JP6764592B2 - 鋼板コンクリート構造および鋼板コンクリート構造の構築方法 - Google Patents
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Description
鋼板コンクリート構造におけるせん断補強方法としては、例えば、対向する鋼板の間に複数のタイバーを設ける方法や、対向する鋼板の間にリブ鋼板を設ける方法がある。
また、対向する鋼板の間にリブ鋼板を設ける方法でも、リブ鋼板を対向する鋼板それぞれに現場にて溶接する必要があるため、手間や工期がかかるという問題がある。更に、対向する鋼板の間にリブ鋼板を設ける方法では、リブ鋼板によって対向する鋼板の間に充填されたコンクリートが分断されるため、コンクリートにせん断力が作用した際にコンクリートとリブ鋼板とが互いの境界面でスリップする虞がある。このスリップがせん断耐力に影響することも考えられるため、鋼板コンクリート構造の設計において通常の指針や規定以外についても検討しなければならず複雑になる虞がある。
また、一方の鋼板に接合されたリブ鋼板と他方の鋼板に接合されたリブ鋼板とをネジ節鉄筋で接合する構造であることにより、鋼板コンクリート構造のせん断耐力を確保することができる。更に、ネジ節鉄筋が間隔をあけて設けられていることにより、一対の鋼板の間のコンクリートがリブ鋼板やネジ節鉄筋によって分断されることがないため、通常の鋼板コンクリート構造の指針や規定を適用することができる。
このような構成とすることにより、リブ鋼板の剛性が向上して、鋼板コンクリート構造の面外補剛効果が向上するため、鋼板コンクリート構造の面外せん断耐力を防止することができる。また、リブ鋼板が一対の鋼板それぞれの面外補剛効果も向上させることができるため、運搬や施工の際にも一対の鋼板がそれぞれ撓むことなく作業を行いやすい。
このような構成とすることにより、一対のリブ鋼板それぞれのフランジにネジ節鉄筋が接合されるため、一対のリブ鋼板およびネジ節鉄筋によって面外せん断力に対する補強機構を確実に構築することができる。
このような構成とすることにより、ジベル孔にコンクリートが充填されてジベル効果が生じるため、リブ鋼板がスタッドと同様に鋼板とコンクリートとのずれ止めとなって鋼板とコンクリートとを一体化させることができる。
図1および図2に示すように、本実施形態による鋼板コンクリート構造1は、建物11の壁部12の構造に用いられている。
本実施形態による鋼板コンクリート構造1は、間隔をあけて平行に配置された第1鋼板2および第2鋼板3と、第1鋼板2と第2鋼板3との間に充填されたコンクリート4と、第1鋼板2に接合された第1リブ鋼板5と、第2鋼板3に接合された第2リブ鋼板6と、第1リブ鋼板5と第2リブ鋼板6とを接合するネジ節鉄筋7と、第1鋼板2および第2鋼板3それぞれに接合された複数のスタッドボルト8と、を有している。
本実施形態では、床部13(図1参照)や、壁部12と床部13との仕口部14(図1参照)は、第1リブ鋼板5、第2リブ鋼板6およびネジ節鉄筋7が設けられていない従来の鋼板コンクリート構造で構築されている。
ここで、第1鋼板2と第2鋼板3とが対向する方向を厚さ方向とし第1鋼板2および第2鋼板3に沿った方向で厚さ方向に直交する方向を幅方向とする。
図3では、見やすくするためコンクリート4の図示を省略している。また、第1リブ鋼板5と第2リブ鋼板6とは、接合される鋼板と配置される向き以外は同様の形態に形成されているため、図3では第2リブ鋼板6および第2リブ鋼板6に付随する部材の符号を対応する第1リブ鋼板5および第1リブ鋼板5に付随する部材の後にかっこ書きで記載している。
