JP6761599B2 - バレル研磨方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属製部品のバレル研磨方法に関する。
金属製部品のバリ取りや面粗度調整を行うために、バレル研磨機を用いることは広く知られている(たとえば、特許文献1)。バレル研磨は、ワークである金属製部品と研磨メディアと(湿式の場合は、さらに水とコンパウンド)をバレル槽に投入し、これらを流動させることで研磨メディアをワークに接触させて研磨する。
特開2015−168054号公報
バレル研磨を行っている際、ワークはメディアの流動に追従して移動している。その為、凹部が形成されているワークにおける凹部や隅角部の研磨は、凸部や外郭の研磨の進行に比べて遅い。従って、凹部表面や隅角部の面粗度が要求されている場合、全体として研磨時間が長くなる。
上記に鑑み、本発明では凹部が形成されている金属製部品や隅角部を有する金属製部品を効率よくバレル研磨する方法を提供する。
本発明の一側面は、凹部が形成された金属製部品のバレル研磨方法である。このバレル研磨方法は、下記(1)〜(4)の工程を含む。
(1)金属製部品であるワークを研磨治具に固定する工程。
(2)バレル研磨機のバレル槽内の所定の位置に固定されるようにワークをセットする工程。
(3)バレル槽に研磨媒体を投入する工程。
(4)バレル研磨機を作動させてワークを研磨する工程。
本発明の一側面の研磨媒体は、乾式バレル研磨の場合は研磨メディア及び必要に応じて研磨助剤、湿式バレル研磨の場合は研磨メディア及び水及び必要に応じてコンパウンド、を指す。本発明の一側面では、ワークが固定されているので研磨メディアが凹部に接触する機会が増える。したがって、ワークの研磨時間を短縮することができる。
本発明の一実施形態は、前記ワークを研磨する工程は、前記バレル研磨機を作動させることでバレル槽を振動させると共に、該バレル槽に投入された研磨媒体を撹拌する工程を含んでもよい。この時、マスのバレル槽の底部からの高さの最小値をH、最大値をHとしたときに、前記ワークの被研磨面と前記バレル槽の底部との距離dが、d≦(H+H)×3/4となるようにワークをセットしてもよい。ここで、最小値H及び最大値Hは研磨中における研磨媒体で形成されるマスの流動状態をバレル槽の中央部におけるマスの流動方向での縦断面形状で代表させた際のマスの位置を指す。研磨メディアが十分に撹拌しており、かつ研磨メディアに十分な荷重がかかっていることにより研磨力が増大していることから、ワークの研磨時間を短縮することができる。
本発明の一実施形態は、ワークの被研磨面をマスの流動状態を示す縦断面形状における水平方向の中心よりマスの高さが最小値Hとなる側にセットしてもよい。ワークが固定されていることでマスの流動状態が阻害されるが、この位置にセットすることで阻害の影響を小さくすることができる。
本発明の一実施形態は、ワークの凹部を凹曲面の溝とし、研磨媒体における研磨メディアは球形としてもよい。凹曲面に沿うように研磨メディアが接触するので、凹部を効率よく研磨することができる。この場合、より効率よく研磨するための、研磨メディアの径をこの溝の幅の50〜90%としてもよい。
本発明の一実施形態は、ワークの凹部を一方向に伸延する溝とし、この溝がマスの流動面に対して垂直となるようにワークをセットしてもよい。流動している研磨メディアが溝全体に接触するので、均一に研磨することができる。
本発明の一側面及び一実施形態により、凹部が形成された金属製部品を効率よく研磨する方法を提供することができる。
本発明の一実施形態における研磨の態様を示す模式図である。図1(A)はマスの流動方向での縦断面形状を示す断面図、図1(B)は図1(A)におけるA−A断面図、である。 本発明の一実施形態で研磨したワークを示す模式図である。 本発明の一実施形態において、ワークをセットする位置を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態のバレル研磨方法を説明するためのフロー図である。
本発明のバレル研磨方法の一実施形態を、図を参照して説明する。ここでは、ワークをボックスタイプの振動バレル研磨機で研磨した場合を例示する。なお、以下の説明において「上・下・右・左」方向は特に断りのない限り図中の方向を指す。
