JP6752892B2 - コート紙または板紙の脱墨方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多数のインキ、例えばデジタル印刷インキ、レーザー印刷インキ、オフセットインキ、フレキソインキおよび/または輪転グラビアインキのために使用され得る、コート紙または板紙の脱墨方法に関する。
2012年のスイスだけでも、印刷紙の総消費量は700000トンを超えた(出典:ホームページPAPIER SCHWEIZ)。紙が再生可能原料の1つであっても、紙のリサイクルは経済的および環境上の理由から重要である。印刷紙の効率的な脱墨は、リサイクル工程で最も困難なステップの1つである。
US2012/0031573A1は、界面活性剤および疎水性カオリン系脱墨成分を含む、古紙を脱墨するための組成物について記載している。
US1,421,195は、紙をベントナイトのアルカリ溶液に供することからなる紙の脱墨方法に関する。
WO2010/147581A1は、印刷古紙を脱墨する方法であって、 a)パルパー内で、印刷古紙を水性パルプスラリーに変換してインキを紙パルプから分離するステップ、 b)パルプスラリーをフローテーションに供して、パルプスラリーからインキを含む疎水性汚染物質を除去するステップ、を含み、前記フローテーションが親水性シリカ粒子を疎水性有機液体で処理することによって得た変性シリカを含む脱墨化学添加剤の存在下で行われる方法について記載している。
EP0512212A1は、古紙を脱墨する方法であって、(a)古紙を、(i)1種以上の第4級アンモニウム塩と1種以上のスメクタイト型粘土との混合物;および(ii)1種以上の有機変性スメクタイト型粘土;からなる群から選択される薬剤を含む水性系と接触させること、ならびに(b)水性系から脱墨紙パルプを回収することを含む方法に関する。
EP0572037A1は、有機結合剤を使用せずに印刷媒体上に固定することができるコーティング顔料であって、顔料の重量に対して少なくとも30重量%の量の少なくとも1種の水膨潤性層状シリケートを含み、前記コーティング顔料が水100ml中のコーティング顔料2gの懸濁物に対して約5から約30mlの膨潤体積を有し、前記水膨潤性層状シリケートが約−35から約+10mVのゼータ電位値を有するコーティング顔料について記載している。
WO2013/123150号は、膨潤性粘土材料から剥離粘土小板を製造する方法であって、アニオン性抽出剤を含む剥離剤を提供すること、および膨潤性粘土材料を剥離剤に曝露することを含み、剥離剤が膨潤性粘土材料から剥離粘土小板を生成する方法に関する。
WO2007/081921A2は、インキおよび紙パルプを含む印刷古紙を脱墨する方法であって、a)印刷古紙をパルパー内で水性パルプスラリーに変換するステップ、b)前記水性パルプスラリーを無機基材と接触させるステップ、c)前記水性パルプスラリーを、非イオン性界面活性剤、脂肪酸またはこれらの混合物を含む脱墨組成物と接触させるステップ、d)水性パルプスラリー中の前記インキを分離するステップ、およびe)脱墨した紙パルプを水性パルプスラリーから回収するステップを含み、前記脱墨組成物は場合により、ステップ(b)の前に前記無機基材と混合される方法について記載している。
DE19631150A1は、叩解基材を水性苛性アルカリ、過酸化水素(hydroxide peroxide)、界面活性剤および場合により水ガラスで処理し、遊離した印刷用インキをフローテーションにより分離することを含む方法に関し、使用する界面活性剤が8から13の親水性親油性バランス値を有する両親媒性カチオン性界面活性剤であり、苛性アルカリ含有量はpHが9を超えない含有量であり、水ガラス含有量が0から0.5重量%である方法に関する。
WO2006/123996は、リサイクル繊維を脱墨する方法であって、a)リサイクル繊維、印刷インキおよび炭酸カルシウムを含有する水性パルプ懸濁物を提供すること、b)前記懸濁物または前記懸濁物に添加した水性流体に含有される炭酸カルシウムを溶解させることによって前記パルプ懸濁物の硬度を安定させること、ならびにc)得られたパルプ懸濁物をフローテーションに供して、前記懸濁物から前記印刷インキを分離することを含む方法に関する。
DE736450は、結合媒体および着色コーティング組成物を使用してコート紙を製造する方法であって、ベントナイトまたは類似の膨潤粘土をコーティング組成物中の結合剤として使用する方法に関する。
特定の剥離層を有するコート紙による、さらに該剥離層を水酸化ナトリウムで活性化して脱墨を行う、印刷物の脱墨に関する論文「Novel surface preparation concept for improved deinking:Bringing digital,functional and water−based prints into the mainstream recycling process」は、2013年にGaneによって発表された(Advances in Printing and Media Technology,Vol.XL,2013 Ed.Nils Enlund and Mladen Lovrecek,ISSN 2225−6067,ISBN 978−3−9812704−4−0,179−192)。
上記に鑑みて、専門家は、効率的で広く普及した、環境にやさしいコート紙の脱墨の問題になお直面している。今日でも、脱墨方法には幾つかの欠点がある。例えば、あらゆる種類のインキが紙の表面から水中に容易に放出されるわけではなく、特に顔料インキは紙表面に強く付着する。さらに、紙からインキを剥離するために、後の精製ステップを妨害し得る試薬が使用され、例えば水酸化ナトリウムのような強塩基は、変性ポリエチレンイミンのようなpH感受性カチオン性捕集剤を失活させる恐れがある。これらの捕集剤の活性は、フローテーションによるさらなる精製の間に不可欠である。
前述の技術的な欠点の1つ以上を低減または回避し得る脱墨方法を提供する必要性がなお存在する。
米国特許出願公開第2012/0031573号明細書 米国特許第1,421,195号明細書 国際公開第2010/147581号 欧州特許出願公開第0512212号明細書 欧州特許出願公開第0572037号明細書 国際公開第2013/123150号 国際公開第2007/081921号 独国特許出願公開第19631150号明細書 国際公開第2006/123996号 独国特許発明第736450号明細書
Novel surface preparation concept for improved deinking:Bringing digital, functional and water−based prints into the mainstream recycling process,Advances in Printing and Media Technology, Vol.XL, 2013 Ed.Nils Enlund and Mladen Lovrecek,ISSN 2225−6067,ISBN 978−3−9812704−4−0,179−192
従って、本発明の目的は、インキの種類に関して非常に柔軟性のある、コート紙または板紙の脱墨方法を提供することである。別の目的は、より効率的な方法であって、例えばpH値に関して中程度の条件下で作用し、脱墨後に得たインキ含有水相をさらに精製するための方法および試薬に関する高い柔軟性を与える、より効率的な方法を提供することにも見られ得る。
上記および他の課題の1つ以上は、独立請求項において本明細書に定義するような主題によって解決される。
本発明の第1の態様は、コート紙または板紙の脱墨方法であって、
(i)コート紙または板紙を提供するステップであって、コート紙または板紙が、
(a)以下のものを含有するコーティング組成物からなる少なくとも1層:
(a1)カルシウム交換粘土またはマグネシウム交換粘土、
(a2)結合剤
(b)インキを含み、0.1から10μmの範囲内の厚さを有する少なくとも1層
を含むものであるステップ、
(ii)ステップ(iii)の前または間に、カルシウム交換粘土またはマグネシウム交換粘土を活性化するステップであって、
(A)ナトリウム、リチウム、カリウム、アンモニウムおよびこれらの混合物からなる群から選択される1価イオンを含む水を用いてステップ(iii)を実施するステップ、および/または
(B)ステップ(i)において、水に溶解性であり、且つナトリウム、リチウム、カリウム、アンモニウムおよびこれらの混合物からなる群から選択される1価イオンを含む結合剤(a2)を提供するステップ、および/または
(C)ナトリウム、リチウム、カリウム、アンモニウムおよびこれらの混合物からなる群から選択される1価イオンを、ステップ(iii)の前または間に塩の形態で添加するステップ
によって活性化するステップ、
(iii)ステップ(i)で提供されたコート紙または板紙を水で処理して、少なくともインキ、粘土粒子および紙パルプまたは紙残渣を含む水性懸濁物を得るステップ
を含み、層(a)は層(b)よりも前に紙または板紙上に堆積されている方法に関する。
本発明の方法は、ステップ(iii)で得た水性懸濁物から紙または板紙を分離するさらなるステップ(iv)を含むことができる。本発明は、ベントナイト、スメクタイト、モンモリロナイトおよびこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはベントナイトである、カルシウム交換ナノ粘土を使用する。
本発明による活性化ステップ(ii)は、
(A)カルシウムイオンまたはマグネシウムイオンに対して過剰量の、ナトリウム、リチウム、カリウム、アンモニウムおよびこれらの混合物からなる群から選択される1価イオン、好ましくはナトリウムイオン、を含む水を用いてステップ(iii)を実施するステップ、および/または
