まず、本発明の一実施態様によるゲームプログラムで実現されるゲームの概要について簡単に説明する。
本ゲームにおける仮想空間には、複数のプレイヤにそれぞれ対応付けられた「プレイヤの塔」(ゲーム空間)が存在し、プレイヤは、プレイヤの塔のみならず、他プレイヤに対応付けられた「他プレイヤの塔」におけるゲームを実行することができる。なお、ゲームの複数のプレイヤは、それぞれ非同期で、複数存在する塔におけるゲームを実行できる。塔におけるゲームとは、塔の内部を、ターン数が限られるなかでプレイヤのプレイヤキャラクタ(ゲーム媒体)に探検させ、アイテムを獲得しながら、遭遇する敵キャラクタとの対戦に勝利し、塔の攻略を進めるものである。プレイヤは、「プレイヤの塔」を最上階まで攻略すると、塔の階数を増やすことができる。このように、各プレイヤが「プレイヤの塔」(他プレイヤにとっては「他プレイヤ塔」となる)の階数を増やす事ができるため、プレイヤは、ある時点で「他プレイヤ塔」を最上階まで攻略しても、次回ゲームにログインした際にはその「他プレイヤ塔」の階数が攻略時よりも高くなっている場合がある。
本ゲームの仮想空間には、上述のようなプレイヤに対応付けられた塔とは別に、「共通の塔」、「対戦の塔」、「イベントの塔」及び「クエスト」と言ったゲーム空間が存在する。これらの塔やクエストと言ったゲーム領域は、どのプレイヤにも関連付けられていない、サーバ(運営)側が管理しているゲーム領域である。これらのどのゲーム空間においても、プレイヤは、プレイヤキャラクタに内部を探検させて最上階又は最下層の攻略を目指す。「共通の塔」は、すべてのプレイヤが共通に攻略することのできる塔である。「共通の塔」では、内部を探検中に他プレイヤキャラクタと遭遇してあいさつを交わす事ができたり、複数のプレイヤによる「共通の塔」の攻略状況がランキング表示されたりする。「対戦の塔」は、他プレイヤと対戦するための塔であり、内部で遭遇する対戦相手が他プレイヤキャラクタである。「イベントの塔」は、所定の期間実施されるゲーム内イベントに関連する塔である。「イベントの塔」は、プレイヤのゲームの進行に応じて所定の条件で出現する塔であり、内部を探検することで特別な報酬を獲得できる。「クエスト(例えば、底なし井戸のような態様で表示されるオブジェクト)」は、上述の塔とは異なる敵キャラクタに遭遇したり、特別な報酬を獲得したりすることができる。
また、プレイヤは、プレイヤが抽選(ガチャ)で得た他プレイヤキャラクタの分身を同行キャラクタとして、上述した塔などのゲーム領域を共に探検することができる。さらに、プレイヤは、抽選で得た同行キャラクタを、プレイヤの塔を守備する守備キャラクタとして、プレイヤの塔に配置することができる。また、ゲームのプレイヤが達成可能な「アチーブメントリスト」が設定され、リストの項目を達成するとプレイヤに報酬が与えられる。アチーブメントリストの項目としては、例えば、「ゲームに10日以上ログインする」、「合計50個以上のアイテムを全ての塔から持ち帰る」、「塔において10回以上他プレイヤに遭遇する」、「他プレイヤの塔を10回以上訪問する」等がある。以上が、ゲームの簡単な概要である。
以下、諸図面を参照しながら、本発明の一実施態様を詳細に説明する。まず最初に、本発明の一態様に係るコンピュータがサーバとして機能し、本発明の一態様に係るゲームプログラムが、いわゆるネイティブアプリケーション(ネイティブゲーム)として、ゲームプログラムの一部が端末において実行され、実行された処理の結果がサーバに返される構成を説明する。詳細は後述するが、具体的には、ゲーム空間におけるゲームの進行処理、および、抽選(ガチャ)の処理はそれぞれの携帯端末で行われ、抽選(ガチャ)の提供物を決定する処理はサーバで行われる。
図1は、本発明の一実施態様によるゲームシステム構成の概略図である。図に示すように、ゲームシステム400は、複数の携帯端末100A、100B、100C、サーバ200を含む。サーバ200は、ネットワーク300を介して携帯端末100A〜100Cと接続される。なお、図1において、説明を簡単にするために、携帯端末は3台だけ示してあるが、これ以上存在してもよいことは言うまでもない。
携帯端末(コンピュータ)100A〜100Cは、以下で説明する処理を含むゲームプログラムを実行可能な情報処理装置である。以下の処理を実行可能な機器でありさえすれば具体的な機器は携帯端末に限定されず、例えば、スマートフォン、タブレット端末、家庭用ゲーム機、携帯電話、パーソナルコンピュータ、その他の電子機器であってもよい。なお、上記ゲームプログラムは、ディスプレイ(表示部)と、タッチ入力を検知可能な入力面と、メモリと、メモリに格納された1つ又は複数のプログラムを実行可能な、1つ又は複数のプロセッサとを備えた、マルチファンクションデバイス(例えば、スマートフォンなど)において、特に好適に実行される。
図2は、携帯端末100Aの要部構成の一例を示すブロック図である。ここでは携帯端末100Aについて説明するが、携帯端末100B、100Cについても同様である。
図2に示すように、携帯端末100Aは、通信部110、表示部120、入力受付部130、音声インタフェース(I/F)140、制御部150、記憶部160及びスピーカ170を備える。
通信部110は、受信部111及び送信部112を備え、ネットワーク300を介して、サーバ200との通信を実行する機能を有する。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、また、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。詳細は後述するが、受信部111は、サーバ200の複製部254によって提供対象として複製されたプレイヤに対応付けられたゲーム媒体(プレイヤキャラクタ)に関する情報を受信する。送信部112は、選択部157によって選択され、プレイヤに取得された提供物としてのプレイヤキャラクタに関する情報をサーバ200へ送信する。
表示部120は、ゲーム画面を表示するデバイスである。本実施の形態において、表示部120は、液晶ディスプレイであってよい。なお、図2において、入力受付部130及び表示部120がそれぞれ有する機能を明示するために両者を分離して示している。しかし、例えば、入力受付部130がタッチパネルであり、表示部120が液晶ディスプレイである場合、両者は一体として構成されることが好ましい。
入力受付部130は、プレイヤによる操作入力を受け付ける。本実施の形態において、入力受付部130は、マルチタッチを検知可能なタッチパネルであってよく、プレイヤの指やスタイラス等の指示具により接触された接触位置を検出し、検出位置の座標に関する情報を情報処理部151に伝達する。本実施の形態において、入力受付部130は、プレイヤによるゲーム媒体(キャラクタ)の操作入力や、表示部120に表示された各種アイコンやメニューボタン等へのタップ操作等を受け付ける。なお、プレイヤの操作入力を受け付ける方法は、上記タッチパネルを用いたタッチ操作に限定されず、例えば、所定の入力キーをプレイヤが押下することによってもよい。
