JP6765096B2 - 引き込み沈下対策壁の施工方法 - Google Patents

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本発明は、軟弱地盤上の盛土施工に伴う周辺地盤の引き込み沈下防止対策として、盛土法尻に設置される引き込み沈下対策壁の施工方法に関する。
従来より、軟弱地盤上の盛土施工により直下の軟弱地盤が圧密沈下し、それに伴う周辺地盤の引き込み沈下が問題となっていた。このような引き込み沈下の防止対策として、盛土法尻に引き込み沈下対策壁を設置する工法が知られている。
前記引き込み沈下対策壁としては、盛土法尻の一定範囲に対し深層混合処理工法などによって地盤改良を行う地盤改良工法や、盛土法尻に沿って多数の鋼矢板を連続壁状に打ち込む鋼矢板工法などが一般的に用いられている。しかしながら、前記地盤改良工法は鋼矢板工法に比べて、施工範囲を広くとる必要があるとともに工費が嵩む欠点があった。
一方、前記鋼矢板工法にも種々の工法が提案されており、全ての鋼矢板を軟弱層を貫通して下端が支持層に到達する深さで配置する全着底型の鋼矢板工法や、この全着底型の鋼矢板工法のコスト縮減を図るため、鋼矢板の根入れ長を部分的に軟弱層の途中までとした部分フローティング鋼矢板工法(PFS工法、下記特許文献1)が存在する。
特開2001−317043号公報
前記部分フローティング鋼矢板工法では、上記特許文献1によれば、着底支柱を間隔をおいて配設し、その間に複数のフローティング鋼矢板を並設して壁面を形成し、それらの頭部で結合一体化した構造としたことにより、十分な沈下の縁切り効果が生じ、しかも施工が容易で、工期の短縮並びに工事費用の大幅な削減が可能となるなどの効果が示されている。
しかしながら、このような部分フローティング鋼矢板工法には、次の問題点があった。第1に、盛土荷重が小さい条件では、対策壁に作用する水平力が小さいので、鋼矢板ではこの小さな水平力に比べて過大な曲げ剛性を有しているため、資材や施工に必要以上の経済的負担がかかっていた。第2に、鋼矢板は一方側に突出した断面形状を有するため、平坦な直線状の平板に比べて単位幅寸法当たりの重量が大きくなり、その分、運搬コストが嵩むとともに、施工時の取り扱いが不便であった。第3に、鋼矢板は一方側に突出し他方側が窪んだ断面形状を有するため、地中に建込んだ鋼矢板を引き抜いたとき、窪んだ凹部内に付着した土砂も一緒に取り除かれ、鋼矢板の設置深度に亘って大量の土砂が取り除かれることにより、周辺の地盤沈下など、周辺地盤に与える影響が懸念されていた。
そこで本発明の主たる課題は、コスト縮減を図るとともに、簡単に施工でき、周辺地盤への影響を軽減した引き込み沈下対策壁の施工方法を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、軟弱地盤上の盛土施工に伴う周辺地盤の引き込み沈下防止対策として盛土法尻に設置され、間隔をあけて複数配置されるとともに、軟弱層を貫通して下端が支持層に到達する略H形断面部材からなる支柱と、前記支柱間に、両側縁が前記支柱に係合し軟弱層の途中の深さまで設置される平板状の平面パネルとからなる引き込み沈下対策壁の施工方法であって、
前記平面パネルに仮設の補強枠を取り付けて地中に挿入した後、前記平面パネルと前記支柱とを上端部で固定し、前記補強枠のみを地中から引き抜くことを特徴とする引き込み沈下対策壁の施工方法が提供される。
上記請求項1記載の発明は、軟弱地盤上の盛土施工に伴う周辺地盤の引き込み沈下防止対策として盛土法尻に設置される引き込み沈下対策壁の施工方法に関するものである。この引き込み沈下対策壁は、壁体を地盤内に挿入して構築するものであって、掘削部分の地盤の崩落を防ぐため掘削部分側面を覆う土留め壁などと異なり、壁体を地盤内に建て込むという特殊な作業を伴うものである。
