JP6755703B2 - がんの検出法 - Google Patents

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(発明の詳細な説明)
(背景)
本願は、タンパク質およびそれらタンパク質のペプチドフラグメントを包含し、これらは、上記タンパク質のタンパク質分解消化によって生成され、それらタンパク質およびペプチドフラグメントの両方が、がんを診断するか、または個体におけるがんの存在についてモニタリングするために有用である。
スクリーニングマンモグラムは、代表的には、感度75%および特異度約98%を有し、マンモグラム1回につき偽陽性率およそ5%を生じる(Brown, Houn, Sickles, & Kessler, 1995; Kolb, Lichy, & Newhouse, 2002; Luftner & Possinger, 2002)。乳房組織タイプ(より具体的には密度)はまた、マンノグラフィーの性能に大きく影響を及ぼす。乳房密度の程度は、American College of Radiology Breast Imaging Reporting and Data System(BI−RADS)を使用して分類される。このシステムは、4つの分類、1〜4からなる;ここでカテゴリー1は、大部分は脂肪質(<25% 密な)である;カテゴリー2は、散在性乳腺密度(scattered fibroglandular densities)(25〜50% 密な)である;カテゴリー3は、不均一に密である(51〜75% 密な)、およびカテゴリー4は、非常に密である(>75% 密な)(Bigenwald, 2008; Klifa, 2010; Scheel, 2014)。
脂肪性の乳房組織を有する女性に関しては、マンモグラフィーは、患者が毎年のスクリーニングに従順である場合には有効なスクリーニングツールであり得る(Tabar, 2001; Pisano, 2005)。しかし、乳房密度が増加するにつれてマンモグラフィーの有効性は低下し、フォローアップイメージングの増加をもたらし、より重要なことには、がんを診断しそこなう。マンモグラフィー感度は、ハイリスク患者に関しては、カテゴリー1については31%、カテゴリー2については27%、カテゴリー3については20%、およびカテゴリー4については12.5%程度に低いことが示されている(Bigenwald, 2008)。女性の人口のうちの約50%が、密な乳房組織であると考えられるカテゴリー3および4にある(Vachon, 2007)。現在では、これら女性のための最良のスクリーニング選択肢は、MRIであり、これは、マンモグラフィーより最大で10倍高価であり得る(Beignwald, 2008)。良好なスクリーニング選択肢がないことは重大な問題である。なぜなら75%以上の密な組織を有する女性は、乳がんを発生するリスクが、密度の低い組織を有する女性より4〜6倍高いからである(Boyd, 2007)。
疑陽性を評価するためのフォローアップイメージングは、米国に40億ドルものコストを課し、生検のみについてもさらに16億ドルが支出される。160万件の生検が行われた2010年には、16%程度(わずか261,000件)ががんを有することが見出された(Grady, 2012)。イメージングの診断パラメーターを増加させることへの解決策は、遺伝情報およびプロテオミクス情報、より具体的には、生体マーカーに焦点を当てる画像診断前および画像診断後において見出され得る(Armstrong, Handorf, Chen, & Bristol Demeter, 2013; Li, Zhang, Rosenzweig, Wang, & Chan, 2002)。
組織および血清は一般に、生体マーカー研究を始めるには最も論理的な場所であるが、両方の媒体の大きなダイナミックレンジが、発見を極めて困難にしている(Schiess, Wollscheid, & Aebersold, 2009)。解決策は、複雑さの低い生物学的流体、例えば、唾液および涙液の中にあり得る。診断媒体としての涙液の使用は、新規な適用ではない。なぜなら涙液プロテオームは、以前に徹底調査されているからである(Boehm et al., 2012; 2011; Lebrecht, Boehm, Schmidt, Koelbl, & Grus, 2009a; Lebrecht et al., 2009b; Wu & Zhang, 2007)。この適用において、がんに応じた涙液ベースの生体マーカーのパネルの検出のための定量的アッセイが開示される。この定量的情報から、臨床検査改善修正法(Certified Laboratory Improvement Amendments (CLIA))プロトコルの枠組みが定義される。
Brown, M. L., Houn, F., Sickles, E. A., & Kessler, L. G. (1995). Screening Mammography in Community Practice: Positive Predictive. American Journal of Radiology, 165, 1373-1377.
(要旨)
被験体ががんを有するかどうかを決定するための方法が、本明細書で提供される。方法は、上記被験体からサンプルを得る工程、および以下から選択されかつ表1に列挙されるとおりのマーカーのうちの少なくとも1種のレベルを検出する工程を包含する:Igλ鎖V−IV領域Hil(LV403)、Ig重鎖V−III BRO(HV305)、Ig重鎖V−III VH26(HV303)、β−2−ミクログロブリン(B2MG)、リポカリン−1(LCN1)、亜鉛−α−2−糖タンパク質(ZA2G)、シスタチンB(CYTB)、アンチロイコプロテイナーゼ(SLP1)、ガレクチン−3(LEG3)、ヒスチジントリアドヌクレオチド結合タンパク質1(D6RD60)、S100A9(S10A9)、S100A8(S10A8)、ガレクチン−3−結合タンパク質(LG3BP)、Igα−1鎖C領域のクラスター(IGHA1)、Igκ鎖V−III領域HAHのクラスター(KV312)、VEGF共調節ケモカイン1(VCC1)、L−乳酸デヒドロゲナーゼA鎖(LDHA)、アルド−ケトレダクターゼファミリー1メンバーC(AKR1C1)、ルートレチン(B1AKD8)、L−乳酸デヒドロゲナーゼB鎖(LDHB)、レチナールデヒドロゲナーゼ1(AL1A1)、性質不明タンパク質(B4E1Z4)、α−1−アンチキモトリプシン(AACT)、スーパーオキシドジスムターゼ[Cu−Zn](SODC)、SPARC様タンパク質1(SPRL1)、Ig重鎖V−III領域TIL(HV304)、ケラチン(K1C9)、シスタチン−SN(CYTN)、α−アクチニン−4(ACTN4)、Igλ−3鎖C領域(フラグメント)(IGLC3)、免疫グロブリンλ様ポリペプチド5(IGLL5)、アルコールデヒドロゲナーゼ1C(ADHIG)、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ミトコンドリア(MDHM)、カルモジュリン様タンパク質5(CALL5)、α−1−アンチトリプシン(A1AT)、α−1B−糖タンパク質(A1BG)、ロイシンリッチα−2−糖タンパク質(A2GL)、低分子ユビキチン様修飾因子3(A8MU27)、前勾配タンパク質(Anterior gradient protein)2ホモログ(AGR2)、プロフィリン−1(PROF1)、Igλ鎖V−III領域LOIのクラスター(LV302)、プロトロンビン(E9PIT3)、ヘモペキシン(HEMO)、Igγ−2鎖C領域(IGHG2)、ユビキチン−40Sリボソームタンパク質S27a(RPS27A)、アファミン(Afamin)(AFAM)、アポリポプロテインA−I(APOA1)、アポリポプロテインA−IV(APOA4)、フラビンレダクターゼ(NADPH)(BLVRB)、プロサポシン(PSAP)、ラクリチン(LACRT)、60S酸性リボソームタンパク質P1(RLA1)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H2(ITIH2)、ムチン様タンパク質1(MUCL1)、S100 A6(S100A6)、Na(+)/H(+)交換調節補因子NHE−RF1(NHRF1)、チオレドキシンドメイン含有タンパク質17(I3L0K2)、リンパ球特異的タンパク質(LSP1)、ハプトグロビンのクラスター(H3BS21)、ミオシン調節性軽鎖12A(J2QRS3)、リボヌクレアーゼインヒビター(RINI)、α−エノラーゼ(ENOA)、Igκ鎖V−I領域EUのクラスター(KV106)、アルコールデヒドロゲナーゼクラス4μ/σ鎖(ADH7)、プロテインAMBP(AMBP)、アンギオテンシノゲン(ANGT)、アンチトロンビン−III(ANT3)、アポリポプロテインA−II(APOA2)、カルパスタチン(B7Z574)、脳酸可溶性タンパク質1(BASP1)、α−2−HS−糖タンパク質(C9JV77)、カルレティキュリン(CALR)、カルパイン−1触媒サブユニット(CAN1)、細胞分裂制御タンパク質42ホモログ(CDC42)、補体C3(CO3)、コロニン−1A (COR1A)、プログラム細胞死6相互作用タンパク質(DCD)、ディフェンシン(Definsin)1(DEF1)、Fボックスオンリープロテイン(F−box only protein)50(FBX50)、γ−グルタミルシクロトランスフェラーゼ(GGCT)、グルタチオンレダクターゼ、ミトコンドリア(GSHR)、ケラチン、タイプII細胞骨格1(K2C1)、UMP−CMPキナーゼ(KCY)、メソテリン(MSLN)、N−アセチルムラモイル−L−アラニンアミダーゼ(PGRP2)、ニコチン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ(PNCB)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H1(ITIH1)、リボヌクレアーゼT2(RNASET2)、スーパーオキシドジスムターゼ[Mn]、ミトコンドリア(SODM)、低分子プロリンリッチタンパク質3(SPRR3)、Src基質コルタクチン(SRC8)、チューブリンβ−4B鎖のクラスター(TBB4B)、トロポミオシンα−3鎖(TPM3)、セロトランスフェリン(TRFE)、グルタチオンS−トランスフェラーゼP(THIO)、ビトロネクチン(VTNC)、ビタミンD結合タンパク質(Q6LDC6)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H4(ITIH4)、メタロプロテアーゼインヒビター(TIMP1)、熱ショックタンパク質90(HSP90)、カテプシンB(CATB)、セルロプラスミン(CERU)、カルプロテクチン、14−3−3σ(1433S)、α−2−hs−糖タンパク質(FETUA)、α−2−マクログロブリン(A2MG)、トランスサイレチン(TTHY)。上記被験体は、これらマーカーのレベルががんのない被験体に由来するコントロールサンプルにおける上記マーカーのレベルと比較して変化する場合に、がんを有する可能性がある。上記サンプルは、最適には、眼のサンプル(例えば、単離された涙液サンプルもしくは眼の洗浄物)であるが、同様に、唾液もしくは他の体液に由来し得る。眼のサンプルは、涙腺およびリンパ系と接続する他の組織からの分泌物を含む涙液サンプルを示す。
本明細書で記載される方法を行うためのキットもまた提供される。キットは、サンプル収集プラットフォーム、プロテアーゼインヒビターもしくは他のタンパク質安定化剤を含み得る収集および抽出のためのチューブ、サンプル抽出試薬および試験器具を含み得る。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(方法)
1.被験体ががんを有するかどうかを決定する方法であって、該方法は、該被験体からサンプルを採取する工程;該サンプルにおいて、表1に提供されるマーカーのリストからのマーカーのうちの少なくとも1つのレベルを検出する工程を行う工程;および該マーカーのレベルががんのないコントロールサンプルにおける該マーカーのレベルと比較して変化する場合に、該被験体ががんを有するかもしくはがんを有する可能性があることを決定する工程を包含する方法。
2.前記がんは乳がんである、項目1に記載の方法。
3.前記サンプルは、眼のサンプルである、項目1〜2のいずれかに記載の方法。
4.前記被験体はヒトである、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
5.前記マーカーは、前記コントロールサンプルにおける該マーカーのレベルと比較して、少なくとも、1.5倍、2倍、4倍またはそれ超低下している、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
6.前記マーカーは、前記コントロールサンプルにおける該マーカーのレベルと比較して、少なくとも、1.5倍、2倍、4倍またはそれ超増加している、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
7.マーカーの組み合わせは、前記被験体におけるがんの可能性を決定するために使用される、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
8.前記マーカーのレベルは、液体クロマトグラフィー−質量分析法(LC−MS)によって検出される、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
9.前記マーカーのレベルは、抗体ベースの検出法によって検出される、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
10.前記マーカーのレベルは、多重タンパク質検出法によって検出される、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
11.前記マーカーのレベルは、mRNA検出法によって検出される、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
12.前記被験体は、がんを有すると疑われる、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
13.前記被験体は、がんを発生するリスクが増加している、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
14.前記被験体は、がん性であると疑われる触診可能なしこりを有する、項目2に記載の方法。
15.前記被験体の乳房密度は、カテゴリー1、カテゴリー2、カテゴリー3もしくはカテゴリー4である、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
16.前記がんは、乳がんのステージとして検出される、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
17.少なくとも10種のマーカーが併用される、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
18.少なくとも5種のマーカーが併用される、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
19.少なくとも3種のマーカーが併用される、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
20.収集チューブおよびプロテアーゼインヒビター、もしくは他のタンパク質安定化剤を含む、先行する項目のいずれか1項に記載の方法を行うためのキット。
