JP6752505B2 - ベーンポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、ベーンポンプに関する。
車両用の自動変速機が備えるオイルポンプには、エンジン側から入力される回転により駆動されるメカ式のオイルポンプがあり、この種のオイルポンプとして、例えば特許文献1に開示されたベーンポンプがある。
特許第4791987号公報
この種のメカ式のオイルポンプの吐出量は、エンジン側から入力される回転数(エンジン回転数)に応じて変化し、例えば、エンジン回転数が高くなると吐出量が多くなり、エンジン回転数が低くなると吐出量が少なくなる。
ここで、エンジン回転数が高い場合には、自動変速機で必要とされている油圧(油圧負荷の程度)に関係なく、オイルポンプからの吐出量が多くなってしまう。
そのため、オイルポンプには流量調整弁が付設されており、オイルの吐出量が過剰になった場合に、流量調整弁により、吐出されたオイルの一部をオイルポンプの吐出側から吸入側に戻すようにしている。
よって、従来のオイルポンプでは、油圧負荷に応じてオイルポンプの吐出量を調整できないために、吐出量が過剰になる場合があり、過剰分の吐出量を発生させるために消費される回転エネルギーが損失となっていた。
そのため、油圧負荷に応じて、オイルの吐出量を調整できるようにすることが求められている。
本発明は、
ハウジング内に収容されたポンプ機構部が、
シャフトと一体に回転軸回りに回転するロータと、
前記ロータの外周から出没可能とされたベーンと、
前記ロータの外周を囲む内周面と前記ロータの外周との離間距離が、前記回転軸周りの周方向で変化すると共に、前記内周面が前記ベーンの摺動面とされたカムリングと、
前記回転軸方向における前記カムリングの両側に配置された一対のサイドプレートと、を有しており、
前記カムリングの内側の前記一対のサイドプレートの間の空間がポンプ室とされたベーンポンプにおいて、
前記カムリングを、前記回転軸回りに回転可能に設けると共に、
前記カムリングの前記回転軸回りの回転を制御する回転制御手段を設け、
前記回転制御手段は、
前記ハウジングにおける前記カムリングの外周を囲む周壁部に設けられたコイルと、
前記カムリングに設けられた磁石と、を前記回転軸の径方向で対向配置して構成したモータ機構であり、
前記回転制御手段は、前記カムリングが前記ロータの回転方向に対して、正回転と逆回転の2つの回転態様で回転すると共に、前記カムリングの回転数を変更することにより、前記ベーンポンプからのオイル吐出量を調整する構成のベーンポンプとした。

本発明によれば、カムリングをロータの回転方向と同じ方向に回転させると、カムリングの内周面を摺動するベーンの内周面に対する移動速度が遅くなって、ポンプ室内でのオイルの圧縮、膨張の進行が遅くなるので、オイルの吐出量が少なくなる。また、カムリングをロータの回転方向の反対方向に回転させると、カムリングの内周面を摺動するベーンの内周面に対する移動速度が早くなって、ポンプ室内でのオイルの圧縮、膨張の進行が早くなるので、オイルの吐出量が多くなる。
よって、カムリングの回転方向と回転数を調整することで、オイルの吐出量を調整できるので、油圧負荷に応じて吐出量を調整できることになる。
実施の形態にかかるカムリングの回転制御手段を備えるベーンポンプの概略図である。 実施の形態にかかるカムリングの回転制御手段を備えるベーンポンプの断面の概略図である。 実施の形態にかかるベーンポンプによるオイルの吐出量変化を説明する図である。 変形例にかかるカムリングの回転制御手段を備えるベーンポンプを説明する概略図である。 変形例にかかるカムリングの回転制御手段を備えるベーンポンプの断面の概略図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、実施の形態にかかるカムリング7の回転制御手段(モータ機構13)を備えるベーンポンプ1を説明する概略図であって、ベーンポンプ1を回転軸Xに沿う面で切断した断面図である。
図2は、実施の形態にかかるベーンポンプ1を説明する概略図であって、(a)は、図1に示したベーンポンプ1を、図1におけるA−A断面で切断した図であり、(b)は、(a)におけるロータ5とベーン6とカムリング7とにより、カムリング7の内側に区画形成されるポンプ室Pxを説明する図である。
