後述する明細書及び図面の記載から、上記の主たる発明の他、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
すなわち、前記表示制御部が、前記文字列に含まれる文字のうち、前記所定のモードの選択がなされたタイミング以降のタイミングで発音すべき文字のみを表示させるカラオケシステムが明らかとなる。このようなカラオケシステムによれば、カラオケ演奏を中止させることが可能なタイミングを把握しやすくなる。
また、前記表示制御部が、前記所定のモードが選択された後に表示された文字を、前記カラオケ演奏の進行に合わせて消去するカラオケシステムが明らかとなる。このようなカラオケシステムによれば、カラオケ演奏を中止させることが可能なタイミングをより把握しやすくなる。
<第1実施形態>
図1〜図6を参照して、第1実施形態に係るカラオケ装置1について説明する。カラオケ装置1は「カラオケシステム」の一例である。
==カラオケ装置==
カラオケ装置1は、利用者が選曲した楽曲のカラオケ演奏及び利用者がカラオケ歌唱を行うための装置である。図1に示すように、カラオケ装置1は、リモコン装置10、カラオケ本体20、スピーカ30、表示装置40、及びマイク50を備える。
[リモコン装置]
リモコン装置10は、カラオケ本体20に対する各種操作をおこなうための装置である。利用者はリモコン装置10を用いて歌唱を希望する楽曲の選曲等を行うことができる。また、本実施形態に係るリモコン装置10は、カラオケ演奏を中止させるための各種処理を行う(詳細は後述)。図2に示すように、リモコン装置10は、記憶部11、通信部12、表示部13、操作部14、及び制御部15を備える。
記憶部11は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。本実施形態に係る記憶部11は、カラオケ演奏を行うための楽曲それぞれに固有の識別子(楽曲ID)や楽曲名、及び歌詞テロップデータをたとえば、図3Aに示すようなテーブル形式で記憶する。歌詞テロップデータは、カラオケ楽曲の歌詞に相当する文字列を表示部13や表示装置40に表示させるためのデータである。
また、図3Bは図3Aのテーブルデータに含まれる楽曲Aの歌詞テロップデータを具体的に示した図である。歌詞テロップデータは、カラオケ楽曲の演奏時系列に対応した文字列が順番に並んでいる。文字列は複数の行で構成されている。行は、表示装置40に表示したときの横1行分の文字群に相当する。各行には、楽曲Aの最初から何番目の行に相当するかを特定するための行番号が付与されている。また、各行に含まれる文字には、その行の最初から何文字目に相当するかを特定するための文字番号が付与されている。なお、歌詞テロップデータは、表示装置40に表示される際の頁数に相当する頁番号や、各行を歌詞の詩情を汲み取れる1センテンス毎にまとめた節に相当する節番号等が付与されていてもよい。
通信部12は、カラオケ本体20とデータや信号の送受信を行う。表示部13は、楽曲の選曲画面や予約画面等を表示する。操作部14は、リモコン装置10に対して各種操作の指示入力を行うための入力手段である。タッチパネル方式の表示部13が操作部14を兼ねるように構成してもよい。
本実施形態において、各種操作には少なくともテンポコントロールの操作が含まれる。テンポコントロールは、カラオケ演奏の進行速度を変更させる機能である。たとえば、利用者は表示部13に表示されたテンポコントロールキーを選択することで、現在行われているカラオケ演奏のテンポを速くしたり遅くしたりできる。テンポコントロールの指示入力があった場合、リモコン装置10は、通信部12を介してカラオケ本体20にテンポコントロールの信号(早くするのか遅くするのか、及びテンポを変更する度合い)を送信する。カラオケ本体20(演奏処理部300。後述)は、当該信号に基づいて現在演奏されているカラオケ演奏のテンポを変更する。
制御部15は、CPUおよびメモリ(いずれも図示なし)を備える。CPUは、メモリに記憶された動作プログラムを実行することにより各種の制御機能を実現する。メモリは、CPUに実行されるプログラムを記憶したり、プログラムの実行時に各種情報を一時的に記憶したりする記憶装置である。
図2に示すように、本実施形態に係るリモコン装置10は、表示制御部100及び文字位置特定部200を備える。表示制御部100及び文字位置特定部200は、制御部15のCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより実現される。
