次に、本発明に係る製袋充填機におけるシール装置の好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。実施例では、製袋充填機を周知の横形製袋充填機で説明すると共に、シール装置を横シール装置で説明する。
横形製袋充填機は、フィルムロールから引き出した帯状フィルムを、その長手方向両端縁部を合掌状に重合して筒状フィルムとして成形する製袋手段と、筒状フィルムに向けて物品を所定間隔毎に供給する供給コンベヤと、前記合掌状に重合した筒状フィルムの重合部に縦シール部を形成する縦シール装置と、前記筒状フィルムの重合部を挟持して縦シール装置に向けて筒状フィルムを移送するフィルム移送手段と、筒状フィルム中に所定間隔毎に供給された物品の前後位置で筒状フィルムを挟み、筒状フィルムの移送方向と交差する方向(幅方向)に横シール・切断を施す横シール装置と、の夫々を備える。
前記横シール装置の機枠10は、図1,図2に示す如く、固定機枠11と、該固定機枠11に対して後述する高さ調節手段61を介して高さ調節可能に配設された支持フレームとしての可動機枠12とから構成される。固定機枠11は、フィルムの移送方向と交差する幅方向に離間する一対の側枠13,13を、複数の連結ステー(不図示)で連結して構成されると共に、各側枠13の外形形状を台形枠状に形成することで剛性を高めている。固定機枠11における両側枠13,13の対向面(内側面)の夫々に、フィルムの移送方向に所定間隔離間して上下方向に延在するガイド部材14,15が夫々配設されており、前記可動機枠12は、固定機枠11の両側枠13,13およびガイド部材14,15によってフィルムの移送方向および幅方向の移動が規制された状態で平行に上下動可能に支持される。また、フィルムの移送方向に対向する一方のガイド部材14は固定機枠11に固定されると共に、他方のガイド部材15は、固定機枠11に固定した支持部材16に設けた固定ネジ17によって一方のガイド部材14に対して接近離間可能に構成される。そして、他方のガイド部材15を一方のガイド部材14に接近することで、可動機枠12をガイド部材14,15で挟持して位置決め保持し得るよう構成される。実施例では、一方のガイド部材14は1本物で構成され、他方のガイド部材15は上下方向に離間して2つ設けられる。なお、2種類のガイド部材14,15について区別する場合は、固定機枠11に固定されている一方のガイド部材14を固定ガイド部材14と指称すると共に、固定機枠11に対して可動可能に配設されている他方のガイド部材15を可動ガイド部材15と指称する。
前記固定機枠11の底部に、所定の荷重を加えるための荷重付加部材18a,18bが配設される。この荷重付加部材18a,18bは、両側枠13,13の底枠材間に複数載架されており、固定機枠11を低重心化して安定させるべく機能する。また、荷重付加部材18a,18bは、図1に示す如く、固定機枠11に対する可動機枠12の配設領域よりフィルムの移送方向の前後に広い領域に配置してある。各荷重付加部材18a,18bは、固定機枠11に対してネジ等によって着脱自在に固定されており、必要に応じて荷重付加部材18a,18bの数や位置を変更し得るよう構成される。
前記可動機枠12は、図2に示す如く、幅方向に離間する一対の側板19,19が複数の連結ロッド(不図示)を介して連結して構成され、一対の側板19,19の間に、フィルムの移送方向の前後に移動すると共に、上下方向に互いに接近・離間移動(開閉作動)する上側の第1のシール体(一方のシール体)20と下側の第2のシール体(他方のシール体)21とを備えたシールユニット22が支持される。可動機枠12は、各側板19,19が前記固定機枠11のガイド部材14,15で挟持されて、固定機枠11に対して上下、フィルムの移送方向の前後および幅方向の移動が規制された状態で位置決め保持される。前記固定ガイド部材14および可動ガイド部材15は、可動機枠12の対応する側板19に対向する端部が、外側から内側に向かうにつれて厚みが薄くなる傾斜面が付されたクサビ状に形成されると共に、各側板19における固定ガイド部材14および可動ガイド部材15と対向する端部に、各ガイド部材14,15の傾斜面に対応する傾斜面が形成される。すなわち、前記固定ネジ17,17によって幅方向両側の可動ガイド部材15,15を対応する固定ガイド部材14,14に接近するように移動させると、前記傾斜面によるクサビ作用によって可動機枠12の両側板19,19が、固定機枠11の対応する側枠13,13に押し付けられる。
前記シールユニット22は、上シールユニット22aと、下シールユニット22bからなる。上シールユニット22aは、前記第1のシール体20と、フィルムの移送路より上方に臨む第1保持部材23と、該第1保持部材23に幅方向に離間して配設されて上下方向に所定長さで延在する一対のスライドシャフト24,24と、該スライドシャフト24,24の下端部に架設される連結部材26などを備えており、下シールユニット22bは、前記第2のシール体21と、フィルムの移送路より下方に臨む第2保持部材25などを備えている。
