JP6748093B2 - 黒色トリスアゾ色素、それらの調製およびそれらの使用 - Google Patents

黒色トリスアゾ色素、それらの調製およびそれらの使用 Download PDF

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Description

本発明は、新規なトリスアゾ黒色色素およびそれらの塩、それらの調製方法ならびに染色および印刷作業におけるそれらの使用に関する。本発明はまた、これらのトリスアゾ色素を含有する液体色素調製物、特に、インクジェット印刷用および筆記用具用の水性記録液に関する。
現代のインクジェットプリンタの速度は、経済的理由から着実に上昇しなければならない。かかるプリンタ用の特に好適な記録シートは、例えば、二酸化ケイ素(silicium dioxide)、酸化/水酸化アルミニウム、酸化アルミニウムまたはそれらの混合物などのナノ多孔質無機化合物を含む。かかる記録シートは「ナノ多孔質記録シート」として知られている。これらの記録シート上に印刷されるイメージは、悪条件下においてさえも良好な貯蔵安定性を有する必要がある。これは、きめ細やかなインクのシステム、それぞれその中に含有される色素の使用によってのみ達成することができる。
現在まで、これらのイメージは、要求される特性のすべてを満足するものではない。特に、これらの記録シート上に印刷されるイメージの、耐水性、耐光性、オゾン安定性、色調および明度は、満足なものではない。したがって、特に黒色色調を有する領域における、これらの記録シート上に印刷されるイメージの、上記の特性を改良するような、新たな色素が求められている。
これに加えて、工業用インクジェットは、包装および食品包装産業においてますます重要になっている。かかる部門においては、耐水性、耐光性および安全な成分の使用が、必須である。また、これらの特性が、使用される記録媒体に対して独立して同じであることも要求される。
非常に多数の黒色色素が既にインクジェット印刷用黒色色素として提案されている。しかし、要求される特性のすべてを満たすものはない。
これに加えて、色素は、良好な水溶性を示し、人体および環境に安全である必要がある。
以下の黒色色素が、工業用インクジェットプリンタにおいてしばしば用いられている。
式(I):
Figure 0006748093
(I)アシッドブラック1
を有するシー・アイ・アシッドブラック(C.I.Acid Black)1。
この色素は青みを帯び過ぎており、標準的普通紙に印刷した場合に、耐水性に劣る。
Figure 0006748093
(II)シー・アイ・ダイレクトブラック(C.I.Direct Black)19。
良好な耐水性を示すダイレクトブラック19は、通常、種々の副産物を含有する混合物として入手可能であり、試験されて変異原性であると記載されている(米国特許第5340929号明細書)。
非常に多数の黒色色素が、米国特許第5423906号明細書および米国特許出願公開第2012/0090503号明細書におけるように、インクジェット印刷用黒色色素として既に提案されている。しかし、要求される特性のすべてを満たすものはない。
様々なタイプのインク組成物が提案されている。典型的なインクは、1つ以上の色素または顔料、水、有機共溶媒およびその他の添加剤を含む。
インクは以下の基準を満たさなければならない。
(1)インクは、いずれのタイプの記録シート上にも優良品質のイメージを与える。
(2)インクは、良好な耐水性を示す印刷イメージを与える。
(3)インクは、良好な耐光性を示す印刷イメージを与える。
(4)インクは、良好なオゾン耐性を示す印刷イメージを与える。
(5)インクは、優れた汚れ挙動を示す印刷イメージを与える。
(6)インクは、高温多湿条件下で優れた貯蔵安定性を示す印刷イメージを与える。
(7)インクは、記録が長期間停止されている間キャップをせずに維持された場合であっても、インクジェットプリンタの噴射ノズルを詰まらせない。
(8)インクは、その質を低下させずに長期間貯蔵することができる。
(9)インクは、非毒性、不燃性かつ安全でなければならない。
本発明の目的は、黒色の、できる限りニュートラルな(neutral)色調を有する、新規な黒色トリスアゾ色素、ならびにそれらの、水性インク、特に、インクジェット印刷用および筆記用具用の記録液における使用を提供することである。それらは、イメージの調製のためのインクジェット印刷または迅速に乾燥するナノ多孔質記録シート上の着色において、特に有利である。高い着色強度を有するこれらの新規な黒色トリスアゾ色素は、水性製剤中での優れた溶解性を有し、それらは、特にインクジェット印刷において良好な全体的特性を有するイメージまたは着色を与え、それらは、鮮明な色調を有するイメージを提供し、イメージの鮮明さは、高温多湿条件下での長期間の貯蔵の間に低下しないか、わずかに低下するだけである。イメージはまた、良好な耐光性および優れたオゾン耐性を示し、にじみにくさもある。
本発明のさらなる目的は、いずれのタイプの記録シート上においてもスペクトル的に不変の色調を与える、液体色素調製物、特に、インクジェット印刷用および筆記用具用のインクを提供することである。
