JP6752859B2 - 距離測定型光電センサ及び距離測定方法 - Google Patents

距離測定型光電センサ及び距離測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、請求項1又は15のプレアンブルに記載の距離測定型光電センサ並びに監視領域内の物体の検出及び距離測定方法に関する。
光学的な距離測定のために光信号の伝播時間を測定することがよくある。伝播時間は光の速度を通じて距離に対応する。距離測定型の光検知器は、距離を測定すべき目標物に合わせて向きが調整される。更に測定領域を広げるために、例えばレーザスキャナで行われるように走査光線を動かすことが可能である。この場合、レーザにより生成された光線が偏向ユニットを介して周期的に監視領域を掃引する。測定された距離情報に加えて、偏向ユニットの角度位置から監視領域内での物体の位置が推定され、以て監視領域内での物体の位置が2次元極座標で検出される。ほとんどのレーザスキャナでは走査運動が回転鏡によって達成される。もっとも、例えば特許文献1に記載されているように、発光器と受光器を有する測定ヘッド全体を回転させるという方法も知られている。
従来より光伝播時間の測定はパルスに基づくものと位相に基づくものに分けられる。パルス伝播時間法では短い光パルスが送出され、該光パルスの拡散反射又は直反射を受光するまでの時間が測定される。一方、位相法では発信光が振幅変調され、発信光と受信光の間の位相のずれが求められる。この位相のずれが同様に光伝播時間の尺度となる。
パルス法は更に、測定毎に強いパルスを1つだけ用いる個別パルス測定といわゆるパルス平均法とに区別できる。後者では複数の個別パルスが送出され、それに対応する受信信号が蓄積され、まとめて評価される。特許文献2はこのような方法を紹介している。その方法は、個々の受信信号を二値化処理によって単に二値的に読み出すもので、非常に効率的に実装できる。特許文献3ではそれが2つの閾値を用いて受信信号の3つの状態を区別するように拡張されている。特許文献4では複数の閾値でサンプリングが行われる。多くの公知のパルス平均法と同様、ここでも受信路のアナログ部分での適切なフィルタリングが非常に重要な役割を果たす。
個別パルス法はパルスのエネルギーが比較的高いため、射程が長く、信号雑音比が高いという特徴がある。その上、マルチエコー測定、つまり測定光線上で前後に並んだ半透明な複数の物体までの距離を測定できる。その代わり測定精度が制限される。これはパルス長と関連がある。個別パルスをピコ秒領域で生成することは技術的に非常にコストがかかるばかりではない。普通の射程を得ようとすると、例えば250ピコ秒のパルス長でも1kW程度という極めて高いパルスパワーが必要になる。
位相法は様々な点で正反対の挙動を示す。信号雑音比が十分であればごくわずかなシステム的な誤差しか生じない。なぜなら、サンプリングに対する発光のジッタ等の妨害作用がクォーツの精度まで均されるからである。しかし、平均を取るということは、複数の目標物からのマルチエコーに対応できないということも意味する。また、発信信号は常に作動状態であるため、目の保護のために光の出力パワーを低く(例えば1mWに)して作動させなければならない。比較的短い距離でも有効光は既に絨毯のようなノイズに埋もれてしまうため、信号雑音比が非常に悪く、射程が限られてしまう。また、変調周波数に依存する一義性領域が存在する。ところが、測定精度も変調周波数と関係しており、変調周波数を高くすると一義性領域が一層縮小する。これに対処するため、従来法では複数の変調周波数が次々に用いられるが、そうすると測定時間が長くなる。
位相法の場合、一義性の問題は別にして、特に高い測定精度につながるような非常に高い変調周波数が望まれる。しかし、変調周波数は受光器側でそれを写し取ることが可能な程度でなければならない。受光素子は通常、PINダイオード又はAPD(アバランシェフォトダイオード)であるが、その最も高い帯域はダイオードの寄生容量と受信路にあるトランスインピーダンス増幅器の入力抵抗との関係により制限される。ここでは帯域とフォトダイオードの大きさが互いに影響し、それが光学的な効率を決める。即ち、帯域が高くなればなるほどフォトダイオードが小さくなり、光学的な効率も悪くなる。逆も然りである。大きさが1mmのフォトダイオードなら、今日の技術水準によれば100MHz領域の変調周波数が達成できる。GHz領域の変調周波数に達するには前記の1mmという面積を少なくとも一桁小さくする必要があるが、通常、このように小さな面積への入射光ではもはや十分に安定した検出はできない。
特に高い感度を達成するために、APDに降伏電圧を超えるバイアス電圧を印加し、いわゆるガイガーモードで駆動することができる(シングルフォトンアバランシェダイオード:SPAD)。普通のAPDの場合、光が入射すると、制御されたアバランシェ降伏(アバランシェ効果)が誘発され、受光強度に比例した光電流が生じる。一方、ガイガーモードでは、1個の光子により解放されるわずか1個の電荷担体でも、制御されないアバランシェを誘発するのに十分である。電界強度が高いため、このアバランシェは利用可能な全ての電荷担体を取り込む。その後、アバランシェは止まり(受動クエンチ)、一定の無駄時間の間、もはや検出には利用できない。あるいは、アバランシェを外部から認識して鎮める(能動クエンチ)という方法も知られている。1つの特徴は、外部光子や暗騒音のような極めて軽微な妨害事象でも有効光の信号と同じ最大の受信信号が生じるということである。
SPADの受信信号を距離測定に利用できるようにするにはそれを読み出す又は計測する必要がある。しかし、従来のアプローチでは周波数が高い場合にそれがうまくいかない。故に、SPADの高い感度も、帯域と光学的な効率の間にある前述の矛盾を克服する上では差し当たり役に立たない。特許文献5から、能動結合素子を通じて読み出されるためはるかに高い帯域を処理できるSPAD型受光器が知られている。しかし、同文献ではそれが位相法と特に関連付けられてはいない。
従って、距離測定型センサの場合、光伝播時間を測定する各方法のいずれの長所が必要であるかを、予定された応用分野に応じて決定し、その短所を受け入れざるを得なかった。パルス平均法は個別パルス法と位相法の中間的な位置にあるため良い妥協案となり得る。しかし、それは逆に、弱められた形ではあるが2つの方法の短所がまだ残っているという意味でもある。
DE 197 57 849 B4 EP 1 972 961 B1 EP 2 942 645 B1 EP 2 942 644 B1 EP 3 124 992 B1
故に、本発明の課題は、光伝播時間法における距離測定を改善することである。
この課題は、請求項1又は15に記載の距離測定型光電センサ並びに監視領域内の物体の検出及び距離測定方法により解決される。該センサはまず、光信号を送出し、それを再度受信し、受信信号を評価することにより光伝播時間を測定して物体までの距離を測定するため、通常のように発光器、受光器並びに制御及び評価ユニットを備えている。
