JP6746968B2 - ラジアルころ軸受のスキュー角度計測方法及びラジアルころ軸受のスキュー角度計測装置 - Google Patents

ラジアルころ軸受のスキュー角度計測方法及びラジアルころ軸受のスキュー角度計測装置 Download PDF

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Description

本発明は、ラジアルころ軸受におけるころのスキュー角度を算出する、ラジアルころ軸受のスキュー角度計測方法及びラジアルころ軸受のスキュー角度計測装置に関する。
ラジアルころ軸受においては、その回転軸線に対するころの自転軸線が、正規の傾斜状態からズレる場合がある。この傾斜のズレであるスキュー角度を計測したいという要望がある。
従来においては、例えばラジアルころ軸受が円錐ころ軸受である場合、外輪の周方向の所定位置に軸方向に離間した2つのセンサを設け、両センサにて公転中の円錐ころの大端側と小端側との通過を個別に検知して、大端側と小端側との通過時刻差からスキュー角度を算出していた。しかし、この方法では、センサを配置した所定位置のみでしかスキュー角度を算出することができず、ころの公転位置に応じてスキュー角度を算出することができなかった。
そこで、特許文献1に開示されたころ軸受のスキュー測定装置においては、円錐ころ軸受に対して円錐ころの大端面の側において円錐ころ軸受の回転軸線方向に所定距離だけ離れた位置に照明光学系を配置して、照明光学系から円錐ころの大端面の公転軌道に対応する位置に向けて前記回転軸線に平行な円環状のレーザ光を照射する。そして、公転中の特定の円錐ころの大端面にてレーザ光が反射された反射光を受光し、その受光軌跡と基準軌跡とを比較してスキュー角度を算出する。この構成によれば、ころの公転位置に応じてスキュー角度を算出できる。
なお、円錐ころの大端面にて反射された反射光は、円錐ころ軸受の回転軸線に対する円錐ころの配置角度に起因して、当該回転軸線から遠ざかる方向に向かう。この反射光は、照明光学系の近傍において円錐ころ軸受と同軸に配置された円筒ミラーであって円錐ころの大端面にて反射された反射光を受光可能な内径を有する円筒ミラーにおける内周面に亘るミラーによって、前記回転軸線の側へ反射される。そして、前記回転軸の側へ反射された反射光は、CCDにて構成された受光手段にて受光される。
特許第3871244号公報
特許文献1に開示された技術においては、円錐ころからの反射光を直接受光することなく、円筒ミラーにて一旦反射させている。そのため、円筒ミラーの設置位置の微細な誤差に起因して、反射光の受光軌跡に誤差が生じる恐れがあり、結果として、スキュー角度に誤差が生じる恐れがある。スキュー角度は、極めて小さいため、高い精度にて算出することが求められる。
本発明の課題は、ラジアルころ軸受におけるころのスキュー角度を算出するに際して、ころの公転位置に応じてスキュー角度を算出し、かつ、スキュー角度の算出精度を向上させることにある。
上記の課題を解決するため、本発明におけるラジアルころ軸受のスキュー角度計測方法及びラジアルころ軸受のスキュー角度計測装置は、つぎの手段をとる。
本発明の第1の発明は、内輪軌道面が形成された円環状の内輪と、外輪軌道面が形成されて内輪と同軸に配置された外輪と、内輪軌道面と外輪軌道面との間に形成される環状空間において保持器とともに配設されて自転しながら公転する複数のころと、を有するラジアルころ軸受において、ラジアルころ軸受の回転軸線である軸受回転軸線に対するころの自転軸線の正規の傾斜状態からの傾斜のズレであるスキュー角度を測定する、ラジアルころ軸受のスキュー角度測定方法であって、光を透過する部材で形成された外輪と、照明光軸に平行な照明光である平行照明光を照射する照明装置と、平行照明光の反射光であって撮像光軸と平行な反射光のみを取り込むレンズを有する撮像装置と、撮像装置が撮像した撮像画像を処理する画像処理装置と、撮像光軸が軸受回転軸線と交差するように外輪の径方向外方に配置されているとともに、外輪を透過してころの転動面が撮像可能となるように配置された、撮像装置と、互いに交差する撮像光軸と軸受回転軸線とを含む仮想平面と照明光軸とが平行となるように配置されているとともに撮像装置に対向する位置のころにおける撮像装置の側の転動面に、外輪を透過した平行照明光が照射されるように配置された、照明装置と、を用いる。そして、外輪を固定した状態で内輪を軸受回転軸線回りに回転させて複数のころを、自転軸線回りに自転させながら、軸受回転軸線回りに公転させる、軸受回転ステップと、照明装置から前記平行照明光を照射する、照明光照射ステップと、撮像装置にて、当該撮像装置に対向している位置にあるころを、当該ころの転動面における平行照明光の反射光であって外輪を透過してきた反射光とともに撮像して撮像画像を取得する、撮像ステップと、撮像画像を撮像装置から画像処理装置に転送する、撮像画像転送ステップと、画像処理装置にて、転送された撮像画像中のころの転動面に線状となって撮像されている反射光を抽出する、反射光抽出ステップと、画像処理装置にて、抽出した反射光の位置と軸受回転軸線の位置との距離に基づいたころ位置と、軸受回転軸線に対する反射光の傾斜角度である測定傾斜角度と、ころ位置に対する正規の傾斜角度と、に基づいて、スキュー角度を求める、スキュー角度算出ステップと、を有する。
本発明の第2の発明は、第1の発明に記載のラジアルころ軸受のスキュー角度測定方法であって、外輪における撮像装置に対向する部位を、撮像光軸に対して直交する平面状に形成する。
本発明の第3の発明は、第1の発明または第2の発明に記載のラジアルころ軸受のスキュー角度測定方法であって、撮像装置配置ステップにおいて、撮像光軸が軸受回転軸線と直交するように撮像装置を配置する。
