本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る指紋検出装置の一構成例を示すブロック図である。図1に示すように、指紋検出装置1は、指紋検出部30と、制御部11と、ゲートドライバ12と、検出電極ドライバ14と、検出部40とを備えている。
指紋検出部30は、後述するように、ゲートドライバ12から供給される走査信号Vscanに従って、1検出ラインずつ順次走査して検出を行う。指紋検出部30は、自己静電容量方式の検出原理に基づいて、接触又は近接する物体の凹凸を検出することで、指紋を検出する。
制御部11は、ゲートドライバ12、検出電極ドライバ14、検出部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらが互いに同期して動作するように制御する回路である。
ゲートドライバ12は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、指紋検出部30の検出駆動の対象となる1検出電極ブロックを順次選択する機能を有している。
検出電極ドライバ14は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、指紋検出部30の検出駆動の対象となる検出電極25に駆動信号Vfを供給する回路である。
検出部40は、制御部11から供給される制御信号と、指紋検出部30から供給される検出信号Vdetに基づいて、細かいピッチで指の接触又は近接の有無を検出する回路である。この検出部40は、例えば、検出信号増幅部42と、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45と、合成部46とを備える。検出タイミング制御部47は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、検出信号増幅部42と、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45と、合成部46とが同期して動作するように制御する。
検出信号増幅部42は、指紋検出部30から供給される検出信号Vdetを増幅する。なお、検出信号増幅部42は、低域通過アナログフィルタであるアナログLPF(Low Pass Filter)を備えていてもよい。アナログLPFは、検出信号Vdetに含まれる高い周波数成分(ノイズ成分)を除去して出力する。
A/D変換部43は、駆動信号Vfに同期したタイミングで、検出信号増幅部42から出力されるアナログ信号をそれぞれサンプリングしてデジタル信号に変換する。
信号処理部44は、デジタルフィルタを備えている。デジタルフィルタは、A/D変換部43の出力信号に含まれる、駆動信号Vfをサンプリングした周波数以外の周波数成分(ノイズ成分)を低減する。信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に基づいて、指紋検出部30に対する指の接触又は近接の有無を検出する論理回路である。
座標抽出部45は、信号処理部44において指の接触又は近接が検出されたときに、その検出座標を求める論理回路である。座標抽出部45は、検出座標を合成部46に出力する。合成部46は、指紋検出部30の各検出電極25から出力される検出信号Vdetを組み合わせて、接触又は近接する物体の形状を示す二次元情報を生成する。
上述のとおり、指紋検出部30は、静電容量型の指紋検出の基本原理に基づいて動作する。ここで、図2から図5を参照して、自己静電容量方式の指紋検出の基本原理について説明する。図2は、自己静電容量方式の指紋検出の基本原理を説明するための、指が接触又は近接していない状態を表す説明図である。図3は、自己静電容量方式の指紋検出の基本原理を説明するための、指が接触又は近接した状態を表す説明図である。図4は、自己静電容量方式の指紋検出の等価回路の例を示す説明図である。図5は、自己静電容量方式の指紋検出の駆動信号及び検出信号の波形の一例を表す図である。以下では、指が検出電極等に接触又は近接している状態をタッチ状態という。
図2左図は、タッチではない状態において、スイッチSW1により電源Vddと検出電極E1とが接続され、スイッチSW2により検出電極E1がコンデンサCcrに接続されていない状態を示している。この状態では、検出電極E1が有する容量Cx1が充電される。図2右図は、スイッチSW1により、電源Vddと検出電極E1との接続がオフされ、スイッチSW2により、検出電極E1とコンデンサCcrとが接続された状態を示している。この状態では、容量Cx1の電荷はコンデンサCcrを介して放電される。
図3左図は、タッチ状態において、スイッチSW1により電源Vddと検出電極E1とが接続され、スイッチSW2により検出電極E1がコンデンサCcrに接続されていない状態を示している。この状態では、検出電極E1が有する容量Cx1に加え、検出電極E1に近接している指により生じる容量Cx2も充電される。図3右図は、スイッチSW1により、電源Vddと検出電極E1がオフされ、スイッチSW2により検出電極E1とコンデンサCcrとが接続された状態を示している。この状態では、容量Cx1の電荷と容量Cx2の電荷とがコンデンサCcrを介して放電される。
ここで、図2右図に示す放電時(タッチではない状態)におけるコンデンサCcrの電圧変化特性に対して、図3右図に示す放電時(タッチ状態)におけるコンデンサCcrの電圧変化特性は、容量Cx2が存在するために、明らかに異なる。したがって、自己静電容量方式では、コンデンサCcrの電圧変化特性が、容量Cx2の有無により、異なることを利用して、タッチの有無を判定している。
具体的には、検出電極E1に所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)の交流矩形波Sg(図5参照)が印加される。図4に示す電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流の変動を電圧の変動(波形V3、V4)に変換する。
上述のように、検出電極E1はスイッチSW1及びスイッチSW2でコンデンサCcrから切り離すことが可能な構成となっている。図5において、時刻T01のタイミングで交流矩形波Sgは電圧V0に相当する電圧レベルを上昇させる。このときスイッチSW1はオンしておりスイッチSW2はオフしている。このため検出電極E1の電圧も電圧V0に上昇する。次に時刻T11のタイミングの前にスイッチSW1をオフとする。このとき検出電極E1はフローティング状態であるが、検出電極E1の容量Cx1(図2参照)、あるいは検出電極E1の容量Cx1にタッチによる指の容量Cx2を加えた容量(Cx1+Cx2、図3参照)によって、検出電極E1の電位は電圧V0が維持される。さらに、時刻T11のタイミングの前にスイッチSW3をオンさせ所定の時間経過後にオフさせ電圧検出器DETをリセットさせる。このリセット動作により出力電圧はVrefと略等しい電圧となる。
続いて、時刻T11のタイミングでスイッチSW2をオンさせると、電圧検出器DETの反転入力部が検出電極E1の電圧V0となり、その後、検出電極E1の容量Cx1(またはCx1+Cx2)と電圧検出器DET内の容量C5の時定数に従って電圧検出器DETの反転入力部は基準電圧Vrefまで低下する。このとき、検出電極E1の容量Cx1(またはCx1+Cx2)に蓄積されていた電荷が電圧検出器DET内の容量C5に移動するため、電圧検出器DETの出力が上昇する(Vdet)。電圧検出器DETの出力(Vdet)は、検出電極E1に指等が近接していないときは、実線で示す波形V3となり、Vdet=Cx1×V0/C5となる。指等の影響による容量が付加されたときは、点線で示す波形V4となり、Vdet=(Cx1+Cx2)×V0/C5となる。
その後、検出電極E1の容量Cx1(またはCx1+Cx2)の電荷が容量C5に十分移動した後の時刻T31のタイミングでスイッチSW2をオフさせ、スイッチSW1及びスイッチSW3をオンさせることにより、検出電極E1の電位を交流矩形波Sgと同電位のローレベルにするとともに電圧検出器DETをリセットさせる。なお、このとき、スイッチSW1をオンさせるタイミングは、スイッチSW2をオフさせた後、時刻T02以前であればいずれのタイミングでもよい。また、電圧検出器DETをリセットさせるタイミングは、スイッチSW2をオフさせた後、時刻T12以前であればいずれのタイミングとしてもよい。以上の動作を所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)で繰り返す。波形V3と波形V4との差分の絶対値|ΔV|に基づいて、タッチの有無を測定することができる。なお、検出電極E1の電位は、図5に示すように、指等が近接していないときはV1の波形となり、指等の影響による容量Cx2が付加されるときはV2の波形となる。
図6は、検出部40による指紋検出の仕組みを示す模式図である。合成部46は、複数の検出電極E1からの検出信号Vdetを組み合わせて、検出電極E1にタッチしている物体の形状を示す二次元情報を生成する。具体的には、例えば表面に凹凸を有する外部近接物体(例えば、ヒトの指等)が指紋検出部30(図1参照)に接触すると、その凹凸によって指紋検出部30との間で距離に違いが生じるため、凹凸に応じて検出強度の差異が生じる。合成部46は、この検出強度の差異を色の濃淡(例えば、グレースケール)として表す二次元の画像を生成する。合成部46を有する検出部40の出力Voutは、例えば、上記で説明した二次元情報の出力である。
図6では、分かりやすさを目的として接触又は近接の有無のみを示す2階調検出を例示している。実際には各ブロックにおける検出結果は多階調とすることができる。また、図6では、検出されている外部近接物体が二重丸状の凹凸を有する物体である。ここで、外部近接物体がヒトの指である場合、指紋部分で指紋検出部30をタッチすると、二次元情報として指紋が現れる。また、合成部46の機能は、検出部40以外の構成が有していてもよい。例えば、検出部40の出力Voutを座標抽出部45の出力とし、係る出力Voutに基づいて外部の構成が二次元情報を生成するようにしてもよい。また、二次元情報の生成に係る構成は、回路等のハードウェアであってもよいし、所謂ソフトウェア処理によってもよい。
次に、指紋検出装置1の構成例を詳細に説明する。図7は、第1の実施形態に係る指紋検出装置の平面図である。図8は、第1の実施形態に係る指紋検出装置の概略断面構造を表す断面図である。なお、図8では、指紋検出装置1が外部の電子機器の筐体101に組み込まれた状態の断面図を示している。指紋検出装置1は、例えば液晶表示装置等の表示装置(図示しない)を備える電子機器に組み込まれ、液晶表示装置の画像を表示する表示面の裏面側に配置される。筐体101の開口部分に指紋検出装置1が組み込まれ、指紋検出装置1が設けられた部分に指を接触させることで、指紋が検出されるようになっている。なお、以下ではヒトの指の表面凹凸を検出することを指紋検出という。
図7及び図8に示すように、指紋検出装置1は、基板21と、基板21に設けられた複数の検出電極25とを含む。基板21は、第1面21aと、第1面21aの反対側の第2面21bとを有する。基板21の第1面21aは、接触又は近接する指の凹凸を検出するための検出面である。図8に示すように、基板21の第1面21aには、基板21を保護するための保護層29が設けられていてもよく、第2面21bには保護層56が設けられていてもよい。基板21の第2面21bには、さらに制御用IC19とフレキシブル基板36とが設けられている。制御用IC19は、図1に示す制御部11や検出部40を実装している。検出部40からの出力Voutは、フレキシブル基板36を介して外部の回路に出力される。なお、保護層29によって基板21の第1面21aが覆われている場合、この保護層29の表面を検出面と定義づけることもできる。すなわち、指紋検出装置1において、指が直接接触する面のことを検出面としてもよい。また、以下では、検出面に接触している指の指紋のことを単に指紋という場合がある。
基板21は、ガラス基板を用いることができる。基板21は、例えば強化ガラスを用いることで、強度を維持しつつ薄くすることができる。強化ガラスとしては、例えばガラスの表面のナトリウム(Na)イオンをイオン半径の大きいカリウム(K)イオンと交換することで、表面に圧縮応力層を形成した化学強化ガラスや、加熱したガラス基板に空気を送り急冷することで表面に圧縮応力層を形成した強化ガラスを用いることができる。基板21は、6面強化ガラスであってもよい。
