JP6759925B2 - トルクセンサ及びその補正方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トルクセンサ及びその補正方法に関する。
従来、磁歪式のトルクセンサが知られている。磁歪式のトルクセンサは、応力が付与された際に透磁率が変化する磁歪特性を有する回転軸を用い、トルクが付与されて回転軸が捩じれた際の回転軸の透磁率の変化を検出コイルのインダクタンスの変化として検出することにより、回転軸に付与されたトルクを検出する。
回転軸にトルクが付与されると、軸方向に対して所定角度(例えば+45度)傾斜した方向に圧縮(又は引張)の応力が作用し、軸方向に対して反対方向に所定角度(例えば−45度)傾斜した方向に引張(又は圧縮)の応力が作用する。よって、軸方向に対して例えば+45度及び−45度傾斜した方向の透磁率の変化を2つの検出コイルでそれぞれ検出するように構成し、かつ、ブリッジ回路を用いて両検出コイルの両端電圧の差分を測定するように構成することで、回転軸に付与されたトルクを感度よく検出することが可能になる。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、特許文献1がある。
特開平4−20826号公報
ところで、ブリッジ回路を構成する検出コイルは全て同じインピーダンスであることが要求される。しかし、実際には製造公差等により各検出コイルのインピーダンスに差異が生じ、このインピーダンスの差異の影響により、回転軸が付与されていない状態でもある電圧(オフセット電圧という)が出力されてしまう現象が生じる。
また、検出コイルのインピーダンスは温度依存性を有していることが知られている。そのため、上述のオフセット電圧も温度依存性を有しており、さらに、回転軸に付与されたトルクとセンサ出力との関係(つまり感度)も温度依存性を有している。
例えば、自動車のトランスミッションに設けられるトルクセンサでは、−40℃〜150℃程度の広い温度範囲で使用されることになるため、温度の影響による検出精度の低下を抑制した高精度なトルクセンサが求められる。
特許文献1では、検出コイルでの検出信号を整流して直流化し、この直流化した検出信号に基づいてオフセット補正や感度補正を行っている。しかし、この方法では、検出コイルでの検出信号を直流化することにより振幅等の詳細な情報が失われてしまい、検出精度の低下の原因となる場合がある。
そこで、本発明は、温度によらずトルクを精度よく検出可能なトルクセンサ及びその補
正方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決することを目的として、磁歪特性を有する回転軸に取り付けられているセンサ部と、前記センサ部の温度を検出する温度検出手段と、前記センサ部からの出力に基づき前記回転軸に付与されたトルクを検出する演算部と、を備え、前記センサ部は、前記回転軸の軸方向に対して所定角度傾斜した第1方向での前記回転軸の透磁率変化を検出するための第1検出コイル及び第4検出コイルと、前記回転軸の軸方向に対して前記第1方向と反対側に前記所定角度傾斜した第2方向での前記回転軸の透磁率変化を検出するための第2検出コイル及び第3検出コイルと、を有し、前記第1検出コイル、前記第2検出コイル、前記第4検出コイル、及び前記第3検出コイルが、この順序で環状に接続されてブリッジ回路が構成されており、前記ブリッジ回路における前記第1検出コイルと前記第2検出コイル間の接点と、前記第3検出コイルと前記第4検出コイル間の接点との間に交流電圧が印加され、前記第1検出コイルと前記第3検出コイル間の接点と、前記第2検出コイルと前記第4検出コイル間の接点との間の電圧を出力電圧として前記演算部に出力するように構成されており、前記演算部は、前記温度検出手段で検出した温度を基に、前記センサ部から入力された前記出力電圧の正弦成分と余弦成分のオフセット補正をそれぞれ行い、補正後の前記出力電圧の正弦成分と余弦成分の2乗平均平方根を演算することで、センサ出力を演算するセンサ出力演算部を備えた、トルクセンサを提供する。
また、本発明は、上記課題を解決することを目的として、磁歪特性を有する回転軸に取り付けられているセンサ部と、前記センサ部の温度を検出する温度検出手段と、前記センサ部からの出力に基づき前記回転軸に付与されたトルクを検出する演算部と、を備え、前記センサ部は、前記回転軸の軸方向に対して所定角度傾斜した第1方向での前記回転軸の透磁率変化を検出するための第1検出コイル及び第4検出コイルと、前記回転軸の軸方向に対して前記第1方向と反対側に前記所定角度傾斜した第2方向での前記回転軸の透磁率変化を検出するための第2検出コイル及び第3検出コイルと、を有し、前記第1検出コイル、前記第2検出コイル、前記第4検出コイル、及び前記第3検出コイルが、この順序で環状に接続されてブリッジ回路が構成されており、前記ブリッジ回路における前記第1検出コイルと前記第2検出コイル間の接点と、前記第3検出コイルと前記第4検出コイル間の接点との間に交流電圧が印加され、前記第1検出コイルと前記第3検出コイル間の接点と、前記第2検出コイルと前記第4検出コイル間の接点との間の電圧を出力電圧として前記演算部に出力するように構成されており、前記温度検出手段で検出した温度を基に、前記センサ部から入力された前記出力電圧の正弦成分と余弦成分のオフセット補正をそれぞれ行い、補正後の前記出力電圧の正弦成分と余弦成分の2乗平均平方根を演算することで、センサ出力を演算する、トルクセンサの補正方法を提供する。
本発明によれば、温度によらずトルクを精度よく検出可能なトルクセンサ及びその補正方法を提供できる。