本発明のさらなる目的は、いずれもが、上記有利な特性のうち少なくともいくつか、好ましくはすべてを有する、色素および/または染色組成物、例えば、インク、記録液、織物用着色剤ならびに光学および/または光電子用途のためのカラーフィルタの製造用の染色液を製造する方法を提供することである。さらに、本発明の目的は、好ましくは揮発性有機溶媒を用いずに、少なくとも1つの色素を有する染色組成物、例えば、インク、記録液、または織物用着色剤を、基材に塗布する方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、上記の要求される特性のすべてを有するインクを提供することである。
本発明は、一般式(V):
Figure 0006748093
[式中、
Mは、水素原子、金属カチオン、または、それぞれ1〜18のC原子を有する1つ以上のアルキルもしくは置換アルキル基によって任意に置換されていてもよいアンモニウムカチオンを表し;
式中、
、Rは独立に、水素原子、SOM基、COOM基、ハロゲン原子、NO基、エステル基、それぞれ1〜6の炭素原子を有するアルキル−またはアルコキシ基、それぞれ12までの炭素原子を有する非置換または置換アミドまたはスルホンアミド基を表し、ここで、置換基は、COOM、OH、OCH、NH、Cl、COOCH、COOCHCH、CH、CHCHCOOM、(CHCOOMおよびCHOCHCOOMからなる群から選択され、
式中、
、Rは独立に、水素原子、それぞれ1〜6の炭素原子を有するアルキル−またはアルコキシ基、それぞれ6までの炭素原子を有する非置換または置換アミドまたはスルホンアミドまたはスルホンアミド基を表し、ここで、置換基は、COOM、OH、OCH、NH、Cl、COOCH、COOCHCH、CH、CHCHCOOM、(CHCOOMおよびCHOCHCOOMからなる群から選択され、
式中、
Aは、一般式(VI):
Figure 0006748093
(式中、
、R、R、R、R10は独立に、水素原子、SOM基、NO基、アミノ基、COOM基、ハロゲン原子、エステル基、それぞれ1〜2の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基、それぞれ6までの炭素原子を有する非置換または置換アミドまたはスルホンアミド基を表し、ここで、置換基は、COOM、OH、OCH、COOCH、COOCHCH、CH、CHCHCOOM、(CHCOOMおよびCHOCHCOOMからなる群から選択される;)
の部分を表すか、または、
Aは、一般式(VII):
Figure 0006748093
(式中、
oは、0または1であり、
そして、
11、R12、R13、R14は独立に、水素原子、SOM基、NO基、COOM基、6までの炭素原子を有する非置換または置換アミドまたはスルホンアミド基を表し、ここで、置換基は、COOM、OH、OCH、NH、Cl、COOCH、COOCHCH、CH、CHCHCOOM、(CHCOOMおよびCHOCHCOOMからなる群から選択される)
の部分を表す]
の新規なトリスアゾ色素に関する。
一般式(V)のトリスアゾ色素であって、式中、Mが、上記に定義される通りであり、
、Rが独立に、水素原子、SOM基、またはCOOM基、6までの炭素原子を有する非置換または置換アミドまたはスルホンアミド基を表し、ここで、置換基が、COOM、OH、OCH、NH、Cl、COOCH、COOCHCH、CH、CHCHCOOM、(CHCOOMおよびCHOCHCOOMからなる群から選択され;
、Rが独立に、水素原子、それぞれ1〜2の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基、6までの炭素原子を有する非置換または置換アミドまたはスルホンアミド基を表し、ここで、置換基が、COOM、OH、OCH、NH、Cl、COOCH、COOCHCH、CH、CHCHCOOM、(CHCOOMおよびCHOCHCOOMからなる群から選択され;
Aが、上記に定義される通り、一般式(VI):
Figure 0006748093
(式中、
、R10が独立に、水素原子、SOM基、NO基、COOM基(より好ましくは、独立に、水素原子、SOM基、NO基)を表し、
そして、
、Rが独立に、水素原子、COOM基を表し(より好ましくは両者が、水素原子を表し)、
そして、
が、水素基、SOM基、NO基、6までの炭素原子を有する置換アミドまたはスルホンアミド基を表し、ここで、置換基が、COOM、OH、OCH、NH、Cl、COOCH、COOCHCH、CH、CHCHCOOM、(CHCOOMおよびCHOCHCOOMからなる群から選択される(より好ましくは、SOM基、NO基、上記の通りの置換アミドまたはスルホンアミド基))
の部分を表すものが、好ましい。
一般式(V)のトリスアゾ色素であって、式中、Mが、上記に定義される通りであり、
、Rが独立に、水素原子、またはCOOM基を表し;
、Rが独立に、水素原子、それぞれ1〜2の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を表し;