検出電極25は、基板21の第2面21bに設けられる。図7に示すように、検出電極25は、それぞれ矩形状であり、行列状に複数配置される。検出電極25は、例えば行方向に50μmのピッチで複数配列され、列方向に50μmのピッチで複数配列される。なお、行方向の配列ピッチと列方向の配列ピッチとは異なっていてもよい。行列状に配置された検出電極25により指紋検出部30が構成される。検出電極25は、上述した自己静電容量方式の指紋検出の基本原理における検出電極E1に対応しており、検出電極25の静電容量変化に基づいて検出面に接触している指紋を検出することが可能となっている。検出電極25は、例えばモリブデン(Mo)等の金属材料を用いることができる。検出電極25は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)又はこれらの合金の少なくとも1つの金属材料を用いてもよい。
検出電極25が配置された領域が、指紋を検出することが可能な検出領域21cであり、検出領域21cの外側は額縁領域21dである。制御用IC19とフレキシブル基板36とは額縁領域21dに設けられる。また、第2面21bの額縁領域21dには、さらに、ゲートドライバ12及び検出電極ドライバ14が設けられていてもよい。
図8に示すように、基板21の額縁領域21dが筐体101(図8参照)の固定部分101aに固定される。基板21の第1面21aは筐体101の開口部分に露出する。このとき検出領域21cが開口部分に重畳して配置される。この開口部分から露出する検出面に操作者の指が接触したときに、指紋検出装置1は、指紋を検出することが可能となっている。このように、本実施形態の指紋検出装置1は、第1面21aが検出面であり、検出面の反対側の第2面21bに検出電極25、制御用IC19、フレキシブル基板36が設けられている。このため基板21を筐体101に固定する際に、制御用IC19、フレキシブル基板36の凹凸による制約が少なくなる。つまり、筐体101には平板状の第1面21a側が対向することとなるので、筐体101の開口部分周りの構造を簡便にして、筐体101の加工や指紋検出装置1の筐体101への取り付けを容易にすることができる。また、第1面21a側にはフレキシブル基板36や制御用IC19等が設置されておらず、平坦な検出面が存在するだけである。このため、フレキシブル基板36を回り込ませるための空間や制御用IC19を設置するための空間を基板21と筐体101との間に形成する必要がなく、その分だけ検出面を筐体101の外側表面に近い位置に設けることができる。この結果、筐体101の内側表面よりも筐体101の外側表面に近い位置に検出面を設けることができ、この筐体101の外側表面と検出面との凹凸差を低減できる。また、制御用IC19やフレキシブル基板36が第2面21bに設けられるので、検出電極25よりも第1面21a側に、配線などの導体が存在しないため、検出誤差や検出感度の低下を抑制することができる。
次に検出電極25の構造について詳細に説明する。図9は、検出電極及びスイッチング素子の配置を模式的に示す平面図である。図9に示すように、基板21の第2面21bに検出電極25、スイッチング素子Tr、ゲート線GCL、データ線SGLが設けられている。複数のゲート線GCLと複数のデータ線SGLとは、交差するように配線される。ここで、ゲート線GCLが延在する方向と平行な方向が行方向であり、データ線SGLが延在する方向と平行な方向が列方向である。ゲート線GCLは行方向に沿って設けられ、列方向に複数配列されている。データ線SGLは、列方向に沿って設けられ、行方向に複数配列されている。ゲート線GCLとデータ線SGLとで囲まれた領域にそれぞれ検出電極25が配置される。なお、検出電極25はそれぞれ矩形状としているが、これに限定されず、菱形形状、多角形状等、他の形状であってもよい。
ゲート線GCLとデータ線SGLとが交差する位置の近傍にスイッチング素子Trが設けられている。スイッチング素子Trは各検出電極25に対応して配置される。スイッチング素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFT(Thin Film Transistor)で構成されている。
図1に示すゲートドライバ12は、ゲート線GCLを順次選択する。ゲートドライバ12は、選択されたゲート線GCLを介して走査信号Vscanをスイッチング素子Trに供給する。これにより、検出電極25のうち1行(1水平ライン)を検出対象の検出電極ブロック25Aとして選択する。検出電極ブロック25Aは、行方向に配列された複数の検出電極25を含む。検出電極ドライバ14は、データ線SGLを介して検出電極ブロック25Aの各検出電極25に駆動信号Vfを供給する。そして、上述した自己静電容量方式の指紋検出の基本原理に従って、各検出電極25の静電容量変化に応じた検出信号Vdetを検出部40が受信する。これにより、検出面をタッチしている指の指紋が検出される。
図9に示すように、検出電極25を覆うように導電層51が設けられている。ゲート線GCLは、検出電極25の1辺に沿って設けられており、ゲート線GCLと検出電極25の1辺との間に導電性の第1配線ASL1が設けられている。また、検出電極25に対して第1配線ASL1の反対側に第2配線ASL2が設けられている。第1配線ASL1及び第2配線ASL2は、ゲート線GCLに沿って設けられている。第1配線ASL1及び第2配線ASL2は、検出電極ブロック25Aに対応して設けられており、複数の検出電極25と隣り合って連続している。さらに、第1配線ASL1及び第2配線ASL2に沿って第3配線ASL3が設けられている。第3配線ASL3は、ゲート線GCLと重畳して、ゲート線GCLに沿って設けられる。
ゲート線GCL及びデータ線SGLは、アルミニウム(Al)又はアルミニウム合金が用いられる。導電層51、第1配線ASL1、第2配線ASL2及び第3配線ASL3は、例えばモリブデン(Mo)等の金属材料を用いることができる。又は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)又はこれらの合金の少なくとも1つの金属材料を用いてもよい。
上述のように、ゲート線GCLは、データ線SGL及び検出電極25とは異なる信号(走査信号Vscan)が供給される。このため、ゲート線GCLと検出電極25との間の寄生容量、及びゲート線GCLとデータ線SGLとの間の寄生容量が大きくなる可能性がある。寄生容量が増大すると、指の接触又は近接による静電容量変化が相対的に小さくなるため、検出感度が低下する可能性が生じる。
本実施形態では、検出電極ドライバ14が、導電層51、第1配線ASL1、第2配線ASL2及び第3配線ASL3に対して、駆動信号Vfと同期した同一の波形を有する信号Vsglを供給することにより、検出電極25とゲート線GCLとの間の寄生容量が低減される。これにより、検出誤差や検出感度の低下が抑制される。検出電極ドライバ14とは別に駆動回路を適宜設けて、信号Vsglを供給してもよい。
次に、検出電極25と各配線及び導電層の構成について詳細に説明する。図10は、検出電極を拡大して示す平面図である。図11は、図10のXI−XI’線に沿った断面図である。なお、図11では、図8とは上下方向を逆に、すなわち、基板21の検出面として構成される第1面21aを図の下側に向けて記載している。
図10及び図11に示すようにスイッチング素子Trは、半導体層61、ソース電極62、ドレイン電極63及びゲート電極64を含む。半導体層61の材料としては、ポリシリコンや酸化物半導体などの公知の材料を用いることができる。
半導体層61は、コンタクトホールH1を介してデータ線SGLと電気的に接続される。ここでデータ線SGLにおいて、半導体層61と重畳する部分がソース電極62として機能する。半導体層61は、平面視でゲート線GCLと複数回交差するように屈曲している。ゲート線GCLにおいて半導体層61と重畳する部分がゲート電極64として機能する。半導体層61は、コンタクトホールH2を介してドレイン電極63と電気的に接続される。ドレイン電極63は、ゲート線GCLの側方から第1配線ASL1と交差して検出電極25と重畳する位置まで設けられている。ドレイン電極63は、検出電極25と重畳する位置でコンタクトホールH3を介して検出電極25と電気的に接続される。
図11に示すように、基板21の第2面21b上には、第3配線ASL3と検出電極25とが設けられている。第3配線ASL3と検出電極25との上に絶縁層58aが設けられている。絶縁層58a上には半導体層61が設けられている。半導体層61上に絶縁層58bが設けられ、絶縁層58bの上にゲート線GCL及び第1配線ASL1が設けられている。ゲート線GCL及び第1配線ASL1の上に絶縁層58cが設けられ、絶縁層58c上にドレイン電極63、データ線SGL及び導電層51が設けられる。ドレイン電極63、データ線SGL及び導電層51の上に平坦化層59が設けられ、平坦化層59の上に保護層77が設けられる。なお、図11では図示しない第2配線ASL2は、ゲート線GCL及び第1配線ASL1と同層に設けられる。なお、図11では省略して示すが、保護層29(図8参照)が設けられている場合、保護層29に接触している指の指紋が指紋検出装置1により検出される。
本実施形態では、検出電極25が、ゲート線GCLよりも基板21の第2面21b側に設けられる。検出電極25とゲート線GCLとの間には、絶縁層58a、58bが設けられている。つまり、検出面である第1面21aには、スイッチング素子Trよりも検出電極25の方が近い。検出電極25と検出面との間には、基板21、又は基板21と保護層29が設けられるのみである。このため、検出電極25よりも第1面21a側に、配線などの導体が存在せず、かつ、検出面に接触する指と検出電極25との距離が小さくなるので、検出感度の低下を抑制することが可能である。
図10に示すように、第3配線ASL3は、導電層51と重畳する位置にタブ部ASL3aが設けられている。タブ部ASL3aは、第1配線ASL1と交差しており、検出電極25と間隔を有して配置される。タブ部ASL3aはコンタクトホールH4を介して導電層51と電気的に接続される。導電層51は、検出電極25及び第1配線ASL1と重畳して設けられており、コンタクトホールH5を介して第1配線ASL1と電気的に接続される。図10に示す例では、2つのコンタクトホールH5が設けられているが、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。また、導電層51は、第2配線ASL2と重畳して設けられており、コンタクトホールH6を介して第2配線ASL2と電気的に接続される。
これにより、第1配線ASL1、第2配線ASL2、第3配線ASL3及び導電層51が互いに電気的に接続される。このため、第1配線ASL1、第2配線ASL2、第3配線ASL3及び導電層51のいずれか一つに電位を入れると、残りの全てを同電位にできる。また、これら第1配線ASL1、第2配線ASL2、第3配線ASL3及び導電層51の間での寄生容量の増大が抑制される。
第1配線ASL1は、ゲート線GCLと検出電極25との間において、検出電極25の1辺に沿って設けられる。また、第1配線ASL1はゲート線GCLと同層に設けられている。このため、検出電極25とゲート線GCL間での寄生容量を低減することが可能である。第3配線ASL3は、ゲート線GCLと重畳して設けられている。導電層51は、検出電極25とドレイン電極63とが接続された部分を除いて、検出電極25と重畳して設けられている。これにより、検出電極25とゲート線GCL間での寄生容量をより低減することが可能である。第3配線ASL3は、ゲート線GCLの幅よりも大きい幅を有している。これに限定されず、ゲート線GCLと同じ幅、又はゲート線GCLよりも小さい幅を有していてもよい。
半導体層61において、ゲート電極64と重畳する部分にチャネル部が設けられている。第3配線ASL3は、チャネル部と重なる位置に設けられ、チャネル部よりも大きい面積を有していることが好ましい。第3配線ASL3は、上述の金属材料が用いられており、基板21よりも光の透過率が小さくなっている。本実施形態では、第3配線ASL3を設けているので、第1面21a側から半導体層61に入射する光が遮光される。
図11に示す平坦化層59は、例えば有機平坦化膜である。平坦化層59の上に設けられた保護層77は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透光性導電材料や、酸化シリコン(SiO2)等の無機材料が用いられる。これにより、水分などが平坦化層59に進入することを抑制して、検出電極25、第1配線ASL1、第2配線ASL2、第3配線ASL3及び導電層51の腐食の発生を抑制できる。また、保護層77は、ITO等の導電性を有する材料を用いることで、外部から侵入する静電気等の電磁ノイズを遮蔽するシールドとして機能する。