音声I/F140は、スピーカ170や図示しないイヤホンのインタフェースである。制御部150は、ゲームにおける効果音やBGM等を再生する際、音声I/F140を介してスピーカ170やイヤホンから音声を出力させる。
制御部150は、携帯端末100Aの各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部150は、情報処理部151、表示処理部152、進行部153、報酬付与部154、更新部155、マップ生成部156及び選択部157を含む。情報処理部151は、入力受付部130から伝達された座標情報を所定の時間間隔で取得し、一連の座標情報を軌跡として各部に出力する。表示処理部152は、情報処理部151や他の機能部から伝達された表示用のデータを画素情報に変換し、表示部120に出力する。
詳細は後述するが、制御部150の他の各部の機能について簡単に説明する。進行部153は、プレイヤからの入力受付部130を介した操作入力情報に基づいて、ゲーム空間におけるゲームを進行させる。報酬付与部154は、進行部153によるゲームの進行に基づいて、ゲームのプレイヤに報酬を付与する。更新部155は、プレイヤによるゲームの進行に応じて、プレイヤに対応付けられたゲーム媒体に関するパラメータを更新する。マップ生成部156は、ゲームを実行する複数のプレイヤ毎に、複数のゲーム領域についてのマップを生成する。選択部157は、サーバ200の複製部254によって複製された提供対象としての複数のプレイヤキャラクタに関する情報に基づき、提供対象のプレイヤキャラクタから提供物としてのプレイヤキャラクタを選択する。
記憶部160は、ゲーム情報記憶部161を含む。記憶部160は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなど各種の記録媒体により実現され、携帯端末100Aが動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。すなわち、記憶部160には、プレイヤがゲームサーバからネットワーク300を介してダウンロードし、携帯端末100Aにインストールされたゲームの情報(ゲームプログラム及びデータ)が格納されている。
ゲーム情報記憶部161は、ゲームを進行する上で必要な、プレイヤに付与されたゲーム媒体(プレイヤキャラクタ)の情報、プレイヤが取得したアイテム、ゲーム空間の装飾要素等のゲーム情報データを格納する。
図3は、本発明の一実施態様によるサーバ200の要部構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、サーバ200は、通信部210、表示部220、入力受付部230、制御部250及び記憶部260を備える。
通信部210は、受信部211及び送信部212を備え、制御部250からの指示に従って、ネットワーク300を介して、携帯端末100A〜100Cとの通信を実行する機能を有する。すなわち、通信部210は、携帯端末100A〜100Cとの間でゲームに関するデータを送受信する。詳細は後述するが、送信部212は、複製部254により複製されたプレイヤに対応付けられたゲーム媒体を、提供対象としてゲームのプレイヤの端末装置100Aに送信する。受信部211は、ゲームのプレイヤによって、送信部212にて送信された提供対象のゲーム媒体から提供物として取得されたゲーム媒体に関する情報を含む取得情報を受信する。
表示部220は、液晶ディスプレイやモニタで実現され、ゲーム運営側がサーバ200を制御する際に必要な情報を表示する。入力受付部230は、キーボードやタッチパッドで実現され、サーバ200を制御する際に必要な操作入力を受け付ける。
制御部250は、サーバ200の各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部250は、情報処理部251、表示処理部252、判定部253、複製部254、選択部255及び報酬付与部256を含む。情報処理部251は、入力受付部230から入力された操作入力情報や、通信部210で送受信する情報の各種処理を行う。表示処理部252は、表示部220や携帯端末100A〜Cの表示部に表示させる各種データの処理を行う。
詳細は後述するが、判定部253は、プレイヤによるゲームの進行状況が所定の条件を満たすか否かを判定する。なお、判定部253は、所定のタイミングで、プレイヤによるゲームの進行状況が所定の条件を満たすか否かを判定する。さらに、判定部253は、ゲームの進行に基づいて複数のプレイヤの順位を判定し、プレイヤが、順位において上位に位置する場合に、所定の条件を満たすと判定する。
複製部254は、判定部253により所定の条件を満たすと判定された場合、プレイヤのゲーム媒体を、判定の際(所定のタイミング時)におけるパラメータの状態で複製する。選択部255は、ゲームのプレイヤの取得要求に応じて、提供対象記憶部262に記憶された提供対象のゲーム媒体から、プレイヤに提供物として取得させるゲーム媒体を選択する。なお、選択部255によって選択されたゲーム媒体のパラメータの一部は、ゲーム媒体を取得したプレイヤによるゲームの進行に応じた更新が制限される。
報酬付与部256は、選択部255によって提供物として選択された回数や、端末装置100Aの選択部157によって提供物として選択された回数に応じて、提供対象とされた固有のゲーム媒体に対応するプレイヤに報酬を付与する。なお、端末装置100Aにおいて選択された回数に関する情報は、プレイヤの端末装置100Aから送信される取得情報に含まれる。さらに、報酬付与部256は、選択部255によって提供物として選択されるか、端末装置100Aの選択部157によって提供物として選択されたゲームのプレイヤが取得したゲーム媒体の、ゲームにおける当該プレイヤによる使用状況に応じて、ゲーム媒体に対応するプレイヤに報酬を付与する。
記憶部260は、サーバ200が動作するうえで必要とする各種プログラムおよびデータを記憶(格納)する機能を有する。記憶部260は、ゲーム情報記憶部261及び提供対象記憶部262を含む。ゲーム情報記憶部261は、ゲームを進行するために必要な各種データを格納する。すなわち、ゲーム情報記憶部261は、プレイヤに付与されたゲーム媒体を、プレイヤに対応付けて記憶する。提供対象記憶部262は、複製部254により複製されたプレイヤに固有のゲーム媒体を、提供対象として記憶する。なお、記憶部260は、典型的には、HDD、SSD、フラッシュメモリなど各種の記録媒体により実現される。
次に、本発明の一実施態様によるゲームプログラムによって実現されるゲームの概略を、図4〜図7を用いて説明する。図4は、携帯端末100Aの表示部120に表示されるゲームのスタート画面の一例を示す図である。以降、携帯端末100Aを有するプレイヤをプレイヤA、携帯端末100B、100Cを有するプレイヤを、それぞれプレイヤB、プレイヤCとして説明する。なお、携帯端末100Aについて説明するが、携帯端末100B、100Cについても同様である。
