JP6762064B2 - ロジウム回収剤及びロジウム回収方法 - Google Patents

ロジウム回収剤及びロジウム回収方法 Download PDF

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Description

本願はロジウム回収剤及びロジウム回収方法を開示するものである。
ロジウムは極めて希少で最も高価な貴金属の一つであり、産出地が偏在しているため、安定供給のためにはリサイクルが必須である。例えば、ロジウムは白金やパラジウムとともに自動車排気ガス浄化用触媒として用いられており、リサイクルの際は、白金やパラジウムを含む溶液からロジウムを選択的に回収する技術が必要となる。
一般に貴金属の回収には電解析出法やセメンテーション法、イオン交換法、溶媒抽出法などの方法が用いられる。これらの方法の中で経済性や操作性に優れた溶媒抽出法が広く用いられている。例えば、ジアルキルスルフィドを用いた溶媒抽出法により複数の貴金属を含む溶液からパラジウムを選択的に回収する方法が知られている(特許文献1)。しかしながら、ロジウムは効率的かつ選択的に回収できる抽出剤が存在しないため、他の貴金属を抽出した後の抽残液中から回収されてきた(特許文献2)。このような方法では最も高価な貴金属であるロジウムの回収が後回しになるため、回収コストがかかるという問題がある。
溶媒抽出法によるロジウム回収技術として、ピリジン環含有化合物を用いた例が報告されている(特許文献3)。該抽出剤では、ロジウムとベースメタルを分離することが可能であるが、白金やパラジウムとの分離については記載されていない。また、イミダゾール誘導体を用いた例では、金および白金とロジウムとの分離はある程度達成されているが、パラジウムとの分離はできていない(特許文献4)。白金およびパラジウムとロジウムとの分離は、アミド含有3級アミン化合物を用いることで可能であることが報告されている(特許文献5)。この方法では、該抽出剤を含む有機相に白金、パラジウム、ロジウムを含む水相を接触させることで、すべての金属を有機相に抽出する。その後、有機相を高濃度塩酸溶液と接触させることで、ロジウムのみを水相に逆抽出させることで選択的にロジウムを回収するものである。しかし、このような方法では、ロジウムを回収するために少なくとも2回の抽出工程を必要とするため、廃液が多量になることや工程の増加によってコストがかかるといった問題がある。また、ロジウムが白金およびパラジウムよりも抽出剤に吸着されにくいことを利用して、ロジウムのみを抽出剤から選択的に外す方法であるため、最初の抽出の段階においてロジウムのみを回収することは原理的に不可能である。
特開平9−279264号公報 特開2004−332041号公報 特開平5−295458号公報 特開2013−032563号公報 国際公開第2009/001897号
上記の先行技術に鑑み、本願では、ロジウムを低コストで効率的に回収可能な回収剤及び回収方法を開示する。また、白金、パラジウムおよびロジウム含有溶液からロジウムを選択的に回収する方法を提供する。
本願は、上記課題を解決するための手段の一つとして、下記一般式(1)で示される化学構造を有し、ロジウム回収後に6.0mol/L以上のいずれかの濃度にある塩酸に対して不溶の固体である、ロジウム回収剤を開示する。
一般式(1)中の左側の波線は、式(1)に係るアミドが他の材料に化学的に結合していてもよいことを意味する。すなわち「一般式(1)で示される化学構造を有し」とは、ロジウム回収剤を構成する材料の化学構造において、側鎖や末端に上記の化学構造を有しており、ロジウム回収剤の表面に当該化学構造が露出していることを意味する。
「6.0mol/L以上のいずれかの濃度にある塩酸に対して不溶」とは、ロジウム回収後の回収剤が、当該塩酸濃度範囲のうちの少なくとも一部において不溶であればよく、当該塩酸濃度範囲の全範囲において常に不溶である必要はない。
「ロジウム回収後」とは、「回収剤にロジウムが吸着・結合した状態」を意味する。すなわち、本開示のロジウム回収剤は、ロジウムを吸着・結合した状態において塩酸に不溶な固体状である。
本開示のロジウム回収剤は、下記一般式(2)で示される構造を有することが好ましい。すなわち、ベンズアニリド構造を有することが好ましい。
