JP6750757B1 - スラブの表面手入れ方法 - Google Patents

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Abstract

切削量と切削工具のストローク数を最小限に抑えつつ、スラブの表面疵などを確実に切削除去できるスラブ表面手入れ方法を提供する。筒状本体の外周部に切刃を備え、筒軸を中心として回転する切削工具を用い、ベッド上に置かれたスラブの側面を、その長手方向に沿って移動する切削工具で切削加工する際に、スラブ側面の長手方向で所定の間隔をおいて定めた各位置xにおいて、予め、スラブ側面の高さ方向の複数箇所の切削量について、表面手入れのために最低限必要な切削量である最低切削量をそれぞれ定めておき、各位置xにおいて、高さ方向の複数箇所での切削量がそれぞれ前記最低切削量以上となり且つ切削工具による切削除去断面積が最小となる又は最小に近くなるような切削工具切込位置を決定し、切削工具の移動軌跡を制御する。

Description

本発明は、スラブ表面に生じる酸化スケールや表面疵を取り除くために行うスラブの表面手入れ方法に関するものである。
一般に、鋼板(厚板、薄板)は連続鋳造スラブや分塊スラブ(以下、単に「スラブ」という)を素材とし、熱間圧延や冷間圧延を行って製造されるが、この際、スラブ表面に酸化スケール層や表面疵を残したまま圧延を行うと、製品の表面性状の悪化や割れが生じる原因となる。
一方、スラブは製造時の冷却過程における不均一な熱応力などで反り・曲がり・膨らみ・凹みなどを有しており、このため形状が一定ではなく、比較的複雑なスラブ表面形状となることが多い。
従来では、特許文献1、2に示されるように、プラノミラや門型フライスなどの工作機械を用い、予め計測したスラブ表面形状に合わせてフライス工具でスラブ表面を切削し(フライス加工)、スラブ表面の酸化スケール層や表面疵を除去するスラブ表面手入れが行われている。
このようなフライス工具によるスラブ面の手入れでは、スラブの一端から他端(例えば、スラブ長手方向の先端から後端、或いはスラブ幅方向の右端から左端)に向かってフライス工具を移動させてスラブ表面の切削加工を行う動作(以下、「ストローク」という。)を行った後、工具幅方向(フライス工具の進行方向と直交する水平方向)にフライス工具を移動させて、次のストロークを行うという工程を繰り返して、スラブ面全体の切削加工を行う。そして、この一連の切削加工では、上述したようにフライス工具を予め計測されたスラブ表面形状に倣うように移動させる。
特開平9−108725号公報 特開2016−68251号公報
上述したようにスラブは比較的複雑な表面形状を有することが多いが、このようなスラブ表面形状に拘わりなく、スラブの表面手入れでは削り残しがないようにスラブ表面を切削する必要がある。一方、スラブの表面手入れでは、経済性の観点からスラブ表面の切削量をできるだけ少なくすること、生産性の観点から切削工具のストローク数をできるだけ少なくすること、などが求められる。
しかし、特許文献1、2に記載の表面手入れ法のように、単に、予め計測したスラブ表面形状に合わせてフライス工具の軌跡を決めてスラブ表面を切削する方法では、スラブ表面を少ない切削量で且つ削り残しがないように切削するには、切削工具のストローク数が増加し、生産性が低下するという問題がある。
図16(スラブ幅方向断面の一部を示す図面)に、従来のスラブ表面手入れ方法によりフライス工具でスラブ側面を表面手入れする場合の工具の移動軌跡(各ストロークでの工具の移動位置)を示す。同図に示されるように、複雑なスラブ表面形状に対して削り残しがないようにするために、フライス工具のストローク数を多くする必要がある。その結果、加工時間が増大して生産性が低下してしまう。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、切削加工によりスラブ側面の表面手入れを行う方法において、切削量と切削工具のストローク数を最小限に抑えつつ、スラブ表面の酸化スケールや表面疵を削り残しを生じることなく確実に切削除去することができる、スラブの表面手入れ方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、外周部に切刃を備えた筒状の切削工具を用い、所定の条件で切削工具の移動軌跡を制御する新たな方法を創案した。すなわち、上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]筒状本体の外周部に切刃を備え、筒軸を中心として回転する切削工具を用い、ベッド上に置かれたスラブの側面(s)を、その長手方向に沿って移動する切削工具で切削加工する際に、
スラブ側面(s)の長手方向をX軸方向、水平方向においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、スラブ側面(s)の高さ方向をZ軸方向とした場合に、X軸方向で所定の間隔をおいて定めた各位置(x)において、予め、スラブ側面(s)のZ軸方向の複数箇所の切削量について、表面手入れのために最低限必要な切削量である最低切削量をそれぞれ定めておき、
各位置(x)において、Z軸方向の複数箇所での切削量がそれぞれ前記最低切削量以上となり且つ切削工具によるY軸方向での切削除去断面積が最小となる又は最小に近くなるような、Y軸方向での切削工具切込位置を決定し、切削工具の移動軌跡を制御するスラブの表面手入れ方法。
[2] スラブ側面(s)の形状測定を行うに当たり、X軸方向で所定の間隔をおいて定めた各計測位置(x)において、予め、Z軸方向で所定の間隔をおいた複数の計測点(a)を定めるとともに、これら各計測点(a)での切削量について、表面手入れのために最低限必要な切削量である最低切削量AEminをそれぞれ定めておき、
各計測位置(x)において、距離計による計測により、Z軸方向で所定の間隔をおいて定めた複数の計測点(a)のY軸座標を求め、この各計測点(a)のY軸座標と、切削工具の既知のY軸座標に基づき、各計測点(a)での切削量AEが最低切削量AEmin以上となり且つ切削工具によるY軸方向での切削除去断面積Taが最小となる又は最小に近くなるような、Y軸方向での切削工具切込位置を決定し、各計測位置(x)で当該切削工具切込位置となるように、X軸方向及びY軸方向での切削工具移動軌跡を制御するスラブの表面手入れ方法。
[3]上記[2]のスラブ表面手入れ方法において、各計測位置(x)において、下記(i)〜(iii)の手順によりY軸方向での切削工具切込位置を決定し、各計測位置(x)で当該切削工具切込位置となるように、X軸方向及びY軸方向での切削工具移動軌跡を制御するスラブの表面手入れ方法。
(i)距離計による計測により、Z軸方向で所定の間隔をおいて定めた複数の計測点(a)のY軸座標を求める。