ウェブ51は、板面が長尺の矩形となる板状に形成され、上下方向に延在し板面が幅方向を向くように配置されている。ウェブ51は、厚さ方向の一方の縁部が第1鋼板2の内側の面に溶接され、他方の端部側が第2鋼板3側に突出している。ウェブ51には、板面を貫通する複数の第1孔部(ジベル孔)511が高さ方向に間隔をあけて形成されている。複数の第1孔部511それぞれの内部は、コンクリート4を充填可能に構成されている。
フランジ52は、板面を貫通する複数の第2孔部(接合用孔部)521がウェブ51の両側それぞれに高さ方向に間隔をあけて形成されている。複数の第2孔部521は、それぞれネジ節鉄筋7の端部近傍が挿通可能に構成されている。
ウェブ61は、板面が長尺の矩形となる板状に形成され、上下方向に延在し板面が幅方向を向くように配置されている。ウェブ61は、厚さ方向の一方の端部が第2鋼板3の内側の面に溶接され、他方の端部側が第1鋼板2側に突出している。ウェブ61には、板面を貫通する複数の第1孔部(ジベル孔)611が高さ方向に間隔をあけて形成されている。複数の第1孔部611それぞれの内部は、コンクリート4を充填可能に構成されている。
フランジ62は、板面を貫通する複数の第2孔部(接合用孔部)621がウェブ61の両側それぞれに高さ方向に間隔をあけて形成されている。複数の第2孔部621は、それぞれネジ節鉄筋7の端部近傍が挿通可能に構成されている。
複数の第1リブ鋼板5と複数の第2リブ鋼板6とは、1つずつ対となるように厚さ方向に対向して配置されている。対向する第1リブ鋼板5のフランジ52に形成された複数の第2孔部521と、第2リブ鋼板6のフランジ62に形成された複数の第2孔部621とは、1つずつ対となるように厚さ方向に対向して配置されている。
ネジ節鉄筋7は、複数の第2孔部521および複数の第2孔部621それぞれに挿通されるように高さ方向に間隔をあけて複数設けられている。
まず、第1鋼板2および第2鋼板3を製作し、第1鋼板2に第1リブ鋼板5を溶接し、第2鋼板3に第2リブ鋼板6を溶接する(リブ鋼板接合工程)。
第1鋼板2および第2鋼板3の製作、第1鋼板2への第1リブ鋼板5の溶接および第2鋼板3への第2リブ鋼板6の溶接は、現場に搬入する前に工場などで行う。また、第1鋼板2への第1リブ鋼板5の溶接および第2鋼板3への第2リブ鋼板6の溶接と前後して、第1鋼板2および第2鋼板3にスタッドボルト8を溶接する。
壁部12を構築する現場に第1リブ鋼板5およびスタッドボルト8が接合された第1鋼板2と、第2リブ鋼板6およびスタッドボルト8が接合された第2鋼板3とを搬入し、これらを対向配置させる。第1ロックナット71および第2ロックナット72が螺合したネジ節鉄筋7を一方の端部が第1リブ鋼板5の第2孔部521に挿入され、他方の端部が第2リブ鋼板6の第2孔部621に挿通されるように第1鋼板2と第2鋼板3との間に配置する。
第1鋼板2と第2鋼板3との間にコンクリート4を充填し、第1鋼板2と第2鋼板3との間の第1リブ鋼板5、第2リブ鋼板6、ネジ節鉄筋7およびスタッドボルト8をコンクリート4の内部に埋設する。このとき、第1リブ鋼板5のウェブ51に形成された第1孔部511、および第2リブ鋼板6のウェブ61に形成された第1孔部611の内部にもコンクリート4を充填する。コンクリート4を硬化させると、鋼板コンクリート構造1の壁部12が構築される。
上述した本実施形態による鋼板コンクリート構造1では、工場で第1鋼板2および第2鋼板3を製作する際に、第1リブ鋼板5を第1鋼板2に溶接し、第2リブ鋼板6を第2鋼板3に溶接できるとともに、ネジ節鉄筋7を第1リブ鋼板5および第2リブ鋼板6に第1ナット部材73および第2ナット部材74で接合できることにより、現場における溶接作業を削減することができ、施工を簡便化することができる。