本発明の一実施形態で用いた振動バレル研磨機10を図1に示す。振動バレル研磨機10は上部が開口した研磨槽11を備え、バネ12を介して台座13上に設置されている。
研磨槽11はその下部にベアリング14を備え、カウンターウェイト15を固定させた回転軸15aを、ベアリング14を介して回転自在に固定する。回転軸15aは回転を伝達するカプラ16を介してモータ17に接続されている。
研磨槽11はキャビティ11aを有しており、キャビティ11aには研磨メディアPと水とコンパウンドとが投入されている。モータ17を作動させると、研磨槽11に投入された研磨メディアP及び水及びコンパウンドで形成されるマスMは図1(A)に示すようにバレル槽11で流動状態になる。
ワーク20は研磨治具30に固定され、研磨槽11の内部にセットされている。ワーク20は流動状態にあるマスMの研磨メディアPと接触することで研磨される。
本実施形態で研磨するワーク20は、図2に示すようなコ字状の鋼材であって、内側の隅角部に凹曲面の溝21が形成されている。即ち、本実施形態で研磨するワークWは、一方向(同図で上下方向)に伸延する溝21であり、その溝21は凹曲面で形成されている。ここでは、ワーク20の凹曲面の溝21、及び内壁面25a、25b、25cを研磨する方法について図3、4をさらに用いて説明する。
(S01:ワークを研磨治具に固定する工程)
ワーク20を研磨治具30に固定する。研磨治具30は、被研磨面を露出させた状態でワーク20を固定でき、且つ研磨時に変形しない強度を有しており、且つマスMに対して耐食性を有していれば、その形態は特に限定されない。本実施形態では板状の鋼材を研磨治具30とした。ワーク20を固定する面にはワーク20を把持するための把持具31が設けられており、把持具31を介して4つのワーク20を並列に固定した。
(S02:ワークを研磨槽内にセットする工程)
研磨治具30に固定されたワーク20を研磨槽11のキャビティ11aに固定されるようにセットする。本実施形態では、ボルトを介して研磨治具30を研磨槽11に固定した。固定する向きは、図1(A)の視点で溝21が垂設され、且つこの溝21がマスMに対して所定の位置となるようにセットする。ワーク20をセットする位置についての詳細は後述する。
(S03:研磨媒体を投入する工程)
バレル槽11のキャビティ11aに、研磨媒体である研磨メディアP、水、コンパウンドを投入する。研磨メディアPは、砥粒を樹脂に分散させて形成された研磨メディア(樹脂メディア)、セラミックス質の研磨メディア(セラミックスメディア。砥粒及び粘土質を混練して焼成した研磨メディア(焼成メディア)や砥粒同士を焼結した研磨メディア(焼結メディア))、金属で構成される研磨メディア(金属メディア)、等から適宜選択することができる。
研磨メディアPの形状は、被研磨面の形状に合わせて適宜選択される。本実施形態の被研磨面は凹曲面の溝21、及び内壁面25a、25b、25cであり、凹曲面の溝21は研磨メディア11と接触する機会が他の面に比べて少ない。従って、凹曲面の溝21に対して研磨メディア11が接触する機会を増加させることで、ワーク11全体の研磨時間を短縮することができる。本実施形態の研磨メディア11は、球形状とした。
また、研磨メディア11の径を適宜選択することで、凹曲面の溝21に対して研磨メディア11が接触する機会をさらに増加することができる。研磨メディア11の径を、凹曲面の溝21の幅に対して50〜90%、より好ましくは75〜85%とするとよい。研磨メディア11の径が小さすぎると研磨メディア11自体の研磨能力が小さく、大きすぎると凹曲面の溝21と接触する機会が減少する。
コンパウンドは目的に応じて、コンパウンドの種類および量を適宜選択することができる。目的は、例えば(1)〜(10)のいずれかを挙げることができる。
(1)研磨力の向上
(2)研磨メディアの洗浄および研磨力の持続(研磨メディアの目詰まりを防止)
(3)被加工物の洗浄
(4)被加工物の光沢度の向上
(5)被加工物のスケールの除去。
(6)被加工物の油脂の除去
(7)被加工物に防錆効果を付与、または被加工物の変色の防止
(8)被加工物表面に打撃痕の形成を防止
(9)水を軟化
(10)被加工物が硬脆材料の場合、チッピングの抑制
(S04:研磨する工程)