図1に示すように、ベーンポンプ1は、ポンプ機構部3を収容するハウジング2を有しており、このハウジング2は、有底円筒形状の収容部21と、収容部21の開口を封止するカバー部25とから構成されている。
収容部21は、ポンプ機構部3の外周を囲む周壁部212と、周壁部212の一端側の開口を封止する底壁部211とから、有底円筒形状に形成されており、底壁部211の内側の空間Sが、ポンプ機構部3の収容空間となっている。
底壁部211の中央部には、シャフト4の一端部4aが挿入される貫通孔211aが、底壁部211を回転軸X方向に貫通して形成されており、底壁部211の空間S側の面には、オイルの吐出口211bが開口している。
実施の形態にかかるベーンポンプ1では、ポンプ機構部3から排出されたオイルが、この吐出口211bを通って、ベーンポンプ1の外部に吐出されるようになっている。
底壁部211の外周縁を全周に亘って囲む周壁部212は、回転軸X方向に所定長さLを有しており、この所定長さLは、周壁部212の内側に収容されるポンプ機構部3が、周壁部212の端面212aよりも外側(カバー部25)側に突出しない長さに設定されている。
周壁部212の端面212aは、回転軸Xに直交する平坦面であり、この端面212aには、回転軸X方向から、カバー部25が当接している。
ハウジング2を構成する収容部21とカバー部25は、周壁部212の端面212aにカバー部25を当接させた状態で、図示しないボルトにより互いに組み付けられており、これにより、内部の空間Sが封止されたハウジング2が形成されている。
カバー部25の中央部には、シャフト4を挿通させる挿通孔25aが設けられており、この挿通孔25aの外径側には、オイルの吸入口25bが空間Sに開口して設けられている。
実施の形態にかかるベーンポンプ1では、オイルパン(図示せず)から吸引されたオイルが、この吸入口25bを通ってポンプ機構部3に供給されるようになっている。
ポンプ機構部3は、シャフト4と一体に回転軸X回りに回転するロータ5と、ロータ5の外周から出没可能とされたベーン6と、ロータ5の外周を囲むカムリング7と、カムリング7の回転軸X方向の両側に配置された一対のサイドプレート8、9と、を有している。
シャフト4は、図示しないエンジンの回転駆動力が伝達されて、回転軸X回りに回転する柱状の部材であり、ハウジング2のカバー部25を貫通して設けられている。
この状態においてシャフト4の一端部4aは、前記した底壁部211の貫通孔211aで、ブッシュB1を介して回転可能に支持されており、シャフト4のカバー部25を貫通している領域は、カバー部25の挿通孔25aでブッシュB2を介して回転可能に支持されている。
シャフト4では、空間S内に位置する領域の外周に、ロータ5がスプライン嵌合しており、シャフト4がエンジン側から入力される回転で回転軸X回りに回転すると、ロータ5もまた、シャフト4と一体に回転軸X回りに回転するようになっている。
図2に示すように、ロータ5のリング状の基部51の外周には、板状のベーン6を収容するスリット52(図2の(b)参照)が開口している。
基部51の外周においてスリット52は、回転軸Xに沿って直線状に設けられていると共に、回転軸X周りの周方向に所定間隔で複数設けられている。
そのため、断面視において複数のスリット52は、回転軸X周りの周方向で放射状に配置されている(図2の(a)参照)。
スリット52の各々では、磁性体からなるベーン6が、回転軸Xの径方向に移動可能に収容されており、ベーン6の各々は、ロータ5の基部51の外周から出没可能となっている。
基部51の外周は、カムリング7により囲まれており、スリット52から径方向外側に突出したベーン6の各々は、カムリング7の内周面71aに接触するようになっている。
カムリング7は、ロータ5と同心に配置されたリング形状の部材であり、ベーン6が接触する内周面71aは、ロータ5の回転時にベーン6が摺動する摺動面となっている。
断面視におけるカムリング7の外形は円形を成しており、このカムリング7の外径D3は、ハウジング2の周壁部212の内径D2よりも小さい径で形成されている。
断面視における内周面71aの形状は、回転軸Xからの内径r(図2の(b)参照)が回転軸X周りの周方向で変動する略楕円形状を成している。
そのため、ベーンポンプ1では、カムリング7の内側に配置されたロータ5の外周と、カムリング7の内周面71aとの離間距離Rが、回転軸X周りの周方向で周期的に増減している。