本発明の第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれか一つに記載のラジアルころ軸受のスキュー角度測定方法であって、撮像画像中のピクセルである実ピクセルには、反射光が撮像された反射光撮像ピクセルと、反射光が撮像されていない反射光非撮像ピクセルと、がある。そして、スキュー角度算出ステップにおいて、撮像画像中から、全ての反射光撮像ピクセルを含む反射光撮像領域を抽出し、当該反射光撮像領域を予め設定した倍率で拡大した仮想拡大領域を用意する。そして、仮想拡大領域にて、反射光撮像領域内の各実ピクセルを、複数のピクセルにて構成された仮想ピクセル集合体に置き換え、それぞれの反射光撮像ピクセルに対して、当該反射光撮像ピクセルにて検出された輝度値に応じた数の仮想点を有する仮想点群を、それぞれ用意し、用意したそれぞれの仮想点群を、仮想拡大領域内でバラ撒く。このバラ撒きの際は、それぞれの仮想点群の各仮想点を、当該仮想点群に対応する反射光撮像ピクセルを置き換えた仮想ピクセル集合体の中心から予め設定した広がり幅を有する予め設定した分布関数に基づいた分布密度となるように、仮想ピクセル集合体の中心から放射状にバラ撒く。そして、全ての反射光撮像ピクセルに対応する仮想点群を、仮想拡大領域内にバラ撒いた後、バラ撒かれた複数の仮想点に基づいた仮想直線を求め、求めた仮想直線を、反射光が抽出されたころの自転軸とみなし、軸受回転軸線に対する仮想直線の傾斜角度を、測定傾斜角度として求める。特定のころに関して、それぞれのころ位置における測定傾斜角度を求めた後、それぞれのころ位置と、それぞれのころ位置に対応する測定傾斜角度と、に基づいた回帰線を求め、それぞれのころ位置に対する回帰線の値を、それぞれのころ位置における正規の傾斜角度とみなし、それぞれのころ位置に対して、正規の傾斜角度と測定傾斜角度との差をスキュー角度とする。
本発明の第5発明は、内輪軌道面が形成された円環状の内輪と、外輪軌道面が形成されて内輪と同軸に配置された外輪と、内輪軌道面と外輪軌道面との間に形成される環状空間において保持器とともに配設されて自転しながら公転する複数のころと、を有するラジアルころ軸受において、ラジアルころ軸受の回転軸線である軸受回転軸線に対するころの自転軸線の正規の傾斜状態からの傾斜のズレであるスキュー角度を測定する、ラジアルころ軸受のスキュー角度測定装置であって、照明光軸に平行な照明光である平行照明光を照射する照明装置と、平行照明光の反射光であって撮像光軸と平行な反射光のみを取り込むレンズを有する撮像装置と、撮像処理装置が撮像した撮像画像であって撮像処理装置から転送された撮像画像中のころの転動面に線状となって撮像されている反射光を抽出し、かつ、抽出した反射光の位置と軸受回転軸線の位置との距離に基づいたころ位置と、軸受回転軸線に対する反射光の傾斜角度である測定傾斜角度と、ころ位置に対する正規の理想傾斜角度と、に基づいて、スキュー角度を求める、画像処理装置と、を有する。
第1の発明においては、ころの転動面からの反射光であって外輪を透過してきた反射光を、ミラーを用いることなく直接撮像して測定傾斜角度を求めることで、測定傾斜角度の算出精度が向上する。したがって、スキュー角度の算出精度が向上する。また、第1の発明においては、ころの転動面からの反射光に基づいて測定傾斜角度を求めるため、測定傾斜角度の測定精度が向上する。したがって、スキュー角度の算出精度が向上する。また、第1の発明においては、撮像画像からころの公転位置に対応するころ位置を算出し、そのころ位置での測定傾斜角度と正規の傾斜角度と、に基づいてスキュー角度を求めるため、ころの公転位置に応じたスキュー角度を算出できる。例えば、公転中の特定のころを連続的に撮像することで、当該特定のころのスキュー角度を経時的に求めることができる。
第2の発明においては、外輪における撮像装置に対向する部位が、撮像光軸に対して直交する平面状に形成されていることから、撮像装置は、ころの転動面からの反射光を当該反射光の歪みやぼやけを抑えて撮像できる。したがって、測定傾斜角度の算出精度が向上し、スキュー角度の算出精度が向上する。
第3の発明においては、撮像光軸が軸受回転軸線と直交していることから、撮像装置は、軸受回転軸線に対する反射光の傾きを適切に捉えることができる。したがって、測定傾斜角度の算出精度が向上し、スキュー角度の算出精度が向上する。
第4の発明においては、反射光が抽出されたピクセルのそれぞれに対応させて複数の仮想点をばら撒き、それらの仮想点の分布に基づいてころの自転軸線の位置を算出することから、例えば反射光が抽出されたピクセルの分布そのものに基づいてころの自転軸線の位置を算出する場合に比べて、ころの自転軸線の位置を算出するための標本数が増幅されている。したがって、ころの自転軸線の位置の信頼性が高まり、測定傾斜角度の算出精度が向上する。この結果、スキュー角度の算出精度が向上する。
第5の発明においては、ころの転動面からの反射光であって外輪を透過してきた反射光を、例えばミラーを用いることなく直接撮像して測定傾斜角度を求めることで、測定傾斜角度の算出精度が向上する。したがって、スキュー角度の算出精度が向上する。また、第5の発明においては、ころの転動面からの反射光に基づいて測定傾斜角度を求めるため、測定傾斜角度の測定精度が向上する。したがって、スキュー角度の算出精度が向上する。また、第5の発明においては、撮像画像からころの公転位置に対応するころ位置を算出し、そのころ位置での測定傾斜角度と正規の傾斜角度とに基づいてスキュー角度を求めるため、ころの公転位置に応じたスキュー角度を算出できる。例えば、公転中の特定のころを連続的に撮像することで、当該特定のころのスキュー角度を経時的に求めることができる。