図に示すように、スタート画面500には、プレイヤAの塔(自ゲーム領域)510、店(SHOP)ボタン520、メニュー(MENU)ボタン530、マップ(MAP)ボタン540、お知らせ(NEWS)ボタン550、メール(MAIL)ボタン560、コイン数570及び保有ジェム数580が表示される。なお、スタート画面500を表示するための情報(プログラムや画像データ等)は、携帯端末100Aのゲーム情報記憶部161に記憶されている。そして、表示処理部152が、ゲーム情報記憶部163に記憶されている情報を用いてスタート画面500の表示情報を生成し、表示部120に出力する。
プレイヤAは、塔510をタップすることで、自身のプレイヤキャラクタAを塔510の内部に入場させることができる。プレイヤAは、塔510の内部において自身のプレイヤキャラクタAを限られたターン数で移動させて、遭遇した敵キャラクタと対戦させる。プレイヤキャラクタAは、対戦に勝利することで経験値を得て成長し、さらに、コインを獲得することができる。また、塔510の内部には宝箱が存在し、プレイヤキャラクタAは、宝箱の中のアイテムを報酬として獲得することができる。獲得したアイテムは、プレイヤキャラクタAの防御力、攻撃力、速さや運といった特性値を決める、武器や防具などの武具であったり、首輪や指輪などのアクセサリであったりする。プレイヤAは、敵キャラクタとの対戦に勝利すべく、自身のプレイヤキャラクタAに装備する武具やアクセサリを設定する事が出来る。プレイヤキャラクタAと敵キャラクタとの対戦は、プレイヤキャラクタAの装備に基づいて決定される防御力、攻撃力、速さ、運といった特性値と敵キャラクタの特性値に基づいて進行部153においてパラメータ演算が行なわれ、それぞれのキャラクタが受けるダメージの大きさが決定される。受けた総ダメージ数が所持するHP(ヒットポイント)を上回った方が敗者となる。
上述のゲーム進行は、例えば以下の様に進められる。まず、入力受付部130が、プレイヤAのタップ操作やスライド操作を受け付け(タッチパネルにおけるタップ操作、スライド操作を検出し)、座標情報を情報処理部151に伝達する。情報処理部151は、プレイヤAの指示がタップであるか、スライドであればどの方向か、といった情報を進行部153に伝達する。進行部153は、プレイヤAによるスライド操作に基づいてプレイヤキャラクタAの進行方向を決定し、表示画面の更新指示(敵キャラクタや宝箱の出現、塔の内部の画面の遷移等)を行う。上述のように、進行部153は、敵キャラクタとの対戦におけるパラメータ演算も行う。
なお、プレイヤキャラクタには、実行可能な特殊能力を表すスキルや、プレイヤキャラクタの能力や能力の成長の特徴を表すジョブといったパラメータを設定できてもよい。また、ゲーム開始時に、プレイヤの選択により、プレイヤキャラクタに固有の外見やアイテム等のパラメータを設定させてもよい。また、プレイヤによってプレイヤキャラクタが成長したり、アイテム、スキル、およびジョブなどを組み合わせることにより、プレイヤ毎に固有のキャラクタとして成長させることができてもよい。これらパラメータの情報は、端末装置100Aの記憶部160や、サーバ200の記憶部260に記憶される。
塔510は、ゲームの初期状態では3階建てである。塔の最高階に存在するボスとの対戦(ボス戦)に勝利すると、塔の階数を増やすためのボタン512が表示される。プレイヤAは、ボタン512をタップして、予め設定されたコインを消費することで、3階分514毎に塔を増やすことができる。高い階数に存在する敵キャラクタほど防御力や攻撃力が高く、また、獲得できるアイテムの特性値も高く設定され、ゲーム情報記憶部163にそれらの情報が記憶されている。塔510の3階毎(すなわち3階、6階、9階等)にボスが存在し、ボス戦に勝利すると、獲得したアイテムと共に塔510を脱出することができる。ターン数がゼロになるかボス戦に敗戦する、又は、探検の途中で塔を脱出した場合は、獲得したアイテムを塔の外に持ち帰ることはできない。
ゲームの複数のプレイヤには、プレイヤ毎にゲーム画面500に示すような塔が対応付けられており、プレイヤは、他のプレイヤの塔(他プレイヤ塔)を訪問して、他のプレイヤの塔における上述のような対戦ゲームを行うことができる。
ゲーム画面500の説明に戻る。店ボタン520をタップすると、プレイヤAは、ゲーム内の仮想店舗の画面を表示させることができる。仮想店舗において、プレイヤAは、獲得したコインやジェムを用いて、アイテムの購入や同行キャラクタの召喚ができる。なお、コイン、ジェムは、プレイヤがゲーム上でアイテムを購入したり、同行キャラクタを召喚したり、他プレイヤの塔や対戦の塔に入場したりする際に消費される仮想の通貨である。メニューボタン530は、ゲームを進行させる上でのメニュー画面を表示させるボタンである。メニュー画面には、例えば、プレイヤの塔、他プレイヤの塔、共通の塔や対戦の塔における自身のゲームの進行状況に関する情報であるゲームスコア(例えば、最高到達階数等)、プレイヤキャラクタの装備を設定する画面へのボタン、アイテム管理画面へのボタン等が表示される。
マップボタン540は、プレイヤAが訪問することのできる他プレイヤの塔や共通の塔が表示されたマップ画面に遷移するためのボタンである。お知らせボタン550には、ゲームの進行に応じたメッセージが表示される。メッセージの内容としては、例えば、「塔の拡張(追加)が可能である」、「他のプレイヤがこの塔を訪問した」「プレイヤAが実行できる機能が解放された」「他プレイヤの塔の情報が更新された」等である。ワープゾーン540や立て札550には、プレイヤAが確認していない情報がある場合に、エクスクラメーションマークが表示される。なお、店520やワープゾーン540は、塔510の高さが9階以上になると表示される。
メールボタン560は、ゲームの運営側から告知等がある場合に、サーバ200から受信した情報に基づいて表示処理部153によって表示される。プレイヤAは、風船560をタップすることで告知を表示部120に表示させることができる。コイン数570は、プレイヤAが現在保有している総コイン数が表示される。ジェム数580は、保有しているジェム数が表示され、プレイヤは、プラスボタン(+)をタップすることで、表示部120をジェムの購入画面に遷移させることができる。
次に、メールボタン540をプレイヤAがタップすることにより表示されるマップについて説明する。図5は、表示部120に表示されるマップの一例を示す図であるこのマップは、端末装置100Aのマップ生成部157によって生成される。又は、サーバ200のマップ生成部254によって生成され、端末装置100Aにマップを表示するためのマップ情報が送信されてもよい。図に示すように、マップ600には、プレイヤAのプレイヤの塔610、共通の塔611、対戦の塔612、イベントの塔613及びクエスト(底なし井戸)614が表示される。また、タブメニュー620及びリスト630も表示される。プレイヤAは、マップ上をタップして行き先を選択することができる。