前記第1のシール体20は、図2に示す如く、前記第1保持部材23の下側に、シール面がフィルムの移送路を指向する姿勢で上下動可能に配設される。なお、第1のシール体20は、弾性部材としてのバネ27,27によって、常には下方に向けて付勢され、該バネ27,27により、第1のシール体20と第2のシール体21とにより筒状フィルムを所定の圧力で挟持する。また、第1のシール体20にナイフ28が内装されると共に、該ナイフ28を作動するエアシリンダなどの作動手段29が第1保持部材23に配設されており、第2のシール体21との噛合時に作動手段29によりナイフ28を作動して筒状フィルムの切断を行うよう構成される。実施例では、ナイフ28と作動手段29とで切断手段が構成される。前記第2のシール体21は、第2保持部材25の上面に、前記第1のシール体20とフィルムの移送路を挟んで平行に対向すると共に、シール面をフィルムの移送路に指向させた状態で配設される。そして、後述するシール体作動機構43によって、一対のシール体20,21は、筒状フィルムの移送路を挟んで相互に離間する初期位置から移送方向に移動しながら相互に接近した後、移送方向における移動する向きを変えて更に相互に接近して筒状フィルムを挟持し、挟持状態で下流側に向けて所定距離だけ水平に移動した後に、相互に離間しながら下流側に移動してから初期位置に向けて上流側に復帰する、所謂ボックスモーションを繰り返す。
前記第1保持部材23の幅方向の両側には、該第1保持部材23から下方に延在するようにスライドシャフト24,24が固定されている。スライドシャフト24は、軸方向に延在する弧状のボールスプライン溝が周方向に離間して複数形成されたボールスプライン軸を有している。前記第2保持部材25は、前記ボールスプライン溝を転動する複数のボールを内蔵すると共に該ボールが循環するように転動する循環溝が形成された筒部材30を有しており、該筒部材30によってスライドシャフト24を、スライドシャフト24の長手方向に沿って摺動し得るように支持している。すなわち、ボールスプライン軸と筒部材30からなるボールスプラインによって、スライドシャフト24は、その軸周りに動くことができないように常に規制されながら、上下方向に円滑に移動し得るよう構成される。
図1に示す如く、前記シール体20,21により筒状フィルムの挟持位置(横シール位置)の上流側および下流側には、シール体20,21で筒状フィルムに横シール・切断を施す際にフィルムを介して物品を支持すると共に物品を搬送するベルトなどの搬送面で搬送路を構成した搬入コンベヤ31および搬出コンベヤ32が配設される。上流側に配設される搬入コンベヤ31の搬送路および下流側に配設される搬出コンベヤ32の搬送路の対向端部は、一対のシール体20,21が相互に接近する際には相互に離間移動して下側の第2のシール体21の上昇時の通過を許容すると共に、一対のシール体20,21が相互に離間する際には相互に接近するよう移動して筒状フィルム中の物品のコンベヤ間の受け渡しを円滑になし得るようになっている。そして、横シール装置で横シール・切断されて筒状フィルムから切り離されたピロー包装品が、搬出コンベヤ32で搬出される。なお、搬送路の対向端部の夫々は、シール体20,21による横シール位置の下流側への移動に対応して、その移動する横シール位置を基準に徐々に接近し、また離間するようになっている。
前記可動機枠12には、前記第1保持部材23を介して第1のシール体20を支持する第1回転支持部材33が回転可能に支持される。第1回転支持部材33は、図2に示す如く、両側板19,19に、回転中心(回転軸心)C1を幅方向に整列して回転可能に支持される一対の第1作動軸体34,34から構成される。各第1作動軸体34は、側板19の内側(他方の側板19と対向する側)に円盤状の取付部34aを備え、該取付部34aに第1歯車36が同軸で取り付けられて一体的に回転するよう構成される。そして、幅方向に対向する一対の第1作動軸体34,34の取付部34a,34a間には、該第1作動軸体34,34(第1歯車36,36)の回転中心C1から偏心した偏心位置N1に、前記第1保持部材23が第1枢着部材37,37を介して回転可能に支持される。また、可動機枠12には、前記第2保持部材25を介して第2のシール体21を支持する第2回転支持部材38が、前記第1回転支持部材33の配設位置より下側に回転可能に支持される。第2回転支持部材38は、第1回転支持部材33と同様に、両側板19,19に、回転中心(回転軸心)C2を幅方向に整列して回転可能に支持される一対の第2作動軸体39,39から構成される。各第2作動軸体39は、側板19の内側に円盤状の取付部39aを備え、該取付部39aに、前記第1歯車36に噛合する第2歯車41が同軸で取り付けられて一体的に回転するよう構成される。そして、幅方向に対向する一対の第2作動軸体39,39の取付部39a,39a間には、該第2作動軸体39,39(第2歯車41,41)の回転中心C2から偏心した偏心位置N2に、前記第2保持部材25が第2枢着部材42,42を介して回転可能に支持される。実施例では、第1回転支持部材33および第1歯車36,36によって、第1のシール体20を回転可能に支持すると共に、後述するモータ46によって回転される第1の回転体35が構成され、第2回転支持部材38および第2歯車41,41によって、第2のシール体21を回転可能に支持すると共に、後述するモータ46によって回転される第2の回転体40が構成される。