(ii)上記(i)で求めた各計測点(a)のY軸座標と、切削工具の既知のY軸座標に基づき、ある任意の計測点(a)での切削量AEijを予め定められた最低切削量AEminとしたときの、他の各計測点(a)での切削量AEipを求め、当該各切削量AEipが予め定められた最低切削量AEmin以上である場合に、計測点(a)での切削量AEijと他の各計測点(a)での切削量AEipに基づき、切削工具によるY軸方向での切削除去断面積Taを求める。
(iii)上記(ii)の計算をすべての計測点(a)について行って、それぞれの場合の切削除去断面積Taを求め、そのなかで最小の又は最小に近い切削除去断面積Taとなる場合の切削工具切込位置を、当該計測位置(x)での切削工具切込位置に決定する。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかのスラブ表面手入れ方法において、Z軸方向でスラブ上面位置〜スラブ厚み中央部又はその下部近傍位置間のスラブ側面領域を、切削工具の1ストロークの移動で切削加工するスラブの表面手入れ方法。
[5]上記[2]または[3]のスラブ表面手入れ方法において、Z軸方向でスラブ上面位置〜スラブ厚み中央部又はその下部近傍位置間のスラブ側面領域を、切削工具の1ストロークの移動で切削加工し、Z軸方向で所定の間隔をおいて定めた複数の計測点(a)のうち、最上部の計測点(a01)と最下部の計測点(a02)が計算上の仮想の計測点、それ以外の計測点(a)〜(a)が実測される計測点であり、
前記最上部の計測点(a01)は、Z軸方向でスラブ上面又はその近傍に位置し、そのY軸座標は、実測される計測点(a)〜(a)のうち最上部の計測点(a)と上から2番目の計測点(a)を結ぶ直線の延長線上に設定され、
前記最下部の計測点(a02)は、Z軸方向でスラブ厚み中央部又はその近傍に位置し、そのY軸座標は、実測される計測点(a)〜(a)のうち最下部の計測点(a)と下から2番目の計測点(an−1)を結ぶ直線の延長線上に設定されるスラブの表面手入れ方法。
[6]上記[2]、[3]、[5]のいずれかのスラブ表面手入れ方法において、各計測点(a)の最低切削量AEminは、スラブ側面(s)の表面手入れにおいて削り残しを生じさせないために最低限必要な切削量であって、経験則又は/及び事前の調査に基づき設定される切削量であるスラブの表面手入れ方法。
[7]上記[2]、[3]、[5]、[6]のいずれかのスラブ表面手入れ方法において、Z軸方向で所定の間隔をおいて定めた複数の計測点(a)のうち、最上部の計測点(a)の最低切削量AEminは、それ以外の計測点(a)の最低切削量AEminよりも大きいスラブの表面手入れ方法。
[8]上記[2]、[3]、[5]〜[7]のいずれかのスラブ表面手入れ方法において、Z軸方向において隣り合う計測点(a)間の間隔が50mm以下であるスラブの表面手入れ方法。
[9]上記[2]、[3]、[5]〜[8]のいずれかのスラブ表面手入れ方法において、各計測位置(x)での計測点(a)の数が3以上であるスラブの表面手入れ方法。
[10]上記[2]、[3]、[5]〜[9]のいずれかのスラブ表面手入れ方法において、X軸方向において隣り合う計測位置(x)間の間隔が100mm以下であるスラブの表面手入れ方法。
[11]上記[1]〜[10]のいずれかのスラブ表面手入れ方法において、切削工具の有効刃長部が逆円錐台形状であるスラブの表面手入れ方法。
[12]上記[1]〜[11]のいずれかのスラブ表面手入れ方法において、Z軸方向において、[切削工具の有効刃長部の上端高さ]≧[スラブ上面高さ]であり、[切削工具の有効刃長部の下端高さ]≦[スラブ厚み中央部高さ]であるスラブの表面手入れ方法。
本発明のスラブ表面手入れ方法によれば、切削加工によりスラブ側面の表面手入れを行う際に、切削量と切削工具のストローク数を最小限に抑えつつ、スラブ表面の酸化スケールや表面疵を削り残しを生じることなく確実に切削除去することができる。このため、スラブ表面手入れ作業を経済的に且つ高い生産性で実施することができる。
図1は、本発明のスラブ表面手入れ方法により切削加工を行うスラブ側面と、その形状測定を行うためのX軸方向での複数の計測位置x及び各計測位置xにおけるZ軸方向での複数の計測点aを示す説明図である。 図2は、本発明の一実施形態において、或る計測位置xにおけるZ軸方向で所定の間隔をおいた複数の計測点aを示す説明図(図はY軸方向でのスラブ断面を示している)である。 図3は、本発明のスラブ表面手入れ方法により切削加工を行うスラブ側面について、或る計測位置xにおけるZ軸方向での形状のバラツキを模式的に示す説明図(図はY軸方向でのスラブ断面を示している)である。 図4は、本発明のスラブ表面手入れ方法により切削加工を行うスラブ側面について、X軸方向での形状のバラツキを模式的に示す説明図である。 図5は、本発明で使用するスラブ表面手入れ装置の一実施形態と、この装置を用いたスラブ表面手入れの実施状況を示す説明図である。 図5のスラブ表面手入れ装置の切削工具(有効刃長部)を部分的に示したもので、図6(a)は斜視図、図6(b)は縦断面形状を示す図面である。 図7は、本発明の一実施形態において、切削加工すべきスラブ側面の表面形状の測定モデルを示す説明面である。 図8は、本発明の一実施形態において、或る計測位置xにおけるZ軸方向で所定の間隔をおいた複数の計測点aのうち仮想の計測点の座標の定義と計算方法の一例を示す説明図である。 図9は、本発明の一実施形態において、切削工具形状の定義パラメータを示す説明図である。 図10は、本発明の一実施形態において、工具高さ基準線のZ軸座標Zt0を決定するための工具高さ位置パラメータの概要を示す説明図である。 図11は、本発明の一実施形態において、工具高さ位置の決定アルゴリズムを示す説明図である。 図12は、本発明の一実施形態において、或る計測位置xでのY軸方向スラブ断面において切削工具が切込んだ際の状況をモデル化した図面である。 図13は、本発明の一実施形態において、切削工具によるY軸方向での切削除去断面積Taiの計算例(計算方法)を示す説明図である。 図14は、本発明の一実施形態において、或る計測位置xにおける切削工具の切込量(工具位置)を決定するための方法のフローチャートである。 図15は、従来のスラブ表面手入れ方法と本発明のスラブ表面手入れ方法のスラブ表面手入れ時間(加工時間)を比較して示すグラフである。 図16は、従来のスラブ表面手入れ方法によりフライス工具でスラブ側面を表面手入れする場合の工具の移動軌跡を示す説明図である。