Aが、上記に定義される通り、一般式(VI):
Figure 0006748093
(式中、
、R10が独立に、水素原子、SOM基、またはNO基を表し、
、Rが、水素原子を表し、
そして、
が、SOM基、NO基、6までの炭素原子を有する置換アミドまたはスルホンアミド基を表し、ここで、置換基が、CH、CHCHCOOM、(CHCOOMおよびCHOCHCOOMからなる群から選択される(もっとも好ましくは、Rが、NO基、NHCOCH基、NHCOCHCHCOOM基、NHCO(CHCOOM基またはNHCOCHOCHCOOM基を表す))
の部分を表すものが、さらにより特に好ましい。
金属カチオンとしては、アルカリ金属(Li、Na、K、Rb、Cs)のカチオン、アルカリ土類金属(Mg、Ca、Sr、Ba)のカチオン、および、それぞれ1〜4の炭素原子を有する1つ以上のアルキル基、または、それぞれ1〜6の炭素原子を有するヒドロキシ置換アルキルによって任意に置換されていてもよい、アンモニウムカチオンが、好ましい。
一般式(IV)のトリスアゾ色素の具体例は以下の通りであり、ここで、置換基Mは、表1において規定される通りである。
Figure 0006748093
Figure 0006748093
Figure 0006748093
Figure 0006748093
Figure 0006748093
Figure 0006748093
Figure 0006748093
Figure 0006748093
Figure 0006748093
Figure 0006748093
調製した一般式(V)のトリスアゾ色素を、それらの水溶液中の吸収極大とともに表1に列挙する。
Figure 0006748093
一般式(V)のトリスアゾ色素は、遊離酸形態におけるものであってもよく、または、それらの無機もしくは有機塩の形態におけるものであってもよい。好ましくは、それらは、それらのアルカリまたはアンモニウム塩の形態におけるものであり、ここで、アンモニウムカチオンは置換されていてもよい。かかる置換されたアンモニウムカチオンの例は、2−ヒドロキシエチルアンモニウム、ビス−(2−ヒドロキシエチル)−アンモニウム、トリス−(2−ヒドロキシエチル)−アンモニウム、ビス−(2−ヒドロキシエチル)−メチルアンモニウム、トリス−[2−(2−メトキシエトキシ)−エチル]−アンモニウム、8−ヒドロキシ−3,6−ジオキサオクチルアンモニウムおよびテトラアルキルアンモニウム、例えば、テトラメチルアンモニウムまたはテトラブチルアンモニウムである。
本発明は、一般式(V)の純粋なトリスアゾ色素に関するのみならず、これらのトリスアゾ色素の混合物にも関する。
本発明はまた、本発明による一般式(V)のトリスアゾ色素の調製方法にも関し、ここで、一般式(VIII):
Figure 0006748093
(式中、RおよびRは、上記に定義される通りである)のアミンを、ジアゾ化し、その後、一般式(IX):
Figure 0006748093
(式中、RおよびRは、上記に定義される通りである)の化合物と、一般式(X):
Figure 0006748093
の中間体色素の形成下、約1.0と3.0との間にあるpHの酸値にて、カップリングする。
一般式(X)の中間体色素(式中、R、R、RおよびRは、上記に定義される通りである)を、ジアゾ化し、その後、K酸と、一般式(XII):
Figure 0006748093
(式中、R、R、RおよびRは、上記に定義される通りであり、Mは、カップリング反応の間にpHを維持するために使用される塩基の金属カチオンである)の中間体色素の形成下、0.5と2.0との値の間にある酸性pHにて、カップリングする。
一般式(XII)の中間体色素を、さらに、一般式(XIII):
Figure 0006748093
(式中、R、R、R、RおよびR10は、上記に定義される通りである)
または、一般式(XIV):
Figure 0006748093
(式中、o、R11、R12、R13およびR14は、上記に定義される通りであり、Xは、ジアゾ化の間に用いられる酸のアニオンである)
のジアゾ化合物と、本発明による一般式(V)の色素の形成下、5.0と9.0との値の間にあるほぼ中性のpHにて、カップリングする。
本発明による一般式(V)のトリスアゾ色素は、セルロース含有材料、紙、綿、ビスコース、革およびウールを染色するのに用いられ、良好な耐水性および耐光性を有する染色材料を提供する。
実質的な色素による染色のための、好ましくは、規格または規格外の(sized or unsized)紙のバルクまたは表面処理のための、織物および紙産業において周知のあらゆる方法を、トリスアゾ色素に使用することができる。色素はまた、長浴(long liquor)からの抽出(exhaustion)プロセスによる、または、連続プロセスにおける、綿、ビスコースおよび麻の糸および反物の染色において使用することもできる。
本発明によるトリスアゾ色素は、記録シート、被覆または非被覆紙上へのテキストおよびイメージの記録、天然または合成繊維素材、ナノ多孔質記録シート、革およびアルミニウムの染色または印刷に、特に好適である。