次に本実施形態の指紋検出装置の駆動方法について説明する。図12は、第1の実施形態に係る指紋検出装置のタイミング波形図である。
図12に示すように、検出期間Pt1では、n行目のゲート線GCL(n)(図9参照)が選択され、走査信号Vscan(n)がオン(高レベル)になる。n行目の検出電極ブロック25A(n)に対応するスイッチング素子Trがオン(開)となる。これにより検出電極ブロック25A(n)の各検出電極25に、データ線SGL(m)、SGL(m+1)、SGL(m+2)を介して駆動信号Vfが供給される。上述した自己静電容量方式の指紋検出の基本原理に基づいて、検出電極ブロック25A(n)の各検出電極25から検出信号Vdetが検出部40(図1参照)に出力される。
検出期間Pt1ではゲート線GCL(n)以外のゲート線GCL(n+1)、GCL(n+2)、は、走査信号Vscanがオフ(低レベル)であり、検出電極ブロック25A(n+1)及び検出電極ブロック25A(n+2)の各検出電極25は、固定された電位が供給されていないフローティング状態となる。このため、検出対象として選択された検出電極ブロック25A(n)と、選択されていない検出電極ブロック25A(n+1)、25A(n+2)との間の、検出電極25同士の寄生容量を抑制することができる。また、検出期間Pt1では、第1配線ASL1、第2配線ASL2、第3配線ASL3及び導電層51は、信号Vsglが供給される。このため、検出対象として選択された検出電極ブロック25A(n)の各検出電極25と、ゲート線GCLとの間の寄生容量を抑制して、検出感度の低下が抑制される。
次に、検出期間Pt2では、n+1行目のゲート線GCL(n+1)が選択され、走査信号Vscan(n+1)がオン(高レベル)になる。n+1行目の検出電極ブロック25A(n+1)のスイッチング素子Trがオン(開)となる。これにより検出電極ブロック25A(n+1)の各検出電極25にデータ線SGL(m)、SGL(m+1)、SGL(m+2)を介して駆動信号Vfが供給され、検出電極ブロック25A(n+1)の各検出電極25から検出信号Vdetが検出部40(図1参照)に出力される。
検出期間Pt2では検出電極ブロック25A(n)及び検出電極ブロック25A(n+2)の各検出電極25は、固定された電位が供給されていないフローティング状態となる。また、第1配線ASL1、第2配線ASL2、第3配線ASL3及び導電層51は、信号Vsglが供給される。
検出期間Pt3では、n+2行目のゲート線GCL(n+2)が選択され、走査信号Vscan(n+2)がオン(高レベル)になる。n+2行目の検出電極ブロック25A(n+2)のスイッチング素子Trがオン(開)となる。これにより検出電極ブロック25A(n+2)の各検出電極25にデータ線SGL(m)、SGL(m+1)、SGL(m+2)を介して駆動信号Vfが供給され、検出電極ブロック25A(n+2)の各検出電極25から検出信号Vdetが検出部40(図1参照)に出力される。これを順次繰り返すことで、検出領域21c全体で検出動作が実行される。
以上説明したように、本実施形態の指紋検出装置1は、第1面21aと、第1面21aの反対側の第2面21bとを有し、第1面21aが、接触又は近接する物体の凹凸を検出するための検出面である基板21と、基板21の第2面21b側に設けられ、静電容量変化に基づいて接触又は近接する指の凹凸を検出するための検出電極25と、基板21の第2面21b側に設けられ、検出電極25に駆動信号を供給する駆動回路と、を有する。
検出面の反対側の第2面21bに検出電極25、スイッチング素子Tr、制御用IC19、フレキシブル基板36が設けられている。このため、基板21を電子機器の筐体101に固定する際に、制御用IC19、フレキシブル基板36等の凹凸による制約が少なくなる。つまり、基板21の第1面21a側が固定される筐体101の構造を簡便にして、加工を容易にすることができる。また、検出電極25よりも第1面21a側に、ゲート線GCL、データ線SGL等の導体が存在しないため、検出誤差や検出感度の低下を抑制することができる。
(第2の実施形態)
図13は、第2の実施形態に係る検出電極を拡大して示す平面図である。図14は、図13のXIV−XIV’線に沿った断面図である。
本実施形態では、第1配線ASL1、第2配線ASL2、第3配線ASL3が設けられておらず、検出電極25を囲む第4配線ASL4が設けられている。図13に示すように、第4配線ASL4は、第1部分ASL4a、第2部分ASL4b、第3部分ASL4c、第4部分ASL4dを含む。ゲート線GCLは、検出電極25の辺25aに沿って設けられており、第1部分ASL4aは、検出電極25の辺25aとゲート線GCLとの間において、検出電極25の辺25a及びゲート線GCLに沿って設けられる。第2部分ASL4bは、検出電極25に対して第1部分ASL4aの反対側に設けられ、検出電極25の辺25bに沿って設けられる。第3部分ASL4cは、検出電極25とデータ線SGLとの間に設けられ、検出電極25の辺25cに沿って設けられる。第4部分ASL4dは、検出電極25に対して第3部分ASL4cの反対側に設けられ、検出電極25の辺25dに沿って設けられる。なお、図13では図示していないが、検出電極25に対してゲート線GCLの反対側にも、他のゲート線GCLが設けられており(図9参照)、第2部分ASL4bは、ゲート線GCLと検出電極25との間に設けられる。
検出電極25を挟んで設けられた第1部分ASL4aと第2部分ASL4bとは、第3部分ASL4cと第4部分ASL4dとで接続されている。このように第4配線ASL4は検出電極25を囲む枠状となっている。そして、図13及び図14に示すように、第4配線ASL4は、コンタクトホールH7を介して導電層51と電気的に接続される。なお、図13では、1つの検出電極25のみ示しているが、行列状に複数配列された各検出電極25について、導電層51と第4配線ASL4とが設けられる。図13に示すように、第2部分ASL4bは、第3部分ASL4c及び第4部分ASL4dとの接続箇所よりも行方向の外側に延びており、行方向に配列された複数の検出電極25に対応して連続している。行方向に配列された複数の第4配線ASL4は、第2部分ASL4bにより電気的に接続される。上述した信号Vsglは、第2部分ASL4bを介して、行方向に配列された複数の第4配線ASL4及び導電層51に供給される。なお、第4配線ASL4同士を接続する構造はこれに限定されず、たとえば第1部分ASL4aを延在させてもよいし、第4配線ASL4同士を接続する配線を、第3部分ASL4c及び第4部分ASL4dに接続してもよい。
図14に示すように、検出電極25は、ゲート線GCLと同層に設けられている。そして、第4配線ASL4は、検出電極25及びゲート線GCLと同層に設けられている。すなわち、基板21の第2面21bに絶縁層58aが設けられ、絶縁層58aの上に半導体層61が設けられる。半導体層61の上に絶縁層58bが設けられ、絶縁層58bの上に、ゲート線GCL、検出電極25及び第4配線ASL4が設けられる。ゲート線GCL、検出電極25及び第4配線ASL4の上に絶縁層58cが設けられ、絶縁層58cの上にデータ線SGL、ドレイン電極63及び導電層51が設けられる。
第4配線ASL4が検出電極25の周囲を囲んで設けられている。また、第4配線ASL4と導電層51とは電気的に接続されている。このため、検出電極25は検出面と対向する面を除き、これら第4配線ASL4と導電層51とに包囲されている。第4配線ASL4に信号Vsglを供給することにより、第4配線ASL4及び導電層51に信号Vsglが供給される。この結果、検出電極25とゲート線GCLとの間の寄生容量をより低減することができる。
また、第4配線ASL4と検出電極25とが同層に設けられているので、第1の実施形態と比較して、配線を形成する工程を1層分省略することができる。これにより、製造工程を簡略化して製造コストを低減することができる。
図15は、第2の実施形態の変形例に係る検出電極を拡大して示す平面図である。図15に示すように、本変形例では、第4配線ASL4の第1部分ASL4aと第2部分ASL4bとが設けられており、第3部分ASL4c及び第4部分ASL4dは設けられていない。第1部分ASL4aは、検出電極25の辺25aに沿って、検出電極25とゲート線GCLとの間に設けられる。第2部分ASL4bは、検出電極25の辺25aと反対側の辺25bに沿って、検出電極25と図示しないゲート線GCLとの間に設けられる。第2部分ASL4bは、行方向に配列された複数の検出電極25に対応して連続している。第1部分ASL4aはコンタクトホールH7を介して導電層51と電気的に接続される。また、第2部分ASL4bはコンタクトホールH8を介して導電層51と電気的に接続される。これにより、信号Vsglは、第2部分ASL4bを介して、行方向に配列された複数の導電層51及び第1部分ASL4aに供給される。
このように、少なくとも検出電極25とゲート線GCLとの間に第4配線ASL4を設けることで、検出電極25とゲート線GCLとの間の寄生容量を低減することができる。
また、第4配線ASL4は、図13に示す、第1部分ASL4aと、第2部分ASL4bと、第3部分ASL4cとを設け、第4部分ASL4dを省いた構成でもよい。
(第3の実施形態)
図16は、第3の実施形態に係る検出電極を拡大して示す平面図である。図17は、図16のXVII−XVII’線に沿った断面図である。
本実施形態では、第1の実施形態と同様に第1配線ASL1、第2配線ASL2、第3配線ASL3及び導電層51が設けられている。図17に示すように、本実施形態は、ゲート電極64(ゲート線GCL)が半導体層61よりも基板21側に設けられた、いわゆるボトムゲート構造である点が異なる。
図17に示すように、基板21の第2面21b上には、第3配線ASL3と検出電極25とが設けられている。第3配線ASL3と検出電極25との上に絶縁層58aが設けられている。絶縁層58a上にはゲート線GCL及び第1配線ASL1が設けられている。ゲート線GCL及び第1配線ASL1の上に絶縁層58bが設けられ、絶縁層58bの上に半導体層61が設けられている。半導体層61の上に絶縁層58cが設けられ、絶縁層58c上にドレイン電極63、データ線SGL及び導電層51が設けられる。ドレイン電極63、データ線SGL及び導電層51の上に平坦化層59が設けられ、平坦化層59の上に保護層77が設けられる。なお、図17では図示しない第2配線ASL2は、ゲート線GCL及び第1配線ASL1と同層に設けられる。
本実施形態では、検出電極25は、ゲート線GCLよりも基板21の第2面21b側に設けられる。検出電極25とゲート線GCLとの間には絶縁層58aが設けられている。つまり、検出面である第1面21aには、スイッチング素子Trよりも検出電極25の方が近い。検出電極25と検出面との間には、基板21、又は基板21と保護層29が設けられるのみである。このため、検出電極25よりも第1面21a側に、配線などの導体が存在せず、かつ、検出面に接触する指と検出電極25との距離が小さくなるので、検出感度の低下を抑制することが可能である。
また、ゲート線GCLが半導体層61よりも基板21側に配置されるので、第3配線ASL3とゲート線GCLとの距離が短くなる。このため、ゲート線GCLと検出電極25との間の寄生容量が低減される。
(第4の実施形態)
図18は、第4の実施形態に係る検出電極を拡大して示す平面図である。図19は、図18のXIX−XIX’線に沿った断面図である。本実施形態では、第2の実施形態と同様に、第1配線ASL1、第2配線ASL2、第3配線ASL3が設けられておらず、検出電極25を囲む第4配線ASL4が設けられている。図19に示すように、本実施形態は、ゲート電極64(ゲート線GCL)が半導体層61よりも基板21側に設けられた、いわゆるボトムゲート構造である。
図19に示すように、基板21の第2面21b上には、ゲート線GCL、第4配線ASL4及び検出電極25が設けられている。ゲート線GCL、第4配線ASL4及び検出電極25の上に絶縁層58aが設けられている。絶縁層58aの上に半導体層61が設けられている。半導体層61の上に絶縁層58bが設けられ、絶縁層58b上にドレイン電極63、データ線SGL及び導電層51が設けられる。ドレイン電極63、データ線SGL及び導電層51の上に平坦化層59が設けられ、平坦化層59の上に保護層77が設けられる。