ここで、ロータ5の外周とカムリング7の内周面71aとの間では、回転軸X周りの周方向で隣接するベーン6、6の間に、複数のポンプ室Pxが区画形成されている。そして、ベーンポンプ1では、前記した離間距離Rが回転軸X周りの周方向で周期的に増減しているために、各ポンプ室Pxの容積が、回転軸X周りの周方向で連続的に変化(増減)している。
よって、ロータ5が回転軸X回りに回転すると、サイドプレート8に設けた図示しない油路とハウジング2の吸入口25bとを介して、容積が増大するポンプ室Px内にオイルが吸引されるようになっている。
そして、ポンプ室Px内に吸引されたオイルは、ロータ5の回転に伴うポンプ室Pxのその後の容積の減少により、ポンプ室Px内で圧縮されるようになっている。
そして、ロータ5のさらなる回転により、ポンプ室Pxの容積が減少すると、この際に、サイドプレート9に設けた図示しない油路とハウジング2の吐出口211bとを介して、ポンプ室Px内のオイルが、ベーンポンプ1から吐出されるようになっている。
図1に示すように、カムリング7の回転軸X方向の幅Wは、ロータ5の外周を回転軸X方向の全長に亘って囲むことが可能な幅に設定されており、カムリング7の回転軸X方向における両側には、シャフト4に外挿されたサイドプレート8、9が位置している。
これらサイドプレート8、9は、図示しない位置決めピンなどにより、回転軸X回りの回転が規制されており、これらサイドプレート8、9の間のカムリング7は、回転軸X回りに回転可能に設けられている。
そのため、カムリング7が回転軸X回りに回転すると、カムリング7は、サイドプレート8、9に対して相対的に回転するようになっていると共に、カムリング7の内径側に位置するロータ5とも相対的に回転できるようになっている。
サイドプレート8、9の中央には、シャフト4を貫通させる貫通孔81、91が設けられており、これら貫通孔81、91を貫通するシャフト4は、ブッシュB3、B4を介してサイドプレート8、9で回転可能に支持されている。
サイドプレート8、9の外周には、シールリングSaが外嵌する凹溝82、92が、回転軸X周りの周方向の全長に亘って設けられており、シールリングSa、Saの各々は、ハウジング2の周壁部212の内周212bに圧接している。
実施の形態では、カムリング7の内側の一対のサイドプレート8、9で囲まれた空間がポンプ室となっており、シャフト4と一体に回転するロータ5と、ロータ5の外周から出没可能なベーン6と、ロータ5の外周を囲むカムリング7と、サイドプレート8、9により、ポンプ機構部3を構成している。
図2に示すように、カムリング7では、回転軸X方向から見て、回転軸Xの周方向に等間隔で収容穴73が形成されており、収容穴73の各々には、収容穴73の形状と整合する形状の磁石10が設けられている。
そのため、回転軸X方向から見て、カムリング7では、回転軸周りの周方向に等間隔で磁石10が配置されている。
カムリング7の外周を所定間隔で囲むハウジング2の周壁部212では、回転軸X周りの周方向に所定間隔でコイル11が複数設けられており、これら複数のコイル11は、カムリング7の磁石10が設けられた領域に対向する領域に設けられている。
実施の形態では、周壁部212に設けたコイル11と、カムリング7に設けた磁石10とを、回転軸Xの径方向で対向配置してモータ機構13を構成しており、図示しない制御手段により、コイル11に対する通電を制御することで、コイル11の内径側のカムリング7の回転方向と、回転速度とを制御できるようになっている。
かかる構成のベーンポンプ1の作用を説明する。
図3は、カムリング7の回転方向、およびエンジン回転数(ロータ5の回転数)と吐出量との関係を説明する図である。
図3の(a)は、カムリング7の回転方向が、ロータ5の回転方向(図中、矢印Rx参照)と同方向である場合(図中、矢印A参照)と、逆方向に回転する場合(図中、矢印B参照)とを説明する図であり、(b)は、エンジン回転数(ロータ5の回転数)と、カムリング7の回転方向および回転数に応じて変動するオイル吐出量を説明する図であり、(c)は、カムリング7が回転軸X回りに回転しない従来のベーンポンプの場合の、オイル吐出量とエンジン回転数との関係を説明する図である。
