JP6750159B2 - レーザ加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザビームを用いてフィルム材同士を溶着・溶断加工する装置に関する。
従来、表側フィルム材と裏側フィルム材とが溶着された医薬用容器(例えば、輸液バッグ)、食品用容器、化粧品用容器などのプラスチックフィルム製の袋状容器を製造する場合、2枚のプラスチックフィルムを互いに重ねた状態で、袋状容器のシール部に相当する部分にレーザビームを照射して前記フィルム材加工体の対向面同士を溶着することにより、シール部を形成していた(例えば、特許文献1参照)。
特開昭63−64732号公報
前記レーザビームを照射してプラスチック等のフィルム材の対向面同士を溶着する場合、レーザ発振器やレーザ発振方式の種類によっては、ピークパワーが大き過ぎ、カットや穴あけ加工については適しているが、フィルムの溶着等の処理を行う場合は、ピークパワーが大きい分適度に溶着できずに穴が開く可能性がある。
前記穴開きの問題を解決するには、加工対象物に対して、レーザの集光したスポット径を大きくしてエネルギー密度を下げればよいが、レーザ加工装置においての前記スポット径は、加工対象物の種類や加工速度に依存するものであり、その調整は容易ではない。
本発明は、レーザ光を用いてプラスチック等のフィルム材同士を溶着する際に、安価で確実に溶着を行い得るフィルム材の溶着(溶断)装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体の所定箇所に、レーザビームを照射し、溶着加工するフィルム材の加工方法であって、前記レーザビームは、RF励起方式のCO2レーザを用いるとともに、
前記溶着加工する際は、CO2レーザが発振を開始してから所定時間経過後にレーザ発振器のパルス信号の出力をオフすることにより、前記レーザビームの照射出力を、レーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限することを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体の所定箇所に、レーザビームを照射し、少なくとも、溶着加工及び溶断加工の2つの処理工程を有するフィルム材の加工方法であって、前記レーザビームは、RF励起方式のCO2レーザを用い、
前記溶着加工の際は、CO2レーザが発振を開始してから所定時間経過後にレーザ発振器のパルス信号の出力をオフすることにより、前記レーザビームの照射出力を、レーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限するとともに、前記溶断加工する際は、レーザビームの照射出力は前記制限された範囲の出力値に拘束されることなく出力されることを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のフィルム材の加工方法において、
前記フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体へのレーザビームの照射は、前記フィルム材加工体の表面からレーザビームを照射することを特徴とするものである。
請求項4記載の発明は、請求項2に記載のフィルム材の加工方法において、前記溶断加工する際のレーザ照射出力は、少なくとも、ピーク時の出力値を含むことを特徴とするものである。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4に記載のフィルム材の加工方法において、
前記溶着加工する際は、前記フィルム材加工体へのレーザビーム照射量の測定結果に基づき、レーザ照射出力を、レーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限することを特徴とするものである。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項4に記載のフィルム材の加工方法において、
前記溶着加工する際は、前記フィルム材加工体へのレーザビーム照射時間に基づき、
レーザ照射出力を、レーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限することを特徴とするものである。
請求項7記載の発明は、請求項5又は請求項6に記載のフィルム材の加工方法において、
前記所定範囲内のレーザ照射出力は、ユーザー任意に調整可能であることを特徴とするものである。