本発明のスラブ表面手入れ方法はスラブ側面sを対象とするものであるが、スラブ側面sには、種々の要因による凹みや形状変動があり、高さ方向・長手方向での形状のバラツキが大きい。上述したように、スラブの表面手入れでは、経済性の観点からスラブ表面の切削量が少ないこと、生産性の観点から切削工具のストローク数が少ないことが求められるが、一方において、酸化スケールや表面疵の削り残しが発生すると再度削り直しとなり、大幅な時間ロスとなるため、削り残しを生じることなく確実に切削除去することが求められる。そこで、本発明のスラブ表面手入れ方法では、以下に述べるように、従来のようなフライス工具ではなく、外周部の切刃で切削を行う筒状の切削工具を用いるとともに、この切削工具を最小限の切削量で且つ削り残しを生じないような移動軌跡に制御してスラブ側面の切削加工を行うものである。
本発明のスラブ表面手入れ方法では、筒状本体の外周部に切刃を備え、筒軸を中心として回転する切削工具を用い、ベッド上に置かれたスラブの側面sを、その長手方向に沿って移動する切削工具で切削加工する。その際、スラブ側面sの長手方向をX軸方向、水平方向においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、スラブ側面sの高さ方向をZ軸方向とした場合に、X軸方向で所定の間隔をおいて定めた各位置xにおいて、予め、スラブ側面sのZ軸方向の複数箇所の切削量について、表面手入れのために最低限必要な切削量である最低切削量をそれぞれ定めておき、各位置xにおいて、Z軸方向の複数箇所での切削量がそれぞれ上記最低切削量以上となり且つ切削工具によるY軸方向での切削除去断面積が最小となる又は最小に近くなるような、Y軸方向での切削工具切込位置を決定し、切削工具の移動軌跡を制御する。なお、上記のように、各位置xにおいて決定されるY軸方向での切削工具切込位置は、切削工具によるY軸方向での切削除去断面積が最小となるような切削工具切込位置とすることが最も好ましいが、何らかの事情でそのようにできない場合には、上記のように切削除去断面積が最小に近くなるような切削工具切込位置としてもよい。
これにより、スラブ側面sの酸化スケールや表面疵を、スラグ側面形状に拘りなく、切削量と切削工具のストローク数を最小限に抑え且つ削り残しを生じることなく確実に切削除去することができ、経済的で且つ効率的な表面手入れを行うことができる。
以下の説明において、符号中のj,pは、ある計測位置xにおける計測点aの番号、iは計測位置xの番号を意味している。
本発明のより具体的な実施形態では、上記位置xは、距離計によってスラブ側面sの形状測定を行う計測位置である。図1に、切削加工(表面手入れ)を行うスラブの側面sと、その形状測定を行うためのX軸方向での複数の計測位置x及び各計測位置xにおけるZ軸方向での複数の計測点aを示す。本発明のスラブ表面手入れ方法のより具体的な実施形態では、レーザー距離計などの距離計でスラブ側面sの複数の計測点aの座標を計測することによりスラブ側面sの形状測定を行い、この形状測定結果に基づいて、X軸方向及びY軸方向での切削工具軌跡を制御してスラブ側面sの切削(表面手入れ)を行う。ここで、スラブ側面sの形状測定を行うに当たり、X軸方向で所定の間隔をおいて定めた各計測位置xにおいて、予め、Z軸方向で所定の間隔をおいた複数の計測点aを定めるとともに、これら各計測点aでの切削量について、表面手入れのために最低限必要な切削量である最低切削量AEminをそれぞれ定めておく。そして、各計測位置xにおいて、距離計による計測により、Z軸方向で所定の間隔をおいて定めた複数の計測点aのY軸座標を求め、この各計測点aのY軸座標と、切削工具の既知のY軸座標に基づき、各計測点aでの切削量AEが最低切削量AEmin以上となり且つ切削工具によるY軸方向での切削除去断面積Taが最小となる又は最小に近くなるような、Y軸方向での切削工具切込位置を決定し、各計測位置xで当該切削工具切込位置となるように、X軸及びY軸方向での切削工具移動軌跡を制御してスラブ側面sの切削(表面手入れ)を行う。なお、この場合も、各計測位置xにおいて決定されるY軸方向での切削工具切込位置は、切削工具によるY軸方向での切削除去断面積Taが最小となるような切削工具切込位置とすることが最も好ましいが、何らかの事情でそのようにできない場合には、上記のように切削除去断面積Taが最小に近くなるような切削工具切込位置としてもよい。
また、その場合、各計測位置xにおいて、下記(i)〜(iii)の手順によりY軸方向での切削工具切込位置を決定し、各計測位置xで当該切削工具切込位置となるように、X軸方向及びY軸方向での切削工具移動軌跡を制御することが好ましい。
(i)距離計による計測により、Z軸方向で所定の間隔をおいて定めた複数の計測点aのY軸座標を求める。
(ii)上記(i)で求めた各計測点aのY軸座標と、切削工具の既知のY軸座標に基づき、ある任意の計測点aでの切削量AEijを予め定められた最低切削量AEminとしたときの、他の各計測点aでの切削量AEipを求め、当該各切削量AEipが予め定められた最低切削量AEmin以上である場合に、計測点aでの切削量AEijと他の各計測点aでの切削量AEipに基づき、切削工具によるY軸方向での切削除去断面積Taを求める。
(iii)上記(ii)の計算をすべての計測点aについて行って、それぞれの場合の切削除去断面積Taを求め、そのなかで最小の又は最小に近い切削除去断面積Ta(好ましくは最小の切削除去断面積Ta)となる場合の切削工具切込位置を、当該計測位置xでの切削工具切込位置に決定する。
本発明のスラブ表面手入れ方法において、切削工具の1ストロークの移動で切削加工するスラブ側面領域は特に制限はないが、本発明のスラブ表面手入れ方法によれば、Z軸方向でスラブ上面位置〜スラブ厚み中央部又はその下部近傍位置間のスラブ側面領域(すなわち、スラブ厚みの半分又は半分強に相当するスラブ側面領域)を切削工具の1ストロークの移動で切削加工することが可能であり、そのような実施形態が切削工程のストローク数を少なくして、生産性を高めるという観点から好ましい。
ここで、上記のようにZ軸方向で各スラブ上面位置〜スラブ厚み中央部又はその下部近傍位置間のスラブ側面領域を、切削工具の1ストロークの移動で切削加工する場合、各計測位置xにおいて計測点aは以下のように設定するのが好ましい。後述するように、一般にZ軸方向においてスラブ側面形状のバラツキが最も大きいのがスラブ上面位置であるが、Z軸方向で所定の間隔をおいた複数の計測点aをレーザー距離計などの距離計で計測する場合、技術的にスラブ上面位置を計測点(実測点)とすることは難しい。また、スラブはベッドに支持された状態で両側面を固定治具で挟み込んで固定されるのが一般的であり、この場合、スラブ厚み中央近傍にはスラブ固定治具が存在し、計測機器と干渉するためスラブ厚み中央部位置を計測点(実測点)とすることも難しい。そこで、Z軸方向で所定の間隔をおいて定めた複数の計測点aのうち、スラブ上面又はその近傍に位置する最上部の計測点a01とスラブ厚み中央部又はその近傍に位置する最下部の計測点a02を計算上の仮想の計測点とし、それ以外の計測点a〜aを実測される計測点とするのが好ましい。図2は、本発明の一実施形態において、或る計測位置x(図はY軸方向でのスラブ断面を示している)におけるZ軸方向で所定の間隔をおいた複数の計測点aを示している。この実施形態では、複数の計測点aのうち、計測点a〜計測点aは距離計により実測される計測点とするとともに、最上部の計測点a01は、Z軸方向でスラブ上面又はその近傍に位置する計算上の仮想の計測点とし、最下部の計測点a02は、Z軸方向でスラブ厚み中央部又はその近傍に位置する計算上の仮想の計測点としている。