本発明の出発点となる基本的な考え方は、パルス法と位相法から成る組み合わせを作り出すということにある。そのために、パルス形状に加えて別の種類の変調が施されたパルスが発信信号として用いられる。このように変調されたパルス(以下、単に「変調パルス」と呼ぶ)はバーストと呼んでもよく、パルス法又は位相法のために用いられる信号の重畳をまず発信側で行うものである。なお、念のために明記しておくが、この変調は光の波長とは関係がない振幅変調である。
受信信号において、まずパルス法と同様に受信時点が探索される。これは結局、受信信号(例えば変調パルスの包絡線)におけるパルスの位置の解析である。得られた情報はパルスに基づく第1の距離測定値に対応し、例えば変調パルスの重心からまだ比較的精度が低い第1の距離値が得られる。他方で、位相法と同様に発信信号と受信信号の間の位相差、言い換えれば受信信号の位相位置が特定される。目標物が複数ある場合に位相情報が混ざり合わないように、位相位置の特定は受信時点の近傍に限定することが好ましい。この位相差により受信時点に基づく距離測定の精度が高められる。これは、受信時点を通じたパルスに基づく測定により位相法の多義性が解消される、と解釈することもできる。こうして、受信信号においては、パルスに基づき、実際の距離に対応する正しい周期がバースト内で同定され、更にその周期内における正確な位相位置が特定される。また、複数の目標物からのマルチエコーがある場合、受信時点に基づいてその都度の正しいバーストを認識することができる。
本発明には、パルス法と位相法の長所が組み合わされつつ、同時に両者の短所が大幅に補償されるという利点がある。従って、パルス法のように長い射程で高い信号雑音特性が達成される。一義性領域はパルス法に相当しており、実用上はせいぜいパルスの繰り返し周波数により制限されるに過ぎず、マルチエコーの機能も従来どおり維持されている。一方、精度は位相法により決まるが、ここでは非常に高い変調周波数を選ぶことができる。なぜなら、位相法につきものの一義性の問題が前記組み合わせによって解消されるからである。測定は非常に高速なままであり、個別パルス乃至は単一のバーストから既に距離を特定できる。その際、パルス平均法に似たマルチパルス法の利用も考えられる。測定精度が非常に高くてもコストは低い。なぜなら、高周波数用の標準的な構成要素(発振器、ミキサ、フィルタ等)で高周波数領域を利用できるからである。様々な長所の間で個々のパラメータの変更に簡単に優先順位をつけることができるため、拡張性も保証されている。
パルスは少なくとも500MHz、少なくとも1GHz、少なくとも2GHz、又はそれを超える周波数で変調されることが好ましい。このような周波数はこれまで位相法において従来技術で用いられている周波数に比べてはるかに高いため、測定精度も大幅に改善される。特に2.4GHzのISM周波数帯域(Industrial, Scientific and Medical Band)の利用が好ましい。なぜならこの帯域には数多くの市販の高周波用部品が提供されているからである。原理的には他の周波数帯域、例えば5GHz帯域など、将来的な標準により利用される他の周波数帯域も考えられる。個別パルス法でGHz信号の周期に相当するパルス長を用いるにはピコ秒レベルのパルスが必要になるが、そうすると冒頭で既に述べたように非現実的な高いパルスパワーが必要である。
好ましくは、制御及び評価ユニットがベース周波数を供給し、且つ、パルスを変調するための変調周波数まで周波数を上げるための、ベース周波数より高速なクロック発生器を有する発信側ミキサを備えている。ベース周波数は、例えば10MHz等、制御及び評価ユニットにおいて容易に処理できる周波数であって、後でパルスの変調が最初に行われる周波数である。そのためには、ベースクロックを低域通過フィルタにより正弦波信号に変換し、それを変調周波数まで上げればよい。
好ましい発展形態では、発信側ミキサがI/Qミキサ又はIQ変調器として構成されている。このようにすれば、変調周波数まで周波数を上げることが確実に保証される。更に、I/Qミキサを用いることで変調周波数の変更または切り換えも可能になる。
クロック発生器はベース周波数の非整数倍に相当する周波数を生成することが好ましい。このようにすると、変調周波数は一定ではあるもののベース周波数に対してわずかに同調が外れる。評価回路の構成要素、特にフィルタでは、変調パルスに過渡応答が生じる。この応答はその時点で適用されているベース周波数又は変調周波数の位相に依存する。同調が外れると、うなりの効果によって変調パルスの開始時の位相が様々に変わり、過渡応答が変化する。故に、多重測定という好ましい形態の場合、過渡振動により生じる測定誤差が均される。
制御及び評価ユニットは変調周波数を切り換えるように構成されていることが好ましい。このようにすれば異なる周波数で測定を行うことが可能であり、特性の異なる変調パルスを用いた複数の測定結果が入ってくるため、より良い測定結果を得ることができる。また、複数の周波数を用いた位相の測定により、得ようとするセンサの射程を超えて一義性領域を拡張することができる。これは、幾つかの実施形態において、変調パルスの受信時点の特定により多義性を解消するための拡張を行う際に利用される。周波数の切り換えは、好ましくは、I/Qミキサとして構成された発信側ミキサの側波帯の切り換え乃至はベースバンド信号の反転により、又は、通過周波数が異なる少なくとも2つの帯域通過フィルタの設置により達成される。このようにすれば、クロック発生器のPLL又はそれに類する部品の過渡応答を発生させずに、異なる周波数で測定を行うことができる。
制御及び評価ユニットは変調パルスのための時間窓を設定するためにパルス生成部を備えることが好ましい。このような時間窓(ゲーティング)により連続的な周期信号から変調パルスを生成することができる。例えば、パルス生成部により規定された時間窓の間だけ、変調された信号源を発光器に接続してバーストを生じさせたり、パルスと変調された信号とを互いに乗法的に重畳したりする。パルス生成部はベースクロックで作動してもよい。なぜなら、位相差を正確に特定するために変調パルスは少なくとも変調の一周期又は数周期以上を有しているため、そのパルス長はいずれにせよ変調周波数の一周期よりも長いからである。
制御及び評価ユニットは前記時間窓をベース周波数の小部分に当たる分だけずらすように構成されていることが好ましい。このようにすると、各変調パルスはそれぞれ異なる位相で始まる。ベース周波数に対して変調周波数の同調を外すことに関して先に述べたように、制御及び評価用電子部品の特定の構成要素で生じる過渡応答はこの位相と関係があるため、上記のやり方でその過渡応答が様々に変化する。これにより位相差がより良好に特定され、距離の測定、特に複数の測定を通じた平均化による距離の測定が改善される。
制御及び評価ユニットは長さの異なる変調パルスを用いた少なくとも2回の測定に基づいて距離の測定を行うように構成されていることが好ましい。長い変調パルスは変調周波数の周期を多数含んでいるため、特に位相差の正確な特定が可能である。短い変調パルスを用いればマルチエコーの性能が高まる。なぜなら、検知された複数の目標物の距離の差が少しあれば、もはや受信された変調パルスが互いに入り込むことはないからである。