本発明はさらに、少なくとも1つの一般式(V)のトリスアゾ色素を含む液体色素調製物に関する。かかる液体色素調製物の使用は、紙の染色に、特に好ましい。かかる安定な、液体、好ましくは水性の、濃縮色素調製物は、当該技術分野において周知の方法を用いることによって、好ましくは、好適な溶媒中に溶解することによって、得ることができる。かかる安定な水性の濃縮調製物の、色素合成それ自体の過程における、色素の中間体を単離することのない、例えば、反応液のダイアフィルトレーションによる脱塩工程の後の、調製の可能性は、特に有利である。
一般式(V)のトリスアゾ色素またはトリスアゾ色素の混合物は、インクジェット印刷用および筆記用具用のインクの調製のための優れた色素である。
本発明による、一般式(V)のトリスアゾ色素は、さらによりニュートラルな黒色色調を得るために、調色色素、特に、欧州特許出願第0755984号明細書、欧州特許出願第1219682号明細書、ならびに米国特許第5074914号明細書、米国特許第5684140号明細書および米国特許第5824785号明細書に記載されるような色素と組み合わせることができる。
かかるインクは、本発明によるトリスアゾ色素の1つ以上を液体水性媒体中に含む。インクは、インクの総重量に基づいて、0.5重量%〜20重量%、好ましくは0.5重量%〜8重量%のこれらのトリスアゾ色素を含有する。液体媒体は、好ましくは水または水と水混和性有機溶媒との混合物である。好適な溶媒は、例えば、米国特許第4626284号明細書、米国特許第4703113号明細書、米国特許第4963189号明細書および英国特許出願第2289473号明細書、欧州特許出願第0425150号明細書および欧州特許出願第0597672号明細書に示されている。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に記載するが、特許請求の範囲の化合物の範囲をなんら限定するものではない。
実施例1
トリスアゾ色素番号17を以下のようにして調製した。
色素のジアゾ成分
ジアゾ懸濁液A
30.8g(0.22モル)のアミノ安息香酸(98%ig)を室温で200mlの水に懸濁し、次いで、0℃と5℃との間の温度に冷却し、塩酸水溶液(37%)を0℃と10℃との間の温度で攪拌しながら10分間の期間をかけて滴下し、55mlの亜硝酸ナトリウム水溶液(4N)を、温度を10℃より低く維持しながらゆっくりと添加した。その後、攪拌を、1時間0℃と5℃との間の温度で続けた。過剰の亜硝酸を、その後、スルファミン酸との反応により除いた。
式(XXV)の色素の調製
28.3g(0.2モル)の5−メチル−o−アニシジン(97%)を200mlの水および22mlの塩酸水溶液(37%)に懸濁し、懸濁液を2時間室温で攪拌した。その後、懸濁液を5℃と10℃との間の温度に冷却した。
ジアゾ懸濁液Aを5−メチル−o−アニシジンの懸濁液に5℃と10℃との間の内部温度で30分間の期間をかけて、水酸化ナトリウム溶液(30%)の添加によりpHを0.5と1との間の値に維持しながら、添加した。添加を終結し、攪拌を18時間室温で続けた。
沈殿を濾別し、50mlの3.5%塩酸溶液で洗浄した。乾燥後、45.7gの式(XXV)の色素を得た。
Figure 0006748093
ジアゾ懸濁液B
14.3g(50ミリモル)の式(XXV)の色素を100mlの水および10mlのN−メチルピロリドンに、pHをNaOH30%溶液の添加により9.0の値に調整することにより、80℃で溶解した。
得られた溶液を次いで0℃〜5℃に冷却し、12.5mlの亜硝酸ナトリウム水溶液(4N)を添加した。攪拌しながら、13mlの塩酸水溶液(37%)を10分間の期間をかけて0℃と10℃との間の温度でゆっくりと滴下した。添加を終結し、攪拌をこの温度で2時間続けた。過剰の亜硝酸をその後、スルファミン酸との反応により除いた。
式(XXVI)のジアゾ色素の調製
21.3g(50ミリモル)のK酸(CAS:130−23−4)(75%)を、200mlの水および5mlの水酸化ナトリウム水溶液(30%)に懸濁した。懸濁液を次いで30分間室温で攪拌し、次いで5℃に冷却した。
ジアゾ懸濁液Bをこの懸濁液に、30分間の期間をかけて5℃と10℃との間の内部温度で、pHを酢酸ナトリウムの飽和溶液を同時に添加することにより1と2との間の値に維持しながら添加した。添加を終結し、攪拌を18時間室温で続けた。濃厚懸濁液を次いで80℃に加熱し、水酸化ナトリウム溶液(30%)の添加によりpHを9の値に調整して、溶液にした。熱い溶液を次いでセライトで清澄に濾過した。濾液に含有される色素(XXVI)を次いで、pHを酢酸の添加により6の値に低下させ、10gの塩化ナトリウムを添加することによって、沈殿させた。
中間体色素(XXVI)を次いで濾別し、50mlの水で洗浄した。乾燥後、26.4gの式(XXVI)の色素を得た。
Figure 0006748093
ジアゾ懸濁液C
30.8g(0.22モル)の4−アミノ安息香酸(98%)を200mlの水に懸濁し、次いで5℃と10℃との間の温度に冷却した。50mlの塩酸水溶液(37%)を懸濁液に、10分間の期間をかけて攪拌しながら滴下し、55mlの亜硝酸ナトリウム水溶液(4N)を0℃と10℃との間の温度を維持しながらゆっくりと添加した。過剰の亜硝酸をスルファミン酸との反応により除いた。