タブメニュー620には、タブの選択に応じて、プレイヤAが訪問することのできる「他プレイヤの塔」、図では表示されていないが、「探検履歴」、「お気に入り」及び「その他のプレイヤAが入場できる塔」が表示される。図では、プレイヤAが訪問することのできる「他プレイヤの塔」のリスト630が表示されている。図に示すように、プレイヤAは、少なくとも「プレイヤCの塔」、「プレイヤBの塔」、「プレイヤXの塔」、「プレイヤYの塔」を訪問することができる。
なお、他プレイヤの塔におけるゲームも、プレイヤの塔と同様、アイテムを獲得しながら敵キャラクタとの対戦を進め、他プレイヤの塔の最上階に存在するボスとのボス戦で勝利することを目指す。他プレイヤの塔で獲得したアイテムは、プレイヤの塔と同様に、3階毎に存在するボスとのボス戦に勝利して他プレイヤの塔を脱出した場合、持ち帰ることができる。また、他プレイヤの塔で獲得したコインは、持ち帰るだけでなく、他プレイヤの塔における戦績として記録される。
ここで、マップ上に表示された他の塔等について追加で説明する。プレイヤの塔610は、上述したようにプレイヤAに対応付けられたゲーム空間であり、プレイヤAの攻略に応じて塔の高さを増やすことができる。
共通の塔611は、すべてのプレイヤが攻略することのできる塔である。共通の塔において、各プレイヤは、内部で遭遇する敵キャラクタやボスと対戦しながら最上階の攻略を目指す。共通の塔でも、宝箱の中のアイテムを獲得して、自キャラクタに装着することができる。共通の塔611に入場するためにはコインを消費しなければならず、高い階数に進むほど、対戦する敵キャラクタや獲得できる報酬アイテムが高度なものになる。なお、共通の塔611の高さは、ユーザによって変化しない。一方で、各ユーザのゲームの進行に応じて、ゲームの運営側が高さを変化させてもよい。共通の塔611の内部では他プレイヤキャラクタと遭遇することもあるが、その他プレイヤキャラクタの他プレイヤが同時にゲームを実行していなくてもよく、ゲームプログラムによって選択された他プレイヤキャラクタが表示される。すなわち、同期してゲームを実行していても良いし、非同期でゲームを実行して、ゲームの進行状況がサーバ200に記憶され、記憶された進行状況に基づいて他プレイヤキャラクタがサーバ200によって選択されてもよい。
各プレイヤによる共通の塔におけるゲームの結果(成績)は記録され、例えば、獲得コイン数、訪問数、到達階数、達成レベル等の項目で順位が決定される。各プレイヤは、プレイヤの塔610、他プレイヤの塔や共通の塔611において対戦ゲームを進め、攻撃力、防護力、速さ等のパラメータが強力となる武具やアクセサリを獲得し、自キャラクタの能力を上げてランキング上位に位置することを目指す。なお、アイテムは、図4の店520でジェムを消費して獲得することもできる。
なお、例えば、月が替わる日の0時や日曜日の0時など所定のタイミングで、共通の塔におけるランキングで上位100位にランクインしたプレイヤに対応付けられたプレイヤキャラクタは、提供物としてサーバに記憶(格納)される。この時、提供物としてのプレイヤキャラクタは、所定のタイミング時におけるプレイヤキャラクタのパラメータを所持した状態で複製される。ゲームのプレイヤは、前述したように、提供物として記憶された他プレイヤキャラクタを、抽選(ガチャ)で獲得することができる。なお、提供物は、サーバに既存の提供物に追加で記憶されてもよいし、サーバ200の提供対象記憶部262に既存の提供物が、一部、または、全て入れ替えられてもよい。追加で記憶される場合は、記憶された提供物が所定数に達した時(例えば、300体など)に、新規の提供物によって上書きされてもよい。これらの条件は、記憶部260に記憶され、複製部254が、条件に基づいて提供物の複製処理を行えばよい。また、提供対象の履歴に応じて、提供対象となるプレイヤキャラクタのパラメータを変更させてもよい。例えば、所定のタイミング時の判定の結果、最新のランキング上位に含まれることとなるプレイヤのプレイヤキャラクタが、これ以前に提供物であった場合、提供物であった回数や期間に応じて、提供物としてのキャラクタのパラメータを、所定のタイミング時におけるパラメータから変更してもよい。例えば、プレイヤキャラクタのHP等のパラメータが加算されてもよい。これは、サーバ200の提供対象記憶部162に記憶されている提供対象の履歴を参照して、例えばプレイヤキャラクタが以前に対象物として選択されたか否か、過去に提供対象となった回数、過去に提供対象であった期間等に基づいて、複製部254がキャラクタのパラメータを変更すればよい。
図4のゲーム画面500の店520をタップすると、メニュー画面が表示され、プレイヤは、「アイテムの購入」や「同行キャラクタの召喚」等のメニューを選択することができる。「同行キャラクタの召喚」をプレイヤが選択すると、サーバに提供物として記憶されたプレイヤキャラクタから、抽選で、1体のプレイヤキャラクタを獲得(召喚)することができる。なお、プレイヤの抽選回数に応じて、同行キャラクタは複数体獲得されてもよい。ここで、抽選(ガチャ)は、提供物として記憶されたプレイヤキャラクタが、予め設定された所定の出現確率に基づいてランダムに選択される抽選方式である。獲得した他プレイヤキャラクタは、同行キャラクタとして、対戦の塔612や共通の塔610での探検に引き連れていくことができる。なお、抽選方式としては、予めプレイヤキャラクタが出現する順番を設定しておき、その順番に基づいてプレイヤキャラクタが選択部によって選択される構成であってもよい。これらの出現確率や順番等についての情報は、記憶部160や260に予め記憶しておく。また、所定の出現確率に基づく抽選と、設定された順番に基づく選択とを組み合わせて、提供物の取得が行われても良い。これには例えば、順番のパターンを複数設定しておき、そのパターンから抽選が行われる構成も含まれる。
対戦の塔612は、プレイヤAのプレイヤキャラクタAと、他プレイヤの他プレイヤキャラクタとの対戦が行われる塔である。対戦の塔612は、プレイヤの塔610が所定の条件、例えば、塔の高さが12階以上となった場合にマップに初めて表示されるようになり、探検が可能となる。対戦の塔612の内部では、プレイヤAは、対戦キャラクタとして他プレイヤキャラクタと遭遇する。遭遇する他プレイヤキャラクタは、同時にゲームを実行している訳ではなく、所定の条件を満たす他プレイヤキャラクタがゲームプログラムによって選択されて、プレイヤAに対して表示される。なお、上述のように、プレイヤAは、プレイヤが抽選(ガチャ)で得た他プレイヤキャラクタの複製を同行キャラクタとして、対戦の塔612の内部を共に探検することができる。
