この発明に係る視機能検査装置の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施形態に係る視機能検査装置は、少なくとも自覚式の視機能検査を実行可能な構成を含み、これに加え、他の眼科検査を行うための構成を備えていてよい。他の眼科検査は、被検眼の特性の測定、および/または、被検眼の撮影を含んでいてよい。実施形態に係る構成は、以下に列挙する装置を含む任意の眼科装置の一部であってよい。
被検眼の特性を測定するための装置としては、眼屈折特性を測定するための装置(ケラトメータ、レフラクトメータ等:たとえば特許文献2、4を参照)、眼圧計、角膜の特性(角膜厚、細胞分布等)を得るためのスペキュラーマイクロスコープ、ハルトマン−シャックセンサを用いて被検眼の収差情報を得るウェーブフロントアナライザ、眼軸長測定装置などがある。
一方、被検眼を撮影するための装置としては、光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography、OCT)を用いて断面像を得る光干渉断層計、眼底を写真撮影する眼底カメラ、共焦点光学系を用いたレーザ走査により眼底の画像を得る走査型レーザ検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope、SLO)、スリット光を用いて角膜の光切片を切り取ることにより画像を得るスリットランプなどがある。
また、実施形態に係る視機能検査装置は、グレア検査やコントラスト検査を含む自覚式検眼のための専用装置であってよい(たとえば特許文献1、3を参照)。さらに、実施形態に係る視機能検査装置は、単体装置として自覚式検眼を実施可能な構成でもよいし(たとえば特許文献3を参照)、自覚式検眼において他の装置とともに用いられる構成であってもよい(たとえば特許文献1を参照)。
[概要]
実施形態に係る視機能検査装置により被検者に呈示される情報およびそのための構成について、いくつかの例を概略的に説明する。被検者に呈示される情報は、視標(チャート)とグレア光を含む。なお、これら情報を呈示するための装置の具体的な構成については後述する。また、以下に説明する例のうちのいずれか2つ以上を任意に組み合わせることが可能である。以下の例において、被検者から視機能検査装置に向かう方向を基準とした場合の方向を用いて説明を行う。
(第1の例)
第1の例を図1に示す。図1は、本例に係る視機能検査装置100の前面(被検眼に対向する面)の概略構成を表す。視機能検査装置100の前面には、視標呈示部110と、一対の光源部121および122とが設けられている。光源部121は視標呈示部110の左側に配置され、光源部122は視標呈示部110の右側に配置されている。
視標呈示部110は、たとえば、視機能検査装置100の前面の中央部分に設けられており、検査時には視標呈示部110に正対する位置に被検眼が配置される。視標呈示部110は、左右方向に沿って配列された視標群を呈示することが可能である。
なお、視標呈示部110は視機能検査装置100の前面に設けられている必要はなく、たとえば特許文献1に開示された構成のように、反射部材等によって視標を形成する光束を偏向することにより被検眼の正面に視標を呈示する構成であってよい。また、後述の構成のように、レンズ等を含む屈折光学系を用いて被検眼に視標を投影する構成であってよい。
本例の視標呈示部110には、上方から下方に向かって順に、4つの視標呈示領域111、112、113および114が設けられている。各々の視標呈示領域111〜114には、2つの視標からなる視標群が呈示される。
図1に示す各視標群はグレア検査(コントラストグレア検査)に用いられるコントラスト視標を含む。なお、視標群に含まれる視標の種別はコントラスト視標には限定されない。たとえば、視標群は、ランドルト環や文字視標など、グレア検査に適用可能な任意種別の視標を含んでいてよい。
視標呈示部110は任意の構成を含む。たとえば、視標呈示部110は、複数の視標が描出された視標描出手段と、その背面側に設けられた発光手段とを含んでいてよい。視標描出手段の例として、視標を表示可能な液晶パネル、視標の図柄があらかじめ描かれたシートなどがある。発光手段は任意の光源を含む。なお、視標描出手段と発光手段は、各々個別の構成でもよいし一体的な構成でもよい。
視標呈示部110の左側に設けられた光源部121について説明する。光源部121は、被検眼に向けてグレア光を照射するために用いられる。光源部121は、視標呈示部110に呈示された視標群のうち最も左側に配置された視標から左方向に所定距離だけ離れた位置に配置されている。
なお、この所定距離は固定値でもよいし可変値でもよい(可変な場合については後述する)。また、所定距離が固定値である場合、この固定値は、たとえば、視標とグレア光とが視角7度をなすように設定される。所定距離が可変である場合、その可変範囲は、たとえば、上記の視覚7度を含む任意の範囲に設定される。
視標呈示部110の右側に設けられた光源部122について説明する。光源部122は、光源部121と同様に、被検眼に向けてグレア光を照射するために用いられる。光源部122は、視標呈示部110に呈示された視標群のうち最も右側に配置された視標から右方向に所定距離だけ離れた位置に配置されている。この所定距離は、視標群と光源部121との間の距離(つまり光源部121に関する説明中の「所定距離」)と実質的に等しい。具体的には、上記2つの所定距離は、グレア検査の適正さ(確度、精度等)の要求を満足する範囲内に含まれていてよく、および/または、装置の製造上の公差の範囲内に含まれていてよい。