モータ17を作動させるとカウンターウェイト15が回転し、カウンターウェイト15の回転に応じて研磨槽11が楕円形の軌道を描きながら振動する。この振動により研磨媒体は流動状態になり、マスMを形成する。ここで、マスの流動状態を図3に示す。図3は図1(A)と同じ視点であり、研磨中における研磨メディアPを含むマスMの流動状態をバレル槽の中央部における研磨メディアの流動方向での縦断面形状を示す。マスMの流動方向での断面形状で代表されたマスMの形状は、研磨槽11の底部11bからの高さの最小値をH、最大値をHとすることができる。ここで、研磨槽11の縦断面形状において、底部11bの湾曲部での最大幅Dの1/4、1/2、3/4の位置でのマスMの上面a、b、cの3点を結んだ仮想直線と研磨槽11との交点をそれぞれH、Hとすることができる。
マスMを形成する流動状態の研磨メディアPがワーク20と接触することにより、ワークが研磨される。ここで、ワーク20は図1(A)における研磨槽11の左右方向中央よりマスの高さ位置がH方向である左方にセットされている。通常のバレル研磨では、ワークは固定せず研磨メディアと共に流動状態にすることで研磨を行うが、本実施形態ではワーク20を固定しているので、この固定によりマスMの流動が阻害される。マスMの流動が過度に阻害されると、研磨メディアPが研磨を行うのに十分な運動エネルギーを有しない状態でワークと接触し、またはワーク20と研磨メディアPが接触する機会が減少するので、十分に研磨を行うことができない。本実施形態のように、ワーク20をマスMの高さが最小値となる側に配置することで、マスMの流動の阻害によるワーク20の研磨への影響を少なくすることができる。
また、ワーク20は、マスMが被研磨面に向かって流動するようにセットされている。即ち、本実施形態においてはコ字状の脚部22がマスMの高さが最大値となる側(図1(A)における右方向)となるようにセットされている。
本実施形態のワーク20は図2における上下方向に平行する二本の溝21が形成されている。ワークは、この溝21がマスMの流動面に対して垂直となるようにセットされている。即ち、図1(A)では、溝21が上下方向となるようにワークがセットされている。マスMの流動に係るベクトルは、マスMの流動面に対する平行方向(図1(A)における紙面鉛直方向)より、垂直方向(同図における上下方向)の方が大きい。本実施形態のようにワーク20をセットすることで、研磨効率を向上させることができる。
マスM は流動形状内で速度分布を有している。また、位置によって上方に位置する他の研磨メディアPの質量が加わり、研磨力が増大している。これらを鑑み、ワーク20の被研磨面の高さ位置とバレル槽の底部11bとの距離d がd≦(H1+H2)×3/ となるようにワーク20をセットするのが好ましい。d が大きすぎると、上方に位置する他の研磨メディアPの質量が不十分で研磨力が小さい。
さらに、(H+H)×1/8≦d≦(H+H)×3/となるようにワーク20をセットするのがより好ましい。即ち、本実施形態ではワーク20の底面24の高さ位置が(H+H)×1/以上であり、天面23の高さ位置が(H+H)×3/以下とするのが好ましい。dが小さすぎるとワーク20の底面24とキャビティ11aとの隙間が小さくなり、マスMの流動が阻害される恐れがある。
(S05:ワークを回収する工程)
モータ17を所定時間作動させた後、即ち所定時間研磨を行った後、モータ17の作動を停止する。次いで、研磨治具30を研磨槽11から取り外した後、把持具31によるワーク20の把持を解除し、ワーク20を回収する。回収したワーク20を水洗し、必要に応じて防錆処理を行い研磨が完了する。
次に、本実施形態のバレル研磨方法で金属製部品を研磨した結果について説明する。
ワークは、図2に示すようにコ字状で内側の隅角部に凹曲面の溝(4〜5mm幅)が形成された鋼材(50mm×35mm×20mmのクロムモリブデン鋼)を用いた。
このワークをボックスタイプの振動バレル研磨機(新東工業株式会社製:VF−1423W型)にセットし、2時間研磨を行った。この時、ワークをセットする方向、ワークをセットする位置、研磨メディアの形状及び寸法、を変更してそれぞれ研磨を行った。
研磨後、2本の溝に対して図2における天面より底面に向かって10mm、25mm、40mmの位置にて表面粗さRa(JIS B0601:1994にて規定)をそれぞれ測定し、「研磨の進行」と「仕上げ程度のばらつき」の評価を行った。評価基準は以下のようにした。
<研磨の進行>