なお、前記第1歯車36と第2歯車41は、同径で、外周に設けられた歯数は同じとされており、前記第1作動軸体34の回転中心C1と第2作動軸体39の回転中心C2とは同一鉛直面上にあって互いに平行となるよう設定される。すなわち、第1歯車36と第2歯車41との噛合作用下に、第1の回転体35および第2の回転体40は、互いが相反する向きに同一周期で回転するよう構成される。また、第1作動軸体34に対して第1保持部材23が支持される偏心位置N1の回転中心C1に対する偏心量と、第2作動軸体39に対して第2保持部材25が支持される偏心位置N2の回転中心C2に対する偏心量は同じで、両偏心位置N1,N2は上下対称となるよう設定される。すなわち、第1歯車36と第2歯車41とが相互に反対方向に回転することで、第1保持部材23および第2保持部材25は、前記ボックスモーションの動きを得るよう構成される。実施例では、前記第1のシール体20が配設されると共に一対の第1作動軸体34,34の偏心位置N1に前記軸支部37b,37bを介して回転可能に枢支された第1保持部材23と、該第1保持部材23に配設された前記一対のスライドシャフト24,24と、第1のシール体20を付勢するバネ27,27とから、前記第1の回転体35の回転に伴って第1のシール体20を上下方向および移送方向の前後に移動させる第1の作動機構43aが構成される。また、前記第2のシール体21が配設されると共に一対の第2作動軸体39,39の偏心位置N2に前記軸支部42b,42bを介して回転可能に枢支された第2保持部材25と、該第2保持部材25に配設された前記一対の筒部材30,30とから、前記第2の回転体40の回転に伴って第2のシール体21を上下方向および移送方向の前後に移動させる第2の作動機構43bが構成される。そして、スライドシャフト24,24と筒部材30,30とによって連係する第1の作動機構43aおよび第2の作動機構43bは、両回転体35,40の回転に伴って両シール体20,21を、該両シール体20,21の対向方向に互いに接近または離間させながら移送方向の前後に移動させるよう構成されており、両作動機構43a,43bによってシール体作動機構43が構成される。すなわち、シール体作動機構43は、両回転体35,40の回転によって両シール体20,21にボックスモーションの動きを与える機構であって、第1のシール体20と共に第1の回転体35に対して偏心位置N1で支持される第1の作動機構43aと、第2のシール体21と共に第2の回転体40に対して偏心位置N2で支持される第2の作動機構43bとから構成される。なお、実施例では、第1の作動機構43aに、前記切断手段28,29が配設される。
前記可動機枠12の両側板19,19間に、図2に示す如く、前記第2作動軸体39の配設位置より下側に駆動軸44が回転可能に支持されると共に、該駆動軸44には、前記両第2歯車41,41に噛合する駆動歯車45,45が一体的に回転するように配設される。また、一方の側板19に、駆動軸44に接続したサーボモータなどのモータ(駆動手段)46が配設されており、該モータ46により駆動軸44を回転駆動することで、前記第1歯車36と第2歯車41とが互いに反対向きに回転し、これによりフィルムの移送路を挟んで上下に対向(位置)する一対のシール体20,21は、シール面を対向した姿勢を保ったまま互いに反対向きに同一回転半径で円運動される。
前記各第1作動軸体34の取付部34aの夫々には、図3に示す如く、前記第1枢着部材37が着脱可能に取り付けられるネジ孔などからなる第1固定部47a,47bが、第1作動軸体34の回転中心C1から径方向に離間する複数箇所に設けられている。第1枢着部材37は、取付部34aに対して着脱自在に取り付けられる取着部37aと、該取着部37aから内側に向けて突設された軸支部37bとを備え、該軸支部37bによって第1保持部材23の対応する端部を回転可能に支持する。実施例では、第1枢着部材37が取り付けられる4つの第1固定部47a,47bを1組として、2組の第1固定部47a,47bが設けられており、第1枢着部材37は、一方の組の第1固定部47aに取り付けられた状態と、他方の組の第1固定部47bに取り付けられた状態とで、第1の回転体35(第1回転支持部材33)に対して第1のシール体20と共に第1の作動機構43aが支持される偏心位置N1(回転中心C1に対する偏心量)を変更し得るよう構成される。また、前記各第2作動軸体39の取付部39aに対する第2枢着部材42の取付構造は、前記第1作動軸体34に対する第1枢着部材37の取付構造と上下方向で対称である。すなわち、各第2作動軸体39の取付部39aの夫々には、第2枢着部材42が着脱可能に取り付けられるネジ孔などからなる第2固定部48a,48bが、第2作動軸体39の回転中心C2から径方向に離間する複数箇所に設けられており、第2枢着部材42は、一方の組の第2固定部48aに取り付けられた状態と、他方の組の第2固定部48bに取り付けられた状態とで、第2の回転体40(第2回転支持部材38)に対して第2のシール体21と共に第2の作動機構43bが支持される偏心位置N2(回転中心C1に対する偏心量)を変更し得るよう構成される。なお、前記第2枢着部材42は、前記第1枢着部材37と同様に、取付部39aに対して着脱自在に取り付けられる取着部42aと、該取着部42aから内側に向けて突設された軸支部42bとを備え、該軸支部42bによって第2保持部材25の対応する端部を回転可能に支持する。
