JP2009164356A - 走査露光装置およびデバイス製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】原版の照明領域をより適正化し、焦点深度を拡大できる走査露光装置を提供する。
【解決手段】露光光による前記原版の照明領域を規定する遮光部材12を備える。遮光部材12は、複数の第1ブレード40と複数の第2ブレード41とを含み、複数の第1ブレード40および複数の第2ブレード41は、複数の第1ブレード40の先端と複数の第2ブレード41の先端とによって前記原版の走査方向における前記照明領域の幅が前記走査方向に直交する方向における位置ごとに定められるように可動に配置され、かつ、前記複数の第1ブレードおよび前記複数の第2ブレードは、前記走査方向に直交する方向の各位置において、該定められた前記照明領域の幅方向の光量重心位置が基準線の上に配列されるように、配置され、前記原版および前記基板のうち少なくとも一方は、その法線が前記投影光学系の光軸に対して傾いた状態で走査される。
【選択図】図1

Description

本発明は、走査露光装置およびこれを用いてデバイスを製造するデバイス製造方法に関する。
近年、半導体デバイスの動作の高速化、電子機器の小型化が急速に進んでおり、半導体デバイスの微細化に対する要求がますます高まりつつある。シリコンウエハやガラスプレートなどの基板に微細な回路パターンを形成する工程において、リソグラフィー技術は欠くことができない。
このリソグラフィー工程では、パターンが形成されたレチクルを照明し、投影光学系を通してそのパターンの像を基板に転写する。なお、露光対象の基板は、表面に感光剤を有し、この感光剤がレチクルのパターンからの光によって露光されることによってレチクルのパターンが転写される。
半導体デバイスの製造のための露光装置は、主に、ステップ型露光装置とスキャン型露光装置の2種類に分けることができる。ステップ型露光装置は、スキャン型露光装置に比べて、構造が比較的簡単でコストが抑えられるという利点がある。しかし、広い領域を露光するためには投影光学系の露光フィールドを大きくとる必要があり、ステップ型露光装置は、収差の補正の観点では不利である。
スキャン型露光装置は、走査露光装置とも呼ばれ、レチクルと基板を同期して走査しながら露光が行われる。レチクルと基板との走査によって投影光学系の露光フィールドよりも大きな領域を露光することができるため、投影光学系の露光フィールドを小さくすることが可能である。したがって、投影光学系の収差の補正の観点で、スキャン型露光装置はステップ型露光装置よりも優れている。
露光装置の光源としては、発振波長が約248nmのKrFエキシマレーザーや、発振波長が約193nmのArFエキシマレーザーなどのパルス光源が用いられることが多い。スキャン型露光装置でパルス光源を用いる場合、基板上において、露光用の光の不連続性に起因して走査方向に積算露光量のばらつき(露光むら)が発生する。
上述の問題を解決する方法として、遮光部材をレチクル面またはその共役面に対してずれた位置に配置する方法がある(特許文献1)。遮光部材によって光束形状が規定された直後では、レチクルを照明する露光光の光強度分布のエッジはシャープな立ち上がりとなる。しかし、遮光部材をレチクル面またはその共役面からずれた位置に配置することにより、レチクル面では、走査方向に沿った光強度分布は台形状になる。走査方向に沿った光強度分布を台形状とすることにより、走査方向における積算露光量のばらつきを低減することができる。
積算露光量のばらつきは、走査方向だけでなく、スリット方向(走査方向と直交する方向)にも存在する。このような積算露光量のばらつきを取り除くために、可変スリット機構により露光光のスリット幅を像高ごとに調整して積算露光量を均一化させる方法が提案されている(特許文献2)。また、スリットの位置を像高ごとに調整する方法が提案されている(特許文献3)。
ところで、露光装置が形成することができる像の解像度Rは、一般にRayleighの式と呼ばれる以下の式で表される。
R=K1・λ/NA
ここで、k1はプロセス係数、λは露光装置の光源が発生する光の波長、NAは投影光学系の開口数である。Rayleighの式から、解像度Rを小さくして微細なパターンを基板に転写するためには、プロセス係数k1または波長λを小さくするか、投影光学系のNAを大きくすればよいことが分かる。このため、半導体デバイスの微細化に伴い、露光装置の光源の短波長化が進み、投影光学系のNAは拡大してきている。
また、実際のリソグラフィー工程では、基板の湾曲やプロセスによる基板の段差等の影響、感光剤の厚さのために、ある程度の焦点深度が必要となる。焦点深度DOFは、一般的に以下の式で表される。
