JP6765429B2 - 光学積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、波長選択性反射素子を備えた光学積層体に関する。
特定の波長領域の光を選択的に反射する波長選択性反射素子が知られている。
波長選択性反射素子の一種であるコレステリック液晶は特定の波長の特定の円偏光を選択的に反射し、その他の波長および円偏光を透過させる性質を有し、表示装置におけるカラーフィルタや輝度向上フィルム等に使用されている。
また、コレステリック液晶層を識別媒体に利用する技術も知られている(特開2007−279129号公報、特開2011−102843号公報等)。特開2007−279129号公報、特開2011−102843号公報には、左目用および右目用のホログラム像を含むホログラム層を有するコレステリック液晶層と、コレステリック液晶層上に所定のパターンを有して設けられたλ/2板を備えた識別媒体が開示されている。
一方、Kobayashi et al "Planar optics with patterned chiral liquid crystal" Nature Photonics, 2016.66(2016)においては、コレステリック液晶から反射される光の位相が螺旋構造の位相によって変化することを見出し、螺旋構造の位相を空間的に制御することによって、反射光の波面を任意に設計できることが示されている。
Kobayashi et al "Planar optics with patterned chiral liquid crystal" Nature Photonics, 2016.66(2016)においては、コレステリック液晶層の形成工程においてパターン配向させることにより、コレステリック液晶の螺旋構造の位相を制御する方法が提案されている。しかしながら、この方法では、微細な液晶配向方向の制御が必要であるため、実用化への適用が困難である。コレステリック液晶層に限らず、波長選択性反射素子における反射光の波面を任意に設計可能な光学部材に対する需要は高い。
本発明は、上記事情に鑑みて、容易に作製でき、波長選択性反射素子による反射光の波面を任意に設計可能な光学積層体を提供することを目的とする。
本発明の光学積層体は、特定の反射波長領域の光を選択的に反射する反射層を備えた波長選択性反射素子と、波長選択性反射素子の少なくとも一方の面側に備えられた、光学等方性を有する絶対位相調整層とを備え、
絶対位相調整層は、屈折率および膜厚の少なくとも一方に面内分布を有することにより膜厚方向の光路長に面内分布を有し、
絶対位相調整層側から入射した光のうち、波長選択性反射素子による特定の反射波長領域の光を、入射した光の波面とは異なる波面を有する反射光として出射する。
本発明の光学積層体においては、波長選択性反射素子の反射層が、コレステリック液晶層であってもよい。
本発明の光学積層体においては、波長選択性反射素子の反射層が、屈折率の異なる少なくとも2つの層が交互に多層積層された誘電体多層膜であってもよい。
本発明の光学積層体において、絶対位相調整層における光路長の面内分布は、光路長が階段状に変化するパターンを有することができる。
本発明の光学積層体において、絶対位相調整層における光路長の面内分布は、一点から離れるにつれて光路長が徐々に長くなるパターンを有することができる。
本発明の光学積層体において、絶対位相調整層における光路長の面内分布は、一点から離れるにつれて光路長が徐々に短くなるパターンを有することができる。
さらに、本発明の光学積層体の絶対位相調整層おける光路長の面内分布においては、上記のいずれかのパターンもしくは各パターンの組合せが周期的に繰り返されていてもよい。
本発明の光学積層体は、特定の反射波長領域の光を選択的に反射する反射層を備えた波長選択性反射素子と、波長選択性反射素子の少なくとも一方の面側に配された、光学等方性を有する絶対位相調整層とを備え、絶対位相調整層は屈折率および膜厚の少なくとも一方に面内分布を有することにより膜厚方向の光路長に面内分布を有するので、絶対位相調整層側から入射した光のうち、波長選択性反射素子による特定の反射波長領域の光を、入射した光の波面とは異なる波面を有する反射光として出射することができる。すなわち、一様な波長選択性反射素子に絶対位相調整層を備えることにより、反射光の波面制御を行うことができる。波長選択性反射素子自体に微細なパターンを形成しては波面制御可能とする場合と比較して、簡単に作製することができより実用化に適する。
本発明の第1の実施形態の光学積層体を示す側面模式図および絶対位相調整層の面内一方向における光路長分布を示す。 絶対位相調整層の第1のパターン構成例を示す断面模式図A、屈折率のx軸方向における屈折率分布B、およびx軸方向における光路長分布Cを示す。 絶対位相調整層の第2のパターン構成例を示す断面模式図A、x軸方向における膜厚分布B,およびx軸方向における光路長分布Cである。 絶対位相調整層の第3のパターン構成例を示す断面模式図Aおよびx軸方向における光路長分布Bである。 絶対位相調整層における光路長の面内分布の他の例を示す平面図である。 絶対位相調整層における光路長の面内分布の他の例を示す平面図である。 絶対位相調整層における光路長の面内分布の他の例を示す平面図である。 絶対位相調整層のx軸方向における光路長分布を示す図である。 本発明の第2の実施形態の光学積層体の一部を示す断面模式図である。
以下、本発明の光学積層体の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面においては、視認しやすくするため、構成要素の縮尺は実際のものとは適宜異ならせてある。