本発明の一実施の形態に係るトルクセンサのセンサ部を示す図であり、(a)は回転軸に取り付けた際の側面図、(b)はそのA−A線断面図である。 ボビンを展開した状態を模式的に示す平面図であって、(a)は第1検出コイル及び第4検出コイルを説明する図、(b)は第2検出コイル及び第3検出コイルを説明する図である。 トルクセンサの概略構成図である。 センサ部の出力電圧の温度依存性を説明するグラフ図である。 温度変化ΔTと電圧変化ΔEとの関係の一例を示すグラフ図である。 温度変化ΔTとセンサ部の出力電圧の余弦成分ΔVcos、正弦成分ΔVsinとの関係の一例を示すグラフ図である。 (a)は、センサ出力PVとトルクTqとの関係の一例を示すグラフ図であり、(b)は、温度変化ΔTと感度補正係数SErとの関係の一例を示すグラフ図である。 演算部における演算のフローを示すフロー図である。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
(トルクセンサのセンサ部の説明)
図1は、本実施の形態に係るトルクセンサのセンサ部を示す図であり、(a)は回転軸に取り付けた際の側面図、(b)はそのA−A線断面図である。
図1(a),(b)に示すように、トルクセンサ1のセンサ部2は、磁歪特性を有する回転軸101の周囲に取り付けられている。トルクセンサ1は、回転軸101に付与されたトルク(回転トルク)を測定するものである。
センサ部2は、トルクセンサ用コイル21と、磁性体リング22と、を備えている。
回転軸101は、磁歪特性を有する材料から構成され、円柱状(棒状)に形成されている。磁歪特性を有する材料としては、例えば、ニッケル、鉄−アルミニウム合金、鉄−コバルト合金等が挙げられる。なお、回転軸101に用いる材料としては、圧縮時に透磁率が低下し引張時に透磁率が増加する正磁歪材料、圧縮時に透磁率が増加し引張時に透磁率が低下する負磁歪材料のどちらを用いても構わない。回転軸101は、例えば、車両のパワートレイン系のトルク伝達に用いられるシャフト、あるいは車両のエンジンのトルク伝達に用いられるシャフトである。
磁性体リング22は、磁性体(強磁性体)からなり、中空円筒状に形成されている。磁性体リング22の中空部にはトルクセンサ用コイル21が挿入される。磁性体リング22の内径は、ボビン23の外径(後述するフランジ部23a以外の部分の外径)と略同じに(若干大きく)形成されている。磁性体リング22は、トルクセンサ用コイル21の検出コイル3で生じた磁束が外部に漏れて感度が低下することを抑制する役割を果たす。
トルクセンサ用コイル21は、非磁性体である樹脂からなるボビン23と、ボビン23の外周に絶縁電線を巻き付けて構成される複数の検出コイル3と、を有している。ボビン23に用いる樹脂としては、例えば、ポリフタルアミド樹脂(PPA)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等が挙げられる。
ボビン23は、回転軸101と離間して同軸に設けられており、中空円筒状に形成されている。ボビン23の軸方向における一方の端部(図1(a)における左側の端部)には、ボビン23の外周面から径方向外方に延びるフランジ部23aが形成されており、このフランジ部23aにより、磁性体リング22の軸方向に沿った移動を規制している。
ボビン23の外周面には、回転軸101の軸方向に対して所定角度(ここでは+45度)傾斜した複数の第1傾斜溝4と、軸方向に対して第1傾斜溝4と反対方向に所定角度(ここでは−45度)傾斜した複数の第2傾斜溝5とが形成されている。第1傾斜溝4及び第2傾斜溝5は、ボビン23の径方向に窪んだ溝によって形成されている。
図2(a),(b)に示すように、トルクセンサ用コイル21は、検出コイル3として、第1〜第4検出コイル31〜34を有している。第1検出コイル31及び第4検出コイル34は、第1傾斜溝4に沿って絶縁電線をボビン23に巻き付けて形成される。第2検出コイル32及び第3検出コイル33は、第2傾斜溝5に沿って絶縁電線をボビン23に巻き付けて形成される。
図2(a)中、符号31a,31bは、それぞれ第1検出コイル31の1層分の入力端と出力端を示し、符号34a,34bは、それぞれ第4検出コイル34の1層分の入力端と出力端を示す。図2(b)中、符号32a,32bは、それぞれ第2検出コイル32の1層分の入力端と出力端を示し、符号33a,33bは、それぞれ第3検出コイル33の1層分の入力端と出力端を示す。なお、図2(a),(b)では1ターン分の絶縁電線の巻き付けを示しており、目的のターン絶縁電線の巻き付けを繰り返すことで、各検出コイル31〜34が形成される。また、図2(a),(b)に示した絶縁電線の巻き付け方法は一例であり、他の巻き付け方を用いて検出コイル31〜34を形成してもよい。
第1検出コイル31及び第4検出コイル34に交流電圧を印加した状態で回転軸101にトルクが付与されると、付与されたトルクの大きさに応じて、回転軸101の軸方向に対して+45度傾斜した方向の透磁率が変化し、この透磁率の変化に伴って、第1検出コイル31及び第4検出コイル34のインダクタンスが変化する。よって、第1検出コイル31及び第4検出コイル34のインダクタンスの変化を検出することで、回転軸101に付与されたトルクの大きさを検出することが可能である。つまり、第1検出コイル31及び第4検出コイル34は、回転軸101の軸方向に対して所定角度(ここでは+45度)傾斜した第1方向での回転軸101の透磁率変化を検出するためのものである。
同様に、第2検出コイル32及び第3検出コイル33に交流電圧を印加した状態で回転軸101にトルクが付与されると、付与されたトルクの大きさに応じて、回転軸101の軸方向に対して−45度傾斜した方向の透磁率が変化し、この透磁率の変化に伴って、第2検出コイル32及び第3検出コイル33のインダクタンスが変化する。よって、第2検出コイル32及び第3検出コイル33のインダクタンスの変化を検出することで、回転軸101に付与されたトルクの大きさを検出することが可能である。つまり、第2検出コイル32及び第3検出コイル33は、回転軸101の軸方向に対して第1方向と反対側に所定角度(ここでは−45度)傾斜した第2方向での回転軸101の透磁率変化を検出するためのものである。
検出コイル31〜34に用いる絶縁電線としては、例えば銅又は銅にニッケル等のめっきを施した導体の外周に、耐油性及び耐熱性に優れた絶縁層を形成したものを好適に用いることができる。絶縁電線の絶縁層としては、例えば、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミドからなるものを用いることができる。
