以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
図1は、本願発明の一実施形態に係る灯具10を示す正面図である。また、図2は、図1のII−II線断面図であり、図3は、図1のIII−III線断面図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係る灯具10は、車両の左前端部に設けられるクリアランスランプであって、ランプボディ12と素通し状の透光カバー14とで形成される灯室内に、光源ユニット20とレンズ30と筒状部材40と第2レンズ50と第3レンズ60とが組み込まれた構成となっている。
なお、灯具10としては、図3において、Xで示す方向が「前方」(車両としても「前方」)であり、Yで示す方向が「前方」と直交する「左方向」(車両としても「左方向」であるが灯具正面視では「右方向」)である。
透光カバー14は、平面視において、車幅方向内側(右側)から車幅方向外側へ向けて、前方側へ向けて僅かに膨らんだ凸曲線に沿って後方側に傾斜して延びるように形成されている。
図4は、灯具10の主要構成要素を分解して示す側断面図である。
以下、これら主要構成要素の各々の具体的な構成について説明する。
まず、光源ユニット20の構成について説明する。
この光源ユニット20は、光源として5つの発光素子22を備えており、ランプボディ12に対して着脱可能に支持されている。
5つの発光素子22は、いずれも同一サイズの正方形の発光面を有する白色発光ダイオードであって、1つの発光素子22を中心にして4つの発光素子22が十字状に配置された状態で共通の基板24に搭載されている。この基板24は、プラグ26の前端面に支持されている。
そして、この光源ユニット20は、そのプラグ26の部分においてランプボディ12の後壁部に形成された光源支持孔12aに支持されている。この支持は、光源ユニット20のプラグ26の前端部26aを光源支持孔12aに後方から挿入した状態で、所定量回転させて後壁部と嵌合させることによって行われている。この嵌合が確実に行われるようにするため、プラグ26にはパッキン28が装着されている。なお、このプラグ26は、放熱部として機能する複数の冷却フィン26bと給電用のコネクタ26cとを備えた構成となっている。
この光源ユニット20は、ランプボディ12に支持された状態において、各発光素子22の発光面が灯具正面方向を向くように構成されている。
次に、レンズ30の構成について説明する。
このレンズ30は、光源ユニット20の前方近傍において、中央に位置する発光素子22の発光中心を通るようにして前後方向に延びる光軸Ax上に配置されている。
このレンズ30の前面30aは、光軸Axを中心とする中央領域が前方側へ膨らんだ凸面部30a1として構成されており、その外周側の領域が平面部30a2として構成されている。その際、凸面部30a1は、略円弧状の鉛直断面形状を有するとともに略平面状の水平断面形状を有している。
このレンズ30の後面30bは、光軸Axを中心とする中央領域が後方側へ膨らんだ凸面部30b1として構成されており、その上下両側の領域がプリズム部30b2として構成されている。各プリズム部30b2は、光軸Ax側の表面が凸曲線状の鉛直断面形状を有しており、光軸Axとは反対側の表面が前方へ向けて広がる直線状の鉛直断面形状を有している。また、この後面30bにおける凸面部30b1の左右両側の領域は前方へ向けて広がる錐面部30b3として構成されている。
このレンズ30においては、各発光素子22から灯具正面方向に近い角度で出射した光を、その後面30bの凸面部30b1から入射させてその前面30aの凸面部30a1から出射させるようになっている。
その際、後面30bの凸面部30b1は、中央に位置する発光素子22からの出射光を光軸Axと略平行な光として入射させるようになっている。そして、前面30aの凸面部30a1は、この発光素子22からの出射光を鉛直面内においては収束光として出射させるとともに水平面内においては略平行光として出射させるようになっている。
一方、周囲に位置する各発光素子22からの出射光は、中央に位置する発光素子22との位置ズレ分だけ、後面30bの凸面部30b1からレンズ30に入射した後の光路がずれたものとなり、このため、前面30aの凸面部30a1からの出射光の向きが、中央に位置する発光素子22からの出射光よりも光軸Ax寄りの方向へ傾斜したものとなる。