<光学積層体>
図1は、本発明の第1の実施形態の光学積層体10の側面図およびその絶対位相調整層14の面内一方向における光路長Lの変化(光路長の面内分布)を示す。
本実施形態の光学積層体10は、特定の反射波長領域の光を反射する反射層を備えた波長選択性反射素子12と、波長選択性反射素子12の少なくとも一方の面側に備えられた、光学等方性を有する絶対位相調整層14とを有する。
本実施形態における波長選択性反射素子12を構成するコレステリック液晶層は、棒状液晶化合物もしくは円盤状液晶化合物が螺旋状に配列された液晶相である。このコレステリック液晶相における螺旋構造のピッチまたは屈折率を変えることにより反射中心波長を調整することができる。この螺旋構造のピッチはキラル剤の添加量を変えることによって容易に調整可能である。
絶対位相調整層は、光学等方性を有する。ここで、「光学等方性を有する」とは絶対位相調整層を通過する光に複屈折による位相差が生じない、すなわち、通過する光の偏光状態に複屈折による影響を与えないものであることを意味する。但し、以下に述べる絶対位相調整層14としての機能を損なわない範囲で位相差が生じることは許容される。
図1中に示すように、絶対位相調整層14は、膜厚方向の光路長に面内分布を有している。ここでは、光路長Lが、面の一方向(例えば、xy平面のx軸方向)にのこぎり波状に変化するパターンを有している。光路長Lは屈折率nと膜厚dの積で表される。
本光学積層体10は、この絶対位相調整層14を備えたことにより、本光学積層体10に絶対位相調整層14側から入射した入射光Iのうち、波長選択性反射素子12による選択反射波長領域の左円偏光成分もしくは右円偏光成分光である反射光Rを、入射時の波面とは異なる波面を有する光として出射することができる。
本実施形態の構成においては、面に垂直に入射する入射光Iのうち、波長選択性反射素子12で反射された反射光Rは、面の法線に角度を持った斜め方向に出射される。
絶対位相調整層14はその光路長に応じた絶対位相を反射光に生じさせることができる。したがって、絶対位相調整層14における光路長の面内分布により、入射位置によって絶対位相の異なる反射光が生じ、反射特性を強め合い、あるいは弱め合うことにより、本光学積層体10に入射して反射する光は、全体として入射時の波面とは異なる波面を有することとなる。
すなわち、絶対位相調整層14の光路長の面内分布によって反射光の波面を制御することができる。
既述の通り、膜厚方向の光路長Lは屈折率nと膜厚dとの積で表される。したがって、光路長Lに面内分布を生じさせるためには、屈折率nおよび膜厚dの少なくとも一方に面内分布を設ければよい。
本発明の光学積層体においては、絶対位相調整層14により絶対位相を変化させることにより反射光の波面を制御できるので、コレステリック液晶層からなる反射層自体には微細な配向方向制御の必要がなく、面内一様配向処理を用いることができる。
以下、図2〜図8を参照して、絶対位相調整層における光路長の面内分布のパターン構成例について説明する。
図2は、絶対位相調整層14に屈折率nの面内分布を設けることにより、光路長の面内分布を形成した第1のパターン構成例を示す。図2において、Aは光学積層体10Aの拡大断面模式図であり、Bは絶対位相調整層のx軸方向における屈折率分布、Cは絶対位相調整層のx軸方向における光路長分布を示している。
絶対位相調整層14は、異なる屈折率n〜nをそれぞれ有する第1の領域A〜第6の領域Aが面内の一方の方向に周期的に配列されてなる。第1の領域A〜第6の領域Aの膜厚dは同一である。図2中のBに示すように、第1の領域A〜第6の領域Aを構成する各層の屈折率n、n、n、n、nおよびnは、n<n<n<n<n<nの関係にあり、第1の領域Aから第6の領域Aに向かって屈折率が階段状に大きくなっている。そして、光路長Lは、図2中のCに示すように、屈折率nが大きくなるにつれて大きくなる、屈折率分布に応じた階段状の分布を有している。本構成により、上記実施形態に示した、のこぎり波状の光路長パターンを概ね実現することができる。
図3は、絶対位相調整層14に膜厚dの面内分布を設けることにより、光路長の面内分布を形成した第2のパターン構成例を示す。図3において、Aは光学積層体10Bの拡大断面模式図であり、Bは絶対位相調整層のx軸方向における膜厚分布、Cは絶対位相調整層のx軸方向における光路長分布を示している。
絶対位相調整層14は、膜厚がd〜dに階段状に変化するパターンが周期的に設けられた構成である。本例において絶対位相調整層14は全域同一の組成物から構成されており、屈折率は全域に亘って均一である。図3中のBに示すように、膜厚はdからdに階段状に大きくなり、図3中のCに示すように、光路長Lは、膜厚が大きくなるにつれて大きくなる、膜厚分布に応じた階段状の分布を有している。本構成によっても、上記実施形態に示した、のこぎり波状の光路長パターンを概ね実現することができる。
図4は、第2のパターン構成例と同様に、絶対位相調整層14に膜厚dの面内分布を設けることにより、光路長の面内分布を形成した第3のパターン構成例を示す。図4において、Aは光学積層体10Cの拡大断面模式図であり、Bは絶対位相調整層のx軸方向における光路長分布を示している。
絶対位相調整層14は、膜厚が徐々に(滑らかに)変化する領域が周期的に設けられた構成である。図4に示すように、絶対位相調整層14は断面形状が、のこぎり波状である。図3の例と同様に、絶対位相調整層14は全域同一の組成物から構成されており、屈折率は全域に亘って均一である。本構成により、図4のBに示すように光路長Lは、膜厚が大きくなるにつれてLからLまで徐々に長くなっている。すなわち、光路長Lは、膜厚のパターンに応じた、のこぎり波状のパターンを有している。