請求項8記載の発明は、フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体の所定箇所にレーザビームを照射し、前記フィルム材加工体の対向面同士を溶着加工するレーザ発振器を備えたフィルム材の加工装置であって、前記レーザビームは、RF励起方式のCO2レーザを用いるとともに、前記フィルム材加工体の対向面同士を溶着加工する際は、CO2レーザが発振を開始してから所定時間経過後にレーザ発振器のパルス信号の出力をオフすることにより、前記レーザビームの照射出力をレーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限するように制御する溶着加工制御手段を有することを特徴とするものである。
請求項9記載の発明は、フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体の所定箇所にレーザビームを照射し、前記フィルム材加工体の対向面同士を溶着し、又は、前記フィルム材加工体を溶断するレーザ発振器を備えたフィルム材の加工装置であって、前記レーザビームは、RF励起方式のCO2レーザを用い、少なくとも、溶着加工及び溶断加工の2つの処理工程を備え、前記溶着加工する際は、前記レーザビームの照射出力をレーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限するように制御する溶着加工制御手段を有するとともに、前記溶断加工する際は、CO2レーザが発振を開始してから所定時間経過後にレーザ発振器のパルス信号の出力をオフすることにより、レーザ照射出力は前記制限された範囲の出力値に拘束されることなく出力する溶断加工制御手段を有することを特徴とするものである。
請求項1記載の発明によれば、RF励起方式のCO2レーザの発振特性に着目し、CO2レーザが発振を開始してから一定時間経過後までの立ち上がり特性を利用して、CO2レーザの出力パワーを抑制することにより、レーザ加工装置の光学系はそのままの構成で、フォーカス深度を一定に保持した状態でエネルギー密度を抑制することができる。
したがって、フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体に穴開き等が発生することなく、精度よく溶着加工を施すことができる。
請求項2記載の発明によれば、フィルム材加工体の所定箇所に、溶着加工及び溶断加工の2つの加工処理を施す場合には、溶着加工の際は、穴開き等の発生防ぐ為に、CO2レーザが発振を開始してから一定時間経過後までの立ち上がり特性を利用して、CO2レーザの出力パワーを抑制するが、溶断加工する際は、穴開き等の問題がなく、前記出力パワーを抑制する必要がない。したがって、前記2つの場合を使い分けて制御することにより、効率よく加工することができる。
請求項3記載の発明によれば、フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体へのレーザビームの照射は、前記フィルム材加工体の表面からレーザビームを照射することにより、容易に加工することができる。
請求項4記載の発明によれば、前記溶断加工する際のレーザ照射出力は、少なくとも、ピーク時の出力値を含むことにより、レーザの出力パワーを十分に確保でき、加工すべき箇所を確実に溶断することが可能である。
請求項5記載の発明によれば、溶着加工する際は、前記フィルム材加工体へのレーザビーム照射量の測定結果に基づき、レーザ照射出力を、レーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限することにより、さらに精度よく溶着加工を施すことができる。
請求項6記載の発明によれば、溶着加工する際は、前記フィルム材加工体へのレーザビーム照射時間に基づき、レーザ照射出力を、レーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限することにより、さらに精度よく溶着加工を施すことができる。
請求項7記載の発明によれば、レーザ照射出力は、ユーザー任意に調整可能とすることにより、フィルム材の種類に応じてレーザ照射出力を微調整することが可能である。
請求項8記載の発明によれば、レーザ加工装置の光学系はそのままの構成で、フォーカス深度を一定に保持した状態でエネルギー密度を抑制することができる。
したがって、フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体に穴開き等が発生することなく、精度よく溶着加工を施すことができる。
