最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る発電状態判定装置は、複数の太陽電池パネルを含む複数の発電部を備える太陽光発電システムに用いられる発電状態判定装置であって、前記複数の発電部の出力の計測結果をそれぞれ示す複数の計測情報を取得する取得部と、前記複数の発電部のうち発電状態を判定する対象の発電部の計測結果と、前記対象の発電部以外の発電部の計測結果を少なくとも1つ用いて定めた基準値との比を算出する算出部と、前記算出部によって算出された前記比に基づいて前記対象の発電部の発電状態を判定する判定部とを備える。
このように、基準値および計測結果に基づく比を判定に用いる構成により、時間的変化の影響を受けにくい判定を行うことができる。したがって、太陽光発電システムの状態をより正確かつ簡素に判定することができる。
(2)好ましくは、前記基準値は、前記基準値を定めるのに用いることが可能な計測結果が複数ある場合、前記複数の計測結果のうちの最小の値を示す計測結果を除いて定められる。
このように、最小の値は恒常的要因により他の値とかけ離れていることが考えられるため、念のため最小の値を基準値の算出から除外する構成により、より適切な基準値を算出することができ、太陽光発電システムの状態の判定精度を向上させることができる。
(3)好ましくは、複数の前記発電部からの出力ラインを集約する接続箱が複数設置され、各前記接続箱からの集約ラインが電力変換装置に電気的に接続され、前記算出部は、前記接続箱ごとに前記基準値を算出し、前記判定部は、前記発電部ごとに前記状態を判定する。
このような構成により、接続箱と出力ラインを介して接続される各発電部の発電環境は大きく異ならない場合が多いので、発電環境による影響がより抑制された基準値を算出することができる。これにより、発電環境による影響を排除することができるので、たとえば、発電部の出力特性の劣化についてより正しく判定することができる。
(4)好ましくは、複数の前記発電部からの出力ラインを集約する接続箱が複数設置され、各前記接続箱からの集約ラインが電力変換装置に電気的に接続され、前記算出部は、前記電力変換装置ごとに前記基準値を算出し、前記判定部は、前記接続箱ごとに前記状態を判定する。
このような構成により、上記複数の発電部の発電環境が接続箱ごとに変化する場合においても、発電環境による影響を平準化した基準値を算出することができるので、たとえば、接続箱ごとの発電環境をより正しく判定することができる。
(5)好ましくは、前記取得部は、1日における複数の時間帯における前記計測結果を示す前記計測情報を取得し、前記算出部は、前記時間帯ごとに前記基準値を算出し、かつ前記時間帯ごとに前記比を算出する。
このような構成により、太陽電池パネルと太陽との位置関係に応じた基準値を算出することができるので、当該位置関係を加味した判定を行うことができる。
(6)好ましくは、前記取得部は、1日における前記出力の最大値を前記計測結果として示す前記計測情報を取得する。
このような構成により、簡易に取得でき、かつ発電部の出力を適切に表す最大値を用いて太陽光発電システムの状態を判定することができる。
(7)本発明の実施の形態に係る監視装置は、前記(1)から(6)のいずれか1つに記載の発電状態判定装置における前記取得部に前記計測情報を送信する。
このような構成により、基準値および計測結果に基づく比を判定に用いることで、時間的変化の影響を受けにくい判定を行うことが可能な上記発電状態判定装置における判定に適した監視装置を提供することができる。したがって、太陽光発電システムの状態をより正確かつ簡素に判定することができる。
(8)本発明の実施の形態に係る発電状態判定方法は、複数の太陽電池パネルを含む複数の発電部を備える太陽光発電システムの発電状態を判定するための発電状態判定方法であって、前記複数の発電部の出力の計測結果をそれぞれ示す複数の計測情報を取得するステップと、前記複数の発電部のうち発電状態を判定する対象の発電部の計測結果と、前記対象の発電部以外の発電部の計測結果を少なくとも1つ用いて定めた基準値との比に基づいて前記対象の発電部の発電状態を判定するステップとを含む。
このように、基準値および計測結果に基づく比を判定に用いる構成により、時間的変化の影響を受けにくい判定を行うことができる。したがって、太陽光発電システムの状態をより正確かつ簡素に判定することができる。
(9)本発明の実施の形態に係る判定プログラムは、複数の太陽電池パネルを含む複数の発電部を備える太陽光発電システムに用いられる発電状態判定装置としてコンピュータを機能させるための判定プログラムであって、コンピュータを、前記複数の発電部の出力の計測結果をそれぞれ示す複数の計測情報を取得する取得部と、前記複数の発電部のうち発電状態を判定する対象の発電部の計測結果と、前記対象の発電部以外の発電部の計測結果を少なくとも1つ用いて定めた基準値との比を算出する算出部と、前記算出部によって算出された前記比に基づいて前記対象の発電部の発電状態を判定する判定部と、として機能させるためのプログラムである。
このように、基準値および計測結果に基づく比を判定に用いる構成により、時間的変化の影響を受けにくい判定を行うことができる。したがって、太陽光発電システムの状態をより正確かつ簡素に判定することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
<第1の実施の形態>
[太陽光発電システム401の構成]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る太陽光発電システムの構成を示す図である。
図1を参照して、太陽光発電システム401は、4つの集電ユニット60と、PCS8とを備える。PCS8は、銅バー7と、電力変換部9とを含む。
図1では、4つの集電ユニット60を代表的に示しているが、さらに多数または少数の集電ユニット60が設けられてもよい。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る集電ユニットの構成を示す図である。図2を参照して、集電ユニット60は、4つの太陽電池ユニット75と、銅バー72とを含む。
図2では、4つの太陽電池ユニット75を代表的に示しているが、さらに多数または少数の太陽電池ユニット75が設けられてもよい。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る太陽電池ユニットの構成を示す図である。
図3を参照して、太陽電池ユニット75は、4つの発電部78と、銅バー77とを含む。発電部78は、複数の太陽電池パネルを含む。
図3では、4つの発電部78を代表的に示しているが、さらに多数または少数の発電部78が設けられてもよい。
発電部78は、この例では複数の太陽電池パネルが直列接続されたストリングである。
太陽光発電システム401では、複数の発電部78からの出力ラインおよび集約ラインすなわち電力線がそれぞれPCS8に電気的に接続される。
より詳細には、発電部78の出力ライン1は、発電部78に接続された第1端と、銅バー77に接続された第2端とを有する。各出力ライン1は、銅バー77を介して集約ライン5に集約される。銅バー77は、たとえば接続箱76の内部に設けられている。
発電部78は、太陽光を受けると、受けた太陽光のエネルギーを直流電力に変換し、変換した直流電力を出力ライン1へ出力する。
図2および図3を参照して、集約ライン5は、対応の太陽電池ユニット75における銅バー77に接続された第1端と、銅バー72に接続された第2端とを有する。各集約ライン5は、銅バー72を介して集約ライン2に集約される。銅バー72は、たとえば集電箱71の内部に設けられている。
再び図1を参照して、太陽光発電システム401では、上述のように複数の発電部78からの各出力ライン1が集約ライン5に集約され、各集約ライン5が集約ライン2に集約され、各集約ライン2が電力変換装置の一例であるPCS8に電気的に接続される。
より詳細には、各集約ライン2は、対応の集電ユニット60における銅バー72に接続された第1端と、銅バー7に接続された第2端とを有する。PCS8において、内部ライン3は、銅バー7に接続された第1端と、電力変換部9に接続された第2端とを有する。
PCS8は、たとえば、コンテナ6の内部に設けられている。PCS8において、電力変換部9は、たとえば、各発電部78において発電された直流電力を出力ライン1、銅バー77、集約ライン5、銅バー72、集約ライン2、銅バー7および内部ライン3経由で受けると、受けた直流電力を交流電力に変換して系統へ出力する。
[発電状態判定システム301の構成]
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る発電状態判定システムの構成を示す図である。
図4を参照して、発電状態判定システム301は、発電状態判定装置101と、複数の監視装置111と、収集装置151とを備える。
