本発明が適用されたスロットマシンの実施例1を図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、前面が開口する筐体2aと、この筐体2aの側端に回動自在に枢支された前面扉2bと、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「赤7」、「朱7」、「青7」「紫7」、「BAR」、「スイカ」、「チェリー」、「リプレイ」、「ベル」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネル1c略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄に対応する領域をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L,2C,2Rに対応する位置には、リール2L,2C,2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L,2C,2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例では後述するRB1においては規定数として1が定められており、後述するRB2においては規定数として2が定められており、後述する通常遊技状態、RT1〜4、RB3においては規定数として3が定められている。)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
尚、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや後述する配当表1などが印刷された下部パネル1dが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のBB終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)が有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組み合わせが入賞図柄の組み合わせであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化され入賞ライン上に予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。尚、有効化され複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組み合わせが揃った場合には、有効化され入賞ラインに揃った図柄の組み合わせそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化され入賞ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。また、後述するメイン制御部41からサブ制御部91へのコマンド伝送ラインと、遊技制御基板40から演出制御基板90に対して電源を供給する電源供給ラインと、が一系統のケーブル及びコネクタを介して接続されており、これらケーブルと各基板とを接続するコネクタ同士が全て接続されることで演出制御基板90側の各部が動作可能となり、かつメイン制御部41からのコマンドを受信可能な状態となる。このため、メイン制御部41からコマンドを伝送するコマンド伝送ラインが演出制御基板90に接続されている状態でなければ、演出制御基板90側に電源が供給されず、演出制御基板90側のみが動作してしまうことがない。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メイン制御部41、制御用クロック生成回路42、乱数用クロック生成回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載されている。
メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータにて構成され、後述するROM506に記憶された制御プログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
制御用クロック生成回路42は、メイン制御部41の外部にて、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する。制御用クロック生成回路42により生成された制御用クロックCCLKは、例えば図5に示すようなメイン制御部41の制御用外部クロック端子EXCを介してクロック回路502に供給される。乱数用クロック生成回路43は、メイン制御部41の外部にて、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する。乱数用クロック生成回路43により生成された乱数用クロックRCLKは、例えば図5に示すようなメイン制御部41の乱数用外部クロック端子ERCを介して乱数回路509に供給される。一例として、乱数用クロック生成回路43により生成される乱数用クロックRCLKの発振周波数は、制御用クロック生成回路42により生成される制御用クロックCCLKの発振周波数以下となるようにすれば良い。
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する。LED駆動回路は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与える。また、リセット回路49は、ウォッチドッグタイマを内蔵し、ウォッチドッグタイマがタイムアップした場合、すなわちメイン制御部41のCPU505の動作が一定時間停止した場合においてメイン制御部41にユーザリセット信号を与える。
図5は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の構成例を示している。図5に示すメイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、外部バスインタフェース501と、クロック回路502と、固有情報記憶回路503と、リセット/割込コントローラ504と、CPU505と、ROM506と、RAM507と、CTC(カウンタ/タイマサーキット)508と、乱数回路509と、PIP(パラレルインプットポート)510と、シリアル通信回路511と、アドレスデコード回路512とを備えて構成される。
図5に示すメイン制御部41が備える外部バスインタフェース501は、メイン制御部41を構成するチップの外部バスと内部バスとのインタフェース機能や、アドレスバス、データバス及び各制御信号の方向制御機能などを有するバスインタフェースである。例えば、外部バスインタフェース501は、メイン制御部41に外付けされた外部メモリや外部入出力装置などに接続され、これらの外部装置との間でアドレス信号やデータ信号、各種の制御信号などを送受信するものであれば良い。この実施の形態において、外部バスインタフェース501には、内部リソースアクセス制御回路501Aが含まれている。
内部リソースアクセス制御回路501Aは、外部バスインタフェース501を介した外部装置からメイン制御部41の内部データに対するアクセスを制御して、例えばROM506に記憶されたゲーム制御用プログラムや固定データといった、内部データの不適切な外部読出を制限するための回路である。ここで、外部バスインタフェース501には、例えばインサーキットエミュレータ(ICE)といった回路解析装置が、外部装置として接続されることがある。
メイン制御部41が備えるクロック回路502は、例えば制御用外部クロック端子EXCに入力される発振信号を2分周することなどにより、内部システムクロックSCLKを生成する回路である。本実施例では、制御用外部クロック端子EXCに制御用クロック生成回路42が生成した制御用クロックCCLKが入力される。クロック回路502により生成された内部システムクロックSCLKは、例えばCPU505といった、メイン制御部41において遊技の進行を制御する各種回路に供給される。また、内部システムクロックSCLKは、乱数回路509にも供給され、乱数用クロック生成回路43から供給される乱数用クロックRCLKの周波数を監視するために用いられる。さらに、内部システムクロックSCLKは、クロック回路502に接続されたシステムクロック出力端子CLKOから、メイン制御部41の外部へと出力されても良い。
メイン制御部41が備える固有情報記憶回路503は、例えばメイン制御部41の内部情報となる複数種類の固有情報を記憶する回路である。一例として、固有情報記憶回路503は、ROMコード、チップ個別ナンバー、IDナンバーといった3種類の固有情報を記憶する。ROM506コードは、ROM506の所定領域における記憶データから生成される4バイトの数値であり、生成方法の異なる4つの数値が準備されれば良い。チップ個別ナンバーは、メイン制御部41の製造時に付与される4バイトの番号であり、メイン制御部41を構成するチップ毎に異なる数値を示している。IDナンバーは、メイン制御部41の製造時に付与される8バイトの番号であり、メイン制御部41を構成するチップ毎に異なる数値を示している。ここで、チップ個別ナンバーはユーザプログラムから読み取ることができる一方、IDナンバーはユーザプログラムから読み取ることができないように設定されていれば良い。尚、固有情報記憶回路503は、例えばROM506の所定領域を用いることなどにより、ROM506に含まれるようにしても良い。或いは、固有情報記憶回路503は、例えばCPU505の内蔵レジスタを用いることなどにより、CPU505に含まれるようにしても良い。
メイン制御部41が備えるリセット/割込コントローラ504は、メイン制御部41の内部や外部にて発生する各種リセット、割込要求を制御するためのものである。リセット/割込コントローラ504が制御するリセットには、システムリセットとユーザリセットが含まれている。システムリセットは、外部システムリセット端子XSRSTに一定の期間にわたりローレベル信号(システムリセット信号)が入力されたときに発生するリセットである。ユーザリセットは、外部ユーザリセット端子XURSTに一定の期間にわたりローレベルの信号(ユーザリセット信号)が入力されたとき、または内蔵ウォッチドッグタイマ(WDT)のタイムアウト信号が発生したことや、指定エリア外走行禁止(IAT)が発生したことなど、所定の要因により発生するリセットである。尚、本実施例では前述のように内蔵ウォッチドッグタイマを使用せずにリセット回路49に搭載されたウォッチドッグタイマ(WDT)を用いているため、外部ユーザリセット端子XURSTにユーザリセット信号が入力されるか、指定エリア外走行禁止(IAT)が発生することでユーザリセットが発生することとなる。
リセット/割込コントローラ504が制御する割込には、ノンマスカブル割込NMIとマスカブル割込INTが含まれている。ノンマスカブル割込NMIは、CPU505の割込禁止状態でも無条件に受け付けられる割込であり、外部ノンマスカブル割込端子XNMI(入力ポートP4と兼用)に一定の期間にわたりローレベル信号が入力されたときに発生する割込である。マスカブル割込INTは、CPU505の設定命令により、割込要求の受け付けを許可/禁止できる割込であり、優先順位設定による多重割込の実行が可能である。マスカブル割込INTの要因としては、外部マスカブル割込端子XINT(入力ポートP3と兼用)に一定の期間にわたりローレベル信号が入力されたこと、CTC508に含まれるタイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、シリアル通信回路511にてデータ送信による割込要因が発生したこと、乱数回路509にて乱数値となる数値データの取り込みによる割込要因が発生したことなど、複数種類の割込要因が予め定められていれば良い。
メイン制御部41が備えるCPU505は、ROM506から読み出したプログラムを実行することにより、スロットマシン1におけるゲームの進行を制御するための処理などを実行する。このときには、CPU505がROM506から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU505がRAM507に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU505がRAM507に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU505が外部バスインタフェース501やPIP510などを介してメイン制御部41の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU505が外部バスインタフェース501やシリアル通信回路511などを介してメイン制御部41の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
このように、メイン制御部41では、CPU505がROM506に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、メイン制御部41(又はCPU505)が実行する(又は処理を行う)ということは、具体的には、CPU505がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、遊技制御基板40以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
メイン制御部41が備えるROM506には、ゲーム制御用のユーザプログラムや固定データ等が記憶されている。また、ROM506には、セキュリティチェックプログラム506Aが記憶されている。CPU505は、スロットマシン1の電源投入やシステムリセットの発生に応じてメイン制御部41がセキュリティモードに移行したときに、ROM506に記憶されたセキュリティチェックプログラム506Aを読み出し、ROM506の記憶内容が変更されたか否かを検査するセキュリティチェック処理を実行する。尚、セキュリティチェックプログラム506Aは、ROM506とは異なる内蔵メモリに記憶されても良い。また、セキュリティチェックプログラム506Aは、例えば外部バスインタフェース501を介してメイン制御部41に外付けされた外部メモリの記憶内容を検査するセキュリティチェック処理に対応したものであっても良い。
メイン制御部41が備えるRAM507は、ゲーム制御用のワークエリアを提供する。ここで、RAM507の少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであれば良い。すなわち、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM507の少なくとも一部の内容が保存される。尚、本実施例では、RAM507の全ての領域がバックアップRAMとされており、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM507の全ての内容が保存される。
メイン制御部41が備えるCTC508は、例えば8ビットのプログラマブルタイマを3チャネル(PTC0−PTC2)内蔵して構成され、リアルタイム割込の発生や時間計測を可能とするタイマ回路を含んでいる。各プログラマブルタイマPTC0−PTC2は、内部システムクロックSCLKに基づいて生成されたカウントクロックの信号変化(例えばハイレベルからローレベルへと変化する立ち下がりタイミング)などに応じて、タイマ値が更新されるものであれば良い。また、CTC508は、例えば8ビットのプログラマブルカウンタを4チャネル(PCC0−PCC3)内蔵しても良い。各プログラマブルカウンタPCC0−PCC3は、内部システムクロックSCLKの信号変化、或いは、プログラマブルカウンタPCC0−PCC3のいずれかにおけるタイムアウトの発生などに応じて、カウント値が更新されるものであれば良い。CTC508は、セキュリティ時間を延長する際の延長時間(可変設定時間)をシステムリセット毎にランダムに決定するために用いられるフリーランカウンタや、乱数回路509にて生成される乱数のスタート値をシステムリセット毎にランダムに決定するために用いられるフリーランカウンタなどを、含んでも良い。或いは、これらのフリーランカウンタは、例えばRAM507のバックアップ領域といった、CTC508とは異なるメイン制御部41の内部回路に含まれても良い。
メイン制御部41が備える乱数回路509は、例えば16ビット乱数といった、所定の更新範囲を有する乱数値となる数値データを生成する回路である。本実施例では、遊技制御基板40の側において、後述する内部抽選用の乱数値を示す数値データがカウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられても良い。CPU505は、乱数回路509から抽出した数値データに基づき、乱数回路509とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを加工或いは更新することで、内部抽選用の乱数値を示す数値データをカウントするようにしても良い。以下では、内部抽選用の乱数値を示す数値データが、ハードウェアとなる乱数回路509からCPU505により抽出された数値データをソフトウェアにより加工しないものとする。尚、乱数回路509は、メイン制御部41に内蔵されるものであっても良いし、メイン制御部41とは異なる乱数回路チップとして、メイン制御部41に外付けされるものであっても良い。
内部抽選用の乱数値は、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを判定するために用いられる値であり、本実施例では、「0」〜「65535」の範囲の値をとる。
メイン制御部41が備えるPIP510は、例えば6ビット幅の入力専用ポートであり、専用端子となる入力ポートP0〜入力ポートP2と、機能兼用端子となる入力ポートP3〜入力ポートP5とを含んでいる。入力ポートP3は、CPU505等に接続される外部マスカブル割込端子XINTと兼用される。入力ポートP4は、CPU505等に接続される外部ノンマスカブル割込端子XNMIと兼用される。入力ポートP5は、シリアル通信回路511が使用する第1チャネル受信端子RXAと兼用される。入力ポートP3〜入力ポートP5の使用設定は、プログラム管理エリアに記憶される機能設定KFCSにより指示される。
図5に示すメイン制御部41が備えるアドレスデコード回路512は、メイン制御部41の内部における各機能ブロックのデコードや、外部装置用のデコード信号であるチップセレクト信号のデコードを行うための回路である。チップセレクト信号により、メイン制御部41の内部回路、或いは、周辺デバイスとなる外部装置を、選択的に有効動作させて、CPU505からのアクセスが可能となる。
メイン制御部41が備えるROM506には、ゲーム制御用のユーザプログラムやセキュリティチェックプログラム506Aの他に、ゲームの進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納される。例えば、ROM506には、CPU505が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM506には、CPU505が遊技制御基板40から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
メイン制御部41が備えるRAM507には、スロットマシン1におけるゲームの進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、遊技制御用データ保持エリア590が設けられている。RAM507としては、例えばDRAMが使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要になる。CPU505には、このリフレッシュ動作を行うためのリフレッシュレジスタが内蔵されている。例えば、リフレッシュレジスタは8ビットからなり、そのうち下位7ビットはCPU505がROM506から命令フェッチするごとに自動的にインクリメントされる。したがって、リフレッシュレジスタにおける格納値の更新は、CPU505における1命令の実行時間ごとに行われることになる。
メイン制御部41は、シリアル通信回路511を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。
メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が入力ポートから入力される。そしてメイン制御部41は、これら入力ポートから入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、CTC508に含まれるタイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎に後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。
また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。尚、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用しても良い。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM507から読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM507に格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM507から読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM507のスタックに退避し、RAM507にいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM507に格納する処理を行うようになっている。尚、RAMパリティとはRAM507の該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メイン制御部41は、システムリセットによるかユーザリセットによるかに関わらず、その起動時においてRAM507の全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM507に記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、RAM異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
尚、本実施例では、RAM507に格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メイン制御部41は、電源投入時においてRAM507のデータが正常であると判定した場合に、RAM507の格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM507に格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、例えば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
次に、メイン制御部41のRAM507の初期化について説明する。メイン制御部41のRAM507の格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM507のデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数、後述する遊技状態フラグ等、BB終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。未使用領域は、RAM507の格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施例においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、BB終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM507のデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がonの状態であり、設定変更状態へ移行する場合において、その前に行う初期化、またはRAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化1では、RAM507の格納領域のうち、重要ワーク及び使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)、すなわち非保存ワークから未使用スタック領域までの領域が初期化される。初期化2は、BB終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAM507の格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域、すなわち一般ワークから未使用スタック領域までの領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がoffの状態であり、かつRAM507のデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM507の格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
尚、本実施例では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行うようにしても良い。
本実施例のスロットマシン1は、前述のように遊技状態(通常遊技状態、RT1〜4、RB1、RB2、RB3)に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ライン1〜5全てが有効化される。