ラジアルころ軸受のスキュー角度計測装置の斜視図である。 ラジアルころ軸受の斜視図である。 外輪の斜視図である。 ラジアルころ軸受のスキュー角度計測装置の側面図であり、ラジアルころ軸受に対する撮像装置と照明装置の配置位置を説明する図である。 ラジアルころ軸受のスキュー角度計測装置の上面図であり、ラジアルころ軸受に対する撮像装置と照明装置の配置位置を説明する図である。 撮像画像の例を表した図である。 特定のころが公転する様子を表した外輪の側面図である。 撮像画像の例を表した図である。 撮像画像の例を表した図である。 ラジアルころ軸受のスキュー角度計測方法の各ステップを表したフローチャートである。 画像処理装置の処理手順を表したフローチャートである。 時刻t(1)における撮像画像の例を表した図である。 図12のXIII領域をピクセル単位で表した図である。 仮想拡大領域の一部を表した図である。 仮想ピクセル集合体に仮想点をばら撒いた例を表した図である。 仮想ピクセル集合体に仮想点をばら撒いた例を表した図である。 仮想点の分布密度に対応する正規分布を表した図である。 全ての反射光仮想ピクセル集合体に対応させて仮想点をばら撒いた図である。 図18において測定傾斜角度ところ位置とを算出した図である。 測定傾斜角度ところ位置とをプロットした例を表した図である。 スキュー角度ところ位置とをプロットした例を表した図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。図1に示すラジアルころ軸受のスキュー角度計測装置1は、ラジアルころ軸受50におけるころ90のスキュー角度を計測する装置である。以下、ころ90のスキュー角度を単にスキュー角度と記す。スキュー角度は、ラジアルころ軸受50の回転軸線である軸受回転軸線50Jに対する、ころ90の自転軸線の正規の傾斜状態からの傾斜のズレである。なお、ころ90は、後述する内輪60と外輪70とで挟まれているため、計測されるスキュー角度は主としてラジアルころ軸受50の周方向(ころ90の公転方向)に関する角度である。
ラジアルころ軸受50は、図2に示すように、内輪60と外輪70と保持器80ところ90とを有する。内輪60は円環状である。内輪60の外周部には、周方向に亘る内輪軌道面62が形成されている。外輪70の外側の形状は、図3に示すように直方体状に構成されており、対向する2面に亘る円錐台形状の貫通孔70Hを有する。この貫通孔70Hは、内輪60と同軸で配置されており、当該貫通孔70Hの周壁は内輪軌道面62と対向した外輪軌道面72を構成している。貫通孔70H及び内輪60の中心軸線が、軸受回転軸線50Jに対応している。なお、外輪70は、光を透過する部材で形成されており、その材質は、例えばアクリル、ガラス、サファイアである。ころ90は、円錐ころであり、内輪軌道面62と外輪軌道面72との間に形成される環状空間において保持器80とともに配設されている。ころ90は、内輪軌道面62及び外輪軌道面72の周方向に等間隔で複数設けられている。ころ90は、その外周面である転動面92にて内輪軌道面62及び外輪軌道面72を転動する。ラジアルころ軸受50においては、外輪70を固定した状態で内輪60を軸受回転軸線50J回りに回転させることで、各ころ90が自身の自転軸線回りに自転しながら軸受回転軸線50J回りに公転する。以下、内輪60を回転させた状態をラジアルころ軸受50の動作状態とする。ラジアルころ軸受50の動作状態は、図示しない制御手段によって制御される。
ラジアルころ軸受のスキュー角度計測装置1は、図1,4,5に示すように、照明装置10と撮像装置20と画像処理装置30とを有する。照明装置10と撮像装置20とはそれぞれ、後述の照明装置配置ステップと撮像装置配置ステップとにて図1,4,5に示す使用位置にセットされる。画像処理装置30は、予め所定の使用位置にセットされている。以下、各機器10,20,30が使用位置にあるものとしてそれぞれを説明する。なお、図4,5では、図1に示した内輪60と保持器80とが省略されている。また、図4では、外輪70が断面図によって示されている。
照明装置10は、図4,5に示すように、自身の光軸である照明光軸10Jに平行な照明光である平行照明光Waを照射できる。照明装置10は、例えば、凸レンズ14と、凸レンズ14の焦点距離Nに対応する位置に配置された点光源12と、を有する。点光源12から照射された照射光は、凸レンズ14を通じて平行照明光Waとなる。凸レンズ14と点光源12とは、照明光軸10J上に配置されている。照明装置10は、照明光軸10Jと、後述の撮像光軸20Jと軸受回転軸線50Jとを含む仮想平面Y(図1,4参照)と、が平行となるように配置されている。撮像光軸20Jと軸受回転軸線50Jとは互いに交差している。照明装置10は、後述する撮像装置20と対向する位置にあるころ90Aにおける撮像装置20の側の転動面92に、外輪70を透過した平行照明光Waが照射されるように配置されている。照明装置10は、撮像装置20に対向する位置にあるころ90Aに平行照明光Waを向けて照射する。照明装置10は、図示しない制御手段によって照明機能を制御される。
撮像装置20は、図4,5に示すように、自身の光軸である撮像光軸20Jと平行な平行光のみを取り込むレンズ22を有する。レンズ22は、例えばテレセントリックレンズであり、例えば複数のレンズ群にて構成されている。レンズ22は、撮像光軸20J上に配置されている。撮像装置20は、撮像光軸20Jが軸受回転軸線50Jと直交するように外輪70の径方向外方に配置されているとともに、外輪70を透過してころ90Aの転動面92が撮像可能となるように配置されている。また、撮像装置20は、外輪70の一側面である対向面74と対向している。対向面74は平面状に構成されている。撮像光軸20Jは対向面74と直交している。
撮像装置20は、自身に対向している位置にあるころ90Aを反射光Wbとともに撮像して撮像画像を取得し、かつ、取得した撮像画像を画像処理装置30に転送する。反射光Wbは、平行照明光Waがころ90Aの転動面92にて反射されたものであり、外輪70を透過して撮像装置20に到達する。なお、撮像装置20は、画像処理装置30と情報を送受信できるように構成されており、例えば画像処理装置30によって動作を制御される。撮像装置20は、例えば100[fp]以上のフレームレートで画像を撮像可能な、いわゆるハイスピードカメラであることが好ましい。