上述のように、本発明の一実施態様によれば、ゲーム空間(共通の塔)におけるゲームにおいて、所定のタイミングで所定の条件を満たすことで、自プレイヤキャラクタが抽選(ガチャ)の提供物として設定される。提供物として決定されるのは、所定のタイミング時であるため、プレイヤに、所定のタイミングまでに条件を満たしたいという、ゲームへの熱意を喚起させることができる。さらに、所定のタイミング時における成績とすることで、そのタイミング時のゲーム構成に対して有効(強力)なプレイヤキャラクタが、提供物に含まれることとなる。抽選を行う(ガチャを引く)プレイヤは、現在のゲーム構成上で有効なプレイヤキャラクタを必要とするため、タイミングを適切に調整することにより、ゲームの状況が変化しても(イベントや、アップデートなど)、その時々に応じて、有効なプレイヤキャラクタが提供物として設定されるようにすることができる。
また、ゲームの初心者は、自プレイヤキャラクタに装備できるアイテムや経験値が少ないため対戦の塔で勝ち進む事が困難であり、敗戦が続くと、ゲームへのモチベーションを失うおそれがある。この時、抽選で強力な同行キャラクタを獲得することができれば、対戦に勝利する確率も向上し、初心者でもゲームを楽しむことができるようになる。本発明の一実施態様によれば、抽選で得られる同行キャラクタは共通の塔におけるゲームのランキング上位者(成績上位者)であるため、プレイヤに、能力が高い同行キャラクタを簡単に獲得させることができ、プレイヤに対するゲームの興趣性を向上させることができる。さらに、プレイヤは、同行キャラクタとして使用される名誉を得るために、提供物として登録されるべく自キャラクタの能力を上げる事を目指す。従って、プレイヤに、ゲームに繰返し挑戦する動機付けを与えることができる。
なお、イベントの塔613は、プレイヤAが対戦の塔612での対戦に勝利して最上階の攻略を達成した場合や、共通の塔611における成績が上位10位以内にランクインした場合など、所定の条件を満たした場合にマップ600に表示され、プレイヤAによる探検が可能となる。イベントの塔613内では、イベントの内容に応じて、例えば敵キャラクタは出現せずアイテムの獲得を進めることができたり、特別な敵キャラクタが出現し、対戦に勝利すると特別な報酬を得ることができたりする。底なし穴614は、共通の塔やプレイヤの塔とは異なる敵キャラクタに遭遇したり、特別なアイテムを獲得したりすることのできるゲーム空間である。
図6は、取得した同行キャラクタの詳細を表示するゲーム画面の一例である。図に示すように、ゲーム画面700は、同行キャラクタ710、装着済み武具720、装着済みアクセサリ730、ソーシャル共有ボタン740を含む。武具720やアクセサリ730は、所定のタイミングで提供物として複製されて記憶された際に、同行キャラクタ710の複製元であるプレイヤキャラクタが装着していた際のアイテムである。この、武具やアクセサリと言ったパラメータは、同行キャラクタ710を取得したプレイヤによる変更が一部制限される。例えば、装着済みアイテム720は、取得したプレイヤによって他のアイテムに変更することはできない(強化をすることはできる)。アクセサリ730は、取得したプレイヤのアクセサリを上書きして装着することはでき、すなわち、同行キャラクタが装着しているアクセサリをプレイヤが取得することはできない。また、同行キャラクタの複製元の他プレイヤキャラクタが、ゲーム上で武具を交換したりアクセサリを新たに取得したりしても、同行キャラクタに反映されることはない。
図7は、同行キャラクタと共に敵キャラクタと対戦(バトル)するゲーム画面の一例を示す図である。図のように、ゲーム画面800は、敵キャラクタ810、同行キャラクタ820、830を含む。プレイヤは、たたかうボタン840をタップすることにより敵キャラクタ810との対戦を行うことができる。対戦は、前述したように、各キャラクタの有するパラメータによって決まるため、同行キャラクタ820、830のパラメータが勝敗に重要となってくる。
このように、本発明の一実施態様によれば、取得した同行キャラクタのパラメータの変更が制限されるため、強力なプレイヤキャラクタの氾濫を抑え、ゲームバランスを適切に保つことができる。具体的には、複製元のプレイヤのオリジナルのプレイヤキャラクタに対して、取得可能なプレイヤキャラクタに制限を加えることで、オリジナルのプレイヤキャラクタを保有するプレイヤの優位性を担保することができる。これにより、初心者等のプレイヤの強さを引き上げると共に、容易に上級者と同等の強さとならないように、プレイヤ間の強さを調整することができる。
また、同行キャラクタとして取得された回数が多いプレイヤキャラクタに対応するプレイヤに、報酬を与えても良い。例えば、取得された回数に応じて、プレイヤキャラクタのパラメータが上昇するような構成としてもよい。また、取得された回数に応じて、プレイヤのゲームの進行を補助するような報酬を付与してもよい。また、上述の報酬の付与が、ゲームにおける同行キャラクタとしての使用状況に応じて与えられてもよい。ここで、使用状況とは、ゲームにおいて同行キャラクタとして使用された回数や時間、取得した他プレイヤによって成長された回数、取得した他プレイヤが同行キャラクタとして同行したバトルでの勝利した回数等のことを指す。なお報酬とは、具体的には、イベントの塔において、プレイヤに対して出現する確率の低いアイテムを獲得させたり、対戦に勝利するとコインを倍以上獲得できる敵キャラクタを出現させてもよい。
このように、プレイヤは、自プレイヤキャラクタの複製が同行キャラクタとして取得された回数に応じて報酬を得ることができるため、プレイヤに、ゲームのランキング上位に入るべく繰返しゲームに挑戦する熱意を与えることができる。また、プレイヤは、自プレイヤキャラクタの複製が同行キャラクタとして使用された状況に応じて報酬を得ることができるため、プレイヤに、優れたキャラクタを育成するという熱意を与えることができる。
なお、取得した同行キャラクタの複製元のプレイヤと、何らかの交流が行えるようにしてもよい。例えば、同行キャラクタの複製元のプレイヤに、取得したプレイヤからメールを送信することができてもよい。また、同行キャラクタの複製元のプレイヤに、SNS(Social Networking Service)上でお礼を述べることができてもよい。これは、ゲームプログラムの中にプレイヤ同士のチャット機能を組み込んだり、SNSにおける登録情報をゲーム開始時に設定させておき、プレイヤとSNSとを対応付けて記憶しておけばよい。また、同行キャラクタの取得プレイヤの塔と、複製元プレイヤの塔とを、関連付けて記憶してもよい。例えば、同行キャラクタを取得したプレイヤと、複製元プレイヤとが、互いのプレイヤの塔に訪問可能な構成としたり、互いのプレイヤの塔を攻略した際の取得コイン等を増加させる構成としてもよい。さらに、同行キャラクタの取得プレイヤと、複製元プレイヤとを、関連付けて記憶してもよい。例えば、両者をフレンド関係として登録してもよく、また、複数のプレイヤで協力して敵と戦うような協力プレイをする際に、優先的に協力を依頼できるような構成としてもよい。さらに、取得した同行キャラクタや、複製元のプレイヤキャラクタにおいて、変更されたパラメータに関連する情報を通知するような構成としてもよい。具体的には、取得した同行キャラクタにおいて、より強力なパラメータを有する装備Aを装備した場合、複製元のプレイヤキャラクタを有するプレイヤに、装備Aを取得することができるクエストの情報を告知したり、クエストを攻略可能に解放してもよい。
