JP2006272431A - レーザ加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 被加工物の加工精度を向上させることができるレーザ加工装置を提供する。
【解決手段】 複数のパルスからなるパルスレーザ光を被加工物に照射するレーザ加工装置において、パルスレーザ光を発生するレーザ発振器と、被加工物に照射するパルスレーザ光の各パルス毎に発振出力H,発振パルス幅W,発振周期Tを任意に設定可能な加工情報設定手段と、被加工物の識別情報と、当該識別情報に対応して加工情報設定手段によって設定される各パルス毎の発振出力H,発振パルス幅W,発振周期Tを含む加工情報とを記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された被加工物の識別情報の内の1つを選択する識別情報選択手段と、パルスレーザ光のパルス数を任意に設定可能なパルス数設定手段とを有する。
【選択図】 図3
【解決手段】 複数のパルスからなるパルスレーザ光を被加工物に照射するレーザ加工装置において、パルスレーザ光を発生するレーザ発振器と、被加工物に照射するパルスレーザ光の各パルス毎に発振出力H,発振パルス幅W,発振周期Tを任意に設定可能な加工情報設定手段と、被加工物の識別情報と、当該識別情報に対応して加工情報設定手段によって設定される各パルス毎の発振出力H,発振パルス幅W,発振周期Tを含む加工情報とを記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された被加工物の識別情報の内の1つを選択する識別情報選択手段と、パルスレーザ光のパルス数を任意に設定可能なパルス数設定手段とを有する。
【選択図】 図3
Description
本発明はレーザ加工装置に関する。
一般に、被加工物は、材質や板厚等が異なり、レーザ加工装置によって各被加工物毎に最適な加工条件を決定して加工される。最適な加工条件を決定する方法として、加工が可能な加工速度の範囲が最も大きくなる加工条件を最適な加工条件として決定するものが知られている(特許文献1参照。)。この加工条件の決定方法は、レーザ加工装置によって複数の加工条件の下で加工速度を段階的に変更し、各加工速度での被加工物の加工状態に基づいて、加工が可能な加工速度の範囲が最も大きくなる加工条件を最適な加工条件として決定するものである。
特開2002−239760公報
しかしながら、この種のレーザ加工装置は、例えば被加工物の任意の一面を切断する工程では、照射するレーザ光の加工条件を変更することができるものではなかった。また、この種のレーザ加工装置は、照射するレーザ光が被加工物の材質によっては加工進度を急速に早めてしまうことがあり、被加工物の加工精度を低下させてしまうものであった。
本発明は、このような状況に鑑み提案されたものであって、被加工物の加工精度を向上させることができるレーザ加工装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、複数のパルスからなるパルスレーザ光を被加工物に照射するレーザ加工装置において、前記パルスレーザ光を発生するレーザ発振器と、前記被加工物に照射するパルスレーザ光の各パルス毎に発振出力と発振パルス幅と発振周期とを任意に設定可能な加工情報設定手段とを有することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記被加工物の識別情報と、当該識別情報に対応して前記加工情報設定手段によって設定される各パルス毎の発振出力と発振パルス幅と発振周期とを含む加工情報とを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された被加工物の識別情報の内の一つを選択する識別情報選択手段とを有し、前記識別情報選択手段によって選択された識別情報に対応した前記加工情報を前記記憶手段から読み出して前記被加工物に前記パルスレーザ光を照射することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記加工情報は、当該加工情報に含まれる一つの情報が前記加工情報設定手段によって変化したことに連動して少なくとも他の一つの情報が変化するように設定されたものであることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記パルスレーザ光のパルス数を任意に設定可能なパルス数設定手段を有することを特徴とする。
<請求項1の発明>
本発明によれば、被加工物に照射するパルスレーザ光の各パルス毎に発振出力と発振パルス幅と発振周期とを任意に設定することができ、パルスレーザ光の各パルス毎に加工条件を変更し、被加工物の加工精度を向上させることができるレーザ加工装置を提供することができる。