表示制御部100は、リモコン装置10における各種表示制御を実行する。たとえば、表示制御部100は、表示部13に楽曲の選曲画面を表示させる。選曲画面にて利用者が楽曲Aを選曲した場合、表示制御部100は、表示部13に予約画面I1を表示させる(図4A参照)。予約画面I1には、利用者が選曲した楽曲Aの楽曲名及び楽曲IDと共に、予約ボタンB1、戻るボタンB2、中止設定モード選択ボタンB3が表示される。中止設定モードは、カラオケ演奏の途中で演奏を中止させるための設定を行うモードである。このようなモードを選択することにより、利用者はカラオケ演奏を中止させるタイミングを指定することが可能となる。
予約ボタンB1が選択された場合、表示制御部100は、通信部12を介して利用者が選曲した楽曲Aの楽曲IDをカラオケ本体20に送信する。カラオケ本体20は、当該楽曲IDに対応する楽曲データを記憶部23(後述)から読み出し、予約順に沿ってカラオケ演奏を開始させる。一方、戻るボタンB2が選択された場合、表示制御部100は、選曲画面を表示させ、新たな選曲を可能とする。
ここで、中止設定モード選択ボタンB3が選択された場合、表示制御部100は、選曲された楽曲の歌詞に相当する文字列を表示させる。
具体的には、表示制御部100は、選曲された楽曲Aに対応する歌詞テロップデータを記憶部11から読み出し、歌詞に相当する文字列を表示させる(歌詞表示画面I2。図4B参照)。なお、歌詞テロップデータは、カラオケ本体20の記憶部23から受信したものを用いてもよい。また、文字列の表示は、図4Bに示すように一部の文字列のみを表示させ、スクロールバーを操作することにより全ての文字列を表示可能とする形式でもよいし、フォントサイズを調整して一画面に全ての文字列を表示させる形式でもよい。このように、文字列は予め設定された所定のレイアウト形式に基づいて表示される。本実施形態に係る中止設定モード選択ボタンB3の選択は、「所定モードの選択」の一例である。
利用者は、操作部14を介し、歌詞表示画面I2に表示された文字列の中から歌唱を中止したいタイミングに相当する文字を指定する。図4Cは、図4Bの歌詞表示画面I2において、歌詞「眩しく映るのはなぜ」に含まれる文字「ぜ」が指定された例を示す。
この場合、文字位置特定部200は、選曲された楽曲の文字列における当該文字の位置情報を特定する。
たとえば図3Bの歌詞テロップデータによれば、当該データに含まれる各文字は、行番号及び文字番号により、楽曲Aの全ての文字列の中における位置を特定することができる。上記例であれば、文字位置特定部200は、文字列の中から指定された文字「ぜ」が位置する行番号「L−04」及び文字番号「C049」を「位置情報P1」として特定する。
利用者は、歌詞表示画面I2に表示された文字列の中から歌唱を中止したいタイミングに相当する文字「ぜ」を指定した後、中止設定ボタンB4を選択する。この場合、文字位置特定部200は、特定された位置情報P1及び選曲した楽曲Aの楽曲IDをカラオケ本体20に送信する。なお、歌詞表示画面I2に表示された戻るボタンB5が選択された場合、表示制御部100は予約画面I1を表示させる。
なお、本実施形態では、表示された文字列の中から歌唱を中止したいタイミングに相当する1文字を指定しているが、これに限らず行単位で指定してもよい。たとえば、利用者が中止タイミングとして、歌詞「あなたに逢えたその日から」を行指定した場合、文字位置特定部200は、最後の文字である「ら」の位置(行番号「L−03」、文字番号「C0312」)を「位置情報P1」として特定する。
[カラオケ本体]
カラオケ本体20は、楽曲の演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイク50を通じて入力された音声信号の処理といった、カラオケ演奏及びカラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。図5はカラオケ本体20のハードウェア構成例を示す図である。カラオケ本体20は、制御部21、通信部22、記憶部23、音響処理部24、表示処理部25及び操作部26を備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