なお、光源部121および122は視機能検査装置100の前面に設けられている必要はなく、たとえば特許文献1に開示された構成のように、反射部材等によってグレア光を偏向することにより被検眼の正面からグレア光を照射する構成であってよい。また、後述の構成のように、レンズ等を含む屈折光学系を用いて被検眼にグレア光を照射する構成であってよい。
光源部121および122のそれぞれは、1つ以上の面光源を含んでいてよい。面光源としては、蛍光灯や有機ELパネルなどがある。また、点光源からの光を拡散板を介して被検眼に照射する構成を面光源として用いることもできる。
本例において、光源部121および122のそれぞれは、4つの視標呈示領域111〜114の配列方向(上下方向)を長手方向とする発光面を有する。この発光面の長さは、4つの視標呈示領域111〜114の配列長さを超えてよい。つまり、発光面の上端が最上段の視標呈示領域111の上端よりも上方に位置し、かつ、発光面の下端が最下段の視標呈示領域114の下端よりも下方に位置するように構成されていてよい。特に複数の視標呈示領域が設けられている場合において当該構成を適用することにより、全ての視標に対するグレア光の影響を同じ程度にすることが可能となる。
面光源が用いられる場合、この面光源の発光輝度の分布は、実質的に一様でもよいし、意図的に非一様でもよい。発光輝度分布を実質的に一様にした場合、全ての視標に対するグレア光の影響を同じ程度にすることが可能となる。
一方、面光源の発光輝度分布を意図的に非一様にする構成は、たとえば、全ての視標を2以上に組分けして異なる明るさのグレア光を適用したい場合に有効である。たとえば、光源部121および122のそれぞれの上半分を比較的高い輝度で発光させ、下半分を比較的低い輝度で発光させることにより、視標呈示領域111および112に呈示される視標には比較的明るいグレア光を適用し、視標呈示領域113および114に呈示される視標には比較的暗いグレア光を適用することができる。なお、このような場合であっても、各組に含まれる1以上の視標には、グレア光の影響が同程度に与えられることが望ましい。具体的には、光源部121および122において、上下方向の位置(高さ位置)が同じ部分が実質的に同じ明るさの光を出力するように構成されることが望ましい。
(第2の例)
第2の例を図2に示す。なお、第1の例で説明したいずれかの構成を第2の例に適用することが可能である。図2は、本例に係る視機能検査装置200の前面の概略構成を表す。視機能検査装置200の前面には、視標呈示部210と、一対の光源部221および222とが設けられている。光源部221は視標呈示部210の左側に配置され、光源部222は視標呈示部210の右側に配置されている。
視標呈示部210は、第1の例における視標呈示部110と同様の構成を有し、上方から下方に向かって順に、4つの視標呈示領域211、212、213および214を有する。
光源部221は、被検眼に向けてグレア光を照射するために用いられる。光源部221は、視標呈示部210に呈示された視標群のうち最も左側に配置された視標から左方向に所定距離だけ離れた位置に配置されている。この所定距離は固定値でもよいし可変値でもよい。
光源部222は、光源部221と同様に、被検眼に向けてグレア光を照射するために用いられる。光源部222は、視標呈示部210に呈示された視標群のうち最も右側に配置された視標から右方向に所定距離だけ離れた位置に配置されている。この所定距離は、視標群と光源部221との間の距離と実質的に等しい。
光源部221は、上下方向に配列された複数の光源221i(i=1〜k。k≧2)を含む。同様に、光源部222は、上下方向に配列された複数の光源222i(i=1〜k。k≧2)を含む。光源221iおよび222iとしては、発光ダイオード(LED)、有機EL光源、白熱電球、(電球形)蛍光灯などがある。なお、光源221iおよび222iは、任意の光源であってよく、たとえば点光源でも面光源でもよい。
複数の光源221iと複数の光源222iとは、互いに対応する配列を有する。たとえば、複数の光源221iおよび222iの符号i=1〜kが上方から下方に向かって順に付されているとすると、符号iのそれぞれについて、光源221iと光源222iとは上下方向において同じ位置(同じ高さ位置)に配置される。また、複数の光源221iおよび複数の光源222iのそれぞれは、等間隔で配置されていてもよいし、非等間隔で配置されていてよい。
また、複数の光源221iおよび複数の光源222iのそれぞれの配置間隔は、たとえば、視標呈示領域211〜214の配置間隔(つまり上下方向に配列された4つの視標群の配置間隔)に対応していてよい。たとえば、上下方向における複数の視標群の配列のピッチは、複数の光源221i(および222i)の配列のピッチの整数倍であってよい。
複数の光源221iの配列長さは、4つの視標呈示領域211〜214の配列長さを超えてよい。つまり、複数の光源221iのうち上端に位置する光源が最上段の視標呈示領域211の上端よりも上方に位置し、かつ、下端に位置する光源が最下段の視標呈示領域214の下端よりも下方に位置するように構成されていてよい。複数の光源222iの配列長さについても同様である。特に複数の視標呈示領域が設けられている場合において当該構成を適用することにより、全ての視標に対するグレア光の影響を同じ程度にすることが可能となる。