なお、図3の(b)では、カムリング7とロータ5の回転方向が同じである場合を(正回転)、逆である場合を(逆回転)としたうえで、カムリング7の正回転側の回転数を、符号「+」を付して示すと共に、逆回転側の回転数を、符号「−」を付して示している。
図3の(c)に示すように、カムリングが回転軸X回りに回転しない従来のベーンポンプの場合、オイル吐出量は、エンジン回転数に比例して変動する。
この場合のオイル吐出量は、下記式(1)で表すことができる。
オイル吐出量=Vth × Neng × η ・・(1)
ここで、Vthは、ポンプ固有吐出量であり、Nengは、エンジン回転数であり、ηは、容積効率である。
そのため、エンジン回転数(ロータの回転数)が大きくなるほど、オイルの吐出量が多くなるので、燃費を優先した走行モードで車両が走行している場合の必要吐出量が、図中ハッチングで示す領域である場合には、吐出量の変動を示す直線Lとの差ΔAの分だけ、オイルを無駄に吐出することになる。
これに対して実施の形態にかかるベーンポンプ1では、モータ機構13により、カムリング7を回転軸X回りに回転させることができるようになっている。
そのため、カムリング7を回転軸X回りに回転させると、カムリング7の回転方向と回転数に応じて、オイルの吐出量を増減させることができるので、必要吐出量に応じて、カムリング7の回転方向と回転数を調整することで、オイルの無駄な吐出を抑えることができるようになっている。
なお、実施の形態にかかるベーンポンプ1は、カムリング7を固定(=0回転)すると、従来のベーンポンプの場合と同様に、エンジン回転数に応じた吐出量を実現する。
以下、カムリング7の回転方向が、ロータ5の回転方向と同じ方向である場合(正回転の場合)と、ロータ5の回転方向とは反対方向である場合(逆回転の場合)を例に挙げて、吐出量の変動を具体的に説明する。
[正回転の場合]
例えば、カムリング7がロータ5と同じ方向に回転する(正回転)の場合(図3の(a)、矢印A、矢印Rx参照)には、ロータ5のカムリング7に対する相対回転数が低下するので、ベーンポンプ1からのオイルの吐出量が減少することになる。
具体的には、カムリング7の内周面71aを摺動するベーン6の内周面71aに対する移動速度が遅くなって、ポンプ室Px内でのオイルの圧縮、膨張の進行が遅くなるので、オイルの吐出量が少なくなる。
そして、この場合におけるオイルの吐出量は、カムリング7の回転数が、ロータ5の回転数(エンジン回転数)に近づくほど少なくなる。
よって、図3の(b)に示すように、カムリング7が正回転する場合のオイルの吐出量は、エンジン回転数とカムリング7の回転数との差(エンジン回転数−カムリングの回転数)が小さくなるほど少なくなる。
[逆回転の場合]
一方、カムリング7がロータ5とは逆の方向に回転する(逆回転)の場合(図3の(a)、矢印B、矢印Rx参照)には、ロータ5のカムリングに対する相対回転数が高くなるので、ベーンポンプ1からのオイルの吐出量が増加することになる。
具体的には、カムリング7の内周面71aを摺動するベーン6の内周面71aに対する移動速度が早くなって、ポンプ室内でのオイルの圧縮、膨張の進行が早くなるので、オイルの吐出量が多くなる。
そして、この場合におけるオイルの吐出量は、カムリング7の回転数が、ロータ5の回転数(エンジン回転数)から離れるほど多くなる。
よって、図3の(b)に示すように、カムリング7が逆回転する場合のオイルの吐出量は、エンジン回転数とカムリング7の回転数との差(エンジン回転数と−カムリングの回転数)が大きくなるほど多くなる。
ここで、ベーンポンプ1におけるオイル吐出量は、下記式(2)で表すことができる。
オイル吐出量=Vth × (Neng−Ncam) × η ・・(2)
ここで、Vthは、ポンプ固有吐出量であり、Nengは、エンジン回転数であり、Ncamは、カムリング回転数であり、ηは、容積効率である。
このように実施の形態にかかるベーンポンプ1では、カムリング7の回転方向(正回転、逆回転)と回転数に応じて、オイル吐出量を変えることができるようになっている。
よって、燃費を優先した走行モードで車両が走行している場合の必要吐出量(油圧負荷)を、カムリング7の回転数と回転方向を調整することで実現することができ、オイル吐出量を油圧負荷に応じて変えることができる。
これにより、カムリング7が回転軸X回りに回転しない従来のオイルポンプのように、吐出量が過剰になって、過剰分の吐出量を発生させるために消費される回転エネルギーが損失となることを好適に防止できる。