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組み合わせであっても良いし、異なる図柄を含む組み合わせであっても良い。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM507に設定されている必要がある。
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組み合わせが揃うまで有効とされ、許容された役の組み合わせが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組み合わせを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、RAM507に割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAM507に割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態及び特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、後述するRTを特定するためのRTフラグの値、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
乱数値格納ワークは、スタートスイッチ7の操作と同時にラッチされた数値データが格納される記憶領域であり、新たな数値データがラッチされる毎に、ラッチされた数値データがその後のタイマ割込処理(メイン)において読み出され、乱数値格納ワークに格納された数値データが新たにラッチされた最新の数値データに更新されるようになっている。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値、RTフラグ値及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM507に割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組み合わせにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
本実施例では、リールの停止制御の方法として、予めROM506に登録されている滑りコマ数データ(停止操作位置に応じた滑りコマ数を示すデータ)による停止制御(以下テーブル方式とも呼ぶ)、停止操作のタイミング毎に引込可能位置を検索し、その検索結果に基づく停止制御(以下コントロール方式とも呼ぶ)の2つの方法を採用しており、内部抽選の結果、リールの停止状況に応じていずれかの方法によって停止制御を行う。
本実施例では、全ての内部抽選結果に対応して第1停止(全てのリールが未だ回転中の状態で最初に行われる停止操作)に対応する滑りコマ数データ及び内部抽選結果のうち特定の結果(本実施例では、BB1〜4)であり、かつ第1停止リールが左リールであり、その停止位置が特定の結果に応じて定められた特定の停止位置(本実施例では、下段17番の停止位置、下段11番の停止位置、下段7番の停止位置、下段2番の停止位置、下段0番の停止位置)である場合に対応して、第2停止(いずれか1つのリールが既に停止し、2つのリールが回転中の状態、すなわち2番目に行われる停止操作)、第3停止(いずれか2つのリールが停止し、1つのリールが回転中の状態、すなわち3番目に行われる停止操作)に対応する滑りコマ数データが予めROM506に登録されており、第1停止時には、内部抽選の結果に関わらず、対応する滑りコマ数データによりテーブル方式にて停止制御を行い、第2停止時及び第3停止時には、内部抽選結果が特定の抽選結果であり、かつ第1停止リールに特定の停止位置が停止した場合であれば、対応する滑りコマ数データによりテーブル方式にて停止制御を行い、内部抽選結果が特定の抽選結果ではない場合、または第1停止リールにて特定の停止位置が停止していない場合であれば、コントロール方式にて停止制御を行う。
テーブル方式によって停止制御を行う際に用いる滑りコマ数データは、ROM506に予め登録されており、ROM506に格納されているテーブルインデックスを参照して選択される。
滑りコマ数データは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを335ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、図38に示すように、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、滑りコマ数データには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、滑りコマ数データを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
ここで停止制御の方法別の停止制御の内容について説明する。
まず、メイン制御部41が、テーブル方式によって停止制御を行う場合には、図36に示すように、リールの回転が開始したとき、またはリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、リールの停止操作が有効になる前の段階においてテーブルインデックスを参照し、未停止のリールについて内部抽選の結果、停止済みのリールがある場合には、そのリールの停止位置に対応する停止制御テーブルの滑りコマ数データを選択する。
そして、選択した滑りコマ数データを展開してRAM507に割り当てられた仮想滑りコマテーブル(図38参照)に格納する。
仮想滑りコマテーブルは、図38に示すように、各リール毎に、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ格納されるテーブルであり、滑りコマ数データから展開した滑りコマ数が、該当するリールの該当する領域番号に対応して格納されることとなる。
その後、停止操作を有効とし、この状態でストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの仮想滑りコマテーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして取得した滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
詳しくは、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域(図の停止操作ポイント)から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域(図の停止ポイント)が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
次に、メイン制御部41が、コントロール方式によって停止制御を行う場合には、図37に示すように、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、リールの停止操作が有効になる前の段階において未停止のリールについて内部抽選の結果、停止済みのリールの停止位置に基づいて、停止操作位置毎に内部抽選の結果に対応する停止位置(当選役が入賞ライン上に揃う停止位置)を検索する。
詳しくは、停止操作位置毎に、0〜4の滑りコマ数別の停止位置を特定し、これらの停止位置のそれぞれについて不正入賞(内部抽選で当選していない役)の判定及び停止禁止位置(停止した場合に、未停止のリールにおいて不正入賞や重複入賞を回避できなくなる停止位置)の判定を行い、不正入賞や停止禁止位置である場合には、停止禁止位置フラグを設定する。
そして、0〜4の滑りコマ数別の停止位置が当選役が入賞ライン上に揃う停止位置か否かの判定を役に応じた順番(特に、リプレイA及びベル当選時においては1コマを最優先とする順番であり、本実施例では、1→0→2→3→4の順番を適用する)で行い、当選役が入賞ライン上に揃う停止位置と判定された場合には、更に、その停止位置に対して停止禁止位置フラグが設定されているか否かの判定を行い、停止禁止位置フラグが設定されていなければ、その停止位置を取得し、取得した停止位置となる滑りコマ数を仮想滑りコマテーブルにおける該当するリールの該当する停止操作位置の領域番号に格納する。
また、当選役が入賞ライン上に揃う停止位置と判定された場合でも、その停止位置に対して停止禁止位置フラグが設定されていれば、次の停止位置についての判定を行う。また、全ての滑りコマ数の停止位置の判定を行っても当選役が入賞ライン上に揃う停止位置がない場合には、最後に判定した停止位置となる滑りコマ数を仮想滑りコマテーブルの該当するリール、該当する停止操作位置の領域番号に格納する。また、最後に判定した停止位置に対して停止禁止位置フラグが設定されている場合には、停止禁止位置フラグが設定されていない停止位置まで遡って取得し、取得した停止位置となる滑りコマ数を仮想滑りコマテーブルにおける該当するリールの該当する停止操作位置の領域番号に格納する。尚、本実施例では、後述するように「ベル」、「リプレイ」の図柄が全てのリールにおいて4コマ以内の間隔で配置されており、0〜4コマの範囲でリールを引き込んで停止させることにより必ずベルまたはリプレイを入賞ライン上に揃えることが可能となる。
仮想滑りコマテーブルにおける回転中のリールの全ての領域番号に対して滑りコマ数が格納された後、停止操作を有効とし、この状態でストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの仮想滑りコマテーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして取得した滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
また、本実施例では、滑りコマ数が必ず0〜4の範囲となるため、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
また、テーブルインデックスにおいて、いずれかの役に当選している場合に対応するアドレスには、当選役を4コマの範囲で最大限に引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた滑りコマ数データを特定するインデックスデータが格納されているとともに、コントロール方式で停止操作を行う場合にも、当選役を4コマの範囲で最大限に引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む滑りコマ数が仮想滑りコマテーブルに格納される。
このため、いずれかの役に当選している場合には、停止制御の方法に関わらず、当選役を4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む滑りコマ数が仮想滑りコマテーブルに格納され、リールの停止制御が行われる一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が仮想滑りコマテーブルに格納され、リールの停止制御が行われる。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役の図柄は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
図3に示すように、全てのリールにおける「ベル」、「リプレイ」、中リールにおける「チェリー」は、それぞれ4コマ以内の間隔で配置されているので、「リプレイ」または「ベル」を構成図柄とする入賞の当選時には、各リールの停止操作をどのタイミングで行った場合でも、必ず「リプレイ」または「ベル」を入賞ラインに停止させることが可能となる。
一方で、全てのリールにおける「赤7」、「青7」、「紫7」、「スイカ」、左、右リールにおける「朱7」、「チェリー」は、4コマを超える間隔にて配置されているので、いずれかのリールにおいて「赤7」、「青7」、「紫7」、「スイカ」を構成図柄とする入賞の当選時、左、右リールにおいて「朱7」、「チェリー」を構成図柄とする入賞の当選時には、該当するリールにおいて「赤7」、「青7」、「紫7」、「スイカ」、「朱7」、「チェリー」の引き込み範囲となるタイミングで該当するリールの停止操作を行えば、「赤7」、「青7」、「紫7」、「スイカ」、「朱7」、「チェリー」を入賞ラインに停止させることが可能となるが、「赤7」、「青7」、「紫7」、「スイカ」、「朱7」、「チェリー」の引き込み範囲外のタイミングで該当するリールの停止操作を行えば、「赤7」、「青7」、「紫7」、「スイカ」、「朱7」、「チェリー」を入賞ラインに停止させることができず、取りこぼすこととなる。
尚、左リールにおいて「スイカ」は、6コマ以内の間隔にて配置されているため、中リールまたは右リールを左リールよりも先に停止した結果、入賞ラインを制限されている場合は、「スイカ」の引き込み範囲外のタイミングで該当するリールの停止操作を行えば、「スイカ」を入賞ラインに停止させることができず、取りこぼすこととなるが、左リールを第1停止とした場合には、5コマの範囲で上段または下段のいずれに停止しても入賞ラインに停止させることが可能となるため、左リールにおいて「スイカ」を構成図柄とする入賞の当選時には、左リールを第1停止とした場合には左リールの停止操作をどのタイミングで行った場合でも、必ず「スイカ」を入賞ラインに停止させることが可能となる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合や特別役が持ち越されていない状態で特別役と小役が同時に当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を有効させることが可能となる。
尚、本実施例では、特別役と小役が同時に当選している場合に、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる構成であるが、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞させることが可能となる構成としても良い。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合や特別役が持ち越されていない状態で特別役と再遊技役が同時に当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。
本実施例においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。尚、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
尚、本実施例では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしても良い。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施例では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、低速停止コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、BETコマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
低速停止コマンドは、後述する低速停止抽選の結果、すなわち後述する低速停止制御が実行されるか否か、を特定可能なコマンドであり、低速停止抽選後に送信される。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、後述する通常停止制御であるか、低速停止制御であるか、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞判定コマンドは、入賞の有無、入賞の種類、役が揃った入賞ライン、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態及びRTの種類、RTの残りゲーム数を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生及びその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了及び設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(ON/OFF)を示すコマンドであり、一定間隔毎に送信される。
操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、シリアル通信回路511の送信データレジスタ561に転送することで、サブ制御部91に送信される。
操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)が5回実行される毎に生成され、シリアル通信回路511の送信データレジスタ561に転送することで、サブ制御部91に送信される。
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
尚、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
特に、本実施例では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行うのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
図6、図7は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、及び入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図8は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図9は、遊技状態の概要を示す図である。
本実施例におけるスロットマシンは、図8に示すように、通常遊技状態、通常遊技状態、RT1〜4、BB1〜6のいずれかに制御され、さらにBB1、2においては常時RB1に制御され、BB3、4においては常時RB2に制御され、BB5、6においては常時RB3に制御される。
図6を参照して、入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス1〜6(以下、各々のビッグボーナスをBBと称する)の6種類のBBが含まれる。
BB1は、入賞ラインに「赤7−赤7−赤7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。BB2は、入賞ラインに「青7−青7−青7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。BB3は、入賞ラインに「赤7−赤7−朱7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。BB4は、入賞ラインに「紫7−青7−青7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。BB5は、入賞ラインに「赤7−赤7−青7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。BB6は、入賞ラインに「青7−青7−赤7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
BB1が入賞するとビッグボーナス1(以下、BB1と称す)に移行する。また、BB2が入賞するとビッグボーナス2(以下、BB2と称す)に移行する。BB1、BB2では、終了条件が成立するまで常時レギュラーボーナス1(以下RB1と称す)に制御される。RB1は、賭数の規定数として1が定められた遊技状態であり、12ゲーム消化するか、4回入賞するか、のいずれかの条件が成立することで終了し、BB1またはBB2が終了していなければ再度RB1に制御されることとなる。BB1、BB2は、当該BB1中またはBB2中に465枚を超えるメダルが払い出されたことを条件として終了する。この際、RB1の終了条件が成立せずともRB1も終了させる。
BB3が入賞するとビッグボーナス3(以下、BB3と称す)に移行する。また、BB4が入賞するとビッグボーナス4(以下、BB4と称す)に移行する。BB3、BB4では、終了条件が成立するまで常時レギュラーボーナス2(以下RB2と称す)に制御される。RB2は、賭数の規定数として2が定められた遊技状態であり、12ゲーム消化するか、4回入賞するか、のいずれかの条件が成立することで終了し、BB3またはBB4が終了していなければ再度RB2に制御されることとなる。BB3、BB4は、当該BB3中またはBB4中に344枚を超えるメダルが払い出されたことを条件として終了する。この際、RB2の終了条件が成立せずともRB2も終了させる。
BB5が入賞するとビッグボーナス5(以下、BB5と称す)に移行する。また、BB6が入賞するとビッグボーナス6(以下、BB6と称す)に移行する。BB5、BB6では、終了条件が成立するまで常時レギュラーボーナス3(以下RB3と称す)に制御される。RB3は、賭数の規定数として3が定められた遊技状態であり、12ゲーム消化するか、4回入賞するか、のいずれかの条件が成立することで終了し、BB5またはBB6が終了していなければ再度RB3に制御されることとなる。BB3、BB4は、当該BB3中またはBB4中に105枚を超えるメダルが払い出されたことを条件として終了する。この際、RB3の終了条件が成立せずともRB3も終了させる。
図8に示すように、BB1〜6のいずれかに当選してから入賞するまでは、RT4に制御される。また、図8に示すように、BB1〜4が終了した後は、通常遊技状態に制御され、BB5、6が終了した後は、RT3に制御される。
内部抽選においてBB1〜6のうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。BB1〜6の構成図柄は、全てのリールにおいて4コマ以内の間隔で配置されていないためである。
次に、図7を参照して、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、リプレイ1、リプレイ2、リプレイ3が含まれる。
リプレイ1は、入賞ラインに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」、「ベル−BAR−リプレイ」のいずれかの組み合わせが揃ったときに入賞となる。「リプレイ」は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において4コマ以内の間隔で配置されている。よって、リプレイ1については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
リプレイ2は、入賞ラインに「リプレイ−リプレイ−ベル」、「ベル−ベル−リプレイ」、「スイカ−スイカ−リプレイ」、「スイカ−リプレイ−スイカ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。「リプレイ」及び「ベル」は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において4コマ以内の間隔で配置されている。よって、リプレイ2については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
図8に示すように、通常遊技状態またはRT3においてリプレイ2に入賞した後は、RT1に制御される。
リプレイ3は、入賞ラインに「チェリー−リプレイ−リプレイ」、「BAR−リプレイ−リプレイ」、「紫7−リプレイ−リプレイ」、「スイカ−リプレイ−スイカ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。「チェリー」、「BAR」、「紫7」は、左リールにおいて4コマ以内の間隔で配置されており、「リプレイ」は、中リール2C、右リール2R各々において4コマ以内の間隔で配置されている。よって、リプレイ3については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
図8に示すように、通常遊技状態またはRT3においてリプレイ3に入賞した後は、RT2に制御される。
次に、図7を参照して、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、チェリー、ベル、スイカ、1枚役1、1枚役2が含まれる。
チェリーは、入賞ラインに「ANY−ANY−チェリー」(「ANY」は「赤7」、「朱7」、「青7」「紫7」、「BAR」、「スイカ」、「チェリー」、「リプレイ」、「ベル」、「プラム」のいずれか)の組み合わせが揃ったときに入賞となり、遊技状態が通常遊技状態、RT1〜4であれば、1枚のメダルが払い出され、遊技状態がRB1〜3であれば、15枚のメダルが払い出される。尚、右リールの上段または下段に「チェリー」が停止すると2本の入賞ラインに揃うこととなるため、通常遊技状態、RT1〜4であれば、2枚のメダルが払い出される。尚、RB1〜3では、2本の入賞ラインに揃っても最大払出枚数を超えることとなるので、払出は15枚となる。
ここで、図3を参照すると、「チェリー」は、右リール2Rにおいて上段または下段のいずれかに停止させることが可能となる6コマを超える間隔にて配置されている。このため、内部抽選においてチェリーに当選しているときには、右リールに対応するストップスイッチ8Rを適正なタイミングで操作しなければ、当選しているチェリーに入賞することはない。
ベルは、入賞ラインに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、遊技状態が通常遊技状態、RT1〜4であれば、8枚のメダルが払い出され、遊技状態がRB1〜3であれば、15枚のメダルが払い出される。
ここで、図3を参照すると、ベルは、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において4コマ以内の間隔で配置されている。このため、内部抽選においてベルに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