制御部21は、CPUおよびメモリ(いずれも図示なし)を備える。CPUは、メモリに記憶された動作プログラムを実行することにより各種の制御機能を実現する。メモリは、CPUに実行されるプログラムを記憶したり、プログラムの実行時に各種情報を一時的に記憶したりする記憶装置である。カラオケ本体20は演奏処理部300を備える。演奏処理部300は、制御部21のCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより実現される。
演奏処理部300は、カラオケ装置1におけるカラオケ演奏に関する各種制御を行う。
たとえば、演奏処理部300は、リモコン装置10から受信した楽曲ID(選曲された楽曲の楽曲ID)に基づき、対応する楽曲の楽曲データ、歌詞テロップデータ、及び背景画像データを記憶部23から読み出す。そして、演奏処理部300は、音響処理部24を制御し、楽曲データに基づいてカラオケ演奏を行わせる。また、演奏処理部300は、表示処理部25を制御し、歌詞テロップデータに基づく文字列をカラオケ演奏に合わせて表示装置40に表示させる。更に、演奏処理部300は、表示処理部25を制御し、表示装置40に表示された文字列に含まれる文字のうち、歌唱すべきタイミングが経過した文字の色を、これから歌唱すべき文字と異なる態様で表示させる。なお、リモコン装置10へ歌詞テロップデータを送信する場合には、記憶部23から歌詞テロップデータが読み出されたタイミングにてリモコン装置10に送信する。
更に、本実施形態に係る演奏処理部300は、文字位置特定部200により特定された位置情報に相当するタイミングが到来した場合、選曲された楽曲のカラオケ演奏を中止させる。
たとえば、上記例において、カラオケ本体20がリモコン装置10から位置情報P1及び楽曲Aの楽曲IDを受信したとする。この場合、演奏処理部300は、楽曲Aのカラオケ演奏を開始させると共に楽曲Aの歌詞テロップに含まれる文字の表示態様を変化させる。そして、演奏処理部300は、音響処理部24を制御し、位置情報P1に相当する文字「ぜ」の表示態様が変化したタイミングでカラオケ演奏を中止させる。なお、本実施形態における「中止」には、カラオケ演奏の音量を徐々に低下させる所謂「フェードアウト」も含まれる。
通信部22は、リモコン装置10とデータや信号の送受信を行う。
記憶部23は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。記憶部23は、カラオケ装置1によりカラオケ演奏を行うための楽曲データを記憶する。楽曲データは、楽曲毎に所定のID(楽曲ID)が付与されている。楽曲データは、MIDIデータ、リファレンスデータ等が含まれる。また、記憶部23は、歌詞テロップデータ、及びカラオケ演奏時に表示装置40に表示される背景画像に相当する背景画像データを記憶する。
音響処理部24は、制御部21の制御に基づき、上述のカラオケ演奏の制御のほか、マイク50を通じて入力された音声信号の処理を行う。
表示処理部25は、制御部21の制御に基づき、表示装置40における各種表示に関する処理を行う。たとえば、表示処理部25は、カラオケ演奏時における背景映像に歌詞テロップや各種アイコンが重ねられた映像を表示装置40に表示させる。
操作部26は、パネルスイッチおよびリモコン受信回路などからなり、利用者によるカラオケ装置1のパネルスイッチあるいはリモコン装置10の操作に応じた信号を制御部21に対して出力する。制御部21は、操作部26からの操作信号を検出し、対応する処理を実行する。なお、上述のテンポコントロールは、操作部26を介してカラオケ装置1側で行うことも可能である。
[スピーカ、表示装置、マイク]
スピーカ30は、カラオケ本体20からの放音信号に基づいて放音するための構成である。表示装置40はカラオケ本体20からの信号に基づいて映像や画像を画面に表示するための構成である。マイク50は入力される利用者の声(歌唱音声)等をアナログの音声信号に変換してカラオケ本体20に入力するための構成である。
==カラオケ装置の動作について==
次に、図6を参照して本実施形態に係るカラオケ装置1の動作の具体例について述べる。図6は、カラオケ装置1の動作例を示すフローチャートである。ここでは、利用者が中止設定モードを選択する例について述べる。
利用者は、リモコン装置10を介し、歌唱を希望する楽曲Aを選曲する(楽曲の選曲。ステップ10)。
楽曲Aを選曲した後、利用者は予約画面上で中止設定モードの選択を行う(中止設定モードの選択。ステップ11)。
中止設定モードが選択された場合、表示制御部100は、選曲された楽曲Aの歌詞に相当する文字列を表示させる(文字列の表示。ステップ12)。
利用者は、操作部14を介し、ステップ12で表示された文字列の中から歌唱を中止したいタイミングに相当する文字を指定する(文字の指定。ステップ13)。