また、第1鋼板2に接合された第1リブ鋼板5と第2鋼板3に接合された第2リブ鋼板6とをネジ節鉄筋7で接合する構造であることにより、鋼板コンクリート構造1のせん断耐力を確保することができる。
更に、ネジ節鉄筋7が間隔をあけて設けられていることにより、第1鋼板2と第2鋼板3との間に充填されたコンクリート4が第1リブ鋼板5、第2リブ鋼板6およびネジ節鉄筋7によって分断されることがないため、通常の鋼板コンクリート構造の指針や規定を適用することができる。
例えば、上記の実施形態では、第1リブ鋼板5および第2リブ鋼板6は、断面形状がT字形状に形成されているが、断面形状がL字形などの他の形状であってもよい。また、第1リブ鋼板5および第2リブ鋼板6に第1孔部511,611および第2孔部521,621が形成される位置は上記以外でもよい。
また、上記の実施形態では、第1リブ鋼板5および第2リブ鋼板6のウェブ51,61に第1孔部511,611が形成されているが、形成されていなくてもよい。また、第1鋼板2および第2鋼板3とコンクリート4とのずれ止めは、上記の第1孔部511,611やスタッドボルト8に限定されず適宜設けられてよい。
2 第1鋼板(鋼板)
3 第2鋼板(鋼板)
4 コンクリート
5 第1リブ鋼板(リブ鋼板)
6 第2リブ鋼板(リブ鋼板)
7 ネジ節鉄筋
8 スタッドボルト
12 壁部
51,61 ウェブ
52,62 フランジ
511,611 第1孔部(ジベル孔)
521,621 第2孔部(接合用孔部)
Claims (5)
- 間隔をあけて対向する一対の鋼板と、
前記一対の鋼板の間に充填されたコンクリートと、を有する鋼板コンクリート構造において、
前記一対の鋼板それぞれに接合されたリブ鋼板と、
前記一対の鋼板のうちの一方の鋼板に接合された前記リブ鋼板と他方の鋼板に接合された前記リブ鋼板とを接合するネジ節鉄筋と、を有し、
前記リブ鋼板は、前記鋼板の面に沿った方向に延在し、前記ネジ節鉄筋が挿通される接合用孔部が形成され、
前記ネジ節鉄筋は、前記リブ鋼板の延在方向に間隔をあけて複数配置され、前記接合用孔部に挿通されナット部材が締結されて前記リブ鋼板と接合されていることを特徴とする鋼板コンクリート構造。 - 前記リブ鋼板は、前記鋼板に接合され前記鋼板から突出するウェブと、前記ウェブに交差するように接続されたフランジと、を有していることを特徴とする請求項1に記載の鋼板コンクリート構造。
- 前記接合用孔部は、前記フランジに形成されていることを特徴とする請求項2に記載の鋼板コンクリート構造。
- 前記リブ鋼板には、ジベル孔が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の鋼板コンクリート構造。
- 間隔をあけて対向する一対の鋼板と、
前記一対の鋼板の間に充填されたコンクリートと、を有する鋼板コンクリート構造の構築方法において、
前記一対の鋼板それぞれに前記一対の鋼板に沿った方向に延在するリブ鋼板を接合するリブ鋼板接合工程と、
前記一対の鋼板を対向配置させ、前記一対の鋼板のうちの一方の鋼板に接合された前記リブ鋼板と他方の鋼板に接合された前記リブ鋼板とをネジ節鉄筋で接合するネジ節鉄筋接合工程と、
前記一対の鋼板の間に前記コンクリートを充填するコンクリート充填工程と、を有し、
前記ネジ節鉄筋接合工程では、前記ネジ節鉄筋を前記リブ鋼板の延在方向に間隔をあけて複数配置するとともに、前記リブ鋼板に形成された接合用孔部に前記ネジ節鉄筋を挿通し、前記ネジ節鉄筋にナット部材を締結して前記ネジ節鉄筋を前記リブ鋼板に接合することを特徴とする鋼板コンクリート構造の構築方法。
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