スイカは、入賞ラインに「スイカ−スイカ−スイカ」、「スイカ−スイカ−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、遊技状態が通常遊技状態、RT1〜4であれば、10枚のメダルが払い出され、遊技状態がRB1〜3であれば、15枚のメダルが払い出される。
ここで、図3を参照すると、「スイカ」は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rにおいて4コマを超える間隔にて配置されている。このため、内部抽選においてスイカに当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ、当選しているスイカに入賞することはない。尚、左リール2Lにおいて「スイカ」は、段または下段のいずれかに停止させることが可能となる6コマ以内の間隔で配置されているので、左リールを第1停止とした場合には、ストップスイッチ8Lの操作タイミングに関わらず、左リールでは、「スイカ」を入賞ラインに停止させることが可能となる。
1枚役1は、入賞ラインに「青7−BAR−青7」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、遊技状態が通常遊技状態、RT1〜4であれば、1枚のメダルが払い出され、遊技状態がRB1〜3であれば、14枚のメダルが払い出される。
ここで、図3を参照すると、「青7」は、左リール2L、右リール2Rにおいて4コマを超える間隔にて配置されており、「BAR」は、中リール2Cにおいて4コマを超える間隔にて配置されている。このため、内部抽選において1枚役1に当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ、当選している1枚役1に入賞することはない。
1枚役2は、入賞ラインに「チェリー−青7−赤7」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、遊技状態が通常遊技状態、RT1〜4であれば、1枚のメダルが払い出され、遊技状態がRB1〜3であれば、15枚のメダルが払い出される。
ここで、図3を参照すると、「チェリー」は、左リール2Lにおいて4コマを超える間隔にて配置されており、「青7」は、中リール2Cにおいて4コマを超える間隔にて配置されており、「赤7」は、右リール2Rにおいて4コマを超える間隔にて配置されている。このため、内部抽選において1枚役2に当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ、当選している1枚役2に入賞することはない。
次に、図10〜図13を参照して、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組み合わせについて説明する。本実施例では、遊技状態が、通常遊技状態であるか、RT1であるか、RT2であるか、RT3であるか、RT4であるか、RB1〜3であるか、によって内部抽選の対象となる役及びその当選確率が異なる。尚、抽選対象役として後述するように、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。図10〜図13においては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
図10〜図13においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。また、遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されることを示し、×印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されないことを示している。
また、図10〜図12は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される特別役の組み合わせを示し、図13は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される再遊技役及び小役の組み合わせを示している。また、図14は、図10〜12に示す当選役を構成する役の組み合わせを示している。
通常遊技状態であるときには、BB1、BB1+スイカA、BB1+スイカB、BB1+チェリーA、BB1+チェリーB、BB1+ベル、BB1+リプレイB1、BB1+リプレイB2、BB1+リプレイC、BB2、BB2+スイカA、BB2+スイカB、BB2+チェリーA、BB2+チェリーB、BB2+ベル、BB2+リプレイB1、BB2+リプレイB2、BB2+リプレイC、BB3、BB3+スイカA、BB3+スイカB、BB3+チェリーA、BB3+チェリーB、BB3+リプレイB1、BB3+リプレイB2、BB3+リプレイC、BB4、BB4+スイカA、BB4+スイカB、BB4+チェリーA、BB4+チェリーB、BB4+リプレイB1、BB4+リプレイB2、BB5+スイカA、BB5+スイカB、BB5+チェリーA、BB4+リプレイB1、BB4+リプレイB2、BB6+スイカA、BB6+スイカB、BB6+チェリーA、BB6+リプレイB1、BB6+リプレイB2、スイカA、スイカB、チェリーA、ベル、リプレイA、リプレイB1、リプレイB2、リプレイCが内部抽選の対象役となる。
RT1であるときには、BB1、BB1+スイカA、BB1+スイカB、BB1+チェリーA、BB1+チェリーB、BB1+ベル、BB1+リプレイB1、BB1+リプレイB2、BB1+リプレイC、BB2、BB2+スイカA、BB2+スイカB、BB2+チェリーA、BB2+チェリーB、BB2+ベル、BB2+リプレイB1、BB2+リプレイB2、BB2+リプレイC、BB3、BB3+スイカA、BB3+スイカB、BB3+チェリーA、BB3+チェリーB、BB3+リプレイB1、BB3+リプレイB2、BB3+リプレイC、BB4、BB4+スイカA、BB4+スイカB、BB4+チェリーA、BB4+チェリーB、BB4+リプレイB1、BB4+リプレイB2、BB5+スイカA、BB5+スイカB、BB5+チェリーA、BB4+リプレイB1、BB4+リプレイB2、BB6+スイカA、BB6+スイカB、BB6+チェリーA、BB6+リプレイB1、BB6+リプレイB2、スイカA、スイカB、チェリーA、ベル、リプレイA、リプレイB2が内部抽選の対象役となる。
RT2であるときには、BB1、BB1+スイカA、BB1+スイカB、BB1+チェリーA、BB1+チェリーB、BB1+ベル、BB1+リプレイB1、BB1+リプレイB2、BB1+リプレイC、BB2、BB2+スイカA、BB2+スイカB、BB2+チェリーA、BB2+チェリーB、BB2+ベル、BB2+リプレイB1、BB2+リプレイB2、BB2+リプレイC、BB3、BB3+スイカA、BB3+スイカB、BB3+チェリーA、BB3+チェリーB、BB3+リプレイB1、BB3+リプレイB2、BB3+リプレイC、BB4、BB4+スイカA、BB4+スイカB、BB4+チェリーA、BB4+チェリーB、BB4+リプレイB1、BB4+リプレイB2、BB5+スイカA、BB5+スイカB、BB5+チェリーA、BB4+リプレイB1、BB4+リプレイB2、BB6+スイカA、BB6+スイカB、BB6+チェリーA、BB6+リプレイB1、BB6+リプレイB2、スイカA、スイカB、チェリーA、ベル、リプレイAが内部抽選の対象役となる。
RT3であるときには、BB1、BB1+スイカA、BB1+スイカB、BB1+チェリーA、BB1+チェリーB、BB1+ベル、BB1+リプレイB1、BB1+リプレイB2、BB1+リプレイC、BB2、BB2+スイカA、BB2+スイカB、BB2+チェリーA、BB2+チェリーB、BB2+ベル、BB2+リプレイB1、BB2+リプレイB2、BB2+リプレイC、BB3、BB3+スイカA、BB3+スイカB、BB3+チェリーA、BB3+チェリーB、BB3+リプレイB1、BB3+リプレイB2、BB3+リプレイC、BB4、BB4+スイカA、BB4+スイカB、BB4+チェリーA、BB4+チェリーB、BB4+リプレイB1、BB4+リプレイB2、BB5+スイカA、BB5+スイカB、BB5+チェリーA、BB4+リプレイB1、BB4+リプレイB2、BB6+スイカA、BB6+スイカB、BB6+チェリーA、BB6+リプレイB1、BB6+リプレイB2、スイカA、スイカB、チェリーA、ベル、リプレイA、リプレイB2、リプレイCが内部抽選の対象役となる。
RT4であるときには、スイカA、スイカB、チェリーA、チェリーB、ベル、リプレイA、リプレイB1、リプレイB2、リプレイCが内部抽選の対象役となる。
RB1〜3であるときには、スイカB、チェリーB、ベルが内部抽選の対象役となる。
図14に示すように、スイカAとは、スイカ単独であり、スイカBとは、スイカ+1枚役1である。スイカA当選時、スイカB当選時は、ともに左リール、中リールの「スイカ」、右リールの「スイカ」または「BAR」の引込範囲となるタイミングで停止操作を行うことで、「スイカ−スイカ−スイカ」または「スイカ−スイカ−BAR」の組み合わせを入賞ラインに導出可能に制御されるが、スイカA当選時は、極力「スイカ−スイカ−スイカ」の組み合わせを入賞ラインに引き込む制御が行われ、「スイカ−スイカ−スイカ」の組み合わせを引き込めず、「スイカ−スイカ−BAR」の組み合わせを引き込める場合のみ、「スイカ−スイカ−BAR」の組み合わせを入賞ラインに引き込む制御が行われる一方で、スイカB当選時は、極力「スイカ−スイカ−BAR」の組み合わせを入賞ラインに引き込む制御が行われ、「スイカ−スイカ−BAR」の組み合わせを引き込めず、「スイカ−スイカ−BAR」の組み合わせを引き込める場合のみ、「スイカ−スイカ−BAR」の組み合わせを入賞ラインに引き込む制御が行われる。すなわち、スイカA当選時は、「スイカ−スイカ−スイカ」の組み合わせが入賞ラインに揃いやすく、スイカB当選時は、「スイカ−スイカ−BAR」の組み合わせが入賞ラインに揃いやすいので、「スイカ−スイカ−スイカ」の組み合わせが揃うか、「スイカ−スイカ−BAR」の組み合わせが揃うか、によりスイカAが当選したか、スイカBが当選したか、を認識することが可能となる。
チェリーAとは、チェリー単独であり、チェリーBとは、チェリー+1枚役2である。チェリーA当選時、チェリーB当選時は、ともに右リールの「チェリー」の引込範囲となるタイミングで停止操作を行うことで、「ANY−ANY−チェリー」の組み合わせを入賞ラインに導出可能に制御されるが、チェリーA当選時は、いずれのリールにおいても第2停止までは、同一入賞ライン上に「チェリー」を引き込み(右リールを第3停止とする場合には、第3停止において他のリールにおいて「チェリー」がテンパイしている入賞ライン(第3停止リールを除いて「チェリー」が揃っている入賞ライン)以外の入賞ラインに極力「チェリー」を引き込む制御が行われる一方で、チェリーB当選時は、全てのリールにおいて極力「チェリー−チェリー−チェリー」の組み合わせを入賞ラインに引き込む制御が行われる。すなわちチェリーA当選時は、第2停止までにテンパイしている「チェリー」の入賞ライン上に「チェリー」が停止し難く、チェリーB当選時は、第2停止までにテンパイしている「チェリー」の入賞ライン上に「チェリー」が停止しやすいので、第2停止までにテンパイしている「チェリー」の入賞ライン上に「チェリー」が停止したか否かにより、チェリーAが当選したか、チェリーBが当選したか、を認識することが可能となる。
リプレイAとは、リプレイ1単独であり、リプレイA当選時は、停止操作のタイミングに関わりなく「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組み合わせを入賞ラインに引き込む制御が行われる。
リプレイB1とは、リプレイ2+リプレイ1であり、リプレイB2とは、リプレイ2単独であり、リプレイB1当選時は、停止操作のタイミングに関わりなく「リプレイ−リプレイ−ベル」の組み合わせを入賞ラインに引き込む制御が行われる一方で、リプレイB2当選時は、極力「スイカ−スイカ−リプレイ」または「スイカ−リプレイ−スイカ」の組み合わせを引き込む制御が行われ、「スイカ−スイカ−リプレイ」の組み合わせも「スイカ−リプレイ−スイカ」の組み合わせも引き込めない場合には、「リプレイ−リプレイ−ベル」または「ベル−ベル−リプレイ」の組み合わせを引き込む制御が行われる。すなわちリプレイB1当選時は、「リプレイ−リプレイ−ベル」の組み合わせが必ず入賞ラインに揃い、リプレイB2当選時は、「スイカ−スイカ−リプレイ」または「スイカ−リプレイ−スイカ」の組み合わせが揃いやすいので、「リプレイ−リプレイ−ベル」の組み合わせが揃ったか、「スイカ−スイカ−リプレイ」または「スイカ−リプレイ−スイカ」の組み合わせが揃ったか、により、リプレイB1が当選したか、リプレイB2が当選したか、を認識することが可能となる。
リプレイCとは、リプレイ2+リプレイ3であり、リプレイCの当選時は、停止操作のタイミングに関わりなく「チェリー−リプレイ−リプレイ」、「BAR−リプレイ−リプレイ」または「紫7−リプレイ−リプレイ」の組み合わせのいずれかを入賞ラインに引き込む制御が行われる。
また、特に図示しないが、いずれかの特別役が当選し、かついずれの一般役も当選していない場合に、左リールの入賞ライン上に「チェリー」を停止可能に制御が行われる。一方、チェリーAまたはチェリーBが当選している場合を除き、左リールの入賞ライン上に「チェリー」が停止しないように制御が行われる。このため、左リールの入賞ライン上に「チェリー」が停止し、かつ右リールにおける「チェリー」の引き込み範囲で停止操作を行ったにも関わらず、入賞ライン上に「チェリー」が停止しない場合に、リーチ目(特別役が当選していることを条件に出現する停止態様)が成立することとなる。
図15〜図25は、内部抽選に用いられる設定1〜6別の判定値数を示す。このうち図15〜図17は、通常遊技状態及びRT1〜3において用いられる特別役と特別役+一般役の判定値数を示す。図18は、通常遊技状態において用いられる小役及び再遊技役の判定値数を示す。図19は、RT1において用いられる再遊技役の判定値数を示す。図20は、RT2において用いられる再遊技役の判定値数を示す。図21は、RT3において用いられる再遊技役の判定値数を示す。尚、RT1〜3において用いられる小役の判定値数は通常遊技状態において用いられる小役の判定値数と共通であるため、図29〜図21では省略する。図22は、RT4において用いられる小役及び再遊技役の判定値数を示す。図23は、RB1において用いられる小役の判定値数を示す。図24は、RB2において用いられる小役の判定値数を示す。図25は、RB3において用いられる小役の判定値数を示す。また、図18〜図25において(ハズレ)に対応する値は、内部抽選用の乱数の総数「65536」から該当する遊技状態において対象となる抽選対象役の判定値数の総数を減算した値であり、ハズレに対応する判定値数がROM506に格納されるものではない。
判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、例えば、通常遊技状態、設定値が設定1の場合におけるBB1の判定値数は2であり、通常遊技状態、設定1におけるBB1の当選確率は、2/65536となる。また、判定値数ではないものの、例えば、通常遊技状態、設定値が1の場合におけるハズレに対応する値は1であり、このことから通常遊技状態、設定1におけるハズレの確率は、45390/65536となる。
図26は、通常遊技状態において抽選対象となる一般役当選時における同時当選期待度を設定値別に示す。同時当選期待度とは、対象一般役が当選した場合に特別役が同時に当選する比率、すなわち特別役が同時に当選している可能性を示す度合いであり、X:特別役と対象一般役の同時当選確率、Y:対象一般役の単独当選確率とした場合に、同時当選期待度=X/X+Yで算出されるものである。
本実施例では、図26に示すように、遊技の大半を占める通常遊技状態において、チェリーB、リプレイC、スイカB、リプレイB1、リプレイB2、チェリーA、スイカAの順で同時当選期待度が高く定められている。このうちチェリーBの当選期待度は100%であり、当選するだけで特別役の当選が確定することとなる。また、ベルは設定5、6のみ同時当選する可能性があり、リプレイAは、設定4、6のみ同時当選する可能性があることから、ベルと特別役が同時当選した場合には、設定5、6が確定し、リプレイAと特別役が同時当選した場合には、設定4、6が確定することとなる。
本実施例では、図8及び図9に示すように、通常遊技状態、RT1、RT2、RT3、RT4、BB1(RB1)、BB2(RB1)、BB3(RB2)、BB4(RB2)、BB5(RB3)、BB6(RB3)のいずれかに制御され。
前述のように、メイン制御部41のRAM507には、遊技状態を特定可能な遊技状態フラグが格納される領域と、RTの種類を特定可能なRTフラグが格納される領域と、が割り当てられている。遊技状態フラグは、4ビットのデータであり、0000が通常遊技状態、RT1〜4のいずれかを示し、0011がBB1(RB1)を示し、0101がBB2(RB1)を示し、0111がBB3(RB2)を示し、1001がBB4(RB2)を示し、1011がBB5(RB3)を示し、1101がBB6(RB3)を示す。RTフラグは、4ビットのデータであり、0000が通常遊技状態、BB1〜6のいずれかを示し、0001がRT1を示し、0010がRT2を示し、0011がRT3を示し、0100がRT4を示す。
図9に示すように、遊技状態フラグの値が0000、RTフラグの値が0000の場合は、通常遊技状態であることを示し、遊技状態フラグの値が0000、RTフラグの値が0001の場合は、RT1であることを示し、遊技状態フラグの値が0000、RTフラグの値が0010の場合は、RT2であることを示し、遊技状態フラグの値が0000、RTフラグの値が0011の場合は、RT3であることを示し、遊技状態フラグの値が0000、RTフラグの値が0100の場合は、RT4であることを示し、遊技状態フラグの値が0011、RTフラグの値が0000の場合は、BB1(RB1)であることを示し、遊技状態フラグの値が0101、RTフラグの値が0000の場合は、BB2(RB1)であることを示し、遊技状態フラグの値が0111、RTフラグの値が0000の場合は、BB3(RB2)であることを示し、遊技状態フラグの値が1001、RTフラグの値が0000の場合は、BB4(RB2)であることを示し、遊技状態フラグの値が1011、RTフラグの値が0000の場合は、BB5(RB3)であることを示し、遊技状態フラグの値が1101、RTフラグの値が0000の場合は、BB6(RB3)であることを示す。
一方、本実施例では、内部抽選においてRAM507に格納されている遊技状態フラグの値及びRTフラグの値を参照して遊技状態を特定し、それにた判定値数を用いて抽選を行うことにより、遊技状態の種類に応じた抽選対象役について、遊技状態の種類に応じた当選確率にて内部抽選が行われるようになっている。
通常遊技状態は、RT1またはRT2おいて規定ゲーム数消化するか、BB1〜4終了後に移行する。そして、通常遊技状態は、通常遊技状態に移行してからのゲーム数に関わらず、リプレイ2の入賞によりRT1に移行するか、リプレイ3の入賞によりRT2に移行するか、特別役が当選してRT4に移行することで終了する。
通常遊技状態における再遊技役の当選確率は通常確率(約1/7.3)、小役の当選確率は通常確率(約1/5.17〜約1/5.87)である。また、通常遊技状態では、リプレイA、リプレイB1、リプレイB2、リプレイCが内部抽選の対象となる。
RT1は、通常遊技状態またはRT3においてリプレイ2が入賞したときに移行する。そして、RT1は、RT1に移行してから規定ゲーム数として定められた7ゲーム消化して通常遊技状態に移行するか、特別役が当選してRT4に移行することで終了する。
RT1における再遊技役の当選確率は高確率(約1/2.17〜約1/2.37)、小役の当選確率は通常確率(約1/5.17〜約1/5.87)である。また、RT1では、再遊技役のうち、特別役と同時当選する場合を除きリプレイA、リプレイB2のみが内部抽選の対象となる。
RT2は、通常遊技状態またはRT3においてリプレイ3が入賞したときに移行する。そして、RT2は、RT2に移行してから規定ゲーム数として定められた9999ゲーム消化して通常遊技状態に移行するか、特別役が当選してRT4に移行することで終了する。
RT2における再遊技役の当選確率は高確率(約1/1.63)、小役の当選確率は通常確率(約1/5.17〜約1/5.87)である。また、RT2では、再遊技役のうち、特別役と同時当選する場合を除きリプレイAのみが内部抽選の対象となる。
RT3は、BB5、6の終了後に移行する。そして、RT3は、RT3に移行してからのゲーム数に関わらず、リプレイ2の入賞によりRT1に移行するか、リプレイ3の入賞によりRT2に移行するか、特別役が当選してRT4に移行することで終了する。
RT3における再遊技役の当選確率は通常確率(約1/7.2〜約1/7.3)、小役の当選確率は通常確率(約1/5.17〜約1/5.87)であるが、RT2へ移行することとなるリプレイ3の入賞が許容されるリプレイCが単独で当選する確率が通常遊技状態よりも高確率(通常遊技状態では1/65536に対してRT3では約1/546.13〜1/992.97)である。また、RT3では、再遊技役のうち、特別役と同時当選する場合を除きリプレイA、リプレイB2、リプレイCのみが内部抽選の対象となる。
RT4は、通常遊技状態、RT1〜3において特別役(BB1〜6)が当選したときに移行する。そして、RT4は、RT4に移行してからのゲーム数に関わらず、RT4に移行する契機となった特別役が入賞してBB1〜6に移行することで終了する。
RT4においては、特別役が内部抽選の対象外となり、再遊技役の当選確率は高確率(約1/2.17〜約1/2.35)、小役の当選確率は通常通常確率(約1/5.17〜約1/5.87)である。また、RT4では、リプレイA、リプレイB1、リプレイB2、リプレイCが内部抽選の対象となる。
BB1は、RT4においてBB1が入賞したときに移行する。BB2は、RT4においてBB2が入賞したときに移行する。BB1、BB2は、BB1、BB2に移行してからのゲーム数に関わらず、BB1中またはBB2中に払い出されたメダルの総数が規定数として定められた465枚を超えることで終了する。
BB1、2においては、特別役及び再遊技役が内部抽選の対象外となり、小役の当選確率が、高確率(約1/1)となる。
BB3は、RT4においてBB3が入賞したときに移行する。BB4は、RT4においてBB4が入賞したときに移行する。BB3、BB4は、BB3、BB4に移行してからのゲーム数に関わらず、BB3中またはBB4中に払い出されたメダルの総数が規定数として定められた344枚を超えることで終了する。
BB3、4においては、特別役及び再遊技役が内部抽選の対象外となり、小役の当選確率が、高確率(約1/1)となる。
BB5は、RT4においてBB5が入賞したときに移行する。BB6は、RT4においてBB6が入賞したときに移行する。BB5、BB6は、BB5、BB6に移行してからのゲーム数に関わらず、BB5中またはBB6中に払い出されたメダルの総数が規定数として定められた105枚を超えることで終了する。
BB5、6においては、特別役及び再遊技役が内部抽選の対象外となり、小役の当選確率が、高確率(約1/1)となる。
通常遊技状態、RT1〜4のうち、BB1〜6が1ゲームあたりのメダルの払出率がもっとも高く、最も有利な遊技状態である。BB1〜6では、BB1、2が、獲得が期待できるメダル数が最も多いことから最も有利であり、次いで、BB3、4が有利であり、次いでBB5、6が有利である。
また、通常遊技状態、RT1〜4のうちRT1、2、4は、再遊技役の当選確率が高確率となるので、通常遊技状態やRT3よりも遊技者にとって有利な状態といえる。また、RT1、2、4の中で最も払出率が高く、かつ特別役の抽選が受けられる状態で特別役が当選するか9999ゲーム消化するまで継続するRT2が最も有利な状態といえる。本実施例では、RT2を有利RTとも呼ぶ。一方、RT3は、RT2へ移行する確率が通常遊技状態よりも高く、その点において通常遊技状態よりも有利な状態といえる。本実施例では、RT3を有利RT高確状態とも呼ぶ。また、RT4は、いずれかの特別役が当選することで移行する遊技状態、すなわち内部抽選で特別役が当選している状態であり、本実施例では、RT4を内部中RTとも呼ぶ。
ここで本実施例の遊技状態の移行状況について説明すると、図8に示すように、遊技の大半を占める通常遊技状態においてリプレイ2が入賞することでRT1に移行する。リプレイ2は、特別役との同時当選期待度の高いリプレイB1またはリプレイB2の当選時に入賞するとともに、7ゲームにわたり再遊技役の当選確率が高まり、特別役当選時におけるRT4と類似する挙動を示すとともに、特別役の当選の有無を判別することも困難となることから演出用のRTとしても機能する。RT1は、特別役が当選せずに7ゲーム消化することで通常遊技状態に移行し、特別役が当選することでRT4(内部中RT)に移行する。
通常遊技状態においてリプレイ3が入賞することでRT2(有利RT)に移行する。尚、リプレイ3は、リプレイCの当選時に入賞することとなり、この際、リプレイ3と同時にリプレイ2も入賞することがあるが、この場合には、RT1に移行することなく、RT2(有利RT)に移行する。RT2(有利RT)は、特別役が当選せずに9999ゲーム消化することで通常遊技状態に移行し、特別役が当選することでRT4(内部中RT)に移行する。
通常遊技状態において特別役が当選することで、RT1(演出用RT)やRT2(有利RT)において特別役が当選した場合と同様にRT4(内部中RT)に移行する。RT4は、RT4へ移行する契機となった特別役が入賞することで終了し、BB1〜6に移行する。
BB1〜4の終了後は、通常遊技状態に移行するのに対して、BB5、6の終了後は、RT3(有利RT高確状態)に移行する。RT3では、通常遊技状態と同様に、リプレイ2が入賞することでRT1(演出用RT)に移行し、リプレイ3が入賞することでRT2(有利RT)に移行し、特別役が当選することでRT4(内部中RT)に移行することとなり、RT1(演出用RT)に移行した場合やRT2(有利RT)に移行した場合には、特別役が当選しなければ、規定ゲーム数の消化後、再び通常遊技状態に移行することとなる。