本願は、上記課題を解決するための手段の一つとして、上記のロジウム回収剤を用いて、ロジウムを含む混合物から、ロジウムを回収する方法であって、前記ロジウム回収剤と前記混合物とを濃度6.0mol/L以上の塩酸に含ませ、前記ロジウム回収剤に前記ロジウムを吸着させる、ロジウム回収方法を開示する。
本開示のロジウム回収方法において、前記混合物が白金及びパラジウムから選ばれる少なくとも一種とロジウムとを含むことが好ましい。
本開示のロジウム回収方法において、前記ロジウム回収剤全体に含まれるアミノ基と前記混合物に含まれる前記ロジウムとのモル比(NH/Rh)を10以上とすることが好ましい。
本開示のロジウム回収剤及びロジウム回収方法によれば、ロジウムを低コストで効率的に回収可能である。
本開示のロジウム回収剤によってロジウムを回収する推定メカニズムを説明するための図である。 実施例における実験手順を説明するための概略図である。 4POA−mとロジウムとのモル比(NH/Rh)を30とし、振とう時間を24時間とし、塩酸濃度を1mol/Lから10mol/Lの範囲で変化させた場合におけるロジウム、パラジウム及び白金の回収率を示す図である。 塩酸濃度を8mol/Lとし、振とう時間を24時間とし、4POA−mとロジウムとのモル比(NH/Rh)を2〜100の範囲で変化させた場合におけるロジウム、パラジウム及び白金の回収率を示す図である。 4POA−mとロジウムとのモル比(NH/Rh)を30とし、塩酸濃度を8mol/Lとし、振とう時間を10分〜24時間の範囲で変化させた場合におけるロジウム、パラジウム及び白金の回収率を示す図である。 塩酸濃度を6mol/Lとし、ODA−mのアミノ基とロジウムとのモル比(NH/Rh)を30とし、振とう時間を3時間とした場合におけるロジウム、パラジウム及び白金の回収率を示す図である。 塩酸濃度を6mol/Lとし、振とう時間を24時間とし、4POA−oのアミノ基とロジウムとのモル比(NH/Rh)を5〜100の範囲で変化させた場合におけるロジウム、パラジウム及び白金の回収率を示す図である。 塩酸濃度を6mol/Lとし、振とう時間を24時間とし、4POA−pのアミノ基とロジウムとのモル比(NH/Rh)を5〜100の範囲で変化させた場合におけるロジウム、パラジウム及び白金の回収率を示す図である。
1.ロジウム回収剤
本開示のロジウム回収剤は、下記一般式(1)で示される化学構造を有し、ロジウム回収後に6.0mol/L以上のいずれかの濃度にある塩酸に対して不溶であることを特徴とする。
本開示のロジウム回収剤は、上記一般式(1)で示される化学構造を有する。上記一般式(1)中の左側の波線は、式(1)に係るアミドが他の材料に官能基として化学的に結合していてもよいことを意味する。すなわち、本開示のロジウム回収剤は、当該ロジウム回収剤を構成する材料の化学構造において、側鎖や末端に上記の化学構造を有しており、ロジウム回収剤の表面に当該化学構造が露出している。例えば、表面に当該化学構造を有する不溶性の高分子(イオン交換樹脂等)としてもよい。
特に、本開示のロジウム回収剤は、下記一般式(2)で示される化学構造を有することが好ましい。すなわち、ベンズアニリド構造を有することが好ましい。
本開示のロジウム回収剤は、濃度6.0mol/L以上の塩酸において、ロジウムを選択的に吸着・結合する。このような高濃度の塩酸においては、ロジウムは2価又は3価のアニオン錯体(特に3価のアニオン錯体)として存在することが知られている(Hydrometallurgy, 1996, 40, 135-152)。
図1に、本開示のロジウム回収剤によってロジウムを回収する推定メカニズムを示す。本開示のロジウム回収剤は、上述の高濃度の塩酸において末端のアミノ基がアンモニウムカチオンとなり得る。一方で、上述の通り、ロジウムはアニオン錯体として存在する。すなわち、本開示のロジウム回収剤は、アンモニウムカチオンとロジウムアニオン錯体との静電相互作用によって、ロジウムを吸着・結合するものと推定される。本開示のロジウム回収剤はロジウム回収後に固体であることから、塩酸から固形分を回収するだけで、ロジウムを優先的に回収できる。このように、本開示のロジウム回収剤は、有機溶媒に溶解させることなく使用するものであり、特許文献1および3〜5に開示されたような従来の溶媒抽出法とはロジウムの抽出・回収メカニズムが大きく異なる。