21.前記マーカーのうちの少なくとも1種に結合し得る抗体をさらに含む、項目20に記載のキット。
22.前記マーカーのうちの少なくとも1種を増幅し得るプライマー対をさらに含む、項目20または21に記載のキット。
(指標)
A1.表1に提供されるマーカーのリストからのマーカーのうちの少なくとも1種のレベルを、被験体ががんを有するかどうかを決定するための指標とする方法であって、該方法は、該被験体から得られたサンプルにおいて、表1に提供されるマーカーのリストからのマーカーのうちの少なくとも1種の該サンプル中のレベルを検出する工程であって、ここでがんのないコントロールサンプルにおける該マーカーのレベルと比較しての該マーカーのレベルの変化は、該被験体ががんを有するかもしくはがんを有する可能性があることを示す工程、を必要に応じて包含する方法。
A2.前記がんは乳がんである、項目A1に記載の方法。
A3.前記サンプルは、眼のサンプルである、先行する項目のいずれかに記載の方法。
A4.前記被験体はヒトである、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
A5.前記マーカーは、前記コントロールサンプルにおける該マーカーのレベルと比較して、少なくとも、1.5倍、2倍、4倍またはそれ超低下している、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
A6.前記マーカーは、前記コントロールサンプルにおける該マーカーのレベルと比較して、少なくとも、1.5倍、2倍、4倍またはそれ超増加している、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
A7.マーカーの組み合わせは、前記被験体におけるがんの可能性を決定するために使用される、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
A8.前記マーカーのレベルは、液体クロマトグラフィー−質量分析法(LC−MS)によって検出される、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
A9.前記マーカーのレベルは、抗体ベースの検出法によって検出される、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
A10.前記マーカーのレベルは、多重タンパク質検出法によって検出される、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
A11. 前記マーカーのレベルは、mRNA検出法によって検出される、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
A12. 前記被験体は、がんを有すると疑われる、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
A13. 前記被験体は、がんを発生するリスクが増加している、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
A14.前記被験体は、がん性であると疑われる触診可能なしこりを有する、項目A2に記載の方法。
A15.前記被験体の乳房密度は、カテゴリー1、カテゴリー2、カテゴリー3もしくはカテゴリー4である、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
A16.前記がんは、乳がんのステージとして検出される、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
A17.少なくとも10種のマーカーが併用される、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
A18.少なくとも5種のマーカーが併用される、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
A19. 少なくとも3種のマーカーが併用される、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
A20.収集チューブおよびプロテアーゼインヒビター、もしくは他のタンパク質安定化剤を含む、先行する項目のいずれか1項に記載の方法を行うためのキット。
A21.前記マーカーのうちの少なくとも1種に結合し得る抗体をさらに含む、項目A20に記載のキット。
A22. 前記マーカーのうちの少なくとも1種を増幅し得るプライマー対をさらに含む、項目A20またはA21に記載のキット。
(マーカー)
B1.被験体が表1に提供されるマーカーのリストからのマーカーのうちの少なくとも1種を含むがんを有するかどうかを決定するためのマーカーであって、ここでがんのないコントロールサンプルにおける該マーカーのレベルと比較した場合に、該被験体に由来するサンプル中の該マーカーのレベルにおける変化は、該被験体ががんを有するかまたはがんを有する可能性があることを示す、マーカー。
B2.前記がんは乳がんである、項目B1に記載のマーカー。
B3.前記サンプルは、眼のサンプルである、先行する項目のいずれかに記載のマーカー。
B4.前記被験体はヒトである、先行する項目のいずれか1項に記載のマーカー。
B5.前記マーカーは、前記コントロールサンプルにおける該マーカーのレベルと比較して、少なくとも、1.5倍、2倍、4倍またはそれ超低下している、先行する項目のいずれか1項に記載のマーカー。
B6.前記マーカーは、前記コントロールサンプルにおける該マーカーのレベルと比較して、少なくとも、1.5倍、2倍、4倍またはそれ超増加している、先行する項目のいずれか1項に記載のマーカー。
B7.前記マーカーは、前記被験体におけるがんの可能性を決定するために使用される、先行する項目のいずれか1項に記載のマーカーの組み合わせ。
B8.前記マーカーのレベルは、液体クロマトグラフィー−質量分析法(LC−MS)によって検出される、先行する項目のいずれか1項に記載のマーカーもしくは組み合わせ。
B9.前記マーカーのレベルは、抗体ベースの検出法によって検出される、先行する項目のいずれか1項に記載のマーカーもしくは組み合わせ。
B10.前記マーカーのレベルは、多重タンパク質検出法によって検出される、先行する項目のいずれか1項に記載のマーカーもしくは組み合わせ。
B11.前記マーカーのレベルは、mRNA検出法によって検出される、先行する項目のいずれか1項に記載のマーカーもしくは組み合わせ。
B12.前記被験体は、がんを有すると疑われる、先行する項目のいずれか1項に記載のマーカーもしくは組み合わせ。
B13.前記被験体は、がんを発生するリスクが増加している、先行する項目のいずれか1項に記載のマーカーもしくは組み合わせ。
B14.前記被験体は、がん性であると疑われる触診可能なしこりを有する、項目B2に記載のマーカーもしくは組み合わせ。
B15.前記被験体の乳房密度は、カテゴリー1、カテゴリー2、カテゴリー3もしくはカテゴリー4である、先行する項目のいずれか1項に記載のマーカーもしくは組み合わせ。
B16.前記がんは、乳がんのステージとして検出される、先行する項目のいずれか1項に記載のマーカーもしくは組み合わせ。
B17.少なくとも10種のマーカーが併用される、先行する項目のいずれか1項に記載のマーカーもしくは組み合わせ。
B18.少なくとも5種のマーカーが併用される、先行する項目のいずれか1項に記載のマーカーもしくは組み合わせ。
B19.少なくとも3種のマーカーが併用される、先行する項目のいずれか1項に記載のマーカーもしくは組み合わせ。
B20.収集チューブおよびプロテアーゼインヒビター、もしくは他のタンパク質安定化剤を含む、先行する項目のいずれか1項に記載のマーカーもしくは組み合わせを使用して、被験体ががんを有するかどうかを決定するためのキット。
B21.前記マーカーのうちの少なくとも1種に結合し得る抗体をさらに含む、項目B20に記載のキット。
B22.前記マーカーのうちの少なくとも1種を増幅し得るプライマー対をさらに含む、項目B20またはB21に記載のキット。
(検出剤)
C1.被験体ががんを有するかどうかを検出するための検出剤であって、該検出剤は、該被験体のサンプルにおいて、表1に提供されるマーカーのリストのマーカーのうちの少なくとも1種のレベルを検出するための剤もしくは手段を含み;ここでがんのないコントロールサンプルにおける該マーカーのレベルと比較した場合の該マーカーのレベルにおける変化は、該被験体ががんを有するかまたはがんを有する可能性があることを示す、検出剤。
C2.前記がんは乳がんである、項目C1に記載の検出剤。
C3.前記サンプルは、眼のサンプルである、先行する項目のいずれかに記載の検出剤。
C4.前記被験体はヒトである、先行する項目のいずれか1項に記載の検出剤。
C5.前記マーカーは、前記コントロールサンプルにおける該マーカーのレベルと比較して、少なくとも、1.5倍、2倍、4倍またはそれ超低下している、先行する項目のいずれか1項に記載の検出剤。
C6.前記マーカーは、前記コントロールサンプルにおける該マーカーのレベルと比較して、少なくとも、1.5倍、2倍、4倍またはそれ超増加している、先行する項目のいずれか1項に記載の検出剤。
C7.マーカーの組み合わせは、前記被験体におけるがんの可能性を決定するために使用される、先行する項目のいずれか1項に記載の検出剤。
C8.前記マーカーのレベルは、液体クロマトグラフィー−質量分析法(LC−MS)によって検出される、先行する項目のいずれか1項に記載の検出剤。
C9.前記マーカーのレベルは、抗体ベースの検出法によって検出される、先行する項目のいずれか1項に記載の検出剤。
C10.前記マーカーのレベルは、多重タンパク質検出法によって検出される、先行する項目のいずれか1項に記載の検出剤。
C11.前記マーカーのレベルは、mRNA検出法によって検出される、先行する項目のいずれか1項に記載の検出剤。
C12.前記被験体は、がんを有すると疑われる、先行する項目のいずれか1項に記載の検出剤。
C13.前記被験体は、がんを発生するリスクが増加している、先行する項目のいずれか1項に記載の検出剤。
C14.前記被験体は、がん性であると疑われる触診可能なしこりを有する、項目C2に記載の検出剤。
C15.前記被験体の乳房密度は、カテゴリー1、カテゴリー2、カテゴリー3もしくはカテゴリー4である、先行する項目のいずれか1項に記載の検出剤。
C16.前記がんは、乳がんのステージとして検出される、先行する項目のいずれか1項に記載の検出剤。
C17.少なくとも10種のマーカーが併用される、先行する項目のいずれか1項に記載の検出剤。
C18.少なくとも5種のマーカーが併用される、先行する項目のいずれか1項に記載の検出剤。
C19.少なくとも3種のマーカーが併用される、先行する項目のいずれか1項に記載の検出剤。
C20.先行する項目のいずれか1項に記載の検出剤、収集チューブおよびプロテアーゼインヒビター、もしくは他のタンパク質安定化剤を含む、被験体ががんを有するかどうかを決定するためのキット。
C21.前記マーカーのうちの少なくとも1種に結合し得る抗体をさらに含む、項目C20に記載のキット。
C22. 前記マーカーのうちの少なくとも1種を増幅し得るプライマー対をさらに含む、項目C20またはC21に記載のキット。
(診断剤)
D1.被験体ががんを有するかどうかを決定するための診断剤であって、該診断剤は、該被験体のサンプルにおいて、表1に提供されるマーカーのリストのマーカーのうちの少なくとも1種のレベルを検出するための剤もしくは手段を含み;ここでがんのないコントロールサンプルにおける該マーカーのレベルと比較した場合の該マーカーのレベルにおける変化は、該被験体ががんを有するかまたはがんを有する可能性があることを示す、診断剤。
D2.前記がんは乳がんである、項目D1に記載の診断剤。
D3.前記サンプルは、眼のサンプルである、先行する項目のいずれかに記載の診断剤。
D4.前記被験体はヒトである、先行する項目のいずれか1項に記載の診断剤。
D5.前記マーカーは、前記コントロールサンプルにおける該マーカーのレベルと比較して、少なくとも、1.5倍、2倍、4倍またはそれ超低下している、先行する項目のいずれか1項に記載の診断剤。
D6.前記マーカーは、前記コントロールサンプルにおける該マーカーのレベルと比較して、少なくとも、1.5倍、2倍、4倍またはそれ超増加している、先行する項目のいずれか1項に記載の診断剤。
D7.マーカーの組み合わせは、前記被験体におけるがんの可能性を決定するために使用される、先行する項目のいずれか1項に記載の診断剤。
D8.前記マーカーのレベルは、液体クロマトグラフィー−質量分析法(LC−MS)によって検出される、先行する項目のいずれか1項に記載の診断剤。
D9.前記マーカーのレベルは、抗体ベースの検出法によって検出される、先行する項目のいずれか1項に記載の診断剤。
D10.前記マーカーのレベルは、多重タンパク質検出法によって検出される、先行する項目のいずれか1項に記載の診断剤。
D11. 前記マーカーのレベルは、mRNA検出法によって検出される、先行する項目のいずれか1項に記載の診断剤。
D12.前記被験体は、がんを有すると疑われる、先行する項目のいずれか1項に記載の診断剤。
D13.前記被験体は、がんを発生するリスクが増加している、先行する項目のいずれか1項に記載の診断剤。
D14.前記被験体は、がん性であると疑われる触診可能なしこりを有する、項目D2に記載の診断剤。
D15.前記被験体の乳房密度は、カテゴリー1、カテゴリー2、カテゴリー3もしくはカテゴリー4である、先行する項目のいずれか1項に記載の診断剤。
D16.前記がんは、乳がんのステージとして検出される、先行する項目のいずれか1項に記載の診断剤。
D17.少なくとも10種のマーカーが併用される、先行する項目のいずれか1項に記載の診断剤。
D18.少なくとも5種のマーカーが併用される、先行する項目のいずれか1項に記載の診断剤。
D19.少なくとも3種のマーカーが併用される、先行する項目のいずれか1項に記載の診断剤。
D20.先行する項目のいずれか1項に記載の診断剤、収集チューブおよびプロテアーゼインヒビター、もしくは他のタンパク質安定化剤を含む、被験体ががんを有するかどうかを決定するためのキット。
D21.前記マーカーのうちの少なくとも1種に結合し得る抗体をさらに含む、D20に記載のキット。
D22.前記マーカーのうちの少なくとも1種を増幅し得るプライマー対をさらに含む、項目D20またはD21に記載のキット。
(システム)
E1.被験体ががんを有するかどうかを決定するためのシステムであって、該システムは、該被験体からサンプルを得るための剤もしくはであって、該サンプルにおいて、表1に提供されるマーカーのリストのマーカーのうちの少なくとも1種のレベルを検出する工程を行うための剤もしくは手段;および該マーカーのレベルががんのないコントロールサンプルにおける該マーカーのレベルと比較して変化する場合に、該被験体ががんを有するかまたはがんを有する可能性があることを決定するための剤もしくは手段を含む、システム。
E2.前記がんは乳がんである、項目E1に記載のシステム。
E3.前記サンプルは、眼のサンプルである、先行する項目のいずれかに記載のシステム。
E4.前記被験体はヒトである、先行する項目のいずれか1項に記載のシステム。
E5.前記マーカーは、前記コントロールサンプルにおける該マーカーのレベルと比較して、少なくとも、1.5倍、2倍、4倍またはそれ超低下している、先行する項目のいずれか1項に記載のシステム。
E6.前記マーカーは、前記コントロールサンプルにおける該マーカーのレベルと比較して、少なくとも、1.5倍、2倍、4倍またはそれ超増加している、先行する項目のいずれか1項に記載のシステム。
E7.マーカーの組み合わせは、前記被験体におけるがんの可能性を決定するために使用される、先行する項目のいずれか1項に記載のシステム。