ここで、前記第1枢着部材37を回転中心C1から遠い一方の組の第1固定部47aに取り付けた場合(図3の実線位置)は、第2枢着部材42も回転中心C2から遠い一方の組の第2固定部48aに取り付けられ(図3の実線位置)、第1枢着部材37を回転中心C1に近い他方の組の第1固定部47bに取り付けた場合(図3の二点鎖線位置)は、第2枢着部材42も回転中心C2に近い他方の組の第2固定部48bに取り付けられて(図3の二点鎖線位置)、第1枢着部材37および第2枢着部材42の対応する回転中心C1,C2に対する偏心量を同じとするよう構成される。そして、第1の回転体35(第1回転支持部材33)に対して第1のシール体20が第1保持部材23を介して支持される偏心位置N1および第2の回転体40(第2回転支持部材38)に対して第2のシール体21が第2保持部材25を介して支持される偏心位置N2を変更することで、両シール体20,21が互いに最も離間する距離を変更し得ると共に、第1のシール体20と第2のシール体21とが噛み合った状態でフィルムの移送方向に移動する長さを変更し得るよう構成される。すなわち、前記第1の回転体35および第2の回転体40が相互に反対方向に回転する際に一対のシール体20,21が移動する円運動軌跡は、所定区間において重なるよう設定されており、この重合区間を、各回転体35,40に対してシール体20,21が支持される偏心位置N1,N2を変えることで変更し得るようになっている。なお、前記重合区間において第2のシール体21と噛合する第1のシール体20が上方に退避することで、両シール体20,21が前記バネ27,27による所定圧力で前記筒状フィルムを挟んで当接した状態で下流側に向けて移動する。実施例では、第1の回転体35に対して第1のシール体20を支持する偏心位置N1を位置決めする第1固定部47a,47bおよび第2の回転体40に対して第2のシール体21を支持する偏心位置N2を位置決めする第2固定部48a,48bが、一対のシール体20,21における対向方向の作動範囲の大きさを調節する第1調節手段となる。
図2に示す如く、前記第1歯車36は、同一形状、サイズおよび同一の歯数およびピッチの第1歯車体36aおよび第2歯車体36bを、軸方向に重ねて構成された二重歯車である。この第1歯車36は、一方の歯車体36a(実施例では第1歯車体36a)を第1作動軸体34に対して周方向に移動不能に位置決めした状態で、他方の歯車体36b(実施例では第2歯車体36b)が周方向に相対移動可能に構成されており、第1および第2歯車体36a,36bの歯を開かせて位相を互いにずらした状態で両歯車体36a,36bを第1作動軸体34に位置決め固定することで、1枚物である前記第2歯車41と第1歯車36との噛合状態でのバックラッシュを抑制するよう構成される。また、前記駆動歯車45は、第1歯車36と同様に、第1および第2歯車体45a,45bを周方向に相対移動可能に構成された二重歯車であって、第2歯車41との噛合状態におけるバックラッシュを抑制するよう構成される。なお、実施例では、第1歯車36および駆動歯車45において、第2歯車体36b,45bの厚みが第1歯車体36a,45aより薄く設定されると共に、第1歯車36と駆動歯車45とで、第1歯車体36a,45aと第2歯車体36b,45bとの軸方向の配置関係は同じ(具体的には、第2歯車体36b,45bが対応する側板19に近接する側に位置する関係)に設定される。
前記第1回転支持部材33における各第1作動軸体34には、図3に示す如く、その回転中心C1を基準として前記第1のシール体20(第1枢着部材37)が支持される偏心位置N1と反対側(位相が180度異なる側)に、前記第1のシール体20などを含む上シールユニット22a(第1枢着部材37,37の重量も含む)を支持した状態での第1の回転体35の重心を、回転中心C1に近づかせるための重量バランス調節手段としての第1の錘49が配設されている。すなわち、第1の錘49は、第1の回転体35の重心を回転中心C1に近づかせて、該第1の回転体35の回転時の重量バランス(回転バランス)を調節するべく機能する。実施例では、図2に示す如く、第1作動軸体34の取付部34aと、該第1作動軸体34における側板19から外方に突出する軸部34bとの夫々に第1の錘49が配設されている。具体的に、前記取付部34aには、第1作動軸体34の回転中心C1を挟んで偏心位置N1と反対側に、ネジ孔などからなる内側錘固定部50a,50bが設けられ、該内側錘固定部50a,50bに第1の錘49が着脱交換可能にネジ止め固定される。内側錘固定部50a,50bは、取付部34aの径方向に離間する複数箇所(実施例では2箇所)に設けられ、第1の錘49を固定する内側錘固定部50a,50bの位置を変えることで、前記回転中心C1に対する第1の錘49の固定位置の偏心量を変更し得るようになっている。すなわち、第1作動軸体34に対する第1枢着部材37の固定位置(第1のシール体20を支持する偏心位置N1)を変更した場合に、第1作動軸体34に対する第1の錘49の固定位置を対応して変更することで、第1のシール体20を支持した第1の回転体35の重心を、回転中心C1に近づかせるよう構成される。なお、図2において、第1の錘49には、他の部材と区別するためにドットのハッチングを付してある。
また、前記第1作動軸体34の前記軸部34bに、第1錘ホルダ51が配設され、該第1錘ホルダ51には、第1作動軸体34の回転中心C1に対して取付部34aに設けた内側錘固定部50a,50bと同じ側に偏心した位置に、ネジ孔などからなる外側錘固定部(不図示)が設けられ、該外側錘固定部に第1の錘49が着脱交換可能にネジ止め固定される。第1錘ホルダ51には、内外の両側に第1の錘49が夫々固定される。すなわち、第1作動軸体34には、該第1作動軸体34の回転中心C1を挟んで偏心位置N1と反対側に、3つの第1の錘49が固定される。実施例では、3つの第1の錘49によって、第1のシール体20および該第1のシール体20に関連する部材(第1保持部材23、スライドシャフト24,24、連結部材26、切断手段28,29)の荷重が加わっている第1の回転体35の重心を、回転中心C1に近づかせるよう構成される。