図4では、1つの集電ユニット60に対応して設けられた4つの監視装置111を代表的に示しているが、さらに多数または少数の監視装置111が設けられてもよい。また、発電状態判定システム301は、1つの収集装置151を備えているが、複数の収集装置151を備えてもよい。
発電状態判定システム301は、太陽光発電システム401に用いられる。発電状態判定システム301では、子機である監視装置111におけるセンサの情報が、収集装置151へ定期的または不定期に伝送される。
監視装置111は、たとえば集電ユニット60に設けられている。より詳細には、監視装置111は、4つの太陽電池ユニット75にそれぞれ対応して4つ設けられている。各監視装置111は、たとえば、対応の出力ライン1および集約ライン5に電気的に接続されている。
監視装置111は、対応の太陽電池ユニット75における各出力ライン1の電流をセンサにより計測する。また、監視装置111は、対応の太陽電池ユニット75における各出力ライン1の電圧をセンサにより計測する。
収集装置151は、たとえばPCS8の近傍に設けられている。より詳細には、収集装置151は、たとえば、コンテナ6の内部において、PCS8に対応して設けられ、信号線46を介して銅バー7に電気的に接続されている。なお、収集装置151は、コンテナ6の外部に設けられてもよい。
監視装置111および収集装置151は、集約ライン2,5を介して電力線通信(PLC:Power Line Communication)を行うことにより情報の送受信を行う。
より詳細には、各監視装置111は、対応の出力ラインの電流および電圧の計測結果を示す監視情報を送信する。収集装置151は、各監視装置111の計測結果を収集する。
以下、監視装置111から収集装置151への方向を上り方向と称し、収集装置151から監視装置111への方向を下り方向と称する。
[監視装置111の構成]
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る発電状態判定システムにおける監視装置の構成を示す図である。図5では、出力ライン1、集約ライン5および銅バー77がより詳細に示されている。
図5を参照して、出力ライン1は、プラス側出力ライン1pと、マイナス側出力ライン1nとを含む。集約ライン5は、プラス側集約ライン5pと、マイナス側集約ライン5nとを含む。銅バー77は、プラス側銅バー77pと、マイナス側銅バー77nとを含む。
図示しないが、図2に示す集電箱71における銅バー72は、プラス側集約ライン5pおよびマイナス側集約ライン5nにそれぞれ対応して、プラス側銅バー72pおよびマイナス側銅バー72nを含む。
プラス側出力ライン1pは、対応の発電部78に接続された第1端と、プラス側銅バー77pに接続された第2端とを有する。マイナス側出力ライン1nは、対応の発電部78に接続された第1端と、マイナス側銅バー77nに接続された第2端とを有する。
プラス側集約ライン5pは、プラス側銅バー77pに接続された第1端と、集電箱71におけるプラス側銅バー72pに接続された第2端とを有する。マイナス側集約ライン5nは、マイナス側銅バー77nに接続された第1端と、集電箱71におけるマイナス側銅バー72nに接続された第2端とを有する。
監視装置111は、検出処理部11と、4つの電流センサ16と、電圧センサ17と、通信部14とを備える。なお、監視装置111は、出力ライン1の数に応じて、さらに多数または少数の電流センサ16を備えてもよい。
監視装置111は、たとえば、発電部78の近傍に設けられている。具体的には、監視装置111は、たとえば、計測対象の出力ライン1が接続された銅バー77が設けられた接続箱76の内部に設けられている。なお、監視装置111は、接続箱76の外部に設けられてもよい。
監視装置111は、たとえば、プラス側集約ライン5pおよびマイナス側集約ライン5nとそれぞれプラス側電源線26pおよびマイナス側電源線26nを介して電気的に接続されている。以下、プラス側電源線26pおよびマイナス側電源線26nの各々を、電源線26とも称する。
各監視装置111は、対応の発電部78に関する計測結果を示す監視情報を、自己および収集装置151に接続される電力線を介して送信する。
詳細には、監視装置111における通信部14は、集約ラインを介した電力線通信を、複数の監視装置111の計測結果を収集する収集装置151と行うことが可能である。より詳細には、通信部14は、集約ライン2,5経由で情報を送受信することが可能である。具体的には、通信部14は、電源線26および集約ライン2,5を介して収集装置151と電力線通信を行う。
検出処理部11は、たとえば、対応の出力ライン1の電流および電圧の計測結果を示す監視情報を所定時間ごとに作成するように設定されている。
電流センサ16は、出力ライン1の電流を計測する。より詳細には、電流センサ16は、たとえば、ホール素子タイプの電流プローブである。電流センサ16は、監視装置111の図示しない電源回路から受けた電力を用いて、対応のマイナス側出力ライン1nを通して流れる電流を計測し、計測結果を示す信号を検出処理部11へ出力する。なお、電流センサ16は、プラス側出力ライン1pを通して流れる電流を計測してもよい。
電圧センサ17は、出力ライン1の電圧を計測する。より詳細には、電圧センサ17は、プラス側銅バー77pおよびマイナス側銅バー77n間の電圧を計測し、計測結果を示す信号を検出処理部11へ出力する。
検出処理部11は、たとえば、所定時間ごとに、各電流センサ16および電圧センサ17から受けた各計測信号に対して平均化およびフィルタリング等の信号処理を行った信号をデジタル信号に変換する。
検出処理部11は、作成した各デジタル信号の示す計測値と、対応の電流センサ16のID(以下、電流センサIDとも称する。)、電圧センサ17のID(以下、電圧センサIDとも称する。)、および自己の監視装置111のID(以下、監視装置IDとも称する。)とを含む監視情報を作成し、送信元IDが自己の監視装置IDであり、送信先IDが収集装置151のIDであり、データ部分が監視情報である監視情報パケットを作成する。そして、検出処理部11は、作成した監視情報パケットを通信部14へ出力する。なお、検出処理部11は、監視情報パケットにシーケンス番号を含めてもよい。
通信部14は、検出処理部11から受ける監視情報パケットを収集装置151へ送信する。
監視装置111は、たとえば、発電部78が発電した電力を用いて動作する。したがって、監視装置111は、発電部78が発電を行うことが可能な日の出から日没までにおいて、監視情報パケットを収集装置151へ送信する。
再び図4を参照して、収集装置151は、集約ライン2,5経由で情報を送受信することが可能である。具体的には、収集装置151は、たとえば、信号線46および集約ライン2,5を介して監視装置111と電力線通信を行い、監視情報パケットを複数の監視装置111から受信する。
収集装置151は、カウンタおよび記憶部を有しており、監視装置111から監視情報パケットを受信すると、受信した監視情報パケットから監視情報を取得するとともに、カウンタにおけるカウント値を受信時刻として取得する。そして、収集装置151は、受信時刻を監視情報に含めた後、当該監視情報を記憶部に保存する。
[発電状態判定装置101の構成]
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る発電状態判定システムにおける発電状態判定装置の構成を示す図である。
図6を参照して、発電状態判定装置101は、算出処理部(取得部および算出部)82と、判定部83と、通信処理部84と、記憶部85とを備える。
記憶部85には、たとえば、管理対象の監視装置111のIDすなわち監視装置ID、ならびに監視装置IDと当該監視装置IDを有する監視装置111に含まれる各センサのIDすなわち電流センサIDおよび電圧センサIDとの対応関係R1が登録されている。
発電状態判定装置101は、この実施の形態においてクラウドサーバであり、監視情報を収集装置151から定期的に取得し、取得した監視情報を処理する。なお、発電状態判定装置101は、クラウドサーバに設けられる構成に限定するものではなく、たとえば収集装置151に内蔵される構成であってもよい。
より詳細には、発電状態判定装置101における通信処理部84は、ネットワークを介して、収集装置151等の他の装置と情報の送受信を行う。
通信処理部84は、たとえば、指定された日毎処理タイミング、具体的には毎日の日没後のあるタイミングにおいて監視情報収集処理を行う。なお、発電状態判定装置101を収集装置151に内蔵する構成にすれば、より短い間隔で監視情報を容易に収集することができる。
より詳細には、通信処理部84は、日毎処理タイミングが到来すると、記憶部85に登録されている各監視装置IDを参照し、参照した各監視装置IDに対応し、かつ当日(以下、処理日とも称する。)に属する受信時刻を含む監視情報を要求するための監視情報要求を収集装置151へ送信する。
収集装置151は、発電状態判定装置101から監視情報要求を受信すると、受信した監視情報要求に従って、監視情報要求の内容を満足する1または複数の監視情報を発電状態判定装置101へ送信する。