DOF=K1・λ/NA
この式から明らかなように、焦点深度は、光源の短波長化、投影光学系のNAの増加とともに小さくなる。微細なパターンを有するデバイスの製造においては、焦点深度の値が小さくなるため、歩留まりの悪化を招く。
波長や投影光学系のNAを変えることなく焦点深度を拡大する方法として、光軸に垂直な面に対して基板の走査方向を傾けて露光する方法がある(非特許文献1参照)。この方法に因れば、走査露光される際に基板は、像面に平行な多数の面で露光されることになるので、焦点深度が拡大される。
特許第3377053号公報 特開2005−167232号公報 特開2000−082655号公報 Proc. of SPIE Vol. 6154 61541g−1
図2は、従来の可変スリット機構の制御における問題点を説明するための図である。この可変スリット機構は、露光光によるレチクルの照明領域を規定するとともに該照明領域における光強度分布を規定する遮光部材100と、遮光部材100を駆動する不図示の駆動機構とを備える。遮光部材100は、可動に配置された複数の第1ブレード110と、可動に配置された複数の第2ブレード120とを含む。複数の第1ブレード110の先端と複数の第2ブレード120の先端とによってレチクルの走査方向における露光光の幅、即ちスリットSの幅が定められる。
積算露光量を均一にするために、像高に応じてスリットSの幅が替えられている。ここで、図2に示す例では、複数の第1ブレード110と複数の第2ブレード120のうち片側のみ、即ち複数の第1ブレード110のみの位置が調整されている。このようにして形成されるスリットSでは、スリットSの幅方向における光強度分布の重心位置が像高ごとに異なることになる。特許文献2、3には、可変スリット機構が開示されているが、同文献は、スリットSの幅方向における光強度分布の重心位置を像高にかかわらず一定にすることについて開示も示唆もしていない。
特に、光軸に垂直な面に対して基板の走査方向を傾けて露光する方法では、露光光(最終的には、基板に入射する光)の光強度分布の重心位置が像高ごとに異なると、像高ごとに焦点深度の範囲が異なってしまう。これは、全像高において共通な焦点深度の範囲が狭くなることを意味する。この現象についての詳細については後述する。
本発明は、上記のような課題認識を契機としてなされたものであり、例えば、走査露光装置における原版の照明領域をより適正化することを目的とする。
本発明の第1の側面は、原版および基板を走査しながら該原版のパターンを投影光学系によって該基板に投影して該基板を走査露光する走査露光装置に係り、前記走査露光装置は、露光光による前記原版の照明領域を規定する遮光部材を備え、前記遮光部材は、複数の第1ブレードと複数の第2ブレードとを含み、前記複数の第1ブレードおよび前記複数の第2ブレードは、前記複数の第1ブレードの先端と前記複数の第2ブレードの先端とによって前記原版の走査方向における前記照明領域の幅が前記走査方向に直交する方向における位置ごとに定められるように可動に配置され、かつ、前記複数の第1ブレードおよび前記複数の第2ブレードは、前記走査方向に直交する方向の各位置において、該定められた前記照明領域の幅方向の光量重心位置が基準線の上に配列されるように、配置され、前記原版および前記基板のうち少なくとも一方は、その法線が前記投影光学系の光軸に対して傾いた状態で走査される。
本発明の第2の側面は、原版および基板を走査しながら該原版のパターンを投影光学系によって該基板に投影して該基板を走査露光する走査露光装置に係り、前記走査露光装置は、露光光による前記原版の照明領域を規定する遮光部材を備え、前記遮光部材は、複数の第1ブレードと複数の第2ブレードとを含み、前記複数の第1ブレードおよび前記複数の第2ブレードは、前記複数の第1ブレードの先端と前記複数の第2ブレードの先端とによって前記原版の走査方向における前記照明領域の幅が前記走査方向に直交する方向における位置ごとに定められるように移動可能に配置され、かつ、前記走査方向に直交する方向の各位置において、前記複数の第1ブレードの先端位置と前記複数の第2ブレードの先端位置との中点に、該定められた前記照明領域の幅方向の光量重心位置があり、前記原版および前記基板のうち少なくとも一方は、その法線が前記投影光学系の光軸に対して傾いた状態で走査される。
本発明によれば、例えば、走査露光装置における原版の照明領域がより適正化され、基板上の積算露光むらを低減することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。