また、このレンズ30においては、各発光素子22から後面30bの凸面部30b1に入射する角度よりも上下方向に大きく傾斜した角度で出射した光を、各プリズム部30b2における光軸Ax側の凸面状の表面からレンズ30に入射させて、各プリズム部30b2における光軸Axとは反対側の平面状の表面において前方へ向けて全反射させた後、その前面30aの平面部30a2から出射させるようになっている。
このレンズ30には、上下1対のフランジ部30cが形成されており、両フランジ部30cにおいて筒状部材40に支持されている。
次に、筒状部材40の構成について説明する。
この筒状部材40は、レンズ30から出射した各発光素子22からの光を制御するための筒状の部材であって、半割状の上ハーフ40Aと下ハーフ40Bとからなっている。
図5は、筒状部材40を上ハーフ40Aと下ハーフ40Bとに分解して示す斜視図である。
同図にも示すように、上ハーフ40Aおよび下ハーフ40Bは、上下対称の形状を有しており、いずれも樹脂成形品として構成されている。そして、筒状部材40は、上ハーフ40Aの下端面と下ハーフ40Bの上端面とを突き合わせた状態でランプボディ12に支持されている。
図1〜3に示すように、この筒状部材40は、その後端側に第1開口部40bを有するとともに、その前端側に第2開口部40aを有している。
図1に示すように、第1開口部40bは、灯具正面視において、光軸Axを中心とするやや縦長矩形状の開口形状を有している。この第1開口部40bは、図2および3に示すように、前後方向に関して光源ユニット20の基板24と略同じ位置において光軸Axと直交する鉛直面に沿って形成されている。
一方、第2開口部40aは、灯具正面視において、光軸Axを中心とする横長矩形状の開口形状を有している。具体的には、この第2開口部40aの上下幅は、第1開口部40bの上下幅の2/3以下の値(例えば1/2程度の値)に設定されている。また、この第2開口部40aの左右幅は、その上下幅の2倍以上の値(より具体的には4倍以上の値(例えば5倍程度の値))に設定されている。この第2開口部40aは、平面視において、車幅方向内側から車幅方向外側へ向けて、前方側へ向けて僅かに膨らんだ凸曲線に沿って後方側に傾斜して延びるように形成されている。
筒状部材40の内部空間は、その上下幅が第1開口部40bから第2開口部40aへ向けて徐々に狭くなるとともに、その左右幅が第1開口部40bから第2開口部40aへ向けて徐々に広くなるように形成されている。
この内部空間は、上ハーフ40Aの上壁部40Aaおよび左右1対の側壁部40Abと、下ハーフ40Bの下壁部40Baおよび左右1対の側壁部40Bbとによって形成されるが、上述したように両者は上下対称の形状を有しているので、まずは下ハーフ40Bの具体的な構成について説明する。
下ハーフ40Bの下壁部40Baは、第1開口部40bのやや前方に位置する部分から第2開口部40aの近傍に位置する部分までが、前方へ向けて斜め上方に平板状に延びる傾斜面部として構成されており、その前後両側に位置する部分が水平面に沿って延びる水平面部として構成されている。
そして、後方側の水平面部の前端位置の内面には、車幅方向に直線状に延びる溝部40Bcが形成されており、また、前方側の水平面部の後端位置の内面には、車幅方向に曲線状に延びる溝部40Bdが形成されている。
溝部40Bcは、光軸Axを中心にして一定の長さで形成されている。そして、この溝部40Bcには、レンズ30の下側のフランジ部30cが嵌め込まれるようになっている。一方、溝部40Bdは、第2開口部40aに沿ってその全長にわたって形成されている。そして、この溝部40Bdには、第2レンズ50の下端部が嵌め込まれるようになっている。
下ハーフ40Bの各側壁部40Bbは、平面視において、中央に位置する発光素子22の発光面と光軸Axとの交点を焦点とするとともに光軸Axを軸とする放物線に沿って延びるように形成されており、その鉛直断面形状は直線状に設定されている。
ただし、各側壁部40Bbにおいて、第1開口部40bに位置する部分の内面は光軸Axと平行な鉛直面に沿って面取りされており、また、第2開口部40aに位置する部分は第2レンズ50を支持するためのフランジ部として構成されている。
各側壁部40Bbにおける前端部寄りの位置には、外面側に張り出す平板状のフランジ部40Beが形成されている。各フランジ部40Beは、その上面が各側壁部40Bbの上端面と面一で形成されている。
下ハーフ40Bの下壁部40Baにおける傾斜面部の内面および各側壁部40Bbにおける曲面部の内面(図5において網目で示す領域)には、アルミ蒸着等による反射面処理が施されており、これにより反射面40c1、40c2としてそれぞれ構成されている。