図2〜図4に示した例では、屈折率のみ、もしくは膜厚のみを変化させることにより光路長をのこぎり波状に変化させる場合について説明したが、屈折率および膜厚の両者を変化させて同様に光路長を変化させてもよい。
図2〜図4においては、光路長がx軸方向にのこぎり波状に変化する例を示したが、光路長の面内分布は上記に限らず、用途に応じて種々の設計が可能である。図5〜図8は光学積層体の絶対位相調整層14における光路長の面内分布の他の例を示す平面模式図である。
図5に示す絶対位相調整層14は、所定の一点Cを中心とする同心円状に点Cから外側に向けて配置された、互いに異なる光路長L〜Lを有する第1の領域S、第2の領域S…第6の領域Sの領域を有している。ここで、光路長L〜Lは、L<L<L<L<L<Lであり、本構成においては、点Cから離れるにつれて光路長が長くなる、光路長の面内分布を有している。このような光路長の面内分布は領域毎に屈折率もしくは膜厚を変化させることにより実現することができる。
図5に示す光路長の面内分布パターンは凸面レンズの機能を示し、反射光を発散させることができる。
図6に示す絶対位相調整層14は、所定の一点Cを中心とする同心円状に外側から点Cに向けて配置された、互いに異なる光路長L〜Lを有する第1の領域S、第2の領域S…第6の領域Sの領域を有している。ここで、光路長L〜Lは、L<L<L<L<L<Lであり、本構成においては、点Cから離れるにつれて光路長が短くなる、光路長の面内分布を有している。このような光路長の面内分布は領域毎に屈折率もしくは膜厚を変化させることにより実現することができる。
図6に示す光路長の面内分布パターンは凹面レンズの機能を示し、反射光を集光させることができる。
また、図7に示すように、絶対位相調整層14は、図5に示した凹面レンズ機能を示す光路長の面内分布パターンが複数、縦横に配列されてマイクロレンズアレイの機能を有するものとすることもできる。
さらに、絶対位相調整層14における光路長の面内分布は、上記した複数のパターンの2以上の組み合わせであってもよい。
図8は、絶対位相調整層14における光路長のx軸方向の変化を示す図である。絶対位相調整層14は、図8に示すようなフレネルレンズ様の光路長の面内分布パターンを有するものとしてもよい。
なお、本発明の光学積層体は、支持体の一面に設けられた配向層上に波長選択性反射素子および絶対位相調整層が順に積層されてなる構成であってもよい。また、波長選択性反射素子と絶対位相調整層との間には、他の光学的に等方性を有する層を備えていてもよい。また、波長選択性反射素子と絶対位相調整層とは、接着層を介して接着されたものであってもよい。
上記実施形態においては、光学積層体における特定の反射波長領域の光を選択的に反射する反射層を備えた波長選択性反射素子として、反射層がコレステリック液晶層からなる場合について説明したが、波長選択性反射素子はこれに限らない。波長選択性反射素子は、反射層が誘電体多層膜であってよい。
図9は、本発明の第2の実施形態の光学積層体110の一部を示す断面模式図である。
本実施形態の光学積層体110は、上述の第1の実施形態の光学積層体10における、コレステリック液晶層である反射層からなる波長選択性反射素子12に代えて、屈折率の異なる少なくとも2つの層が交互に多層積層された誘電体多層膜である反射層からなる波長選択性反射素子112を備えている。
誘電体多層膜は、相対的に高い屈折率を有する高屈折率層112Hと、相対的に低い屈折率を有する低屈折率層112Lとが交互に積層されてなる。高屈折率層112Hと低屈折率層112Lは、有機層からなるものであっても無機層からなるものであってもよい。また、誘電体多層膜は特定の波長領域を選択的に反射するものであればよく、偏光反射性を有していても有していなくてもよい。
本光学積層体110は、第1の実施形態の光学積層体10の第1の構成例の絶対位相調整層14と同一の光路長の面内分布を備えているので、第1の実施形態と同様の効果を奏する。すなわち、面に垂直に入射する入射光Iのうち、波長選択性反射素子112で反射された反射光Rは、面の法線に角度を持った斜め方向に出射される。
誘電体多層膜の層構成、例えば、高屈折率層112Hおよび低屈折率層112Lの屈折率および両者の屈折率差、層厚などを適宜設定することにより、所望の反射中心波長および反射波長帯域、すなわち特定の反射波長領域を設定することができる。
誘電体多層膜を構成する高屈折率層112Hおよび低屈折率層112Lが面内異方性を有していない場合には偏光反射性がないため、特定の反射波長領域の光であれば偏光に拘わらず反射する。
他方、誘電体多層膜を構成する高屈折率層112Hと低屈折率層112Lの少なくとも一方が面内異方性を有し、特定の直線偏光を反射するように構成されていてもよい。
光学積層体において、反射層の偏光特性によって反射する光の偏光が異なるが、それ以外の作用はほぼ同等である。反射層がコレステリック液晶層である場合には、そのコレステリック相の螺旋の向きに応じた特定の円偏光が反射される。反射層が偏光特性を有していない誘電体多層膜である場合には、偏光に関係なく反射される。また直線偏光反射性を有する誘電体多層膜である場合には、特定の直線偏光が反射される。このように、本発明の光学積層体においては、入射光は、反射層毎の特定の反射波長領域であって、反射層毎の偏光特性に応じた偏光もしくは非偏光が、絶対位相調整層のパターンに応じて波面制御されて、入射光の正反射方向とは異なる方向に反射光を出射する。