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る発電状態判定システムにおける発電状態判定装置が保持する監視情報の一例を示す図である。
図7を参照して、通信処理部84は、監視情報要求の応答として収集装置151から1または複数の監視情報を受信すると、受信した監視情報に基づいて発電部78の発電電力をそれぞれ算出する。
具体的には、通信処理部84は、たとえば、監視情報に含まれる電流センサIDごとすなわち発電部78ごとの電流値と当該監視情報に1つ含まれる電圧値とを乗じることにより、電流センサIDごとの発電電力を算出し、算出した電流センサIDごとの発電電力を当該監視情報に含める。
したがって、監視情報には、4つの発電部78の出力をそれぞれ示す4つの計測情報が含まれる。この例では、発電部78の出力は、電流値、電圧値および発電電力である。なお、1つの監視情報に4つの計測情報が含まれる構成に限らず、1つの監視情報に1つ、2つまたは5つ以上の計測情報が含まれる構成であってもよい。
通信処理部84は、処理後の各監視情報を記憶部85に保存するとともに、処理完了通知を算出処理部82へ出力する。
[ピーク比算出処理]
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る発電状態判定システムにおける監視装置によって計測された発電電力の時間変化の一例を示す図である。なお、図8において、縦軸は発電電力を示し、横軸は時間を示す。図8には、朝の時間帯において影等の時間的に変動する要因の影響を受ける発電部78において発電された発電電力の時間変化C2が示される。
図8を参照して、算出処理部82は、複数の発電部78の出力の計測結果をそれぞれ示す複数の計測情報を取得する。より詳細には、算出処理部82は、たとえば、1日における複数の発電部78の出力の最大値を計測結果としてそれぞれ示す複数の計測情報を取得する。
具体的には、算出処理部82は、通信処理部84から処理完了通知を受けると、記憶部85に登録されている監視装置IDを参照し、登録されている各監視情報IDのうちの1つを選択する。
算出処理部82は、記憶部85に登録されている対応関係R1を参照し、選択した監視情報IDに対応する4つの電流センサIDのうちの1つを選択する。
算出処理部82は、選択した監視装置IDおよび電流センサID(以下、選択電流センサIDとも称する。)を含む監視情報のうち、処理日における最大の発電電力、具体的には、図8に示すPdxを含む監視情報を記憶部85から取得し、取得した監視情報に選択電流センサIDを含めたピーク計測情報を作成する。
算出処理部82は、当該4つの電流センサIDにおいて未選択の電流センサIDを選択し、ピーク計測情報を同様に作成する。
算出処理部82は、記憶部85に登録されている各監視装置IDにおいて未選択の監視装置IDを選択し、選択した監視装置IDに対応する4つの電流センサIDのピーク計測情報を同様に作成する。
このようにして、監視装置IDごとすなわち接続箱76ごとかつ対応の電流センサIDごとのピーク計測情報が作成される。
算出処理部82は、複数の発電部78のうち発電状態を判定する対象の発電部78の計測結果と、当該対象の発電部78以外の発電部78の計測結果を少なくとも1つ用いて定めた基準値との比を算出する。
詳細には、算出処理部82は、たとえば、対象の発電部78の計測結果と、対象の発電部78のグループに含まれる各発電部78の計測結果のすべてを用いて定めた基準値との比を算出する。
言い換えると、算出処理部82は、たとえば、取得した各計測情報に基づいて基準値を算出し、計測情報の示す計測結果と基準値との比を算出する。
基準値を算出するためには、基準値と比較される対象以外の計測結果が少なくとも1つ用いられる。1つのストリングに含まれる太陽電池パネル群は、太陽電池パネルの設置角度等の設置状況、樹木に近接する等の周辺環境および気象状況等が共通することが多く、対象以外の計測結果を少なくとも1つ含んでいれば、それらの共通要因に影響されることなく対象の発電状態を正確に判定し易くなると考えられるためである。
また、発電状態を判定する上で、計測結果と基準値との差ではなく、計測結果と基準値との比を用いることは判定を簡素化するために重要である。同じ太陽電池パネルに対する日照は時間的に変化し、その変化の態様も個体差等によって幾らか異なる。それらの個体群から構成される発電部78単位においても同様の傾向で、時間的に変化し、その変化の態様も発電部78単位で異なる可能性がある。
計測結果と基準値との差を用いると、定常的な影響を排除することができる。しかしながら、たとえば日照等の時間的な影響によって、他の条件は同じでも差が変動してしまう。このため、その変動に応じて基準値を変更するような対策が必要になる。
一方、計測結果と基準値との比を利用すると、時間的な変動も相殺される。このため太陽光発電システム401における発電部78の発電状態を判定する上では差を用いるよりも比を用いることが有効であることを本発明者は見出し、それによってより正確かつ簡素な判定が可能になると認識した。
時間的な変動要因を比によって相殺するためには、対象の計測結果と基準値算出に用いられる計測結果とが同じ時刻または同じ時間帯に得られたものが好ましい。しかしながら、変動が影響しない範囲で異なる時刻または異なる時間帯の計測結果を基準値算出に用いるようにしてもよい。
算出処理部82は、この実施の形態において、接続箱76ごとに基準値SCMを算出する。算出処理部82は、基準値SCMを算出するために、取得した複数の計測情報の全てを使ってもよいし一部を使ってもよい。この実施の形態において、基準値SCMは、複数の計測情報が示す計測結果の平均値である。この平均値を求めるにあたって、発電部78の出力が最小となる計測結果を基準値の算出から除外することができる。
最小となる計測結果は、異常等により出力が低下した結果である可能性があり、基準値SCMがその影響を受けないようにするためである。その他、予め定めた値以上の計測結果のみを基準値SCMの算出に用いるようにしてもよい。また、上記平均値を求めるにあたって、発電部78の出力が最大となる計測結果を基準値の算出から除外する構成であってもよい。
より具体的には、算出処理部82は、同じ監視装置IDを含む4つのピーク計測情報において、選択電流センサIDに対応する発電電力が最小のピーク計測情報を除外し、除外後の3つのピーク計測情報に含まれる発電電力の平均値を当該監視装置IDに対応する基準値SCMとして算出する。
そして、算出処理部82は、当該4つのピーク計測情報のそれぞれについて、選択電流センサIDに対応する発電電力を基準値SCMで除した値であるピーク比RMを算出し、ピーク比RM、当該発電電力、当該監視装置ID、当該選択電流センサIDおよび処理日を含むピーク電力情報を作成する。なお、算出処理部82は、基準値SCMを当該発電電力で除した値をピーク比として算出してもよい。
このようにして、監視装置IDごとかつ対応の電流センサIDごとのピーク電力情報が作成される。
算出処理部82は、作成した各ピーク電力情報を記憶部85に保存するとともに、判定部83へ出力する。
なお、この実施の形態では、一定時間内における計測結果の最大値であるピークを用いる構成であるとしたが、これに限定するものではない。ある定まった時刻の計測結果、およびある時間内における計測結果の平均値等を用いる構成であってもよい。たとえば1日において最大値を示すことが多い時間帯を予め定めておき、当該時間帯における計測情報を用いる構成であってもよい。
[面積比算出処理]
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る発電状態判定システムにおける監視装置によって計測された発電電力の時間変化の一例を示す図である。なお、図9において、縦軸は発電電力を示し、横軸は時間を示す。図9には、時間変化C2(図8参照)が示される。
図9を参照して、算出処理部82は、たとえば、1日における複数の時間帯における計測結果を示す計測情報を取得する。
具体的には、算出処理部82は、たとえば、処理日における朝の時間帯、昼の時間帯および夕方の時間帯の各々における計測結果を示す計測情報を取得する。図9に示すように、これらの時間帯は互いに重複していない。なお、これらの時間帯の一部または全部が重複してもよい。
より詳細には、算出処理部82は、監視情報に含まれる受信時刻を参照しながら、受信時刻が朝の時間帯、昼の時間帯および夕方の時間帯にそれぞれ属する監視情報MA、MBおよびMCを計測情報として記憶部85から取得し、取得した監視情報MA、MBおよびMCに含まれる監視装置IDを用いて、監視情報MA,MB,MCの各々を監視装置ID別に分類する。
算出処理部82は、たとえば、接続箱76ごとに基準値SCA,SCB,SCCを算出する。具体的には、算出処理部82は、たとえば、記憶部85に登録されている各監視装置IDのうちの1つを選択する。
