JP6764296B2 - 蒸発器 - Google Patents
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Description
また冷凍機2台を直列に並べて2重サイクルを構築する場合には、其々2パス、3パスも可能にする必要がある。そのため、缶胴製作後にパス数を切り替えることが可能な伝熱管群の配置が望ましい。
ここで、本発明におけるパス及びパス数について定義する。パスとは、シェルアンドチューブ式熱交換器において、流体が入口水室から出口水室まで一団となって胴長手方向又は伝熱管長手方向全長にわたって流れる流路をいい、パス数とは、前記パスが長手方向において流れの向きを180度変える回数に1を加えた数をいう。
本発明の好ましい態様によれば、前記水室内の仕切板の位置を変更することにより、2パス、3パス、4パス、6パスの間でパス数が切り替え可能であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記水室内の仕切板の位置を変更することにより、4パスと6パスの間でパス数が切り替え可能であって、前記水室に設置される冷水入口用ノズルの位置および冷水出口用ノズルの位置は、4パス及び6パスにおいて共通に設定されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記伝熱管群は、12の倍数の伝熱管群からなることを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、略三角状に構成されている前記伝熱管群の伝熱管本数は略均等であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記相隣接する略三角状の前記伝熱管群間の空隙は、千鳥配置の前記伝熱管の斜めの列を抜いたことで構成していることを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記配列された伝熱管群の上段と下段の前記伝熱管群間の空隙は、千鳥配置の前記伝熱管の水平方向の列を抜いたことで構成していることを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記水室は、前記管板を挟んで前記伝熱管群に対向する部位の上方に空隙を有していることを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記空隙を冷水のバイパス経路として利用することを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、圧縮式冷凍機用の蒸発器であることを特徴とする。
1)缶胴内にある伝熱管群の配列を変更することなく、仕切板を備えた水室を変更することで、冷凍機のパス数を自由に変更することができる。例えば、パス数を1,2,3,4,6パスに自由に変更することができる。すなわち、パス毎に缶胴を変更する必要がない為、仕込生産を可能にしたり、製造最終段階までパス数を変更することが可能となる。また、顧客の要求により、納入後に、冷水大温度差仕様に変更することができ、さらに冷凍容量を増加させるため台数を増やす場合に、冷凍機配列の組み替えの自由度が増す。
2)千鳥配置の伝熱管群全体から、水平、斜めの列を抜くことで、略均等本数の伝熱管を備えた略三角形状の伝熱管群に分けることができる。そして、その抜いた列によって形成される伝熱管間隔が広いので、仕切板及び仕切板と管板とをシールする仕切板ガスケットが、近傍の伝熱管に掛かってしまうことを最小限に抑えた上で、密に伝熱管を敷き詰めることができる。
3)上辺が下辺よりも長い略台形の伝熱管群全体の段中央近傍の伝熱管列を抜くことで上下を分割し、且つ、その上段の伝熱管群を7つ、下段の伝熱管群を5つの略三角形状の伝熱管群に分けるべく、斜めの伝熱管列を抜く方法において、斜めの抜き列を上下段で一直線上に抜くことが可能となる為、水室の仕切板構成を簡略化することが可能となる。