複数の光源221iおよび222iの発光輝度は、実質的に一様でもよいし、意図的に非一様でもよい。発光輝度を実質的に一様にした場合、全ての視標に対するグレア光の影響を同じ程度にすることが可能となる。
一方、複数の光源221iおよび222iの発光輝度を意図的に非一様にする構成は、たとえば、全ての視標を2以上に組分けして異なる明るさのグレア光を適用したい場合に有効である。たとえば、偶数個(2m個)の光源221iおよび偶数個(2m個)の光源222iが設けられている場合、上半分のm個の光源221iおよび上半分のm個の光源222iを比較的高い輝度で発光させ、下半分のm個の光源221iおよび下半分のm個の光源222iを比較的低い輝度で発光させることにより、視標呈示領域211および212に呈示される視標には比較的明るいグレア光を適用し、視標呈示領域213および214に呈示される視標には比較的暗いグレア光を適用することができる。なお、このような場合であっても、各組に含まれる1以上の視標には、グレア光の影響が同程度に与えられることが望ましい。具体的には、上下方向の位置(高さ位置)が同じ光源221iおよび222iが実質的に同じ明るさの光を出力するように構成されることが望ましい。
(第3の例)
第3の例を図3に示す。なお、第1の例または第2の例において説明したいずれかの構成を第3の例に適用することが可能である。図3は、本例に係る視機能検査装置300の前面の概略構成を表す。視機能検査装置300の前面には、視標呈示部310と、一対の光源部321および322とが設けられている。光源部321は視標呈示部310の左側に配置され、光源部322は視標呈示部310の右側に配置されている。
視標呈示部310は、第1の例における視標呈示部110と同様の構成を有し、上方から下方に向かって順に、4つの視標呈示領域311、312、313および314を有する。
光源部321は、被検眼に向けてグレア光を照射するために用いられる。光源部321は、視標呈示部310に呈示された視標群のうち最も左側に配置された視標から左方向に所定距離だけ離れた位置に配置されている。この所定距離は固定値でもよいし可変値でもよい。
光源部322は、光源部321と同様に、被検眼に向けてグレア光を照射するために用いられる。光源部322は、視標呈示部310に呈示された視標群のうち最も右側に配置された視標から右方向に所定距離だけ離れた位置に配置されている。この所定距離は、視標群と光源部321との間の距離と実質的に等しい。
光源部321は、上下方向に配列された2以上の光源321i(i=1〜k。k≧2)を含む。同様に、光源部322は、上下方向に配列された2以上の光源322i(i=1〜k。k≧2)を含む。光源321iおよび322iとしては、発光ダイオード(LED)、有機EL光源、白熱電球、(電球形)蛍光灯などがある。なお、光源321iおよび322iは、任意の光源であってよく、たとえば点光源でも面光源でもよい。2以上の光源321iおよび2以上の光源322iのそれぞれは、等間隔で配置されていてもよいし、非等間隔で配置されていてよい。また、2以上の光源321iおよび2以上の光源322iの発光輝度は、実質的に一様でもよいし、意図的に非一様でもよい。
2以上の光源321iの配列長さは、4つの視標呈示領域311〜314の配列長さよりも短くてよい。特に、2以上の光源321iの配列長さは、4つの視標呈示領域311〜314の配列長さよりも十分に短くてよく、たとえば、4つの視標呈示領域311〜314の配列長さの4分の1程度であってよい(つまり、1つの視標呈示領域の上下方向の長さと同程度であってよい)。複数の光源322iの配列長さについても同様である。
光源部321は、駆動部331により、4つの視標呈示領域311〜314の配列方向(上下方向。図3中の双方向矢印Aが示す方向)に移動される。そのための具体的な構成の例として、光源部321は、上下方向を長手方向とするレールに嵌合している。駆動部331は、後述の演算制御部により動作制御されるアクチュエータ(パルスモータ等)と、このアクチュエータにより発生された力をレールに沿って光源部321を移動させる力に変換する機構とを含んでいてよい。或いは、駆動部331は、手動操作を受け付ける操作部(ハンドル、ノブ、ダイヤル等)と、この操作部に印加された力をレールに沿って光源部321を移動させる力に変換する機構とを含んでいてよい。同様に、光源部322は、駆動部332によって上下方向に移動される。
駆動部331と駆動部332とが連係動作するように構成することができる。この連係動作は、たとえば、光源部321と光源部322とが実質的に同じ高さ位置に配置された状態でこれらを上下に移動させる動作である。つまり、この連係動作は、光源部321と光源部322とを、同時に、同じ方向に、かつ同じ速さで移動させる動作であって、任意のタイミングで動作を停止したときに光源部321と光源322が実質的に同じ高さに配置されるような動作であってよい。
