JP6761571B2 - エンジン構造 - Google Patents
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Description
そして、エキゾーストマニホールドのフランジ部とシリンダヘッドとの間に介在されてそれらの間のシールを維持するエキゾーストマニホールド用のガスケットは知られており(例えば特許文献3)、また、EGR装置のフランジ部とシリンダヘッドとの間に介在されて、それらの間のシールを維持するEGR装置用のガスケットも知られている(例えば特許文献4)。
そして、このような従来のエンジン構造においては、エキゾーストマニホールド用のガスケットをシリンダヘッドの取り付け面に装着してからエキゾーストマニホールドのフランジ部をシリンダヘッドに連結する作業と、EGR用のガスケットをシリンダヘッドの取り付け面にEGR用のガスケットを装着してからEGRのフランジ部をシリンダヘッドに連結する作業を、異なる位置で違う方向から行う必要があり、そのような連結作業が煩雑で時間が掛かるという問題があった。
上記第1フランジ部と第2フランジ部とは分離して構成されており、
上記シリンダヘッドの側壁に、上記排気穴が開口されるともに上記第1フランジ部が連結される第1突出平坦部と、上記吸入穴が開口されるとともに上記第2フランジ部が連結される第2突出平坦部とが離隔させて形成されており、上記第1突出平坦部及び第2突出平坦部の取り付け面となる表面は、本来のシリンダヘッドの側壁の表面よりも同じ高さだけ盛り上がるとともに同一平面上に位置しており、
上記ガスケットは、上記排気穴に対応する排気用穴が穿設されるとともに第1突出平坦部の表面と第1フランジ部との間に介在される第1シール部と、上記吸入穴に対応する吸入用穴が穿設されるとともに第2突出平坦部の表面と第2フランジ部との間に介在される第2シール部とを備え、上記第1シール部と第2シール部とは連続して一体に形成されており、
上記第1フランジ部と第2フランジ部が上記ガスケットを介在させてそれぞれシリンダヘッドの上記第1突出平坦部と第2突出平坦部に連結された状態では、ガスケットにおける第1シール部と第2シール部との境界部分が外部に露出していることを特徴とするものである。
シリンダヘッド1の側壁1Aには台形状の第1突出平坦部1aが形成されるとともに、その隣の位置に略円形をした第2突出平坦部1bが形成されている。両突出平坦部1a、1bは本来の側壁1Aの表面よりも同じ高さだけ盛り上って形成されている。両平坦部1a、1bの表面(取り付け面)は平坦面となっており、かつ同一平面上に位置している。両突出平坦部1a、1bは離隔させて形成されているので、第1突出平坦部1aの長手方向の一端(図面上の左端)と第2突出平坦部1bとの間には、溝状の空間部1Cが形成されている。
第1突出平坦部1aには、横方向(水平方向)に等ピッチで4か所の排気穴6を開口させてあり、第2突出平坦部1bには、EGR装置4によって還流する排気ガスを導入するための吸入穴7を開口させている。
第1突出平坦部1aには、排気穴6の隣接位置に合計5本の締結ボルト5が千鳥状に配置されている。また、第2突出平坦部1bには、吸入穴7を挟む両側に1対の締結ボルト5が配置されている。両突出平坦部1a、1bの表面(取り付け面)にガスケット2を装着し、その状態のガスケット2に両フランジ部3A、4Aを当接させてから締結ボルト5で締結するようになっている。
フランジ部3Aは上記第1突出平坦部1aの輪郭に合わせて台形状に形成されており、このフランジ部3Aに、上記各排気穴6の位置に合わせて4本の分岐管3Bの先端が開口している。フランジ部3Aの表面(取り付け面)は平坦面となっており、フランジ部3Aには、上記第1突出平坦部1aの締結ボルト5の位置に合わせて5か所のボルト穴3Dが穿設されている。
エキゾーストマニホールド3がガスケット2を介して締結ボルト5により第1突出平坦部1aに連結されると、各排気穴6から排出される排気ガスを分岐管3Bと排気管3Cを介して外部へ排出できるようになっている。
次に、EGR装置4は、上記第2突出平坦部1bの形状に合わせたフランジ部4Aと、一端を上記排気管3Cに接続されるとともに他端を上記フランジ部4Aに開口させた回収管4Bとを備えている。フランジ部4Aの表面(取り付け面)は平坦面となっており、フランジ部4Aには、上記第2突出平坦部1bの締結ボルト5の位置に合わせて、1対のボルト穴4Cが穿設されている。