制御及び評価ユニットは、変調されていない補助パルスを送出し、その光伝播時間を特定するように構成されていることが好ましい。本発明ではパルス法が既に用いられており、それにより変調パルスの受信時点が特定される。しかしそれは常に十分に正確であるとは限らない。近接した複数の目標物がある場合は特にそうである。変調されたパルスだけで十分に正確な測定ができなければ、もはや位相法の多義性を確実に解消することはできないかもしれない。そのような場合に補助パルスを用いたパルス法が補助的に用いられる。原理的には、補助パルスを通じたパルス測定は変調パルスを通じたパルス測定の代わりにもなり得る。好ましくは、補助パルスの繰り返し周波数を、測定の繰り返し率、即ち変調パルスの繰り返し周波数とは異ならせる。このようにすると、変調パルスに対する補助パルスの遅延量が変化するため、変調パルスは繰り返し毎に異なる位置で変調パルスに干渉する。特に平均法の場合は、補助パルスによる干渉作用が変調パルスによる測定に対してもはや何の影響も及ぼさなくなるように、その干渉作用が塗りつぶされる。
好ましくは、受光器が多数のアバランシェフォトダイオード素子を備えており、該素子にそれぞれ降伏電圧を超えるバイアス電圧が印加され、以て該素子がガイガーモードで駆動される。つまりこれは非常に高感度なSPAD型受光器のことである。この場合、信号計測を通じた帯域制限は物理的には必要なく、代わりに例えば回路の適切な選択により解決できる。故に、このような受光器は高い周波数での挙動が非常に良好であり、しかもそれが従来技術においてPINダイオードやAPDに対して通常に用いられる周波数よりはるかに高い周波数領域にも当てはまる。
好ましくは、センサがアバランシェフォトダイオード素子からの読み出し用の信号計測回路を備えており、該信号計測回路が、アバランシェフォトダイオード素子と接続された入力と、出力とを有する能動型結合素子を備え、該結合素子が、前記入力におけるアバランシェフォトダイオードのガイガー電流を、推移及びレベルの点で該ガイガー電流と一致する測定電流に写し取り、前記入力がガイガー電流にとって所定電位に対する実質的な短絡を形成し、前記出力が前記入力から減結合されている。この信号計測回路は、SPADを広帯域で駆動して高い変調周波数とそれに応じた高い精度の位相測定を達成できることを示す一例である。能動型結合素子と実質的な短絡を通じて、各時点の作動中のアバランシェフォトダイオード素子から信号計測回路へガイガー電流をほぼ完全に分岐させることができる。しかも、結合素子を流れる測定電流はガイガー電流からほぼ完全に減結合されている。従って、その後の測定電流の処理がガイガー電流に逆に影響を及ぼすことはない。測定電流の推移がガイガー電流から大きく乖離するのは、ギガヘルツという高めの領域、特に2GHz又はGHzを超える領域において、周波数上の制約による損失によって変化が生じるようになってからである。
制御及び評価ユニットは位相位置を維持したまま受信信号をベース周波数まで下げる受信側ミキサを備えていることが好ましい。このようにすれば、比較的低いベース周波数で評価を行うことができるため、より一層簡素な部品で十分である。ベース周波数は発信側において周波数を上げるための出発点となる周波数と同じであることが好ましい。つまり、発信側及び受信側のミキサによる処理によって、信号の生成と評価をほぼベースクロックで実行できるようにして、高い変調周波数は光路上でのみ用いるのである。受信側ミキサはIQミキサ又はIQ復調器であることが特に好ましく、その場合、それを発信側のIQ変調器と組み合わせることが有利である。IQ復調器ではIとQという2種類の信号が利用可能であり、位相情報も二倍になるため、位相差のより正確な特定が可能である。
制御及び評価ユニットは受信時点を特定するための第1の受信路と位相差を特定するための第2の受信路とを備えていることが好ましい。2つの受信路は信号を計測したすぐ後又は周波数を下げた後のいずれかで分離することができる。受信路の分離により評価が並行して行われ、その後で測定情報が一緒にされる。特に、位相差はパルス位置から特定された距離値の精度を高めるために利用される。言い換えれば、パルス位置は正しい周期を見出して位相法の多義性を解消するために利用される。
制御及び評価ユニットは、それぞれ少なくとも1つの変調パルスを用いて複数の個別測定を実行し、その後、該複数の個別測定から受信時点及び/又は位相差を特定するために共通の受信信号を生成して評価するように構成されていることが好ましい。これは冒頭で言及した特許文献2に記載されているパルス平均法のようなものになるが、個々のパルスが変調されているため、バースト平均法と呼んでもよい。複数の個々の変調パルスから合計や平均等を計算することにより複数の個別測定に共通の受信信号が生成され、評価される。これにより、とりわけ信号雑音比が改善される他、受信信号が比較的弱い場合でも確実に評価を行うことができる。
まさにSPAD型検出器の場合、時間的な統計的評価の代わりに又はそれに加えて、複数の個別のアバランシェフォトダイオード素子を空間的に組み合わせることが可能である。このようにパルス平均法を一般化した場合、制御及び評価ユニットは、複数のアバランシェフォトダイオード素子の受信信号及び/又は異なる時点の受信信号を統計的に評価するように構成されていることが好ましい。このようにすれば、妨害光の単独の光子又は暗騒音によってSPADが有効光による信号と同様の強い信号を生成し、検出に続く残りの個別測定の時間がほぼ全て無駄時間になってしまう、という効果も解消される。複数の事象を時間的及び/空間的に集めて統計的に評価することにより、弱い有効光を補うだけでなく前述のようなSPAD特有の効果も解消される。
本発明に係る方法は、前記と同様のやり方で仕上げていくことが可能であり、それにより同様の効果を奏する。そのような効果をもたらす特徴は、例えば本願の独立請求項に続く従属請求項に模範的に記載されているが、それらに限られるものではない。
以下、本発明について、更なる特徴及び利点をも考慮しつつ、模範的な実施形態に基づき、添付の図面を参照しながら詳しく説明する。
光伝播時間測定用の光電センサの概略ブロック図。 信号計測回路を有するガイガーモードのアバランシェフォトダイオードの概略回路図。 光伝播時間測定用の測定カーネルの一実施形態のブロック図。 光伝播時間測定の様々な段階における信号の推移の模範例。 図3に類似した測定カーネルの別の実施形態であって、受信路が分かれているもののブロック図。 測定カーネルの別の実施形態であって、補助パルスを用いるもののブロック図。 測定カーネルの別の実施形態であって、IQミキサを備えるもののブロック図。 図7に類似したIQミキサを備える測定カーネルの別の実施形態であって、電子的に基準測定を行うもののブロック図。 図7に類似したIQミキサを備える測定カーネルの別の実施形態であって、光学的に基準測定を行うもののブロック図。