本例に係る視機能検査装置300が実行可能な制御について説明する。なお、各段階の制御は後述の演算制御部によって実行される。まず、視標呈示領域311〜314のそれぞれに視標群が呈示され、視標呈示領域311の左方位置に光源部321が配置され、右方位置に光源部322が配置される。この状態で、視標呈示領域311に呈示されている視標群を用いたグレア検査が行われる。検者または被検者は、この視標群に対する被検者の応答内容を入力する。この入力を受けて(または次の検査段階への移行指示を受けて)、駆動部331が光源部321を視標呈示領域312の左方位置に移動させ、駆動部332が光源部322を視標呈示領域312の右方位置に移動させる。この状態で、視標呈示領域312に呈示されている視標群を用いたグレア検査が行われ、被検者の応答内容が入力されると、駆動部331が光源部321を視標呈示領域313の左方位置に移動させ、駆動部332が光源部322を視標呈示領域313の右方位置に移動させる。この状態で、視標呈示領域313に呈示されている視標群を用いたグレア検査が行われ、被検者の応答内容が入力されると、駆動部331が光源部321を視標呈示領域314の左方位置に移動させ、駆動部332が光源部322を視標呈示領域314の右方位置に移動させる。この状態で、視標呈示領域314に呈示されている視標群を用いたグレア検査が行われ、被検者の応答内容が入力される。必要に応じ、視標呈示領域311〜314のそれぞれに他の視標群が呈示され、上記の要領で引き続きグレア検査が行われる。
他の制御例を説明する。上記の制御例では、全ての視標呈示領域311〜314に視標群が呈示された状態で検査を行っている。これに対し、視標呈示領域311〜314のうちのいずれかに選択的に視標群を呈示させ、かつ、視標群が呈示された視標呈示領域の左方位置に光源部321を移動するよう駆動部331を制御し、右方位置に光源部322を移動するよう駆動部332を制御するよう構成することが可能である。なお、視標群が呈示される視標呈示領域の選択は、たとえばユーザの選択指示を受けて行われる。或いは、視標呈示領域311〜314に対してあらかじめ順序を設定し、検査に供される視標群の切り替え指示(つまり、現在の検査ステップの終了指示(応答内容の入力等)、または次の検査ステップへの移行指示など)に対応し、上記設定順序に応じて視標群が呈示される視標呈示領域を順次に切り替えるように構成することが可能である。なお、上記のような選択的な視標群の呈示は、第4の例の視標呈示制御部430によって実行可能である。
第3の例によれば、検査に供される視標群の左方位置および右方位置からグレア光を適用することが可能である。したがって、グレア検査において順次に用いられる複数の視標群に対して同程度のグレア光を適用することが可能である。
(第4の例)
第4の例を図4に示す。なお、第1の例〜第3の例のいずれかにおいて説明したいずれかの構成を第4の例に適用することが可能である。図4は、本例に係る視機能検査装置400の前面の概略構成を表す。視機能検査装置400の前面には、視標呈示部410と、一対の光源部421および422とが設けられている。光源部421は視標呈示部410の左側に配置され、光源部422は視標呈示部410の右側に配置されている。
視標呈示部410は、第1の例における視標呈示部110と同様の構成を有し、上方から下方に向かって順に、4つの視標呈示領域411、412、413および414を有する。
視標呈示部410は、視標呈示制御部430により制御される。視標呈示制御部430は、4つの視標呈示領域411〜414のいずれかに視標群を呈示させる。たとえば、視標呈示制御部430は、まず、最上段の視標呈示領域411に視標群を呈示させる。さらに、視標呈示制御部430は、ユーザの選択指示を受けて、この選択指示により指定された視標呈示領域に視標群を呈示させる。或いは、視標呈示領域411〜414に対してあらかじめ順序が設定されている場合、視標呈示制御部430は、検査に供される視標群の切り替え指示(つまり、現在の検査ステップの終了指示(応答内容の入力等)、または次の検査ステップへの移行指示など)を受けて、上記設定順序に応じて視標群が呈示される視標呈示領域を順次に切り替える。
光源部421は、被検眼に向けてグレア光を照射するために用いられる。光源部421は、視標呈示部410に呈示された視標群のうち最も左側に配置された視標から左方向に所定距離だけ離れた位置に配置されている。この所定距離は固定値でもよいし可変値でもよい。
光源部422は、光源部421と同様に、被検眼に向けてグレア光を照射するために用いられる。光源部422は、視標呈示部410に呈示された視標群のうち最も右側に配置された視標から右方向に所定距離だけ離れた位置に配置されている。この所定距離は、視標群と光源部421との間の距離と実質的に等しい。
光源部421および422のそれぞれは、第1の例と同様の面光源を含んでいてよい。或いは、光源部421および422のそれぞれは、第2の例と同様に、上下方向に配列された複数の光源を含んでいてよい。他の例として、光源部421および422のそれぞれは、第3の例と同様に、単一の光源、または上下方向に配列された2以上の光源を含み、かつ、駆動部によって上下方向に移動可能に構成されていてよい。この場合、駆動部は、視標群が呈示されている視標呈示領域の左方位置に光源部421を配置させ、右方位置に光源部422を配置させるように制御される。
本例によれば、全ての視標に対するグレア光の影響を同じ程度にすることができる。
(第5の例)
