理)
S500の出目判定処理では、入賞ラインNL上の図柄組合せに基づいて、当該図柄組合せに対応する処理を実行する。例えば、小役が入賞したときには、図6の払出欄に記載のメダルを払い出すか、あるいはクレジット加算するための払出処理を実行する。払出処理では、メダル払出あるいはクレジット加算により遊技者に付与されたメダル枚数(0枚を含む)を特定可能な払出コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においても1遊技の結果として遊技者に付与されたメダル枚数を特定可能となる。また、再遊技役が入賞したときには、再遊技フラグを設定するための処理を実行する。出目判定処理では、入賞ラインNL上の図柄組合せ、入賞の有無、入賞した役の種類等を特定可能な遊技結果コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においては、入賞ラインNL上の図柄組合せに応じた演出を実行可能となる。また、出目判定処理では、遊技の結果に応じて、有利期間滞在比率、役物比率、および役物等状態比率等を更新してRAM65の所定領域に記憶する。出目判定処理が終了すると、S600の遊技状態設定処理に移行する。
(遊技状態設定処理)
S600の遊技状態設定処理では、役抽選あるいは遊技の結果等に基づいて、次回以降の遊技状態を特定可能な遊技状態フラグを設定する。遊技状態フラグは、RAM65の所定領域に記憶される。メインCPU61は、遊技状態フラグに基づいて、現在制御されている遊技状態を特定する。図8(a)には、遊技状態の遷移が示されている。
遊技状態設定処理は、「初期RT」または「有利RT」において通常移行出目が入賞ラインNL上に停止されたときに、「通常RT」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。また、遊技状態設定処理は、「通常RT」において昇格リプレイである「RTT1」〜「RTT9」に入賞したときに、「有利RT」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。
また、遊技状態設定処理は、「初期RT」「通常RT」および「有利RT」のいずれかにおいて「RBB」に当選した遊技において入賞しなかったときに、「RBB内部当選状態」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。また、遊技状態設定処理は、「RBB」に入賞したときに、「ボーナス状態」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。遊技状態設定処理は、「ボーナス状態」中における払出枚数を計数し、払出枚数が所定枚数を超えたときに「初期RT」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。また、スロットマシン1は、設定変更等により初期化されると「初期RT」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。遊技状態設定処理が終了すると、S700の有利期間設定処理に移行する。
ここで、図8(a)を参照して、遊技状態の遷移について説明する。以下では、まず、有利期間のうちのATに制御されないとき(以下、非ATともいう)の遊技状態の遷移について説明する。
スロットマシン1は、設定変更等により初期化されると遊技状態として初期RTに設定されて遊技が開始される。初期RTにおいては、「押し順ベル」が比較的高確率(1/5)で当選する一方、「押し順ベル」当選時において有利操作態様を報知するAT遊技が行われることがない。このため、比較的早いタイミングで押し順ベルを取りこぼして通常移行出目が停止されることになり、通常RTに制御されることになる。
通常RTでは、「昇格リプ」に当選して「昇格リプレイ」が入賞すると有利RTに制御される。しかし、有利RTに制御された後においも非AT中であるため、初期RT中と同様、「押し順ベル」が比較的高確率で当選する結果、比較的早いタイミングで通常移行出目が停止されて「通常RT」に制御されることになる。よって、非AT中においては、遊技の大半を通常RTにおいて行うことになる。
また、通常RT中等において「RBB」に当選したとしても、当該「RBB」を構成する図柄を入賞ラインNL上に引き込むことができるタイミングで停止操作しなければ入賞させることができない。その結果、「RBB」に当選した遊技において入賞させることができなかった場合、「RBB内部当選状態」に制御される。
「RBB」に入賞すると、「ボーナス状態」に制御される。RBB中においては、高確率で「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のすべてに当選する結果、操作態様にかかわらず「BEL」を入賞させることができるため、効率的にメダルを獲得できる。払出枚数が所定枚数を超えるとボーナス終了となり「初期RT」に制御される。
一方、有利期間のうちのATに制御されているときには、「通常RT」「有利RT」中において「押し順ベル」に当選したときに、「BEL」を入賞させるための有利操作態様が報知用表示器60および液晶表示器27により報知される。これにより、停止操作を誤らない限り、確実に「BEL」を入賞させることができる。その結果、メダルが9枚払い出される割合が高まる。また、通常移行出目を回避できるため、「有利RT」から「通常RT」に転落してしまうことも防止でき、「再遊技役」に当選・入賞する割合も高まった状態を保った有利な状態で遊技を行うことができる。なお、有利期間のうちのCZは、所定回数遊技が行われた後において「押し順ベル」当選時に有利操作態様を報知することにより終了する。
また、AT中に当選したRBBが終了した後においては、ATゲーム数が持ち越されるため再びAT中となり、有利操作態様が報知されて「有利RT」に制御される。AT中に当選したRBBが終了した後において「有利RT」に制御されるまでの「初期RT」および「通常RT」に制御される期間は、「有利RT」に制御されるまでの準備段階であるため、準備期間ともいう。なお、AT中に当選したRBBが終了した後に制御される「初期RT」中において「押し順ベル」に当選したときには、「通常RT」へ移行可能となるようにするため、「ベル」を入賞させるための有利操作態様が報知されることはない。
(有利期間設定処理)
S700の有利期間設定処理では、通常期間において有利期間移行条件が成立したことに基づいて有利期間に制御する。有利期間設定処理では、有利期間中における状態の遷移を制御するための処理を実行する。ここで、図8(b)を用いて、有利期間中における状態遷移の概要を説明する。
有利期間設定処理では、通常期間において有利期間移行条件が成立することに基づいて有利期間に制御する。有利期間移行条件は、例えば内部抽選において再遊技役および小役を含む当選役グループのうちのいずれかに当選することにより成立する。このため、遊技の大半は、有利期間において行われる。有利期間中においては、当該有利期間が開始されてからの賭数とメダル付与数とに基づく差数を累計した累計数が最低となる最下値を0として基点とし、該基点からの現在の累計数(いわゆるMY値)や遊技回数がカウントされる。
通常期間から有利期間に制御されたときには、図8(b)に示すように有利一般に制御される。有利一般中においては、CZ移行抽選において当選する確率(遊技者にとっての有利度合い)が異なる、低確・通常・高確等の複数種類のモードのうちのいずれかに制御されるようにしてもよく、例えば、通常期間から有利期間に制御されたときには、複数種類のモードのうち、CZ移行抽選において当選する確率が高いモードに制御されてもよい。このようにすることで、AT終了直後の通常期間から有利期間に制御されるときに、遊技者の期待感を持続させることができる。また、有利一般中におけるAT移行抽選の有利度合い(例えばAT当選する割合等)も、低確・通常・高確等のモードの種類に応じて異なるようにしてもよい。なお、CZ移行抽選やAT移行抽選の一方または両方はず一定となるように定められていてもよい。
また、通常期間から有利期間に制御されるときには、ATに制御するまでに要する天井遊技回数を設定する。ATは、天井遊技回数に到達することやAT当選することにより制御される状態である点において、役抽選においてボーナスに当選することにより制御可能となるRBB等とは異なる。天井遊技回数とは、ATに強制的に制御する回数である。有利期間が開始されてから消化した遊技回数が天井遊技回数に到達することにより、ATに制御される。天井遊技回数は、所定のゲーム数(例えば999回)に一律に定められているものであってもよく、また、通常期間から有利期間に制御されるときに複数のゲーム数(例えば、250回、500回、999回)のうちから抽選により決定されるものであってもよい。
有利一般中のCZ移行抽選において当選したときには、所定期間(例えば所定ゲーム数消化する期間等)に亘りCZに制御される。CZにおいてAT移行当選することなく所定期間が経過したときには、再び有利一般に制御される。
有利一般またはCZにおけるAT移行抽選において当選したときや天井遊技回数に到達したときには、ATに制御される。ATを開始するときには、有利期間報知ランプ80を点灯させる。
AT中は、ナビ対象役に当選したときに有利操作態様を報知するナビ演出が実行される。また、AT中においては、ATに制御可能とするATゲーム数を上乗せするか否か(上乗せ抽選)、1回のATの終了条件が成立(例えばATゲーム数を消化)した後に再度ATに制御するか否か(ATストック抽選)、1回のATの終了条件が成立した後にATストックがない場合に有利一般およびCZのいずれに制御するか(AT終了後状態抽選)などについて抽選する各種AT中抽選が行われる。各種AT中抽選は、例えば、内部抽選において所定の当選役グループ(例えば、1枚役、ボーナス1、ボーナス2など)に当選することにより行われる。また、ATストック抽選では、当選することにより、ATに制御可能な回数(ATストック回数)を1加算する。ATストック回数は、AT終了後においてATに繰返し制御可能となり、制御される毎に1ずつ減算される。なお、AT中における各種AT中抽選の有利度合い(当選確率等)は、一律に定められているものであってもよく、また、複数のモード(低確率モード、通常確率モード、高確率モードなど)のうち制御されているモードに応じた有利度合いとなるようにしてもよい。
各種AT中抽選のうち上乗せ抽選において、ATゲーム数が上乗せされたときには、当該ATの残りATゲーム数に加算される。また、制御中のATの終了条件が成立したときであって、ATストック回数が1以上であるときには、再度ATに制御される。また、制御中のATの終了条件が成立したときであって、ATストック回数が1以上ではないときには、AT終了後状態抽選の結果に応じて、有利一般およびCZのいずれかに制御される。有利期間中においてATに少なくとも1回制御された後、AT終了後において制御される有利一般およびCZ中のAT移行抽選において当選することなく、所定の終了条件が成立(例えば、予め定められたゲーム数を消化したときなど)したときには、通常期間に制御される。このとき、有利期間報知ランプ80を消灯させ、有利期間中に更新されていた差数や遊技回数等、有利期間に関するすべての情報がリセットされる。
また、有利期間は、有利期間中の遊技回数が上限遊技回数の1500に到達することにより第1の条件が成立するか、有利期間中の賭数とメダル付与数とに基づく差数を累計した累計数が最低となる最下値を0として基点とし、該基点からの現在の累計数上限累計数の2400に到達することにより第2の条件が成立することにより終了する。このような、第1の条件および第2の条件が成立するまでの残り遊技回数あるいは累計数が所定値未満となったときには、エンディングに制御される。具体的には、AT中において、有利期間中の遊技回数が1200に到達したときや、有利期間中の差数が2000に到達したときにエンディングに制御される。エンディング中においても、ナビ演出が実行されるように定められている。エンディングは、第1の条件または第2の条件が成立するまで継続し、第1の条件または第2の条件が成立することにより有利期間終了条件が成立したときに、通常期間に制御する。このときにも、有利期間報知ランプ80を消灯させ、有利期間中に更新されていた差数や遊技回数等、有利期間に関するすべての情報がリセットされる。
有利期間設定処理では、遊技状態設定処理および有利期間設定処理により設定された結果、次回以降の遊技がいずれの遊技状態であるのか、通常期間、有利期間のうちの有利一般、CZ、およびAT(残りATゲーム数カウンタの値を含む)のうちのいずれであるか、有利期間中において更新される各種情報(各種AT中抽選を行う条件の成立)などを特定可能な状態コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においては、次回以降の状態に応じた演出を実行可能となる。有利期間設定処理が終了すると、S100の賭数設定処理に移行して次回の遊技に備える。スロットマシン1は、1遊技毎にS100〜S700の処理を繰り返し実行する。また、メインCPU61は、スロットマシン1においてエラーが発生しているか否かを判定し、エラーが発生していると判定したときには当該エラーの種類を特定可能なエラーコマンドを出力する。
<演出制御処理>
サブCPU71は、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて、ROM77に記憶されている演出制御プログラムを実行し、遊技の進行に応じて演出実行の有無および種類を乱数抽選により決定する演出抽選を行い、その抽選結果に基づいてサブ制御基板73に接続された液晶表示器27、スピーカ31L、31R、および各種ランプ・LEDなどの演出手段を駆動制御するための演出制御処理を行う。演出実行手段は、サブCPU71により行われる演出制御処理に含まれる。演出制御処理により実行される演出例を以下に説明する。
(当選役グループに関する演出)
演出制御処理では、役抽選において当選した当選役グループの種別を特定可能な当選種別コマンドを受信したときには、当選役グループの種別に応じた演出を実行可能となる。演出制御処理は、当選種別コマンドを受信したことに基づいて、例えば、「押し順ベル」を特定可能な当選種別コマンドに基づいてベルと類似色の「黄色い風船」の画像を液晶表示器27に表示する演出を実行する。これにより、遊技者は当選した当選役グループを推測しながら遊技を進行させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、演出制御処理では、AT中に有利操作態様を特定可能な有利操作態様コマンドを受信したときには、当該コマンドから特定される有利操作態様を特定可能な画像を液晶表示器27に表示する演出を実行する。これにより、AT中において「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選したときに正解手順で停止操作を行って、確実に「BEL」を入賞させることが可能となる。また、「有利RT」かつAT中であるART中は、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選したときでも「BEL」を入賞させることができるため、通常移行出目が停止してしまい「通常RT」に転落してしまうことを確実に防止できる。なお、有利操作態様を特定可能な画像は、ナビ演出ともいう。
(各種条件に関連する演出)
前述したとおり、S300の有利期間関連処理においては、所定の有利期間移行条件、所定のCZ移行抽選条件、所定のAT移行抽選条件、各種AT中抽選条件、有利期間を終了させる条件各々を成立させ得る状況となったことを特定可能なコマンドがサブ制御基板73に出力される。
演出制御処理では、所定の条件が成立したときに示唆演出を実行可能である。所定の条件は、例えば、CZ移行抽選条件が成立すること、AT移行抽選条件が成立すること、各種AT中抽選条件が成立すること、ボーナスや1枚役に当選することなど、遊技者にとって有利な特典が付与される可能性が生じることにより成立する。特典は、例えば、内部抽選においてボーナスに当選すること、CZ移行抽選で当選すること、AT移行抽選で当選すること、ATゲーム数の上乗せ抽選で当選すること、ATストック抽選で当選することなど、遊技者にとっての有利度合いが向上するものであったり、遊技者に対して有利となる利益が付与されたりするものが相当する。また、内部抽選、CZ移行抽選、AT移行抽選、上乗せ抽選、および、ATストック抽選は、各々、特典を付与するか否かを決定する決定手段に相当する。
示唆演出は、特典が付与されるか否かを結末として報知可能な演出である。示唆演出としては、例えば示唆演出1〜3を含む複数種類の演出が設けられている。示唆演出1は、液晶表示器27等において、キャラクタを出現させて所定のメッセージを表示するキャラクタ演出であり、キャラクタやメッセージの種類が異なるように複数種類のパターンが設けられている。示唆演出1は、1回の遊技中において完結する単遊技演出である。示唆演出1に対応する複数種類のパターンには、演出の結末として、例えば、特典が付与されるか否かを報知する当落告知パターンと、特典が付与される可能性を示唆する当落示唆パターンとを含む。
示唆演出2は、液晶表示器27等において、決定スイッチ81aへの操作を促すための「PUSH」といったメッセージ画像や決定スイッチ81aを模した画像を表示するチャンスボタン演出である。チャンスボタン演出のパターンとしては、「PUSH」といったメッセージ画像が通常態様(例えば白抜き)で表示される通常パターンと、「PUSH」といったメッセージ画像が特別態様(例えば斜線入り)で表示される特別パターンとを含む。演出制御処理では、チャンスボタン演出中において決定スイッチ81aが操作されることにより操作対応演出を実行する。示唆演出2は、1回の遊技中において完結する単遊技演出である。操作対応演出には、例えば、特典が付与されるか否かを報知する当落告知パターンと、特典が付与される可能性を示唆する当落示唆パターンとを含む。
示唆演出3は、複数回(例えば3回〜4回)の遊技に亘って所定の演出(ストーリー性を有する内容の演出など)を進行させた後に、当該演出の結末を報知することにより特典が付与されているか否かを報知する連続演出である。演出の結末とは、所定の演出の流れにおける最終的な結論であって、ストーリー性を有する演出の場合には当該ストーリー展開における最終的な結果を意味する。
連続演出は、遊技の進行度合いに対応して実行する演出内容が予め定められている。遊技の進行度合いは、例えば、連続演出開始から何回目の遊技であるか、何回目の遊技のベットスイッチが操作あるいはメダル投入されたか、何回目の遊技のスタートスイッチやストップスイッチが操作されたかなどにより特定される。連続演出中は、遊技の進行度合いに応じて予め定められた演出に切り替えて実行される。
示唆演出1〜3は、各々、演出の内容や進行状況などが異なる複数のパターンが設けられている。示唆演出を実行するか否か、示唆演出1〜3のうちのいずれを実行するか、および、決定された示唆演出のうちのいずれのパターンを実行するかなどについては、特典が付与されるか否かに応じて決定される。
図9は、演出制御処理における抽選において参照する各種テーブルを説明するための図である。図9に示す各種テーブルは、各々、ROM77の所定領域に格納されている。図9(a)は、所定の条件が成立したときに示唆演出を実行するか否かとともに、示唆演出の種類を決定するための種類抽選において参照する種類抽選用テーブルを示している。種類抽選用テーブルは、特典が付与される(当選)か否かに応じて振分率が定められている。