本発明によれば、被加工物に照射するパルスレーザ光の各パルス毎に発振出力と発振パルス幅と発振周期とを任意に設定することができ、パルスレーザ光の各パルス毎に加工条件を変更し、被加工物の加工精度を向上させることができるレーザ加工装置を提供することができる。
<請求項2の発明>
本発明によれば、識別情報選択手段によって選択された識別情報に対応した加工情報を記憶手段から読み出して被加工物にパルスレーザ光を照射し、最適な加工条件を容易に選択して被加工物の加工精度を向上させることができるレーザ加工装置を提供することができる。
本発明によれば、識別情報選択手段によって選択された識別情報に対応した加工情報を記憶手段から読み出して被加工物にパルスレーザ光を照射し、最適な加工条件を容易に選択して被加工物の加工精度を向上させることができるレーザ加工装置を提供することができる。
<請求項3の発明>
本発明によれば、加工情報は、当該加工情報に含まれる一つの情報が前記加工情報設定手段によって変化したことに連動して少なくとも他の一つの情報が変化するように設定されたものであり、最適な加工条件を設定して被加工物の加工精度を向上させることができる。
本発明によれば、加工情報は、当該加工情報に含まれる一つの情報が前記加工情報設定手段によって変化したことに連動して少なくとも他の一つの情報が変化するように設定されたものであり、最適な加工条件を設定して被加工物の加工精度を向上させることができる。
<請求項4の発明>
本発明によれば、パルスレーザ光のパルス数を任意に設定可能なパルス数設定手段を有しており、当該パルス数を任意に選択して加工形状に合わせた最適な加工条件を設定することができる。
本発明によれば、パルスレーザ光のパルス数を任意に設定可能なパルス数設定手段を有しており、当該パルス数を任意に選択して加工形状に合わせた最適な加工条件を設定することができる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1のレーザ加工装置1を、添付の図面に従って、貫通孔を形成する方法とともに説明する。図1は、本実施形態のレーザ加工装置1を示すものである。このレーザ加工装置1は、1つの貫通孔を形成するために、3つのパルスからなるパルスレーザ光を、例えば樹脂G(被加工物、一例としてポリエチレンテレフタレート製樹脂)に照射するものである。
本発明の実施形態1のレーザ加工装置1を、添付の図面に従って、貫通孔を形成する方法とともに説明する。図1は、本実施形態のレーザ加工装置1を示すものである。このレーザ加工装置1は、1つの貫通孔を形成するために、3つのパルスからなるパルスレーザ光を、例えば樹脂G(被加工物、一例としてポリエチレンテレフタレート製樹脂)に照射するものである。
このレーザ加工装置1は、図示するように、レーザ発振器10を備えるものである。このレーザ発振器10は、図2に図示するように、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)結晶中にNd(ネオジム)イオンを含ませたレーザ媒質11の両端に、全反射ミラー12と部分透過ミラー13とを設けるとともに、レーザ媒質11の周りにコントローラ20により駆動制御される一対の励起用光源14,14(例えばクリプトンランプ)を備えてなる。そして、例えば部分透過ミラー13とレーザ媒質11との間に、コントローラ20からの発振信号に基づいてオンオフ動作を行うQスイッチ15が配置されている。このQスイッチ15は、例えば電気光学効果(具体的には、ポッケルス効果又はカー効果)を利用するものである。より詳しくは、レーザ媒質11から部分透過ミラー13側へ向うレーザ光L1の光路途中に、電界による屈折率変化が大きい光学結晶を配し、その光学結晶に対して前記光路と直交する方向の両端間に所定の電圧を印加するオン動作により、その光学結晶内を通過するレーザ光を屈折させるように作用するものである。
レーザ加工装置1の図示しない起動用スイッチをオン操作すると、図1中のコンソール25(後述の加工情報設定手段)によって設定された3つのパルスのそれぞれの発振出力(波高値)H,発振パルス幅W,発振周期Tに基づいて、コントローラ20により、励起用光源14,14には起動信号、Qスイッチ15には発振信号がそれぞれ送信される。すると、レーザ発振器10では、励起用光源14,14が駆動すると共に、Qスイッチ15が前記発振信号に同期してオンオフ動作を開始する。
