JP6763628B1 - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】インクタンク内のインク溶剤の蒸発を抑制する蒸発抑制手段の構成を簡素化して、コストダウンを図ったインクジェットプリンタを提供する。【解決手段】蒸発抑制手段10は、インクタンク2に管5iを介して、または直接取り付けられた、1つの流入口と2つの流出口を有する三方接手11と、三方接手11の第1の流出口を密閉するように取り付けられ、インクタンク2内の気圧が所定の第1の値を超えたときに開放される第1の逆止弁12と、三方接手11の第2の流出口を密閉するように取り付けられ、インクタンク2内の気圧が、前記第1の値より高い所定の第2の値を超えたときに開放される第2の逆止弁13とで構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、コンティニュアス方式のインクジェットプリンタに関し、更に詳しくは、ガターで回収されたインク溶剤の蒸発を抑える手段を備えたインクジェットプリンタに関する。
コンティニュアス方式のインクジェットプリンタにおいては、プリントヘッドのノズルから噴射されたインク滴のうち印刷に供されるものは偏向飛行して被印刷物の表面に噴射される。一方、飛行軌道の修正を受けない印字に無関係なインク滴はガターに収容され、回収管を介してインクタンクに回収される。インクタンクに回収されるインクは空気と一緒に運ばれ、そのうち空気はインクタンクから排気される。
ところで、インクジェットプリンタで使用されるインクは、一般にメチルエチルケトン等の揮発性の高い溶剤を用いているため、インクタンクに回収される際にかなりの量の溶剤蒸気が大気中に排気され、インクの粘度が高まる。
一方、印刷の品質を維持するためには、インクの粘度を一定の範囲内に保持する必要がある。従来は、インク溶剤を収容したタンクをインクタンクとは別に設置し、蒸発により大気中に排気されたインク溶剤を補給することによって、インクの粘度を保持していた(例えば特許文献1参照)。しかし、インク溶剤は比較的高価であるため、溶剤の補給は印刷コストを上昇させる原因となっていた。
発明者等は、上述したインク溶剤を補充する方法とは別に、インク溶剤の大気中への排気を抑えるために、インク溶剤の蒸気を液化して回収する方法を提案した(特許文献2参照)。
:特開平6−166185号公報 :特許第6395961号公報
特許文献2に記載の方法は、インクタンクの蓋に、タンク内のインク溶剤の蒸発を抑制する手段を取り付けたものである。この手段は、管を介してインクタンクに接続された逆止弁が開放される気圧を、飽和蒸気圧を超える値に設定することによって、インク溶剤の蒸発を抑制している。
しかし、特許文献2に記載の蒸発抑制手段は、逆止弁以外に、安全機能として、圧力センサと緊急開放用の電磁弁が必要であるため、プリンタのコストを押し上げる原因となっていた。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、蒸発抑制手段の構成を簡素化し、結果として、当該手段の大幅なコストダウンを実現したインクジェットプリンタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るインクジェットプリンタは、
インクを貯留するインクタンクと、
当該インクタンクから供給されるインクを被印刷物の表面に向けて噴射するプリントヘッドと、
当該プリントヘッドから噴射されたインクのうち印刷に使用されないインクを回収するガターと、
前記インクタンクから前記プリントヘッドへのインクの移送および前記ガターで回収されたインクの前記インクタンクへの移送を行うポンプと、
前記インクタンク内の気圧をインク溶剤の飽和蒸気圧を超える値に保持する蒸発抑制手段と、を備え、
当該蒸発抑制手段は、
前記インクタンクに管を介して、または直接取り付けられた、1つの流入口と2つの流出口を有する三方接手と、
前記三方接手の第1の流出口を密閉するように取り付けられ、前記インクタンク内の気圧が所定の第1の値を超えたときに開放される第1の逆止弁と、
前記三方接手の第2の流出口を密閉するように取り付けられ、前記インクタンク内の気圧が、前記第1の値より高い所定の第2の値を超えたときに開放される第2の逆止弁とで構成されることを特徴とする。
ここで、前記三方接手の第1の流出口には、前記第1の逆止弁で開放されたインク溶剤の蒸気を収集し、それを凝集および液化させてインク溶剤を回収する凝集タンクが、管を介して連結されていることが好ましい。