例えば、特典が付与されるとき(当選時)には、5%の割合で「示唆演出なし(実行しない)」に決定され、残り95%のうち、15%の割合で「示唆演出1」に決定され、30%の割合で「示唆演出2」に決定され、50%の割合で「示唆演出3」に決定される。これに対し、特典が付与されないとき(非当選時)には、50%の割合で「示唆演出なし」に決定され、残り50%のうち、25%の割合で「示唆演出1」に決定され、15%の割合で「示唆演出2」に決定され、10%の割合で「示唆演出3」に決定される。
このため、示唆演出が実行されたときには、示唆演出が実行されないときよりも、特典が付与されることに対し遊技者が抱く期待感を高めることができる。また、特典が付与されることに対し遊技者が抱く期待感は、示唆演出3が最も大きく、次に示唆演出2となり、示唆演出1が最も低くなるように定められている。
示唆演出を実行すると決定されたときには、決定された示唆演出の種類に対応する複数のパターンのうちからいずれかのパターンに決定するための抽選が行われる。示唆演出1〜3各々に対応する複数のパターンには、当該示唆演出実行中において、特典が付与されることに対する期待感(実行されたときに実際に特典が付与される信頼度)を高めるための特定演出としての期待感演出が所定のタイミングで実行されるパターンを含む。このため、示唆演出のパターンを決定することにより、演出の内容や進行状況等のみならず、期待感演出の実行の有無や、期待感演出を実行する種類およびタイミングについても決定されることになる。
図9(b)および(c)は、種類抽選において示唆演出3(連続演出)を実行すると決定された場合に、連続演出のパターンを決定するためのパターン抽選において参照するパターン抽選用テーブルを示している。図9(b)は、特典が付与されるとき(当選時)に参照される当選時パターン抽選用テーブルを示しており、図9(c)は、特典が付与されていないとき(非当選時)に参照される非当選時パターン抽選用テーブルを示している。連続演出の当選時パターンとしては、当選時パターン1〜27が設けられており、連続演出の非当選時パターンとしては、非当選時パターン1〜27が設けられている。
当選時パターン1〜27および非当選時パターン1〜27は、各々、演出のタイトル・1ゲーム目(1遊技目)〜3ゲーム目(3遊技目)などの複数のゲーム各々において実行する演出の内容(期待感演出を含む)が定められている。連続演出においては、1ゲーム目および2ゲーム目において、キャラクタなどを動作表示・切替表示等することによって演出のストーリーを進行させることにより、特典が付与されることに対する期待感が煽られる。このため、連続演出中における1ゲーム目および2ゲーム目に対応する期間は、煽り期間(第1期間に相当)という。
また、連続演出における3ゲーム目以降においては、タメ期間(第2期間に相当)と、当落告知期間(第3期間に相当)とを含む。タメ期間は、3ゲーム目の開始とともに演出を所定の状態で留める(溜める)期間をいう。タメ期間は、所定時間(例えば、2秒)が経過するまで維持され、所定時間が経過することにより終了して当落告知期間に移行する。当落告知期間は、再びキャラクタなどを動作表示・切替表示等することによって演出のストーリーを進行させることにより、特典が付与されるか否かを示唆する当落告知が行われる。パターン数が同じ(例えば、当選時パターン1と非当選時パターン1)となる当選時パターンと非当選時パターンとは、煽り期間およびタメ期間において同じ内容の演出が実行され、当落告知期間において当選・非当選の結果に応じて異なる内容の演出が実行されるように定められている。連続演出のパターンには、当落告知期間が3ゲーム目において終了するパターンのみならず、4ゲーム目以降に継続するパターンも含まれる。
このように、連続演出中においては、煽り期間後に、タメ期間を経てから、当落告知期間に移行される。このため、煽り期間において遊技者の期待感を高めることにより遊技の興趣を向上させるとともに、タメ期間において当落告知に移ることを示唆し、間もなく当落が告知されることに対して心を整えさせた後に、当落告知に移ることができる。その結果、当落告知のタイミングがわかりやすくなり、当落告知に遊技者を注目させやすくすることができる。また、連続演出のパターンには、連続演出中に期待感演出が実行されないパターンと、連続演出中の所定のタイミングにおいて期待感演出が実行されるパターンとが設けられている。本実施形態におけるスロットマシン1においては、以下に説明するように、期待感演出が実行される割合が、煽り期間であるときよりもタメ期間であるときの方が低くなるようにパターン抽選が行われる。
図9(b)および図9(c)における“期待感演出”欄には、パターン毎に、期待感演出の有無、期待感演出の種類、および、実行タイミングなどが示されている。実行タイミングとしては、連続演出の1ゲーム目開始時(タイトル表示時)、2ゲーム目開始時、および、3ゲーム目開始時(タメ期間開始時)が定められている。ゲーム開始時とは、ベットスイッチ15などへの操作に応じて賭数が設定されたときや、再遊技役入賞により既に賭数が設定されているときにはスタートスイッチ19が操作されたときをいう。なお、ゲーム開始時は、前回遊技において再遊技役に入賞したか否かにかかわらず、賭数が設定されている状態でスタートスイッチ19が操作されたときであってもよい。本実施形態において期待感演出が実行されるタイミングとしては、対応するゲームの開始時に定められている。このため、連続演出中においては、ゲームの開始時における緊張感および期待感を高めることができる。なお、期待感演出が実行され得る実行タイミングは、これらに限るものではなく、例えば、第1停止操作時や、第3停止操作時などのタイミングであってもよい。
また、実行され得る期待感演出の種類としては、「チャンス」「超チャンス」「期待感演出a」〜「期待感演出d」が設けられているが、これらに限るものではない。“期待感演出”欄においては、パターン毎に、複数の実行タイミング各々において実行される期待感演出の種類が示されている。なお、“期待感演出”欄における「−」は、対応するタイミングで期待感演出が実行されないことを示している。
例えば、当選時パターン1は、1ゲーム目の開始に応じてタイトル・1ゲーム目用の演出(例えば、所定の態様でタイトルが表示された後に、1ゲーム目として定められている演出内容)を実行し、2ゲーム目の開始に応じて2ゲーム目用の演出(例えば、2ゲーム目として定められている演出内容)を実行し、3ゲーム目の開始に応じて3ゲーム目用の演出(例えば、3ゲーム目として定められている演出内容)を実行するように定められており、当該連続演出中において期待感演出が実行されないパターンである。これと同様に、非当選時パターン1も期待感演出が実行されないパターンである。
これに対して、当選時パターン2は、2ゲーム目において期待感演出aを含む演出内容が実行されるように定められているパターンである。また、当選時パターン3は、2ゲーム目において期待感演出bを含む演出内容が実行されるように定められているパターンである。これと同様に、当選時パターン8、9、および非当選時パターン2、3、8、9も、2ゲーム目において期待感演出が実行されるパターンである。
また、当選時パターン10は、1ゲーム目(タイトル)において「チャンス」の期待感演出を含む演出内容が実行されるように定められているパターンである。これと同様に、当選時パターン19、および非当選時パターン10、19も、1ゲーム目(タイトル)において期待感演出が実行されるパターンである。
また、当選時パターン11は、1ゲーム目(タイトル)において期待感演出として「チャンス」の期待感演出を含む演出内容が実行され、2ゲーム目においても期待感演出aを含む演出内容が実行されるように定められているパターンである。これと同様に、当選時パターン12、20、21、および非当選時パターン11、12、20、21も、1ゲーム目(タイトル)および2ゲーム目各々において期待感演出が実行されるように定められているパターンである。
また、当選時パターン4は、3ゲーム目のタメ期間において期待感演出cを含む演出内容が実行されるように定められているパターンである。これと同様に、当選時パターン7、13、16、22、25、および非当選時パターン4、7、13、16、22、25も、3ゲーム目のタメ期間において期待感演出が実行されるように定められているパターンである。
また、当選時パターンおよび非当選時パターン各々の5、6、8、9については、2ゲーム目において期待感演出が実行され、さらに、3ゲーム目のタメ期間においても期待感演出が実行されるように定められているパターンである。
さらに、当選時パターンおよび非当選時パターン各々の14、15、17、18、23、24、26、27については、1ゲーム目(タイトル)および2ゲーム目各々において期待感演出が実行され、さらに、3ゲーム目のタメ期間においても期待感演出が実行されるように定められているパターンである。
なお、図示していないが、当選時パターン1〜27には、当落告知期間が3ゲーム目終了後においても継続する比較的長い期間に定められているパターンを含む。より具体的に、当選時パターン1〜27は、3ゲーム目において特典が付与されない旨を報知する演出を実行した後、4ゲーム目が開始されたときに特典が付与される旨を報知する演出を実行するように当落告知期間が定められている敗者復活パターンを含む(例えば、当選時パターン3、当選時パターン7等)。
当選時パターン抽選用テーブルおよび非当選時パターン抽選用テーブルは、各々、パターンを決定するための振分率が、図9(d)に示す関係となるように定められている。図9(d)に示す“A”〜“X”は、図9(b)の“振分率”においてこれらのアルファベットが記載されている欄に対応する当選時パターンに決定する振分率を示しており、図9(d)に示す“ア”〜“ネ”は、図9(c)の“振分率”においてこれらのカタカナが記載されている欄に対応する非当選時パターンに決定する振分率を示している。例えば、“A”は、当選時パターン1に決定される振分率に対応し、“B”は、当選時パターン2または3に決定される振分率に対応し、“C”は、当選時パターン4に決定される振分率に対応し、“D”は、当選時パターン5または6に決定される振分率に対応し、“E”は、当選時パターン7に決定される振分率に対応し、“F”は、当選時パターン8または9に決定される振分率に対応し、“H”〜“M”、“O”〜“T”についても各々対応する当選時パターンに決定される振分率に対応しており、当選時パターン抽選用テーブルが参照されたときにはこれらの振分率に基づいていずれかの当選パターンに決定される。
“B”や“D”など複数のパターンのいずれかに決定される割合については、実際の当選時パターン抽選用テーブルには、パターン毎に振分率が定められており、図9(b)においては、それらの振分率を合算した合算振分率を“B”や“D”などのように一つのアルファベットを用いて示している。また、“G”“N”“U”“V”“W”“X”は、これらのアルファベットが示された欄に含まれる当選時パターンに決定される振分率を合算した合算振分率を一つのアルファベットを用いて示している。例えば、“G”は、“C”〜“F”を合算した合算振分率に対応し、“V”は、“A”〜“F”を合算した合算振分率に対応している。
また、非当選時パターン抽選用テーブルについても同様に、“ア”は、非当選時パターン1に決定される振分率に対応し、“イ”は、非当選時パターン2または3に決定される振分率に対応し、“ウ”は、非当選時パターン4に決定される振分率に対応し、“エ”は、非当選時パターン5または6に決定される振分率に対応し、“オ”は、非当選時パターン7に決定される振分率に対応し、“カ”は、非当選時パターン8または9に決定される振分率に対応し、“ク”〜“ス”、“ソ”〜“ト”についても各々対応する非当選時パターンに決定される振分率に対応しており、非当選時パターン抽選用テーブルが参照されたときにはこれらの振分率に基づいていずれかの非当選パターンに決定される。
“イ”や“エ”など複数のパターンのいずれかに決定される割合については、実際の非当選時パターン抽選用テーブルには、パターン毎に振分率が定められており、図9(c)においては、それらの振分率を合算した合算振分率を“イ”や“エ”などのように一つのカタカナを用いて示している。また、“キ”“セ”“ナ”“ニ”“ヌ”“ネ”は、これらのカタカナが示された欄に含まれる非当選時パターンに決定される振分率を合算した合算振分率を一つのカタカナを用いて示している。例えば、“セ”は、“コ”〜“ス”を合算した合算振分率に対応し、“ヌ”は、“ク”〜“ス”を合算した合算振分率に対応している。
このため、図9(d)に示すように、前提として、V+W+Xの合算振分率と、ニ+ヌ+ネの合算振分率とは、ともに100%となる。また、当選時パターン抽選用テーブルについては、V<W<Xとなるように定められていることに対し、非当選時パターン抽選用テーブルについては、ニ>ヌ>ネとなるように定められている。このため、パターン数が大きい値のパターンである程(例えば、パターン1〜9よりもパターン10〜27である程、パターン10〜18よりもパターン19〜27である程)、当選しており特典が付与されることに対する期待感を高めることができる。また、A<アとなるように定められている。これにより、連続演出中において期待感演出が実行される割合は、非当選時よりも当選時であるときの方が高くなる。その結果、連続演出中において期待感演出が実行されたときには、当選しており特典が付与されることに対する期待感を高めることができる。
また、図9(d)の丸付き数字の1に示すように、当選時パターン抽選用テーブルについては(B+D+F+W+X)>(G+N+U)となり、非当選時パターン抽選用テーブルについては(イ+エ+カ+ヌ+ネ)>(キ+セ+ナ)となるように定められている。つまり、タメ期間において期待感演出が実行される割合は、煽り期間において期待感演出が実行される割合よりも低くなるように定められている。また、図9(d)の丸付き数字の5に示すように、当選時パターン抽選用テーブルについては(B+D+F+I+K+M+P+R+T)>(G+N+U)となり、非当選時パターン抽選用テーブルについては(イ+エ+カ+ケ+サ+ス+タ+ツ+ト)>(キ+セ+ナ)となるように定められている。つまり、タメ期間において期待感演出が実行される割合は、煽り期間のうちタイトルを除く期間(例えば、2ゲーム目)において期待感演出が実行される割合よりも低くなるように定められている。これにより、期待感演出が実行される割合が煽り期間であるときよりもタメ期間であるときの方が高くなるものと比較して、タメ期間において遊技者の期待感を煽ってしまうことを低減しつつ、当落告知のタイミングがわかりやすくなり、当落告知に遊技者を注目させやすくすることができる。
また、図9(c)に示すように、非当選時パターン抽選用テーブルにおけるオ、カ、シ、ス、テ、トの振分率は「0%」となるように定められている。このため、非当選時においては、タメ期間において期待感演出dを実行するように定められているパターンに決定されることがない。なお、非当選時であっても、タメ期間において期待感演出cを実行するように定められているパターンについては決定され得る。これに対して、当選時パターン抽選用テーブルについては、タメ期間において期待感演出dを実行するように定められているパターンに決定可能であり、タメ期間において期待感演出cとの関係において、図9(d)の丸付き数字の2に示すように、(E+F)>(C+D)、(L+M)>(J+K)、(S+T)>(Q+R)となるように定められている。つまり、タメ期間において期待感演出が実行されるときには、非当選時にも実行され得る期待感演出cよりも高い割合で当選確定となる期待感演出dが実行されるように定められている。このため、タメ期間において期待感演出が実行されたときのプレミア感を向上させることができる。また、タメ期間において期待感演出が実行される場合には、特典を付与する旨が決定されていることが確定する割合を高めることにより、遊技者の期待感を過度に煽ってしまうことを抑制でき、遊技者に対して分かり易い演出を提供することができる。
また、タメ期間において期待感演出が実行される割合は、図9(d)の丸付き数字の3に示すように、(G+N+U)=(キ+セ+ナ)となるように定められており、当選・非当選にかかわらず同じ割合となる。一方、煽り期間において期待感演出が実行される割合は、図9(d)の丸付き数字の4に示すように、(B+D+F+W+X)>(イ+エ+カ+ヌ+ネ)となるように定められており、非当選時であるときよりも当選時であるときの方が高くなる。これにより、煽り期間における期待感演出に実行割合を非当選時よりも当選時であるときの方が高くなるように設定することにより、タメ期間における期待感演出の実行割合を当選時および非当選時で変化させないようにしても、期待感演出が実行されたときに当選していることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
図10は、連続演出の概要とともに、期待感演出の実行割合を説明するための図であり、図10(a)は、本実施形態における例を説明するための図である。図10の時間進行欄に示されるように時間は左から右に向けて進行している。また、図10の各種液晶表示欄には、時間の進行に応じて液晶表示器27に表示される連続演出中の表示画面が示され、演出内容欄には、各期間に応じた演出に関する説明が示されている。
連続演出は、パターン抽選で決定されているパターンに応じて、複数のゲーム各々に対応する演出内容が実行される。1ゲーム目および2ゲーム目における煽り期間においては、タイトルを表示した後に、所定の演出(ストーリー性を有する内容の演出など)が進行する。図10(a)では、1ゲーム目のタイトルとして、「競争に競り勝て!」といったメッセージが表示されている例と、タイトルの背景を縞模様で表示することによる「チャンス」の期待感演出が実行されている例とが示されている。パターン抽選においては、図9(b)および図9(c)で示したように、煽り期間において期待感演出が実行されるパターン(例えば、当選パターン2や非当選パターン10等)が所定割合で決定される。よって、煽り期間においては、期待感演出が所定割合で発生する。煽り期間においては、タイトル表示に続いて、所定の演出が進行する。図10(a)においては、ライバルのキャラクタ(上段に配置)と遊技者側のキャラクタ(下段に配置)とが競争している様子が示されている。
3ゲーム目が開始されると、タメ期間に移行する。タメ期間においては、煽り期間において進行された演出が所定の状態で留められる。図10(a)では、タメ期間において、ゴール目前においていずれのキャラクタが先にゴールするかといった状態で留められている例(上段の例)が示されている。また、パターン抽選において決定されるパターンには、図9(b)および(c)で示したように、タメ期間において期待感演出が実行されるパターン(例えば、当選パターン4や非当選パターン6等)が所定割合(煽り期間時)よりも低い割合で決定され得る。図10(a)では、タメ期間において、ゴール目前においていずれのキャラクタが先にゴールするかといった状態で留められるとともに、液晶表示器27の右上領域に別のキャラクタを表示することによる期待感演出が実行されている例(下段の例)が示されている。