E8.前記マーカーのレベルは、液体クロマトグラフィー−質量分析法(LC−MS)によって検出される、先行する項目のいずれか1項に記載のシステム。
E9.前記マーカーのレベルは、抗体ベースの検出法によって検出される、先行する項目のいずれか1項に記載のシステム。
E10.前記マーカーのレベルは、多重タンパク質検出法によって検出される、先行する項目のいずれか1項に記載のシステム。
E11.前記マーカーのレベルは、mRNA検出法によって検出される、先行する項目のいずれか1項に記載のシステム。
E12.前記被験体は、がんを有すると疑われる、先行する項目のいずれか1項に記載のシステム。
E13.前記被験体は、がんを発生するリスクが増加している、先行する項目のいずれか1項に記載のシステム。
E14.前記被験体は、がん性であると疑われる触診可能なしこりを有する、項目E2に記載のシステム。
E15.前記被験体の乳房密度は、カテゴリー1、カテゴリー2、カテゴリー3もしくはカテゴリー4である、先行する項目のいずれか1項に記載のシステム。
E16.前記がんは、乳がんのステージとして検出される、先行する項目のいずれか1項に記載のシステム。
E17.少なくとも10種のマーカーが併用される、先行する項目のいずれか1項に記載のシステム。
E18.少なくとも5種のマーカーが併用される、先行する項目のいずれか1項に記載のシステム。
E19.少なくとも3種のマーカーが併用される、先行する項目のいずれか1項に記載のシステム。
E20.収集チューブおよびプロテアーゼインヒビター、もしくは他のタンパク質安定化システムをさらに含む、先行する項目のいずれか1項に記載のシステム。
E21.前記マーカーのうちの少なくとも1種に結合し得る抗体をさらに含む、項目E20に記載のシステム。
E22.前記マーカーのうちの少なくとも1種を増幅し得るプライマー対をさらに含む、項目E20またはE21に記載のシステム。
(本開示の摘要)
がんのないコントロールサンプルと比較した場合に、一連の生体マーカーのうちの少なくとも1種のレベルを測定することによって、がん、および特に乳がんを、被験体において検出するための方法およびキット。上記生体マーカーの発現は、がんのない被験体における発現レベルと比較した場合に、がんを有する被験体に由来するサンプルにおいて増加するかもしくは低下するかのいずれかである。上記サンプルは、最適には、眼のサンプル(例えば、単離された涙液サンプルもしくは眼の洗浄物)であるが、同様に唾液もしくは他の体液に由来し得る。キットは、収集チューブおよびプロテアーゼインヒビターもしくはタンパク質安定化剤を含み得る。
図1:実験1において同定された以下のタンパク質:(A)Ig重鎖V−IV領域HiL、(B)Ig重鎖領域V−III領域BRO、(C)Ig重鎖V−III領域VH26、(D)アンチロイコプロテイナーゼ、(E)β2ミクログロブリン、(F)カルモジュリン様タンパク質5、(G)リポカリン1、(H)シスタチンB、(I)ガレクチン3、(J)亜鉛−α2糖タンパク質のスペクトル強度のANOVA。 図2:Ig重鎖V−IV領域HiL、Ig重鎖領域V−III領域BRO、Ig重鎖V−III領域VH26、アンチロイコプロテイナーゼ、β2ミクログロブリン、カルモジュリン様タンパク質5、リポカリン1、シスタチンB、ガレクチン3、亜鉛−α2糖タンパク質を使用する、実験1からのがん、良性、およびコントロールのROC曲線。 図3:実験1で試験した75サンプルのうちの66サンプルに関する乳房密度の分布のモザイクプロット。 同上 図4:実験2において同定されたタンパク質のスペクトル強度のANOVA。示されるタンパク質は、以下である:(A)14−3−3タンパク質σ、(B)6−ホスホグルコン酸デヒドロゲナーゼ、脱炭酸、(C)α−アクチニン−4、(D)レチナールデヒドロゲナーゼ、(E)アルギニノコハク酸シンターゼ、(F)β−2−ミクログロブリン、(G)カルモジュリン、(H)セルロプラスミン、(I)コフィリン、(J)シスタチン−SN、(K)エノラーゼ1、(L)ゲルソリン、(M)熱ショックタンパク質β−1、(N)Igα−1鎖C領域、(O)ラクリチン、(P)リゾチーム、(Q)基底膜特異的ヘパリン硫酸プロテオグリカンコアタンパク質、(R)ポリマー免疫グロブリンレセプター、(S)プロフィリン1、(T)S100A8、(U)S100A9、(V)セクレトグロビンファミリー1Dメンバー1、(W)VEGF共調節性ケモカイン1、(X)ヒスチジントリアドヌクレオチド結合タンパク質1、(Y)ディフェンシン1、(Z)L−乳酸デヒドロゲナーゼA鎖、(AA)SPARC様タンパク質1、(BB)アネキシン5、(CC)Ig重鎖V−III領域TIL、(DD)インター−α−トリプシンインヒビター重鎖1、(EE)α−1B−糖タンパク質、(FF)α−1−アンチトリプシン。 同上 同上 同上 同上 同上 同上 同上 同上 同上 同上 同上 同上 同上 同上 同上 図5:ELISAによって決定される場合の、乳がんサンプルおよびコントロールサンプルにおいて、S100A9の発現レベルを比較するANOVA。 図6:ELISAによって決定される場合の、乳がんサンプルおよびコントロールサンプルにおいて、LG3BPの発現レベルを比較するANOVA。 図7:S100A9のROC曲線。 図8:LG3BPのROC曲線 図9:S100A9およびLG3BPを組み合わせたROC曲線 図10:乳房組織カテゴリーに基づくS100A9発現のANOVA。 図11:乳房組織カテゴリーに基づくLG3BP発現のANOVA。
(実施形態の説明)
(詳細な説明)
本明細書で提供されるのは、眼のサンプルに由来するタンパク質およびトリプシン消化によって得られるペプチドフラグメントである。上記生成されるポリペプチドは、以下から選択されかつ表1に列挙されるとおりである:Igλ鎖V−IV領域Hil(LV403)、Ig重鎖V−III BRO(HV305)、Ig重鎖V−III VH26(HV303)、β−2−ミクログロブリン(B2MG)、リポカリン−1(LCN1)、亜鉛−α−2−糖タンパク質(ZA2G)、シスタチンB(CYTB)、アンチロイコプロテイナーゼ(SLP1)、ガレクチン−3(LEG3)、ヒスチジントリアドヌクレオチド結合タンパク質1(D6RD60)、S100A9(S10A9)、S100A8(S10A8)、ガレクチン−3−結合タンパク質(LG3BP)、Igα−1鎖C領域のクラスター(IGHA1)、Igκ鎖V−III領域HAHのクラスター(KV312)、VEGF共調節性ケモカイン1(VCC1)、L−乳酸デヒドロゲナーゼA鎖(LDHA)、アルド−ケトレダクターゼファミリー1メンバーC(AKR1C1)、ルートレチン(B1AKD8)、L−乳酸デヒドロゲナーゼB鎖(LDHB)、レチナールデヒドロゲナーゼ1(AL1A1)、性質不明タンパク質(B4E1Z4)、α−1−アンチキモトリプシン(AACT)、スーパーオキシドジスムターゼ[Cu−Zn](SODC)、SPARC様タンパク質1(SPRL1)、Ig重鎖V−III領域TIL(HV304)、ケラチン(K1C9)、シスタチン−SN(CYTN)、α−アクチニン−4(ACTN4)、Igλ−3鎖C領域(フラグメント)(IGLC3)、免疫グロブリンλ様ポリペプチド5(IGLL5)、アルコールデヒドロゲナーゼ1C(ADHIG)、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ミトコンドリア(MDHM)、カルモジュリン様タンパク質5(CALL5)、α−1−アンチトリプシン(A1AT)、α−1B−糖タンパク質(A1BG)、ロイシンリッチα−2−糖タンパク質(A2GL)、低分子ユビキチン様修飾因子3(A8MU27)、前勾配タンパク質2ホモログ(AGR2)、プロフィリン−1(PROF1)、Igλ鎖V−III領域LOIのクラスター(LV302)、プロトロンビン(E9PIT3)、ヘモペキシン(HEMO)、Igγ−2鎖C領域(IGHG2)、ユビキチン−40Sリボソームタンパク質S27a(RPS27A)、アファミン(AFAM)、アポリポプロテインA−I(APOA1)、アポリポプロテインA−IV(APOA4)、フラビンレダクターゼ(NADPH)(BLVRB)、プロサポシン(PSAP)、ラクリチン(LACRT)、60S酸性リボソームタンパク質P1(RLA1)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H2(ITIH2)、ムチン様タンパク質1(MUCL1)、S100 A6(S100A6)、Na(+)/H(+)交換調節性補因子NHE−RF1(NHRF1)、チオレドキシンドメイン含有タンパク質17(I3L0K2)、リンパ球特異的タンパク質(LSP1)、ハプトグロビンのクラスター(H3BS21)、ミオシン調節性軽鎖12A(J2QRS3)、リボヌクレアーゼインヒビター(RINI)、α−エノラーゼ(ENOA)、Igκ鎖V−I領域EUのクラスター(KV106)、アルコールデヒドロゲナーゼクラス4μ/σ鎖(ADH7)、プロテインAMBP(AMBP)、アンギオテンシノゲン(ANGT)、アンチトロンビン−III(ANT3)、アポリポプロテインA−II(APOA2)、カルパスタチン(B7Z574)、脳酸可溶性タンパク質1(BASP1)、α−2−HS−糖タンパク質(C9JV77)、カルレティキュリン(CALR)、カルパイン−1触媒サブユニット(CAN1)、細胞分裂制御タンパク質42ホモログ(CDC42)、補体C3(CO3)、コロニン−1A(COR1A)、プログラム細胞死6−相互作用タンパク質(DCD)、ディフェンシン1(DEF1)、F−ボックスオンリープロテイン50(FBX50)、γグルタミルシクロトランスフェラーゼ(GGCT)、グルタチオンレダクターゼ、ミトコンドリア(GSHR)、ケラチン、タイプII細胞骨格1(K2C1)、UMP−CMPキナーゼ(KCY)、メソテリン(MSLN)、N−アセチルムラモイル−L−アラニンアミダーゼ(PGRP2)、ニコチン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ(PNCB)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H1(ITIH1)、リボヌクレアーゼT2(RNASET2)、スーパーオキシドジスムターゼ[Mn]、ミトコンドリア(SODM)、低分子プロリンリッチタンパク質3(SPRR3)、Src基質コルタクチン(SRC8)、チューブリンβ−4B鎖のクラスター(TBB4B)、トロポミオシンα−3鎖(TPM3)、セロトランスフェリン(TRFE)、グルタチオンS−トランスフェラーゼP(THIO)、ビトロネクチン(VTNC)、ビタミンD結合タンパク質(Q6LDC6)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H4(ITIH4)、メタロプロテアーゼインヒビター(TIMP1)、熱ショックタンパク質90(HSP90)、カテプシンB(CATB)、セルロプラスミン(CERU)、カルプロテクチン、14−3−3σ(1433S)、α−2−hs−糖タンパク質(FETUA)、α−2−マクログロブリン(A2MG)、トランスサイレチン(TTHY)。トリプシン配列およびがんサンプルにおいてダウンレギュレートされると同定されたタンパク質の全長アミノ酸配列は、Appendix Iに提供される。
上記タンパク質およびペプチドは、コントロールと比較して、乳がんの存在に応じて生物学的サンプル中で増加するかもしくは低下するかのいずれかであることが実施例において示される。これらタンパク質およびペプチドは生体マーカーであり、患者もしくは他の被験体の疾患状態を決定するために使用される。
被験体としては、ヒト、飼い慣らされた動物、例えば、ネコ、イヌ、ウシ、ブタ、もしくはがんになりやすい他の動物が挙げられる。「患者」は、疾患を有すると診断されている、もしくはがんを有すると診断されている、もしくはがんを有するかについて検査中である被験体を示す。従って、用語被験体および患者は、本明細書で交換可能に使用され得る。上記被験体は、がんを有すると疑われ得る。上記被験体は、がん(乳がん、聴神経腫瘍、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、副腎腫瘍、AIDS関連がん、基底細胞癌、良性血液障害、膀胱がん、骨がん、脳腫瘍(転移性および原発性)、乳がん、原発起源が未知のがん、子宮頸がん、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、結腸直腸がん、食道がん、胆嚢がんおよび胆管がん、消化管神経内分泌腫瘍、GERD、バレット食道およびアカラシア、妊娠性絨毛性疾患、頭頸部がん、カポジ肉腫、腎臓がん、白血病、肝臓がん、肝臓転移、低悪性度の神経膠腫、肺がん、リンパ腫、男性の乳がん、黒色腫、メルケル細胞癌、中皮腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、卵巣がん、膵臓がん、膵のう胞、下垂体腫瘍、前立腺がん、肺神経内分泌腫瘍、希な血液障害、皮膚がん、軟組織肉腫、骨髄腫瘍、扁平上皮癌、胃(stomach)(胃(gastric))がん、精巣がん(生殖細胞系列腫瘍)、胸腺腫および他の胸腺腫瘍、気管の疾患、子宮(子宮内膜)がん、子宮肉腫が挙げられる)を有すると疑われ得る。上記被験体は、乳がんを発生するリスクが増加している可能性がある。例えば、上記被験体は、陽性のマンモグラフィー結果が原因で、乳房中の塊の検出によって、がんのリスクを増加させることが公知の遺伝子(例えば、BRCA)に関する試験陽性によって、がんのリスクが増加している可能性があるかまたはがんを有すると疑われ得るか、あるいは切除、生検、もしくはがんを除去するための他の手順を既に受けていた。上記被験体は、がんの処置を受けている最中であり得るか、または以前に受けたことがあり、本明細書中の方法およびキットは、処置の進行をモニターするために、または代わりに上記がんの再発もしくは拡がりをモニターするために使用される。
涙腺分泌物中での同定されるタンパク質もしくはポリペプチドの発現レベルを決定するにあたって使用するための眼のサンプルを集めるための方法およびキットもまた、本明細書で提供される。プロテアーゼインヒビターもしくはタンパク質安定化剤を含む収集ストリップおよびチューブの使用が、開示される。キットはさらに、涙腺分泌物を集めるために眼に接触させていた収集ストリップから乳がん生体マーカーを溶離するためのバッファもしくは試薬を含む。眼の腔からタンパク質を集めるためのデバイスの設計、ならびに上記収集デバイスおよび溶離バッファを収容するための容器とともにこのデバイスのパッケージングもまた開示される。