また前記第1および第2の逆止弁は、円柱状の外形を有し、それぞれ前記三方接手の第1および第2の流出口近傍に圧入されていることが好ましい。
また前記インクタンクは、上面が開放された、インクを貯留するタンク本体と、当該タンク本体の上面を密閉した状態で覆う蓋とで構成されることが好ましい。
また前記インクタンクから前記プリントヘッドに移送されるインクの圧力が所定の値を超えたとき、インクの粘度が高まったと判断して前記インクタンクにインク溶剤を補給することが好ましい。
本発明に係るインクジェットプリンタは、蒸発抑制手段を三方接手と2つの逆止弁で構成することによって大幅なコストダウンを図り、結果として、プリンタへの実装を可能としたものである。
本発明の実施の形態に係るインクジェットプリンタの配管図である。 本発明の実施の形態に係るインクジェットプリンタの制御系の構成を示すブロック図である。 蒸発抑制手段の外観を示す正面図(a)と側面図(b)である。 図3(b)のA-A線で切断した断面図である。 蒸発抑制手段の展開図である。 エタノールの蒸気圧曲線を示すグラフである。 蒸発抑制手段の実験結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態に係るインクジェットプリンタについて、図面を参照して説明する。
<インクジェットプリンタの構成>
図1に、本実施の形態に係るインクジェットプリンタの配管図を示す。また図2に、同プリンタの制御系のブロック図を示す。上述したように、本発明はインク溶剤の蒸発抑制を主たる目的としているため、図1および図2では、それに関係しない印刷関連の部材は省略している。
図1の配管図に示すように、インクジェットプリンタ(以降、「プリンタ」と略す)1は、インクIを貯留するインクタンク2、インクを噴出して被印刷物の表面に印刷を行うプリントヘッド3、インクを送出するポンプ4、これらの部材を連結する管5a〜5j(以降、総称して「管5」ともいう)、管5の途中に配置され、管を開閉する開閉弁61〜65、インクの各種状態を検出するセンサ71〜73、インクおよび溶剤の補給に用いられるタンク81および82、ならびに蒸発抑制手段10で構成されている。
図2に示すように、プリンタ1の動作はコントローラ9によって制御される。そのためコントローラ9の入力側には、図1に示したセンサ71〜73が接続され、出力側には、ポンプ4を回転駆動するモータ45および管5の開閉を行う開閉弁61〜65が接続されている。以下、各部材について説明する。
インクタンク2は、強化プラスチック等で作製され、上面が開放された直方体状のタンク本体21と、同じく強化プラスチック等で作製され、タンク本体21の上面を覆うように設置された平板状の蓋22で構成されている。
図1に示すように、蓋22には、複数の管5を通す孔、ならびに温度センサ72および液面検出センサ73を通す孔が形成されている。蓋22に形成されたこれらの孔は管等との間が密閉されている。これらの孔は、タンク本体21および蓋22のいずれに設けてもよいが、本実施の形態では、取扱いの容易さから蓋22に設けている。
タンク本体21の開口部と蓋22との間は、パッキンを介した状態(図示せず)で、ボルト・ナット等を用いて締結されており、タンク本体21と蓋22との間が密閉されているため、隙間からインクタンク2内の溶剤の蒸気が外部に漏れることはない。
プリントヘッド3の構成と動作について簡単に説明する。インクジェットプリンタは、コンティニュアス方式とオンデマンド方式に大別されるが、本発明では、コンティニュアス方式を採用している。
コンティニュアス方式のインクジェットプリンタのプリントヘッドの構造は周知であるため、図面を用いての説明は行わない。この方式では、ポンプ4を用いてインクを加圧し、プリントヘッド3に設けられたノズルからインクを噴射し、噴射したインクがインク滴に分離する位置においてインク滴を帯電させ、更に偏向電極によって帯電したインク滴の軌道を曲げて印刷面の所定の位置に衝突させて、インクドットを形成している。
同方式のプリンタにおいては、プリントヘッド3から噴射されたインク滴のうち印刷に使われなかったインクはガター51に回収され、後述するように管5cを通ってインクタンク2に戻され、再利用される。
インクタンク2とプリントヘッド3を結ぶ管5aの途中にポンプ4が配置されており、タンク内のインクをプリントヘッド3まで移送している。本実施の形態では、ポンプ4として4つのダイアフラムユニット41〜44が一体化され、これらを1つのモータ45(図2参照)で回転駆動するダイアフラム式のポンプを用いている。