図示していないが、センサ部2は、トルクセンサ用コイル21と磁性体リング22とを一体に固定する固定部材をさらに備えていてもよい。固定部材としては、例えば、軸方向の両側からトルクセンサ用コイル21と磁性体リング22とを挟み込み互いに固定される一対のリング状の部材や、トルクセンサ用コイル21と磁性体リング22とを一体に覆う樹脂モールド等が挙げられる。
(ブリッジ回路と演算部の説明)
図3は、トルクセンサ1の概略構成図である。図3に示すように、トルクセンサ1は、図1,2により説明したセンサ部2と、センサ部2の温度を検出する温度検出手段6と、センサ部2からの出力に基づき回転軸101に付与されたトルクを検出する演算部7と、を備えている。
センサ部2では、第1検出コイル31、第2検出コイル32、第4検出コイル34、第3検出コイル33をこの順序で環状に接続してブリッジ回路24が構成されている。以下、第1検出コイル31のインダクタンスをL1とし、第2検出コイル32のインダクタンスをL2とし、第3検出コイル33のインダクタンスをL3とし、第4検出コイル34のインダクタンスをL4とする。
また、センサ部2では、ブリッジ回路24における第1検出コイル31と第2検出コイル32間の接点aと、第3検出コイル33と第4検出コイル34間の接点bとの間に交流電圧eが印加され、第1検出コイル31と第3検出コイル33間の接点cと、第2検出コイル32と第4検出コイル34間の接点dとの間の電圧を出力電圧Vとして演算部7に出力するように構成されている。
ここで、センサ部2の出力電圧Vの特性について図4を用いて説明しておく。時間0にてトルクセンサ1の電源をオンとし、時間t1〜t2間で回転軸101にトルクを付与した場合の出力電圧Vの特性は、図4のようになる。なお、図4では、センサ部2の温度が−40℃の場合と、150℃の場合について示しており、両温度にて回転軸101に付与するトルクの大きさは同じとしている。
図4に示すように、センサ部2の出力電圧Vは、回転軸101にトルクが付与されていない無負荷状態であっても0とはならず、所定のオフセット電圧Voffが出力電圧Vとして出力される。また、オフセット電圧Voffは、温度によって変化する。つまり、オフセット電圧Voffは温度依存性を有している。
また、図4に示すように、回転軸101に同じトルクを付与した場合であっても、出力電圧Vの変化量は温度によって異なっている。つまり、トルクセンサ1の感度は温度依存性を有している。本実施の形態では、これらの温度依存性を演算部7にて補正し、これにより温度によらず高精度なトルク検出を可能としている。
図3に戻り、演算部7は、所定の周波数(例えば200kHz)の正弦波の交流信号を発信する発信器71と、2つのロックインアンプ72a,72bと、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)73と、2つのロックインアンプ72a,72bとマイコン73間にそれぞれ設けられた2つのADコンバータ74a,74bと、マイコン73の出力に設けられたDAコンバータ75と、を備えている。
本実施の形態では、演算部7はモジュール化され専用の筐体76に収容されており、筐体76には入力側コネクタ77と出力側コネクタ78とが設けられている。入力側コネクタ77には、センサ部2から延出された4芯のケーブル79が接続される。ケーブル79の各芯線79a〜79dはブリッジ回路24の各接点a〜dに電気的に接続されている。出力側コネクタ78は、例えば、図示しないケーブルを介して車両の電子制御ユニット(ECU)に接続される。
演算部7は、例えば、車両の電子制御ユニットの近傍に配置されている。なお、これに限らず、演算部7は、車両の電子制御ユニット等の演算ユニットに一体に組み込まれていてもよい。
発信器71の出力は、入力側コネクタ77に接続されており、入力側コネクタ77、及びケーブル79の芯線79a,79bを介して、ブリッジ回路24の接点a,bに電気的に接続されている。発信器71は接点a,b間に交流電圧eを印加する。
第1ロックインアンプ72aの入力は、発信器71の出力に電気的に接続されている。つまり、第1ロックインアンプ72aには、接点a,b間に印加されている交流電圧eが入力される。第1ロックインアンプ72aは、入力された交流電圧eを増幅し、その余弦成分Ecosと正弦成分Esinとを出力する。
第1ロックインアンプ72aの出力は、第1ADコンバータ74aを介してマイコン73に接続されている。第1ロックインアンプ72aから出力されたEcos,Esinは、第1ADコンバータ74aにてデジタル信号に変換されてマイコン73に入力される。
第2ロックインアンプ72bの入力は、入力側コネクタ77に接続されており、入力側コネクタ77、及びケーブル79の芯線79c,79dを介して、ブリッジ回路24の接点c,dに電気的に接続されている。つまり、第2ロックインアンプ72bには、センサ部2の出力電圧Vが入力される。第2ロックインアンプ72bは、入力された出力電圧Vを増幅し、その余弦成分Vcosと正弦成分Vsinとを出力する。
第2ロックインアンプ72bの出力は、第2ADコンバータ74bを介してマイコン73に接続されている。第2ロックインアンプ72bから出力されたVcos,Vsinは、第2ADコンバータ74bにてデジタル信号に変換されてマイコン73に入力される。図4では図示を省略しているが、両ロックインアンプ72a,72bには、発信器71から交流電圧eと同じ周波数(例えば200kHz)の参照信号が入力されている。
マイコン73の出力は、DAコンバータ75を介して出力側コネクタ78と電気的に接続されている。マイコン73から出力された信号は、DAコンバータ75にてアナログ信号に変換され、出力側コネクタ78を介して演算部7の外部(例えばECU)へと出力される。本実施の形態では、演算部7が動作するための電源は、出力側コネクタ78を介して演算部7に入力されているが、これに限らず、例えば電源入力用の専用のコネクタを介して電源が入力されていてもよい。
また、演算部7は、演算部7の温度(回路温度)を検出する回路温度IC80を有しており、回路温度IC80の出力がマイコン73に入力されている。