タメ期間に移行されてから所定時間(例えば、2秒)が経過すると、当落告知期間に移行する。当落告知期間においては、煽り期間において進行されてきてタメ期間において留められていた演出が再び進行する。図10(a)では、当落告知期間において、非当選時パターンによる当落告知が実行されている例(上段の例)と、当選時パターンによる当落告知が実行されている例(下段の例)とが示されている。非当選時パターンによる当落告知においては、ライバルのキャラクタが先にゴールして、遊技者側のキャラクタが敗北した様子が示された後、通常画面に移行する。一方、当選時パターンによる当落告知においては、遊技者側のキャラクタが先にゴールして、遊技者側のキャラクタが勝利した様子が示された後に、特典が付与される旨の確定画面(例えばボーナス当選)に移行する。
次に、連続演出の演出内容をより詳細に説明する。図11は、連続演出における表示例を説明するための図である。図11では、煽り期間の1ゲーム目のタイトル表示時および2ゲーム目開始時において期待感演出が実行され、タメ期間において期待感演出が実行されないパターンによる連続演出の表示例を説明する。なお、連続演出を含む各種演出については、液晶表示器27の表示例を主に説明するが、当該液晶表示器27における表示に対応する態様で各種ランプが制御されるとともに、所定の効果音やBGMがスピーカ31L、31Rから出力されているものとする。
連続演出は、1ゲーム目の開始タイミング(賭数設定時かリプレイ入賞後であるときにはスタートスイッチ19が操作されたとき)に開始される。1ゲーム目においては、図11(a)〜図11(c)に示す演出が開始される。連続演出が開始されると、図11(a)に示すように、タイトルとして液晶表示器27に「競争で競り勝て!」といったメッセージが表示される。なお、図11(a)では、タイトルの背景を縞模様で表示することによる「チャンス」の期待感演出が実行されている。
タイトルに続いて、図11(b)に示すように、ライバルのキャラクタ(上段に配置)と遊技者側のキャラクタ(下段に配置)とがトラックのスタートラインに位置している様子が表示されるとともに、「競争でコガエル君に勝て!」といったメッセージが表示される。所定時間経過したときに、図11(c)に示すように「スタート」といったメッセージが表示される。図11(a)〜図11(c)に示す演出は、1ゲーム目における第3停止操作が行われた後、2ゲーム目の開始タイミングまで行われる。
連続演出の演出内容は、2ゲーム目の開始タイミングにおいて、図11(d)〜図11(h)に示す演出に切り替えられる。2ゲーム目においては、図11(d)〜(f)に示すように、ライバルおよび遊技者側各々のキャラクタがともに競い合いながら右側へジャンプする様子が表示された後、図11(g)に示すように、ゴールが表示されるとともに「もう少しでゴールだ!」といったメッセージが表示され、図11(h)に示すように、ライバルおよび遊技者側各々のキャラクタがゴール目前に迫っている様子が表示される。図11(e)〜図11(h)に示す演出は、2ゲーム目における第3停止操作が行われた後、3ゲーム目の開始タイミングまで行われる。図11(a)〜図11(h)までの期間は、煽り期間に相当する。なお、2ゲーム目の開始タイミング直後(開始から予め定められた時間が経過したとき)における図11(e)では、液晶表示器27の右上領域に「CHANCE」といったメッセージを表示することによる期待感演出が実行されている。期待感演出の態様としては、図10(a)のタメ期間における演出態様や、図11(a)で示した演出態様、図11(e)で示した演出態様を例示するが、これに限らず、例えば、カットイン演出や、連続演出中に出現するキャラクタの態様を期待感演出不実行時とは異なる特別態様とする演出、特別なキャラクタを出現させる演出など、どのような態様であってもよい。
3ゲーム目の開始タイミングにおいては、タメ期間に移行されて、図11(i)に示すように、ライバルおよび遊技者側各々のキャラクタがゴール目前に迫っており、いずれのキャラクタが先にゴールするかといった状態であって、なおかつこれらのキャラクタの注目度合いを向上させるような線画像(いわゆる集中線)が表示された状態で留める演出が実行される。このように、本実施形態のおけるタメ期間においては、煽り期間中における演出からの続きである点において、煽り期間中における演出と関連性を有する演出を所定の状態で留められる。線画像(集中線)が表示された状態が表示されてから所定時間が経過することにより、当落告知期間に移行される。当落告知期間においては、パターンの種類に応じた当落告知が行われる。
特典が付与される当選時であって、3ゲーム目における当落告知において当選が報知されるパターンの連続演出が実行されているときには、図11(j)〜図11(l)に示す演出が実行される。図11(j)においては、タメ期間中における演出からの続きとして、遊技者側のキャラクタがライバルのキャラクタよりも先にゴールする様子が表示される。図11(j)の演出は、当選示唆演出である。図11(j)の当選示唆演出を実行した後においては、図11(k)に示すように、遊技者側のキャラクタ(右側に配置)が喜んでいるのに対してライバルのキャラクタ(左側に配置)が後ろ向きに座っている様子が表示されるとともに、「やったね!」といったメッセージが表示される。図11(l)では、液晶表示器27の中央領域において遊技者側のキャラクタと別のキャラクタ(期待感演出として出現し得るキャラクタでもある)とが並んで表示されるとともに「やったね!!」といったメッセージが表示されるとともに、遊技者側のキャラクタの上方に「祝」といったメッセージが大きく表示される。図11(l)は、連続演出において当選時の結末に相当する演出である。図11(l)に示す演出が実行された後においては、次のゲーム開始時において図10(a)で示した確定画面に移行する。
特典が付与されない非当選時であって、3ゲーム目における当落告知において非当選が報知されるパターンの連続演出が実行されているときには、図11(m)および図11(n)に示す演出が実行される。図11(m)においては、タメ期間中における演出からの続きとして、ライバルのキャラクタが遊技者側のキャラクタよりも先にゴールする様子が表示される。このように、当選時であるか非当選時であるかにかかわらず、タメ期間においては、その後に移行する当落告知期間に橋渡しをする演出である点において、当落告知期間中における演出と関連性を有する演出を所定の状態で留める期間であるともいえる。また、当選時の結末内容にも非当選時の結末内容にも連なることができる演出内容である点で、タメ期間において所定の状態で留められている演出は、当落告知期間中における演出と関連性を有する演出であるともいえる。その後、図11(n)では、ライバルのキャラクタ(右側に配置)が喜んでいるのに対して遊技者側のキャラクタ(左側に配置)が後ろ向きに座っている様子が表示されるとともに、遊技者側のキャラクタの上方に「残念…」といったメッセージが大きく表示される。図11(n)により、非当選に対応する結末を報知する演出が行われる。図11(n)に示す演出が実行された後においては、次のゲーム開始時において通常時の画面に移行する。
次に、特典が付与される当選時であるが、3ゲーム目において非当選が一旦報知された後、4ゲーム目において当選が報知される敗者復活パターンの連続演出が実行されているときには、3ゲーム目において前述した図11(m)および図11(n)と同様の演出が行われる。次の4ゲーム目の開始タイミングにおいては、図11(o)に示すように、液晶表示器27の中央領域において「まだ終わっていない!」といったメッセージが網掛けして強調表示される。図11(o)は、特典が付与されるときにのみ実行される演出であって、当選を示唆する当選示唆演出である。また、このように敗者復活パターンの連続演出が実行されるときにおいては、4ゲーム目に実行される演出も当落告知期間に含まれるといえる。
図11(o)に続いて、図11(p)に示すように、液晶表示器27の上部領域において「ピン・ポン・パン・ポーン」といったメッセージが表示された後、図11(q)に示すように、「コガエル君の進路妨害が認められたため、コガエル君失格。カエル君の繰り上げ勝利です。」といったメッセージが表示されるとともに、ライバルキャラクタが動揺する様子が表示される。その後は、図11(k)以降の演出と同様の演出が実行される。このような敗者復活パターンは、4ゲーム目の開始タイミングから開始されると、その後の遊技の進行(スタートスイッチ19やストップスイッチ21L〜21Rへの操作等)にかかわらず、予め定められた実行時間に亘って実行される。
<実施形態1のスロットマシン1により奏される効果の例>
上記実施形態におけるスロットマシン1においては、内部抽選や、CZ移行抽選、AT移行抽選、上乗せ抽選、ATストック抽選などを行い、当該抽選結果に応じて、ボーナスに当選すること、CZ移行抽選で当選すること、AT移行抽選で当選すること、ATゲーム数の上乗せ抽選で当選すること、ATストック抽選で当選することなどの特典が付与される。また、図9(a)で示すように、演出の結末として特典が付与されるか否かを示唆する複数種類の示唆演出のうちから、種類抽選の結果に応じていずれかの示唆演出が実行可能であり、示唆演出中においてはさらに期待感演出も実行され得る。
このような複数種類の示唆演出のうちの示唆演出3である連続演出は、図10(a)で示したように、演出を進行させて特典を付与する可能性を示唆する煽り期間と、煽り期間経過後において演出を所定の状態で留めるタメ期間と、タメ期間経過後において演出を進行させて特典を付与するか否かを示唆する当落告知期間とを含む。また、図9(b)〜(d)で示したように、連続演出中において期待感演出が実行される割合は、煽り期間中であるときよりもタメ期間中であるときの方が低くなるように定められている((B+D+F+W+X)>(G+N+U)、(イ+エ+カ+ヌ+ネ)>(キ+セ+ナ))。このため、タメ期間において遊技者を混乱させてしまうことを低減できるとともに、その後に当落告知期間に移行することがわかりやすくなり、当落告知期間における特典が付与されるか否かの示唆に遊技者を注目させやすくすることができる。
また、図9で示したように、連続演出中のタメ期間において実行され得る期待感演出には、当選時のみ実行可能な期待感演出dと、当選時のみならず非当選時においても実行可能な期待感演出cとが含まれる。タメ期間中において期待感演出が実行されるときには、期待感演出cよりも高い割合で期待感演出dが実行される((E+F)>(C+D)、(L+M)>(J+K)、(S+T)>(Q+R))。このため、タメ期間において期待感演出が実行されたときにおける遊技者にとってのプレミア感を向上させることができる。また、タメ期間において期待感演出が実行される場合には、特典を付与する旨が決定されていることが確定する割合を高めることにより、遊技者の期待感を過度に煽ってしまうことを抑制でき、遊技者に対して分かり易い演出を提供することができる。
また、タメ期間は、煽り期間における演出と関連性を有する演出を所定の状態で留めた後に、当該所定の状態で留めた演出と関連性を有する演出を実行する当落告知期間に移行させることができる。このため、演出を所定の状態で留めるタメ期間において違和感を生じさせることを極力防止しつつ、煽り期間から当落告知期間へのスムーズな演出展開を提供することができる。
また、図9で示したように、期待感演出が実行される割合は、タメ期間中においては特典を付与する旨が決定されているか否かにかかわらず同じである((G+N+U)=(キ+セ+ナ))一方、煽り期間中においては特典を付与する旨が決定されていないときよりも特典を付与する旨が決定されているときの方が高い((B+D+F+W+X)>(イ+エ+カ+ヌ+ネ))。これにより、特典を付与する旨が決定されているときであってもタメ期間中において期待感演出が実行される割合を高めることなく、連続演出中(煽り期間中)において期待感演出が実行されることにより特典を付与する旨が決定されていることに対する期待感を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、期待感演出の実行割合は、煽り期間において特典の付与が決定されているか否かに応じて変動することにより、タメ期間および当落告知期間よりも前の煽り期間においても遊技者の参加意欲を向上させることができる。
また、特典が付与される当選時のパターンには、当落告知期間において、演出を進行させて特典を付与しない旨を示唆することなく特典を付与する旨を示唆するパターンと、演出を進行させて特典を付与しない旨を一旦示唆した後においてさらに演出を進行させて特典を付与する旨を示唆するパターン(図11(o)〜図11(q)参照)とを含む。このため、当落告知期間において特典を付与しない旨が示唆された後においても、特典を付与する旨が示唆されることに対する期待感を4ゲーム目の開始タイミングまで持続させることができる。
また、タメ期間は、3ゲーム目において、賭数を設定するための操作(ベットスイッチ15への操作やメダル投入操作等)か、リプレイ入賞により賭数が自動設定されているときにはスタートスイッチ19への操作を受付けることにより開始される。このため、連続演出中においてタメ期間を開始する契機となる操作を行うときに緊張感を抱かせるとともに、遊技者のタイミングでタメ期間を開始させることができる。その結果、連続演出中における遊技者の関与度合いを向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、賭数を設定するための操作あるいはスタートスイッチ19への操作を契機にタメ期間が開始されることにより、当該タメ期間がキャンセルされることを防ぎ、演出展開が分かり難くなってしまうことを未然に防ぐことができる。
[実施形態2]
上記の実施形態1では、CZ移行抽選条件が成立すること、AT移行抽選条件が成立すること、各種AT中抽選条件が成立すること、ボーナスや1枚役に当選することなど、付与され得る特典の種類(種別)にかかわらず共通の示唆演出が実行され得る例について説明した。しかし、示唆演出は、付与され得る特典の種類に応じて異なるようにしてもよい。例えば、示唆演出の種類として、CZ当選しているか否かを示唆する示唆演出や、AT当選しているか否かを示唆する示唆演出、上乗せ当選しているか否かを示唆する示唆演出、ボーナス当選しているか否かを示唆する示唆演出などが設けられているものであってもよい。その一例として、実施形態2においては、示唆演出のうちの連続演出として、CZ当選しているか否かを示唆する示唆演出4と、CZよりも遊技者にとって有利度合いが高いAT当選しているか否かを示唆する示唆演出5とが設けられている例について説明する。なお、実施形態2においても、示唆演出としては、連続演出のみならず、実施形態1において示した示唆演出1や2などの他の演出が設けられている。なお、示唆演出1や示唆演出2に対応する示唆演出としても、CZ当選しているか否かを示唆する示唆演出1’や示唆演出2’が設けられており、AT当選しているか否かを示唆する示唆演出1”や示唆演出2”が設けられているものであってもよい。以下の実施形態2においては、実施形態1のスロットマシンと異なる構成等について説明する。
実施形態2における演出制御処理では、図9(a)と同様に、特典が付与されるか否かに応じて、示唆演出を実行するか否か、当該特典に対応する示唆演出のうちのいずれを実行するか、および、決定された示唆演出のうちのいずれのパターンを実行するかなどについて決定される。例えば、CZ移行抽選条件が成立したときには、CZ当選しているか否かに応じた振分率にしたがって、示唆演出1’、示唆演出2’、示唆演出4、実行しないのうちからいずれかに決定する。また、AT移行抽選条件が成立したときには、AT当選しているか否かに応じた振分率にしたがって、示唆演出1”、示唆演出2”、示唆演出5、実行しないのうちからいずれかに決定する。実施形態2においても、示唆演出が実行されたときには、示唆演出が実行されないときよりも、対応する特典が付与されることに対し遊技者が抱く期待感を高めることができる。また、特典が付与されることに対し遊技者が抱く期待感は、連続演出となる示唆演出4、5が最も大きく、次に示唆演出2’、2”となり、示唆演出1’、1”が最も低くなるように定められている。
示唆演出を実行すると決定されたときには、決定された示唆演出の種類に対応する複数のパターンのうちからいずれかのパターンに決定するための抽選が行われる。実施形態2においても、示唆演出各々に対応する複数のパターンには、当該示唆演出実行中において、対応する特典が付与されることに対する期待感(実行されたときに実際に特典が付与される信頼度)を高めるための特定演出としての期待感演出が所定のタイミングで実行されるパターンを含む。このため、示唆演出のパターンを決定することにより、演出の内容や進行状況等のみならず、期待感演出の実行の有無や、期待感演出を実行する種類およびタイミングについても決定されることになる。
図12(a)および(b)は、CZ移行抽選条件の成立に伴う種類抽選において示唆演出4(連続演出)を実行すると決定された場合に、示唆演出4のパターンを決定するためのパターン抽選において参照するパターン抽選用テーブルを示している。図12(a)は、CZの特典が付与されるとき(CZ当選時)に参照される当選時パターン抽選用テーブルを示しており、図12(b)は、CZの特典が付与されないとき(CZ非当選時)に参照される非当選時パターン抽選用テーブルを示している。示唆演出4の当選時パターンとしては、当選時パターン1〜27が設けられており、示唆演出4の非当選時パターンとしては、非当選時パターン1〜27が設けられている。
当選時パターン1〜27および非当選時パターン1〜27は、各々、演出のタイトル・1ゲーム目(1遊技目)〜3ゲーム目(3遊技目)などの複数のゲーム各々において実行する演出の内容(期待感演出を含む)が定められている。示唆演出4中における1ゲーム目および2ゲーム目に対応する期間は、煽り期間(第1期間)に相当する。示唆演出4における3ゲーム目以降においては、タメ期間(第2期間に相当)と、当落告知期間(第3期間に相当)とを含む。また、示唆演出4のパターンには、示唆演出4中に期待感演出が実行されないパターンと、示唆演出4中の所定のタイミングにおいて期待感演出が実行されるパターンとが設けられている。実施形態2における示唆演出4についても、期待感演出が実行される割合が、煽り期間であるときよりもタメ期間であるときの方が低くなるようにパターン抽選が行われる。
図12(a)および図12(b)における“期待感演出”欄には、パターン毎に、期待感演出の有無、期待感演出の種類、および、実行タイミングなどが示されている。実行タイミングとしては、示唆演出4の1ゲーム目開始時(タイトル表示時)、2ゲーム目開始時、および、3ゲーム目開始時(タメ期間開始時)が定められている。示唆演出4において期待感演出が実行されるタイミングとしては、対応するゲームの開始時に定められている。このため、示唆演出4中においては、ゲームの開始時における緊張感および期待感を高めることができる。なお、期待感演出が実行され得る実行タイミングは、これらに限るものではなく、例えば、第1停止操作時や、第3停止操作時などのタイミングであってもよい。
また、実行され得る期待感演出の種類としては、「チャンス」「超チャンス」「期待感演出1」〜「期待感演出4」が設けられているが、これらに限るものではない。“期待感演出”欄においては、パターン毎に、複数の実行タイミング各々において実行される期待感演出の種類が示されている。