本発明に係る引き込み沈下対策壁は、上記特許文献1に記載される壁体の一部を支持層に着底させ、その他を浮体式にしてコスト縮減等を図るという部分フローティング鋼矢板工法の考え方を基本として、軟弱層を貫通して下端が支持層に到達する略H形断面部材からなる支柱を所定の間隔で複数配置するとともに、両側縁が前記支柱に係合する前記支柱間に、軟弱層の途中の深さまで平坦な平板状の平面パネルを配置した構造としている。このよう引き込み沈下対策壁は、汎用性の高いH形鋼などの略H形断面部材と鋼板などの平板との組み合わせで構成されるため、資材コストの縮減が図れるとともに、資材の調達が容易となり工期の短縮が見込めるようになる。また、盛土高さが低く対策壁に作用する水平力が小さい場合には、それに見合っただけの曲げ剛性を備えた平板を用いればよく、必要以上の強度を備えた部材を用いないことによるコスト縮減が図れるようになる。更に、壁体を構成する平板状の平面パネルは表面が平坦に形成されているため、一方側に突出する断面形状の鋼矢板に比べて単位幅寸法当たりの重量が小さくて済み、運搬コストが軽減するとともに、施工時の取り扱いが容易となり、施工が簡単になる。また、平板状の平面パネルを用いることにより、地中に建て込んだ引き込み沈下対策壁を引き抜いたとき、平面パネルに土砂が付着しにくく、引き込み沈下対策壁の引き抜き後に周辺の地盤沈下が生じるのが防止でき、周辺地盤に与える影響を極力軽減することができるようになる。
本発明、上記引き込み沈下対策壁施工するに当たって、前記平面パネルに仮設の補強枠を取り付けて地中に挿入した後、前記平面パネルと前記支柱とを上端部で固定し、前記補強枠のみを地中から引き抜くようにするものである。
記平面パネルに仮設の補強枠を取り付けて地中に挿入した後、前記平面パネルと前記支柱とを上端部で固定し、前記補強枠のみを地中から引き抜くこととしている。前記平面パネルを地中に挿入するとき、この平面パネルに仮設の補強枠を取り付けることによって、平面パネルが撓んだりずれたりせずに容易に挿入できるようにしている。このため、施工の効率化が図れ、工期の短縮及び施工コストの縮減が実現できるようになる。
請求項に係る本発明として、前記補強枠に突起が備えられるとともに、前記平面パネルに前記突起に係合可能な開孔が形成されている請求項記載の引き込み沈下対策壁の施工方法が提供される。
上記請求項記載の発明では、前記平面パネルを地中に挿入するとき、補強枠と平面パネルとが一体的に地中に挿入でき、平面パネルの設置後は仮設の補強枠のみが簡単に引き抜きできるように、補強枠に備えられた突起に係合可能な開孔が前記平面パネルに形成されている。
請求項に係る本発明として、前記突起の下端に、前記平面パネルが嵌合可能な段差部が形成されている請求項記載の引き込み沈下対策壁の施工方法が提供される。
上記請求項記載の発明では、前記平面パネルを地盤中に挿入する際、補強枠とのより確実な一体化を図るため、補強枠に備えられた突起の下端に、平面パネルが嵌合可能な段差部を形成している。これにより、補強枠の突起を平面パネルの開孔に挿入した状態で、平面パネルが前記突起の下端の段差部に嵌合して平面パネルと補強枠との一体化が図られ、これらの間が口開きして土砂が入り込むのが防止でき、平面パネルを所定の位置に確実に設置することができるようになる。
請求項に係る本発明として、前記突起の上端は、上方に行くに従って漸次突出量を減少させたテーパ状に形成されている請求項2、3いずれかに記載の引き込み沈下対策壁の施工方法が提供される。
上記請求項記載の発明では、平面パネルの設置後、仮設の補強枠のみを引き抜きやすくするため、補強枠に備えられた突起の上端を、上方に行くに従って漸次突出量が減少するテーパ状に形成している。これにより、平面パネルの設置後、補強枠の引き抜き時に、突起がテーパ状の上端に沿って平面パネルに設けられた開孔の上端縁を摺動することにより、補強枠の突起と平面パネルの開孔との係合が解除され、補強枠のみを地中から引き抜くのが容易になる。
請求項に係る本発明として、前記平面パネルの地中挿入時に、前記平面パネルと前記補強枠とが離間しないように、前記補強枠の挿入位置を保持する位置保持装置が備えられている請求項いずれかに記載の引き込み沈下対策壁の施工方法が提供される。