本実施形態では、検出電極25は、ゲート線GCLと同層に基板21の第2面21bに設けられる。このため、検出電極25は検出面である第1面21aに近い位置に配置されるので、接触又は近接する指と検出電極25との距離が小さくなり、検出感度の低下を抑制することが可能である。
図18に示すように、第2部分ASL4bは、第3部分ASL4c及び第4部分ASL4dとの接続箇所よりも行方向の外側に延びており、行方向に配列された複数の検出電極25に対応して連続している。行方向に配列された複数の第4配線ASL4は、第2部分ASL4bにより電気的に接続される。上述した信号Vsglは、第2部分ASL4bを介して、行方向に配列された複数の第4配線ASL4及び導電層51に供給される。第4配線ASL4が検出電極25を囲んで設けられているので、検出電極25とゲート線GCLとの間の寄生容量を低減することができる。また、ゲート線GCL、第4配線ASL4及び検出電極25が同層に設けられているので、積層数が少なくなり、製造工程を簡略化することができる。
なお、本実施形態では、第4配線ASL4は、例えば、図18に示す第1部分ASL4aと、第2部分ASL4bとを設け、第3部分ASL4cと、第4部分ASL4dを省いた構成でもよい。また、第1部分ASL4aと、第2部分ASL4bと、第3部分ASL4cとを設け、第4部分ASL4dを省いた構成でもよい。また、図19に示すように、基板21と平坦化層59との間に絶縁層58aと絶縁層58bとが設けられている。本実施形態は、図14に示すいわゆるトップゲート構造に比べて、絶縁層の数を1層少なくすることができ、指紋検出部30の薄型化が可能である。
(第5の実施形態)
図20は、第5の実施形態に係る表示装置の一構成例を示すブロック図である。図20に示すように、表示装置2は、指紋検出機能付き表示部10と、制御部11と、表示用ゲートドライバ12Aと、検出用ゲートドライバ12Bと、ソースドライバ13と、検出電極ドライバ14と、検出部40とを備えている。表示装置2は、指紋検出機能付き表示部10が指紋検出機能を内蔵した表示装置である。指紋検出機能付き表示部10は、表示素子として液晶表示素子を用いている表示パネル20と、接触又は近接する指の凹凸を検出する指紋検出部30とを一体化した装置である。なお、表示パネル20は、タッチ入力の位置を検出するタッチパネルを一体化し、又は表示パネル20の上にタッチパネルを装着した装置であってもよい。
表示パネル20は、表示用ゲートドライバ12Aから供給される走査信号Vscanに従って、1水平ラインずつ順次走査して表示を行う素子である。
表示用ゲートドライバ12Aは、制御部11から供給される制御信号に基づいて、指紋検出機能付き表示部10の表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する機能を有している。
ソースドライバ13は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、指紋検出機能付き表示部10の、各副画素SPixに画素信号Vpixを供給する回路である。
指紋検出部30は、検出用ゲートドライバ12Bから供給される走査信号Vscanに従って、1検出ラインずつ順次走査して検出を行う。指紋検出部30は、自己静電容量方式の検出原理に基づいて、接触又は近接する指の凹凸を検出することで指紋の形状を検出する。
検出電極ドライバ14は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、指紋検出部30の検出駆動の対象となる検出電極25に駆動信号Vfを供給する回路である。
制御部11は、外部より供給された映像信号に基づいて、表示用ゲートドライバ12A、ソースドライバ13に対してそれぞれ制御信号を供給し、表示動作を制御する回路である。また、制御部11は、検出用ゲートドライバ12B、検出電極ドライバ14及び検出部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらが互いに同期して指紋検出動作するように制御する回路である。制御部11は、表示動作と指紋検出動作とを独立して制御してもよく、互いに同期して制御してもよい。
次に、表示装置2の構成例を詳細に説明する。図21は、第5の実施形態に係る表示装置の概略断面構造を表す断面図である。図21に示すように、表示装置2は、第1基板21Aと、第2基板22と、検出電極25と、反射電極28と、液晶層6と、フロントライトユニット4とを備える。
第1基板21Aは、第1面21Aaと、第1面21Aaの反対側の第2面21Abとを有する。第1基板21Aの第1面21Aa側に、検出電極25が設けられている。検出電極25は、上述した自己静電容量方式の指紋検出の基本原理に従って、第1基板21Aの第2面21Abに接触する指の指紋を検出することが可能である。第1基板21Aの第2面21Abは、指紋検出部30が指紋検出を行うための検出面として機能する。
第1基板21Aは、ガラス基板を用いることができる。第1基板21Aは、例えば強化ガラスを用いることで、強度を維持しつつ薄くすることができる。こうすれば、指紋検出を行うための検出面である第2面21Abと検出電極25との距離を小さくして、検出感度を向上させることができる。強化ガラスとしては、例えばガラスの表面のナトリウム(Na)イオンをイオン半径の大きいカリウム(K)イオンと交換することで、表面に圧縮応力層を形成した化学強化ガラスや、加熱したガラス基板に空気を送り急冷することで表面に圧縮応力層を形成した強化ガラスを用いることができる。第1基板21Aは、6面強化ガラスであってもよい。
第1基板21Aの第1面21Aa側に、検出電極25と対向して反射電極28が設けられている。第2基板22は、第1面22aと、第1面22aと反対側の第2面22bとを有しており、第2基板22の第2面22bが、第1基板21Aの第1面21Aaと対向して配置されている。第2基板22の第2面22b側に、カラーフィルタ32及び、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性導電材料が用いられた透光性電極23が設けられている。透光性電極23は、図示しない接続部を介して第1基板21A側に電気的に接続されて、コモン電位Vcomが供給される。また、第2基板22の第1面22a側に、偏光板や1/4波長板等を含む光学機能層145と、フロントライトユニット4とが設けられている。
反射電極28は、1つの副画素SPixに対応して配置されている。第2基板22側から入射した外光は、反射電極28によって反射され、その反射光が液晶層6で変調されることで表示が実現される。第2基板22の第1面22aが表示パネル20の表示面として機能する。反射電極28は、例えばアルミニウム(Al)等の金属材料が用いられる。反射電極28にITOを積層することで腐食を抑制する構成を採用可能である。また、反射電極28に凹凸を形成することで反射光の拡散性を向上させる構成も採用可能である。他方、反射電極28を鏡面仕上げとすることで反射性を向上させ、輝度向上を図ることも可能である。また、検出電極25と反射電極28との間には、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)等のスイッチング素子及び容量素子等の回路素子が、副画素SPix毎に形成されている。
液晶層6は透光性電極23と反射電極28との間に設けられている。液晶層6は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものであり、透光性電極23と反射電極28との間の空隙内に液晶材料が封止されて形成される。
本実施形態の表示パネル20は、液晶表示(LCD:Liquid Crystal Display)パネルを用いた表示装置である。特に、反射型液晶表示装置が用いられる。反射型液晶表示装置は、モノクロ表示対応の表示装置であってもよいし、カラー表示対応の表示装置であってもよい。カラー表示対応の場合、カラー画像を形成する単位となる1個の表示画素は、複数の副画素(サブピクセル)を含むことになる。より具体的には、カラー表示対応の表示装置では、1個の表示画素は、例えば、赤色(Red:R)を表示する副画素、緑色(Green:G)を表示する副画素、青色(Blue:B)を表示する副画素の3つの副画素を含む。なお、1個の画素は、4つ以上の副画素を含んでいてもよく、赤色、緑色、青色以外の色であってもよい。
カラーフィルタ32は、例えば赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色に着色されたカラーフィルタの色領域が周期的に配列されていてもよい。各副画素SPixに、R、G、Bの3色の色領域が1組として対応付けられ、3色の色領域に対応する副画素SPixを1組として画素Pixが構成される。カラーフィルタ32は、第1基板21Aと垂直な方向において、液晶層6と対向する。なお、カラーフィルタ32は、異なる色に着色されていれば、他の色の組み合わせであってもよい。また、カラーフィルタ32は、3色の組み合わせに限定されず、4色以上の組み合わせであってもよい。
フロントライトユニット4は、第2基板22の第1面22a側に配置されている。なお、この第1面22aは、表示パネル20の画像を表示させる側の面、つまり、外光が入射する面であり、反射電極28で反射した光が射出する面である。フロントライトユニット4は、光源140と、導光板144と、接着部材146と、を有する。光源140は、LED(Light Emitting Diode)142が用いられる。なお、光源140として、蛍光管などの他の光源を用いてもよい。導光板144は、透明な板状の部材であり、第2基板22の第1面22aに、光学機能層145及び接着部材146を介して積層されている。導光板144は、第2基板22に対向する面144aに多数の溝が形成されていてもよい。導光板144は、光源140からの入射光を反射、散乱させることで、第2基板22に向けて出射させることができる。
第2基板22に向けて出射された光は、透光性電極23及び液晶層6を通過し、反射電極28で反射された後、導光板144を通過して観察者の眼に到達する。また、第2基板22に向けて出射された光は、上述したように、通過する位置の液晶の状態により、遮られる部分と透過する部分とが切り換えられることで、表示面に画像が表示される。
図22は、基本的な画素回路を示す回路図である。なお、図22では、表示パネル20の画素回路を示しており、指紋検出部30の配線等の回路は省略して示している。図22に示すように、複数の表示用データ線SGLdと、複数の表示用ゲート線GCLdとが交差するように配線される。なお、表示用データ線SGLdが延在する方向は列方向であり、表示用ゲート線GCLdが延在する方向は行方向である。
副画素SPixは、マトリクス状に配列されており、それぞれ表示用スイッチング素子Trd、液晶容量76A、保持容量76Bとを有する。表示用スイッチング素子Trdのソースは表示用データ線SGLdに接続され、ゲートは表示用ゲート線GCLdに接続され、ドレインは液晶容量76A及び保持容量76Bの一端に接続されている。
液晶容量76Aは、反射電極28と透光性電極23との間で発生する容量成分を示している。保持容量76Bは、反射電極28と透光性電極23との間に印加された映像表示用の電圧を保持するための容量成分である。
副画素SPixは、表示用ゲート線GCLdにより、表示パネル20の同じ行に属する他の副画素SPixと互いに接続されている。表示用ゲート線GCLdは、表示用ゲートドライバ12Aと接続され、表示用ゲートドライバ12Aから走査信号Vscanが供給される。また、副画素SPixは、表示用データ線SGLdにより、表示パネル20の同じ列に属する他の副画素SPixと互いに接続されている。表示用データ線SGLdは、ソースドライバ13と接続され、ソースドライバ13から画素信号Vpixが供給される。
表示用ゲートドライバ12Aは、表示用ゲート線GCLdを順次走査するように駆動する。表示用ゲートドライバ12Aは、表示用ゲート線GCLdを介して、走査信号Vscan(図1参照)を副画素SPixの表示用スイッチング素子Trdのゲートに印加することにより、副画素SPixのうちの1行(1水平ライン)を表示駆動の対象として順次選択する。また、ソースドライバ13は、画素信号Vpixを、表示用データ線SGLdを介して、選択された1水平ラインを構成する副画素SPixに供給する。そして、これらの副画素SPixでは、供給される画素信号Vpixに応じて1水平ラインずつ表示が行われるようになっている。