本明細書で開示される方法は、トリプル四重極LC−MS/MSプラットフォームを利用するCLIAベースのプロトコルにおいて、これらがん生体マーカーの使用(単一でもしくは複数で)を包含し、これは、集中実験検査施設(centralized laboratory testing facility)で行われる。個体から集めた眼のサンプルは、この実施形態において上記検査施設に輸送され得る。その同定されたタンパク質およびそれらのその後のタンパク質分解フラグメント(Appendix Iに示されるとおり)は、トリプル四重極において生成された診断用ペプチドの定量分析のために使用される。以下から選択されかつ表1に列挙されるとおりのポリペプチド:Igλ鎖V−IV領域Hil(LV403)、Ig重鎖V−III BRO(HV305)、Ig重鎖V−III VH26(HV303)、β−2−ミクログロブリン(B2MG)、リポカリン−1(LCN1)、亜鉛−α−2−糖タンパク質(ZA2G)、シスタチンB(CYTB)、アンチロイコプロテイナーゼ(SLP1)、ガレクチン−3(LEG3)、ヒスチジントリアドヌクレオチド結合タンパク質1(D6RD60)、S100A9(S10A9)、S100A8(S10A8)、ガレクチン−3−結合タンパク質(LG3BP)、Igα−1鎖C領域のクラスター(IGHA1)、Igκ鎖V−III領域HAHのクラスター(KV312)、VEGF共調節性ケモカイン1(VCC1)、L−乳酸デヒドロゲナーゼA鎖(LDHA)、アルド−ケトレダクターゼファミリー1メンバーC(AKR1C1)、ルートレチン(B1AKD8)、L−乳酸デヒドロゲナーゼB鎖(LDHB)、レチナールデヒドロゲナーゼ1(AL1A1)、性質不明タンパク質(B4E1Z4)、α−1−アンチキモトリプシン(AACT)、スーパーオキシドジスムターゼ[Cu−Zn](SODC)、SPARC様タンパク質1(SPRL1)、Ig重鎖V−III領域TIL(HV304)、ケラチン(K1C9)、シスタチン−SN(CYTN)、α−アクチニン−4(ACTN4)、Igλ−3鎖C領域(フラグメント)(IGLC3)、免疫グロブリンλ様ポリペプチド5(IGLL5)、アルコールデヒドロゲナーゼ1C(ADHIG)、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ミトコンドリア(MDHM)、カルモジュリン様タンパク質5(CALL5)、α−1−アンチトリプシン(A1AT)、α−1B−糖タンパク質(A1BG)、ロイシンリッチα−2−糖タンパク質(A2GL)、低分子ユビキチン様修飾因子3(A8MU27)、前勾配タンパク質2ホモログ(AGR2)、プロフィリン−1(PROF1)、Igλ鎖V−III領域LOIのクラスター(LV302)、プロトロンビン(E9PIT3)、ヘモペキシン(HEMO)、Igγ−2鎖C領域(IGHG2)、ユビキチン−40Sリボソームタンパク質S27a(RPS27A)、アファミン(AFAM)、アポリポプロテインA−I(APOA1)、アポリポプロテインA−IV(APOA4)、フラビンレダクターゼ(NADPH)(BLVRB)、プロサポシン(PSAP)、ラクリチン(LACRT)、60S酸性リボソームタンパク質P1(RLA1)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H2(ITIH2)、ムチン様タンパク質1(MUCL1)、S100 A6(S100A6)、Na(+)/H(+)交換調節性補因子NHE−RF1(NHRF1)、チオレドキシンドメイン含有タンパク質17(I3L0K2)、リンパ球特異的タンパク質(LSP1)、ハプトグロビンのクラスター(H3BS21)、ミオシン調節性軽鎖12A(J2QRS3)、リボヌクレアーゼインヒビター(RINI)、α−エノラーゼ(ENOA)、Igκ鎖V−I領域EUのクラスター(KV106)、アルコールデヒドロゲナーゼクラス4μ/σ鎖(ADH7)、プロテインAMBP(AMBP)、アンギオテンシノゲン(ANGT)、アンチトロンビン−III(ANT3)、アポリポプロテインA−II(APOA2)、カルパスタチン(B7Z574)、脳酸可溶性タンパク質1(BASP1)、α−2−HS−糖タンパク質(C9JV77)、カルレティキュリン(CALR)、カルパイン−1触媒サブユニット(CAN1)、細胞分裂制御タンパク質42ホモログ(CDC42)、補体C3(CO3)、コロニン−1A(COR1A)、プログラム細胞死6−相互作用タンパク質(DCD)、ディフェンシン1(DEF1)、F−ボックスオンリープロテイン50(FBX50)、γグルタミルシクロトランスフェラーゼ(GGCT)、グルタチオンレダクターゼ、ミトコンドリア(GSHR)、ケラチン、タイプII細胞骨格1(K2C1)、UMP−CMPキナーゼ(KCY)、メソテリン(MSLN)、N−アセチルムラモイル−L−アラニンアミダーゼ(PGRP2)、ニコチン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ(PNCB)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H1(ITIH1)、リボヌクレアーゼT2(RNASET2)、スーパーオキシドジスムターゼ[Mn]、ミトコンドリア(SODM)、低分子プロリンリッチタンパク質3(SPRR3)、Src基質コルタクチン(SRC8)、チューブリンβ−4B鎖のクラスター(TBB4B)、トロポミオシンα−3鎖(TPM3)、セロトランスフェリン(TRFE)、グルタチオンS−トランスフェラーゼP(THIO)、ビトロネクチン(VTNC)、ビタミンD結合タンパク質(Q6LDC6)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H4(ITIH4)、メタロプロテアーゼインヒビター(TIMP1)、熱ショックタンパク質90(HSP90)、カテプシンB(CATB)、セルロプラスミン(CERU)、カルプロテクチン、14−3−3σ(1433S)、α−2−hs−糖タンパク質(FETUA)、α−2−マクログロブリン(A2MG)、トランスサイレチン(TTHY)に直接関連するポリペプチド濃度に関する閾値または相対的値もしくは実際の値が定義され得るか、またはサンプルは、非がん性のコントロールに対して直接比較され得る。レポート形態での定量情報は医師に提供されて、患者ケアの経路に関する決定を行う補助になり得る。医師は、これら結果を元に処置の決定を行い得、最終工程は、上記被験体への適切な抗がん治療の投与を含み得る。
代替の実施形態において、以下から選択されかつ表1に列挙されるとおりのポリペプチド:Igλ鎖V−IV領域Hil(LV403)、Ig重鎖V−III BRO(HV305)、Ig重鎖V−III VH26(HV303)、β−2−ミクログロブリン(B2MG)、リポカリン−1(LCN1)、亜鉛−α−2−糖タンパク質(ZA2G)、シスタチンB(CYTB)、アンチロイコプロテイナーゼ(SLP1)、ガレクチン−3(LEG3)、ヒスチジントリアドヌクレオチド結合タンパク質1(D6RD60)、S100A9(S10A9)、S100A8(S10A8)、ガレクチン−3−結合タンパク質(LG3BP)、Igα−1鎖C領域のクラスター(IGHA1)、Igκ鎖V−III領域HAHのクラスター(KV312)、VEGF共調節性ケモカイン1(VCC1)、L−乳酸デヒドロゲナーゼA鎖(LDHA)、アルド−ケトレダクターゼファミリー1メンバーC(AKR1C1)、ルートレチン(B1AKD8)、L−乳酸デヒドロゲナーゼB鎖(LDHB)、レチナールデヒドロゲナーゼ1(AL1A1)、性質不明タンパク質(B4E1Z4)、α−1−アンチキモトリプシン(AACT)、スーパーオキシドジスムターゼ[Cu−Zn](SODC)、SPARC様タンパク質1(SPRL1)、Ig重鎖V−III領域TIL(HV304)、ケラチン(K1C9)、シスタチン−SN(CYTN)、α−アクチニン−4(ACTN4)、Igλ−3鎖C領域(フラグメント)(IGLC3)、免疫グロブリンλ様ポリペプチド5(IGLL5)、アルコールデヒドロゲナーゼ1C(ADHIG)、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ミトコンドリア(MDHM)、カルモジュリン様タンパク質5(CALL5)、α−1−アンチトリプシン(A1AT)、α−1B−糖タンパク質(A1BG)、ロイシンリッチα−2−糖タンパク質(A2GL)、低分子ユビキチン様修飾因子3(A8MU27)、前勾配タンパク質2ホモログ(AGR2)、プロフィリン−1、(PROF1)、Igλ鎖V−III領域LOIのクラスター(LV302)、プロトロンビン(E9PIT3)、ヘモペキシン(HEMO)、Igγ−2鎖C領域(IGHG2)、ユビキチン−40Sリボソームタンパク質S27a(RPS27A)、アファミン(AFAM)、アポリポプロテインA−I(APOA1)、アポリポプロテインA−IV(APOA4)、フラビンレダクターゼ(NADPH)(BLVRB)、プロサポシン(PSAP)、ラクリチン(LACRT)、60S酸性リボソームタンパク質P1(RLA1)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H2(ITIH2)、ムチン様タンパク質1(MUCL1)、S100 A6(S100A6)、Na(+)/H(+)交換調節性補因子NHE−RF1(NHRF1)、チオレドキシンドメイン含有タンパク質17(I3L0K2)、リンパ球特異的タンパク質(LSP1)、ハプトグロビンのクラスター(H3BS21)、ミオシン調節性軽鎖12A(J2QRS3)、リボヌクレアーゼインヒビター(RINI)、α−エノラーゼ(ENOA)、Igκ鎖V−I領域EUのクラスター(KV106)、アルコールデヒドロゲナーゼクラス4μ/σ鎖(ADH7)、プロテインAMBP(AMBP)、アンギオテンシノゲン(ANGT)、アンチトロンビン−III(ANT3)、アポリポプロテインA−II(APOA2)、カルパスタチン(B7Z574)、脳酸可溶性タンパク質1(BASP1)、α−2−HS−糖タンパク質(C9JV77)、カルレティキュリン(CALR)、カルパイン−1触媒サブユニット(CAN1)、細胞分裂制御タンパク質42ホモログ(CDC42)、補体C3(CO3)、コロニン−1A(COR1A)、プログラム細胞死6−相互作用タンパク質(DCD)、ディフェンシン1(DEF1)、F−ボックスオンリープロテイン50(FBX50)、γグルタミルシクロトランスフェラーゼ(GGCT)、グルタチオンレダクターゼ、ミトコンドリア(GSHR)、ケラチン、タイプII細胞骨格1(K2C1)、UMP−CMPキナーゼ(KCY)、メソテリン(MSLN)、N−アセチルムラモイル−L−アラニンアミダーゼ(PGRP2)、ニコチン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ(PNCB)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H1(ITIH1)、リボヌクレアーゼT2(RNASET2)、スーパーオキシドジスムターゼ[Mn]、ミトコンドリア(SODM)、低分子プロリンリッチタンパク質3(SPRR3)、Src基質コルタクチン(SRC8)、チューブリンβ−4B鎖のクラスター(TBB4B)、トロポミオシンα−3鎖(TPM3)、セロトランスフェリン(TRFE)、グルタチオンS−トランスフェラーゼP(THIO)、ビトロネクチン(VTNC)、ビタミンD結合タンパク質(Q6LDC6)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H4(ITIH4)、メタロプロテアーゼインヒビター(TIMP1)、熱ショックタンパク質90(HSP90)、カテプシンB(CATB)、セルロプラスミン(CERU)、カルプロテクチン、14−3−3σ(1433S)、α−2−hs−糖タンパク質(FETUA)、α−2−マクログロブリン(A2MG)、トランスサイレチン(TTHY)は、結合剤、例えば、抗体、ペプトイド、もしくは被覆済みの表面、およびこれらタンパク質に特異的な結合相互作用を提供する試薬を実行して(implementing)、検出可能なシグナル(例えば、蛍光、色の変化、もしくはUV吸収)の生成に基づいて定量され得る反応を生じることによって検出され得る。カートリッジの中のこれら成分をパートナーとなっている読み取り機器(例えば、ケアの時点で使用され得るポイントオブケアデバイス))で実行することもまた、提供される。これらタンパク質およびポリペプチドの結合剤はまた、ラテラルフローデバイスにおいて検出するために使用され得る。従って、結合パートナー(例えば、抗体)を使用して上記サンプル中のタンパク質発現のレベルを検出する方法は、イムノアッセイにおいて、本明細書で提供されるマーカーを検出するために使用され得る。
上記イムノアッセイは、代表的には、試験サンプルと生体マーカーに特異的に結合するかさもなければ認識する抗体もしくは抗原とを接触させる工程、および上記サンプルにおいて上記生体マーカーに結合した抗体もしくは抗原の複合体の存在を検出する工程を包含する。上記イムノアッセイ手順は、抗体/抗原複合体の認識を伴う当該分野で公知の多種多様なイムノアッセイ手順(酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、およびウェスタンブロットが挙げられる)、および多重アッセイ(抗体アレイの使用を含む)の使用から選択され得、ここでいくつかの所望の抗体が、支持体(例えば、ガラスビーズもしくはプレート)上に配置され、上記試験サンプルと反応させられ得るかまたはさもなければ接触させられ得る。このようなアッセイは、当業者に周知である。
サンプル中での本明細書で記載される生体マーカーの検出は、種々の方法で行われ得る。一実施形態において、上記方法は、上記サンプルから得られたmRNAからの相補的DNAの逆転写を提供する。蛍光色素標識相補的RNAは、相補的DNAから転写され得、これは次いで、オリゴヌクレオチドプローブのアレイにハイブリダイズされる。ハイブリダイゼーションによって生成される上記蛍光の色は、機械(例えば、SureScanマイクロアレイスキャナ(Agilent Technologies))によって読み取られ得、データが得られ得、ソフトウェア(例えば、Agilent Feature Extraction Software(9.1))を使用して加工処理され得る。このようなアレイベースの方法は、遺伝子発現プロフィールを発生させるためのマイクロアレイ分析を含む。本明細書で使用される場合、用語「遺伝子発現プロフィール」とは、上記被験体における遺伝子のパネルのmRNAもしくはタンパク質の発現レベルをいう。本明細書で使用される場合、用語「診断パネル」とは、発現レベルが疾患の状態を診断もしくは推測するために依拠され得る、遺伝子、ペプチドもしくはタンパク質のパネルをいう。