例えば、当選時パターン1は、1ゲーム目の開始に応じてタイトル・1ゲーム目用の演出(例えば、所定の態様でタイトルが表示された後に、1ゲーム目として定められている演出内容)を実行し、2ゲーム目の開始に応じて2ゲーム目用の演出(例えば、2ゲーム目として定められている演出内容)を実行し、3ゲーム目の開始に応じて3ゲーム目用の演出(例えば、3ゲーム目として定められている演出内容)を実行するように定められており、当該示唆演出4中において期待感演出が実行されないパターンである。これと同様に、非当選時パターン1も期待感演出が実行されないパターンである。
これに対して、当選時パターン2は、2ゲーム目において期待感演出1を含む演出内容が実行されるように定められているパターンである。また、当選時パターン3は、2ゲーム目において期待感演出2を含む演出内容が実行されるように定められているパターンである。これと同様に、当選時パターン5、6、8、9、および非当選時パターン2、3、5、6、8、9も、2ゲーム目において期待感演出が実行されるパターンである。
また、当選時パターン10は、1ゲーム目(タイトル)において「チャンス」の期待感演出を含む演出内容が実行されるように定められているパターンである。これと同様に、当選時パターン19、および非当選時パターン10、19も、1ゲーム目(タイトル)において期待感演出が実行されるパターンである。
また、当選時パターン11は、1ゲーム目(タイトル)において期待感演出として「チャンス」の期待感演出を含む演出内容が実行され、2ゲーム目においても期待感演出1を含む演出内容が実行されるように定められているパターンである。これと同様に、当選時パターン12、20、21、および非当選時パターン11、12、20、21も、1ゲーム目(タイトル)および2ゲーム目各々において期待感演出が実行されるように定められているパターンである。
また、当選時パターン4は、3ゲーム目のタメ期間において期待感演出3を含む演出内容が実行されるように定められているパターンである。これと同様に、当選時パターン7、13、16、22、25、および非当選時パターン4、7、13、16、22、25も、3ゲーム目のタメ期間において期待感演出が実行されるように定められているパターンである。
また、当選時パターンおよび非当選時パターン各々の5、6、8、9については、2ゲーム目において期待感演出が実行され、さらに、3ゲーム目のタメ期間においても期待感演出が実行されるように定められているパターンである。
さらに、当選時パターンおよび非当選時パターン各々の14、15、17、18、23、24、26、27については、1ゲーム目(タイトル)および2ゲーム目各々において期待感演出が実行され、さらに、3ゲーム目のタメ期間においても期待感演出が実行されるように定められているパターンである。
当選時パターン抽選用テーブルおよび非当選時パターン抽選用テーブルは、各々、パターンを決定するための振分率が、図12(c)に示す関係となるように定められている。図12(c)に示す“A”〜“X”は、図12(a)の“振分率”においてこれらのアルファベットが記載されている欄に対応する当選時パターンに決定する振分率を示しており、図12(c)に示す“ア”〜“ネ”は、図12(b)の“振分率”においてこれらのカタカナが記載されている欄に対応する非当選時パターンに決定する振分率を示している。例えば、“A”は、当選時パターン1に決定される振分率に対応し、“B”は、当選時パターン2または3に決定される振分率に対応し、“C”は、当選時パターン4に決定される振分率に対応し、“D”は、当選時パターン5または6に決定される振分率に対応し、“E”は、当選時パターン7に決定される振分率に対応し、“F”は、当選時パターン8または9に決定される振分率に対応し、“H”〜“M”、“O”〜“T”についても各々対応する当選時パターンに決定される振分率に対応しており、当選時パターン抽選用テーブルが参照されたときにはこれらの振分率に基づいていずれかの当選パターンに決定される。
“B”や“D”など複数のパターンのいずれかに決定される割合については、実際の当選時パターン抽選用テーブルには、パターン毎に振分率が定められており、図12(a)においては、それらの振分率を合算した合算振分率を“B”や“D”などのように一つのアルファベットを用いて示している。また、“G”“N”“U”“V”“W”“X”は、これらのアルファベットが示された欄に含まれる当選時パターンに決定される振分率を合算した合算振分率を一つのアルファベットを用いて示している。例えば、“G”は、“C”〜“F”を合算した合算振分率に対応し、“V”は、“A”〜“F”を合算した合算振分率に対応している。
また、非当選時パターン抽選用テーブルについても同様に、“ア”は、非当選時パターン1に決定される振分率に対応し、“イ”は、非当選時パターン2または3に決定される振分率に対応し、“ウ”は、非当選時パターン4に決定される振分率に対応し、“エ”は、非当選時パターン5または6に決定される振分率に対応し、“オ”は、非当選時パターン7に決定される振分率に対応し、“カ”は、非当選時パターン8または9に決定される振分率に対応し、“ク”〜“ス”、“ソ”〜“ト”についても各々対応する非当選時パターンに決定される振分率に対応しており、非当選時パターン抽選用テーブルが参照されたときにはこれらの振分率に基づいていずれかの非当選パターンに決定される。
“イ”や“エ”など複数のパターンのいずれかに決定される割合については、実際の非当選時パターン抽選用テーブルには、パターン毎に振分率が定められており、図12(b)においては、それらの振分率を合算した合算振分率を“イ”や“エ”などのように一つのカタカナを用いて示している。また、“キ”“セ”“ナ”“ニ”“ヌ”“ネ”は、これらのカタカナが示された欄に含まれる非当選時パターンに決定される振分率を合算した合算振分率を一つのカタカナを用いて示している。例えば、“セ”は、“コ”〜“ス”を合算した合算振分率に対応し、“ヌ”は、“ク”〜“ス”を合算した合算振分率に対応している。
このため、図12(c)に示すように、前提として、V+W+Xの合算振分率と、ニ+ヌ+ネの合算振分率とは、ともに100%となる。また、当選時パターン抽選用テーブルについては、V<W<Xとなるように定められていることに対し、非当選時パターン抽選用テーブルについては、ニ>ヌ>ネとなるように定められている。このため、パターン数が大きい値のパターンである程(例えば、パターン1〜9よりもパターン10〜27である程、パターン10〜18よりもパターン19〜27である程)、当選しており特典が付与されることに対する期待感を高めることができる。また、A<アとなるように定められている。これにより、示唆演出4中において期待感演出が実行される割合は、非当選時よりも当選時であるときの方が高くなる。その結果、示唆演出4中において期待感演出が実行されたときには、CZ当選しておりCZが付与されることに対する期待感を高めることができる。
また、図12(c)の丸付き数字の1に示すように、当選時パターン抽選用テーブルについては(B+D+F+W+X)>(G+N+U)となり、非当選時パターン抽選用テーブルについては(イ+エ+カ+ヌ+ネ)>(キ+セ+ナ)となるように定められている。つまり、タメ期間において期待感演出が実行される割合は、煽り期間において期待感演出が実行される割合よりも低くなるように定められている。また、図12(c)の丸付き数字の5に示すように、当選時パターン抽選用テーブルについては(B+D+F+I+K+M+P+R+T)>(G+N+U)となり、非当選時パターン抽選用テーブルについては(イ+エ+カ+ケ+サ+ス+タ+ツ+ト)>(キ+セ+ナ)となるように定められている。つまり、タメ期間において期待感演出が実行される割合は、煽り期間のうちタイトルを除く期間(例えば、2ゲーム目)において期待感演出が実行される割合よりも低くなるように定められている。これにより、期待感演出が実行される割合が煽り期間であるときよりもタメ期間であるときの方が高くなるものと比較して、タメ期間において遊技者の期待感を煽ってしまうことを低減しつつ、当落告知のタイミングがわかりやすくなり、当落告知に遊技者を注目させやすくすることができる。
また、図12(b)に示すように、非当選時パターン抽選用テーブルにおけるオ、カ、シ、ス、テ、トの振分率は「0%」となるように定められている。このため、非当選時においては、タメ期間において期待感演出4を実行するように定められているパターンに決定されることがない。なお、非当選時であっても、タメ期間において期待感演出3を実行するように定められているパターンについては決定され得る。これに対して、当選時パターン抽選用テーブルについては、タメ期間において期待感演出4を実行するように定められているパターンに決定可能であり、タメ期間において期待感演出3との関係において、図12(c)の丸付き数字の2に示すように、(E+F)>(C+D)、(L+M)>(J+K)、(S+T)>(Q+R)となるように定められている。つまり、タメ期間において期待感演出が実行されるときには、非当選時にも実行され得る期待感演出3よりも高い割合で当選確定となる期待感演出4が実行されるように定められている。このため、タメ期間において期待感演出が実行されたときのプレミア感を向上させることができる。また、タメ期間において期待感演出が実行される場合には、CZの特典を付与する旨が決定されていることが確定する割合を高めることにより、遊技者の期待感を過度に煽ってしまうことを抑制でき、遊技者に対して分かり易い演出を提供することができる。
また、タメ期間において期待感演出が実行される割合は、図12(c)の丸付き数字の3に示すように、(G+N+U)=(キ+セ+ナ)となるように定められており、当選・非当選にかかわらず同じ割合となる。一方、煽り期間において期待感演出が実行される割合は、図12(c)の丸付き数字の4に示すように、(B+D+F+W+X)>(イ+エ+カ+ヌ+ネ)となるように定められており、非当選時であるときよりも当選時であるときの方が高くなる。これにより、煽り期間における期待感演出の実行割合を非当選時よりも当選時であるときの方が高くなるように設定することにより、タメ期間における期待感演出の実行割合を当選時および非当選時で変化させないようにしても、期待感演出が実行されたときにCZ当選していることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
次に、示唆演出4の演出内容を説明する。図13は、示唆演出4における表示例を説明するための図である。図13では、煽り期間の1ゲーム目のタイトル表示時および2ゲーム目開始時において期待感演出が実行されず、タメ期間において期待感演出が実行されないパターン(例えば、当選時パターン1、非当選時パターン1)、期待感演出3が実行されるパターン(例えば、当選時パターン4、非当選時パターン4)、期待感演出4が実行されるパターン(例えば、当選時パターン7)各々による示唆演出4の表示例を説明する。なお、示唆演出4については、液晶表示器27の表示例を主に説明するが、当該液晶表示器27における表示に対応する態様で各種ランプが制御されるとともに、所定の効果音やBGMがスピーカ31L、31Rから出力されているものとする。
示唆演出4は、1ゲーム目の開始タイミングに開始される。開始タイミングとは、賭数設定時かリプレイ入賞後であるときにはスタートスイッチ19が操作されたときを例示するが、これに限らず、例えば、一律にスタートスイッチ19が操作されたときであってもよい。1ゲーム目においては、示唆演出4の表題が表示される。図13(a)に示すように、液晶表示器27の上部領域に達成条件として「あの子を見つけ出せ!」といったメッセージが表示されるとともに、その下方においてキャラクタAがキョロキョロと「あの子」を捜している様子が表示される。これにより、あの子を見つけ出すことができるか否かにかかわるストーリー展開を有する演出が実行されることを遊技者に報知することができる。また、達成条件の下方には、開始される連続演出の期待値として二つ星であることが示され、さらに、キャラクタAの下方には、「どこにいるの〜?」といったメッセージが表示される。図13(a)に示す演出は、1ゲーム目における第3停止操作が行われた後、2ゲーム目の開始タイミングまで行われる。
2ゲーム目の開始タイミングにおいては、図13(b)に示す演出に切り替えられる。図13(b)に示すように、キャラクタAがあの子を捜している様子が表示されるとともに、その下方において「お〜い、どこかな〜?」といったメッセージが表示される。続いて、図13(c)〜図13(g)に示す演出に切り替えられる。図13(c)では、液晶表示器27の右側からの「カサカサ」といったメッセージに呼応して、「こっちだ!」といったメッセージが表示されるとともにキャラクタAが右側へジャンプする様子が表示される。これに続いて、図13(d)では、キャラクタAが右側へ大きくジャンプするとともに、「み〜つけ…」といったメッセージが表示され、図13(e)では、「た!…あれ、いないなぁ…。」「シーン…」といったメッセージとともにキャラクタAが後ろ向きに表示される。その後、間もなく、図13(g)に示すように、「今度は、あっちだ!」といったメッセージとともにキャラクタAが左側へジャンプする様子が表示される。図13(b)〜図13(g)に示す演出は、2ゲーム目の開始タイミングから、2ゲーム目における第3停止操作が行われた後、3ゲーム目の開始タイミングまで行われる。図13(a)〜図13(g)までの期間は、煽り期間に相当する。
3ゲーム目の開始タイミングにおいては、示唆演出4のパターンにかかわらず、タメ期間に移行される。示唆演出4のタメ期間においては、図13(h)等に示すように、キャラクタAが左側へ大きくジャンプするとともに、「み〜つけ…」といったメッセージが表示され、なおかつキャラクタの注目度合いを向上させるような線画像(いわゆる集中線)が表示された状態で留める演出が実行される。このように、示唆演出4のタメ期間においては、煽り期間中における演出からの続きである点において、煽り期間中における演出と関連性を有する演出を所定の状態で留められる。線画像(集中線)が表示された状態が表示されてから所定時間が経過することにより、当落告知期間に移行される。
図13(h)は、タメ期間において期待感演出が実行されないパターン(例えば、当選時パターン1、非当選時パターン1)の表示例を示している。図13(i)は、タメ期間において期待感演出3が実行されるパターン(例えば、当選時パターン4、非当選時パターン4)の表示例を示している。図13(i)では、期待感演出が実行されない表示例(図13(h))に対して、大きくジャンプしているキャラクタAの右上領域において「CHANCE」といったメッセージを付加表示することによる期待感演出3が実行されている様子が示されている。図12で説明したように、タメ期間において期待感演出が実行されないパターンや期待感演出3が実行されるパターンは、CZ当選時のみならずCZ非当選時においても選択され得る。このため、図13(h)および図13(i)における演出は、CZの当選不確定演出であるといえる。
これに対して、図13(j)に示すタメ期間において期待感演出4が実行されるパターン(例えば、当選時パターン7)は、CZ当選時においてのみ選択され得る。このため、図13(j)における演出は、CZの当選確定演出であるといえる。図13(i)では、期待感演出が実行されない表示例(図13(h))に対して、大きくジャンプしているキャラクタAの左下領域および右上領域各々においてあの子に相当するカエルを模したキャラクタBを表示することによる期待感演出4が実行されている様子が示されている。キャラクタBは、キャラクタAと比較してもさほど大差がないサイズで表示されるため、当選確定である旨を遊技者に感覚的に把握させやすくなる。キャラクタBは、比較的大きなサイズで表示されるが、所定の透過率(例えば50%)で表示されるため、キャラクタBが目立ち過ぎて遊技者を混乱させてしまうことを防止できる。図13(j)においては、キャラクタBを薄く示すことにより、所定の透過率で表示していることを示しているものとする。なお、所定の透過率で表示する演出表示については、液晶表示器27の前に例えば導光板を設けて、該導光板でキャラクタ表示を行ってもよく、また、導光板を設けずにあたかも導光板があるかのような表示を液晶表示器27に行わせる(疑似導光板)ものでもよい。
CZ当選しているか否かを示唆する示唆演出4におけるタメ期間中での当選確定となる期待感演出としては、期待感演出4に示すように、例えば、期待感演出が実行されないとき(図13(h))や、その他の期待感演出が実行されるとき(図13(j))と同じように、示唆演出4のタメ期間中の画像が表示されている一部の表示領域(左下・右下各々の領域)において、期待感演出に対応する画像(透過性を有するキャラクタBの画像)を表示する所定種類の演出が実行可能に設けられている。所定種類の期待感演出4が実行されるタメ期間中においては、図13(h)等と同様に、図13(g)から続き後述する図13(n)に繋がる演出(キャラクタAが大きくジャンプしている様子)が行われるため、当該タメ期間前後の煽り期間および当落告知期間における演出の双方とストーリー性を有している演出画像を表示する演出であるともいえる。示唆演出4においてタメ期間が終了した後においては、当該タメ期間において期待感演出が実行されたか否かにかかわらず、予め定められた演出を実行する共通の当落告知期間に移行される。
図13(i)および図13(j)では、示唆演出4のタメ期間中の画像上に、期待感演出に対応する画像が表示される例について説明したが、その処理手法としては、示唆演出4のタメ期間中の画像を描画するレイヤよりも優先度が高いレイヤにおいて期待感演出に対応する画像を描画して重畳させて表示するものであってもよく、また、示唆演出4のパターン毎に期待感演出の有無および実行される種類に応じて期待感演出に対応する画像が予め盛り込まれている表示用データを設け、決定されたパターンに応じた表示用データに基づき表示するものであってもよい。
また、示唆演出4中においては、前述したとおり、所定の効果音やBGMがスピーカ31L、31Rから出力されるが、タメ期間中においてはスピーカ31L、31Rからの音の出力がそれ以前の煽り期間中であるときよりも抑制される。具体的には、示唆演出4中の煽り期間においては、所定の効果音やBGMがスピーカ31L、31Rから所定の音量で出力される一方、示唆演出4中のタメ期間においては、所定の効果音やBGMの出力を抑制する抑制制御が行われる。抑制制御とは、例えば、所定の効果音やBGMの出力を停止する制御や、出力を維持しつつも音量(出力レベル)を低下させる制御などであってもよい。また、抑制制御の対象としては、示唆演出4中のタメ期間において出力される所定の効果音およびBGMの双方に限らず、出力される音の種類のうちのいずれかであってもよく、例えば、所定の効果音の出力について抑制する一方で、BGMの出力については抑制することなくそのまま継続(維持)するようにしてもよい。タメ期間終了後の当落告知期間においては、音の出力に関する抑制制御が解除されて、例えば煽り期間中と同じ態様で音の出力に関する制御を再開する。また、示唆演出4中の煽り期間においては、各種ランプの発光態様を順次変化させる制御が行われるが、タメ期間においては、各種ランプの発光態様を変化させずに所定の発光態様で維持させる制御(例えば各種ランプすべてを点灯態様で維持等)が行われる。タメ期間終了後の当落告知期間においては、各種ランプの発光態様を変化させずに所定の発光態様で維持させる制御が解除されて、例えば煽り期間中と同じ態様で各種ランプの発光制御を再開する。なお、音の出力に関する抑制制御や、所定の発光態様で維持させる制御を解除する際には、タメ期間が解除(終了)されるタイミングと合致していることが好ましく、タメ期間が例えば後述するように遊技者の進行操作で解除されるときは、その進行操作を契機に解除する一方で、タメ期間が時間で制御されているときは、時間経過で解除されるようにしてもよく(リアルタイムで制御するもの)、また、タメ期間の時間に合わせて抑制されたデータを予め備えているもの(予め制御されたデータをROM等に記憶しているもの)であってもよい。