図3は、本発明の好適な実施形態の走査露光装置の概略構成を示す図である。本発明の好適な実施形態の走査露光装置100は、原版(レチクル、マスク)17および基板20を走査しながら原版17のパターンを投影光学系18によって基板20に投影して基板20を走査露光するように構成されている。
この明細書では、投影光学系18の光軸に平行な軸をZ軸、原版17および基板20の走査方向に平行な軸をX軸としてXYZ座標系を定義する。X軸、Y軸、Z軸に平行な方向をそれぞれX方向、Y方向、Z方向とする。なお、照明学系ILは、ミラー9、15によって光路が折り曲げられているので、照明光学系ILにおいては、照明光学系ILの光軸をZ軸、原版17および基板20の走査方向に対応する軸をX軸としてXYZ座標系を定義する。
照明光学系ILは、この実施形態では、引き回し光学系2からコリメータレンズ16に至る光路に配置された要素によって構成される。光源1としては、例えば、発振波長が約193nmのArFエキシマレーザーや、発振波長が約248nmのKrFエキシマレーザーであるが、本発明において、光源の種類や光源が発する光の波長に制限はない。
光源1から出射された光は、引き回し光学系2によって回折光学素子3に導かれる。典型的には、複数の回折光学素子3が複数のスロットを有するターレットのそれぞれのスロットに搭載されており、アクチュエーター4によって、任意の回折光学素子3を光路中に配置されうる。
回折光学素子3から出射された光は、コンデンサーレンズ5によって集光され、回折パターン面6に回折パターンを形成する。アクチュエーター4により光路中に位置する回折光学素子3を交換すれば、回折パターンの形状を変えることができる。
回折パターン面6に形成された回折パターンは、プリズム群7(7a、7b)、ズームレンズ8によって輪帯率やσ値などのパラメータが調整された後、ミラー9に入射する。ミラー9によって反射された光束は、オプティカルインテグレータ10に入射する。オプティカルインテグレータ10は、例えば、レンズアレイ(フライアイ)として構成されうる。
プリズム群7は、例えば、プリズム7a、7bを含む。プリズム7a、7b間の距離が十分に小さい場合は、プリズム7aと7bは一体化した一枚のガラス平板とみなすことができる。回折パターン面6に形成された回折パターンは、ほぼ相似形状を保ちながらズームレンズ8によりσ値が調整され、オプティカルインテグレータ10の入射面に結像される。プリズム7aと7bの位置を離すことによって、回折パターン面6に形成された回折パターンは、輪帯率や開口角も調整される。
オプティカルインテグレータ10から出射された光束は、コンデンサーレンズ11で集光されて、照明視野絞りとして機能する遮光部材13が配置された平面(原版17と共役な面)に目的とする光強度分布を形成する。
遮光部材12は、後述の可変スリット機構の一部を構成する。遮光部材12は、原版17が配置される面またはその共役面(典型的には、遮光部材13が配置された面)からずれた位置に配置され、露光光による原版17の照明領域を規定するとともに該照明領域における光強度分布を制御する。より具体的には、遮光部材12は、原版17および基板20の走査方向に沿った光強度分布が台形状となるように露光光の光強度分布を制御する。台形状の光強度分布は、光源1が発生する光がパルス光であること、即ち不連続性を有することに起因する走査方向の積算露光量のばらつきを低減するために効果的である。
遮光部材12、13の各開口(スリット)を通過した光束は、ミラー15で反射された後に原版17を照明する。原版17のパターンは、投影光学系18によって、基板ステージ19によって保持された基板20に投影される。これにより、基板20がその表面に有する感光剤に潜像パターンが形成される。
基板ステージ19は、それによって保持される基板20の法線が投影光学系18の光軸に対して傾いた状態で基板20が走査されるように不図示の駆動機構によって駆動される。ここで、基板20を傾ける代わりに原版17を傾けてもよい。即ち、基板20および原版17のうち少なくとも一方が、その法線が投影光学系18の光軸に対して傾いた状態で走査されうる。
より詳細には、基板20については、露光領域において、基板20上に塗布された感光剤の表面の法線が傾いた状態で走査されうる。このような露光方法によれば、焦点深度を拡大することができる。なお、基板20の法線が投影光学系18の光軸に対して傾いた状態に限定することなく、基板20及び原版17の法線が投影光学系18の光軸に対して傾いていない状態で走査してもよい。
図1は、可変スリット機構VSの構成例を示す図である。なお、Z軸は、照明光学系ILの光軸に平行な軸、X軸は、原版17および基板20の走査方向に対応する方向に平行な軸、Y軸は、X軸およびZ軸に直交する軸である。ここで、図1におけるX軸に沿った方向(スリットSの幅方向)は、原版17および基板20の走査方向に対応する。