研磨前及び研磨後の表面粗さRaの平均値をそれぞれ算出した。そして、「(研磨前の表面粗さの平均値)−(研磨後の表面粗さの平均値)」を算出し、この値を用いて以下の通り評価した。
○:算出した値が0.17以上
△:算出した値が0.10以上0.17未満
×:算出した値が0.10未満
<仕上げ程度のばらつき>
研磨後の表面粗さRaの平均値を算出した。そして、「(研磨後の表面粗さ)−(研磨後の表面粗さの平均値)」の絶対値を算出し、「(算出した絶対値)/(研磨後の表面粗さの平均値)×100」を算出し、この値を用いて以下の通り評価した。
○:算出した値が5%以内
△:算出した値が5%以上9%未満
×:算出した値が9%以上
結果を表1に示す。表1における記載は以下の通りである。
<ワークの向き>
ワークをセットする方向を指し、垂直・水平はマスの流動面にするワークの溝の方向を示す。
<ワークの高さ位置>
ワークをセットする高さ位置を指す。天面・底面は図2における位置と同じであり、研磨槽のキャビティ底部からの距離を示す。
A:ワークの天面及び底面からキャビティ底部までの距離が、共に(H+H)×1/4以上(H+H)×3/4を充足する。
B:ワークの天面からキャビティ底部までの距離が、(H+H)×1/4以上(H+H)×3/4を充足するが、ワークの底面からキャビティ底部までの距離が、(H+H)×1/4未満である。
C:ワークの底面からキャビティ底部までの距離が、(H+H)×1/4以上(H+H)×3/4を充足するが、ワークの天面からキャビティ底部までの距離が、(H+H)×3/4を超える。
<ワークの水平位置>
ワークをセットする水平位置(図3における左右方向)を指す。マスの上面が最小値となる側の研磨槽の壁面の水平位置をゼロ点とし底部の湾曲部での最大幅をDとして、ワークをセットする水平位置を以下の通り示す。
A:1/4×D
B:1/2×D
C:3/4×D
<メディア>
A:球形状であり、径がφ2mmの焼結メディア
B:球形状であり、径がφ4mmの焼結メディア
C:球形状であり、径が6mmの焼結メディア
D:球形状であり、径が12mmの焼結メディア
E:三角柱形状であり、4mm×4mm×4mmの焼結メディア
<ワークの向きの影響>
マスの流動面にするワークの溝の方向が垂直である実施例1は「研磨の進行」及び「仕上げ程度ばらつき」の評価が共に○評価であったが、ワークの向きが水平でありその他の条件は実施例1と同じである実施例2は共に△評価となった。△評価は実用で使用するには問題のない程度に低い評価であり、研磨条件を最適化することで○評価となる可能性がある評価である。しかし、水平にセットすることで流動する研磨メディアの運動エネルギーが垂直方向の場合に比べて十分に伝わらなかったので、評価が低下したと推測される。
<ワークの高さ位置の影響>
ワークの天面及び底面からキャビティ底部までの距離が(H+H)×1/8〜(H+H)×3/4を充足する実施例1は「研磨の進行」及び「仕上げ程度のばらつき」の評価が共に○評価であった。これに対し、ワークの天面からキャビティ底部までの距離が、(H+H)×1/4〜(H+H)×3/4を充足するが、ワークの底面からキャビティ底部までの距離が、(H+H)×1/4未満である実施例3は、「研磨の進行」の評価が△評価であった。これは、ワークの底面と研磨槽の底部との距離が短くなったことにより研磨メディアの流動化が阻害されたためであると推測される。
また、ワークの底面からキャビティ底部までの距離が、(H+H)×1/4〜(H+H)×3/4を充足するが、ワークの天面からキャビティ底部までの距離が、(H+H)×3/4を超える比較例1は、「研磨の進行」及び「仕上げ程度のばらつき」の評価が共に×評価であった。これは、ワークの天面近傍では研磨メディアに負荷される他の研磨メディアの荷重が不足することで、ワークの底面近傍での研磨力と大きな差が生じたためであると推測される。
<ワークの水平位置の影響>
ワークの水平位置が1/4×Dを満たす実施例1は「研磨の進行」及び「仕上げ程度のばらつき」の評価が共に○評価であった。これに対し、1/2×Dである実施例4は「研磨の進行」の評価が△評価であった。これは、流動するマスの高さが最大値Hとなる研磨槽壁面との距離とワークとの距離が短くなったことで、流動が阻害されて研磨力が低下したためと推測される。
この距離がさらに短くなった比較例3は、「研磨の進行」の評価が×評価、「仕上げ程度のばらつき」の評価が△評価となり、さらに評価が低下した。