励起用光源14,14の駆動によりレーザ媒質11内のNdイオンが励起されレーザ媒質11からレーザ光L1が放出される。そして、このレーザ光L1は、Qスイッチ15がオフ状態のときは、光学結晶内を直進して全反射ミラー12及び部分透過ミラー13間で反射を繰り返す。それに伴って、レーザ光L1はレーザ媒質11内における誘導放出により増幅されつつ部分透過ミラー13を透過してレーザ発振器10の外部に出力される。
これに対し、Qスイッチ15がオン状態のときは、上述したように光学結晶内に電界が印加され、レーザ光L1は光学結晶内で屈折されて部分透過ミラー13から逸れた方向に向かう。従って、上記の反射動作が阻止され、レーザ媒質11内での誘導放出が起こらず、レーザ媒質11はより高い励起状態に保持されることになる。そして、このようなQスイッチ15のオンオフ動作によって、過渡的に大電力光パルス(パルスレーザ光L)が部分透過ミラー13を透過してレーザ発振器10の外部に出力される。
パルスレーザ光Lの3つのパルスのそれぞれの発振出力Hの大きさは、コントローラ20から送信される制御信号によって、励起用光源14,14の発振出力を調節して変更される。また、前記3つのパルスのそれぞれの発振パルス幅W,発振周期Tの大きさは、コントローラ20からQスイッチ15に送信される発振信号の送信間隔を調節して変更される。
パルスレーザ光Lは、図1に図示するように、反射ミラーM1によって進行方向が変化する。そして、進行方向が変化したパルスレーザ光Lは、集光レンズM2によって集光され、樹脂Gに照射される。樹脂Gは、照射されるパルスレーザ光Lによって、所定の貫通孔が形成される。
樹脂Gは、図示するように、テーブル19に載置される。この樹脂Gは、人手によって、所定の孔加工ができる位置に移動される。なお、このテーブル19は、コントローラ20が送信する移動操作信号を受信し、樹脂Gを所定の孔加工ができる位置に移動させることができるものであってもよい。
本実施形態のレーザ加工装置1は、図示するように、コンソール25を有するものである。このコンソール25は、本発明の加工情報設定手段に相当する。コンソール25は、パルスレーザ光Lの3つのパルスの各パルス毎の発振出力H,発振パルス幅W,発振周期Tを任意に設定可能なものである。コンソール25は、図示するように、信号線Sを介してコントローラ20に取り付けられる。コントローラ20は、本発明のパルスレーザ光発生制御手段に相当する。このコントローラ20(パルスレーザ光発生制御手段)は、レーザ発振器10がパルスレーザ光Lを発生するように制御するものである。レーザ発振器10は、コンソール25(加工情報設定手段)によって設定された3つのパルスの各パルス毎の発振出力H,発振パルス幅W,発振周期Tに基づいてパルスレーザ光Lを発生するものである。
本実施形態のレーザ加工装置1は、1つの貫通孔を形成するために、コンソール25の操作ボタンを選択し、パルスレーザ光Lの3つのパルスの各パルス毎の発振出力H,発振パルス幅W,発振周期Tを適宜に設定することができるものである。図3は、発振出力H等を適宜に設定した3つのパルス列(P1〜P3)の一例を示すものである。1つの貫通孔は、3つのパルス列(P1〜P3)からなるパルスレーザ光Lによって、樹脂Gに形成される。
樹脂Gは、図3に図示するように、最初に、パルス光P1が照射される。このパルス光P1は、コンソール25によって、発振出力Hをレベル1、発振パルス幅をW1にそれぞれ設定したものである。
樹脂Gは、図示するように、パルス光P1に続けて、パルス光P2が照射される。なお、前記パルス光P1は、パルス光P2をパルス光P1に続けて間断なく発生させるため、当該P1と当該P2の間の発振周期(パルス間隔)の値を0に設定したものである。
パルス光P2は、コンソール25によって、発振出力Hをレベル3、発振パルス幅をW2、当該パルス光P2とパルス光P3との間の発振周期をT2にそれぞれ設定したものである。なお、発振出力Hはレベル1<レベル3、発振パルス幅はW1=W2の関係をそれぞれ有する。
さらに、樹脂Gは、図示するように、パルス光P2に続けて、パルス光P3が照射され、貫通孔が形成される。このパルス光P3は、コンソール25によって、発振出力Hをレベル3、発振パルス幅をW3、当該パルス光P3と次のパルス光P1との間の発振周期をT3にそれぞれ設定したものである。なお、発振パルス幅はW1=W2=W3、発振周期はT2<T3の関係をそれぞれ有する。
レーザ加工装置1は、テーブル19をコントローラ20からの移動操作信号によって移動させるようにすると、樹脂Gを当該テーブル19が移動することにより所定の位置に移動させ、上述したパルスレーザ光Lを照射し、新たな貫通孔を移動後の樹脂Gに形成することができるものとなる。なお、このレーザ加工装置1は、反射ミラーM1を、T3(図3参照。)の間にコントローラ20からの制御信号によって駆動し、パルスレーザ光Lを当該反射ミラーM1によって向きを変えて照射して貫通孔を樹脂Gの所定の位置に形成するようにしたものであってもよい。