尚、本開示のロジウム回収剤は上述の通り、ロジウム回収後に所定濃度の塩酸に対して不溶の固体であることが前提である。本開示のロジウム回収剤は、これらの前提事項を考慮して上記化学構造以外の構造が決定される。本開示のロジウム回収剤は、粉体状や塊状であってもよいし、成形体(例えば、膜状)であってもよい。
2.ロジウム回収方法
上述の通り、所定の高濃度塩酸中で、本開示のロジウム回収剤にロジウムを吸着・結合させることで、ロジウムを優先的に回収できる。以下、本開示のロジウム回収方法の具体的な形態について説明する。
本開示のロジウム回収方法は、上述のロジウム回収剤を用いて、ロジウムを含む混合物から、ロジウムを回収する方法であって、当該ロジウム回収剤と混合物とを濃度6.0mol/L以上の塩酸に含ませ、ロジウム回収剤にロジウムを吸着させることを特徴とする。
2.1.混合物
混合物には少なくともロジウムが含まれており、さらにその他の金属や貴金属が含まれていてもよい。本発明者らの知見によれば、混合物中にロジウム以外の貴金属として、パラジウム及び白金から選ばれる少なくとも一つが含まれていたとしても、本開示のロジウム回収剤によってロジウムを優先的に回収できる。例えば、混合物として、自動車排気ガス浄化用触媒そのものを適用することができる。
2.2.塩酸
本開示のロジウム抽出剤は、濃度6.0mol/L以上の塩酸においてのみ、高いロジウム選択性を発揮する。一方で、本開示のロジウム吸着剤は、濃度6.0mol/L未満の塩酸においては、ロジウムだけでなく他の貴金属元素をも吸着してしまう。
2.3.その他の条件
上述の通り、本開示のロジウム回収剤は、ロジウム回収後に上記の所定濃度の塩酸に対して不溶な固体であることが前提である。この前提を維持できる限り、ロジウム回収時の温度や圧力や雰囲気については特に限定されるものではない。常温・常圧・大気雰囲気でも効率的にロジウムを回収できる。
本発明者らの知見では、ロジウム回収剤全体に含まれるアミノ基と混合物に含まれるロジウムとのモル比(NH/Rh)を10以上とした場合、混合物からのロジウムの回収率が一層向上する。より好ましくは当該モル比(NH/Rh)を20以上とする。尚、当該モル比の上限は特に限定されるものではない。本発明者らの知見では、当該モル比を100以上と過大とした場合であっても、高いロジウム選択性及びロジウム回収率が得られる。
本発明者らの知見では、ロジウム回収剤及び混合物の塩酸への浸漬時間については、特に限定されるものではなく、短時間の浸漬でロジウム回収剤に混合物を吸着・結合させることができる。ただし、浸漬の際は、振とうや攪拌を行うことが好ましい。振とうを行う場合、振とう時間は好ましくは10分以上である。
以上の通り、本開示のロジウム回収剤を用いることで、所定の濃度の塩酸中で、混合物からロジウムを固体状にて選択的に回収することができる。
<製造例1>
ロジウム回収剤として下記式(3)で示されるジアミン(以下「4POA−m」という場合がある。)を公知の方法(Polymer Chemistry, 2015, 6, 4758-4765)を参考にして、下記の方法で合成した。
冷却管、アルカリトラップをつけた二口フラスコに3,5−ビス(トリフルオロアセトアミド)安息香酸0.87g(2.5mmol)、塩化チオニル15mLを入れ、90℃で3時間撹拌した。その後、塩化チオニルを除去し、固体を得た。得られた固体にN,N−ジメチルアセトアミド5mLを加え溶解させ、それに4−フェノキシアニリン0.43g(2.3mmol)を加え、窒素雰囲気下で一晩撹拌させた。50℃で1時間撹拌した後、水0.35mLを加え、さらに50℃で1時間撹拌した。その後、ヒドラジン一水和物2.5mLを加え50℃で4時間撹拌した。5%重曹水に再沈殿し、沈殿物を吸引ろ過後、室温で12時間減圧乾燥した。収量0.66g、収率88%で4POA−mを得た。
<製造例2>
ロジウム回収剤として下記式(4)で示されるテトラミン(以下「ODA−m」という場合がある。)を公知の方法(Polymer Chemistry, 2015, 6, 4758-4765)を参考にして、下記の方法で合成した。