また、これら仮想の計測点a01,a02のY軸座標の設定は、最上部の計測点a01のY軸座標については、実測される計測点a〜計測点a(=計測点a)のうちの最上部の計測点aと上から2番目の計測点aを結ぶ直線の延長線上に設定し、また、最下部の計測点a02のY軸座標については、実測される計測点a〜計測点a(=計測点a)のうちの最下部の計測点a(=計測点a)と下から2番目の計測点a(計測点an−1)を結ぶ直線の延長線上に設定することが好ましい。
図3及び図4は、スラブ側面形状のバラツキを模式的に示したものである。図3(a)、(b)は、それぞれ或る計測位置x(図はY軸方向でのスラブ断面を示している)におけるZ軸方向での形状のバラツキを模式的に示している。これによれば、計測点a間に凹みや膨らみが存在し、実測された計測点a〜計測点aと仮想の計測点a01,a02で規定されたスラブ側面形状に対して、実際のスラブ側面形状(スラブ側面実形状)は、Z軸方向で相当のバラツキがあることが判る。また、図4は、X軸方向でのスラブ側面形状のバラツキを模式的に示しており、このX軸方向でも計測点a間にうねりのような凹凸が存在し、X軸方向における各計測位置xでの複数の計測点aで規定されたスラブ側面形状に対して、実際のスラブ側面形状(スラブ側面実形状)は、X軸方向でも相当のバラツキがあることが判る。以上のように、実際のスラブの側面sは、凹み・膨らみ、うねり、鋳造中の振動に起因する変形などが存在し、測定していない箇所がどのような形状になっているか全く保障がない。これらの形状のバラツキ要因を考慮して、Z軸方向での位置(計測点a)に応じてある程度余分な切込を加えることで、形状のバラツキ分を吸収して削り残しを無くすことが可能であることが判った。本発明では、この削り残しを無くすための「ある程度余分な切込」を、Z軸方向での位置(計測点a)に応じて最低切削量AEminとして設定する。
すなわち、各計測点aの最低切削量AEminは、スラブ側面sの表面手入れにおいて削り残しを生じさせないために最低限必要な切削量であって、経験則又は/及び事前の調査に基づき設定される切削量である。
この最低切削量AEminは、大き過ぎると無駄に切削負荷が大きくなり、小さすぎると削り残しが発生するので、上記のように経験則(過去の操業上の経験)、事前の調査などに基づき、削り残しが生じない最も少ない切削量を設定する。
最低切削量AEminは、Z軸方向で所定の間隔をおいて定めた計測点a毎に設定されるが、経験上、スラブ上端部(スラブ上面位置)は鋳造後の冷却に伴い角部が凹んだような形状になりやすく、他の場所より表面形状のバラツキが大きくなる(凹みが大きい)傾向があることが判明しているので、Z軸方向で所定の間隔をおいて定めた複数の計測点aのうち、スラブ上面又はその近傍に位置する最上部の計測点a(上述した例では、計算上の仮想の計測点a01)の最低切削量AEminは、それ以外の計測点aの最低切削量AEminよりも大きくすることが好ましい。
なお、スラブ上面又はその近傍に位置する計測点a以外の複数の計測点aの最低切削量は、全て同じ値に設定される場合もあるし、一部又は全部が異なる値に設定される場合もある。また、Z軸方向で所定の間隔をおいて定めた複数の計測点aでの最低切削量AEminは、通常、X軸方向の各計測位置xで同じ値に設定するが、計測位置xによって異なる値に設定される場合もある。
本発明において、各計測位置xにおいてZ軸方向で隣り合う計測点a間の間隔、各計測位置xでの計測点aの数、X軸方向において隣り合う計測位置x間の間隔などは特に制限はないが、スラブ側面形状の計測精度の観点からは、Z軸方向で隣り合う計測点a間の間隔は50mm以下であることが好ましく、30mm以下であることがさらに好ましく、15mm以下であることが一層好ましい。同様の観点から、X軸方向において隣り合う計測位置x間の間隔は100mm以下であることが好ましく、50mm以下であることがさらに好ましく、30mm以下であることが一層好ましい。また、スラブ厚さにもよるが、同様の観点から各計測位置xでの計測点aの数は3以上であることが好ましく、5以上であることがさらに好ましく、8以上であることが一層好ましい。
図5は、本発明で使用するスラブ表面手入れ装置の一実施形態と、この装置を用いたスラブ表面手入れの実施状況を示す説明図である。
このスラブ表面手入れ装置1は、表面手入れするスラブを支持するためのベッド2と、このベッド2を跨ぐようにして移動可能に設けられる門型フレーム3を備え、この門型フレーム3に切削工具4及び距離計5が保持されている。
門型フレーム3は、左右の支柱30a、30b(脚部)とこれらを連結する上部フレーム31などから構成され、両支柱30a、30b間には切削工具移動用のガイドレール32(クロスレール)が架設されている。
ベッド2の両側には、その長手方向に沿って門型フレーム移動用のレール6が設けられ、このレール6に対して門型フレーム3の両支柱30a、30bがスライド移動することにより、門型フレーム3はベッド2の長手方向に沿って水平移動が可能となっている。
ガイドレール32にはフロントヘッド7が移動可能に設けられ、このフロントヘッド7に主軸8及び回転軸9を介して切削工具4が保持されている。すなわち、フロントヘッド7の下部には伸縮(昇降)可能な主軸8が取り付けられるとともに、この主軸8の下部に回転軸9が設けられ、この回転軸9に筒状の切削工具4が固定されている。
門型フレーム3の支柱30aには、スラブ側面の表面形状を測定するための固定式の複数の距離計5が設けられている。これらの距離計5は、スラブ側面sにおけるZ軸方向の複数の計測点a(実測点)に各々対向するように、上下方向で間隔をおいて設けられているが、上下方向で移動可能な距離計5を設けてもよい。
使用される距離計5の種類は特に制限はなく、例えば、レーザー式、光学式、超音波式などが使用できるが、そのなかでもレーザー距離計(レーザー変位計)が好ましいので、以下、このレーザー距離計を用いる場合について説明する。
その他、図面において、10は表面手入れ作業前後に作業者が立ち入り可能なデッキである。