一方、上ハーフ40Aの上壁部40Aaおよび左右1対の側壁部40Abならびに各溝部40Ac、40Adおよび各フランジ部40Aeも、同様の構成を有している。
筒状部材40は、上ハーフ40Aの各フランジ部40Aeと下ハーフ40Bの各フランジ部40Beとを重ね合わせた状態で、ランプボディ12に位置決めされるようになっている。また、筒状部材40は、上ハーフ40Aの上壁部40Aaおよび下ハーフ40Bの下壁部40Baの後端部分においても、ランプボディ12に位置決めされるようになっている。
そして、筒状部材40は、その内部空間において、レンズ30から出射した各発光素子22からの光を第2開口部40aへ直接的に導くとともに、上ハーフ40Aの上壁部40Aaおよび下ハーフ40Bの下壁部40Baに形成された反射面40c1において1回または複数回反射させた後に第2開口部40aへ導くようになっている。
また、筒状部材40は、その内部空間において、各発光素子22からレンズ30の後面30bに入射する角度よりも左右方向に大きく傾斜した角度で出射した光を、上ハーフ40Aおよび下ハーフ40Bの各側面40Ab、40Bbに形成された反射面40c2において前方へ向けて反射させることにより第2開口部40aへ導くようになっている。
次に、第2レンズ50の構成について説明する。
この第2レンズ50は、筒状部材40の第2開口部40aに配置されている。具体的には、この第2レンズ50は、第2開口部40aに沿って車幅方向に延びており、その上下両端部が上ハーフ40Aおよび下ハーフ40Bの溝部40Ad、40Bdに嵌め込まれた状態で筒状部材40に支持されている。
この第2レンズ50の前面には、複数のレンズ素子50sが形成されている。各レンズ素子50sは、上下方向に延びる凸シリンドリカルレンズとして構成されており、車幅方向に連続的に形成されている。そして、各レンズ素子50sは、第2レンズ50に到達した光を左右方向に拡散する光として透過制御するようになっている。
次に、第3レンズ60の構成について説明する。
この第3レンズ60は、筒状部材40の第2開口部40aの前端面に配置されている。具体的には、この第3レンズ60は、第2開口部40aに沿って車幅方向に延びており、その上下両端部から後方へ延びる上下1対のフランジ部60aにおいて上ハーフ40Aおよび下ハーフ40Bを上下両側から挟み込むようにして前方側から嵌め込まれている。
この第3レンズ60の前面には、複数のレンズ素子60sが形成されている。各レンズ素子60sは、水平方向に延びる細幅の凸シリンドリカルレンズとして構成されており、上下方向に一定の間隔をおいて形成されている。
この第3レンズ60は、各レンズ素子60sに到達した光の一部を上下方向に拡散する光として透過制御する機能を有しているが、主として筒状部材40を前方側から見えにくくするための装飾用レンズとして構成されている。
次に、筒状部材40による光制御の内容について説明する。
上述したように、中央に位置する発光素子22から出射してレンズ30に対してその後面30bの凸面部30b1から入射した光は、その前面30aの凸面部30a1から、鉛直面内においては光軸Ax寄りの収束光として、水平面内においては光軸Axと略平行な光として出射するので、その大半は筒状部材40の内部空間の上下両側に位置する反射面40c1で反射することなく、そのまま第2開口部40aに到達する。
一方、周囲に位置する各発光素子22からの出射光は、中央に位置する発光素子22との位置ズレ分だけ、後面30bの凸面部30b1からの入射光の光路がずれたものとなり、前面30aの凸面部30a1からの出射光の向きが、中央に位置する発光素子22からの出射光よりも光軸Ax寄りの方向へ傾斜したものとなるので、その多くが筒状部材40の反射面40c1で1回または複数回反射した後に第2開口部40aに到達する。
また、各発光素子22からレンズ30の後面30bに入射する角度よりも水平方向に大きく傾斜した角度で出射した光は、筒状部材40の内部空間の左右両側に位置する反射面40c2に到達して該反射面40c2で反射した後、第2開口部40aに到達する。
その際、中央に位置する発光素子22から出射して各反射面40c2で反射した光は、平面視において光軸Axと略平行な光として第2開口部40aに到達し、その左右両側に位置する発光素子22からの出射光は、中央に位置する発光素子22との位置ズレ分だけ、左右両側に傾斜した方向へ向かう光として第2開口部40aに到達する。