このパネルに含まれるのは、以下から選択されかつ表1に列挙されるとおりの遺伝子、ペプチドおよびタンパク質である:Igλ鎖V−IV領域Hil(LV403)、Ig重鎖V−III BRO(HV305)、Ig重鎖V−III VH26(HV303)、β−2−ミクログロブリン(B2MG)、リポカリン−1(LCN1)、亜鉛−α−2−糖タンパク質(ZA2G)、シスタチンB(CYTB)、アンチロイコプロテイナーゼ(SLP1)、ガレクチン−3(LEG3)、ヒスチジントリアドヌクレオチド結合タンパク質1(D6RD60)、S100A9(S10A9)、S100A8(S10A8)、ガレクチン−3−結合タンパク質(LG3BP)、Igα−1鎖C領域のクラスター(IGHA1)、Igκ鎖V−III領域HAHのクラスター(KV312)、VEGF共調節性ケモカイン1(VCC1)、L−乳酸デヒドロゲナーゼA鎖(LDHA)、アルド−ケトレダクターゼファミリー1メンバーC(AKR1C1)、ルートレチン(B1AKD8)、L−乳酸デヒドロゲナーゼB鎖(LDHB)、レチナールデヒドロゲナーゼ1(AL1A1)、性質不明タンパク質(B4E1Z4)、α−1−アンチキモトリプシン(AACT)、スーパーオキシドジスムターゼ[Cu−Zn](SODC)、SPARC様タンパク質1(SPRL1)、Ig重鎖V−III領域TIL(HV304)、ケラチン(K1C9)、シスタチン−SN(CYTN)、α−アクチニン−4(ACTN4)、Igλ−3鎖C領域(フラグメント)(IGLC3)、免疫グロブリンλ様ポリペプチド5(IGLL5)、アルコールデヒドロゲナーゼ1C(ADHIG)、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ミトコンドリア(MDHM)、カルモジュリン様タンパク質5(CALL5)、α−1−アンチトリプシン(A1AT)、α−1B−糖タンパク質(A1BG)、ロイシンリッチα−2−糖タンパク質(A2GL)、低分子ユビキチン様修飾因子3(A8MU27)、前勾配タンパク質2ホモログ(AGR2)、プロフィリン−1(PROF1)、Igλ鎖V−III領域LOIのクラスター(LV302)、プロトロンビン(E9PIT3)、ヘモペキシン(HEMO)、Igγ−2鎖C領域(IGHG2)、ユビキチン−40Sリボソームタンパク質S27a(RPS27A)、アファミン(AFAM)、アポリポプロテインA−I(APOA1)、アポリポプロテインA−IV(APOA4)、フラビンレダクターゼ(NADPH)(BLVRB)、プロサポシン(PSAP)、ラクリチン(LACRT)、60S酸性リボソームタンパク質P1(RLA1)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H2(ITIH2)、ムチン様タンパク質1(MUCL1)、S100 A6(S100A6)、Na(+)/H(+)交換調節性補因子NHE−RF1(NHRF1)、チオレドキシンドメイン含有タンパク質17(I3L0K2)、リンパ球特異的タンパク質(LSP1)、ハプトグロビンのクラスター(H3BS21)、ミオシン調節性軽鎖12A(J2QRS3)、リボヌクレアーゼインヒビター(RINI)、α−エノラーゼ(ENOA)、Igκ鎖V−I領域EUのクラスター(KV106)、アルコールデヒドロゲナーゼクラス4μ/σ鎖(ADH7)、プロテインAMBP(AMBP)、アンギオテンシノゲン(ANGT)、アンチトロンビン−III(ANT3)、アポリポプロテインA−II(APOA2)、カルパスタチン(B7Z574)、脳酸可溶性タンパク質1(BASP1)、α−2−HS−糖タンパク質(C9JV77)、カルレティキュリン(CALR)、カルパイン−1触媒サブユニット(CAN1)、細胞分裂制御タンパク質42ホモログ(CDC42)、補体C3(CO3)、コロニン−1A(COR1A)、プログラム細胞死6−相互作用タンパク質(DCD)、ディフェンシン1(DEF1)、F−ボックスオンリープロテイン50(FBX50)、γグルタミルシクロトランスフェラーゼ(GGCT)、グルタチオンレダクターゼ、ミトコンドリア(GSHR)、ケラチン、タイプII細胞骨格1(K2C1)、UMP−CMPキナーゼ(KCY)、メソテリン(MSLN)、N−アセチルムラモイル−L−アラニンアミダーゼ(PGRP2)、ニコチン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ(PNCB)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H1(ITIH1)、リボヌクレアーゼT2(RNASET2)、スーパーオキシドジスムターゼ[Mn]、ミトコンドリア(SODM)、低分子プロリンリッチタンパク質3(SPRR3)、Src基質コルタクチン(SRC8)、チューブリンβ−4B鎖のクラスター(TBB4B)、トロポミオシンα−3鎖(TPM3)、セロトランスフェリン(TRFE)、グルタチオンS−トランスフェラーゼP(THIO)、ビトロネクチン(VTNC)、ビタミンD結合タンパク質(Q6LDC6)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H4(ITIH4)、メタロプロテアーゼインヒビター(TIMP1)、熱ショックタンパク質90(HSP90)、カテプシンB(CATB)、セルロプラスミン(CERU)、カルプロテクチン、14−3−3σ(1433S)、α−2−hs−糖タンパク質(FETUA)、α−2−マクログロブリン(A2MG)、トランスサイレチン(TTHY)、ならびにこれらの任意の組み合わせ(本明細書で提供されるとおり)。
他の実施形態において、相補的DNAは、上記サンプルから得られたmRNAから逆転写され、増幅され、リアルタイムPCR(それによって、(絶対コピー数またはDNAインプットもしくはさらなる正規化する遺伝子に対して正規化される場合には相対量として)上記相補的DNAサンプルならびに元のmRNAサンプルにおける特異的遺伝子生成物の検出および定量の両方を可能にする)によって同時に定量される。
本発明のバージョンの方法は、少なくとも1種の生体マーカーを検出する工程を包含する。しかし、生体マーカーの任意の数が検出され得る。少なくとも2種の生体マーカーが分析で検出されることは、好ましい。しかし、本明細書で記載される生体マーカーのうちの3種、4種、もしくはより多く(全てを含む)が分析において利用され得ることは、実現される。従って、1種または複数種のマーカーが検出され得るのみならず、マーカーの任意の数もしくは組み合わせもまた検出において使用され得る。さらに、本明細書で記載されていない他の生体マーカーは、がんの診断を補助するために、本開示の生体マーカーのうちのいずれかと併用され得る。さらに、上記の生体マーカーの任意の組み合わせは、本発明のバージョンに従って検出され得る。
以下から選択されかつ表1に列挙されるとおりのマーカー:Igλ鎖V−IV領域Hil(LV403)、Ig重鎖V−III BRO(HV305)、Ig重鎖V−III VH26(HV303)、β−2−ミクログロブリン(B2MG)、リポカリン−1(LCN1)、亜鉛−α−2−糖タンパク質(ZA2G)、シスタチンB(CYTB)、アンチロイコプロテイナーゼ(SLP1)、ガレクチン−3(LEG3),、ヒスチジントリアドヌクレオチド結合タンパク質1(D6RD60)、S100A9(S10A9)、S100A8(S10A8)、ガレクチン−3−結合タンパク質(LG3BP)、Igα−1鎖C領域のクラスター(IGHA1)、Igκ鎖V−III領域HAHのクラスター(KV312)、VEGF共調節性ケモカイン1(VCC1)、L−乳酸デヒドロゲナーゼA鎖(LDHA)、アルド−ケトレダクターゼファミリー1メンバーC(AKR1C1)、ルートレチン(B1AKD8)、L−乳酸デヒドロゲナーゼB鎖(LDHB)、レチナールデヒドロゲナーゼ1(AL1A1)、性質不明タンパク質(B4E1Z4)、α−1−アンチキモトリプシン(AACT)、スーパーオキシドジスムターゼ[Cu−Zn](SODC)、SPARC様タンパク質1(SPRL1)、Ig重鎖V−III領域TIL(HV304)、ケラチン(K1C9)、シスタチン−SN(CYTN)、α−アクチニン−4(ACTN4)、Igλ−3鎖C領域(フラグメント)(IGLC3)、免疫グロブリンλ様ポリペプチド5(IGLL5)、アルコールデヒドロゲナーゼ1C(ADHIG)、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ミトコンドリア(MDHM)、カルモジュリン様タンパク質5(CALL5)、α−1−アンチトリプシン(A1AT)、α−1B−糖タンパク質(A1BG)、ロイシンリッチα−2−糖タンパク質(A2GL)、低分子ユビキチン様修飾因子3(A8MU27)、前勾配タンパク質2ホモログ(AGR2)、プロフィリン−1(PROF1)、Igλ鎖V−III領域LOIのクラスター(LV302)、プロトロンビン(E9PIT3)、ヘモペキシン(HEMO)、Igγ−2鎖C領域(IGHG2)、ユビキチン−40Sリボソームタンパク質S27a(RPS27A)、アファミン(AFAM)、アポリポプロテインA−I(APOA1)、アポリポプロテインA−IV(APOA4)、フラビンレダクターゼ(NADPH)(BLVRB)、プロサポシン(PSAP)、ラクリチン(LACRT)、60S酸性リボソームタンパク質P1(RLA1)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H2(ITIH2)、ムチン様タンパク質1(MUCL1)、S100 A6(S100A6)、Na(+)/H(+)交換調節性補因子NHE−RF1(NHRF1)、チオレドキシンドメイン含有タンパク質17(I3L0K2)、リンパ球特異的タンパク質(LSP1)、ハプトグロビンのクラスター(H3BS21)、ミオシン調節性軽鎖12A(J2QRS3)、リボヌクレアーゼインヒビター(RINI)、α−エノラーゼ(ENOA)、Igκ鎖V−I領域EUのクラスター(KV106)、アルコールデヒドロゲナーゼクラス4μ/σ鎖(ADH7)、プロテインAMBP(AMBP)、アンギオテンシノゲン(ANGT)、アンチトロンビン−III(ANT3)、アポリポプロテインA−II(APOA2)、カルパスタチン(B7Z574)、脳酸可溶性タンパク質1(BASP1)、α−2−HS−糖タンパク質(C9JV77)、カルレティキュリン(CALR)、カルパイン−1触媒サブユニット(CAN1)、細胞分裂制御タンパク質42ホモログ(CDC42)、補体C3(CO3)、コロニン−1A(COR1A)、プログラム細胞死6−相互作用タンパク質(DCD)、ディフェンシン1(DEF1)、F−ボックスオンリープロテイン50(FBX50)、γグルタミルシクロトランスフェラーゼ(GGCT)、グルタチオンレダクターゼ、ミトコンドリア(GSHR)、ケラチン、タイプII細胞骨格1(K2C1)、UMP−CMPキナーゼ(KCY)、メソテリン(MSLN)、N−アセチルムラモイル−L−アラニンアミダーゼ(PGRP2)、ニコチン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ(PNCB)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H1(ITIH1)、リボヌクレアーゼT2(RNASET2)、スーパーオキシドジスムターゼ[Mn]、ミトコンドリア(SODM)、低分子プロリンリッチタンパク質3(SPRR3)、Src基質コルタクチン(SRC8)、チューブリンβ−4B鎖のクラスター(TBB4B)、トロポミオシンα−3鎖(TPM3)、セロトランスフェリン(TRFE)、グルタチオンS−トランスフェラーゼP(THIO)、ビトロネクチン(VTNC)、ビタミンD結合タンパク質(Q6LDC6)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H4(ITIH4)、メタロプロテアーゼインヒビター(TIMP1)、熱ショックタンパク質90(HSP90)、カテプシンB(CATB)、セルロプラスミン(CERU)、カルプロテクチン、14−3−3σ(1433S)、α−2−hs−糖タンパク質(FETUA)、α−2−マクログロブリン(A2MG)、トランスサイレチン(TTHY)は、上記コントロールサンプルにおける上記マーカーのレベルと比較して、少なくとも、1.5倍、2倍、4倍、5倍、8倍、10倍もしくはそれ超増加しているかもしくは低下している可能性がある。上記コントロールサンプルは、がんを有しない被験体に由来するサンプル、がんを有しない被験体に由来するプールされたサンプルであり得るか、またはがんのない被験体の平均発現レベルであることが公知のコントロールもしくはベースライン発現レベルであり得る。
いくつかの用語は、本開示全体を通じて使用され、当該分野で一般に使用されるとおり、もしくは本明細書で具体的に提供されるとおりに定義されるものとする。本明細書で提供される場合、質量分析法もしくはMSとは、電場もしくは磁場を発生させ、ペプチドおよび化合物の質量−対−電荷比を決定して、ペプチド配列および化学構造を同定もしくは決定する分析技法をいう。LC−MS/MS分光測定法は、高速液体クラマトグラフィー(HPLC)の分離能と質量分析法の質量分析とを組み合わせ分析技法をいう。トリプル四重極質量分析法とは、3つのイオン化チャンバ(Q1、Q2、およびQ3)を有するタンデム質量分析計をいう。この技法は、目的の分子の標的検出を可能にする。イオン対とは、その二重にもしくは三重に荷電した形態でQ1において検出される親ペプチド、およびQ2によって生成され、トリプル四重極質量分析計のQ3において検出された場合の得られるyイオンもしくはbイオンをいう。SIS内部ペプチドとは、Q1においてモニターされかつ目的の上記ペプチドを定量するための内部参照標準として使用されるペプチドと同じ配列を有する、合成で同位体標識したペプチドをいう。−yイオンとは、ペプチドフラグメントのC末端から生成されるイオンをいう。−bイオンとは、ペプチドフラグメントのN末端から生成されるイオンをいう。定量的イオンとは、生物学的サンプル中のその親タンパク質の量を決定するために使用される選択された最高強度のyイオンもしくはbイオンをいう。定性的イオンとは、上記定性的イオン 対 目的の選択されたタンパク質および標識されたペプチド 対 選択された標準の完全性を確実にするために選択されたイオン(複数可)をいう。
CLIAとは、臨床検査改善修正法をいい、これは、臨床試験および基礎研究を除いて、米国においてヒトに対して行われる全ての臨床検査室での検査に適用される連邦政府の規制基準である(CLIA関連の連邦政府官報および連邦規則集発表)。CLIA承認検査室とは、疾患もしくは障害の診断、予防、もしくは処置のためにヒト標本に対して検査室での検査を行い、米国食品医薬品局(FDA)認可の規制機関によって認可されかつモニターされる臨床検査室をいう(CLIA法および規則, 2013)。CLIAが適用を控えた検査は、FDAによって定義されるとおりのリスク、エラーおよび複雑さに関する具体的基準を満たす臨床検査をいう。
ポイントオブケアデバイスとは、目的の生体マーカーもしくは一連の生体マーカーに対する結合剤を含み、その存在、非存在、およびいくらかの場合には検出された生体マーカーの濃度に関する情報を生成し得る、患者および医師のケアの場所で利用可能な機器もしくはカートリッジをいう。分析物とは、任意の測定可能な生体マーカー(これは、タンパク質、ペプチド、高分子、代謝産物、低分子、もしくは自己抗体であり得る)をいう。生物学的流体とは、本明細書で使用される場合、涙液、全血、血清、尿および唾液をいう。生体マーカーとは、任意の物質(例えば、タンパク質、ペプチド、代謝産物、ポリヌクレオチド配列)であって、その濃度レベルが疾患もしくは状態の結果として身体において変化、例えば、増加もしくは低下するものをいう。マーカーおよび生体マーカーは、本明細書で交換可能に使用され得る。
ラテラルフロー試験とは、焼結ポリマーの多孔性の紙状物を使用して生物学的流体中の分析物の存在を測定するデバイスをいう。ELISAとは、酵素結合イムノソルベントアッセイであって、抗体もしくは抗原を利用して、目的の分析物の存在および濃度を検出するものをいう。診断パネルとは、分子の群、例えば、タンパク質もしくはペプチドであって、その合わせた濃度は、疾患状態、例えば、がんを診断するために使用されるものをいう。乳がんマーカーとは、分子:例えば、タンパク質、ペプチド、代謝産物、ポリヌクレオチド配列であって、その濃度レベルが身体の中でがんの存在もしくは非存在の結果として変化する:例えば、増加もしくは低下するものをいう。