(B)ステップ(i)において、カルシウムイオンまたはマグネシウムイオンに対して、水に可溶性であり、且つナトリウム、リチウム、カリウム、アンモニウムおよびこれらの混合物からなる群から選択される1価イオン、好ましくはナトリウムイオン、を含む結合剤(a2)を提供するステップ、および/または
(C)ステップ(iii)の前または間に、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウムおよび/またはこれらの混合物からなる群から選択される塩の形態のナトリウムイオンを添加するステップ
であることができる。
結合剤は水溶性であることができ、デンプン、カルボキシメチルセルロースおよびこれらの混合物からなる群から選択することができ、好ましくはカルボキシメチルセルロースであり、より好ましくは水溶性結合剤は、カルシウムイオンまたはマグネシウムイオンに対して過剰量のナトリウムイオンを含み、および/またはコーティング組成物は、水分散性である別の結合剤、好ましくはラテックス結合剤を含むことができる。
コート紙は、1から30g/m、好ましくは5から20g/m、より好ましくは6から15g/mの炭酸カルシウム含有材料を含む少なくとも1つの層(c)を含み得る。
炭酸カルシウム含有材料は、粉砕炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、表面改質炭酸カルシウムまたはこれらの混合物から選択でき、好ましくは天然粉砕炭酸カルシウムである。さらに、炭酸カルシウム含有材料は、天然炭酸カルシウム源から選択され得て、好ましくは、大理石、石灰石、チョーク、ドロマイトおよびこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つのインキ層の厚さは、0.75から5μmの範囲内であり得て、0.9から2.1μmの範囲内であることが好ましい。ステップ(iii)で適用される水は、水道水、脱イオン水およびこれらの混合物のリストから選択され得て、好ましくは水道水であり、より好ましくはナトリウムイオンを含む水道水であり、さらに好ましくはカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンに対して過剰量のナトリウムイオンを含む水道水である。
本発明による方法のステップ(iii)の間に、紙または板紙の表面のこすり落としを行ってよい。ステップ(i)で提供される組成物中のカルシウム交換ナノ粘土(a1)の含有量は、コーティング組成物の総重量に対して3から15重量%、より好ましくは5から12重量%、最も好ましくは5から10重量%であり、および/または少なくとも1つの層(a)のコーティング重量は、0.1から20g/m、好ましくは1から10g/mである。ステップ(i)で提供される組成物中の水溶性結合剤(a2)の含有量は、コーティング組成物の固形分重量に対して、0.1から12重量%、より好ましくは0.2から5重量%、さらにより好ましくは0.3から2.0重量%、最も好ましくは0.5から1.5重量%である。層(b)中のインキは、インキ系または染料系のインクジェットインキ、レーザー印刷インキおよび/またはトナー、オフセットインキ、フレキソインキ、輪転グラビアインキおよびこれらの混合物からなる群から選択されるデジタル印刷インキであってもよい。
本発明の方法はさらに、
(v)ステップ(iii)または(iv)で得た水性懸濁物をフローテーションセルに移すステップ、および/または
(vi)ステップ(iii)、(iv)または(v)で得た水性懸濁物に少なくとも1つの捕集剤を添加するステップ、および
(vii)ステップ(vi)で形成された水性懸濁物中にフローテーションガスを通過させて、水ならびに粘土およびインキを含む泡を含む相を得るステップ、および
(viii)ステップ(vii)で得た泡を水から分離するステップを含み得る。
少なくとも1つの捕集剤は、変性ポリエチレンイミン、活性および疎水性界面活性剤、好ましくはキサンテートまたはチオホスフェート、アルキルサルフェート、ポリアルキレンイミン、第1級アミン、第3級アミン、第4級アミン、脂肪アミン、エステルクォート、ポリエステルクォートおよびイミダゾリンまたは第4級イミダゾリウム化合物、好ましくは第4級イミダゾリウムメトサルフェートからなる群から選択され得て、最も好ましくはポリエチレンイミンである。少なくとも1つの捕集剤の含有量は、ステップ(iii)または(iv)で提供される水性懸濁物中の固体の総重量に対して0.001から50重量%の範囲に、好ましくは粘土粒子および任意の他の充填剤の重量の総重量に対して0.002から20重量%、より好ましくはステップ(iii)または(iv)で提供される水性懸濁物中の固体の重量の総重量に対して0.05から0.8重量%の範囲に、最も好ましくはステップ(iii)または(iv)で提供される水性懸濁物中の固体の重量の総重量に対して0.02から0.1重量%の範囲にあり得る。
ベントナイトに起因し得る1000cm−1のピーク(Si−O結合)を示す、廃棄物画分のIRスペクトル。 フローテーション前後の水性懸濁物(1回ろ過)のUV−visスペクトル。 ベントナイトに起因し得る1000cm−1のピーク(Si−O結合)および炭酸カルシウムに起因し得る1400cm−1のピークを示す、廃棄物画分のIRスペクトル。 フローテーション前後の水性懸濁物(1回ろ過)のUV−visスペクトル。 ベントナイトに起因し得るおよそ1000cm−1のピーク(Si−O結合)および炭酸カルシウムに起因し得るおよそ1400cm−1のピークを示す、廃棄物画分のIRスペクトル。 フローテーション前後の水性懸濁物のUV−visスペクトル。 ベントナイトに起因し得る1000cm−1のピーク(Si−O結合)を示す、廃棄物画分のIRスペクトル。 ベントナイトに起因し得る1000cm−1のピーク(Si−O結合)および炭酸カルシウムに起因し得る1400cm−1のピークを示す、廃棄物画分のIRスペクトル。 フローテーション前後の水性懸濁物のUV−visスペクトル。 ベントナイトに起因し得る1000cm−1のピークを示す、廃棄物画分のIRスペクトル。
本発明の目的のために、以下の用語および表現が以下の意味を有することを理解すべきである:
本発明の意味における「脱墨」という用語は、脱墨した紙パルプを得るために紙パルプからインキを除去し、これにより紙パルプは本質的にインキを含まないこと可能であり、例えば出発含有量に対して1重量%未満のインキが紙パルプに残存するか、またはパルプのインキ含有量が脱墨前のインキ含有量に対して少なくとも著しく、例えば50から80重量%低減されることを示す。
「カルシウム交換粘土」という表現は、イオン交換可能であり、本質的にカルシウムイオンと交換され、カチオンの50%超、好ましくは90%超がカルシウムイオンである粘土を示す。
本発明の意味における「水溶性結合剤」という表現は、水溶性が良好な結合剤を意味し、これは結合剤10g、好ましくは50gが水1リットルに溶解可能であることを意味する。
本発明の意味における「水分散性結合剤」という表現は、固体/コロイド状材料が相分離なしに、および3日間、好ましくは7日間に及ぶ著しい(30%を超えることを意味する)粘度上昇なしに、水相に分散される結合剤を示す。
本発明の意味における用語「ラテックス」は、コロイド状ポリマー粒子の水性分散物を示す。これらの粒子は、10から5000nmの範囲のd50値を有し得る。
本発明の意味における「充填剤」という用語は、例えばより高価な材料の消費を低減するために、または得られた製品の材料もしくは機械的特性を改善するために、材料、例えばポリマー、エラストマー、塗料または接着剤に添加され得る物質を示す。当業者には、各分野で使用されている充填剤、通例は鉱物充填剤が非常によく知られている。
本発明の要旨における「カルシウム交換粘土またはマグネシウム交換粘土を活性化する」という表現は、カルシウムイオンまたはマグネシウムイオンを1価のカチオン、好ましくはナトリウムと少なくとも部分的に交換し、もって粘土を少なくとも部分的にその水膨潤性形態に変換することを意味する。
本発明によるインキを含む「層(b)」は、単層(ベタトーン)であり得るか、またはインキがドットとして一連の小寸層に塗布されている場合であり得る。
「天然炭酸カルシウム源」は、炭酸カルシウムを含むいずれの天然材料でもよい。このような材料は、例えば大理石、石灰石、チョーク、ドロマイトなどを含む。
本文書を通じて、アルカリ土類金属炭酸塩含有材料または他の微粒子材料の「粒径」は、これの粒径の分布によって説明される。値dは、粒子のx重量%がd未満の直径を有する粒径を表す。このことは、d20値は全粒子の20重量%がこれより小さい粒径であり、d98値は全粒子の98重量%がこれより小さい粒径であることを意味する。d98値は、「トップカット」とも呼ぶ。d50値はこのため重量中央粒径であり、即ちすべての粒子の50重量%がこの粒径より大きく、残りの50重量%がこの粒径より小さい。本発明の目的のために、別途指摘しない限り、粒径は重量中央粒径d50として規定する。重量中央粒径d50値またはトップカット粒径d98値を測定するために、米国、マイクロメリティックス社(Micromeritics)のセディグラフ5100または5120装置を使用することができる。方法および機器は当業者に公知であり、充填剤および顔料の粒径を決定するためによく使用されている。測定は0.1重量%Na水溶液中で行う。高速撹拌機および超音波を使用してサンプルを分散させる。
単数名詞を指すときに不定冠詞または定冠詞、例えば「1つの(a)」、「1つの(an)」または「この(the)」を使用する場合、何か他のことが特に示されない限り、これはこの名詞の複数を含む。
「含む(comprising)」という用語を本明細書および特許請求の範囲において使用する場合、これは他の要素を排除しない。本発明の目的のために、「からなる(consisting of」という用語は、用語「含む(comprising)」の好ましい実施形態であると見なされる。以下で群が少なくとも特定の数の実施形態を含むと定義される場合、これはまた、好ましくはこれらの実施形態のみからなる群を開示すると理解されるものとする。
