JP6749650B2 - 線材ガイドノズル、及び線材巻付装置 - Google Patents

線材ガイドノズル、及び線材巻付装置 Download PDF

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Description

本発明は、挿通されてきた線材をガイドしつつ送出するノズル孔を有した線材ガイドノズルに関し、特に、長手方向と並行な軸線を中心として回転させた時に長手方向と直交する横断面形状の見かけ上の姿勢が変化する線材をガイドするに好適な線材ガイドノズル及びこれを備えた線材巻付装置に関する。
金属線材を所定の傾斜角度で螺旋状、且つ多層状に巻き付けることにより形成される中空筒状フィルタは、各種の流体から異物を除去するフィルタとして各方面において使用されている。
上記中空筒状フィルタを製造するにあたっては、金属線材を心棒の所定の位置に位置決めして巻き付ける必要があるために、金属線材を挿通してガイドしつつ送出する線材ガイドノズルを使用する。特許文献1には、線材を巻芯冶具に巻線してコイルを形成する自動巻線装置に使用される線材ガイドノズルが記載されている。この発明においては、線材ガイドノズルのノズル孔を長円形状とすることによって、線材の位置決め精度を高めている。
特開2003−81534公報 国際公開第2016/068250号
ここで、特許文献1に記載の線材ガイドノズルがガイド対象とする線材は、長手方向と直交する横断面の形状が真円形状であり、特許文献2に記載されているような異形線材をガイド対象とはしていない。従って、特許文献1に記載の線材ガイドノズルを利用して、特許文献2に記載されているような異形線材をガイドすると、異形線材がノズル孔内で回転し、線材ガイドノズルから送出される異形線材の姿勢、即ち、心棒に対する異形線材の巻き付け姿勢を一定に保持できなくなる虞がある。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、長手方向に沿った軸線を中心として回転した時に長手方向と直交する横断面形状の見かけ上の姿勢が変化する線材の姿勢を、常に一定の方向を向いた状態で送出することが可能な線材ガイドノズル、及びこれを備えた線材巻付装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、長手方向と並行な軸線を中心として回転させた時に前記長手方向と直交する横断面形状の見かけ上の姿勢が変化すると共に、テンションユニットにより所定の張力を与えられた状態で走行する金属線材を挿通してガイドしつつ送出するノズル孔を有し、該金属線材が多層状に巻き付けられた中空筒状体の製造に使用される線材ガイドノズルであって、該線材ガイドノズルは、ダイヤモンド、ルビー、超硬合金、又はファインセラミックスから構成されており、前記ノズル孔は、該ノズル孔から送出される前記金属線材の横断面形状の見かけ上の姿勢が常に一定の方向を向くように、且つ所定の形状精度を有する前記金属線材のみを通過させるように、その内面形状が構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、横断面形状の見かけ上の姿勢が変化する線材の姿勢を一定の方向を向くように送出することが可能となる。
第一の実施形態に係る線材ガイドノズルを示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は縦断面図である。 (a)〜(e)は、線材ガイドノズルがガイド対象とする線材の一例を示す図である。 (a)、(b)は、線材ガイドノズルがガイド対象とする異形線材の一例を示す図である。 図3(a)、(b)に示した線材の形成方法の一例を示す模式図である。 (a)〜(e)は、線材ガイドノズルがガイド対象とする異形線材の他の例を示す図である。 図5(a)〜(e)に示した線材の形成方法の一例を示す模式図である。 図5(a)に示した線材の横断面図である。 線材の横断面形状とノズル孔の断面形状との関係の一例を示す横断面図である。 線材の横断面形状とノズル孔の断面形状との関係の一例を示す横断面図である。 (a)〜(d)は、線材の横断面形状とノズル孔の断面形状との関係の一例を示す横断面図である。 線材の横断面形状とノズル孔の断面形状との関係の一例を示す横断面図である。 中空筒状フィルタの模式的斜視図である。 中空筒状フィルタの断面を写真で示す図である。 フィルタの製造装置の一例を示す模式図である。 巻付装置部分を拡大して示す模式的斜視図である。 フィルタの製造装置の他の構成例を示す模式図である。 線材ガイドノズルの回転駆動機構の一例を説明する模式的斜視図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
〔線材ガイドノズルの概要〕
図1は、第一の実施形態に係る線材ガイドノズルを示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は縦断面図である。
線材ガイドノズル40Aは軸線方向(A方向)に貫通したノズル孔41を有する中空筒状である。ノズル孔41は、線材20(図2、図3、図5参照)を挿通してガイドしつつ送出する。