請求項9記載の発明によれば、溶着加工の際は、穴開き等の発生防ぐ為に、CO2レーザが発振を開始してから一定時間経過後までの立ち上がり特性を利用して、CO2レーザの出力パワーを抑制するが、溶断加工する際は、穴開き等の問題がなく、前記出力パワーを抑制する必要がない。したがって、前記2つの場合を使い分けて制御することにより、効率よく加工することができる。
本発明に係る実施例のレーザ加工装置の概要を示す図である。 本発明に係る実施例のコントローラ20の構成例(破線枠内)を含むレーザ加工装置全体のブロック図である。 本発明に係る実施例において、シート状ワーク3の表面上に2つの照射スポットが照射された状態を示す図である。 本発明に係る実施例のシート状ワーク上の複数の照射スポットによる加工ラインの説明図である。 本発明に係る実施例において、CO2レーザ発振器により発振されるレーザビーム31の出力波形を示す図である。
〔溶着加工に適するレーザの選定〕
まず、本発明に用いるレーザの仕様選定について説明する。
本発明で用いるレーザ加工装置においては、少なくとも、溶着加工及び溶断加工の2つの加工が可能であるが、溶断加工する際は、穴開き等の問題がなく、レーザの出力パワーを抑制する必要がない。それに対して、溶着加工の際は、穴開き等の発生防ぐ為に、レーザの出力パワーを抑制する必要がある。従って、特に前記溶着加工時について考慮することが必要である。
前記レーザの仕様選定にあたっては、コスト安で、フィルム材の溶着加工に適するものを選定する。
一般に、レーザ加工機のコストはレーザ発振器で決まると言われており、例えば、レーザ発振器の価格は、加工品質に比例して以下のようになる。
←(高価) (安価)→
極短パルスレーザ>紫外線レーザ>グリーンレーザ>赤外線レーザ
前記コスト安な「赤外線レーザ」については、主に、気体レーザとしての「CO2レーザ」(波長;10.6μm又は9.4μm)と、固体レーザとしての「YAGレーザ」(波長;1064nm)がある。前記「CO2レーザ」は、赤外線レーザの代表格で、発振効率が高く、大出力の連続発振が可能である。「CO2レーザ」の波長(10.6μm)は、固体材料の吸収において金属だけでなく、非金属(プラスチック・フィルム等)に対しても優れているため、最も広い範囲で多くの材料に使用されているレーザとなっている。尚、「YAGレーザ」の波長(1064nm)は、金属による吸収率が高い為、金属材料の溶接加工に多く利用されている。
CO2レーザによるレーザ装置のレーザ発振方式は、「DC(直流)放電方式」と「RF(ラジオ周波数)励起方式」の二方式に大別される。RF励起方式のレーザ装置は、DC放電方式のレーザ装置に比べ、省エネ性、メンテナンス性、安全性に優れコンパクトであることから、近年主流になりつつあるのが現状である。
しかし、RF励起方式のレーザ装置は、DC放電方式のレーザ装置に比べ、ピークパワーが大きい為、カットや穴あけ加工については適しているが、フィルムの溶着等の処理を行う場合は、ピークパワーが大きい分適度に溶着できずに穴が開く可能性がある。
以上より、本発明に用いるレーザの仕様は、レーザ発振器については、コスト安な「赤外線レーザ」の内、非金属(プラスチック・フィルム等)に対しても優れた加工特性を有する「CO2レーザ」を選定し、又、CO2レーザによるレーザ装置のレーザ発振方式については、省エネ性、メンテナンス性、安全性に優れコンパクトである「RF励起方式」を選定することが最も好ましい。
〔レーザ加工装置の基本構成〕
次に、前記選定されたRF励起方式のCO2レーザを用いたレーザ加工装置の実施形態について説明する。
図1において、本発明のレーザ加工装置1は、上位パソコン2の所定のプログラムソフトに従って、コンピュータ制御によって、シート状ワーク3にレーザ加工を施すことが可能である。詳しくは、前記上位パソコン2からの指令によりコントローラ20を介して、レーザ発振器30の作動、キャリッジ10とシート状ワーク3との二次元方向への相対的な移動等を制御する。
「被加工物」としてのシート状ワーク3は、シート状ワーク支持部40上に固定され、その上方には、レーザビーム31の「照射手段」としてのレーザノズル11を搭載したキャリッジ10が設置される。前記キャリッジ10と前記シート状ワーク3(シート状ワーク支持部40)とを二次元方向に相対的に移動させることにより、シート状ワーク3の所定の位置にレーザ加工を施すことができる。レーザビーム31の照射源であるレーザ発振器30は、キャリッジ10のレーザノズル11に光学系(ミラー50、ミラー51)を介してレーザビーム31を供給する。前記レーザノズル11に供給されたレーザビーム31は、レーザノズル11内の焦点レンズ12(凸レンズ)により、いっそう集光され、シート状ワーク3に照射される。