可変スリット機構VSは、露光光による原版17の照明領域を規定するとともに該照明領域における光強度分布を制御するための遮光部材12と、遮光部材12を駆動する駆動機構48とを備える。遮光部材12は、複数の第1ブレード40(40a、40b、40c・・・)と複数の第2ブレード41(41a、41b、41c・・・)とを含む。複数の第1ブレード40の先端と複数の第2ブレード41の先端との間隔、即ちスリットSの幅によって原版17の走査方向における該原版17の照明領域の幅が定められる。駆動機構48は、複数の第1ブレード40の先端の位置と複数の第2ブレード41の先端の位置とが基準線(直線)Lに対して線対称になるように複数の第1ブレード40および複数の第2ブレード41を駆動する。駆動機構48はまた、露光光の幅が走査方向(X軸方向)に直交する方向(Y軸方向)における位置(像高)ごとに個別に定められるように複数の第1ブレード40および複数の第2ブレード41を駆動する。
このように、複数の第1ブレード40a、40b・・・の先端とそれらにそれぞれ対応する複数の第2ブレード41a、41b・・・の先端との中点42a、42b・・・は、スリットSの幅の方向に垂直な線(前述の基準線L)の上に配列される。言い換えれば、走査方向に直交する方向の各位置において、複数の第1ブレードの先端位置と複数の第2ブレードの先端位置との中点に、照明領域の光強度分布の光量重心位置があるように、遮光部材12が配置されうる。なお、上記では、走査方向における照明領域(露光領域)の光強度分布が均一である場合について説明した。しかし、その光強度分布が均一でない場合は、走査方向における位置と該位置における光量との積を走査方向の光量の総和で割った値として求めうる光量重心位置が基準線L上に配列されるように、駆動機構48が各ブレードを駆動してもよい。なお、照明領域(露光領域)における各点の光量は、レチクル面またはウエハ面近傍に配置された検出器によって検出されうる。その検出器による検出結果(照度むら)に基づいて、各ブレードを制御してもよい。
各像高におけるスリットSの幅(第1ブレード40の先端と第2ブレード41の先端との間隔)は、積算露光量のばらつきが低減されるように決定される。
基板20および原版17のうち少なくとも一方をその法線が投影光学系18の光軸に対して傾いた状態で走査露光を行う場合、走査方向に沿った露光光の台形状の光強度分布の重心位置が像高ごとに異なると、像高ごとに焦点深度の範囲が異なることになる。より具体的な説明のために、図4のa、b、cのような露光光の光強度分布を考える。この光強度分布は、原版17上における該原版17の走査方向に沿った露光光の光強度分布、または、基板20上における該基板20の走査方向に沿った露光光の光強度分布を例示している。図5は、図4のa、b、cに対応するCDカーブを例示している。図5において、横軸は、投影光学系18の光軸方向における基板20の表面位置、縦軸は、CD(Critical Dimension)或いは線幅を示している。図4のa、cのように台形形状の光強度分布の幅が変化しても重心位置が変化しない場合には、CDカーブはほとんど変わらない。一方、図4のa、bのように台形形状の光強度分布の重心位置が変化すると、CDカーブは投影光学系18の光軸方向にシフトする。すなわち、台形形状の光強度分布の重心位置がずれると、基板20または原版17を傾けて露光する際のベストフォーカス位置がずれることになる。
したがって、光強度分布の重心位置が像高に依存して変化する場合には、基板20または原版17を傾けて露光する際のベストフォーカス位置が像高ごとに異なることになる。
以上の検討より、次の結論が得られる。つまり、図4のa、cのように台形形状の光強度分布の幅が変化しても重心位置が変化しない場合には、焦点深度の範囲が像高にかかわらず一定になり、全像高において共通な焦点深度の範囲を広くすることができる。
上記の基準線Lは、必ずしも光軸(照明光学系および投影光学系の光軸)を通る直線である必要はない。しかし、基板及び原版のうち少なくとも一方を傾けて走査露光をする際に、基準線が光軸を通らないということは、投影光学系の焦点位置がずれるのと同じ効果になる。したがって、基板または原版を傾けて走査露光をする際、投影光学系の焦点がずれていない場合には、基準線Lが光軸を通っていることが好ましい。
逆に、基板及び原版のうち少なくとも一方を傾けて走査露光をする場合であって投影光学系の焦点位置がずれている場合には、光量重心を基準線Lの光軸からずらすことによって、その焦点位置のずれを補正することができる。例えば、投影光学系18の収差により、原版17のパターンを基板20に転写する際に焦点がずれることがある。このような焦点ずれは、光量重心を基準線Lの光軸からずらすことによって補正されうる。