パルスレーザ光Lをパルス列のすべてのパルス光を同一の発振出力H,発振パルス幅W,発振周期Tに設定して樹脂Gに照射すると、当該パルスレーザ光Lが照射時間の経過に従って貫通孔の形成速度を急激に早めてしまうことがあり、同径の貫通孔を樹脂Gに形成することができないことがあった。
これに対し、このレーザ加工装置1は、パルス列の各パルス(P1,P2,P3)毎に発振出力H,発振パルス幅W,発振周期Tを適宜に設定して各パルス毎に発振出力H,発振パルス幅W,発振周期Tを変更することができ、貫通孔の形成速度を一定に保ち、同径の貫通孔を樹脂Gに形成することができるものである。樹脂Gは、パルス光P1,P2が照射されると、化学結合が切断されるとともに凹部が形成されて軟化する。この樹脂Gは、図3に図示するように、レーザ光がT2の間は照射されず、硬化し始める。その後、この樹脂Gは、発振出力(レベル3)が大きいパルス光P3が照射され、硬化する前にクラックが発生することなく同径の貫通孔が形成される。
本実施形態のレーザ加工装置1は、図1に図示するように、ROM40を有する。このROM40は、本発明の記憶手段に相当する。なお、図示のコントローラ20及びコンソール25は、本発明の識別情報選択手段にも相当する。符号S1は信号線である。
ROM40は、被加工物の材質や厚みに関する情報(被加工物の識別情報)を記憶するものである。本実施形態のレーザ加工装置1は、ROM40が、ガラス、PET(ポリエチレンテレフタレート)製樹脂、金属(アルミニウム)及びそれらの厚みに関する情報を記憶するものである。
加えて、ROM40は、ガラス等の材質に関する情報に対応させた加工情報を記憶するものである。この加工情報は、前記3つのパルス列(P1〜P3)の各パルス毎の発振出力H,発信パルス幅W,発振周期Tである。ここでは、表1に示すように、前記各パルス毎の発振出力H,発振パルス幅W,発振周期Tが、ガラス等の材質の違いに対応させて、ROM40にそれぞれ記憶される。なお、貫通孔を表1の加工情報に基づいて形成すると、気泡が、各被加工物(ガラス、PET製樹脂)の貫通孔の中心軸からφ180〜220μmの範囲に発生することがない。
ガラス等の材質の違いに対応させて記憶されたパルス列(P1〜P3)の発振出力H,発振パルスW,発振周期Tは、コンソール25の操作ボタンによってそれぞれ選択される。例えば、作業者がコンソール25を操作して樹脂の材質と貫通孔の形成径を設定すると、コントローラ20は、当該材質と当該形成径に対応してROM40に記憶された前記パルス列(P1〜P3)の発振出力H等の加工情報を読み出す。このコントローラ20は、読み出した加工情報に対応したパルスレーザ光Lを発生させる信号をレーザ発信器10に送信し、当該レーザ発振器10がパルスレーザ光Lを出力(発生)するように制御するものである。なお、コントローラ20は、本発明のパルスレーザ光発生変更制御手段に相当する。符号S2は信号線である。
レーザ発振器10は、受信した信号に基づいて、パルスレーザ光Lを出力する。例えば、被加工物が樹脂であるときは、表1の加工情報(発振出力H,発振パルス幅W,発振周期T)に基づいて、パルスレーザ光Lが照射され、貫通孔が当該樹脂に形成される。このレーザ加工装置1は、ガラス等の材質と貫通孔の形成径をコンソール25の操作ボタンによって設定することにより、最適な孔加工の条件を容易に選択し、貫通孔をガラス等に形成することができるものである。
本実施形態のレーザ加工装置1は、ROM40に記憶されたパルス列(P1〜P3)の発振出力H,発振パルス幅W,発振周期Tを、コンソール25に表示することができるものである。コントローラ20は、ROM40に記憶されたパルス列(P1〜P3)の発振出力H,発振パルスW,発振周期Tの内の一つがコンソール25によって変更されると、他の一つの加工情報(発振出力H,発振パルスW,発振周期T)を変化させるように働くものである。そして、コントローラ20は、変化した前記発振出力H,発振パルス幅W,発振周期Tに対応した各信号を、レーザ発振器10に送信する。レーザ発振器10は、受信した各信号に基づいて、パルスレーザ光Lを出力する。
例えば、コンソール25を操作することによって前記発振出力Hが増加すると、前記発振周期Tが、コントローラ20によって、長くなるように変更される。コントローラ20は、Qスイッチ15の発振信号の送信間隔を変更し、レーザ発振器10の発振周期を変更する。これによって、熱が被加工物(ガラス、樹脂等)に籠もることを防ぎ、被加工物の反り等を防ぎながら孔加工の精度を向上させることができる。