上記請求項記載の発明では、前記平面パネルの地中挿入時に、前記平面パネルと補強枠とが離間しないように、前記補強枠の挿入位置を保持する位置保持装置を備えることによって、平面パネルの地中挿入に伴う平面パネルと補強枠との離間による口開きが抑制され、この離間部分に土砂が入り込んで平面パネルを所定の位置に設置できないなどの事態が生じるのが防止できるようになる。
請求項に係る本発明として、前記平面パネルを地中に挿入する際、前記補強枠の両側にそれぞれウインチを配置し、これら両側に配置されたウインチの引込み力によって左右の傾動バランスを調整しながら前記平面パネルを地中に挿入する請求項いずれかに記載の引き込み沈下対策壁の施工方法が提供される。
上記請求項記載の発明では、前記補強枠が取り付けられた平面パネルを地中に挿入する際、前記補強枠の両側にそれぞれウインチを配置し、これら両側に配置されたウインチの引込み力によって左右の傾動バランスを調整しながら前記平面パネルを地中に挿入している。これにより、平面パネルが左右の支柱と平行に挿入でき、挿入作業が簡単に行えるようになる。
請求項に係る本発明として、予め、前記引き込み沈下対策壁の建込み予定の地盤を掻きほぐしておく請求項いずれかに記載の引き込み沈下対策壁の施工方法が提供される。
上記請求項記載の発明では、予め、前記引き込み沈下対策壁の建込み予定の地盤を掻きほぐしておくことにより、支柱及び平面パネルをより簡単に地中に挿入できるようになる。
以上詳説のとおり本発明によれば、コスト縮減が図れるとともに、簡単に施工でき、周辺地盤への影響が軽減できるようになる。
本発明に係る引き込み沈下対策壁1を施工した地盤の斜視図である。 平面パネル6と補強枠7との取付要領を示す斜視図である。 (A)、(B)は、突起8と開孔9との係合要領を示す斜視図である。 平面パネル6の地中挿入要領を示す、平面パネル6の正面側からの斜視図である。 平面パネル6の地中挿入要領を示す、平面パネル6の背面側からの斜視図である。 補強枠7を示す、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は(A)のC−C線矢視図である。 補強枠7の変形例を示す、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は(A)のC−C線矢視図である。 (A)〜(D)は、引き込み沈下対策壁1の施工方法を示す斜視図である。 地盤の掻きほぐしを示す正面図である。 支柱5の地中挿入要領を示す正面図である。 平面パネル6の地中挿入要領を示す正面図である。 平面パネル6の地中挿入要領の変形例を示す斜視図である。 位置保持装置13の斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
本発明に係る引き込み沈下対策壁1は、図1に示されるように、軟弱地盤上の盛土2の施工に伴う周辺地盤の引き込み沈下防止対策として、盛土法尻に沿って地中に設置されるものである。この引き込み沈下対策壁1は、壁体を地盤内に挿入して構築するものであって、掘削部分の地盤の崩落を防ぐため掘削部分側面を覆う土留め壁などとは異なり、壁体を地盤内に建て込むなどの特殊な作業を伴うものであり、前記土留め壁などとは異なる技術的思想に基づくものである。なお、本発明は、堤防の他、一般的な盛土や地盤改良の仕切壁などとして利用することも可能である。
前記引き込み沈下対策壁1は、図1に示されるように、軟弱層3を貫通して下端が支持層4に到達する略H形断面部材からなる支柱5が間隔をあけて複数配置されるとともに、両側縁が前記支柱5、5に係合する前記支柱5、5間に、軟弱層3の途中の深さまで平板状の平面パネル6が配置された構造からなるものである。
前記支柱5は、地表面から軟弱層3を貫通して下端が支持層4に到達する深さで配置された着底型の杭である。前記支柱5を構成する略H形断面部材としては、資材コストが抑制でき、資材調達が容易な汎用性の高いH形鋼を用いるのが好ましい。前記略H形断面部材は、両側部にそれぞれ部材長手方向に沿って形成された溝開口部5a、5aを有している。前記支柱5は、隣り合う支柱5、5間で、前記溝開口部5a、5a同士が対向する向きに配置されている。この溝開口部5aに平面パネル6の両側縁が係合した状態で配置される。