さらに、演算部7は、センサ出力演算部81、トルク演算部82、温度演算部83、及び回路温度依存性補正部84を有している。これらセンサ出力演算部81、トルク演算部82、温度演算部83、及び回路温度依存性補正部84は、マイコン73にて所定のソフトウェアを実行することにより実現されており、マイコン73において演算素子、ソフトウェア、メモリ、インターフェイス等を適宜組み合わせて実現されている。
(温度演算部83の説明)
温度演算部83は、センサ部2の温度を演算するものであり、温度検出手段6を構成するものである。本実施の形態では、温度検出手段6は、第1ロックインアンプ72aと、第1ADコンバータ74aと、温度演算部83とから構成されている。
検出コイル3のインピーダンスは温度によって変化する。接点a,b間に印加されている交流電圧eは、発信器71の内部インピーダンスと接点a,b間のインピーダンスとによって分圧されたものであるから、この交流電圧eも温度によって変化することになる。温度演算部83は、交流電圧eを基に、基準温度からの温度変化ΔTをセンサ部2の温度として検出する。ここでは基準温度を20.85℃とした。
温度演算部83は、基準温度での交流電圧eの大きさErを記憶すると共に、温度変化ΔTと交流電圧eの大きさの変化量(以下、電圧変化という)ΔEとの関係を記憶する第3記憶部83aを有している。温度変化ΔTのときの交流電圧eの大きさをEとすると、ΔE=E−Erとなる。
図5は、温度変化ΔTと電圧変化ΔEとの関係を実測したグラフ図である。図5に示すように、温度変化ΔTと電圧変化ΔEとは略比例関係となっており、1次関数により近似することができる。つまり、温度変化ΔTと電圧変化ΔEとの関係は、下式(1)
ΔT=TA×ΔE+TB
=TA×(E−Er)+TB ・・・(1)
で表すことができる。なお、式(1)におけるTA,TBは係数であり、予め実測を行い最小二乗法等の任意の近似方法により決定することができる。
温度演算部83は、第1ロックインアンプ72aから入力された交流電圧eの余弦成分Ecosと正弦成分Esinの2乗平均平方根により現在の交流電圧eの大きさEを求め、得られたEを上式(1)に代入することで、温度変化ΔTを演算する。現在の交流電圧eの大きさEは、下式(2)で表すことができる。
E={(Ecos)2+(Esin)21/2 ・・・(2)
なお、本実施の形態では、交流電圧eの余弦成分Ecosと正弦成分Esinの2乗平均平方根(交流電圧eの大きさE)を基に温度変化ΔTを演算しているが、これに限らず、交流電圧eの余弦成分Ecosのみ、あるいは正弦成分Esinのみに基づいて、温度変化ΔTを演算するようにしてもよい。これは、センサ部2の構造等によっては、余弦成分Ecosと正弦成分Esinのうち一方のみが温度によって変化する場合も考えられるためである。このような場合に、交流電圧eの余弦成分Ecosのみ、あるいは正弦成分Esinのみを基に温度変化ΔTを演算することで、演算を簡単化して演算の高速化等のメリットを得ることができる。
また、本実施の形態では、ブリッジ回路24の接点a,b間に印加されている交流電圧eを基にセンサ部2の温度(温度変化ΔT)を求めるように温度検出手段6を構成したが、これに限らず、熱電対や温度センサを温度検出手段6として用いてもよい。ただし、この場合、センサ部2に熱電対や温度センサを取付ける必要があるためセンサ部2の構造が複雑になるおそれがある。また、温度センサ等をセンサ部2と別体に設けた場合には、センサ部2の温度の変化を速やかに検出することが困難になり、部品点数の増加にもつながる。本実施の形態のように交流電圧eを基にセンサ部2の温度を求めるように温度検出手段6を構成することで、温度検出手段6を演算部7に一体に設けること(筐体76内に温度検出手段6を搭載すること)が可能であり、部品点数の増加を抑え、センサ部2の構造改変によるコスト増加を抑制可能になる。また、交流電圧eを監視することにより、センサ部2やケーブル79での断線等の異常を検出することも可能になる。この場合、上述の式(2)で表されるEの値と、予め設定した故障判定閾値とを比較することにより、異常判定を行う異常判定部を演算部7にさらに備えるとよい。
(センサ出力演算部81の説明)
センサ出力演算部81は、温度演算部83が演算した温度変化ΔTを基に、センサ部2から入力された出力電圧Vのオフセット補正を行うものである。本実施の形態では、センサ出力演算部81は、センサ部2から入力された出力電圧Vの余弦成分Vcosと正弦成分Vsinのオフセット補正をそれぞれ行い、補正後の出力電圧Vの余弦成分Vcosと正弦成分Vsinの2乗平均平方根を演算することで、センサ出力PVを演算している。
センサ出力演算部81は、予め設定した基準温度での出力電圧Vの余弦成分Vcoscと正弦成分Vsincを記憶すると共に、回転軸101にトルクが付与されていない状態での基準温度からの温度変化ΔTに対する出力電圧Vの余弦成分Vcosの変化量ΔVcosと正弦成分Vsinの変化量ΔVsinの関係を記憶する第1記憶部81aを有している。ΔVcosとΔVsinは、基準温度からΔT温度が変化した際にVcosあるいはVsinが変化する変化量である。
図6は、温度変化ΔTとΔVcosとの関係、及び温度変化ΔTとΔVsinとの関係を実測したグラフ図である。図6に示すように、温度変化ΔTとΔVcosあるいはΔVsinとの関係は、2次関数により近似することができる。つまり、温度変化ΔTとΔVcos,ΔVsinとの関係は、下式(3),(4)
ΔVcos=VCA×ΔT2+VCB×ΔT+VCC ・・・(3)
ΔVsin=VSA×ΔT2+VSB×ΔT+VSC ・・・(4)
で表すことができる。式(3)におけるVCA、VCB、及びVCCは係数であり、予め実測を行い最小二乗法等の任意の近似方法により決定することができる。同様に、式(4)におけるVSA、VSB、及びVSCは係数であり、予め実測を行い最小二乗法等の任意の近似方法により決定することができる。