図1は単一ビーム方式の光検知器として実施された光電センサ10の非常に簡略化した概略ブロック図である。発光器12(例えばLED又はレーザ光源)が監視領域14へ光信号14を送出する。この光信号が物体16に当たると、その一部が拡散反射又は直反射されて受光器18へ戻ってくる。本実施形態ではこの受光器18が多数の受光素子を備えている。これらはガイガーモードのアバランシェフォトダイオード素子(以下、「APD素子」)20又はSPADとして構成されている。APD素子20は、例えばマトリックス状や線状若しくは他のパターンで、又は不規則に配置されている。他の実施形態では受光器18がSPADではなく別の種類の受光素子を備えていたり、受光素子が1つしか無い単式の受光器であったりする。
APD素子20の受信信号は信号計測回路22を通じて制御及び評価ユニット24により読み出され、そこで評価される。逆に、光信号を生成して発射したりその特性を確定したりするため、あるいは受光器18の特性を調節するために、制御及び評価ユニット24が発光器12及び/又は受光器18に働きかけることもできる。
図1の受光器18、信号計測回路22並びに制御及び評価ユニット24が分かれているのは実際にもあり得ることだが、何よりも説明のためである。好ましくは、これらの要素が少なくとも部分的に共通のチップ上に集積され、そのチップの表面が、APD素子20の感光領域と、個々のAPD素子20又はそれらのグループに対してその評価及び制御のために割り当てられた回路とに分配される。発光器12は受光器18の小さな一部分を隠しているが、この光学的な配置も単なる模範例に過ぎない。代わりに、ビームスプリッタと共通光学系を用いる自動コリメーション法や、2つの分離した光学系を設けて発光器と受光器を並べて配置する瞳孔分離法など、他の公知の光学的な解決策も利用可能である。
物体16の距離を測定するため、制御及び評価ユニット24は光信号の射出からその受信までの光伝播時間を測定し、光の速度を介してそれを距離に換算する。本発明ではそのためにパルス法と位相法の組み合わせを用いる。これについては後で図3〜5を参照して詳しく説明する。複数のセンサ10を互いに結合することで、複数の光線(大抵は平行光線)を用いるセンサ型光格子を構成し、各光線で距離の測定又は監視を行うこともできる。センサ10を可動式に搭載したモバイル型のシステムも考えられる。更に、監視領域14を走査するための可動式の偏向ユニットを有するレーザスキャナとしてセンサ10を構成することもできる。
図2はAPD素子20と信号計測回路22の簡略化した模範的な回路図である。冒頭で説明したように、従来の受光器では、高帯域と高感度を同時に利用可能にしようとしても、帯域が高くなるに従って受光面積が縮小するため矛盾が生じる。ところが、図2に示した例は、感度が高いにも関わらず高い周波数に適している信号計測回路22を有するAPD素子20の回路である。
APD素子20の個数は部品や目標とする要求事項に応じて変化し、数千個以上にもなり得る。これに適した素子は例えばCMOS加工で製造できる。APD素子の降伏電圧は従来のAPDの場合よりも明らかに低く、例えばせいぜい50V又は30V程度である。また、APD素子20はグループ毎に又は全部まとめて電気的に接続することができる。ガイガーモードのAPD素子20には、わずか1個の外部光子でも個々の素子が誤作動し得るという欠陥と、作動の度に動作不能な時間が若干生じるという欠陥があるが、上記のような接続によりこれらを統計的に補うことができる。従って、単独のAPD素子20に対して1つの信号計測回路22が描かれている図2の構成はあくまで一例に過ぎず、APD素子20のグループ毎又は全てに対して1つの信号計測回路22を割り当てることもできる。
半導体素子の実際の構造は既知としてここでは説明を行わない。図2の等価回路図において、APD素子20はまずダイオード26のような挙動を示す。また、APD素子20には容量があるが、これは並列接続されたコンデンサ28で表されている。アバランシェ降伏は少なくとも1個の光子の衝突により生じ、そのプロセスはスイッチ30のように作用する。待機状態では、第1の電極32及び第2の電極34を用いて降伏電圧より高い電圧がダイオード26に印加されている。このときに入射光子が電荷担体対を生成すると、いわばスイッチ30が入り、その結果、電荷担体がAPD素子20に溢れていわゆるガイガー電流が流れる。しかし、新たな電荷担体は電界が十分な強さを保っている間だけ発生する。コンデンサ28が降伏電圧を下回るまで放電されるとアバランシェは自然に止まる(「受動クエンチ」)。その後、コンデンサ28は、再び降伏電圧を超える電圧がダイオード26にかかった状態になるまで、電極32及び34から抵抗器36を介して再充電される。なお、アバランシェが外部から認識され、それに応じて降伏電圧より低い電圧までの放電が開始されるという構成もある(「能動クエンチ」)。
アバランシェの間、出力信号は誘起光の強度とは無関係に急速に最大値まで上昇し、アバランシェの停止後に再び低下する。この低下の時定数はAPD素子20のむだ時間を示しており、通常数ナノ秒から数十ナノ秒の範囲にある。このむだ時間は完全なむだ時間ではない。なぜなら、バイアス電圧がアバランシェを支えられる程度にまで高くなるとすぐ、出力信号も、待機状態からの場合ほどではないが、再び上昇することができるからである。増幅率は106にまで達するが、これは基本的にAPD20素子内でアバランシェにより取り込まれ得る電荷担体の最大数から自ずと決まる。
信号計測回路22の役割は、アバランシェ降伏の間できるだけ全ての電流を利用しつつガイガー電流から測定信号を導き出すこと、しかも高い周波数成分を保持し、且つ高い信号雑音比を達成することである。信号の分離は結合コンデンサ38を通じて容量的に行うことが好ましい。図示した実施例ではAPD素子20が測定信号を読み出すための第3の電極40を備えており、この第3の電極40が結合コンデンサ38を通じて結合されている。第3の電極40を通じた読み出しは有利になり得るが必須ではない。他の電極32、34のいずれかを通じて読み出しを行うやり方もある。ただしその場合は平行コンデンサを通じて抵抗器36を高周波的にブリッジする。
図2には描かれていない別のAPD素子は図示されたAPD素子20から見ると寄生容量42となるが、これはそれ以外の寄生効果により更に増大している恐れがある。ほとんどの場合、他にも数多くのAPD素子があり、寄生容量42はそれらの合計であるため、付属する結合コンデンサ38の容量を大幅に上回る可能性がある。寄生容量42は高い周波数の信号を遮断する低域通過フィルタのように振る舞う。
高速化又は高帯域化を達成するためには信号計測回路22の信号抵抗をできるだけ小さくする必要がある一方、高感度化のためには信号抵抗をできるだけ大きくする必要がある。この相反する要求を満たすために、信号計測回路22は能動型結合素子44を有する能動型の回路を利用している。この結合素子44は図2ではベース接地のバイポーラNPNトランジスタとして構成されている。他の能動型素子、特に他の種類のトランジスタ(FET)、他の極性(PNP)又は他の配線(エミッタ接地)も考えられる。更に、1段の回路の代わりに複数段のトランジスタを用いることもできる。