「得ることができる」または「定義できる」および「得た」または「定義した」などの用語は、互換的に使用される。このことは例えば、文脈が別途明確に示さない限り、用語「得た」が、例えば実施形態を例えば、用語「得た」の後の一連のステップによって得られなければならないことを示すものではないが、このような限定された認識は、好ましい実施形態として用語「得た」または「定義した」によって常に含まれる。
<コート紙または板紙>
本発明による方法のステップ(i)によれば、コート紙または板紙が提供される。前記コート紙または板紙は、少なくとも2つの層(a)および(b)を含み、層(a)はコーティング組成物からなり、層(b)は0.1から10μmの範囲の厚さを有し、インキを含むという点で特徴付けられる。層(a)のコーティング組成物は、(a1)カルシウムまたはマグネシウムで交換された粘土および(a2)結合剤を含む。
好ましい実施形態において、層(a)のコーティング組成物は、(a1)カルシウム交換粘土、好ましくはナノ粘土および(a2)水溶性結合剤を含む。
一実施形態において、コート紙または板紙は、10から600g/m、好ましくは20から400g/mの範囲の重量を有する。別の実施形態において、コート紙は、20から200g/m、好ましくは40から200g/mの範囲の重量を有する。
本発明の一実施形態において、層(a)中のコーティング組成物のカルシウム交換粘土は、ベントナイト、スメクタイト、モンモリロナイトおよびこれらの混合物からなる群から選択されるナノ粘土であり、好ましくはベントナイトである。
一実施形態において、コーティング組成物中のカルシウム交換粘土(a1)の含有量は、コーティング組成物の総重量に対して3から15重量%、より好ましくは5から12重量%、最も好ましくは5から10重量%の範囲である。コーティング組成物の総重量は、固体および水を含む。
粘土(a1)のカルシウム交換は、コーティング組成物の調製中に例えば水酸化カルシウムまたは塩化カルシウムを添加することによって行うことができ、塩化カルシウムが好ましい。
層(a)中のコーティング組成物中の好ましい結合剤は、デンプン、カルボキシメチルセルロースまたはこれらの混合物のような水溶性結合剤であり、カルボキシメチルセルロースが最も好ましい。コーティング組成物はまた、ラテックスのような水分散性結合剤を含むこともでき、コーティングは、水溶性結合剤および水分散性結合剤の混合物を含み得る。本発明の別の実施形態によれば、水溶性結合剤は、カルシウムイオンまたはマグネシウムイオンに対して過剰量のナトリウム、リチウム、カリウム、アンモニウムおよびこれらの混合物からなる群から選択される1価イオンを含み、ここではナトリウムイオンが好ましい。カルシウムイオンまたはマグネシウムイオンに対するこれらのイオンの過剰量は、1000:1から100000:1の範囲である。
一実施形態において、コーティング組成物中の結合剤(a2)、好ましくは水溶性結合剤の含有量は、コーティング組成物の固形分重量に対して、0.1から12重量%、より好ましくは0.2から5重量%、さらに好ましくは0.3から2.0重量%、最も好ましくは0.5から1.5重量%の範囲である。
一実施形態において、層(a)中のコーティング組成物は、ベントナイトおよびカルボキシメチルセルロース、好ましくはカルシウムイオンに対して過剰量のナトリウムイオンを有するカルボキシメチルセルロースを含む。カルボキシメチルセルロースのナトリウム含有量は、カルボキシメチルセルロースの総重量に対して1から40重量%、好ましくはカルボキシメチルセルロースの総重量に対して5から15重量%の範囲であり得る。
コーティング組成物を紙または板紙上に層(a)としてもたらす前に、組成物は水を含み、前記水はコーティング工程の間に蒸発する。
別の実施形態において、層(a)のコーティング組成物は、その場で粘土のイオン交換を実施するための水溶性カルシウム塩またはマグネシウム塩、好ましくは塩化カルシウムを含む。
本発明の一実施形態において、コーティング層(a)の前のコーティング組成物の固体含有量は、1から60重量%、好ましくは2から20重量%、より好ましくは4から10重量%の範囲である。
本発明による一実施形態において、層(a)のコーティング重量は、0.1から20g/m、好ましくは1から10g/mの範囲である。
層(b)の厚さは、0.1から10μm、好ましくは0.75から5μm、より好ましくは0.9から2.1μmの範囲である。
本発明による一実施形態において、層(b)のコーティング重量は、0.5から20g/m、好ましくは1から10g/m、より好ましくは1.5から4g/mの範囲である。
本発明の一実施形態において、層(b)中のインキは、インキ系または染料系のインクジェットインキ、レーザー印刷インキおよび/またはトナー、オフセットインキ、フレキソインキ、輪転グラビアインキおよびこれらの混合物からなる群から選択されるデジタル印刷インキである。
別の実施形態において、インキは、ブラック、ブルー、レッド、シアン、マゼンタまたはこれらの色の2つ以上を有する各種のインキが使用される。
ステップ(i)で提供されるコート紙は、さらなる層を含み得る。好ましい一実施形態において、コート紙は、炭酸カルシウム含有材料を含む少なくとも1つのさらなる層(c)を含む。
層(c)のコーティング重量は、一実施形態において1から30g/m、好ましくは5から20g/m、より好ましくは6から15g/mの範囲である。別の好ましい実施形態において、層(c)は、炭酸カルシウム含有材料からなる。
さらに、ステップ(i)で提供されるコート紙は、炭酸カルシウム含有材料を含むさらなる層を有し得る。
一実施形態において、炭酸カルシウム含有材料は、粉砕炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、表面改質炭酸カルシウムまたはこれらの混合物から選択され、好ましくは天然粉砕炭酸カルシウムである。
本発明による方法の幾つかの実施形態において、炭酸カルシウム含有材料は、好ましくは、前記炭酸カルシウム含有材料の総重量に対して50から98重量%の炭酸カルシウムを含有する天然炭酸カルシウム源から選択される。
一実施形態によれば、炭酸カルシウム含有材料は、前記炭酸カルシウム含有材料の総重量に対して、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、さらにより好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくは90から98重量%の炭酸カルシウムを含有する。
別の実施形態によれば、炭酸カルシウム含有材料は、大理石、石灰石、チョーク、ドロマイトおよびこれらの混合物からなる群から選択される。
炭酸カルシウムが合成起源である場合、炭酸カルシウム含有材料は、沈降炭酸カルシウム(PCC)であってよい。本発明の意味におけるPCCは、一般に、水性環境における二酸化炭素と水酸化カルシウム(消石灰)との反応後の沈降によってまたは水中でのカルシウム源およびカーボネート源の沈降によって得られる合成材料である。さらに、沈降炭酸カルシウムは、水性環境へのカルシウム塩およびカーボネート塩、例えば塩化カルシウムおよび炭酸ナトリウムの導入の生成物であることもできる。PCCは、ファーテライト、カルサイトまたはアラゴナイトであってよい。PCCは、例えばEP2447213A1、EP2524898A1、EP2371766A1、EP2840065A1またはWO2013/142473A1に記載されている。
一実施形態によれば、炭酸カルシウム含有材料は、5.0から600.0μm、好ましくは50.0から300.0μmの範囲の重量中央粒径d50を有する。
コーティング組成物(a)を含む層は、好ましくは最下層であり、これは未コート紙の表面に直接隣接していることを意味する。インキ層(b)が層(a)の上方に配置されることは必須であるが、さらなる層、例えば炭酸カルシウム含有材料を含む層を層(a)と層(b)との間に配置することが可能である。しかし、インキ層(b)は、未コート紙の表面と層(a)との間に配置することはできない。
コート紙上の層の好ましい配置を以下に示す。
紙−層(a)−層(b)
紙−層(a)−層(c)−層(b)
紙−層(a)−層(c)−層(c)−層(b)
紙−層(a)−層(c)−層(a)−層(b)
「紙−層(a)−層(c)−層(a)−層(b)」の配置は、層(c)中の炭酸カルシウム含有材料のリサイクルを可能にする。
<方法ステップii)>
本発明によれば、カルシウム交換粘土またはマグネシウム交換粘土の活性化は、以下の手段によって達成することができる:
(A)ナトリウムイオン、リチウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンおよびこれらの混合物からなる群から選択される1価イオンを含む水でステップ(iii)を実施すること、および/または
(B)ステップ(i)において、ナトリウムイオン、リチウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンおよび/またはこれらの混合物からなる群から選択される1価イオンを含む水溶性結合剤(a2)を提供すること、および/または
(C)ナトリウムイオン、リチウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンおよびこれらの混合物からなる群から選択される1価イオンを塩の形態で添加すること。
活性化は、カルシウムイオンまたはマグネシウムイオンを1価カチオン、好ましくはナトリウムと少なくとも部分的に交換し、粘土を水膨潤性形態に変換することによって達成される。