センサ出力演算部81は、まず、温度演算部83で求めた温度変化ΔTに対応するΔVcosとΔVsinを抽出する。すなわち、上式(3),(4)を用いて、ΔVcosとΔVsinを演算する。その後、得られたΔVcos及びΔVsinと、センサ部2から入力された現在の出力電圧Vの余弦成分Vcosと正弦成分Vsinとを基に、下式(5)〜(7)
Vcosr=(Vcos−Vcosc)−ΔVcos ・・・(5)
Vsinr=(Vsin−Vsinc)−ΔVsin ・・・(6)
PV=sgn(Vsinr)×
{(Vcosr2+(Vsinr21/2 ・・・(7)
但し、sgn(Vsinr)は、Vsinr<0のとき−1、
Vsinr≧0のとき1
によりセンサ出力PVを演算する。
上式(5)における(Vcos−Vcosc)は、つまり現在での基準温度からのVcosの変化量であるから、回転軸101にトルクが付与されていない状態では式(3)のΔVcosと同じ値となり、Vcosrは0になる。他方、回転軸101にトルクが付与された状態では、上式(5)における(Vcos−Vcosc)が、温度変化ΔTより求めた無負荷状態でのΔVcosとは異なった値となるため、Vcosrは0にならない。式(6)についても同様である。
つまり、式(5),(6)では、温度変化ΔTより求めた無負荷状態でのΔVcos,ΔVsinを現在値から減ずることで、トルクの影響によるVcos,Vsinの変化量のみを抽出しており、これによりオフセット補正がなされている。補正後のVcosrとVsinrの2乗平均平方根を演算し、Vsinrの正負に応じた正負の符号を付加することで、センサ出力PVが得られる。
なお、本実施の形態のように、余弦成分Vcosと正弦成分Vsinのオフセット補正を個別に行わずに、その2乗平均平方根の値(つまり出力電圧Vの絶対値)を用いて補正を行うことも考えられる。しかし、この場合、2乗平均平方根を演算することにより情報が切り捨てられた状態でオフセット補正が行われることになり、オフセット補正の精度が低下してしまう。本実施の形態のように、余弦成分Vcosと正弦成分Vsinのオフセット補正を個別に行い、補正後に2乗平均平方根を演算してセンサ出力PVを演算することで、検出精度をより高めることが可能である。
(トルク演算部82の説明)
トルク演算部82は、温度演算部83が演算した温度変化ΔTを基に感度を補正し、補正後の感度をセンサ出力PVに掛け合わせることで、回転軸101に付与されたトルクを演算するものである。なお、ここでいう感度とは、トルクをセンサ出力PVで割った値である。すなわち、感度とは、横軸をセンサ出力PV、縦軸をトルクとしたグラフにおいて、センサ出力PVとトルクの関係を表す直線の傾きである。
トルク演算部82は、予め設定した基準温度での感度SEを記憶すると共に、基準温度からの温度変化ΔTに対する感度補正係数SErの関係を記憶する第2記憶部82aを有している。
図7(a)は、センサ出力PVとトルクTqとの関係を実測したグラフ図である。図7(a)に示すように、センサ出力PVとトルクTqとの関係は、温度によってその傾き(すなわち感度)変化していることがわかる。
図7(b)は、温度変化ΔTと感度補正係数との関係を実測したグラフ図である。感度補正係数とは、基準温度での感度を1としたときに、温度変化ΔTでの感度がその何倍であるかを表す係数である。図7(b)に示すように、温度変化ΔTと感度補正係数との関係は、2次関数により近似することができる。つまり、温度変化ΔTと感度補正係数SErとの関係は、下式(8)
SEr=SEA×ΔT2+SEB×ΔT+SEC ・・・(8)
で表すことができる。式(8)におけるSEA、SEB、及びSECは係数であり、予め実測を行い最小二乗法等の任意の近似方法により決定することができる。
トルク演算部82は、上式(8)により、温度変化ΔTに対応する感度補正係数SErを抽出し、当該感度補正係数SErを、基準温度での感度SEに掛け合わせることで、感度を補正する。つまり、トルク演算部82は、下式(9)
Tq=SE×SEr×PV ・・・(9)
より、トルクTqを求める。
また、トルク演算部82は、求めたトルクTqに応じた大きさの電圧VTqを、下式(10)
VTq=Vmax×Tq/TqFS ・・・(10)
但し、TqFS:トルクのフルスケール値
Vmax:出力電圧の最大値
により決定する。これにより、±Vmaxの範囲内で、トルクTqに応じた大きさの電圧VTqが決定される。
(回路温度依存性補正部84の説明)
回路温度依存性補正部84は、トルク演算部82が求めた電圧VTqに、さらに回路温度IC80で求めた回路温度の変化量ΔTcに応じた補正係数Kを掛け合わせることで、演算部7内の回路(出力側コネクタ78や基板上の配線パターン等を含む)における温度の影響を補正するものである。なお、回路温度の変化量ΔTcとは、予め設定した回路温度における基準温度からの回路温度の変化量である。
回路温度の変化量ΔTcと補正係数Kとの関係は、上述のΔVcosやΔVsin、あるいは感度補正係数SErと同様に、2次関数で近似することができる。つまり、補正係数Kは、下式(11)
K=KA×ΔTc2+KB×ΔTc+KC ・・・(11)
で表すことができる。式(11)におけるKA、KB、及びKCは係数であり、予め実測を行い最小二乗法等の任意の近似方法により決定することができる。
回路温度依存性補正部84は、下式(12)
CVTq=VTq×K ・・・(12)
により補正後出力電圧値CVTqを演算し、得られた補正後出力電圧値CVTqをDAコンバータ75でアナログ信号(つまり電圧の大きさが補正後出力電圧値CVTqである電圧信号)に変換し、出力側コネクタ78から自動車の電子制御ユニット等に出力する。本実施の形態では、補正後出力電圧値CVTq以外に、トルク演算部82が求めた電圧VTq、回路温度IC80で求めた回路温度、及びセンサ出力演算部81で求めた補正後の出力電圧の正弦成分Vsinrについても、外部に出力するように構成されている。なお、ここで示した外部に出力するデータは一例であり、どのデータを外部に出力するかは、必要に応じて適宜設定可能である。
(演算部7における演算のフローの説明)