以下、光学積層体を構成する各層の材料について説明する。
[波長選択性反射素子]
[[反射層:コレステリック液晶層]]
コレステリック液晶相における螺旋構造のピッチまたは屈折率を変えることにより反射中心波長を調整することができる。この螺旋構造のピッチはキラル剤の添加量を変えることによって容易に調整可能である。具体的には富士フイルム研究報告No.50(2005年)p.60−63に詳細な記載がある。また、コレステリック液晶相を固定するときの温度や照度と照射時間などの条件などで調整することもできる。
コレステリック液晶層は、選択反射波長領域において右円偏光および左円偏光のいずれか一方の円偏光を選択的に反射し、他方の円偏光を透過させる。
(重合性液晶化合物)
コレステリック液晶層を形成するための重合性液晶組成物は、棒状液晶化合物もしくは円盤状液晶化合物を含有し、さらに、キラル剤、配向制御剤、重合開始剤および配向助剤などのその他の成分を含有していてもよい。
−棒状液晶化合物−
棒状液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性分子だけではなく、高分子液晶性分子も用いることができる。
棒状液晶化合物を重合によって配向を固定することがより好ましく、重合性棒状液晶化合物としては、Makromol. Chem., 190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許4683327号公報、同5622648号公報、同5770107号公報、WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、および特願2001−64627号公報などに記載の化合物を用いることができる。さらに棒状液晶化合物としては、例えば、特表平11−513019号公報や特開2007−279688号公報に記載のものも好ましく用いることができる。
−円盤状液晶化合物−
円盤状液晶化合物としては、例えば、特開2007−108732号公報や特開2010−244038号公報に記載のものを好ましく用いることができる。
以下に、円盤状液晶化合物の好ましい例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
−その他の成分−
コレステリック液晶層を形成するために用いられる組成物には、上記円盤状液晶化合物の他、キラル剤、配向制御剤、重合開始剤、および配向助剤などのその他の成分を含有していてもよい。いずれも公知の材料を利用することができる。
−溶媒−
コレステリック液晶層を形成するための組成物の溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N、N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1、2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
(重合性液晶組成物の塗布および硬化)
重合性液晶組成物の塗布は、重合性液晶組成物を溶媒により溶液状態としたり、加熱による溶融液等の液状物としたりしたものを、ロールコーティング方式やグラビア印刷方式、スピンコート方式などの適宜な方式で展開する方法などにより行うことができる。さらにワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、等の種々の方法によって行うことができる。また、インクジェット装置を用いて、液晶組成物をノズルから吐出して、塗布膜を形成することもできる。
その後重合性液晶組成物の硬化により、液晶化合物の分子の、配向状態を維持して固定する。硬化は、液晶性分子に導入した重合性基の重合反応により実施することが好ましい。
重合性液晶組成物の塗布後であって、硬化のための重合反応前に、塗布膜は、公知の方法で乾燥してもよい。例えば放置によって乾燥してもよく、加熱によって乾燥してもよい。
重合性液晶組成物の塗布および乾燥の工程で、重合性液晶組成物中の液晶化合物分子が配向していればよい。
[[反射層:誘電体多層膜]
誘電体多層膜は、互いに異なる屈折率を有する2以上の誘電体層が積層されて構成され、各層の屈折率や厚みを調整することにより、所望の波長領域が選択的に反射可能な反射層となる。
有機層からなる誘電体多層膜は、例えば、2種類の配向複屈折ポリマーの層を交互に積層して形成することができる。例えば特表平11−508378号公報に記載の多層光学フィルムの材料および多層光学フィルムの作製方法を参照して作製することができる。
また、無機層からなる誘電体多層膜は、例えば、国際公開WO2014/010532に記載の誘電多層膜の材料および誘電多層膜の作製方法を参照して作製することができる。無機材料としては金属酸化物が主に用いられるが、使用できる金属酸化物として、特に制限されないが、透明な誘電体材料であることが好ましい。例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、チタン酸鉛、鉛丹、黄鉛、亜鉛黄、酸化クロム、酸化第二鉄、鉄黒、酸化銅、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化ニオブ、酸化ユーロピウム、酸化ランタン、ジルコン、酸化スズ等を挙げることができ、低屈折率層、高屈折率層いずれも屈折率を調整するために適宜併用しても構わない。 上記のうち、本発明に係る高屈折率材料としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等が好ましく挙げられるが、高屈折率層を形成するための金属酸化物粒子含有組成物の安定性の観点からは、酸化チタンがより好ましく用いられる。その中で、光触媒活性が低く屈折率が高いルチル型酸化チタンは特に好ましく用いられる。