ダイアフラムユニット41は、インクタンク2内のインクをプリントヘッド3に移送するため、ダイアフラムユニット42および43は、ガター51で回収したインクをインクタンク2に移送するために用いられる。またダイアフラムユニット44は、インクを循環させてインクタンク2内のインクを攪拌するため、および補給用タンク81または82に収容されたインクまたは溶剤をインクタンク2に供給する際に用いられる。
管5a、5cの途中に設けられたフィルタ52、53および54はインク内の不純物を除去するもの、逆止弁56はインクの逆流を防止するものである。逆止弁56にはバネが内蔵されており、バネの作用によってインクの圧力が所定の値を超えないときはインクの移送を阻止し、所定の値を超えた時にだけインクが移送される。管5には、これ以外にダンパー55および絞り57が取り付けられている。これらの機能については後述する。
管5a、5d、5e、5fおよび5gの途中には、上述した部材以外に開閉弁61〜65およびインク排出弁66が配置されている。開閉弁61〜65は電磁弁で構成されており、コントローラ9の指示に従って管5を開閉してインクを移送し、または移送を停止する。インク排出弁66は、プリンタ1の保守点検の際に、管5aに残っているインクを排出するものであり、手動で開閉される。
管5aに接続された圧力センサ71は、管5aを流れるインクの圧力を検出すものである。またインクタンク2の蓋22に取り付けられた温度センサ72は、インクタンク2内のインクの温度を検出するものである。インクタンク2の蓋22に取り付けられた液面検出センサ73は、長さの異なる導電性の複数の棒を用い、それらの電気的な導通の有無によってインクの液面の高さを検出するものである。
インクタンクの蓋22に連結された管5iには、蒸発抑制手段10を構成する三方接手11、逆止弁12および13が取り付けられている。図では、配管の状態を分かりやすく示すため、蒸発抑制手段10の構成を模式化して表わしている。蒸発抑制手段10の具体的構成および機能については、後に図面を用いて詳述する。
管5iの先端には凝集タンク83が設置されており、逆止弁12で開放されたインク溶剤の蒸気を収集し、それを凝集および液化させてインク溶剤を回収する。
図2のコントローラ9は、圧力センサ71、温度センサ72および液面検出センサ73の出力信号に基づいて、ポンプ4を回転駆動するモータ45および開閉弁61〜65の動作を制御する。
図2に示すように、コントローラ9は、CPU91、ROM92、RAM93、入力・表示パネル94、外部記憶装置95およびバスライン96で構成されている。
CPU91は、プリンタ1の各部の動作を制御するのに必要な指示信号を作成する。ROM92には、CPU91が動作するのに必要なプログラムが記憶されている。RAM93は、プログラムの実行中に必要となるデータを一時的に記憶する、
記憶装置95は、ハードディスクドライバやフラッシュメモリ等で構成され、プリンタ1の制御に必要なデータを記憶する。入力・表示パネル94は液晶ディプレイ等で構成され、印刷の内容や設定値等を入力すると共に、入力されたデータや印刷内容等を表示する。バスライン96は、CPU91のデータ信号、アドレス信号およびコントロール信号を伝送する。
<インクの流れの説明>
次に、前述の図1に基づいてプリンタ1におけるインクの流れを説明する。図1において管5に沿って表示した矢印は、インクIの流れる方向を示している。
インクタンク2に収容されたインクIは、ダイアフラムユニット41によって吸引され、管5aを通ってプリントヘッド3まで移送される。管5aのダイアフラムユニット41の下流にはダンパ−55と逆止弁56が配置され、更にその手前で管5aから管5bが分岐し、先端がインクタンク2に接続されている。
ダイアフラムユニット41から送り出されたインクIはダンパー55で脈流が取り除かれた後、逆止弁56に到達する。逆止弁56は、プリントヘッド3に供給されるインクの圧力を一定の値に保持するもので、ダンパー55を通過し、脈流が取り除かれたインクの圧力が、バネの弾性力によって定まる値を下回る場合、逆止弁56は閉じたままであるため、インクは分岐管5bを通ってインクタンクに戻る。分岐管5bの途中に設けられた絞り57は、インクタンク2に回収されるインクの流量を調整するものである。
逆止弁56の下流側の管5aに取り付けられた圧力センサ71は、プリントヘッド3に供給されるインクの圧力を検出するものである。圧力センサ71で検出されたインク圧力は、インクの粘度を調節するために用いられる。