CZ非当選時であって、3ゲーム目における当落告知において非当選が報知されるパターンの示唆演出4が実行されているときには、図13(k)以降に示す演出が実行される。図13(k)においては、タメ期間中における演出(「み〜つけ…」というメッセージ表示)からの続きとして、「た!…あれ、こっちにもいないかぁ…。」「シーン…」といったメッセージとともに、キャラクタAが後ろ向きに表示されることにより、あの子を見つけることができずCZ非当選に対応する結末を報知する演出が行われる。図13(k)に示す演出は、3ゲーム目において第3停止操作が行われた後、4ゲーム目の賭数が設定されるまで行われる。4ゲーム目の賭数が設定されると、示唆演出4は終了して、図13(m)に示すように通常時の画面に移行する。
CZ当選時であって、3ゲーム目における当落告知において当選が報知されるパターンの示唆演出4が実行されているときには、図13(n)以降に示す演出が実行される。図13(n)においては、タメ期間中における演出(「み〜つけ…」というメッセージ表示)からの続きとして、「た!」といったメッセージとともに、あの子に相当するキャラクタBが表示される。その後、図13(o)では、液晶表示器27の中央領域においてキャラクタAとキャラクタBとが並んで表示されるとともに、「やったね!!」といったメッセージが表示される。図13(o)は、「あの子を見つけ出せ!」という達成条件を成立させる演出であって、示唆演出4の結末に相当する演出である。その後、図13(p)に示すように、CZに突入する旨の「CZ突入!」といったCZ導入画面が液晶表示器27に表示された後にCZ中の演出が開始される。
上記のとおり示唆演出4におけるタメ期間中の期待感演出としては、期待感演出3(図13(i))と、期待感演出4(図13(j))との2種類を例示し、このうちCZ当選確定となる期待感演出として、示唆演出のタメ期間中の画像が表示されている一部の表示領域において、期待感演出に対応する所定演出画像(透過性を有するキャラクタBの画像)を表示する所定種類の期待感演出4を例示した。これに対し、CZよりも遊技者にとって有利度合いが高いAT当選しているか否かを示唆する示唆演出5では、後述するように、タメ期間中の期待感演出として期待感演出C〜Eの3種類が設けられており、このうちAT当選確定となる期待感演出として期待感演出Dおよび期待感演出Eの2種類が設けられている例について説明する。期待感演出Dは、期待感演出4と同様に、示唆演出のタメ期間中の画像が表示されている一部の表示領域において、期待感演出に対応する画像を表示する所定種類の演出である。これに対して、期待感演出Eは、CZ当選しているか否かを示唆する示唆演出4中において実行されることのない特別種類の期待感演出であり、例えば、示唆演出のタメ期間中において、液晶表示器27の表示領域全面において当該期待感演出に対応する特別演出画像を表示する特別種類の期待感演出である。
図14(a)および(b)は、AT移行抽選条件の成立に伴う種類抽選において示唆演出5(連続演出)を実行すると決定された場合に、示唆演出5のパターンを決定するためのパターン抽選において参照するパターン抽選用テーブルを示している。図14(a)は、ATの特典が付与されるとき(AT当選時)に参照される当選時パターン抽選用テーブルを示しており、図14(b)は、ATの特典が付与されないとき(AT非当選時)に参照される非当選時パターン抽選用テーブルを示している。示唆演出5の当選時パターンとしては、当選時パターン1〜36が設けられており、示唆演出5の非当選時パターンとしては、非当選時パターン1〜36が設けられている。
当選時パターン1〜36および非当選時パターン1〜36は、各々、演出のタイトル・1ゲーム目(1遊技目)〜3ゲーム目(3遊技目)などの複数のゲーム各々において実行する演出の内容(期待感演出を含む)が定められている。示唆演出5中においても、示唆演出4等と同様に、1ゲーム目および2ゲーム目に対応する期間は、煽り期間(第1期間)に相当し、3ゲーム目以降においては、タメ期間(第2期間に相当)と、当落告知期間(第3期間に相当)とを含む。また、示唆演出5のパターンには、示唆演出5中に期待感演出が実行されないパターンと、示唆演出5中の所定のタイミングにおいて期待感演出が実行されるパターンとが設けられている。示唆演出5についても、期待感演出が実行される割合が、煽り期間であるときよりもタメ期間であるときの方が低くなるようにパターン抽選が行われる。
図14(a)および図14(b)における“期待感演出”欄には、パターン毎に、期待感演出の有無、期待感演出の種類、および、実行タイミングなどが示されている。実行タイミングとしては、示唆演出5の1ゲーム目開始時(タイトル表示時)、2ゲーム目開始時、および、3ゲーム目開始時(タメ期間開始時)が定められている。示唆演出5において期待感演出が実行されるタイミングとしては、対応するゲームの開始時に定められている。このため、示唆演出5中においては、ゲームの開始時における緊張感および期待感を高めることができる。なお、期待感演出が実行され得る実行タイミングは、これらに限るものではなく、例えば、第1停止操作時や、第3停止操作時などのタイミングであってもよい。
また、実行され得る期待感演出の種類としては、「チャンス」「超チャンス」「期待感演出A」〜「期待感演出E」が設けられているが、これらに限るものではない。“期待感演出”欄においては、パターン毎に、複数の実行タイミング各々において実行される期待感演出の種類が示されている。
例えば、当選時パターン1は、1ゲーム目の開始に応じてタイトル・1ゲーム目用の演出(例えば、所定の態様でタイトルが表示された後に、1ゲーム目として定められている演出内容)を実行し、2ゲーム目の開始に応じて2ゲーム目用の演出(例えば、2ゲーム目として定められている演出内容)を実行し、3ゲーム目の開始に応じて3ゲーム目用の演出(例えば、3ゲーム目として定められている演出内容)を実行するように定められており、当該示唆演出5中において期待感演出が実行されないパターンである。これと同様に、非当選時パターン1も期待感演出が実行されないパターンである。
これに対して、当選時パターン2は、2ゲーム目において期待感演出Aを含む演出内容が実行されるように定められているパターンである。また、当選時パターン3は、2ゲーム目において期待感演出Bを含む演出内容が実行されるように定められているパターンである。これと同様に、当選時パターン5、6、8、9、および非当選時パターン2、3、5、6、8、9も、2ゲーム目において期待感演出が実行されるパターンである。
また、当選時パターン13は、1ゲーム目(タイトル)において「チャンス」の期待感演出を含む演出内容が実行されるように定められているパターンである。これと同様に、当選時パターン25、および非当選時パターン13、25も、1ゲーム目(タイトル)において期待感演出が実行されるパターンである。
また、当選時パターン14は、1ゲーム目(タイトル)において期待感演出として「チャンス」の期待感演出を含む演出内容が実行され、2ゲーム目においても期待感演出Aを含む演出内容が実行されるように定められているパターンである。これと同様に、当選時パターン15、17、18等および非当選時パターン14、15、17、18等も、1ゲーム目(タイトル)および2ゲーム目各々において期待感演出が実行されるように定められているパターンである。
また、当選時パターン4は、3ゲーム目のタメ期間において期待感演出Cを含む演出内容が実行されるように定められているパターンである。これと同様に、当選時パターン7、10等、および非当選時パターン4、7、10等も、3ゲーム目のタメ期間において期待感演出が実行されるように定められているパターンである。
また、当選時パターンおよび非当選時パターン各々の5、6、8、9等については、2ゲーム目において期待感演出が実行され、さらに、3ゲーム目のタメ期間においても期待感演出が実行されるように定められているパターンである。
さらに、当選時パターンおよび非当選時パターン各々の17、18、20、21、23、24等については、1ゲーム目(タイトル)および2ゲーム目各々において期待感演出が実行され、さらに、3ゲーム目のタメ期間においても期待感演出が実行されるように定められているパターンである。
当選時パターン抽選用テーブルおよび非当選時パターン抽選用テーブルは、各々、パターンを決定するための振分率が、図14(c)に示す関係となるように定められている。図14(c)に示す“a”〜“x”は、図14(a)の“振分率”においてこれらのアルファベットが記載されている欄に対応する当選時パターンに決定する振分率を示しており、図14(c)に示す“あ”〜“ね”は、図14(b)の“振分率”においてこれらのひらがなが記載されている欄に対応する非当選時パターンに決定する振分率を示している。例えば、“a”は、当選時パターン1に決定される振分率に対応し、“b”は、当選時パターン2または3に決定される振分率に対応し、“c”は、当選時パターン4に決定される振分率に対応し、“d”は、当選時パターン5または6に決定される振分率に対応し、“e1”は、当選時パターン7に決定される振分率に対応し、“f1”は、当選時パターン8または9に決定される振分率に対応し、“e2”は、当選時パターン10に決定される振分率に対応し、“f2”は、当選時パターン11または12に決定される振分率に対応し、“h”〜“m2”、“o”〜“t2”についても各々対応する当選時パターンに決定される振分率に対応しており、当選時パターン抽選用テーブルが参照されたときにはこれらの振分率に基づいていずれかの当選パターンに決定される。
“b”や“d”など複数のパターンのいずれかに決定される割合については、実際の当選時パターン抽選用テーブルには、パターン毎に振分率が定められており、図14(a)においては、それらの振分率を合算した合算振分率を“b”や“d”などのように一つのアルファベットを用いて示している。また、“g”“n”“u”“v”“w”“x”は、これらのアルファベットが示された欄に含まれる当選時パターンに決定される振分率を合算した合算振分率を一つのアルファベットを用いて示している。例えば、“g”は、“c”〜“f2”を合算した合算振分率に対応し、“v”は、“a”〜“f2”を合算した合算振分率に対応している。
また、非当選時パターン抽選用テーブルについても同様に、“あ”は、非当選時パターン1に決定される振分率に対応し、“い”は、非当選時パターン2または3に決定される振分率に対応し、“う”は、非当選時パターン4に決定される振分率に対応し、“え”は、非当選時パターン5または6に決定される振分率に対応し、“お1”は、非当選時パターン7に決定される振分率に対応し、“か1”は、非当選時パターン8または9に決定される振分率に対応し、“お2”は、非当選時パターン10に決定される振分率に対応し、“か2”は、非当選時パターン11または12に決定される振分率に対応し、“く”〜“す2”、“そ”〜“と2”についても各々対応する非当選時パターンに決定される振分率に対応しており、非当選時パターン抽選用テーブルが参照されたときにはこれらの振分率に基づいていずれかの非当選パターンに決定される。
“い”や“え”など複数のパターンのいずれかに決定される割合については、実際の非当選時パターン抽選用テーブルには、パターン毎に振分率が定められており、図14(b)においては、それらの振分率を合算した合算振分率を“い”や“え”などのように一つのひらがなを用いて示している。また、“き”“せ”“な”“に”“ぬ”“ね”は、これらのひらがなが示された欄に含まれる非当選時パターンに決定される振分率を合算した合算振分率を一つのひらがなを用いて示している。例えば、“せ”は、“こ”〜“す2”を合算した合算振分率に対応し、“ぬ”は、“く”〜“す2”を合算した合算振分率に対応している。
このため、図14(c)に示すように、前提として、v+w+xの合算振分率と、に+ぬ+ねの合算振分率とは、ともに100%となる。また、当選時パターン抽選用テーブルについては、v<w<xとなるように定められていることに対し、非当選時パターン抽選用テーブルについては、に>ぬ>ねとなるように定められている。このため、パターン数が大きい値のパターンである程(例えば、パターン1〜12よりもパターン13〜24である程、パターン13〜24よりもパターン25〜36である程)、当選しており特典が付与されることに対する期待感を高めることができる。また、a<あとなるように定められている。これにより、示唆演出5中において期待感演出が実行される割合は、非当選時よりも当選時であるときの方が高くなる。その結果、示唆演出5中において期待感演出が実行されたときには、AT当選しておりATが付与されることに対する期待感を高めることができる。なお、以下においては、アルファベットやひらがなの後に「1」または「2」が付されているアルファベットおよびひらがなについては、それらの振分率を合算した合算振分率をアルファベットあるいはひらがなのみを用いて示す場合がある。例えば、「e1+e2」の合算振分率を“e”と示し、「f1+f2」の合算振分率を“f”と示し、「お1+お2」の合算振分率を“お”と示し、「か1+か2」の合算振分率を“か”と示す。
また、図14(c)の丸付き数字の1に示すように、当選時パターン抽選用テーブルについては(b+d+f+w+x)>(g+n+u)となり、非当選時パターン抽選用テーブルについては(い+え+か+ぬ+ね)>(き+せ+な)となるように定められている。つまり、タメ期間において期待感演出が実行される割合は、煽り期間において期待感演出が実行される割合よりも低くなるように定められている。また、図14(c)の丸付き数字の5に示すように、当選時パターン抽選用テーブルについては(b+d+f+i+k+m+p+r+t)>(g+n+u)となり、非当選時パターン抽選用テーブルについては(い+え+か+け+さ+す+た+つ+と)>(き+せ+な)となるように定められている。つまり、タメ期間において期待感演出が実行される割合は、煽り期間のうちタイトルを除く期間(例えば、2ゲーム目)において期待感演出が実行される割合よりも低くなるように定められている。これにより、期待感演出が実行される割合が煽り期間であるときよりもタメ期間であるときの方が高くなるものと比較して、タメ期間において遊技者の期待感を煽ってしまうことを低減しつつ、当落告知のタイミングがわかりやすくなり、当落告知に遊技者を注目させやすくすることができる。
また、図14(b)に示すように、非当選時パターン抽選用テーブルにおける「お、か、し、す、て、と」各々の振分率は「0%」となるように定められている。このため、非当選時においては、タメ期間において期待感演出Dまたは期待感演出Eを実行するように定められているパターンに決定されることがない。なお、非当選時であっても、タメ期間において期待感演出Cを実行するように定められているパターンについては決定され得る。これに対して、当選時パターン抽選用テーブルについては、タメ期間において期待感演出Dまたは期待感演出Eを実行するように定められているパターンに決定可能であり、タメ期間において期待感演出Cとの関係において、図14(c)の丸付き数字の2に示すように、(e+f)>(c+d)、(l+m)>(j+k)、(s+t)>(q+r)となるように定められている。つまり、タメ期間において期待感演出が実行されるときには、非当選時にも実行され得る期待感演出Cよりも高い割合で当選確定となる期待感演出Dまたは期待感演出Eが実行されるように定められている。このため、タメ期間において期待感演出が実行されたときのプレミア感を向上させることができる。また、タメ期間において期待感演出が実行される場合には、ATの特典を付与する旨が決定されていることが確定する割合を高めることにより、遊技者の期待感を過度に煽ってしまうことを抑制でき、遊技者に対して分かり易い演出を提供することができる。
また、タメ期間において期待感演出が実行される割合は、図14(c)の丸付き数字の3に示すように、(g+n+u)=(き+せ+な)となるように定められており、当選・非当選にかかわらず同じ割合となる。一方、煽り期間において期待感演出が実行される割合は、図14(c)の丸付き数字の4に示すように、(b+d+f+w+x)>(い+え+か+ぬ+ね)となるように定められており、非当選時であるときよりも当選時であるときの方が高くなる。これにより、煽り期間における期待感演出の実行割合を非当選時よりも当選時であるときの方が高くなるように設定することにより、タメ期間における期待感演出の実行割合を当選時および非当選時で変化させないようにしても、期待感演出が実行されたときにAT当選していることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、当選時パターン抽選用テーブルについては、タメ期間において実行されることにより当選確定となる期待感演出のうち、所定種類の期待感演出Dと、特別種類の期待感演出Eとの関係について、図14(c)の丸付き数字の6に示すように、(e2+f2)>(e1+f1)、(l2+m2)>(l1+m1)、(s2+t2)>(s1+t1)となるように定められている。つまり、タメ期間において当選確定となる期待感演出が実行されるときには、所定種類の期待感演出Dよりも高い割合で特別種類の期待感演出Eが実行されるように定められている。このため、AT当選しているか否かを示唆する示唆演出5においては、タメ期間において所定種類の期待感演出Dよりも示唆演出4中において実行されることのない特別種類期待感演出Eが実行され易くなるため、示唆演出4中と混同を生じさせ難くすることができ、遊技者に対して分かり易い演出を提供することができる。
また、当選時パターン抽選用テーブルにおいて、タメ期間中に所定種類の期待感演出Dが実行される場合にその前の煽り期間において期待感演出が実行される割合と、タメ期間中に特別種類の期待感演出Eが実行される場合にその前の煽り期間において期待感演出が実行される割合との関係は、図14(c)の丸付き数字の7に示すように、f2/(e2+f2)>f1/(e1+f1)、m2/(l2+m2)>m1/(l1+m1)、t2/(s2+t2)>t1/(s1+t1)となるように定められている。つまり、タメ期間において当選確定となる期待感演出のうち特別種類の期待感演出Eが実行される場合には、所定種類の期待感演出Dが実行される場合よりも、当該タメ期間までの煽り期間において期待感演出が実行される割合が高くなるように定められている。このため、煽り期間において期待感演出が実行された場合には、タメ期間において特別種類の期待感演出Eが実行されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、示唆演出5の演出内容を説明する。示唆演出5の演出内容は、実施形態1の図11で示した示唆演出3の演出内容と、タメ期間中の期待感演出以外については同じとなるように定められている。このため、示唆演出5における2ゲーム目終了直前までの演出内容については、図11(a)〜図11(g)と同様の内容となるためその説明を省略し、ここでは、2ゲーム目終了間際の演出内容から説明する。図15は、示唆演出5における表示例(2ゲーム目終了間際以降)を説明するための図である。図15(a)では、図11(h)と同様に、ライバルおよび遊技者側各々のキャラクタがゴール目前に迫っている様子が表示される。なお、図15においては、示唆演出5について液晶表示器27の表示例を主に説明するが、当該液晶表示器27における表示に対応する態様で各種ランプが制御されるとともに、所定の効果音やBGMがスピーカ31L、31Rから出力されているものとする。