第5の例を図5に示す。なお、第1の例〜第5の例のいずれかにおいて説明したいずれかの構成を第5の例に適用することが可能である。図5は、本例に係る視機能検査装置500の前面の概略構成を表す。視機能検査装置500の前面には、視標呈示部510と、一対の光源部521および522とが設けられている。光源部521は視標呈示部510の左側に配置され、光源部522は視標呈示部510の右側に配置されている。
視標呈示部510は、たとえば、第1の例における視標呈示部110と同様の構成を有し、上方から下方に向かって順に、4つの視標呈示領域511、512、513および514を有する。
光源部521は、被検眼に向けてグレア光を照射するために用いられる。光源部521は、視標呈示部510に呈示された視標群のうち最も左側に配置された視標から左方向に所定距離だけ離れた位置に配置される。なお、本例において、この所定距離は可変である。
光源部522は、光源部521と同様に、被検眼に向けてグレア光を照射するために用いられる。光源部522は、視標呈示部510に呈示された視標群のうち最も右側に配置された視標から右方向に所定距離だけ離れた位置に配置される。この所定距離は可変であり、かつ、視標群と光源部521との間の距離と実質的に等しい。
光源部521および522のそれぞれは、第1の例と同様の面光源を含んでいてよい。或いは、光源部521および522のそれぞれは、第2の例と同様に、上下方向に配列された複数の光源を含んでいてよい。他の例として、光源部521および522のそれぞれは、第3の例と同様に、単一の光源、または上下方向に配列された2以上の光源を含み、かつ、駆動部によって上下方向に移動可能に構成されていてよい。この場合、駆動部は、視標群が呈示されている視標呈示領域の左方位置に光源部521を配置させ、右方位置に光源部522を配置させるように制御される。
光源部521は、駆動部531によって左右方向(図5中の双方向矢印Bが示す方向)に移動される。そのための具体的な構成の例として、光源部521は、左右方向を長手方向とするレールに嵌合している。駆動部531は、後述の演算制御部により動作制御されるアクチュエータ(パルスモータ等)と、このアクチュエータにより発生された力をレールに沿って光源部521を移動させる力に変換する機構とを含んでいてよい。或いは、駆動部531は、手動操作を受け付ける操作部(ハンドル、ノブ、ダイヤル等)と、この操作部に印加された力をレールに沿って光源部521を移動させる力に変換する機構とを含んでいてよい。同様に、光源部522は、駆動部532によって左右方向に移動される。なお、光源部521および522が移動される範囲は、たとえば、視標とグレア光とが視角7度となる位置を含む任意の範囲に設定される。
駆動部531および532は、たとえば、光源部521および522を互いに逆方向に同距離だけ移動するように動作する。具体的に説明すると、或る時点において、光源部521は、視標呈示部510に呈示された視標群のうち最も左側に配置された視標から左方向に距離D1だけ離れた位置に配置されており、かつ、光源部522は、視標呈示部510に呈示された視標群のうち最も右側に配置された視標から右方向に距離D1だけ離れた位置に配置されているとする。光源部521および522を視標呈示部510に近接させるための指示が入力されたとき(つまり、上記視覚を小さくするための指示が入力されたとき)、駆動部531は光源部521を右方向に距離d1だけ(または移動速度v1で)移動させ、かつ、駆動部532は光源部522を左方向に距離d1だけ(または移動速度v1で)移動させる。また、光源部521および522を視標呈示部510から遠離させるための指示が入力されたとき(つまり、上記視覚を大きくするための指示が入力されたとき)、駆動部531は光源部521を左方向に距離d2だけ(または移動速度v2で)移動させ、かつ、駆動部532は光源部522を右方向に距離d2だけ(または移動速度v2で)移動させる。なお、距離d1と距離d2は等しくても異なってもよく、移動速度v1と移動速度v2は等しくても異なってもよい。
本例によれば、全ての視標に対するグレア光の影響を同じ程度にすることができる。さらに、本例によれば、視標に対するグレア光の位置(視覚)を変更できるので、水晶体や角膜の混濁による散乱がグレア光の位置によってどのように変化するかを把握することができる(つまり、散乱の角度依存性を測定することができる)。
[装置の構成]
実施形態に係る視機能検査装置の構成について説明する。実施形態に係る視機能検査装置は、たとえば、上記した第1〜第5の例のいずれかを実現可能である。以下、屈折光学系を介して視標およびグレア光を投影する構成について説明する。
実施形態に係る視機能検査装置の構成例を図6A、図6Bおよび図7に示す。図6Aは視機能検査装置1の光学系の上面図、図6Bは光学系の側面図、図7は制御系を表すブロック図である。なお、図6Aおよび図6Bは、実施形態の説明に不要ないくつかの光学素子(たとえば絞り部材等)を省略した概略図である。
視機能検査装置1の光学系は、投影光学系と、受光光学系とを含む。投影光学系の光路と受光光学系の光路は、ハーフミラー等からなるビームスプリッタ2により合成されている。
投影光学系は、被検眼Eの眼底に視標を投影する。また、投影光学系は、グレア光を被検眼Eの眼底に投影する。投影光学系は、自覚式検眼(グレア検査、視力検査等)および他覚式検眼(眼屈折力測定、角膜形状測定等)において使用される。受光光学系は、他覚式検眼において使用される。投影光学系は、視標呈示部11と、一対の光源部12aおよび12bと、レンズ13と、レンズ14とを含む。