冷却管、アルカリトラップをつけた二口フラスコに3,5−ビス(トリフルオロアセトアミド)安息香酸1.65g(4.8mmol)、塩化チオニル15mLを入れ、90℃で3時間撹拌した。その後、塩化チオニルを除去し、固体を得た。得られた固体にN,N−ジメチルアセトアミド8mLを加え溶解させ、それに4,4’−オキシジアニリン0.40g(2.0mmol)を加え、窒素雰囲気下で一晩撹拌させた。50℃で1時間撹拌した後、水0.5mLを加え、さらに50℃で1時間撹拌した。その後、ヒドラジン一水和物4mLを加え50℃で4時間撹拌した。5%重曹水に再沈殿し、沈殿物を吸引ろ過後、室温で12時間減圧乾燥した。収量0.95g、収率100%でODA−mを得た。
<実施例1>
ロジウム、パラジウム及び白金をそれぞれ100ppmずつ含む塩酸に、ロジウム回収剤として4POA−mを浸漬した後で、振とう及び遠心分離し、上澄み液を回収して、当該上澄み液に含まれるロジウム、パラジウム及び白金の濃度をICPにて分析することで、回収剤に吸着・結合したロジウム、パラジウム及び白金の回収率を算出した。参考までに図2に実験手順の詳細を示す。
塩酸の濃度、4POA−mとロジウムとのモル比(NH/Rh)、振とう時間を変化させて、ロジウム、パラジウム及び白金の回収率をそれぞれ確認した。結果を図3〜5に示す。
図3に、4POA−mとロジウムとのモル比(NH/Rh)を30とし、振とう時間を24時間とし、塩酸濃度を1.0mol/L〜10mol/Lの範囲で変化させた場合におけるロジウム、パラジウム及び白金の回収率を示す。図3から明らかなように、塩酸濃度6.0mol/L未満において、4POA−mは、ロジウム、パラジウム及び白金すべてについて吸着性を示した。一方で、塩酸濃度6.0mol/L以上では、ロジウムに対してのみ、選択吸着性を示した。
図4に、塩酸濃度を8mol/Lとし、振とう時間を24時間とし、4POA−mとロジウムとのモル比(NH/Rh)を2〜100の範囲で変化させた場合におけるロジウム、パラジウム及び白金の回収率を示す。図4から明らかなように、8M塩酸において、4POA−mは、ロジウム、パラジウム及び白金を含む混合物に対して、ロジウムについて選択吸着性を示し、パラジウム及び白金については選択吸着性を示さなかった。また、モル比(NH/Rh)が20までの領域では、4POA−mの添加量が増大するほど、ロジウムの回収率が増大した。一方で、モル比(NH/Rh)を30以上と多量としても、モル比が20の場合からロジウム回収率が増大することはなく、ロジウム回収率は90%程度と高い値を維持した。
図5に、4POA−mとロジウムとのモル比(NH/Rh)を30とし、塩酸濃度を8mol/Lとし、振とう時間を10分〜24時間の範囲で変化させた場合におけるロジウム、パラジウム及び白金の回収率を示す。図5から明らかなように、ロジウムは4POA−mに早期に吸着し、振とう時間を増大させても、ロジウム回収率にほとんど変化がなかった。
<実施例2>
ロジウム回収剤として、4POA−mに替えて、ODA−mを用い、塩酸濃度を6mol/Lとし、モル比(NH/Rh)を30とし、振とう時間を3時間として、実施例1と同様の操作で実験を行い、ロジウム、パラジウム及び白金の回収率を算出した。結果を図6に示す。
図6に示すように、ODA−mにより、ロジウム、パラジウム及び白金を含む混合物から、ロジウムのみを選択的に回収することができた。ロジウムの回収率は約70%であった。
<比較製造例1>
ロジウム回収剤として下記式(5)で示されるジアミン(以下「4POA−o」という場合がある。)を公知の方法(Polymer Chemistry, 2015, 6, 4758-4765)を参考にして、下記の方法で合成した。
冷却管、アルカリトラップをつけた二口フラスコに3,4−ビス(トリフルオロアセトアミド)安息香酸0.87g(2.5mmol)、塩化チオニル10mLを入れ、90℃で3時間撹拌した。その後、塩化チオニルを除去し、固体を得た。得られた固体にN,N−ジメチルアセトアミド5mLを加え溶解させ、それに4−フェノキシアニリン0.43g(2.3mmol)を加え、窒素雰囲気下で一晩撹拌させた。50℃で1時間撹拌した後、水0.35mLを加え、さらに50℃で1時間撹拌した。その後、ヒドラジン一水和物2.5mLを加え50℃で4時間撹拌した。5%重曹水に再沈殿し、沈殿物を吸引ろ過後、室温で12時間減圧乾燥した。収量0.74g、収率98%で4POA−oを得た。