(レーザ部の構成)
レーザ部は、レーザ出力手段(レーザビーム31の照射源)としてのレーザ発振器30と、シート状ワーク3へのレーザビーム31の照射手段としてのレーザノズル11等により構成される。レーザ発振器30は、キャリッジ10の上方に設置されている。前記レーザ発振器30より照射されたレーザビーム31が、図1の一点鎖線で示すようにレーザ加工装置1上に設けたミラー50にて90°方向転換されて、レーザノズル11上方に設けてあるミラー51に入射するようになされている。前記ミラー51に入射したレーザビーム31は、更に90°方向転換されてレーザノズル11に入射し、レーザノズル11内の焦点レンズ12にて所定強度に絞られ、シート状ワーク支持部40上のシート状ワーク3に照射される。尚、前記レーザ発振器30は、RF励起方式のCO2レーザを用いる。
〔レーザ加工装置の制御部〕
以下、本発明の実施形態に係るレーザ加工装置の制御部について、図2を参照して説明する。
(制御手段)
図2は、コントローラ20の構成例(破線枠内)を含むレーザ加工装置全体のブロック図である。コントローラ20は、上位パソコン2からの指令に基づき、主に、レーザ発振器30からのレーザビーム31の照射タイミングの制御及び、キャリッジ10(レーザノズル11)とシート状ワーク3(シート状ワーク支持部40)の相対的な移動タイミング(X方向、Y方向)を制御するものである。コントローラ20は、基準パルス生成手段80、分周回路81、照射タイミング制御手段82、移動タイミング制御手段83等により構成される。
基準パルス生成手段80は、前記照射タイミングの制御及び、移動タイミングの制御に用いる為の共通の基準パルス信号を生成し、前記基準パルス信号は、基準パルス信号80a、80bとして、分周回路81及び、制御タイミング制御手段83にそれぞれ入力される。
前記移動タイミング制御手段83は、前記入力された基準パルス信号80bを移動タイミング制御信号83a、83bとして、それぞれXドライブモータ22及び、Yドライブモータ23に出力する。尚、移動タイミング制御手段83は、不図示のスイッチ回路を備え、上位パソコン2からの制御指令に基づいて、前記Xドライブモータ22及び、Yドライブモータ23へのパルス信号の出力をそれぞれオン/オフ制御し、キャリッジ10のX方向への移動/停止及び、シート状ワーク3(シート状ワーク支持部40)のY方向への移動/停止とをそれぞれ適宜切り替えて実行できるように構成されている。
又、前記分周回路81に入力された基準パルス信号80aは、分周回路81にて分周比=1:10に分周後、照射タイミング制御手段82に入力され、さらにレーザ発振器30に出力される。
尚、照射タイミング制御手段82は、不図示のスイッチ回路を備え、上位パソコン2からの制御指令に基づいて、連続加工と断続加工とを適宜切り替えて実行できるように、レーザ発振器30へのパルス信号の出力をオン/オフ制御することができる。
前記構成によれば、照射手段と被加工物との相対的移動に同期させてレーザビームを被加工物へ照射するように構成したので、簡易で安価な構成により、加工寸法のバラツキを抑え又、変色・変形・変質等のない高品質な加工を実現することができる。
又、照射タイミング制御手段82によるシート状ワーク3へのレーザビームを照射するタイミングは、前記基準パルス信号80aを所定の比率で分周した周期に同期させることにより、簡易な方法で照射タイミングを制御することが可能である。
前記Xドライブモータ22、Yドライブモータ23は、ステッピングモータを用いることが好ましい。ステッピングモータは、入力パルスに同期して正確に回転する為、回転量の検出が必要なく(エンコーダの設置は不要である)、高精度な位置決めが可能である。したがって、簡易で安価な構成により、加工寸法のバラツキを抑え又、変色・変形・変質等のない高品質な加工を実現することができる。本発明においては、前記Xドライブモータ22、Yドライブモータ23は、ステッピングモータだけに限定されず、サーボモータ等も使用可能である。最も好ましくは、低価格のステッピングモータを使用するのがよい。
図3は、シート状ワーク3の表面上で2つの照射スポットSp1、Sp2が、一定のピッチPにて、一定のオーバーラップ率で並ぶようにパルス状のレーザビームが照射される状態を示す図である。前記基準パルス信号80aを分周回路81にて分周した周波数の分周比率は、使用するレーザの照射スポット半径(r)に対する照射スポットの配列ピッチ(P)の比率が所定の範囲内となるように設定する。