このようにして第2開口部40aに到達した光は、該第2開口部40aに配置された第2レンズ50に入射し、そのレンズ素子50sによって左右方向にさらに拡散する光として前方へ出射する。この第2レンズ50には上下方向の光拡散機能はないが、筒状部材40の反射面40c1で反射した後に第2レンズ50に入射した光は、すでに鉛直面内における入射角がかなり大きい値になっているので、上下方向に大きく拡散する光として第2レンズ50から前方へ出射する。
そして、この第2レンズ50からの出射光は、第3レンズ60および透光カバー14を介して灯具前方へ向けて照射される。なお、第3レンズ60には、水平方向に延びる複数のレンズ素子60sが形成されているので、一部の光はさらに上下方向に拡散する光として灯具前方へ向けて照射される。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態に係る灯具10は、光源としての5つの発光素子22からの光を透過制御するレンズ30と、このレンズ30から出射光を制御するための筒状部材40とを備えており、その際、筒状部材40はレンズ30からの出射光をその内部空間における第1開口部40bから第2開口部40aへ向かう方向に導いて第2開口部40aから出射させる構成となっているが、この筒状部材40は、その内周面の上下両側の部分が反射面40c1として構成されており、かつ、その第2開口部40aの開口形状が横長矩形状(細長形状)に設定されているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、筒状部材40の内部空間に導かれたレンズ30からの出射光を、上下1対の反射面40c1において反射させながら第2開口部40aに到達させ、この第2開口部40aから出射させることができる。その際、この第2開口部40aは、その開口形状が横長矩形状に設定されているので、灯具10として細長い発光面を得ることができる。
また、筒状部材40は、従来のような板状導光体に比して重量を小さくすることができるので、灯具10の重量をさほど大きくすることなく細長い発光面を得ることができる。
このように本実施形態によれば、5つの発光素子22からの光を透過制御するレンズ30を備えた灯具10において、灯具10の重量をさほど大きくすることなく細長い発光面を得ることができる。
しかも、本実施形態の筒状部材40は、その第1開口部40bがレンズ30よりも5つの発光素子22側に位置するように形成されているので、レンズ30に入射しなかった各発光素子22からの直射光についても、筒状部材40の第1開口部40bからその内部空間に導いて、その内周面の左右両側の部分を構成する反射面40c2で反射させて第2開口部40aに到達させることができ、これにより各発光素子22からの出射光に対する利用効率を高めることができる。
その際、第1開口部40bは、前後方向に関して、5つの発光素子22が搭載された基板24と略同じ位置において光軸Axと直交する鉛直面に沿って形成されているので、レンズ30に入射しなかった各発光素子22からの出射光の略全量を筒状部材40の内部空間に導くことができる。
また、筒状部材40は、その内部空間の上下幅(第2開口部40aの長手方向と直交する断面内における幅)が第1開口部40bから第2開口部40aへ向けて徐々に狭くなるように形成されているので、上下1対の反射面40c1で反射を繰り返した光を、上下方向に大きく傾斜した光として第2開口部40aに到達させることができ、これにより第2開口部40aがより均一に発光して見えるようにすることができる。
さらに本実施形態においては、筒状部材40の第2開口部40aに、該第2開口部40aからの出射光を透過制御する第2レンズ50が配置されているので、その透過制御作用により、第2開口部40aがより一層均一に発光して見えるようにすることができる。
また本実施形態においては、筒状部材40の第2開口部40aの前端面に、第3レンズ60が装飾用レンズとして配置されているので、筒状部材40を前方側から見えにくくすることができ、これにより灯具10の意匠性を高めることができる。
本実施形態の筒状部材40は上ハーフ40Aと下ハーフ40Bとからなり、その溝部40Ac、40Bcにレンズ30の上下1対のフランジ部30cが嵌め込まれるとともに、その溝部40Ad、40Bdに第2レンズ50の上下端部が嵌め込まれているので、筒状部材40によるレンズ30および第2レンズ50の位置決め支持を容易に行うことができる。
特に、レンズ30は、その上下1対のフランジ部30cにおいて筒状部材40に支持されているので、各発光素子22からレンズ30の後面30bに入射する角度よりも左右方向に大きく傾斜した角度で出射した光が左右1対の反射面40c2に到達するのを、レンズ30の支持構造によって不用意に妨げられてしまわないようにすることができ、これにより各発光素子22からの出射光に対する利用効率を高めることができる。