一方、コンソール25を操作することによって前記発振パルス幅Wが広くなると、前記発振周期Tが、コントローラ20によって、長くなるように変更される。コントローラ20は、Qスイッチ15の発振信号の送信間隔を変更し、レーザ発振器10の発振周期を変更する。これによって、熱が被加工物(ガラス、樹脂等)に籠もることを防ぎ、被加工物の反り等を防ぎながら孔加工の精度を向上させることができる。
なお、コントローラ20は、パルス光P1の発振出力Hが増加若しくは当該P1の発振パルス幅Wが広くなると、前記パルス光P1の発振周期Tを長くすることができるとともに、前記パルス光P1及び前記パルス光P2の発振周期Tを長くすることができるものであってもよい。
パルスレーザ光Lのパルス数は、コントローラ20及びコンソール25によって変更することができる。このコントローラ20及びコンソール25は、本発明のパルス数設定手段に相当する。例えば、コンソール25を操作することによって、パルスレーザ光Lの各パルスの発振パルス幅Wと発振周期Tを適宜に変更し、当該発振パルス幅Wと当該発振周期Tに対応した信号を、コントローラ20に送信する。コントローラ20は、受信した信号に基づいて、Qスイッチ15の発振信号の送信間隔を変更し、レーザ発振器10が1つの貫通孔を樹脂等の被加工物に形成する過程で6つのパルスからなるパルスレーザ光Lを発生させるように制御することができる。なお、本実施形態では、パルスレーザ光Lのパルス数を、1つの貫通孔を樹脂等に形成するために定めた加工時間(図3中の符号T4)内で任意に設定することができる。
厚み寸法が大きい樹脂等は、貫通孔を形成するために、多くのレーザ光を照射することが必要となる。熱吸収率が高い樹脂等(金属、ガラスを含む。)も、厚み寸法が大きい樹脂と同様に、貫通孔を形成するために、多くのレーザ光を照射することが必要となる。そこで、例えば、パルス数を3つから6つに増加させてパルスレーザ光を照射すると、貫通孔を、厚み寸法が大きい樹脂等や熱吸収率が高い樹脂等に形成することができる。コントローラ20及びコンソール25によってパルスレーザ光のパルス数を任意に設定することで、貫通孔を厚み寸法が大きい樹脂等や熱吸収率が高い樹脂等にも形成することができ、パルス数を孔加工の形状に合わせて最適に設定することができる。
<実施形態2>
実施形態2のレーザ加工装置1Aを、図1及び図4を用いて説明する。ここでは、実施形態1のレーザ加工装置1と同一の構成は同一の符号を付しその説明を省略する。レーザ加工装置1Aは、図4に図示するレーザ発振器10Aを有する。このレーザ発振器10Aは、図示するように、信号用半導体レーザ18を有するものである。この信号用半導体レーザ18は、InGaAs(インジウム・ガリウム・砒素)を活性層とする半導体レーザ素子によって構成される。
実施形態2のレーザ加工装置1Aを、図1及び図4を用いて説明する。ここでは、実施形態1のレーザ加工装置1と同一の構成は同一の符号を付しその説明を省略する。レーザ加工装置1Aは、図4に図示するレーザ発振器10Aを有する。このレーザ発振器10Aは、図示するように、信号用半導体レーザ18を有するものである。この信号用半導体レーザ18は、InGaAs(インジウム・ガリウム・砒素)を活性層とする半導体レーザ素子によって構成される。
この実施形態のレーザ加工装置1Aは、孔開け加工を開始する前は、励起用光源14,14がコントローラ20から受信した駆動信号によって駆動されてレーザ光L1が放出されるものである。これに対し、このレーザ加工装置1Aは、孔開け加工を開始すると、レーザ光L1が放出されるとともに信号用半導体レーザ18がコントローラ20から受信した起動信号によって駆動されてレーザ光L3が放出されるものである。
そして、図4に図示するように、レーザ光L1とレーザ光L3が合流し、パルスレーザ光Lが部分透過ミラー13を透過してレーザ発振器10Aの外部に出力される。樹脂Gは、図1に図示するように、パルスレーザ光Lが照射されて貫通孔が形成される。この貫通孔は、実施形態1と同様の方法によって形成される。なお、パルスレーザ光L1の3つのパルスのそれぞれの発振出力Hの大きさは、コントローラ20から送信される制御信号によって、励起用光源14,14又は信号用半導体レーザ18の発振出力を調節して変更される。また、前記3つのパルスのそれぞれの発振パルス幅W,発振周期Tの大きさは、励起用光源14,14及び信号用半導体レーザ18のオンオフ動作を調節して変更される。
<他の実施形態>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において構成の一部を適宜変更して実施することができる。
(1)レーザ加工装置1,1Aは、レーザ光源を、波長が1.06μmの光を放出するYAGレーザに代えて、貫通孔をガラスに形成するために適した波長(10.6μm)の光を放出する炭酸ガスレーザとしたものであってもよい。