線材ガイドノズル40Aは、挿通する線材よりも硬度が高く、融点が高い材料から形成される。即ち、線材ガイドノズル40Aには、挿通する線材に対して十分な硬度差と融点差を持つ材料が用いられる。例えば、線材が、軟鋼、ステンレス鋼、ニッケル合金、銅合金等からなる金属線材の場合、線材ガイドノズル40Aを構成する材料は、ダイヤモンド、ルビー、超硬合金、ファインセラミックス等の中から選定される。なお、線材ガイドノズル40Aは、金属線材以外の線材、例えば、樹脂製の線材をガイド対象としてもよい。
本例に示す線材ガイドノズル40Aは、一体型の形状である。ノズル孔41は、中実の柱状(棒状)の材料に対して細穴放電加工や彫工、切削加工等を施すことにより作製される。
ノズル孔41は、軸線方向の一端(線材の送り方向の上流端)に線材を受け入れる受入部42を備え、受入部42よりも軸線方向の他端側に線材の姿勢を規制する姿勢規制部43を備え、姿勢規制部43よりも軸線方向の他端側であってノズル孔41の軸線方向の他端(線材の送り方向の下流端)には、線材を線材ガイドノズル40Aの外部に送り出す送出部44を備える。受入部42の孔径は、一端側から他端側に向けてテーパー状に漸減するため、姿勢規制部43内に線材を挿入することを容易にする。姿勢規制部43の孔形状(ノズル孔41の横断面形状)の詳細については後述する。
受入部42と送出部44の端縁部には、R加工が施されている。R加工により、線材をノズル孔41内に受け入れる際、及び線材をノズル孔41から送り出す際に、線材の損傷を防止する。
線材ガイドノズル40Aの軸線方向一端部の外周部には、線材ガイドノズル40Aをガイド部材132(図13参照)に対して相対回転不能に取り付けるためのDカット部47が形成されている。
〔ガイド対象となる線材〕
線材ガイドノズルは、長手方向と並行な軸線を中心として回転させた時に長手方向と直交する横断面形状の見かけ上の姿勢(方向、角度)が変化する線材をガイド対象とする。言い換えれば、線材ガイドノズルは、少なくとも横断面形状が真円形(又は真円に極めて近い形状)の線材をガイド対象としない。なお、見かけ上の姿勢とは、物理的な形状自体は変化していないが回転することによって姿勢のみが変化して見える状態を指称する。
線材ガイドノズルによるガイド対象となる線材は、長手方向の全長に亘って一定の横断面形状を有する線材であり、規則的な横断面形状を有する線材でも、不規則的な横断面形状を有する線材(異形線材)でもよい。
ここで、異形とは一般に「普通とは違う怪しい形・姿をしていること」と定義されるが、ここで異形とは、断面形状が全長に亘って円形、楕円形、多角形等の規則的な形状を有している線材に対して、線材の断面形状が長手方向全長に亘って不規則な形状、例えば後述するW字状、U字状、J字状、V字状、X字状、〜状等々を有したものを広く含むものである。
<表面に凹所を有さない線材>
図2(a)〜(e)は、線材ガイドノズルがガイド対象とする線材の一例を示す図である。
線材ガイドノズルは、表面に凹所(溝)を有さない線材201(201A〜201E)をガイド対象とすることができる。例えば、線材ガイドノズルは、横断面が楕円形状の線材201A(図2(a))、長円形状の線材201B(図2(b))、偏平状、平角状の線材201C(図2(c))、矩形状等のような規則的な横断面形状を長手方向の全長に亘って有する線材をガイド対象とすることができる。
また、線材ガイドノズルは、表面に凹所を有さない異形線材として、横断面が台形状の線材201D(図2(d))、角隅部が面取された矩形状の線材201E(図2(e))等のような不規則的な横断面形状を長手方向の全長に亘って有する線材をガイド対象とすることができる。
上記線材は、圧延ローラ対を用いた塑性変形や、線引き加工等により形成することができる。
<表面に凹所を有する線材1>
図3(a)、(b)は、線材ガイドノズルがガイド対象とする異形線材の一例を示す図である。
線材ガイドノズルは、異形線材として、表面に凹所(溝)211を有する線材202(202A、202B)をガイド対象とすることができる。線材202は、長手方向の全長に亘って一定の横断面形状を有する。即ち、線材202の表面に形成された凹所211は、長手方向の全長に亘って伸びる。線材202は一方の面(表面)に凹所211を有しているが、他方の面(裏面)は略平坦な平坦面213である。線材202は、凹所211に対応する凸所を有さない線材である。
図3(a)に示す線材202Aは、表面に角U字状の凹所211を形成した例であり、図3(b)に示す線材202Bは表面にV字状の凹所211を形成した例である。なお、線材202に形成する凹所211の数は単数でも複数でもよい。また、凹所211の内面は、平坦面、湾曲面、屈曲部、湾曲部の何れの要素を含んでもよい。
図4は、図3(a)、(b)に示した線材の形成方法の一例を示す模式図である。
線材202は、圧延ローラ対を用いた塑性変形により形成することができる。
例えば断面が真円形状の金属素線21を第一の圧延処理により断面概略正方形状に変形させた後、第二の圧延処理により表面の適所を押圧して角U字状の凹所211又はV字状の凹所211を形成することにより、線材202A、202Bを得ることができる。なお、圧延処理は、線材202の形状に応じて、1回又は3回以上実施してもよい。
なお、線材202は、他の方法として、線引き加工を利用して作製することもできる。
<表面に凹所を有する線材2>
図5(a)〜(e)は、線材ガイドノズルがガイド対象とする異形線材の他の例を示す図である。
線材203(203A〜203E)は、一方の表面に凹所211を、他方の表面(裏面)に凹所211と対応する凸所215を有している。