[絶対位相調整層]
絶対位相調整層を構成する組成物は、光学的に等方性を有し、光路長に面内分布を形成することができれば、特に制限はない。例えば、ITO(酸化インジウムスズ)の他、樹脂材料中に金属酸化物微粒子を添加したものが挙げられる。屈折率調整用透明材料として公知の材料を適宜使用することができる。
低屈折率を実現する素材としては、例えば、特開2007−298974号公報に記載される含フッ素硬化性樹脂と無機微粒子を含有する組成物や、特開2002−317152号公報、特開2003−202406号公報、および特開2003−292831号公報等に記載される中空シリカ微粒子含有低屈折率コーティングを好適に用いることができる。
高屈折率を実現する素材としては、例えば、特開2002−311204号公報中の[0054]〜[0057]段落に記載のものや一般的な公知の高屈折率の材料も用いることができる。具体的には、特開2008−262187号公報の段落番号[0074]〜[0094]に記載のものを用いることができる。また、光照射によって屈折率の値を変える屈折率光変調型の材料も用いることが出来る。例えばホログラフィーに用いられるようなフォトポリマー等の材料を用いることが出来る。
(絶対位相調整層の形成)
上記の低屈折率を実現する素材あるいは高屈折率を実現する素材を含有する組成物を複数用意して、マスクを利用する等により波長選択性反射素子上のあるいは仮支持体上の所望の位置に塗布し、露光硬化させる手順を組成物毎に繰り返すことにより、異なる屈折率を有する領域をパターン形成することができる。
図3〜6に示すようなパターンは、たとえば特開2004−114419号公報記載の方法を参考にして作製することができる。具体的には、支持体に硬化組成物を塗布し、所望の形状を有するエンボス型等で圧着後に硬化させる等のプロセスを用いることで作製することができる。
次に、光学積層体に備えられ得る、その他の層について説明する。
[支持体]
支持体としては、透明支持体が好ましく、ポリメチルメタクリレート等のポリアクリル系樹脂フィルム、セルローストリアセテート等のセルロース系樹脂フィルム、およびシクロオレフィンポリマー系フィルム[例えば、商品名「アートン」、JSR社製、商品名「ゼオノア」、日本ゼオン社製]等を挙げることができる。支持体は、可撓性のフィルムに限らず、ガラス基板等の非可撓性の基板であってもよい。
なお、本発明の光学積層体は、製膜する際の支持体に支持されたまま使用されるものであってもよいし、製膜する際の支持体は仮支持体とし、他の支持体に転写され、仮支持体を剥離して用いられるものであってもよい。
[配向層]
波長選択性反射素子がコレステリック液晶層を備える場合にはその製膜面に配向層が備えられていてもよい。配向層は有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成等の手段で設けることができる。さらには、電場の付与、磁場の付与、或いは光照射により配向機能が生じる配向層も知られている。配向層は、ポリマーの膜の表面を、ラビング処理することにより形成することが好ましい。配向層は、支持体と共に剥離することが好ましい。
支持体に用いられるポリマー種によっては、配向層を設けなくても、支持体を直接配向処理(例えば、ラビング処理)することで、配向層として機能させることもできる。そのような支持体の一例としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)を挙げることができる。
[接着層(粘着剤層)]
本明細書において、「接着」は「粘着」も含む概念で用いられる。
波長選択性反射素子と絶対位相調整層とを積層させる場合には接着層を介して積層されていてもよい。
接着層に用いられる粘着剤の例としては、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂をあげることができる。これらは単独もしくは2種以上混合して使用してもよい。特に、アクリル系樹脂は、耐水性、耐熱性、耐光性等の信頼性に優れ、接着力、透明性が良く、さらに、屈折率を液晶ディスプレイに適合するように調整し易い等から好ましい。
シート状光硬化型粘接着剤(東亞合成グループ研究年報 11 TREND 2011 第14号記載)を接着層に用いることもできる。粘着剤のように光学フィルム同士の貼合が簡便で、紫外線(UV)で架橋・硬化し、貯蔵弾性率、接着力および耐熱性が向上するものであり、本発明に適した接着法である。
以下、本発明の光学積層体の実施例および比較例について説明する。
[実施例1]
波長選択性反射素子としてコレステリック液晶層からなる反射層を備えた光学積層体を作製した。ガラス基板上に設けられた配向層上にコレステリック液晶層を形成し、別途作製した絶対位相調整層をコレステリック液晶層と貼り合せることにより光学積層体を作製した。以下詳細について説明する。
(配向層の形成)
下記に示す配向層形成用組成物Aの成分を、80℃に保温された容器中にて攪拌、溶解させ、配向層形成用組成物Aを調製した。
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配向層形成用組成物A(質量部)
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純水 97.2
PVA−205 (クラレ製) 2.8