同様の概念は、カルシウムまたはマグネシウムとは異なる2価カチオン、またはカルシウムおよびマグネシウムを含む2価カチオンの混合物と交換された粘土を使用し、これらのカチオンを例えばリチウムまたはナトリウムのような1価カチオンと交換し得る。
本発明の一実施形態によれば、ステップ(iii)は、10から10000mg/l、好ましくは10から1000mg/l、より好ましくは10から300mg/lの範囲のナトリウム含有量を有する水を用いて実施される。
本発明の別の実施形態において、ステップ(iii)で提供される水は、カルシウムイオンに対して2:1から1000:1の範囲の過剰量のナトリウムイオンを有する。
さらなる実施形態によれば、ステップ(iii)で適用される水は水道水であり、好ましくはカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンに対して2:1から1000:1の範囲の過剰量のナトリウムイオンを含む水道水である。
一実施形態において、層(a)中のコーティング組成物は、ベントナイトおよびカルボキシメチルセルロース、好ましくはカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンに対して過剰量のナトリウムイオンを有するカルボキシメチルセルロースを含む。カルボキシメチルセルロースのナトリウム含有量は、カルボキシメチルセルロースの総重量に対して1から40重量%、好ましくはカルボキシメチルセルロースの総重量に対して5から15重量%の範囲であり得る。
なお別の実施形態によれば、コーティング組成物は、カルシウムイオンに対して10:1から100000:1の範囲の過剰量のナトリウムイオンを有する水溶性結合剤、好ましくはカルボキシメチルセルロースを含む。
ステップ(iii)の前または間に、ナトリウムイオン、リチウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンおよびこれらの混合物からなる群から選択される1価イオンが塩の形態で添加される場合、カルシウム交換粘土の量に対する塩は、ナトリウム塩およびカルシウム交換粘土の質量に対して50%、好ましくは150%の過剰量で添加されることが好ましい。好ましい塩は、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムからなる群から選択されるナトリウム塩である。
(A)および(B)、(A)および(C)、(B)および(C)、または(A)、(B)および(C)などの手段(A)から(C)の組み合わせを適用することによってステップ(ii)を実施することも可能である。
水酸化ナトリウムのような強塩基がポリエチレンイミンのようなカチオン捕集剤を失活させる可能性があるため、カルシウム交換粘土を活性化するための水酸化ナトリウムによる処理は好ましい選択ではない。これらの捕集剤の活性は、フローテーションによるさらなる精製の間に不可欠である。
いかなる理論にも縛られることなく、ナトリウムイオンのような1価イオンが存在することは、幾つかの種類の粘土について、紙または板紙の脱墨を引き起こすのに十分であると考えられる。カルシウムイオンまたはマグネシウムイオンに対して過剰量のこれらの1価イオン(特にナトリウムイオン)は必須ではないが、好ましい。粘土のカルシウム形態(非膨潤)とナトリウム形態(膨潤形態)との間に急速な平衡が存在し得る。粘土を膨潤形態に短時間で変換することは、層(a)の剥離を生じさせるのに十分であり得る。
<方法ステップiii)>
本発明のステップ(iii)によれば、ステップ(i)で提供されるコート紙または板紙を水で処理して、少なくともインキ、粘土粒子および紙パルプまたは紙残渣を含む水性懸濁物を得る。
水は、カルシウム交換粘土またはマグネシウム交換粘土中のカチオンの交換をもたらし、粘土の膨潤が起こり、コート紙または板紙から層(a)が剥離する。
一実施形態において、紙の表面の機械的こすり落としが、紙から層(a)の剥離を補助するためにステップ(iii)の間に行われる。結果として、層(b)および存在する場合には層(a)の上に配置された他の層も、紙パルプまたは紙残渣から除去される。さらに別の実施形態によれば、超音波処理が、ステップ(iii)中に実施される。別の実施形態において、層(a)の剥離を補助するために、ステップ(iii)中に機械的こすり落としおよび超音波処理を実施する。
処理ステップ(iii)は、0から120℃、好ましくは10から100℃、より好ましくは15から40℃の範囲の温度で行うことができる。
<場合による方法ステップ>
本発明による方法は、さらなるステップを含み得る。一実施形態によれば、本方法は、ステップ(iii)で得た水性懸濁物から紙または板紙を分離するステップを含む。篩を使用することによる分離または遠心分離または沈降などの機械的分離工程が好ましい。
本発明による方法のさらに別の実施形態によれば、ステップ(iii)または(iv)で得た水性懸濁物は、水からインキを除去するためのフローテーション工程に供される。インキは粘土と共に水から移出される。
この方法は、フローテーションを実施するための以下のさらなる:
(v)ステップ(iii)または(iv)で得た水性懸濁物をフローテーションセルに移すステップ、および/または
(vi)ステップ(iii)、(iv)または(v)で得た水性懸濁物に少なくとも1つの捕集剤を添加するステップ、および
(vii)ステップ(vi)で形成された水性懸濁物中にフローテーションガスを通過させて、水ならびにナノ粘土およびインキを含む泡を含む相を得るステップ、および
(viii)ステップ(vii)で得た泡を水から分離するステップを含み得る。
不純物画分に疎水性を付与するために使用される少なくとも1つの捕集剤は、当業者に既知の任意の手段であり得る。
本発明の意味における「少なくとも1つの」捕集剤という用語は、捕集剤が1つ以上の捕集剤を含む、好ましくは1つ以上の捕集剤からなるという意味である。
本発明の一実施形態において、少なくとも1つの捕集剤は、1つの捕集剤を含む、好ましくは1つの捕集剤からなる。代替的に、少なくとも1つの捕集剤は、2つ以上の捕集剤を含む、好ましくは2つ以上の捕集剤からなる。例えば、少なくとも1つの捕集剤は、2つまたは3つの捕集剤を含み、好ましくは2つまたは3つの捕集剤からなる。
好ましくは、少なくとも1つの捕集剤は、1つの捕集剤を含み、より好ましくは1つの捕集剤からなる。
例えば、少なくとも1つの捕集剤は、変性ポリエチレンイミン、活性および疎水性界面活性剤、好ましくはキサンテートまたはチオホスフェート、アルキルサルフェート、ポリアルキレンイミン、第1級アミン、第3級アミン、第4級アミン、脂肪アミン、エステルクォート、ポリエステルクォートおよびイミダゾリンまたは第4級イミダゾリウム化合物、好ましくは第4級イミダゾリウムメトサルフェートからなる群から選択され、最も好ましくは変性ポリエチレンイミンである。
一実施形態において、変性ポリエチレンイミンは疎水性変性ポリエチレンイミンであり、該ポリエチレンイミンは、これの第1級および/または第2級アミノ基の水素の全部または一部を官能基Rで置換することによって疎水性変性され、Rは直鎖または分枝または環状アルキルおよび/またはアリール基であり、1から32個の炭素原子を含有する。このような変性ポリエチレンイミンは、例えば、EP2366456A1に記載されている。
ステップ(iii)で提供される水性懸濁物の固体含有量は、好ましくは0.1から75重量%、好ましくは0.5から40重量%、より好ましくは1から20重量%の範囲である。
ステップ(iv)で提供される水性懸濁物の固体含有量は、好ましくは0.01から75重量%、好ましくは0.5から40重量%、より好ましくは1から20重量%の範囲である。
加えてまたは代替的に、少なくとも1つの捕集剤の含有量は、ステップ(iii)または(iv)で提供される水性懸濁物中の固体の総重量に対して0.001から50重量%の範囲に、好ましくはステップ(iii)または(iv)で提供される固体の総重量に対して0.002から20重量%の範囲に、より好ましくはステップ(iii)または(iv)で提供される水性懸濁物中の固体の総重量に対して0.05から0.8重量%の範囲に、最も好ましくはステップ(iii)または(iv)で提供される水性懸濁物中の固体の総重量に対して0.02から0.1重量%の範囲にあり得る。
フローテーションガスは空気であることが好ましい。
フローテーションガスは、0.01から10.0mmの懸濁物中の気泡サイズを特徴とすることが好ましい。
ガス保持は、好ましくは5から35%である。
フローテーション中、水性懸濁物は、好ましくは5から130℃、より好ましくは10から100℃、さらにより好ましくは15から95℃、最も好ましくは20から95℃の温度を有する。温度の選択は、少なくとも1つの捕集剤の選択に大きく依存する。
該方法は、インキおよび粘土粒子を含有する泡ならびに水性懸濁物または溶液保持相の形成をもたらす間接フローテーションステップを含むと理解される。コート紙が炭酸カルシウム含有材料を含む1つ以上のさらなる層(c)を含む場合、該方法は、インキおよび粘土粒子を含有する泡ならびに炭酸カルシウム含有材料を含む水性懸濁物の形成をもたらす間接フローテーションステップを含む。炭酸カルシウム含有材料は、例えば炭酸カルシウムおよび水溶液を含有する泡の形成をもたらす直接フローテーション法によって、または遠心分離機を使用することによってさらに精製され得る。
一実施形態において、ステップ(vii)の前に、pH調整剤、溶媒、イソプロパノールなどの発泡剤、および高分子電解質からなる群から選択される1つ以上の添加剤が添加され、好ましくはこれらの添加剤の含有量は、ステップ(iii)または(iv)の後に得た水性懸濁物中の固形分の総重量に対して0.0005から1.0重量%、より好ましくは0.001から0.5重量%、最も好ましくは0.001から0.1重量%の範囲である。