画像処理装置30は、例えばパーソナルコンピュータであり、撮像装置20に制御信号を出力して撮像装置20を撮像動作させるとともに、撮像装置20にて撮像した撮像画像を自身に転送させる。また、画像処理装置30は、表示画面30aを有し、当該表示画面30aに撮像画像を表示できる。図6は、撮像画像の一例を示している。撮像画像Fにおいては、撮像装置20に対向している位置にあるころ90Aが後述の反射光撮像ピクセル領域RPXAとともに撮像されている。なお、図6においては、撮像装置20に対向する位置にあるころ90Aのみが撮像された例を示しているが、撮像画像においてはころ90Aに隣り合うころ90が映りこんでいてもよい。撮像画像Fにおけるu軸は、撮像光軸20Jと軸受回転軸線50Jとに直交している。v軸は、撮像光軸20Jに直交し、かつ、軸受回転軸線50Jと平行に配置されている。軸受回転軸線50Jは、撮像画像Fにおいてu軸方向の中心に位置している。撮像画像Fにおいては、例えば軸受回転軸線50Jの位置を表示するように設定されている。
画像処理装置30は、撮像画像F(図6参照)に撮像されている反射光撮像ピクセル領域RPXAを抽出する。かつ、画像処理装置30は、ころ位置と、正規の傾斜角度θWと、測定傾斜角度θMと、に基づいて、スキュー角度θSを算出する。ころ位置は、抽出した反射光撮像ピクセル領域RPXAの重心位置Gと軸受回転軸線50Jの位置との距離に基づいている。正規の傾斜角度θWは、算出したころ位置における軸受回転軸線50Jに対する反射光撮像ピクセル領域RPXAの正規の傾斜角度である。測定傾斜角度θMは、軸受回転軸線50に対する反射光撮像ピクセル領域RPXAの実際の傾斜角度である。重心位置G、ころ位置、正規の傾斜角度θW、測定傾斜角度θM、スキュー角度θSの具体的な算出方法については、後述するラジアルころ軸受のスキュー角度計測方法にて詳しく説明する。
以上に説明したラジアルころ軸受のスキュー角度計測装置1においては、撮像装置20としてハイスピードカメラを用いて公転中の特定のころ90を連続して撮像し、時刻毎の撮像画像のそれぞれに関してスキュー角度を求めることで、当該特定のころ90に関するスキュー角度の経時的な変化を求めることができる。なお、撮像装置20から見た場合の、特定のころ90の軸受回転軸線50Jに対する傾斜角度は、当該特定のころ90の公転に伴って変化する。この傾斜角度の変化の様子が、図7に示されている。図7に示すころ190,191,192,193は、全て同一のころ90である。ころ90は、太矢印で示す公転に伴って、ころ190の位置からころ191の位置へ、ころ191の位置からころ192の位置へ、ころ192の位置からころ193の位置へ、と移動する。自転軸線90Jの軸受回転軸線50Jに対する傾斜角度は、ころ190の位置からころ191の位置に向けて徐々に小さくなり、やがてころ193の位置に向けて反対方向へ大きくなる。したがって、特定のころ90を連続撮像した場合、例えば図6に示した撮像画像Fに引き続く撮像画像として、図8に示す撮像画像F2や図9に示す撮像画像F3が得られる。
つづいて、ラジアルころ軸受のスキュー角度計測方法について説明する。ラジアルころ軸受のスキュー角度計測方法は、図10に示すように、撮像装置配置ステップZ1と、照明装置配置ステップZ2と、軸受回転ステップZ3と、照明光照射ステップZ4と、画像処理装置制御ステップZ5と、を有する。画像処理装置制御ステップZ5は、撮像ステップZ5aと、撮像画像転送ステップZ5bと、反射光抽出ステップZ5cと、スキュー角度算出ステップZ5dと、を有する。
撮像装置配置ステップZ1では、作業者が、撮像装置20(図4,5参照)を上述の使用位置にセットする。この後、作業者は、照明装置配置ステップZ2にて、照明装置10を上述の使用位置にセットする。そして、作業者は、軸受回転ステップZ3にて、ラジアルころ軸受50を動作状態とする。この後、作業者は、照明光照射ステップZ4にて、照明装置10をオンにする。この結果、平行照明光Waがころ90Aに向けて照射される。この後、作業者は、画像処理装置30を起動する。すると、画像処理装置30が画像処理装置制御ステップZ5を行う。この画像処理装置制御ステップZ5における画像処理装置30の処理手順を図11に示すフローチャートを用いて説明する。
作業者が画像処理装置30を起動すると、画像処理装置30は、ステップS010へと処理を進める。ステップS010にて画像処理装置30は、作業者からの各種の入力待ち状態となり、作業者からの各種の入力が完了すると、ステップS015に進む。例えば作業者からの入力には、画像数(r)、有効輝度値、分布関数、仮想直線算出法がある。
・画像数(r):撮像装置20の連続撮像回数であり、時刻t(1)〜時刻t(r)の間に撮像された回数に相当する。本実施形態では、例えば100[fp]の撮像スピードの撮像装置に対してr=25と設定したものとする。この場合、撮像装置20は、0.01[sec]毎に25枚の画像を撮像する。各撮像画像は、時刻t(1)〜時刻t(25)のそれぞれのタイミングで撮像される。
・有効輝度値:撮像画像中において、反射光の輝度が高い領域を特定するための輝度の閾値である。有効輝度値よりも高い輝度を有するピクセルが、後述の反射光撮像ピクセルRPXとして定義される。
・分布関数:後述の各反射光仮想ピクセル集合体RBに対応させて仮想点mをばら撒く(後述参照)際の、仮想点mの分布密度を決定するための関数である。本実施形態では、予め設定された広がり幅を有する正規分布の確率密度関数が設定されたものとする。確立密度関数D(x)は、つぎの式(1)で与えられる。

Figure 0006746968


m:次元数。本実施形態では2である。
x:確立変数(m次元ベクトル)。本実施形態では、u軸及びv軸の2次元座標系における各座標位置x=(u,v)を指す(図17参照)。
μ:各確率変数の平均値(m次元ベクトル)。本実施形態では、u軸及びv軸のそれぞれにおいて0であり、μ=(0,0)である。図17においては、原点0の位置が、μ=(0,0)に対応している。
S:分散共分散行列。各確率変数の標準偏差(m次元ベクトル)、及び各確率変数間の相関係数から算出されるものであり、予め設定されている。

・仮想直線算出法:各反射光仮想ピクセル集合体RBに対して仮想点mをばら撒いた後、ばら撒かれた仮想点群の分布傾向を表す仮想直線mLを算出するための算出方法である。本実施形態では、主成分分析が設定されたものとする。
