JP6750159B2 - レーザ加工装置 - Google Patents
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Description
前記溶着加工する際は、CO2レーザが発振を開始してから所定時間経過後にレーザ発振器のパルス信号の出力をオフすることにより、前記レーザビームの照射出力を、レーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限することを特徴とするものである。
前記溶着加工の際は、CO2レーザが発振を開始してから所定時間経過後にレーザ発振器のパルス信号の出力をオフすることにより、前記レーザビームの照射出力を、レーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限するとともに、前記溶断加工する際は、レーザビームの照射出力は前記制限された範囲の出力値に拘束されることなく出力されることを特徴とするものである。
前記フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体へのレーザビームの照射は、前記フィルム材加工体の表面からレーザビームを照射することを特徴とするものである。
前記溶着加工する際は、前記フィルム材加工体へのレーザビーム照射量の測定結果に基づき、レーザ照射出力を、レーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限することを特徴とするものである。
前記溶着加工する際は、前記フィルム材加工体へのレーザビーム照射時間に基づき、
レーザ照射出力を、レーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限することを特徴とするものである。
前記所定範囲内のレーザ照射出力は、ユーザー任意に調整可能であることを特徴とするものである。
したがって、フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体に穴開き等が発生することなく、精度よく溶着加工を施すことができる。
したがって、フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体に穴開き等が発生することなく、精度よく溶着加工を施すことができる。
まず、本発明に用いるレーザの仕様選定について説明する。
本発明で用いるレーザ加工装置においては、少なくとも、溶着加工及び溶断加工の2つの加工が可能であるが、溶断加工する際は、穴開き等の問題がなく、レーザの出力パワーを抑制する必要がない。それに対して、溶着加工の際は、穴開き等の発生防ぐ為に、レーザの出力パワーを抑制する必要がある。従って、特に前記溶着加工時について考慮することが必要である。
←(高価) (安価)→
極短パルスレーザ>紫外線レーザ>グリーンレーザ>赤外線レーザ
しかし、RF励起方式のレーザ装置は、DC放電方式のレーザ装置に比べ、ピークパワーが大きい為、カットや穴あけ加工については適しているが、フィルムの溶着等の処理を行う場合は、ピークパワーが大きい分適度に溶着できずに穴が開く可能性がある。
次に、前記選定されたRF励起方式のCO2レーザを用いたレーザ加工装置の実施形態について説明する。
レーザ部は、レーザ出力手段(レーザビーム31の照射源)としてのレーザ発振器30と、シート状ワーク3へのレーザビーム31の照射手段としてのレーザノズル11等により構成される。レーザ発振器30は、キャリッジ10の上方に設置されている。前記レーザ発振器30より照射されたレーザビーム31が、図1の一点鎖線で示すようにレーザ加工装置1上に設けたミラー50にて90°方向転換されて、レーザノズル11上方に設けてあるミラー51に入射するようになされている。前記ミラー51に入射したレーザビーム31は、更に90°方向転換されてレーザノズル11に入射し、レーザノズル11内の焦点レンズ12にて所定強度に絞られ、シート状ワーク支持部40上のシート状ワーク3に照射される。尚、前記レーザ発振器30は、RF励起方式のCO2レーザを用いる。
以下、本発明の実施形態に係るレーザ加工装置の制御部について、図2を参照して説明する。
図2は、コントローラ20の構成例(破線枠内)を含むレーザ加工装置全体のブロック図である。コントローラ20は、上位パソコン2からの指令に基づき、主に、レーザ発振器30からのレーザビーム31の照射タイミングの制御及び、キャリッジ10(レーザノズル11)とシート状ワーク3(シート状ワーク支持部40)の相対的な移動タイミング(X方向、Y方向)を制御するものである。コントローラ20は、基準パルス生成手段80、分周回路81、照射タイミング制御手段82、移動タイミング制御手段83等により構成される。
尚、照射タイミング制御手段82は、不図示のスイッチ回路を備え、上位パソコン2からの制御指令に基づいて、連続加工と断続加工とを適宜切り替えて実行できるように、レーザ発振器30へのパルス信号の出力をオン/オフ制御することができる。
