JP6765204B2 - 研磨方法 - Google Patents
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Description
[1]
ポリウレタン樹脂からなる研磨層の表面を研磨面とする研磨パッドを研磨定盤に配し、定盤と相対するトップリングに被研磨物として光学材料又は半導体材料を配し、前記トップリング側から押圧して前記被研磨物を前記研磨層の表面に当接し、研磨液を前記研磨面に供給しながら前記被研磨物と前記研磨層の表面にずり応力がかかる方向に前記研磨定盤と前記トップリングを夫々回転させることにより、前記被研磨物の表面を研磨する方法であって、
前記研磨層が、ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンを含む硬化剤、及び微小中空球体を含むポリウレタン樹脂硬化性組成物を硬化させて形成され、
前記硬化剤が、硬化剤の総量を100重量%として、下記式:
前記押圧による研磨圧力が0.5psi以上〜3.5psi未満で研磨することを特徴とする研磨方法。
[2]
前記光学材料又は半導体材料の表面が金属又は金属化合物を含んでなる、[1]に記載の研磨方法。
[3]
前記光学材料又は半導体材料の表面がケイ素含有膜を含んでなる、[1]又は[2]に記載の研磨方法。
[4]
前記研磨圧力が0.5psi以上〜2.5psi以下である、[1]乃至[3]のいずれかに記載の研磨方法。
[5]
前記研磨定盤の回転数が40rpm以上〜120rpm以下、前記トップリングの回転数(rpm)が(前記研磨定盤の回転数(rpm))×(1.0±0.1)である、[1]乃至[4]のいずれかに記載の研磨方法。
[6]
前記研磨層のショアD硬度が20°以上〜80°以下である、[1]乃至[5]のいずれかに記載の研磨方法。
[7]
前記研磨層表面の、単位面積あたりのランド部面積割合が60%以上〜95%以下であり、且つ、単位面積あたりのエッジ部の総長さが0.5cm−1以上〜10.0cm−1以下である、[1]乃至[6]のいずれかに記載の研磨方法。
[8]
前記金属又は金属化合物と、前記ケイ素含有膜を同一の研磨パッドを用いて研磨する[1]乃至[7]のいずれかに記載の研磨方法。
本発明の研磨パッドは、発泡ポリウレタン樹脂からなる研磨層を有する。研磨層は被研磨材料に直接接する位置に配置され、研磨パッドのその他の部分は、研磨パッドを支持するための材料、例えば、ゴムなどの弾性に富む材料で構成されてもよい。研磨パッドの剛性によっては、研磨パッド全体を1つの研磨層とすることができる。
4量体はアミノ基の反応基を1分子内に4つ有する化合物で、4つのアミノ基の反応性は1個目>2個目>3個目>4個目と順時低下する。したがって、4量体の反応性は、1分子内にアミノ基を2つ有するMOCA(3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン)に比べてマイルドになる。4量体を多く含む硬化剤を使用した場合、4個目のアミノ基の反応性は反応性低下や立体障害のため、反応しない可能性もあり、得られる硬化体の耐熱性が低くなる(樹脂が軟化しやすい傾向になる)ものと考えられる。
本発明の研磨パッドは、一般に知られたモールド成形、スラブ成形等の製造法より作成できる。まずは、それら製造法によりポリウレタンのブロックを形成し、ブロックをスライス等によりシート状とし、ポリウレタン樹脂から形成される研磨層を成形し、支持体などに貼り合わせることによって製造される。あるいは支持体上に直接研磨層を成形することもできる。
イソシアネート成分としては、例えば、
m−フェニレンジイソシアネート、
p−フェニレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、
2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、
ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、
ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、
4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)、
3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、
3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、
キシリレン−1,4−ジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、
トリメチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、
プロピレン−1,2−ジイソシアネート、
ブチレン−1,2−ジイソシアネート、
シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、
シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート、
p−フェニレンジイソチオシアネート、
キシリレン−1,4−ジイソチオシアネート、
エチリジンジイソチオシアネート
等が挙げられる。
ポリオール成分としては、例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオール;
ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテルポリオール;
エチレングリコールとアジピン酸との反応物やブチレングリコールとアジピン酸との反応物等のポリエステルポリオール;
ポリカーボネートポリオール;
ポリカプロラクトンポリオール;
等が挙げられる。
硬化剤は、ポリイソシアネート化合物としてプレポリマーを使用する場合には、プレポリマー中のイソシアネート基と反応させて、ポリウレタン樹脂を完成させる化合物である。本発明では、MOCAを含む硬化剤を使用するが、以下に説明するMOCA以外の硬化剤を含むことができる。
微小中空球体をポリウレタン樹脂に混合することによって発泡体を形成することができる。微小中空球体とは、熱可塑性樹脂からなる外殻(ポリマー殻)と、外殻に内包される低沸点炭化水素とからなる未発泡の加熱膨張性微小球状体を、加熱膨張させたものをいう。前記ポリマー殻としては、例えば、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体などの熱可塑性樹脂を用いることができる。同様に、ポリマー殻に内包される低沸点炭化水素としては、例えば、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、石油エーテル等を用いることができる。
その他に当業界で一般的に使用される触媒などを発泡硬化性組成物に添加してもよい。
本発明の研磨方法に使用する研磨パッドは、好ましくはショアD硬度が20°〜80°、より好ましくは20°〜50°であると、機械的作用に因るスクラッチが低減できる傾向にある。硬度は例えば密度によって制御できる。
本発明の研磨方法に使用する研磨パッドは、溝を有することが好ましい。溝を有することでスラリーの拡散性が向上し、均一な研磨ができる。しかしその一方で、溝の割合が多いと充分な摩擦が発生せず、化学的作用が効率的に得られなくなる。加えて、溝によるエッジ部が多くなると、軟質な銅配線部が選択的に研磨される結果、凹部状に過剰に研磨される(ディッシング)現象を生じる恐れがある。以上を踏まえると、単位面積当たりのランド部(被研磨物と接する凸部)の割合が60%〜95%であり、且つ、単位面積あたりの溝によるエッジ部の長さが0.5〜10.0cm−1であることが望ましい。
本発明の研磨パッドは、金属又は金属化合物の研磨に用いられることが好ましく、銅、アルミニウム、チタン、タンタル、タングステン、ルテニウム又はこれらの化合物の研磨に用いられることがより好ましく、銅の研磨に用いられることが最も好ましい。また、本発明の研磨パッドは、ケイ素膜、ケイ素化合物膜などのケイ素含有膜の研磨に用いられることが好ましく、SiO2膜、SiC膜、SiOCH膜、SiCN膜などのケイ素化合物膜の研磨に用いられることがより好ましく、SiO2膜(テトラエトキシシラン(TEOS)からなる膜)の研磨に用いられることが最も好ましい。
本発明の研磨パッドを金属又は金属化合物の研磨に用いる場合には、研磨圧力は、0.5psi〜3.5psiが好ましく、0.5psi〜2.5psiが最も好ましく、また、30秒の研磨時間当たりの研磨レートは、5000〜12000Åが好ましく、6000〜11000Åがより好ましく、7000〜10000Åが最も好ましい。
本発明の研磨パッドをケイ素含有膜の研磨に用いる場合には、研磨圧力は、3.5psi未満が好ましく、0.5psi〜3.5psi未満がより好ましく、0.5psi〜2.5psiが最も好ましく、また、60秒の研磨時間当たりの研磨レートは、400〜1300Åが好ましく、500〜1200Åがより好ましく、600〜1100Åが最も好ましい。
被研磨物と研磨パッドとの摩擦抵抗を高めることで、本発明の効果をより顕著に得られる。研磨定盤及び、被研磨物を保持する保持ヘッド(トップリング)の回転数を、研磨定盤の回転数が40rpm以上〜120rpm以下、トップリングの回転数(rpm)が(研磨定盤の回転数(rpm))×(1.0±0.1)と設定することができる。上記範囲よりも回転数が低いと、摩擦熱が得られず研磨レートが低下する傾向にある。一方、回転数が高いと機械的作用が増大し、スクラッチが増大する傾向にある。
以下の例で使用した材料を列挙する。
・ウレタンプレポリマーの商品名:
DIC社製 パンデックスC730
・MOCAの商品名(いずれも前記4量体を少量含む。):
DIC社製 パンデックスE、パンデックスE50
ユニロイヤル社製 ADIPRENE L325
・中空微粒子の商品名:
日本フィライト社製 EXPANCEL 551DE40d42
松本油脂社製 マツモトマイクロスフェアー F-80DE
A成分にトリレンジイソシアネートを主成分とするNCO当量460のウレタンプレポリマー(パンデックスC730)を100g(部)、B成分に硬化剤であるパンデックスEとパンデックスE50を重量比1:1で混合したもの(硬化剤の重量を100重量%として4量体を6.0重量%含有)を30.75g(部)、C成分に中空微粒子を2.25g(部)(EXPANCEL 551DE40d42とマツモトマイクロスフェアー F-80DEを4:1で混合)、それぞれ準備する。なお、比率を示すためg表示として記載しており、ブロックの大きさに応じて必要な重量(部)を準備する。以下同様にg(部)表記で記載する。
A成分およびB成分をそれぞれ予め減圧脱泡した後、A成分、B成分及びC成分を混合機に供給した。