文字位置特定部200は、ステップ10で選曲された楽曲Aの文字列におけるステップ13で指定された文字の位置情報を特定する(位置情報の特定。ステップ14)。
文字位置特定部200は、ステップ14で特定された位置情報及びステップ10で選曲された楽曲Aの楽曲IDをカラオケ本体20に送信する(位置情報及び楽曲IDの送信。ステップ15)。
カラオケ本体20の演奏処理部300は、音響処理部24を制御し、ステップ15でリモコン装置10から送信された楽曲Aの楽曲IDに基づいて楽曲Aのカラオケ演奏を開始させる(演奏開始。ステップ16)。
一方、ステップ16におけるカラオケ演奏開始後、ステップ15で送信された位置情報に相当するタイミングが到来した場合(ステップ17でYの場合)、演奏処理部300は、楽曲Aのカラオケ演奏を中止させる(演奏中止。ステップ18)。
このように本実施形態に係るカラオケ装置1によれば、選曲された楽曲の歌詞に相当する文字列を表示させ、その中から利用者が任意の文字を指定することにより、演奏を中止するタイミングを自由に設定させることができる。また、本実施形態に係るカラオケ装置1は、指定された文字の位置情報に基づいてカラオケ演奏を中止させるため、カラオケ演奏の途中でテンポが変更された場合であっても、利用者が指定した文字で確実にカラオケ演奏を中止することができる。逆に言えば、本実施形態に係るカラオケ装置1は、文字の位置情報に基づいてカラオケ演奏を中止させるものであるため、テンポが変更されない場合であっても当然に利用可能である。
なお、歌詞テロップデータにおいて、文字列に含まれる文字を識別する態様は上記例に限られない。たとえば、文字番号は楽曲の最初の文字から通して付与されていてもよい。図3Bの例でいえば、楽曲Aの「見」は「1番」、「慣」は「2番」・・・・・・「その日から」の行の最後の文字である「ら」は、「34番」に相当する。
ここで、たとえば34番目の文字である「ら」(図3Bの文字番号「C0312」の「ら」)が指定された場合、文字位置特定部200は、「ら」の位置である「34番」を「位置情報P1」として特定する。この場合、演奏処理部300は、楽曲Aのカラオケ演奏を開始させると共に楽曲Aの歌詞テロップに含まれる文字列のうち、表示態様が変化した文字の数をカウントする。そして、演奏処理部300は、音響処理部24を制御し、表示態様が変化した文字が34番目に到達したタイミングでカラオケ演奏を中止させることも可能である。
<第1実施形態の変形例>
カラオケ演奏の中止設定は、演奏中であればいつでも可能である。たとえば、カラオケ演奏が開始された後に中止設定(文字の指定)を行うことも可能である。
或いは、一度設定した演奏時間の変更(中止するタイミングの変更)も可能である。たとえば、カラオケ演奏の中止設定を一旦行い、楽曲のカラオケ演奏が開始された後に、利用者がカラオケ歌唱をもう少し長い時間を行いたいと考えたとする。この場合、利用者は、図4Cに示した歌詞表示画面I2に表示された文字列の中から、先に指定した文字(たとえば、歌詞「眩しく映るのはなぜ」に含まれる「ぜ」)よりも後のタイミングで発音すべき文字(たとえば、歌詞「くらべてた」に含まれる「た」)を指定することができる。文字位置特定部200は、文字列の中から新たに指定された文字の位置を「位置情報P2」として特定する。文字位置特定部200は、カラオケ本体20に位置情報P2を送信する。演奏処理部300は、先に受信した位置情報P1を位置情報P2に更新し、位置情報P2に相当するタイミングが到来した時点で楽曲Aのカラオケ演奏を中止させる。
また、カラオケ演奏を中止した場合には、その後に文字の指定ができないようにすることも可能である。たとえば、演奏処理部300はカラオケ演奏の中止信号をリモコン装置10に送信する。当該中止信号に基づいて、表示制御部100は、楽曲Aの歌詞に相当する文字列を表示部13から消去する。
<第2実施形態>
図7及び図8を参照して、第2実施形態に係るカラオケ装置1について説明する。第1実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略する。
第1実施形態で述べたように、歌詞表示画面には楽曲の歌詞全てに相当する文字が表示される。ここで、第1実施形態の変形例のように、カラオケ演奏が開始された後に文字の指定を行う場合、歌詞表示画面に表示された文字の中には、既にカラオケ演奏が終了した区間に含まれる文字も存在する。このような文字を利用者が誤って指定した場合には、カラオケ演奏を中止することができない。本実施形態はカラオケ演奏開始後に中止設定を行う場合に、カラオケ演奏を中止できるタイミングを利用者に提示することが可能な構成について説明を行う。