3ゲーム目の開始タイミングにおいては、タメ期間に移行され、示唆演出5のパターンに応じて図15(b)〜(e)のいずれかに示す演出が実行される。図15(b)は、タメ期間において期待感演出が実行されないパターン(例えば、当選時パターン1、非当選時パターン1)による示唆演出5のタメ期間の表示例を示している。示唆演出5のタメ期間において期待感演出が実行されない場合には、図15(b)に示すように、ライバルおよび遊技者側各々のキャラクタがゴール目前に迫っており、いずれのキャラクタが先にゴールするかといった状態であって、なおかつこれらのキャラクタの注目度合いを向上させるような線画像(いわゆる集中線)が表示された状態で留める演出が実行される。このように、図15(b)に示す示唆演出5のタメ期間においては、煽り期間中における演出からの続きである点において、煽り期間中における演出と関連性を有する演出を所定の状態で留められる。線画像(集中線)が表示された状態が表示されてから所定時間が経過することにより、当落告知期間に移行される。
図15(c)は、タメ期間において期待感演出Cが実行されるパターン(例えば、当選時パターン4、非当選時パターン4)による示唆演出5のタメ期間の表示例を示している。図15(c)では、期待感演出が実行されない表示例(図15(b))に対して、ゴール目前に迫ったキャラクタの左領域において白抜きの「CHANCE」といったメッセージを付加表示することによる期待感演出Cが実行されている様子が示されている。図14で説明したように、タメ期間において期待感演出が実行されないパターンや期待感演出Cが実行されるパターンは、AT当選時のみならずAT非当選時においても選択され得る。このため、図15(b)および図15(c)における演出は、ATの当選不確定演出であるといえる。
これに対して、図15(d)および図15(e)各々に示すタメ期間において期待感演出Dまたは期待感演出Eが実行されるパターン(例えば、当選時パターン7、当選時パターン10)は、AT当選時においてのみ選択され得る。このため、図15(d)および図15(e)各々における演出は、ATの当選確定演出であるといえる。
図15(d)では、期待感演出が実行されない表示例(図15(b))に対してゴール目前に迫ったキャラクタの左領域において図13(j)と同様にあの子に相当するキャラクタBを表示することによる期待感演出Dが実行されている様子が示されている。キャラクタBは、競争しているキャラクタよりも大きなサイズで表示されるため、当選確定である旨を遊技者に感覚的に把握させやすくなる。キャラクタBは、比較的大きなサイズで表示されるが、所定の透過率(例えば50%)で表示されるため、キャラクタBが目立ち過ぎて遊技者を混乱させてしまうことを防止できる。図15(d)においては、キャラクタBを薄く示すことにより、所定の透過率で表示していることを示しているものとする。なお、示唆演出5のタメ期間において実行され得る期待感演出Dは、期待感演出が実行されないとき(図15(b))や、その他の期待感演出が実行されるとき(図15(c))と同じように、示唆演出5のタメ期間中の画像が表示されている一部の表示領域(左領域)において、期待感演出に対応する画像(透過性を有するキャラクタBの画像)を表示する演出であり、示唆演出4のタメ期間において実行され得る期待感演出4と同様に所定種類の演出に属するものといえる。所定種類の期待感演出Dが実行されるタメ期間中においては、図15(b)等と同様に、図15(a)から続き後述する図15(h)に繋がる演出(ゴール目前で競り合っている様子)が行われるため、当該タメ期間前後の煽り期間および当落告知期間における演出の双方とストーリー性を有している演出画像を表示する演出であるともいえる。
図15(e)においては、示唆演出5特有の特別種類の期待感演出Eが実行されている様子が示されている。期待感演出Eが実行された場合には、液晶表示器27の表示領域すべてにおいて特別演出画像が表示される。特別演出画像の一例として、図15(e)においては、液晶表示器27の表示領域の上下端が黒色で中央部分が白色となるようなシネマスコープ背景において、左上領域において「CHANCE」といったメッセージが配置され、表示領域の中央領域において「PUSH」と記載された看板をくわえたキャラクタBが配置されている画像を例示している。タメ期間における特別種類の期待感演出Eは、図15(b)に示す演出画像が表示されないため、当該タメ期間前後の煽り期間および当落告知期間における演出の双方とストーリー性を有していない演出画像を表示する演出であるともいえる。示唆演出5においてタメ期間が終了した後においては、当該タメ期間において期待感演出が実行されたか否かや、AT当選確定となる期待感演出が実行されたか否か、所定種類の期待感演出が実行されたか否か、特別種類の期待感演出が実行されたか否かなどにかかわらず、予め定められた演出を実行する共通の当落告知期間に移行される。なお、タメ期間において特別種類の期待感演出が行われたときには、共通の当落告知期間に移行されるものに限らず、例えば、特別な当落告知を行う特別な当落告知期間に移行されるものであってもよく、また、図15(j)等に直接移行するようなものであってもよい。
期待感演出Eにおける「PUSH」画像は、例えば決定スイッチ81aへの操作を促す操作促進画像である。タメ期間は、前述したように所定時間経過により終了して当落告知期間に移行されるが、特別種類の期待感演出Eが実行されたときには、所定時間が経過するまでに例えば決定スイッチ81aへの操作が検出されることによりタメ期間を終了させて当落告知期間に移行可能となる。なお、期待感演出Eとは異なる期待感演出を実行中のタメ期間においても、期待感演出の画像として操作促進画像を表示して、当該操作に応じてタメ期間を終了して当落告知期間に移行されるようにしてもよい。また、期待感演出Eを実行中のタメ期間においても、操作促進画像を表示せずに、所定時間が経過することによってのみ当該タメ期間が終了して当落告知期間に移行されるようにしてもよい。なお、特別種類の期待感演出Eが行われているタメ期間において、次の遊技進行操作(例えば賭数設定操作等)または次遊技に係る遊技進行操作(スタートスイッチ操作等)を検知した場合には、当落告知期間に移行されるものであってもよく、また、図15(j)等に直接移行するようなものであってもよい。
図15(c)〜図15(e)では、示唆演出5のタメ期間中の画像上に、期待感演出に対応する画像が表示される例について説明したが、その処理手法としては、示唆演出5のタメ期間中の画像を描画するレイヤよりも優先度が高いレイヤにおいて期待感演出に対応する画像を描画して重畳させて表示するものであってもよく、また、示唆演出5のパターン毎に期待感演出の有無および実行される種類に応じて期待感演出に対応する画像が予め盛り込まれている表示用データを設け、決定されたパターンに応じた表示用データに基づき表示するものであってもよい。
また、示唆演出5中においては、所定の効果音やBGMがスピーカ31L、31Rから出力されるが、タメ期間中においてはスピーカ31L、31Rからの音の出力がそれ以前の煽り期間中であるときよりも抑制される。具体的には、示唆演出5中の煽り期間においては、所定の効果音やBGMがスピーカ31L、31Rから所定の音量で出力される一方、示唆演出5中のタメ期間においては、所定の効果音やBGMの出力を抑制する抑制制御が行われる。抑制制御とは、例えば、所定の効果音やBGMの出力を停止する制御や、出力を維持しつつも音量(出力レベル)を低下させる制御などであってもよい。また、抑制制御の対象としては、示唆演出5中のタメ期間において出力される所定の効果音およびBGMの双方に限らず、出力される音の種類のうちのいずれかであってもよく、例えば、所定の効果音の出力について抑制する一方で、BGMの出力については抑制することなく継続(維持)するようにしてもよい。また、図15(e)に示す期待感演出Eが実行されるタメ期間においては、特別な音が出力される。特別な音とは、例えば、ビキュンビキュンビキュン…といった効果音であり、期待感演出が実行されない場合やその他の期待感演出が実行される場合に出力されることのない音であればよい。タメ期間終了後の当落告知期間においては、音の出力に関する抑制制御が解除されて、例えば煽り期間中と同じ態様で音の出力に関する制御を再開する。
また、示唆演出5中の煽り期間においては、各種ランプの発光態様を順次変化させる制御(例えば、各種ランプ配置順に時計回りに点灯させるような制御等)が行われるが、タメ期間においては、各種ランプの発光態様を変化させずに所定の発光態様で維持させる制御(例えば各種ランプすべてを点灯態様で維持等)が行われる。また、図15(e)に示す期待感演出Eが実行されるタメ期間においては、各種ランプが特別な発光態様で制御される。特別な発光態様とは、例えば、各種ランプすべての点灯色を七色(虹色)に変化させる態様であり、期待感演出が実行されない場合やその他の期待感演出が実行される場合に採用されることのない発光態様であればよい。タメ期間終了後の当落告知期間においては、各種ランプの発光態様を変化させずに所定の発光態様で維持させる制御が解除されて、例えば煽り期間中と同じ態様で各種ランプの発光制御を再開する。
AT非当選時であって、3ゲーム目における当落告知において非当選が報知されるパターンの示唆演出5が実行されているときには、図15(f)以降に示す演出が実行される。図15(f)においては、ライバルのキャラクタが遊技者側のキャラクタよりも先にゴールする様子(図15(b)または図15(c)に示すタメ期間中における演出とストーリー性を有する演出)が表示される。その後、図15(g)では、ライバルのキャラクタ(右側に配置)が喜んでいるのに対して遊技者側のキャラクタ(左側に配置)が後ろ向きに座っている様子が表示されるとともに、遊技者側のキャラクタの上方に「残念…」といったメッセージが大きく表示される。図15(g)により、非当選に対応する結末を報知する演出が行われる。図15(g)に示す演出が実行された後においては、次のゲーム開始時において通常時の画面に移行する。
AT当選時であって、3ゲーム目における当落告知において当選が報知されるパターンの示唆演出5が実行されているときには、図15(h)以降に示す演出が実行される。図15(h)においては、遊技者側のキャラクタがライバルのキャラクタよりも先にゴールする様子(図15(b)〜図15(d)に示すタメ期間中における演出とストーリー性を有する演出)が表示される。図15(h)の演出は、当選示唆演出である。図15(h)の当選示唆演出を実行した後においては、図15(i)に示すように、遊技者側のキャラクタ(右側に配置)が喜んでいるのに対してライバルのキャラクタ(左側に配置)が後ろ向きに座っている様子が表示されるとともに、「やったね!」といったメッセージが表示される。図15(j)では、液晶表示器27の中央領域において遊技者側のキャラクタと別のキャラクタ(期待感演出として出現し得るキャラクタでもある)とが並んで表示されるとともに「やったね!!」といったメッセージが表示されるとともに、遊技者側のキャラクタの上方に「祝AT突入!!」といったメッセージが大きく表示される。これにより、AT当選が報知されてATへ移行されることが報知される。
<実施形態2のスロットマシン1により奏される効果の例>
上記実施形態におけるスロットマシン1における示唆演出4および示唆演出5は、図12および図14で示したように、示唆演出中において期待感演出が実行される割合は、煽り期間中であるときよりもタメ期間中であるときの方が低くなるように定められている。このため、タメ期間において遊技者を混乱させてしまうことを低減できるとともに、その後に当落告知期間に移行することがわかりやすくなり、当落告知期間における特典が付与されるか否かの示唆に遊技者を注目させやすくすることができる。
また、図12および図14で示したように、示唆演出中のタメ期間において実行され得る期待感演出には、当選時のみ実行可能な期待感演出(期待感演出4、期待感演出D、E)と、当選時のみならず非当選時においても実行可能な期待感演出(期待感演出3、期待感演出C)とが含まれる。タメ期間中において期待感演出が実行されるときには、当選時のみならず非当選時においても実行可能な期待感演出(期待感演出3、期待感演出C)よりも高い割合で当選時のみ実行可能な期待感演出(期待感演出4、期待感演出D、E)が実行される。このため、タメ期間において期待感演出が実行されたときにおける遊技者にとってのプレミア感を向上させることができる。また、タメ期間において期待感演出が実行される場合には、CZあるいはATなどの特典を付与する旨が決定されていることが確定する割合を高めることにより、遊技者の期待感を過度に煽ってしまうことを抑制でき、遊技者に対して分かり易い演出を提供することができる。
また、CZ当選しているか否かを示唆する示唆演出4のタメ期間中においては実行されない特別種類の期待感演出(期待感演出E)が、AT当選しているか否かを示唆する示唆演出5のタメ期間中においては実行され得る。このため、示唆演出5のタメ期間において特別種類の期待感演出が実行されたときにおける遊技者にとってのプレミア感を向上させることができる。また、ATよりも恩恵の少ないCZに当選しているか否かを示唆する示唆演出4においては、特別種類の期待感演出に相当する演出が実行されることがないため、特別種類の期待感演出に相当する演出が実行されながら恩恵の少ない特典が付与されるという過度な煽りを抑制でき、遊技者が不快感を抱くことを未然に防ぐことができる。
また、所定種類の期待感演出(期待感演出4、期待感演出D)では、図13(j)や図15(d)で示すように、示唆演出の演出画像(図13(h)、図15(b)等)が表示されている一部の表示領域において対応する演出画像(キャラクタ画像)が表示される。これに対して、特別種類の期待感演出(期待感演出E)では、図15(e)で示すように、当該期待感演出に対応する特別演出画像が液晶表示器27の表示領域すべてにおいて表示される。このため、特別種類の期待感演出が実行されたときには、所定種類の期待感演出が実行されたときよりも、視覚を通してインパクトを遊技者に与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、CZよりも遊技者にとって有利なATに当選しているか否かを示唆する示唆演出5において、このような特別演出画像を表示するためAT当選することに対する期待感及び高揚感を向上させることができる。
また、特別種類の期待感演出(期待感演出E)に対応する特別演出画像としては、図15(a)→図15(e)→図15(h)の流れにおいて示されるように、敢えて、それまでの煽り期間中における演出や、その後の当落告知期間中における演出の双方とストーリー性を有していない画像が表示される。これにより、遊技者に対して意外性を生じさせることができ、ストーリー性を有していないが故に特別な演出であるということを認識させ易くすることができる。その結果、特別種類の期待感演出(期待感演出E)が実行されたことに対する遊技者の印象を強めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、AT当選時の示唆演出5においては、タメ期間中において特別種類の期待感演出(期待感演出E)が実行されたか否かにかかわらず(図15(b)〜図15(e)のいずれを経由した場合であっても)、当該タメ期間経過後に予め定められた演出を実行する共通の当落告知期間(図15(h)、(i))へ移行する。これにより、遊技者を混乱させてしまうことを防止できる。
また、示唆演出4および示唆演出5各々のタメ期間中においてはスピーカ31L、31Rからの音の出力をそれまでの煽り期間中であるときよりも抑制する抑制制御(例えば、出力停止、音量低下等)が行われる。これにより、タメ期間中においては音による演出と異なる他の演出(例えば、液晶表示器27における画像表示演出等)に遊技者を集中させることができ、期待感演出等の実行やその演出内容が見逃されてしまう可能性を低減できる。
また、示唆演出4および示唆演出5各々のタメ期間中に特別種類の期待感演出(期待感演出E)が実行されているときには、当該特別種類の期待感演出(期待感演出E)に対応する特別な音をスピーカ31L、31Rから出力させる制御が行われる。これにより、特別種類の期待感演出(期待感演出E)のプレミア感をより一層高めることができる。
また、示唆演出4および示唆演出5各々の煽り期間経過後のタメ期間においては効果音の出力を抑制(例えば、出力停止、音量低下等)する一方でBGMを出力させる制御については当該タメ期間においても継続する。これにより、CZやATなどの特典が付与されることに対する期待感をより向上させることができ、演出における一連の流れを維持しつつタメ期間に注目させることができる。また、効果音やBGMの出力が停止してしまうと遊技機に不具合が発生して遊技が停止してしまったのではないかという誤解が生じる恐れがあるものの、BGMの出力は継続することで誤解が生じるのを防止することができる。
また、示唆演出4および示唆演出5各々の煽り期間中においては、各種ランプの発光態様を順次変化させる制御を行い、当該煽り期間経過後のタメ期間中においては各種ランプの発光態様を変化させない制御を行う。これにより、CZやATなどの特典が付与されることに対する期待感をより向上させることができる。
また、示唆演出5のタメ期間中に特別種類の期待感演出(期待感演出E)が実行されているときには、当該特別種類の期待感演出(期待感演出E)に対応する特別な発光態様で各種ランプを発光させる制御を行う。このため、特別種類の期待感演出(期待感演出E)のプレミア感をより一層高めることができる。
また、AT当選時の示唆演出5のタメ期間においては、図14(c)の丸付き数字6に示されるように、所定種類の期待感演出よりも特別種類の期待感演出の方が高い割合で実行される。これにより、AT当選時の示唆演出5のタメ期間においては、所定種類の期待感演出よりも特別種類の期待感演出の方が実行される機会が多くなり、その結果、遊技者に対して分かり易い演出を提供することができる。
<変形例>
上記実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。以下に、実施形態に対する変更を例示する。
(示唆演出および期待感演出各々の変形例について)
前述した実施形態2においては、示唆演出および期待感演出各々について図13や図15等を参照して複数種類例示したが、これに限るものではない。連続演出となる示唆演出について、CZ当選しているか否かを示唆する示唆演出と、AT当選しているか否かを示唆する示唆演出とでは、図13や図15で示したように、演出内容やストーリー展開が異なる例について説明したが、これに限らず、示唆対象となる特典が異なるものの演出内容やストーリー展開が同じとなるように定められているものであってもよい。