図6は、図5のスラブ表面手入れ装置1の切削工具4を部分的に示したもので、図6(a)は斜視図、図6(b)は縦断面形状を示す図面である。なお、この図6は切削工具4の有効刃長部4a(切刃を備え、実際に切削を行う工具部分)のみを示している。
この切削工具4は、有効刃長部4aを構成する筒状本体40の外周部に切刃41を備え、回転軸9に固定されることで、筒軸を中心(回転中心軸)として回転する。有効刃長部4a(筒状本体40)の形状は特に制限はなく、円筒形状、円錐台形状、逆円錐台形状など任意の形状に構成できるが、一般的なスラブ側面の表面形状からして円筒形状又は逆円錐台形状が好ましく、このため本実施形態の有効刃長部4a(筒状本体40)は逆円錐台形状を有している。
以下、説明の便宜上、この有効刃長部4aの縦断面の刃先線を「工具断面刃先定義線」という。
逆円錐台形状の有効刃長部4a(筒状本体40)の側面テーパ角α(工具断面刃先定義線と工具回転中心軸がなす角度)は、スラブ側面sの形状バラツキを考慮して適宜設定すればよいが、一般には0〜15°程度が望ましく、1.0〜8.0°程度がさらに望ましく、1.5〜4.0°程度が一層望ましい。
その他、図面において、42は切刃41の固定手段(ネジなど)、43は切刃41のバックサポートである。
このスラブ表面手入れ装置1では、表面手入れするスラブSをベッド2上に平置き姿勢で載せた状態で、切削加工するスラブ側面sの長手方向をX軸方向、水平方向においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、スラブ側面sの高さ方向をZ軸方向とした場合、門型フレーム3がレール6に沿ってベッド2の長手方向で移動することにより切削工具4がX軸方向で移動でき、フロントヘッド7がガイドレール32に沿ってベッド2の幅方向に移動することにより切削工具4がY軸方向で移動でき、主軸8が上下方向で伸縮(移動)することにより切削工具4がZ軸方向で移動できる。
スラブ側面sを切削加工する場合は、始めに、上下方向で間隔をおいて設けられた複数のレーザー距離計5から測長用レーザー光を出しながら門型フレーム3を移動させることにより、X軸及びZ軸方向での複数の計測点aについて計測(距離測定)を行い、これによりスラブ側面sの表面形状を測定する。また、レーザー距離計5が固定式ではなく、移動式の場合には、門型フレーム3を移動させ且つレーザー距離計5を上下方向で移動させることにより、X軸及びZ軸方向での複数の計測点aについて計測(距離測定)を行い、これによりスラブ側面sの表面形状を測定する。その後、切削工具4を回転させながらX軸及びY軸方向に移動させることにより、スラブ側面sの切削加工(表面手入れ)を行うが、その際に、上記の表面形状の測定結果に基づき、X軸方向及びY軸方向での切削工具移動軌跡を制御する。
以下、図5及び図6のスラブ表面手入れ装置1を用いる場合を例に、本発明のスラブ表面手入れ方法の一実施形態について説明する。
この実施形態では、Z軸方向でスラブ上面位置〜スラブ厚み中央部の下部近傍位置間のスラブ側面領域(すなわちスラブ厚さの半分強に相当するスラブ側面領域)を切削工具の1ストロークの移動で切削加工する。
図7は、切削加工すべきスラブ側面sの表面形状の測定モデルを示しており、切削加工すべきスラブ側面sの長手方向をX軸方向、水平方向においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、スラブ側面sの高さ方向(厚み方向)をZ軸方向とする座標系を仮定し、X軸方向で所定の間隔(X軸方向計測ピッチ)をおいて定めた各計測位置xにおいて、Z軸方向で所定の間隔をおいた複数の計測点aについてレーザー距離計5による計測(Y軸方向の距離計測)を行い、その計測結果に基づきスラブ側面sの表面形状を測定する状況を示している。図7(a)は、スラブ側面sの計測位置xと計測点aを示したものであり、図7(b)は、X軸方向計測ピッチ上のi番目の或る計測位置xにおけるY軸方向スラブ断面での測定モデルを示したものである。図7(b)中の各記号は下記のように定義される。なお、図中のeはZ軸方向の座標基準点(線)、fはY軸方向の座標基準点(線)である。
Xi:当該計測位置xのX軸座標値
Zmi0:スラブ上面高さ位置(別途上面形状を測定し求めておく)
Zm’i1:計測開始高さ位置のZ軸座標値(任意の数値を指定)
Zm’n2〜Zm’n4:計測点a間距離(任意の数値を指定)
Zm’n1:スラブ上面〜計測点a間距離(任意の数値を指定)
Zmi1〜Zmi4:当該計測位置xでの各計測点aのZ軸座標値(=各レーザー距離計の位置)
ZD:デッキの上面位置(設備寸法・構造で決定)
Ymi1〜Ymi4:当該計測位置xでの各計測点aのY軸座標値
Zt:Zmi0+スラブ厚み/2
ここで、測定されるスラブ側面sの表面形状とは、各計測位置xにおいて、Z軸方向で所定の間隔をおいた各計測点aについてレーザー距離計5による計測(Y軸方向の距離計測)を行い、その計測値に基づき得られる計測点aの座標値(X,Ymij,Zmij)で規定される形状である。
さきに図2の説明で述べたように、Z軸方向で所定の間隔をおいた複数の計測点aをレーザー距離計5で計測する場合、技術的にスラブ上面位置を計測点(実測点)とすることは難しい。また、スラブ厚み中央近傍はスラブ固定治具が存在し、計測機器と干渉するためスラブ厚み中央部位置を計測点(実測点)とすることも難しい。本実施形態では、Z軸方向でスラブ上面位置〜スラブ厚み中央部の下部近傍位置間のスラブ側面領域を切削工具の1ストロークの移動で切削加工するものであるので、Z軸方向で所定の間隔をおいて定めた複数の計測点aのうち、スラブ上面位置の最上部の計測点a01と、スラブ厚み中央部位置の最下部の計測点a02を、それぞれ計算上の仮想の計測点とし、それ以外の計測点a〜aを実測点とする。仮想の計測点a01,a02のY軸座標の設定については、次のようにする。すなわち、スラブ上面位置の最上部の計測点a01のY軸座標は、実測される計測点a〜計測点aのうちの最上部の計測点aと上から2番目の計測点aを結ぶ直線の延長線上に設定され、また、スラブ厚さ中央部位置の最下部の計測点a02のY軸座標は、実測される計測点a〜計測点aのうち最下部の計測点aと下から2番目の計測点aを結ぶ直線の延長線上に設定される。図8は、これら仮想の計測点の座標の定義と計算方法の一例を示している。
また、図9は切削工具形状の定義パラメータを示しており、上部工具径Du、下部工具径Dl、有効刃長部長さLbの関係は、上述した有効刃長部4a(筒状本体40)の側面テーパ角αにより定義されるが、他のパラメータは任意の値として設定可能である。
工具移動軌跡の考え方の基本として、計測点群は最上部・最下部の仮想計測点を含めた2次元(X軸−Z軸方向)に分布した2次元配列、すなわちX軸方向にi番目の計測位置xにおけるZ方向にj番目の計測点aのデータ(3次元座標値)を3つの2次元配列X(i,j),Ymij(i,j),Zmij(i,j)として考え、各断面のスラブ形状と切削工具4(有効刃長部断面)の位置関係を決めていく。