得られた混合液を80℃に加熱した型枠(890mm×890mmの正方形)に注型し5時間加熱し硬化させた後、形成された樹脂発泡体を型枠から抜き出した。この発泡体を1.3mm厚にスライスしてウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
A成分にトリレンジイソシアネートを主成分とするNCO当量460のウレタンプレポリマー(ADIPRENE L325)を100g(部)、B成分に硬化剤であるパンデックスE(硬化剤の重量を100重量%として4量体を2.1重量%含有)を29.8g(部)、C成分に中空微粒子(EXPANCEL 551DE40d42)を2.0g(部)、それぞれ準備する。
以降、実施例1と同様にしてウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
研磨試験の条件は下記の通りである。
<銅からなる基板を研磨する場合>
・使用研磨機:荏原製作所社製、F−REX300
・Disk:3M A188(#60)
・回転数:(定盤)70rpm、(トップリング)71rpm
・研磨圧力:0.5psi、1.5psi、2.5psi、3.5psi、4.5psi
・研磨剤:FUJIFILM Planar Solutions社製Slurry
・研磨剤温度:20℃
・使用ワーク(被研磨物):12インチφ銅メッキ基板
・研磨時間:30秒間/各回
・研磨剤吐出量:200ml/min
<SiO2膜を研磨する場合>
下記の条件以外は、上記の銅からなる基板を研磨する場合の条件と同じである。
・研磨圧力:0.5psi、1.5psi、2.5psi、3.5psi
・研磨剤:キャボット社製、品番:SS25(SS25原液:純水=重量比1:1の混合液を使用)
・使用ワーク(被研磨物):12インチφシリコンウエハ上にテトラエトキシシランをPE−CVDで絶縁膜1μmの厚さになるように形成した基板
・研磨時間:60秒間/各回
スクラッチ等のディフェクトの評価は、上記(研磨レート)<SiO2膜を研磨する場合>と同様の研磨の条件で25枚の基板を研磨し、研磨加工後の21〜25枚目の基板5枚について、ウエハ表面検査装置(KLAテンコール社製、Surfscan SP1DLS)の高感度測定モードにて測定し、基板表面におけるスクラッチ等のディフェクトの個数を評価した。スクラッチ等のディフェクトの評価では、12インチ(300mmφ)ウエハに0.16μm以上のディフェクトが200個未満を○、200個以上を×とした。
・使用分析機:Gel Permeation Chromatography L-7200(Hitachi)
・カラム:Ohpak KB-802.5(排除限界10000)2本直列
・移動相:DMF
・流速:0.4mL/min
・オーブン:60℃
・検出器:RI 60℃
・試料量:90μL
また、表2及び図2に示すように、実施例1は、SiO2膜の研磨時に0.5、1.5、2.5、3.5psiの研磨圧力において比較例より優れた研磨レートを示すことがわかった。すなわち、実施例1は、SiO2膜の研磨時に0.5psi〜3.5psi未満の比較的低い研磨圧力において高い研磨レートが得られることがわかった。
上記の結果より、実施例1は、0.5psi〜3.5psi未満の低い研磨圧力においても、銅基板及びSiO2膜のいずれも高い研磨レートにて研磨することが可能であることがわかった。
Claims (8)
- ポリウレタン樹脂からなる研磨層の表面を研磨面とする研磨パッドを研磨定盤に配し、定盤と相対するトップリングに被研磨物として光学材料又は半導体材料を配し、前記トップリング側から押圧して前記被研磨物を前記研磨層の表面に当接し、研磨液を前記研磨面に供給しながら前記被研磨物と前記研磨層の表面にずり応力がかかる方向に前記研磨定盤と前記トップリングを夫々回転させることにより、前記被研磨物の表面を研磨する方法であって、
前記研磨層が、ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンを含む硬化剤、及び微小中空球体を含むポリウレタン樹脂硬化性組成物を硬化させて形成され、
前記硬化剤が、硬化剤の総量を100重量%として、下記式:
前記押圧による研磨圧力が0.5psi以上〜3.5psi未満で研磨することを特徴とする研磨方法。 - 前記光学材料又は半導体材料の表面が金属又は金属化合物を含んでなる、請求項1に記載の研磨方法。
- 前記光学材料又は半導体材料の表面がケイ素含有膜を含んでなる、請求項1又は2に記載の研磨方法。
- 前記研磨圧力が0.5psi以上〜2.5psi以下である、請求項1乃至3のいずれかに記載の研磨方法。
- 前記研磨定盤の回転数が40rpm以上〜120rpm以下、前記トップリングの回転数(rpm)が(前記研磨定盤の回転数(rpm))×(1.0±0.1)である、請求項1乃至4のいずれかに記載の研磨方法。
- 前記研磨層のショアD硬度が20°以上〜80°以下である、請求項1乃至5のいずれかに記載の研磨方法。
- 前記研磨層表面の、単位面積あたりのランド部面積割合が60%以上〜95%以下であり、且つ、単位面積あたりのエッジ部の総長さが0.5cm−1以上〜10.0cm−1以下である、請求項1乃至6のいずれかに記載の研磨方法。
- 前記光学材料又は半導体材料の表面が、金属又は金属化合物とケイ素含有膜とを含んでなり、前記金属又は金属化合物と、前記ケイ素含有膜を同一の研磨パッドを用いて研磨する請求項1乃至7のいずれかに記載の研磨方法。
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