次に、図23から図26を参照して、検出電極25及び反射電極28の構成について説明する。図23は、第5の実施形態に係る表示装置の平面構造を表す平面図である。図24は、1つの副画素に対応する部分を拡大して示す平面図である。図25は、図24のXXV−XXV’線に沿った断面図である。図26は、図24のXXVI−XXVI’線に沿った断面図である。なお、図23及び図24は、第1基板21Aの第1面21Aaを、第2基板22側から視た平面図を示している。なお、図24では、図面を見やすくするために反射電極28を省略して示している。
図23に示すように、表示用ゲート線GCLdは行方向に沿って設けられ、列方向に間隔を設けて複数配列されている。表示用データ線SGLdは列方向に沿って設けられ、行方向に間隔を設けて複数配列されている。検出用ゲート線GCLsは、表示用ゲート線GCLdと平行に設けられており、行方向に沿い、列方向に間隔を設けて複数配列されている。検出用データ線SGLsは、表示用データ線SGLdと平行に設けられており、列方向に沿い、行方向に間隔を設けて複数配列されている。表示用ゲート線GCLd、表示用データ線SGLd、検出用ゲート線GCLs及び検出用データ線SGLsで囲まれた領域に反射電極28が配置される。表示用ゲート線GCLd、表示用データ線SGLd、検出用ゲート線GCLs及び検出用データ線SGLsで囲まれた領域が、1つの副画素SPixに対応する。反射電極28は略矩形状であり、行列状に複数配置されている。反射電極28のそれぞれと重畳して検出電極25と、保持容量電極75とが設けられている。つまり、検出電極25は、反射電極28に対応して行列状に複数配置されている。
図24に示すように、表示用ゲート線GCLdと表示用データ線SGLdとが交差する位置の近傍に表示用スイッチング素子Trdが設けられている。表示用スイッチング素子Trdは、1つの副画素SPixの反射電極28に対応する位置に設けられている。また、表示用スイッチング素子Trdのドレイン電極73は、保持容量電極75と重畳して設けられており、ドレイン電極73と保持容量電極75との間に保持容量が形成される。保持容量電極75は、接続部75aを介して、行方向に配列された隣の保持容量電極と接続される。
検出用ゲート線GCLsと検出用データ線SGLsとが交差する位置の近傍に検出用スイッチング素子Trsが設けられている。検出用スイッチング素子Trsは、検出電極25に対応する位置に設けられている。
表示用スイッチング素子Trd及び検出用スイッチング素子Trsは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFT素子で構成されている。
検出用ゲートドライバ12B(図1参照)は、検出用ゲート線GCLsを順次選択する。検出用ゲートドライバ12Bは、選択された検出用ゲート線GCLsを介して走査信号Vscanを検出用スイッチング素子Trsに供給する。これにより、検出電極25のうち1行(1水平ライン)を検出対象の検出電極ブロック25Aとして選択する。検出電極ブロック25Aは、行方向に配列された複数の検出電極25を含む。検出電極ドライバ14(図1参照)は、検出用データ線SGLsを介して検出電極ブロック25Aの各検出電極25に駆動信号Vfを供給する。そして、上述した自己静電容量方式の指紋検出の基本原理に従って、各検出電極25の静電容量変化に応じた検出信号Vdetを検出部40が受信する。これにより、検出面をタッチしている指の指紋が検出される。
導電性の第5配線ASL5は、検出用ゲート線GCLsと重畳して、検出用ゲート線GCLsに沿って設けられている。第6配線ASL6は、表示用ゲート線GCLdと重畳して、表示用ゲート線GCLdに沿って設けられている。第5配線ASL5と第6配線ASL6は、行方向に配列された複数の副画素SPixに対応して、連続して設けられている。
図24に示すように、検出電極25の周囲を囲む第7配線ASL7が設けられている。第7配線ASL7は、検出電極25と検出用ゲート線GCLsとの間において、検出用ゲート線GCLsに沿う部分と、検出電極25と表示用ゲート線GCLdとの間において、表示用ゲート線GCLdに沿う部分とを有する。さらに、検出電極25及び第7配線ASL7を覆って導電層ASL8が設けられている。
第5配線ASL5、第6配線ASL6、第7配線ASL7及び導電層ASL8は、例えばモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、又はこれらの合金の少なくとも1つの金属材料を用いることができる。
上述のように、表示用ゲート線GCLd及び検出用ゲート線GCLsは、検出用データ線SGLs及び検出電極25に供給される駆動信号Vfと異なる信号(走査信号Vscan)が供給される。このため、表示用ゲート線GCLdと検出電極25との間の寄生容量、表示用データ線SGLdと検出電極25との間の寄生容量が大きくなる可能性がある。また、検出用ゲート線GCLsと検出電極25との間の寄生容量、及び検出用ゲート線GCLsと検出用データ線SGLsとの間の寄生容量が大きくなる可能性がある。寄生容量が増大すると、指の接触又は近接による静電容量変化が相対的に小さくなるため、検出感度が低下する可能性が生じる。
本実施形態では、検出電極ドライバ14が、第5配線ASL5、第6配線ASL6、第7配線ASL7及び導電層ASL8に対して、駆動信号Vfと同期した同一の波形を有する信号Vsglを供給することにより、寄生容量が低減される。これにより、検出誤差や検出感度の低下が抑制される。検出電極ドライバ14とは別に駆動回路を適宜設けて、信号Vsglを供給してもよい。また、第5配線ASL5、第6配線ASL6、第7配線ASL7及び導電層ASL8を設けているので、指紋検出動作により液晶容量76Aが変動することを抑制することができ、表示画像の劣化を抑制することができる。
次に、検出電極25と各配線及び導電層の構成について詳細に説明する。図25に示すように検出用スイッチング素子Trsは、半導体層61、ソース電極62、ドレイン電極63及びゲート電極64を含む。半導体層61の材料としては、ポリシリコンや酸化物半導体などの公知の材料を用いることができる。
半導体層61は、コンタクトホールH1を介して検出用データ線SGLsと電気的に接続される。ここで検出用データ線SGLsにおいて、半導体層61と重畳する部分がソース電極62として機能する。半導体層61は、平面視で検出用ゲート線GCLsと複数回交差するように屈曲している。検出用ゲート線GCLsにおいて半導体層61と重畳する部分がゲート電極64として機能する。半導体層61は、コンタクトホールH2を介してドレイン電極63と電気的に接続される。ドレイン電極63は、第7配線ASL7と交差して検出電極25と重畳している。ドレイン電極63は、コンタクトホールH3を介して検出電極25と電気的に接続される。
図25に示すように、基板21の第1面21Aaの上には、第5配線ASL5と検出電極25とが設けられている。第5配線ASL5と検出電極25との上に絶縁層58aが設けられている。絶縁層58aの上には半導体層61が設けられている。半導体層61の上に絶縁層58bが設けられ、絶縁層58bの上に検出用ゲート線GCLs及び第7配線ASL7が設けられている。検出用ゲート線GCLs及び第7配線ASL7の上に絶縁層58cが設けられ、絶縁層58cの上に検出用データ線SGLs、ドレイン電極63及び導電層ASL8が設けられる。検出用データ線SGLs、ドレイン電極63及び導電層ASL8の上に平坦化層59が設けられ、平坦化層59の上に反射電極28が設けられる。
反射電極28の上に液晶層6を介して透光性電極23、カラーフィルタ32、第2基板22が設けられている。
図24に示すように、第5配線ASL5は、導電層ASL8と重畳する位置まで突出するタブ部ASL5aが設けられている。タブ部ASL5aは、コンタクトホールH4を介して導電層ASL8と電気的に接続されている。これにより、第5配線ASL5に上述した信号Vsglが供給されると、タブ部ASL5aを介して導電層ASL8に信号Vsglが供給されるようになっている。第7配線ASL7は、コンタクトホールH5を介して導電層ASL8に接続されている。これにより、第5配線ASL5に供給された信号Vsglが導電層ASL8を介して第7配線ASL7に供給される。
半導体層61において、ゲート電極64と重畳する部分にチャネル部が設けられている。第5配線ASL5は、チャネル部と重なる位置に設けられ、チャネル部よりも大きい面積を有していることが好ましい。第5配線ASL5は、上述した金属材料が用いられており、第1基板21Aよりも光の透過率が小さくなっているため、第1基板21A側から半導体層61に入射する光が遮光される。
次に、反射電極28と表示用スイッチング素子Trdとの接続構造について説明する。図26に示すように表示用スイッチング素子Trdは、半導体層71、ソース電極72、ドレイン電極73及びゲート電極74を含む。半導体層71の材料としては、ポリシリコンや酸化物半導体などの公知の材料を用いることができる。半導体層71は、例えば透明アモルファス酸化物半導体(TAOS:Transparent Amorphous Oxide Semiconductor)や低温多結晶シリコン(LTPS:Low Temperature Poly Silicon)を用いることで、映像表示用の電圧を長時間保持する能力(保持率)が良く、表示品位を向上させることができる。なお、表示用スイッチング素子Trdの半導体層71と、検出用スイッチング素子Trsの半導体層61とは、同じ材料を用いてもよい。
図24及び図26に示すように、半導体層71は、コンタクトホールH6を介して表示用データ線SGLdと電気的に接続される。ここで表示用データ線SGLdにおいて、半導体層71と重畳する部分がソース電極72として機能する。半導体層71は、平面視で表示用ゲート線GCLdと複数回交差するように屈曲している。表示用ゲート線GCLdにおいて半導体層71と重畳する部分がゲート電極74として機能する。半導体層71は、コンタクトホールH7を介してドレイン電極73と電気的に接続される。ドレイン電極73は、検出用スイッチング素子Trsのドレイン電極63よりも大きい面積を有しており、保持容量電極75と重畳している。ドレイン電極73は、コンタクトホールH8を介して反射電極28と電気的に接続される。
図26に示すように、基板21の第1面21Aaの上に、第6配線ASL6と保持容量電極75とが設けられている。第6配線ASL6と保持容量電極75との上に絶縁層58aが設けられている。絶縁層58aの上には半導体層71が設けられている。半導体層71の上に絶縁層58bが設けられ、絶縁層58bの上に表示用ゲート線GCLdが設けられている。表示用ゲート線GCLdの上に絶縁層58cが設けられ、絶縁層58cの上に表示用データ線SGLd及びドレイン電極73が設けられる。表示用データ線SGLd及びドレイン電極73の上に平坦化層59が設けられ、平坦化層59の上に反射電極28が設けられる。
半導体層71において、ゲート電極74と重畳する部分にチャネル部が設けられている。第6配線ASL6は、チャネル部と重なる位置に設けられ、チャネル部よりも大きい面積を有していることが好ましい。第6配線ASL6を設けているので、例えば第1基板21A側から半導体層71に入射する光が遮光される。
図25及び図26に示すように、検出電極25、保持容量電極75、第5配線ASL5及び第6配線ASL6は同じ層に設けられている。また、表示用スイッチング素子Trdと検出用スイッチング素子Trsとは同じ層に設けられている。なお、検出電極25と保持容量電極75とは異なる層に設けられていてもよく、表示用スイッチング素子Trdと検出用スイッチング素子Trsとは異なる層に設けられていてもよい。
本実施形態では、検出電極25は、検出用ゲート線GCLsよりも第1基板21Aの第1面21Aa側に設けられる。また、検出電極25は、表示用ゲート線GCLdよりも第1基板21Aの第1面21Aa側に設けられる。検出電極25と検出用ゲート線GCLsとの間及び検出電極25と表示用ゲート線GCLdとの間には、絶縁層58a、58bが設けられている。つまり、検出面である第2面21Abには、検出用スイッチング素子Trs及び表示用スイッチング素子Trdよりも検出電極25の方が近い。検出電極25と検出面との間には、第1基板21A又は第1基板21Aと保護層が設けられるのみである。このため、検出電極25よりも第2面21Ab側に、配線などの導体が存在せず、かつ、検出面に接触する指と検出電極25との距離が小さくなるので、検出感度の低下を抑制することが可能である。