図12に示されるように、間隔をあけて複数配置された前記支柱5、5…の頭部に、これらを連結する支柱頭部連結材21を設けてもよい。これによって全ての支柱5、5…が結合一体化されて引き込み沈下対策壁1の強度を高めることができる。また、前記支柱頭部連結材21を、支柱5、5…の設置後、平面パネル6の地中挿入前に行うことにより、前記支柱頭部連結材21が前記平面パネル6の地中挿入時のガイドとなって、平面パネル6を地中に挿入しやすくなる。
次いで、前記平面パネル6は、図1に示されるように、下端が支持層4に到達しない地表面から軟弱層3の途中の深さまでに配置されたフローティング型の仕切板である。前記平面パネル6としては、表面が平坦な平板状の略四角形の平面形状を有するものであれば任意の素材からなるものを使用できるが、資材コストが抑制でき、資材調達が容易な汎用性の高い鋼板を用いるのが好ましい。前記平面パネル6は、隣り合う支柱5、5の対向する溝開口部5a、5aに両側縁をそれぞれ係合させながら、前記支柱5、5間に配置されている。前記平面パネル6は、引き込み沈下による水平力に対する縁切り効果が確実に発揮されるように、両側縁が溝開口部5aの周辺地盤側(盛土2と反対側)の端面に係合するように配置されている。
前記平面パネル6は、1枚のパネルで構成してもよいが、図2、図4及び図5に示されるように、上下方向に隣接配置された複数の、図示例では3枚のパネル部材6a、6a…を連結部材10で連結した構造とするのが好ましい。これによって、連結するパネル部材6aの数を調整することにより、必要な高さの壁が容易に形成できるようになる。前記連結部材10は、L形鋼、平鋼、溝形鋼などからなり、後段で詳述する補強枠7の取り付け面と反対側の面に、全てのパネル部材6aに亘って上下方向に連続して設けられている。前記連結部材10は、平面パネル6の幅方向に離間して少なくとも2本設けるのが好ましい。前記連結部材10は、各パネル部材6aに対し、連結部材10の部材長手方向に離間する2箇所以上(少なくとも各パネル部材6aの上部及び下部)でボルト又は溶接によって固定されている。隣り合うパネル部材6a、6a同士は、端縁を突き合わせただけで特に接合しなくてもよいし、溶接などの接合処理を施してもよい。
図3〜図5に示されるように、前記平面パネル6は、地中挿入時に仮設の補強枠7が取り付けられている。前記補強枠7は、地中挿入時の平面パネル6を補強して平面パネル6の撓みやパネル部材6a相互のずれを防止するため、地中挿入時の平面パネル6に仮設されるものであり、平面パネル6を地中に設置した後は、該補強枠7のみが地中から引き抜かれるようになっている。これにより、引き抜いた補強枠7を次の平面パネル6の地中挿入時に利用でき、同じ寸法の平面パネル6であれば1つの補強枠7で全ての平面パネル6を地中に挿入するのに用いることができるようになる。前記補強枠7は、前記平面パネル6に対し、前記連結部材10の設置面と反対側の面に取り付けられている。
前記補強枠7は、図2及び図5に示されるように、平面パネル6の少なくとも両側縁及び上端縁の3辺に沿って配置された門型を成しており、平面パネル6の下端縁には水平方向に沿う横材が設けられないようにするのが好ましい。これにより、平面パネル6の地中挿入時に生じる抵抗が大幅に軽減でき、平面パネル6の地中挿入時の施工が容易になる。前記補強枠7を構成する部材としては、H形鋼、CT形鋼、L形鋼、溝形鋼、角形鋼管などを用いることができる。前記補強枠7の外形寸法は、平面パネル6の外形寸法とほぼ同等に形成するのが好ましい。