ステップS015にて画像処理装置30は、時刻t(1)〜時刻t(r)のそれぞれのタイミングで、撮像装置20を撮像動作させる。撮像装置20は、時刻t(1)〜時刻t(r)のそれぞれのタイミングで、当該撮像装置20自身に対向している位置にあるころ90A(図4,5参照)を、当該ころ90Aの転動面92における平行照明光Waの反射光Wbであって外輪70を透過してきた反射光Wbとともに撮像して撮像画像を取得する。このステップS015が、図10に示す撮像ステップZ5aに相当する。画像処理装置30は、撮像装置20の撮像が終了すると、ステップS020に進む。なお、撮像装置20にて撮像されるころ90Aは、特定の一つのころ90であるものとする。
ステップS020にて画像処理装置30は、r枚の撮像画像を撮像装置20から自身に転送させる。このステップS020が、図10に示す撮像画像転送ステップZ5bに相当する。画像処理装置30は、各撮像画像の転送が終了すると、ステップS025に進む。
ステップS025にて画像処理装置30は、時刻に対応させた変数sに1を代入して(時刻t(1)を設定して)、ステップS030に進む。本実施形態では、例えばs=1の場合は時刻t(1)を表し、s=2の場合は時刻t(2)を表し、s=rの場合は時刻t(r)を表している。
ステップS030にて画像処理装置30は、表示画面30aに、時刻t(s)における撮像画像F[t(s)]を表示する。図12は、時刻t(1)における撮像画像F[t(1)]の例を示している。図12のハッチングは、後述する反射光撮像ピクセル領域RPXAを示している。反射光撮像ピクセル領域RPXAは、撮像画像F[t(1)]中のころ90Aの転動面92において自転軸線90Jに沿って線状に延びている。この後、画像処理装置30は、ステップS035に進む。
ステップS035にて画像処理装置30は、撮像画像F[t(s)]の中から上述の有効輝度値に基づいて反射光撮像ピクセルRPXを抽出する。図13は、図12の点線XIIIの領域をピクセル単位で表した例である。なお便宜上、図13においては、各ピクセルの位置を基準として、u軸方向に関して1〜10、v軸方向に関してa〜pの座標位置を付している。この後説明する図14〜16において、図13と対応する位置には、図13と同一の座標位置を付している。図13に示すように、撮像画像F[t(1)]中のピクセルである実ピクセルpx1には、反射光撮像ピクセルRPXと反射光非撮像ピクセルNPXとがある。反射光撮像ピクセルRPXは、有効輝度値以上の輝度値を有する反射光が撮像されているピクセルである。反射光非撮像ピクセルNPXは、有効輝度値以上の輝度値を有する反射光が撮像されていないピクセルである。図13では、反射光撮像ピクセルRPXが太実線にて示されている。画像処理装置30は、撮像画像F[t(1)]の中から、反射光撮像ピクセルRPXを抽出する。この反射光撮像ピクセルRPXを全てまとめた領域が図12に示す反射光撮像ピクセル領域RPXAである。この後、画像処理装置30は、ステップS040に進む。なお、ステップS030が図10に示す反射光抽出ステップZ5cに相当する。
ステップS040にて画像処理装置30は、全ての反射光撮像ピクセルRPXを含む領域である反射光撮像領域RAを抽出する。図13では、反射光撮像領域RAを点線にて示している。なお、反射光撮像領域RAは、軸受回転軸線50Jを含むものとする。この後、画像処理装置30は、ステップS045に進む。
ステップS045にて画像処理装置30は、反射光撮像領域RAを、予め設定した倍率で拡大して表示画面30aに表示する。この拡大して表示された反射光撮像領域RAを仮想拡大領域EAと記す。図14は、仮想拡大領域EAの一部を表している。仮想拡大領域EAにおいては、拡大前の撮像画像F[t(1)]における各ピクセルである各実ピクセルpx1が、複数のピクセルpx2にて構成された各仮想ピクセル集合体Bに置き換えられている。ピクセルpx2は、拡大後における表示画面30a上の各ピクセルである。なお、仮想ピクセル集合体Bのうち、反射光撮像ピクセルRPXに対応するものを反射光仮想ピクセル集合体RB(図14の太実線)と記し、反射光非撮像ピクセルNPXに対応するものを非反射光仮想ピクセル集合体NB(図14の細実線)と記す。画像処理装置30は、ステップS045を完了すると、ステップS050に進む。
ステップS050にて画像処理装置30は、各反射光仮想ピクセル集合体RB(図14参照)に対応させて以下に説明する仮想点mのばら撒きを行う。まず、画像処理装置30は、各反射光仮想ピクセル集合体RBに対して、当該反射光仮想ピクセル集合体RBの輝度値に応じた数の仮想点mを有する仮想点群mgを用意する。そして、画像処理装置30は、用意した仮想点群mgを、対応する反射光仮想ピクセル集合体RBまわりにばら撒く。このばら撒きに際しては、ステップS010にて設定した分布関数(本実施形態では、正規分布の確率密度関数)に基づいて仮想点mがばら撒かれる。以下に、図14にてハッチングで示す2つの反射光仮想ピクセル集合体RB1,RB2を例として、仮想点群mgのばら撒き方を説明する。
図15は、反射光仮想ピクセル集合体RB1を中心とした9つの仮想ピクセル集合体を示している。図16は、反射光仮想ピクセル集合体RB2を中心とした9つの仮想ピクセル集合体を示している。画像処理装置30は、例えば、図15に示す反射光仮想ピクセル集合体RB1に対しては、当該反射光仮想ピクセル集合体RB1の輝度値に応じたn1個の仮想点mを有する仮想点群mg1を用意する。一方、画像処理装置30は、図16に示す反射光仮想ピクセル集合体RB2に対しては、当該反射光仮想ピクセル集合体RB2の輝度値に応じたn2個の仮想点mを有する仮想点群mg2を用意する。ここで、反射光仮想ピクセル集合体RB1の輝度値は、反射光仮想ピクセル集合体RB2の輝度値よりも高いものとする。この場合、n1>n2となる。図15に示すように、仮想点群mg1は、反射光仮想ピクセル集合体RB1の中心から所定の広がり幅SWに設定された2次元の正規分布に基づいた分布密度となるように、反射光仮想ピクセル集合体RB1の中心から放射状にばら撒かれる。同様にして、仮想点群mg2は、反射光仮想ピクセル集合体RB2の中心から所定の広がり幅SWに設定された2次元の正規分布に基づいた分布密度となるように、反射光仮想ピクセル集合体RB2の中心から放射状にばら撒かれる。各仮想点mは、各ピクセルpx2に配置される。図15,16に示すように、両仮想点群mg1,mg2は、それぞれの反射光仮想ピクセル集合体RB1,RB2の中心から一定の範囲に対して同一の分布密度でばら撒かれる。ただし、上述のとおり、両仮想点群mg1,mg2では、仮想点mの数が異なる。