本発明の範囲および利益は、本発明の実施形態を例証するためである以下の実施例に基づいてより良好に理解され得る。しかし、これらは特許請求の範囲を制限するとしていかなるようにも一切解釈すべきでない。
1.測定方法
以下では、実施例で行った測定方法について説明する。
<IR分光法>
粉末のIRスペクトルを、ユニバーサルATRサンプリングアクセサリを備えたPerkin−Elmer分光計で測定した。
<UV−VIS分光法>
水溶液/懸濁物のUV−VISスペクトルを、Perkin−Elmer UV−Visセル(光路=10mm)を使用して、Lambda 2UV/Vis分光計(Perkin−Elmer、米国、走査速度240nm/分)で室温にて記録した。
<分光測色評価>
分光測色評価はTechkon SP810 Lambda分光光度計(測定モード:D2 CMYK、DinE、光源:D65、オブザーバ:10°)を用いて行った。
<固体含有量>
懸濁物固体含有量(「乾燥重量」としても公知)は、水分分析装置MJ33(メトラートレド、スイス)を以下の設定:乾燥温度150℃、質量が30秒の期間に亘って1mgを超えて変化しない場合、自動スイッチオフ、1から10gの懸濁物の標準乾燥で使用して決定した。
<灰分>
サンプルの総重量に対するサンプルの灰分(重量%)は、570℃の焼却炉に2時間入れた焼却るつぼ内のサンプルの焼却によって求めた。灰分は残りの無機残留物の総量として測定した。
<TGA>
熱重量分析(TGA)は、メトラートレドTGA/DSC1 STAReシステムを使用して、5から500mgのサンプルに対して、30℃から1000℃の走査温度を25℃/分の速度で、平衡保護のために80mL/分の気流および20mL/分の窒素ガス流にて行った。
<X線蛍光分析(XRF)>
XRF測定を行うために、サンプルを粉砕して微粉とし、次いで6μmスペクトロレンフィルム上のプラスチックカセットに入れた。サンプルの元素組成は、連続波長分散型X線蛍光(ARL(商標)PERFORM’X X線蛍光分光計、サーモフィッシャーサイエンティフィック社、米国)によってヘリウム下で分析した。元素の計算は、半定量的較正(UNIQUANT)によって行った。
<pH>
Mettler Toledo Seven−Multi装置でpHを測定した。懸濁物のpHは、Mettler Toledo Seven Easy pH計およびMettler Toledo InLab(R)Expert Pro pH電極(メトラートレド、スイス)を使用して、24℃±3℃にて測定した。機器の3点較正(セグメント法による。)を、20℃にて4、7および10のpH値を有する市販の緩衝溶液(Aldrich製)を使用して、最初に行った。報告したpH値は、機器によって検出した終点値である(終点は、測定した信号の平均からの差が最後の6秒間に亘って0.1mV未満である場合である。)。
<インキ層の厚さ>
インキ層の厚さは光学顕微鏡で評価した。透過光を使用して光学顕微鏡下で顕微鏡写真を撮影し、明視野法を利用してサンプルの適切な照度を得た。インキ層の厚さは、各画像上の4つの異なる点にて測定した。画素の大きさは0.13μmであった。
2.用紙の作製
以下の試験で使用した水道水は、15ppmのナトリウムイオンを含有していた。
2.1 コーティング組成物の調製
<コーティング組成物1:Ca交換ベントナイトコーティング組成物>
表1によるコーティング組成物で使用するためのNa−ベントナイト(Optigel CK、Rockwood additives)からCa交換ベントナイトコーティングカラーを調製した。
Figure 0006752892
ベントナイトの3重量%固体含有量ナトリウム形態を調製した。ベントナイトを最初に水道水(38℃)に分散させて、タクトイドの膨潤を助長した。水酸化ナトリウムをさらに添加してpH11を得た。混合物を15分間撹拌して、均一な粘稠度を生じさせた。得られたゲル形態では、分散したベントナイト小板はNaイオンで包囲されている。ゲルを一晩(18時間)エージングさせて、さらなるメイクダウン後の肥厚を回避した。カルシウムイオン交換効果を開始させるために、塩化カルシウムを添加した。混合物にCa2+イオンを添加すると、ベントナイト小板間のインターカレーションが起こる。塩化カルシウムを段階的に添加すると、最終的にゲルが崩壊して液状となった。この現象は、pHが8から9の間に生じた。流動ベントナイトをblue ribbon 589/3(2μm未満)ろ紙を使用して真空下でろ過して、固体含有量(8.5から12.0重量%)を上昇させた。ベントナイトをこの工程中に水道水ですすいだ。コーティング組成物を調製する際に、10重量%の乾燥固体含有量を有するカルボキシメチルセルロースを添加して混合物を再度増粘させた。得られたコーティングカラーの色合いは、オフホワイトグレーであり、水中のベントナイトの最適でない光散乱断面を反映している。最終固体含有量は7.1重量%であった。
<コーティング組成物2:トップコート用GCCカラー>
Figure 0006752892
コーティング組成物2を得るために、GCCスラリーにポリビニルアルコール、Styronal D628、Rheocarb 131およびOBA−APA/Tetra Sulphoを続けて添加し、各成分の添加後にPendraulik LD50高速分散機(50mm直径の分散ディスク、速度約1250rpm)によって室温で2から5分間に亘って均質化した。
2.2 コート紙の作製
用紙1は、市販のA4コピーグレード紙(Cento Plus、80g/m、未コート)である。
用紙2は、粉砕炭酸カルシウムでプレコートしたSAPPI A4紙(100%GCCプレコート)である。
用紙3は、Cコーター(コーター速度3、ロッドタイプ5)でコーティング組成物1によってコートした、未コートコピーグレード紙(80g/m、用紙1)である。コーティング重量FS:3.6g/m
用紙4は、Cコーター(コーター速度3、ロッドタイプ5)で組成物1によってコートして、次にA4形式に切断したSAPPI GCCプレコート紙(用紙2)である。コーティング重量FS:3.9g/m
用紙5は、Cコーター(コーター速度3、ロッドタイプ3)でコーティング組成物2によってさらにコートして、次にA4形式に切断した用紙3である。コーティング重量FS:8.5g/m
2.3 用紙印刷
・2種類のインクジェット印刷システムを使用した:キヤノンPixma iP4850(Chromalife 100染料系インキ、プリントヘッド方式バブルジェット(登録商標)、サーマルインクジェット、プリントヘッド:ファインプリントヘッド1pl、512ノズルk、Y、PBK+1536ノズルc、m;印刷設定:標準、高解像度用紙、印刷解像度:9600×2400dpiHP OfficeJet Pro 8000 Enterprise(顔料系インキ、プリントヘッドシステムバブルジェット(登録商標)、サーマルインクジェット、プリントヘッド:プリントヘッド2個、2112ノズル、印刷設定:標準、最適、印刷解像度:4800×1200dpi)
さらにオフセット印刷を、Skinnexシアンインキを用いてISITシステム(210×21mmバンドの印刷)で行った。
書式1は、A4用紙へのシアン色での185×288mmの矩形印字で、総印刷面積は532.8cmである。
書式2は、A4用紙への6個のシアン矩形印字(24×95mm)、6個のマゼンタ矩形印字(24×95mm)および5個の黒色矩形印字(24×190mm)で、総印刷面積は501.6cmである。
書式3は、7個の印刷片(約210×21mm、Skinnexシアンインキで印刷)からなる。
Figure 0006752892
用紙9の印刷
使用した用紙は、オフセットインキを用いてISIT(インキ表面相互作用試験機)で印刷した(3回)、80g/mSAPPIプレコート(GCC)紙であった。1枚の用紙2を切断して7枚の紙バンドとして、シアンオフセットインキでISIT上に印刷した(3回、2つの連続する層の間の、1時間の乾燥時間)。
用紙13の印刷
この用紙は、インクジェット顔料インキを用いて書式1で印刷し、その後10分間乾燥させた。その後、第1層の上に再び印刷を行い、10分の乾燥後に、第3インキ層を印刷した。
用紙14の印刷
この用紙は、インクジェット顔料インキを用いて書式2で印刷し、その後10分間乾燥させた。次いで、第1層の上に再び印刷を行い、10分の乾燥後に第3インキ層を印刷した。
用紙15の印刷
使用した用紙は、ベントナイト層でコートされ、オフセットインキを用いてISIT(インキ表面相互作用試験機)で印刷した(3回)、SAPPIプレコート(GCC)紙であった。
1枚のA4用紙を縦に切断して7片とし、シアンオフセットインキ(Novavit 4 X 800 SKINNEX Cyan、互いの上に重ねた3つの連続印刷層、2つの連続層の間で、1時間の乾燥時間)を用いてISITで印刷した。
3.顔料インキによる脱墨およびフローテーション
以下の試験で使用した水道水は15ppmのナトリウムイオンを含有していた。以下の試験で使用した変性ポリエチレンイミンポリマーは、分子量(M)が5000g/molのポリエチレンイミン骨格を有し、EP2366456A1に記載されているように飽和C5脂肪酸で変性されている。
[実施例1]
印刷用紙11の脱墨およびフローテーション(本発明の実施例)
<ステップA):用紙からのインキ脱着>
1枚のA4印刷用紙11をビーカー(5L)内の脱イオン水2.2Lに浸漬し、特に撹拌することなく10分間放置した。インキはシートから大型粒子として「滑り」、黒色は完全に除去されたが、青色および赤色のスキームは用紙上にわずかに赤色/ピンク色の痕跡を残した。その後、脱色した用紙をビーカーから取り出し、懸濁物中のインキ粒子を含む水をフローテーション精製に直接使用した。得られた混合物のpHは9.1であった。
<ステップB):フローテーションによる精製>