各計測位置xにおける切削工具4の位置は、下記の制約に基づき、Z軸方向位置→Y軸方向位置の順で決定する。
切削工具4のZ軸方向位置の制約は下記(1)〜(3)とし、それぞれの項目の優先度は(1)=(2)>(3)とする。
(1)切削工具4とデッキ10が接触しないようにするため、デッキ10上から切削工具4の下端までの距離が「最低ギャップ量」以上であること(すなわち、下記する図10、図11においてZg>Zgminであること)
(2)切削工具4の有効刃長部4a以外の部分(切刃のない工具部分)で切削しないようにするため、切削工具4の有効刃長部4aの上端がスラブ上面より上にあること(すなわち、下記する図10、図11においてZug>Zugminであること)
(3)Z軸方向でスラブ上面位置〜スラブ厚み中央部の下部近傍位置間のスラブ側面領域(スラブ厚みの半分強のスラブ側面領域)を切削工具4の1ストロークの移動で切削加工した後、スラブを上下反転させ、同様のスラブ側面領域(スラブ厚みの半分強のスラブ側面領域)を切削工具4の1ストロークの移動で切削加工するので、スラブ厚み中央部をオーバーラップして切削する余裕代が必要であり、このため切削工具4の有効刃長部4aの下端がスラブ厚み中央部より余裕代分だけ下方にあること(すなわち、下記する図10、図11においてZm>Zmminであること)
次に、切削工具4(有効刃長部4a)のY軸方向位置(=切込み)の制約は下記(i)、(ii)とし、それぞれの項目の優先度は(i)>(ii)とする。
(i)Z軸方向のどの計測点aにおいても、予めそれぞれの計測点aで設定された「最低切削量」以上の切込みであること
(ii)上記(i)を満たした上で、最小限の切削除去断面積であること
上記制約を加工パラメータとして予め定義しておき、各計測位置xにおいて、これらのパラメータを満たす工具位置を計算し、その位置を実現するような工具移動軌跡プログラムに変換する。
まず、切削工具4のZ軸方向位置(高さ位置)がどのように決定されるかについて説明する。
図10に、切削工具4の高さ位置の基準である工具高さ基準線(有効刃長部4aの上端)のZ軸座標Ztを決定するための工具高さ位置パラメータの概要を示す(図はY軸方向でのスラブ断面と工具の有効刃長部断面を示している)。また、図11に、上記(1)〜(3)の制約に基づく工具高さ位置の決定アルゴリズムを示す(図はY軸方向でのスラブ断面と工具の有効刃長部断面を示している)。
加工前に予め切削パラメータとして制約条件である下記3つのパラメータを設定しておく。
Zgmin:切削工具4の下端とデッキ10の上面のギャップ下限=切削工具4とデッキ10が接触しない条件
Zugmin:切削工具4の有効刃長部4a上端とスラブ上面のギャップ下限=切削工具4の有効刃長部4a以外の部分(切刃のない工具部分)で削らない条件
Zmmin:スラブ厚み中央部と切削工具4の有効刃長部4aの下端のギャップ目標=スラブ厚み中央部近傍の削り残しを防止する条件
切削工具4の下端とデッキ10の上面が接触しない高さを仮候補として設定後(図11のS)、切削工具4の有効刃長部4aの上端とスラブ上面の距離を計算し、有効刃長部4a以外の工具部分(切刃がない工具部分)で切削しないかどうか位置を検証する(図11のS)。その後、有効刃長部4aの下端とスラブ厚み中央部の高さ差を計算し、スラブ厚み中央部より下部の切削量が過大でないか確認する(図11のS)。
上記の計算により、工具高さ位置が決定される。
上記のように決定された工具高さ位置を前提として、切削工具4のY軸方向位置、すなわち切削工具切込位置(切込量)を決定し、それに基づき切削工具4の移動軌跡を制御する。具体的には、各計測位置xにおいて、Z軸方向の複数箇所での切削量がそれぞれ上記最低切削量以上となり且つ切削工具によるY軸方向での切削除去断面積が最小となるように、切削工具切込位置(切込量)を決定して切削工具の移動軌跡を制御する。
図12は、或る計測位置xでのY軸方向スラブ断面において切削工具4が切込んだ際の状況をモデル化したものである。このとき有効刃長部4aの工具断面刃先定義線(工具断面刃先定義点b01,b〜b,b02)と各計測点a(計測点a01,a〜a,a02)のY軸方向距離を、各計測点aにおける切削量AEijと考える。なお、工具断面刃先定義点b01,b〜b,b02のY軸座標は既知の座標である。
各計測点aでの切削量について、表面手入れのために最低限必要な切削量である最低切削量AEminをそれぞれ加工パラメータとして設定する。この場合、通常は、最上部の計測点a01の最低切削量AEuminと、他の計測点a〜a,a02(最上部以外の計測点a)の最低切削量AEmminを、AEumin>AEmminとなるように設定する。そして、各計測点aでの切削量AEが最低切削量AEmin以上となり且つ切削工具4によるY軸方向での切削除去断面積Taが最小となるような、Y軸方向での切削工具切込位置を決定する。
具体的には、以下のようにして切削工具切込位置(切込量)が決められる。
各計測点a01,a〜a,a02と各工具断面刃先定義点b01,b〜b,b02は高さが等しいので、下記(1)式が成り立つ。
Figure 0006750757
Z軸方向でj番目の適当な計測点aの切削量AEijを仮定した際の工具位置パラメータbt、他の計測点aの切削量AEip(p≠j)の計算式を下記(2)、(3)式にそれぞれ示す。式中のatは、切削工具4の有効刃長部4aの側面テーパ角αに基づく工具テーパ傾きである。
Figure 0006750757
N=計測点数(最上部・最下部の仮想の計測点を除く)+1としたときの切削除去断面積Taの計算式を下記(4)式に示す。
Figure 0006750757
図13は、N=5の場合の切削除去断面積Taの計算例(計算方法)を示しており、5つの切削除去断面t〜tの面積をそれぞれ計算し(図13(a))、それらの面積を合計することで、切削除去断面積Taが求められる(図13(b))。
本発明では、ある任意の計測点aでの切削量AEijを予め定められた最低切削量AEminと仮定したときの、他の各計測点aでの切削量AEipを求め、当該各切削量AEipが予め定められた最低切削量AEmin以上である場合に、計測点aでの切削量AEijと他の各計測点aでの切削量AEipに基づき、切削工具4によるY軸方向での切削除去断面積Taを求める。
ここで、上記の計算において、他の各計測点aでの切削量AEipが予め定められた最低切削量AEmin以上の場合にのみ、切削除去断面積Taを求めるのは、切削量AEipが予め定められた最低切削量AEmin未満では、上述したような「削り残し」が発生するリスクがあるからである。