能動型結合素子44には信号計測にとって幾つかの顕著な利点がある。第1に、電流パルスとして容量的に分離されたガイガー電流に対する抵抗がほぼなくなる。つまり、実質的な短絡が生じる。これは実際には完全に達成されるわけではないが、1オーム未満なら十分に可能である。その結果、アバランシェが起きても寄生容量42を通じた電圧変化がほとんどなく、そこには再充電も電流も生じない。故に、能動型結合素子44の入力側では結合コンデンサ38を通って流れるガイガー電流がほぼ全て利用できる。実質的な短絡がなければガイガー電流のうち著しく大きな部分が寄生容量42において失われてしまい、特に高速且つ高周波数の信号成分が低域通過フィルタの作用により低減してしまう。
第2に、能動型結合素子44は、ガイガー電流と時間的な推移及びレベルが一致する測定電流を出力側に生成する。また、能動型結合素子44はその伝達関数を通じて測定電流をガイガー電流に対して意図的に変化させること、特にそれを増幅することもできる。結合素子44上ではそのためにアバランシェ降伏の電流がほぼ全て利用できる。測定電流はその後、出力側で検出結果として更なる処理のために計測することができる。測定電流はAPD素子20からではなく能動型結合素子44の電流源から補給される。
また第3に、入力回路と出力回路が互いに減結合されている。つまり、測定電流を更に処理しても、実際の減結合の技術的な限界内で、ガイガー電流には何ら影響を及ぼさない。それ故、後段ではほぼ任意の処理が可能であり、それは従来の信号計測とは違ってガイガー電流に不都合な反作用を及ぼさない。
図2の具体例では能動型結合素子44のエミッタが入力46であり、ここへ第3の電極40からガイガー電流が導かれる。ベースはアースや一般的な固定電位に接続されることで実質的に短絡される。コレクタが出力48であり、ここに測定電流が供給される。また、トランジスタのエミッタ回路内の入力46と供給電圧U2の間に定電流源50がある。従ってアバランシェ降伏の時間以外の時点にはここに直流が流れ、これがトランジスタの作動点を決める。あるいは抵抗52を通じて受動的に定電流源50を実現したり、図2のように両者を組み合わせたりしてもよい。測定電流は出力48で計測される。ここでは単純な測定インピーダンス54であるが、これは任意の測定回路の一例に過ぎず、他の能動型及び/又は受動型の素子を備えるものでもよい。信号計測回路22で減結合されているため、これらの測定回路が本来の測定に及ぼす反作用はほとんどない。
信号計測回路22は高周波数での挙動が明らかに改善されており、数GHz領域内まで周波数推移がほぼ平坦で、その後ようやく信号が低下する。これに対して、従来の信号計測の場合はGHz領域に入る前の中程度の周波数で測定信号が急に低下する。
図3はセンサ10用の測定カーネルの実施形態のブロック図である。測定カーネルのアナログ回路とデジタル回路が一緒になって制御及び評価ユニット24を構成している。大きく分けると、まず、模範例としてFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)と表記されたデジタル式の処理部品56がある。これは内部又は外部のベースクロック源58を用いてベース周波数(例えば10〜400MHz)で作動する。周波数適合部60は処理部品の発信路での周波数を500MHz、数GHz又はそれより高い変調周波数まで上げるとともに、それに合わせて受信路での周波数を変調周波数から再びベース周波数まで下げる。従って、デジタル式の処理部品56における信号生成と評価は比較的低くて扱いやすいベース周波数で行われ、より高い変調周波数で作動するのは光学的な経路、すなわち、発光器12及び受光器20(信号計測回路22を含む)から成る電気信号と光信号の間の変換器と、光信号そのものだけである。
図3の測定カーネルを用いた光伝播時間測定について、左上の信号生成から始まり、左下のデジタル的な評価に至るまで、時計回りに詳しく説明する。なお、測定カーネル内で選ばれた複数の点における信号が図4にそれぞれ描かれている。
デジタル式の処理部品56において発振部62が位相測定のために周期的に変調された信号を用意する。好ましくは、これは単にベースクロック源58により供給されるベースクロックであり、これがデジタル式の処理部品56の出力に供給される。このベースクロックが第1の低域通過フィルタ64によりベース周波数の正弦波に変換される。図4の一番上にそのような連続的な周期信号が出発点として描かれている。その周波数は200MHzであるが、これは単なる模範例である。
この正弦波信号が周波数適合部60においてより高い変調周波数まで上げられる。そのために周波数適合部60は例えば2GHzの第2のクロック発生器66を備えており、これが例えばPLLを用いて入力クロックからその周波数を合成する。入力クロックは、ベースクロック源58がベースクロックの生成に用いるものと同じシステムクォーツ(図示せず)から供給されることが好ましい。
発信側ミキサ68が、入力信号(この例では200MHzの正弦波)と、第2のクロック発生器66のより高い周波数(例えば2GHz)とから、高い周波数の信号を生成する。不所望の信号成分は、例えばSAWフィルタとして構成された帯域通過フィルタ70により低減される。従って、周波数適合部60の出力には高い変調周波数(この例では1.8GHz)を持つ連続的で周期的な信号が供給され、バースト生成部72に送られる。
それと並行してパルス生成部74が例えば10ナノ秒のパルスを生成する。このパルスはオン/オフ動作(ゲーティング)を行う時間窓と解釈してもよい。故に図4ではそれが「GATE」という呼称で示されている。この機能においてパルスはバースト生成部72により利用される。バースト生成部72はスイッチのように、ちょうどパルスの期間だけ連続的で周期的な信号を通過させ、他の期間にはそれを遮る。その結果、発信信号、つまり1.8GHzで変調された長さ10ナノ秒のパルス又はバーストが得られる。図4では発信信号TXの高速な変調が個々の振動ではなく黒く塗りつぶされたブロックとして描かれている。
発信信号は発光器12を通じて送出され、一又は複数の物体16の表面で拡散反射された後、APD素子20に入射する(ここでは例としてこのAPD素子20が受光器18を代表している)。受信信号は信号計測回路22を用いて読み出される。図4の例では受信信号RXが2つの物体に当たっており、それに対応して2つの変調受信パルス「TARGET1」と「TARGET2」がある。発信信号TX中の変調パルスと受信パルス「TARGET1」及び「TARGET2」との間の時間間隔が求める光伝播時間TOFである。
信号計測回路22は受信信号を周波数適合部60へ導く。周波数適合部60では受信側ミキサ76が第2のクロック発生器66を用いて受信信号をベース周波数まで下げる。続いて不所望の混合成分が第2の低域通過フィルタ78で低減される。
その結果、変調が受信パルスの間に著しく低速になる受信信号が得られる。故に図4では、この周波数の低下した受信信号IFの個々の振動周期が再び見分けられるように描かれている。受信信号をデジタル式の処理部品56において評価できるようにするため、該信号がA/D変換器80においてデジタル化される。これは正真正銘の複数ビット変換でよい。特に、それぞれ個別パルス又は個別バーストを用いる複数の測定の統計的な評価に基づく光伝播時間測定の場合、つまりパルス平均法又はバースト平均法の場合、比較的コストのかかる複数ビット変換を、特許文献2に記載の二値化法によりデジタル的な処理部品56の入力部を通じて直接行ったり、場合によっては特許文献3や特許文献4に記載のように数個の閾値を用いた方法により行ったりできる。これについては回路のコストと所要の精度を比較検討して決めるべきである。