本実施形態に係る表示制御部100は、文字列に含まれる文字のうち、所定のモードの選択がなされたタイミング以降のタイミングで発音すべき文字のみを表示させる。
たとえば、図4Aに示す予約画面I1において予約ボタンB1が選択された場合、表示制御部100は、通信部12を介して利用者が選曲した楽曲Aの楽曲IDをカラオケ本体20に送信する。そして、カラオケ本体20の演奏処理部300は、楽曲Aのカラオケ演奏を開始したとする(上述の通り、演奏処理部300は、楽曲Aの歌詞テロップに含まれる文字の表示態様を変化させる)。また、本実施形態に係る表示制御部100は、リモコン装置10の表示部13上に中止設定モード選択ボタンを表示させる。
ここで、利用者が中止設定モード選択ボタンを選択すると、表示制御部100は、その旨の信号(選択信号)をカラオケ本体20に送信する。この例では、楽曲Aのカラオケ演奏が「あなたに逢えたその日から」の文字が含まれる区間まで終了したタイミングXで中止設定モード選択ボタンの選択がなされたとする。
カラオケ本体20の演奏処理部300は、選択信号を受信した場合、タイミングXの時点において表示態様が変化した文字(「ら」)の位置情報P3をリモコン装置10に送信する。
表示制御部100は、受信した位置情報P3と楽曲Aの歌詞に相当する文字列に含まれる文字それぞれの位置情報とを比較し、位置情報P3以降のタイミングで発音すべき文字列を特定する。この例では、楽曲Aの文字列のうち、「眩しく映るのはなぜ」以降の文字列が特定されたとする。
表示制御部100は、歌詞表示画面I2において、楽曲Aの歌詞に相当する文字列のうち、位置情報P3以降のタイミングで発音すべき文字列のみを表示させる(図7参照)。利用者は表示された文字列の中から、第1実施形態と同様、任意の文字を指定することが可能となる。
==カラオケ装置の動作について==
次に、図8を参照して本実施形態に係るカラオケ装置1の動作の具体例について述べる。図8は、カラオケ装置1の動作例を示すフローチャートである。
利用者は、リモコン装置10を介し、歌唱を希望する楽曲Aを選曲する(楽曲の選曲。ステップ20)。
リモコン装置10は、ステップ20で選曲された楽曲Aの楽曲IDをカラオケ本体20に送信する(楽曲IDの送信。ステップ21)。
カラオケ本体20の演奏処理部300は、音響処理部24を制御し、ステップ21でリモコン装置10から送信された楽曲Aの楽曲IDに基づいて楽曲Aのカラオケ演奏を開始する(演奏開始。ステップ22)。
また、演奏処理部300は、ステップ22におけるカラオケ演奏開始から表示装置40に表示された歌詞テロップに含まれる文字の表示態様を変化させる(文字の表示態様を変化。ステップ23)。
カラオケ演奏開始後のあるタイミングにおいて、利用者はリモコン装置10を介して中止設定モードの選択を行う(中止設定モードの選択。ステップ24)。中止設定モードが選択された場合、表示制御部100は、その旨の選択信号をカラオケ本体20に送信する(選択信号の送信。ステップ25)。
演奏処理部300は、選択信号を受信した場合、ステップ24の時点において表示態様が変化した文字の位置情報をリモコン装置10に送信する(位置情報の送信。ステップ26)。
表示制御部100は、ステップ26で送信された位置情報と楽曲Aの歌詞に相当する文字列に含まれる文字それぞれの位置情報とを比較し、当該位置情報以降のタイミングで発音すべき文字列を特定する(文字列の特定。ステップ27)。
表示制御部100は、選曲された楽曲Aの歌詞に相当する文字列のうち、ステップ27で特定された文字列のみを表示させる(特定された文字列の表示。ステップ28)。
利用者は、操作部14を介し、ステップ28で表示された文字列の中から歌唱を中止したいタイミングに相当する文字を指定する(文字の指定。ステップ29)。
文字位置特定部200は、ステップ20で選曲された楽曲Aの文字列におけるステップ29で指定された文字の位置情報を特定する(位置情報の特定。ステップ30)。
文字位置特定部200は、ステップ30で特定された位置情報をカラオケ本体20に送信する(位置情報の送信。ステップ31)。
ステップ22におけるカラオケ演奏開始後、ステップ31で送信された位置情報に相当するタイミングが到来した場合(ステップ32でYの場合)、演奏処理部300は、楽曲Aのカラオケ演奏を中止させる(演奏中止。ステップ33)。