そして、算出処理部82は、選択した監視装置ID(以下、選択監視装置IDとも称する。)に分類された各監視情報MAにおいて、対応の電流センサIDごとに発電電力を合計することにより、対応の電流センサIDごとの面積SAを算出する。
同様に、算出処理部82は、選択監視装置IDに分類された各監視情報MBおよびMCにおいて、対応の電流センサIDごとに発電電力を合計することにより、対応の電流センサIDごとの面積SBおよびSCをそれぞれ算出する。
算出処理部82は、たとえば、対応の電流センサIDごとの面積SAのうち、最小の面積SAを基準値の算出対象から除外し、除外後の各面積SAの平均を選択監視装置IDに対応する基準値SCAとして算出する。
同様に、算出処理部82は、たとえば、対応の電流センサIDごとの面積SBのうち、最小の面積SBを基準値の算出対象から除外し、除外後の各面積SBの平均を選択監視装置IDに対応する基準値SCBとして算出する。
同様に、算出処理部82は、たとえば、対応の電流センサIDごとの面積SCのうち、最小の面積SCを基準値の算出対象から除外し、除外後の各面積SCの平均を選択監視装置IDに対応する基準値SCCとして算出する。
そして、算出処理部82は、対応の電流センサIDごとに、面積SAを基準値SCAで除した値である面積比RAを算出する。なお、算出処理部82は、基準値SCAを面積SAで除した値を面積比として算出してもよい。
同様に、算出処理部82は、対応の電流センサIDごとに、面積SBを基準値SCBで除した値である面積比RB、および面積SCを基準値SCCで除した値である面積比RCを算出する。
算出処理部82は、対応の電流センサIDごとに、面積比RA、面積SA、選択監視装置ID、対応の電流センサIDおよび処理日を含む電力量情報EAを作成する。同様に、算出処理部82は、対応の電流センサIDごとに、面積比RB、面積SB、選択監視装置ID、対応の電流センサIDおよび処理日を含む電力量情報EBを作成する。同様に、算出処理部82は、対応の電流センサIDごとに、面積比RC、面積SC、選択監視装置ID、対応の電流センサIDおよび処理日を含む電力量情報ECを作成する。
算出処理部82は、記憶部85に登録されている監視装置IDにおいて未選択の監視装置IDを選択し、対応の電流センサIDごとの電力量情報EA〜ECを同様に作成する。
このようにして、監視装置IDごとかつ対応の電流センサIDごとの、電力量情報EA,EB,ECが作成される。
算出処理部82は、作成した各電力量情報EA、各電力量情報EBおよび各電力量情報ECを記憶部85に保存するとともに、判定部83へ出力する。
[月間集計処理]
再び図6を参照して、算出処理部82は、所定期間ごとに、たとえば月ごとに計測情報を整理する。より詳細には、算出処理部82は、指定された月毎処理タイミング、具体的には月末日の日没後のあるタイミングにおいて計測情報整理処理を行う。
より詳細には、算出処理部82は、月毎処理タイミングが到来すると、当月(以下、対象月とも称する。)における各ピーク電力情報、各電力量情報EA、各電力量情報EBおよび各電力量情報ECを記憶部85から取得する。
算出処理部82は、取得した各ピーク電力情報の中から、監視装置IDごとかつ対応の電流センサIDごとに、対象月において最大の発電電力を示すピーク電力情報(以下、月最大ピーク電力情報とも称する。)、および対象月において最小の発電電力を示すピーク電力情報(以下、月最小ピーク電力情報とも称する。)を抽出する。
また、算出処理部82は、取得した各電力量情報EAの中から、監視装置IDごとかつ対応の電流センサIDごとに、対象月の朝の時間帯において最大の面積SAすなわち発電電力量を示す電力量情報EA(以下、月最大電力量情報EAとも称する。)、および対象月の朝の時間帯において最小の面積SAを示す電力量情報EA(以下、月最小電力量情報EAとも称する。)を抽出する。
また、算出処理部82は、取得した各電力量情報EBの中から、監視装置IDごとかつ対応の電流センサIDごとに、対象月の昼の時間帯において最大の面積SBを示す電力量情報EB(以下、月最大電力量情報EBとも称する。)、および対象月の昼の時間帯において最小の面積SBを示す電力量情報EB(以下、月最小電力量情報EBとも称する。)を抽出する。
また、算出処理部82は、取得した各電力量情報ECの中から、監視装置IDごとかつ対応の電流センサIDごとに、対象月の夕方の時間帯において最大の面積SCを示す電力量情報EC(以下、月最大電力量情報ECとも称する。)、および対象月の夕方の時間帯において最小の面積SCを示す電力量情報EC(以下、月最小電力量情報ECとも称する。)を抽出する。
算出処理部82は、抽出した、監視装置IDごとかつ対応の電流センサIDごとの、月最大ピーク電力情報、月最小ピーク電力情報、月最大電力量情報EA,EB,ECおよび月最小電力量情報EA,EB,ECを記憶部85に保存する。
なお、算出処理部82は、暦上の月ごとに計測情報を整理する構成に限らず、任意の起算日に基づく月ごとに計測情報を整理する構成であってもよい。
また、算出処理部82は、月ごとに計測情報を整理する構成に限らず、たとえば、日ごと、週ごと、3か月ごとまたは6か月ごとに計測情報を整理する構成であってもよい。
[発電部78ごとの判定処理]
判定部83は、算出処理部82によって算出された面積比RA,RB,RCおよびピーク比RMに基づいて太陽光発電システム401の状態、詳細には対象の発電部78の発電状態を判定する。より詳細には、判定部83は、たとえば、発電部78ごとに当該発電部78に関する異常を判定する。
[動作]
発電状態判定システム301における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のシーケンス図またはフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリからそれぞれ読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図10は、本発明の第1の実施の形態に係る発電状態判定装置における判定部が第1異常判定処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
図10を参照して、判定部83が、処理日における発電部78についての第1異常判定処理を行う状況を想定する。
まず、判定部83は、記憶部85に登録されている各監視装置IDのうちの1つを選択する(ステップS102)。
次に、判定部83は、選択した監視装置IDに対応する各電流センサIDのうちの1つを選択する(ステップS104)。
次に、判定部83は、選択した監視装置IDおよび電流センサIDに対応する電力量情報EAに含まれる面積比RAと所定のしきい値ThAとを比較する(ステップS106)。
判定部83は、面積比RAがしきい値ThA以上である場合(ステップS106でNO)、選択した監視装置IDおよび電流センサIDに対応する発電部78について朝の時間帯における出力異常がないと判定する(ステップS108)。
次に、判定部83は、面積比RAがしきい値ThAより小さいか(ステップS106でYES)、または朝の時間帯における出力異常がないと判定すると(ステップS108)、選択した監視装置IDおよび電流センサIDに対応する電力量情報EBに含まれる面積比RBと所定のしきい値ThBとを比較する(ステップS110)。
判定部83は、面積比RBがしきい値ThB以上である場合(ステップS110でNO)、選択した監視装置IDおよび電流センサIDに対応する発電部78について昼の時間帯における出力異常がないと判定する(ステップS112)。
次に、判定部83は、面積比RBがしきい値ThBより小さいか(ステップS110でYES)、または昼の時間帯における出力異常がないと判定すると(ステップS112)、選択した監視装置IDおよび電流センサIDに対応する電力量情報ECに含まれる面積比RCと所定のしきい値ThCとを比較する(ステップS114)。
判定部83は、面積比RCがしきい値ThC以上である場合(ステップS114でNO)、選択した監視装置IDおよび電流センサIDに対応する発電部78について夕方の時間帯における出力異常がないと判定する(ステップS116)。
次に、判定部83は、面積比RCがしきい値ThCより小さいか(ステップS114でYES)、または夕方の時間帯における出力異常がないと判定すると(ステップS116)、朝、昼および夕方のすべての時間帯において出力異常なしと判定したか否かを確認する(ステップS118)。
判定部83は、出力異常ありと判定した時間帯が存在する場合(ステップS118でNO)、後述する原因切り分け処理を行う(ステップS120)。
次に、判定部83は、すべての時間帯において出力異常なしと判定したか(ステップS118でYES)、または原因切り分け処理を行うと(ステップS120)、対応の各電流センサIDをすべて選択したか否かを確認する(ステップS122)。
判定部83は、対応の各電流センサIDの中で未選択の電流センサIDが存在する場合(ステップS122でNO)、対応の各電流センサIDにおいて未選択の電流センサIDを1つ選択する(ステップS104)。
