JP6751323B2 - 構造物支持装置及び構造物支持装置の取替え方法 - Google Patents
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Description
構造物と固定用基礎との間に介装され、前記構造物を前記固定用基礎に支持させる構造物支持装置であって、
前記構造物と荷重入力点を介して回動可能に接続され、荷重入力方向と交差する方向に配置される第1リンクと、
前記第1リンクと並列に配置され、前記固定用基礎と荷重出力点を介して回動可能に接続される第2リンクと、
互いに対向配置される前記第1リンクの第1端及び前記第2リンクの第1端に回動可能に接続され、荷重作用方向が前記荷重入力方向に沿うように配置される防振器と、
前記防振器と異なる位置で前記荷重入力方向に沿う方向で前記第1リンク及び前記第2リンクに回動可能に接続される第3リンクと、
を備える。
また、荷重入力点と第1リンク及び第3リンクの接続点との間隔、又は荷重出力点と第2リンク及び第3リンクの接続点との間隔をaとし、第3リンクの接続点と防振器との間隔をbとしたとき、a<bとすることで、(防振器に入力する荷重)<(支持装置に入力する荷重)とすることができる。
これによって、防振器の剛性及び容量(許容荷重)を低減できるため、防振器の大径化を抑制でき、支持装置の設置スペースを低減できる。
前記荷重入力点が前記第1リンクの第2端に位置し、
前記荷重出力点が前記第2リンクの第2端に位置し、
前記第3リンクは、前記第1リンクの前記第1端と前記第2端との間及び前記第2リンクの前記第1端及び前記第2端の間で前記第1リンクと前記第2リンクとに回動可能に架設される。
上記(2)の構成によれば、第3リンクの一方の側に荷重入力点及び荷重出力点を配置し、第3リンクの他方の側に防振器を配置できるため、荷重入力点、荷重出力点及び防振器の配置の自由度を広げることができ、従って、a<bの範囲を広げることができる。
前記第3リンクが前記第1リンクの前記第2端と前記第2リンクの前記第2端とに接続され、
前記荷重入力点が前記第1リンクの前記第1端と前記第2端との間に位置し、
前記荷重出力点が前記第2リンクの前記第1端と前記第2端との間に位置する。
上記(3)の構成によれば、第3リンクの一方の側に荷重入力点、荷重出力点及び防振器を配置できるため、荷重入力方向と交差する方向の配置スペースをさらに省スペース化できる。例えば、荷重入力方向と交差する方向が鉛直方向である場合、鉛直方向の配置スペースを短縮できる。
前記荷重入力方向は水平方向に沿う方向であり、
前記第1リンク及び前記第2リンクは上下方向に沿って配置され、
前記防振器は前記第1リンク及び第2リンクによって軸方向両端から支持され垂下される。
上記(4)の構成によれば、鉛直方向のスペースを省スペース化できると共に、防振器は第1リンク及び第2リンクによって軸方向両端から支持されるので、防振器を支持するために新たな固定部を必要としない。従って、支持装置の据付け工程を簡素化できる。
前記構造物が原子力発電プラントの蒸気発生器、一次冷却材ポンプ又は加圧器である。
原子力発電プラントの蒸気発生器、一次冷却材ポンプ及び加圧器は格納容器内部の狭い空間に配置される。そのため、支持装置の設置スペースは限定される。これに対し、これら構造物の支持装置として設置スペースを縮小できる上記実施形態に係る支持装置を適用することで、設置スペースの確保が容易になる。
構造物と固定用基礎との間に介装され、前記構造物を前記固定用基礎に支持させる既存の構造物支持装置を請求項1に記載の構造物支持装置に交換する方法であって、
前記既存の構造物支持装置を前記構造物及び前記固定用基礎から取外し除去する除去工程と、
前記構造物に前記荷重入力点を介して前記第1リンクを回動可能に接続する第1取付け工程と、
前記固定用基礎に前記荷重出力点を介して前記第2リンクを回動可能に接続する第2取付け工程と、
を備える。
また、第1リンク及び第2リンクを除き、第3リンク及び防振器は荷重入力方向に沿って配置されるので、荷重入力方向と交差する方向の設置スペースを低減できる。従って、既存の設置スペースで十分な設置スペースを確保できる。例えば、荷重入力方向と交差する方向が鉛直方向である場合、鉛直方向の配置スペースを縮小できる。
前記第1取付け工程において、
前記既存の構造物支持装置の取付けに用いた前記構造物に存在する固定部に、前記第1リンクを前記荷重入力点を介して回動可能に接続し、
前記第2取付け工程において、
前記既存の構造物支持装置の取付けに用いた前記固定用基礎に存在する固定部に、前記第2リンクを前記荷重出力点を介して回動可能に接続する。
前記荷重入力点と前記第1リンク及び前記第3リンクの接続点との間隔、又は前記荷重出力点と前記第2リンク及び前記第3リンクの接続点との間隔をaとし、前記第3リンクの接続点と前記防振器との間隔をbとしたとき、