図27は、リールモータ32L、32C、32Rの構成を示す図である。リールモータ32L、32C、32Rは、例えば、ハイブリッド型ステッピングモータであり、ステータ32bと、これに対向するロータ32aとで構成されている。尚、ロータ32aは、図示しない多数の歯車状突極を有し、これに回転軸と同方向に磁化された永久磁石が組み込まれている。
メイン制御部41は、前述したタイマ割込処理(メイン)において各励磁相φ1〜φ4の励磁状態を更新する処理を行い、それに応じてモータ駆動回路45からパルス信号が出力されるようになっており、リールモータ32L、32C、32Rは、このパルス信号を受け、ステータ32bの各励磁相φ1〜φ4が所定の手順に従って励磁されることにより、1パルスを受信する度に所定の角度(1ステップ=約1.07(360/336)度)ずつロータ32aを回転させる。
図28は、リールモータ32L、32C、32Rの始動時におけるリール加速時のステップレートを示す図であり、図29は、その際のタイミングチャートである。
1ステップは、一の励磁パターンが適用される単位であり、定速回転時においては、1ステップ毎に前述した所定の角度(約1.07(360/336)度)ずつロータ32aが回転することとなり、本実施例のステッピングモータでは、前述のように336ステップの周期でリールが1周するようになっており、リールには21の図柄が配置されていることから、16ステップ毎に1図柄移動することとなる。励磁パターンの更新は、メイン制御部41が行うタイマ割込処理(メイン)にて行うようになっており、カウント数は、次回励磁パターンの更新を行うまでのタイマ割込処理(メイン)の回数、であり、(カウント数)×0.56ms(タイマ割込処理(メイン)の間隔)が、当該ステップの励磁パターンが継続する励磁時間(ステップレート)となる。また、ステップ数は、対応する励磁時間が連続して適用される回数を示す。また、図中のφ1〜φ4は、各励磁相を示し、「ON」は励磁状態を、「OFF」は消磁状態を各々示す。
メイン制御部41は、図29に示すように、リールモータ32L、32C、32Rの始動時において、各励磁相φ1〜φ4が消磁された状態から後述する1−2相励磁方式にて回転方向に励磁を開始する。詳しくは、最初のステップにて(φ1、φ4)を励磁状態とし、1ステップ毎に、(φ4)、(φ4、φ3)、(φ3)、(φ3、φ2)、(φ2)、(φ2、φ1)、(φ1)…の順番で、φ1〜φ4を2相、1相、2相と交互に励磁パターンを更新する。
また、図28に示すように、最初のステップのステップレートは20.16ms、2ステップ目のステップレートは11.20ms、3〜9ステップ目のステップレートは6.72ms、10ステップ目のステップレートは4.48msと、徐々に定速回転のステップレート(2.24ms)に近づくように、各ステップのステップレートを短縮していく。この際、一律にステップレートを短縮するのではなく、長いステップレートと短いステップレートを織り交ぜて、徐々に短いステップレートを多くしていくことにより、リールをスムーズに加速させるようになっている。
本実施例では、図29に示すように停止状態から25ステップで定速状態に移行し、以後は、1−2相励磁方式の励磁パターンを2.24msのステップレートにて更新することによりリールモータを駆動して各リール2L、2C、2Rを回転させる。詳しくは、ロータ32aの回転方向に沿って、(φ1、φ4)、(φ4)、(φ4、φ3)、(φ3)、(φ3、φ2)、(φ2)、(φ2、φ1)、(φ1)、(φ1、φ4)…の順で、2相、1相、2相、1相、2相と1ステップごとに交互にφ1〜φ4の励磁パターンを更新して、ロータ32aを回転させることにより、リール2L、2C、2Rを回転させる。
次に、リール停止時におけるリールモータの制御について説明する。リール停止時のリールモータの制御には、通常停止制御と低速停止制御の2種類があり、前者は、停止操作の検出後、極力速くリールを目標となる停止位置に停止させる制御、すなわちリールが停止するまでの時間として、滑りコマ数の増加に比例して増加する時間を要する通常の停止態様にてリールを停止させる制御であり、後者は、停止操作の検出後、通常停止制御に比較してゆっくりとリールを目標となる停止位置に停止させる制御、すなわちリールが停止するまでの時間として通常停止制御にて特定の滑りコマ数(本実施例では1コマ)でリールを停止させるのに要する時間(本実施例では、39.2から72.8ms)を超える時間(本実施例では、142.24〜175.84ms)を要する特殊な停止態様にてリールを停止させる制御である。このため、後者の場合には、通常停止制御と同じタイミングで停止操作を行い、同じ停止位置で停止させる場合でも、停止操作がされてからリールが停止するまでに要する時間が長くなる。
本実施例において低速停止制御は、停止操作がなされた際に、滑りコマ数として1コマが選択された場合のみ適用される。これは、小さい滑りコマ数のときに低速停止制御を適用すると急激に回転速度が落ちることでリールの振動が大きく目立ってしまうからであり、一方で、大きい滑りコマ数のときに低速停止制御を適用した場合、通常停止制御との違いが分かりにくくなってしまうからであり、本実施例で適用したステッピングモータ及びリールの重さにおいては、1コマが上記の点において最も適しているからである。
通常停止制御では、図31及び図32に示すように、停止操作の検出後、停止位置に応じたブレーキ開始位置に到達するまでは、定速回転のステップレート(2.24ms)を維持し、ブレーキ開始位置に到達した際に、定速回転時のステップレート(2.24ms)よりも長いステップレート(3.36ms)を適用し、ブレーキをかけてロータ32aを減速させ、次のステップ(4ステップ手前のステップ)で全ての励磁相φ1〜φ4を励磁する全相励磁を開始する。これによりロータ32aに急制動がかけられることで、オーバーシュート(脱調)した結果、停止位置でロータ32aが停止することとなる。
本実施例では、通常停止制御において全相励磁を行った後、5ステップ分オーバーシュートして滑るため、図32に示すように、回転方向に対して停止位置よりも6ステップ手前のステップでブレーキを開始し、停止位置よりも5ステップ手前で全相励磁を開始することとなる。
通常停止制御では、図30に示すように、後述の低速停止制御が行われる1コマ滑り、すなわち停止位置に対して22〜37ステップ手前のタイミングで停止操作が行われた場合には、停止操作の検出後、16〜31ステップの間、定速回転と同じ2.24msのステップレートに制御され、次のステップにおいて定速回転よりも長い3.36msのステップレートに制御された後、全相励磁に制御されるので、停止操作の検出後、全相励磁までに39.2ms〜72.8msの時間を要する。
低速停止制御では、図34及び図35に示すように、停止操作の検出後、通常停止制御と同様に停止位置に応じたブレーキ開始位置に到達するまでは、定速回転のステップレート(2.24ms)を維持するが、通常停止制御のブレーキ開始位置よりも回転方向に対してさらに手前に位置するブレーキ開始位置から定速回転時のステップレート(2.24ms)よりも長いステップレート(4.48ms)を適用し、ブレーキをかけてロータ32aの減速を開始させる。この際、図33に示すようにステップレートを一律に長くしていくのではなく、長いステップレートと短いステップレートを交互に織り交ぜながら、徐々に長いステップレートを適用することで、スムーズにロータ32aを減速させるようになっている。
そして、停止位置のステップに向けて徐々にステップレートを長くして減速し、停止位置にて全相励磁を開始する。これにより徐々に減速されたロータ32aは、オーバーシュート(脱調)することなく、停止位置で停止することとなる。このように低速停止制御において全相励磁を行った後、オーバーシュートせずに停止するため、停止位置にて全相励磁を開始することとなる。
低速停止制御では、図33に示すように、停止操作の検出後、0〜15ステップの間、定速回転と同じ2.24msのステップレートに制御され、停止位置の22ステップ手前から、4.48ms×1、2.24ms×3、4.48ms×1、2.24ms×2、4.48ms×5、6.16ms×1、6.72ms×2、8.4ms×1、8.96ms×2、9.52ms×1、11.76ms×1、14.56ms×1、17.92ms×1のステップレートに制御された後、全相励磁に制御されるので、停止操作の検出後、全相励磁までに、142.24ms〜175.84msを要する。通常停止制御において1コマ滑りで停止させる場合、停止操作の検出後、全相励磁までに要する時間は、39.2ms〜75.04msであり、同じ1コマ滑りで同じ停止位置に停止する場合でも、通常停止制御に比較して停止操作が検出されてから停止するまでに長い時間を要することとなる。
このように本実施例では、同じタイミングで停止操作が行われ、同じ位置に停止させる場合であっても、低速停止制御を行った場合には、通常停止制御に比較して、リールの減速が開始してから停止するまでに要する時間が長くなり、ゆっくりと停止位置に到達することとなり、停止態様を多様化することができる。
また、低速停止制御を行う場合であっても、停止操作が検出された後、ブレーキ開始位置に到達するまでは、定速回転と同じステップレートでの制御が行われるようになっており、停止操作が検出されたステップ数に関わりなく、同じ滑りコマ数であれば、共通の制御にて低速停止制御を行うことが可能となり、必要以上に制御が複雑化してしまうことを防止できる。
尚、本実施例において示した低速停止制御は、停止操作の検出後、通常停止制御に比較してゆっくりとリールを目標となる停止位置に停止させる制御であれば、上記で励磁した制御方法以外の制御で行うものでも良い。例えば、通常停止制御よりも早い段階で励磁パターンを定速回転とは異なるパターンとすること、例えば、本来消磁するべき励磁相を励磁したままの状態として、3つの励磁相を励磁させることにより、リールを減速させた後、全相励磁を行うことで、通常よりも停止までに要する時間が長くなるようにしても良い。
また、本実施例では、通常停止制御においても低速停止制御においてもともに全相励磁の開始後、同じ時間にわたり全相励磁を継続する構成であるが、通常停止制御に比較して低速停止制御では、全相励磁の開始時における慣性力も弱く、通常停止制御と同じ時間にわたり全相励磁を継続せずとも、リールを確実に停止させることが可能であることから、低速停止制御においては、通常停止制御よりも全相励磁の開始後、全ての励磁相をOFFの状態とするまでの時間を短く設定するようにしても良い。
例えば、ホッパーモータ34bの駆動によりメダルの払出を伴う場合、電圧が不足することから全相励磁が解除されるまでメダルの払出を待機することなるが、上記のように低速停止制御において通常停止制御よりも全相励磁の時間を短く設定したり、全相励磁を行わないことにより、低速停止制御を行う場合に、メダルの払出動作を行うまでの時間を短縮することが可能となる。
次に、メイン制御部41が低速停止制御に関連して実行する制御内容について説明する。
図39は、メイン制御部41が実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、リール回転処理(Sd3)、入賞判定処理(Sd4)、払出処理(Sd5)、ゲーム終了時処理(Sd6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点で賭数を確定する処理を実行する。
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲームスタートと同時に内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM507に当選フラグが設定される。
Sd3のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。また、リール回転処理では、リール回転開始前に低速停止制御を実行するか否かを決定する低速停止決定処理を実行する。
Sd4のステップにおける入賞判定処理では、Sd3のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
Sd5のステップにおける払出処理では、Sd4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行う。
Sd6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
図40は、メイン制御部41がSd3のステップにおいて実行するリール回転処理の制御内容を示すフローチャートである。
リール回転処理では、まず、前のゲームのリール回転開始時点からウェイトタイム(本実施例では、約4.1秒)が経過したか否かを判定し(Si1)、ウェイトタイムが経過していなければ、ウェイトタイムが経過するまで待機する。
そして、Si1のステップにおいてウェイトタイムが経過していれば、ウェイトタイムを新たに設定する(Si2)。
次いで、低速停止制御を実行するか否かを決定する低速停止決定処理を行った後(Si3)、リールモータの回転開始時の設定を行い、リールの回転を開始させる(Si4)。そして、回転中のリール別に仮想滑りコマテーブルの滑りコマ数を設定する滑りコマ数設定処理を行い(Si5)、停止準備完了時の設定を行う(Si6)。これにより、停止操作を有効化させることが可能な状態となり、その後、後述するタイマ割込処理の原点通過時処理において、リールの定速回転が検出された時点で、停止操作が有効となる。
次いで、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかのストップスイッチの操作が検出されたか否かを判定し(Si7)、いずれのストップスイッチの操作も検出されていなければ、リール回転エラー(一定期間以上、リールセンサ33によりリール基準位置が検出されない場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定し(Si8)、リール回転エラーが発生していなければ、更に、投入エラー(メダルの投入が許可されている期間以外で、メダルの投入を検出した場合に判定されるエラー)が発生したか否か、及び払出エラー(メダルの払出が許可されている期間以外で、メダルの払出を検出した場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定し(Si9、Si10)、Si8〜Si10のステップにおいていずれのエラーの発生も判定されなければ、Si7のステップに戻る。
また、Si9のステップにおいて投入エラーの発生が判定された場合、またはSi10のステップにおいて払出エラーが判定された場合には、リール回転中の投入・払出エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(Si11)、エラー処理に移行する(Si12)。そして、エラーが解除された場合には、再びSi6のステップに戻る。
また、Si8のステップにおいてリール回転エラーの発生が判定された場合には、リール回転エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(Si13)、エラー処理に移行する(Si4)。これに伴い、リールの回転も一時的に停止する。そして、エラーが解除された場合には、再びSi4のステップに戻り、リールの回転が再開する。
また、Si7のステップにおいていずれかのストップスイッチの操作が検出された場合には、ストップスイッチに対応するリールモータにおける、その時点のリール基準位置からのステップ数(停止操作位置となるステップ数)を取得し、停止リールに対応するワークに設定した後(Si15)、停止操作に対応するリールの回転が停止するまで待機する(Si16)。
そして、停止操作に対応するリールの回転が停止すると、全てのリールが停止したか否かを判定し(Si17)、全てのリールが停止していなければ、Si5のステップに戻り、全てのリールが停止していれば、リール回転処理を終了して、図21のフローチャートに復帰する。
以上のようにリール回転処理では、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。尚、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
図41は、メイン制御部41が行う低速停止決定処理の制御内容を示すフローチャートである。
低速停止決定処理では、まず、RT1中またはRT4中か否かを判定する(Si51)。次いで、RT1中またはRT4中であればリプレイAが当選しているか否かを判定し(Si52)、リプレイAが当選していればSi55のステップに進む。
Si52のステップにおいてリプレイAに当選していなければBB1またはBB2が当選しているか否かを判定し(Si53)、BB1またはBB2が当選していれば、さらにベルが当選しているか否かを判定し(Si54)、ベルが当選していればSi55のステップに進む。
Si55のステップにおいては、特別役の確定報知が既に行われているか否かを判定する。本実施例では、リプレイB1、リプレイB2、リプレイCと同時に特別役が当選した場合には8ゲーム後、スイカA、スイカB、チェリーA、チェリーBと同時に特別役が当選した場合には4ゲーム後、それ以外の場合には特別役の当選後5ゲーム後に特別役の確定報知を行う旨を指示するコマンドをサブ制御部91に対して送信し、サブ制御部91側で特別役の当選が報知されたか否かに関わらず、特別役の確定報知を指示するとともに、この際、確定報知済みを示す確定報知フラグをRAM507に設定する。そして、Si55のステップでは、確定報知フラグが設定されているか否かにより特別役の確定報知が既に行われているか否かを判定する。
Si55のステップにおいて特別役の確定報知が行われていないと判定された場合には、図42に示す確率にて低速停止制御を行うか否かを決定する低速停止抽選を行う(Si56)。
そして、低速停止制御に当選したか否かを判定し(Si57)。低速停止制御の当選が判定された場合には、低速停止制御を示す低速停止制御フラグをセットする(Si58)。
尚、Si51のステップにおいてRT1中でもRT4中でもない場合、Si53のステップにおいてBB1もBB2も当選していない場合、Si54のステップにおいてベルが当選していない場合、Si55において特別役の確定報知後である場合、Si57のステップにおいて低速停止制御に当選していない場合には、その時点で処理を終了し、当該ゲームにおいて低速停止制御が行われることはない。
低速停止決定処理では、RT1中のリプレイA当選時、RT4中、すなわち特別役の当選フラグの持越中のリプレイA当選時、RT4中かつBB1またはBB2の当選フラグの持越中のベル当選時であり、特別役の確定報知が行われていないことを条件に低速停止抽選を行い、低速停止抽選にて当選することで、当該ゲームにおいて低速停止制御を行うことが可能となる。
特に本実施例では、設定1〜4では特別役と同時当選することがなく、設定5、6でもほとんど特別役と同時当選することのないリプレイA、設定1〜3、5では特別役と同時当選することがなく、設定4、6でもほとんど特別役と同時当選することのないベルの当選時にのみ低速停止抽選が行われることとなる。このため、特別役が当選している状態で低速停止制御が行われるのは、特別役の持越中がほとんどであり、特別役の当選した成立ゲームにおいては低速停止制御がほとんど行われることはない。
低速停止抽選では、図42に示すように、RT1中のリプレイA当選時に低速停止制御に当選する確率(設定1〜3:3.9%、設定4、5:4.7%、設定6:5.5%)よりもRT4中のリプレイA当選時、すなわち特別役の持越中におけるリプレイA当選時に低速停止制御に当選する確率(設定1〜6:19.5%)が高く定められている。また、RT1中のリプレイA当選時において低速停止制御に当選する確率は、低設定域(設定1〜3)よりも高設定域(設定4〜6)の方が高く定められている。
また、RT4かつBB1またはBB2が当選している場合には、低確率(設定1〜6:3.1%)であるが、ベルの当選時にも低速停止制御が当選するようになっている。すなわちベルの当選時に低速停止制御が行われることで、BBのうち最も有利なBB1またはBB2の当選が確定することとなる。
低速停止決定処理において低速停止制御フラグがセットされると、その後、停止操作によりリールを停止させる際に、滑りコマ数として1コマが選択されると、低速停止制御が適用されることとなる。
また、低速停止制御フラグが設定されていない場合や、低速停止制御フラグが設定されているが、滑りコマ数として0、2、3、4が選択された場合には、停止操作によりリールを停止させる際に、通常停止制御が適用されることとなる。
上記のようにBB中や特別役の確定報知後は、低速停止制御フラグが設定されることはないので、BB中や特別役の確定報知後は、対象役が当選した場合であっても低速停止制御が行われることはない。
図43は、メイン制御部41がSi5のステップにおいて実行する滑りコマ数設定処理の制御内容を示すフローチャートである。
まず、滑りコマ数設定処理では、第1停止か否か、すなわち全てのリールが回転中か否かを判定し(Si102)、第1停止であればSi102のステップに進む。
Si102のステップでは、テーブルインデックスを参照し、内部抽選の結果(第1停止以外であれば停止済みのリール及びその停止位置)に対応する未停止リールの滑りコマ数データを選択し、選択した滑りコマ数データを展開して仮想滑りコマテーブルにおける未停止リールの停止操作位置毎の滑りコマ数を格納する滑りコマ数データ展開処理を行い、図40のフローチャートに復帰する。
また、Si101のステップにおいて第1停止でなければSi103のステップに進み、内部抽選の結果が特定の結果(本実施例では、BB1〜4)であるか否かを判定し、Si103のステップにおいて内部抽選の結果が特定の結果であると判定された場合には、第1停止リールが左リールであったか否かを判定し(Si104)、第1停止リールが左リールであった場合にはさらに左リールの停止位置が特定の結果に応じて定められた特定の停止位置(本実施例では、下段17番の停止位置、下段11番の停止位置、下段7番の停止位置、下段2番の停止位置、下段0番の停止位置)であるか否かを判定する(Si105)。
そして、Si105のステップにおいて左リールの停止位置が特定の結果に応じて定められた特定の停止位置であると判定された場合には、Si102のステップに進み、内部抽選の結果、停止済みのリール及びその停止位置に対応する未停止リールの滑りコマ数データを選択し、選択した滑りコマ数データを展開して仮想滑りコマテーブルにおける未停止リールの停止操作位置毎の滑りコマ数を格納する滑りコマ数データ展開処理を行い、図40のフローチャートに復帰する。
一方、Si103のステップにおいて内部抽選の結果が特定の結果ではないと判定された場合、Si104のステップにおいて第1停止リールが左リールではないと判定された場合、Si105のステップにおいて左リールの停止位置が特定の結果に応じて定められた停止位置ではないと判定された場合には、Si106のステップに進み、未停止のリールについて停止操作位置毎に、0〜4の滑りコマ数による停止位置から当選役が入賞ライン上に揃い、非当選の役が入賞ライン上に揃わない停止位置を検索し、検索によって取得した停止位置となる滑りコマ数を仮想滑りコマテーブルに格納する停止位置検索処理を行った後、滑りコマ数設定処理を行った後、図40のフローチャートに復帰する。
図44は、メイン制御部41がSi105のステップにおいて実行する停止位置検索処理の制御内容を示すフローチャートである。
まず、停止位置検索処理では、Si301のステップにおいて処理の対象とするリールを設定する。すなわち回転中のリールのうち未だ処理が済んでいないリールを対象リールとして設定し、Si302のステップに進む。
Si302のステップでは、処理の対象とする停止位置を示す停止位置ポインタを0に設定し、Si303のステップに進んで処理の対象とする停止位置となった場合に、異常入賞が発生するか否かを判定する仮想入賞判定を行って、Si304のステップに進み、仮想入賞判定の結果、異常入賞となるか否かを判定する。
Si304のステップにおいて異常入賞でなければ、Si305のステップに進み、更に停止禁止位置となるか否かを判定する禁止位置判定を行って、Si306のステップに進み、禁止位置判定の結果、停止禁止位置となるか否かを判定する。
Si306のステップにおいて停止禁止位置ではなければ、Si308のステップに進み、Si304のステップにおいて異常入賞となると判定された場合、またはSi306のステップにおいて停止禁止位置となると判定された場合には、Si307のステップに進み、停止位置ポインタが示す停止位置に対応して停止禁止位置を示す停止禁止位置フラグを設定した後、Si308のステップに進む。
Si308のステップでは、停止位置ポインタを1進めて、Si309のステップに進み、停止位置ポインタが21であるか否かを判定し、停止位置ポインタが21でなければ、Si303のステップに戻り、停止位置ポインタが21、すなわち全ての領域番号についての判定が終了したと判定された場合には、Si310のステップに進む。
Si310のステップでは、処理の対象とする停止操作位置を示す停止操作位置ポインタを0に設定し、Si311のステップに進んで、当選役に応じた順番(特に、リプレイA及びベル当選時においては1コマを最優先とする順番であり、本実施例では、1→0→2→3→4の順番を適用する)で滑りコマ数を取得してSi312のステップに進む。
Si312のステップでは、Si311で取得した滑りコマ数による停止位置を取得し、Si313のステップに進んで、取得した停止位置が停止禁止位置か、すなわち停止禁止位置フラグが設定されているか否かを判定する。
Si313のステップにおいて停止禁止位置であると判定された場合には、Si311のステップに戻り、停止禁止位置ではないと判定された場合には、Si314のステップに進む。