具体的な前記補強枠7の構造としては、高さが約5m以下の場合には、図6に示されるように、平面パネル6の両側縁に沿う縦材7a、7aと、平面パネル6の上端縁に沿う上材7bとからなるコの字形に形成されたものを用いるのが好ましく、高さが約5mを超える場合には、図7に示されるように、平面パネル6の両側縁に沿う縦材7a、7aと、平面パネル6の上端縁に沿う上材7bと、地中挿入時に前記縦材7a、7aの間隔が拡大するのを防止するため、高さ方向の中間に1本又は高さ方向に間隔をあけて複数本の横桟7c、7c…とからなるものを用いるのが好ましい。図7に示される例では、平面パネル6の幅方向中央部に上下方向に沿う縦材7dが設けられ、前記横桟7cがこの縦材7dを介して両側の縦材7a、7a間に配置されているが、この中間の縦材7dは設けなくてもよい。前記上材7bの上面の両側部にはそれぞれ、クレーン等の揚重設備から繰り出された吊りワイヤーを掛止可能な吊り掛け用のアイボルト20、20が設けられている。
前記補強枠7は、平面パネル6に対し、地中挿入時に盛土2側の面に取り付けるのが好ましい。この補強枠7を取り付けた平面パネル6は、図4及び図5に示されるように、両側縁が支柱5の溝開口部5aに嵌合可能に形成されている。
前記補強枠7には、図3に示されるように、平面パネル6の取り付け面に、平面パネル6側に向けて突出する突起8が備えられている。一方、前記平面パネル6には、前記補強枠7に備えられた突起8が挿入可能な開孔9が形成されている。前記突起8を開孔9に挿入して係合させることにより、平面パネル6と補強枠7とが一体化でき、平面パネル6及び補強枠7を一体的に地中に挿入できるようになる。
前記突起8は、補強枠7の高さ方向に長い板状に形成され、補強枠7の平面パネル6の取り付け面に、溶接などの接合手段によって固定されている。前記突起8は、前記補強枠7の少なくとも下方の両側部にそれぞれ1箇所ずつ設けるのが好ましく、その他に任意の位置に設けることも可能である。
前記突起8の突出高さは、前記平面パネル6の厚みと同等以上とするのが好ましく、平面パネル6の厚みより高くして、突起8を開孔9に挿入した状態で突起8の先端が平面パネル6より外側に延在するように設けるのが望ましい。これにより、平面パネル6及び補強枠7をより確実に一体的に地中に挿入することが可能となる。
前記突起8の下端は、補強枠7の表面から垂直に突出した直線状に形成してもよいが、平面パネル6の地中挿入時に平面パネル6と補強枠7との一体性を保持するため、図3に示されるように、前記平面パネル6が嵌合可能な段差部8cが形成されるようにするのが望ましい。前記段差部8cは、突起8を平面パネル6の開孔9に挿入した状態で平面パネル6より外側に突出した突起8の先端部8aの下端が基端部8bの下端より下方側に延出することにより形成されている。これにより、この段差部8cに開孔9の下端縁が嵌合して、平面パネル6が補強枠7に密着した状態が維持でき、これらの間に隙間が形成されるのが防止できるようになる。平面パネル6を前記突起8の段差部8cに係合させるには、図3(A)に示されるように、平面パネル6の開孔9に補強枠7の突起8を挿入した後、同図3(B)に示されるように、平面パネル6を補強枠7に接触させた状態で、平面パネル6を上方に移動させることにより、前記開孔9の下端が突起8の段差部8cに係合するようになる。
一方、前記突起8の上端は、補強枠7の表面から垂直に突出した直線状に形成するのは好ましくなく、図3に示されるように、上方に行くに従って漸次突出量を減少させたテーパ状に形成するのが好ましい。これにより、平面パネル6の設置後、補強枠7の引き抜き時に、前記突起8がテーパ状の上端に沿って開孔9の上端縁を摺動することにより、補強枠7の突起8と平面パネル6の開孔9との嵌合が解除されやすくなり、地中から容易に補強枠7のみを引き抜くことができるようになる。上端のテーパ形状としては、図示例のような直線の他に、曲線とすることもできる。テーパの角度は、15°〜45°、好ましくは20°〜30°程度とすることにより、引き抜き時の抵抗が小さく抑えられるとともに、突起8の上下方向の寸法が適度に形成できるので望ましい。
前記突起8が係合する平面パネル6の開孔9は、図3に示されるように、平面パネル6の表裏を貫通して形成されるとともに、前記突起8が挿入可能な大きさで上下方向に長い縦長の略方形状に形成されている。