以下、具体例で説明すると、図13の例において、例えば、最上部の計測点a01について最低切削量AEuminが設定され、その他の計測点a〜a,a02について最低切削量AEmminがそれぞれ設定されているとした場合、上記(2)、(3)、(4)式により、下記(ア)〜(ウ)のような計算を行う。
(ア) 計測点a01での切削量AEi01=最低切削量AEuminと仮定したときの、他の各計測点a〜a,a02での切削量AEi1〜AEi4,AEi02を上記(2)式、(3)式で計算する。次いで、これら計算された切削量AEi1〜AEi4,AEi02を、各計測点a〜a,a02で設定された最低切削量AEmminと比較し、いずれも最低切削量AEmmin以上である場合に、上記切削量AEi01,AEi1〜AEi4,AEi02に基づき、上記(4)式によりY軸方向での切削除去断面積Tai01を求める。一方、計算された切削量AEi1〜AEi4,AEi02の少なくとも1つが最低切削量AEmmin未満である場合、上記のように「削り残し」が発生するリスクがあるため、切削除去断面積Tai01は求めない。
(イ) 同様にして、計測点aでの切削量AEi1=最低切削量AEmminと仮定したときの、他の各計測点a01,a〜a,a02での切削量AEi01,AEi2〜AEi4,AEi02を上記(2)式、(3)式で計算する。次いで、これら計算された切削量AEi01,AEi2〜AEi4,AEi02を、各計測点a01,a〜a,a02で設定された最低切削量AEumin又はAEmminと比較し、切削量AEi01が最低切削量AEumin以上であり、且つ切削量AEi2〜AEi4,AEi02がいずれも最低切削量AEmmin以上である場合に、上記切削量AEi01,AEi1〜AEi4,AEi02に基づき、上記(4)式によりY軸方向での切削除去断面積Tai1を求める。この場合も、計算された切削量AEi01,AEi2〜AEi4,AEi02の少なくとも1つが上記最低切削量(最低切削量AEmmin又はAEumin)未満である場合、上記のように「削り残し」が発生するリスクがあるため、切削除去断面積Tai1は求めない。
(ウ) 計測点a、計測点a、計測点a、計測点a02についても、上記(イ)と同様にして、Y軸方向での切削除去断面積Tai2〜Tai4,Tai02を求める。
そして、上記(ア)〜(ウ)で求められた切削除去断面積Taのなかで最も小さい切削除去断面積Taとなる場合の切削工具切込位置を、当該計測位置xでの切削工具切込位置に決定する。X軸方向の各計測位置xにおいて、以上のようにして切削工具切込位置を決定し、各計測位置xで当該切削工具切込位置となるように、X軸方向及びY軸方向での切削工具移動軌跡を制御する。
図14は、或る計測位置xにおける切削工具の切込量(工具位置)を決定するための方法のフローチャートを示しており、図中の記号は下記のように定義される。
Ym,Zm:計測点aの座標
Yt,Zt:工具断面刃先定義点の座標(図12参照)
Ta:切削除去断面積
AE:各計測点aでの切削量
AEmin(j=1;AEmin=AEumin,j≠1;AEmin=AEmmin):最低切削量
Tamin:最小切削除去断面積
bt:工具位置パラメータ
btBest:最良工具位置決定パラメータ
さきに説明したように、或る計測位置xでの切込量の計算において、或る計測点aの切削量AEijを最低切削量AEminと仮定したときの、他の計測点aでの切削量AEipを計算し、これらの切削量AEij,AEipに基づき切削除去断面積Taを計算し、全計測点aで同様の計算を行う。この際、或る計測点aの切削量AEij=最小切削量AEminと仮定して計算された他の計測点aの切削量AEが、当該他の計測点aの最低切削量AEmin以上であるか否かを判定し、最低切削量AEminより小さい切込(切削量)になる場合は、その計測点aについての切削量計算を中断し、次の計測点aの計算に移る。
各計測点aの切削量AE=最小切削量AEminとしてそれぞれ計算された切削除去面積Taを比較し、最も小さい切削除去面積Taminのときの工具位置パラメータbtを最良工具位置決定パラメータbtBestとする。
以上のような切込量(工具位置)決定は、図14のフローチャートに従うと、以下のようなステップ(S1)〜(S8)によりなされる。
(S1):j(下記(S2)で最低切削量を仮定する計測点aの番号)が全計測点数N+1より大きくないかチェックし、大きければ計算を終了する。
(S2):j番目の計測点aの切削量AEが、予め定められた計測点aの最低切削量であると仮定する。
(S3):その時の工具位置パラメータbtを計算し、断面内繰り返し用変数p,切削除去断面積Taを初期化する(前回の測定値をキャンセルする)。
(S4):上記(S3)で仮計算された工具位置パラメータbtに基づき、他の各計測点aの切削量AEを計算する。
(S5):上記(S4)で計算された各切削量AEが、予め定められた各計測点aの最低切削量より大きいかをチェックする。いずれかの計測点aの切削量AEが最低切削量より小さければ、その計測点aについての切削量計算を中断し、jの番号が大きい次の計測点aについて上記(S1)からの計算を行う。
(S6):計算された切削量に基づき、各計測点a間の切削除去断面積を計算してそれらを積算し(図13参照)、最終的に、j番目の計測点aの切削量AEが、予め定められた計測点aの最低切削量であると仮定した場合の切削除去断面積Taが求まる。
(S7):上記(S6)で得られた切削除去断面積Taを、それまでに得られた最小切削除去断面積Taminと比較し、TaがTaminより小さければその値を新たなTaminとし、btをbtBestとする。
(S8):jの番号が大きい次の計測点aについて、上記(S1)〜(S7)を繰り返し、最終的に求まったbtBestに基づき工具位置を決定する。
上記のような計算をすべての計測位置xにおいて実施し、各計測位置xにおける工具位置を決定し、それに基づいて工具移動軌跡プログラムを作成し、このプログラムに従いX軸方向及びY軸方向での切削工具移動軌跡を制御する。以上のような工具移動軌跡プログラムの作成と、このプログラムに基づく切削工具移動軌跡の制御は、それらを実行可能な機能を備えるコンピュータによりなされる。
以上のように切削工具移動軌跡を制御して、Z軸方向でスラブ上面位置〜スラブ厚み中央部の下部近傍位置間のスラブ側面領域(スラブ厚みの半分強のスラブ側面領域)を切削工具4の1ストロークの移動で切削加工した後、ベッド2上のスラブを上下反転させ、同様のスラブ側面領域(スラブ厚みの半分強のスラブ側面領域)を切削工具4の1ストロークの移動で切削加工する。
以上述べた実施形態は、スラブ長辺方向側面を切削する場合を示しているが、同様にして、スラブ短辺方向側面(前面・後面)の切削も可能である。