上述のような構成とすることにより、プレイヤキャラクタを介して更なる交流を促すことができる。
次に、本発明の一実施態様によるゲームにおける処理を、フローチャートを用いて説明する。図8は、携帯端末100AのプレイヤAのプレイヤキャラクタAが提供物として記憶され、携帯端末100BのプレイヤBが同行キャラクタの取得要求(同行キャラクタ召喚、ガチャ)を行う場合の処理の一例を示すフローチャートである。なおこれ以降、プレイヤBの携帯端末100Bにおける各部には、符号の後に「B」の文字を付けて表記する。携帯端末100Bにおける各部の機能は、上述の携帯端末100Aについて説明したものと同様である。
図に示すように、携帯端末100Aの進行部153は、入力受付部130を介したプレイヤからの操作入力情報に基づいて、プレイヤAの共通の塔におけるゲームを進行する(ステップS11)。そして、所定のタイミング(例えば、月の最後の日の0時、日曜日の0時等)で、共通の塔におけるゲームの進行状況をゲーム情報記憶部161に記憶する。記憶されるゲームの進行状況には、共通の塔で獲得したコイン数、共通の塔を訪問した回数、最高到達階数、プレイヤキャラクタAの装備等の情報が含まれる。ゲームの進行状況は、通信部110を介してサーバ200に送信される(ステップS12)。サーバ200は、通信部210で受信したプレイヤAによるゲームの進行状況を、ゲーム情報記憶部261に記憶する(ステップS14)。なお、サーバ200には、ゲームの複数のプレイヤからそれぞれのゲームの進行状況が送信され、サーバ200は、それぞれのプレイヤのゲームの進行状況をゲーム情報記憶部261に記憶する。
次に、サーバ200の判定部253は、プレイヤAが所定の条件を満たすか否か、すなわち、共通の塔におけるゲームの成績の順位(例えば、獲得コイン数)が100位以内に入るか否かを判定する(ステップS15)。プレイヤキャラクタAが所定の条件を満たす場合、複製部254は、プレイヤキャラクタAを複製し、提供対象記憶部262に記憶する(ステップS16)。ステップS15にて、プレイヤキャラクタAが所定の条件を満たさないと判定された場合、プレイヤキャラクタAに関する情報はゲーム情報記憶部261から削除されてもよい。サーバ200は、ゲームの各プレイヤに対して上述の処理を行い、共通の塔におけるゲームの順位が上位100位以内のプレイヤキャラクタを複製し、提供対象記憶部262に格納する。
サーバ200の選択部255は、提供対象記憶部262に記憶された提供物(プレイヤキャラクタの複製)に関する提供物情報を、送信部212を介して携帯端末100Bに送信する(ステップS17)。なお、送信される提供物情報には、提供対象となっているプレイヤキャラクタ、提供物に設定された抽選確率、ランキング上位のプレイヤに関する情報が含まれる。そして、携帯端末100Bの受信部111Bが提供物情報を受信し、記憶部160に記憶する。その後、携帯端末100Bにおいて、プレイヤBによる「同行キャラクタ召喚」が選択され、選択部157Bによって、提供物情報に基づき同行キャラクタの抽選(ガチャ)が行われる(ステップS18)。ステップS18にて選択(取得)された同行キャラクタの情報は、送信部112からサーバ200に送信される(ステップS19)。その後、サーバ200の記憶部260に、プレイヤBが取得した提供物に関する情報が、プレイヤBと対応付けられて記憶される(ステップS20)。
なお、上述では携帯端末100Bにおいて抽選が行われる態様を説明したが、抽選はサーバ200によって行われても良い。その場合の処理のフローチャートを図9に示す。なお、ステップS11〜S16までは図8のフローチャートと同様であるため説明を省略する。ステップP18にて、携帯端末100Bにおいて、プレイヤBによる「同行キャラクタ召喚」が選択され、情報処理部151Bによって、通信部110Bを介してサーバ200に取得要求が送信される(ステップP18)。サーバ200の選択部255は、提供対象記憶部262に記憶された提供対象(プレイヤキャラクタの複製)から提供物を選択し、通信部210を介して携帯端末100Bに送信する(ステップP17)。サーバ200から送信された提供物(複製されたプレイヤキャラクタ)は、携帯端末100Bにおいてゲーム情報記憶部161に記憶される(ステップP19)。
次に、サーバ200の提供対象記憶部262に記憶される提供物(複製されたプレイヤキャラクタ)の情報について、図を用いて説明する。図9は、提供対象記憶部262に記憶される、提供物の情報を示すテーブルの一例である。図に示すように、テーブル900には、「プレイヤ名」、「順位」、「武具」及び「アクセサリ」が含まれる。図の例によれば、プレイヤBがランキング「1位」であり、提供物として複製され提供対象記憶部262に記憶された時の、プレイヤキャラクタBが装着していた武具やアクセサリの種類が記憶されている。なお、テーブル900には、各プレイヤキャラクタの抽選時の出現確率が記憶されていてもよい。
本発明による効果を再度述べる。上述のように、本発明の一実施態様によれば、ゲーム空間(共通の塔)におけるゲームにおいて、所定のタイミングで所定の条件を満たすことで、自プレイヤキャラクタが抽選(ガチャ)の提供物として設定される。提供物として決定されるのは所定のタイミング時であるため、プレイヤに、所定のタイミングまでに条件を満たしたいという、ゲームへの熱意を喚起させることができる。
さらに、プレイヤキャラクタを取得する側の利点として、ランキング上位に存在するキャラクタは、現在のゲーム仕様に対して効果的なキャラクタであるため、他プレイヤの育成したキャラクタの内、効果的なゲームキャラクタを簡単に入手することができる。また、提供物として記憶されるプレイヤキャラクタを育成する側の利点として、自身の育成したキャラクタをより多くの他のプレイヤに利用されることで、他のプレイヤと交流を図ることができる。また、従来は、プレイヤキャラクタのやり取りを行うには、直接他プレイヤと対戦を行ったり、他プレイヤにコンタクトを取る必要があった。本発明によれば、プレイヤ間で対戦等の直接的な交流を行わなくてもプレイヤキャラクタのやり取りが行われる。これにより、プレイヤキャラクタを介した交流を促し、交流の機会を増やすことができる。
さらに、本発明の一実施態様によれば、抽選で得られる同行キャラクタは共通の塔におけるゲームのランキング上位者(成績上位者)であるため、プレイヤに、能力が高い同行キャラクタを簡単に獲得させることができ、プレイヤに対するゲームの興趣性を向上させることができる。さらに、プレイヤは、同行キャラクタとして使用される名誉や報酬を得るために、提供物として登録されるべく自キャラクタの能力を上げる事を目指す。従って、プレイヤに、ゲームに繰返し挑戦する動機付けを与えることができる。