デジタル式の処理部品56ではこの受信信号がパルス評価部82と位相評価部84でそれぞれ評価される。パルス評価部82は変調パルス「TARGET1」と「TARGET2」の位置(重心等)を特定する。その結果は、図4に「CENTER」という信号で示したように、パルスの重心とすることができる。信号「CENTER」の重心と発信路の元々のパルス信号「GATE」の重心との間の距離は既に本例の2つの物体までのそれぞれの光伝播時間を表す第1の値であるが、パルス幅が10ナノ秒と比較的大きいため精度はまだ十分に高くない。
そこで、更に位相評価部84が、図4で「200MHz」と表記した出力信号に対する、変調受信パルス「TARGET1」及び「TARGET2」内での変調の位相差を特定する。この位相差を用いて変調受信パルス「TARGET1」及び「TARGET2」の時間的な位置を更にずっと正確に特定することができる。位相法の多義性はパルス評価により特定される信号「CENTER」中の重心位置により解消されるため、位相を通じて特定されるのは変調周波数(ここでは1.8GHz)の一周期内における残りの光伝播時間だけである。
こうして、送出された変調パルス又は変調バーストに基づいてパルスベースと位相ベースの光伝播時間法が組み合わされる。パルス法を通じて変調受信パルスの位置が特定され、それを用いてやや粗めの距離値が求められる。第2ステップでは変調の位相位置を分析することにより距離値の精度が高められる。測定精度は高い変調周波数の位相測定の精度に相当しており、送信パワーの累積値はバーストにより大きく低減され、一義性の問題はパルス位置の評価により解決される。
図5はセンサ10用の測定カーネルの別の実施形態のブロック図である。この図は大部分が図3と一致している。ただし、図3ではパルスの評価と位相の評価が周波数を下げた受信信号に基づいている。これに代えて、パルスの評価については信号計測回路22の元々の受信信号をデジタル式の処理部品56へ直接導くことで、混合プロセスによる歪みを回避するとともに、パルス形状の包絡線をより多くのサンプリング点で得ることができる。図5では、パルス評価用の追加の受信路からデジタル式の処理部品56への移行部にA/D変換器86が描かれている。完全なA/D変換の代わりに二値化又は数個の閾値で十分な場合もある。
図6はセンサ10を用いた光伝播時間測定用の測定カーネルの別の実施形態を示すブロック図である。この測定カーネルは図5と似た構成であるが、補助パルスを用いた補助測定の分だけ測定が拡張されている。そのためにデジタル式の処理部品56内に補助パルス生成部88が追加的に設けられており、これが発光器12を例えば2ナノ秒という短い幅のパルスで制御する。これに合わせて受信側には追加の補助パルス評価部90が増設されている。この評価部はパルス評価部82の隣に独自のブロックとして示されているが、少なくともその一部は後者と一緒に実装されていてもよく、また好ましくは同一又は同種の受信信号を受け取る。
補助パルスは追加のパルス測定に用いられる。原理的には補助パルスを用いて単一パルス測定を行うことが可能である。ただし、利用可能なレーザ又は発光の予定量は常に一定量に限られており、それを個々の補助パルスが変調パルスと分け合わなければならないことに注意が必要である。その上、当然ながら受信側でも変調パルスと補助パルスが重なり合うため、特に複数の目標物がある場合にそれらがもうほとんど分離できない可能性がある。故に、好ましくはパルス平均法が用いられる。これには弱い補助パルスで済むという利点があるだけではない。それは、変調パルスを用いた測定に対する補助パルスの妨害的な影響を消し去ることも可能にする。
そのためには補助パルスの繰り返し周波数を変調パルスの繰り返し周波数と異なるように選ぶ。例えば、測定の繰り返しの度に補助パルスを変調パルスに対して10ナノ秒ずつ遅延させる。そうすると、補助パルスが受信信号内で変調パルスに対して連続的に後ろへずれてゆく。そして、変調パルスに同期したパルス平均法によって補助パルスが均されて消える。逆に、補助パルスの評価は、測定の繰り返しが重なって強め合うように、その繰り返し周波数に合わせて調整することができる。
補助パルスによる追加の光伝播時間測定を用いて、例えば非常に間を詰めて前後に並んだ2つの半透明な目標物がある場合に位相測定の一義性を更に改善することができる。変調パルスは必ず一定の幅を持つ。そうでなければ変調がほとんど残らないからである。一方、補助パルスの幅は、実際の技術的限界は別にして、つまり純粋に処理の観点から見れば、任意に短くできる。それ故、補助パルスは多義性をより良好に解消するために好適である。原理的には、補助パルスを用いた光伝播時間測定を、変調パルスの受信時点を通じた光伝播時間測定に代えることができる。
図7はセンサ10を用いた光伝播時間測定用の測定カーネルの別の実施形態を示すブロック図である。これも基本構成は図3に類似している。主な違いは、ここでは発信側ミキサ68としてIQ変調器が、またそれに合わせて受信側ミキサ76としてIQ復調器がそれぞれ用いられていることである。別の実施形態では、発信路にだけIQ変調を設けたり、受信路にだけIQ復調を設けたりする。
直交振幅変調に対応して、ここでは信号I及びQのために2つの部分経路が設けられている。即ち、発信側には、バーストを変調するための正弦波をクロックから得るために、I及びQ用の発振部62a〜bとその後段に配置された低域通過フィルタ64a〜bが設けられている。低域通過フィルタ64a〜bの出力信号は発振部62a〜bの位相制御に利用できる。IQ変調器を用いる実施形態では帯域通過フィルタ70はなくてもよい。また、特にベースバンド信号の反転により、第2のクロック発生器66の同調を外すことなく上下の側波帯の間で高速なスイッチングができるため、例えば第2のクロック発生器66のPLLにおける整定時間の発生を回避できる。例えば、ベース周波数が200MHzで、第2のクロック発生器66のクロックが2GHzである前述の数値例の場合、1.8GHzと2.2GHzの間で非常に高速に、しかも整定による妨害作用をほとんど生じさせずに切り換えができる。また、図7に描いた構成から離れて、I及びQ用の発信路に加えて、反転されたベースバンド信号Iのために別の経路を設け、選択的に該経路に切り換えることも考えられる。異なる周波数での測定は、一般に周波数空間内での衝突回避の可能性があることは別にして、一義性領域を広げるための複数の周波数を用いた位相測定に利用することができる。