投影光学系は、たとえばBadal光学系として構成されている。すなわち、レンズ14(対物レンズ)の被検眼E側の焦点と、被検眼Eのレンズ14側の焦点とが一致した状態で検査が実行される。
視標呈示部11は、視標を表示可能であり、液晶ディスプレイ(LCD)等の表示デバイスを含む。視標呈示部11は、投影光学系の光軸上に配置されている。視標呈示部11から出力された光(視標を形成する光束。視標光束と呼ぶ。)は、レンズ13により屈折され、ビームスプリッタ2を透過し、レンズ14により屈折されて被検眼Eに入射する。被検眼Eに入射した視標光束は、角膜や水晶体により屈折されて眼底に投影される。それにより、視標像が眼底に投影され、被検者は視標を認識する。
視標呈示部11は、上記の第1〜第5の例における視標呈示部110、210、310、410および510の一例として機能する。
一対の光源部12aおよび12bは、視標呈示部11を挟んで配置されている。被検眼Eの側から見たとき、光源部12aは視標呈示部11の左側に配置され、光源部12bは視標呈示部11の右側に配置されている。光源部12aおよび12bのそれぞれは、たとえば、面光源または複数の点光源を含む。或いは、光源部12aおよび12bのそれぞれは、単一の光源を含んでよい。複数の点光源が含まれる場合、これら点光源を上下方向に移動するための構成が設けられていてよい。単一の光源が含まれる場合についても同様である。
光源部12a(または12b)から出力された光(グレア光)は、レンズ13により屈折され、ビームスプリッタ2を透過し、レンズ14により屈折されて被検眼Eに入射する。被検眼Eに入射したグレア光は、角膜や水晶体により屈折されて眼底に投影される。それにより、グレア光が眼底に投影される。
光源部12a(12b)は、上記の第1〜第5の例における光源部121(122)、221(222)、321(322)、421(422)および521(522)の一例として機能する。グレア光は、被検眼Eの角膜や水晶体の混濁により拡散され、視標の視認状態に影響を与える。なお、光源部12aおよび12bは、グレア検査において使用され、通常の視力検査等においては消灯される。
視標呈示部11と光源部12aおよび12bとは、たとえば単一のユニットとして構成されている。このユニットは、図示しない駆動機構により、図6A中の双方向矢印Cが示す方向に移動される。この移動制御は、たとえば、被検眼Eの屈折力に応じた視度補正のために実行される。この移動制御の具体例として、演算制御部30は、所定の視標が投影された状態の眼底を受光光学系が撮影して得られた画像を解析しつつ上記ユニットを移動させることにより、眼底上の視標像が明瞭になるようにユニットの位置を決定することができる。
受光光学系は、図6Bに示すように、レンズ21と、レンズ22と、光検出器23とを含む。前述したように、受光光学系は、他覚式検眼等において使用される。投影光学系により眼底に視標光束(たとえば円形視標)が投影されているとき、この視標光束の眼底反射光は、レンズ14により屈折され、ビームスプリッタ2により反射され、レンズ21および22により屈折されて光検出器23の受光面に結像する。光検出器23は、受光面に投影された光を電気信号(画像信号)に変換する。この画像信号は演算制御部30に入力される。演算制御部30の検査データ生成部34は、光検出器23により生成された画像信号に基づいて被検眼Eの眼屈折力(球面度数、乱視度数、乱視軸角度等)を算出する。この処理は、従来のレフラクトメータと同様にして実行される(たとえば特許文献2を参照)。
視機能検査装置1の制御系について説明する。図7に示すように、視機能検査装置1の制御系は演算制御部30を含む。また、視機能検査装置1は、ユーザインターフェイス(UI)50を含む。
ユーザインターフェイス50は、少なくとも操作部を含む。操作部は、各種の操作を行うためのハードウェアキー(ボタン、ダイヤル、ジョイスティック、スイッチ等)を含む。ユーザ(検者または被検者)が操作部を操作すると、その操作内容に応じた信号(操作信号)が演算制御部30に入力される。演算制御部30は、この操作信号に応じた制御処理および/または演算処理を実行する。
ユーザインターフェイス50は、LCD等の表示デバイスを含む表示部を備えていてよい。表示部は、演算制御部30による制御を受けて情報を表示する。表示される情報としては、操作画面、被検者に関する情報、検査結果などがある。表示部が設けられる場合、ユーザインターフェイス50はGUIとして機能してよい。具体例として、表示部としてタッチパネルが用いられ、演算制御部30は、このタッチパネルに対する操作入力に応じて制御処理および演算処理を実行する。他の例として、演算制御部30は、ポインタやカーソルを表示部に表示させ、操作部はこのポインタ等を移動させるためのポインティングデバイスを含むよう構成されていてよい。
演算制御部30は、視機能検査装置1の各部の制御処理と、所定の演算処理とを実行する。演算制御部30は、CPU等のマイクロプロセッサと、記憶装置(RAM、ROM等)とを含む。ROM等の記憶装置には、各種の制御プログラムと、各種の演算プログラムとがあらかじめ記憶されている。マイクロプロセッサは、これらプログラムにしたがって制御処理や演算処理を実行する。