前記所定の範囲内とは、50から150%の範囲内に設定される。前記構成によれば、パルスレーザにおける照射スポットの加工送り方向のオーバーラップ率が一定範囲内に規制される為、加工部位の変色等を防ぐことができる。
〔フィルム材加工体の溶着・溶断加工〕
次に、上述した前記レーザ加工装置1を用いて、シート状ワーク3にレーザビーム31を照射して溶着・溶断加工する方法について説明する。
図1において、シート状ワーク3として、フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体
をシート状ワーク支持部40上に固定する。前記フィルム材加工体の固定に際しては、シート状ワーク支持部上に吸引固定するように構成してもよい。
前記フィルム材としては、例えば、ポリエチレン、ポロプロピレン、ポリ塩化ビニル、
ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱融着性を有する樹脂単独のフィルム又は、これらの2種以上の積層フィルム等が挙げられる。
前記シート状ワーク支持部40に固定されたフィルム材加工体の上方にはレーザ発振器
30が配置される。そして、前記レーザ発振器30より照射されたパルス状のCO2・レーザビーム31は、ミラー50、51で反射し、焦点レンズ12で集光されて、前記フィルム材加工体の表面からフィルム材加工体の所定箇所に照射される。それと共に、製品形状に基づき、フィルム材加工体とキャリッジ10(レーザノズル11)を二次元方向(X、Y方向)に相対移動させることにより、複数の孔を連続して備えた図4に示すような加工ラインを形成する。尚、前記レーザ発振器30は、RF励起方式のCO2レーザを用いる。
このとき、フィルム材加工体の相対移動速度V1が一定となるように制御し、さらに、フィルム材加工体の表面上で各照射スポットSpが一定のピッチP1及び、一定のオーバーラップ率で並ぶようにパルス状のレーザビームを照射することにより、均一な加工が可能である。
前記各照射スポットSpに対応するCO2レーザ発振器30により発振されるレーザビーム31の出力波形は、図5に示すような波形をなす。RF励起方式では、図5の出力波形において定格出力からピーク出力の間のレーザの出力パワーを用いるのが通常である。
前記レーザ加工装置1を用いて、フィルム材加工体にレーザビーム31を照射して「溶断」加工する場合については、相当のパワーを出力しても穴開き等の問題がない為、前記通常の使用領域におけるレーザの出力パワーを抑制する必要がない。
それに対して、フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体に前記レーザビーム31を照射してフィルム材加工体の対向面同士を「溶着」加工する場合、ピークパワーが大き過ぎ、適度に溶着できずに穴が開く可能性がある。
(溶着加工)
本発明においては、前記「溶着」加工時の穴開きの問題を解決する為に、RF励起方式のCO2レーザの発振特性に着目し、従来、RF励起方式では使用しない領域である、CO2レーザが発振を開始してから一定時間経過後までの立ち上がり特性をレーザ出力として利用することによりCO2レーザの出力パワーを抑制するものである。
すなわち、図5においてCO2レーザが発振を開始してからt1時間後までに相当するレーザ出力0〜w1までの出力パワーに抑制する。
尚、前記出力パワーの抑制は、CO2レーザが発振を開始してからt1後に、図2に示す照射タイミング制御手段82における不図示のスイッチ回路を用いて、レーザ発振器30のパルス信号の出力をオフすることにより抑制する。
例えば、前記抑制する時間t1=数十μSecに設定する。このときレーザの出力パワーはw1=40W程度となる。
これにより、レーザ加工装置の光学系はそのままの構成で、フォーカス深度を一定に保持した状態でエネルギー密度を抑制することができる。したがって、フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体に穴開き等が発生することなく、精度よく溶着加工を施すことができる。
前記のように、溶着加工する際は、前記フィルム材加工体へのレーザビーム照射時間に基づき、レーザ照射出力を、レーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限してもよいし、又は、前記フィルム材加工体へのレーザビーム照射量の測定結果に基づき、レーザ照射出力を、レーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限すれば、さらに精度よく溶着加工を施すことができる。