前記第2回転支持部材38における各第2作動軸体39には、図3に示す如く、その回転中心C2を基準として前記第2のシール体21(第2枢着部材42)が支持される偏心位置N2と反対側(位相が180度異なる側)に、前記第2のシール体21などを含む下シールユニット22b(第2枢着部材42の重量も含む)を支持した状態での第2の回転体40の重心を、回転中心C2に近づかせるための重量バランス調節手段としての第2の錘52が配設されている。すなわち、第2の錘52は、第2の回転体40の重心を回転中心C2に近づかせて、該第2の回転体52の回転時の重量バランス(回転バランス)を調節するべく機能する。実施例では、図2に示す如く、第2作動軸体39の取付部39aと、該第2作動軸体39における側板19から外方に突出する軸部39bとの夫々に第2の錘52が配設される。なお、第2の錘52についても、図2において他の部材と区別するためにドットのハッチングを付している。第2作動軸体39に対する第2の錘52の固定構造は、前記第1作動軸体34に対する第1の錘49の固定構造と上下方向で対称である。すなわち、前記取付部39aには、第2作動軸体39の回転中心C2を挟んで偏心位置N2と反対側に、ネジ孔などからなる内側錘固定部53a,53bが設けられ、該内側錘固定部53a,53bに第2の錘52が着脱交換可能にネジ止め固定される。内側錘固定部53a,53bは、取付部39aの径方向に離間する複数箇所(実施例では2箇所)に設けられ、第2の錘52を固定する内側錘固定部53a,53bの位置を変えることで、第2の錘52の回転中心C2に対する偏心量を変更し得るようになっている。この第2の錘52についても、第1の錘49の場合と同様に、第2作動軸体39に対する第2枢着部材42の固定位置(第2のシール体21を支持する偏心位置N2)を変更した場合に、第2作動軸体39に対する第2の錘52の固定位置を対応して変更することで、第2のシール体21を支持した第2の回転体40の重心を、回転中心C2に近づかせるよう構成される。
また、前記第2作動軸体39の前記軸部39bに、第2錘ホルダ54が配設され、該第2錘ホルダ54には、第2作動軸体39の回転中心C2に対して取付部39aに設けた内側錘固定部53a,53bと同じ側に偏心した位置に、ネジ孔などからなる外側錘固定部(不図示)が設けられ、該外側錘固定部に第2の錘52が着脱交換可能にネジ止め固定される。なお、第2錘ホルダ54には、内外の一方にのみ第2の錘52が固定される。実施例では、2つの第2の錘52によって、第2のシール体21および該第2のシール体21に関連する部材(第2保持部材25、筒部材30,30)の荷重が加わっている第2の回転体40の重心を、回転中心C2に近づかせるよう構成される。また、第1作動軸体34に固定される第1の錘全体の重量は、第2作動軸体39に固定される第2の錘全体の重量より、第1の錘1個分だけ重く設定される。そして、第1の錘1個分の重量が、前記第1保持部材23に配設されたナイフ28および作動手段29からなる切断手段やスライドシャフト24,24、連結部材26などの有無の違いから生じる重量差分に相当するよう設定してある。なお、実施例では、第1錘ホルダ51および第2錘ホルダ54に対して錘49,52の固定位置を変更するための外側錘固定部は一箇所にのみ設けられているが、内側錘固定部50a,50b,53a,53bと同様に径方向に離間する複数箇所に設けることができる。
ここで、前記第1の回転体35に配設される第1の錘49の総重量は、該第1の回転体35に第1保持部材23を介して第1のシール体20が支持された状態で、第1の回転体35の重心が回転中心C1に近づくものであればよい。同様に、前記第2の回転体40に配設される第2の錘52の総重量は、該第2の回転体40に第2保持部材25を介して第2のシール体21が支持された状態で、第2の回転体40の重心が回転中心C2に近づくものであればよい。すなわち、第1の錘49の総重量は、第1のシール体20および該第1のシール体20を第1の回転体35の回転に伴って作動する第1の作動機構43aが偏心位置N1に支持される第1の回転体35の重心が、回転中心C1に近づくものであればよく、また第2の錘52の総重量は、第2のシール体21および該第2のシール体21を第2の回転体40の回転に伴って作動する第2の作動機構43bが偏心位置N2に支持される第2の回転体40の重心が回転中心C2に近づくものであればよい。
図1に示す如く、前記固定機枠11の下部には、幅方向に延在する調節軸55が回転可能に枢支されると共に、該調節軸55には軸方向に離間して一対の第1ハスバ歯車56,56(図1に一方のみ図示)が一体回転可能に配設される。また、固定機枠11の幅方向両側部に、各第1ハスバ歯車56と噛合する第2ハスバ歯車57(図1に一方のみ図示)が夫々回転可能に枢支されると共に、該第2ハスバ歯車57には上下方向に延在する調節ネジ58が一体的に回転するよう配設され、該調節ネジ58が前記可動機枠12の対応位置に設けた支材59に形成した雌ネジ孔に螺挿されている。調節軸55の一端に調節用操作ハンドル60が配設されており、前記ガイド部材14,15による可動機枠12の保持を解除したもとで、該ハンドル60を正逆方向に回転することで、調節ネジ58と雌ネジ孔とからなる調節ネジ手段による螺合作用下に、可動機枠12は固定機枠11に対して上下方向に移動する。