例えば、線材ガイドノズルは、横断面がV字状(L字状)の線材203A(図5(a))、N字状(Z字状、S字状)の線材203B(図5(b))、W字状(ω字状、ギザギザ状)の線材203C(図5(c))、U字状(C字状)の線材203D(図5(d))、ω字状(波状)の線材203E(図5(e))、のような横断面形状を長手方向の全長に亘って有する線材をガイド対象とすることができる。
ここで、凹所211及び凸所215は、図5(a)〜(c)に示すように鈍角状、又は鋭角状に屈曲した形状でもよいし、図5(d)、(e)に示すように湾曲した形状でもよい。凹所211(凸所215)の数と内面形状は、自由に設定することができる。
このように金属線材は、様々な断面形状とすることができる。金属線材は、上記以外にも、J字状、X字状、等としてもよい。
図6は、図5(a)〜(e)に示した線材の形成方法の一例を示す模式図である。
線材203は、圧延ローラ対を用いた塑性変形により形成することができる。例えば断面が真円形状の金属素線21を第一の圧延処理により断面概略偏平状(或いは矩形状)に変形させた後、第二の圧延処理により、長手方向と直交する幅方向の適所を屈曲(又は湾曲)させて凹所211及びこれと対となる凸所215(屈曲部又は湾曲部)を形成することにより、線材203A〜203Eを得ることができる。なお、圧延処理は、線材203の形状に応じて、1回又は3回以上実施してもよい。
なお、線材203は、他の方法として、線引き加工を利用して作製することもできる。
〔線材とノズル孔との関係〕
以下、線材とノズル孔との関係について、表面に凹所を有する異形線材として図5(a)に示す横断面概略V字状の線材203Aをノズル孔から送出する場合の例により説明する。図7は、図5(a)に示した線材の横断面図である。
線材203Aは、一面に形成された凹所211内に位置する表面である凹所内表面212と、凹所211以外の表面である非凹所表面216とを有する。
図示する線材203Aにおいて非凹所表面216は、凸所215により形成されると共に凹所内表面212の反対面に相当する凸面217と、線材203Aの厚さB方向に沿った側面である側端面218a、218bとを有する。また、非凹所表面216は、屈曲した頂部219と、180度よりも小さい角度を有した4つの凸角部220a〜220dとを含む。なお、凸所215は、屈曲した頂部219を有する屈曲面により形成されている。
なお、仮に、線材203Aの凹所211内に、外径方向に突出する部位が形成されている場合であっても、該突出する部位が線材203Aの横断面形状に対する凸包絡形状の輪郭線221に接触しない場合は、当該突出する部位を含めて凹所内表面212として扱う。
線材ガイドノズルは、ノズル孔から送出される線材の横断面形状の見かけ上の姿勢が常に一定の方向を向くように線材をガイドする。そのため、ノズル孔の内面形状は、ガイドする線材の断面形状に応じた形状、且つ、送出する線材の横断面形状の見かけ上の姿勢を規制できる形状に設定される。
<略同一形状>
図8は、線材の横断面形状とノズル孔の断面形状との関係の一例を示す横断面図である。
ノズル孔41A(姿勢規制部43)は、線材203Aの横断面形状に対して、同形状(略同形状、或いは相似形状)の横断面形状を有する孔とすることができる。即ち、ノズル孔41Aは、凹所内表面212に沿う面71と、非凹所表面216に沿う面72とを有し、ノズル孔41Aの内面の全体が線材203Aの外面(四面)に沿った形状を有する。なお、面71は、線材203Aの凹所211内に入り込むように内径側に突出した凸部80により形成される。横断面概略V字形状の線材203Aをガイドするノズル孔41Aは、概略V字形状の横断面形状となる。
このように、ノズル孔41Aを線材203Aの横断面形状と略同形状の孔とすることで、ノズル孔41Aは、線材203Aの横断面形状の見かけ上の姿勢が常に一定の方向を向くように、確実に線材203Aをガイドすることができる上、適正な形状の線材203Aのみを通過させることが可能となる。
なお、ノズル孔41Aは線材203Aの外形状に対して線材203Aを走行可能とするためのギャップGAを有している必要があるため、線材203Aの横断面形状と略同形状であるとは、厳密には、線材203Aの横断面形状に上記ギャップGAを加えた形状のことである。以下に説明する各形状のノズル孔の内面と線材の表面との関係も同様である。
<凸包絡形状>
図9は、線材の横断面形状とノズル孔の断面形状との関係の一例を示す横断面図である。
ノズル孔41Bは、線材203Aの横断面形状に対して凸包絡形状の孔とすることができる。凸包絡形状は、線材203Aの周囲を輪ゴムで包囲したときに輪ゴムが作る図形として表現される。例えば、図示する断面V字状の線材203Aに対して、凸包絡形状のノズル孔41Bは五角形状(凸多角形状)の横断面形状となる。
ノズル孔41Bの内面は、凹所211に入り込まずに凹所211と対向する面73と、線材203Aの非凹所表面216に沿う面72とを備える。線材203Aがノズル孔41B内を走行するとき、線材203Aの非凹所表面216と、該部位と対向するノズル孔41Bの内面72とが接触、摺接する。
このように、ノズル孔41Bの横断面形状を凸包絡形状とする場合、線材203Aが凹所211を有する線材であっても、ノズル孔41Bは線材203Aの凹所211に入り込む凸部を有さない内面形状となる。ノズル孔41Bの横断面形状が線材203Aの外形状に対して単純化されるため、ノズル孔41Bの形成が容易となる。また、線材がノズル孔内に引っかかりにくくなり、線材をスムーズに走行させることが可能となる。