さらに、レーザ照射出力は、ユーザー任意に調整可能とすることにより、フィルム材の種類に応じてレーザ照射出力を微調整することが可能となる。
本発明の実施例として、RF励起方式のCO2レーザを用い、以下の測定条件にて、フィルム材加工体にレーザビーム31を照射してフィルム材加工体の対向面同士を「溶着」加工する場合において、前記レーザビーム照射後のフィルム材加工体に穴開き等の発生がないかを目視確認する実験を行った。
前記実験の際の測定条件は、以下に示す通りである。
(測定条件)
1、フィルム材加工体は30μmポリ袋(ニューポリ袋 No.12 福助工業株式会社)。
2、CO2レーザの波長=9.4μm
3、CO2レーザが発振を開始してからの抑制時間t1=0μSec〜44μSec(以上)。
4、フィルム材加工体へのレーザ照射条件;
(1)レーザの照射スポット半径(r)=50μm、照射スポットの配列ピッチ(R)=50μm(レーザの照射スポット半径(r)に対する照射スポットの配列ピッチ(P)の比率は100%)
(2)キャリッジ10及び、シート状ワーク3は、基準パルス信号80b(=移動タイミング制御信号83a、83b)が、ステッピングモータ(22、23)に1パルス出力される毎に=5μm移動し、それと共に、基準パルス信号80aが10パルス出力される毎に(=シート状ワーク3が50μm移動するたびに)、照射タイミング制御手段82から照射タイミング制御信号82aが1パルス、レーザ発振器30に出力されるように構成する。
(測定結果)
レーザビーム照射後のフィルム材加工体に穴開き発生の有無を確認した結果を表1に示す。尚、確認結果は以下に基づき評価する。
◎:穴開きナシ、溶着良好、△1:一部穴開き有、△2:一部溶着不良、×1:穴開き有、×2:溶着不良。
Figure 0006750159
表1に示す通り、CO2レーザが発振を開始してから一定時間経過後(27〜38μSec)までの立ち上がり特性を利用して、CO2レーザの出力パワーを抑制することにより、レーザ加工装置の光学系はそのままの構成で、フォーカス深度を一定に保持した状態でエネルギー密度を抑制することができる。したがって、フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体に穴開き等が発生することなく(表1中、◎参照)、精度よく溶着加工を施すことができる。
(溶着・溶断加工)
前記「溶着」加工とともに、「溶断」加工も合わせて行う場合は、前記溶着加工の際は、前記レーザ照射出力を、レーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限するとともに、前記溶断加工する際は、レーザ照射出力は前記制限された範囲の出力値に拘束されることなく出力するように制御する。
すなわち、溶断加工する際は、穴開き等の問題がなく、前記出力パワーを抑制する必要がない。したがって、前記2つの場合を使い分けて制御することにより、効率よく加工することができる。尚、前記溶断加工する際のレーザ照射出力は、少なくとも、ピーク時の出力値を含むことにより、レーザの出力パワーを十分に確保でき、加工すべき箇所を確実に溶断することが可能である。
(他の実施形態)
上記実施形態では、レーザビーム31の照射手段と被加工物とを相対的に移動させる相対移動機構として、前記照射手段及び被加工物の両方を移動させる場合について説明したが、本発明はこの形態に限られるものではなく、照射手段を固定し、被加工物を互いに直交するX方向及びY方向に移動させる場合や、被加工物を固定してセットし、照射手段をX方向及びY方向に移動させる場合にも適用できるものである。
1 レーザ加工装置
2 パソコン
3 シート状ワーク
10 キャリッジ
11 レーザノズル
12 焦点レンズ
20 コントローラ
22 Xドライブモータ
23 Yドライブモータ
30 レーザ発振器
31 レーザビーム
40 シート状ワーク支持部
50 ミラー
51 ミラー
80 基準パルス生成手段
81 分周回路
82 照射タイミング制御手段
83 移動タイミング制御手段
84 X方向移動手段
85 Y方向移動手段

Claims (9)