次に、上述した前記レーザ加工装置1を用いて、シート状ワーク3にレーザビーム31を照射して溶着・溶断加工する方法について説明する。
をシート状ワーク支持部40上に固定する。前記フィルム材加工体の固定に際しては、シート状ワーク支持部上に吸引固定するように構成してもよい。
ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱融着性を有する樹脂単独のフィルム又は、これらの2種以上の積層フィルム等が挙げられる。
30が配置される。そして、前記レーザ発振器30より照射されたパルス状のCO2・レーザビーム31は、ミラー50、51で反射し、焦点レンズ12で集光されて、前記フィルム材加工体の表面からフィルム材加工体の所定箇所に照射される。それと共に、製品形状に基づき、フィルム材加工体とキャリッジ10(レーザノズル11)を二次元方向(X、Y方向)に相対移動させることにより、複数の孔を連続して備えた図4に示すような加工ラインを形成する。尚、前記レーザ発振器30は、RF励起方式のCO2レーザを用いる。
それに対して、フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体に前記レーザビーム31を照射してフィルム材加工体の対向面同士を「溶着」加工する場合、ピークパワーが大き過ぎ、適度に溶着できずに穴が開く可能性がある。
本発明においては、前記「溶着」加工時の穴開きの問題を解決する為に、RF励起方式のCO2レーザの発振特性に着目し、従来、RF励起方式では使用しない領域である、CO2レーザが発振を開始してから一定時間経過後までの立ち上がり特性をレーザ出力として利用することによりCO2レーザの出力パワーを抑制するものである。
すなわち、図5においてCO2レーザが発振を開始してからt1時間後までに相当するレーザ出力0〜w1までの出力パワーに抑制する。
尚、前記出力パワーの抑制は、CO2レーザが発振を開始してからt1後に、図2に示す照射タイミング制御手段82における不図示のスイッチ回路を用いて、レーザ発振器30のパルス信号の出力をオフすることにより抑制する。
これにより、レーザ加工装置の光学系はそのままの構成で、フォーカス深度を一定に保持した状態でエネルギー密度を抑制することができる。したがって、フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体に穴開き等が発生することなく、精度よく溶着加工を施すことができる。
(測定条件)
1、フィルム材加工体は30μmポリ袋(ニューポリ袋 No.12 福助工業株式会社)。
2、CO2レーザの波長=9.4μm
3、CO2レーザが発振を開始してからの抑制時間t1=0μSec〜44μSec(以上)。
4、フィルム材加工体へのレーザ照射条件;
(1)レーザの照射スポット半径(r)=50μm、照射スポットの配列ピッチ(R)=50μm(レーザの照射スポット半径(r)に対する照射スポットの配列ピッチ(P)の比率は100%)
(2)キャリッジ10及び、シート状ワーク3は、基準パルス信号80b(=移動タイミング制御信号83a、83b)が、ステッピングモータ(22、23)に1パルス出力される毎に=5μm移動し、それと共に、基準パルス信号80aが10パルス出力される毎に(=シート状ワーク3が50μm移動するたびに)、照射タイミング制御手段82から照射タイミング制御信号82aが1パルス、レーザ発振器30に出力されるように構成する。
レーザビーム照射後のフィルム材加工体に穴開き発生の有無を確認した結果を表1に示す。尚、確認結果は以下に基づき評価する。
◎:穴開きナシ、溶着良好、△1:一部穴開き有、△2:一部溶着不良、×1:穴開き有、×2:溶着不良。
前記「溶着」加工とともに、「溶断」加工も合わせて行う場合は、前記溶着加工の際は、前記レーザ照射出力を、レーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限するとともに、前記溶断加工する際は、レーザ照射出力は前記制限された範囲の出力値に拘束されることなく出力するように制御する。
すなわち、溶断加工する際は、穴開き等の問題がなく、前記出力パワーを抑制する必要がない。したがって、前記2つの場合を使い分けて制御することにより、効率よく加工することができる。尚、前記溶断加工する際のレーザ照射出力は、少なくとも、ピーク時の出力値を含むことにより、レーザの出力パワーを十分に確保でき、加工すべき箇所を確実に溶断することが可能である。
上記実施形態では、レーザビーム31の照射手段と被加工物とを相対的に移動させる相対移動機構として、前記照射手段及び被加工物の両方を移動させる場合について説明したが、本発明はこの形態に限られるものではなく、照射手段を固定し、被加工物を互いに直交するX方向及びY方向に移動させる場合や、被加工物を固定してセットし、照射手段をX方向及びY方向に移動させる場合にも適用できるものである。
2 パソコン
3 シート状ワーク
10 キャリッジ
11 レーザノズル