このように本実施形態に係るカラオケ装置1によれば、中止設定モードを選択した時点で既にカラオケ演奏が終了した区間に含まれる文字については、表示部13に表示させない。従って、利用者はカラオケ演奏を中止させることが可能なタイミングを把握しやすくなる。また、リモコン装置10では全ての歌詞を表示させる必要がないため、一画面に表示しやすくなる。従って、利用者はスクロールのような作業を行わなくともカラオケ演奏中止のタイミングを選択することが可能となる。
<第3実施形態>
第3実施形態に係るカラオケ装置1について説明する。第1実施形態等と同様の構成については詳細な説明を省略する。
第2実施形態の構成において、中止設定モードを選択した後に表示部13に表示された文字列を確認し、演奏を中止したいタイミングに相当する文字を指定するまでには時間を要する場合がある。一方、その間もカラオケ演奏は進行する。よって、文字を指定するまでに時間を要した場合には、第2実施形態の構成により表示された文字列の中にも、既にカラオケ演奏が終了した区間に含まれる文字が存在する可能性がある。本実施形態はこのような場合を考慮して、利用者に対してカラオケ演奏を中止できるタイミングを提示することが可能な構成について説明を行う。
本実施形態に係る表示制御部100は、所定のモードが選択された後に表示された文字を、カラオケ演奏の進行に合わせて消去する。
たとえば、第2実施形態と同様、カラオケ本体20の演奏処理部300が位置情報P3をリモコン装置10に送信したとする。
表示制御部100は、受信した位置情報P3と楽曲Aの歌詞に相当する文字列に含まれる文字それぞれの位置情報とを比較し、位置情報P3以降のタイミングで発音すべき文字列を特定する。
表示制御部100は、歌詞表示画面I2において、楽曲Aの歌詞に相当する文字列のうち、位置情報P3以降のタイミングで発音すべき文字列のみを表示させる(図7参照)。
一方、演奏処理部300は、位置情報P3を送信した後、リモコン装置10から特定された位置情報の送信が所定時間(たとえば数秒間)ない場合、その時点において表示態様が変化した文字の位置情報P4をリモコン装置10に送信する。
表示制御部100は、受信した位置情報P4と楽曲Aの歌詞に相当する文字列に含まれる文字それぞれの位置情報とを比較し、位置情報P3から位置情報P4までの間に含まれる文字列を特定する。この例では、楽曲Aの文字列のうち、「眩しく映るのはなぜ」の文字列が特定されたとする。
表示制御部100は、図7に示した歌詞表示画面I2において、楽曲Aの歌詞に相当する文字列のうち、位置情報P3から位置情報P4までの間に含まれる文字列「眩しく映るのはなぜ」を消去する。以降、特定された演奏時間の送信があるまで同様の処理を繰り返す。
なお、文字の消去のタイミングは、既にカラオケ演奏が終了している区間に含まれる文字を選択してしまうこと(誤選択)を防止する観点から様々な設定が可能である。たとえば、表示制御部100は、位置情報P4を受信した場合、位置情報P4よりも少し先の文字の位置(位置情報P5)を設定し、位置情報P3から位置情報P5までの間に含まれる文字列を特定し、その文字列を消去する。このように実際のカラオケ演奏よりも少し先の区間に含まれる文字列を予め消去しておくことにより、誤選択を確実に防止できる。
このように本実施形態に係るカラオケ装置1によれば、中止設定モードを選択した時点から所定時間が経過しても位置情報の特定がなされない場合には、カラオケ演奏の進行に合わせて文字列を順次消去することができる。従って、利用者はカラオケ演奏を中止させることが可能なタイミングをより把握しやすくなる。
<その他>
なお、リモコン装置10と同様の処理を、利用者が所有する携帯端末(スマートフォン、タブレット端末等)を介して実現することも可能である。この場合、リモコン装置10と同様の機能は、携帯端末にダウンロードしたアプリケーションで所定のプログラムを実行することにより実現できる。この場合、カラオケ装置1及び携帯端末が「カラオケシステム」の一例となる。
また、楽曲の歌詞テロップデータに区間情報を付加し、選曲した楽曲の歌詞の文字列を表示制御部100が表示させる時に、「Aメロ」、「Bメロ」、「サビ」、「間奏」等の付加情報を併せて表示させてもよい。このような付加情報を表示させることにより、利用者がカラオケ演奏を中止させる文字を指定する際に補助することができる。
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。