反射電極28は、第1基板21Aの第1面21Aa側において、第1面21Aaに対して検出電極25より離れた位置に設けられている。このため、第2基板22の第1面22aに画像を表示させることができる。したがって、本実施形態の表示装置2によれば、第1基板21Aの第2面21Abが、接触する指の指紋を検出するための検出面であり、検出電極25に対して第2面21Abと反対側の第2基板22の第1面22aが、画像を表示させる表示面として機能する。反射電極28は、表示面からの光を反射させるべく、非透過に形成されている。このため、反射電極28と、反射電極28を形成する第1基板21Aとの間には、回路や電極を比較的自由に配置することができる。本実施形態は係る点に着目し、反射電極28の裏側に検出電極25等を設けるとともに、表示面とは反対側となる面に検出面を設けている。これにより、本実施形態の表示装置2は、表示面とは反対側の面での指紋の検出が可能となり、表示を実施している最中に指紋の検出も可能となっている。
次に本実施形態の表示装置2の駆動方法について説明する。図27は、第5の実施形態に係る指紋検出動作の一動作例を示すタイミング波形図である。図27に示すように、指紋検出動作を行う検出期間Pt1、Pt2、Pt3が時分割で配置されている。
図27に示すように、検出期間Pt1では、n行目の検出用ゲート線GCLs(n)(図23参照)が選択され、走査信号Vscan(n)がオン(高レベル)になる。走査信号Vscan(n)がオン(高レベル)になると、n行目の検出電極ブロック25A(n)に対応する検出用スイッチング素子Trsがオン(開)となる。これにより検出電極ブロック25A(n)の各検出電極25に、検出用データ線SGLs(m)、SGLs(m+1)、SGLs(m+2)を介して駆動信号Vfが供給される。上述した自己静電容量方式の指紋検出の基本原理に基づいて、検出電極ブロック25A(n)の各検出電極25から検出信号Vdetが検出部40(図1参照)に出力される。
検出期間Pt1では検出用ゲート線GCLs(n)以外の検出用ゲート線GCLs(n+1)、GCLs(n+2)、は、走査信号Vscanがオフ(低レベル)であり、検出電極ブロック25A(n+1)及び検出電極ブロック25A(n+2)の各検出電極25は、固定された電位が供給されていないフローティング状態となる。このため、検出対象として選択された検出電極ブロック25A(n)と、選択されていない検出電極ブロック25A(n+1)、25A(n+2)との間の、検出電極25同士の寄生容量を抑制することができる。また、検出期間Pt1では、第5配線ASL5、第6配線ASL6、第7配線ASL7及び導電層ASL8は、信号Vsglが供給される。このため、検出対象として選択された検出電極ブロック25A(n)の各検出電極25と、検出用ゲート線GCLs等との間の寄生容量を抑制して、検出感度の低下が抑制される。
次に、検出期間Pt2では、n+1行目の検出用ゲート線GCLs(n+1)が選択され、走査信号Vscan(n+1)がオン(高レベル)になる。n+1行目の検出電極ブロック25A(n+1)の検出用スイッチング素子Trsがオン(開)となる。これにより検出電極ブロック25A(n+1)の各検出電極25に検出用データ線SGLs(m)、SGLs(m+1)、SGLs(m+2)を介して駆動信号Vfが供給され、検出電極ブロック25A(n+1)の各検出電極25から検出信号Vdetが検出部40(図1参照)に出力される。
検出期間Pt2では検出電極ブロック25A(n)及び検出電極ブロック25A(n+2)の各検出電極25は、固定された電位が供給されていないフローティング状態となる。また、第5配線ASL5、第6配線ASL6、第7配線ASL7及び導電層ASL8に信号Vsglが供給される。
検出期間Pt3では、n+2行目の検出用ゲート線GCLs(n+2)が選択され、走査信号Vscan(n+2)がオン(高レベル)になる。n+2行目の検出電極ブロック25A(n+2)の検出用スイッチング素子Trsがオン(開)となる。これにより検出電極ブロック25A(n+2)の各検出電極25に検出用データ線SGLs(m)、SGLs(m+1)、SGLs(m+2)を介して駆動信号Vfが供給され、検出電極ブロック25A(n+2)の各検出電極25から検出信号Vdetが検出部40(図1参照)に出力される。これを順次繰り返すことで、検出面全体で検出動作が実行される。
なお、本実施形態では、表示用ゲートドライバ12Aと検出用ゲートドライバ12Bとを、それぞれ独立して駆動させることが可能である。すなわち、本実施形態の表示装置2においては、表示と指紋検出とをそれぞれ独立に駆動させることができるものとなっている。より具体的には、表示用ゲート線GCLd(n)が選択されていない期間に検出期間Pt1が設けられ、表示用ゲート線GCLd(n+1)が選択されていない期間に検出期間Pt2が設けられ、表示用ゲート線GCLd(n+2)が選択されていない期間に検出期間Pt3が設けられる。このため、指紋検出動作において検出電極25に供給される駆動信号Vfによる表示画像の劣化を抑制することができる。
本実施形態において、反射電極28、検出電極25、保持容量電極75等の形状は一例であり、菱形状、平行四辺形状、多角形状等、適宜変更することができる。第5配線ASL5及び第6配線ASL6は、それぞれ検出用ゲート線GCLs及び表示用ゲート線GCLdの幅よりも大きい幅を有している。これに限定されず、検出用ゲート線GCLs及び表示用ゲート線GCLdと同じ幅、又は小さい幅を有していてもよい。また、第7配線ASL7は検出電極25の周囲を囲んで連続して設けられているが、これに限定されず、少なくとも検出電極25と検出用ゲート線GCLsとの間、及び検出電極25と表示用ゲート線GCLdとの間に設けられていればよい。
(第6の実施形態)
図28は、第6の実施形態に係る表示装置の、1つの副画素に対応する部分を拡大して示す平面図である。図29は、図28のXXIX−XXIX’線に沿った断面図である。本実施形態において、保持容量を形成するための保持容量電極75が設けられていない。
図28及び図29に示すように、表示用スイッチング素子Trdと反射電極28との接続構造は第5の実施形態と同様である。半導体層71は、コンタクトホールH6を介して表示用データ線SGLdと電気的に接続される。半導体層71は、平面視で表示用ゲート線GCLdと複数回交差するように屈曲している。半導体層71は、コンタクトホールH7を介してドレイン電極73と電気的に接続される。ドレイン電極73は、検出用スイッチング素子Trsのドレイン電極63よりも大きい面積を有している。図28に示すように、検出電極25は、検出用ゲート線GCLsの近傍から表示用ゲート線GCLdの近傍の位置まで設けられている。検出電極25は、ドレイン電極73と重畳する部分を含む。ドレイン電極73は、コンタクトホールH8を介して反射電極28と電気的に接続される。第7配線ASL7は、検出電極25の周囲を囲んで設けられており、検出電極25と表示用ゲート線GCLdとの間において、表示用ゲート線GCLdに沿って設けられた部分を含む。
図29に示すように、基板21の第1面21Aaの上に、第6配線ASL6と検出電極25とが設けられている。第6配線ASL6と検出電極25との上に絶縁層58aが設けられている。絶縁層58aの上に半導体層71が設けられている。半導体層71の上に絶縁層58bが設けられ、絶縁層58bの上に表示用ゲート線GCLd及び第7配線ASL7が設けられている。表示用ゲート線GCLd及び第7配線ASL7の上に絶縁層58cが設けられ、絶縁層58cの上に表示用データ線SGLd及びドレイン電極73が設けられる。表示用データ線SGLd及びドレイン電極73の上に平坦化層59が設けられ、平坦化層59の上に反射電極28が設けられる。
本実施形態では、ドレイン電極73は検出電極25と重畳する部分73aを有するので、ドレイン電極73と検出電極25との間に保持容量が形成される。これにより、表示画像の劣化を抑制することができる。また、保持容量電極75が設けられていた領域に検出電極25を設けることができるので、検出電極25の面積を大きくすることができ、指紋検出の検出感度を向上させることが可能である。
(第7の実施形態)
図30は、第7の実施形態に係る表示装置の断面構造を示す断面図である。本実施形態の表示パネル20は、有機発光ダイオード(OLED:Organic Light−Emitting Diode)を用いた表示パネルである。
図30に示すように、表示装置2Aは、検出電極25と、表示用スイッチング素子Trdと、検出用スイッチング素子Trsと、反射層84と、自発光層81と、上部電極82と、下部電極83と、を有している。検出用スイッチング素子Trs、導電層ASL8、表示用スイッチング素子Trdの上に平坦化層59が設けられており、平坦化層59の上に反射層84が設けられている。反射層84の上に絶縁層86が設けられ、絶縁層86の上に下部電極83及び絶縁層87が設けられている。下部電極83及び絶縁層87の上に自発光層81が設けられ、自発光層81の上に上部電極82が設けられている。上部電極82の上に絶縁層88、絶縁層89、カラーフィルタ32、第2基板22の順に積層される。なお、図30は、上述した1つの副画素SPixについての断面構造を示しており、自発光層81を含む副画素SPixが複数配列される。
下部電極83は、コンタクトホールH9を介して、表示用スイッチング素子Trdのドレイン電極73と電気的に接続される。下部電極83は、副画素SPixにそれぞれ対応して設けられており、有機発光ダイオードのアノード(陽極)となる導電体である。下部電極83は、ITO等の透光性導電材料が用いられた透光性電極である。自発光層81は、有機材料を含み、不図示のホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層を含む。上部電極82は、有機発光ダイオードのカソード(陰極)になる導電体である。上部電極82は、ITO等の透光性導電材料が用いられた透光性電極である。なお、上部電極82は、これに限定されず、透光性導電材料として、インジウム亜鉛酸化物(IZO:Indium Zinc Oxide)等の別の組成を有する導電材料を用いてもよい。或いは、きわめて薄膜に形成することで光透過性を獲得した薄膜金属層を上部電極82として採用可能である。反射層84は、自発光層81の下側に設けられ、自発光層81からの光を反射する金属光沢のある材料、例えば銀、アルミニウム、金などで形成されている。絶縁層87は、ダムとよばれ、副画素SPix同士を区画する絶縁層である。絶縁層88は、上部電極82を封止する封止層であり、シリコン酸化物、シリコン窒化物などを用いることができる。絶縁層89は、絶縁層87により生じる段差を抑制する平坦化層であり、シリコン酸化物、シリコン窒化物などを用いることができる。
このような構成により、自発光層81からの光がカラーフィルタ32を透過して第2基板22の第1面22aから出射して、観察者の眼に到達する。副画素SPix毎に自発光層81の点灯量を制御することにより、表示面である第2基板22の第1面22aに画像が表示される。
なお、上述の例に限定されず、下部電極83がカソード及び上部電極82がアノードであってもよい。その場合は、下部電極83に電気的に接続されている表示用スイッチング素子Trdの極性を適宜変えることも可能であり、また、キャリア注入層(ホール注入層及び電子注入層)、キャリア輸送層(ホール輸送層及び電子輸送層)、発光層の積層順を適宜変えることも可能である。
本実施形態においても、第1基板21Aの第1面21Aaに検出電極25が設けられており、検出電極25は、検出用スイッチング素子Trsのドレイン電極63と電気的に接続されている。このため、検出電極25の静電容量変化に基づいて、第1基板21Aの第2面21Abに接触する指の指紋を検出することが可能である。すなわち、第1基板21Aの第2面21Abが指紋検出部30の検出面であり、検出電極25に対して検出面と反対側に位置する第2基板22の第1面22aが、表示パネル20の表示面として機能する。
図31は、第7の実施形態の変形例に係る表示装置の断面構造を示す断面図である。図31に示すように、本変形例の表示装置2Bは、下部電極83の上に自発光層81Aが設けられ、自発光層81の上に上部電極82Aが設けられている。上部電極82Aの上に封止層88Aを介して第2基板22が設けられている。本変形例において、図30に示すカラーフィルタ32が設けられていない。