一方、判定部83は、対応の各電流センサIDをすべて選択した場合(ステップS122でYES)、登録されている各監視装置IDをすべて選択したか否かを確認する(ステップS124)。
判定部83は、登録されている各監視装置IDの中で未選択の監視装置IDが存在する場合(ステップS124でNO)、登録されている各監視装置IDにおいて未選択の監視装置IDを1つ選択する(ステップS102)。
一方、判定部83は、登録されている各監視装置IDをすべて選択した場合(ステップS124でYES)、判定結果を記憶部85に保存する(ステップS126)。
ここで、しきい値ThA〜ThCの値は、同じであってもよいし、一部または全部が異なってもよい。
図11は、本発明の第1の実施の形態に係る発電状態判定システムにおける監視装置によって計測された発電電力の時間変化の一例を示す図である。なお、図11において、縦軸は発電電力を示し、横軸は時間を示す。図11には、いずれの時間帯においても影の影響を受けない発電部78において発電された発電電力の時間変化C1と、影響を受けた時間変化C2(図8参照)とが示される。この例では、理解を容易にするために時間変化C1および時間変化C2において影等の時間的変動要因以外が比較的共通する例を示している。実際には、ピーク値が異なったり、1日の変動カーブが異なったりすることが多い。
図11を参照して、朝の時間帯において、時間変化C2の示す発電量は、時間変化C1の示す発電量と比べて小さい。すなわち、時間変化C2に基づく面積SAは、時間変化C1に基づく面積SAと比べて小さい。
たとえば、時間変化C1,C2が、同じ監視装置111によって計測された場合、時間変化C2に基づく面積SA、および時間変化C1に基づく面積SAを同じ基準値で除した面積比RAが算出されるので、面積比RAと所定のしきい値ThAとの比較(上記ステップS106)において、出力異常の有無を正しく判定することができる。
また、朝の時間帯に限らず、昼の時間帯および夕方の時間帯においても同様に正しく判定することができる。
図12は、本発明の第1の実施の形態に係る発電状態判定装置における判定部が原因切り分け処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。図12は、図10のステップS120における動作の詳細を示している。
図12を参照して、まず、判定部83は、前月における月最小電力量情報EA、月最小電力量情報EBおよび月最小電力量情報ECを記憶部85から取得し、取得した月最小電力量情報EA、月最小電力量情報EBおよび月最小電力量情報ECからそれぞれ面積比RAmn、RBmnおよびRCmnを取得する(ステップS202)。
次に、判定部83は、取得した面積比RAmnと所定のしきい値ThAmnとを比較する(ステップS204)。
判定部83は、面積比RAmnがしきい値ThAmn以上である場合(ステップS204でNO)、選択した監視装置IDおよび電流センサIDに対応する発電部78において朝の時間帯に影等の時間的に変動する要因の影響があったと判定する(ステップS206)。
次に、判定部83は、面積比RAmnがしきい値ThAmnより小さいか(ステップS204でYES)、または朝の時間帯に時間的変動要因の影響があったと判定すると(ステップS206)、取得した面積比RBmnと所定のしきい値ThBmnとを比較する(ステップS208)。
判定部83は、面積比RBmnがしきい値ThBmn以上である場合(ステップS208でNO)、選択した監視装置IDおよび電流センサIDに対応する発電部78において昼の時間帯に時間的変動要因の影響があったと判定する(ステップS210)。
次に、判定部83は、面積比RBmnがしきい値ThBmnより小さいか(ステップS208でYES)、または昼の時間帯に時間的変動要因の影響があったと判定すると(ステップS210)、取得した面積比RCmnと所定のしきい値ThCmnとを比較する(ステップS212)。
判定部83は、面積比RCmnがしきい値ThCmn以上である場合(ステップS212でNO)、選択した監視装置IDおよび電流センサIDに対応する発電部78において夕方の時間帯に時間的変動要因の影響があったと判定する(ステップS214)。
次に、判定部83は、面積比RCmnがしきい値ThCmnより小さいか(ステップS212でYES)、または夕方の時間帯に時間的変動要因の影響があったと判定すると(ステップS214)、朝、昼および夕方のすべての時間帯において時間的変動要因の影響がないと判定したか否かを確認する(ステップS216)。
判定部83は、すべての時間帯において時間的変動要因の影響がないと判定した場合(ステップS216でYES)、選択した監視装置IDおよび電流センサIDに対応する発電部78における太陽電池パネルの出力低下等の恒常的要因の可能性があると判定する(ステップS218)。
次に、判定部83は、時間的変動要因の影響があると判定した時間帯が存在するか(ステップS216でNO)、または太陽電池パネルの出力低下の可能性があると判定すると(ステップS218)、原因切り分け処理を終了する。
ここで、しきい値ThAmn〜ThCmnの値は、同じであってもよいし、一部または全部が異なってもよい。
月最小電力量情報EAには、曇天または雨天の日における面積比RAmnが含まれることが多いことから、影の影響をあまり受けない状態における面積比RAmnとしきい値ThAmnとの比較(上記ステップS204)が行われるので、処理日の朝の時間帯における影の影響の有無を正しく判定することができる。
また、朝の時間帯に限らず、昼の時間帯および夕方の時間帯においても同様に正しく判定することができる。
図13は、本発明の第1の実施の形態に係る発電状態判定装置における判定部が第2異常判定処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
図13を参照して、判定部83が、処理日における発電部78についての第2異常判定処理を行う状況を想定する。
まず、判定部83は、記憶部85に登録されている各監視装置IDのうちの1つを選択する(ステップS302)。
次に、判定部83は、選択した監視装置IDに対応する各電流センサIDのうちの1つを選択する(ステップS304)。
次に、判定部83は、選択した監視装置IDおよび電流センサIDに対応するピーク電力情報に含まれるピーク比RMと所定のしきい値ThMとを比較する(ステップS306)。
判定部83は、ピーク比RMがしきい値ThM以上である場合(ステップS306でNO)、選択した監視装置IDおよび電流センサIDに対応する発電部78について出力異常がないと判定する(ステップS308)。
一方、判定部83は、ピーク比RMがしきい値ThMより小さい場合(ステップS306でYES)、月最小ピーク電力情報を記憶部85から取得し、取得した月最小ピーク電力情報からピーク比RMmnを取得する(ステップS310)。
次に、判定部83は、取得したピーク比RMmnと所定のしきい値ThMmnとを比較する(ステップS312)。
判定部83は、ピーク比RMmnがしきい値ThMmn以上である場合(ステップS312でNO)、選択した監視装置IDおよび電流センサIDに対応する発電部78において影の影響があったと判定する(ステップS314)。
一方、判定部83は、ピーク比RMmnがしきい値ThMmnより小さい場合(ステップS312でYES)、選択した監視装置IDおよび電流センサIDに対応する発電部78における太陽電池パネルの出力低下の可能性があると判定する(ステップS316)。
次に、判定部83は、出力異常がないと判定するか(ステップS308)、影の影響があったと判定するか(ステップS314)、または太陽電池パネルの出力低下の可能性があると判定すると(ステップS316)、対応の各電流センサIDをすべて選択したか否かを確認する(ステップS318)。
判定部83は、対応の各電流センサIDの中で未選択の電流センサIDが存在する場合(ステップS318でNO)、対応の各電流センサIDにおいて未選択の電流センサIDを1つ選択する(ステップS304)。
一方、判定部83は、対応の各電流センサIDをすべて選択した場合(ステップS138でYES)、登録されている各監視装置IDをすべて選択したか否かを確認する(ステップS320)。
判定部83は、登録されている各監視装置IDの中で未選択の監視装置IDが存在する場合(ステップS320でNO)、登録されている各監視装置IDにおいて未選択の監視装置IDを1つ選択する(ステップS302)。
一方、判定部83は、登録されている各監視装置IDをすべて選択した場合(ステップS320でYES)、判定結果を記憶部85に保存する(ステップS322)。
[第2異常判定処理の変形例]
たとえば、PCS8から系統への電力供給が過剰となる場合、発電部78における発電電力の出力抑制制御が行われる。このような場合、同一の接続箱76に接続されている各発電部78においても、太陽電池パネルの性能差および劣化度合いの差等に応じて発電電力の抑制量にばらつきが生じることがある。