プリンタ1を用いて印刷される画像等の品質を一定にするためには、プリントヘッド3から噴射されるインク滴の速度を一定の値に保持する必要があるため、プリントヘッド3には速度センサ(図示せず)が内蔵されている。
管5aを移送されるインクの圧力とインク滴の速度は比例関係にあり、速度を維持するための圧力が高まった場合、インクの粘度が高まったと判断して、補給タンク82から溶剤の補給が行われる。
管5aの途中に設けられた開閉弁61は、ポンプ4を駆動してプリンタによる印刷を開始する際に管5aの流路を開き、印刷が終了してポンプ4の動作を停止する際に管5aの流路を閉じるものである。
プリントヘッド3から噴射されたインク滴の一部は印刷に供され、その他のインク滴はガター51に回収される。ガター51に回収されたインクは、ダイアフラムユニット42および43によって管5cを通って移送され、インクタンク2に戻る。
管5cによるインクの移送に2つのダイアフラムユニット42および43を用いるのは、ダイアフラムユニットのインク移送能力を考慮したものであり、ダイアフラムユニットの移送能力が大きい場合は、1つのダイアフラムユニットを用いてインクを移送してもよい。
プリントヘッド3の下部から取り出された管とインクタンク2との間が管5dによって接続され、途中に開閉弁62が配置されている。この管5dは、プリンタの電源をオンにした際にプリントヘッド3内に残っている空気を抜くためのものであり、開閉弁62を開くことによって空気を含んだインクが移送され、インクタンク2に戻される。
インク補給用タンク81から取り出されたインクを、ダイアフラムユニット44を用いてインクタンク2に移送する管5eおよび5hが設けられており、管5eの途中に開閉弁63が取り付けられている。
同様に、溶剤補給用タンク82から取り出された溶剤を、ダイアフラムユニット44を用いてインクタンク2に移送する管5fおよび5hが設けられており、管5fの途中に開閉弁64が取り付けられている。
更に、インクタンク2から取り出されたインクを、ダイアフラムユニット44を用いてインクタンク2に戻す管5gおよび5hが設けられており、管5gの途中に開閉弁65が取り付けられている。この管5gは、前述したようにインクタンク2内のインクを攪拌するために用いられる。
前述した3つの管5e、5fおよび5gは、インク移送用のダイアフラムユニット44を兼用しており、このため、管5e、5fおよび5gは合流して管5hに連結されている。
インクタンク2にインクを補給する場合、コントローラ9の指示に従って、開閉弁63を開けると共に、開閉弁64および65を閉じ、ダイアフラムユニット44を駆動して補給用タンク81内のインクをインクタンク2に移送する。
インクタンク2に溶剤を補給する場合、コントローラ9の指示に従って、開閉弁64を開けると共に、開閉弁63および65を閉じ、ダイアフラムユニット44を駆動して補給用タンク82内の溶剤をインクタンク2に移送する。
インクの成分のうち顔料は、時間の経過と共に沈下して下部に溜まる傾向があるため、定期的にインクタンク2内のインクを攪拌する必要がある。染料インクについても、インクタンク内の粘度分布を均一にさせるために定期的に攪拌する必要がある。インクを攪拌する場合、コントローラ9の指示に従って開閉弁65を開けると共に、開閉弁63および64を閉じ、ダイアフラムユニット44を駆動してインクタンク2内のインクを管5gで吸引し、管5h内のインクをインクタンク2に放出する。
<蒸発抑制手段の構成と機能>
本実施の形態では、インクタンク2内のインク溶剤の蒸発を抑制する蒸発抑制手段10を、インクタンクの蓋22に連結された管5iに取り付けている。以下、図3〜図6を参照して、蒸発抑制手段10の構成と機能を説明する。
図3は、蒸発抑制手段10の外観を示す正面図(a)と側面図(b)、図4は、図3(b)のA-A線で切断した断面図、図5は、蒸発抑制手段10の展開図である。
蒸発抑制手段10は、管5iの途中に配置された三方接手11と、当該三方接手11の2つの流出口112および113を密閉するように配置された2つの逆止弁12および13で構成されている。
図3に示すように、三方接手11は、インク溶剤の蒸気が流入する1つの流入口111と、インク溶剤の蒸気が流出する2つの流出口112、113を備えている。図示しないが、流入口111および第1の流出口112には管5iが取り付けられ、第2の流出口113には管5jが取り付けられている。