図8は、演算部7における演算のフローを示すフロー図である。図8に示すように、まず、ステップS1にて、演算部7の温度演算部83が、ブリッジ回路24の接点a,b間に印加されている交流電圧eを基に、温度変化ΔTを求める(上述の式(1),(2)参照)。
その後、ステップS2にて、センサ出力演算部81が、ステップS1で求めた温度変化ΔTを基に、ブリッジ回路24の接点c,d間の電圧である出力電圧Vの余弦成分Vcos、及び正弦成分Vsinのオフセット補正を行い、これらの2乗平均平方根からセンサ出力PVを求める(上述の式(3)〜(7)参照)。
その後、ステップS3にて、トルク演算部82が、ステップS1で求めた温度変化ΔTを基に感度補正係数SErを求めて感度補正を行い、補正後の感度と、ステップS2で求めたセンサ出力PVとを用いてトルクTqを演算する(上述の式(8),(9)参照)。また、トルクTqに応じた電圧VTqを決定する(上述の式(10)参照)。
その後、ステップS4にて、回路温度依存性補正部84が、回路温度IC80で求めた回路温度の変化量ΔTcを基に補正係数Kを演算し、その補正係数Kを、ステップS3で求めた電圧VTqに掛け合わせることで、回路温度依存性を補正した補正後出力電圧値CVTqを求める(上述の式(11),(12)参照)。
その後、ステップS5にて、ステップS4で求めた補正後出力電圧値CVTqを出力し、ステップS1に戻る。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態に係るトルクセンサ1では、温度検出手段6で検出した温度(ここでは温度変化ΔT)を基に、センサ部2から入力された出力電圧Vの余弦成分Vcosと正弦成分Vsinのオフセット補正をそれぞれ行い、補正後の出力電圧Vの余弦成分Vcosr正弦成分Vsinrの2乗平均平方根を演算することで、センサ出力PVを演算するセンサ出力演算部81を備えている。
センサ出力演算部81を備えることにより、温度によらずオフセット電圧を小さく抑えることが可能になり、トルクを精度よく検出することが可能になる。また、出力電圧Vの余弦成分Vcosと正弦成分Vsinを個別にオフセット補正することで、出力電圧Vの絶対値にオフセット補正を加えた場合と比較して、オフセット補正の精度をより高めることが可能であり、より高精度にトルクを検出することが可能になる。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]磁歪特性を有する回転軸(101)に取り付けられているセンサ部(2)と、前記センサ部(2)の温度を検出する温度検出手段(6)と、前記センサ部(2)からの出力に基づき前記回転軸(101)に付与されたトルクを検出する演算部(7)と、を備え、前記センサ部(2)は、前記回転軸(101)の軸方向に対して所定角度傾斜した第1方向での前記回転軸(101)の透磁率変化を検出するための第1検出コイル(31)及び第4検出コイル(34)と、前記回転軸(101)の軸方向に対して前記第1方向と反対側に前記所定角度傾斜した第2方向での前記回転軸(101)の透磁率変化を検出するための第2検出コイル(32)及び第3検出コイル(33)と、を有し、前記第1検出コイル(31)、前記第2検出コイル(32)、前記第4検出コイル(34)、及び前記第3検出コイル(33)が、この順序で環状に接続されてブリッジ回路(24)が構成されており、前記ブリッジ回路(24)における前記第1検出コイル(31)と前記第2検出コイル(32)間の接点(a)と、前記第3検出コイル(33)と前記第4検出コイル(34)間の接点(b)との間に交流電圧が印加され、前記第1検出コイル(31)と前記第3検出コイル(33)間の接点cと、前記第2検出コイル(32)と前記第4検出コイル(34)間の接点(d)との間の電圧を出力電圧として前記演算部(7)に出力するように構成されており、前記演算部(7)は、前記温度検出手段(6)で検出した温度を基に、前記センサ部(2)から入力された前記出力電圧の正弦成分と余弦成分のオフセット補正をそれぞれ行い、補正後の前記出力電圧の正弦成分と余弦成分の2乗平均平方根を演算することで、センサ出力を演算するセンサ出力演算部(81)を備えた、トルクセンサ(1)。
[2]前記センサ出力演算部(81)は、予め設定した基準温度での前記出力電圧の余弦成分Vcosc正弦成分Vsincを記憶すると共に、前記回転軸(101)にトルクが付与されていない状態での前記基準温度からの温度変化に対する前記出力電圧の余弦成分の変化量ΔVcosと正弦成分の変化量ΔVsinの関係を記憶する第1記憶部(81a)を有し、前記関係から、前記温度検出手段で検出した温度に対応する出力電圧の余弦成分の変化量ΔVcosと正弦成分の変化量ΔVsinを抽出し、前記センサ部(2)から入力された前記出力電圧の余弦成分Vcosと正弦成分Vsinとを基に、下式(13)〜(15)
Vcosr=(Vcos−Vcosc)−ΔVcos ・・(13)
Vsinr=(Vsin−Vsinc)−ΔVsin ・・(14)
PV=sgn(Vsinr)×
{(Vcosr2+(Vsinr21/2 ・・(15)
但し、sgn(Vsinr)は、Vsinr<0のとき−1、
Vsinr≧0のとき1
によりセンサ出力PVを演算する、[1]に記載のトルクセンサ(1)。
[3]前記演算部(7)は、前記ブリッジ回路(24)における前記第1検出コイル(31)と前記第2検出コイル(32)間の接点(a)と、前記第3検出コイル(33)と前記第4検出コイル(34)間の接点(b)との間に交流電圧を印加する発信器(71)を備え、前記温度検出手段(6)は、前記交流電圧の正弦成分、余弦成分、あるいは正弦成分と余弦成分の2乗平均平方根を基に、前記センサ部(2)の温度を演算する温度演算部(83)を有する、[1]または[2]記載のトルクセンサ(1)。
[4]前記演算部(7)は、前記温度検出手段(6)で検出した温度を基に感度を補正し、補正後の感度を前記センサ出力に掛け合わせることで、前記回転軸に付与されたトルクを演算するトルク演算部(82)を有する、[1]乃至[3]の何れか1項に記載のトルクセンサ(1)。