なお、周波数切り換えのための高速なスイッチングは、例えば図3の実施形態を変更したもの等、IQ変調器のない実施形態でも可能である。そのためには、単一の帯域通過フィルタ70の代わりに2つの帯域通過フィルタをミキサ68の後段に接続し、その後段に配設されたスイッチで2つの帯域通過フィルタのどちらの出力信号をバースト生成部72に送るかを選択する。2つの帯域通過フィルタの通過周波数は上側の側波帯周波数乃至は下側の側波帯周波数上にある。例えばここまでの数値で言えば1.8GHz又は2.2GHzである。スイッチは2つの帯域通過フィルタ、つまり2つの側波帯の周波数の間で非常に高速に切り換えることができる。あるいは、周波数を固定した2つの帯域通過フィルタの代わりに、同調を外すことができる高周波フィルタを用いることも考えられる。
再び図7を参照すると、受信側でのIQ復調の後、I信号とQ信号が別々に処理される。フィルタ78a〜bの例としては変調周波数乃至ベース周波数からずれたノッチフィルタや低域通過フィルタ又はこれらの組み合わせが考えられる。A/D変換80a〜b(これも二値化又は数個の閾値を用いたサンプリングとすることができる)の後、信号成分I及びQの位相の評価84a〜bを行うことにより、二倍の量の情報(例えばゼロ交差)が利用可能になるため、位相位置乃至は位相差をより正確に特定することができる。
パルス評価82と、該パルス評価82及び位相評価84a〜bからの結果の結合は、図3で説明したように行われる。ただし、本実施形態では図5で説明したように受信信号が信号計測回路22からパルス評価部82へ、好ましくは直接、つまりIQ変調なしで供給される。
別の実施形態では更に基準チャネルが追加される。図8は電気的な基準を備える実施形態を示している。図7の実施形態に加えて、デジタル式の処理部品56に基準測定部92が設けられ、さらにそれに接続された基準測定スイッチ94が発信及び受信段のそばに設けられている。発光器12の制御に用いられる電気的な発信信号が基準信号としてこの基準測定スイッチ94にも供給される。従って、基準信号は、発信信号に作用して光伝播時間や特に位相に影響を及ぼして測定誤差を生じさせる恐れのある全ての要素を含んでいる。また基準測定スイッチ94は、受光器18を切ったりその信号を低減させたりできるようにするため、該受光器18とも接続されている。APD素子20を有するSPAD型受光器の場合はそのためにバイアス電圧を降伏電圧より下まで低下させればよい。また、基準測定スイッチ94により基準信号を受信路へ供給すること、しかも信号計測回路22の入力又は出力へ選択的に供給することもできる。
この基準測定部92を用いて基準測定を行うことができる。そのためには基準測定スイッチ94を切り換えて本来の測定動作を中断する。受光器20の動作が停止され、受信信号の代わりに基準信号が受信路に供給される。このようにして伝播時間及び位相に対する内部的な影響を測定し、新たな測定動作の際に考慮することができる。基準測定は少なくとも工場渡し時又は立ち上げ時に実行される。定期的に基準測定を行うことが好ましいが、ドリフトは温度に大きく左右されるため、基準サイクルは過度に短くならないように選ぶ必要がある。
電気的な基準としては、ベースクロックから正弦波を生成した後の第1の低域通過フィルタ64の出力に現れる、図4で「200MHz」と表記したベースバンド信号を位相評価部84に送るのが比較的容易である。なぜなら低域通過フィルタリングによって大きな相回転が生じる可能性があるからである。
図9は光学的な基準を備える実施例を示している。図8に示した電気的な基準の場合と異なり、ここでは電気的な発信信号を基準として利用するのではなく、発信光の一部を、好ましくは監視領域14を通らない光路で直接、所定の基準経路に戻すという光学的な短絡が行われる。図9に描いたように、基準受信器96が設けられているが、ここでは特に一又は複数の専用のAPD素子20が基準受信器96を構成している。このような基準素子は周辺光から光学的に遮蔽されていてもよい。基準受信器96は基準計測回路98を通じて読み出される。この回路は基準受信器96からの基準信号を受信信号の代わりに受信路へ供給する。各時点で非作動中の信号を低減させるため、基準測定スイッチ94が信号計測回路22及び基準計測回路98と接続されているが、これを図8のように受光器18に対して直接行ってもよい。別の実施形態では基準計測回路98は設けられず、基準信号は信号計測回路22から読み出される。多チャンネルの読み出しの場合は基準信号と測定信号の生成及び評価を同時に行うことも考えられる。
ここまで説明してきた各実施形態ではパルス及びバーストの長さ並びにその時間位置が固定されていた。しかし、これらの量を変化させれば有利になる場合もあり、特に異なる個別測定の間でのパルス又はバースト平均法の場合にもそれが言える。
例えば、パルス幅を決めると確かにゲート幅が決まり、バースト幅も決まるが、ここに1つの妥協がある。ゲート幅を大きくすれば位相の特定に多くのゼロ交差を用いること及び/又はベース周波数を低くすることができる。この2つは簡素で正確な測定に役立つ。一方、バーストが長くなると、複数の目標物が短い間隔で存在する場合にバースト同士が互いに入り込むおそれがあるため、マルチエコー機能にとってはゲート幅が小さい方が有利であろう。従って、要求事項の優先度に応じて、異なる長さのゲート幅の間で切り換えを行うというような適応化を行うことが有利になり得る。
パルスの時間位置、つまりゲートの時間位置をベース周波数の小部分に当たる分だけずらすことで、様々なフィルタ部品(特に低域通過フィルタ64と帯域通過フィルタ70)の過渡振動による不都合な効果を低減させることが有利になり得る。というのは、変調パルスの過渡振動は、最初の位相乃至は振幅、即ちゲートに依存している。ゲートをずらすと様々な過渡振動が生じる。これを利用して、特に複数の測定を遂行する場合に、一周期内でゲートの時間位置を分散させて個別の測定値を平均することにより、受信信号を最適化して位相の評価を改善することができる。そうすると過渡振動の際の正と負の効果が打ち消し合う。2つの帯域通過フィルタ又はI/Qミキサを用いる実施形態や上下の側波帯を交互に用いる実施形態で説明したように複数の周波数で測定を行う場合は、個々の測定は両方の周波数について一周期内でゲートの時間位置を分散させて実行することが好ましい。
ベースクロック及び第2のクロック発生器66の周波数は先に例示した200MHz及び2GHzという値に決まってはいないことは明らかである。これらの値が変更されるようにセンサ10を構成することもできる。これに関する特に有利な可能性としては、既に述べたもの、即ち、IQミキサを用いる実施形態の場合における側波帯の利用やベースバンド信号の反転の利用が挙げられる。別の好ましい実施形態では、第2のクロック発生器66がベース周波数の非整数倍の周波数を供給する。そのためには、例えば第2のクロック発生器66のPLLの同調をわずかに外せばよい。そうすればベース周波数の倍数と第2のクロック発生器66の周波数の間に小さなオフセットが生じる。前の段落で説明したゲートのずれはベース周波数の信号に関するものであったが、第2のクロック発生器66の周波数の微小なずれは変調周波数の信号に同様の効果をもたらす。なぜなら、変調パルスの過渡振動がうなりによって変化する結果、複数回の測定の実行後にはノイズが平均化され、過渡振動に基づく測定誤差も平均化されるからである。