前記防振器の定格容量からb/aを決定する前工程をさらに備える。
上記(8)の方法によれば、構造物支持装置に入力される荷重と防振器の定格容量とから、b/aを決定することで、防振器の剛性及び定格容量に制限されることなく、それ以上の荷重に対応できる。従って、防振器の剛性及び定格容量を低減できるため、防振器の大径化を抑制でき、支持装置の配置スペースを省スペース化できる。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1に示す実施形態では、構造物1は原子力発電プラントの格納容器の内部に設けられる蒸気発生器である。この蒸気発生器の下部は回動脚5によって支持されている。回動脚5は、一方の端部が回動できるように固定用基礎の底面に連結され、他方の端部が回動できるように、蒸気発生器に連結される。
第1リンク12は、構造物1と荷重入力点Piを介して回動可能に接続される。矢印A及びBは荷重入力点Piにおける荷重入力方向を示し、第1リンク12は荷重入力方向と交差する方向に配置される。第2リンク14は第1リンク12と並列に固定用基礎3側に配置され、固定用基礎3に対して荷重出力点Poを介して回動可能に接続される。
図2(A)及び図3(A)において、荷重入力点Piに構造物1から矢印A方向の荷重が入力されたとき、荷重出力点Poでは、矢印B方向の荷重が固定用基礎3に対して作用する。荷重入力点Piに構造物1から矢印B方向の荷重が入力されたとき、荷重出力点Poでは、矢印A方向の荷重が固定用基礎3に対して作用する。
防振器18は、前述のように、例えば、シリンダとピストンとを含んで構成される油圧式ダンパ装置である。あるいは油圧式に限定されず、メカニカルスナバと呼ばれる機械式の荷重伝達装置であってもよい。防振器18は、熱膨張のように、勾配の小さい変化、即ち、単位時間当たりの変位が小さい変位を拘束せず、地震荷重のような勾配の大きな荷重による変位、即ち、単位時間当たりの変位が大きい変位を拘束する。
上記構成によれば、第3リンク16の一方の側に荷重入力点Pi及び荷重出力点Poを配置し、第3リンク16の他方の側に防振器18を配置できるため、荷重入力点Pi、荷重出力点Po及び防振器18の配置の自由度を広げることができる。
上記構成によれば、第3リンク16の一方の側に荷重入力点Pi、荷重出力点Po及び防振器18を配置するため、荷重入力方向と交差する方向の配置スペースをさらに省スペース化できる。
防振器18を含む支持装置10の全体システムの反力をPa、剛性をka、変位をδaとすると、(1)式が成り立つ。
Pa=ka・δa (1)
同様に防振器18の反力をPb、剛性をkb、変位をδbとすると、次式が成り立つ。
Pb=kb・δb
従って、kb=Pb/δb (2)
回転モーメントのつり合いから、次式が成り立つ。
Pa・a=Pb・b
従って、Pa=(b/a)・Pb (3)
δa=(a/b)・δb (4)
(3)式と(4)式を(1)式に代入し、(2)式を考慮すると、次式が成り立つ。
(b/a)・Pb=ka・(a/b)・δb
従って、ka=(b/a)2・(Pb/δb)=(b/a)2・kb (5)
(5)式から、支持装置10の全体システムの剛性は、防振器18の剛性kbを(b/a)2に乗じた値となる。
従って、a<bとすることで、(防振器18に入力する荷重)<(支持装置10に入力すると予想される荷重)とすることができる。これによって、防振器18の剛性及び容量(許容荷重)を低減できるため、防振器18の大径化を抑制でき、支持装置10の設置スペースを低減できる。
例えば、支持装置全体として防振器18の2倍の剛性が必要であれば、b/a=√2の比率とすればよい。
上記構成によれば、支持装置10の鉛直方向の設置スペースを省スペース化できる。また、防振器18は第1リンク12及び第2リンク14によって軸方向両端から支持されるので、防振器18を支持するために、構造物1や固定用基礎3に新たな固定部を必要としない。従って、支持装置10の据付工事を簡素化できる。
原子力発電プラントの蒸気発生器、一次冷却材ポンプ及び加圧器は格納容器内部の狭い空間に配置される。そのため、支持装置10の設置スペースは限定される。これに対し、これら構造物に上記実施形態に係る支持装置10を適用することで、支持装置の設置スペースの確保が容易になる。
上記交換方法は、まず除去工程S12において、既存の構造物支持装置を構造物1及び固定用基礎3から取外し除去する。次に、第1取付け工程S14において、構造物1に荷重入力点Piを介して第1リンク12を回動可能に接続する。さらに、第2取付け工程S16において、固定用基礎3に荷重出力点Poを介して第2リンク14を回動可能に接続する。