また、タメ期間中に実行され得る所定種類の期待感演出としては、例えば図15(d)に示すように、当該タメ期間前後の煽り期間および当落告知期間における演出の双方とストーリー性を有している演出画像を表示する演出であって、示唆演出のタメ期間中の画像が表示されている一部の表示領域において対応する所定演出画像を表示する演出を例示した。また、タメ期間中に実行され得る特別種類の期待感演出としては、例えば図15(e)に示すように、当該タメ期間前後の煽り期間および当落告知期間における演出の双方とストーリー性を有していない演出画像を表示する演出であって、示唆演出のタメ期間中の画像が表示されることなく、液晶表示器27の表示領域全面において対応する特別演出画像を表示する演出を例示した。しかし、所定種類の期待感演出は、タメ期間前後の煽り期間および当落告知期間における演出の双方とストーリー性を有していない演出画像を表示する演出であってもよく、また、示唆演出のタメ期間中の画像が表示されることなく液晶表示器27の表示領域全面において対応する演出画像を表示する演出であってもよい。また、特別種類の期待感演出は、タメ期間前後の煽り期間および当落告知期間における演出の双方とストーリー性を有している演出画像を表示する演出であってもよく、また、示唆演出のタメ期間中の画像が表示されている一部の表示領域において対応する演出画像を表示する演出であってもよい。また、所定種類の期待感演出および特別種類の期待感演出は、ベースとなる演出画像が共通する演出であってもよい。例えば、所定種類の期待感演出と特別種類の期待感演出とを含む期待感演出を実行し得るタメ期間においては、実行中の示唆演出の演出画像をベース画像として表示するものであって、当選不確定となる期待感演出、所定種類の期待感演出、および、特定種類の期待感演出のいずれであるかに応じて、当該ベース画像の表示態様(例えば、色や大きさ等)を異ならせることにより、特典が付与されることに対する期待感を報知するようにしてもよい。示唆演出のタメ期間中におけるベース画像としては、例えば決定スイッチ81aやスタートスイッチ19などの所定の操作部への操作を促す操作促進画像を表示し、当該操作促進画像の表示態様により期待感演出を実行するようにしてもよい。
以下では、図16を参照して、示唆演出および期待感演出各々の変形例の一例について説明する。本変形例における示唆演出は、1回目の遊技に対応する演出(以下、遊技における単位遊技演出ともいう)と、2回目の遊技における単位遊技演出と、最終回である3回目の遊技における単位遊技演出と、4回目の遊技における単位遊技演出とから構成され、各遊技においてスタートスイッチ19に対する操作(レバー操作ともいう)がされたときから当該遊技における単位遊技演出が開始される。図16には、横軸において単位遊技の進行度合いを示し、縦軸において遊技回数を示している。単位遊技の進行度合いとしては、レバー操作と、第3停止操作とが示されているが、その間には第1停止操作および第2停止操作が行われているものとする。また、第3停止操作から次のレバー操作までの間には、賭数を設定するための操作等が行われているものとする。
図16では、示唆演出のうち1回目〜3回目の遊技各々における単位遊技演出として、「N遊技目」欄〜「N+3遊技目」欄各々において液晶表示器27に表示される演出内容が示されている。各遊技における単位遊技演出は、遊技の進行度合いに応じて進行し、単位遊技演出毎に定められているシーンが所定順に切り替えられる。
図16の例では、各遊技における単位遊技演出が例えば3つのシーンから構成されている。「N遊技目」の単位遊技演出を例にすると、レバー操作がされることによりN遊技目のシーン1/3(「1/3」とは3つのシーンのうちの最初のシーンであることを示している)が開始される。その後、遊技の進行度合い(例えば時間経過など)に応じて、シーン2/3(「2/3」とは3つのシーンのうちの2番目のシーンであることを示している)に切り替えられた後、シーン3/3(「3/3」とは3つのシーンのうちの3番目の最終シーンであることを示している)に切り替えられる。同様に、「N+1遊技目」および「N+2遊技目」の単位遊技演出についても対応する遊技におけるレバー操作とともに開始され、遊技の進行度合いに応じてシーンが切り替えられる。
各遊技における単位遊技演出のうち最終シーンは、予め単位遊技演出毎に定められている所定タイミングに到達したときに開始され、次の遊技のためのレバー操作がされた後に続く演出が開始されるまで当該最終シーンをループする(繰り返す)。なお、最終シーンは、ループするものに限らず、当該最終シーンの最終場面を固定表示するものであってもよい。
また、各遊技における単位遊技演出は、最終シーンに到達しているか否かにかかわらず、当該遊技のレバー操作により開始された後において第1停止操作〜第3停止操作が行われて、次の遊技のためのレバー操作がされることにより終了し、次の遊技における演出に切り替えられる。このため、図16の「N遊技目」および「N+1遊技目」欄において例示されるように、各遊技における単位遊技演出のうちのシーン1/3〜2/3を実行中であるときであっても、次の遊技のためのレバー操作がされることにより当該単位遊技演出を途中で終了し、次の遊技における単位遊技演出に切り替えられる。この点は、結果報知する「N+3遊技目」の一つ前となる「N+2遊技目」における単位遊技演出についても同じである。
また、1回目および2回目の単位遊技演出における最終シーンでは、最終シーンに切り替えられることを契機として、次の遊技に連続演出が続くことを示唆する継続演出を実行する。継続演出は、例えば、「NEXT>>」といった画像を表示することにより実行される。しかし、単位遊技演出においては、前述したように、最終シーンが開始されるまでであっても、次の遊技のためのレバー操作がされることにより、継続演出が実行されることなく次の遊技における単位遊技演出を開始することができる。これにより、遊技者自らによる遊技進行度合いで遊技を進行させることができる。
一方、結果報知前の「N+2遊技目」における単位遊技演出では、最終シーンであるか否かにかかわらず、遊技の進行上において必ず行われる第3停止操作がされることを契機として、次の遊技のレバー操作が検出されるまでタメ期間に移行して、当該タメ期間において次の遊技開始のためのレバー操作を促す停止操作演出を実行する。なお、図16の「N+2遊技目」における単位遊技演出のシーンX/3とは、最終シーンのみならず、それ以前の1番目から2番目のシーンを含むシーンのうち任意のシーンを意味している(つまり、Xの値は1〜3のいずれでもよい)。これにより、レバー操作により結果報知されることを遊技者に確実に認識させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。操作促進演出は、例えば、「NEXTジャッジ レバーを叩け」といったメッセージ画像(以下、レバーを叩け画像ともいう)を表示することにより実行される。最終回の遊技における単位遊技演出は、操作促進演出を実行した後においてレバー操作がされることにより終了し、「N+3遊技目」における単位遊技演出が開始されることになる。なお、第3停止操作を契機にシーン3/3を開始するとともにタメ期間に移行させ、当該シーン3/3の演出画像に重畳させてレバーを叩け画像を表示するようにしてもよい。また、「N遊技目」〜「N+1遊技目」までにおける演出は3つのシーンから構成されるようにしたが、「N+2遊技目」、つまりタメ期間が実施される遊技においては、第3停止操作を契機にタメ期間となることから3つのシーンよりも少ないシーンで演出が構成されるようにしてもよい。このようにすることで、タメ期間により一層遊技者を注目させることができる。また一方で、「N+2遊技目」においても最終シーンとなることによって「NEXTジャッジ レバーを叩け」といったメッセージ画像を表示してもよい。この場合においても、「N+2遊技目」は「N遊技目」および「N+1遊技目」のシーン数よりも少ないシーンで構成されるようにしてもよい。
また、タメ期間において期待感演出が実行されないときには、レバーを叩け画像が白色で表示されるデフォルト態様であるのに対し、期待感演出が実行されるときには白色と異なる色で表示される。これにより、特典が付与されることに対する期待感を高めることができる。図16に示す示唆演出が、CZ当選しているか否かを示唆する示唆演出(示唆演出4相当)である場合のタメ期間において、図13等で示した期待感演出3に相当する演出が実行されるときには、レバーを叩け画像が青色で表示され、所定種類の期待感演出4に相当する演出が実行されるときには、レバーを叩け画像が赤色で表示されるようにしてもよい。この場合においても、CZ当選しているか否かを示唆する示唆演出(示唆演出4相当)においては、後述する特別種類の期待感演出Eに相当する演出が実行されることはない。これに対して、図16に示す示唆演出が、AT当選しているか否かを示唆する示唆演出(示唆演出5相当)である場合のタメ期間において、図15等で示した期待感演出Cに相当する演出が実行されるときには、レバーを叩け画像が青色で表示され、所定種類の期待感演出Dに相当する演出が実行されるときには、レバーを叩け画像が赤色で表示され、特別種類の期待感演出Eに相当する演出が実行されるときには、レバーを叩け画像が虹色(七色に変化する態様)で表示されるようにしてもよい。なお、レバーを叩け画像において表示されるメッセージとしては、「NEXTジャッジ レバーを叩け」に限るものではなく、例えば、「気合いを込めろ!」といったメッセージ等であってもよい。「気合を込めろ!」といったメッセージであっても、最終停止操作以降に遊技者が「気合い」を「込める」ことができるものは次遊技に係る操作(賭け数設定操作またはレバー操作)であるため、「レバーを叩け」という表示も「気合を込めろ!」といった表示も次の遊技に演出が続くことを示唆する継続演出の一種であるといえ、操作を促す操作促進報知であるともいえる。また、タメ期間における演出の表示色により期待感演出を実行する例について説明したが、遊技者が期待感の大きさを特定可能であればこれに限らず、タメ期間における演出画像の表示サイズ(表示サイズが大きいほど期待感が高い旨を示唆等)により期待感演出を実行するものであってもよい。
レバーを叩け画像表示中においてレバー操作が検出されるとタメ期間を終了して当否告知期間に移行して、「N+3遊技目」における単位遊技演出が開始される。「N+3遊技目」における単位遊技演出は、特典が付与されるか否かの結果を報知する演出である。レバー操作がされるとともに「N+3遊技目」における単位遊技演出が開始されて、特典が付与されるときには、「WIN」といったメッセージが表示される。これにより、特典が付与される旨が報知される。一方、特典が付与されないときには、「残念」といったメッセージが表示される。これにより、特典が付与されない旨が報知される。
これにより、一連の示唆演出については遊技者自らのペースで進行させることができる。また、最終回までの遊技における単位遊技演出中においては、所定の遊技進行操作としての第3停止操作を受付けたか否かにかかわらず、当該単位遊技演出のうちの終盤部分としての最終シーンが実行されることにより次の遊技に連続演出が続くことを示唆する継続演出が実行される。これに対して、結果報知前の遊技における単位遊技演出中においては、当該単位遊技演出のうちの最終シーンが実行されているか否かにかかわらず、遊技の進行上において必ず行われる第3停止操作を受付けることによりタメ期間に移行して、結果報知のための操作促進演出が実行される。このため、継続演出については単位遊技演出の進行度合いに応じて実行可能となる。一方、操作促進演出については第3停止操作が受付けられたことによりタメ期間において実行される。第3停止操作が受付けられたときとは、スロットマシンに対して遊技者が操作したときであって、遊技者自らが意図的に遊技を進行させたときであるため、少なくとも何らの操作もされていないときよりも遊技者が遊技に注目しているタイミングであるとみなすことができる。このため、タメ期間における操作促進演出については、結果報知前の遊技において遊技者が遊技に注目しているとみなすことができるタイミングで確実に実行することができる。その結果、一連の示唆演出に続いて結果報知が実行されることを遊技者に対してより確実に認識させて遊技の興趣を向上させることができる。
期待感演出の表示態様として、図10(a)のタメ期間における態様や、図11(a)で示した態様、図11(e)で示した態様、図13(i)(j)で示した態様、図15(c)〜(e)で示した態様、図16で示したレバーを叩け画像の態様を例示したが、これに限らず、例えば、カットイン演出や、特別なキャラクタを出現させる演出など、どのような態様であってもよい。
また、タメ期間中においては、図16で示したレバーを叩け画像に替えて、図15(e)に例示したように決定スイッチ等への操作を促す操作促進画像を表示するものであってもよい。この場合、タメ期間において期待感演出が実行されないときには、操作促進画像が白色で表示されるデフォルト態様であるのに対し、期待感演出が実行されるときには白色と異なる色で表示される。例えば、所定種類の期待感演出に相当する演出が実行されるときには、操作促進画像が赤色で表示されるようにしてもよく、特別種類の期待感演出に相当する演出が実行されるときには、操作促進画像が虹色(七色に変化する態様)で表示されるようにしてもよい。
また、図16では、タメ期間をレバー操作を契機として終了させて当落告知期間へ移行する例について説明したが、上記のように、タメ期間中において操作促進画像を表示する場合には、決定スイッチ等への操作を契機として当該タメ期間を終了させて当落告知期間へ移行するようにしてもよい。
また、実施形態2においては、CZ当選しているか否かを示唆する示唆演出4のタメ期間では、所定種類の期待感演出を実行し得るが、特別種類の期待感演出を実行し得ないのに対し、AT当選しているか否かを示唆する示唆演出5のタメ期間では、特別種類の期待感演出を実行し得、さらに所定種類の期待感演出をも実行し得る例について説明した。しかし、AT当選しているか否かを示唆する示唆演出5のタメ期間では、特別種類の期待感演出を実行し得るものであればよく、例えば、所定種類の期待感演出を実行し得ないように定められているものであってもよい。
(その他の変形例)
上記実施形態においては、第2期間であるタメ期間であっても、第1期間である煽り期間よりも低い割合で期待感演出が実行される例について説明した。しかし、第2期間であるタメ期間においては、期待感演出が実行されないようにしてもよい。より具体的には、図9(b)および図9(c)で示した複数のパターンに、タメ期間において期待感演出が実行され得るパターンを含めないようにし、期待感演出がタメ期間以外の期間(例えば煽り期間)においてのみ実行され得るパターンからパターン抽選されるようにしてもよい。
図10(b)は、タメ期間において期待感演出が実行されない例について、連続演出の概要とともに期待感演出の実行割合を説明するための図である。図10(b)においても、1ゲーム目のタイトルとして、「競争に競り勝て!」といったメッセージが表示されている例と、タイトルの背景を縞模様で表示することによる「チャンス」の期待感演出が実行されている例とが示されている。パターン抽選においては、1ゲーム目および2ゲーム目の煽り期間において期待感演出が実行されるパターンが所定割合で決定される。
3ゲーム目が開始されると、タメ期間に移行し、図10(b)に示すように、煽り期間において進行された演出が所定の状態で留められる。また、パターン抽選において決定されるパターンには、タメ期間において期待感演出が実行されるパターンが含まれていない。このためタメ期間においては、期待感演出が発生しない。タメ期間に移行されてから所定時間(例えば、2秒)が経過すると、当落告知期間に移行する。当落告知期間においては、煽り期間において進行されてきてタメ期間において留められていた演出を再び進行させて、当落が告知される。このように、タメ期間において期待感演出が発生しないようにした場合には、特典を付与するか否かを示唆する当落告知期間に移行する直前のタメ期間において遊技者の期待感を煽ってしまうことを確実に防止できる。
また、本変形例においても、タメ期間は、煽り期間における演出と関連性を有する演出を所定の状態で留めた後に、当該演出と関連性を有する演出を実行する当落告知期間に移行させることができる。このため、演出を所定の状態で留めるタメ期間において違和感を生じさせることを極力防止しつつ、煽り期間から当落告知期間へのスムーズな演出展開を提供することができる。
また、本変形例においても、タメ期間中においては特典を付与する旨が決定されているか否かにかかわらず期待感演出が実行される割合は、一律0%となるように定められている。つまり、当選しているか否かにかかわらず、タメ期間においては、期待感演出が実行されることがない。これに対して、煽り期間中においては、上記実施形態と同様に、期待感演出が実行される割合は、特典を付与する旨が決定されていないときよりも特典を付与する旨が決定されているときの方が高くなるように定められている。これにより、特典を付与する旨が決定されているときであってもタメ期間中において期待感演出が実行されることがないようにしつつも、連続演出中(煽り期間中)において期待感演出が実行されることにより特典を付与する旨が決定されていることに対する期待感を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、期待感演出の実行割合は、煽り期間において特典の付与が決定されているか否かに応じて変動することにより、タメ期間および当落告知期間よりも前の煽り期間においても遊技者の参加意欲を向上させることができる。
また、本変形例においても、特典が付与される当選時のパターンには、当落告知期間において、演出を進行させて特典を付与しない旨を示唆することなく特典を付与する旨を示唆するパターンと、演出を進行させて特典を付与しない旨を一旦示唆した後においてさらに演出を進行させて特典を付与する旨を示唆するパターン(図11(o)〜図11(q)参照)とが含まれる。このため、当落告知期間において特典を付与しない旨が示唆された後においても、特典を付与する旨が示唆されることに対する期待感を4ゲーム目の開始タイミングまで持続させることができる。
また、本変形例においても、タメ期間は、3ゲーム目において、賭数を設定するための操作(ベットスイッチ15への操作やメダル投入操作等)か、リプレイ入賞により賭数が自動設定されているときにはスタートスイッチ19への操作を受付けることにより開始される。このため、連続演出中においてタメ期間を開始する契機となる操作を行うときに緊張感を抱かせるとともに、遊技者のタイミングでタメ期間を開始させることができる。その結果、連続演出中における遊技者の関与度合いを向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、賭数を設定するための操作あるいはスタートスイッチ19への操作を契機にタメ期間が開始されることにより、当該タメ期間がキャンセルされることを防ぎ、演出展開が分かり難くなってしまうことを未然に防ぐことができる。