[5]前記トルク演算部(82)は、予め設定した基準温度での感度を記憶すると共に、前記基準温度からの温度変化に対する感度補正係数の関係を記憶する第2記憶部(82a)を有し、前記温度検出手段(6)で検出した温度に対応する感度補正係数を抽出し、当該感度補正係数を、前記基準温度での感度に掛け合わせることで、感度を補正する、[4]に記載のトルクセンサ(1)。
[6]磁歪特性を有する回転軸に取り付けられているセンサ部(2)と、前記センサ部(2)の温度を検出する温度検出手段(6)と、前記センサ部(2)からの出力に基づき前記回転軸(101)に付与されたトルクを検出する演算部(7)と、を備え、前記センサ部(2)は、前記回転軸(101)の軸方向に対して所定角度傾斜した第1方向での前記回転軸(101)の透磁率変化を検出するための第1検出コイル(31)及び第4検出コイル(34)と、前記回転軸(101)の軸方向に対して前記第1方向と反対側に前記所定角度傾斜した第2方向での前記回転軸(101)の透磁率変化を検出するための第2検出コイル(32)及び第3検出コイル(33)と、を有し、前記第1検出コイル(31)、前記第2検出コイル(32)、前記第4検出コイル(34)、及び前記第3検出コイル(33)が、この順序で環状に接続されてブリッジ回路(24)が構成されており、前記ブリッジ回路(24)における前記第1検出コイル(31)と前記第2検出コイル(32)間の接点(a)と、前記第3検出コイル(33)と前記第4検出コイル(34)間の接点(b)との間に交流電圧が印加され、前記第1検出コイル(31)と前記第3検出コイル(33)間の接点(c)と、前記第2検出コイル(32)と前記第4検出コイル(34)間の接点(d)との間の電圧を出力電圧として前記演算部(7)に出力するように構成されているトルクセンサ(1)の補正方法であって、前記温度検出手段(6)で検出した温度を基に、前記センサ部(2)から入力された前記出力電圧の正弦成分と余弦成分のオフセット補正をそれぞれ行い、補正後の前記出力電圧の正弦成分と余弦成分の2乗平均平方根を演算することで、センサ出力を演算する、トルクセンサ(1)の補正方法。
[7]予め設定した基準温度での前記出力電圧の余弦成分Vcoscと正弦成分Vsincを記憶すると共に、前記回転軸(101)にトルクが付与されていない状態での前記基準温度からの温度変化に対する前記出力電圧の余弦成分の変化量ΔVcosと正弦成分の変化量ΔVsinの関係を記憶しておき、前記関係から、前記温度検出手段(6)で検出した温度に対応する出力電圧の余弦成分の変化量ΔVcosと正弦成分の変化量ΔVsinを抽出し、前記センサ部(2)から入力された前記出力電圧の余弦成分Vcosと正弦成分Vsinとを基に、下式(16)〜(18)
Vcosr=(Vcos−Vcosc)−ΔVcos ・・(16)
Vsinr=(Vsin−Vsinc)−ΔVsin ・・(17)
PV=sgn(Vsinr)×
{(Vcosr)2+(Vsinr21/2 ・・(18)
但し、sgn(Vsinr)は、Vsinr<0のとき−1、
Vsinr≧0のとき1
によりセンサ出力PVを演算する、[6]に記載のトルクセンサ(1)の補正方法。
[8]前記ブリッジ回路(24)における前記第1検出コイル(31)と前記第2検出コイル(32)間の接点(a)と、前記第3検出コイル(33)と前記第4検出コイル(34)間の接点(b)との間に印加されている前記交流電圧の正弦成分、余弦成分、あるいは正弦成分と余弦成分の2乗平均平方根を基に、前記センサ部(2)の温度を演算する、[6]または[7]記載のトルクセンサ(1)の補正方法。
[9]前記温度検出手段(6)で検出した温度を基に感度を補正し、補正後の感度を前記センサ出力に掛け合わせることで、前記回転軸(101)に付与されたトルクを演算する、[6]乃至[8]の何れか1項に記載のトルクセンサ(1)の補正方法。
[10]予め設定した基準温度での感度を記憶すると共に、前記基準温度からの温度変化に対する感度補正係数の関係を記憶しておき、前記温度検出手段(6)で検出した温度に対応する感度補正係数を抽出し、当該感度補正係数を、前記基準温度での感度に掛け合わせることで、感度を補正する、[9]に記載のトルクセンサ(1)の補正方法。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
1…トルクセンサ
2…センサ部
3…検出コイル
4…第1傾斜溝
5…第2傾斜溝
6…温度検出手段
7…演算部
21…トルクセンサ用コイル
22…磁性体リング
23…ボビン
24…ブリッジ回路
31…第1検出コイル
32…第2検出コイル
33…第3検出コイル
34…第4検出コイル
81…センサ出力演算部
82…トルク演算部
83…温度演算部
84…回路温度依存性補正部
101…回転軸

Claims (10)

  1. 磁歪特性を有する回転軸に取り付けられているセンサ部と、
    前記センサ部の温度を検出する温度検出手段と、
    前記センサ部からの出力に基づき前記回転軸に付与されたトルクを検出する演算部と、
    を備え、
    前記センサ部は、
    前記回転軸の軸方向に対して所定角度傾斜した第1方向での前記回転軸の透磁率変化を検出するための第1検出コイル及び第4検出コイルと、
    前記回転軸の軸方向に対して前記第1方向と反対側に前記所定角度傾斜した第2方向での前記回転軸の透磁率変化を検出するための第2検出コイル及び第3検出コイルと、を有し、
    前記第1検出コイル、前記第2検出コイル、前記第4検出コイル、及び前記第3検出コイルが、この順序で環状に接続されてブリッジ回路が構成されており、
    前記ブリッジ回路における前記第1検出コイルと前記第2検出コイル間の接点と、前記第3検出コイルと前記第4検出コイル間の接点との間に交流電圧が印加され、前記第1検出コイルと前記第3検出コイル間の接点と、前記第2検出コイルと前記第4検出コイル間の接点との間の電圧を出力電圧として前記演算部に出力するように構成されており、
    前記演算部は、
    前記温度検出手段で検出した温度を基に、前記センサ部から入力された前記出力電圧の正弦成分と余弦成分のオフセット補正をそれぞれ行い、補正後の前記出力電圧の正弦成分と余弦成分の2乗平均平方根を演算することで、センサ出力を演算するセンサ出力演算部を備えた、