演算制御部30は、視標呈示制御部31と、光源制御部32と、駆動制御部33と、検査データ生成部34とを含む。
視標呈示制御部31は、視標呈示部11を制御する。視標呈示制御部31は、たとえば、前述した第1〜第5の例において説明した視標呈示処理を実行する。この制御には、たとえば、視標を表示させる処理や、視標(またはその背景)の明るさを変更する処理などが含まれる。前述した第4の例における視標呈示制御部430は、視標呈示制御部31の一例である。
光源制御部32は、光源部12aおよび12bを制御する。光源制御部32は、たとえば、前述した第1〜第5の例において説明したグレア光に関する制御を実行する。この制御には、たとえば、グレア光の明るさを変更する処理を含む。
他の制御態様として、光源制御部32は、グレア光の波長を変更するように構成されていてよい。それにより、波長に応じたグレア光の影響(つまりグレア光の影響の波長依存性)を取得することが可能となる。
また、光源制御部32は、グレア光の照射範囲を変更するように構成されていてよい。その具体例として、光源部12aおよび12bが面光源を含む場合、光源制御部32は、この面光源の発光領域を変更することができる。他の具体例として、グレア光の光路に絞り部材が設けられている場合、光源制御部32は、この絞り部材の透光部(孔部)のサイズや位置を変更することができる。
駆動制御部33は、光源部12aおよび12bを移動するための駆動部40を制御する。つまり、駆動制御部33は、光源部12aおよび12bの移動制御を行う。前述した第3の例における駆動部331および332と、第5の例における駆動部531および532は、駆動部40の例である。
検査データ生成部34は、被検眼Eの検査結果を生成する。たとえば、検査データ生成部34は、グレア検査等の自覚式検眼における被検者の応答に基づいて被検眼Eの視力値(自覚値)などを求める。ここで、被検者の応答は、被検者自身または検者がユーザインターフェイス50を操作することによって入力される。前述した眼屈折力測定などの他覚式検眼においても、検査データ生成部34は、光検出器23から入力された画像信号に基づいて被検眼Eの眼屈折力値(他覚値)を算出する。
[効果]
実施形態に係る視機能検査装置の効果について説明する。
実施形態に係る視機能検査装置は、視標呈示部と、第1光源部と、第2光源部とを含む。視標呈示部は、第1方向(たとえば左右方向)に沿って配列された視標群を呈示する。第1光源部(たとえば光源部121)は、この視標群のうち一端側(たとえば左端側)に配置された第1視標から第1方向に沿って所定距離だけ離れた位置から被検眼に向けて第1グレア光を照射する。第2光源部(たとえば光源部121)は、この視標群のうち他端側(たとえば右端側)に配置された第2視標から第1方向に沿って上記所定距離だけ離れた位置から被検眼に向けて第2グレア光を照射する。
このような視機能検査装置によれば、視標群に対して等距離に配置された一対の光源部を用いてグレア検査を実行することが可能である。したがって、複数の視標を同時に呈示しつつ、それぞれの視標によるグレア検査を同等の条件で行うことが可能である。つまり、グレア検査において順次に使用される視標に対し、実質的に同等の影響を与えるようにグレア光を適用することが可能である。それにより、グレア検査の確度や精度の向上を図ることができる。
実施形態において、視標呈示部は、第1方向(たとえば左右方向)に直交する第2方向(たとえば上下方向)に沿って配列された複数の視標群を呈示するよう構成されていてよい。具体的には、たとえば図1に示すように、視標呈示部は、第2方向(上下方向)に配列された複数の視標呈示領域のそれぞれに、第1方向(左右方向)に配列された視標群を呈示することができる。さらに、第1光源部および第2光源部のそれぞれは、第2方向を長手方向とする面光源を含む構成であってよい。
この構成によれば、複数の視標を同時に呈示しつつ、それぞれの視標によるグレア検査を同等の条件で行うことが可能である。さらに、2次元的に配列された複数の視標を呈示することができるので、視標の呈示の自由度が高いというメリットもある。また、グレア光源として面光源が用いられているので、点光源を用いる従来のグレア光源と比較して、被検者に与える不快感(眩しさ)が低減する。
視標呈示部が、第1方向(たとえば左右方向)に直交する第2方向(たとえば上下方向)に沿って配列された複数の視標群を呈示するよう構成されている場合において、第1光源部および第2光源部のそれぞれは、第2方向に沿って配列された複数の光源を含む構成であってよい。
この構成によれば、複数の視標を同時に呈示しつつ、それぞれの視標によるグレア検査を同等の条件で行うことが可能である。さらに、視標の呈示の自由度が高いというメリットもある。また、複数の光源のそれぞれが面光源である場合、または、点光源でありかつその前方に拡散板等が配置されている場合には、被検者に与える不快感(眩しさ)の低減を図ることができる。
視標呈示部が、第1方向(たとえば左右方向)に直交する第2方向(たとえば上下方向)に沿って配列された複数の視標群を呈示するよう構成されている場合において、次の構成を適用することが可能である。まず、第1光源部および第2光源部のそれぞれは、単一の光源、または、第2方向に沿って配列された2以上の光源を含む。さらに、視機能検査装置は、第1光源部および第2光源部を第2方向に移動する第1駆動部を備える。図3に示す駆動部331および332は、第1駆動部の例である。