図4に示すように、第1の流出口112の内側には、円筒状の外形を有する第1の逆止弁12が流出口を密閉するように配置され、同様に、第2の流出口113の内側には、円筒状の外形を有する第2の逆止弁13が流出口を密閉するように配置されている。
第1および第2の逆止弁は、金属製のケースに収容されており、図5に示すように、合成樹脂で作製された三方接手11の流出口112および113に挿入された後、内径が細くなった箇所に圧入され、それぞれの流出口を密閉している。
逆止弁12および13は、管5i内、すなわちインクタンク2内の気圧を一定の値に保持するもので、第1の逆止弁12は、インクタンク内の気圧が所定の第1の値を超えると、弁が開放されてインク溶剤の蒸気が流出口112から流出し、第2の逆止弁13は、インクタンク内の気圧が第1の値より高い第2の値を超えると、弁が開放されてインク溶剤の蒸気が流出口113から流出する。
次に、図6に基づいて、溶剤蒸発抑制の原理を説明する。最初に、逆止弁12の機能について説明する。図6に、インクの溶剤としてよく使われるエタノールの飽和蒸気圧曲線を示す。図において、横軸は溶剤の温度、縦軸は蒸気圧を示す。
エタノールの蒸気圧が、蒸気圧曲線の右側の領域にある場合、エタノールは気体となり、蒸気圧曲線の左側の領域にある場合、エタノールは液体となる。従って、例えばプリンタが室温25℃の部屋に設置されている場合、エタノールの蒸気圧が約8kPaを超えると液体になる。
プリンタの通常の使用環境では、外気に対して開放されたインクタンク2内が飽和蒸気圧まで上昇することはありえないため、インクタンク内の溶剤は蒸発して外気中に放出される。このため、ガター51で回収し、インクタンク2に戻されたインクの溶剤は、時間の経過と共に蒸発して大気中に放出され、インクの粘度が高まるため、溶剤を補給する必要がある。
これに対し、蒸発抑制手段10を用いてインクタンク2を密閉した場合、ガター51で回収したインクと空気がタンク内に戻されると、タンク内の気圧が上昇して飽和蒸気圧約8kPaに到達する。引き続きインクと空気がタンクに戻され、タンク内の気圧が飽和蒸気圧を超えると、凝縮する溶剤の分子の数が蒸発する分子の数を上回るため、インク溶剤の蒸発が抑制される。
本発明では上述した原理を利用し、インクタンクに接続された管5iの逆止弁12が開放される気圧を、飽和蒸気圧を超える値に設定することによって、インク溶剤の蒸発を抑制している。逆止弁12が開放される気圧は、逆止弁に内蔵されるバネの弾性力によって調整できる。
図7に、インクタンクを開放した場合と密閉した場合の、インク溶剤の消費量を比較して示す。図7において、縦軸は溶剤の濃度を一定値に保持するために消費される溶剤の量を示す。なお、溶剤消費量を測定した際の環境温度は45℃であった。
図7の左側に示した棒グラフは、常圧すなわちインクタンク2が大気に開放されている場合の溶剤消費量である。一方、右側に示した棒グラフは、逆止弁12の圧力設定値を50kPaとした場合の溶剤消費量である。
図7から明らかなように、インクタンクが大気に開放されている場合の溶剤消費量(17.3ml/h)に比較し、インクタンク内を飽和蒸気圧以上に加圧した場合の溶剤消費量(3.6ml/h)は約20%であり、溶剤消費量が大幅に減少している。
このようにインクタンクを密閉してインク溶剤の飽和蒸気圧以上に保持した場合、インクタンクを大気に開放した場合に比較し、溶剤消費量を80%近く削減することができる。これにより、印刷にかかるランニングコストの大幅な削減が可能となる。
ちなみに、図7の測定で使用したインクは、溶剤としてメチルエチルケトンを使用したインクで、メチルエチルケトン(70〜90%)に、黒色の染料としてクロム酢酸(5〜10%)を加え、これに若干のシクロヘキサンとイソプロピルアルコール等を添加したものである。
次に、逆止弁13の機能について説明する。管5i内の気圧が第1の値より高い第2の値(本実施の形態では70kPa)を超えた時に、逆止弁13が開放され、インク蒸気が大気内に放出される。第1の逆止弁12が何らかの理由で故障して開放されなかったときに、第2の逆止弁13を開放することにより、インクタンク2内の気圧を下げて、タンクが変形したり破壊されたりするのを防止できる。
前述したように、特許文献2では、圧力センサで測定された圧力が所定の第2の値を超えたときに、分岐管に取り付けられた開閉弁を開放することによって、インクタンク内の圧力が上がり過ぎるのを防止している。しかし、この方法では、圧力センサを用いること、およびコントローラによる開閉弁の制御が必要になることから、プリンタのコストアップの原因となっていた。