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上記で調製した配向層形成用組成物Aを、ガラス基板上にスリットコーターを用いて均一塗布した後、100℃のオーブン内で2分乾燥し、膜厚0.5μmの配向層付きガラス基板を得た。
(コレステリック液晶層の形成)
下記に示すコレステリック液晶組成物Gmの成分を、25℃に保温された容器中にて、攪拌、溶解させ、コレステリック液晶組成物Gmを調製した。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
コレステリック液晶組成物Gm(質量部)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
メトキシエチルアクリレート 145.0
下記の棒状液晶化合物の混合物 100.0
IRGACURE 819 (BASF社製) 10.0
下記構造のキラル剤A 5.98
下記構造の界面活性剤 0.08
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棒状液晶化合物
コレステリック液晶組成物Gmは、中心波長532nmの光を反射する層を形成する材料である。また、コレステリック液晶組成物Gmは、右円偏光を反射する層を形成する材料である。すなわち、コレステリック液晶組成物Gmは、右偏光緑色層を形成するための材料である。
上記で作製した配向膜付きガラス基板の配向膜表面をラビング処理した後、上記で調製したコレステリック液晶組成物Gmを、スリットコーターを用いて均一塗布した後、95℃、30秒間乾燥した後に、紫外線照射装置により、室温で500mJ/cm2の紫外線を照射して硬化させて、膜厚2μmのコレステリック液晶層からなる反射層を形成した。なお、本コレステリック層の反射率を測定したところ、反射中心波長は略532nmであった。また、コレステリック液晶層の断面を観察したところ、略8ピッチ(8回転)の捩れ構造が形成されていた。
(絶対位相調整層の作製)
ガラス基板上の配向層上に設けられたコレステリック液晶層の上に、互いに屈折率が異なる第1〜第6の領域が図2に示したように一方向に配列されたパターンが周期的に繰り返された面内分布を有する絶対位相調整層を形成した。
−第1〜第6の領域を形成するための組成物の準備−
[分散液D1の調製]
下記組成の分散液D1の成分を調合し、これをジルコニアビーズ(0.3mmφ)17,000質量部と混合し、ペイントシェーカーを用いて12時間分散を行った。ジルコニアビ−ズ(0.3mmφ)をろ別し、分散液D1を得た。
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分散液D1(質量部)
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二酸化ジルコニウム(ジルコニア)
(日産化学工業(株)製、商品名:ナノユースZR、
平均一次粒径:10〜30nm) 1875
DISPERBYK−111(ビックケミー・ジャパン(株)製)
30%PGMEA溶液 2200
溶剤 PGMEA 3425
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[[ポリマーE1の合成]]
3つ口フラスコにMEDG(ジエチレングリコールメチルエチルエーテル:東邦化学工業製)89gを入れ、窒素雰囲気下において90℃に昇温した。その溶液にMAEVE(1−エトキシエチルメタクリレート:和光純薬工業社製)0.4モル当量、GMA(グリシジルメタクリレート:和光純薬工業製)0.3モル当量、MAA(メタクリル酸:和光純薬工業社製)0.1モル当量、HEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート:和光純薬工業社製)0.2モル当量、V−65(アゾ系重合開始剤;和光純薬工業製、全単量体成分の合計100mol%に対して4mol%に相当)を溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後2時間撹拌し、反応を終了させた。それによりポリマーE1を得た。なお、MEDGとその他の成分の合計量との比を60:40とした。すなわち、固形分濃度40%の重合体溶液を調製した。
[屈折率層形成用組成物C1〜C6の調製]
下記表1に示す組成(質量部)にて、各素材を混合して均一な溶液とした後、0.2μmのポアサイズを有するポリエチレン製フィルターを用いてろ過して、屈折率層形成用組成物C1〜C6を調製した。
[[光酸発生剤]]
PAG−1:特表2002−528451号公報の段落番号[0108]に記載の方法に従って合成した下記構造の化合物(Ts部分はトリスルホネートを表す)。

[[光増感剤]]
増感剤1:下記構造のジブトキシアントラセン(製造元:川崎化成社製、品番:9,10−ジブトキシアントラセン)

[[塩基性化合物]]
塩基性化合物:下記構造の化合物(製造元:東洋化成工業製、品番:CMTU)

[[界面活性剤]]
界面活性剤F−554:下記構造式で示されるパーフルオロアルキル基含有ノニオン界面活性剤(DIC製)
(屈折率違いのパターニング層の形成)
上記で作製したコレステリック層付きガラス基板上に、上記組成物C1をスリットコーターを用いて均一塗布し、80℃、60秒間乾燥した後に、キヤノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用い、ライン線幅13.3μm、L/S=1/5のマスクを介して露光した。そして、露光後、組成物C1を、アルカリ現像液(0.4質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で23℃/60秒間現像した後、超純水で20秒リンス、200℃で30分間のポストベーク加熱処理を行った。出来上がったC1層(第1の領域)の厚みは0.71μm、線幅は13.3μm、屈折率は1.50であった。