ところで、図8(D)に示されるように、前記平面パネル6の設置後、平面パネル6と支柱5とは、上端部に設けた固定手段23で固定するのが好ましい。このように、平面パネル6の設置後に平面パネル6と支柱5とを固定して一体化することにより、引き込み沈下対策壁1としての縁切り効果を高めることができるとともに、仮設の補強枠7を取り付けて平面パネル6を設置した後に補強枠7を引き抜く際、補強枠7のみを引き抜きやすくなる。前記固定手段23としては、図示例のようにボルト固定が好ましいが、溶接などの公知の固定手段や専用の継手構造を用いてもよい。
次に、前記引き込み沈下対策壁1の施工方法について、図8〜図11に基づいて詳細に説明する。先ずはじめに、図9に示されるように、前記引き込み沈下対策壁1を構築するに当たって、予め、引き込み沈下対策壁1の建込み予定の地盤を、掻きほぐし機25などを用いて所定の深さだけ掻きほぐしておくのが好ましい。これにより、後工程の支柱5や平面パネル6を地中に挿入しやすくなる。前記掻きほぐし機25としては、ガイドセル25aに装着したチェーン式カッター25bにより、地盤の土砂を撹拌する装置が好適である。掻きほぐしの深さとしては、平面パネル6の設置深さの少なくとも1/3、好ましくは1/2、より好ましくは同等程度とするのがよい。この掻きほぐし作業は、地盤が特に軟弱なときなどは支柱5や平面パネル6が簡単に地中に挿入できるので、行わなくてもよい。
次いで、図8(A)に示されるように、所定の位置に前記支柱5を設置する。前記支柱5は、軟弱層3を貫通して下端が支持層4に到達する深さで、盛土法尻に沿って所定の間隔をあけて複数設置される。前記支柱5を地中に挿入するには、図10に示されるように、オーガー機26を用い、オーガーの削孔機構を併用してあるいは単独で圧入するのが好ましい。
その後、図8(B)に示されるように、一方側面に仮設の補強枠7が取り付けられた平面パネル6を、両側縁を支柱5の溝開口部5a、5aに係合させながら地中に挿入する。平面パネル6に補強枠7を取り付けるには、補強枠7に備えられた突起8を平面パネル6に形成された開孔9に挿入するとともに、平面パネル6と補強枠7との両側縁をブルマン(登録商標)などの挟持金具24を用いて固定する。前記挟持金具24は、各パネル部材6aの上下部にそれぞれ設けるのが好ましい。なお、前記挟持金具24は、平面パネル6を地中に挿入する過程で、支柱5に当たらないように、挿入が進行するにつれて下方側から順に取り外していくのが好ましい。
前記補強枠7が取り付けられた平面パネル6を地中に挿入するには、前記補強枠7に備えられたアイボルト20、20にクレーン車等の揚重設備から繰り出された吊りワイヤーを玉掛けして吊り下げながら前記支柱5、5間の地中に挿入する。地中に挿入するには、吊り上げ位置を徐々に低くしていく落し込みによる方法でもよいし、図11に示されるように、前述のオーガー機26を用いた圧入による方法でもよいし、更には次に述べるウインチによるワイヤーの巻き込みによる方法でもよい。
前記補強枠7が取り付けられた平面パネル6を地中に挿入する際の前記ウインチによるワイヤーの巻き込みによる方法としては、図12に示されるように、補強枠7の両側にそれぞれウインチ11、11を配置し、これら両側に配置されたウインチ11、11の引込み力によって左右の傾動バランスを調整しながら平面パネル6を地中に挿入することができる。これにより、平面パネル6が左右の支柱5、5と平行に地中に挿入でき、挿入作業が簡単に行えるようになる。より具体的には、第1の構成として、図12に示されるように、補強枠7の上材7bの上部に取付架台7eを備えるとともに、この取付架台7eの両側端を平面パネル6の両側縁より外側に延出させた延出部7fにそれぞれウインチ11を設置し、このウインチ11から繰り出されたワイヤー12が平面パネル6の側縁に沿ってほぼ鉛直に垂下されるとともに、ワイヤー12の先端を支柱5の頭部に連結する。