発電電力の抑制量にばらつきが生じると、図13に示すステップS306におけるピーク比RMとしきい値ThMとの比較結果もばらついてしまう。このため、判定結果が誤ってしまうことがあり、好ましくない。
図14は、本発明の第1の実施の形態に係る発電状態判定装置における判定部が第2異常判定処理の変形例を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
図14を参照して、ステップS402〜S410の動作は、図13に示すステップS302〜S310の動作と同様である。
次に、判定部83は、取得したピーク比RMmnと所定のしきい値ThMmnとを比較する(ステップS412)。
判定部83は、ピーク比RMmnがしきい値ThMmnより小さい場合(ステップS412でYES)、選択した監視装置IDおよび電流センサIDに対応する発電部78における太陽電池パネルの出力低下の可能性があると判定する(ステップS420)。
一方、判定部83は、ピーク比RMmnがしきい値ThMmn以上である場合(ステップS412でNO)、出力抑制制御が実施されたか否かを確認する(ステップS414)。より詳細には、判定部83は、たとえば発電電力の時間変化のパターンに基づいて、出力抑制制御が実施されたか否かを確認する。
判定部83は、出力抑制制御が実施された場合(ステップS414でYES)、出力抑制制御の影響があったと判定する(ステップS418)。
一方、判定部83は、出力抑制制御が実施されていなかった場合(ステップS414でNO)、選択した監視装置IDおよび電流センサIDに対応する発電部78において影の影響があったと判定する(ステップS416)。
次に、判定部83は、出力異常がないと判定するか(ステップS408)、影の影響があったと判定するか(ステップS416)、出力抑制制御の影響があったと判定するか(ステップS418)、または太陽電池パネルの出力低下の可能性があると判定すると(ステップS420)、対応の各電流センサIDをすべて選択したか否かを確認する(ステップS422)。
ステップS422〜S426の動作は、図13に示すステップS318〜S322の動作と同様である。
月最小ピーク電力情報に含まれるピーク比RMmnは、発電電力の出力抑制制御にあまり影響を受けないことが多いので、上記ステップS412において、出力抑制制御の影響を受けにくい比較を行うことができる。これにより、発電電力の出力抑制制御が行われた場合においても、太陽電池パネルの出力低下を正しく判定することができる。
また、上記ステップS414において、出力抑制制御が実施されたか否かを確認することによって、発電部78における影の影響をより正しく判定することができる。
[経年劣化の判定処理]
図15は、本発明の第1の実施の形態に係る監視装置によって抽出された月最大ピーク電力情報に含まれるピーク比の初期値比の時間変化の一例を示す図である。なお、図15において、縦軸はピーク比RMmxの初期値比を示し、横軸は時間を示す。ここでは、サンプルとして時間変化Dx1〜Dx3が示される。
ここで、ピーク比RMmxの初期値比は、たとえば、対応の発電部78についての月最大ピーク電力情報に含まれるピーク比RMmxと当該発電部78が稼働してから最初の月最大ピーク電力情報に含まれるピーク比RMmxとの比である。
図16は、本発明の第1の実施の形態に係る監視装置によって抽出された月最小ピーク電力情報に含まれるピーク比の時間変化の一例を示す図である。なお、図16において、縦軸はピーク比RMmnの初期値比を示し、横軸は時間を示す。ここでは、サンプルとして時間変化Dn1〜Dn3が示される。
ここで、ピーク比RMmnの初期値比は、たとえば、対応の発電部78についての月最小ピーク電力情報に含まれるピーク比RMmnと当該発電部78が稼働してから最初の月最小ピーク電力情報に含まれるピーク比RMmnとの比である。
図15および図16を参照して、判定部83は、発電部78における太陽電池パネルの出力低下の可能性があると判定した場合において、たとえば、出力低下の原因が、太陽電池パネルの経年劣化であるか否かを確認する。
具体的には、判定部83は、たとえば、出力低下の可能性があると判定した発電部78の稼働時からの月最大ピーク電力情報および月最小ピーク電力情報を記憶部85から取得する。
判定部83は、取得した月最大ピーク電力情報に含まれるピーク比RMmxを用いて図15に示す時間変化Dx1〜Dx3を生成する。
判定部83は、生成した時間変化が所定のしきい値Thmx以下の値を示すことがある場合、当該時間変化を示す発電部78に経年劣化傾向があると判断する。
この例では、判定部83は、時間変化Dx3を示す発電部78に経年劣化傾向があると判断する。
また、判定部83は、時間変化Dx3には影の影響が含まれる場合があるので、影の影響の抑制された月最小ピーク電力情報に基づく時間変化を作成する。
この例では、判定部83は、取得した月最小ピーク電力情報に含まれるピーク比RMmnを用いて、時間変化Dx1〜Dx3にそれぞれ対応する時間変化Dn1〜Dn3を生成する。
判定部83は、時間変化Dx3に対応する時間変化Dn3を参照し、時間変化Dn3が所定のしきい値Thmn以下の値を示すことがあるため、時間変化Dn3を示す発電部78が経年劣化していると判断する。
なお、判定部83は、月最大ピーク電力情報に含まれるピーク比の初期値比を用いて経年劣化の判定処理を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。判定部83は、日間の最大電力を含むピーク計測情報に基づくピーク比の初期値比を用いて経年劣化の判定処理を行う構成であってもよい。
図17は、本発明の第1の実施の形態に係る発電状態判定装置が日毎処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
図17を参照して、まず、発電状態判定装置101は、日毎処理タイミングが到来するまで待機する(ステップS502でNO)。
そして、発電状態判定装置101は、日毎処理タイミングが到来すると(ステップS502でYES)、監視情報要求を収集装置151へ送信し、当該監視情報要求の応答として処理日における監視情報を収集装置151から受信する(ステップS504)。
次に、発電状態判定装置101は、受信した各監視情報に基づいて、監視装置IDごとの基準値SCMを算出する(ステップS506)。
次に、発電状態判定装置101は、算出した基準値SCMを用いて、監視装置IDごとかつ対応の電流センサIDごとのピーク比RMを算出する(ステップS508)。
次に、発電状態判定装置101は、受信した各監視情報に基づいて、監視装置IDごとの基準値SCA,SCB,SCCを算出する(ステップS510)。
次に、発電状態判定装置101は、算出した基準値SCA,SCB,SCCを用いて、監視装置IDごとかつ対応の電流センサIDごとの面積比RA,RB,RCをそれぞれ算出する(ステップS512)。
次に、発電状態判定装置101は、第1異常判定処理および第2異常判定処理を行う(ステップS514)。
次に、発電状態判定装置101は、新たな日毎処理タイミングが到来するまで待機する(ステップS502でNO)。
なお、上記ステップS506およびS508とステップS510およびS512との順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。
また、発電状態判定装置101は、上記ステップS514において、第1異常判定処理および第2異常判定処理の両方を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。発電状態判定装置101は、第1異常判定処理および第2異常判定処理のいずれか一方を行う構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る発電状態判定装置では、算出処理部82は、対象の発電部78のグループに含まれる各発電部78の計測結果のすべてを用いて基準値を算出する構成であるとしたが、これに限定するものではない。算出処理部82は、当該グループに含まれる各発電部78の計測結果のうち、対象の発電部78以外の各発電部78の計測結果の少なくとも1つを用いて基準値を算出する構成であってもよいし、当該グループに含まれる各発電部78の計測結果のうち、対象の発電部78の計測結果と、対象の発電部78以外の各発電部78の計測結果の一部とを用いて基準値を算出する構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る発電状態判定システムでは、算出処理部82は、各計測値の平均値を基準値として算出する構成であるとしたが、これに限定するものではない。算出処理部82は、中央値等の他の統計値を基準値として算出する構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る発電状態判定システムでは、算出処理部82は、接続箱76ごとに基準値を算出し、判定部83は、発電部78ごとに太陽光発電システム401の状態を判定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。発電状態判定システム301では、算出処理部82は、予め定めた複数の発電部78を含むグループ単位で基準値を算出してもよい。具体的には、算出処理部82は、集電箱71ごとに基準値を算出し、判定部83は、接続箱76ごとまたは発電部78ごとに太陽光発電システム401の状態を判定する構成であってもよい。この場合、記憶部85において、太陽光発電システム401における各集電箱71のID、および集電箱71と当該集電箱71における銅バー72に集約ライン5を介して接続される監視装置111の監視装置IDとの対応関係が登録される。
