JP6748488B2 - 水中油型乳化組成物およびその製造方法 - Google Patents
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〔1〕 下記の成分(a)、成分(b)、成分(c)および成分(d)を含有する水中油型乳化組成物(グルタミン酸ポリペプチドおよびフルクタンから選ばれる一種以上の粘性物質を含む組成物を除く)であって、前記成分(a)の含有量が0.01〜3質量%であり、前記成分(b)の含有量が0.1〜50質量%であり、前記成分(c)の含有量が3〜15質量%であり、前記成分(d)の含有量が32〜98質量%であることを特徴とする、水中油型乳化組成物。
成分(a): 牛乳由来のタンパク質、小麦由来のタンパク質、大豆由来のタンパク質またはこれらの加水分解物であるポリペプチドであって、15質量%TCA(トリクロロ酢酸)可溶率が20〜60%であり、全アミノ酸組成におけるBCAA(分岐アミノ酸)含有率が10〜25mol%であるポリペプチド
成分(b): 25℃で液状の油剤
成分(c): グリセリンまたはソルビトール
成分(d): 水
本発明の水中油型乳化組成物は、下記の成分(a)〜(d)を含有する。
[成分(a)]
本発明の成分(a)は、天然由来のポリペプチドであって、15質量%TCA可溶率が20〜60%であり、全アミノ酸組成におけるBCAA(分岐アミノ酸;バリン、ロイシン、イソロイシン)含有率が10〜25mol%であるポリペプチドである。
BCAA含有率(mol%)=M1/M2×100 ・・・式(1)
(M1:BCAA(バリン、ロイシンおよびイソロイシン)に由来するピーク面積から求めたBCAAのモル数の合計
M2:試料中の全アミノ酸のピーク面積から求めたモル数の合計)
本発明の成分(b)は25℃で液状の油剤であり、本発明の組成物は、植物油、炭化水素油、合成エステル油、シリコーン油等のオイルの種類に依存せずゲル化できることが特徴の一つとして挙げられる。
エチルヘキシル、乳酸ミリスチル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセライド、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド等があげられる。シリコーン油としては、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルポリシロキサン、エチルポリシロキサン、エチルメチルポリシロキサン等が挙げられる。
本発明の成分(c)は、グリセリン、ソルビトールであり、特に好ましくはグリセリンである。1価または2価のアルコールでは、安定な水中油型乳化組成物を得ることができない。
本発明の成分(d)は水であり、化粧品や医薬品等で一般に使用されている水を使用することができる。例えば、イオン交換水や精製水などを使用することができる。
本発明の水中油型乳化物の調製方法としては、以下の方法が挙げられる。
(1) 組成物全量を高圧ホモジナイザー等の強力な機械力を用いて攪拌し、水中油型乳化物を得る。
組成物全量を高圧ホモジナイザー等で乳化する場合は、その方法は特に限定されるものではないが、一般的にはホモミキサー等で全量を予備乳化した後、高圧ホモジナイザー等で処理することで乳化物を得ることができる。
成分(d)を前添加成分(d1)と後添加成分(d2)とに分ける。成分(c)と前添加成分(d1)を混合して多価アルコール水溶液を得る。次いで、多価アルコール水溶液に成分(a)を添加してポリペプチド溶液を調製し、このポリペプチド溶液に成分(b)を添加してオイルゲルを得、このオイルゲルに対して後添加成分(d2)を添加して水中油型乳化組成物を得る。低エネルギーかつ高効率で乳化物を得られる点で、ゲル乳化法が好ましい。
本発明の水中油型乳化物の粒経、正確には油滴の粒径は、基本的に成分(c)の含有量に応じて制御することができる。成分(a)の含有量が一定である場合、成分(c)の含有量が少なければ乳化物の粒経は小さくなり、成分(c)の含有量が大きくなると乳化物の粒径も大きくなる。
としては、アシルグルタミン酸塩、アラニン誘導体、グリシン誘導体、アルギニン誘導体等が挙げられる。上記陰イオン性界面活性剤は、いずれも疎水基として炭素数8〜20のアルキル基又は
アルケニル基を有することが好ましい。これらの中では、生体への安全性や効率よく乳化物を微細化できる観点から高級脂肪酸塩、アシルグルタミン酸塩、アシルメチルタウレートが好ましい。
ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル; ポリグリセリン脂肪酸エステル; ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(硬化)ヒマシ油等のポリアルキレングリコール型;
ポリグリセリンアルキルエーテル、アルキルグリコシド等の多価アルコール型; 及び脂肪酸アルカノールアミドが挙げられる。これらの中では、生体への安全性や効率よく乳化物を微細化できる観点から、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(硬化)ヒマシ油、アルキルグルコシドが好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物は、皮膚もしくは毛髪に適量塗布し化粧料として用いられる他、原料を適切に選択することで、食品や医薬品、その他産業用途にも応用可能である。また、本発明の水中油型乳化組成物には、発明の効果を損なわない範囲でその他の成分を添加することができる。その他任意成分としては、アルコール類、成分(c)以外の多価アルコール、糖類、多糖類、アミノ酸、固体脂、ワックス、有機塩、無機塩、pH調整剤、キレート剤、抗酸化剤、殺菌剤、血流促進剤、抗炎症剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、ビタミン類、色素、顔料、香料などを適宜配合することができる。