これにより、前記搬入コンベヤ31および搬出コンベヤ32で移送される物品の高さに応じて、前記一対のシール体20,21が当接する高さ位置の調節を行い得るようになっている。なお、調節軸55、第1ハスバ歯車56、第2ハスバ歯車57、調節ネジ58および支材59により高さ調節手段61が構成される。実施例では、前記第1および第2の回転体35,40に対して第1および第2のシール体20,21を支持する偏心位置N1,N2を変更調節することで、該第1および第2のシール体20,21の筒状フィルムを挟持する噛合い位置が変わる場合に、固定機枠11に対して可動機枠12を上下方向に調節して第1および第2のシール体20,21の筒状フィルムを挟持する噛合い位置の高さを一定にし得る高さ調節手段61が、第1調節手段による調節に対応して両シール体20,21が包材を挟む噛合い位置を一定にし得る第2調節手段である。
ここで、実施例の横シール装置では、従来、矩形状とされていた固定機枠を改め、前記固定機枠11を下底が長い台形形状にすることで、前記可動機枠12や高さ調節手段61などを配設した機枠10の重心Gの位置を下げて、設置時の安定性を高めるよう構成される。また、図1に示す如く、前記第1および第2のシール体20,21を備えるシールユニット22の重心G1が、機枠10の重心Gより移送方向の上流側に位置すると共に、モータ46、駆動軸44、駆動歯車45,45などを含めた駆動ユニット70の重心G2が、機枠10の重心Gより移送方向の下流側に位置するように、機枠10に対してシールユニット22および駆動ユニット70が配置される。このように、機枠10の重心Gを挟んで移送方向の上流側と下流側とにシールユニット22および駆動ユニット70を振り分けて配置することで、移送方向の重量バランスの開きを抑制している。
前記荷重付加部材18a,18bは、前記機枠10に配設される前記シールユニット22および駆動ユニット70の配設位置との関係で、前記固定機枠11に対して移送方向の上流側および下流側に振り分けて配置される。すなわち、図1に示す如く、機枠10の重心Gを通る鉛直線Lを挟んでシールユニット22の重心G1が位置する側とは移送方向に沿う方向での反対側(実施例では下流側)で、かつ機枠10の重心Gより下方に、第1の荷重付加部材18aを配置すると共に、前記鉛直線Lを挟んで駆動ユニットの重心G2が位置する側とは移送方向に沿う方向での反対側(実施例では上流側)で、機枠10の重心Gより下方に、第2の荷重付加部材18bを配置している。このように、鉛直線Lを挟んで第1の荷重付加部材18aおよび第2の荷重付加部材18bを振り分けて配置することで、移送方向および上下方向の重量バランスを調節している。なお、図1において符号18a,18bを付した鉛直線L上に位置する荷重付加部材については、1つの荷重付加部材によって第1および第2の荷重付加部材の機能を有しているが、分割してもよい。また、第1の荷重付加部材18aの総重量および第2の荷重付加部材18bの総重量は、横シール装置全体の重心が、機枠10に加わるシールユニット22および駆動ユニット70の重量によって機枠10の重心G付近に維持されるように、好ましくは機枠10の重心Gの位置より低くなるように、かつ移送方向に移動しないように設定される。
実施例の横シール装置では、第1の荷重付加部材18aによって、シールユニット22との重量バランスを調節する一方、第2の荷重付加部材18bによって駆動ユニット70との重量バランスを調節しており、第1および第2のシール体20,21の作動時(シール体20,21が移送方向に沿って移動する際や接近・離間する際)に生ずる横シール装置の重心周りの回転モーメントを打ち消し得る(無視し得る)程度に、第1の荷重付加部材18aおよび第2の荷重付加部材18bを重くして、横シール装置の重心位置を機枠10の重心Gより下方となるように低くして、第1および第2のシール体20,21の作動時における振れや振動を抑制するよう構成される。なお、幅方向の一方にのみ配置されるモータ46との関係で、第2の荷重付加部材18bを幅方向で重さを変えるなど、3次元方向を考慮した細かな設定を行うことができる。
ここで、前記機枠10における固定機枠11の下部には、幅方向に離間する2つの脚部13a,13a,13b,13b(図1では幅方向の一方のみ図示)が、移送方向に離間して2対設けられる。なお、固定機枠11の下部には、図示しないが、移送方向の下流側の脚部13bの近傍に、横シール装置を移動する際に用いられる車輪が設けられる。また、実施例の横シール装置では、移送方向の下流側の脚部13bは、固定機枠11の移送方向の下流端部に設けられる一方で、移送方向の上流側の脚部13aは、固定機枠11の移送方向の上流端部より下流側に設けられる。この構成は、横シール装置を工場内などに運ぶ際に、固定機枠11の上流端部を搬送用台車に載せ易くするためのものであって、上流側の脚部13aは、二点鎖線で示した脚部の位置より移送方向における下流側で、かつ横シール装置の重心より上流側に寄った位置に設けられる。すなわち、横シール装置は、機枠10の下流端部が車輪で支持され、上流端部が搬送用台車に載せられた状態で移動される。なお、横シール装置は、横形製袋充填機の本体枠71に対して機枠10が締付け固定されて本体枠71と一体連結されて、連結が完了した後の機枠10は、幅方向に離間する一対の脚部13bと、本体枠71に配設されて幅方向に離間する一対の脚部72によって支持される。
次に、実施例に係る横形製袋充填機の横シール装置の作用について説明する。