フローテーションは、Outotec Labcellフローテーション装置で行った。ステップA)で得た水性懸濁物2Lをフローテーションフラスコに入れた。混合物を空気流(55Hz、1650rpm、空気流:4から6l/分)下で2分間撹拌した。この期間の後、変性ポリエチレンイミンポリマー(1.0g、7.5重量%固体含有量)を添加した。空気流を停止し、混合物をさらに2分間撹拌した。次いで、空気流を20分間(4から6l/分)オンにした。ピンク色/紫色の泡が現れ、2分後に水懸濁物が透明になった。その期間の後、水サンプルには着色した粒子が目視されなかった。フローテーションを停止し、各種の画分(除去した泡および清浄な水)を分析した。
廃棄物(除去泡画分):暗紫色、V=250ml、pH=8.3
清浄な水:懸濁物中の微量の粒子を含む無色、V=1.75l、pH=8.3。
<ステップC:ろ過>
廃棄物画分をBuchner漏斗(Whatmanグレード589/3定性ろ紙)を用いてろ過し、脱イオン水で洗浄して、90℃にて4時間減圧乾燥した。暗色粉末80mgを回収して分析した。
<分析>
<IR>
廃棄物画分は、ベントナイトに起因し得る1000cm−1のピークを示した(Si−O結合、図1を参照のこと)。
<UV/Vis>
図2は、フローテーション前後の水性懸濁物(1回ろ過)のUV−visスペクトルを示す。
<分光光度法>
青色印刷部でシアン濃度を測定した。
赤色印刷部でマゼンタ濃度を測定した。
黒色印刷部でブラック濃度を測定した。
記載した値は、10回の測定値の平均である。
Figure 0006752892
<組成分析>
材料の各種の画分の組成を以下の技術を用いて分析した:
・灰分の測定
・熱重量分析
・半定量的XRF分析(UNIQUANT)
・FTIRスペクトル
結果を以下の表5および表6にまとめる。
Figure 0006752892
Figure 0006752892
[実施例2]
印刷用紙16の脱墨およびフローテーション(本発明の実施例)
<ステップA):用紙からのインキ脱着>
1枚のA4印刷用紙16をビーカー(5l)内の脱イオン水2.2lに浸漬し、特に撹拌することなく10分間放置した。インキはシートから極大型の小板として「滑り」、黒色は完全に除去されたが、青色および赤色のスキームは用紙上にわずかに赤色/ピンク色の痕跡を残した。その後、脱色した用紙をビーカーから取り出し、懸濁物中のインキ粒子を含む水(わずかに赤色で、問題の外観)をフローテーション精製に直接使用した。得られた混合物のpHは9.1であった。
<ステップB):フローテーションによる精製>
フローテーションは、Outotec Labcellフローテーション装置で行った。ステップA)で得た水性懸濁物2lをフローテーションフラスコに入れた。混合物を空気流(55Hz、1650rpm、空気流:4から6l/分)下で2分間撹拌した。この期間の後、変性ポリエチレンイミンポリマー(1.0g、7.5重量%固体含有量)を添加した。空気流を停止し、混合物をさらに2分間撹拌した。次いで、空気流を20分間(4から6l/分)オンにした。ピンク色/紫色のインキ粒子を含むピンク色/紫色の泡が現れた。水サンプルの迅速な脱色が認められたが、多くのインキ粒子が懸濁物中に残っていた。変性ポリエチレンイミンポリマーをさらに0.5g添加し、これにより表面上にインキ粒子を含む無色の泡が形成された。20分後、表面にてこれ以上のインキ粒子は認められなかった。フローテーションを停止し、各種の画分(除去した泡および清浄な水)を分析した。
廃棄物(除去泡画分):暗紫色、V=200ml、pH=8.5
清浄な水:懸濁物中に残存する微量の小型インキ粒子を含む無色、V=1.8l、pH=8.3。
<ステップC:ろ過>
廃棄物画分をBuchner漏斗(Whatmanグレード589/3定性ろ紙)を用いてろ過し、脱イオン水で洗浄して、90℃にて4時間減圧乾燥した。紫色/多色粒子0.9gを回収して分析した。
<分析>
<IR>
廃棄物画分は、ベントナイトに起因し得る1000cm−1のピーク(Si−O結合、図3を参照のこと)および炭酸カルシウムに起因し得る1400cm−1のピークを示した。
<UV/Vis>
図4は、フローテーション前後の水性懸濁物(1回ろ過)のUV−visスペクトルを示す。
<分光光度法>
青色印刷部でシアン濃度を測定した。
赤色印刷部でマゼンタ濃度を測定した。
黒色印刷部でブラック濃度を測定した。
記載した値は、10回の測定値の平均である。
Figure 0006752892
<組成分析:>
Figure 0006752892
Figure 0006752892
[実施例3]
印刷用紙6の脱墨およびフローテーション(比較例)
<ステップA):用紙からのインキ脱着>
1枚のA4印刷用紙16をビーカー(5l)内の水道水2.2lに浸漬し、特に撹拌することなく10分間放置した。水道水中に目視できる粒子は放出されず、紙の脱色も認められなかった。水のわずかなピンク色着色のみが認められた。
<分光光度法>
青色印刷部でシアン濃度を測定した。
赤色印刷部でマゼンタ濃度を測定した。
黒色印刷部でブラック濃度を測定した。
記載した値は、10回の測定値の平均である。
Figure 0006752892
[実施例4]
印刷用紙13の脱墨およびフローテーション(本発明の実施例)
<ステップA)>:用紙からのインキ脱着
1枚のA4印刷用紙13をビーカー(5l)内の水道水2.2l中に浸漬した。混合物を10分間に亘って規則的に撹拌した。インキはシートから小板としてゆっくり「滑り」、黒色は完全に除去されたが、青色および赤色のスキームは用紙上にわずかに赤色/ピンク色の痕跡を残した。その後、脱色した用紙をビーカーから取り出し、懸濁物中のインキ粒子を含む水(わずかに紫色で、問題の外観)をフローテーション精製に直接使用した。得られた混合物のpHは7.9であった。
<ステップB)>:フローテーションによる精製
フローテーションは、Outotec Labcellフローテーション装置で行った。ステップA)で得た水性懸濁物2lをフローテーションフラスコに入れた。混合物を空気流(55Hz、1650rpm、空気流:4から6l/分)下で2分間撹拌した。この期間の後、変性ポリエチレンイミンポリマー(0.8g、11.0重量%固体含有量)を添加した。空気流を停止し、混合物をさらに2分間撹拌した。次いで、空気流を20分間(4から6l/分)オンにした。ピンク色/紫色の大型インキ粒子を含むピンク色/紫色の泡が現れた。水サンプルの迅速な脱色が認められたが、目視できるインキ粒子が懸濁物中に残っていた。変性ポリエチレンイミンポリマーをさらに0.4g添加し、これにより表面上にインキ粒子を含む無色の泡が形成された。10分後に、完全な脱色が起こった。フローテーションを停止し、各種の画分(除去した泡および清浄な水)を分析した。
廃棄物(除去泡画分):暗紫色、V=300ml、pH=8.2
清浄な水:無色、多くない量の粒子が存在、V=1.7l、pH=8.0。
<ステップC:ろ過>
廃棄物画分をBuchner漏斗(Whatmanグレード589/3定性ろ紙)を用いてろ過し、脱イオン水で洗浄して、90℃にて4時間減圧乾燥した。紫色/着色粒子0.28gを回収して分析した。
<分析>
<IR>
廃棄物画分は、ベントナイトに起因し得るおよそ1000cm−1のピーク(Si−O結合、図5を参照のこと)および炭酸カルシウムに起因し得るおよそ1400cm−1のピークを示した。
<UV/Vis>
図6は、フローテーション前後の水性懸濁物のUV−visスペクトルを示す。
<分光光度法>
青色印刷部でシアン濃度を測定した。
Figure 0006752892
<インキ層の厚さ:>
Figure 0006752892
<組成分析:>
Figure 0006752892
Figure 0006752892
[実施例5]
印刷用紙14の脱墨およびフローテーション(本発明の実施例)
<ステップA):用紙からのインキ脱着>
1枚のA4印刷用紙14をビーカー(5l)内の水道水2.2l中に浸漬した。混合物を10分間に亘って規則的に撹拌した。インキはシートから小型粒子として「滑り」、青色、特に赤色印刷領域から紙にピンク色の痕跡が残った。その後、脱色した用紙をビーカーから取り出し、懸濁物中のインキ粒子を含む水をフローテーション精製に直接使用した。得られた混合物のpHは7.4であった。
<ステップB):フローテーションによる精製>
フローテーションは、Outotec Labcellフローテーション装置で行った。ステップA)で得た水性懸濁物2Lをフローテーションフラスコに入れた。混合物を空気流(55Hz、1650rpm、空気流:4から6l/分)下で2分間撹拌した。この期間の後、変性ポリエチレンイミンポリマー(0.8g、11.0重量%固体含有量)を添加した。空気流を停止し、混合物をさらに2分間撹拌した。次いで、空気流を20分間(4から6l/分)オンにした。ピンク色/紫色の大型インキ粒子を含むピンク色/紫色の泡が現れた。水サンプルの迅速な脱色が認められたが、目視できるインキ粒子が懸濁物中に残っていた。10分後、変性ポリエチレンイミンポリマーをさらに0.6g添加し、これにより表面上にインキ粒子を含む無色の泡が形成された。10分後、脱色が完了したが、多少の細かい暗色粒子(黒色)が懸濁物中に残存している。フローテーションを停止し、各種の画分(除去した泡および清浄な水)を分析した。
廃棄物(除去泡画分):暗紫色、V=300ml、pH=8.2
清浄な水:無色、多くない量の粒子が存在、V=1.7l、pH=8.0。
<ステップC:ろ過>
廃棄物画分をBuchner漏斗(Whatmanグレード589/3定性ろ紙)を用いてろ過し、脱イオン水で洗浄して、90℃にて4時間減圧乾燥した。紫色/着色粒子0.26gを回収して分析した。
<分析>
<IR>
廃棄物画分は、ベントナイトに起因し得る1000cm−1のピークを示した(Si−O結合)、(図7)。
<分光光度法>
青色印刷部でシアン濃度を測定した。
赤色印刷部でマゼンタ濃度を測定した。
黒色印刷部でブラック濃度を測定した。