12 焦点レンズ
20 コントローラ
22 Xドライブモータ
23 Yドライブモータ
30 レーザ発振器
31 レーザビーム
40 シート状ワーク支持部
50 ミラー
51 ミラー
80 基準パルス生成手段
81 分周回路
82 照射タイミング制御手段
83 移動タイミング制御手段
84 X方向移動手段
85 Y方向移動手段
Claims (9)
- フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体の所定箇所に、レーザビームを照射し、溶着加工するフィルム材の加工方法であって、前記レーザビームは、RF励起方式のCO2レーザを用いるとともに、前記溶着加工する際は、CO2レーザが発振を開始してから所定時間経過後にレーザ発振器のパルス信号の出力をオフすることにより、前記レーザビームの照射出力を、レーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限することを特徴とするフィルム材の加工方法。
- フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体の所定箇所に、レーザビームを照射し、少なくとも、溶着加工及び溶断加工の2つの処理工程を有するフィルム材の加工方法であって、前記レーザビームは、RF励起方式のCO2レーザを用い、前記溶着加工の際は、CO2レーザが発振を開始してから所定時間経過後にレーザ発振器のパルス信号の出力をオフすることにより、前記レーザビームの照射出力を、レーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限するとともに、前記溶断加工する際は、レーザビームの照射出力は前記制限された範囲の出力値に拘束されることなく出力されることを特徴とするフィルム材の加工方法。
- 前記フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体へのレーザビームの照射は、前記フィルム材加工体の表面からレーザビームを照射することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフィルム材の加工方法。
- 前記溶断加工する際のレーザ照射出力は、少なくとも、ピーク時の出力値を含むことを特徴とする請求項2に記載のフィルム材の加工方法。
- 前記溶着加工する際は、前記フィルム材加工体へのレーザビーム照射量の測定結果に基づき、レーザ照射出力を、レーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のフィルム材の加工方法。
- 前記溶着加工する際は、前記フィルム材加工体へのレーザビーム照射時間に基づき、
レーザ照射出力を、レーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限することを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれか一項に記載のフィルム材の加工方法。 - 前記所定範囲内のレーザ照射出力は、ユーザー任意に調整可能であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のフィルム材の加工方法。
- フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体の所定箇所にレーザビームを照射し、
前記フィルム材加工体の対向面同士を溶着加工するレーザ発振器を備えたフィルム材の加工装置であって、前記レーザビームは、RF励起方式のCO2レーザを用いるとともに、前記フィルム材加工体の対向面同士を溶着加工する際は、CO2レーザが発振を開始してから所定時間経過後にレーザ発振器のパルス信号の出力をオフすることにより、前記レーザビームの照射出力をレーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限するように制御する溶着加工制御手段を有することを特徴とするフィルム材の加工装置。 - フィルム材を重ね合わせたフィルム材加工体の所定箇所にレーザビームを照射し、
前記フィルム材加工体の対向面同士を溶着し、又は、前記フィルム材加工体を溶断するレーザ発振器を備えたフィルム材の加工装置であって、前記レーザビームは、RF励起方式のCO2レーザを用い、少なくとも、溶着加工及び溶断加工の2つの処理工程を備え、前記溶着加工する際は、CO2レーザが発振を開始してから所定時間経過後にレーザ発振器のパルス信号の出力をオフすることにより、前記レーザビームの照射出力をレーザ照射開始時からピーク時に至る途上の所定範囲内の出力値に制限するように制御する溶着加工制御手段を有するとともに、前記溶断加工する際は、レーザ照射出力は前記制限された範囲の出力値に拘束されることなく出力する溶断加工制御手段を有することを特徴とするフィルム材の加工装置。
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