<凸図形状>
図10(a)〜(d)は、線材の横断面形状とノズル孔の断面形状との関係の一例を示す横断面図である。
ノズル孔41(41C〜41F)は、線材203Aの横断面形状に対して、凸図形状の孔とすることができる。凸図形は凹所を有さない図形であり、図9に示した凸包絡形も凸図形の一つである。凸図形状のノズル孔41は、凹所211に入り込まずに凹所211と対向する面73と、非凹所表面216の少なくとも一部に沿う面又は対向する面とを有する。
図10(a)に示すノズル孔41Cは、凸所215の適所(本例では屈曲した頂部219)と対向する面74と、凸角部220a〜220dと対向する面73、75、76と、を有した概略矩形状である。線材203Aがノズル孔41C内を走行するとき、線材203Aの頂部219及び凸角部220a〜220dが、ノズル孔41Cの内面と接触、摺接しうる。
図10(b)に示すノズル孔41Dは、凸所215(凸面217)に沿う面77と、凸角部220a、220dに対向する面73とを有した概略三角形状である。線材203Aがノズル孔41D内を走行するとき、線材203Aの凸所215及び凸角部220a〜220dがノズル孔41Dの内面と接触、摺接しうる。
図10(c)に示すノズル孔41Eは、凸所215(凸面217)に沿う面77と、凸角部220a、220dに対向する面73と、凸角部220b、220cに対向する面75、76とを有した概略五角形状であり、凸包絡形状のノズル孔41Bに準ずる形状である。線材203Aがノズル孔41E内を走行するとき、線材203Aの凸所215及び凸角部220a〜220dがノズル孔41Eの内面と接触、摺接しうる。
図10(d)に示すノズル孔41Fは、凸角部220a、220dに対向する面73と、頂部219に対向する面74と、側端面218a、218bに沿う面78、79とを有した概略台形状である。線材203Aがノズル孔41F内を走行するとき、線材203Aの頂部219及び凸角部220a〜220dがノズル孔41Fの内面と接触、摺接しうる。
このように、ノズル孔41の横断面形状を凸図形状とする場合、線材が凹所211を有する線材203Aであっても、ノズル孔41は線材203Aの凹所211に入り込む凸部を有さない内面形状となる。ノズル孔41の横断面形状が線材203Aの外形状に対して単純化されるため、ノズル孔41の形成が容易となる。
また、線材の厚さ方向に、線材の厚さBよりも細い部分を有さないノズル孔41の場合は、線材203Aがノズル孔41内で引っかかりにくくなり、線材203Aをスムーズに走行させることが可能となる。
また、ノズル孔41が、凸所215(凸面217)に沿う面77を有する場合は、適正な形状の凸所215を有する線材203Aのみを通過させることが可能となる。
<凹図形状>
図11は、線材の横断面形状とノズル孔の断面形状との関係の一例を示す横断面図である。
ノズル孔41Gは、線材203Aの凹所211内に入り込む部位を有する凹図形状の孔とすることができる。凹図形は凹所を有する図形である。
図示するノズル孔41Gは、線材203Aの凹所211内に入り込むように内径側に突出した凸部80を有する。ノズル孔41Gは、線材203Aの姿勢をノズル孔41G内で一定に保持できればよいため、凸部80の突出量は必ずしも凹所211の深さと同等である必要はない。
図示するノズル孔41Gは、凹所内表面212に沿う面71と、頂部219及び凸角部220b、220cに対向する面74〜76と、を有する。凹所内表面212に沿う面71は凸部80により形成される。線材203Aがノズル孔41G内を走行するとき、線材203Aの凹所内表面212、頂部219及び凸角部220b、220cと、該部位と対向するノズル孔41Gの内面とが接触、摺接する。
なお、ノズル孔41Gの凸部80以外の形状は、ノズル孔41G内における線材203Aの姿勢を凸部80と協働して所定に規制できる形状であればよい。
このように、ノズル孔41Gの横断面形状を凹図形状とする場合、ノズル孔41Gに形成した凸部80が線材203Aの凹所211に入り込んでその姿勢を規制するため、ノズル孔41G内における線材203Aの姿勢維持が確実となる。また、凸部80が線材203Aの凹所211に入り込むため、適正な形状の凹所211を有する線材203Aのみを通過させることが可能となる。
〔フィルタの形状〕
線材ガイドノズルによりガイドされて送出される線材により作製される製品の一例である中空筒状フィルタについて説明する。
図12は、中空筒状フィルタの模式的斜視図である。
中空筒状のフィルタ(以下、フィルタ、という)10は、少なくとも一本の金属線材20(20A、20B)を、軸方向(図中上下方向)に対して一定の傾斜角度を有して螺旋状に、且つ多層状に巻き付けることにより形成される。ここで同じ方向に巻き付けられている個々の層を線材層L1、L2、L3・・・と称する。各線材層L1、L2、L3・・・を構成する金属線材は、正面視で中空筒状フィルタの軸方向に対して傾斜した同一方向へ延びており、また隣接する各線材層を構成する金属線材は互いに交差する方向に延びている(平行していない)。
図12中における最外層の線材層Lnを構成する線材20A(厚みを図示省略)の延びる方向は実線矢印で示した方向であり、その直ぐ内側の線材層Ln−1を構成する線材20Bの延びる方向は破線矢印で示した方向である。