記載した値は、10回の測定値の平均である。
Figure 0006752892
<組成分析>
Figure 0006752892
Figure 0006752892
[実施例6]
印刷用紙6の脱墨およびフローテーション(比較例)
<ステップA):用紙からのインキ脱着:>
1枚のA4印刷用紙6を脱イオン水2lに浸漬し、特に撹拌することなく10分間放置する。目視できる粒子は水中に放出されず、紙は脱色しない。水のわずかなピンク色着色のみが認められる。
<色評価のための分光測光法:>
青色印刷部でシアン濃度を測定した。
赤色印刷部でマゼンタ濃度を測定した。
黒色印刷部でブラック濃度を測定した。
Figure 0006752892
[実施例7]
印刷用紙8の脱墨およびフローテーション(比較例)
<ステップA):用紙からのインキ脱着>
1枚のA4印刷用紙8をビーカー(5l)内の水道水2l中に浸漬して、10分間に亘って手動で規則正しく撹拌した。目視できる粒子は水中にほぼ放出されず、紙は脱色しない。水道水のわずかなピンク色着色のみが認められた。その後、用紙をビーカーから取り出し、色濃度を各区域で測定した。
<色評価のための分光測光法>
青色印刷部でシアン濃度を測定した。
赤色印刷部でマゼンタ濃度を測定した。
黒色印刷部でブラック濃度を測定した。
記載した値は、10回の測定値の平均である。
Figure 0006752892
[実施例8]
印刷用紙17の脱墨およびフローテーション(本発明の実施例)
<ステップA):用紙からのインキ脱着>
1枚のA4印刷用紙17をビーカー(5l)内の2.2lの脱イオン水に浸漬し、1時間特に撹拌することなく放置した。多少のインキが溶解し(青色着色)、粒子がシートから「滑った」。さらに1時間後、脱色した紙をビーカーから取り出すと、紙表面に色の痕跡がなお見える。懸濁物中のインキ粒子(急速に沈降した粒子)を含む水(濃青色)をフローテーション精製に直接使用した。得られた混合物のpHは8.1であった。
<ステップB):フローテーションによる精製>
フローテーションは、Outotec Labcellフローテーション装置で行った。ステップA)で得た水性懸濁物2lをフローテーションフラスコに入れた。混合物を空気流(55Hz、1650rpm、空気流:4から6l/分)下で2分間撹拌した。この期間の後、変性ポリエチレンイミンポリマー(1.0g、7.5重量%固体含有量)を添加した。空気流を停止し、混合物をさらに2分間撹拌した。次いで、空気流を10分間(4から6l/分)オンにした。10分後、泡を含む暗色粒子が現れ、発泡の減少が認められたが、サンプルはかなり着色したままであった。変性ポリエチレンイミンポリマーをさらに1g(7.5重量%固体含有量)加え、フローテーションをさらに10分間続けた。試料の完全な脱色が起こり、サンプルには着色粒子が目視されなかったが、多少の微量の白色粒子が懸濁物中に残存していた。フローテーションを停止し、各種の画分(除去した泡および清浄な水)を分析した。
廃棄物(除去泡画分):暗紫色、V=300ml、pH=8.3
清浄な水:無色、有意な量の粒子は存在しない、V=1.7L、pH=7.6
<ステップC:ろ過>
廃棄物画分をBuchner漏斗(Whatmanグレード589/3定性ろ紙)を用いてろ過し、脱イオン水で洗浄して、90℃にて4時間減圧乾燥した。灰色粉末0.39gを回収して分析した。
<分析>
<IR>
廃棄物画分は、ベントナイトに起因し得る1000cm−1のピーク(Si−O結合、図8参照)、および炭酸カルシウムに起因し得る1400cm−1のピークを示した。
<UV/Vis>
図9は、フローテーション前後の水性懸濁物のUV−visスペクトルを示す。
<分光光度法>
青色印刷部でシアン濃度を測定した。
赤色印刷部でマゼンタ濃度を測定した。
黒色印刷部でブラック濃度を測定した。
記載した値は、10回の測定値の平均である。
Figure 0006752892
<組成分析>
Figure 0006752892
Figure 0006752892
[実施例9]
印刷用紙7の脱墨およびフローテーション(比較例)
<ステップA):用紙からのインキ脱着>
1枚のA4印刷用紙7をビーカー(5l)内の2.2lの脱イオン水に浸漬し、1時間特に撹拌することなく放置した。多少のインキが溶解し、粒子が水中に入った(溶解および懸濁)。さらに1時間後、脱色した紙をビーカーから取り出すと、紙表面に色の痕跡がなお見える。懸濁物中のインキ粒子(急速に沈降した粒子)を含む水(濃青色)をフローテーション精製に直接使用した。得られた混合物のpHは7.9であった。
<ステップB):フローテーションによる精製>
フローテーションは、Outotec Labcellフローテーション装置で行った。ステップA)で得た水性懸濁物2Lをフローテーションフラスコに入れた。混合物を空気流(55Hz、1650rpm、空気流:4から6l/分)下で2分間撹拌した。この期間の後、変性ポリエチレンイミンポリマー(1.0g、7.5重量%固体含有量)を添加した。空気流を停止し、混合物をさらに2分間撹拌した。次いで、空気流を10分間(4から6l/分)オンにした。10分後、泡を含む暗色粒子が現れ、発泡の減少が認められたが、サンプルはかなり着色したままであった。変性ポリエチレンイミンポリマーをさらに1g(7.5重量%固体含有量)加え、フローテーションをさらに10分間続けた。その後、水サンプルはほとんど無色(わずかに青色)であった。フローテーションを停止し、各種の画分(除去した泡および清浄な水)を分析した。
廃棄物(除去フォーム分率):暗紫色、V=200ml、pH=7.3
清浄な水:無色、有意な量の粒子は存在しない、V=1.8l、pH=7.2。
<分析>
<分光光度法>
青色印刷部でシアン濃度を測定した。
赤色印刷部でマゼンタ濃度を測定した。
黒色印刷部でブラック濃度を測定した。
記載した値は、10回の測定値の平均である。
Figure 0006752892
<組成分析>
Figure 0006752892
Figure 0006752892
[実施例10]
用紙15の脱墨およびフローテーション(本発明の実施例)
<ステップA):用紙からのインキ脱着>
1枚のA4印刷用紙15をビーカー(5l)内で2.2lの水道水に浸漬し、1時間特に撹拌することなく放置した。紙は比較的疎水性であり、紙が実際に濡れた後にインキが離れ、インキ層を除去するために手動撹拌が必要であった。10分後、脱色した用紙をビーカーから取り出し、インキ粒子が分散した着色水をフローテーション精製に直接使用した。得られた混合物のpHは7.4であった。
<ステップB):フローテーションによる精製>
フローテーションは、Outotec Labcellフローテーション装置で行った。ステップA)で得た水性懸濁物2lをフローテーションフラスコに入れた。混合物を空気流(55Hz、1650rpm、空気流:4から6l/分)下で2分間撹拌した。この期間の後、変性ポリエチレンイミンポリマー(0.8g、11重量%固体含有量)を添加した。空気流を停止し、混合物をさらに2分間撹拌した。次いで、空気流を10分間(4から6l/分)オンにした。青色インキ粒子を含むほぼ無色の泡が現れた。変性ポリエチレンイミンポリマー0.6g(7.5重量%固体含有量)をさらに加え、フローテーションをさらに10分間続けた。その後、水サンプルはほとんど無色であり、粒子がなかった。フローテーションを合計20分後に停止し、各種の画分(除去した泡および清浄水)を分析した。
廃棄物(除去泡画分):青色の水および粒子、V=300ml、pH=8.1
清浄な水:無色、有意な量の粒子は存在しない、V=1.7L、pH=8.1。
<ステップC:ろ過>
廃棄物画分をBuchner漏斗(Whatmanグレード589/3定性ろ紙)を用いてろ過し、脱イオン水で洗浄して、90℃にて4時間減圧乾燥した。青色および白色の粒子0.25gを回収して分析した。フローテーションからの「清浄」画分もろ過すると、ろ紙上に残渣が回収されなかった。
<IR>
廃棄物画分は、ベントナイトに起因し得る1000cm−1のピークを示した(図10)。
<分光光度法>
青色印刷部でシアン濃度を測定した。
記載した値は、10回の測定値の平均である。
Figure 0006752892
<組成分析>
Figure 0006752892
Figure 0006752892
<インキ層の厚さ:>
Figure 0006752892
[実施例11]
紙9の脱墨およびフローテーション(比較例)
<ステップA):用紙からのインキ脱着>
用紙9の6.5本の紙バンド(寸法21×215mm)をビーカー(5l)内で2.2lの水道水に浸漬し、1時間特に撹拌することなく放置した。紙は比較的疎水性であり、紙が実際に濡れた後にインキが離れ、インキ層を除去するために10分間に亘る手動撹拌が必要であった。用紙からは何も除去されず、10分後、脱色紙をビーカーから取り出した。水は完全に透明であり、すべてのインキが用紙上に残存していた。
<分光光度法>
青色印刷部でシアン濃度を測定した。
記載した値は、10回の測定値の平均である。
Figure 0006752892

Claims (29)

  1. コート紙または板紙の脱墨方法であって、以下のステップ:
    (i)コート紙または板紙を提供するステップであって、コート紙または板紙が、
    (a)以下のものを含有するコーティング組成物からなる少なくとも1層:
    (a1)カルシウム交換粘土またはマグネシウム交換粘土、
    (a2)結合剤
    (b)インキを含み、0.1から10μmの範囲内の厚さを有する少なくとも1層
    を含むものであるステップ、
    (ii)ステップ(iii)の前または間に、前記カルシウム交換粘土またはマグネシウム交換粘土を活性化するステップであって、
    (A)ナトリウム、リチウム、カリウム、アンモニウムおよびこれらの混合物からなる群から選択される1価イオンを含む水を用いてステップ(iii)を実施するステップ、および/または