これにより、前記ウインチ11によるワイヤー12の巻き込みにより、前記支柱5を反力杭として補強枠7及び平面パネル6が一体的に地中に圧入できる。また、ウインチ11によるワイヤー12の巻き込み具合を調整することにより、平面パネル6の左右の傾動バランスを調整することができる。なお、図示例では前記ワイヤー12の先端を支柱5に連結しているが、これに代えて支柱頭部連結材21に連結するようにしてもよい。また、第2の構成として、図示しないが、ウインチ11を支柱5又は支柱頭部連結材21に取り付けて、このウインチ11から繰り出されたワイヤー12の先端を補強枠7の上部に固定するようにしてもよい。
図13に示されるように、前記平面パネル6の地中挿入時に、平面パネル6と補強枠7とが離間しないように、補強枠7の挿入位置を保持する位置保持装置13を備えるのが好ましい。前記位置保持装置13は、地盤又は支柱5に固定された導枠14と、この導枠14から補強枠7に向けて延びるとともに、先端に回転自在なボール16を備え、ボール16の先端が支柱5の直上付近で補強枠7に当接するように配置された支持部材15とからなるものである。これにより、平面パネル6の地中挿入に伴って、補強枠7が平面パネル6から離間して、平面パネル6の配設面と反対側に移動するのが防止でき、平面パネル6と補強枠7との間が口開きして土砂が入り込むのが防止できるようになる。前記支持部材15は、導枠14から延びる軸部の途中に軸方向に伸縮可能な調整機構を備え、ボールの先端が適度に補強枠7に接触するように調整できる構造とするのが好ましい。
前記平面パネル6の建込みが完了したならば、平面パネル6と支柱5とを上端部の固定手段23(ボルト)で固定した後、図8(D)に示されるように、補強枠7をクレーンで吊り上げることにより補強枠7のみを地中から引き抜く。
その後、引き抜いた補強枠7を用いて、同様にして順次平面パネル6を地中に建て込んで、引き込み沈下対策壁1の構築を完了する。
1…引き込み沈下対策壁、2…盛土、3…軟弱層、4…支持層、5…支柱、6…平面パネル、7…補強枠、8…突起、9…開孔、10…連結部材、11…ウインチ、12…ワイヤー、13…位置保持装置、14…導枠、15…支持部材

Claims (7)

  1. 軟弱地盤上の盛土施工に伴う周辺地盤の引き込み沈下防止対策として盛土法尻に設置され、間隔をあけて複数配置されるとともに、軟弱層を貫通して下端が支持層に到達する略H形断面部材からなる支柱と、前記支柱間に、両側縁が前記支柱に係合し軟弱層の途中の深さまで設置される平板状の平面パネルとからなる引き込み沈下対策壁の施工方法であって、
    前記平面パネルに仮設の補強枠を取り付けて地中に挿入した後、前記平面パネルと前記支柱とを上端部で固定し、前記補強枠のみを地中から引き抜くことを特徴とする引き込み沈下対策壁の施工方法。
  2. 前記補強枠に突起が備えられるとともに、前記平面パネルに前記突起に係合可能な開孔が形成されている請求項記載の引き込み沈下対策壁の施工方法。
  3. 前記突起の下端に、前記平面パネルが嵌合可能な段差部が形成されている請求項記載の引き込み沈下対策壁の施工方法。
  4. 前記突起の上端は、上方に行くに従って漸次突出量を減少させたテーパ状に形成されている請求項2、3いずれかに記載の引き込み沈下対策壁の施工方法。
  5. 前記平面パネルの地中挿入時に、前記平面パネルと前記補強枠とが離間しないように、前記補強枠の挿入位置を保持する位置保持装置が備えられている請求項いずれかに記載の引き込み沈下対策壁の施工方法。
  6. 前記平面パネルを地中に挿入する際、前記補強枠の両側にそれぞれウインチを配置し、これら両側に配置されたウインチの引込み力によって左右の傾動バランスを調整しながら前記平面パネルを地中に挿入する請求項いずれかに記載の引き込み沈下対策壁の施工方法。
  7. 予め、前記引き込み沈下対策壁の建込み予定の地盤を掻きほぐしておく請求項いずれかに記載の引き込み沈下対策壁の施工方法。
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