エキゾーストマニホールド3のフランジ部3Aと、EGR装置4のフランジ部4Aとは分離しているが、両突出平坦部1a、1bへの連結前の状態において、両フランジ部3A、4Aの表面(取り付け面)は同一平面上に位置するように構成されている。そして、そのように同一平面上に位置する両フランジ3A、4Aは、上記シリンダヘッド1の両突出平坦部1a、1bの表面(取り付け面)と対向するようになっている。
本実施例のガスケット2は、同一形状の2枚の金属基板2A、2Bを重合させて構成されており、それらの所要箇所をカシメて上下の金属基板2A、2Bが一体に連結されている。
各排気用穴2Cを囲繞する上下の金属基板2A、2Bの重合位置には、ビード部2a、2bが形成されている(図4)。これらのビード部2a、2bは、半径方向断面で見たときに、内周縁が相互に離隔するように傾斜して形成されている。また、それらと同様に、吸入用穴2Dを囲繞する上下の金属基板2A、2Bの重合位置にビード部2a、2bが形成されている(図5)。
このように、各排気用穴2Cと吸入用穴2Dを囲繞してビード部2a、2bが形成されているので、ガスケット2が両突出平坦部1a、1bと両フランジ部3A、4Aとの間に装着されて挟持された際には、上記ビード部2a、2bが相手材と密着することで、両突出平坦部1a、1bと両フランジ部3A、4Aとのシールが維持されるようになっている。
第1シール部S1には、上記第1突出平坦部1aの締結ボルト5の位置に合わせて合計5か所にボルト穴2Eが穿設されている。これらのボルト穴2Eは、排気用穴2Cを挟んで千鳥状の位置に形成されている。また、第2シール部S2には、上記第2突出平坦部1aの一対の締結ボルト5の位置に合わせて一対のボルト穴2Fが穿設されている。つまり、吸入用穴2Dを挟んで一対のボルト穴2Fが形成されている。
このスリット2Gの長手方向は、ガスケット2全体の長手方向と交差する方向となっている。より詳細には、スリット2Gの長手方向は、境界部分S3を挟んで隣り合う排気用穴2Cと吸入用穴2Dの中心を結ぶ直線と交差する方向となっている。
このスリット2Gの長手方向の両端の隣接箇所が第1シール部S1と第2シール部S2を接続する残留接続部として残されており、それら2か所の残留接続部が亀裂許容部2Hとなっている。
ガスケット2をシリンダヘッド1の両突出平坦面1a、1bの表面(取り付け面)に装着して取り付ける際には、両突出平坦面1a、1bの間の空間部1Cに、ガスケット2の境界部分S3とそこのスリット2G、亀裂許容部2Hが位置するようになっている(図7参照)。
それにより、ガスケット2をシリンダヘッド1に取り付けた後に、両シール部S1、S2の境界部分S3に内部応力が集中すると、スリット2Gによって内部応力を吸収できるとともに、亀裂許容部2Hに亀裂が生じるようになっている。それによって、境界部分S3に内部応力が集中した際に、境界部分S3を挟んで隣り合う位置の排気用穴2C及び吸入用穴2Dのビード部2a、2bにひびや損傷が生じるのを防止できるようになっている。以上のように、本実施例のガスケット2は、エキゾーストマニホールド3用の第1シール部S1とEGR装置4用の第2シール部S2とが一体になっており、しかも、それらの境界部分S3にスリット2G、亀裂許容部2Hが形成されていることが特徴となっている。
まず、図1に示すように、ガスケット2のボルト穴2E、2Fに締結ボルト5を挿通させてからシリンダヘッド1の両突出平坦部1a、1bの表面にガスケット2が重合され、その状態において、エキゾーストマニホールド3のフランジ部3A及びEGR装置4のフランジ部4Aを外方からガスケット2に重合させ、その後に締結ボルト5によって両フランジ部3A、4Aを両突出平坦部1a、1bに連結する。
それによって、ガスケット2は両突出平坦部1a、1bと両フランジ部3A、4Aとの間に挟持されて、それらの間のシールを維持するようになっている。
そして、図7に簡略化した断面図で示すように、取り付け終了後の状態において、ガスケット2の境界部分S3とそこに設けたスリット2G及び亀裂許容部2Hは、シリンダヘッド1の両突出平坦部1a、1bの間の空間部1Cに位置するようになっている。