前記一対のシール体20,21が相互に離間した状態で、前記モータ46の駆動によって前記第1歯車36と第2歯車41との噛合作用下に一対の回転体35,40が相互に反対方向に回転すると、第1のシール体20と第2のシール体21とは上流側へ移動すると共に相互に接近する。すなわち、第1歯車36と一体的に回転する第1回転支持部材33に対して第1保持部材23を介して偏心位置N1に支持されている第1のシール体20は、前記第1の作動機構43aによってシール面を下向きとした姿勢を維持して円運動すると共に、第2歯車41と一体的に回転する第2回転支持部材38に対して第2保持部材25を介して偏心位置N2に支持されている第2のシール体21は、前記第2の作動機構43bによってシール面を上向きとした姿勢を維持して円運動し、両シール体20,21により筒状フィルムが挟持される。そして、筒状フィルムを挟持した一対のシール体20,21は、第1保持部材23に対して第1のシール体20が上側に移動することで、両シール体20,21が前記バネ27,27による所定圧力で筒状フィルムを挟んで当接した状態で下流側に向けて移動し、これにより筒状フィルムに横シールが施される。また、前記作動手段29により前記ナイフ28が作動することで、横シールが施された筒状フィルムは幅方向に切断される。
実施例のように、前記回転体35,40に対してシール体20,21を作動機構43a,43bを介して偏心位置N1,N2に支持してボックスモーションを行う構成では、該ボックスモーションを行うために回転する回転体35,40の重心が回転中心C1,C2から離れるために、振れや振動が発生し易くなるが、実施例の横シール装置では、回転体35,40に、その回転中心C1,C2を挟んでシール体20,21が支持される偏心位置N1,N2と反対側に錘49,52を配設して重心を回転中心C1,C2に近づけるようにしているので、ボックスモーション時における振れや振動の発生を抑制することができる。すなわち、シール体20,21の作動時における振れや振動を抑制して包装能力の限界値を高めることができる。また、前記第2保持部材25を、ボールスプラインによって上下動可能に支持するよう構成したので、第2保持部材25、すなわち第2のシール体21を偏向させることなく一定の姿勢で円滑に移動させることができ、両シール体20,21により横シールを綺麗に施すことができる。
ここで、実施例の構成により試験を行った結果において、錘49,52を取り付けなかった場合に対して取り付けた場合は、横シール装置の作動時における機枠10の振れや振動が大幅に低減され、自社製品における包装に支障のない包装能力(1分間当たりの処理能力)の最高値の倍まで向上することが確認された。
また、ボックスモーション式の横シール装置では、一対のシール体20,21で筒状フィルムを挟持するシール時間を長く確保し得るので良質な横シールを施すことができると共に、物品の高さ寸法の変化に柔軟に対応することができる。すなわち、背の高い物品においても、包装に有利なボックスモーション式の横シール装置を採用して包装能力の限界値を高めることができる。
次に、オーダ変更等によって物品の高さ寸法が変わった場合は、前記ガイド部材14,15による保持を解除したもとで、前記調節用操作ハンドル60を所要方向に回転することで、調節ネジ58,58と雌ネジ孔との螺合作用下に前記可動機枠12が固定機枠11に対して垂直に上下動することで両シール体20,21が当接する高さ位置を、物品の高さ方向の中間位置に設定調節することができる。従って、物品に対するフィルムの横シール位置を常に高さ方向の中間とすることが可能である。また、前記シールユニット22を支持する可動機枠12を、固定機枠11に対してガイド部材14,15のクサビ作用によって固定機枠11に強固に位置決め保持し得るよう構成したので、物品の高さ寸法の変化に柔軟に対応し得るもとで、シール体20,21の作動時における振れや振動を抑制することができる。更に、固定機枠11を剛性の高い形状に形成すると共に、荷重付加部材18a,18bを配設して低重心化を図っているので、シール体20,21の作動時における振れや振動をより抑制することができ、包装能力の限界値をより高めることができる。
実施例の横シール装置では、前記回転体35,40に対して錘49,52を交換可能に構成したから、機械構成の変更によって回転体35,40に加わるシール体20,21に関連する部材の総荷重が変わった場合にも簡単に対応することができる。また、実施例のように一方のシール体20に切断手段28,29を付帯させた構成においても、該切断手段28,29の重量に相当する重量の錘49を設けることで、一対のシール体20,21の作動時における振れや振動を抑制することができ、包装処理の高速化が可能である。
実施例の横シール装置では、前記作動軸体34,39に対する枢着部材37,42の固定位置を変えることで、前記回転体35,40の回転中心C1,C2からシール体20,21が支持される偏心位置N1,N2までの偏心量を変更して、一対のシール体20,21における対向方向の作動範囲の大きさを調節し得ると共に、前記偏心量を変更しても前記高さ調節手段61により一対のシール体20,21が筒状フィルムを挟む噛合い位置を一定にすることが可能になる。従って、大掛かりな分解や部品の交換を行うことなく、筒状フィルムを挟む噛合い位置を変更することなく、シール体20,21の作動範囲を容易に調節することができる。また、作動軸体34,39に対する枢着部材37,42の固定位置を変えた場合は、該作動軸体34,39に対する錘49,52の固定位置も対応して変更して、重心を回転中心C1,C2に近づけることができるので、シール体20,21の作動時における振れや振動が大きくなることはない。