トリスアゾ番号17(17)の調製
7.4g(12ミリモル)の式(XXVI)の色素を100mlの水に懸濁し、0℃〜5℃に冷却した。その後、12ミリモルのジアゾ懸濁液Cを、懸濁液に、30分間の期間をかけて、温度を5℃より低く維持し、pHを水酸化ナトリウム溶液(20%)の同時添加により6.0〜7.5の値に維持しながら、ゆっくりと添加した。
添加を終結し、攪拌を2時間0℃と5℃との間の温度で続け、次いで室温まで昇温させた。2時間後、暗色溶液を清澄に濾過し、濾液をロータリーエバポレーターにより濃縮した。色素番号17を次いでメタノールの添加により沈殿させ、濾別した。
未精製の色素を60mlのエタノール水溶液(80%)により精製した。乾燥後、そのナトリウム塩の形態における6gの色素17を得た。
本発明によるトリスアゾ色素番号(10)〜(16)および(18)〜(40)は、例えば、トリスアゾ色素番号(31)〜(40)に関して以下に概要を述べるように、適切な出発物質を用いることにより、同様にして調製することができる。
(A)の調製は式(XXVI)の色素の調製と同様である(idem)。しかし、3−アミノ安息香酸およびm−トルイジンを、4−アミノ安息香酸および5−メチル−o−アニシジンの代わりに、それぞれ用いた。
Figure 0006748093
(B)の調製は式(XXVI)の色素の調製と同様である。しかし、m−トルイジンを5−メチル−o−アニシジンの代わりに用いた。
Figure 0006748093
(C)の調製は式(XXVI)の色素の調製と同様である。しかし、2,5−ジスルホン酸アニリン(disulfonic aniline)を4−アミノ安息香酸の代わりに用いた。
Figure 0006748093
(D)の調製は式(XXVI)の色素の調製と同様である。しかし、3−アミノベンゼンスルホン酸およびm−メトキシアニリンを、4−アミノ安息香酸および5−メチル−o−アニシジンの代わりにそれぞれ用いた。
Figure 0006748093
(E)の調製は式(XXVI)の色素の調製と同様である。しかし、4−[(4−アミノ−3−ニトロフェニル)アミノ]−4−オキソブタン酸およびm−トルイジンを、4−アミノ安息香酸および5−メチル−o−アニシジンの代わりにそれぞれ用いた。
Figure 0006748093
実施例2:化合物31
ジアゾ(C)および4−ニトロアニリン2スルホン酸を実施例1のジアゾ(XXVI)および4−アミノ安息香酸の代わりに用いた。
Figure 0006748093
実施例3:化合物32
ジアゾ(D)を実施例2のジアゾ(C)の代わりに用いた。
Figure 0006748093
実施例4:化合物33
ジアゾ(A)を実施例2のジアゾ(c)の代わりに用いた。
Figure 0006748093
実施例5:化合物34
4−[(4−アミノ−3−ニトロフェニル)アミノ]−4−オキソブタン酸を実施例4の4−ニトロアニリン2スルホン酸の代わりに用いた。
Figure 0006748093
実施例6:化合物35
ジアゾ(E)を実施例5のジアゾ(A)の代わりに用いた
Figure 0006748093
実施例7:化合物36
ジアゾ(B)を実施例5のジアゾ(A)の代わりに用いた。
Figure 0006748093
実施例8:化合物37
4−ニトロアニリン2スルホン酸を実施例7の4−[(4−アミノ−3−ニトロフェニル)アミノ]−4−オキソブタン酸の代わりに用いた。
Figure 0006748093
実施例9:化合物38
ジアゾ(A)および2−ニトロアニリン4−スルホン酸を、実施例8のジアゾ(B)および4−ニトロアニリン2−スルホン酸の代わりにそれぞれ用いた。
Figure 0006748093
実施例10:化合物39
4−[(4−アミノ−3−ニトロフェニル)アミノ]−4−オキソブタン酸を実施例9の2−ニトロアニリン4スルホン酸の代わりに用いた。
Figure 0006748093
実施例11:化合物40
3−{3−[(4−アミノ−3−ニトロフェニル)アミノ]−3−オキソプロポキシ}プロパン酸を実施例7の4−[(4−アミノ−3−ニトロフェニル)アミノ]−4−オキソブタン酸の代わりに用いた。
Figure 0006748093
インク調製の実施例
本発明を、インクに関する限り、表1に列挙する本発明によるトリスアゾ色素、および現状技術を代表する色素を使用して、以下の実施例により説明する。各色素について、100gのインクを、必要量の色素(4〜9g)、プロピレングリコール(5g)、ブチルカルビトール(5g)、Surfinol465(0.5g、Air Products(登録商標)から入手可能)および殺生物剤Mergal K10N溶液(0.2g、Riedel−de−Haen、ゼールツェ、ドイツから入手可能)を水とともにおよそ1時間攪拌しながら50℃の温度に加熱することにより調製した。結果として得られた溶液を20℃の温度に冷却し、そのpH値を7.5に調整し、溶液を0.5μm細孔径のMillipore(登録商標)フィルタを通過させた。色素量を、印刷イメージの光学密度がすべての色素について同様となるように調整した。