図17は、両仮想点群mg1,mg2をばら撒く際の、正規分布の例を示している。図17の原点0は、それぞれの反射光仮想ピクセル集合体RB1,RB2の中心に対応している。
画像処理装置30は、以上に説明した仮想点mのばら撒きを、全ての反射光仮想ピクセル集合体RBに対応させて実施する。図18は、全ての各反射光仮想ピクセル集合体RBに対応させて仮想点mをばら撒いた例を、仮想拡大領域EAの全域にて示している。なお、図18においては、反射光仮想ピクセル集合体RBを太実線にて示し、非反射光仮想ピクセル集合体NBを細実線にて示している。以下、ばら撒かれたすべての仮想点mをまとめて、ばら撒き仮想点群mmと記す。画像処理装置30は、全ての反射光仮想ピクセル集合体RBに対応させて仮想点mのばら撒きを行った後、ステップS055に進む。
ステップS055にて画像処理装置30は、ばら撒き仮想点群mmの分布傾向を表す仮想直線mLと、ばら撒き仮想点群mmの重心位置G(u1,v1)と、を求める。図19には、算出された仮想直線mLを示している。この仮想直線mLは、ステップS010にて設定された仮想直線算出法(本実施形態では主成分分析)を用いて算出される。具体的には、画像処理装置30は、ばら撒き仮想点群mmに対して主成分分析を適用して固有値が最大となる固有ベクトル(第1主成分の固有ベクトル)を算出し、その固有ベクトルを直線状に延ばして仮想直線mLを算出している。図19には、ばら撒き仮想点群mmの重心位置G(u1,v1)を示している。なお、u1及びv1はそれぞれ、仮想拡大領域EAにおけるu軸及びv軸の座標位置である。仮想拡大領域EAにおけるu軸及びv軸の各座標は、各ピクセルpx2をベースとして設定されている。そしてu軸の座標は、軸受回転軸線50Jを原点として、軸受回転軸線50Jに対して図19の右側が正、左側が負、に設定されている。画像処理装置30は、仮想直線mLと重心位置G(u1,v1)とを算出した後、ステップS060に進む。
ステップS060にて画像処理装置30は、仮想直線mLと重心位置G(u1,v1)とに基づいて、測定傾斜角度θMところ位置Pとを算出する。測定傾斜角度θMは、軸受回転軸線50Jに対する、ころ90Aの自転軸線90J(反射光撮像ピクセル領域RPXA)(図12参照)の実際の傾斜角度である。画像処理装置30は、図19に示す仮想直線mLをころ90Aの自転軸線90J(反射光撮像ピクセル領域RPXA)とみなして、軸受回転軸線50Jに対する仮想直線mLの傾斜角度を測定傾斜角度θMとして算出する。ころ位置Pは、軸受回転軸線50Jに対する重心位置G(u1,v1)により算出される。本実施形態では、ころ位置Pは、重心位置G(u1,v1)のu軸成分であるu1の値に設定されている。ころ位置Pは、ころ90Aの公転位置に対応している。画像処理装置30は、測定傾斜角度θMところ位置Pとを算出した後、ステップS065に進む。
ステップS065にて画像処理装置30は、変数sにs+1を代入して(次の時刻の画像を設定して)、ステップS070に進む。
ステップS070にて画像処理装置30は、変数sがrより大きいか否かを判定し、変数sがrより大きい場合(時刻t(1)〜時刻t(r)までの処理が全て終了した場合)はステップS075に進み、変数sがr以下である場合はステップS030に戻り、次の時刻における撮像画像F[t(s)]に対して、上記の処理を繰り返す。以上の処理により、時刻t(1)から時刻t(r)における撮像画像F[t(r)]のそれぞれにて、測定傾斜角度θMところ位置Pとを求める。
ステップS075にて画像処理装置30は、時刻t(1)〜時刻t(r)までのころ90Aの測定傾斜角度θMと、ころ位置Pと、に基づいて、各ころ位置Pに対応する正規の傾斜角度θWを算出する。正規の傾斜角度θWは、軸受回転軸線50Jに対するころ90Aの自転軸線90Jの正規の傾斜角度である。正規の傾斜角度θWは、ころ90Aの公転に伴う、ころ90Aの自転軸線90Jの軸受回転軸線50Jに対する傾斜状態を反映している。公転に伴う自転軸線90Jの傾斜角度の変化については、図7にて説明したとおりである。画像処理装置30は、表示画面30aに、各時刻t(1)〜時刻t(r)におけるころ90Aの測定傾斜角度θMと、ころ位置Pと、の対応関係をプロットする。図20では、横軸にころ位置Pをとり、縦軸に測定傾斜角度θMをとった場合の、両者の対応関係をプロットした例を示している。この後、画像処理装置30は、図20に示すプロットに対して線形回帰を行い、回帰直線kを算出する。回帰直線kは、各ころ位置Pに対する正規の傾斜角度θWを示している。つまり、各ころ位置Pに対応する回帰直線kの値が、正規の傾斜角度θWである。図20では、ころ位置P1に対する正規の傾斜角度θW1が示されている。この後、画像処理装置30は、ステップS080に進む。なお、本実施形態で示す正規の傾斜角度θWは、計測されたラジアルころ軸受50に固有のものであり、計測するラジアルころ軸受50毎に異なる。
ステップS080にて画像処理装置30は、時刻t(1)〜時刻t(r)までのころ90Aのスキュー角度θSを算出する。具体的には、画像処理装置30は、時刻t(1)〜時刻t(r)における各ころ位置Pを参照して、それぞれのころ位置Pに対応する正規の傾斜角度θWを図20に示す回帰直線kから算出する。そして、画像処理装置30は、時刻t(1)〜時刻t(r)のそれぞれの測定傾斜角度θMから対応する正規の傾斜角度θWを差し引いて、時刻t(1)〜時刻t(r)のそれぞれのころ位置Pでのスキュー角度θSを算出する。図20には、ころ位置P1においてスキュー角度θS1を算出した例が示されている。スキュー角度θS1は、ころ位置P1における測定傾斜角度θM1と正規の傾斜角度θW1との差異であるΔθに対応している。画像処理装置30は、時刻t(1)〜時刻t(r)のそれぞれのスキュー角度θSを算出すると、時刻t(1)〜時刻t(r)のそれぞれのスキュー角度θSと、ころ位置Pと、の対応関係をプロットする。図21は、横軸にころ位置Pをとり、縦軸にスキュー角度θSをとった場合の、両者の対応関係をプロットした例を示している。