また、本発明の第1の実施の形態に係る発電状態判定システムでは、算出処理部82は、発電部78の出力として発電電力を用いて基準値および比を算出する構成であるとしたが、これに限定するものではない。算出処理部82は、発電部78の出力として電流値または電圧値を用いて基準値および比を算出する構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る発電状態判定装置は、通信処理部84および記憶部85を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。発電状態判定装置101は、通信処理部84および記憶部85を備えない構成であってもよい。
ところで、太陽光発電システムの発電状態は様々な理由により変動する。その理由は、太陽電池パネル自体の劣化、異常および故障のためであったり、季節および天候のためであったり、建造物または樹木といった周囲の構造物による日陰のためであったりする。太陽電池パネルが正常であっても日陰により発電ロスが継続的に生じている場合も含め、期待する発電量が得られないような場合には対策が必要になることがある。その対策のために発電状態を判定する技術が求められる。
さらに太陽光発電システムが設けられる敷地は、広いことが多い。また対策者の居場所が太陽光発電システムから遠方になってしまうこともある。このような場合において誤判定が多いと、対策者にとって確認の負担が大きくなる。
しかしながら、誤判定を防ぐために判定を複雑化させると、導入および運用のためのコストおよび作業量が増加してしまう可能性がある。したがって、誤判定を少なくしつつ極力簡素な、太陽光発電システムに適した判定技術が望まれる。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る発電状態判定装置は、複数の太陽電池パネルを含む複数の発電部78を備える太陽光発電システム401に用いられる。算出処理部82は、複数の発電部78の出力の計測結果をそれぞれ示す複数の計測情報を取得する。算出処理部82は、複数の発電部78のうち発電状態を判定する対象の発電部78の計測結果と、対象の発電部78以外の発電部78の計測結果を少なくとも1つ用いて定めた基準値との比を算出する。そして、判定部83は、算出処理部82によって算出された比に基づいて対象の発電部78の発電状態を判定する。
このように、基準値および計測結果に基づく比を判定に用いる構成により、時間的変化の影響を受けにくい判定を行うことができる。したがって、太陽光発電システムの状態をより正確かつ簡素に判定することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る発電状態判定装置では、基準値は、基準値を定めるのに用いることが可能な計測結果が複数ある場合、当該複数の計測結果のうちの最小の値を示す計測結果を除いて定められる。
このように、最小の値は恒常的要因により他の値とかけ離れていることが考えられるため、念のため最小の値を基準値の算出から除外する構成により、より適切な基準値を算出することができ、太陽光発電システム401の状態の判定精度を向上させることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る発電状態判定装置では、算出処理部82は、接続箱76ごとに基準値を算出する。そして、判定部83は、発電部78ごとに状態を判定する。
このような構成により、接続箱76と出力ライン1を介して接続される各発電部78の発電環境は大きく異ならない場合が多いので、発電環境による影響がより抑制された基準値を算出することができる。これにより、発電環境による影響を排除することができるので、たとえば、発電部78の出力特性の劣化についてより正しく判定することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る発電状態判定装置では、算出処理部82は、1日における複数の時間帯における計測結果を示す計測情報を取得する。そして、算出処理部82は、当該時間帯ごとに基準値を算出し、かつ当該時間帯ごとに比を算出する。
このような構成により、太陽電池パネルと太陽との位置関係に応じた基準値を算出することができるので、当該位置関係を加味した判定を行うことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る発電状態判定装置では、算出処理部82は、1日における出力の最大値を計測結果として示す計測情報を取得する。
このような構成により、簡易に取得でき、かつ発電部78の出力を適切に表す最大値を用いて太陽光発電システム401の状態を判定することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る監視装置は、複数の太陽電池パネルを含む複数の発電部78と、発電状態判定装置101とを備える太陽光発電システム401に用いられる。監視装置111は、発電部78の出力の計測結果を示す計測情報を送信する。発電状態判定装置101は、1または複数の監視装置111から複数の計測情報を取得し、取得した各計測情報に基づいて基準値を算出し、計測情報の示す計測結果と基準値との比を算出し、算出した比に基づいて太陽光発電システム401の状態を判定する。
このような構成により、基準値および計測結果に基づく比を判定に用いることで、時間的変化の影響を受けにくい判定を行うことが可能な発電状態判定装置101における判定に適した監視装置111を提供することができる。したがって、太陽光発電システムの状態をより正確かつ簡素に判定することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る発電状態判定システムと比べて複数の太陽光発電システムにおける計測情報を処理する発電状態判定システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る発電状態判定システムと同様である。
[発電状態判定システム302の構成]
図18は、本発明の第2の実施の形態に係る発電状態判定システムの構成を示す図である。
図18を参照して、発電状態判定システム302は、発電状態判定装置101と、複数の監視装置111と、複数の収集装置151とを備える。
収集装置151は、太陽光発電システム401ごとに設けられる。各太陽光発電システム401において、収集装置151に対応して複数の監視装置111が設けられる。
図18では、複数の太陽光発電システム401が設けられているが、1つの太陽光発電システム401が設けられてもよい。
再び図6を参照して、発電状態判定システム302における発電状態判定装置101では、算出処理部82は、たとえばPCS8ごとに基準値SCM,SCA,SCB,SCCを算出する。
より詳細には、記憶部85には、たとえば、管理対象のPCS8のID(以下、PCSIDとも称する。)、PCSIDと当該PCSIDを有するPCS8を含む太陽光発電システム401に含まれる監視装置111の監視装置IDとの対応関係R2、および対応関係R1が登録されている。
[ピーク比算出処理]
算出処理部82は、たとえば、PCSIDごと、かつ対応の監視装置IDごとの接続箱ピーク電力情報を作成する。
より詳細には、算出処理部82は、たとえば、記憶部85に登録されている各PCSIDのうちの1つを選択すると、対応関係R1,R2に基づいて、選択したPCSIDに対応する各監視装置ID、および当該各監視装置IDにそれぞれ対応する電流センサIDを認識する。
算出処理部82は、認識した各電流センサIDにそれぞれ対応する発電部78の処理日における最大の発電電力すなわちピーク発電電力を取得し、取得した各ピーク発電電力から最小のピーク発電電力を除外する。そして、算出処理部82は、除外後の各ピーク発電電力の平均値を当該PCSIDに対応する基準値SCMPとして算出する。
算出処理部82は、認識した監視装置IDごとに、対応の各電流センサIDにそれぞれ対応するピーク発電電力の平均値を接続箱76の代表ピーク値として算出する。
算出処理部82は、監視装置IDごとに、接続箱76の代表ピーク値を基準値SCMPで除した値であるピーク比RMPを算出する。なお、算出処理部82は、基準値SCMPを接続箱76の代表ピーク値で除した値をピーク比として算出してもよい。