    (B)ステップ(i)において、水に溶解性であり、且つナトリウム、リチウム、カリウム、アンモニウムおよびこれらの混合物からなる群から選択される1価イオンを含む結合剤(a2)を提供するステップ、および/または
    (C)ナトリウム、リチウム、カリウム、アンモニウムおよびこれらの混合物からなる群から選択される1価イオンを、ステップ(iii)の前または間に塩の形態で添加するステップ
    によって活性化するステップ、
    (iii)ステップ(i)で提供された前記コート紙または板紙を水で処理して、少なくともインキ、粘土粒子および紙パルプまたは紙残渣を含む水性懸濁物を得るステップ
    を含み、層(a)は層(b)よりも前に前記紙または板紙上に堆積されている方法。
  2. ステップ(iii)で得た前記水性懸濁物から前記紙または板紙を分離するさらなるステップ(iv)を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記粘土が、ベントナイト、スメクタイト、モンモリロナイトおよびこれらの混合物からなる群から選択されるカルシウム交換ナノ粘土である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記粘土が、ベントナイトである、請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記活性化ステップ(ii)が、
    (A)カルシウムイオンまたはマグネシウムイオンに対して過剰量の、ナトリウム、リチウム、カリウム、アンモニウムおよびこれらの混合物からなる群から選択される1価イオンを含む水を用いてステップ(iii)を実施するステップ、および/または
    (B)ステップ(i)において、カルシウムイオンまたはマグネシウムイオンに対して、水に可溶性であり、且つナトリウム、リチウム、カリウム、アンモニウムおよびこれらの混合物からなる群から選択される1価イオンを含む結合剤(a2)を提供するステップ、および/または
    (C)ステップ(iii)の前または間に、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウムおよびこれらの混合物からなる群から選択される塩の形態のナトリウムイオンを添加するステップ
    である請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記活性化ステップ(ii)が、
    (A)カルシウムイオンまたはマグネシウムイオンに対して過剰量のナトリウムイオンを含む水を用いてステップ(iii)を実施するステップ、および/または
    (B)ステップ(i)において、水に可溶性であり、且つナトリウムイオンを含む結合剤(a2)を提供するステップ、および/または
    (C)ステップ(iii)の前または間に、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウムおよびこれらの混合物からなる群から選択される塩の形態のナトリウムイオンを添加するステップ
    である請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記結合剤が水溶性であり、デンプン、カルボキシメチルセルロースおよびこれらの混合物からなる群から選択され、および/または前記コーティング組成物が、水分散性である別の結合剤を含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記結合剤がカルボキシメチルセルロースであり、および/または前記コーティング組成物が、水分散性である別の結合剤を含み、当該別の結合剤がラテックス結合剤である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記コート紙が、1から30g/m 炭酸カルシウム含有材料を含む少なくとも1つの層(c)を含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記コート紙が、5から20g/m の炭酸カルシウム含有材料を含む少なくとも1つの層(c)を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記炭酸カルシウム含有材料が粉砕炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、表面改質炭酸カルシウムまたはこれらの混合物から選択される、請求項9または10に記載の方法。
  12. 前記炭酸カルシウム含有材料が天然粉砕炭酸カルシウムである、請求項9または10に記載の方法。
  13. 前記炭酸カルシウム含有材料が天然炭酸カルシウム源から選択される、請求項または11に記載の方法。
  14. 前記炭酸カルシウム含有材料が大理石、石灰石、チョーク、ドロマイトおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項9または11に記載の方法。
  15. 前記少なくとも1つのインキ層の厚さが0.75から5μmの範囲である、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記少なくとも1つのインキ層の厚さが0.9から2.1μmの範囲である、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  17. ステップ(iii)で適用される前記水が水道水、脱イオン水およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
  18. ステップ(iii)で適用される前記水が水道水である、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
  19. ステップ(iii)の間に、前記紙または板紙の表面のこすり落としを行う、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記コーティング組成物中のカルシウム交換粘土またはマグネシウム交換粘土(a1)の含有量が前記コーティング組成物の総重量に対して3から15重量%であり、および/または前記少なくとも1つの層(a)のコーティング重量が、0.1から20g/m ある、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記コーティング組成物中のカルシウム交換粘土またはマグネシウム交換粘土(a1)の含有量が前記コーティング組成物の総重量に対して5から12重量%であり、および/または前記少なくとも1つの層(a)のコーティング重量が、1から10g/m である、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記コーティング組成物中の前記結合剤(a2)の含有量が、前記コーティング組成物の総重量に対して、0.1から12重量%の範囲である、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記コーティング組成物中の前記結合剤(a2)の含有量が、前記コーティング組成物の総重量に対して、0.2から5重量%の範囲である、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
  24. 層(b)中のインキが、インキ系または染料系のインクジェットインキ、レーザー印刷インキおよび/またはトナー、オフセットインキ、フレキソインキ、輪転グラビアインキおよびこれらの混合物からなる群から選択されるデジタル印刷インキである、請求項1から23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記方法がさらに、以下のステップ:
    (v)ステップ(iii)または(iv)で得た前記水性懸濁物をフローテーションセルに移すステップ、および/または
    (vi)ステップ(iii)、(iv)または(v)で得た前記水性懸濁物に少なくとも1つの捕集剤を添加するステップ、および
    (vii)ステップ(vi)で形成された前記水性懸濁物中にフローテーションガスを通過させて、水ならびに粘土およびインキを含む泡を含む相を得るステップ、および
    (viii)ステップ(vii)で得た前記泡を水から分離するステップ
    を含む、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記少なくとも1つの捕集剤が、変性ポリエチレンイミン、活性および疎水性界面活性剤、およびイミダゾリンまたは第4級イミダゾリウム化合物からなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記活性および疎水性界面活性剤が、キサンテートまたはチオホスフェート、アルキルサルフェート、ポリアルキレンイミン、第1級アミン、第3級アミン、第4級アミン、脂肪アミン、エステルクォート、ポリエステルクォートであり、前記イミダゾリンまたは第4級イミダゾリウム化合物が、第4級イミダゾリウムメトサルフェートから選択される、請求項26に記載の方法。
  28. 前記少なくとも1つの捕集剤の含有量が、ステップ(iii)または(iv)で提供される前記水性懸濁物中の固体の総重量に対して0.001から50重量%の範囲にある、請求項25から27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記少なくとも1つの捕集剤の含有量が、前記粘土粒子および任意の他の充填剤の重量の総重量に対して0.002から20重量%の範囲にある、請求項25から27のいずれか一項に記載の方法。
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