即ちフィルタ10は、金属線材20を軸方向に対して一定の傾斜角度にて螺旋状に巻付けることにより形成した一つの線材層(例えば、線材層L1)と、一つの線材層L1の外周側に重ねて、且つ該一つの線材層L1を構成する金属線材とは異なる傾斜角度にて螺旋状に金属線材を巻付けることにより形成される他の線材層(例えば、線材層L2)と、を有する。一つの線材層L1とこれと隣接する他の線材層L2を夫々構成する金属線材同士は軸方向とは非平行であり、且つ互いに交差するように構成されている。
なお、線材層を構成する金属線材の軸方向に対する傾斜角度が一つの線材層中で変化するように構成してもよい。
このフィルタ10は、液体や気体等の各種流体中から不要な物質等を除去し、また用途によっては同時にフィルタを通過する流体を冷却するために用いられる。また、このフィルタは、第一に、線材層が重なり合う方向(厚さ方向)、即ち、フィルタの径方向に流体が通過する流路を形成するように構成される。流体は、フィルタの内径側から外径側に通過させても、外径側から内径側に通過させてもよい。ここで径方向とは厳密な意味の直径方向(半径方向)ではなく、軸方向、周方向に対して、概ね径方向という意味である。
フィルタの大きさ(軸方向寸法、直径、厚さ等)は、フィルタが装備される濾過装置の構造や大きさに応じて適宜決定される。
このフィルタの材料となる金属の種類としては、鉄、軟鋼、ステンレス鋼、ニッケル合金、銅合金などを挙げることができ、中でもオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)が好適である。
また、フィルタに使用される金属線材の太さ及び断面形状は、フィルタの大きさ、フィルタが除去する物質、圧力損失等に応じて適宜決定される。
フィルタには、図2、図3、図5等に示す線材20(201〜203)が使用される。
図13は、中空筒状フィルタの断面を写真で示す図である。
図示するフィルタは、図5(a)に示す横断面概略V字状の線材203Aを使用した例である。このフィルタにおいては、線材203Aの凹所211がフィルタの内径側を向くように揃えられている。線材ガイドノズルは、線材203Aの横断面形状の見かけ上の姿勢が常に一定の方向を向くようにガイドしつつ線材203Aを送出するため、フィルタ内における線材203Aの横断面形状の見かけ上の姿勢を所定の向きに制御することができる。
〔フィルタの製造装置〕
線材ガイドノズルを備えた線材の巻付装置、及びこれを備えたフィルタの製造装置の一例について説明する。
図14は、フィルタの製造装置の一例を示す模式図である。この装置は金属線材から中空筒状体(フィルタ)を作製するものである。
製造装置100Aは、不図示のボビンから供給される金属素線21を圧延する圧延装置110と、圧延により断面形状が変形した後の金属素線(以下「金属線材20」という)に対して長手方向へ所定の張力を与えるテンションユニット120と、金属線材20を心棒131に巻付けて中空筒状体を形成する巻付装置130と、を概略備える。また、金属線材20の搬送経路上には、金属線材をガイドしつつ搬送する複数の搬送ローラ140が配置されている。
圧延装置110は対向配置されて回転する2つの円柱状の圧延ローラ111a、111bを備える。圧延ローラ111aと圧延ローラ111bの表面(対向面)同士が接触する部分は、金属素線21を間に挟んで所望の形状に変形させる加圧部112を構成している。圧延装置110は所定の温度及び圧力下で金属素線21を加圧部112にて塑性変形させることにより、所定の断面形状を有する金属線材20を得る。圧延は冷間圧延でも熱間圧延でもよい。
圧延ローラ111a、111bの何れか一方、又は双方の表面には、金属素線を所望の断面形状に圧延加工するための凸部、又は/及び、凹部が形成されており、加圧部112を金属素線が通過する際にこれらの凸部や凹部により圧延されて塑性変形して所定の断面形状を備えた金属線材20に加工される。
テンションユニット120は、所定位置に回転自在な状態で固定配置された固定ローラ121と、固定ローラ121に対して接近又は離間移動し、且つ回転自在な可動ローラ122とを有する。固定ローラ121に対して可動ローラ122を接近また離間移動させることにより、固定ローラ121及び可動ローラ122に巻き掛けられて搬送される金属線材20に対して所定の張力を与える。
巻付装置(線材巻付装置)130は、一定方向に所定速度にて回転する心棒131と、心棒131の軸方向(図中紙面と直交する方向)に沿って所定速度にて往復移動して金属線材20をガイドするガイド部材132と、を備える。心棒131は概略円柱状又は円筒状であり、一般的にステンレス鋼、銅合金、アルミニウム合金などの金属から形成される。
図15は、巻付装置部分を拡大して示す模式的斜視図である。
ガイド部材132は、ガイドする金属線材20の外形状に応じたノズル孔が形成された線材ガイドノズル40を備える。線材ガイドノズル40は、ノズル孔の形状に合う金属線材20のみを通過させると共に、金属線材20を所定の姿勢に維持した状態で心棒131に向けて送出する。線材ガイドノズル40は適正な形状に圧延された金属線材20のみをノズル孔の向きに応じた姿勢で送出するため、線材ガイドノズル40を備えることにより中空筒状体の品質を向上させることができる。