記録液塗布の実施例
記録液をその後、インクジェットプリンタCanon Pixma IP4300を用いて以下の記録シート上に印刷した:
1)START(登録商標)PRINT IT ALL高容量印刷用紙(75g/m2)
および、
2)HP(登録商標)印刷用紙(CHP150)。
試験
(A)耐光性
印刷したサンプルを6500Wのキセノンランプを備えたWeather−Ometer(登録商標)Ci4000(Atlas Material Testing Technology、シカゴ、米国から入手可能)を用いて、20℃の温度および50%の相対湿度にて、20メガルクス時間の照明に達するまで照射した。密度低下をデンシトメーターSpectrolino(登録商標)により測定した。初期密度のパーセント密度低下は、印刷した記録シート上の色素の耐光性の指標を与える。
(B)色座標
印刷したサンプルの色座標Lを、分光光度計Spectrolino(登録商標)(Gretag Macbeth、レーゲンスドルフ、スイスから入手可能)によって測定した。
(C)耐水性
パターンを記録媒体1および2上に印刷し、ISO試験18935:2005(E)、方法3−水浸漬に記載されているようにして、以下の点を相違させて試験した。
a.本試験における浸漬時間は、ISO18935:2005(E)では、浸漬時間が1時間と設定されているのと比較して、1分間に設定した;
b.黒色パターンのみを上記の手順に従って調製する。
まず、サンプル上の着色したパターンの光学密度(非浸漬パターンOD)をSpectrolino(登録商標)デンシトメーターにより、サンプルに印刷してから1日後に測定した。次いで、パターンを有するサンプルを脱イオン水に環境温度で1分間浸漬した。次いで、パターンを有するサンプルを取り出し、1時間乾燥させるために垂直に吊した。各サンプルについて別々の容器を用いて相互汚染を避けた。着色した水処理パターンの光学密度(浸漬パターンOD)をSpectrolino(登録商標)デンシトメーターによって測定した。計算パーセント耐水性を下記式にしたがって与える。
Figure 0006748093
光学密度低下の値が低いと、色素の耐水性が良好ということになる。
結果
本発明によるトリスアゾ色素ならびに現状技術を代表するトリスアゾ色素(I)および(II)のL(光源D65)の測定値を、表2に列挙する。
Figure 0006748093
表2における測定L値の比較により、本発明によるトリスアゾ色素を含有するインクは、トリスアゾ色素(I)を含有するインクにより印刷されたイメージ領域と比較して、より低いb値を有する黒色イメージ領域を与えることが直ちに示される。
本発明によるトリスアゾ色素はそれゆえ、現状技術を代表する色素(II)に匹敵する黒色のよりニュートラルな再現を可能とするため、特にインクジェット印刷において好適である。
表3における印刷したサンプルの測定密度低下の比較により、本発明によるトリスアゾ色素(12)および(14)は、現状技術を代表するトリスアゾ色素(I)および(II)と比較してかなり向上した耐光性を有することが直ちに示される。
Figure 0006748093
記録シート1および2上の耐水性(WF)を表4に列挙する。
Figure 0006748093
それぞれ表3および表4に報告する耐光性および耐水性に関して、色素12および14は市販の色素(I)と比べてかなりより良好な耐光性および耐水性を有し、現状技術を代表する市販の色素(II)と比べてさらにより良好な耐光性を有する。
これは、本発明によるトリスアゾ色素を用いた耐水性インクジェット印刷黒色イメージは、現状技術を代表する既知のトリスアゾ色素を含有する黒色イメージよりもかなり退色しにくいことを意味する。

Claims (17)

  1. 一般式(V):
    Figure 0006748093
    [式中、
    Mは、H、金属カチオン、アンモニウムカチオンN(H )からなる群から選択され、
    (ここで、
    各Rは、−H、1〜18の炭素原子を有する置換または非置換、飽和または不飽和脂肪族基からなる群から選択され、そして、
    kは、0、1、2、3、4から選択される整数であり、そして、
    m=4−kであり)、
    式中、
    、Rは独立に、水素原子、SOM基、COOM基、NO基、それぞれ12までの炭素原子を有する非置換または置換アミドまたはスルホンアミド基またはスルホン基を表し、ここで、置換基は、COOM、OH、OCH、NH、Cl、COOCH、COOCHCH、CH、CHCHCOOM、(CHCOOMおよびCHOCHCOOMからなる群から選択され、
    式中、
    、Rは独立に、水素原子、それぞれ1〜6の炭素原子を有するアルキル−またはアルコキシ基、それぞれ6までの炭素原子を有する非置換または置換アミドまたはスルホンアミド基を表し、ここで、置換基は、COOM、OH、OCH、NH、Cl、COOCH、COOCHCH、CH、CHCHCOOM、(CHCOOMおよびCHOCHCOOMからなる群から選択され、
    ただし、R及びRの少なくとも1つは水素原子ではなく、