さらに、エンジンの停止によりロータ5が停止している場合であっても、カムリング7を単独で回転させることができるので、この場合には、カムリング7を逆回転させることで、ベーンポンプ1からオイルを吐出させることができる。
よって、例えばアイドリングストップやコーストストップなどにより、エンジンが停止している場合であっても、ベーンポンプからのオイルの吐出を確保することができる。
以上の通り、実施の形態では、
(1)ハウジング2内に収容されたポンプ機構部3が、
シャフト4と一体に回転軸X回りに回転するロータ5と、
ロータ5の外周から出没可能とされたベーン6と、
ロータ5の外周を囲む内周面71aと、ロータ5の外周との離間距離Rが、回転軸X周りの周方向で変化すると共に、内周面71aがベーン6の摺動面とされたカムリング7と、
回転軸X方向におけるカムリング7の両側に配置された一対のサイドプレート8、9と、を有しており、
カムリング7の内側の一対のサイドプレート8、9の間にポンプ室Pxが形成されて、サイドプレート8に、オイルの吸入口25bに連通する第1連通路が設けられていると共に、サイドプレート9にオイルの吐出口211bに連通する第2連通路が設けられたベーンポンプ1において、
カムリング7を、回転軸X回りに回転可能に設けると共に、
カムリング7の回転軸X回りの回転を制御する回転制御手段を設けた構成とした。
このように構成すると、カムリング7をロータ5の回転方向と同じ方向に回転させる同回転の場合には、カムリング7の内周面71aを摺動するベーン6は、内周面71aに対する移動速度が遅くなる。その結果、ポンプ室Px内でのオイルの圧縮、膨張の進行が遅くなるので、オイルの吐出量が少なくなる。
また、カムリング7をロータ5の回転方向の反対方向に回転させる逆回転の場合には、と、カムリング7の内周面71aを摺動するベーン6は、内周面71aに対する移動速度が早くなる。その結果、ポンプ室内でのオイルの圧縮、膨張の進行が早くなるので、オイルの吐出量が多くなる。
よって、カムリングの回転方向と回転数を調整することで、オイルの吐出量を調整できるので、油圧負荷に応じて吐出量を調整できることになる。
(2)回転制御手段は、
ハウジング2のカムリング7の外周を囲む周壁部212に、回転軸X周りの周方向に所定間隔で設けた複数のコイル11(ステータコイル)と、
カムリング7において、回転軸X周りの周方向に所定間隔で設けた複数の磁石10と、を回転軸Xの径方向で対向配置して構成したモータ機構13であり、
図示しない制御手段により、コイル11に対する通電を制御することで、回転磁界を発生させて、コイル11の内径側のカムリング7の回転方向と、回転速度とを制御できるように構成した。
このように構成すると、カムリング7の回転方向と回転数を精度良く調整することができる。よって、カムリング7の回転方向と回転数を油圧負荷に応じて調整することで、ベーンポンプ1のオイル吐出量が過剰になって、過剰分の吐出量を発生させるために消費される回転エネルギーが損失となることを好適に防止できる。
ここで、前記した実施の形態では、磁石10がカムリング7の内部に埋め込まれている場合を例示したが、磁石10を、カムリング7の外周面(ハウジング2の周壁部212との対向面)に露出するように設けた構成としても良い。
(3)ベーン6を、磁石10に吸引される特性を持つ磁性体で構成し、ロータ5が回転していない場合であっても、磁石10の磁力によりベーン6をスリット52から突出させて、ベーン6をカムリング7の内周面71aに接触させた状態で保持するように構成した。
このように構成すると、エンジンの停止によりロータ5の回転が停止した場合であっても、磁石10の磁力により、ベーン6をカムリング7の内周面71aに当接させた位置に保持することができる。
これにより、ロータ5の外周とカムリング7の内周面71aとの間に形成されたポンプ室Pxの各々を、オイルを満たした状態で保持することができる。
そうすると、エンジンの再始動によりロータ5が回転した時点において、各ポンプ室Pxには、エンジンが停止した時点のオイルがそのまま残されており、各ポンプ室Px内をオイルで満たし直す必要がないので、ロータ5の回転開始後速やかに、ベーンポンプ1からオイルが吐出されることになる。