中空筒状体を作製するには、心棒131の適所に金属線材20の一端を係止し、金属線材20に対してテンションユニット120にて所定の張力を与えた状態にて、軸心Cを中心として心棒131を一定方向(図15中矢印D方向)に回転させると共に、金属線材20を送出するガイド部材132を心棒131の軸方向(図15中、矢印E1方向、E2方向)に往復移動させる。この動作により、金属線材20は心棒131の外周に螺旋状、且つ多層状に巻付けられる。また、隣接する線材層を構成する金属線材同士が互いに交差して網目を形成する。
金属線材20を所定回数(所定階層数)巻付けた後、金属線材20を切断し、切断された端部をスポット溶接等により巻付けを完了した線材の適所に接合して心棒131から取り外すことにより、中空筒状体を得る。
心棒131の軸方向に対する金属線材20の角度(巻付け角度)、及び軸方向に隣接する金属線材20同士の間隔(ピッチ)は、心棒131の回転速度とガイド部材132の移動速度との比率を適宜調節することにより変更することができる。金属線材の太さ、巻付け角度、ピッチ、巻付け回数を適宜変更することにより、フィルタを通過する流体の圧力損失を適切な値に制御することができる。
製造装置100Aにより製造された中空筒状体は、そのままの状態でフィルタとして使用することもできるが、高温で焼結することが好ましい。焼結する際の温度は、金属線の種類、太さ、巻付け回数、ピッチ、巻き付け角度などにより異なるが、500〜1500度(℃)の範囲で行うものとする。この中でも1100〜1201度の範囲が好適である。
焼結は、圧延の際に生じた金属線材の内部歪を緩和し、かつ、金属線材の重なり合う部分を接合することを目的として行う。焼結は所定温度に設定された電気炉内で実施するのが好ましく、焼結時間は、金属線材の種類、太さ、巻き付け回数、巻き付け密度、ピッチ、焼結温度により変わるが、30〜80分の範囲で選ぶのが好ましい。焼結は空気中で行うこともできるが、真空中や金属線材を脆化させたり化学反応を生起するおそれのない不活性ガス中で行うのが好ましい。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンなどをあげることができるが、中でも窒素ガスが好適である。
図16は、フィルタの製造装置の他の構成例を示す模式図である。製造装置100Bは、金属素線21の搬送経路上に複数の圧延装置110(110A、110B)を備え、金属素線21に対して複数回の圧延を実施することができる。
製造装置100B内に複数の圧延装置を配置する場合、圧延装置110A、110B間に、任意でバッファユニット150を挿入してもよい。バッファユニット150は、所定位置に回転自在な状態で軸心を位置固定された固定ローラ151と、固定ローラ151に対して接近又は離間移動する回転自在な可動ローラ152とを有する。固定ローラ151と可動ローラ152には、前段の圧延装置110Aにより圧延された後の金属素線が巻き掛けられる。固定ローラ151に対して可動ローラ152を接近また離間移動させることにより、バッファユニット150は圧延装置110Aと巻付装置130との間の同期を取り、或いは圧延装置110A、110B間の加工速度差を吸収する。
複数回の圧延を実施する場合、各圧延装置110A、110Bによる金属素線21の圧延方向は、同一方向としてもよいし、異なる方向としてもよい。
製造装置100Bは、圧延装置110Bの直前に、線材ガイドノズル40を備えたガイド部材132Aを備えてもよい。ガイド部材132Aを構成する線材ガイドノズル40は、圧延装置110Aにより圧延された後の線材の外形状に応じた形状のノズル孔41を有する。線材ガイドノズル40は、ノズル孔41の形状に合う線材のみを通過させると共に、線材を所定の姿勢に維持した状態で圧延装置110Bに向けて送出する。従って、製造装置100Bでは、横断面形状の見かけ上の姿勢が変化する線材を所定の姿勢で圧延装置110Bに導入することができるため、中空筒状体を構成する金属線材20の品質を向上させることができる。
図17は、線材ガイドノズルの回転駆動機構の一例を説明する模式的斜視図である。
ガイド部材132は、線材ガイドノズル40を、その軸線Aを中心として矢印F方向に正逆回転させる回転駆動機構133を備えることができる。
回転駆動機構133は、線材ガイドノズル40の軸線Aと同一の軸線を有し、線材ガイドノズル40を相対回転不能に支持するピニオンギヤ134と、ピニオンギヤ134に噛み合うラックギヤ135とを備える。ラックギヤ135は、不図示の駆動源により図中矢印G方向に所定量だけ往復移動する。ピニオンギヤ134は、ラックギヤ135の矢印G方向への移動量に応じた角度分だけ、図中矢印F方向に正逆回転する。
回転駆動機構133を備えることにより、軸線Aを中心としてノズル孔41の傾斜角度を自在に変更できるので、線材ガイドノズル40から心棒131に向けて繰り出される線材の横断面形状の見かけ上の姿勢を自在に制御できる。例えば、図12に示すフィルタ10の線材層毎に、又は複数の線材層毎に金属線材20の向きを可変させたフィルタを容易に製造することができる。
〔効果〕
以上、各実施形態に示した線材ガイドノズルは、挿通する線材の外形状に応じた内形状のノズル孔を有し、ノズル孔内で線材の姿勢を規制する。従って、線材ガイドノズルに線材を挿通して通過させることによって、線材ガイドノズルからは線材を、その横断面形状の見かけ上の姿勢が一定の方向を向くように送出することが可能となる。また、上記ノズル孔によって線材の姿勢を規制できるようにしたことで、所定の外形状を有する線材のみを通過させることが可能となり、製品に使用する線材の形状精度を高めることができる。