これに対し、本実施の形態では、上述した2つの機能、すなわちインク溶剤の蒸発抑制とインクタンクの安全確保を、2つの逆止弁を三方接手の2つの流出口のそれぞれの近傍に圧入することで実現している。そして逆止弁には、航空分野において油圧配管に圧入して使用される小型(直径5.5mm程度)の逆止弁を用いている。市販されている逆止弁として、例えば、米国 The Lee Company 製 Pressure Relief Valve がある。
本実施の形態で用いる蒸発抑制手段は、構成が簡素であり、しかも圧力センサが不要であり、従ってコントローラによる開閉弁の制御も不要である。更に、上述の逆止弁は、比較的安価に入手できることから、インクジェットプリンタのコストダウンに寄与できる。
なお、上述した実施の形態では、インク溶剤としてメチルエチルケトンおよびエタノールを使用した場合の効果について説明したが、本発明の蒸発抑制手段は、他の溶剤を用いた場合にも、同様の効果を得られることは云うまでもない。
また上述した実施の形態では、2つの逆止弁を三方接手の流出口近傍に圧入したが、これに限定されず、例えば、専用の治具を用いて流出口に取り付けるようにしてもよい。
更に、上述した実施の形態では、三方接手を、管を介してインクタンクに取り付けたが、管を介することなく、インクタンクの蓋に直接取り付けるようにしてもよい。
1 インクジェットプリンタ
2 インクタンク
3 プリントヘッド
4 ポンプ
5、5a〜5j 管
9 コントローラ
10 蒸発抑制手段
11 三方接手
12、13、56 逆止弁
21 タンク本体
22 蓋
41〜44 ダイアフラムユニット
51 ガター
52〜54 フィルタ
55 ダンパー
57 絞り
61〜65 開閉弁
66 インク排出弁
71 圧力センサ
72 温度センサ
73 液面検出センサ
81、82 補給タンク
83 凝集タンク
111 流入口
112、113 流出口
I インク

Claims (5)

  1. インクを貯留するインクタンクと、
    当該インクタンクから供給されるインクを被印刷物の表面に向けて噴射するプリントヘッドと、
    当該プリントヘッドから噴射されたインクのうち印刷に使用されないインクを回収するガターと、
    前記インクタンクから前記プリントヘッドへのインクの移送および前記ガターで回収されたインクの前記インクタンクへの移送を行うポンプと、
    前記インクタンク内の気圧をインク溶剤の飽和蒸気圧を超える値に保持する蒸発抑制手段と、を備え、
    当該蒸発抑制手段は、
    前記インクタンクに管を介して、または直接取り付けられた、1つの流入口と2つの流出口を有する三方接手と、
    前記三方接手の第1の流出口を密閉するように取り付けられ、前記インクタンク内の気圧が所定の第1の値を超えたときに開放される第1の逆止弁と、
    前記三方接手の第2の流出口を密閉するように取り付けられ、前記インクタンク内の気圧が、前記第1の値より高い所定の第2の値を超えたときに開放される第2の逆止弁とで構成されることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記三方接手の第1の流出口には、前記第1の逆止弁で開放されたインク溶剤の蒸気を収集し、それを凝集および液化させてインク溶剤を回収する凝集タンクが、管を介して連結されている、請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記第1および第2の逆止弁は、円柱状の外形を有し、それぞれ前記三方接手の第1および第2の流出口近傍に圧入されている、請求項1または2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記インクタンクは、上面が開放された、インクを貯留するタンク本体と、当該タンク本体の上面を密閉した状態で覆う蓋とで構成される、請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記インクタンクから前記プリントヘッドに移送されるインクの圧力が所定の第3の値を超えたとき、インクの粘度が高まったと判断して前記インクタンクにインク溶剤を補給する、請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
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