本実施形態に係る灯具10は、その光源として共通の基板24に搭載された5つの発光素子22を備えているので、比較的コンパクトな構成で、第2開口部40aに到達する光の量を増大させることができ、これにより第2開口部40aが明るく発光して見えるようにすることができる。
一方、このような構成を採用した場合には、すべての発光素子22からの出射光に対してレンズ30による透過制御を精度良く行うことは困難である。すなわち、中央に位置する発光素子22からの出射光に対してレンズ30による透過制御を精度良く行うことは可能であるが、その周囲の発光素子22からの出射光に対してはレンズ30による透過制御を精度良く行うことが困難である。しかしながら、筒状部材40の存在により、レンズ30から出射した各発光素子22からの光を、上下1対の反射面40c1で反射させながらその第2開口部40aに到達させることができるので、これにより細長くて明るい発光面を得ることができる。
しかも、5つの発光素子22は、ランプボディ12に対して着脱可能な光源ユニット20の一部として構成されているので、必要に応じて交換を行うことが容易に可能である。
上記実施形態においては、筒状部材40の第2開口部40aが横長矩形状の開口形状を有しているものとして説明したが、これ以外の方向に細長形状で延びる開口形状を有する構成とすることも可能である。
上記実施形態においては、筒状部材40の第2開口部40aに、第2レンズ50および第3レンズ60が配置されているものとして説明したが、これらのうちいずれか一方または両方が存在しない構成とすることも可能である。
上記実施形態においては、灯具10が、車両の左前端部に設けられるクリアランスランプである場合について説明したが、クリアランスランプ以外の車両用灯具(例えば、デイタイムランニングランプ、テールランプ、ストップランプ、ターンシグナルランプ、ルームランプ等)であってもよく、さらには車両用灯具以外の灯具であってもよい。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
まず、上記実施形態の第1変形例について説明する。
図6(a)は、本変形例に係る灯具110の要部を示す正面図である。
この灯具110の基本的な構成は上記実施形態の灯具10と同様であるが、光源ユニット120の構成が上記実施形態の光源ユニット20と異なっている。
すなわち、この光源ユニット120は、4つの発光素子122を備えた構成となっている。これら4つの発光素子122は、光軸Axを中心する正方形の角部に配置された状態で共通の基板124に搭載されており、この基板124はプラグ126の前端面に支持されている。
本変形例に係る灯具110も、光源ユニット120として複数の発光素子122を備えた構成となっているので、上記実施形態の場合ほどではないが、比較的コンパクトな構成で筒状部材40の第2開口部40aが明るく発光して見えるようにすることができる。
次に、上記実施形態の第2変形例について説明する。
図6(b)は、本変形例に係る灯具210の要部を示す正面図である。
この灯具210の基本的な構成は上記実施形態の灯具10と同様であるが、光源ユニット220の構成が上記実施形態の光源ユニット20と異なっている。
すなわち、この光源ユニット220は、3つの発光素子222を備えた構成となっている。これら3つの発光素子222は、光軸Ax上に配置された発光素子222とその左右両側に配置された1対の発光素子222とからなっている。これら3つの発光素子222は共通の基板224に搭載されており、この基板224はプラグ226の前端面に支持されている。
本変形例に係る灯具210も、光源ユニット220として複数の発光素子222を備えた構成となっているので、上記実施形態の場合ほどではないが、比較的コンパクトな構成で筒状部材40の第2開口部40aが明るく発光して見えるようにすることができる。
次に、上記実施形態の第3変形例について説明する。
図7(a)は、本変形例に係る灯具310の要部を示す正面図である。
この灯具310の基本的な構成は上記実施形態の灯具10と同様であるが、筒状部材340の構成が上記実施形態の筒状部材40と異なっている。
すなわち、この筒状部材340も、上下対称の形状を有する上ハーフ340Aと下ハーフ340Bとからなり、その後端側に第1開口部340bを有するとともに、その前端側に第2開口部340aを有している。