上記で得られた第1の領域が形成された基板上に、組成物C2を同様に塗布し、同様の露光機にて、1ピッチずらしてマスク位置合わせを行い、第1の領域のとなりに組成物C2が残るように露光した。そして、露光後、組成物C2を、アルカリ現像液(0.4質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で23℃/60秒間現像した後、超純水で20秒リンスし、その後、200℃で30分間のポストベーク加熱処理を行った。出来上がったC2層(第2の領域)の厚みは0.71μm、線幅は13.3μm、屈折率は1.57であった。
以下、同様に組成物C3〜C6を、順次1ピッチずらしながら塗布、露光、現像、焼成を繰り返すことで、膜厚0.71μm、各々の線幅13.3μm、屈折率が1.50(C1層:第1の領域)、1.57(C2層:第2の領域)、1.64(C3層:第3の領域)、1.71(C4層:第4の領域)、1.78(C5層:第5の領域)、1.85(C6層:第6の領域)となる層を1単位として、これが連続的に配置された絶対位相調整層を得た。
こうして、コレステリック液晶層からなる反射層(波長選択性反射素子)に絶対位相調整層が積層形成されてなる実施例1の光学積層体を得た。
[実施例2]
(屈折率層形成用組成物C7〜11の調整)
表2に示す組成(質量部)にて、各素材を混合して均一な溶液とした後、0.2μmのポアサイズを有するポリエチレン製フィルターを用いてろ過して、屈折率層形成用組成物C7〜11を調製した。
実施例1と同様に、ガラス基板上に形成されたコレステリック液晶層の上に、上記組成物C7をスリットコーターを用いて均一塗布し、80℃、60秒間乾燥した後に、キヤノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用い、ライン線幅13.3μm、L/S=1/5のマスクを介して露光した。そして、露光後、組成物C7を、アルカリ現像液(0.4質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で23℃/60秒間現像した後、超純水で20秒リンス、200℃で30分間のポストベーク加熱処理を行った。出来上がったC7層(第2の領域)の厚みは0.1μm、線幅は13.3μm、屈折率は1.50であった。
以下、実施例1と同様に組成物C8〜C11を、順次1ピッチずらしながら塗布、露光、現像、焼成を繰り返すことで、屈折率1.50、各々の線幅13.3μm、膜厚が0.1μm(C7層:第2の領域)、0.2μm(C8層:第3の領域)、0.3μm(C9層:第4の領域)、0.4μm(C10層:第5の領域)、0.5μm(C11層:第6の領域)、およびその隣にパターニング組成物の無い層(第1の領域)を1単位として、これが連続的に配置された絶対位相調整層を備えた実施例2の光学積層体を得た。なお、C7層からC11層は互いに膜厚が異なるため、膜形成プロセス時に層を安定化させるために、表2に示すように各組成物におけるマトリクス(ポリマーE1)の量が異なる組成物C7〜C11を用いて形成しているが、C7層からC11層の屈折率は1.5で共通である。
[比較例1]
実施例1で作製した配向膜付きガラス基板の配向膜上にコレステリック液晶層が設けられてなるものを比較例1とした。すなわち、比較例1は絶対位相調整層を備えない従来の波長選択性反射素子からなる反射偏光子である。
[評価]
各光学積層体について、絶対位相調整層の表面側から、表面に対する法線方向(極角0°)から光を入射させ、その反射光の反射角を測定した。
反射角の測定は、532nmに出力の中心波長をもつレーザ光を表面に対する法線方向から50cmの距離から入射し、その反射光のスポットを50cmの距離に配置したスクリーンで捉えて、反射角度を算出した。
表3に各例の構成および評価結果を纏めて示す。
表3に示すように、絶対位相調整層を備えない比較例1では入射光の特定の波長領域かつ特定の円偏光が正反射される。一方、実施例1、2のように、光路長の異なる第1〜第6の領域をパターン配置した絶対位相調整層を備えた場合には、反射角が0.45°となり、反射光は正反射ではなく、斜め方向に出射された。
[実施例11]
波長選択性反射素子として誘電体多層膜D1からなる反射層を備えた光学積層体を作製した。波長選択性反射素子は特表平11−508378号公報を参照して作製した。以下詳細について説明する。
(誘電体多層膜D1)
誘電体多層膜D1を、2種類の配向複屈折ポリマー層を交互に積層し、その面内屈折率が2種類の層で異なるように2軸延伸させることで作製した。2種類の配向屈折率ポリマーの層のそれぞれの厚さにそれぞれの屈折率を掛けた値である光路長が、所望の反射波長(ここでは、532nm)の4分の1に等しくなるよう誘電体多層膜の厚さを設計した。本実施例では、特表平11-508378号公報に記載の誘電体多層膜の作製方法は1軸延伸であるが、ここでは2軸延伸とし、各層の屈折率は面内異方性が無いものとした。2種類の配向屈折率ポリマーのうち低屈折率層の屈折率が1.64、高屈折率層の屈折率が1.88になるようにした。532nmを中心波長とした波長領域を選択的に反射する反射層とするために、低屈折率層の厚さを81.1nm、高屈折率層の厚さを70.7nmとし、これを交互に128層ずつ積層し計256層からなるフィルムを作製した。このようにして、反射中心波長が532nmである特定の選択反射領域を有する誘電体多層膜D1からなる反射層を作製した。なお、選択反射領域の半値幅は約80nmであった。