さらに、本発明の一実施態様によれば、取得した同行キャラクタのパラメータの変更が制限されるため、強力なプレイヤキャラクタの氾濫を抑え、ゲームバランスを適切に保つことができる。具体的には、複製元プレイヤのオリジナルのプレイヤキャラクタに対して、取得可能なプレイヤキャラクタに制限を加えることで、オリジナルのプレイヤキャラクタを保有するプレイヤの優位性を担保することができる。これにより、初心者等のプレイヤの強さを引き上げると共に、容易に、上級者と同等の強さとならないように、プレイヤ間の強さを調整することができる。
さらに、本発明の一実施態様によれば、プレイヤが、自プレイヤキャラクタの複製が同行キャラクタとして取得された回数や、ゲームにおける同行キャラクタとしての使用状況に応じて報酬を得ることができるため、プレイヤに、ゲームのランキング上位に入るべく繰返しゲームに挑戦する熱意を与えることができる。
上述のように本発明の一実施態様を説明したが、本発明はこれに限られないことは言うまでもない。例えば、上述では、抽選時の出現確率が予め設定されている態様について説明したが、出現確率は、ランキング上位から所定の確率分布に従って設定されてもよい。具体的には、ランキング1位のプレイヤキャラクタの出現確率は最も低く、100位のプレイヤキャラクタの出現確率は最も高くしてもよい。また、ガチャを引くプレイヤと、ガチャに含まれるプレイヤキャラクタに対応するプレイヤとの関係により、確率が変更されてもよい。例えば、プレイヤAが、プレイヤBとフレンド関係であったり、プレイヤBの塔を訪問可能であったり、攻略済みであった場合などの関係に応じて、プレイヤAによるプレイヤBのプレイヤキャラクタを取得できる確率を上昇させてもよい。
また、プレイヤキャラクタは、プレイヤに複数対応付けられてもよい。この場合、提供対象として記憶されるプレイヤキャラクタは、プレイヤに対応付けられた複数のプレイヤキャラクタの一部でも全てでもよい。また、複数のプレイヤキャラクタのそれぞれのパラメータに応じて、複製部254が選択的に提供物として記憶してもよい。例えば、複数のプレイヤキャラクタのうち、パラメータが最も高いプレイヤキャラクタが、提供対象として複製されてもよい。
また、上述では、所定のタイミング時において提供物が決定される構成について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、条件を満たしたタイミングにてプレイヤキャラクタが随時、提供物に追加される構成としてもよい。例えば、プレイヤがランキング100位以内にランクインした場合、そのタイミングにて、プレイヤキャラクタがサーバに記憶されてもよい。また、プレイヤがランクアウトした場合、そのタイミングにて、プレイヤキャラクタがサーバから削除されてもよい。このような構成とすることにより、流動的に提供物に含まれるプレイヤキャラクタを変化させることができる。
また、所定のタイミングとしては、上述に限らず、ゲームの構成が変更になったタイミング(例えば、イベント開始時、イベント終了時、アップデート時など)でもよく、サーバに記憶された提供物は、周期的に入替えがなされてもよい。
また、上述では、取得した同行キャラクタのパラメータの変更(武具やアクセサリの装着)が一部制限される構成について説明したが、変更可能なパラメータが制限される構成としてもよい。例えば、プレイヤは、コインを消費して武具のレベルを強化する事ができるが、この強化できるレベルの上限値が制限されてもよい。また、取得時の同行キャラクタの初期パラメータが、複製前のパラメータと比較して低く設定されてもよい。
上述では、本発明の一態様に係るコンピュータがサーバとして機能し、本発明の一態様に係るゲームプログラムが、いわゆるウェブアプリケーション(ウェブゲーム)として、ゲームプログラムの一部または全部がサーバにおいて実行され、実行された処理の結果が携帯端末に返される構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、本発明の一態様に係るコンピュータが携帯端末(クライアント装置)として機能し、本発明の一態様に係るゲームプログラムが、いわゆるネイティブアプリケーション(ネイティブゲーム)として、当該携帯端末において実行される構成としてもよい。
なお、ウェブブラウザを介してゲームの結果を表示させる場合、携帯端末100Aは、例えば、ウェブブラウザに搭載された所定の記憶領域(ウェブストレージ)に、サーバ200から受信した情報を蓄積することができる。
このように、携帯端末100Aが備えるとして説明した各機能部(特に、制御部150)の一部または全部をサーバ200が備え、サーバ200は、携帯端末100Aに与えられた入力に基づいて、ゲームの出力結果を携帯端末100Aに送信する構成とすることができる。これにより、サーバ200は、携帯端末100Aが機能を提供する場合に携帯端末100Aが奏する効果と同じ効果を奏する。
なお、ゲームの進行画面を、サーバ200が生成したデータに基づいて携帯端末100Aに表示されるウェブ表示とし、その他のメニュー画面などを、携帯端末100Aにインストールされているネイティブアプリによって表示するネイティブ表示とするなど、本発明に係るゲームは、サーバ200および携帯端末100Aのそれぞれが処理の一部を担う、ハイブリッドゲームとすることもできる。
また、携帯端末100Aと他の携帯端末100B、100Cとが通信可能に接続され(いわゆるピア・ツー・ピア通信)、互いに同期を取り合って、ゲームをマルチプレイすることもできる。上述において、サーバ200を介して携帯端末から他の携帯端末への情報の送受信が行われる態様について説明したが、携帯端末同士で、例えばアドホックモード又はインフラストラクチャモード等によって、直接情報の送受信が行われても良い。
また、上述の制御方法は、フローチャートを参照して説明した処理だけでなく、制御部150に含まれる各部において実行される処理を任意に含んでもよい。
また、上述では、本発明の一実施態様に係るゲームプログラムで実現されるゲームとして、塔における対戦ゲームについて説明した。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、本発明によるゲームプログラムは、例えば、会社経営ゲーム、農場経営ゲーム、キャラクタ育成ゲームなど、多様なゲームにおいて実現することができる。
また、上述では、提供物として決定される成績が決まるゲームを、共通の塔におけるゲームとして説明した。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、複数のプレイヤにそれぞれ対応付けられた各プレイヤの塔におけるゲームでの成績に基づいても良い。また、上述では、召喚される同行キャラクタは提供物として複製されたプレイヤキャラクタの態様について説明したが、同行キャラクタは、予めプログラムされたノンプレイヤキャラクタでもよい。また、抽選で取得する同行キャラクタは、自プレイヤキャラクタが提供物として複製されている場合は、自プレイヤキャラクタであっても良い。
