JP6761281B2 - 走査露光装置および物品製造方法 - Google Patents
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Description
走査方向(y軸方向)における位置(走査位置)をyとすると、走査位置yに応じて倍率Mが変化するようなディストーション(転写像の形状)は、式(2)のように一般化されうる。
例えば、図2(a)のディストーション(転写像の形状)は、走査位置yに対して倍率Mが線形関係を有するので、式(3)のように表すことができる。
また、図4のディストーション(転写像の形状)は、式(4)のように表すことができる。
式(1)、(2)より式(5)が得られる。式(5)は、光学素子123のz軸方向における駆動量zが基板ステージ116(基板115)の走査位置yに応じて定まることを意味する。
式(5)を時間で微分すると、式(6)が得られる。
dz/dtを光学素子123のz軸方向における駆動速度v、dy/dtを基板ステージ116(基板115)の走査速度Vと置くと、式(7)が得られる。
式(7)より、光学素子123の駆動速度vが基板ステージ116(基板115)の走査速度Vに依存することが分かる。なお、原版ステージ125(原版109)の走査速度は、β*Vである。
式(8)は、走査速度Vが速くなるほど、光学素子123の駆動速度を速くする必要があることを示している。しかし、光学素子123を駆動する駆動機構113は、駆動速度の上限、即ち、最大駆動速度を有する。図5には、駆動機構113の応答特性が例示されている。駆動機構113の最大駆動速度は、v_maxとして示されている。図5において、横軸は、駆動機構113に対して与えられる指令速度であり、縦軸は、駆動速度を示している。点線で示されるように指令速度と実駆動速度(実際の駆動速度)とが一致していることが理想であるが、実際には、実線で示されるように、指令速度と実駆動速度とが一致しない領域が存在しうる。具体的には、最大駆動速度v_maxを超える指令速度が駆動機構113に与えられても、駆動機構113は、そのような指令速度に追従することができない。
例えば、T=0.1ppmとすると、s=0.004(ppm/nm)および式(9)より、Δz≦±25 nmとする必要がある。この条件を満たす最大走査速度Vを求めると、V=506mm/secとなる。つまり、基板ステージ116(基板115)の最大走査速度V=506mm/secで走査露光を行うことによって、補正残差の許容範囲を満たしつつスループットの低下を抑えることができる。これにより、要求される重ね合わせを満たしつつ高いスループットを得ることができる。
図8(c)の例では、走査位置yに応じて変化する走査方向における位置ずれ量dyは、式(11)で表される。
ここで、走査位置yおよび位置ずれ量dyを考慮すると、走査速度Vは、式(12)で表される。
例えば、図8(c)のような形状補正を行う場合、式(11)、(12)より得られる式(13)に従うことになる。
走査速度Vは、走査位置yに従って制御すればよい。ここで、dy/dtは、形状補正をしない場合の走査速度V0である。
図8に示される例では、最大走査速度はy=33mmの位置での走査速度であり、
1+a1+2*a2*y=1+(−0.3/106)+(2*0.01*33/106)=0.999<1
となるため、V0は506(mm/sec)から速度を落とす必要があり、例えば、505(mm/sec)の走査速度であれば条件を満たすことになる。
Claims (10)
- 原版のパターン領域のパターンを基板に投影する投影光学系を有し、前記パターン領域に対応する転写像を走査露光によって前記基板に形成する走査露光装置であって、
前記基板に形成される転写像の形状が補正されるように投影光学系の光学特性を調整する調整機構と、
前記転写像の形状補正における補正残差に関する許容範囲に基づいて前記走査露光における最大走査速度を決定し、前記最大走査速度を越えないように前記基板および前記原版の走査を制御するとともに前記調整機構を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする走査露光装置。 - 前記制御部は、前記許容範囲において、前記調整機構の応答特性に基づいて前記最大走査速度を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の走査露光装置。 - 前記調整機構は、前記投影光学系に配置された光学素子を駆動する駆動機構を含み、
前記応答特性は、前記光学素子の駆動量と前記光学特性の変化との関係を示す敏感度、および、前記光学素子の最大駆動速度を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の走査露光装置。 - 前記制御部は、前記最大走査速度を越えない範囲において、前記転写像の形状が補正されるように前記基板および前記原版の走査速度を変化させる、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の走査露光装置。 - 前記補正残差に関する前記許容範囲として、前記光学特性の調整誤差に関する許容範囲が与えられ、前記制御部は、前記調整誤差に関する許容範囲に基づいて、前記基板および前記原版の走査を制御するとともに前記調整機構を制御する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の走査露光装置。 - 前記補正残差に関する前記許容範囲が互いに異なる複数のモードを有し、前記制御部は、前記複数のモードから1つのモードが選択されたことに応じて、前記補正残差に関する前記許容範囲として、選択されたモードに予め対応付けられた許容範囲を選択する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の走査露光装置。 - 前記複数のモードは、スループットよりも補正精度を優先する補正精度優先モード、および、補正精度よりもスループットを優先するスループット優先モードを含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の走査露光装置。 - 前記補正精度優先モードに対応付けられる許容範囲は、前記スループット優先モードに対応付けられる許容範囲より小さい、
ことを特徴とする請求項7に記載の走査露光装置。 - 前記調整機構によって調整される前記光学特性は、前記投影光学系の倍率、ディストーションおよび像面湾曲の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の走査露光装置。 - 基板の上にフォトレジストを塗布する塗布工程と、
前記塗布工程を経た前記基板の上の前記フォトレジストを請求項1乃至9のいずれか1項に記載の走査露光装置によって露光する露光工程と、
前記露光工程を経た前記基板の上の前記フォトレジストを現像してレジストパターンを形成する現像工程と、
前記現像工程を経た前記基板を処理する処理工程と、
を含むことを特徴とする物品製造方法。
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