4)4パス、6パスで冷水入口用ノズルの位置および冷水出口用ノズルの位置を統一することで、顧客が途中から標準温度差(4パス)から大温度差(6パス)に設備仕様を変更しても、水室の仕切板の位置のみの変更で、冷凍機への配管取り合いは同一のまま使用することができる。このように、ノズル位置を統一しておくことが可能であるため、水室をノズルを含めて先行で製作しておき、顧客の仕様にあわせて仕切板部だけを変更することも可能となり、仕切板が無い水室をサブアッセンブリー(サブアッシー)として標準在庫することも可能となる。
図2(b)に示す本発明においては、左右の管板12,12に、それぞれ鏡板水室15が接続されている。一方の水室15には冷水入口用ノズル15INと冷水出口用ノズル15OUTが設けられている。本発明においては、両側の水室15を適宜取り替えて水室内の仕切板の位置を変更することができるようになっている(後述する)。
圧縮式冷凍機の場合、系内の高い圧力に耐えられ、且つ肉厚を抑え出来るだけ安価な構造にすることを考えると、シェル(缶胴)の構造が略円筒形になることが多い。その上、満液式蒸発器、特に低圧冷媒の満液式蒸発器においては、サブマージ損失(液柱圧力損失)を抑える為に、伝熱管群全体を段数少なく、幅広く配置することが望ましい。更に、冷媒充填量を削減する為に該伝熱管群全体はシェル内の出来るだけ下側に配置することが望まれる。
このような状況の下、略円筒のシェル(缶胴)の中に、該伝熱管群全体をシェル下側に段数少なく、幅広く配置する方法を考えると、該伝熱管群は上辺が下辺よりも長い、略台形状の伝熱管群の配列に落ち着くこととなる。
図3(a)に示す例においては、円筒状の缶胴11内に上下に伝熱管群14U,14Lが配列されており、例えば、下段伝熱管群14Lが1パス目、上段伝熱管群14Uが2パス目となる。
図3(b)に示す例においては、円筒状の缶胴11内に左右に伝熱管群14L,14Rが配列されており、例えば、左側伝熱管群14Lが1パス目、右側伝熱管群14Rが2パス目となる。
図3(d)に示す例においては、円筒状の缶胴11内に左側伝熱管群14L、中央伝熱管群14C、右側伝熱管群14Rが配置されており、例えば、左側伝熱管群14Lが1パス目、中央伝熱管群14Cが2パス目、右側伝熱管群14Rが3パス目となる。
図3(e)に示す例においては、円筒状の缶胴11内に左下段伝熱管群14LL、右下段伝熱管群14RL、左上段伝熱管群14LU、右上段伝熱管群14RUが配列されており、例えば、左下段伝熱管群14LLが1パス目、右下段伝熱管群14RLと右上段伝熱管群14RUが2パス目、左上段伝熱管群14LUが3パス目となる。図3(e)に示す例において、2パスとして使用する場合には、左下段伝熱管群14LLと右下段伝熱管群14RLとが1パス目、左上段伝熱管群14LUと右上段伝熱管群14RUが2パス目となる。
しかし、図3(a)〜(d)に示す様に、パスに合わせた伝熱管群にすると、顧客が冷水仕様を決めない限り、管板製作を開始出来ない為、缶胴のストック生産を行う事が出来ない。
その問題を解消する為には、図3(e)や図3(f)に示す様に複数パスに対応出来る伝熱管群を構成する必要がある。
図3(e),(f)は2パス/3パス兼用だから伝熱管群を分ける箇所も少なくて済む。一方で、例えば現行の約2分の1近くまで缶胴長さを短く抑えた缶胴の冷凍機を設計した場合、圧損に余裕があれば4パス/6パスの方が蒸発器の伝熱性能を上げる事が可能となる。また、納入後に顧客が冷凍機の増設を考える場合、4パス/6パスで設計された蒸発器を2パス/3パスに変更すれば、2台の冷凍機に対して冷水、冷却水を直列に流す事で、2重サイクルを構成する事が出来、冷凍システムとして効率を上げる事も可能になる。この様に2パス/3パスにも対応できる様にする事で、冷凍機の配列の組み替えの自由度が増す。
この様に考えると、2/3/4/6パスに対応出来る伝熱管群を構成することが望ましい。