画像処理装置30は、ステップS080の後、処理を終了する。なお、図10に示すスキュー角度算出ステップZ5dは、ステップS040〜S060及び、ステップS075〜ステップS080の各ステップを含んでいる。
上述の構成においては、ころ90Aの転動面92からの反射光Wb(図4,5参照)であって外輪70を透過してきた反射光Wbを、ミラーを用いることなく直接撮像して測定傾斜角度θMを求めることで、測定傾斜角度θMの算出精度が向上する。したがって、スキュー角度θSの算出精度が向上する。
上述の構成においては、ころ90Aの転動面92からの反射光Wb(図4,5参照)に基づいて測定傾斜角度θM(図19参照)を求めるため、測定傾斜角度θMの測定精度が向上する。したがって、スキュー角度θSの算出精度が向上する。
上述の構成においては、各時刻t(s)の撮像画像F[t(s)]のそれぞれにてころ位置P(図19参照)を算出した上で、それぞれのころ位置Pでの測定傾斜角度θMと正規の傾斜角度θWとに基づいてスキュー角度θS(図6参照)を求めるため、各ころ位置Pに応じたスキュー角度θSを算出できる。したがって、公転中の特定のころ90Aを連続的に撮像して当該特定のころ90Aのスキュー角度θSを経時的に求めることができる。
上述の構成においては、外輪70における撮像装置20に対向する部位である対向面74(図1,4,5参照)が、撮像光軸20Jに対して直交する平面状に形成されている。そのため、撮像装置20は、ころ90Aの転動面92からの反射光Wbを当該反射光Wbの歪みやぼやけを抑えて撮像できる。したがって、測定傾斜角度θM(図19参照)の算出精度が向上し、スキュー角度θSの算出精度が向上する。
上述の構成においては、撮像光軸20Jが軸受回転軸線50Jと直交している(図4,5参照)ことから、撮像装置20は、ころ90Aの転動面92からの反射光Wbの軸受回転軸線50Jに対する傾きを適切に捉えることができる。したがって、測定傾斜角度θM(図19参照)の算出精度が向上し、スキュー角度θSの算出精度が向上する。
上述の構成においては、各反射光仮想ピクセル集合体RB(図19参照)のそれぞれに対応させて複数の仮想点mをばら撒く。それらの仮想点mの分布に基づいてころ90Aの自転軸線90Jに対応する仮想直線mLを算出する。これにより、例えば反射光仮想ピクセル集合体RBの分布そのものに基づいて上述の仮想直線を算出する場合に比べて、仮想直線mLを算出するための標本数が増幅されている。したがって、仮想直線mLの位置の信頼性が高まり、測定傾斜角度θMの算出精度が向上する。この結果、スキュー角度θSの算出精度が向上する。
以上は、本発明を実施するための形態を図面に関連して説明したが、本発明は上述の実施形態にて説明した構造、構成、外観、形状等に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、撮像光軸20Jは、軸受回転軸線50Jと交差していればよく、軸受回転軸線50Jと直交していなくてもよい。撮像装置20に照明機能を持たせて、撮像光軸20Jと照明光軸10Jとを同軸としてもよい。仮想点mの分布密度を決定する分布関数は、正規分布に限定されるものではなく、自由に設定変更可能である。仮想直線mLを算出するための仮想直線算出法は、主成分分析に限定されるものではなく、自由に設定変更可能である。正規の傾斜角度θWの算出方法は、上述した回帰直線kに基づく方法に限定されるものではなく、自由に設定変更可能である。回帰直線に代えて回帰曲線を用いて正規の傾斜角度θWを算出してもよい。正規の傾斜角度θWは、例えば、ラジアルころ軸受の設計上から求められる理論的値でもよく、計測するラジアルころ軸受毎に変化しない普遍的な理論値でもよい。反射光撮像領域RAは、軸受回転軸線50Jを含まなくてもよい。ラジアルころ軸受は、円錐ころを有するものに限定されるものではなく、例えば円柱ころや針状ころを有するものでもよい。

1 ラジアルころ軸受のスキュー角度計測装置
10 照明装置
10J 照明光軸
20 撮像装置
20J 撮像光軸
30 画像処理装置
50 ラジアルころ軸受
50J 軸受回転軸線
60 内輪
62 内輪軌道面
70 外輪
72 外輪軌道面
74 対向面
80 保持器
90,90A ころ
90J 自転軸線
92 転動面
B 仮想ピクセル集合体
EA 仮想拡大領域
F,F2,F3,F[t(s)],F[t(1)] 撮像画像
m 仮想点
mg,mg1,mg2 仮想点群
mL 仮想直線
NPX 反射光非撮像ピクセル
P ころ位置
RA 反射光撮像領域
RPX 反射光撮像ピクセル
RPXA 反射光撮像ピクセル領域
Wa 平行照明光
Wb 反射光
Z1 撮像装置配置ステップ
Z2 照明装置配置ステップ
Z3 軸受回転ステップ
Z4 照明光照射ステップ
Z5a 撮像ステップ
Z5b 撮像画像転送ステップ
Z5c 反射光抽出ステップ
Z5d スキュー角度算出ステップ
θM 測定傾斜角度
θS スキュー角度
θW 正規の傾斜角度

Claims (5)

  1. 内輪軌道面が形成された円環状の内輪と、
    外輪軌道面が形成されて前記内輪と同軸に配置された外輪と、
    前記内輪軌道面と前記外輪軌道面との間に形成される環状空間において保持器とともに配設されて自転しながら公転する複数のころと、を有するラジアルころ軸受において、前記ラジアルころ軸受の回転軸線である軸受回転軸線に対する前記ころの自転軸線の正規の傾斜状態からの傾斜のズレであるスキュー角度を測定する、ラジアルころ軸受のスキュー角度測定方法であって、
    光を透過する部材で形成された前記外輪と、