<研磨メディアの影響>
溝の幅の75〜85%を満たす径の球形状の研磨メディアを使用した実施例1は「研磨の進行」及び「仕上げ程度のばらつき」の評価が共に○評価であった。また、溝の幅の50〜75%を満たす径の球形状の研磨メディアを使用した実施例5及び溝の幅の85〜90%を満たす径の球形状の研磨メディアを使用した実施例5は、「研磨の進行」及び「仕上げ程度のばらつき」の評価が共に△評価であった。これより、溝の幅の75〜85%を満たす径の球形状の研磨メディアを使用することで、より効率よく研磨できることがわかった。
一方、溝の幅より大きい径の球形状の研磨メディアを使用した比較例3は、「研磨の進行」及び「仕上げ程度のばらつき」の評価が共に×評価であった。これは、研磨メディアが溝の凹曲面に十分に接触しなかったことに起因すると推測される。また、球形状以外の形状の研磨メディアを使用した比較例4は、「研磨の進行」の評価が△評価、「仕上げ程度のばらつき」の評価が×評価となった。これは、研磨メディアの鋭角部が凹曲面に接触することで、凹曲面に打痕が発生したことによると推測される。
本発明の一側面及び一実施形態のバレル研磨方法は、リニアガイドにおけるブロックやスラスト玉軸受の軌道盤など凹部が形成された金属製部品の研磨に用いることができる。
本発明の一側面及び一実施形態のバレル研磨方法は、凹曲線である溝が形成されたワークの研磨ばかりでなく、V字の溝等他の形状の溝が形成されたワークの研磨にも用いることができる。
10 振動バレル研磨装置
11 バレル槽
11a キャビティ
11b 底部
12 バネ
13 架台
14 ベアリング
15 カウンターウェイト
15a 回転軸
16 カプラ
17 回転モータ
20 ワーク
21 溝
22 脚部
23 天面
24 底面
25a、25b、25c 被研磨面
30 研磨治具
30a 把持具
M マス
P 研磨メディア

Claims (2)

  1. 凹部が形成された金属製部品のバレル研磨方法であって、
    前記金属製部品であるワークはコ字状であり、該ワークの内側の隅角部には一方向に伸延する凹曲面の溝である凹部が形成されており、
    前記金属製部品であるワークを研磨治具に固定する工程と
    レル研磨機のバレル槽内の所定の位置に固定されるように前記ワークをセットする工程と、
    前記バレル槽に研磨媒体を投入する工程と、
    前記バレル研磨機を作動させて前記ワークを研磨する工程と、
    を含み、
    前記ワークを研磨する工程は、前記バレル研磨機を作動させることでバレル槽を振動させると共に、該バレル槽に投入された研磨媒体を撹拌する工程を含み、
    前記ワークをセットする工程では、前記溝がバレル槽の中央部における前記マスの流動方向での縦断面において垂設されるように前記ワークをセットし、
    前記ワークをセットする位置は、研磨中における研磨媒体で形成されるマスの流動状態をバレル槽の中央部における前記マスの流動方向での縦断面形状で代表させ、
    前記縦断面形状において、マスのバレル槽の底部からの高さの最小値をH、最大値をHとしたときに、前記ワークをセットした時の天面と前記バレル槽の底部との距離が(H+H)×1/8以上であり、且つ底面と前記バレル槽の底部との距離が(H+H)×3/8以下であり、
    前記縦断面形状においてマスの上面が最小値となる側の研磨槽の壁面の水平位置をゼロ点とし底部の湾曲部での最大幅をDとしたときに、ワークの水平位置がD/4〜D/2であり、
    前記ワークを研磨する工程は、前記バレル研磨機を作動させることでバレル槽を振動させると共に、該バレル槽に投入された研磨媒体を撹拌する工程を含み、
    前記研磨媒体における研磨メディアは、前記溝の幅の50〜90%の径の球形である
    ことを特徴とするバレル研磨方法。
    (ここで、H及びHは、研磨槽の縦断面形状において、底部の湾曲部での最大幅の1/4、1/2、3/4 の位置でのマスの上面の3点を結んだ仮想直線と研磨槽との交点を指す)
  2. 前記ワークの被研磨面を、前記縦断面形状における水平方向の中心よりマスの高さが最小値Hとなる側にセットすることを特徴とする請求項1に記載のバレル研磨方法。
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