本発明は、略台形の伝熱管群全体を略均等本数の伝熱管毎に分割する方法として、伝熱管群全体の段中央近傍の伝熱管列を抜き、上下を分割し、且つ、その上段の伝熱管群を7つ、下段の伝熱管群を5つの総計12個の略三角形状の伝熱管群に分割している。この構成によれば、各伝熱管群における伝熱管の本数を略均等本数毎に分配することが容易になる。
12個の伝熱管群14U1〜14U7,14L1〜14L5の各々は、略三角形状に構成されている。相隣接する伝熱管群の間には、水平方向の空隙G1と斜めの空隙G2を設け、該空隙G1,G2によって伝熱管群を隣接する伝熱管群から区分けしている。
上段を7つ下段を5つの略三角形状で構成する事で各伝熱管群の伝熱管本数を略均等に分ける事が可能になる。
上記の通り、略三角形状の伝熱管群は、千鳥配置の伝熱管群全体を水平、斜めの列を一列抜くことで構成することが可能となる。且つ、略台形の伝熱管群全体を、7つの上段伝熱管群14U1〜14U7と5つの下段伝熱管群14L1〜14L5とからなる総計12個の略三角形状の伝熱管群に分割する場合、上段と下段の抜き列を一直線上に抜くことが可能となる。これにより仕切板の構成を簡略化することができる。
図6(a)に示すように、一方の水室側の仕切板16は、上段の伝熱管群14U1〜14U7と下段の伝熱管群14L1〜14L5との間の水平方向の空隙G1に対応した位置にある。図6(b)に示すように、他方の水室側には、仕切板は存在しない。
図6(a),(b)に示すように、伝熱管群14L1〜14L5からなる管群集合体が1パス目、伝熱管群14U1〜14U7からなる管群集合体が2パス目となる。
図7(a)に示すように、一方の水室側の仕切板16は、上段の伝熱管群14U1〜14U4と下段の伝熱管群14L1〜14L3との間の水平方向の空隙G1と、下段の伝熱管群14L4,14L5間の斜めの空隙G2とに対応した位置にある。
図7(a),(b)に示すように、伝熱管群14L1〜14L4からなる管群集合体が1パス目、伝熱管群14U5〜14U7,14L5からなる管群集合体が2パス目、伝熱管群14U1〜14U4からなる管群集合体が3パス目となる。
図8(a)に示すように、一方の水室側の仕切板16は、上段の伝熱管群14U1〜14U4と下段の伝熱管群14L1〜14L3との間の水平方向の空隙G1と、下段の伝熱管群14L3,14L4間の斜めの空隙G2と、上段の伝熱管群14U3,14U4間の空隙G2および伝熱管群が全くない半円状の空隙G3とに対応した位置にある。
図8(a),(b)に示すように、伝熱管群14L1〜14L3からなる管群集合体が1パス目、伝熱管群14U6,14L4,14L5からなる管群集合体が2パス目、伝熱管群14U4,14U5,14U7からなる管群集合体が3パス目、伝熱管群14U1〜14U3からなる管群集合体が4パス目となる。
図9(a)に示すように、一方の水室側の仕切板16は、上段の伝熱管群14U1〜14U4と下段の伝熱管群14L1〜14L3との間の水平方向の空隙G1と、下段の伝熱管群14L2,14L3間の斜めの空隙G2と、上段の伝熱管群14U5,14U6間の斜めの空隙G2と、上段の伝熱管群14U6,14U7間の斜めの空隙G2と、上段の伝熱管群14U2,14U3間の斜めの空隙G2および伝熱管群が全くない半円状の空隙G3とに対応した位置にある。
図9(a),(b)に示すように、伝熱管群14L1,14L2からなる管群集合体が1パス目、伝熱管群14L3,14L4からなる管群集合体が2パス目、伝熱管群14L5,14U6からなる管群集合体が3パス目、伝熱管群14U5,14U7からなる管群集合体が4パス目、伝熱管群14U3,14U4からなる管群集合体が5パス目、伝熱管群14U1,14U2からなる管群集合体が6パス目となる。
図6〜図9のパスの切り方は、それぞれのパスの例であり、他にも様々なパスの切り方は存在する。仕切り方、流し方を変える事でノズルの取出位置も変更する事が可能になる。
図10(a),(b)に示すように、各水室15内には、仕切板16が設けられている。各水室15のフランジ部には、水室15を管板12に対して着脱可能に固定するためのボルト用の孔17が多数設けられている。