<本発明に用いたポリペプチド>
実施例、比較例で用いた各ポリペプチドの種類、15%TCA可溶率、BCAA含有率および由来を、表1に示す。ポリペプチド1〜6が本発明の範囲に適合した成分(a)であり、ポリペプチド7〜13が本発明の範囲に適合しない比較成分(a´)である。
表2〜表5に示す処方に基づいて、全て100gスケールで、各例の乳化物を調製した。また、以下の二つの方法で乳化物を調製した。
200mLのビーカーに、成分(a)、成分(c)および前添加成分(d1)を投入し、スリーワンミキサーに装着したプロペラを用いて40±5℃で混合しながらポリペプチド溶液を調製した。プロペラでポリペプチド溶液を40±5℃で攪拌しながらゆっくりと成分(b)を投入し、オイルゲルを調製した。ここで、複数種類の成分(b)を用いる場合は、予め成分(b)同士を混合して投入した。また、乳化物の粒径を制御するために、界面活性剤を添加する場合は、オイルゲル形成後に投入することが好ましい。最後に、後添加成分(d2)をオイルゲルに投入し、水中油型乳化物を得た。
200mLのビーカーに全ての原料を投入し、ホモミキサー(6000rpm、5分、80℃)で予備乳化した。この予備乳化液を液高圧ホモジナイザー(40MPa、40±10℃)に1回通過させることで水中油型乳化物を得た。
調製した乳化物を100mLのスクリュー管に充填し、40℃の恒温槽に静置した。1ヶ月後、分離した水相の高さを測定し、下記の基準で判定した。AA、A、およびBを合格とした。尚、調製直後に分離が観察され、評価がEと判定されたエマルションについては、その後の評価を行わなかった。
AA : 分離した水相の高さが0mm以上、5mm未満
A : 分離した水相の高さが5mm以上、10mm未満
B : 分離した水相の高さが10mm以上、15mm未満
C : 分離した水相の高さが15mm以上、20mm未満
D : 分離した水相の高さが20mm以上
E : 調製直後に油水分離が確認された
専門パネラー20名による使用感テストを行った。調製した乳化物0.25gを手に取って手の甲に塗布してもらい、(1)塗布時のぬめり感、(2)塗布後の肌の滑らかさについて、パネラー各人が下記絶対評価にて4段階に評価した。そして、評点の合計からAA〜Dの5段階評価を行い、AA、AおよびBを合格とした。
AA : 評点の合計が50〜60点
A : 評点の合計が40〜49点
B : 評点の合計が30〜39点
C : 評点の合計が20〜29点
D : 評点の合計が20点未満
(絶対評価基準)
(評点):(評価)
3: 塗布時のぬめり感がなく、肌なじみが非常に良好
2: 塗布時のぬめり感があまりなく、肌なじみが良好
1: 塗布時のぬめり感がややあり、肌なじみが悪い
0: 塗布時のぬめり感があり、肌なじみが著しく悪い
(絶対評価基準)
(評点):(評価)
3: 塗布後の肌につるつると滑らかな感触が感じられる
2: 塗布後の肌につるつると滑らかな感触がやや感じられる
1: 塗布後の肌につるつると滑らかな感触があまり感じられないる
0: 塗布後の肌にきしみ感が感じられる
上記の方法により乳化物を調整し、評価を行った。表2〜表5に処方および結果を示す。
すなわち、比較例1〜8では、本発明の成分(a)以外のポリペプチドを使用しているため、本願の効果を全て満たす乳化物を調製できなかった。
成分: 配合率(質量%)
成分(a):ポリペプチド5(加水分解大豆タンパク) 0.50
成分(b):スクワラン 10.0
成分(b):オリーブ油 10.0
(その他油性成分)
ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル): 1.00
シア脂: 1.00
ミツロウ: 1.00
天然ビタミンE(d−δ−トコフェロール): 0.02
酢酸トコフェロール(酢酸dl−α−トコフェロール):0.02
香料: 0.20
成分(c):グリセリン 10.0
前添加成分(d1):水 2.50
ベタイン(トリメチルグリシン): 0.02
トレハロース: 0.02
ヒアルロン酸Na(1%水溶液): 0.01
EDTA−2Na: 0.01
ポリクオタニウム‐51(5%水溶液): 0.10
アスコルビルグルコシド: 0.01
ペンチレングリコール: 0.02
アラントイン: 0.01
グリチルリチン酸ジカリウム: 0.01
Claims (2)
- 下記の成分(a)、成分(b)、成分(c)および成分(d)を含有する水中油型乳化組成物(グルタミン酸ポリペプチドおよびフルクタンから選ばれる一種以上の粘性物質を含む組成物を除く)であって、前記成分(a)の含有量が0.01〜3質量%であり、前記成分(b)の含有量が0.1〜50質量%であり、前記成分(c)の含有量が3〜15質量%であり、前記成分(d)の含有量が32〜98質量%であることを特徴とする、水中油型乳化組成物。
成分(a): 牛乳由来のタンパク質、小麦由来のタンパク質、大豆由来のタンパク質またはこれらの加水分解物であるポリペプチドであって、15質量%TCA(トリクロロ酢酸)可溶率が20〜60%であり、全アミノ酸組成におけるBCAA(分岐アミノ酸)含有率が10〜25mol%であるポリペプチド
成分(b): 25℃で液状の油剤
成分(c): グリセリンまたはソルビトール
成分(d): 水
- 前記成分(d)が前添加成分(d1)と後添加成分(d2)とを含み、前記成分(c)と前記前添加成分(d1)を混合して多価アルコール水溶液を得、この際前記成分(c)と前記前添加成分(d1)の和に対する前記成分(c)の質量分率[(c/(c+d1))×100]が60〜99質量%であり、前記多価アルコール水溶液に前記成分(a)を添加してポリペプチド溶液を調製し、このポリペプチド溶液に前記成分(b)を添加してオイルゲルを得、このオイルゲルに対して前記後添加成分(d2)を添加して水中油型乳化組成物を得ることを特徴とする、請求項1記載の水中油型乳化組成物の製造方法。
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