    式中、
    Aは、一般式(VI):
    Figure 0006748093
    (式中、
    、R、R、R、R10は独立に、水素原子、SOM基、NO基、ニトリル基、アミノ基、COOM基、ハロゲン原子、エステル基、それぞれ1〜2の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基、それぞれ6までの炭素原子を有する非置換または置換アミドまたはスルホンアミド基またはスルホン基を表し、ここで、置換基は、COOM、Cl、OH、OCH、COOCH、COOCHCH、CH、CHCHCOOM、(CHCOOMおよびCHOCHCOOMからなる群から選択される;)
    の部分を表すか、
    または、Aは、一般式(VII):
    Figure 0006748093
    (式中、
    oは、0または1であり、そして、
    11、R12、R13、R14は独立に、水素原子、SOM基、NO基、COOM基、6までの炭素原子を有する非置換または置換アミドまたはスルホンアミド基を表し、ここで、置換基は、COOM、OH、OCH、NH、Cl、COOCH、COOCHCH、CH、CHCHCOOM、(CHCOOMおよびCHOCHCOOMからなる群から選択される;)
    の部分を表す]
    のトリスアゾ色素。
  2. Mが、請求項1において定義される通りであり、
    、Rが独立に、水素原子、SOM基、COOM基、それぞれ6までの炭素原子を有する非置換または置換アミドまたはスルホンアミド基を表し、ここで、置換基が、COOM、COOCH、COOCHCH、CH、CHCHCOOM、(CHCOOMおよびCHOCHCOOMからなる群から選択され、
    、Rが独立に、水素原子、それぞれ1〜2の炭素原子を有するアルキル−またはアルコキシ基、それぞれ6までの炭素原子を有する非置換または置換アミドまたはスルホンアミド基を表し、ここで、置換基が、COOM、OH、OCH、COOCH、COOCHCH、CH、CHCHCOOM、(CHCOOMおよびCHOCHCOOMからなる群から選択され、
    ただし、R及びRの少なくとも1つは水素原子ではなく、
    Aが、一般式(VI):
    Figure 0006748093
    (式中、
    、R10が独立に、水素原子、SOM基、NO基、COOM基を表し、
    そして、
    、Rが独立に、水素原子、COOM基を表し、
    そして、
    が、水素原子、SOM基、NO基、6までの炭素原子を有する置換アミドまたはスルホンアミド基またはスルホン基を表し、ここで、置換基が、COOM、OH、OCH、NH、Cl、COOCH、COOCHCH、CH、CHCHCOOM、(CHCOOMおよびCHOCHCOOMからなる群から選択される)
    の部分を表す、
    請求項1に記載の一般式(V)のトリスアゾ色素。
  3. M、R、R、R、Rが、請求項2において定義される通りであり、
    Aが、一般式(VI):
    Figure 0006748093
    (式中、
    、R10が独立に、水素原子、SOM基、NO基を表し、
    そして、
    、Rが、水素原子を表し、
    そして、
    が、SOM基、NO基、6までの炭素原子を有する置換アミドまたはスルホンアミド基を表し、ここで、置換基が、COOM、COOCH、COOCHCH、CH、CHCHCOOM、(CHCOOMおよびCHOCHCOOMからなる群から選択される)
    の部分を表す、
    請求項1または請求項2に記載の一般式(V)のトリスアゾ色素。
  4. Mが、請求項1において定義される通りであり、
    、Rが独立に、水素原子、またはCOOM基を表し、
    、Rが独立に、水素原子、それぞれ1〜2の炭素原子を有するアルキル−またはアルコキシ基を表し、ただし、R及びRの少なくとも1つは水素原子ではなく、
    Aが、一般式(VI):
    Figure 0006748093
    (式中、
    、R10が独立に、水素原子、SOM基、またはNO基を表し、
    そして、
    、Rが、水素原子を表し、
    そして、
    が、SOM基、NO基、6までの炭素原子を有する置換アミドまたはスルホンアミド基またはスルホン基を表し、ここで、置換基が、CH、CHCHCOOM、(CHCOOMおよびCHOCHCOOMからなる群から選択される)
    の部分を表す、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の一般式(V)のトリスアゾ色素。
  5. Mが、請求項1において定義される通りであり、
    、R、R、Rが、請求項4において定義される通りであり、
    Aが、前記一般式(VI)の部分を表し、そして、R、R、R、R10が、請求項4において定義される通りであり、
    そして、
    が、NO基、NHCOCH基、NHCOCHCHCOOM基、NHCO(CHCOOM基またはNHCOCHOCHCOOM基を表す、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の一般式(V)のトリスアゾ色素。