線材ガイドノズルを使用することによって、線材の姿勢を確実に規制するという観点、及び、所定の外形状を有する線材のみを通過させるという観点を考慮すると、ノズル孔の形状は線材の横断面形状と同一形状であることが望ましい。しかし、線材の外形状によってはノズル孔の形成が困難となるか、又はノズル孔を形成できたとしても線材ガイドノズルが高コスト化する虞がある。
このような場合には、ノズル孔の形状を線材の外形状に応じて適宜単純化することによって、線材ガイドノズルの低コスト化を図ることができる。ノズル孔の形状を単純化しても、送出される線材の横断面形状の見かけ上の姿勢を規制すること、及び一定の形状精度を有する線材のみを通過させることは可能である。
また、線材の外形状によっては、ノズル孔の形状を単純化することによって、線材がノズル孔内で引っかかりにくくなり、スムーズに送出されることが期待される。
図12に示した中空筒状のフィルタ10において、軸方向の一端から他端に向けて螺旋状に巻き付けられる線材20は、フィルタ10の軸方向端部において軸方向の他端から一端に向けて折り返されるため、当該部位において線材20は巻き付き方向(周方向)とは異なる方向に湾曲又は屈曲する。横断面が真円形状の線材に対応したノズル孔を有する線材ガイドノズルを用いて、横断面形状の見かけ上の姿勢が変化する線材(図2、図3、図5参照)をガイドすると、湾曲又は屈曲に抗する線材の反力により、線材がノズル孔内で回転してしまい、フィルタ10の軸方向端部において線材がヨレたり、線材が所定の姿勢を保持できずに回転又は反転した状態で巻き付けられる等、線材の姿勢が不安定になりやすいという問題があった。即ち、図15中、矢印E1方向又は矢印E2方向に移動するガイド部材132が、進行方向を逆方向に変更するタイミングにおいて、心棒131に巻き付けられる線材20の姿勢(向き又は角度)が正規の姿勢から逸脱しやすいという問題があった。
本発明の実施形態に係る線材ガイドノズル40を使用すれば、ガイド部材132が進行方向を逆方向に変更するタイミングにおいても、心棒131に巻き付ける線材20の姿勢(向き又は角度)を心棒131に対して一定に保持できるため、製造するフィルタ10の品質を向上できる。
また、図17に示すように、巻付装置130に線材ガイドノズル40を正逆回転させる回転駆動機構133を備えれば、線材ガイドノズル40から心棒131に向けて繰り出される線材の横断面形状の見かけ上の姿勢を自在に制御できる。従って、フィルタ10の線材層毎に、又は複数の線材層毎に金属線材20の向きを可変させたフィルタを容易に製造することが可能となる。なお、図15に示すように、ガイド部材132が進行方向を逆方向に変更するタイミングにおいて、線材20が回転しようとする方向とは反対の方向に線材ガイドノズル40を若干回転させる制御を実行することで、線材20の姿勢を正規の姿勢に維持しやすくなる。
〔本発明の実施態様例と作用、効果のまとめ〕
<第一の実施態様>
本態様は、長手方向と並行な軸線を中心として回転させた時に長手方向と直交する横断面形状の見かけ上の姿勢が変化する線材201、202、203を挿通してガイドしつつ送出するノズル孔41を有した線材ガイドノズル40であって、ノズル孔は、該ノズル孔から送出される線材の横断面形状の見かけ上の姿勢が常に一定の方向を向くようにその内面形状が構成されていることを特徴とする。
線材は、横断面形状の見かけ上の姿勢が変化するものであればよく、表面に凹所(溝)を有さない線材でも、有する線材でもよい。線材ガイドノズルは、上記何れの線材もガイド対象とすることができる。
また、ノズル孔は線材の横断面形状の見かけ上の姿勢が常に一定の方向を向くように線材を送出できればよく、ノズル孔は線材の横断面形状と同一の横断面形状を有していても、線材の横断面形状に対して適宜単純化された横断面形状を有していてもよい。
本態様によれば、ノズル孔が線材の姿勢を規制するので、線材ガイドノズルから送出される線材の姿勢を一定に維持することができる。従って、線材ガイドノズル備えた巻付装置130、及びこれを備えたフィルタの製造装置100等により製造されるフィルタ等、線材を用いた製品の品質を向上させることができる。
また、線材ガイドノズルは、ノズル孔の形状に適合する横断面形状を有する線材の通過を許容し、ノズル孔の形状に適合しない横断面形状を有する線材の通過を阻止する。従って、一定の形状精度を持つ線材のみを中空筒状体等の製品に使用できるようになるから、線材ガイドノズルを通過させた線材を用いた製品の品質が向上する。
<第二の実施態様>
本態様に係る線材ガイドノズル40がガイドしつつ送出する線材202、203は、その表面に長手方向に沿って伸びる凹所211を有することを特徴とする。
線材ガイドノズルは、横断面形状の見かけ上の姿勢が変化する線材として、その表面に長手方向に沿って伸びる凹所(溝)を有する線材をガイド対象とすることができる。
<第三、第四の実施態様>
第三の実施態様に係る線材ガイドノズル40において、ノズル孔41B〜41Fの横断面形状は、線材202、203の凹所211以外の表面(非凹所表面216)と摺接しうる凸図形状(図9、図10参照)であることを特徴とする。