(2) 上記実施形態および変形例におけるタメ期間は、スタートスイッチ19が操作されることにより開始されて、所定時間(例えば、2秒)が経過することにより終了する例について説明した。しかし、タメ期間は、ゲームを進行させるための所定の遊技進行操作を受付けることにより開始するものであれば、賭数設定操作やスタートスイッチ19操作に限らず、例えば、3ゲーム目において第1停止操作や第3停止操作となるストップスイッチ21L〜21Rに対する操作であってもよい。例えば、第1停止操作または第2停止操作または第3停止操作のON操作(受付)を検知したこと又はOFF操作(受付け解除)を検知したことであってもよい。また、タメ期間は、所定の遊技進行操作を受付けてから所定時間が経過することにより終了するものに限らず、所定の遊技進行操作を受付けてから当該遊技進行操作の受付けが解除されることにより終了するものであってもよい。また、タメ期間は、遊技が開始してから特定時間経過後に開始され、所定時間経過することにより終了してもよい。また、タメ期間は、遊技が開始してから特定時間経過後に開始され、所定の遊技進行操作を契機に終了してもよい。また、タメ期間は、所定の遊技進行操作を契機に開始され、所定の遊技進行操作とは異なる特定の遊技進行操作を契機に終了してもよい。なお、特定の遊技進行操作とは、当該遊技における操作でもよく、次遊技の操作でもよい。また、遊技進行操作を契機にタメ期間が開始及び終了される例を記載したが、遊技進行に関わらない操作手段(決定スイッチ等)の操作を契機にタメ期間の開始や終了をしてもよく、例えば、特定時間経過でタメ期間が開始され、決定スイッチの操作によってタメ期間が終了してもよく、所定の遊技進行操作でタメ期間が開始され、決定スイッチの操作によってタメ期間が終了してもよい。また、タメ期間は、所定の遊技進行操作を受付けることにより開始されてから所定時間が経過する第1タイミングと、当該所定の遊技進行操作の受付けが解除される第2タイミングとを含む複数のタイミングのうちのいずれか遅いタイミングに到達するまで継続させて、当該いずれか遅いタイミングに到達することにより終了する期間であってもよい。図17は、タメ期間が終了する第1タイミングおよび第2タイミングを説明するための図である。なお、図17では、タメ期間を開始するための所定の遊技進行操作として、連続演出中における3ゲーム目の第3停止操作が定められている例を説明する。
図17(a)は、第2タイミングよりも遅い第1タイミングでタメ期間が終了となる例を示している。煽り期間において演出が進行された後、3ゲーム目の第3停止操作を受付けることによりタメ期間に移行される。図17(a)では、第3停止操作の受付けが解除されて第2タイミングに到達したときには、タメ期間が開始されてから所定時間が未だ経過していない。このため、第2タイミングに到達した後においても、タメ期間が継続する。つまり、第3停止操作の受付け時間が比較的短い場合であっても、所定時間が経過するまではタメ期間を確保でき、間もなく当落が告知されることに対して心を整えさせることができる。その後、タメ期間が開始されてから所定時間が経過して第1タイミングに到達したときに、タメ期間を終了させて当落告知期間に移行される。これにより、タメ期間から当落告知期間へ切替る瞬間を遊技者に提供することができ、スムーズな演出展開を提供することができる。
図17(b)は、第1タイミングよりも遅い第2タイミングでタメ期間が終了となる例を示している。図17(a)と同様に、煽り期間において演出が進行された後、3ゲーム目の第3停止操作を受付けることによりタメ期間に移行される。図17(b)では、タメ期間が開始されてから所定時間が経過して第1タイミングに到達したときに、未だ第3停止操作への押圧操作が解除されていない。このため、第1タイミングに到達した後においても、タメ期間が継続する。その後、第3停止操作の受付けが解除されて第2タイミングに到達したときに、タメ期間を終了させて当落告知期間に移行される。その結果、遊技者の意思により第3停止操作の受付けが継続しているときにはタメ期間を持続させることができるとともに、遊技者の意図するタイミングでタメ期間を終了させて当落告知期間に移行させることができる。つまり、図17(a)、図17(b)のように最終停止操作(当該遊技における最後の遊技進行操作)に基づいてタメ期間を実行することで、タメ期間及びその後の当落告知期間に対して遊技者の参加意欲を向上させつつ意識を集中させることができる。
図17においては、第1タイミングが、所定の遊技進行操作(第3停止操作)を受付けてから所定時間が経過したタイミングであり、第2タイミングが、当該所定の遊技進行操作と同じ遊技進行操作(第3停止操作)の受付けが解除されるタイミングである例について説明した。しかし、第1タイミングに関連する遊技進行操作と、第2タイミングに関連する遊技進行操作とは、異なる操作であってもよい。例えば、第1タイミングを、第2停止操作を受付けてから所定時間が経過したタイミングとし、第2タイミングを、第3停止操作の受付けが解除されたタイミングとしてもよい。この場合、例えば、タメ期間は、第2停止操作により開始され、第2停止操作を受付けてから所定時間が経過する第1タイミングと、第2停止操作の次の第3停止操作の受付けが解除される第2タイミングとを含む複数のタイミングのうちのいずれか遅いタイミングに到達するまで継続させて、当該いずれか遅いタイミングに到達することにより終了するようにしてもよい。これにより、最終停止操作となる一つ手前の第2停止操作の段階からタメ期間を開始し、少なくとも所定時間経過するかあるいはその後の最終停止操作を受付けて当該操作が解除されるまでタメ期間を継続させることができるため、1遊技の終盤におけるタメ期間に遊技者の意識を集中させて遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 上記実施形態および変形例におけるタメ期間は、煽り期間における演出と関連性を有する演出を所定の状態で留めた後に、当該所定の状態で留めた演出と関連性を有する演出を実行する当落告知期間に移行させる例について説明した。しかし、タメ期間は、演出を所定の状態で留めるものであれば、これに限らず、煽り期間および当落告知期間各々における演出と関連性を有していない演出を所定の状態で留めるものであってもよい。所定の状態で留める演出としては、例えば、液晶表示器27の表示状態をブラックアウトやホワイトアウトさせた状態で留める演出であってもよい。
また、上記実施形態および変形例においては、示唆演出の種類として示唆演出1〜3を例示したが、これに限らず、他の種類の示唆演出を含むものであってもよい。例えば、所定の態様で演出を進行させ、所定のタイミング(例えば、所定時間経過時、所定ゲーム数など)に到達したときに、前述したチャンスボタン演出と同様に所定のボタンへの操作を促す操作促進演出を実行し、当該所定のボタンへの操作に応じて特典が付与されているか否かの当落告知を行う示唆演出を含むものであってもよい。所定のボタンは、例えば、決定スイッチ81aや、最大ベットスイッチ17、スタートスイッチ19、ストップスイッチ21L〜21Rのいずれかであってもよい。このような示唆演出においては、操作促進演出が複数種類設けられており(例えば、PUSH画像を通常パターンとは異なる色(例えば、赤色、金色等)で表示するもの、PUSH画像を通常パターンよりも大きく表示するものなど)、特典が付与されているか否かに応じて当該示唆演出中において実行する操作促進演出の種類を決定するようにしてもよい。
(4) 上記実施形態および変形例においては、示唆演出3の例として複数回の遊技にわたって実行される連続演出を例示し、煽り期間、タメ期間、および当落告知期間が連続演出に含まれる例について説明した。しかし、煽り期間、タメ期間、および当落告知期間が含まれる示唆演出は、演出の結末として特典を付与するか否かを示唆する演出であれば連続演出に限らず、1ゲームが実行される間に開始されてから終了する単遊技演出であってもよい。例えば、ゲームの開始タイミングから第3停止操作を受付けるまでの期間が煽り期間に定められ、第3停止操作を受付けてから所定の終了条件が成立するまでの期間がタメ期間に定められ、所定の終了条件が成立しタメ期間が終了してから次のゲームの開始タイミングまでの期間が当落告知期間に定められているものであってもよい。所定の終了条件は、例えば、所定時間が経過することであってもよく、第3停止操作など所定の遊技進行操作の受付が解除されることであってもよく、図17に示したように所定時間が経過する第1タイミングと所定の遊技進行操作の受付けが解除される第2タイミングとを含む複数のタイミングのうちのいずれか遅いタイミングに到達することなどにより成立するものであってもよい。
(5) 上記実施形態および変形例におけるタメ期間を終了させる条件は、一律に定められている例(例えば、所定時間経過など)について説明した。しかし、タメ期間を終了させる条件は、所定時間経過後に成立するものであれば、パターン抽選により決定されたパターンの種類に応じて異なるように定められているもの(例えば、終了となる時間が異なるように定められているなど)であってもよい。これにより、タメ期間が継続される期間を確保しつつ、タメ期間のバリエーションを豊富にでき、遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 上記実施形態においては、タメ期間中に期待感演出が実行され得る例について説明した。タメ期間中に実行される期待感演出は、タメ期間が開始されてから終了するまで継続して実行するものであってもよい。これにより、タメ期間中における演出に変化を生じさせることがないため、間もなく当落告知期間に移行されることに対して心を整えさせることができる。また、タメ期間中に実行される期待感演出は、タメ期間中の一部の期間(開始時から予め定められた期間が経過するまでの期間など)で実行するものであってもよい。これにより、タメ期間の途中において期待感演出を開始あるいは終了することにより、期待感演出が実行されたことを遊技者にわかりやすく報知できる。
(7) 上記実施形態および変形例においては、図9(b)および図9(c)で示したように、パターン抽選においてパターンを決定することにより、連続演出の種類だけでなく、期待感演出の有無、種類、および実行タイミングが決定される例について説明した。しかし、期待感演出については、パターン抽選とは別の抽選で決定するものであってもよい。例えば、連続演出中において所定の抽選条件が成立したときに、期待感演出の有無および種類を決定するための期待感演出抽選を行い、当該期待感演出抽選の結果に応じて期待感演出を実行するようにしてもよい。所定の抽選条件とは、例えば、連続演出中における所定タイミングに到達することや、所定の当選役グループ(例えば、1枚役、ボーナス1など)に当選することなどにより成立する条件であってもよい。この場合において、期待感演出抽選においては、期待感演出を実行する旨が決定される割合が、煽り期間中であるときよりもタメ期間中であるときの方が低くなるように行われるものであればよい。
より具体的に、例えば、示唆演出として連続演出を実行する旨が決定されたときには、当該連続演出を実行する遊技回数と種類を決定する。また、連続演出中は、決定された遊技回数内で収まるように、1遊技毎(例えばスタートスイッチ19操作時)に実行すべき演出の内容(期待感演出の有無を含む)を当選状況に応じて決定して実行する。連続演出の最終遊技においては、上記実施形態と同様に、タメ期間と当落告知期間となる。このため、最終遊技のスタートスイッチ19操作により演出の内容(期待感演出の有無を含む)を当選状況に応じて決定して実行する。この場合においても、期待感演出を実行するか否かの抽選においては、期待感演出を実行する旨が決定される割合が、煽り期間中であるときよりもタメ期間中であるときの方が低くなるように行われるものであればよい。
(8) 上記実施形態および変形例においては、図8(a)を参照して、遊技状態の遷移を説明した。しかし、遊技状態の遷移は、これに限るものではない。変形例として遊技状態の遷移の一例を以下に説明する。
上記実施形態においては、ボーナス役として、RBB1およびRBB2を例示したが、これに限らず、これらのボーナス役に替えて、「RBB1」〜「RBB4」(以下、まとめてボーナス役、あるいは「RBB」ともいう)を設けてもよい。「RBB1」〜「RBB4」のうち「RBB1」および「RBB2」は、賭数として「3」が設定されている遊技において当選・入賞可能となる。一方、「RBB3」および「RBB4」は、賭数として「2」が設定されている遊技において当選・入賞可能となる。RBBに入賞したときには、上記実施形態と同様にボーナス状態に制御されるが、当該ボーナス状態は、払出されたメダルの枚数が、RBB1,2については36枚、RBB3,4については5枚という少ない枚数を超えることにより終了する。このため、役抽選において「RBB1」〜「RBB4」のいずれかに当選する当選確率は、比較的高い確率(例えば、1/15など)となるように定められている。
当該変形例におけるスロットマシン1において制御可能となる遊技状態としては、いずれのRBBも当選していない「RT0」、RBB1およびRBB2のいずれかが当選している「RT1」、RBB3およびRBB4のいずれかが当選している「RT2」、RBB1〜RBB4各々の入賞に伴うボーナス状態である「RBB1」〜「RBB4」などが設けられている。
遊技状態設定処理は、設定変更等により初期化されると「RT0」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。「RT0」中においては、賭数の規定数として「3」および「2」が定められている。「RT0」中において賭数「3」を設定した遊技において「RBB1」および「RBB2」のいずれかに当選したが入賞しなかったときには、「RT1」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。「RBB1」または「RBB2」に当選した遊技あるいは当該当選が持ち越されている「RT1」中の遊技において「RBB1」および「RBB2」のうちの当選しているRBBに入賞したときには、ボーナス状態である「RBB1」および「RBB2」のうち入賞したRBBに対応するRBBを特定可能な遊技状態フラグを設定して、RBBに制御する。
一方、「RT0」中において賭数「2」を設定した遊技において「RBB3」または「RBB4」に当選したが入賞しなかったときには、「RT2」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。「RT2」では、賭数の規定数として「3」および「2」が定められている。「RBB3」または「RBB4」に当選した遊技において当選しているRBBに入賞したときには、ボーナス状態である「RBB3」または「RBB4」のうち入賞したRBBに対応するRBBを特定可能な遊技状態フラグを設定して、RBBに制御する。
遊技状態設定処理は、RBB中における払出枚数を計数し、払出枚数が入賞したボーナス役の種類に応じた枚数(RBB1,2:36枚、RBB3,4:5枚)を超えたときに「RT0」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。これにより、「RT0」において「RBB」に当選・非入賞のときにRBB内部当選状態としての「RT1」または「RT2」に制御し、「RBB」に入賞したときにボーナス状態である「RBB」に制御する。RBBにおいて規定数払出があったときには、RBB終了となり「RT0」に制御される。遊技状態設定処理が終了すると、S700の有利期間設定処理に移行する。
ここで、図18を参照して、遊技状態の遷移について説明する。以下では、まず、有利期間のうちのATに制御されていないとき(以下、非ATともいう)の遊技状態の遷移について説明する。変形例におけるスロットマシン1は、設定変更等により初期化されると遊技状態としてRT0に設定されて遊技が開始される。RT0においては、比較的高確率で「RBB1」〜「RBB4」に当選する。また、「RBB1」〜「RBB4」当選したとしても、「RBB1」〜「RBB4」各々を構成する図柄組合せは、取りこぼしが生じ得る組合せが定められている。「RBB1」〜「RBB4」を取りこぼしたときには、RT1またはRT2に制御される。また、RT0〜RT2のいずれにおいては、役抽選において比較的高確率で再遊技役および小役に当選するように定められている。またリール制御においては、当選しているRBBよりも当選している再遊技役や小役を優先して入賞ラインNLに引き込まれる。このため、当選している「RBB」を入賞させにくくなる。その結果、遊技の大半は、RT1またはRT2において行われることになる。なお、RT2においては、実質的にRBB3やRBB4に制御されることがないように定められている。具体的には、RT2においては、賭数が「2」のときに「はずれ」となることがないように定められており、常にRBB3またはRBB4以外の役を優先して入賞ラインNLに引き込まれる結果、RBB3またはRBB4に入賞せず、賭数が「3」(RBB3やRBB4に当選した遊技と異なる賭数)のときには、RBB3やRBB4を構成する図柄を引き込まないようにしているためである。また、有利期間のうちの非AT中においては、ナビ対象役に当選しても、有利操作態様を報知するナビ演出が行われることがない。このため、意図的にナビ対象役を入賞させる正解手順で停止操作することはできない。
一方、有利期間のうちのATに制御されているときには、ナビ対象役に当選したときに、ナビ対象役を入賞させるための有利操作態様が報知用表示器60および液晶表示器27により報知可能となる。これにより、有利操作態様が報知された場合には、停止操作を誤らない限り、確実にナビ対象役を入賞させることができる。その結果、有利期間のうちのAT中においては、メダルが9枚払い出される割合が高まる。
図18に示すような遊技状態の遷移を行うスロットマシンにおいては、RBBに制御されたとしても少ない枚数のメダルしか獲得できない。よって、このようなスロットマシンにおける特典としては、例えば、CZ移行抽選で当選すること、AT移行抽選で当選すること、ATゲーム数の上乗せ抽選で当選すること、ATストック抽選で当選することなどが該当し、ATに制御されることを目標とする遊技性を遊技者に提供することができる。また、このようなスロットマシンにおいても、演出を進行させて特典を付与する可能性を示唆する煽り期間と、煽り期間経過後において演出を所定の状態で留めるタメ期間と、タメ期間経過後において演出を進行させて特典を付与するか否かを示唆する当落告知期間とを含む示唆演出を実行し、当該示唆演出中において期待感演出が実行される割合は、煽り期間中であるときよりもタメ期間中であるときの方が低くなるようにしてもよい。ただし、このようなスロットマシンにおいては、いずれのRBBに当選した場合であっても示唆演出が行われることはない。
(9) その他
上記実施形態においては、有利状態としてATやボーナスを例示した。しかし、有利状態は、これに限るものではない。例えば、有利状態は、ATゲーム数が上乗せされる確率が向上する上乗せ特化期間であってもよく、また、再遊技役の当選確率が通常状態よりも向上するRTであってもよい。
なお、上記実施形態および変形例においては、有利操作態様報知画像(ナビ演出)を報知する対象となる当選役グループとして押し順ベルを例示した。しかし、有利操作態様報知画像の対象は、これに限らず、例えば、リプレイ当選確率が高い有利RTに制御可能となる有利な再遊技役を含む当選役グループであって、有利な再遊技役を入賞させる操作態様(押し順)が異なる複数種類の当選役グループ(いわゆる押し順リプレイ)を対象とするものであってもよい。また、有利操作態様報知画像の対象は、例えば、リプレイ当選確率が低い不利RTに制御可能となる不利な再遊技役を含む当選役グループであって、不利な再遊技役の入賞を回避させる操作態様(押し順)が異なる複数種類の当選役グループ(いわゆる押し順リプレイ)を対象とするものであってもよい。
上記実施形態では、可変表示部13が3つの左可変表示列10L〜右可変表示列10Rを備える例について説明するが、これに限らず、1つの可変表示列を備える遊技機であっても、4つ以上の可変表示列を備える遊技機であってもよい。また、可変表示部13は、リール11L〜11Rにより構成される例を示したが、これに限らず、液晶表示器や7セグメントLEDなどの表示装置により構成されるものであってもよい。また、可変表示部13に対して入賞ラインとして1本のみ設定されている例について説明したが,これに限らず、複数の入賞ラインが設定されているものであってもよい。