ここで、磁石10が設けられていない場合には、エンジンの停止によりロータ5の回転が停止すると、ベーン6の一部が自重によりスリット52内に収容されてしまう。
そうすると、ロータ5の外周とカムリング7の内周面71aとの間に形成されたポンプ室Px内のオイルの一部が、ベーンポンプの外部に漏出してしまうので、エンジンの再始動によりロータ5が再び回転しても、ポンプ室Px内にオイルが満たし直されるまでの間、ベーンポンプからオイルが吐出されないことになる。
よって、上記のように構成することで、エンジンの再始動後に、ベーンポンプからオイルが吐出されるまでの時間を短くすることができるので、ベーンポンプの応答性が向上することになる。
(4)なお、ベーン6を収容するスリット52内に、ベーン6をロータ5の外周から突出させる方向に付勢する付勢部材(例えば、板バネ)を設けて、この付勢部材の付勢力により、ベーン6をカムリング7の内周面71aに当接させた位置で保持する構成としても良い。
この場合には、磁石10の磁力と付勢部材の付勢力とを用いて、ベーン6をカムリング7の内周面71aに当接させた状態で保持することができるので、ロータ5の外周とカムリング7の内周面71aとの間に形成されたポンプ室Pxの各々を、オイルを満たした状態でより確実に保持することができる。
[変形例]
前記した実施の形態では、回転制御手段を構成するモータ機構13により、カムリング7を回転軸X回りに回転させる場合を例示したが、他の構成の回転制御手段により、カムリング7を回転させるようにしても良い
図4は、変形例にかかるカムリング7の回転制御手段を備えるベーンポンプ1Aを説明する概略図であり、(a)は、ベーンポンプ1Aの断面図であり、(b)は、カムリング7をモータMの出力回転により回転軸X回りに回転させる回転伝達機構15の構成を、模式的に示した図である。
図5は、ベーンポンプ1Aの断面を模式的に示す図であって、カムリング7の内側のポンプ室Px周りを説明する図である。
ベーンポンプ1Aでは、モータMの回転を、ギヤ列を介してカムリング7に伝達する回転伝達機構15が設けられており、モータMの回転方向および回転速度を調整することで、カムリング7の回転方向(正回転、逆回転)と、回転数とを変更して、ベーンポンプ1Aからのオイルの吐出量を調整している。
回転伝達機構15は、カムリング7の外周に固定されたリング状の回転伝達部材16と、モータMの回転駆動力が入力されて、回転軸Xに平行な回転軸X1回りに回転するギヤ17と、を有している。
回転伝達部材16は、内周がカムリング7の外周にスプライン嵌合した嵌合部161と、嵌合部161の回転軸X方向の一端から回転軸X方向に延びるリング状の延出部162と、から一体に形成されており、嵌合部161の外周には、歯部161aが設けられていると共に、延出部162の内周は、ブッシュB5を介して、サイドプレート9の外周で回転可能に支持されている。
延出部162の外周には、シールリングSaが外嵌する凹溝163が回転軸X周りの周方向の全長に亘って設けられており、シールリングSaは、ハウジング2の周壁部212の内周212bに圧接している。
嵌合部161の外周の歯部161aには、ギヤ17の外周の歯部17aが噛合しており、モータMの出力回転によりギヤ17が回転すると、このギヤ17の回転に連動してカムリング7が回転軸X回りに回転するようになっている。
図5に示すように、ロータ5の基部51では、ベーン6を収容するスリット52内に、ベーン6をロータ5の外周から突出させる方向に付勢するスプリングSp(付勢部材)が設けられており、スリット52に収容されたベーン6の各々は、スプリングSpの付勢力により、ベーン6をカムリング7の内周面71aに当接させた位置で保持されるようになっている。
このように、
(5)回転制御手段を構成する回転伝達機構15により、カムリング7を回転軸X回りに回転させる構成とし、回転伝達機構15を、カムリング7の外周に固定されたリング状の回転伝達部材16と、モータMの回転駆動力が伝達されて、回転軸Xに平行な回転軸X1回りに回転するギヤ17と、から構成して、回転伝達部材16の外周の歯部161aと、ギヤ17の外周の歯部17aとを回転伝達可能に噛合させ、
図示しない制御手段により、モータMの回転方向(正回転、逆回転)と回転数とを変更して、ベーンポンプ1Aからのオイルの吐出量を調整する構成とした。