被験体においてがん、および特に乳がんを診断するために有用であるのに加えて、本明細書で提供されるキットおよび方法は、がんを有すると以前に診断された個体においてがんの処置もしくは再発をモニターするために使用され得る。従って、以下から選択されかつ表1に列挙されるとおりのマーカー:Igλ鎖V−IV領域Hil(LV403)、Ig重鎖V−III BRO(HV305)、Ig重鎖V−III VH26(HV303)、β−2−ミクログロブリン(B2MG)、リポカリン−1(LCN1)、亜鉛−α−2−糖タンパク質(ZA2G)、シスタチンB(CYTB)、アンチロイコプロテイナーゼ(SLP1)、ガレクチン−3(LEG3)、ヒスチジントリアドヌクレオチド結合タンパク質1(D6RD60)、S100A9(S10A9)、S100A8(S10A8)、ガレクチン−3−結合タンパク質(LG3BP)、Igα−1鎖C領域のクラスター(IGHA1)、Igκ鎖V−III領域HAHのクラスター(KV312)、VEGF共調節性ケモカイン1(VCC1)、L−乳酸デヒドロゲナーゼA鎖(LDHA)、アルド−ケトレダクターゼファミリー1メンバーC(AKR1C1)、ルートレチン(B1AKD8)、L−乳酸デヒドロゲナーゼB鎖(LDHB)、レチナールデヒドロゲナーゼ1(AL1A1)、性質不明タンパク質(B4E1Z4)、α−1−アンチキモトリプシン(AACT)、スーパーオキシドジスムターゼ[Cu−Zn](SODC)、SPARC様タンパク質1(SPRL1)、Ig重鎖V−III領域TIL(HV304)、ケラチン(K1C9)、シスタチン−SN(CYTN)、α−アクチニン−4(ACTN4)、Igλ−3鎖C領域(フラグメント)(IGLC3)、免疫グロブリンλ様ポリペプチド5(IGLL5)、アルコールデヒドロゲナーゼ1C(ADHIG)、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ミトコンドリア(MDHM)、カルモジュリン様タンパク質5(CALL5)、α−1−アンチトリプシン(A1AT)、α−1B−糖タンパク質(A1BG)、ロイシンリッチα−2−糖タンパク質(A2GL)、低分子ユビキチン様修飾因子3(A8MU27)、前勾配タンパク質2ホモログ(AGR2)、プロフィリン−1(PROF1)、Igλ鎖V−III領域LOIのクラスター(LV302)、プロトロンビン(E9PIT3)、ヘモペキシン(HEMO)、Igγ−2鎖C領域(IGHG2)、ユビキチン−40Sリボソームタンパク質S27a(RPS27A)、アファミン(AFAM)、アポリポプロテインA−I(APOA1)、アポリポプロテインA−IV(APOA4)、フラビンレダクターゼ(NADPH)(BLVRB)、プロサポシン(PSAP)、ラクリチン(LACRT)、60S酸性リボソームタンパク質P1(RLA1)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H2(ITIH2)、ムチン様タンパク質1(MUCL1)、S100 A6(S100A6)、Na(+)/H(+)交換調節性補因子NHE−RF1(NHRF1)、チオレドキシンドメイン含有タンパク質17(I3L0K2)、リンパ球特異的タンパク質(LSP1)、ハプトグロビンのクラスター(H3BS21)、ミオシン調節性軽鎖12A(J2QRS3)、リボヌクレアーゼインヒビター(RINI)、α−エノラーゼ(ENOA)、Igκ鎖V−I領域EUのクラスター(KV106)、アルコールデヒドロゲナーゼクラス4μ/σ鎖(ADH7)、プロテインAMBP(AMBP)、アンギオテンシノゲン(ANGT)、アンチトロンビン−III(ANT3)、アポリポプロテインA−II(APOA2)、カルパスタチン(B7Z574)、脳酸可溶性タンパク質1(BASP1)、α−2−HS−糖タンパク質(C9JV77)、カルレティキュリン(CALR)、カルパイン−1触媒サブユニット(CAN1)、細胞分裂制御タンパク質42ホモログ(CDC42)、補体C3(CO3)、コロニン−1A(COR1A)、プログラム細胞死6−相互作用タンパク質(DCD)、ディフェンシン1(DEF1)、F−ボックスオンリープロテイン50(FBX50)、γグルタミルシクロトランスフェラーゼ(GGCT)、グルタチオンレダクターゼ、ミトコンドリア(GSHR)、ケラチン、タイプII細胞骨格1(K2C1)、UMP−CMPキナーゼ(KCY)、メソテリン(MSLN)、N−アセチルムラモイル−L−アラニンアミダーゼ(PGRP2)、ニコチン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ(PNCB)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H1(ITIH1)、リボヌクレアーゼT2(RNASET2)、スーパーオキシドジスムターゼ[Mn]、ミトコンドリア(SODM)、低分子プロリンリッチタンパク質3(SPRR3)、Src基質コルタクチン(SRC8)、チューブリンβ−4B鎖のクラスター(TBB4B)、トロポミオシンα−3鎖(TPM3)、セロトランスフェリン(TRFE)、グルタチオンS−トランスフェラーゼP(THIO)、ビトロネクチン(VTNC)、ビタミンD結合タンパク質(Q6LDC6)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H4(ITIH4)、メタロプロテアーゼインヒビター(TIMP1)、熱ショックタンパク質90(HSP90)、カテプシンB(CATB)、セルロプラスミン(CERU)、カルプロテクチン、14−3−3σ(1433S)、α−2−hs−糖タンパク質(FETUA)、α−2−マクログロブリン(A2MG)、トランスサイレチン(TTHY)のレベルは、処置後にその同じ被験体において経時的に増加もしくは低下する場合、上記がんを標的とするさらなる化学療法剤が投与され得る。
方法およびキットはまた、化学療法剤処置の有効性をモニターするために使用され得る。この代替の実施形態において、以下から選択されかつ表1に列挙されるとおりの生体マーカー:Igλ鎖V−IV領域Hil(LV403)、Ig重鎖V−III BRO(HV305)、Ig重鎖V−III VH26(HV303)、β−2−ミクログロブリン(B2MG)、リポカリン−1(LCN1)、亜鉛−α−2−糖タンパク質(ZA2G)、シスタチンB(CYTB)、アンチロイコプロテイナーゼ(SLP1)、ガレクチン−3(LEG3),、ヒスチジントリアドヌクレオチド結合タンパク質1(D6RD60)、S100A9(S10A9)、S100A8(S10A8)、ガレクチン−3−結合タンパク質(LG3BP)、Igα−1鎖C領域のクラスター(IGHA1)、Igκ鎖V−III領域HAHのクラスター(KV312)、VEGF共調節性ケモカイン1(VCC1)、L−乳酸デヒドロゲナーゼA鎖(LDHA)、アルド−ケトレダクターゼファミリー1メンバーC(AKR1C1)、ルートレチン(B1AKD8)、L−乳酸デヒドロゲナーゼB鎖(LDHB)、レチナールデヒドロゲナーゼ1(AL1A1)、性質不明タンパク質(B4E1Z4)、α−1−アンチキモトリプシン(AACT)、スーパーオキシドジスムターゼ[Cu−Zn](SODC)、SPARC様タンパク質1(SPRL1)、Ig重鎖V−III領域TIL(HV304)、ケラチン(K1C9)、シスタチン−SN(CYTN)、α−アクチニン−4(ACTN4)、Igλ−3鎖C領域(フラグメント)(IGLC3)、免疫グロブリンλ様ポリペプチド5(IGLL5)、アルコールデヒドロゲナーゼ1C(ADHIG)、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ミトコンドリア(MDHM)、カルモジュリン様タンパク質5(CALL5)、α−1−アンチトリプシン(A1AT)、α−1B−糖タンパク質(A1BG)、ロイシンリッチα−2−糖タンパク質(A2GL)、低分子ユビキチン様修飾因子3(A8MU27)、前勾配タンパク質2ホモログ(AGR2)、プロフィリン−1(PROF1)、Igλ鎖V−III領域LOIのクラスター(LV302)、プロトロンビン(E9PIT3)、ヘモペキシン(HEMO)、Igγ−2鎖C領域(IGHG2)、ユビキチン−40Sリボソームタンパク質S27a(RPS27A)、アファミン(AFAM)、アポリポプロテインA−I(APOA1)、アポリポプロテインA−IV(APOA4)、フラビンレダクターゼ(NADPH)(BLVRB)、プロサポシン(PSAP)、ラクリチン(LACRT)、60S酸性リボソームタンパク質P1(RLA1)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H2(ITIH2)、ムチン様タンパク質1(MUCL1)、S100 A6(S100A6)、Na(+)/H(+)交換調節性補因子NHE−RF1(NHRF1)、チオレドキシンドメイン含有タンパク質17(I3L0K2)、リンパ球特異的タンパク質(LSP1)、ハプトグロビンのクラスター(H3BS21)、ミオシン調節性軽鎖12A(J2QRS3)、リボヌクレアーゼインヒビター(RINI)、α−エノラーゼ(ENOA)、Igκ鎖V−I領域EUのクラスター(KV106)、アルコールデヒドロゲナーゼクラス4μ/σ鎖(ADH7)、プロテインAMBP(AMBP)、アンギオテンシノゲン(ANGT)、アンチトロンビン−III(ANT3)、アポリポプロテインA−II(APOA2)、カルパスタチン(B7Z574)、脳酸可溶性タンパク質1(BASP1)、α−2−HS−糖タンパク質(C9JV77)、カルレティキュリン(CALR)、カルパイン−1触媒サブユニット(CAN1)、細胞分裂制御タンパク質42ホモログ(CDC42)、補体C3(CO3)、コロニン−1A(COR1A)、プログラム細胞死6−相互作用タンパク質(DCD)、ディフェンシン1(DEF1)、F−ボックスオンリープロテイン50(FBX50)、γグルタミルシクロトランスフェラーゼ(GGCT)、グルタチオンレダクターゼ、ミトコンドリア(GSHR)、ケラチン、タイプII細胞骨格1(K2C1)、UMP−CMPキナーゼ(KCY)、メソテリン(MSLN)、N−アセチルムラモイル−L−アラニンアミダーゼ(PGRP2)、ニコチン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ(PNCB)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H1(ITIH1)、リボヌクレアーゼT2(RNASET2)、スーパーオキシドジスムターゼ[Mn]、ミトコンドリア(SODM)、低分子プロリンリッチタンパク質3(SPRR3)、Src基質コルタクチン(SRC8)、チューブリンβ−4B鎖のクラスター(TBB4B)、トロポミオシンα−3鎖(TPM3)、セロトランスフェリン(TRFE)、グルタチオンS−トランスフェラーゼP(THIO)、ビトロネクチン(VTNC)、ビタミンD結合タンパク質(Q6LDC6)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H4(ITIH4)、メタロプロテアーゼインヒビター(TIMP1)、熱ショックタンパク質90(HSP90)、カテプシンB(CATB)、セルロプラスミン(CERU)、カルプロテクチン、14−3−3σ(1433S)、α−2−hs−糖タンパク質(FETUA)、α−2−マクログロブリン(A2MG)、トランスサイレチン(TTHY)のレベルは、上記処置レジメンが有効である場合には経時的に増加もしくは低下し得、かつ、上記処置レジメンが単一の被験体において有効でない場合には、変化しないかまたは該被験体において検査されている生体マーカー(複数可)に依存して、経時的に増加もしくは低下し得るかのいずれかである。
がんの処置としては、上記被験体において、がん細胞の数または腫瘍もしくは塊の大きさを低減すること、がんの進行を攻撃性の低い形態へと軽減すること、がん細胞の増殖を低減するかもしくは腫瘍成長の速度を低減すること、がん細胞を死滅させること、被験体においてがん細胞の転移を低減するかもしくはがんの再発の可能性を低くすることが挙げられるが、これらに限定されない。被験体の処置は、本明細書で使用される場合、疾患に罹患したかもしくは上記疾患を発生するリスクがある被験体に利益(上記被験体の状態、例えば、1種または複数種の症状における改善、上記疾患の進行の遅延、症状の始まりの遅延、もしくは症状の進行の遅延などが挙げられる)を付与する処置の任意のタイプをいう。
本開示は、本明細書で示される組み立て、構成要素の配置、もしくは方法の工程の具体的詳細に限定されない。本明細書で開示される組成物および方法は、以下に続く開示に鑑みて、当業者に明らかな種々の方法で作製され、実施され、使用され、行われそして/または形成されることができる。本明細書で使用される語法および用語法は、記載目的に過ぎず、特許請求の範囲の範囲に限定されるとみなされないものとする。通常の指標は、例えば、第1の、第2の、および第3のは、種々の構造もしくは方法の工程をいうために明細書および特許請求の範囲の中で使用される場合、任意の特定の構造もしくは工程、またはこのような構造もしくは工程に対する任意の特定の順序もしくは構成を示すと解釈されることは意味しない。本明細書で記載される全ての方法は、本明細書で別段示されなければ、もしくは文脈が明らかに矛盾していなければ、任意の適切な順序で行われ得る。本明細書で提供される任意のおよび全ての例、または例示的語句、例えば、「such as(〜のような、例えば)」の使用は、別段特許請求されなければ、本開示を促進することを意図するに過ぎず、本開示の範囲に対するいかなる限定も意味しない。本明細書中の文言および図面に示される構造は、いかなる特許請求されていない要素も本開示される主題の実施に必須であるということを示さないものとする。用語「including(含む、包含する、挙げられる)」、「comprising(含む、包含する)」、もしくは「having(有する)」およびこれらのバリエーションの本明細書での使用は、その後に列挙される要素およびその均等物、ならびにさらなる要素を包含することを意味する。ある種の要素を「including(含む、包含する、挙げられる)」、「comprising(含む、包含する)」、もしくは「having(有する)」と記載される実施形態は、それらある種の要素「から本質的になる」および「からなる」としても企図される。
本明細書中の値の範囲の記載は、本明細書で別段示されなければ、上記範囲内に入る各別個の値を個々に言及するための簡便法として働くことが意図されるに過ぎず、各別個の値は、これが本明細書で個々に記載されるかのように、本明細書に援用される。例えば、濃度範囲が、1%〜50%と述べられる場合、2%〜40%、10%〜30%、もしくは1%〜3%などのような値が、本明細書で明示的に列挙されることが意図される。これらは、具体的に意図されるものの例に過ぎず、列挙される最低値および最高値の間およびこれらを含む数値の可能な全ての組み合わせは、本開示中に明示的に述べられていると見做されるべきである。特定の記載される量もしくは量の範囲を説明するための文言「about(約、およそ)」の使用は、製作公差、測定値を形成するにあたっての機器誤差およびヒューマンエラーなどに起因して考慮され得るか当然に考慮される値のような、上記記載される量に近い値が、その量に含まれる。量に言及する全てのパーセンテージは、別段示されなければ、重量による。
本明細書で引用される何らかの非特許文献もしくは特許文献を含め、いかなる参考文献も先行技術を構成するということを承認するものではない。特に、別段述べられなければ、本明細書中の何らかの文書への言及は、これら文書のうちのいずれも米国もしくは任意の他の国において当該分野の技術常識の一部を形成するということの承認を構成しないことが理解される。上記参考文献の何らかの考察は、その著者が何を主張するかを述べ、本出願人が本明細書で引用される文書のうちのいずれかの正確さおよび適切さに異議を唱える権利を確保する。本明細書で引用される全ての参考文献は、別段明示的に示されなければ、完全に参考として援用される。上記引用される参考文献中で見出される何らかの定義および/もしくは記載の間に何らかの不一致があるという場合には、本開示が優先するものとする。言及されるどの参考文献も、本発明に関する先行技術であるとは認められない。
以下の実施例は、例示であることを意味するに過ぎず、本発明の実施形態の範囲もしくは添付の特許請求の範囲の範囲に対する限定として意味されない。
(実施例1:参加者選択)
研究参加者を、治験審査委員会の承認の下で、Breast Health and Surgery Centers AR, OK, TNおよびWAで診てもらっている患者から採用した。全ての患者から同意を得、サンプル収集の前にもしくは患者情報シートを仕上げる前に、インフォームド・コンセントのコピーを得た。サンプルをクリニックの職員(すなわち、看護師および専門技術者)および/もしくはAscendant Dxの職員が収集した。患者選択に使用した包含/排除基準は、以下のとおりであった:
包含基準:
年齢が18〜100歳の間の個体
慣例の健康診断を呈示、または
異常試験もしくは検査の評価を呈示、または
触診可能な塊の評価を呈示、または
塊の一部が残っている限りは、生検前もしくは生検後に塊を呈示、または
乳がんと最近診断されたが、いかなる種類の処置も未だ受けていない。
排除基準:
年齢が18歳未満および100歳超の個体
眼の感染もしくは外傷を併発している、または
現在急性結膜炎に罹患している、または
乳がんと診断されて処置を受けている。
コントロールサンプルを、慣例のスクリーニングマンモグラムについて診断を受け、さらなる手技について再調査(call back)に応じなかった患者から集めた。良性サンプルを生検の時点に集め、病理結果が決定された後に、良性群に含めた。手術前にMRIを受けている患者から、および手術前にセンチネルリンパ節手技(sentinel node procedures)を受けている患者から、がんサンプルも生検の時点に集め、病理結果が分かった後にがん群に含めた。
参加者から集めたデータは、以下を含んだ:年齢、性別、人種、避妊もしはホルモン補充療法を現在行っているか、眼科領域の感染症、現在もしくは最近の化学療法処置、がんの家族歴、入手可能であれば遺伝子検査(BRAC1/2)、がんのステージ(I、II、III、IV)、がんのタイプ(非浸潤性腺管癌、浸潤性腺管癌、浸潤性小葉癌、非浸潤性小葉癌、および未知)、ホルモンレセプター状態(ER+/−、PR+/−、HER2+/−)、塊のサイズ、腫瘍悪性度(I、II、III)、乳房密度スコア(カテゴリー1、2、3、もしくは4として同定された密度)および以前のがん歴。
(実施例2:シルマーストリップサンプル収集手順)
治験審査委員会の承認を、シルマーストリップ(GuldenOpthalmics Elkins Park, PA)を使用する涙液収集に関して得た。収集のために、シルマーストリップの丸くなった先端を、注ぎ口(lip)を形成する0mmラインで折った。折った部分を、参加者の下まぶたに配置し、彼らに眼を閉じて、その眼を閉じた状態で5分間にわたって保持するように要請した。5分後、上記ストリップを外し、滅菌した1.5mLの予めラベル貼付したスナップトップチューブの中に入れ、利用性に応じて−20℃もしくは−80℃に置いた。収集基準には、5分間の時間より前に35mmマークに達した場合には、上記ストリップが外され得ることが規定されていた。参加しているクリニックで収集したサンプルは1週間に1回の基本としてAscendant Dx職員が回収し、ドライアイスに入れてAscendant Dxの研究施設に運んだ。
(実施例3:シルマーストリップサンプル処理)
タンパク質溶離を、滅菌したピンセットと鋏とを使って最初に上記ストリップをさいの目に切って、きれいな滅菌1.5mLスナップトップチューブの中に入れることによって行った。200μLの1×リン酸緩衝食塩水(PBS)を上記さいの目に切ったストリップに添加し、上記サンプルを、穏やかに振盪しながら4℃で3時間インキュベートした。溶離後に、上記サンプルを、卓上型遠心分離機で短時間遠心分離して、上記ストリップ断片を上記チューブの底に集め、その上清を、新しいきれいな1.5mLスナップトップチューブに移した。総タンパク質含有量を、標準的なビシンコニン酸(BCA)アッセイを使用して決定し、上記サンプルを、さらに使用するときまで−80℃で貯蔵した。
各プールの総タンパク質含有量を、BCAアッセイキット(Pierce)を使用して、1:20(v/v)比の標準物質および未知物質 対 作業試薬で、かつ37℃で30分間のインキュベーション時間で決定した。信頼性のある総タンパク質含有量計算を確実にするために、各サンプルに関して系列希釈を行い(例えば、1:2、1:4、1:6)、全ての希釈物を三連でプレーティングした。希釈アルブミン(2mg/ml、1.5mg/ml、1mg/ml、0.75mg/ml、0.5mg/ml、0.25mg/ml、0.125mg/ml、0.025mg/mlおよび0mg/ml)を使用する標準曲線を作成し、ブランクの差し引きを、全ての標準物質および未知物質に対して適用した。各未知物質のタンパク質濃度を、上記標準曲線の4パラメーターフィットを使用して計算した。濃度に希釈係数をかけ算し、平均して、正確な総タンパク質濃度計算を与えた。変動係数(%CV)が15%以下である場合には、アッセイを有効であるとみなした。
(実施例4:LC MS/MSによる標識なし定量に関する方法および結果)
実験1: 溶液中でトリプシン消化、続いてLC MS/MSを、University of Arkansas for Medical Sciences (UAMS)のProteomic Coreが25の乳がんサンプル、25の良性サンプル、および25のコントロールサンプルに対して行った。溶液消化を、10mM トリス[2−カルボキシエチル]ホスフィン(Pierce)中での還元および50mM ヨードアセトアミド(Sigma−Aldrich)中でのアルキル化の後に、100ng ブタトリプシン(Promega)の添加および37℃で12〜16時間のインキュベーションによって、100mM 炭酸水素アンモニウム(Sigma−Aldrich)中で全ての75サンプルに対して行った。次いで、ペプチド生成物を、0.1% ギ酸(Fluka)中で酸性にした。トリプシン消化ペプチド(Tryptic peptide)を、逆相Jupiter Proteo樹脂(Phenomenex)によって、100×0.075mmカラム上でnanoAcquity UPLCシステム(Waters)を使用して分離した。ペプチドを、緩衝液A:B比97:3から35:65への80分間の勾配を使用して溶離した[緩衝液A=0.1% ギ酸、0.05% アセトニトリル;緩衝液B=0.1% ギ酸、75% アセトニトリル]。溶離したペプチドをエレクトロスプレー(1.8kV)によってイオン化し、続いて、LTQ Orbitrap Velos質量分析計(Thermo)での衝突誘起解離を使用してMS/MS分析を行った。MSデータを、375〜1500m/zの範囲にわたって、分解能60,000においてプロフィールモードでFTMS分析器を使用して獲得した。MS/MSデータを、上記イオントラップ分析器を質量中心モード(centroid mode)および正規化衝突エネルギー35.0での通常の質量範囲で使用して、各MSスキャンから上位15ピークについて獲得した。タンパク質を、Mascotサーチエンジン(Matrix Science)もしくはMaxQuant定量的プロテオミクスソフトウェア(Max Planck Institute)をデータベース検索することによって、MS/MSスペクトルから同定した。Mascotサーチ結果を、Scaffold(Proteome Software)を使用して編集した。
以下の基準を設定して、変化した乳房生理機能を示し得るタンパク質の群を選択した:1)タンパク質は、1.5もしくはそれ超の倍数変化を有する(がんに関して、正の方向もしくは負の方向いずれかで)。2)倍数変化は、p値<0.05が付随するべきである。3)タンパク質は、25のがんサンプルのうちの12に存在する。これら基準を使用して、500を超えるリストを、以下のタンパク質に絞った:α−1−アンチトリプシン(A1AT)、アンチロイコプロテイナーゼ(SLP1)、コフィリン(COF1)、アンチトロンビン−III(ANT3)、β−2−ミクログロブリン(B2MG)、プロテイン−グルタミン−γ−グルタミルトランスフェラーゼ(B4DIT7)、性質不明タンパク質(B8ZZQ6)、カルモジュリン様タンパク質5(CALL5)、シスタチン−B(CYTB)、好中球ディフェンシング(Neutrophil defensing)−1(DEF1)、デストリン(DEST)、カリオシン(Kaliocin)−1(E7ER44)、Rab GDP解離インヒビターβのクラスター(E7EU23)、伸長因子1−α(EF1A1)、エズリン(EZRI)、ヘム結合タンパク質2(HEB2)、熱ショックコグネート71(HSP7C)、熱ショックタンパク質β1(HSPB1)、Ig重鎖V−III(HV303)、Ig重鎖V−III領域BROのクラスター(HV305)、リポカリン−1(LCN1)、ガレクチン−3(LEG3)、Igλ鎖V−IV(LV403)、Igμ鎖c領域のアイソフォーム2(P01871)、アイソフォーム2熱ショックタンパク質のクラスター(P07900−2)、14−3−3タンパク質ζδのクラスター(P63104)、ペリリピン−3のアイソフォーム3(PLIN3)、プロテアソームアクチベーター複合体サブユニット1(Q06323)、UMP−CMPキナーゼ(Q5T0D2)、プロテインS100−A4(S10A4)、S100−A8(S10A8)、プロテインS100−A9(S10A9)、プロテインS100−A11(S10AB)、顎下腺アンドロゲン調節タンパク質(SMR3B)、亜鉛−α−2−糖タンパク質(ZA2G)、チモーゲン顆粒タンパク質16ホモログB(ZG16B)。
実験2: 溶液において、トリプシン消化、続いて、LC MS/MSを、各群(乳がん、良性、コントロール)において50サンプルを使用して反復した。実験1について記載されるものと同一な方法を、実験2についても使用した。サンプルサイズの増加は、実験1において観察された傾向のうちのいくつかを消失させたその一方で、実験1において出現している傾向を実験2においてより顕著にした。このデータから、実験1に記載された500タンパク質のリストを、目的の103タンパク質へとさらに絞り込んだ。このリストは、以下を含む:ヒスチジントリアドヌクレオチド結合タンパク質1(D6RD60)、S100A9(S10A9)、S100A8(S10A8)、ガレクチン−3−結合タンパク質(LG3BP)、Igα−1鎖C領域のクラスター(IGHA1)、Igκ鎖V−III領域HAHのクラスター(KV312)、VEGF共調節性ケモカイン1(VCC1)、L−乳酸デヒドロゲナーゼA鎖(LDHA)、アルド−ケトレダクターゼファミリー1メンバーC(AKR1C1)、ルートレチン(B1AKD8)、L−乳酸デヒドロゲナーゼB鎖(LDHB)、レチナールデヒドロゲナーゼ1(AL1A1)、性質不明タンパク質(B4E1Z4)、α−1−アンチキモトリプシン(AACT)、スーパーオキシドジスムターゼ[Cu−Zn](SODC)、SPARC様タンパク質1(SPRL1)、Ig重鎖V−III領域TIL(HV304)、ケラチン(K1C9)、シスタチン−SN(CYTN)、α−アクチニン−4(ACTN4)、Igλ−3鎖C領域(フラグメント)(IGLC3)、免疫グロブリンλ様ポリペプチド5(IGLL5)、アルコールデヒドロゲナーゼ1C(ADHIG)、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ミトコンドリア(MDHM)、カルモジュリン様タンパク質5(CALL5)、α−1−アンチトリプシン(A1AT)、α−1B−糖タンパク質(A1BG)、ロイシンリッチα−2−糖タンパク質(A2GL)、低分子ユビキチン様修飾因子3(A8MU27)、前勾配タンパク質2ホモログ(AGR2)、プロフィリン−1(PROF1)、Igλ鎖V−III領域LOIのクラスター(LV302)、プロトロンビン(E9PIT3)、ヘモペキシン(HEMO)、Igγ−2鎖C領域(IGHG2)、ユビキチン−40Sリボソームタンパク質S27a(RPS27A)、アファミン(AFAM)、アポリポプロテインA−I(APOA1)、アポリポプロテインA−IV(APOA4)、フラビンレダクターゼ(NADPH)(BLVRB)、プロサポシン(PSAP)、ラクリチン(LACRT)、60S酸性リボソームタンパク質P1(RLA1)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H2(ITIH2)、ムチン様タンパク質1(MUCL1)、S100 A6(S100A6)、Na(+)/H(+)交換調節性補因子NHE−RF1(NHRF1)、チオレドキシンドメイン含有タンパク質17(I3L0K2)、リンパ球特異的タンパク質(LSP1)、ハプトグロビンのクラスター(H3BS21)、ミオシン調節性軽鎖12A(J2QRS3)、リボヌクレアーゼインヒビター(RINI)、α−エノラーゼ(ENOA)、Igκ鎖V−I領域EUのクラスター(KV106)、アルコールデヒドロゲナーゼクラス4 μ/σ鎖(ADH7)、プロテインAMBP(AMBP)、アンギオテンシノゲン(ANGT)、アンチトロンビン−III(ANT3)、アポリポプロテインA−II(APOA2)、カルパスタチン(B7Z574)、脳酸可溶性タンパク質1(BASP1)、α−2−HS−糖タンパク質(C9JV77)、カルレティキュリン(CALR)、カルパイン−1触媒サブユニット(CAN1)、細胞分裂制御タンパク質42ホモログ(CDC42)、補体C3(CO3)、コロニン−1A(COR1A)、プログラム細胞死6−相互作用タンパク質(DCD)、ディフェンシン1(DEF1)、F−ボックスオンリープロテイン50(FBX50)、γグルタミルシクロトランスフェラーゼ(GGCT)、グルタチオンレダクターゼ、ミトコンドリア(GSHR)、ケラチン、タイプII細胞骨格1(K2C1)、UMP−CMPキナーゼ(KCY)、メソテリン(MSLN)、N−アセチルムラモイル−L−アラニンアミダーゼ(PGRP2)、ニコチン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ(PNCB)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H1(ITIH1)、リボヌクレアーゼT2(RNASET2)、スーパーオキシドジスムターゼ[Mn]、ミトコンドリア(SODM)、低分子プロリンリッチタンパク質3(SPRR3)、Src基質コルタクチン(SRC8)、チューブリンβ−4B鎖のクラスター(TBB4B)、トロポミオシンα−3鎖(TPM3)、セロトランスフェリン(TRFE)、グルタチオンS−トランスフェラーゼP(THIO)、ビトロネクチン(VTNC)、ビタミンD結合タンパク質(Q6LDC6)、インター−α−トリプシンインヒビター重鎖H4(ITIH4)、メタロプロテアーゼインヒビター(TIMP1)、熱ショックタンパク質90(HSP90)、カテプシンB(CATB)、セルロプラスミン(CERU)、カルプロテクチン、14−3−3σ(1433S)、α−2−hs−糖タンパク質(FETUA)、α−2−マクログロブリン(A2MG)、トランスサイレチン(TTHY)(Appendix 1)。同定されたタンパク質の完全なリストは、JMPpro11統計ソフトウェアパッケージを使用して分析のためにScaffoldソフトウェアからエクスポートした。
(実施例5:JMPpro11ソフトウェアを使用する統計分析)
実験1: データを、マイクロソフトエクセル(登録商標)スプレッドシートソフトウェアと、全75サンプルに関して以前に同定されたタンパク質のうちの各々のスペクトル強度とを使用することによって、整理した。サンプル状態(がん、良性、コントロール)、がんタイプ、腫瘍サイズグループ分け(1=0.1mm〜1cm、2=1.1〜2.9cm、3=3cmもしくはそれ超)および腫瘍悪性度状態もまた、スプレッドシートに含めた。このスプレッドシードを、分析のためにJMPpro11ソフトウェアパッケージにアップロードした。