この構成によれば、グレア検査において現に使用される視標の位置に応じてグレア光の適用位置を適宜に変更することが可能である。よって、複数の視標を同時に呈示しつつ、それぞれの視標によるグレア検査を同等の条件で行うことが可能である。さらに、視標の呈示の自由度の向上、および、被検者に与える不快感(眩しさ)の低減などのメリットもある。
第1光源部および前記第2光源部のそれぞれは、単一の光源、または、第1方向(たとえば左右方向)に直交する第2方向(たとえば上下方向)に沿って配列された2以上の光源を含む構成であってよい。さらに、視標呈示部は、第1方向に配列された視標群の呈示位置を第2方向に変更可能に構成されていてよい。
この構成によれば、視標の呈示位置を適宜に変更できるので、視標の呈示の自由度が高いというメリットがある。
実施形態に係る視機能検査装置は、第1光源部および第2光源部のそれぞれを第1方向(たとえば左右方向)に移動するための第2駆動部を備えていてよい。つまり、第2駆動部は、視標呈示部に呈示される視標群に対して第1光源部および第2光源部を近接・遠離させる機能を有する。
この構成によれば、被検眼内の混濁等に起因する散乱の角度依存性を求めることが可能である。
さらに、第2駆動部は、第1光源部および第2光源部を互いに逆方向に等距離だけ移動するよう構成されていてよい。
この構成によれば、視標呈示部と第1光源部との間の距離と、視標呈示部と第2光源部との間の距離とが等しい状態を保ちつつ、第1光源部および第2光源部を移動することができる。それにより、左方向からのグレア光と右方向からのグレア光とを、視標に対して実質的に等しい角度で適用することが可能である。したがって、散乱の角度依存性の測定の好適化を図ることができる。
視標呈示部は、視標群に含まれる視標の明るさ、および/または、視標群の背景の明るさを変更可能に構成されていてよい。
この構成によれば、グレア検査において、視標の明るさに対する視機能の依存性や、視標の背景の明るさに対する視機能の依存性を測定することが可能である。
第1光源部は第1グレア光の明るさを変更可能に構成されていてよく、かつ、第2光源部は第2グレア光の明るさを変更可能に構成されていてよい。
この構成によれば、グレア検査において、グレア光の明るさに対する視機能の依存性を測定することが可能である。
視標呈示部は、グレア検査において使用可能な任意の種別の視標を呈示可能に構成される。そのような視標の例として、ランドルト環、文字視標、コントラスト視標がある。
[変形例]
以上に説明した構成は、この発明を好適に実施するための一例に過ぎない。よって、この発明の要旨の範囲内における任意の変形(省略、置換、付加等)を適宜に施すことが可能である。
上記の実施形態においては、視標呈示部の左側および右側にそれぞれ光源部が配置されているが、一対の光源部の配置はこの限りではない。たとえば、視標呈示部の上側および下側にそれぞれ光源部を配置することが可能である。その場合、視標群は、上下方向に配列された複数の視標を含む。
視機能検査装置の変形例の構成を図8に示す。図8は、視機能検査装置1000の光学系の上面図である。この光学系は、前述した図6Aに示す構成の代わりに適用可能である。なお、光学系の側面図は図6Bに示す構成と同様であってよく、制御系は図7に示す構成と同様であってよい。
図6Aに示す構成との相違は、一対の光源部の位置である。すなわち、図6Aでは、視標呈示部11を挟むように2つの光源部12aおよび12bが配置されているが、この変形例では、レンズ14を挟むように2つの光源部15aおよび15bが配置されている。
また、この変形例では、視度補正のために、図8中の双方向矢印Dに示す方向に視標呈示部11が移動される。この変形例に係る構成によっても、前述した実施形態と同様の効果が得られる。
他の変形例として、特許文献1〜4に開示された装置を含む任意の従来の装置において、そのグレア光を投影するための手段を本発明に係る手段に置換することが可能である。たとえば、特許文献4に開示された装置(従来装置と呼ぶ)における一対のグレアランプ(同文献の図1に符号5で示されている)を、本発明に係る第1光源部および第2光源部に置換することができる。
具体的に説明すると、本変形例に係る視機能検査装置は、従来装置の測定用ターゲット板(符号4)の代わりに、視標形成用のスポット開口と、このスポット開口の上方および下方のそれぞれに設けられた左右方向を長手方向とし上下方向を短手方向とする開口(グレア開口)とが形成された測定用ターゲット板を有する。さらに、一対のグレア開口の直後位置には一対の光源部が設けられる。一対の光源部は、上記実施形態のいずれかの構成を有していてよい。このような構成によれば、たとえば図1〜図5に示すような態様で視標およびグレア光を被検眼に適用することが可能である。なお、一対の光源部の距離を変更するための機構が設けられる場合(図5を参照)、つまり、一対の光源部を上下方向に移動させるための機構(第2の駆動部)が設けられる場合、この上下方向の移動に応じた幅を有するようにグレア開口が形成される。ここでは特許文献4に開示された従来装置に本願発明に係る構成を適用した場合について詳しく説明したが、他の装置に対する応用も同様にして実現することが可能である。