Si314のステップでは、取得した停止位置となった場合に入賞ライン上に当選役が揃うか否かを判定し、入賞ライン上に当選役が揃わなければSi315のステップに進み、入賞ライン上に当選役が揃うと判定された場合には、Si316のステップに進む。
Si315のステップでは、0〜4の全ての滑りコマ数について停止位置の比較をしたか否かを判定し、0〜4の全ての滑りコマ数について停止位置の比較が終了していればSi316のステップに進み、0〜4の全ての滑りコマ数について停止位置の比較が終了していなければSi311のステップに戻る。
Si316のステップでは、仮想滑りコマ数テーブルにおいて該当するリール(対象リールとして設定されているリール)の該当する停止操作位置(停止操作位置ポインタが示す領域番号)に対応してSi312のステップにおいて最後に取得した停止位置となる滑りコマ数を格納し、Si317のステップに進む。尚、最後に取得した停止位置となる滑りコマ数が停止禁止位置である場合には、それよりも前に取得した停止位置となる滑りコマ数のうち停止禁止位置ではない滑りコマ数を格納する。
Si317のステップでは、停止操作位置ポインタを1進めて、Si318のステップに進み、停止操作位置ポインタが21であるか否かを判定し、停止操作位置ポインタが21でなければ、Si311のステップに戻り、停止操作位置ポインタが21であれば、すなわち0〜20の領域番号全てについての判定が終了したと判定された場合には、Si319のステップに進む。
Si319のステップでは、未処理の回転中リールがあるか否かを判定し、未処理の回転中リールがあればSi301のステップに戻り、未処理の回転中リールがなければ、滑りコマ数更新処理を終了して、図43に示すフローチャートに復帰する。
図45及び図46は、メイン制御部41が0.56msの間隔でゲーム処理に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。
タイマ割込処理においては、まず、割込を禁止する(Sk1)。すなわち、タイマ割込処理の実行中に他の割込処理が実行されることを禁止する。そして、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sk2)。
次いで、4種類のタイマ割込1〜4から当該タイマ割込処理において実行すべきタイマ割込を識別するための分岐用カウンタを1進める(Sk3)。Sk3のステップでは、分岐用カウンタ値が0〜2の場合に1が加算され、カウンタ値が3の場合に0に更新される。すなわち分岐用カウンタ値は、タイマ割込処理が実行される毎に、0→1→2→3→0・・・の順番でループする。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して2または3か、すなわちタイマ割込3またはタイマ割込4かを判定し(Sk4)、タイマ割込3またはタイマ割込4ではない場合、すなわちタイマ割込1またはタイマ割込2の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中か否かを確認し、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中であれば、後述するSk8のモータステップ処理において変更した位相信号データや後述するSk24の最終停止処理において変更した位相信号データを出力するモータ位相信号出力処理を実行する(Sk5)。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して1か否か、すなわちタイマ割込2か否かを判定し(Sk6)、タイマ割込2ではない場合、すなわちタイマ割込1の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時のステップ時間間隔の制御を行うリール始動処理(Sk7)、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号データの変更を行うモータステップ処理(Sk8)、リールモータ32L、32C、32Rの停止後、一定時間経過後に位相信号を1相励磁に変更するモータ位相信号スタンバイ処理(Sk9)を順次実行した後、Sk2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sk20)、Sk1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sk21)、割込前の処理に戻る。
また、Sk6のステップにおいてタイマ割込2の場合には、各種表示器をダイナミック点灯させるLEDダイナミック表示処理(Sk10)、各種LED等の点灯信号等のデータを出力ポートへ出力する制御信号等出力処理(Sk11)、各種ソフトウェア乱数を更新する乱数更新処理(Sk12)、各種時間カウンタを更新する時間カウンタ更新処理(Sk13)、操作検出コマンドの送信時期に操作検出コマンドを生成し、シリアル通信回路511に転送することでサブ制御部91に送信するコマンド送信処理(Sk14)、外部出力信号を更新する外部出力信号更新処理(Sk15)を順次実行した後、Sk2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sk20)、Sk1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sk21)、割込前の処理に戻る。
また、Sk4のステップにおいてタイマ割込3またはタイマ割込4であれば、更に、分岐用カウンタ値を参照して3か否か、すなわちタイマ割込4か否かを判定し(Sk16)、タイマ割込4でなければ、すなわちタイマ割込3であれば、入力ポートから各種スイッチ類の検出データを入力するポート入力処理(Sk17)、回転中のリール2L、2C、2Rの原点通過(リール基準位置の通過)をチェックし、リール回転エラーの発生を検知するとともに、停止準備が完了しているか(停止準備完了コードが設定されているか)を確認し、停止準備が完了しており、かつ定速回転中であれば、回転中のリールに対応するストップスイッチの操作を有効化する原点通過時処理(Sk18)、各種スイッチ類の検出信号に基づいてこれら各種スイッチが検出条件を満たしているか否かを判定するスイッチ入力判定処理(Sk19)を順次実行した後、Sk2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sk20)、Sk1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sk21)、割込前の処理に戻る。
また、Sk16のステップにおいてタイマ割込4であれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出に伴って停止リールのワークに停止操作位置が格納されたときに、停止リールのワークに格納された停止操作位置から停止位置を決定し、何ステップ後に停止すれば良いかを算出するとともに、低速停止制御フラグが設定されている場合に1コマに相当するステップ数であれば低速停止制御の実行を命令する停止スイッチ処理(Sk22)、停止スイッチ処理で算出された停止までのステップ数をカウントして、停止時期に向けて通常停止制御、低速停止制御に応じた励磁時間を制御してブレーキをかける停止処理(Sk23)、停止時期のステップに到達したら全相励磁とする最終停止処理(Sk24)を順次実行した後、Sk2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sk20)、Sk1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sk21)、割込前の処理に戻る。
図47は、メイン制御部41が前述したタイマ割込処理のタイマ割込4内において実行する停止スイッチ処理の制御内容を示すフローチャートである。
停止スイッチ処理では、まず、左、中、右の順番で全てのリールについて、該当するリールのワークに停止操作位置が設定されているか否か、すなわち停止操作が検出されたかを判定し(Sk101、Sk102)、全てのリールについて停止操作が検出されていなければ、停止スイッチ処理を終了し、図46のフローチャートに復帰する。
また、Sk101のステップにおいて、いずれかのリールの停止操作が検出されている場合には、Sk103のステップに進む。
Sk103のステップでは、当該リールに対応する仮想滑りコマテーブルを参照し、停止リールに対応するワークに設定されている停止操作位置のステップ数を含む領域番号から、停止位置となる領域番号を特定する。
次いで、低速停止抽選において低速停止制御が当選しているか、すなわち低速停止制御を示す低速停止制御フラグが設定されている否かを判定する(Sk104)。Sk104のステップにおいて低速停止制御が当選していないと判定された場合には、停止スイッチ処理を終了し、図46のフローチャートに復帰する。
Sk104のステップにおいて低速停止制御が当選していると判定された場合には、Sk103のステップで特定したステップ数が1コマに対応するステップ数(22〜37)か否かを判定する(Sk105)。1コマに対応するステップ数でなければ、停止スイッチ処理を終了して図46のフローチャートに復帰する。
Sk105のステップにおいて1コマに対応するステップ数であれば、当該ゲームにおいて既に低速停止制御が実行済みであるか否かを判定する(Sk106)。既に低速停止制御が実行済みであるか否かは、後述する実行済みフラグが設定されているか否かによって判断する。Sk106のステップにおいて既に低速停止制御が実行済みであると判定された場合には、停止スイッチ処理を終了し、図46のフローチャートに復帰する。
Sk106のステップにおいて低速停止制御が実行済みでなければ、低速停止制御の実行を命令する低速停止実行フラグをRAM507に設定するとともに、低速停止制御が実行済みである旨を示す実行済みフラグをRAM507に設定し(Sk107、Sk108)、停止スイッチ処理を終了して、図46のフローチャートに復帰する。
そして、停止スイッチ処理において低速停止実行フラグが設定された場合には、その後の停止処理において低速停止制御に応じた励磁時間の制御が行われることとなる。
また、停止スイッチ処理では、低速停止制御フラグが設定されている場合であっても、当該ゲームにおいて既に低速停止制御を実行している場合には、低速停止制御が命令されることがないようになっており、いずれかのリールで低速停止制御が実行されると、それ以降のリールでは、低速停止制御が実行されることがないようになっている。尚、低速停止制御を実行した場合に低速停止制御フラグをクリアすることで、いずれかのリールで低速停止制御が実行されると、それ以降のリールでは、低速停止制御が実行されることがないようにする構成としても良い。
以上説明したように本実施例のスロットマシン1では、リールを停止させる際の停止制御として通常停止制御と、通常停止制御よりも停止操作がされてからリールが停止するまでに要する時間が長くなる低速停止制御と、を含んでいる。
この低速停止制御は、リールの停止速度が遅くなること以外には、通常の停止態様と変わりがないことから、低速停止制御が行われたことを遊技者が見逃してしまう可能性が高い。
また、本実施例では、特別役と同時当選し得る一般役が入賞することで、当該ゲームにおいて特別役に当選した可能性が示唆される構成を有するが、前述の低速停止制御を、特別役が当選した可能性を示唆する演出として適用する場合において、特別役と同時当選し得る一般役の入賞時に低速停止制御を行った場合、当該一般役の入賞時には既に低速停止制御が終了した後であり、低速停止制御が行われたことを遊技者に認識させることが困難となってしまう。
これに対して本実施例では、特別役が当選している状態において低速停止制御が行われるのは、RT4において、設定1〜4では特別役と同時当選することがなく、設定5、6でもほとんど特別役と同時当選することのないリプレイA、設定1〜3、5では特別役と同時当選することがなく、設定4、6でもほとんど特別役と同時当選することのないベルの当選時にのみである。すなわちリプレイ2やリプレイ3の入賞時など、特別役の当選可能性が高い旨を示唆する事象が発生し得る成立ゲームよりも、成立ゲームの後、特別役の当選フラグが持ち越されているゲームの方が高い割合で低速停止制御が行われるので、成立ゲームよりも、成立ゲームにおけるリプレイ2やリプレイ3の入賞など、特別役の当選可能性が高い旨を示唆する事象の発生により遊技者が着目している特別役の持越後のゲームにおいて高い割合で低速停止制御が行われることとなり、低速停止制御が行われたことを遊技者に対して効果的に認識させることができるので、低速停止制御による興趣を効果的に高めることができるとともに、特別役の当選可能性が高い旨を示唆する事象の発生により高められた遊技者の期待感を低速停止制御により持続させることもできる。
また、本実施例では、特別役が当選していない場合には、リプレイAの当選時のみ低速停止制御が行われる一方で、特別役が当選している場合には、リプレイAの当選時に加え、ベルの当選時においても低速停止制御が行われるようになっており、特別役が当選している場合には、低速停止制御が行われる機会が増えるだけでなく、低速停止制御を伴ってベルが入賞することにより特別役が当選している旨を認識させることもできる。
尚、本実施例では、ほとんど特別役と同時当選することのないリプレイAやベルの当選時において低速停止制御が行われる構成であるが、スイカA、スイカB、チェリーA、チェリーB、リプレイB1、リプレイB2、リプレイCの当選時など、特別役の当選可能性が示唆される事象が発生する成立ゲームにおいて低速停止制御が行われ得る構成としても良く、このような構成においても、成立ゲームよりも成立ゲームの後、特別役が持ち越されているゲームの方が高い割合で低速停止制御が行われる構成とすることで、特別役の当選可能性を示唆する事象の発生により遊技者が着目している特別役の持越後のゲームにおいて高い割合で低速停止制御が行われることとなり、低速停止制御が行われたことを遊技者に対して効果的に認識させることができるので、低速停止制御による興趣を効果的に高めることができるとともに、特別役の当選可能性を示唆する事象の発生により高められた遊技者の期待感を低速停止制御により持続させることもできる。
また、スイカA、スイカB、チェリーA、チェリーB、リプレイB1、リプレイB2、リプレイCの当選時など、特別役の当選可能性が示唆される事象が発生する成立ゲームにおいて低速停止制御が行われ得る構成においては、スイカA、チェリーAの当選時に比較して特別役の当選期待度が高いスイカB、チェリーB、リプレイB1、リプレイB2、リプレイCの当選時においては特別役が当選しているか否かに関わらず、低速停止制御が行われない構成、もしくはあまり特別役の当選が期待できないスイカA、チェリーAの当選時に比較して低速停止制御が行われる割合が低い構成とすることが好ましく、このような構成とすることで、「スイカ−スイカ−BAR」が揃うことでスイカBの当選が示唆された場合、全てのリールにおいて同一入賞ライン上に「チェリー」が停止することでチェリーBの当選が示唆された場合、リプレイ2の入賞によりリプレイB1またはリプレイB2の当選が示唆された場合、リプレイ3の入賞によりリプレイCの当選が示唆された場合など、それだけでも十分に特別役の当選が期待できる事象の発生と、低速停止制御と、が集中することで、これら特別役の当選が期待できる事象や低速停止制御による特別役の当選に対する期待感が薄れてしまうことを防止できる。
また、スイカA、スイカB、チェリーA、チェリーB、リプレイB1、リプレイB2、リプレイCの当選時など、特別役の当選可能性が示唆される事象が発生する成立ゲームにおいて低速停止制御が行われ得る構成においては、リプレイB1、リプレイB2など、当選確率が1/100以上と高く、さらに特別役が同時当選している比率も1/5以上と非常に高い一般役の当選時においては、特別役が当選しているか否かに関わらず、低速停止制御が行われない構成、もしくはあまり特別役の当選が期待できないスイカA、チェリーAの当選時に比較して低速停止制御が行われる割合が低い構成とすることが好ましく、このような構成とすることで、特別役の当選が高確率で期待できる事象であっても、その頻度が高い事象の発生時には低速停止制御を行わないことにより、低速停止制御の希少性を高めることができる。
また、本実施例では、低速停止制御を行う旨が決定された場合に、いずれかのリールにおいて低速停止制御が行われた場合には、その後、残りのリールについては低速停止制御を行わないようになっている。これは、例えば、全てのリールにおいて低速停止制御が同様に行われた場合に、低速停止制御が行われたのか、通常停止制御が行われたのか、を識別するのが困難となるためであり、上記のようにいずれかのリールにおいて低速停止制御が行われた場合には、その後、残りのリールについては低速停止制御を行わないことにより、必ず通常停止制御と、低速停止制御と、が混在することで、その違いが明確となり、遊技者に対して低速停止制御が行われたことを確実に認識させることができる。
尚、本実施例では、3つのリールのうちいずれか1のリールで低速停止制御が行われた場合に、他のリールでは低速停止制御が行われない構成であるが、複数のリールで低速停止制御が行われる構成としても良く、さらにこのような構成にあっては、低速停止制御が行われるリールの数に応じて示唆される特別役の当選可能性が変化する構成としても良い。
また、本実施例では、BB中や特別役の確定報知が行われた後、特別役が入賞するまでの期間、すなわち低速停止制御を行っても何らの示唆されることのない期間では、低速停止制御が行われないようになっており、このような期間において低速停止制御が行われることにより当該遊技状態の消化効率が落ちてしまうことを防止できる。
尚、本実施例では、特別役の確定報知をメイン制御部41がサブ制御部91に対して指示する構成であり、このような構成において特別役の確定報知をサブ制御部91に対して指示した後は、低速停止制御フラグが設定されることがなく、特別役の確定報知後は、対象役が当選した場合であっても低速停止制御が行われることのない構成であるが、特別役の確定報知をサブ制御部91が独自に決定する構成においてはこの限りではなく、特別役の当選後、特別役の確定報知が既に行われているか否かに関わらず、低速停止制御が行われ得る構成であっても良い。
ただし、このような構成であっても、特別役の当選後、サブ制御部91側で特別役の確定報知が確実に行われているゲーム数(例えば、特別役の当選後、10ゲーム)の経過後は、対象役が当選した場合であっても低速停止制御が行われることのない構成とすることで、低速停止制御を行っても何らの示唆されることのない期間では、低速停止制御が行われないこととなり、このような期間において低速停止制御が行われることにより当該遊技状態の消化効率が落ちてしまうことを防止できる。
本実施例のサブ制御部91は、いずれかの入賞ライン上にいずれかの役が揃って入賞した場合に、入賞した役を強調することで入賞した旨を報知する入賞演出を実行する。
入賞演出は、全リール停止後のリールLED55の点灯態様を変化させることにより入賞した役を強調する入賞演出A〜Cを含む。
入賞演出Aは、図48(a)に示すように、入賞した役の構成図柄が停止している領域以外のリールLED55を消灯させるとともに、入賞した役の構成図柄が停止している領域のリールLED55を点滅表示させる点灯態様にて入賞した役を強調する入賞演出である。
入賞演出Bは、図48(b)に示すように、入賞した役の構成図柄が停止している領域のリールLED55を消灯させるとともに、入賞した役の構成図柄が停止している領域以外のリールLED55を点滅表示させる点灯態様にて入賞した役を強調する入賞演出である。
入賞演出Cは、図48(c)に示すように、入賞した役の構成図柄が停止している領域のリールLED55と、入賞した役の構成図柄が停止している領域以外のリールLED55と、を交互に点滅させる点灯態様にて入賞した役を強調する入賞演出である。
いずれかの役の入賞時に入賞演出A〜Cのいずれの入賞演出を実行するか否かは、サブ制御部91が入賞時に行う入賞演出選択抽選により決定される。
入賞演出選択抽選では、特に、前述した低速停止制御が行われる可能性のあるリプレイA当選時またはベルの当選時において、低速停止制御が行われたか否かに関わらず、当該ゲームにおいて低速停止制御に当選したか否かに応じた確率にて入賞演出A〜Cのいずれかが選択される。すなわち低速停止制御に当選しているが低速停止制御が行われなかった場合であっても、低速停止制御に当選した場合の確率が適用されることとなる。
また、RAM91cには、低速停止制御に当選し、かつ低速停止制御が行われなかった割合を示す低速停止制御カウンタが割り当てられており、低速停止制御カウンタの値が0を超えるか、0以下であるか、に応じて低速停止制御に当選し、かつ低速停止制御が行われなかった割合が所定割合以下であるか否かを特定できるようになっている。
本実施例では、低速停止制御に当選し、かつ低速停止制御が行われた場合には、低速停止制御カウンタの値が2加算される一方で、低速停止制御に当選し、かつ低速停止制御が行われなかった場合には、低速停止制御カウンタの値が1減算されるようになっており、低速停止制御カウンタの値が0を超えるか、0以下であるか、に応じて低速停止制御に当選し、かつ低速停止制御が行われなかった割合が1/3以下であるか否かを特定できるようになっている。
そして、入賞演出選択抽選では、特に低速停止制御が当選している場合に、低速停止制御カウンタの値が0を超えるか、0以下であるか、に応じた確率にて入賞演出A〜Cのいずれかが選択される。
低速停止制御カウンタの値が0を超える場合、すなわち低速停止制御に当選し、かつ低速停止制御が行われなかった割合が1/3を超える場合において、リプレイAに当選し、かつ通常停止制御が適用される場合には、入賞演出Aが95%、入賞演出Bが5%の確率で選択され、リプレイAに当選し、かつ低速停止制御が適用される場合には、入賞演出Aが50%、入賞演出Bが45%、入賞演出Cが5%の確率で選択され、ベルに当選し、かつ通常停止制御が適用される場合には、入賞演出Aが95%、入賞演出Bが5%の確率で選択され、ベルに当選し、かつ低速停止制御が適用される場合には、入賞演出Aが70%、入賞演出Bが28%、入賞演出Cが2%の確率で選択される。
また、低速停止制御カウンタの値が1以下の場合、すなわち低速停止制御に当選し、かつ低速停止制御が行われなかった割合が1/3以下である場合において、リプレイAに当選し、かつ通常停止制御が適用される場合には、入賞演出Aが95%、入賞演出Bが5%の確率で選択され、リプレイAに当選し、かつ低速停止制御が適用される場合には、入賞演出Aが20%、入賞演出Bが70%、入賞演出Cが10%の確率で選択され、ベルに当選し、かつ通常停止制御が適用される場合には、入賞演出Aが95%、入賞演出Bが5%の確率で選択され、ベルに当選し、かつ低速停止制御が適用される場合には、入賞演出Aが50%、入賞演出Bが45%、入賞演出Cが5%の確率で選択される。
このように入賞演出選択抽選においては、低速停止制御が行われる可能性のあるリプレイA当選時またはベルの当選時において、低速停止制御が行われたか否かに関わらず、当該ゲームにおいて低速停止制御に当選したか否かに応じた確率にて入賞演出A〜Cのいずれかが選択されるとともに、低速停止制御が行われる場合には、通常停止制御が行われる場合に比較して、入賞演出A〜Cのうち入賞演出B、Cが選択される比率が高くなるように定められており、リプレイAにより許容されるリプレイ1の入賞時やベルにより許容されるベル入賞時において入賞演出B、Cが行われることで、低速停止制御に当選していた可能性が高い旨が示唆されることとなる。特に入賞演出Cについては、低速停止制御が行われる場合のみ選択され得るように定められており、リプレイAにより許容されるリプレイ1の入賞時やベルにより許容されるベル入賞時において入賞演出Cが行われることで、低速停止制御に当選していた旨が示唆されることとなる。
また、入賞演出選択抽選においては、低速停止制御が行われる可能性のあるリプレイA当選時またはベルの当選時において、低速停止制御に当選し、かつ低速停止制御が行われなかった割合が所定割合以下である場合に、所定割合を超える場合に比較して、通常停止制御が適用される場合の入賞演出A〜Cの選択率が変化しないのに対して、低速停止制御が適用される場合の入賞演出A〜Cのうち入賞演出B、Cが選択される比率が高くなるように定められており、低速停止制御に当選し、かつ低速停止制御が行われなかった割合が所定割合以下である場合には、所定割合を超える場合に比較して、リプレイAにより許容されるリプレイ1の入賞時やベルにより許容されるベル入賞時において低速停止制御に当選していた可能性を示唆する入賞演出B、Cが行われやすくなる。
以上説明したように本実施例のスロットマシン1では、低速停止制御が行われる可能性のあるリプレイA当選時またはベルの当選時において、低速停止制御が行われたか否かに関わらず、当該ゲームにおいて低速停止制御に当選したか否かに応じた確率にて入賞演出A〜Cのいずれかが選択されるとともに、低速停止制御が当選している場合には、低速停止制御が当選していない場合に比較して、入賞演出A〜Cのうち入賞演出B、Cが選択される比率が高くなるように定められており、リプレイAにより許容されるリプレイ1の入賞時やベルにより許容されるベル入賞時において入賞演出B、Cが行われることで、低速停止制御に当選していた可能性が高い旨が示唆されることとなる。このため、リプレイ1の入賞時やベル入賞時において低速停止制御が行われたか否かを見逃した場合や低速停止制御に当選していても1コマの滑りコマ数が選択されなかったために低速停止制御が行われなかった場合であっても、入賞演出の態様の違いから低速停止制御が当選していたか否かを推認することが可能となるので、低速停止制御を備えることによる興趣を効果的に高めることができる。
また、本実施例では、入賞演出B、Cのうち入賞演出Cについては、低速停止制御が当選した場合のみ選択され得るように定められており、リプレイAにより許容されるリプレイ1の入賞時やベルにより許容されるベル入賞時において入賞演出Cが行われることで、低速停止制御に当選していた旨が示唆されることとなるので、リプレイ1の入賞時やベル入賞時において低速停止制御が行われたか否かを見逃した場合や低速停止制御に当選していても1コマの滑りコマ数が選択されなかったために低速停止制御が行われなかった場合であっても、入賞演出Cが実行されることで、低速停止制御が当選していたことを認識させることができる。