  1. フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体の所定箇所に、レーザビームを照射し、溶着加工するフィルム材の加工方法であって、前記レーザビームは、RF励起方式のCO2レーザを用いるとともに、前記溶着加工する際は、CO2レーザが発振を開始してから所定時間経過後にレーザ発振器のパルス信号の出力をオフすることにより、前記レーザビームの照射出力を、レーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限することを特徴とするフィルム材の加工方法。
  2. フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体の所定箇所に、レーザビームを照射し、少なくとも、溶着加工及び溶断加工の2つの処理工程を有するフィルム材の加工方法であって、前記レーザビームは、RF励起方式のCO2レーザを用い、前記溶着加工の際は、CO2レーザが発振を開始してから所定時間経過後にレーザ発振器のパルス信号の出力をオフすることにより、前記レーザビームの照射出力を、レーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限するとともに、前記溶断加工する際は、レーザビームの照射出力は前記制限された範囲の出力値に拘束されることなく出力されることを特徴とするフィルム材の加工方法。
  3. 前記フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体へのレーザビームの照射は、前記フィルム材加工体の表面からレーザビームを照射することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフィルム材の加工方法。
  4. 前記溶断加工する際のレーザ照射出力は、少なくとも、ピーク時の出力値を含むことを特徴とする請求項2に記載のフィルム材の加工方法。
  5. 前記溶着加工する際は、前記フィルム材加工体へのレーザビーム照射量の測定結果に基づき、レーザ照射出力を、レーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のフィルム材の加工方法。
  6. 前記溶着加工する際は、前記フィルム材加工体へのレーザビーム照射時間に基づき、
    レーザ照射出力を、レーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限することを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれか一項に記載のフィルム材の加工方法。
  7. 前記所定範囲内のレーザ照射出力は、ユーザー任意に調整可能であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のフィルム材の加工方法。
  8. フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体の所定箇所にレーザビームを照射し、
    前記フィルム材加工体の対向面同士を溶着加工するレーザ発振器を備えたフィルム材の加工装置であって、前記レーザビームは、RF励起方式のCO2レーザを用いるとともに、前記フィルム材加工体の対向面同士を溶着加工する際は、CO2レーザが発振を開始してから所定時間経過後にレーザ発振器のパルス信号の出力をオフすることにより、前記レーザビームの照射出力をレーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限するように制御する溶着加工制御手段を有することを特徴とするフィルム材の加工装置。
  9. フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体の所定箇所にレーザビームを照射し、
    前記フィルム材加工体の対向面同士を溶着し、又は、前記フィルム材加工体を溶断するレーザ発振器を備えたフィルム材の加工装置であって、前記レーザビームは、RF励起方式のCO2レーザを用い、少なくとも、溶着加工及び溶断加工の2つの処理工程を備え、前記溶着加工する際は、CO2レーザが発振を開始してから所定時間経過後にレーザ発振器のパルス信号の出力をオフすることにより、前記レーザビームの照射出力をレーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限するように制御する溶着加工制御手段を有するとともに、前記溶断加工する際は、レーザ照射出力は前記制限された範囲の出力値に拘束されることなく出力する溶断加工制御手段を有することを特徴とするフィルム材の加工装置。
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