以上の説明において、基準線Lは、数学的に完全な直線である必要はない。例えば、完全な直線に対して、複数の第1ブレード40の先端とそれらにそれぞれ対応する複数の第2ブレード41の先端との間隔における最小値の5パーセント以内のずれを有する線を基準線Lとすることができる。この説明は、次のような理由によって支持されうる。通常、基板20またはステージ19の傾け量は、最大でも光軸に垂直な面に対して1μm以下である。したがって、完全な直線からの基準線Lのずれ量が5%以内であれば、各像高におけるベストフォーカス位置のばらつきは±0.05μm以内にすることができ、良好な結像性能を保つことができる。
また、EUVリソグラフィーの円弧照明において、照明領域が円弧形状である場合は、基準線Lは円弧状の曲線である。その場合、走査方向に直交する方向の各位置において、複数の第1ブレードの先端位置と複数の第2ブレードの先端位置との中点に、照明領域の光強度分布の光量重心位置があるように、遮光部材12が配置されうる。
さらに、遮光部材12は駆動機構48によって駆動されたが、これに限定せず、遮光部材は移動可能に配置されていればよい。
以上の実施形態によれば、走査露光装置における原版の照明領域がより適正化され、基板上の積算露光むらを低減することができる。
次に上記の露光装置を利用したデバイス製造方法を説明する。図6は、半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す図である。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2(レチクル作製)では設計した回路パターンに基づいてレチクル(原版)を作製する。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハ(基板ともいう)を製造する。ウエハの他に、基板としては液晶基板等を含む。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記のレチクルとウエハを用いて、リソグラフィー技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組み立て工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これを出荷(ステップ7)する。 図7は、上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す図である。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を成膜する。ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(CMP)ではCMP工程によって絶縁膜を平坦化する。ステップ16(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップ17(露光)では上記の露光装置を用いて、回路パターンが形成されたマスクを介し感光剤が塗布されたウエハを露光してレジストに潜像パターンを形成する。ステップ18(現像)ではウエハ上のレジストに形成された潜像パターンを現像してレジストパターンを形成する。ステップ19(エッチング)ではレジストパターンが開口した部分を通してレジストパターンの下にある層又は基板をエッチングする。ステップ20(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンを形成する。
可変スリット機構VSの構成例を示す図である。 従来の可変スリット機構の制御における問題点を説明するための図である。 本発明の好適な実施形態の走査露光装置の概略構成を示す図である。 原版の照明領域または基板の露光領域に形成される台形状の光強度分布を例示する図である。 図4に例示する台形状の光強度分布に対応する焦点深度の範囲を例示する図である。 デバイス製造方法を例示する図である。 デバイス製造方法を例示する図である。
符号の説明
1: 光源
2: 引き回し光学系
3: 回折光学素子
4: アクチュエーター
5: コンデンサーレンズ
6: フーリエ変換面
7: プリズム
8: ズームレンズ
9: ミラー
10: オプティカルインテグレータ
11: コンデンサーレンズ
12: 遮光部材
13: 遮光部材
14: コンデンサーレンズ
15: ミラー
16: コリメータレンズ