また、本実施例では、低速停止制御に当選し、かつ低速停止制御が行われなかった割合が所定割合以下である場合には、所定割合を超える場合に比較して、リプレイAにより許容されるリプレイ1の入賞時やベルにより許容されるベル入賞時において低速停止制御に当選していた可能性を示唆する入賞演出B、Cが行われやすくなっており、過去に低速停止制御が当選したゲームにおいて低速停止制御が一定割合を下回った場合には、入賞演出B、Cが行われたことによる低速停止制御に当選していたか否かの判別精度が上がるので、低速停止制御が行われ難いタイミングで停止操作を行っている遊技者に対しても、停止制御に当選していた可能性を的確に認識させることができる。
尚、本実施例では、停止操作のタイミングに関わらず取りこぼしの生じることのないリプレイAまたはベルの当選時において、滑りコマ数が1となったことを条件に低速停止制御が行われる構成であるが、後述する実施例2のように、取りこぼしの生じるスイカA、スイカBなどの当選時においてこれら構成図柄の引込範囲内で停止操作が行われたことを条件に低速停止制御が行われる構成においては、低速停止制御が行われる割合が遊技者の技量により大きく異なってしまうこととなるが、本実施例のように、過去に低速停止制御が当選したゲームにおいて低速停止制御が一定割合を下回った場合には、入賞演出B、Cが行われたことによる低速停止制御に当選していたか否かの判別精度が上がる構成とすることで、遊技者の技量に合わせて的確な確率にて入賞演出B、Cが行われる。すなわち技量の低い遊技者、すなわちあまりスイカAやスイカBに当選してもスイカAの組み合わせやスイカBの組み合わせを揃えることができず、その結果、低速停止制御も行われる確率の低い遊技者に対して、入賞演出B、Cが行われたことによる低速停止制御に当選していたか否かの判別精度が上がることで低速停止制御の当選の有無を入賞演出から把握することができる。
また、本実施例では、低速停止制御が行われ得るリプレイA、ベルのうち、許容された役が入賞することにより付与される価値の低いリプレイA(ベルにより許容されるベルの入賞時には8枚のメダルが付与されるのに対して、リプレイAにより許容されるリプレイ1の入賞時に付与されるのは、3枚のメダルに相当するリプレイゲームである)の当選時の方が、ベルの当選時に比較して低速停止制御の当選時において入賞演出B、Cが選択される比率が高く定められているので、ベルに比較して付与される価値が低く、遊技者が着目していない可能性の高い状況においては、入賞演出の種類によって低速停止制御が当選していたか否かがより推測しやすくなる。
尚、本実施例では、導出後演出としてリールLED55を用いた入賞演出を適用しているが、少なくとも低速停止制御が行われ得る内部抽選結果において停止し得る停止態様となった場合に実行される演出であれば良く、液晶表示器51に表示された画像や映像による演出、音声による演出、これらを組み合わせた演出を適用するものでも良い。
また、本実施例では、低速停止制御が行われる可能性のあるリプレイA当選時またはベルの当選時において、低速停止制御が行われたか否かに関わらず、当該ゲームにおいて低速停止制御に当選したか否かに応じた確率にて入賞演出A〜Cのいずれかが選択される構成であるが、低速停止制御が行われる可能性のあるリプレイA当選時またはベルの当選時において、低速停止制御が行われたか否かに関わらず、当該ゲームにおいて低速停止制御に当選したか否かに応じた確率にて、低速停止制御が行われる可能性のあるリプレイA当選時またはベルの当選時において全リール後に実行され得る停止時演出を実行するか否かを決定する停止時演出抽選を行い、停止時演出抽選に当選した場合に停止時演出が行われる構成とし、低速停止制御が当選している場合には、低速停止制御が当選していない場合に比較して、停止時演出の実行確率が高くなるように定めることにより、リプレイAにより許容されるリプレイ1の入賞時やベルにより許容されるベル入賞時の停止時演出が行われることで、低速停止制御に当選していた可能性が高い旨が示唆される構成としても良く、このような構成とした場合においても、リプレイ1の入賞時やベル入賞時において低速停止制御が行われたか否かを見逃した場合や低速停止制御に当選していても1コマの滑りコマ数が選択されなかったために低速停止制御が行われなかった場合において、停止時演出の実行の有無により低速停止制御が当選していたか否かを推認することが可能となるので、低速停止制御を備えることによる興趣を効果的に高めることができる。
また、上記のように停止時演出が行われることで、低速停止制御に当選していた可能性が高い旨が示唆される構成においては、低速停止制御に当選し、かつ低速停止制御が行われなかった割合が所定割合以下である場合には、所定割合を超える場合に比較して、リプレイAにより許容されるリプレイ1の入賞時やベルにより許容されるベル入賞時において低速停止制御に当選していた可能性が高い旨を示唆する停止時演出が高い割合で実行されることが好ましく、このような構成とすることで、過去に低速停止制御が当選したゲームにおいて低速停止制御が一定割合を下回った場合には、停止時演出が行われたことによる低速停止制御に当選していたか否かの判別精度が上がるので、低速停止制御が行われ難いタイミングで停止操作を行っている遊技者に対しても、停止制御に当選していた可能性を的確に認識させることができる。
尚、本実施例では、停止操作のタイミングに関わらず取りこぼしの生じることのないリプレイAまたはベルの当選時において、滑りコマ数が1となったことを条件に低速停止制御が行われる構成であるが、後述する実施例2のように、取りこぼしの生じるスイカA、スイカBなどの当選時においてこれら構成図柄の引込範囲内で停止操作が行われたことを条件に低速停止制御が行われる構成においては、低速停止制御が行われる割合が遊技者の技量により大きく異なってしまうこととなるが、上記のように、過去に低速停止制御が当選したゲームにおいて低速停止制御が一定割合を下回った場合には、停止時演出が行われたことによる低速停止制御に当選していたか否かの判別精度が上がる構成とすることで、遊技者の技量に合わせて的確な確率にて停止時演出が行われる。すなわち技量の低い遊技者、すなわちあまりスイカAやスイカBに当選してもスイカAの組み合わせやスイカBの組み合わせを揃えることができず、その結果、低速停止制御も行われる確率の低い遊技者に対して、停止時演出が行われたことによる低速停止制御に当選していたか否かの判別精度が上がることで低速停止制御の当選の有無を停止時演出から把握することができる。
また、上記のように停止時演出が行われることで、低速停止制御に当選していた可能性が高い旨が示唆される構成においては、低速停止制御が行われ得るリプレイA、ベルのうち、許容された役が入賞することにより付与される価値の低いリプレイA(ベルにより許容されるベルの入賞時には8枚のメダルが付与されるのに対して、リプレイAにより許容されるリプレイ1の入賞時に付与されるのは、3枚のメダルに相当するリプレイゲームである)の当選時の方が、ベルの当選時に比較して低速停止制御の当選時において停止時演出が実行される確率が高く定められていることが好ましく、このような構成とすることで、ベルに比較して付与される価値が低く、遊技者が着目していない可能性の高い状況においては、停止時演出の有無によって低速停止制御が当選していたか否かがより推測しやすくなる。
また、上記では、低速停止制御が当選している場合に、低速停止制御が当選していない場合に比較して、停止時演出の実行確率が高くなるように定めることにより、リプレイAにより許容されるリプレイ1の入賞時やベルにより許容されるベル入賞時の停止時演出が行われることで、低速停止制御に当選していた可能性が高い旨が示唆される構成を例示しているが、低速停止制御が当選している場合に、低速停止制御が当選していない場合に比較して、停止時演出の実行確率が低くなるように定めることにより、リプレイAにより許容されるリプレイ1の入賞時やベルにより許容されるベル入賞時の停止時演出が行われないことで、低速停止制御に当選していた可能性が高い旨が示唆される構成としても良い。
本実施例においてサブ制御部91は、特別役の当選が期待できる一般役の当選を契機に、複数ゲームにわたり特別役の当選可能性を示唆する演出を行い、最終的に特別役に当選しているか否かを示す演出結果を導く連続演出を実行する。また、サブ制御部91は、特別役の当選が期待できる一般役のうち一部の役について連続演出を実行する場合に、複数ゲームにわたり連続演出が実行されることを示唆する前兆演出を実行する。
図50は、連続演出、前兆演出の実行の流れを示す図である。
まず、通常遊技状態において特別役の当選が期待できるスイカA、スイカB、チェリーAまたはチェリーBに当選すると、連続演出を実行するか否かを決定する連続演出抽選を行い、連続演出抽選にて連続演出に当選することで次ゲームから連続演出を実行し、特別役に当選したか否かが報知されるようになっている。
一方、通常遊技状態において特別役の当選が期待できるリプレイB1、リプレイB2またはリプレイCに当選すると、前兆演出のゲーム数を決定する前兆演出抽選を行う。
前兆演出抽選にて当選したゲーム数にわたり前兆演出を実行し、さらに前兆演出の終了時に連続演出抽選を行い、連続演出抽選にて連続演出に当選することで前兆演出に続いて連続演出を実行し、特別役に当選したか否かが報知されるようになっている。
このように、連続演出が実行される場合には、前兆演出を経ずに連続演出が実行される場合と、前兆演出を経て連続演出が実行される場合と、がある。
尚、本実施例では、前兆演出と連続演出をそれぞれ個別の抽選で決定する構成であり、前兆演出の状況に応じて連続演出を決定できるようになっているが、一の抽選により前兆演出及び連続演出を一括して決定する構成でも良く、このような構成とすることで前兆演出及び連続演出をより関連性の高い演出として決定することができる。
前兆演出は、特別役に当選している可能性を示唆するチャンス演出を前兆演出の期間にわたり連続して実行することにより連続演出が実行される可能性を示唆する演出である。
チャンス演出は、図51(a)に示すように、スタートスイッチ7の操作に伴うゲームの開始と同時に、液晶表示器51に「?」を表示させ、図51(b)(c)に示すように、リールが停止したタイミングにて特別役の当選可能性を示すアイテムを表示させることで、特別役に当選している可能性を示唆する演出である。
特別役の当選可能性を示すアイテムは、図51(b)に示す「通常柄」と図51(b)に示す「桜柄」とを含む。
サブ制御部91は、通常遊技状態においてチャンス演出を実行するか否か及びその種類を決定するチャンス演出実行抽選を行い、当選することで、当選した種類のチャンス演出を実行する。チャンス演出抽選では、図52に示すように、前兆演出中以外の状態(図中の通常時)においては、特別役の当選時において特別役の非当選時よりも高い確率にてチャンス演出が当選するように定められており、さらに特別役の当選時において特別役の非当選時よりも高い比率にて、特別役の当選可能性を示すアイテムとして「通常柄」及び「桜柄」のうち「桜柄」のアイテムが表示されるチャンス演出が当選するように定められている。
このため、前兆演出中以外の状態では、チャンス演出が実行されることにより、特別役に当選している可能性が高い旨が示唆されるようになっており、さらに特別役の当選可能性を示すアイテムとして「通常柄」及び「桜柄」のうち「桜柄」のアイテムが表示されるチャンス演出が実行された場合には、「通常柄」のアイテムが表示されるチャンス演出が実行された場合よりも特別役の当選可能性が高い旨が示唆されるようになっている。
また、チャンス演出実行抽選では、前兆演出中に100%の確率でチャンス演出が当選するように定められており、前兆演出の期間中は毎ゲーム、チャンス演出が実行されることとなる。この際、前兆演出中以外と同様に特別役の当選時において特別役の非当選時よりも高い比率にて、特別役の当選可能性を示すアイテムとして「通常柄」及び「桜柄」のうち「桜柄」のアイテムが表示されるチャンス演出が当選するように定められているので、特別役の当選可能性を示すアイテムとして「通常柄」及び「桜柄」のうち「桜柄」のアイテムが表示されるチャンス演出が実行された場合には、「通常柄」のアイテムが表示されるチャンス演出が実行された場合よりも特別役の当選可能性が高い旨が示唆されるようになっている。
サブ制御部91は、通常遊技状態においてリプレイB1、リプレイB2、リプレイCが当選した際に、前兆演出のゲーム数を決定する前兆演出抽選を行う。前兆演出抽選では、図53に示すように、リプレイB1が単独で当選しているか、リプレイB1+特別役が当選しているか、リプレイB2が単独で当選しているか、リプレイB2+特別役が当選しているか、リプレイCが単独で当選しているか、リプレイC+特別役が当選しているか、に応じた確率にて、2、3、4ゲームのいずれかのゲーム数から前兆演出のゲーム数を決定する。
詳しくは、リプレイB1の単独当選時の当選率は、2ゲームが20%、3ゲームが60%、4ゲームが20%であり、リプレイB1の単独当選時に実行される前兆演出の平均ゲーム数は3ゲームである。
リプレイB1+特別役の当選時の当選率は、2ゲームが10%、3ゲームが40%、4ゲームが50%であり、リプレイB1+特別役の当選時に実行される前兆演出の平均ゲーム数は3.4ゲームである。
リプレイB2の単独当選時の当選率は、2ゲームが50%、3ゲームが40%、4ゲームが10%であり、リプレイB2の単独当選時に実行される前兆演出の平均ゲーム数は2.6ゲームである。
リプレイB2+特別役の当選時の当選率は、2ゲームが20%、3ゲームが40%、4ゲームが40%であり、リプレイB2+特別役の当選時に実行される前兆演出の平均ゲーム数は3.2ゲームである。
リプレイCの単独当選時の当選率は、2ゲームが10%、3ゲームが40%、4ゲームが50%であり、リプレイCの単独当選時に実行される前兆演出の平均ゲーム数は3.4ゲームである。
リプレイC+特別役の当選時の当選率は、2ゲームが10%、3ゲームが40%、4ゲームが50%であり、リプレイC+特別役の当選時に実行される前兆演出の平均ゲーム数は3.4ゲームである。
このように前兆演出抽選では、リプレイB1、リプレイB2が単独で当選している場合よりも特別役と同時に当選している場合の方が前兆演出のゲーム数として多いゲーム数が選択されやすく、平均ゲーム数が多くなる。このため、リプレイB1、リプレイB2の当選により許容されるリプレイ2の入賞後に実行される前兆演出のゲーム数が多いほど、特別役に当選している可能性が高い旨が示唆されることとなる。
また、リプレイB1、リプレイB2のうち同時当選期待度の高い、すなわち特別役の当選が期待できるリプレイB1の方が前兆演出のゲーム数として多いゲーム数が選択されやすく、平均ゲーム数が多くなる。このため、リプレイB1、リプレイB2の当選により許容されるリプレイ2の入賞後に実行される前兆演出のゲーム数により示唆される特別役の当選可能性と、リプレイB1、リプレイB2当選時に揃った図柄の組み合わせにより示唆される当選役の種類により示唆される特別役の当選可能性と、が一致しやすくなる。
尚、リプレイCについては、ほぼ特別役と同時当選するうえに、特別役に当選していない場合でも、有利RTが確定することとなるので、リプレイCの当選時は、リプレイCの単独当選であるか、特別役と同時当選せいているか、に関わらず、前兆演出のゲーム数として多いゲーム数が選択されやすくなっている。
連続演出は、図54に示すように、演出パターン1〜6の6種類からなり、さらに演出パターン1〜6には、それぞれ特別役の非当選を示す「−1」の演出パターンと、特別役の当選を示す「−2」の演出パターンと、が定められている。
演出パターン1−1は、1ゲーム目に、図55(a)に示す演出開始画面(通常)を表示させた後、2ゲーム目に、図55(c)(d)に示すように通常柄の花火を制作する花火制作演出(通常)を実行し、3ゲーム目に、図56(f)(g)(i)に示すように、カットイン演出を伴わずに花火を打ち上げる花火打上演出(カットインなし)を実行し、最終的に、図56(k)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン1−2は、演出結果を除いて演出パターン1−1と同じであるが、最終結果として打上失敗演出ではなく、図56(j)に示すように、打上成功演出を実行して特別役の当選を報知するパターンである。
演出パターン2−1は、1ゲーム目に、図55(b)に示す演出開始画面(桜柄)を表示させた後、2ゲーム目に、図55(c)(d)に示すように通常柄の花火を制作する花火制作演出(通常)を実行し、3ゲーム目に、図56(f)(g)(i)に示すように、カットイン演出を伴わずに花火を打ち上げる花火打上演出(カットインなし)を実行し、最終的に、図56(k)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン2−2は、演出結果を除いて演出パターン2−1と同じであるが、最終結果として打上失敗演出ではなく、図56(j)に示すように、打上成功演出を実行して特別役の当選を報知するパターンである。
演出パターン3−1は、1ゲーム目に、図55(a)に示す演出開始画面(通常)を表示させた後、2ゲーム目に、図55(c)(e)に示すように桜柄の花火を制作する花火制作演出(桜柄)を実行し、3ゲーム目に、図56(f)(g)(i)に示すように、カットイン演出を伴わずに花火を打ち上げる花火打上演出(カットインなし)を実行し、最終的に、図56(k)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン3−2は、演出結果を除いて演出パターン3−1と同じであるが、最終結果として打上失敗演出ではなく、図56(j)に示すように、打上成功演出を実行して特別役の当選を報知するパターンである。
演出パターン4−1は、1ゲーム目に、図55(a)に示す演出開始画面(通常)を表示させた後、2ゲーム目に、図55(c)(d)に示すように通常柄の花火を制作する花火制作演出(通常)を実行し、3ゲーム目に、図56(f)(h)(i)に示すように、表示画面上に画像を割り込ませるカットイン演出を伴う花火を打ち上げる花火打上+カットイン演出を実行し、最終的に、図56(k)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン4−2は、演出結果を除いて演出パターン4−1と同じであるが、最終結果として打上失敗演出ではなく、図56(j)に示すように、打上成功演出を実行して特別役の当選を報知するパターンである。
演出パターン5−1は、1ゲーム目に、図55(b)に示す演出開始画面(桜柄)を表示させた後、2ゲーム目に、図55(c)(d)に示すように通常柄の花火を制作する花火制作演出(通常)を実行し、3ゲーム目に、図56(f)(h)(i)に示すように、表示画面上に画像を割り込ませるカットイン演出を伴う花火を打ち上げる花火打上+カットイン演出を実行し、最終的に、図56(k)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン5−2は、演出結果を除いて演出パターン4−1と同じであるが、最終結果として打上失敗演出ではなく、図56(j)に示すように、打上成功演出を実行して特別役の当選を報知するパターンである。
演出パターン6−1は、1ゲーム目に、図55(a)に示す演出開始画面(通常)を表示させた後、2ゲーム目に、図55(c)(e)に示すように桜柄の花火を制作する花火制作演出(桜柄)を実行し、3ゲーム目に、図56(f)(h)(i)に示すように、表示画面上に画像を割り込ませるカットイン演出を伴う花火を打ち上げる花火打上+カットイン演出を実行し、最終的に、図56(k)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン6−2は、演出結果を除いて演出パターン4−1と同じであるが、最終結果として打上失敗演出ではなく、図56(j)に示すように、打上成功演出を実行して特別役の当選を報知するパターンである。
連続演出抽選では、図57(a)〜(c)に示すように、前兆演出の有無に応じた確率、前兆演出を伴う場合には、前兆演出中に桜柄のアイテムが表示されるチャンス演出が実行されたか否かに応じた確率で連続演出を実行するか否か、及び連続演出を実行する場合には演出パターン1〜6のいずれかが決定される。
詳しくは、前兆演出を伴わない場合、すなわちスイカA、スイカB、チェリーA、チェリーBの当選時に実行される連続演出抽選では、スイカAの単独当選時において非当選(なし)が70%、パターン1が26%、パターン2が1%、パターン3が1%、パターン4が1%、パターン5が0.5%、パターン6が0.5%であり、スイカA+特別役の当選時において非当選(なし)が50%、パターン1が16%、パターン2が8%、パターン3が8%、パターン4が9%、パターン5が5%、パターン6が5%であり、スイカBの単独当選時において非当選(なし)が40%、パターン1が52%、パターン2が2%、パターン3が2%、パターン4が2%、パターン5が1%、パターン6が1%であり、スイカB+特別役の当選時において非当選(なし)が20%、パターン1が15%、パターン2が15%、パターン3が15%、パターン4が15%、パターン5が10%、パターン6が10%であり、チェリーAの単独当選時において非当選(なし)が70%、パターン1が26%、パターン2が1%、パターン3が1%、パターン4が1%、パターン5が0.5%、パターン6が0.5%であり、チェリーA+特別役の当選時において非当選(なし)が50%、パターン1が16%、パターン2が8%、パターン3が8%、パターン4が9%、パターン5が5%、パターン6が5%であり、チェリーB+特別役の当選時において非当選(なし)が0%、パターン1が10%、パターン2が20%、パターン3が20%、パターン4が20%、パターン5が20%、パターン6が20%である。
前兆演出を伴う場合、すなわちリプレイB1、リプレイB2、リプレイCの当選時に実行される連続演出抽選であり、かつ前兆演出中にアイテムとして桜柄が表示されるチャンス演出が実行されなかった場合には、リプレイB1の単独当選時において非当選(なし)が50%、パターン1が50%、パターン2が0%、パターン3が0%、パターン4が0%、パターン5が0%、パターン6が0%であり、リプレイB1+特別役の当選時において非当選(なし)が40%、パターン1が40%、パターン2が5%、パターン3が5%、パターン4が5%、パターン5が3%、パターン6が2%であり、リプレイB2の単独当選時において非当選(なし)が60%、パターン1が40%、パターン2が0%、パターン3が0%、パターン4が0%、パターン5が0%、パターン6が0%であり、リプレイB2+特別役の当選時において非当選(なし)が50%、パターン1が34%、パターン2が4%、パターン3が4%、パターン4が4%、パターン5が2%、パターン6が2%であり、リプレイCの単独当選時において非当選(なし)が0%、パターン1が80%、パターン2が5%、パターン3が5%、パターン4が5%、パターン5が3%、パターン6が2%であり、リプレイC+特別役の当選時において非当選(なし)が0%、パターン1が80%、パターン2が5%、パターン3が5%、パターン4が5%、パターン5が3%、パターン6が2%である。
前兆演出を伴う場合、すなわちリプレイB1、リプレイB2、リプレイCの当選時に実行される連続演出抽選であり、かつ前兆演出中にアイテムとして桜柄が表示されるチャンス演出が実行された場合には、リプレイB1の単独当選時において非当選(なし)が50%、パターン1が50%、パターン2が0%、パターン3が0%、パターン4が0%、パターン5が0%、パターン6が0%であり、リプレイB1+特別役の当選時において非当選(なし)が40%、パターン1が60%、パターン2が0%、パターン3が0%、パターン4が0%、パターン5が0%、パターン6が0%であり、リプレイB2の単独当選時において非当選(なし)が60%、パターン1が40%、パターン2が0%、パターン3が0%、パターン4が0%、パターン5が0%、パターン6が0%であり、リプレイB2+特別役の当選時において非当選(なし)が50%、パターン1が50%、パターン2が0%、パターン3が0%、パターン4が0%、パターン5が0%、パターン6が0%であり、リプレイCの単独当選時において非当選(なし)が0%、パターン1が100%、パターン2が0%、パターン3が0%、パターン4が0%、パターン5が0%、パターン6が0%であり、リプレイC+特別役の当選時において非当選(なし)が0%、パターン1が100%、パターン2が0%、パターン3が0%、パターン4が0%、パターン5が0%、パターン6が0%である。
このように本実施例では、連続演出抽選において、前兆演出を伴うか否かに関わらず、特別役が当選している場合に特別役が当選していない場合よりも高い連続演出に当選する比率が高く、連続演出が実行されることで、特別役が当選している可能性が高い旨が示唆されることとなる。
また、前兆演出を伴わない場合または前兆演出を伴うが前兆演出中にアイテムとして桜柄が表示されるチャンス演出が実行されなかった場合には、演出パターン1〜6のうち、演出開始演出(桜柄)の演出パターン2、5または花火制作演出(桜柄)の演出パターン3、6が当選する比率が、特別役が当選していない場合よりも特別役が当選している場合の方が高く、花火制作演出または花火制作演出において桜柄となる場合に、通常柄の場合よりも特別役に当選している可能性が高くなる。
また、前兆演出を伴わない場合または前兆演出を伴うが前兆演出中にアイテムとして桜柄が表示されるチャンス演出が実行されなかった場合には、演出パターン1〜6のうち、花火打上+カットイン演出の演出パターン4〜6が当選する比率が、特別役が当選していない場合よりも特別役が当選している場合の方が高く、花火打上演出においてカットインを伴う場合に、カットインを伴わない場合よりも特別役に当選している可能性が高くなる。