ただし、この筒状部材340の第1開口部340bは、光軸Axを中心とする円形形状を有している。また、この筒状部材340の第2開口部340aは、灯具正面視において、光軸Axを中心とする横長の開口形状を有しているが、その左右両端部は円弧状に形成されている。
筒状部材340の内部空間は、上記実施形態の場合と同様、その上下幅が第1開口部340bから第2開口部340aへ向けて徐々に狭くなるとともに、その左右幅が第1開口部340bから第2開口部340aへ向けて徐々に広くなるように形成されている。
この内部空間は、上ハーフ340Aの上壁部340Aaおよび左右1対の側壁部340Abと、下ハーフ340Bの下壁部340Baおよび左右1対の側壁部340Bbとによって形成されている。
そして、上ハーフ340Aの上壁部340Aaおよび下ハーフ340Bの下壁部340Baの内面は反射面340c1として構成されており、上ハーフ340Aの各側壁部340Abおよび下ハーフ340Bの各側壁部340Bbの内面は反射面340c2として構成されている。その際、第2開口部340aの左右両端部が円弧状に形成されているのに対応して、反射面340c2は円弧状の鉛直断面形状で形成されている。
本変形例の構成を採用した場合においても、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
本変形例においては、第2開口部340aの開口形状が上記実施形態の場合と異なっているので、灯具意匠を上記実施形態の場合と異なったものとすることができる。
また本変形例においては、筒状部材340の左右1対の反射面340c2における各発光素子22からの光の反射の仕方が上記実施形態の場合と異なったものとなるので、その第2開口部340aの発光の仕方を上記実施形態の場合と異なったものとすることができる。
次に、上記実施形態の第4変形例について説明する。
図7(b)は、本変形例に係る灯具410の要部を示す正面図である。
この灯具410の基本的な構成は上記実施形態の灯具10と同様であるが、筒状部材440の構成が上記実施形態の筒状部材40と異なっている。
すなわち、この筒状部材440も、上ハーフ440Aと下ハーフ440Bとからなり、その後端側に第1開口部440bを有するとともに、その前端側に第2開口部440aを有している。
第1開口部440bは、上記実施形態の場合と同様の開口形状を有している。一方、第2開口部440aは、灯具正面視において光軸Axを中心とする横長の開口形状を有しているが、その中心部から左右両端部へ向けて上方側に円弧状に湾曲して延びるように形成されている。
筒状部材440の内部空間は、上記実施形態の場合と同様、その上下幅が第1開口部440bから第2開口部440aへ向けて徐々に狭くなるとともに、その左右幅が第1開口部440bから第2開口部440aへ向けて徐々に広くなるように形成されている。
この内部空間は、上ハーフ440Aの上壁部440Aaおよび左右1対の側壁部440Abと、下ハーフ440Bの下壁部440Baおよび左右1対の側壁部440Bbとによって形成されている。
そして、上ハーフ440Aの上壁部440Aaおよび下ハーフ440Bの下壁部440Baの内面は反射面440c1として構成されており、上ハーフ440Aの各側壁部440Abおよび下ハーフ440Bの各側壁部440Bbの内面は反射面440c2として構成されている。その際、第2開口部440aが、その中心部から左右両端部へ向けて上方側に円弧状に湾曲して延びるように形成されているのに対応して、上ハーフ440A側の反射面440c1と下ハーフ440B側の反射面440c1とが、互いに異なる形状の曲面で構成されている。
本変形例の構成を採用した場合においても、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
本変形例においては、第2開口部440aの開口形状が上記実施形態の場合と異なっているので、灯具意匠を上記実施形態の場合と異なったものとすることができる。
また変形例においては、筒状部材440の上下1対の反射面440c1における各発光素子22の反射の仕方が上記実施形態の場合と異なったものとなるので、その第2開口部440aの発光の仕方を上記実施形態の場合と異なったものとすることができる。
なお、上記実施形態およびその変形例において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
また、本願発明は、上記実施形態およびその変形例に記載された構成に限定されるものではなく、これ以外の種々の変更を加えた構成が採用可能である。