17: 原版(レチクル)
18: 投影光学系
19: 基板ステージ
20: 基板
40:第1ブレード
41: 第2ブレード
48: 駆動機構
S: スリット
VS:可変スリット機構

Claims (8)

  1. 原版および基板を走査しながら該原版のパターンを投影光学系によって該基板に投影して該基板を走査露光する走査露光装置であって、
    露光光による前記原版の照明領域を規定する遮光部材を備え、
    前記遮光部材は、複数の第1ブレードと複数の第2ブレードとを含み、前記複数の第1ブレードおよび前記複数の第2ブレードは、前記複数の第1ブレードの先端と前記複数の第2ブレードの先端とによって前記原版の走査方向における前記照明領域の幅が前記走査方向に直交する方向における位置ごとに定められるように可動に配置され、かつ、前記複数の第1ブレードおよび前記複数の第2ブレードは、前記走査方向に直交する方向の各位置において、該定められた前記照明領域の幅方向の光量重心位置が基準線の上に配列されるように、配置され、
    前記原版および前記基板のうち少なくとも一方は、その法線が前記投影光学系の光軸に対して傾いた状態で走査されることを特徴とする走査露光装置。
  2. 原版および基板を走査しながら該原版のパターンを投影光学系によって該基板に投影して該基板を走査露光する走査露光装置であって、
    露光光による前記原版の照明領域を規定する遮光部材を備え、
    前記遮光部材は、複数の第1ブレードと複数の第2ブレードとを含み、前記複数の第1ブレードおよび前記複数の第2ブレードは、前記複数の第1ブレードの先端と前記複数の第2ブレードの先端とによって前記原版の走査方向における前記照明領域の幅が前記走査方向に直交する方向における位置ごとに定められるように移動可能に配置され、かつ、前記走査方向に直交する方向の各位置において、前記複数の第1ブレードの先端位置と前記複数の第2ブレードの先端位置との中点に、該定められた前記照明領域の幅方向の光量重心位置があり、
    前記原版および前記基板のうち少なくとも一方は、その法線が前記投影光学系の光軸に対して傾いた状態で走査されることを特徴とする走査露光装置。
  3. 前記複数の第1ブレードの先端の位置と前記複数の第2ブレードの先端の位置とが前記基準線に対して線対称であることを特徴とする請求項1又は2に記載の走査露光装置。
  4. 前記遮光部材を駆動する駆動機構を更に備え、
    前記駆動機構は、前記複数の第1ブレードの先端の位置と前記複数の第2ブレードの先端の位置とが前記走査方向に直交する方向の各位置において、該定められた前記照明領域の幅方向の光量重心位置が前記基準線の上に配列されるように、前記複数の第1ブレードおよび前記複数の第2ブレードを駆動することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の走査露光装置。
  5. 前記遮光部材が、前記原版または前記原版の共役面からずれた位置に配置されている、ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の走査露光装置。
  6. 前記基準線が、前記原版を照明する照明光学系の光軸を通る直線である、ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の走査露光装置。
  7. 前記基準線が、前記原版を照明する照明光学系の光軸からずれた直線である、ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の走査露光装置。
  8. デバイス製造方法であって、
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載の走査露光装置を用いて基板を露光する工程と、
    露光された該基板を現像する工程と、
    を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009164355A (ja) * 2008-01-07 2009-07-23 Canon Inc 走査露光装置およびデバイス製造方法
JP2014116406A (ja) * 2012-12-07 2014-06-26 Nikon Corp 露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法
CN111247485A (zh) * 2017-10-24 2020-06-05 佳能株式会社 曝光装置和用于制造物品的方法

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