実施例の横シール装置では、前記固定機枠11を台形形状にして機枠10の重心Gの位置を下げることで、設置時の安定性を高めることができ、前記シール体20,21の作動時の振れや振動を抑制することができる。また、機枠10に配設されるシールユニット22および駆動ユニット70について、機枠10の重心Gを挟んで移送方向の上流側と下流側とにシールユニット22および駆動ユニット70を振り分けて配置するよう構成したので、移送方向の重量バランスの開きを抑制して、シール体20,21の作動時の振れや振動を抑えることができる。更に、機枠10の下部に配設される荷重付加部材18a,18bについて、該機枠10に配設されるシールユニット22および駆動ユニット70の夫々に対する重量バランスを調節する配置および重量に設定するよう構成したので、シール体20,21の作動時の振れや振動をより好適に抑えることができる。
(変更例)
本発明は実施例の構成に限定されるものではなく、例えば、以下のようにも変更実施可能である。また、以下の変更例に限らず、実施例に記載した構成については、本発明の主旨の範囲内において種々の実施形態を採用し得る。
(1) 回転駆動される回転体35,40の偏心位置N1,N2にシール体20,21の荷重が加わる構成のシール装置であれば、縦形製袋充填機などの製袋充填機の横シール装置などで連続包装する場合においても利用可能である。
(2) シール装置は、回転体35,40に対する一対のシール体20,21の設置角度を、実施形態とは90°異なるようにすることによって、フィルムの移送方向に沿ってフィルムにシールを施す縦シール装置にも適用可能である。
(3) 駆動歯車45と上側のシール体側の歯車36とを噛合させて、上側のシール体側の歯車36を介して下側のシール体側の歯車41を回転させる構成を採用することができる。例えば、特許文献1として挙げた公報に開示されるように、上下のシール体が、各歯車に回動可能に支持されるシール装置などにも利用可能である。
(4) 回転体35,40の歯車36,41として平歯車を用いたが、該歯車36,41は、ハイポイドギヤなど、他の種類の歯車を必要に応じて採用することができる。
(5) 回転体35,40は、回転支持部材33,38に歯車36,41が一体形成されたものであってもよい。
(6) 重量バランス調節手段としては、回転体35,40に錘49,52を設置する以外にも、回転体35,40における回転中心C1,C2と重心の位置を意図的にずらすように造られた回転体を用いて、偏心位置N1,N2でシール体20,21を支持した回転体の重心を回転中心に近づける構成を採用することができる。
(7) シール装置は、筒状フィルムを切断する切断手段を備えず、下流側に配置した切断装置によってシール箇所を切断する構成を採用することができる。
(8) 回転体35,40(作動軸体34,39)に対してシール体20,21(作動機構43a,43b)を支持する偏心位置N1,N2を、回転中心C1,C2からの偏心量が異なる2箇所に設けたが、3箇所以上であってもよく、または長孔等を用いて無段階で偏心位置を調節する構成を採用することができる。
(9) 実施例では第1歯車36および駆動歯車45における第1歯車体36a,45aと第2歯車体36b,45bとの配置関係を同じとしたが、軸方向において第1歯車体36a,45aと第2歯車体36b,45bとの配置関係が異なる構成を採用することができる。この構成によれば、第1歯車36の第1歯車体36aおよび第2歯車体36bが第2歯車41に噛合する領域と、駆動歯車45の第1歯車体45aおよび第2歯車体45bが第2歯車41に噛合する領域とが軸方向にずれることで、第2歯車41の歯が偏って摩耗するのを防ぐことができる。
(10) 第1の回転体35および第2の回転体40は、歯車36,41によって相互に反対方向に回転させる構成に代えて、両回転体35,40の回転軸に設けたプーリにベルトやチェンなどの索体をたすき掛け(十字掛け)するなどによって相互に反対方向に回転させる構成など、その他公知の各種構成を採用することができる。
(11) 駆動手段としてのモータ46の回転軸を、第1の回転体35と第2の回転体40の何れか一方の回転中心に直接連結して両回転体35,40を回転させたり、各回転体40,35の夫々の回転中心にモータ46を夫々直接連結して回転させる構成を採用することができる。
(12) 軸支部37b,42bは、回転体側と作動機構側の何れか一方に取着されるものであればよい。
(13) 枢着部材37,42は、対応する回転体35,40と一体的に構成されるものでもよいし、作動機構43a,43bの一部として対応する保持部材23,25と一体的に構成されるものでもよい。
(14) 第1の作動機構43aは、バネ27,27を含まないものであってもよい。
(15) 切断手段28,29は、第2の作動機構43bに設けることができ、この場合には第1の錘49の重さと第2の錘52の重さとを対応して変更すればよい。
(16) 下底が長い台形形状の機枠10によって、回転歯タイプのシール装置を構成し、シール体の作動時の振れや振動を抑制してもよい。
(17) 機枠(固定機枠)は、台形形状に限らず、矩形形状で底辺のみを移送方向の前後一方または両方に延出させることで、低重心化させる構成を採用することができる。