    照明光軸に平行な照明光である平行照明光を照射する照明装置と、
    前記平行照明光の反射光であって撮像光軸と平行な前記反射光のみを取り込むレンズを有する撮像装置と、
    前記撮像装置が撮像した撮像画像を処理する画像処理装置と、
    前記撮像光軸が前記軸受回転軸線と交差するように前記外輪の径方向外方に配置されているとともに、前記外輪を透過して前記ころの転動面が撮像可能となるように配置された、前記撮像装置と、
    互いに交差する前記撮像光軸と前記軸受回転軸線とを含む仮想平面と前記照明光軸とが平行となるように配置されているとともに前記撮像装置に対向する位置の前記ころにおける前記撮像装置の側の転動面に、前記外輪を透過した前記平行照明光が照射されるように配置された、前記照明装置と、を用いて、
    前記外輪を固定した状態で前記内輪を前記軸受回転軸線回りに回転させて複数の前記ころを、自転軸線回りに自転させながら、前記軸受回転軸線回りに公転させる、軸受回転ステップと、
    前記照明装置から前記平行照明光を照射する、照明光照射ステップと、
    前記撮像装置にて、当該撮像装置に対向している位置にある前記ころを、当該ころの転動面における前記平行照明光の前記反射光であって前記外輪を透過してきた前記反射光とともに撮像して撮像画像を取得する、撮像ステップと、
    前記撮像画像を前記撮像装置から前記画像処理装置に転送する、撮像画像転送ステップと、
    前記画像処理装置にて、転送された前記撮像画像中の前記ころの転動面に線状となって撮像されている前記反射光を抽出する、反射光抽出ステップと、
    前記画像処理装置にて、抽出した前記反射光の位置と前記軸受回転軸線の位置との距離に基づいたころ位置と、前記軸受回転軸線に対する前記反射光の傾斜角度である測定傾斜角度と、前記ころ位置に対する正規の傾斜角度と、に基づいて、前記スキュー角度を求める、スキュー角度算出ステップと、を有する、
    ラジアルころ軸受のスキュー角度測定方法。
  2. 請求項1に記載のラジアルころ軸受のスキュー角度測定方法であって、
    前記外輪における前記撮像装置に対
    向する部位を、前記撮像光軸に対して直交する平面状に形成する、
    ラジアルころ軸受のスキュー角度測定方法。
  3. 請求項1または2に記載のラジアルころ軸受のスキュー角度測定方法であって、
    さらに、前記撮像光軸が前記軸受回転軸線と直交するように前記撮像装置を配置する、撮像装置配置ステップを有する、
    ラジアルころ軸受のスキュー角度測定方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のラジアルころ軸受のスキュー角度測定方法であって、
    前記撮像画像中のピクセルである実ピクセルには、前記反射光が撮像された反射光撮像ピクセルと、前記反射光が撮像されていない反射光非撮像ピクセルと、が有り、
    前記スキュー角度算出ステップにおいて、
    前記撮像画像中から、全ての前記反射光撮像ピクセルを含む反射光撮像領域を抽出し、
    前記反射光撮像領域を予め設定した倍率で拡大した仮想拡大領域を用意し、
    前記仮想拡大領域にて、前記反射光撮像領域内の各実ピクセルを、複数のピクセルにて構成された仮想ピクセル集合体に置き換え、
    それぞれの前記反射光撮像ピクセルに対して、当該反射光撮像ピクセルにて検出された輝度値に応じた数の仮想点を有する仮想点群を、それぞれ用意し、
    用意したそれぞれの前記仮想点群を、前記仮想拡大領域内でバラ撒き、バラ撒きの際は、それぞれの前記仮想点群の各仮想点を、当該仮想点群に対応する前記反射光撮像ピクセルを置き換えた前記仮想ピクセル集合体の中心から予め設定した広がり幅を有する予め設定した分布関数に基づいた分布密度となるように、前記仮想ピクセル集合体の中心から放射状にバラ撒き、
    全ての前記反射光撮像ピクセルに対応する前記仮想点群を、前記仮想拡大領域内にバラ撒いた後、バラ撒かれた複数の前記仮想点に基づいた仮想直線を求め、求めた前記仮想直線を、前記反射光が抽出された前記ころの自転軸とみなし、前記軸受回転軸線に対する前記仮想直線の傾斜角度を、前記測定傾斜角度として求め、
    特定の前記ころに関して、それぞれの前記ころ位置における前記測定傾斜角度を求めた後、それぞれの前記ころ位置と、それぞれの前記ころ位置に対応する前記測定傾斜角度と、に基づいた回帰線を求め、それぞれの前記ころ位置に対する前記回帰線の値を、それぞれの前記ころ位置における前記正規の傾斜角度とみなし、
    それぞれの前記ころ位置に対して、前記正規の傾斜角度と前記測定傾斜角度との差を前記スキュー角度とする、
    ラジアルころ軸受のスキュー角度測定方法。
  5. 内輪軌道面が形成された円環状の内輪と、
    外輪軌道面が形成されて前記内輪と同軸に配置された外輪と、
    前記内輪軌道面と前記外輪軌道面との間に形成される環状空間において保持器とともに配設されて自転しながら公転する複数のころと、を有するラジアルころ軸受において、前記ラジアルころ軸受の回転軸線である軸受回転軸線に対する前記ころの自転軸線の正規の傾斜状態からの傾斜のズレであるスキュー角度を測定する、ラジアルころ軸受のスキュー角度測定装置であって、
    照明光軸に平行な照明光である平行照明光を照射する照明装置と、
    前記平行照明光の反射光であって撮像光軸と平行な前記反射光のみを取り込むレンズを有する撮像装置と、
    前記撮像装置が撮像した撮像画像であって前記撮像装置から転送された前記撮像画像中の前記ころの転動面に線状となって撮像されている前記反射光を抽出し、かつ、抽出した前記反射光の位置と前記軸受回転軸線の位置との距離に基づいたころ位置と、前記軸受回転軸線に対する前記反射光の傾斜角度である測定傾斜角度と、前記ころ位置に対する正規の理想傾斜角度と、に基づいて、前記スキュー角度を求める、画像処理装置と、を有する、ラジアルころ軸受のスキュー角度測定装置。
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