バイナリー線形回帰を、がんサンプルとコントロールサンプルとの間で適用した。6種のタンパク質を、それらのシグモイド曲線およびp値に基づいて有意として同定し、それらは、Igλ鎖V−IV(LV403)、Ig重鎖V−III領域BRO(HV305)、Ig重鎖V−III VH26(HV303)、リポカリン−1(LCN1)、β−2−ミクログロブリン(B2MG)、亜鉛−α−2−糖タンパク質(ZA2G)であった。6種全てのタンパク質は、がんに対してダウンレギュレートされているようであった。これらタンパク質のダウンレギュレーションが乳がんに特異的であるかどうかを決定するために、良性とコントロールとの間でバイナリー線形回帰を反復した。この比較は、その6種の以前に同定されたタンパク質が、良性サンプルでもダウンレギュレートされることを示し、さらに4種のタンパク質が良性とコントロールとの間で有意として同定された;アンチロイコプロテイナーゼ(SLP1)、カルモジュリン様タンパク質5(CALL5)、シスタチンB(CYTB)、およびガレクチン−3(LEG3)。
見かけ上のロジスティック回帰を、全3群および全10種のタンパク質を使用して、全ての群間の分化程度を決定した。10種のタンパク質の群に関する誤分類の程度は、12%であった。各カテゴリーに関する受診者動作特性曲線(Receiver operator curves)は、がんについては0.96、良性については0.94、およびコントロールについては0.98というAUC値を生じた(図1)。一元配置ANOVA分析を行って、各タンパク質によるサンプルの3カテゴリーに関してシフトする平均値を確実にした(図3)。
実験2: 一元配置ANOVA分析を、質量分析法から同定された全てのタンパク質について記録したスペクトル強度を使用して行った。トリプシン消化ペプチド生成物を、全タンパク質について分析した。タンパク質を、3つの方法で比較した:1)コントロール 対 がん、2)がん 対 良性、3)良性 対 コントロール。αレベル0.05を、群間の有意な発現変化の指標として使用した。トリプシン消化フラグメントのスペクトル強度におけるバリエーションを比較した。発現レベルがコントロールに対して乳がんサンプルで増加した一連のタンパク質を、同定した。発現がコントロールに対して乳がんサンプルにおいて低下したタンパク質もまた同定した。実験の有効性を確保するために、発現が試験した全ての群にわたって一定のままであったタンパク質が存在することを立証した(図4)。
500のタンパク質の初期のリストを、目的の103のタンパク質にまで絞った。タンパク質のこの群の中には、乳がんに関して発現が増加しているタンパク質、ならびに乳がんに関して発現が低下しているタンパク質がある(図4)。全タンパク質配列、トリプシン消化ペプチド、および配列異常(anomaly)(これらは、疾患の結果として存在し得る)の診断能力は、全て目的のものであった。
(実施例6:ELISA分析)
コントロールサンプルに対してがんサンプルにおいて発現レベルが増加している一連のタンパク質を、質量分析法によって観察し、いくつかの候補を、ELISAを使用してさらに検証するために選択した。S100A9を、コントロールと比較して乳がん患者の涙液中で増加した発現の代表例として選択した。LG3BPは、コントロールサンプルと比較して乳がんサンプル中で発現レベルが低下したタンパク質の代表として示される。標準的なELISAプロトコルを使用して、涙液中の発現レベルを評価した。S100A9およびLG3BPのデータを、R&D Systems(Minneapolis, MN)からDuoSetsとして購入したキットを使用して得た。ELISA手順を、R&D systemsによって提供された指示に従って行った。簡潔には、1×PBS中に推奨される作業濃度(GAL3BP 1.0μg/ml;S100A9 0.5μg/ml)に希釈した100μL/ウェルの捕捉抗体を、高結合96ウェルプレートに添加し、室温で一晩(約16時間)インキュベートした。上記プレートを、0.05% Tweenを含む1×PBSで4回すすぎ、きれいな吸収紙に対してブロットして、各すすぎ後のいかなる微量の液体も除去した。すすぎサイクルを、上記アッセイの各工程後に行った。ブロッキング緩衝液(1% BSAを含む1×PBS)を、全てのウェルに添加し(約200μL/ウェル)、上記プレートを、室温で2時間インキュベートした。涙液サンプルを、1%BSAを含む1×PBSを使用してS100A9については1:10および1:50、ならびにガレクチン3結合タンパク質については1:100および1:500の希釈度で希釈した。各アッセイについての標準曲線の線形領域内に入ることが既知の希釈物を、以前の最適化アッセイの結果に基づいて選択した。サンプルおよび標準物質を、100μL/ウェルを使用して二連で試験し、室温で2時間インキュベートした。検出抗体を、その推奨される作業濃度(GAL3BP 2μg/mlおよびS100A9 1μg/ml)に希釈し、100μLを各ウェルに添加し、上記プレートを室温で2時間インキュベートした。ストレプトアビジン−HRP溶液を各ウェルに添加し(100μL/ウェル)、室温で15分間インキュベートした。視覚化を、TMB基質溶液に添加によって達成した。15分後に、50μLの1M HSOを各ウェルに添加し、450nmの吸光度を決定した。ELISAデータを、GraphPadから入手可能なPrismバージョン6.0を使用して分析した。
ELISAデータの統計分析: 各タンパク質の濃度(Prismソフトウェアによって計算されるとおり)を、統計評価のためにJMP Pro11へとエクスポートした。多くの候補を選択して、コントロールサンプル、がんサンプルもしくは良性サンプルに対してELISAアッセイを使用して調査した。コントロールと比較して乳がん涙液サンプルにおいてタンパク質発現が増加および低下したタンパク質の代表例を提供するために、2種のタンパク質(S100A9およびガレクチン−3−結合タンパク質)の結果を示す(それぞれ、図5および図6)。63の乳がんサンプル、79のコントロールサンプル、および92の良性サンプルに関してS100A9のANOVAは、全3群を評価した場合にp値0.0005を生じた。S100A9に関する群平均は、以下であった:乳がん=5673.02pg/ml;コントロール=2130.18pg/ml;良性=6179.10pg/ml。S100A9発現は、コントロールサンプルと比較してがんサンプルにおいて2.6倍、およびコントロールサンプルと比較して良性サンプルにおいて2.9倍増加している。66の乳がんサンプル、55のコントロールサンプル、および54の良性サンプルに関するガレクチン−3結合タンパク質のANOVAは、全3群を評価した場合にp値<0.0001を生じた。LG3BPに関する群平均は、以下であった:乳がん=24448.1pg/ml;コントロール=70242.2pg/ml;良性=62329.7pg/ml。LG3BPは、がんサンプルと比較してコントロールサンプルにおいて2.8倍増加、およびがんと比較して良性サンプルにおいて2.5倍増加を有する。
乳がんサンプルおよびコントロールサンプルに関する見かけ上のロジスティック回帰分析を、2つの代表的タンパク質を使用して行った。S100A9に関して生成したROC曲線は、0.78220(図7)のAUCを有し、LG3BPは、0.76088のAUCを有する(図8)。上記分析を、2種のタンパク質を使用して反復したところ、0.84250のAUCを得た(図9)。
サンプル集団特性: 臨床データ(例えば、乳房密度、がんタイプ、および腫瘍サイズ)を、可能な限り多くのサンプルに対して得た。
実験1: 試験した75サンプルのうち、乳房密度スコアを、上記サンプルのうちの41について得た。乳房密度による上記サンプル集団の分類は、14% カテゴリー1、36.6% カテゴリー2、43.9% カテゴリー3、4.7% カテゴリー4であった(図2)。上記25のがんサンプルのうちの18は、腺管内癌(Intra ductal carcinoma)(IDC)と診断された患者から集めた。2名の患者は、非浸潤性腺管癌(DCIS)と診断され、1名の患者は、非浸潤性小葉癌(LCIS)と診断され、そして1名の患者は、小葉内癌(ILC)と診断された。
分類に関して、スケールを設計した。ここで「小さい」という分類を、<20mmの腫瘍に与え、「中程度」という分類を21mm〜99mmの間の腫瘍に割り当て、「大きい」という分類を>1cmの腫瘍に割り当てた。乳がん患者から集めたサンプルのうちの17サンプルを大きい腫瘍と分類し、2サンプルは、中程度と分類し、6サンプルを小さいと分類した。レセプタータイプの病理情報を、がんサンプルのうちの8サンプルについて得た。1サンプルは、ER/HER2であり、1サンプルはER/PRであり、2サンプルはER/HER2であり、3サンプルはER/HER2であり、1サンプルはER/PRであった。
実験2: この研究で分析したサンプルプールは、5.9% カテゴリー1乳房組織;50% カテゴリー2、37.8% カテゴリー3、および5.4% カテゴリー4からなった。ANOVA分析を、ELISAによって評価したいくつかのタンパク質に対して行って、乳房組織タイプがタンパク質発現レベルに影響を及ぼすかどうかを決定した。代表的データを、研究した2種のタンパク質に対して提供する(図10および図11)。αレベル0.05を使用すると、図10および図11に示されるELISAで評価したタンパク質の各々に関して、乳房タイプの4タイプの平均値に統計的有意差は認められなかった。
サンプルを、種々の乳がんタイプから集めたところ、DCISを有すると診断された患者から17サンプル、IDCを有すると診断された患者から44サンプル、DCISおよびIDCの両方を有する患者から4サンプル、ならびにILCを有する患者から5サンプルという結果となった。腫瘍サイズは、甚だしく多様であった。実験1に関して記載されるその分類システムを、腫瘍サイズが提供されたサンプルに関して使用して、大きい腫瘍を有する患者からの33サンプル、中程度の腫瘍サイズを有する患者からの9サンプル、および小さい腫瘍サイズを有する患者からの12サンプルを試験した。レセプタータイプが提供された38サンプルのうち、1サンプルはER、2サンプルはER/HER2であり、2サンプルはトリプルネガティブ(ER/HER2/PR)であり、1サンプルは、ER/HER2であり、11サンプルはER、ER/HER2 16であり、5サンプルはER/HER2であった。現在まで、区別する傾向は、研究してきたタンパク質について、腫瘍サイズ、がんタイプ、もしくはレセプター状態に基づいては観察されなかった。
参考文献:

Claims (22)

  1. 被験体から得られた涙腺サンプルにおける表1に提供されるマーカーのうちの少なくとも2つのレベルを、該被験体ががんを有するかまたはがんを有する可能性があるかどうかの指標とする方法であって、該方法は、該サンプルにおいて、表1に提供されるマーカーのうちの少なくとも2つのレベルを検出する工程を包含し、がんのないコントロールサンプルにおけるレベルと比較した、該サンプルにおける該少なくとも2つのレベルの変化が、該被験体ががんを有するかまたはがんを有する可能性があることを示し、ここで、該少なくとも2つのマーカーが、S100A9およびLG3BPを含み、S100A9のレベルが増加し、LG3BPのレベルが低下しており、該がんが乳がんである、方法。
  2. 前記被験体は、ヒトである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記LG3BPマーカーは、前記コントロールサンプルにおける該マーカーのレベルと比較して、少なくとも、1.5倍、2倍、4倍またはそれ超低下している、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記S100A9マーカーは、前記コントロールサンプルにおける該マーカーのレベルと比較して、少なくとも1.5倍、2倍、4倍またはそれ超増加している、請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記方法が、表1に提供されるマーカーのリストからの第3のマーカーのレベルを検出することを包含し、がんのないコントロールサンプルにおけるレベルと比較した、前記サンプルにおける該第3のマーカーのレベルの変化が、前記被験体が乳がんを有するかまたは乳がんを有する可能性があることを示し、ここで、該第3のマーカーがS100A8を含み、S100A8のレベルが増加する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記S100A8マーカーは、前記コントロールサンプルにおける該マーカーのレベルと比較して、少なくとも1.5倍、2倍、4倍またはそれ超増加している、請求項5に記載の方法。
  7. 前記マーカーのレベルは、液体クロマトグラフィー−質量分析法(LC−MS)によって検出される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記マーカーのレベルは、抗体ベースの検出法によって検出される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記マーカーのレベルは、多重タンパク質検出法によって検出される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記マーカーのレベルは、mRNA検出法によって検出される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記被験体は、がんを有すると疑われる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記被験体は、がんを発生するリスクが増加している、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記被験体は、がん性であると疑われる触診可能なしこりを有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記被験体の乳房密度は、カテゴリー1、カテゴリー2、カテゴリー3もしくはカテゴリー4である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記がんは、乳がんのステージとして検出される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 収集チューブおよびプロテアーゼインヒビター、もしくは他のタンパク質安定化剤を含む、請求項1〜1のいずれか1項に記載の方法を行うためのキット。
  17. 前記マーカーに結合し得る抗体をさらに含む、請求項1に記載のキット。
  18. 前記マーカーを増幅し得るプライマー対をさらに含む、請求項1に記載のキット。
  19. イムノアッセイシステムであって、該システムが、
    (a)ヒト被験体由来の涙腺分泌物サンプルであって、該被験体が、乳がんを有すると疑われているか、またはがん性であると疑われる触診可能なしこりを有し、該涙腺分泌物サンプルが、S100A9およびLG3BPを含む少なくとも2つのタンパク質マーカーを含む、サンプルと、
    (b)結合剤、および(a)における該少なくとも2つのタンパク質マーカーに特異的な結合相互作用を提供して検出可能なシグナルの生成に基づいて定量され得る反応を生じさせる試薬と
    を含み、がんのないコントロールサンプルと比較して、S100A9のレベルが増加し、LG3BPのレベルが低下している、イムノアッセイシステム。
  20. 前記涙腺分泌サンプルが、S100A8を含む第3のタンパク質マーカーを含み、前記結合剤が、該S100A8タンパク質マーカーに特異的に結合する抗体を含み、がんのないコントロールサンプルと比較して、S100A8のレベルが増加している、請求項19に記載のイムノアッセイシステム。
  21. 前記涙腺分泌物サンプルが眼の洗浄物サンプルである、請求項19または2に記載のイムノアッセイシステム。
  22. 前記被験体の乳房密度が、カテゴリー1、カテゴリー2、カテゴリー3またはカテゴリー4である、請求項19〜2のいずれか一項に記載のイムノアッセイシステム。
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