自発光層81Aは、副画素SPixごとに異なる発光材料が用いられ、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色の光を表示する。赤色(R)を表示する自発光層81Aは、赤色(R)を表示する副画素SPixに対応して設けられる。緑色(G)を表示する自発光層81Aは、緑色(G)を表示する副画素SPixに対応して設けられる。青色(B)を表示する自発光層81Aは、青色(B)を表示する副画素SPixに対応して設けられる。これにより、表示装置2Bのカラー表示が実現できる。
本変形例の表示装置2Bにおいても、検出電極25、検出用スイッチング素子Trs、表示用スイッチング素子Trd及びこれらに接続される各種配線の構成は、図30の表示装置2Aと同様である。したがって、第1基板21Aの第2面21Abに接触する指の指紋を検出することが可能である。
(第8の実施形態)
図32は、第8の実施形態に係る指紋検出装置の断面構造を模式的に示す模式断面図である。図32に示すように、指紋検出装置1Aは、第1基板21Aと、第1検出電極26と、第2検出電極27とを有する。第1基板21Aは、第1面21Aaと、第1面21Aaの反対側の第2面21Abとを有している。第1検出電極26は、第1基板21Aの第1面21Aaの上に設けられており、第2検出電極27は、平坦化層59を介して第1検出電極26の上方に設けられている。第2検出電極27の上に、第2検出電極27を保護するための保護層57が設けられていてもよい。
第1検出電極26は、第2面21Abに接触する指の指紋を検出するための検出電極である。第2検出電極27は、第1面21Aa側に設けられる別の検出面Sに接触する指の指紋を検出するための検出電極である。本実施形態の指紋検出装置1Aは、第1基板21Aの第1面21Aa及び第2面21Abの両面で指紋を検出することが可能となっている。
次に、図33から図36を参照して、第1検出電極26及び第2検出電極27の構成について説明する。図33は、第8の実施形態に係る指紋検出装置の平面構造を表す平面図である。図34は、第1検出電極及び第2検出電極を拡大して示す平面図である。図35は、図34のXXXV−XXXV’線に沿った断面図である。図36は、図34のXXXVI−XXXVI’線に沿った断面図である。
図33に示すように、第1検出用ゲート線GCLs1は行方向に沿って設けられ、列方向に間隔を設けて複数配列されている。第1検出用データ線SGLs1は列方向に沿って設けられ、行方向に間隔を設けて複数配列されている。第2検出用ゲート線GCLs2は、第1検出用ゲート線GCLs1と平行に設けられており、行方向に沿って設けられ、列方向に間隔を設けて複数配列されている。第2検出用データ線SGLs2は、第1検出用データ線SGLs1と平行に設けられており、列方向に沿って設けられ、行方向に間隔を設けて複数配列されている。第1検出用ゲート線GCLs1、第1検出用データ線SGLs1、第2検出用ゲート線GCLs2及び第2検出用データ線SGLs2で囲まれた領域に第1検出電極26と、第2検出電極27とが配置される。第1検出電極26及び第2検出電極27は略矩形状であり、互いに重畳して設けられている。重畳する第1検出電極26及び第2検出電極27は、行列状に複数配置されている。
第1検出用ゲート線GCLs1と第1検出用データ線SGLs1とが交差する位置の近傍に第1検出用スイッチング素子Trs1が設けられている。第1検出用スイッチング素子Trs1は、1つの第1検出電極26に対応する位置に設けられている。
第2検出用ゲート線GCLs2と第2検出用データ線SGLs2とが交差する位置の近傍に第2検出用スイッチング素子Trs2が設けられている。第2検出用スイッチング素子Trs2は、1つの第2検出電極27に対応する位置に設けられている。
第1検出用スイッチング素子Trs1及び第2検出用スイッチング素子Trs2は、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS型のTFT素子で構成されている。
指紋検出装置1Aは、図1に示す指紋検出部30と同様に、第1検出用ゲート線GCLs1及び第2検出用ゲート線GCLs2にそれぞれ走査信号Vscanを供給するためのゲートドライバ(図示しない)と、第1検出用データ線SGLs1及び第2検出用データ線SGLs2に駆動信号Vfを供給するための検出電極ドライバ(図示しない)が設けられる。また、図2に示す検出部40と同様に、第1検出電極26及び第2検出電極27からの検出信号が検出部に供給される。1つのゲートドライバにより走査信号Vscanを供給してもよい。もしくは、第1検出用ゲート線GCLs1に走査信号Vscan1を供給するゲートドライバと、第2検出用ゲート線GCLs2に走査信号Vscan2を供給するゲートドライバと、を2つ設けてもよい。検出電極ドライバについても、1つの検出電極ドライバにより駆動信号Vfを供給してもよいし、2つの検出電極ドライバによりそれぞれ駆動信号Vfを供給してもよい。
ゲートドライバは、第1検出用ゲート線GCLs1を順次選択する。ゲートドライバは、選択された第1検出用ゲート線GCLs1を介して走査信号Vscanを第1検出用スイッチング素子Trs1に供給する。これにより、第1検出電極26のうち1行(1水平ライン)が検出対象の第1検出電極ブロック26Aとして選択される。第1検出電極ブロック26Aは、行方向に配列された複数の第1検出電極26を含む。検出電極ドライバ(図示しない)は、第1検出用データ線SGLs1を介して第1検出電極ブロック26Aの各第1検出電極26に駆動信号Vfを供給する。これにより、第1検出電極26の静電容量変化に応じて検出信号が第1検出用データ線SGLs1を介して検出部(図示しない)に出力される。
同様に、ゲートドライバは、第2検出用ゲート線GCLs2を順次選択する。ゲートドライバは、選択された第2検出用ゲート線GCLs2を介して走査信号Vscanを第2検出用スイッチング素子Trs2に供給する。これにより、第2検出電極27のうち1行(1水平ライン)が検出対象の第2検出電極ブロック27Aとして選択される。第2検出電極ブロック27Aは、行方向に配列された複数の第2検出電極27を含む。検出電極ドライバ(図示しない)は、第2検出用データ線SGLs2を介して第2検出電極ブロック27Aの各第2検出電極27に駆動信号Vfを供給する。これにより、第2検出電極27の静電容量変化に応じて検出信号が第2検出用データ線SGLs2を介して検出部(図示しない)に出力される。このようにして、上述した自己静電容量方式の指紋検出の基本原理に従って接触又は近接する指の指紋が検出される。第1検出電極26及び第2検出電極27は、それぞれ上述した自己静電容量方式の指紋検出の基本原理における検出電極E1に対応する。
図34に示すように、第5配線ASL5は、第1検出用ゲート線GCLs1と重畳して、第1検出用ゲート線GCLs1に沿って設けられている。第6配線ASL6は、第2検出用ゲート線GCLs2と重畳して、第2検出用ゲート線GCLs2に沿って設けられている。第5配線ASL5と第6配線ASL6は、行方向に配列された複数の第1検出電極26及び第2検出電極27に対応して、連続して設けられている。
図34に示すように、第1検出電極26は、第2検出電極27よりも小さい面積を有している。第2検出電極27は第1検出電極26と重畳しない位置まで突出しており、第1検出電極26と第1検出用スイッチング素子Trs1との接続部分を除いて、第1検出電極26の全面を覆っている。第2検出電極27は、さらに、第7配線ASL7、導電層ASL8及び導電層ASL9と重畳して設けられている。第7配線ASL7は、第1検出電極26の周囲を囲んで設けられている。導電層ASL8は、第1検出用スイッチング素子Trs1の接続部分を除いて、第1検出電極26及び第7配線ASL7の全面と重畳する。導電層ASL9は、行列状に配置される複数の第1検出電極26及び複数の第2検出電極27と重畳して連続して設けられている。
本実施形態では、検出電極ドライバが、第5配線ASL5、第6配線ASL6、第7配線ASL7及び導電層ASL8に対して、駆動信号Vfと同期した同一の波形を有する信号Vsglを供給する。これにより、第1検出用ゲート線GCLs1及び第2検出用ゲート線GCLs2と、第1検出電極26及び第2検出電極27との間の寄生容量が低減され、検出誤差や検出感度の低下が抑制される。なお、検出電極ドライバとは別に駆動回路を適宜設けて、信号Vsglを供給してもよい。また、第1検出電極26と第2検出電極27との層間に導電層ASL8が設けられているので、第1検出電極26と第2検出電極27との容量結合を抑制して、検出誤差や検出感度の低下が抑制される。これにより、第1検出電極26の静電容量変化に基づく指紋検出動作と、第2検出電極27の静電容量変化に基づく指紋検出動作とを独立して行うことができる。
次に、第1検出電極26、第2検出電極27、各配線及び導電層の接続構造について説明する。図35に示すように第1検出用スイッチング素子Trs1の半導体層61は、コンタクトホールH9を介して第1検出用データ線SGLs1と電気的に接続される。半導体層61は、平面視で第1検出用ゲート線GCLs1と複数回交差するように屈曲している。半導体層61は、コンタクトホールH10を介してドレイン電極63と電気的に接続される。ドレイン電極63は、第7配線ASL7と交差して第1検出電極26と重畳する位置まで延びて、コンタクトホールH11を介して第1検出電極26と電気的に接続される。このようにして、第1検出電極26は、第1検出用スイッチング素子Trs1を介して第1検出用データ線SGLs1と電気的に接続される。
図35に示すように、第1基板21Aの第1面21Aaの上には、第5配線ASL5と第1検出電極26とが設けられている。第5配線ASL5及び第1検出電極26の上に絶縁層58aが設けられている。絶縁層58aの上には半導体層61が設けられている。半導体層61の上に絶縁層58bが設けられ、絶縁層58bの上に第1検出用ゲート線GCLs1及び第7配線ASL7が設けられている。第1検出用ゲート線GCLs1及び第7配線ASL7の上に絶縁層58cが設けられ、絶縁層58cの上に第1検出用データ線SGLs1、ドレイン電極63及び導電層ASL8が設けられる。第1検出用データ線SGLs1、ドレイン電極63及び導電層ASL8の上に平坦化層59が設けられ、平坦化層59の上に導電層ASL9が設けられ、導電層ASL9の上に絶縁層58dを介して第2検出電極27が設けられる。第2検出電極27の上に、第2検出電極27を保護するための保護層57及び保護層55が設けられている。保護層55の上面が検出面Sである。
また、図35に示すように、第5配線ASL5は、コンタクトホールH12を介して導電層ASL8と電気的に接続されている。これにより、第5配線ASL5に上述した信号Vsglが供給されると、タブ部ASL5a(図34参照)を介して導電層ASL8に信号Vsglが供給される。なお、第7配線ASL7は、コンタクトホールH14を介して導電層ASL8に接続されており、導電層ASL9はコンタクトホールH13を介して導電層ASL8と接続されている。こうすれば、第5配線ASL5に供給された信号Vsglが導電層ASL8を介して第7配線ASL7及び導電層ASL9に供給される。
図36に示すように、第2検出用スイッチング素子Trs2の半導体層71は、コンタクトホールH15を介して第2検出用データ線SGLs2と電気的に接続される。半導体層71は、平面視で第2検出用ゲート線GCLs2と複数回交差するように屈曲している。半導体層71は、コンタクトホールH16を介してドレイン電極73と電気的に接続される。上述したように、導電層ASL9は、行列状に配置される複数の第1検出電極26及び複数の第2検出電極27と重畳して連続して設けられている。導電層ASL9には開口ASL9aが設けられており、ドレイン電極73は、開口ASL9aを貫通するコンタクトホールH17を介して第2検出電極27と電気的に接続される。このようにして、第2検出電極27は、第2検出用スイッチング素子Trs2を介して第2検出用データ線SGLs2と電気的に接続される。
図36に示すように、基板21の第1面21Aaの上には、第6配線ASL6が設けられている。第6配線ASL6の上に絶縁層58aが設けられており、絶縁層58aの上には半導体層61が設けられている。半導体層61の上に絶縁層58bが設けられ、絶縁層58bの上に第2検出用ゲート線GCLs2が設けられている。第2検出用ゲート線GCLs2の上に絶縁層58cが設けられ、絶縁層58cの上に第2検出用データ線SGLs2、ドレイン電極73が設けられる。第2検出用データ線SGLs2、ドレイン電極73の上に平坦化層59が設けられ、平坦化層59の上に導電層ASL9、絶縁層58dを介して第2検出電極27が設けられる。第2検出電極27の上に、第2検出電極27を保護するための保護層57が設けられている。