このようにすることによっても、カムリング7の回転方向と回転数を調整することができるので、油圧負荷に応じて吐出量を調整できることになる
さらに、スリット52内のスプリングSp(板バネ)から作用する付勢力で、ベーン6がカムリング7の内周面71aに当接した状態で保持されているので、ロータ5の外周とカムリング7の内周面71aとの間に形成されたポンプ室Pxの各々を、オイルを満たした状態でより確実に保持することができる。
これにより、エンジンの再始動によりロータ5が回転した時点において、各ポンプ室Pxには、エンジンが停止した時点のオイルがそのまま残されており、各ポンプ室Px内をオイルで満たし直す必要がないので、ロータ5の回転開始後速やかに、ベーンポンプ1からオイルが吐出されることになる。
よって、エンジンの再始動後に、ベーンポンプからオイルが吐出されるまでの時間を短くすることができるので、ベーンポンプの応答性が向上することになる。
なお、変形例にかかるベーンポンプ1Aでは、カムリング7の外周に固定された回転伝達部材16を介して、モータMの回転がカムリング7に伝達される場合を例示したが、カムリング7の外周に、ギヤ17が噛合する歯部を直接設けて、カムリング7を、ギヤ17を介して直接伝達されるモータMの回転により、回転軸X回りに回転させる構成としても良い。
さらに、変形例では、ギヤ17を介してカムリング7に伝達されるモータMの回転により、カムリング7を回転軸X回りに回転させる場合を例示したが、カムリング7の外周と、モータMにより回転駆動されるロータの外周との間に巻き掛けたベルトを介して、モータMの回転を伝達することで、カムリング7を回転させる構成としても良い。
1、1A ベーンポンプ
2 ハウジング
21 収容部
211 底壁部
211a 貫通孔
211b 吐出口
212 周壁部
212a 端面
212b 内周
25 カバー部
25a 挿通孔
25b 吸入口
3 ポンプ機構部
4 シャフト
4a 一端部
5 ロータ
51 基部
52 スリット
6 ベーン
7 カムリング
71a 内周面
73 収容穴
8、9 サイドプレート
81、91 貫通孔
82、92 凹溝
10 磁石
11 コイル
13 モータ機構
15 回転伝達機構
16 回転伝達部材
17 ギヤ
17a 歯部
161 嵌合部
161a 歯部
162 延出部
163 凹溝
B1〜B5ブッシュ
M モータ
Px ポンプ室
Px 油圧室
R 離間距離
R 矢印
S 空間
Sa シールリング
X、X1 回転軸
r 内径

Claims (3)

  1. ハウジング内に収容されたポンプ機構部が、
    シャフトと一体に回転軸回りに回転するロータと、
    前記ロータの外周から出没可能とされたベーンと、
    前記ロータの外周を囲む内周面と前記ロータの外周との離間距離が、前記回転軸周りの周方向で変化すると共に、前記内周面が前記ベーンの摺動面とされたカムリングと、
    前記回転軸方向における前記カムリングの両側に配置された一対のサイドプレートと、を有しており、
    前記カムリングの内側の前記一対のサイドプレートの間の空間がポンプ室とされたベーンポンプにおいて、
    前記カムリングを、前記回転軸回りに回転可能に設けると共に、
    前記カムリングの前記回転軸回りの回転を制御する回転制御手段を設け、
    前記回転制御手段は、
    前記ハウジングにおける前記カムリングの外周を囲む周壁部に設けられたコイルと、
    前記カムリングに設けられた磁石と、を前記回転軸の径方向で対向配置して構成したモータ機構であり、
    前記回転制御手段は、前記カムリングが前記ロータの回転方向に対して、正回転と逆回転の2つの回転態様で回転すると共に、前記カムリングの回転数を変更することにより、前記ベーンポンプからのオイル吐出量を調整することを特徴とするベーンポンプ。
  2. 前記ベーンは、磁性体であることを特徴とする請求項1に記載のベーンポンプ。
  3. 前記ロータには、前記ベーンを収容可能なスリットが設けられており、前記スリット内には、前記ベーンを、前記ロータの外周から突出させる方向に付勢する付勢部材が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のベーンポンプ。

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