また、携帯端末100A〜100Cはスマートフォンに限るものでない。携帯端末は、上記実施の形態において記載した機能を実現できる情報処理装置であればどのような装置であってもよく、たとえば、携帯電話、PC(Personal Computer)、タブレット端末などであってもよい。さらに、上述の実施の形態では3台の携帯端末間でゲームを行う態様を説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、3台以上でもよい。
また、携帯端末100Aおよびサーバ200の制御部は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。後者の場合、携帯端末100Aおよびサーバ200は、各機能を実現するソフトウェアであるゲームプログラムの命令を実行するCPU、上記ゲームプログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記ゲームプログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記ゲームプログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記ゲームプログラムは、当該ゲームプログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。本発明は、上記ゲームプログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
なお、上記ゲームプログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。また、上記ゲームプログラムによって実現される各機能を実現する各構成部を備えた情報処理端末(例えば、携帯端末100A)と、上記各機能とは異なる残りの機能を実現する各構成部を備えたサーバとを含むゲームシステムも、本発明の範疇に入る。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、上記実施の形態に示す構成を適宜組み合わせることとしてもよい。
〔付記事項〕
以下に本願の原出願に係る請求項を付記する。
[1]
コンピュータに、
プレイヤに付与されたゲーム媒体を、当該プレイヤに対応付けて所定の記憶装置に記憶する記憶機能と、
前記プレイヤによるゲームの進行に応じて、前記プレイヤに対応付けられたゲーム媒体に関するパラメータを更新する更新機能と、
所定のタイミングで、前記プレイヤによるゲームの進行状況が所定の条件を満たすか否かを判定する判定機能と、
前記判定機能により前記所定の条件を満たすと判定された場合、前記プレイヤに対応付けられたゲーム媒体を、判定の際におけるパラメータの状態で複製する複製機能と、
前記複製機能により複製された前記プレイヤに対応付けられたゲーム媒体を、提供対象として前記ゲームのプレイヤの端末装置に送信する送信機能と、
を実現させるゲームプログラム。
[2]
前記ゲームのプレイヤによって、前記送信機能にて送信された前記提供対象のゲーム媒体、及び/又は、前記ゲームのプレイヤに対応付けられていない予めプログラムされたゲーム媒体から、提供物として取得されたゲーム媒体に関する情報を含む、取得情報を受信する受信機能をさらに実現させる、
ことを特徴とする[1]に記載のゲームプログラム。
[3]
前記ゲームのプレイヤの取得要求に応じて、前記複製機能により複製された前記プレイヤに対応付けられたゲーム媒体、及び/又は、前記ゲームのプレイヤに対応付けられていない予めプログラムされたゲーム媒体から、当該プレイヤに提供物として取得させるゲーム媒体を選択する選択機能をさらに実現させる、
ことを特徴とする[1]または[2]に記載のゲームプログラム。
[4]
前記複製機能は、前記プレイヤのゲーム媒体を、前記所定のタイミング時におけるパラメータの状態で複製する、
ことを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のゲームプログラム。
[5]
前記判定機能は、前記ゲームの進行に基づいて前記複数のプレイヤの順位を判定し、前記プレイヤが、前記順位において上位に位置する場合に、前記所定の条件を満たすと判定する、
ことを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のゲームプログラム。
[6]
前記ゲームのプレイヤによって提供物として取得されたゲーム媒体のパラメータの一部は、当該ゲーム媒体を取得したプレイヤによるゲームの進行に応じた更新が制限される、
ことを特徴とする[1]〜[5]にいずれかに記載のゲームプログラム。
[7]
前記取得情報には、前記ゲームのプレイヤによって提供物として選択された回数に関する情報が含まれ、当該選択された回数 に応じて、前記提供対象とされたゲーム媒体に対応するプレイヤに報酬を付与する報酬付与機能をさらに実現させる、
ことを特徴とする[2]に記載のゲームプログラム。
[8]
前記取得情報には、前記ゲームのプレイヤによって提供物として取得されたゲーム媒体の、前記ゲームにおける当該プレイヤによる使用状況に関する情報が含まれ、当該使用状況に応じて、前記ゲーム媒体に対応するプレイヤに報酬を付与する報酬付与機能をさらに実現させる、
ことを特徴とする[2]に記載のゲームプログラム。
[9]
プレイヤに付与されたゲーム媒体を、当該プレイヤに対応付けて所定の記憶装置に記憶する記憶ステップと、
前記プレイヤによるゲームの進行に応じて、前記プレイヤに対応付けられたゲーム媒体に関するパラメータを更新する更新ステップと、
所定のタイミングで、前記プレイヤによるゲームの進行状況が所定の条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにて前記所定の条件を満たすと判定された場合、前記プレイヤに対応付けられたゲーム媒体を、判定の際におけるパラメータの状態で複製する複製ステップと、
前記複製ステップにて複製された前記プレイヤに対応付けられたゲーム媒体を、提供対象として前記ゲームのプレイヤの端末装置に送信する送信ステップと、
を含むコンピュータの制御方法。
[10]
プレイヤに付与されたゲーム媒体を、当該プレイヤに対応付けて記憶する記憶部と、
前記プレイヤによるゲームの進行に応じて、前記プレイヤに対応付けられたゲーム媒体に関するパラメータを更新する更新部と、
所定のタイミングで、前記プレイヤによるゲームの進行状況が所定の条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記所定の条件を満たすと判定された場合、前記プレイヤに対応付けられたゲーム媒体を、判定の際におけるパラメータの状態で複製する複製部と、
前記複製部により複製された前記プレイヤに対応付けられたゲーム媒体を、提供対象として前記ゲームのプレイヤの端末装置に送信する送信部と、
を備えるコンピュータ。