本発明のスラブ手入れ方法は、スラブ側面を最小限の切削量(切込量)でスラブ表面手入れができるため、切削送りを高速化することが可能となり、加工サイクルタイムの短縮化により生産量を増加させることができる。
図15に、平フライスを使用した複数パスを必要とする従来のスラブ表面手入れ方法と本発明のスラブ表面手入れ方法のスラブ表面手入れ時間(加工時間)を比較して示すが、従来のスラブ表面手入れ方法を100とすると本発明のスラブ表面手入れ方法は81となり、手入れ時間を大幅に短縮化することができた。
1 スラブ表面手入れ装置
2 ベッド
3 門型フレーム
4 切削工具
4a 有効刃長部
5 レーザー距離計
6 レール
7 フロントヘッド
8 主軸
9 回転軸
10 デッキ
30a,30b 支柱
31 上部フレーム
32 ガイドレール
40 筒状本体
41 切刃
42 固定手段
43 バックサポート
x 計測位置
a,a〜a,a01,a02 計測点
s スラグ側面

Claims (12)

  1. 筒状本体の外周部に切刃を備え、筒軸を中心として回転する切削工具を用い、ベッド上に置かれたスラブの側面(s)を、その長手方向に沿って移動する切削工具で切削加工する際に、
    スラブ側面(s)の長手方向をX軸方向、水平方向においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、スラブ側面(s)の高さ方向をZ軸方向とした場合に、X軸方向で所定の間隔をおいて定めた各位置(x)において、予め、スラブ側面(s)のZ軸方向の複数箇所の切削量について、表面手入れのために最低限必要な切削量である最低切削量をそれぞれ定めておき、
    各位置(x)において、Z軸方向の複数箇所での切削量がそれぞれ前記最低切削量以上となり且つ切削工具によるY軸方向での切削除去断面積が最小となる又は最小に近くなるような、Y軸方向での切削工具切込位置を決定し、切削工具の移動軌跡を制御するスラブの表面手入れ方法。
  2. スラブ側面(s)の形状測定を行うに当たり、X軸方向で所定の間隔をおいて定めた各計測位置(x)において、予め、Z軸方向で所定の間隔をおいた複数の計測点(a)を定めるとともに、これら各計測点(a)での切削量について、表面手入れのために最低限必要な切削量である最低切削量AEminをそれぞれ定めておき、
    各計測位置(x)において、距離計による計測により、Z軸方向で所定の間隔をおいて定めた複数の計測点(a)のY軸座標を求め、この各計測点(a)のY軸座標と、切削工具の既知のY軸座標に基づき、各計測点(a)での切削量AEが最低切削量AEmin以上となり且つ切削工具によるY軸方向での切削除去断面積Taが最小となる又は最小に近くなるような、Y軸方向での切削工具切込位置を決定し、各計測位置(x)で当該切削工具切込位置となるように、X軸方向及びY軸方向での切削工具移動軌跡を制御する請求項1に記載のスラブの表面手入れ方法。
  3. 各計測位置(x)において、下記(i)〜(iii)の手順によりY軸方向での切削工具切込位置を決定し、各計測位置(x)で当該切削工具切込位置となるように、X軸方向及びY軸方向での切削工具移動軌跡を制御する請求項2に記載のスラブの表面手入れ方法。
    (i)距離計による計測により、Z軸方向で所定の間隔をおいて定めた複数の計測点(a)のY軸座標を求める。
    (ii)上記(i)で求めた各計測点(a)のY軸座標と、切削工具の既知のY軸座標に基づき、ある任意の計測点(a)での切削量AEijを予め定められた最低切削量AEminとしたときの、他の各計測点(a)での切削量AEipを求め、当該各切削量AEipが予め定められた最低切削量AEmin以上である場合に、計測点(a)での切削量AEijと他の各計測点(a)での切削量AEipに基づき、切削工具によるY軸方向での切削除去断面積Taを求める。
    (iii)上記(ii)の計算をすべての計測点(a)について行って、それぞれの場合の切削除去断面積Taを求め、そのなかで最小の又は最小に近い切削除去断面積Taとなる場合の切削工具切込位置を、当該計測位置(x)での切削工具切込位置に決定する。
  4. Z軸方向でスラブ上面位置〜スラブ厚み中央部又はその下部近傍位置間のスラブ側面領域を、切削工具の1ストロークの移動で切削加工する請求項1〜3のいずれかに記載のスラブの表面手入れ方法。
  5. Z軸方向でスラブ上面位置〜スラブ厚み中央部又はその下部近傍位置間のスラブ側面領域を、切削工具の1ストロークの移動で切削加工し、
    Z軸方向で所定の間隔をおいて定めた複数の計測点(a)のうち、最上部の計測点(a01)と最下部の計測点(a02)が計算上の仮想の計測点、それ以外の計測点(a)〜(a)が実測される計測点であり、
    前記最上部の計測点(a01)は、Z軸方向でスラブ上面又はその近傍に位置し、そのY軸座標は、実測される計測点(a)〜(a)のうち最上部の計測点(a)と上から2番目の計測点(a)を結ぶ直線の延長線上に設定され、
    前記最下部の計測点(a02)は、Z軸方向でスラブ厚み中央部又はその近傍に位置し、そのY軸座標は、実測される計測点(a)〜(a)のうち最下部の計測点(a)と下から2番目の計測点(an−1)を結ぶ直線の延長線上に設定される請求項2または3に記載のスラブの表面手入れ方法。
  6. 各計測点(a)の最低切削量AEminは、スラブ側面(s)の表面手入れにおいて削り残しを生じさせないために最低限必要な切削量であって、経験則又は/及び事前の調査に基づき設定される切削量である請求項2、3、5のいずれかに記載のスラブの表面手入れ方法。
  7. Z軸方向で所定の間隔をおいて定めた複数の計測点(a)のうち、最上部の計測点(a)の最低切削量AEminは、それ以外の計測点(a)の最低切削量AEminよりも大きい請求項2、3、5、6のいずれかに記載のスラブの表面手入れ方法。
  8. Z軸方向において隣り合う計測点(a)間の間隔が50mm以下である請求項2、3、5〜7のいずれかに記載のスラブの表面手入れ方法。
  9. 各計測位置(x)での計測点(a)の数が3以上である請求項2、3、5〜8のいずれかに記載のスラブの表面手入れ方法。
  10. X軸方向において隣り合う計測位置(x)間の間隔が100mm以下である請求項2、3、5〜9のいずれかに記載のスラブの表面手入れ方法。
  11. 切削工具の有効刃長部が逆円錐台形状である請求項1〜10のいずれかに記載のスラブの表面手入れ方法。
  12. Z軸方向において、[切削工具の有効刃長部の上端高さ]≧[スラブ上面高さ]であり、[切削工具の有効刃長部の下端高さ]≦[スラブ厚み中央部高さ]である請求項1〜11のいずれかに記載のスラブの表面手入れ方法。
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