    トルクセンサ。
  2. 前記センサ出力演算部は、
    予め設定した基準温度での前記出力電圧の余弦成分Vcosc正弦成分Vsincを記憶すると共に、前記回転軸にトルクが付与されていない状態での前記基準温度からの温度変化に対する前記出力電圧の余弦成分の変化量ΔVcosと正弦成分の変化量ΔVsinの関係を記憶する第1記憶部を有し、
    前記関係から、前記温度検出手段で検出した温度に対応する出力電圧の余弦成分の変化量ΔVcosと正弦成分の変化量ΔVsinを抽出し、前記センサ部から入力された前記出力電圧の余弦成分Vcosと正弦成分Vsinとを基に、下式(1)〜(3)
    Vcosr=(Vcos−Vcosc)−ΔVcos ・・・(1)
    Vsinr=(Vsin−Vsinc)−ΔVsin ・・・(2)
    PV=sgn(Vsinr)×
    {(Vcosr2+(Vsinr21/2 ・・・(3)
    但し、sgn(Vsinr)は、Vsinr<0のとき−1、
    Vsinr≧0のとき1
    によりセンサ出力PVを演算する、
    請求項1に記載のトルクセンサ。
  3. 前記演算部は、
    前記ブリッジ回路における前記第1検出コイルと前記第2検出コイル間の接点と、前記第3検出コイルと前記第4検出コイル間の接点との間に交流電圧を印加する発信器を備え、
    前記温度検出手段は、前記交流電圧の正弦成分、余弦成分、あるいは正弦成分と余弦成分の2乗平均平方根を基に、前記センサ部の温度を演算する温度演算部を有する、
    請求項1または2記載のトルクセンサ。
  4. 前記演算部は、前記温度検出手段で検出した温度を基に感度を補正し、補正後の感度を前記センサ出力に掛け合わせることで、前記回転軸に付与されたトルクを演算するトルク演算部を有する、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載のトルクセンサ。
  5. 前記トルク演算部は、予め設定した基準温度での感度を記憶すると共に、前記基準温度からの温度変化に対する感度補正係数の関係を記憶する第2記憶部を有し、
    前記温度検出手段で検出した温度に対応する感度補正係数を抽出し、当該感度補正係数を、前記基準温度での感度に掛け合わせることで、感度を補正する、
    請求項4に記載のトルクセンサ。
  6. 磁歪特性を有する回転軸に取り付けられているセンサ部と、
    前記センサ部の温度を検出する温度検出手段と、
    前記センサ部からの出力に基づき前記回転軸に付与されたトルクを検出する演算部と、
    を備え、
    前記センサ部は、
    前記回転軸の軸方向に対して所定角度傾斜した第1方向での前記回転軸の透磁率変化を検出するための第1検出コイル及び第4検出コイルと、
    前記回転軸の軸方向に対して前記第1方向と反対側に前記所定角度傾斜した第2方向での前記回転軸の透磁率変化を検出するための第2検出コイル及び第3検出コイルと、を有し、
    前記第1検出コイル、前記第2検出コイル、前記第4検出コイル、及び前記第3検出コイルが、この順序で環状に接続されてブリッジ回路が構成されており、
    前記ブリッジ回路における前記第1検出コイルと前記第2検出コイル間の接点と、前記第3検出コイルと前記第4検出コイル間の接点との間に交流電圧が印加され、前記第1検出コイルと前記第3検出コイル間の接点と、前記第2検出コイルと前記第4検出コイル間の接点との間の電圧を出力電圧として前記演算部に出力するように構成されているトルクセンサの補正方法であって、
    前記温度検出手段で検出した温度を基に、前記センサ部から入力された前記出力電圧の正弦成分と余弦成分のオフセット補正をそれぞれ行い、補正後の前記出力電圧の正弦成分と余弦成分の2乗平均平方根を演算することで、センサ出力を演算する、
    トルクセンサの補正方法。
  7. 予め設定した基準温度での前記出力電圧の余弦成分Vcosc正弦成分Vsincを記憶すると共に、前記回転軸にトルクが付与されていない状態での前記基準温度からの温度変化に対する前記出力電圧の余弦成分の変化量ΔVcosと正弦成分の変化量ΔVsinの関係を記憶しておき、
    前記関係から、前記温度検出手段で検出した温度に対応する出力電圧の余弦成分の変化量ΔVcosと正弦成分の変化量ΔVsinを抽出し、前記センサ部から入力された前記出力電圧の余弦成分Vcosと正弦成分Vsinとを基に、下式(1)〜(3)
    Vcosr=(Vcos−Vcosc)−ΔVcos ・・・(1)
    Vsinr=(Vsin−Vsinc)−ΔVsin ・・・(2)
    PV=sgn(Vsinr)×
    {(Vcosr2+(Vsinr21/2 ・・・(3)
    但し、sgn(Vsinr)は、Vsinr<0のとき−1、
    Vsinr≧0のとき1
    によりセンサ出力PVを演算する、
    請求項6に記載のトルクセンサの補正方法。
  8. 前記ブリッジ回路における前記第1検出コイルと前記第2検出コイル間の接点と、前記第3検出コイルと前記第4検出コイル間の接点との間に印加されている前記交流電圧の正弦成分、余弦成分、あるいは正弦成分と余弦成分の2乗平均平方根を基に、前記センサ部の温度を演算する、
    請求項6または7記載のトルクセンサの補正方法。
  9. 前記温度検出手段で検出した温度を基に感度を補正し、補正後の感度を前記センサ出力に掛け合わせることで、前記回転軸に付与されたトルクを演算する、
    請求項6乃至8の何れか1項に記載のトルクセンサの補正方法。
  10. 予め設定した基準温度での感度を記憶すると共に、前記基準温度からの温度変化に対する感度補正係数の関係を記憶しておき、
    前記温度検出手段で検出した温度に対応する感度補正係数を抽出し、当該感度補正係数を、前記基準温度での感度に掛け合わせることで、感度を補正する、
    請求項9に記載のトルクセンサの補正方法。
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