そのため、同一平面上にある両突出平坦部1a、1bの表面(取り付け面)に対して同じ向きから単一のガスケット2を装着することができ、その状態のガスケット2に対して、同一平面となっている両フランジ部3A、4Aを重合させることができる。したがって、本実施例によれば、両突出平坦部1a、1bに対する両フランジ部3A、4Aの連結作業を従来と比較して簡略化することができる。
また、本実施例のガスケット2は、エキゾーストマニホールド3用の第1シール部S1とEGR装置4用の第2シール部S2とが連続して一体に構成されている。そのため、第1シール部S1と第2シール部S2とが分離していた従来品と比較すると、部品点数を1つ減少させることができ、この点においても、シリンダヘッド1へのガスケット2の装着作業の手間を減少させることができる。
さらに、シリンダヘッド1へのガスケット2、両フランジ部3A、4Aの取り付け後において、エンジンの作動と停止が繰り返されることにより、ガスケット2は、主に第1突出平坦部1aに装着された第1シール部S1がその長手方向に熱膨張と収縮とが繰り返されることになる。その際に図6に示すように、EGR装置4用の締結ボルト5が境界部分S3の隣に位置しているため、第1シール部S1の長手方向への弾性変形が拘束されることになる。そのため、空間部1Cに面した境界部分S3に内部応力が集中するが、境界部分S3にはスリット2Gがあることで内部応力が吸収されるとともに、亀裂許容部2Hに亀裂が生じる。これにより、境界部分S3に作用する内部応力によって該境界部分S3に隣接する排気用穴2C、吸入用穴2Dのビード部2a、2bに亀裂が生じたり、損傷することを防止できる。それによって、ガスケット2にシール漏れが生じるのを効果的に抑制することができる。
また、図7に示すように、本実施例のスリット2Gは細長い三角形状になっているが、スリット2Gの形状は、幅広の直線状又はく字形であっても良い。
さらに、上記実施例においては、2枚の金属基板2A、2Bを重合させて上記ガスケット2が構成されているが、3枚以上の金属基板を重合させてガスケットを構成しても良い。
1a‥第1突出平坦部 1b‥第2突出平坦部
2‥ガスケット 2C‥排気用穴
2D‥吸入用穴 3‥エキゾーストマニホールド
3A‥フランジ部 4‥EGR装置
4A‥フランジ部 6‥排気穴
7‥吸入穴 S1‥第1シール部
S2‥第2シール部
Claims (3)
- 排気用の複数の排気穴及びEGR装置用の吸入穴が開口された側壁を有するシリンダヘッドと、上記側壁の排気穴の位置に連結されるエキゾーストマニホールドの第1フランジ部と、上記側壁の吸入穴の位置に連結されるEGR装置の第2フランジ部と、上記シリンダヘッドの側壁と上記両フランジ部との間に介在されて、それらの間のシールを維持するガスケットとを備えたエンジン構造において、
上記第1フランジ部と第2フランジ部とは分離して構成されており、
上記シリンダヘッドの側壁に、上記排気穴が開口されるともに上記第1フランジ部が連結される第1突出平坦部と、上記吸入穴が開口されるとともに上記第2フランジ部が連結される第2突出平坦部とが離隔させて形成されており、上記第1突出平坦部及び第2突出平坦部の取り付け面となる表面は、本来のシリンダヘッドの側壁の表面よりも同じ高さだけ盛り上がるとともに同一平面上に位置しており、
上記ガスケットは、上記排気穴に対応する排気用穴が穿設されるとともに第1突出平坦部の表面と第1フランジ部との間に介在される第1シール部と、上記吸入穴に対応する吸入用穴が穿設されるとともに第2突出平坦部の表面と第2フランジ部との間に介在される第2シール部とを備え、上記第1シール部と第2シール部とは連続して一体に形成されており、
上記第1フランジ部と第2フランジ部が上記ガスケットを介在させてそれぞれシリンダヘッドの上記第1突出平坦部と第2突出平坦部に連結された状態では、ガスケットにおける第1シール部と第2シール部との境界部分が外部に露出していることを特徴とするエンジン構造。 - 上記第1フランジ部と第2のフランジ部は、シリンダヘッドの上記両突出平坦部への連結前の状態において同一平面上に位置することを特徴とする請求項1に記載のエンジン構造。
- 上記ガスケットにおける第1シール部と第2シール部との境界部分に、長手方向と交差する方向のスリットが形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジン構造。
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