(2)レーザ加工装置1,1Aは、ガラス等の色に関する情報及び当該情報に対応させた3つのパルス列(P1〜P3)の各パルス毎の発信出力H,発信パルス幅W,発信周期Tを、ROM40に記憶するものであってもよい。
(3)レーザ加工装置1,1Aは、ガラス等の材質に関する情報及び当該情報に対応させた3つのパルス列(P1〜P3)の各パルス毎の発振出力H,発振パルス幅W,発振周期Tを、ROM40に記憶しているが、ROMとRAMとに記憶するものであってもよい。
(4)レーザ加工装置1,1Aは、ガラス等の材質に関する情報及び前記3つのパルス列(P1〜P3)の各パルス毎の発振出力H等を、コンソール25の操作ボタンによって選択するようにしたが、タッチパネルを備えた入力装置を操作して選択するようにしたものであってもよい。
(5)レーザ加工装置1,1Aは、コンソール25を操作して前記発振出力Hが増加すると前記発振パルス幅Wを狭くしたり、当該コンソール25を操作して発振パルス幅Wを広くすると発振出力Hを減少させるものであってもよい。
(6)レーザ加工装置1,1Aは、一つの貫通孔を、3つ若しくは6つのパルスからなるパルスレーザ光を樹脂等に照射して形成したが、例えば4つのパルスからなるパルスレーザ光を樹脂等に照射して形成するものであってもよい。
(7)レーザ加工装置1,1Aは、貫通孔を樹脂等に形成するものに限らず、ガラス等の切断加工若しくはミシン目加工等を行うものであってもよい。このレーザ加工装置1,1Aは、前記パルス列の各パルス(P1,P1,P3)の発振出力Hを徐々に減少させるようにしたり、発振パルス幅Wを徐々に狭くしたり発振周期Tを徐々に長くし、加工速度が急激に早まることを防止してガラス等の切断加工の精度を向上させることができるものとすることができる。なお、このレーザ加工装置1,1Aは、ミシン目加工を、上述した貫通孔を形成する方法と同様にして行うことができるものとすることができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において構成の一部を適宜変更して実施することができる。
(1)レーザ加工装置1,1Aは、レーザ光源を、波長が1.06μmの光を放出するYAGレーザに代えて、貫通孔をガラスに形成するために適した波長(10.6μm)の光を放出する炭酸ガスレーザとしたものであってもよい。
(2)レーザ加工装置1,1Aは、ガラス等の色に関する情報及び当該情報に対応させた3つのパルス列(P1〜P3)の各パルス毎の発信出力H,発信パルス幅W,発信周期Tを、ROM40に記憶するものであってもよい。
(3)レーザ加工装置1,1Aは、ガラス等の材質に関する情報及び当該情報に対応させた3つのパルス列(P1〜P3)の各パルス毎の発振出力H,発振パルス幅W,発振周期Tを、ROM40に記憶しているが、ROMとRAMとに記憶するものであってもよい。
(4)レーザ加工装置1,1Aは、ガラス等の材質に関する情報及び前記3つのパルス列(P1〜P3)の各パルス毎の発振出力H等を、コンソール25の操作ボタンによって選択するようにしたが、タッチパネルを備えた入力装置を操作して選択するようにしたものであってもよい。
(5)レーザ加工装置1,1Aは、コンソール25を操作して前記発振出力Hが増加すると前記発振パルス幅Wを狭くしたり、当該コンソール25を操作して発振パルス幅Wを広くすると発振出力Hを減少させるものであってもよい。
(6)レーザ加工装置1,1Aは、一つの貫通孔を、3つ若しくは6つのパルスからなるパルスレーザ光を樹脂等に照射して形成したが、例えば4つのパルスからなるパルスレーザ光を樹脂等に照射して形成するものであってもよい。
(7)レーザ加工装置1,1Aは、貫通孔を樹脂等に形成するものに限らず、ガラス等の切断加工若しくはミシン目加工等を行うものであってもよい。このレーザ加工装置1,1Aは、前記パルス列の各パルス(P1,P1,P3)の発振出力Hを徐々に減少させるようにしたり、発振パルス幅Wを徐々に狭くしたり発振周期Tを徐々に長くし、加工速度が急激に早まることを防止してガラス等の切断加工の精度を向上させることができるものとすることができる。なお、このレーザ加工装置1,1Aは、ミシン目加工を、上述した貫通孔を形成する方法と同様にして行うことができるものとすることができる。
1,1A・・・レーザ加工装置
10,10A・・・レーザ発振器
20・・・コントローラ
25・・・コンソール
40・・・ROM
G・・・樹脂
H・・・発振出力
L・・・パルスレーザ光
P1,P2,P3・・・パルス光
T・・・発振周期
W・・・発振パルス幅
10,10A・・・レーザ発振器
20・・・コントローラ
25・・・コンソール