(絶対位相調整層)
絶対位相調整層は、実施例1のものと同一の作製方法で誘電体多層膜D1上に作製した。すなわち、実施例1と同じ、屈折率層形成用組成物C1〜C6を用いて作製した第1から第6の領域が周期配置されたパターン構成の絶対位相調整層を作製した。
このようにして、誘電体多層膜D1からなる反射層(波長選択性反射素子)に絶対位相調整層が積層形成されてなる実施例11の光学積層体を得た。
[実施例12]
実施例11と同様にして誘電体多層膜D1からなる反射層を作製した。絶対位相調整層は、実施例2のものと同一の作製方法で誘電体多層膜D1上に作製した。すなわち、実施例2と同じ、屈折率層形成用組成物C7〜C11を用いて作製した第1から第6の領域が周期配置されたパターン構成の絶対位相調整層を作製した。
このようにして、誘電体多層膜D1からなる反射層に絶対位相調整層が形成されてなる実施例12の光学積層体を得た。
[実施例13]
波長選択性反射素子として誘電体多層膜D2からなる反射層を備えた光学積層体を作製した。
(誘電体多層膜D2)
誘電体多層膜D2を、2種類の配向複屈折ポリマー層を交互に積層する。このとき、2種類の配向性屈折率ポリマー層は、その面内の一方向(例えばx軸)の屈折率が略等しく、それと直交の方向(例えばy軸)の屈折率が互いに異なるものとし、それぞれの厚さにy軸方向の屈折率を掛けた値である光路長が、所望の反射波長(ここでは532nm)の4分の1に等しくなるよう誘電体多層膜の厚さを設計した。本実施例では、特表平11−508378号公報に記載の誘電体多層膜の作製方法に則って1軸延伸により特表平11−508378号公報の図1、図2の構成と同様の、特定の直線偏光を選択的に偏光反射する構成とした。532nmを中心波長とした波長領域を選択的に反射する反射層とするために、低屈折率層の厚さを81.1nm、高屈折率層の厚さを70.7nmとし、これを交互に128層ずつ積層し計256層からなるフィルムを作製した。このようにして、反射中心波長が550nmであり、特定の選択反射領域を有し、かつ特定の直線偏光を反射する誘電体多層膜D2からなる反射層を作製した。なお、半値幅は約80nmであった。
(絶対位相調整層)
絶対位相調整層は、実施例1のものと同一の作製方法で誘電体多層膜D2上に作製した。すなわち、実施例1と同じ、屈折率層形成用組成物C1〜C6を用いて作製した第1から第6の領域が周期配置されたパターン構成の絶対位相調整層を作製した。
このようにして、誘電体多層膜D2からなる反射層(波長選択性反射素子)に絶対位相調整層が積層形成されてなる実施例13の光学積層体を得た。
[比較例11]
実施例11で作製した誘電体多層膜D1からなる波長選択性反射素子を比較例11とした。すなわち、比較例11は絶対位相調整層を備えず波長選択性反射素子のみからなるものとした。
実施例11〜14および比較例11について、実施例1等と同様の評価を行った。表4に各例の構成および評価結果を纏めて示す。
表4に示すように、絶対位相調整層を備えない比較例11では入射光の特定の波長領域の光が正反射される。一方、実施例11〜13のように、光路長の異なる第1〜第6の領域をパターン配置した絶対位相調整層を備えた場合には、反射角が0.45°となり、反射光は正反射ではなく、斜め方向に出射された。偏光反射性を有しない実施例11、12の光学積層体についても、特定の直線偏光を選択的に反射する実施例13の光学積層体についても同様の効果が得られた。
10、10A、10B、10C、110 光学積層体
12 波長選択性反射素子(コレステリック液晶層)
14 絶対位相調整層
112 波長選択性反射素子(誘電体多層膜)
〜A、S〜S 領域
n、n〜n 屈折率
d、d〜d 膜厚
L、L〜L 光路長
I 入射光
R 反射光

Claims (7)

  1. 特定の反射波長領域の光を選択的に反射する反射層を備えた波長選択性反射素子と、前記波長選択性反射素子の少なくとも一方の面側に備えられた、光学等方性を有する絶対位相調整層とを備え、
    前記波長選択性反射素子は厚みが均一であり、
    前記絶対位相調整層は、膜厚が均一であり、かつ、屈折率に面内分布を有することにより膜厚方向の光路長に面内分布を有し、
    該絶対位相調整層側から入射した光のうち、前記波長選択性反射素子による前記特定の反射波長領域の光を、前記入射した光の波面とは異なる波面を有する反射光として出射する光学積層体。
  2. 前記波長選択性反射素子の前記反射層が、コレステリック液晶層からなる請求項1記載の光学積層体。
  3. 前記波長選択性反射素子の前記反射層が、屈折率の異なる少なくとも2つの層が交互に多層積層された誘電体多層膜からなる請求項1記載の光学積層体。
  4. 前記光路長の前記面内分布は、前記光路長が階段状に変化するパターンを有する請求項1から3いずれか1項記載の光学積層体。
  5. 前記光路長の前記面内分布は、一点から離れるにつれて前記光路長が徐々に長くなるパターンを有する請求項1から4いずれか1項記載の光学積層体。
  6. 前記光路長の前記面内分布は、一点から離れるにつれて前記光路長が徐々に短くなるパターンを有する請求項1から4いずれか1項記載の光学積層体。
  7. 前記パターンが周期的に繰り返されている請求項4から6いずれか1項記載の光学積層体。
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