水室15は、図10(a),(b)に示す3パス用以外に、2パス、4パス、6パス用として仕切板16の位置をそれぞれ変えたものが用意されており、図6乃至図9に示すように、水室15を取り替えて仕切板16の位置を変更することにより、2パス、3パス、4パス、6パスの間でパス数を切り替えることができる。
2 凝縮器
3 蒸発器
4 冷媒配管
11 缶胴
12 管板
13 伝熱管
14,14U1〜14U7,14L1〜14L5 伝熱管群
15 水室
15IN 冷水入口用ノズル
15OUT 冷水出口用ノズル
16 仕切板
G1,G2 空隙
Claims (14)
- 缶胴と、該缶胴の両端を閉塞する管板と、前記缶胴内に配置された伝熱管群とを備えたシェルアンドチューブ式熱交換器において、
相隣接する伝熱管群の間に空隙を設け、該空隙によって各伝熱管群を隣接する伝熱管群から区分けして伝熱管群を配列し、
前記各伝熱管群を略三角状に構成し、相隣接する略三角状の前記伝熱管群の下辺が上下に逆転するように配列し、
前記略三角状の伝熱管群の配列は、2つ以上の異なる複数パス数に応じて前記略三角状の伝熱管群の組合せを変更できるように前記異なる複数パス数の公倍数の略三角状の伝熱管群で構成されていることを特徴とする蒸発器。 - 前記管板を挟んで前記伝熱管群の反対側に配置される水室を、前記管板に対して着脱可能に設け、
前記水室内に仕切板を設置し、前記水室を取り替えて前記仕切板の位置を変更することにより、パス数が切り替え可能であることを特徴とする請求項1記載の蒸発器。 - 前記水室内の仕切板の位置を変更することにより、2パス、3パス、4パス、6パスの間でパス数が切り替え可能であることを特徴とする請求項2記載の蒸発器。
- 前記水室内の仕切板の位置を変更することにより、4パスと6パスの間でパス数が切り替え可能であって、
前記水室に設置される冷水入口用ノズルの位置および冷水出口用ノズルの位置は、4パス及び6パスにおいて共通に設定されていることを特徴とする請求項2記載の蒸発器。 - 前記伝熱管群は、12の倍数の伝熱管群からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の蒸発器。
- 略円形断面の前記缶胴の下半分に前記配列された伝熱管群を設置し、
前記配列された伝熱管群を、最上段の伝熱管本数列が最下段の伝熱管本数列よりも大きい略逆台形状に構成し、
前記配列された伝熱管群における上下方向の略中央に前記空隙を配設し、
前記略中央にある前記空隙の上段を7つ、下段を5つの前記伝熱管群に分けて配列したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の蒸発器。 - 略三角状に構成されていている前記伝熱管群の伝熱管本数は略均等であることを特徴とする請求項6に記載の蒸発器。
- 前記伝熱管群の伝熱管は千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の蒸発器。
- 前記相隣接する略三角状の前記伝熱管群間の空隙は、千鳥配置の前記伝熱管の斜めの列を抜いたことで構成していることを特徴とする請求項8に記載の蒸発器。
- 前記配列された伝熱管群の上段と下段の前記伝熱管群間の空隙は、千鳥配置の前記伝熱管の水平方向の列を抜いたことで構成していることを特徴とする請求項8に記載の蒸発器。
- 前記略三角状の前記伝熱管群間の空隙は、上段と下段でつながるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の蒸発器。
- 前記水室は、前記管板を挟んで前記伝熱管群に対向する部位の上方に空隙を有していることを特徴とする請求項2に記載の圧縮式冷凍機用の蒸発器。
- 前記空隙を冷水のバイパス経路として利用することを特徴とする請求項12に記載の蒸発器。
- 圧縮式冷凍機用の蒸発器であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の蒸発器。
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