また、前兆演出を伴わない場合には、前兆演出を伴う場合に比較して、花火制作演出または花火制作演出において通常柄よりも特別役の当選が期待できる桜柄となる演出パターンや花火打上演出においてカットインを伴わない場合よりも特別役の当選が期待できるカットインを伴う演出パターンが当選する比率が高く、前兆演出を伴わない連続演出においては、前兆演出を伴う連続演出に比較して、通常柄よりも特別役の当選が期待できる桜柄となる花火制作演出または花火制作演出が実行されやすく、またカットインを伴わない場合よりも特別役の当選が期待できるカットインを伴う花火打上演出が実行されやすくなっている。
一方で、前兆演出中にアイテムとして特別役の当選がさらに期待できる桜柄が表示されるチャンス演出が実行された場合には、当該前兆演出に続く連続演出において花火制作演出または花火制作演出において通常柄よりも特別役の当選が期待できる桜柄となる演出パターンや花火打上演出においてカットインを伴わない場合よりも特別役の当選が期待できるカットインを伴う演出パターンが当選しないようになっており、このような場合には、通常柄よりも特別役の当選が期待できる桜柄となる花火制作演出または花火制作演出が実行されることがなく、またカットインを伴わない場合よりも特別役の当選が期待できるカットインを伴う花火打上演出が実行されることもない。
また、本実施例では、演出パターン1の連続演出、すなわち花火制作演出または花火制作演出において桜柄を伴わず、花火打上演出においてカットインも伴わない連続演出中において、特別役と同時当選し得る一般役が当選した場合に、2ゲーム目であれば花火制作演出(通常)をそれよりも特別役の当選が期待できる花火制作演出(桜柄)に、3ゲーム目であれば花火打上演出(カットインなし)をそれよりも特別役の当選が期待できる花火打上+カットイン演出に、それぞれ差し替えるチャンスアップ演出を行う。
チャンスアップ演出を行うか否かは、演出パターン1の連続演出中に特別役と同時当選し得る一般役が当選した場合にサブ制御部91が実行するチャンスアップ抽選により決定される。
チャンスアップ抽選の当選率は、図58(a)に示すように、前兆演出を伴わない演出パターン1に基づく連続演出中であれば、スイカA当選時において特別役非当選の場合に5%、特別役当選の場合に15%、スイカB当選時において特別役非当選の場合に10%、特別役当選の場合に30%、チェリーA当選時において特別役非当選の場合に5%、特別役当選の場合に15%、チェリーB当選時(特別役確定)において特別役当選の場合に50%、リプレイB1当選時において特別役非当選の場合に0%、特別役当選の場合に5%、リプレイB2当選時において特別役非当選の場合に0%、特別役当選の場合に5%、リプレイC当選時において特別役非当選の場合に5%、特別役当選の場合に5%である。
また、図58(b)に示すように、前兆演出を伴う演出パターン1に基づく連続演出中であり、前兆演出中にアイテムとして桜柄が表示されるチャンス演出が実行されていない場合には、スイカA当選時において特別役非当選の場合に1%、特別役当選の場合に3%、スイカB当選時において特別役非当選の場合に2%、特別役当選の場合に6%、チェリーA当選時において特別役非当選の場合に1%、特別役当選の場合に3%、チェリーB当選時(特別役確定)において特別役当選の場合に10%、リプレイB1当選時(特別役確定)において特別役当選の場合に1%、リプレイB2当選時において特別役非当選の場合に0%、特別役当選の場合に1%、リプレイC当選時(特別役確定)において特別役当選の場合に5%である。
また、図58(c)に示すように、前兆演出を伴う演出パターン1に基づく連続演出中であり、前兆演出中にアイテムとして桜柄が表示されるチャンス演出が実行された場合には、スイカA当選時において特別役非当選の場合に0%、特別役当選の場合に0%、スイカB当選時において特別役非当選の場合に0%、特別役当選の場合に0%、チェリーA当選時において特別役非当選の場合に0%、特別役当選の場合に0%、チェリーB当選時(特別役確定)において特別役当選の場合に0%、リプレイB1当選時(特別役確定)において特別役当選の場合に0%、リプレイB2当選時において特別役非当選の場合に0%、特別役当選の場合に0%、リプレイC当選時(特別役確定)において特別役当選の場合に0%である。
このようにチャンスアップ抽選では、前兆演出を伴う演出パターン1に基づく連続演出中であり、前兆演出中にアイテムとして桜柄が表示されるチャンス演出が実行された場合を除き、さらに特別役に当選していない場合でも有利RTが確定するリプレイCを除いて特別役が当選している場合に特別役が当選していない場合に比較してチャンスアップ抽選に当選する比率が高く定められており、特別役と同時当選し得る一般役が当選した場合に、花火制作演出(桜柄)や花火打上+カットイン演出が実行されることで特別役と同時当選し得る一般役の当選により示唆された特別役の当選可能性がさらに高まることとなる。
また、前兆演出を伴う連続演出中は、特別役と同時当選し得る一般役が当選した場合でも、前兆演出を伴わない場合に比較してチャンスアップ抽選に当選する確率が低く、チャンスアップ演出が実行され難くなっている。特に、前兆演出中にアイテムとして桜柄が表示されるチャンス演出が実行された場合には、チャンスアップ抽選に当選することがなく、このような場合にはチャンスアップ演出が実行されないようになっている。
以上説明したように、本実施例のスロットマシン1では、特別役に当選している可能性を示唆する連続演出を実行するにあたり、さらに特別役の当選可能性を示唆する前兆演出を経て連続演出が実行される場合と、前兆演出を経ずに連続演出が実行される場合と、がある。
このため、前兆演出を経ずに連続演出が実行される場合には、前兆演出を経て連続演出が実行される場合に比較して、特別役の当選の当選に対する期待感を十分に高めることが困難となる。
これに対して、本実施例では、前兆演出を伴わない場合に、前兆演出を伴う場合に比較して、花火制作演出または花火制作演出において通常柄よりも特別役の当選が期待できる桜柄となる演出パターンや花火打上演出においてカットインを伴わない場合よりも特別役の当選が期待できるカットインを伴う演出パターンが当選する比率が高く、前兆演出を伴わない連続演出においては、前兆演出を伴う連続演出に比較して、通常柄よりも特別役の当選が期待できる桜柄となる花火制作演出または花火制作演出が実行されやすく、またカットインを伴わない場合よりも特別役の当選が期待できるカットインを伴う花火打上演出が実行されやすくなっている。
このため、前兆演出を経て実行された連続演出では、前兆演出により連続演出により示唆される特別役の当選に対する期待感を高めることができる一方で、前兆演出を経ずに実行された連続演出では、前兆演出を経た場合に比較して高い割合で特別役の当選可能性が高い旨を示唆する桜柄やカットインを伴う演出パターンが実行されるので、前兆演出を経ずに実行された連続演出であっても、特別役が当選していることへの期待感を十分に高めることができる。
また、本実施例では、内部抽選にて当選した一般役の種類に応じて前兆演出を経ずに連続演出を実行するか、前兆演出を経て連続演出を実行するか、が決定されるようになっている。すなわち特別役の当選が期待できる一般役のうちスイカA、スイカB、チェリーA、チェリーBの当選時には、前兆演出を経ずに連続演出を実行し、リプレイB1、リプレイB2、リプレイCの当選時には、前兆演出を経て連続演出を実行するようになっている。
特に、本実施例では、特別役に当選していなくても入賞することで演出用RTまたは有利RTに移行するリプレイB1、リプレイB2、リプレイC、すなわち特別役を入賞させるこのできない再遊技役の当選確率が高まることにより、連続演出の演出結果により特別役に当選しているか否かが報知されるまでは、特別役に当選しているか否かを判別することが困難な状態となる一般役の当選時には、前兆演出を伴う連続演出が実行されることで、前兆演出及び連続演出の双方により長期間にわたり特別役の当選に対する期待感を煽る場合でも、最後まで特別役の当選に対する期待感を持続させることができる一方で、特別役に当選していない場合には演出用RTなどに移行することのないスイカA、スイカB、チェリーA、チェリーB、すなわち再遊技役の当選確率や遊技者が特別役を狙って停止操作を行うことによりある程度特別役の当選の有無が判別可能な一般役の当選時には、前兆演出を伴わずに連続演出が実行されることで、特別役に当選していない旨が明らかであるにも関わらず、長期間にわたり前兆演出や連続演出が継続してしまうことを防止できる。
また、本実施例では、前兆演出中にアイテムとして特別役の当選がさらに期待できる桜柄が表示されるチャンス演出が実行された場合には、当該前兆演出に続く連続演出において花火制作演出または花火制作演出において通常柄よりも特別役の当選が期待できる桜柄となる演出パターンや花火打上演出においてカットインを伴わない場合よりも特別役の当選が期待できるカットインを伴う演出パターンが当選しないようになっており、このような場合には、通常柄よりも特別役の当選が期待できる桜柄となる花火制作演出または花火制作演出が実行されることがなく、またカットインを伴わない場合よりも特別役の当選が期待できるカットインを伴う花火打上演出が実行されることもない。このため、過度に、桜柄を伴う前兆演出や、桜柄やカットインを伴う演出パターンが実行されることで、桜柄を伴う前兆演出や桜柄やカットインを伴う演出パターンによる特別役の当選に対する期待感が薄れてしまうことを防止できる。
また、本実施例では、連続演出中に特別役と同時当選し得る一般役が当選した場合に、2ゲーム目であれば花火制作演出(通常)をそれよりも特別役の当選が期待できる花火制作演出(桜柄)に、3ゲーム目であれば花火打上演出(カットインなし)をそれよりも特別役の当選が期待できる花火打上+カットイン演出に、それぞれ差し替えるチャンスアップ演出を行う。すなわち特別役の当選を示唆する一般役の入賞が許容されている状況において桜柄やカットインを伴う演出パターンが実行されるので、遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
また、チャンスアップ演出は、前兆演出を伴わない連続演出において前兆演出を伴う連続演出よりも高い割合で行われるようになっており、前兆演出を経ずに実行された連続演出において、特別役が当選していることへの期待感を効果的に高めることができる。
一方、連続演出中に特別役と同時当選し得る一般役が当選した場合であっても、同一の連続演出中に、既に桜柄やカットインを伴う演出パターンを実行する旨が決定されている場合や、前兆演出中に桜柄を伴うチャンス演出が実行されている場合には、チャンスアップ演出が行われないようになっており、過度に、桜柄を伴う前兆演出や、桜柄やカットインを伴う演出パターンが実行されることで、桜柄を伴う前兆演出や桜柄やカットインを伴う演出パターンによる特別役の当選に対する期待感が薄れてしまうことを防止できる。
尚、本実施例では、遊技者にとって有利な権利としてボーナスへの移行を伴う特別役の当選、すなわち遊技者にとって有利な遊技状態へ移行させることが可能となる権利を適用しており、前兆演出並びに特定演出としての連続演出として特別役の当選を期待させる演出を適用しているが、これに限らず、遊技者にとって有利な権利として、ボーナス以外の遊技者にとって有利な遊技状態、例えば、通常よりも特定役の当選確率が高まることや、遊技者にとって有利な停止態様(入賞態様でも良いし、非入賞態様でも良い)を導出させるための操作態様など、遊技者にとって有利な情報が報知されること等により、通常よりも多くの遊技用価値の獲得が期待できる遊技状態等への移行を伴う有利役の当選、これら有利な遊技状態に制御させることが可能な権利(有利状態に制御するか否かを決定する抽選に当選すること)を適用したり、遊技者にとって有利な表示結果を導出させるための操作態様が報知される権利を適用しても良く、この場合には、前兆演出並びに特定演出としてこれらの権利が付与されている可能性を示唆する演出を適用すれば良い。
また、本実施例では、特定演出として複数ゲームにわたり継続する連続演出を適用しているが、1ゲーム以内で完結する演出を特定演出として適用しても良い。同様に、本実施例では、前兆演出として複数ゲームにわたり継続する前兆演出を適用しているが、1ゲーム以内で終了する演出を特定演出として適用しても良い。
また、本実施例では、前兆演出として前兆演出中にチャンス演出が連続する構成であるが、1ゲーム毎に段階を追ってストーリーが進行する演出など前後に繋がりのある演出を前兆演出として適用しても良い。
また、本実施例では、特別役の当選が期待できる一般役が当選したことを契機に前兆演出または連続演出が実行される構成であり、前兆演出や連続演出の実行に伴う期待感をより高めることができることから好ましいが、特別役の当選が期待できる一般役が当選したことを契機とせず、特別役の当選の有無に応じた抽選の結果に応じて前兆演出または連続演出が実行される構成でも良い。
以上、本発明の実施例1を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例1に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
実施例1では、低速停止制御を行うことによって特別役の当選可能性を示唆する構成であるが、低速停止制御を行うことによって遊技者に対して何らかの情報を示唆する構成であれば良く、例えば、有利な遊技状態へ移行する権利が付与された可能性や有利な遊技状態へ移行するか否かの抽選が通常よりも優遇されている状態である可能性を示唆する構成等でも良い。さらには、遊技者にとって複数の設定値のうちより遊技者にとって有利な設定値が設定されていることを示唆する構成としても良い。
実施例1では、特殊導出制御として、停止操作の検出後、通常停止制御に比較してゆっくりとリールを目標となる停止位置に停止させる低速停止制御を適用しているが、特殊導出制御は、特殊な停止態様にて表示結果を導出させる制御を行うものであれば良く、例えば、リール停止時にリールを上下に振動させながら停止させる制御(いわゆるバウンド停止)を特殊導出制御として適用しても良い。
また、実施例では、特殊導出制御に適した滑りコマ数として1コマを適用しているが、特殊導出制御に適した滑りコマ数はこれに限定されるものではなく、さらに特殊導出制御に適した滑りコマ数が複数のものであっても良い。
実施例では、可変表示装置として3つのリール2L、2C、2Rを適用した例について説明しているが、1つのみリールを備え、この1つのリールの表示結果に応じて入賞が判定されるものでも良いし、2つのリールを備え、2つのリールの表示結果の組み合わせに応じて入賞が判定されるものでも良いし、4つ以上のリールを備え、これらリールの表示結果の組み合わせに応じて入賞が判定されるものでも良い。
実施例1では、可変表示装置として3つのリール2L、2C、2Rを適用し、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組み合わせに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明しているが、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであっても良いし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域の全てに前記表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出表示された前記表示結果の組み合わせに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであっても良い。
実施例1では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例ついて説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施例1で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。
本発明が適用されたスロットマシンの実施例3について説明する。尚、本実施例のスロットマシンの構成は、前述した実施例1と同一の構成を含むため、ここでは異なる点について主に説明する。
本実施例におけるリール停止時のリールモータの制御には、通常停止制御と低速停止制御の2種類があり、前者は、停止操作の検出後、極力速くリールを目標となる停止位置に停止させる制御、すなわちリールが停止するまでの時間として、滑りコマ数の増加に比例して増加する時間を要する通常の停止態様にてリールを停止させる制御であり、後者は、停止操作の検出後、通常停止制御に比較してゆっくりとリールを目標となる停止位置に停止させる制御、すなわちリールが停止するまでの時間として、通常停止制御にて特定の滑りコマ数(本実施例では2コマ)でリールを停止させるのに要する時間(本実施例では、71.68から105.28ms)を超える時間(本実施例では、114.24〜147.84msまたは152.32〜185.92)を要する特殊な停止態様にてリールを停止させる制御である。このため、後者の場合には、通常停止制御と同じタイミングで停止操作を行い、同じ停止位置で停止させる場合でも、停止操作がされてからリールが停止するまでに要する時間が長くなる。
通常停止制御では、図63及び図64に示すように、停止操作の検出後、停止位置に応じたブレーキ開始位置に到達するまでは、定速回転のステップレート(2.24ms)を維持し、ブレーキ開始位置に到達した際に、定速回転時のステップレート(2.24ms)よりも長いステップレート(3.36ms)を適用し、ブレーキをかけてロータ32aを減速させ、次のステップ(4ステップ手前のステップ)で全ての励磁相φ1〜φ4を励磁する全相励磁を開始する。これによりロータ32aに急制動がかけられることで、オーバーシュート(脱調)した結果、停止位置でロータ32aが停止することとなる。
本実施例では、通常停止制御において全相励磁を行った後、5ステップ分オーバーシュートして滑るため、図64に示すように、回転方向に対して停止位置よりも6ステップ手前のステップでブレーキを開始し、停止位置よりも5ステップ手前で全相励磁を開始することとなる。
通常停止制御では、図62に示すように、後述の低速停止制御が行われる2コマ滑り、すなわち停止位置に対して38〜53ステップ手前のタイミングで停止操作が行われた場合には、停止操作の検出後、32〜47ステップの間、定速回転と同じ2.24msのステップレートに制御され、次のステップにおいて定速回転よりも長い3.36msのステップレートに制御された後、全相励磁に制御されるので、停止操作の検出後、全相励磁までに71.68から105.28msの時間を要する。
低速停止制御には、さらに低速停止制御1と低速停止制御2とからなる。低速停止制御1、2はともに、停止操作の検出後、通常停止制御に比較してゆっくりとリールを目標となる停止位置に停止させる制御であるが、低速停止制御2は、低速停止制御1と同じタイミングで停止操作を行い、同じ停止位置で停止させる場合でも、停止操作がされてからリールが停止するまでに要する時間がさらに長い。
本実施例において低速停止制御1及び低速停止制御2は、停止操作がなされた際に、滑りコマ数として2コマが選択された場合のみ適用される。これは、小さい滑りコマ数のときに低速停止制御1、2を適用すると急激に回転速度が落ちることでリールの振動が大きく目立ってしまうからであり、一方で、大きい滑りコマ数のときに低速停止制御1及び低速停止制御2を適用した場合、通常停止制御との違いが分かりにくくなってしまうからであり、本実施例で適用したステッピングモータ及びリールの重さにおいては、2コマが上記の点において最も適しているからである。
低速停止制御1では、図66及び図69に示すように、停止操作の検出後、通常停止制御と同様に停止位置に応じたブレーキ開始位置に到達するまでは、定速回転のステップレート(2.24ms)を維持するが、通常停止制御のブレーキ開始位置よりも回転方向に対してさらに手前に位置するブレーキ開始位置から定速回転時のステップレート(2.24ms)よりも長いステップレート(3.36ms)を適用し、ブレーキをかけてロータ32aの減速を開始させる。この際、図65に示すようにステップレートを一律に長くしていくのではなく、長いステップレートと短いステップレートを交互に織り交ぜながら、徐々に長いステップレートを適用することで、スムーズにロータ32aを減速させるようになっている。
そして、定速回転のステップレート(2.24ms)の1.5倍の3.36msのステップレートを全相開始位置の手前のステップまで維持し、回転方向に対して停止位置よりも手前の全相開始位置(2ステップ手前のステップ)で全相励磁を開始する。これによりロータ32aに急制動がかけられることで、オーバーシュート(脱調)した結果、停止位置でロータ32aが停止することとなる。
低速停止制御1では、通常停止制御に比較して全相励磁を開始する際のロータ32aの回転速度が遅く、慣性力が弱まっているため、低速停止制御の全相開始位置は、通常停止制御の全相開始位置よりも停止位置に近い位置に定められている。
本実施例では、低速停止制御1において全相励磁を行った後、2ステップ分オーバーシュートして滑るため、図69に示すように、回転方向に対して停止位置よりも2ステップ手前で全相励磁を開始することとなる。
低速停止制御1では、図65に示すように、停止操作の検出後、0〜15ステップの間、定速回転と同じ2.24msのステップレートに制御され、停止位置の38ステップ手前から、3.36ms×1、2.24ms×3、3.36ms×2、2.24ms×2、3.36ms×1、2.24ms×1、3.36ms×26のステップレートに制御された後、全相励磁に制御されるので、停止操作の検出後、全相励磁までに、114.24ms〜147.84msを要する。通常停止制御において2コマ滑りで停止させる場合、停止操作の検出後、全相励磁までに要する時間は、71.68から105.28msであり、同じ2コマ滑りで同じ停止位置に停止する場合でも、通常停止制御に比較して停止操作が検出されてから停止するまでに長い時間を要することとなる。
低速停止制御2では、図67に示すように、停止操作の検出後、通常停止制御と同様に停止位置に応じたブレーキ開始位置に到達するまでは、定速回転のステップレート(2.24ms)を維持するが、低速停止制御1と同様に、通常停止制御のブレーキ開始位置よりも回転方向に対してさらに手前に位置するブレーキ開始位置から定速回転時のステップレート(2.24ms)よりも長いステップレート(3.36ms)を適用し、ブレーキをかけてロータ32aの減速を開始させる。この際、図67に示すようにステップレートを一律に長くしていくのではなく、長いステップレートと短いステップレートを交互に織り交ぜながら、徐々に長いステップレートを適用することで、スムーズにロータ32aを減速させるようになっている。
そして、定速回転のステップレート(2.24ms)の倍の4.48msのステップレートを全相開始位置の手前のステップまで維持した後、停止位置にて全相励磁を開始する。これにより十分に減速されたロータ32aは、オーバーシュート(脱調)することなく、停止位置で停止することとなる。
低速停止制御2では、低速停止制御1と同じタイミングでブレーキを開始することとなるが、減速後のステップレートを低速停止制御1よりも長くすることで、低速停止制御1よりもブレーキ開始から停止までにより長い時間を要することとなる。
本実施例では、前述のように低速停止制御2において全相励磁を行った後、オーバーシュートせずに停止するため、停止位置にて全相励磁を開始することとなる。
低速停止制御2では、図67に示すように、停止操作の検出後、0〜15ステップの間、定速回転と同じ2.24msのステップレートに制御され、停止位置の38ステップ手前から、3.36ms×1、2.24ms×3、3.36ms×2、2.24ms×2、3.36ms×1、4.48ms×28のステップレートに制御された後、全相励磁に制御されるので、停止操作の検出後、全相励磁までに、152.32ms〜185.92msを要する。通常停止制御において2コマ滑りで停止させる場合、停止操作の検出後、全相励磁までに要する時間は、71.68から105.28msであり、同じ2コマ滑りで同じ停止位置に停止する場合でも、通常停止制御に比較して停止操作が検出されてから停止するまでに長い時間を要することとなる。さらに低速停止制御1において2コマ滑りで停止させる場合、停止操作の検出後、全相励磁までに要する時間は、114.24ms〜147.84msであり、低速停止制御1よりも停止操作が検出されてから停止するまでに長い時間を要することとなる。
このように本実施例では、同じタイミングで停止操作が行われ、同じ位置に停止させる場合であっても、低速停止制御を行った場合には、通常停止制御に比較して、リールの減速が開始してから停止するまでに要する時間が長くなり、ゆっくりと停止位置に到達することとなり、停止態様を多様化することができる。
また、低速停止制御には、さらに停止操作が検出されてから停止するまでに要する時間の異なる複数種類の低速停止制御を備えており、さらに停止態様を多様化することができる。
また、低速停止制御を行う場合には、通常停止制御において全相励磁を開始する位置よりも近い位置で全相励磁が開始されるので、通常停止制御に比較して早くから減速が開始されることで慣性力の弱くなる低速停止制御を行っても、通常停止制御と同じ停止位置に停止させることができ、通常停止制御を行うか、低速停止制御を行うか、によって停止位置にばらつきが生じてしまうことを防止できる。
また、低速停止制御を行う場合であっても、停止操作が検出された後、ブレーキ開始位置に到達するまでは、定速回転と同じステップレートでの制御が行われるようになっており、停止操作が検出されたステップ数に関わりなく、同じ滑りコマ数であれば、共通の制御にて低速停止制御を行うことが可能となり、必要以上に制御が複雑化してしまうことを防止できる。
尚、本実施例において示した低速停止制御は、停止操作の検出後、通常停止制御に比較してゆっくりとリールを目標となる停止位置に停止させる制御であれば、上記で励磁した制御方法以外の制御で行うものでも良い。例えば、通常停止制御よりも早い段階で励磁パターンを定速回転とは異なるパターンとすること、例えば、本来消磁するべき励磁相を励磁したままの状態として、3つの励磁相を励磁させることにより、リールを減速させた後、全相励磁を行うことで、通常よりも停止までに要する時間が長くなるようにしても良い。