第四の実施態様に係る線材ガイドノズル40において、ノズル孔41Bの横断面形状は、線材202、203の凹所211以外の表面(非凹所表面216)と摺接しうる凸包絡形状(図9参照)であることを特徴とする。
本態様によれば、ガイド対象である線材が凹所を有する場合であっても、ノズル孔は線材の凹所に入り込む凸所を有さない内面形状となる。ノズル孔の横断面形状が線材の外形状に対して単純化されるため、ノズル孔の形成が容易となる。従って、線材ガイドノズルの作製にかかるコストが低減される。また、線材がノズル孔内に引っかかりにくくなり、線材をスムーズに通過させることが可能となる。
<第五の実施態様>
本態様に係る線材ガイドノズル40において、ノズル孔41A、41Gは、線材202、203の凹所211に入り込む凸部80を有することを特徴とする。
本態様によれば、凸部が線材の凹所に入り込んでその姿勢を規制するため、ノズル孔内における線材の姿勢維持が確実となる。また、凸部が線材の凹所に入り込むため、適正な形状の凹所を有する線材のみを通過させることが可能となる。
<第六の実施態様>
本態様に係る線材巻付装置130は、上記線材ガイドノズル40を備えたことを特徴とする。
線材巻付装置は、線材を巻き付けることにより形成される製品を製造する装置である。線材巻付装置は、例えば、金属線材20が螺旋状、且つ多層状に巻き付けられた中空筒状フィルタを製造する装置である。
本態様によれば、線材巻付装置にガイドノズルを備えることにより、線材の姿勢が一定の方向を向く中空筒状フィルタ等の製品を製造することができるので、製品の品質が向上する。更に、線材巻付装置にガイドノズルを備えることにより、一定の形状精度を有する線材のみが使用された中空筒状フィルタ等の製品を製造することができるので、製品の品質が向上する。
<第七の実施態様>
本態様に係る線材巻付装置は、線材ガイドノズルを、軸線を中心として回転させる回転駆動機構を備えたことを特徴とする。
本態様によれば、線材ガイドノズルから送出される線材の横断面形状の見かけ上の姿勢を、所望のタイミングで可変させることが可能となる。従って、線材の姿勢が所望の方向に制御された中空筒状フィルタ等の製品を製造することができる。
L1〜L3…線材層、10…フィルタ、20、20A、20B…線材(金属線材)、21…金属素線、40、40A…線材ガイドノズル、41、41A〜41G…ノズル孔、42…受入部、43…姿勢規制部、44…送出部、47…Dカット部、71〜79…面、80…凸部、100A、100B…製造装置、110、110A、110B…圧延装置、111a…圧延ローラ、111b…圧延ローラ、112…加圧部、120…テンションユニット、121…固定ローラ、122…可動ローラ、130…巻付装置(線材巻付装置)、131…心棒、132、132A…ガイド部材、133…回転駆動機構、134…ピニオンギヤ、135…ラックギヤ、140…搬送ローラ、150…バッファユニット、151…固定ローラ、152…可動ローラ、201、201A〜201E…線材、202、202A、202B…線材、203、203A〜203E…線材、211…凹所、212…凹所内表面、213…平坦面、215…凸所、216…非凹所表面、217…凸面、218a、218b…側端面、219…屈曲した頂部、220a〜220d…凸角部、221…輪郭線

Claims (8)

  1. 長手方向と並行な軸線を中心として回転させた時に前記長手方向と直交する横断面形状の見かけ上の姿勢が変化すると共に、テンションユニットにより所定の張力を与えられた状態で走行する金属線材を挿通してガイドしつつ送出するノズル孔を有し、該金属線材が多層状に巻き付けられた中空筒状体の製造に使用される線材ガイドノズルであって、
    該線材ガイドノズルは、ダイヤモンド、ルビー、超硬合金、又はファインセラミックスから構成されており、
    前記ノズル孔は、該ノズル孔から送出される前記金属線材の横断面形状の見かけ上の姿勢が常に一定の方向を向くように、且つ所定の形状精度を有する前記金属線材のみを通過させるように、その内面形状が構成されていることを特徴とする線材ガイドノズル。
  2. 前記線材ガイドノズルは、前記金属線材が多層状に巻き付けられる心棒の軸方向に沿って往復移動しつつ、前記ノズル孔から前記金属線材を前記心棒に向けて送出することを特徴とする請求項1に記載の線材ガイドノズル。
  3. 前記金属線材は、その表面に長手方向に沿って伸びる凹所を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の線材ガイドノズル。
  4. 前記ノズル孔の横断面形状は、前記金属線材の前記凹所以外の表面と摺接しうる凸図形状であることを特徴とする請求項3に記載の線材ガイドノズル。
  5. 前記ノズル孔の横断面形状は、前記金属線材の前記凹所以外の表面と摺接しうる凸包絡形状であることを特徴とする請求項3に記載の線材ガイドノズル。
  6. 前記ノズル孔は、前記金属線材の前記凹所に入り込む凸部を有することを特徴とする請求項3に記載の線材ガイドノズル。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載の線材ガイドノズルを備えたことを特徴とする線材巻付装置。
  8. 前記線材ガイドノズルを、前記軸線を中心として回転させる回転駆動機構を備えたことを特徴とする請求項7に記載の線材巻付装置。
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