図35及び図36に示すように、第1検出用スイッチング素子Trs1と第2検出用スイッチング素子Trs2とは同層に設けられている。これに限定されず、第1検出用スイッチング素子Trs1と第2検出用スイッチング素子Trs2とは異なる層に設けられていてもよい。また、導電層ASL9は、第1検出電極26と第2検出電極27との間に配置され、行方向及び列方向に配列された複数の第2検出電極27と重畳して連続して設けられている。
次に本実施形態の指紋検出装置1Aの駆動方法について説明する。図37は、第8の実施形態に係る指紋検出装置の一動作例を示すタイミング波形図である。図37に示すように指紋検出動作を行う検出期間Pt1、Pt2、Pt3、Pt4が時分割で配置されている。
図37に示すように、検出期間Pt1では、n行目の第1検出用ゲート線GCLs1(n)(図33参照)が選択され、走査信号Vscan1(n)がオン(高レベル)になる。n行目の第1検出電極ブロック26A(n)に対応する第1検出用スイッチング素子Trs1がオン(開)となる。これにより第1検出電極ブロック26A(n)の各第1検出電極26に、第1検出用データ線SGLs1(m)、SGLs1(m+1)、SGLs1(m+2)を介して駆動信号Vfが供給される。上述した自己静電容量方式の指紋検出の基本原理に基づいて、第1検出電極ブロック26A(n)の各第1検出電極26から検出信号Vdetが検出部に出力される。これにより、第1基板21Aの第2面21Abに接触する指の指紋を検出することができる。
検出期間Pt1では検出対象として選択されていない第1検出電極ブロック26A(n+1)、第2検出電極ブロック27A(n)及び第2検出電極ブロック27A(n+1)は、固定された電位が供給されていないフローティング状態となる。このため、検出対象として選択された第1検出電極ブロック26A(n)と、選択されていない第1検出電極ブロック26A(n+1)、第2検出電極ブロック27A(n)及び第2検出電極ブロック27A(n+1)との間の寄生容量を抑制することができる。
次に、検出期間Pt2では、n行目の第2検出用ゲート線GCLs2(n)が選択され、走査信号Vscan2(n)がオン(高レベル)になる。n行目の第2検出電極ブロック27A(n)の第2検出用スイッチング素子Trs2がオン(開)となる。これにより第2検出電極ブロック27A(n)の各第2検出電極27に第2検出用データ線SGLs2(m)、SGLs2(m+1)、SGLs2(m+2)を介して駆動信号Vfが供給され、第2検出電極ブロック27A(n)の各第2検出電極27から検出信号Vdetが検出部に出力される。これにより、第1基板21Aの第1面21Aa側の検出面Sに接触する指の指紋を検出することができる。
検出期間Pt2では第1検出電極ブロック26A(n)、26A(n+1)及び第2検出電極ブロック27A(n+1)は、固定された電位が供給されていないフローティング状態となる。
検出期間Pt3では、n+1行目の第1検出用ゲート線GCLs1(n+1)が選択され、走査信号Vscan1(n+1)がオン(高レベル)になる。n+1行目の第1検出電極ブロック26A(n+1)に対応する第1検出用スイッチング素子Trs1がオン(開)となる。これにより第1検出電極ブロック26A(n+1)の各第1検出電極26に、第1検出用データ線SGLs1(m)、SGLs1(m+1)、SGLs1(m+2)を介して駆動信号Vfが供給される。上述した自己静電容量方式の指紋検出の基本原理に基づいて、第1検出電極ブロック26A(n+1)の各第1検出電極26から検出信号Vdetが検出部に出力される。これにより、第1基板21Aの第2面21Abに接触する指の指紋を検出することができる。
次に、検出期間Pt4では、n+1行目の第2検出用ゲート線GCLs2(n+1)が選択され、走査信号Vscan2(n+1)がオン(高レベル)になる。n+1行目の第2検出電極ブロック27A(n+1)の第2検出用スイッチング素子Trs2がオン(開)となる。これにより第2検出電極ブロック27A(n+1)の各第2検出電極27に第2検出用データ線SGLs2(m)、SGLs2(m+1)、SGLs2(m+2)を介して駆動信号Vfが供給され、第2検出電極ブロック27A(n+1)の各第2検出電極27から検出信号Vdetが検出部に出力される。これにより、第1基板21Aの第1面21Aa側に接触又は近接する指の指紋を検出することができる。これを順次繰り返すことにより、第1基板21Aの第1面21Aa側の一方の検出面S及び第2面21Abである他方の検出面の全体の指紋検出動作が行われる。
また、検出期間Pt1―Pt4において、第5配線ASL5、第6配線ASL6、第7配線ASL7、導電層ASL8及び導電層ASL9は、信号Vsglが供給される。このため、検出対象として選択された検出電極ブロックの各検出電極と、第1検出用ゲート線GCLs1、第2検出用ゲート線GCLs2等との間の寄生容量を抑制して、検出感度の低下が抑制される。
本実施形態では、検出期間Pt1、Pt3では、第1検出電極26の静電容量変化に基づいて、第1基板21Aの第2面21Ab側に接触又は近接する指の指紋を検出する。検出期間Pt2、Pt4では、第2検出電極27の静電容量変化に基づいて、第1基板21Aの第1面21Aa側に接触又は近接する指の指紋を検出する。このように、第1基板21Aの第1面21Aa側の指紋検出と第2面21Ab側の指紋検出とが、時分割で交互に行われるが、これに限定されない。例えば、第1基板21Aの第1面21Aa側の指紋検出を複数の期間で連続して実行した後、第1基板21Aの第2面21Ab側の指紋検出を複数の期間で連続して行ってもよい。また、第1基板21Aの第1面21Aa側の指紋検出と、第2面21Ab側の指紋検出を同じ期間に実行してもよい。
(第1変形例)
指紋検出装置1Aは、図34に示す構成に限定されない。図38は、第8の実施形態の第1変形例に係る指紋検出装置の、第1検出電極及び第2検出電極を拡大して示す平面図である。
図38に示すように、本変形例では、1本の検出用データ線SGLsに対応して、第1検出用スイッチング素子Trs1及び第2検出用スイッチング素子Trs2が設けられている。検出用データ線SGLsと第1検出用ゲート線GCLs1との交差部分に第1検出用スイッチング素子Trs1が設けられ、検出用データ線SGLsと第2検出用ゲート線GCLs2との交差部分に第2検出用スイッチング素子Trs2が設けられている。これにより、第1検出電極26と、第2検出電極27とは、共通の検出用データ線SGLsを介して駆動信号Vfが供給される。
この場合、図37に示す駆動方法と同様に、走査信号Vscan1、Vscan2により、それぞれ第1検出用スイッチング素子Trs1及び第2検出用スイッチング素子Trs2のオンとオフとが切り換えられるので、第1基板21Aの第1面21Aa側の指紋検出と第2面21Ab側の指紋検出とを、時分割で交互に行うことが可能である。また、第1検出用スイッチング素子Trs1及び第2検出用スイッチング素子Trs2を同じ期間でオンの状態にすることで、第1検出電極26及び第2検出電極27に同じ駆動信号Vfが供給される。これにより、第1基板21Aの第1面21Aa側の指紋検出と、第2面21Ab側の指紋検出とを、同じ期間に同時に実行することもできる。
(第2変形例)
図39は、第8の実施形態の第2変形例に係る指紋検出装置の、第1検出電極及び第2検出電極を拡大して示す平面図である。図39に示すように、本変形例では、1本の検出用ゲート線GCLsに対応して、第1検出用スイッチング素子Trs1及び第2検出用スイッチング素子Trs2が設けられている。検出用ゲート線GCLsと第1検出用データ線SGLs1との交差部分に第1検出用スイッチング素子Trs1が設けられ、検出用ゲート線GCLsと第2検出用データ線SGLs2との交差部分に第2検出用スイッチング素子Trs2が設けられている。これにより、第1検出用スイッチング素子Trs1と、第2検出用スイッチング素子Trs2とは、共通の検出用ゲート線GCLsを介して走査信号Vscanが供給される。
この場合、第1検出用スイッチング素子Trs1と、第2検出用スイッチング素子Trs2とは、同じ走査信号Vscanにより、オンとオフとが切り換えられる。このため、同じ検出期間に同時に、第1検出電極26は、第1検出用データ線SGLs1を介して駆動信号Vfが供給され、第2検出電極27は、第2検出用データ線SGLs2を介して駆動信号Vfが供給される。したがって、本変形例では、第1面21Aa側の一方の検出面Sの指紋検出と、第2面21Abである他方の検出面の指紋検出とが、同じ期間に同時に実行される。
(第9の実施形態)
図40は、第9の実施形態の表示機器の断面構造を模式的に示す模式断面図である。図41は、第9の実施形態の表示機器の、指紋検出動作の使用状態を説明するための斜視図である。
本実施形態の表示機器3は、表示装置2と、指紋検出装置1Aとを備える。表示装置2は、第5の実施形態から第7の実施形態で示した表示装置であり、指紋検出装置1Aは、第8の実施形態で示した指紋検出装置である。本実施形態の表示機器3は、例えば図41に示すように、カード型の多機能表示機器として使用することができる。図40に示すように、表示装置2と、指紋検出装置1Aとは、共通の第1基板121を有している。第1基板121は、例えば、フィルム基材121Aと、フィルム基材121Aの上に設けられた樹脂層121Bとを含むフレキシブル基板を用いることができる。
図40に示すように、樹脂層121Bの上面が、第1基板121の第1面121aであり、フィルム基材121Aの下面が第1基板121の第2面121bである。第1基板121の第1面121a側に第2基板122が設けられている。第2基板122と重畳する位置において、第1基板121の第1面121aに表示装置2の検出電極125が設けられている。第2基板122と重畳しない位置において、第1基板121の第1面121aに指紋検出装置1Aの第1検出電極126が設けられている。検出電極125及び第1検出電極126の上に絶縁層158及び平坦化層159が、この順で積層される。第2基板122と重畳する位置において、平坦化層159の上に表示装置2の反射電極128が設けられる。また、第2基板122と重畳しない位置において、平坦化層159の上に指紋検出装置1Aの第2検出電極127が設けられる。
このような構成により、表示装置2は第2基板122の第1面122aに画像を表示させるとともに、第1基板121の第2面121b側に接触又は近接する指の指紋を検出することができる。さらに、指紋検出装置1Aは、第1基板121の第1面121a側に接触又は近接する指の指紋を検出するとともに、第2面121b側に接触又は近接する指の指紋を検出することが可能となっている。
表示機器3は、第1基板121の平坦化層159の上に設けられた制御用IC19A及び通信用IC19Bを有する。制御用IC19Aは、表示装置2の表示動作及び指紋検出動作と、指紋検出装置1Aの指紋検出動作とを制御する。通信用IC19Bは、例えば第1基板121の上に設けられたコイル129を介して、外部のリーダライタとの間で非接触方式の通信を行うために設けられている。
図40に示すように、表示装置2は、第2基板122の第2面122b側にタッチ検出電極TDLを設けて、第2基板122の第1面122aに接触又は近接する指の位置を検出するタッチ検出機能を内蔵していてもよい。また、第1基板121の上には、第2検出電極127、制御用IC19A、通信用IC19Bを保護するための保護層157が設けられていてもよい。
図41に示すように、表示機器3は、カード型の機器であり、一方の面に表示領域10aと、表示領域の外側の領域10bに設けられた指紋検出領域1Aaとを有する。他方の面において、表示領域10aと重畳する領域と、指紋検出領域1Aaと重畳する領域で指紋検出可能となっている。表示機器3が、例えばICチップを搭載して、電子マネー機能や、個人データを保存する機能を有する場合、高度なセキュリティ対策が求められる。このため、表示機器3は、両面側に指をそれぞれ接触させて複数本の指の指紋認証を同時に行い、セキュリティを向上させることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。
例えば、ゲート線GCL及びデータ線SGLは互いに直交しているが、これに限定されず、行方向又は列方向に対して傾斜して設けられていてもよい。この場合、検出電極25の形状は、菱形状、又は平行四辺形状等、矩形状以外の形状であってもよい。指紋検出装置の駆動方法は、一例であり、例えば、検出対象となる検出電極以外の検出電極に対して信号Vsglを供給してもよい。