40・・・ROM
G・・・樹脂
H・・・発振出力
L・・・パルスレーザ光
P1,P2,P3・・・パルス光
T・・・発振周期
W・・・発振パルス幅
Claims (4)
- 複数のパルスからなるパルスレーザ光を被加工物に照射するレーザ加工装置において、
前記パルスレーザ光を発生するレーザ発振器と、
前記被加工物に照射するパルスレーザ光の各パルス毎に発振出力と発振パルス幅と発振周期とを任意に設定可能な加工情報設定手段と
を有することを特徴とするレーザ加工装置。 - 前記被加工物の識別情報と、当該識別情報に対応して前記加工情報設定手段によって設定される各パルス毎の発振出力と発振パルス幅と発振周期とを含む加工情報とを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された被加工物の識別情報の内の一つを選択する識別情報選択手段とを有し、
前記識別情報選択手段によって選択された識別情報に対応した前記加工情報を前記記憶手段から読み出して前記被加工物に前記パルスレーザ光を照射することを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。 - 前記加工情報は、当該加工情報に含まれる一つの情報が前記加工情報設定手段によって変化したことに連動して少なくとも他の一つの情報が変化するように設定されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ加工装置。
- 前記パルスレーザ光のパルス数を任意に設定可能なパルス数設定手段を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のレーザ加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005098104A JP2006272431A (ja) | 2005-03-30 | 2005-03-30 | レーザ加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005098104A JP2006272431A (ja) | 2005-03-30 | 2005-03-30 | レーザ加工装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006272431A true JP2006272431A (ja) | 2006-10-12 |
Family
ID=37207665
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005098104A Pending JP2006272431A (ja) | 2005-03-30 | 2005-03-30 | レーザ加工装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006272431A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008137035A (ja) * | 2006-11-30 | 2008-06-19 | Sunx Ltd | レーザ加工装置 |
JP2010080957A (ja) * | 2008-09-26 | 2010-04-08 | Jenoptik Laser Optik Systeme Gmbh | レーザおよびパルスレーザ放射を生成する方法 |
JP2019192792A (ja) * | 2018-04-25 | 2019-10-31 | 精電舎電子工業株式会社 | ガスレーザ発振方法、及びこの方法を用いたガスレーザ発振装置、レーザ溶着装置、レーザ加工装置 |
-
2005
- 2005-03-30 JP JP2005098104A patent/JP2006272431A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010080957A (ja) * | 2008-09-26 | 2010-04-08 | Jenoptik Laser Optik Systeme Gmbh | レーザおよびパルスレーザ放射を生成する方法 |
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JP7121383B2 (ja) | 2018-04-25 | 2022-08-18 | 精電舎電子工業株式会社 | ガスレーザ発振方法、及びこの方法を用いたガスレーザ発振装置、レーザ溶着装置、レーザ加工装置 |
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