また、第1リンク12及び第2リンク14を除き、第3リンク16及び防振器18は荷重入力方向(図2(A)及び図3(A)中の矢印A又はB方向)に沿って配置されるので、荷重入力方向と交差する方向の設置スペースを低減できる。従って、既存の設置スペースで十分な設置スペースを確保できる。
これによって、第1リンク12を構造物1に設けられた既存の固定部に接続し、第2リンク14を固定用基礎3に設けられた既存の固定部に接続すればよい。
防振器18は第1リンク12及び第2リンク14によってケーシングの両側から支持されるので、新たな固定部を増設する必要がない。従って、交換時の改造工事を簡素化かつ低コスト化でき、かつ交換工事の時間を短縮できる。
上記方法によれば、支持装置10に入力される予想荷重と防振器18の定格容量とから、b/aの値を決定することで、防振器18の剛性及び定格容量に制限されることなく、支持装置の設計自由度を広げることができる。また、b/aの値を大きく取ることで、防振器18の剛性及び定格容量を低減できるため、防振器18の大径化を抑制でき、支持装置10の配置スペースを省スペース化できる。
3 固定用基礎
5 回転脚
10(10A、10B) 支持装置
12 第1リンク
12a 第1端
12b 第2端
14 第2リンク
14a 第1端
14b 第2端
16 第3リンク
18 防振器
A、B 荷重入力方向
Pi 荷重入力点
Po 荷重出力点
Pa、Pb 反力
δa、δb 変位
Claims (8)
- 構造物と固定用基礎との間に介装され、前記構造物を前記固定用基礎に支持させる構造物支持装置であって、
前記構造物に荷重入力点を介して回動可能に接続され、荷重入力方向と交差する方向に配置される第1リンクと、
前記第1リンクと並列に配置され、前記固定用基礎と荷重出力点を介して回動可能に接続される第2リンクと、
互いに対向配置される前記第1リンクの第1端及び前記第2リンクの第1端に回動可能に接続され、荷重作用方向が前記荷重入力方向に沿うように配置される防振器と、
前記防振器と異なる位置で前記荷重入力方向に沿う方向で前記第1リンク及び前記第2リンクに回動可能に接続される第3リンクと、
を備えることを特徴とする構造物支持装置。 - 前記荷重入力点が前記第1リンクの第2端に位置し、
前記荷重出力点が前記第2リンクの第2端に位置し、
前記第3リンクは、前記第1リンクの前記第1端と前記第2端との間及び前記第2リンクの前記第1端及び前記第2端の間で前記第1リンクと前記第2リンクとに回動可能に架設されることを特徴とする請求項1に記載の構造物支持装置。 - 前記第3リンクが前記第1リンクの第2端と前記第2リンクの第2端とに接続され、
前記荷重入力点が前記第1リンクの前記第1端と前記第2端との間に位置し、
前記荷重出力点が前記第2リンクの前記第1端と前記第2端との間に位置することを特徴とする請求項1に記載の構造物支持装置。 - 前記荷重入力方向は水平方向に沿う方向であり、
前記第1リンク及び前記第2リンクは上下方向に沿って配置され、
前記防振器は前記第1リンク及び第2リンクによって軸方向両端から支持され垂下されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の構造物支持装置。 - 前記構造物が原子力発電プラントの蒸気発生器、一次冷却材ポンプ又は加圧器であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の構造物支持装置。
- 構造物と固定用基礎との間に介装され、前記構造物を前記固定用基礎に支持させる既存の構造物支持装置を請求項1に記載の構造物支持装置に交換する方法であって、
前記既存の構造物支持装置を前記構造物及び前記固定用基礎から取外し除去する除去工程と、
前記構造物に前記荷重入力点を介して前記第1リンクを回動可能に接続する第1取付け工程と、
前記固定用基礎に前記荷重出力点を介して前記第2リンクを回動可能に接続する第2取付け工程と、
を備えることを特徴とする構造物支持装置の交換方法。 - 前記第1取付け工程において、
前記既存の構造物支持装置の取付けに用いた前記構造物に存在する固定部に、前記第1リンクを前記荷重入力点を介して回動可能に接続し、
前記第2取付け工程において、
前記既存の構造物支持装置の取付けに用いた前記固定用基礎に存在する固定部に、前記第2リンクを前記荷重出力点を介して回動可能に接続することを特徴とする請求項6に記載の構造物支持装置の交換方法。 - 前記荷重入力点と前記第1リンク及び前記第3リンクの接続点との間隔、又は前記荷重出力点と前記第2リンク及び前記第3リンクの接続点との間隔をaとし、前記第3リンクの接続点と前記防振器との間隔をbとしたとき、
前記防振器の定格容量からb/aを決定する前工程をさらに備えることを特徴とする請求項6又は7に記載の構造物支持装置の交換方法。
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