<比較製造例2>
ロジウム回収剤として下記式(6)で示されるアミン(以下「4POA−p」という場合がある。)を公知の方法(Polymer Chemistry, 2015, 6, 4758-4765)を参考にして、下記の方法で合成した。
冷却管、アルカリトラップをつけた二口フラスコに4−トリフルオロアセトアミド安息香酸0.63g(2.7mmol)、塩化チオニル10mLを入れ、90℃で3時間撹拌した。その後、塩化チオニルを除去し、固体を得た。得られた固体にN,N−ジメチルアセトアミド5mLを加え溶解させ、それに4−フェノキシアニリン0.46g(2.5mmol)を加え、窒素雰囲気下で一晩撹拌させた。50℃で1時間撹拌した後、水0.35mLを加え、さらに50℃で1時間撹拌した。その後、ヒドラジン一水和物1.4mLを加え50℃で4時間撹拌した。5%重曹水に再沈殿し、沈殿物を吸引ろ過後、室温で12時間減圧乾燥した。収量0.72g、収率96%で4POA−pを得た。
<比較例1>
ロジウム回収剤として、4POA−mに替えて、4POA−oを用い、塩酸濃度を6mol/Lとし、振とう時間を24時間とし、4POA−oのアミノ基とロジウムとのモル比(NH/Rh)を5〜100の範囲で変化させた場合について、実施例1と同様の操作で実験を行い、ロジウム、パラジウム及び白金の回収率を算出した。結果を図7に示す。
図7に示すように、回収剤として4POA−oを用いた場合、ロジウム、パラジウム及び白金を含む混合物から、ロジウムのみを選択的に回収することはできなかった。ロジウム単独の回収率についても30%未満と低い値であった。
<比較例2>
ロジウム回収剤として、4POA−mに替えて、4POA−pを用い、塩酸濃度を6mol/Lとし、振とう時間を24時間とし、4POA−pのアミノ基とロジウムとのモル比(NH/Rh)を5〜100の範囲で変化させた場合について、実施例1と同様の操作で実験を行い、ロジウム、パラジウム及び白金の回収率を算出した。結果を図8に示す。
図8に示すように、回収剤として4POA−pを用いた場合、ロジウム、パラジウム及び白金を含む混合物から、ロジウムのみを選択的に回収することはできなかった。ロジウム単独の回収率についても1%未満とほとんど回収できなかった。
以上、実施例及び比較例の結果から、ロジウム回収剤として好適に機能する材料は以下の条件1〜3を備えたものと考えられる。
(条件1)末端にm−フェニレンジアミン構造(3,5−フェニレンジアミン構造)を有する。
(条件2)m−フェニレンジアミンがアミド結合を介して何らかの材料に化学的に結合している。
(条件3)ロジウムアニオン錯体が2価又は3価となるような高濃度塩酸(濃度6.0mol/L以上)においてロジウム回収後に不溶の固体となる。
本開示の材料は、複数種類の貴金属を含む混合物から、ロジウムを回収することができる。例えば、自動車排気ガス浄化用触媒をリサイクルする際のロジウム回収剤として好適に利用可能である。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で示される化学構造を有し、ロジウム回収後に6.0mol/L以上のいずれかの濃度にある塩酸に対して不溶の固体である、ロジウム回収剤。
  2. 下記一般式(2)で示される構造を有する、請求項1に記載のロジウム回収剤。
  3. 請求項1又は2に記載のロジウム回収剤を用いて、ロジウムを含む混合物から、ロジウムを回収する方法であって、前記ロジウム回収剤と前記混合物とを濃度6.0mol/L以上の塩酸に含ませ、前記ロジウム回収剤に前記ロジウムを吸着させる、ロジウム回収方法。
  4. 前記混合物が白金及びパラジウムから選ばれる少なくとも一つとロジウムとを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記ロジウム回収剤全体に含まれるアミノ基と前記混合物に含まれる前記ロジウムとのモル比(NH/Rh)を10以上とする、請求項3又は4に記載の方法。
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