算出処理部82は、監視装置IDごとに、ピーク比RMP、接続箱76の代表ピーク値、当該PCSID、監視装置IDおよび処理日を含む接続箱ピーク電力情報を作成する。
算出処理部82は、記憶部85に登録されている各PCSIDにおいて未選択のPCSIDについても順次選択していくことで、PCSIDごと、かつ対応の監視装置IDごとの接続箱ピーク電力情報を作成する。
算出処理部82は、作成した各接続箱ピーク電力情報を記憶部85に保存するとともに、判定部83へ出力する。
[面積比算出処理]
算出処理部82は、たとえば、PCSIDごと、かつ対応の監視装置IDごとの接続箱電力量情報EAP,EBP,ECPを作成する。
より詳細には、算出処理部82は、たとえば、記憶部85に登録されている各PCSIDのうちの1つを選択すると、対応関係R1,R2に基づいて、選択したPCSIDに対応する各監視装置ID、および当該各監視装置IDにそれぞれ対応する電流センサIDを認識する。
そして、算出処理部82は、認識した電流センサIDごとに、面積SA,SB,SCを算出する。
算出処理部82は、算出した各面積SAから最小の面積SAを除外し、除外後の各面積SAの平均値を当該PCSIDに対応する基準値SCAPとして算出する。
同様に、算出処理部82は、算出した各面積SBから最小の面積SBを除外し、除外後の各面積SBの平均値を当該PCSIDに対応する基準値SCBPとして算出する。
同様に、算出処理部82は、算出した各面積SCから最小の面積SCを除外し、除外後の各面積SCの平均値を当該PCSIDに対応する基準値SCCとして算出する。
算出処理部82は、認識した監視装置IDごとに、対応の各電流センサIDにそれぞれ対応する面積SAの平均値を接続箱76の代表面積値SAPとして算出する。
同様に、算出処理部82は、認識した監視装置IDごとに、対応の各電流センサIDにそれぞれ対応する面積SBの平均値を接続箱76の代表面積値SBPとして算出する。
同様に、算出処理部82は、認識した監視装置IDごとに、対応の各電流センサIDにそれぞれ対応する面積SCの平均値を接続箱76の代表面積値SCPとして算出する。
算出処理部82は、監視装置IDごとに、接続箱76の代表面積値SAPを基準値SCAPで除した値である面積比RAPを算出する。なお、算出処理部82は、基準値SCAPを接続箱76の代表面積値SAPで除した値を面積比として算出してもよい。
同様に、算出処理部82は、監視装置IDごとに、接続箱76の代表面積値SBP,SCPを基準値SCBP,SCCPでそれぞれ除した値である面積比RBP,RCPを算出する。
算出処理部82は、監視装置IDごとに、面積比RAP、接続箱76の代表面積値SAP、当該PCSID、監視装置IDおよび処理日を含む接続箱電力量情報EAPを作成する。同様に、算出処理部82は、監視装置IDごとに、面積比RBP、接続箱76の代表面積値SBP、当該PCSID、監視装置IDおよび処理日を含む接続箱電力量情報EBPを作成する。同様に、算出処理部82は、監視装置IDごとに、面積比RCP、接続箱76の代表面積値SCP、当該PCSID、監視装置IDおよび処理日を含む接続箱電力量情報ECPを作成する。
算出処理部82は、作成した各電力量情報EAP、各電力量情報EBPおよび各電力量情報ECPを記憶部85に保存するとともに、判定部83へ出力する。
また、算出処理部82は、各接続箱ピーク電力情報、各電力量情報EAP、各電力量情報EBPおよび各電力量情報ECPについて月間集計処理を行う。
判定部83は、たとえば接続箱76ごとに当該接続箱76に関する異常を判定する。
より詳細には、判定部83は、たとえば、対象の接続箱76について、対応の面積比RAPと所定のしきい値ThAPとの大小関係、対応の面積比RBPと所定のしきい値ThBPとの大小関係、および対応の面積比RCPと所定のしきい値ThCPとの大小関係に基づいて、対象の接続箱76における各時間帯の出力異常、および原因切り分け処理の必要性を判定する。
また、判定部83は、原因切り分け処理が必要と判定すると、月間集計処理の結果を用いて原因切り分け処理を行う。
また、判定部83は、たとえば、対象の接続箱76について、対応のピーク比RMPと所定のしきい値ThMPとの大小関係に基づいて、対象の接続箱76における出力異常、および対象の接続箱76における影の影響を判定する。
なお、本発明の第2の実施の形態に係る発電状態判定システムでは、算出処理部82は、PCS8ごとに基準値を算出し、判定部83は、接続箱76ごとに太陽光発電システム401の状態を判定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。発電状態判定システム302では、算出処理部82は、予め定めた複数の接続箱76を含むグループ単位で基準値を算出してもよい。また、判定部83は、集電箱71ごとまたは発電部78ごとに太陽光発電システム401の状態を判定する構成であってもよい。判定部83が集電箱71ごとに上記状態を判定する場合、記憶部85において、太陽光発電システム401における各集電箱71のID、および集電箱71と当該集電箱71における銅バー72に集約ライン5を介して接続される監視装置111の監視装置IDとの対応関係が登録される。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る発電状態判定装置では、算出処理部82は、PCS8ごとに基準値を算出する。そして、判定部83は、接続箱76ごとに状態を判定する。
このような構成により、上記複数の発電部78の発電環境が接続箱76ごとに変化する場合においても、発電環境による影響を平準化した基準値を算出することができるので、たとえば、接続箱76ごとの発電環境をより正しく判定することができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る発電状態判定システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
なお、本発明の第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る各装置の構成要素および動作のうち、一部または全部を適宜組み合わせることも可能である。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
複数の太陽電池パネルを含む複数の発電部を備える太陽光発電システムに用いられる発電状態判定装置であって、前記複数の発電部の出力の計測結果をそれぞれ示す複数の計測情報を取得する取得部と、前記複数の発電部のうち発電状態を判定する対象の発電部の計測結果と、前記対象の発電部以外の発電部の計測結果を少なくとも1つ用いて定めた基準値との比を算出する算出部と、前記算出部によって算出された前記比に基づいて前記対象の発電部の発電状態を判定する判定部とを備え、
前記取得部は、1日における複数の時間帯における、前記複数の発電部の発電電力の計測結果を示す計測情報をそれぞれ取得し、
前記算出部は、前記時間帯ごとに、対応の前記時間帯における前記発電電力の積算値を用いて前記基準値を算出し、かつ前記時間帯ごとに前記比を算出し、
前記複数の時間帯は、昼の時間帯を含む、発電状態判定装置。
[付記2]
複数の前記発電部からの出力ラインを集約する接続箱が複数設置され、
各前記接続箱からの集約ラインを集約する集電箱が複数設置され、
各前記集電箱からの集約ラインが電力変換装置に電気的に接続され、
前記算出部は、前記集電箱ごとに前記基準値を算出し、
前記判定部は、前記接続箱ごとまたは前記発電部ごとに前記状態を判定する、付記1に記載の発電状態判定装置。
[付記3]
複数の前記発電部からの出力ラインを集約する接続箱が複数設置され、
各前記接続箱からの集約ラインを集約する集電箱が複数設置され、
各前記集電箱からの集約ラインが電力変換装置に電気的に接続され、
前記算出部は、前記電力変換装置ごとに前記基準値を算出し、
前記判定部は、前記集電箱ごと、前記接続箱ごとまたは前記発電部ごとに前記状態を判定する、付記1または付記2に記載の発電状態判定装置。
[付記4]
複数の太陽電池パネルを含む複数の発電部と、発電状態判定装置とを備える太陽光発電システムに用いられる監視装置であって、
前記監視装置は、前記発電部の出力の計測結果を示す計測情報を送信し、
前記発電状態判定装置は、1または複数の前記監視装置から複数の前記計測情報を取得し、取得した各前記計測情報に基づいて基準値を算出し、前記計測情報の示す前記計測結果と前記基準値との比を算出し、算出した前記比に基づいて前記太陽光発電システムの状態を判定し、
前記発電状態判定装置は、1日における複数の時間帯における、前記複数の発電部の発電電力の計測結果を示す計測情報をそれぞれ取得し、
前記発電状態判定装置は、前記時間帯ごとに、対応の前記時間帯における前記発電電力の積算値を用いて前記基準値を算出し、かつ前記時間帯ごとに前記比を算出し、
前記複数の時間帯は、昼の時間帯を含む、監視装置。