図示した実施例ではいずれも1つのデジタル式の処理部品56と、それとは別体の1つの周波数適合部60とが設けられており、場合によっては後者がIQ部品68、76で置き換えられている。特に図示しないものの、周波数適合部60乃至はIQ部品68、78の他の部分又は全体をそれに接続された素子とともにデジタル式の部品で置き換えた実施形態、特にそれらをデジタル式の処理部品56に一緒に統合した実施形態も考えられる。
更に最後に述べておくと、本発明について考えられる拡張のうち、いくつかはそれぞれ特定の実施形態だけに関連づけて説明したが、他の実施例にそれを導入して組み合わせることもできる。例えば、図6を参照して説明した補助パルスを用いる追加のパルス伝播時間測定はIQ変調を用いる図7〜9の実施形態でも同様に考えられる。また、図8又は9に記載の基準測定を図3〜6のようなIQ変調のない形態に加えることもできる。

Claims (14)

  1. 監視領域(14)内の物体(16)の検出及び距離測定のための距離測定型光電センサ(10)であって、発信信号を送出するための発光器(12)と、受信信号を生成するための受光器(18)と、前記受信信号から光伝播時間を求め、該光伝播時間から前記物体(16)の距離を求めるように構成された制御及び評価ユニット(24)とを備えるセンサにおいて、
    前記制御及び評価ユニット(24)が更に、発信信号として少なくとも1つの周期的に変調されたパルスを送出し、前記受信信号における該パルスの受信時点並びに該受信時点の近傍における発信信号と受信信号との間の変調の位相差を特定し、該受信時点と該位相差から前記物体(16)の距離を算出するように構成されていること、及び
    前記制御及び評価ユニット(24)が、10〜400MHzのベース周波数を有するベースクロック源(58)と、より高い周波数を有するクロック発生器(66)と、前記ベース周波数の入力信号と前記クロック発生器(66)のより高い周波数とから混合信号を生成し、前記パルスを少なくとも1GHzの変調周波数で変調する発信側ミキサ(68)とを備えていること
    を特徴とするセンサ(10)。
  2. 前記パルスが少なくとも2GHz、又はそれを超える周波数で変調されることを特徴とする請求項1に記載のセンサ(10)。
  3. 前記発信側ミキサ(68)がI/Qミキサとして構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサ(10)。
  4. 前記クロック発生器(66)が前記ベース周波数の非整数倍に相当する周波数を生成することことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセンサ(10)。
  5. 前記制御及び評価ユニットが、特にI/Qミキサとして構成された発信側ミキサ(68)の側波帯の切り換え又は通過周波数が異なる少なくとも2つの帯域通過フィルタの設置により、前記変調周波数を切り換えるように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のセンサ(10)。
  6. 前記制御及び評価ユニット(24)が、変調パルスのための時間窓を設定するため、そして特に該時間窓を前記ベース周波数の小部分に当たる分だけずらすために、パルス生成部(74)を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のセンサ(10)。
  7. 前記制御及び評価ユニット(24)が長さの異なる変調パルスを用いた少なくとも2回の測定に基づいて距離の測定を行うように構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のセンサ(10)。
  8. 前記制御及び評価ユニット(24)が、変調されていない補助パルスを送出し、その光伝播時間を特定するように構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のセンサ(10)。
  9. 前記受光器(18)が多数のアバランシェフォトダイオード素子(20)を備えており、該素子にそれぞれ降伏電圧を超えるバイアス電圧が印加され、以て該素子がガイガーモードで駆動されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のセンサ(10)。
  10. 信号計測回路(22)が設けられており、該信号計測回路が、アバランシェフォトダイオード素子(20)と接続された入力(46)と、出力(48)とを有する能動型結合素子(44)を備え、該結合素子が、前記入力(46)におけるガイガー電流を、推移及びレベルの点で該ガイガー電流と一致する測定電流に写し取り、前記入力(46)が前記ガイガー電流にとって所定電位に対する実質的な短絡を形成し、前記出力(48)が前記入力(44)から減結合されており、前記結合素子(44)が特にちょうど1つの信号計測トランジスタを備えていることを特徴とする請求項9に記載のセンサ(10)。
  11. 前記制御及び評価ユニット(24)が位相位置を維持したまま前記受信信号をベース周波数まで下げる受信側ミキサ(76)、特にI/Qミキサを備えていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のセンサ(10)。
  12. 前記制御及び評価ユニット(24)が前記受信時点を特定するための第1の受信路(82)と前記位相差を特定するための第2の受信路(84)とを備えていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のセンサ(10)。
  13. 制御及び評価ユニット(24)が、それぞれ少なくとも1つの変調パルスを用いて複数の個別測定を実行し、その後、該複数の個別測定から受信時点及び/又は位相差を特定するために共通の受信信号を生成して評価するように構成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のセンサ(10)。
  14. 監視領域(14)内の物体(16)の検出及び距離測定のための方法であって、発光器(12)で発信信号が送出され、受光器(18)で受信信号が生成され、該受信信号から光伝播時間が求められ、該光伝播時間から前記物体(16)の距離が特定される方法において、
    発信信号として少なくとも1つの周期的に変調されたパルスが送出され、前記受信信号における該パルスの受信時点並びに該受信時点の近傍における発信信号と受信信号との間の変調の位相差が特定され、該受信時点と該位相差から前記物体(16)の距離が算出されること、及び
    10〜400MHzのベース周波数を有するベースクロック源(58)と、より高い周波数を有するクロック発生器(66)と、発信側ミキサ(68)とにより、前記ベース周波数の入力信号と前記クロック発生器(66)のより高い周波数とから混合信号が生成され、前記パルスが少なくとも1GHzの周波数で変調されること
    を特徴とする方法。
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