また、本実施例では、通常停止制御においても低速停止制御においてもともに全相励磁の開始後、同じ時間にわたり全相励磁を継続する構成であるが、通常停止制御に比較して低速停止制御では、全相励磁の開始時における慣性力も弱く、通常停止制御と同じ時間にわたり全相励磁を継続せずとも、リールを確実に停止させることが可能であることから、低速停止制御においては、通常停止制御よりも全相励磁の開始後、全ての励磁相をOFFの状態とするまでの時間を短く設定するようにしても良い。また、低速停止制御2のように全相励磁するまでもなく、十分に減速されており、自然に停止する場合であれば、全相励磁自体を行わず、全ての励磁相をOFFとするのみでも良い。
例えば、ホッパーモータ34bの駆動によりメダルの払出を伴う場合、電圧が不足することから全相励磁が解除されるまでメダルの払出を待機することなるが、上記のように低速停止制御において通常停止制御よりも全相励磁の時間を短く設定したり、全相励磁を行わないことにより、低速停止制御を行う場合に、メダルの払出動作を行うまでの時間を短縮することが可能となる。
また、前述の実施例1では、チェリーの組み合わせが「ANY−ANY−チェリー」であったが、本実施例のチェリーは、図70に示すように、左リールについて入賞ラインのいずれかに「チェリー−ベル−ANY」の組み合わせが揃ったとき、すなわち左リールにおいて入賞ラインのいずれかに「チェリー」の図柄が導出され、中リールの、左リールに「チェリー」が停止した入賞ラインに「ベル」の図柄が導出されたときに入賞となり、遊技状態が通常遊技状態、RT1〜4であれば、1枚のメダルが払い出され、遊技状態がRB1〜3であれば、15枚のメダルが払い出される。
また、前述の実施例1では、チェリー当選時において第1停止時はテーブル方式による停止制御を適用し、第2停止時以降コントロール方式による停止制御を適用する構成であったが、本実施例では、チェリー当選時において第1停止時における左リールのみテーブル方式による停止制御を適用し、それ以外、すなわち第1停止時における中リール及び右リール、第2停止時及び第3停止時の全てのリールについてはコントロール方式による停止制御を適用している。
また、チェリー当選時においてコントロール方式による停止制御を行う場合、すなわち第1停止時における中リール及び右リール、第2停止時及び第3停止時の全てのリールについて停止制御を行う場合には、停止位置を2→0→1→3→4の順番で検索するようになっている。
図71は、本実施例においてメイン制御部41が行う低速停止決定処理の制御内容を示すフローチャートである。
本実施例の低速停止決定処理では、まず、BB中か否か(Si2051)、特別役の確定報知が既に行われているか否か(Si2052)、を判定する。
Si2051のステップにおいてボーナス中であると判定された場合、またはSi2052のステップにおいて特別役の確定報知が既に行われていると判定された場合には、処理を終了し、この場合には、低速停止制御が適用されることはない。
一方、Si2051のステップにおいてBB中ではないと判定され、さらにSi2052のステップにおいて特別役の確定報知が行われていないと判定された場合には、内部抽選においてチェリーAが当選しているか否か判定し(Si2053)、チェリーAが当選していないと判定された場合も、低速停止制御が適用されることはない。
Si2053のステップにおいて内部抽選においてチェリーAが当選していると判定された場合には、図72に示す確率にて低速停止制御1を行うか、低速停止制御2を行うか、通常停止制御を行うか、を決定する低速停止抽選を行う(Si2054)。
そして、低速停止制御1または低速停止制御2に当選したか否かを判定する(Si2055)。Si2055のステップにおいて低速停止制御1の当選が判定された場合には、低速停止制御1を示す低速停止制御フラグをセットし、低速停止制御2の当選が判定された場合には、低速停止制御2を示す低速停止制御フラグをセットし(Si2056)、低速停止制御1も低速停止制御2も当選しなかった場合には、低速停止制御フラグはセットされない。
低速停止抽選では、図72に示すように、チェリーAのみが当選している場合に低速停止制御1、2のいずれかに当選する確率(低速停止制御1:10%、低速停止制御2:5%)よりも特別役とともにチェリーAが当選している場合に低速停止制御1、2のいずれかに当選する確率(低速停止制御1:30%、低速停止制御2:30%)が高く定められている。
また、チェリーAのみが当選している場合に低速停止制御1、2のうち低速停止制御2が当選する比率(1/3(5%/(5%+10%))よりも特別役とともにチェリーAが当選している場合に低速停止制御1、2のうち低速停止制御2が当選する比率(1/2(30%/(30%+30%))が高く定められている。
低速停止制御1を示す低速停止制御フラグがセットされると、その後、停止操作によりリールを停止させる際に、滑りコマ数として2コマが選択されると、低速停止制御1が適用されることとなる。また、低速停止制御2を示す低速停止制御フラグがセットされると、その後、停止操作によりリールを停止させる際に、滑りコマ数として2コマが選択されると、低速停止制御2が適用されることとなる。
また、低速停止制御フラグが設定されていない場合や、低速停止制御フラグが設定されているが、滑りコマ数として0、1、3、4が選択された場合には、停止操作によりリールを停止させる際に、通常停止制御が適用されることとなる。
上記のようにBB中や特別役の確定報知後は、低速停止制御フラグが設定されることはないので、BB中や特別役の確定報知後は、チェリーAが当選した場合であっても低速停止制御が行われることはない。
図73は、本実施例においてメイン制御部41が前述したタイマ割込処理のタイマ割込4内において実行する停止スイッチ処理の制御内容を示すフローチャートである。
本実施例の停止スイッチ処理では、まず、左、中、右の順番で全てのリールについて、該当するリールのワークに停止操作位置が設定されているか否か、すなわち停止操作が検出されたかを判定し(Sk2101、Sk2102)、全てのリールについて停止操作が検出されていなければ、停止スイッチ処理を終了し、図47のフローチャートに復帰する。
また、Sk2101のステップにおいて、いずれかのリールの停止操作が検出されている場合には、Sk2103のステップに進む。
Sk2103のステップでは、当該リールに対応する仮想滑りコマテーブルを参照し、停止リールに対応するワークに設定されている停止操作位置のステップ数を含む領域番号から、停止位置となる領域番号を特定する。
次いで、当該ゲームにおいて既に低速停止制御が実行済みであるか否かを判定する(Sk2104)。既に低速停止制御が実行済みであるか否かは、後述する実行済みフラグが設定されているか否かによって判断する。Sk2104のステップにおいて既に低速停止制御が実行済みであると判定された場合には、停止スイッチ処理を終了し、図47のフローチャートに復帰する。
Sk2104のステップにおいて低速停止制御が実行済みでなければ、Sk2103のステップで特定したステップ数が2コマに対応するステップ数(38〜53)か否かを判定する(Sk2105)。2コマに対応するステップ数でなければ、停止スイッチ処理を終了して図47のフローチャートに復帰し、2コマに対応するステップ数であれば、低速停止抽選において低速停止制御1が当選しているか、すなわち低速停止制御1を示す低速停止制御フラグが設定されている否かを判定する(Sk2106)。
低速停止制御1が当選していれば、低速停止制御1の実行を命令する低速停止実行フラグ1をRAM507に設定するとともに、低速停止制御が実行済みである旨を示す実行済みフラグをRAM507に設定し(Sk2107、Sk2108)、停止スイッチ処理を終了して、図47のフローチャートに復帰する。
一方、Sk2106のステップにおいて低速停止制御1が当選していなければ、低速停止抽選において低速停止制御2が当選しているか、すなわち低速停止制御2を示す低速停止制御フラグが設定されている否かを判定する(Sk2109)。
低速停止制御2が当選していれば、低速停止制御2の実行を命令する低速停止実行フラグ2をRAM507に設定するとともに、低速停止制御が実行済みである旨を示す実行済みフラグをRAM507に設定し(Sk2110、Sk2108)、停止スイッチ処理を終了して、図47のフローチャートに復帰する。
また、Sk2106のステップにおいて低速停止制御2が当選していなければ、そのまま停止スイッチ処理を終了して、図47のフローチャートに復帰する。
そして、停止スイッチ処理において低速停止実行フラグ1が設定された場合には、その後の停止処理において低速停止制御1に応じた励磁時間の制御が行われ、停止スイッチ処理において低速停止実行フラグ2が設定された場合には、その後の停止処理において低速停止制御2に応じた励磁時間の制御が行われることとなる。
また、停止スイッチ処理では、低速停止制御フラグが設定されている場合であっても、当該ゲームにおいて既に低速停止制御を実行している場合には、低速停止制御が命令されることがないようになっており、いずれかのリールで低速停止制御が実行されると、それ以降のリールでは、低速停止制御が実行されることがないようになっている。
次に、低速停止制御が行われ得るチェリー当選時に各リールの停止操作位置毎に選択される滑りコマ数について説明する。
図74は、いずれの特別役も持ち越されていない状態でチェリーAが当選している場合、に選択される各リールの滑りコマ数を示す図である。
第1停止時に適用される左リールの滑りコマ数は、チェリーに対応する滑りコマ数データを用いて展開された滑りコマ数であり、図74(a)に示すように、最大4コマの引込範囲でチェリーを構成する「チェリー」を入賞ラインL2〜L5、すなわち上段または下段に引込可能な領域番号0〜6、8〜14に対して、「チェリー」を入賞ラインL2〜L5に引き込む滑りコマ数が定められており、そのうち2コマで「チェリー」を入賞ラインL2〜L5に引き込むことが可能な停止操作位置については2コマが定められている。
また、最大4コマの引込範囲で「チェリー」を入賞ラインL2〜L5に引きこみ不可能な領域番号7、15〜20に対しては2コマに定められている。このため、チェリーが当選している場合に左リールが第1停止リールとなる場合においては、11/21の割合で低速停止制御を行うことが可能な2コマが滑りコマ数として選択されるようになっている。
第1停止時に適用される中リールの滑りコマ数は、停止位置検索処理により特定される滑りコマ数であり、2、0、1、3、4の順番でチェリーを構成する「ベル」を入賞ラインに引き込む滑りコマ数を検索した結果、図74(b)に示すように、チェリーを構成する「ベル」を入賞ラインL1〜L5のいずれかに引き込む滑りコマ数として、領域番号2〜4、6〜11、14〜16、18〜20に対しては2コマが特定され、領域番号0、1、5、12、13、17に対しては、0コマが特定される。このため、チェリーが当選している場合に中リールが第1停止リールとなる場合においては、15/21の割合で低速停止制御を行うことが可能な2コマが滑りコマ数として選択されるようになっている。
第1停止時に適用される右リールの滑りコマ数は、停止位置検索処理により特定される滑りコマ数であり、2、0、1、3、4の順番でいずれかの図柄を入賞ラインに引き込む滑りコマ数を検索した結果、図74(c)に示すように、領域番号0〜20に対して2コマが特定される。このため、チェリーが当選している場合に右リールが第1停止リールとなる場合においては、21/21の割合、つまり、確実に低速停止制御を行うことが可能な2コマが滑りコマ数として選択されるようになっている。
このようにチェリーA当選時にいては、第1停止時において右リールの滑りコマ数として、左リール及び中リールの滑りコマ数として2コマが選択されるよりも大きい割合で低速停止制御を行うことが可能な2コマが選択されるようになっている。
また、特に図示はしないが、第2停止以降も、右リールの滑りコマ数として、左リール及び中リールの滑りコマ数として2コマが選択されるよりも大きい割合で低速停止制御を行うことが可能な2コマが選択されるようになっている。
このため、本実施例では、チェリーAが当選している場合に、左リールまたは中リールよりも、右リールの停止時に2コマで停止する割合が高くなる。
以上説明したように本実施例のスロットマシン1では、停止操作の検出後、通常停止制御に比較してゆっくりとリールを目標となる停止位置に停止させる低速停止制御を行うことが可能であるが、滑りコマ数が少ないと急激に回転速度が落ちることでリールの振動が大きく目立ってしまう一方で、滑りコマ数が多いと通常停止制御との違いが分かりにくくなってしまうことから、低速停止制御に適した滑りコマ数は限られている。
本実施例では、滑りコマ数として低速停止制御に適した2コマが選択された場合のみ、低速停止制御が行われるようになっているが、滑りコマ数は、リールの停止操作を行った際の内部抽選結果に応じた図柄の位置等により決定されるため、停止操作のタイミングによっては、滑りコマ数が低速停止制御に適した滑りコマ数となる機会が制限され、低速停止制御が行われる機会が少なくなってしまうことから、低速停止制御を備えていながら、それによる遊技者の興趣を十分に高めることができなくなってしまう。
このため、本実施例では、特定のリール(左リール、中リール)において入賞判定の対象となる図柄(左リールのチェリー及び中リールのベル)が一の入賞ライン上に停止するのみで、残りのリールに停止した図柄に関わらず入賞することとなるチェリーが許容されるチェリーAの当選時に、低速停止制御を行うとともに、チェリーA当選時においては、特定のリール以外のリール、すなわちチェリーの入賞にその停止図柄が影響しないリールにおいて、特定のリール、すなわち「チェリー」や「ベル」を引き込むために滑りコマ数が制限されるリールよりも高い割合で、低速停止制御を行うことが可能な2コマの滑りコマ数が選択され、低速停止制御が行われる機会を増加させることができるようになっており、低速停止制御による興趣を効果的に高めることができる。
尚、いずれかのリールにおいて低速停止制御を行うことが可能な2コマが選択される停止操作位置が集中する領域と、2コマが選択される停止操作位置がまばらな領域と、が存在する場合には、2コマが選択される停止操作位置が集中する領域内に指標となる図柄(目立つ図柄)を配置し、当該指標となる図柄を報知するようにしても良く、このような報知を行うことにより、2コマが選択される停止操作位置が集中する領域を狙った停止操作を行うことを促すことが可能となり、これにより低速停止制御が行われる機会をさらに増加させることができる。
また、本実施例では、特定のリールにおいて入賞判定の対象となる図柄が一の入賞ライン上に停止するのみで、残りのリールに停止した図柄に関わらず入賞することとなる特殊入賞として、特定のリールのうち一のリールでは、引込範囲を超えて入賞判定の対象となる図柄が配置され(左リールのチェリー)、他のリールでは、引込範囲内に入賞判定の対象となる図柄が配置された(中リールのベル)、すなわち特定リールのうち一のリールでは、対象となる図柄を入賞ライン上に停止させるのにその図柄の引込範囲となるタイミングで停止操作を行う必要がある一方で、他のリールでは停止操作のタイミングに関わらず対象となる図柄を停止させることが可能なチェリーを特殊入賞として適用しているが、特定のリール以外のリールにおいて、特定のリールのうち一のリール、すなわち引込範囲を超えて入賞判定の対象となる図柄が配置されており、操作タイミングにより最大引込範囲内で最大限に対象図柄を引き込むために最大引込範囲内の0〜4コマのうち2コマ以外の滑りコマ数を選択する必要のあるリールよりも高い割合で、低速停止制御を行うことが可能な2コマの滑りコマ数が選択されるようになっており、上記のような構成の特殊入賞を適用した場合でも、低速停止制御が行われる機会を確実に増加させることができる。
また、本実施例では、チェリーA当選時に、特定のリール以外のリール、すなわちチェリーの入賞にその停止図柄が影響しない右リールについて、低速停止制御を行うことが可能な2コマを最優先として滑りコマ数を検索するコントロール方式にて滑りコマ数を選択するようになっており、他のリールの停止状況や停止位置などに応じて極力2コマが滑りコマ数として選択される滑りコマ数データを予め準備しておくことなく、2コマの滑りコマ数の割合を高めることができるようになっていることから好ましいが、チェリー当選時に、特定のリール以外のリールについても、2コマの滑りコマ数の割合を高く定めた滑りコマ数データを予め準備しておき、これら滑りコマ数データを用いて停止制御を行うことにより、2コマの滑りコマ数の割合を高める構成であっても良い。
また、本実施例では、チェリーAの当選時において、遊技者にとって有利なBBへの移行を伴う特別役が当選している場合に、特別役が当選していない場合よりも高い確率にて低速停止制御に当選するようになっており、低速停止制御が適用された場合、すなわち停止操作後、通常よりもリールがゆっくりと停止した場合には、特別役に当選している可能性が高まるため、特別役の当選に対する遊技者の期待感を高めることができる。
また、チェリーAは、特別役と同時当選する可能性のある役であるため、チェリーAの当選により示唆された特別役の当選可能性に伴う遊技者の期待感を、その後の低速停止制御によりさらに高めることができる。
また、低速停止制御1及び低速停止制御よりもよりゆっくり停止する低速停止制御2のうち遊技者にとって有利なBBへの移行を伴う特別役が当選している場合に、特別役が当選していない場合よりも高い比率にて低速停止制御2が当選するようになっており、停止操作後、通常よりもリールがゆっくりと停止した場合には、低速停止制御1が適用された場合よりも低速停止制御2が適用された場合、すなわちリールがよりゆっくり停止する方が、特別役に当選している可能性が高まることとなり、低速停止制御が適用された場合に、さらにその速度にも注目させることができる。
尚、本実施例では、チェリーAが当選し、低速停止制御を行う旨が決定された場合に、いずれかのリールにおいて低速停止制御が行われた場合には、その後、残りのリールを停止する際の滑りコマ数として2コマの滑りコマ数が選択された場合であっても、低速停止制御を行わないようになっている。これは、例えば、全てのリールにおいて低速停止制御が同様に行われた場合に、低速停止制御が行われたのか、通常停止制御が行われたのか、を識別するのが困難となるためであり、上記のようにいずれかのリールにおいて低速停止制御が行われた場合には、その後、残りのリールについては低速停止制御を行わないことにより、必ず通常停止制御と、低速停止制御と、が混在することで、その違いが明確となり、遊技者に対して低速停止制御が行われたことを確実に認識させることができる。
尚、本実施例では、3つのリールのうちいずれか1のリールで低速停止制御が行われた場合に、他のリールでは低速停止制御が行われない構成であるが、複数のリールで低速停止制御が行われる構成としても良く、さらにこのような構成にあっては、低速停止制御が行われるリールの数に応じて示唆される特別役の当選可能性が変化する構成としても良い。
また、本実施例では、BB中や特別役の確定報知が行われた後、特別役が入賞するまでの期間、すなわち低速停止制御を行っても何らの示唆されることのない期間では、低速停止制御が行われないようになっており、このような期間において低速停止制御が行われることにより当該遊技状態の消化効率が落ちてしまうことを防止できる。
本実施例では、サブ制御部91がリールの停止を示すリール停止コマンドをメイン制御部41から受信したときに、リール停止音の出力などリール停止演出を実行する。一方、メイン制御部41がリール停止時にサブ制御部91に対して送信するリール停止コマンドから通常停止制御であるか、低速停止制御1であるか、低速停止制御2であるか、を特定できるようになっており、サブ制御部91は、リール停止コマンドを受信し、受信したリール停止コマンドから低速停止制御1、2が特定される場合、通常停止制御とは異なるリール停止演出を実行する。
リール停止演出では、例えば、通常停止制御の場合には、所定長さの第1の停止音を出力するのに対して、低速停止制御1、2の場合には、所定長さよりも長い第2の停止音を出力すれば良い。また、この場合には、低速停止制御2の場合に、低速停止制御1の場合に出力される第2の停止音よりもさらに長い第2の停止音を出力することが好ましい。また、低速停止制御の場合に、通常停止制御と同一の効果音を伸張してゆっくりと出力するようにしても良く、このようにすることで、同じ滑りコマ数における停止までの時間が長くなったことを直感的に認識させることができる。
尚、これらリール停止演出は、音声による演出に限らず、画像や動画、LEDの点灯態様によって同じ滑りコマ数における停止までの時間が長くなったことを認識させるものでも良い。
また、本実施例では、サブ制御部91が低速停止抽選の結果、すなわち低速停止制御1が実行されるか、低速停止制御2が実行されるか、低速停止制御が実行されないか、を示す低速停止決定コマンドを受信した場合に、この低速停止決定コマンドが示す低速停止抽選の結果を記憶しておくとともに、低速停止制御1または低速停止制御2が実行される旨が記憶されたゲームにおいて全てのリールについてリール停止コマンドを受信し、かつ受信したいずれの停止コマンドからも低速停止制御1、2が特定されなかった場合、すなわち低速停止抽選に当選したにも関わらず、滑りコマ数として2コマが選択されなかったために低速停止制御が行われなかった場合に、低速停止制御を行う旨が決定されていない場合やいずれかのリールにおいて低速停止制御が行われた場合には実行されることのない低速停止示唆演出を実行する。
低速停止示唆演出では、リール2L、2C、2Rを背後から照射するリールLED55の点灯態様を特殊な態様に変化させる。
尚、低速停止示唆演出は、リールLED55の点灯態様を変化させる演出態様に限らず、低速停止制御を行う旨が決定されたにも関わらず、低速停止制御が行われなかった旨を認識可能な演出態様であれば良く、液晶表示器51の表示態様、音声の出力態様、LEDの点灯態様の一部または組み合わせによる演出態様を適用しても良い。
また、本実施例では、低速停止示唆演出として低速停止制御を行う旨が決定されていない場合やいずれかのリールにおいて低速停止制御が行われた場合には実行されることのない演出を適用しているが、例えば、特別役が当選していることを条件に、低速停止制御が行われた場合に例外的に低速停止示唆演出を実行する構成としても良く、このような構成とすることで、通常であれば低速停止制御が行われていない場合にのみ実行される低速停止示唆演出が低速停止制御が行われた場合に実行されることにより、特別役に当選している旨を示唆することが可能となる。
尚、本実施例では、急激に回転速度が落ちることでリールの振動が大きく目立ってしまう可能性を確実に排除するために、多少余裕をもって低速停止制御に適した滑りコマ数を2コマとしているが、低速停止制御を行う条件となる滑りコマ数として実施例1と同様に1コマを適用するようにしても良く、1コマ未満であると、急激に回転速度が落ちることでリールの振動を抑えることが困難であるが、1コマであればリールの振動を抑えたうえで、通常停止制御との違いをより明確にできる。
また、本実施例では、いずれかの入賞ライン上で左リールにチェリーが停止し、中リールにベルが停止した場合に、右リールに停止した図柄に関わらず入賞するチェリーを特殊入賞として適用しているが、いずれか1のリールにおいて特殊図柄が入賞ライン上に停止するのみで他のリールに停止した図柄に関わらず入賞する役(例えばチェリー−ANY−ANYやANY−ANY−チェリー等)を特殊入賞として適用しても良い。
また、特殊入賞として、「チェリー−ベル−ANY」(中リールの「ベル」は引込範囲内に配置された図柄)の組み合わせからなるチェリー1と、「チェリー−赤7−ANY」(中リールの「赤7」は引込範囲を超えて配置された図柄)の組み合わせからなるチェリー2と、を備えるとともに、内部抽選の抽選対象役として、チェリー1のみが単独で当選する弱チェリーと、チェリー1とチェリー2が同時に当選する強チェリーと、を定め、弱チェリーの当選時には、「チェリー−ベル−ANY」のみを入賞ライン上に揃えることが可能に制御される一方で、強チェリーの当選時には、中リールにおいて「赤7」を入賞ラインに引込可能な範囲で停止操作がなされた場合には、「チェリー−赤7−ANY」を入賞ライン上に揃えることを可能に制御し、中リールにおいて「赤7」を入賞ラインに引込可能な範囲外で停止操作がなされた場合には、「チェリー−ベル−ANY」を入賞ライン上に揃えることを可能に制御する構成とし、このような構成におけるチェリー2を特殊入賞として適用しても良い。
そして、このように複数の特定のリールにおいて、引込範囲を超えて入賞判定の対象となる図柄が配置されており(左リールのチェリー、中リールの赤7)、複数の特定リールにおいて対象となる図柄を入賞ライン上に停止させるのにその図柄の引込範囲となるタイミングで停止操作を行う必要があるチェリー2を特殊入賞として適用した場合でも、特定のリール以外のリールにおいて、複数の特定リール、すなわち操作タイミングにより最大引込範囲内で最大限に対象図柄を引き込むために最大引込範囲内の0〜4コマのうち2コマ以外の滑りコマ数を選択する必要のあるリールよりも高い割合で、低速停止制御を行うことが可能な2コマの滑りコマ数が選択される構成とすることで、低速停止制御が行われる機会を確実に増加させることができる。
また、上記のように弱チェリー、強チェリーを適用する場合には、弱チェリーに比較して強チェリーの方が特別役と同時当選する比率が高くしたり、遊技者にとって有利な特典を付与するにあたり、弱チェリー当選時よりも強チェリー当選時の方が優遇されることが好ましく、このようにすることで、同じチェリーであっても、その表示態様の違いによって遊技者の期待感にメリハリを出すことができる。
以上、本発明の実施例3を説明してきたが、本発明はこの実施例3に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。また、実施例1、2と同一もしくは類似する構成については、実施例1、2で説明したものと同様の効果を有するものである。また、実施例1、2について例示した変形例についても実施例3に適用可能である。