  6. 一般式(VIII):
    Figure 0006748093
    (式中、RおよびRは、請求項1において定義される通りである)
    のアミンをジアゾ化し、その後、一般式(IX):
    Figure 0006748093
    (式中、RおよびRは請求項1において定義される通りである)
    の化合物と、一般式(X):
    Figure 0006748093
    (式中、R、R、RおよびRは、請求項1において定義される通りである)
    の中間体色素の形成下、1.0と3.0との間にあるpHの酸値にてカップリングし、前記一般式(X)の中間体色素をジアゾ化し、その後、K酸(CAS:130−23−4)と、一般式(XII):
    Figure 0006748093
    (式中、R、R、RおよびRは請求項1において定義される通りであり、MはpH値を規定されるpH範囲に維持するためにカップリング反応の間に用いられる塩基のカチオンである)
    の中間体色素の形成下、0.5と2.0との間にあるpHの酸値にてカップリングし、この一般式(XII)の色素中間体を、その後、一般式(XIII):
    Figure 0006748093
    (式中、R、R、R、RおよびR10は、請求項1において定義される通りであり、Xは、ジアゾ化の間に用いられる酸のアニオンである)
    または一般式(XIV):
    Figure 0006748093
    (式中、o、R11、R12、R13およびR14は、請求項1において定義される通りであり、Xは、ジアゾ化の間に用いられる酸のアニオンである)
    のジアゾニウム化合物と、5.0と9.0との間にあるpHの中性の値にてカップリングし、一般式(V):
    Figure 0006748093
    の色素をもたらす、請求項1に記載の一般式(V)の発明のトリスアゾ色素の調製方法。
  7. 記録シート上にテキストまたはイメージを記録する方法であって、記録シート上に、請求項1から5のいずれか一項に記載の黒色トリスアゾ色素または黒色トリスアゾ色素の混合物を塗布することによる、方法。
  8. 天然または合成繊維素材、ナノ多孔質材料、または革を染色する方法であって、それらに、請求項1から5のいずれか一項に記載の黒色トリスアゾ色素または黒色トリスアゾ色素の混合物を塗布することによる、方法。
  9. 天然または合成繊維素材、ナノ多孔質材料、革、またはアルミニウムに印刷する方法であって、それらに、請求項1から5のいずれか一項に記載の黒色トリスアゾ色素または黒色トリスアゾ色素の混合物を塗布することによる、方法。
  10. 請求項1から5のいずれか一項に記載の少なくとも1つのトリスアゾ色素またはトリスアゾ色素の混合物を含む、インクジェット印刷用または筆記用具用の記録液。
  11. さらに1つ以上の他の色素を含む、請求項10に記載のインクジェット印刷用または筆記用具用の記録液。
  12. 請求項1から5のいずれか一項に記載の少なくとも1つのトリスアゾ色素またはトリスアゾ色素の混合物を含む、液体色素調製物。
  13. 液相が、該1つ以上のトリスアゾ色素を含み、前記液相中の該色素の量が、前記液相の総重量に基づいて0.5〜20重量%の範囲内にある、請求項1に記載の液体色素調製物。
  14. 前記液相が、さらに、以下の成分:N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、2−ヘキシルピロリドン、ヒドロキシエチル−ピロリドン、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール−モノブチルエーテル、トリエチレングリコール−モノブチルエーテル、ジプロピレングリコール−モノブチルエーテル、グリセリン、乳酸ブチル、スルホラン、グリコールエーテル溶媒、殺生物剤、の1つ以上を、前記液相の総重量に基づいて0.01〜50重量%の範囲にて含む、請求項1または1に記載の液体色素調製物。
  15. 液体水性媒体中に請求項1から5のいずれか一項に記載のトリスアゾ色素の1つ以上を含む液体を、基材上に塗布する方法であって、少なくとも以下の工程:
    a)基材を提供する工程、および、
    β)前記色素を含有する液体を含む貯蔵器を提供する工程、
    γ)前記色素を含有する液体の少なくとも一部を、前記貯蔵器から前記基材へと移す工程、および、
    δ)水、および該当する場合は他の任意の溶媒を、前記基材から除く工程、
    を含む、方法。
  16. A.基材と、
    B.請求項1から5のいずれか一項に記載の少なくとも1つのトリスアゾ色素を含む層と、
    を含む、印刷物。
  17. インクジェット印刷用または筆記用具用のインクにおける、または、光学または光電子用途のためのカラーフィルタの製造用の染色液における、請求項1から5のいずれか一項に記載の色素の使用。
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